JP2012028109A - コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、磁石を用いて、嵌合・離脱が容易にでき、ケーブルが引っ張られた際に容易に離脱し、指でコンタクトに触れられない安全な構造で、ワイピング機能を有し、かつ、充分な電流を流すことができるコネクタを提供する。
【解決手段】相手コネクタ60と接触する接触部20と基板50若しくはケーブル90に接続する接続部24を有する複数のコンタクト14と、コンタクト14が配列・保持されるとともに相手コネクタ60と嵌合する嵌合口18若しくは嵌合部70を有するハウジング12とを備えるコネクタ10において、コンタクト14の接触部20と接続部24の間に弾性部26及び固定部22を設け、コンタクト14は接触部20と弾性部26と固定部22と接続部24の順に配置され、コネクタ若しくは相手コネクタには、所定の位置に少なくとも1つの磁石16を配置することを特徴とするコネクタ10によって達成できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、パソコンやプリンタやオーディオ機器等の電気機器や電子機器に使用されるコネクタに関するもので、特に、簡単な構造で、嵌合・離脱が容易にでき、ケーブルが引っ張られた際に容易に離脱し、指でコンタクトに触れられない安全な構造に関するものである。
一般的に、コネクタは、少なくとも、相手コネクタと接触する接触部と基板若しくはケーブルに接続する接続部を有する複数のコンタクトと該コンタクトが保持・配列されるとともに相手コネクタと嵌合する嵌合口若しくは嵌合部を有するハウジングを備え、相手コネクタと着脱できる構造になっている。また、別部品としてのロック部材を用いて、相手コネクタと強固な接続をしていることが多い。
下記に、磁石を保有する文献として、特許文献1(特表2009−510674)と、弾性を有するコンタクトを用いた文献として、特許文献2(特開2004−288494)を挙げる。
特表2009−510674の要約によると、接触を維持するために電磁石からの磁力に依存する電気プラグ(510)及びレセプタクル(550)が開示され、プラグ及びレセプタクルは、ラップトップコンピュータなどの電子装置(70)を電源に接続するための電源アダプタの一部として使用され、プラグは電気接点(520)を含み、電気接点はレセプタクルの対応する接点(560)に向かって付勢されるのが好ましく、プラグ及びレセプタクルは磁性要素(570、530、532)をそれぞれ有し、プラグ及びレセプタクルのうち一方にある磁性要素は磁石又は強磁性材料であってもよく、プラグ及びレセプタクルのうち他方にある磁性要素は電磁石であり、プラグ及びレセプタクルが近接する状態にされた場合、電磁石とそれと対を成す別の磁石又は強磁性材料との間の磁気吸引は接点を電気的導通関係に維持する構造のものである。 特開2004−288494の要約によると、あらゆる方向からの無理な抜き差しに対しても壊れず、確実に動作可能であり、コネクタ嵌脱時の部材の摩耗を抑え、ロックの保持力の低下を防止し、嵌脱作業の作業性の向上を図ることを目的とし、本発明は、幅方向に複数設けられた接触子10と、該接触子10が配列されていない部分に設けられ、接続相手のコネクタ12との嵌合位置に誘導するガイド部17とを備え、該ガイド部17の先端に略球状若しくは平面視略円形の多面体形状のロック部18が形成され、該ロック部18により前記接続相手のコネクタ12との嵌合状態がロックされるように構成されていることを特徴とする構造のコネクタが開示されている。
ロック部材を用いて、相手コネクタと強固な接続をしていると、ケーブルが引っ張られた際には、ケーブルが破断したり、一方のコネクタが破損したりして、接続不良に繋がってしまっていた。
そのため、ケーブルが引っ張られた際には、直ぐに離脱する構造の特許文献1のような磁石を用いたロック構造が提案された。磁石によるロックでは、安定した接続を得られ難いため、特許文献1ではコイルばねを用いて、コンタクトを常に相手側に押圧する構造にしている。このような特許文献1の構造では、コイルばねによる垂直方向の変位のためワイピング(自己異物排除機能)がなく、接続不良が発生し易いという問題点があった。
特許文献2の構造のようなコンタクトを、特許文献1に用いたとしても、前述同様にワイピング機能を持たせることは困難である。また、特許文献2のような構造のコンタクトは、弾性(ばね性)を上げるために細いばね部を長くとっているので、充分な電流を流すことが困難で、かつ、小型化にも不向きであるという問題点があった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構造で、磁石を用いて、嵌合・離脱が容易にでき、ケーブルが引っ張られた際に容易に離脱し、指でコンタクトに触れられない安全な構造で、ワイピング機能を有し、かつ、充分な電流を流すことができるコネクタを提供せんとするものである。
本目的は、請求項1記載のように、相手コネクタと着脱自在に嵌合するコネクタであって、相手コネクタと接触する接触部と基板若しくはケーブルに接続する接続部を有する複数のコンタクトと、該コンタクトが配列・保持されるとともに相手コネクタと嵌合する嵌合口若しくは嵌合部を有するハウジングとを備えるコネクタにおいて、前記コンタクトの接触部と接続部の間に弾性部及び固定部を設け、前記コンタクトは前記接触部と前記弾性部と前記固定部と前記接続部の順に配置され、前記コネクタ若しくは前記相手コネクタには、所定の位置に少なくとも1つの磁石を配置することを特徴とするコネクタにすることにより達成できる。
請求項2記載のコネクタは、相手コネクタは、前記コネクタと接触する接触部とケーブル若しくは基板に接続する接続部を有する複数の相手コンタクトと、該相手コンタクトが配列・保持されるとともにコネクタと嵌合する嵌合部若しくは嵌合口を有するブロックとを備え、前記相手コネクタ若しくは前記コネクタには、前記磁石に対応する位置に、金属板を配置することを特徴とする請求項1記載のコネクタにある。
また、請求項3記載のコネクタは、前記磁石と前記コンタクト若しくは前記相手コンタクトとの間に、シールド手段を配置することを特徴とする請求項1または2記載のコネクタにある。
さらに、請求項4記載のコネクタは、前記コンタクトの接触部側の自由端に係合部を設け、前記ハウジングに係止部を設け、前記係合部と前記係止部を係合させることにより前記コンタクトにプリテンションを与えることを特徴とする請求項1または2、3記載のコネクタにある。
さらにまた、請求項5記載のコネクタは、前記シールド手段として、前記ハウジング若しくは前記ブロックを突出させるとともに突出させた部分をメタライズすることを特徴とする請求項3記載のコネクタにある。
また、ケーブルに接続するコネクタの場合、前記金属板に代えて、シェルを流用することを特徴とする請求項2記載のコネクタにある。
以上の説明から明らかなように、本発明のコネクタ10によると、次のような優れた効果が得られる。
(1)請求項1記載のように、相手コネクタと着脱自在に嵌合するコネクタであって、相手コネクタと接触する接触部と基板若しくはケーブルに接続する接続部を有する複数のコンタクトと、該コンタクトが配列・保持されるとともに相手コネクタと嵌合する嵌合口若しくは嵌合部を有するハウジングとを備えるコネクタにおいて、前記コンタクトの接触部と接続部の間に弾性部及び固定部を設け、前記コンタクトは前記接触部と前記弾性部と前記固定部と前記接続部の順に配置され、前記コネクタ若しくは前記相手コネクタには、所定の位置に少なくとも1つの磁石を配置することを特徴とするコネクタにしているので、嵌合・離脱が容易にでき、ケーブルが引っ張られた際にも容易に離脱し、指でコンタクトに触れられない安全な構造で、ワイピング機能を有し、かつ、充分な電流を流すことができる。
(2)請求項2記載のコネクタは、相手コネクタは、前記コネクタと接触する接触部とケーブル若しくは基板に接続する接続部を有する複数の相手コンタクトと、該相手コンタクトが配列・保持されるとともにコネクタと嵌合する嵌合部若しくは嵌合口を有するブロックとを備え、前記相手コネクタ若しくは前記コネクタには、前記磁石に対応する位置に、金属板を配置することを特徴とする請求項1記載のコネクタにしているので、嵌合・離脱が容易にでき、ケーブルが引っ張られた際にも容易に離脱し、指でコンタクトに触れられない安全な構造で、ワイピング機能を有し、かつ、充分な電流を流すことができる。
(3)請求項3記載のコネクタは、前記磁石と前記コンタクト若しくは前記相手コンタクトとの間に、シールド手段を配置することを特徴とする請求項1または2記載のコネクタにしているので、嵌合・離脱が容易にでき、ケーブルが引っ張られた際にも容易に離脱し、指でコンタクトに触れられない安全な構造で、ワイピング機能を有し、かつ、充分な電流を流すことができ、電気信号に影響を与えることがない。
(4)請求項4記載のコネクタは、前記コンタクトの接触部側の自由端に係合部を設け、前記ハウジングに係止部を設け、前記係合部と前記係止部を係合させることにより前記コンタクトにプリテンションを与えることを特徴とする請求項1または2、3記載のコネクタにしているので、嵌合・離脱が容易にでき、ケーブルが引っ張られた際にも容易に離脱し、指でコンタクトに触れられない安全な構造で、ワイピング機能を有し、かつ、充分な電流を流すことができる。
(5)請求項5記載のコネクタは、前記シールド手段として、前記ハウジング若しくは前記ブロックを突出させるとともに突出させた部分をメタライズすることを特徴とする請求項3記載のコネクタにしているので、嵌合・離脱が容易にでき、ケーブルが引っ張られた際にも容易に離脱し、指でコンタクトに触れられない安全な構造で、ワイピング機能を有し、かつ、充分な電流を流すことができ、電気信号に影響を与えることがない。
(6)ケーブルに接続するコネクタの場合、前記金属板に代えて、シェルを流用することを特徴とする請求項2記載のコネクタにしているので、嵌合・離脱が容易にでき、ケーブルが引っ張られた際にも容易に離脱し、指でコンタクトに触れられない安全な構造で、ワイピング機能を有し、かつ、充分な電流を流すことができる。
(A) 嵌合方向より見た本発明のコネクタの斜視図である。(B) 基板接続方向より見た本発明のコネクタの斜視図である。(C) 嵌合方向より見た相手コネクタの斜視図である。 (A) 本発明のコネクタと相手コネクタとを嵌合した状態で、コンタクト部分で断面した断面図である。(B) 本発明のコネクタをコンタクト部分で断面した断面図である。(C) 本発明のコネクタを磁石部分で断面した断面図である。(D) 相手コネクタをコンタクト部分で断面した断面図である。 (A) 嵌合方向より見たハウジングの斜視図である。(B) 基板接続方向より見たハウジングの斜視図である。 コンタクトの斜視図である。 嵌合方向より見た相手コネクタのブロックの斜視図である。 相手コンタクトの斜視図である。 (A) 嵌合方向より見た相手コネクタのシェルの斜視図である。(B) ケーブル接続方向より見た相手コネクタのシェルの斜視図である。 (A) 嵌合方向より見た本発明の別のコネクタの斜視図である。(B) 嵌合方向より見た別の相手コネクタの斜視図である。 (A) 嵌合方向より見た別のハウジングの斜視図である。(B) ケーブル接続方向より見た別のハウジングの斜視図である。 別のコンタクトの斜視図である。 (A) 嵌合方向より見た別の相手コネクタのブロックの斜視図である。(B) 基板接続方向より見た別の相手コネクタのブロックの斜視図である。 別の相手コンタクトの斜視図である。 コンタクトと磁石との間に、シールド手段としてのメタライズをした場合の断面図である。
本発明の特徴は、相手コネクタ60と着脱自在に嵌合するコネクタ10であって、相手コネクタ60と接触する接触部20と基板50若しくはケーブル90に接続する接続部24を有する複数のコンタクト14と、該コンタクト14が配列・保持されるとともに相手コネクタ60と嵌合する嵌合口18若しくは嵌合部70を有するハウジング12とを備えるコネクタ10において、前記コンタクト14の接触部20と接続部24の間に弾性部26及び固定部22を設け、前記コンタクト14は前記接触部20と前記弾性部26と前記固定部22と前記接続部24の順に配置され、前記コネクタ若しくは前記相手コネクタには、所定の位置に少なくとも1つの磁石16を配置することを特徴とするコネクタ10である。
つまり、2つのコネクタ同士(前記コネクタ10と前記相手コネクタ60)の嵌合・離脱が容易にできるように磁石16を用い、コンタクト14に弾性部26を設けて、ワイピング機能を有し、かつ、充分な電流を流すことができるようにしたものである。
図1(A)は嵌合方向より見た本発明のコネクタの斜視図であり、(B)は基板接続方向より見た本発明のコネクタの斜視図であり、(C)は嵌合方向より見た相手コネクタの斜視図である。図2(A)は本発明のコネクタと相手コネクタとを嵌合した状態で、コンタクト部分で断面した断面図であり、(B)は本発明のコネクタをコンタクト部分で断面した断面図であり、(C)は本発明のコネクタを磁石部分で断面した断面図であり、(D)は相手コネクタをコンタクト部分で断面した断面図である。図3(A)は嵌合方向より見たハウジングの斜視図であり、(B)は基板接続方向より見たハウジングの斜視図である。図4はコンタクトの斜視図であり、図5は嵌合方向より見た相手コネクタのブロックの斜視図であり、図6は相手コンタクトの斜視図である。図7(A)は嵌合方向より見た相手コネクタのシェルの斜視図であり、(B)はケーブル接続方向より見た相手コネクタのシェルの斜視図である。図8(A)は嵌合方向より見た本発明の別のコネクタの斜視図であり、(B)は嵌合方向より見た別の相手コネクタの斜視図である。図9(A)は嵌合方向より見た別のハウジングの斜視図であり、(B)はケーブル接続方向より見た別のハウジングの斜視図である。図10は別のコンタクトの斜視図である。図11(A)は嵌合方向より見た別の相手コネクタのブロックの斜視図であり、(B)は基板接続方向より見た別の相手コネクタのブロックの斜視図である。図12は別の相手コンタクトの斜視図である。図13はコンタクトと磁石との間に、シールド手段としてのメタライズをした場合の断面図である。
コネクタ10及び相手コネクタ60を説明する前に、基板50とケーブル90について説明する。前記基板50の一方面には、少なくとも前記コンタクト14の接続部24若しくは前記相手コンタクト64の接続部78が接続される接点と該接点から延出されるパターとを備えている。前記ケーブル90は、前記コンタクト14の接続部24若しくは前記相手コンタクト64の接続部78が接続される芯線91と該芯線91を覆う絶縁体92と該絶縁体の集合体を覆う金属性の編組93と該編組93を覆う絶縁性の外皮94を有している。
本発明のコネクタ10は、少なくともコンタクト14とハウジングとを備えている。前記コネクタ10が基板50に接続する側ではさらに磁石16を備えている。前記コネクタ101がケーブル90に接続する側ではさらにシェル66とケーブルクランプ80とオーバーモールド68を備えている。まず、基板50に接続する前記コネクタ10について説明する。
図に基づいて本発明のコネクタ10の構成部品について説明する。まず、コンタクト14について説明する。前記コンタクト14は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記コンタクト14の材質としては、バネ性や導電性や寸法安定性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。本実施例では、前記コンタクト14は前記ハウジング12の挿入孔38内に圧入によって保持される。
前記コンタクト14は、所定厚さを有した帯状の金属材を湾曲成形することにより形成されたものである。前記コンタクト14は、一方側に相手コネクタ60の相手コンタクト64と接触する接触部20と他方側に基板50に接続する接続部24を有し、前記接触部20と前記接続部24との間に、前記ハウジング12に固定する固定部22と弾性変形する弾性部26を有している。前記接触部20と前記弾性部26と前記固定部22と前記接続部24は、この順に配列されている。なお、前記接触部20の先端(自由端)には、前記ハウジング12の係止部30と係合する係合部28を設けることが望ましい。係合させることで、予め、プリテンションを与え、安定した接触を得られる。
前記接続部24は、基板50に接続される部分であって、本実施例では表面実装タイプ(SMT)にしているが、基板50に接続(実装)できれば、ディップタイプであっても、基板挟み込みタイプであっても、プレスフィットであってもよい。
前記固定部22は、前記ハウジング12に固定する部分であって、本実施例では圧入による固定のため、前記固定部22には圧入ボス等の圧入代が設けられている。前記固定部22は前記ハウジング12に圧入できればよく、保持力や加工性や接続安定性等を考慮して適宜設計している。
前記接触部20は、前記相手コンタクト64に接触する部分であって、接触し易いように湾曲形状にしている。前記接触部20の形状・大きさは、前記相手コンタクト64に接触できれば如何なるものでもよいが、接触安定性やワイピング機能や小型化等を考慮して適宜設計する。
前記弾性部26は、前記接触部20にワイピング機能と安定した接触を得るように変位する部分であって、変位できるように少なくとも1回以上屈曲させている。前記弾性部26の形状・大きさは、変位ができ、前記接触部20にワイピング機能を持たせ、かつ、安定した接触が得られれば如何なるものでもよいが、接触安定性やワイピング機能や小型化等を考慮して適宜設計する。本実施例では1回屈曲させている。
次に、ハウジング12について説明する。このハウジング12は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。前記ハウジング12には、相手コネクタ60の嵌合部70が挿入される嵌合口18が設けられている。前記嵌合口18は、前記相手コネクタ60の嵌合部70の大きさに沿うようにしている。
前記ハウジング12には、前記コンタクト14が装着される挿入孔38が設けられており、圧入や引っ掛け(ランス)や溶着や一体成型等によって固定されている。本実施例では、圧入によって固定している。また、幅方向両側、かつ接続部側には、コジリ対策のためのフランジ36が設けられている。理想的には、基板50に半田付けするための固定金具を配置することが望ましい。
前記ハウジング12には、所定の位置に、前記磁石16が装着される装着孔40が設けられている。本実施例では、前記装着孔40は幅方向両側に設けており、前記装着孔40の形状・大きさは前記磁石16の形状・大きさや強度や加工性やコネクタの小型化等を考慮して適宜設計する。前記装着孔40の位置は、コネクタ同士10、60が嵌合した際に磁石16により安定した接続が得られ、かつ、ケーブル90が引っ張られた際に磁石16が直ぐに離れ、嵌合が離脱できるようなことや磁石16が前記コンタクト14に悪影響を与えないことを考慮して設計する。
前記挿入孔38は、前記コンタクト14の弾性部26が変位できる空間42を含んでいる。前記空間42の形状・大きさは、前記弾性部が変位できればよく、変位量や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
前記ハウジング12には、前記挿入孔38内に前記コンタクト14の係合部28と係合する係止部30を設けることが望ましい。前記係合部28と前記係止部30とを係合させることで、予め、前記コンタクト14にプリテンションを与えることができる。
前記磁石16は、前記装着孔40に圧入やランスによって保持されている。本実施例では、圧入によって2つの磁石16が幅方向両側に配置されている。
上述のように、磁石16を用いてることから、前記磁石16と前記コンタクト14との間には、前記磁石16の影響を小さくするため、シールド手段32を設けることが望ましい。前記シールド手段32としては、図13のように、前記磁石16と前記コンタクト14との間に突出部分34を設け、かつ、前記装着孔40と前記突出部分34との間に空間部分を設け、前記突出部分34と前記挿入孔38をメタライズ321することがある。メタライズ321に代えて、シールド性のある薄い金属板を貼付けても良い。
相手コネクタ60について説明する。
相手コネクタ60は、少なくとも、相手コンタクト64とブロック62とシェル66とオーバーモールド68とケーブルクランプ80とを備えている。
図に基づいて相手コネクタ60の構成部品について説明する。
まず、相手コンタクト64について説明する。前記相手コンタクト64は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記相手コンタクト64の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。本実施例では、前記相手コンタクト64は前記ブロック62の挿入穴82内に一体成型によって保持される。
前記相手コンタクト64は、略L字形状をしており、一方側に前記コネクタ10のコンタクト14と接触する接触部74を有し、他方側にケーブルが接続される接続部78を有している。
前記接触部74は、前記コネクタ10のコンタクト14と接触し易いように平坦な板状片にしている。平坦にすることで、湾曲した前記コンタクト14の接触部20が変位し、ワイピング可能になる。
前記接続部78は本実施例では図2(D)のように半田付けタイプにしているが、前記ケーブル90に接続できれば、圧着タイプでも圧接タイプでも溶接タイプでもよい。
次に、ブロック62について説明する。このブロック62は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。前記ブロック62は、前記シェル66と一緒に、前記コネクタ10の嵌合口18に挿入される嵌合部70が形成されている。前記嵌合部70は、前記コネクタ10の嵌合口18の大きさに沿うようにしている。
次に、シェル66ついて説明する。前記シェル66は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記シェル66の材質としては、シールド性やバネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。前記シェル66は略四角形状をしており、前記ブロック62と一緒に前記コネクタ10の嵌合口18に挿入される嵌合部70を形成している。本実施例では、前記シェル66は、一体成型のオーバーモールド68によって保持されている。
前記シェル66には、前記コネクタ10が挿入され、かつ、前記ケーブル90が接続された前記ブロック62が入る空間86が設けられている。前記空間86は、前記ブロック62の大きさや前記ケーブル90を接続するスペース等を考慮して適宜設計する。
前記シェル66には、前記コネクタ10が挿入される反対側に、前記ケーブル90を逃げる孔88が設けられている。前記孔88は前記ケーブル90を前記空間86から外側へ逃げるためのものである。前記孔88の形状・大きさは、前記ケーブル90に沿うようにし、前記オーバーモールド68を行った際に樹脂が前記空間86内に入り込まないように適宜設計している。前記オーバーモールド68の樹脂が前記空間86内に入り込まないように、前記空間86内に別の樹脂を予め注入しておくことがある。
前記シェル66の嵌合部70の先端が、前記磁石16に吸着することで嵌合している。つまり、前記シェル66が金属であることを利用して、前記磁石16と吸着させ、嵌合させることで、コネクタ10の小型化を図っている。前記シェル66を前記磁石16に吸着させる場合には、保持力等を考慮して前記シェル66の板厚を適宜設計している。
また、前記磁石16を吸着させる別の方法として、図示はしないが、前記ブロック62に、前記金属板が装着される装着穴が設けて、該装着穴に前記金属板を挿入して、吸着する方法もある。
次に、ケーブルクランプ80について説明する。前記ケーブルクランプ80は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記ケーブルクランプ80の材質としては、加工性や寸法安定性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。前記ケーブルクランプ80はケーブルを圧着し、前記ケーブルの保持力を向上するためのものであり、前記ケーブルクランプ80は略円筒形状をしている。
次に、オーバーモールド68について説明する。このオーバーモールド68は電気絶縁性のプラスチックであり、前記シェル66及び前記ケーブル90上に公知技術の射出成形等によって一体成型するものである。この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的には塩化ビニール(PVC)やポリイミド(PE)やポリアミド(PA)やポリブチレンテレフタレート(PBT)やこれらの合成材料を挙げることができる。前記シェル66及び前記ケーブル90上を一体成型することで、簡単に破損しないようにするものである。
以下、図8〜図12を基にして、別の実施例について説明する。ここでいう別の実施例とは、基板側とケーブル側におけるコンタクトと絶縁物の構造を入れ替えたものである。但し、前記磁石16については、上記と同じ側(即ち、前記磁石16を基板側に配置している。以下に、説明する部位の材質や製造方法は上述したものと同様である。
まず、ケーブル側に配置された前記コンタクト141について説明する。前記コンタクト141は一方側に相手コネクタ60の相手コンタクト64と接触する接触部20と他方側に基板50に接続する接続部24を有し、前記接触部20と前記接続部24との間に、前記ハウジング12に固定する固定部22と弾性変形する弾性部26を有している。前記接触部20と前記弾性部26と前記固定部22と前記接続部24は、この順に配列されている。なお、前記接触部20の先端(自由端)には、前記ハウジング12の係止部30と係合する係合部28を設けることが望ましい。係合させることで、予め、プリテンションを与え、安定した接触を得られる。それぞれの部分の役割や形状等は上述と同様である。前記接続部24は、上述とは違い、前記ケーブル90が半田付け等により接続される。
次に、ケーブル側に配置された前記ハウジング121について説明する。前記ハウジング121は、略箱形形状をしている。前記ハウジング121と前記シェル66によって、相手コネクタ601の嵌合口181に挿入される嵌合部701を形成している。前記嵌合部701は、前記嵌合口181に沿うように形成されている。前記ハウジング121には、上述同様に、前記コンタクト141が挿入される挿入孔38や該挿入孔38は前記コンタクト141が変位する空間42を含んでいる。それぞれの部分の役割や形状等は上述と同様である。前記ハウジング121は、前記挿入孔38内に前記コンタクト141の係合部28と係合する係止部30を設けることが望ましい。前記係合部28と前記係止部30とを係合させることで、予め、前記コンタクト14にプリテンションを与えることができる。
次に、基板側に配置された前記相手コンタクト641について説明する。前記相手コンタクト64は、略クランク形状をしており、一方側に前記コネクタ101のコンタクト141と接触する接触部74を有し、他方側に基板に接続される接続部78を有している。それぞれの部分の役割や形状等は上述と同様である。
最後に、基板側に配置された前記ブロック621について説明する。前記ブロック621には、前記嵌合部701が挿入あれる嵌合口181が設けられている。前記嵌合口181は、前記嵌合部701の大きさに沿うようにしている。前記ブロック621は、前記相手コンタクト641が挿入される挿入穴82が設けられ、圧入や引っ掛け(ランス)や溶着や一体成型等によって保持されている。それぞれの部分の役割や形状等は上述と同様である。また、前記ブロック621には、所定の位置に、磁石16が装着される装着孔40が設けられ、圧入やランスによって保持されている。前記装着孔40の形状・大きさは、前記磁石162が保持できればよく、保持力や寸法安定性や加工性等を考慮して適宜設計する。さらに、幅方向両側、かつ接続部側には、コジリ対策のためのフランジ36が設けられている。理想的には、基板50に半田付けするための固定金具を配置することが望ましい。
上述のように、磁石16を用いてることから、前記磁石16と前記コンタクト141との間には、前記磁石16の影響を小さくするため、シールド手段32を設けることが望ましい。前記シールド手段32としては、完全でないにしろ、図13のように、前記磁石16と前記コンタクト14との間に突出部分34を設け、かつ、前記装着孔40と前記突出部分34との間に空間部分を設け、前記突出部分34と前記挿入孔38をメタライズ321することがある。メタライズ321に代えて、シールド性のある薄い金属板を貼付けても良い。
前記シェル66の嵌合部70の先端が、前記磁石16に吸着することで嵌合している。つまり、前記シェル66が金属であることを利用して、前記磁石16と吸着させ、嵌合させることで、コネクタ10の小型化を図っている。前記シェル66を前記磁石16に吸着させる場合には、保持力等を考慮して前記シェル66の板厚を適宜設計している。
本発明は、パソコンやプリンタやオーディオ機器等の電気機器や電子機器に使用されるコネクタ10に活用され、特に、簡単な構造で、嵌合・離脱が容易にでき、ケーブルが引っ張られた際に容易に離脱し、指でコンタクトに触れられない安全な構造に関するものである。
10、101 コネクタ
12、121 ハウジング
14、141 コンタクト
16 磁石
18 嵌合口
20 接触部
22 固定部
24 接続部
26 弾性部
28 係合部
30 係止部
32 シールド手段
321 メタライズ
34 突出部分
36 フランジ
38 挿入孔
40 装着孔
42 空間
50 基板
60、601 相手コネクタ
62、621 ブロック
64、641 相手コンタクト
66 シェル
68 オーバーモールド
70 嵌合部
74 接触部
76 固定部
78 接続部
80 ケーブルクランプ
82 挿入穴
86 空間
88 孔
90 ケーブル
91 芯線
92 絶縁体
93 編組
94 外被

Claims (6)

  1. 相手コネクタと着脱自在に嵌合するコネクタであって、
    相手コネクタと接触する接触部と基板若しくはケーブルに接続する接続部を有する複数のコンタクトと、該コンタクトが配列・保持されるとともに相手コネクタと嵌合する嵌合口若しくは嵌合部を有するハウジングとを備えるコネクタにおいて、
    前記コンタクトの接触部と接続部の間に弾性部及び固定部を設け、前記コンタクトは前記接触部と前記弾性部と前記固定部と前記接続部の順に配置され、
    前記コネクタ若しくは前記相手コネクタには、所定の位置に少なくとも1つの磁石を配置することを特徴とするコネクタ。
  2. 相手コネクタは、前記コネクタと接触する接触部とケーブル若しくは基板に接続する接続部を有する複数の相手コンタクトと、該相手コンタクトが配列・保持されるとともにコネクタと嵌合する嵌合部若しくは嵌合口を有するブロックとを備え、
    前記相手コネクタ若しくは前記コネクタには、前記磁石に対応する位置に、金属板を配置することを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記磁石と前記コンタクト若しくは前記相手コンタクトとの間に、シールド手段を配置することを特徴とする請求項1または2記載のコネクタ。
  4. 前記コンタクトの接触部側の自由端に係合部を設け、前記ハウジングに係止部を設け、前記係合部と前記係止部を係合させることにより前記コンタクトにプリテンションを与えることを特徴とする請求項1または2、3記載のコネクタ。
  5. 前記シールド手段として、前記ハウジング若しくは前記ブロックを突出させるとともに突出させた部分をメタライズすることを特徴とする請求項3記載のコネクタ。
  6. ケーブルに接続するコネクタの場合、前記金属板に代えて、シェルを流用することを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
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