JP2012027689A - 静電容量型タッチパネル用の入力ペン - Google Patents
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Abstract
【課題】筆感が良好で入力ミスの少ない静電容量型タッチパネル用の入力ペンを提供する。
【解決手段】略筒状のペン本体2と、ペン本体2の先端部に挿入されたペン先3と、を備えた静電容量型タッチパネル用の入力ペン1である。ペン本体2における少なくともユーザが把持する部分2gは、導電体からなっている。ペン先3は、連続気泡を有する吸水性材料、例えばセルローススポンジによって形成されている。ペン先3はペン本体2と導通している。
【選択図】図1
【解決手段】略筒状のペン本体2と、ペン本体2の先端部に挿入されたペン先3と、を備えた静電容量型タッチパネル用の入力ペン1である。ペン本体2における少なくともユーザが把持する部分2gは、導電体からなっている。ペン先3は、連続気泡を有する吸水性材料、例えばセルローススポンジによって形成されている。ペン先3はペン本体2と導通している。
【選択図】図1
Description
本発明は、静電容量型タッチパネル用の入力ペンに関する。
例えば、パソコン等の情報処理装置、携帯型ゲーム機、携帯型音楽機器等において、静電容量型のタッチパネルを備えた機器が知られている。この種の機器に対しては、例えば、入力手段としてタッチ用の入力ペンが用いられる。キーボードや押しボタン等と異なり、絵を描いたり、文字を書く場合の入力ペンには、良好な筆感が求められる。すなわち、ペン先に適度な筆圧を加えながら文字等を円滑に入力できる性質が求められる。
従来から、静電容量型タッチパネル用入力ペンのペン先には、各種の材料が用いられている。特許文献1には、入力ペンのペン先をカーボンブラックおよび熱可塑性樹脂から構成することが記載されている。特許文献2には、入力ペンのペン先を導電性ゴムから構成することが記載されている。特許文献3には、入力ペンのペン先を複数本の導電性繊維により筆形に形成することが記載されている。特許文献4には、入力ペンのペン先を、フェルト等の吸水性材料からなる芯と、その芯の周囲を覆う薄肉金属箔とにより構成することが記載されている。
しかし、カーボン粒子やカーボン繊維からなるペン先を有する入力ペンでは、タッチパネルの表面に傷が付きやすいという課題があった。また、カーボンの抵抗値が高いため、ペン先とタッチパネルとの接触面積を大きく確保しなければならない。そのため、筆圧が小さかったりペン先を素早く動かしたときなどに、接触面積が不足し、入力ミスが発生しやすかった。
ペン先が導電性ゴムから構成されている入力ペンでは、ペン先がタッチパネル上を円滑に滑りにくい。そのため、その筆感は鉛筆やボールペンなどの筆感とは大きく異なり、書き味の悪いものであった。
ペン先の芯がフェルト等の吸水性材料からなる入力ペンでは、筆圧を高めると、ペン先からタッチパネル上に水滴が滴るという課題があった。また、ペン先の保水性が低く、ペン先に含まれる水分が蒸発しやすかった。そのため、ペン先の含水率が低下しやすく、入力ミスが発生しやすいものであった。
また、最近の静電容量型タッチパネルには、複数箇所を同時にタッチすることで所定の入力が行われるいわゆるマルチタッチが可能なものが多い。しかし、タッチパネル上に水滴が滴った場合、その水滴下の位置にもタッチが行われたと誤認され、マルチタッチとして反応し、誤動作の原因にもなる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、筆感が良好で入力ミスの少ない静電容量型タッチパネル用の入力ペンを提供することにある。
本発明に係る入力ペンは、略筒状のペン本体と、前記ペン本体の先端部に挿入されたペン先と、を備えた静電容量型タッチパネル用の入力ペンであって、前記ペン本体における少なくともユーザが把持する部分は導電体からなり、前記ペン先は、連続気泡を有する吸水性材料からなり、前記導電体と導通した本体部を有しているものである。
上記入力ペンによれば、ペン先の本体部は吸水性材料からなっている。そのため、ペン先の本体部は、水分を吸収することによって導電体となる。また、ペン先の本体部は、ペン本体のユーザが把持する部分と導通している。そのため、導電体からなる当該把持部分を通じて、ユーザの体とペン先の本体部とが導通し、人体が有する静電容量を利用して、静電容量型タッチパネルに入力を行うことができる。ここで、ペン先の本体部を構成する吸水性材料は、連続気泡を有している。連続気泡は、単なる多孔質体と異なり、気泡同士が微小な孔を通じて連続しているものであり、その内部に水分を保持しやすい性質を有している。また、気泡が連続しているので、その内部に水分を保持することによって、良好な導電経路を形成する。この連続気泡中に水分を保持することにより、ペン先の本体部の導電性が高く保たれる。したがって、筆圧が比較的小さくても(言い換えると、タッチパネルとの接触面積が比較的小さくても)、入力ミスは生じにくくなる。また、水分は連続気泡内から流出しにくいので、筆圧が比較的大きくても、ペン先からタッチパネル上に水滴が滴るおそれが少ない。また、水分が蒸発しにくいので、ペン先の含水率は低下しにくい。したがって、含水率の低下による入力ミスも生じにくい。
前記吸水性材料は親水基を有する材料であることが好ましい。例えば、前記吸水性材料はセルローススポンジであってもよい。
このことにより、水分は吸水性材料の連続気泡内に更に保持されやすくなる。そのため、ペン先の本体部の導電性が高まり、入力ミスはより一層生じにくくなる。また、ペン先から水滴が滴るおそれは更に少なくなる。また、水分は更に蒸発しにくくなるので、含水率の低下による入力ミスがより一層生じにくくなる。
前記ペン先は、少なくとも前記本体部に巻回され、前記吸水性材料よりも硬い材料からなる補強材を有していてもよい。
このように補強材を設けることとすれば、ペン先を吸水性材料のみで構成する場合に比べて、ペン先を硬くすることができる。したがって、筆感を更に向上させることができる。
前記入力ペンは、前記ペン本体の先端部に嵌め込まれ、前記ペン先の突出量が調整自在なように前記ペン先を保持する略筒状のペン先カバーを備えていてもよい。
このことにより、ペン先の突出量を自在に調整することができる。そのため、ペン先とタッチパネルとの接触面積を適宜に調整することができる。例えば、反応が敏感なタッチパネルに対してはペン先の突出量を少なくし、反応が鈍感なタッチパネルに対してはペン先の突出量を多くする等、タッチパネルの状態に応じて、入力ペンの状態を適宜に調整することが可能となる。
前記ペン先は切断可能に構成されていてもよい。
このことにより、ペン先の先端部が劣化した場合、ユーザはハサミやカッター等を用いてペン先の先端部を切断することによって、ペン先の先端部を未使用の状態に復帰させることができる。したがって、同一の入力ペンを長期間に亘って利用することが可能となる。
前記吸水性材料の含水率は22%〜55%であることが好ましい。
このことにより、ペン先からタッチパネルの表面に水滴が滴ることを防止しつつ、良好なタッチ反応を得ることができる。
本発明によれば、筆感が良好で入力ミスの少ない静電容量型タッチパネル用の入力ペンを提供することが可能となる。
図1に示すように、実施形態に係る入力ペン1は、略筒状のペン本体2と、ペン本体2の先端部に挿入されたペン先3とを備えている。
本実施形態では、ペン本体2は円筒状に形成されている。ただし、ペン本体2の形状は円筒状に限られない。ペン本体2は、例えば、断面が六角形状等の角筒状であってもよい。ペン本体2の断面形状は、長手方向に沿って一定の形状であってもよいが、異なっていてもよい。ペン本体2は、金属等の導電体からなっている。ペン本体2は、例えばアルミニウム製であってもよく、また、樹脂材料にメッキが施されたものであってもよい。ただし、少なくともユーザが把持する部分(以下、把持部分という)2gが導電体であれば足り、必ずしもペン本体2の全体が導電体でなくてもよい。ペン本体2は、単一部材からなっていてもよく、複数の部材を組み合わせたものであってもよい。
ペン先3は、ペン本体2の内径と略等しい外径を有する円柱状に形成されている。ただし、ペン先3の形状は特に限定されず、例えばペン本体2の形状に応じて適宜変更することができる。ペン先3は、連続気泡を有する吸水性材料からなっている。この吸水性材料は、柔軟性を有する材料でもある。本実施形態では、吸水性材料は親水基(OH基)を有する材料であり、特に、セルローススポンジである。単なる多孔質材料や吸水性材料では、多数の孔が集まっているだけであるのに対し、連続気泡を有する吸水性材料では、気泡同士が微小な孔を通じて連続している。そのため、単なる多孔質材料等では、水分を保持することはできるが、その水分は外部に出て行きやすい。これに対し、連続気泡を有する吸水性材料では、内部に保持した水分は外部に出て行きにくい。気泡の内部に保持された水分は連続し、吸水性材料内において導電経路を形成する。入力ペン1では、ペン先3が連続気泡を有する吸水性材料からなっていることにより、ペン先3はあたかも一塊の導電体であるかのような性質を示す。ペン先3は、導電体からなるペン本体2と接触している。そのため、ユーザがペン本体2を把持すると、ユーザの体とペン先3とがペン本体2を介して導通される。これにより、人体が有する大きな静電容量を利用して、入力を行うことができる。
ペン本体2の先端部には、ペン先カバー10が嵌め込まれている。ペン先カバー10は、先細り状の略円筒形状に形成されている。ペン先カバー10の根元側はペン本体2の先端部の外周部に嵌め込まれ、ペン先カバー10の先端側はペン先3の外周部に嵌め込まれている。ペン先カバー10は、摩擦力によってペン先3を保持している。ペン先3はペン先カバー10に対して摺動自在である。そのため、ペン先3の突出量は調整自在となっている。ペン先3の突出量を調整することにより、ペン先3とタッチパネルとの接触面積を適宜に調整することができる。例えば、反応が敏感なタッチパネルに対してはペン先3の突出量を少なくし、反応が鈍感なタッチパネルに対してはペン先3の突出量を多くする等、タッチパネルの状態に応じて、入力ペン1の状態を適宜に調整することが可能となる。
図3は、ペン先3およびペン先カバー10の側面図である。通常、図3に示すように、ペン先3はその先端部分がペン先カバー10から若干突出するような位置に配置される。ペン先カバー10の材料は特に限定されないが、ペン本体2よりも軟らかい材料が好ましい。本実施形態では、ペン先カバー10は塩化ビニル等の合成樹脂からなっている。これにより、ユーザが入力ペン1を傾けすぎても、ペン本体2がタッチパネルと接触することが防止され、タッチパネルの表面に傷がついてしまうことを回避することができる。
本実施形態に係る入力ペン1は、ペン先3をペン本体2から押し出すための機構が設けられている。次に、その押し出し機構について説明する。図1に示すように、ペン本体2の根元側には、有底円筒状のホルダー5が嵌め込まれている。ホルダー5には貫通孔5aが形成されている。この貫通孔5aには、略筒状のねじホルダー6が貫通している。ねじホルダー6は貫通孔5a内で回転自在となっている。ねじホルダー6の根元側には、回転つまみ4が嵌め込まれている。回転つまみ4とねじホルダー6とは、相対回転不能に結合されている。例えば、ねじホルダー6の根元側の外周面が六角形状に形成され、回転つまみ4の嵌合孔4aの内周面が、ねじホルダー6の外周面の六角形状と同一の六角形状に形成されていてもよい。また、回転つまみ4とねじホルダー6とが接着されていてもよい。
ねじホルダー6には、ねじ7が挿入されている。ねじ7はねじホルダー6に固定されており、ねじホルダー6と一体となって回転するようになっている。ねじ7の先端部は、ナット8にねじ込まれている。ナット8は、ペン本体2の内部に固定されている。したがって、ねじ7は、回転すると軸方向に移動するようになっている。ねじ7とペン先3との間には、円柱状のピン9が配置されている。ユーザが回転つまみ4を回転させると、回転つまみ4とねじホルダー6とねじ7とが一体となって回転し、それらは軸方向に移動する。その結果、ねじ7がピン9を先端側に押し出し、ペン先3はピン9によって押し出されることになる。
入力ペン1は、ペン先3を覆うキャップ11を備えている。キャップ11は、湿気を通さない材料又は湿気を通しにくい材料からなっていることが好ましい。キャップ11は、例えば、塩化ビニル等の合成樹脂からなっていてもよく、アルミニウム等の金属からなっていてもよい。
前述したように、ペン先3には水分が保持され、これによってペン先3は導電体として作用する。ペン先3に水分を吸収させる方法として、例えば以下の方法を用いることができる。すなわち、まず、回転つまみ4を回すことにより、ペン先3を押し出す。次に、ペン先3をペン本体2から取り外し、ペン先3に水を吸収させる。例えば、ペン先3に水をかけてもよく、ペン先3の一部を水に漬けてもよい。なお、ペン先3が吸収した水分の量が多いときには、ペン先3を絞り、余分な水分を除去すればよい。このようにして水分を吸収したペン先3を、ペン本体2に挿入する。これにより、入力ペン1の使用が可能となる。
なお、上記方法は一例に過ぎず、他の方法を用いてペン先3に水分を吸収させることも可能である。例えば、ペン先3をペン本体2に取り付けた状態のまま、ペン先3に水をかけることも可能である。
連続気泡を有する吸水性材料からなるペン先3では、水分は蒸発しにくい。そのため、いったん水分を吸収させたペン先3は、比較的長期間にわたって使用することができる。ただし、ペン先3の含水率が低下すると、入力ミスが生じやすくなる。そこで、定期的あるいはペン先3の含水率が低下したときには、ペン先3に再び水を吸収させることが好ましい。
ペン先3の先端部はタッチパネルと擦れ合うので、入力ペン1の使用に伴って、ペン先3の先端部は劣化する。長期間の使用によってペン先3の先端部が劣化した場合には、以下のようにしてペン先3を更新することができる。すなわち、まず、回転つまみ4を回すことにより、ペン先3を押し出す。次に、ペン先3の劣化部分をハサミ等で切断する。これにより、未だ使用されていない部分がペン先3の先端部となり、ペン先3を更新することができる。なお、本実施形態では、ペン先3だけでなく、ペン先カバー10も切断容易な材料で形成されている。ペン先カバー10も、ユーザがハサミやカッター等を用いることによって人力で切断可能である。そのため、ペン先カバー10及びペン先3の両方を一緒に切断し、その後にペン先3を若干押し出すことによっても、ペン先3を更新することが可能である。なお、ペン先3は交換可能である。そのため、古いペン先3を新品のペン先3に交換することによっても、ペン先3を更新することができる。
なお、ペン先3の先端は曲面状であってもよいが、平面状であってもよい。ペン先3は柔軟性を有しているので、その先端が平面状であっても、筆圧を加えることによって容易に変形する。したがって、ペン先3とタッチパネルとの接触面積を十分に確保することができる。
前記実施形態では、ペン先3はセルローススポンジのみで形成されていた。言い換えると、ペン先3は、連続気泡を有する吸水性材料からなる本体部のみで構成されていた。しかし、ペン先3は、連続気泡を有する吸水性材料からなる本体部と、本体部を補強する補強材とを備えていてもよい。これにより、ペン先3を適度に硬くすることができ、筆感を向上させることができる。
例えば、図3に示すように、ペン先3は、同心円状に配置された複数のセルローススポンジ層3aと、同心円状に配置された円筒状の複数の補強材3bとを備えていてもよい。補強材3bは、セルローススポンジ層3aよりも硬い材料で形成されており、例えば、紙等の繊維材料等を用いることができる。ただし、補強材3bは、タッチパネルを傷めないものであればよく、その材料は特に限定される訳ではない。図示は省略するが、シート状のセルローススポンジとシート状の補強材とを重ね合わせ、それらを巻回することによって、多層構造のペン先を形成することも可能である。この場合、セルローススポンジ層および補強材は、螺旋状に形成されることになる。
また、図4に示すように、ペン先3を角柱状に形成してもよい。図4に示す例では、ペン先3は、断面矩形状の複数のセルローススポンジ層3aと、各セルローススポンジ層3aの周囲を囲む補強材3bとを備えている。本例においても、補強材3bとして、セルローススポンジ層3aよりも硬い各種の材料を用いることができる。
本発明は、前記実施形態の入力ペン1に限らず、他に種々の形態で実施することができる。図5に示すように、ペン本体2の内部に、ペン先3に水分を補給する給水部を設けてもよい。図5に示す入力ペン20は、導電体からなるペン本体2と、ペン本体2の先端部に嵌め込まれたペン先カバー21と、ペン先カバー21に挿入されたペン先3と、ペン本体2の内部に収容されたスポンジ22と、ペン本体2の根元側を塞ぐキャップ23とを備えている。スポンジ22には、水分が吸収されている。ペン先3はスポンジ22と接触しており、スポンジ22からペン先3に水分が補給されるようになっている。スポンジ22の種類は特に限定されず、ペン先3と同じ種類のスポンジ(セルローススポンジ)であってもよく、他の種類のスポンジであってもよい。スポンジ22の周囲は密封されているので、スポンジ22として、水分が蒸発しやすい種類の材料を用いることも可能である。スポンジ22として、例えばウレタンスポンジ等を用いることができる。スポンジ22は、ペン先3に水分を補給する給水部を構成している。なお、ペン先3に水分が補給できる限り、スポンジ22の代わりに他の材料を用いることも可能である。
前記実施形態では、ペン先3(厳密にはペン先3の本体部)の材料はセルロースであった。しかし、ペン先3の材料は、連続気泡を有し且つ親水基を有する他の吸水性材料であってもよい。例えば、ペン先3は、連続気泡を有するポリビニルアルコール(PVA)製のスポンジやウレタンスポンジ等によって形成されていてもよい。
ところで、ペン先3の含水率が高すぎると、入力時にタッチパネル上に水滴が残るおそれがある。一方、ペン先3の含水率が低すぎると、ペン先3の導電体としての機能が低下し、入力ミスが生じやすくなる。そこで本願発明者は、ペン先3の含水率とタッチパネル上の残留水滴との関係、並びにペン先3の含水率とタッチ反応との関係を調べる実験を行った。実験には、長さ50mm、直径7mmの3層構造のペン先3(図3参照)を用いた。セルローススポンジ層3aには、東レ・ファインケミカル株式会社製のセルローススポンジを使用した。実験は、温度28℃、相対湿度65%の室内環境下で行った。実験結果を表1に示す。
表1における「ペン先乾燥重量」は、水分を含ませていない初期状態のペン先3の重量である。なお、ペン先3は吸水性材料で形成されているので、空気中から水分を吸収することができ、初期状態であってもある程度の水分を含んでいると思われる。「ペン先含水重量」は、初期状態から水分を含ませた後のペン先3の重量である。「含水率」は、初期状態から含有させた水分の重量%を表している。すなわち、含水率=(ペン先含水重量−ペン先乾燥重量)/(ペン先含水重量)×100である。
表1に記載されているように、含水率が約55%よりも高い場合には、ペン先3でタッチパネルをタッチした後、タッチパネル上に目視観察できる程度の大きさの水滴が残ることが分かった。なお、その水滴は、所定の時間(表1では「乾燥時間」と表記)が経過すると蒸発する。表1から、含水率が高くなるほど、乾燥時間は長くなることが分かる。
含水率が約5%未満の場合には、ペン先3でタッチパネルをタッチしても、反応が見られなかった。含水率が約22%未満の場合には、ペン先3の一部(片方)では良好な反応が見られたものの、ペン先3の他の部分では良好な反応が見られなかった。そのため、含水率が5%以上であれば使用可能な状態となり、含水率が22%以上の場合には、良好に使用可能な状態となることが分かった。
上記実験から、含水率は5%以上且つ55%以下が好ましく、22%以上且つ55%以下がより好ましいことが分かった。これにより、タッチパネルの表面に水滴を残すことなく、良好なタッチ反応を実現できることが分かった。
1,20 入力ペン
2 ペン本体
3 ペン先
3a セルローススポンジ層(本体部)
3b 補強材
4 回転つまみ
5 ホルダー
6 ねじホルダー
7 ねじ
8 ナット
9 ピン
10,21 ペン先カバー
11 キャップ
2 ペン本体
3 ペン先
3a セルローススポンジ層(本体部)
3b 補強材
4 回転つまみ
5 ホルダー
6 ねじホルダー
7 ねじ
8 ナット
9 ピン
10,21 ペン先カバー
11 キャップ
Claims (7)
- 略筒状のペン本体と、前記ペン本体の先端部に挿入されたペン先と、を備えた静電容量型タッチパネル用の入力ペンであって、
前記ペン本体における少なくともユーザが把持する部分は導電体からなり、
前記ペン先は、連続気泡を有する吸水性材料からなり、前記導電体と導通した本体部を有している、静電容量型タッチパネル用の入力ペン。 - 前記吸水性材料は親水基を有する材料である、請求項1に記載の静電容量型タッチパネル用の入力ペン。
- 前記吸水性材料はセルローススポンジである、請求項2に記載の静電容量型タッチパネル用の入力ペン。
- 前記ペン先は、少なくとも前記本体部に巻回され、前記吸水性材料よりも硬い材料からなる補強材を有している、請求項1〜3のいずれか一つに記載の静電容量型タッチパネル用の入力ペン。
- 前記ペン本体の先端部に嵌め込まれ、前記ペン先の突出量が調整自在なように前記ペン先を保持する略筒状のペン先カバーを備えている、請求項1〜4のいずれか一つに記載の静電容量型タッチパネル用の入力ペン。
- 前記ペン先は切断可能に構成されている、請求項1〜5のいずれか一つに記載の静電容量型タッチパネル用の入力ペン。
- 前記吸水性材料の含水率は22%〜55%である、請求項1〜6のいずれか一つに記載の静電容量型タッチパネル用の入力ペン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010165666A JP2012027689A (ja) | 2010-07-23 | 2010-07-23 | 静電容量型タッチパネル用の入力ペン |
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JP (1) | JP2012027689A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013222375A (ja) * | 2012-04-18 | 2013-10-28 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 情報入力用ペン |
JP2014063317A (ja) * | 2012-09-20 | 2014-04-10 | Sharp Corp | スタイラスペンおよびタッチパネルシステム |
JP2016076067A (ja) * | 2014-10-06 | 2016-05-12 | 三菱鉛筆株式会社 | 手書き入力ペン |
-
2010
- 2010-07-23 JP JP2010165666A patent/JP2012027689A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014063317A (ja) * | 2012-09-20 | 2014-04-10 | Sharp Corp | スタイラスペンおよびタッチパネルシステム |
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