JP2012026779A - 放熱装置、熱型検出器、熱型検出装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 放熱装置において、高信頼度の放熱制御を実現すること。
【解決手段】 放熱装置は、熱源2と、放熱経路4と、放熱経路4に設けられ、一端が熱源2に接続され、他端が温度基準(環境温度等)に接続される無接点の熱スイッチ4と、を含む。無接点の熱スイッチ4としては、電界効果トランジスターを使用することができ、電界効果トランジスターのチャネル形成領域における伝導キャリアの量が制御されて、ソースおよびドレイン間の熱コンダクタンスが制御される。
【選択図】 図1
【解決手段】 放熱装置は、熱源2と、放熱経路4と、放熱経路4に設けられ、一端が熱源2に接続され、他端が温度基準(環境温度等)に接続される無接点の熱スイッチ4と、を含む。無接点の熱スイッチ4としては、電界効果トランジスターを使用することができ、電界効果トランジスターのチャネル形成領域における伝導キャリアの量が制御されて、ソースおよびドレイン間の熱コンダクタンスが制御される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、放熱装置、熱型検出器、熱型検出装置および電子機器等に関する。
放熱を伴う電子デバイス(放熱装置)の一例としては、熱型光センサー(例えば熱型赤外線センサー)を挙げることができる。焦電型やボロメーターなどの熱型赤外線センサーでは、赤外線の受光によって温度検出部本体に発生した熱が逃げないように温度検出部本体を他の部分から熱分離することが重要である。熱分離が不十分であると、温度検出部本体の温度上昇が不十分となり検出感度が低下する。一方、被検出体の温度が変化する場合や被検出体が切り替わる時には、新たな温度検出に備えて以前の情報をリセットする必要がある。すなわち、その時には温度検出部本体の蓄熱を放熱して基準となる環境温度に戻すことが必要である。
実際には、一般に熱分離は不完全であることから、時間がかかることを問題にしなければ温度検出部本体の温度は自然放熱によって環境温度に戻る。しかしながら、時間的に温度が変化する被検出体を連続的に温度計測する場合や被検出体を高温なものから低温のものへ切り替える場合などでは、自然放熱を待っていることはできず、強制的な放熱が必要になる。
放熱装置において、強制放熱手段が設けられた例は、例えば、特許文献1〜特許文献3に記載されている。特許文献1および特許文献2に記載される技術では、ダイアフラム上に、熱によって物性が変化する材料による素子が形成されており、放熱が必要な場合は、ダイアフラムを支持基板に接触させて、ダイアフラムの熱を、支持基板を経由して急速に放熱させる構造が採用されている。すなわち、放熱は温度検出部本体のある部位が基準となる環境温度にある基板に機械的に接触することによってなされる。特許文献1および特許文献2に記載される放熱装置は、熱スイッチとして、可動型の機械式有接点スイッチを有している、とみることができる。
また、特許文献3には、可変熱抵抗装置が開示されている。この可変熱抵抗装置では、接触抵抗の抵抗値を、圧力(押圧力)の制御によって変化させて、放熱量を調整している。つまり、接触抵抗は、例えば、接触面の凹凸(表面粗さ)に基づく有効接触面積に依存して決まり、特許文献3では、圧力制御によって有効接触面積を調整している。特許文献3に記載される、接触抵抗の圧力制御は、微視的な有接点スイッチの集合による制御ということができる。
特許文献1〜特許文献3に記載される技術では、いずれも有接点の熱スイッチが使用されている。しかし、特許文献1および特許文献2に記載される技術の場合、ダイアフラムと支持基板とを機械的に接触させたときに、温度検出部本体に、振動等の不必要な動きが生じる。つまり、温度検出部本体は、熱分離のために空中に支持されていて不安定であることから、機械的な接触を行う限り、温度検出部本体に不要な振動等が生じることは避けられない。温度検出部本体の不要な振動等は、温度のゆらぎ、電気的雑音の原因となり、正確な温度検出を妨げる一因となるのは否めない。また、有接点の熱スイッチは、可動型であるがゆえに、高い信頼性を得ることがむずかしい場合が多い。
特許文献3に記載される技術の場合、上述のとおり、接触抵抗の圧力制御(微視的な有接点スイッチの集合による制御)によって放熱が制御されるが、その制御が可逆的とはいえ、繰り返し精度の問題や経時変化(時間の経過に伴うスイッチング特性の劣化)を回避することは難しく、よって、高い信頼性を得ることは難しい、という点は否めない。
本発明の少なくとも一つの態様によれば、例えば、高信頼度の放熱制御が実現される。また、例えば、安定かつ正確な温度検出が可能となる。
(1)本発明の放熱装置の一態様は、熱源と、放熱経路と、前記放熱経路に設けられ、一端が前記熱源に接続され、他端が温度基準に接続される無接点の熱スイッチと、を含む。
本態様では、熱スイッチとして、無接点の熱スイッチを使用することから、従来の有接点の熱スイッチが有していた、機械的接触後に温度検出部に振動等の不要な動きが生じるという課題を解消することができる。また、有接点の熱スイッチは可動型であるがゆえに信頼性があまり高くないという課題を有していたが、無接点の熱スイッチの利用によって、この課題も解消される。よって、信頼性の高い放熱動作が実現される。
(2)本発明の放熱装置の他の態様では、前記無接点の熱スイッチは、制御端子であるゲートと、第1端子であるソースと、第2端子であるドレインと、前記ソースと前記ドレインとの間に設けられるチャネル形成領域と、を有する電界効果トランジスターであり、前記チャネル形成領域における伝導キャリアの量が制御されて、前記ソースと前記ドレインとの間の熱コンダクタンスが制御される。
本態様では、熱スイッチとして、電界効果トランジスター(FET)を使用する。電界効果トランジスターは、ゲート、ソース(第1端子)、ドレイン(第2端子)ならびにチャネル形成領域を有する。放熱動作が実行されないとき(蓄熱時等)には、電界効果トランジスターはオフ状態に維持される。放熱時には、ゲート電圧の制御によって、チャネル形成領域にチャネルが形成される。これによって、熱伝導の担い手である伝導キャリア(自由キャリア:伝導電子あるいは伝導ホール)を増大させ、熱伝導率を高め、熱コンダクタンスを高める。熱伝導の担い手としては、フォノン(格子振動)と伝導キャリアがあるが、FETを用いたスイッチでは、自由キャリアの量を制御する点が支配的な因子となる。FETでは、チャネルが形成されると、伝導キャリアの量が顕著に増大することから、熱コンダクタンスが急激に上昇する。よって、FETは、無接点型の熱スイッチとして使用することができる。
FETとしては、例えば、ノーマリーオフ型のFETを使用することができる。また、電気的な素子としてのFETは、例えば、第1導電型のウエル領域内に、第2導電型のソース/ドレインが形成され、チャネル領域上にゲート絶縁膜が形成され、ゲート絶縁膜上にゲート電極が形成されるというような、かなり複雑な構造を有するが、熱スイッチとしてのFETは、熱伝導のオン/オフだけを切り替えればよいため、構造をより簡素化することが可能である。例えば、厚膜(メンブレン)内にゲート電極を埋め込み、厚膜上に同一導電型のソース/ドレインを形成し、厚膜の一部をゲート絶縁膜としても使用することによって、極めて小型の、熱スイッチとしてのFETを構成することができる。
(3)本発明の放熱装置の他の態様では、前記無接点の熱スイッチとしての電界効果トランジスターの前記ソースと前記ドレインは、実質的に同電位である。
本態様では、ソースおよびドレインには、例えば、バイアス電圧(例えば、接地電位よりも大きな直流電圧)を積極的に印可しない。これによって、ソースおよびドレインは実質的に同電位となる。例えば、熱スイッチとしては、ノーマリーオフ型の電界効果トランジスターを使用することができる。例えば、ゲート電位がソース電位およびドレイン電位と同電位であるとき、すなわちゲート電圧0のときには、ソースとドレインに挟まれてゲート絶縁膜に接するチャネル形成領域には可動キャリアは存在せず、その部分は絶縁体的である。つまり、チャネルは形成されない。一方、ゲートに電圧を印加すると、その部分には可動キャリアが発生し、その部分は金属的になる。つまり、チャネルが形成される。可動キャリアは熱の担い手となって熱伝導に寄与するから、このとき熱伝導率は高くなる。このように、FETは、ゲート電圧の切り替えによってチャネル形成領域の熱伝導率を自由に制御することができる。よって、本態様のFETは、無接点の熱スイッチとして機能する。
(4)本発明の熱型検出器の一態様では、基板と、熱型検出素子と、前記熱型検出素子を支持する支持部材と、前記熱型検出素子からの熱の放熱量を切り換える無接点の熱スイッチと、を含み、前記支持部材は、前記熱型検出素子を搭載する素子搭載部と、一端が前記素子搭載部に連結され、他端が前記基板に支持される少なくとも一本のアームと、を有し、前記基板と、前記支持部材における前記素子搭載部との間には空洞が設けられており、また、前記無接点の熱スイッチは、制御端子であるゲートと、第1端子であるソースと、第2端子であるドレインと、前記ソースと前記ドレインとの間に設けられるチャネル形成領域とを有する電界効果トランジスターによって構成され、前記ゲートに印加される電圧によって、前記チャネル形成領域における熱コンダクタンスが制御され、前記ゲート、前記ソースおよび前記ドレインは、前記少なくとも一本のアームに含まれる前記第1アームにおいて設けられ、かつ、前記ソースまたは前記ドレインのうちのいずれか一方には前記熱型検出素子の電極が接続され、いずれか他方には放熱のための放熱線が接続され、前記ゲートには、前記ゲートの電圧を制御するためのゲート制御線が接続される。
本態様では、放熱装置の一例としての熱型検出器に、無接点の熱スイッチを採用する。熱型検出素子は、基板(支持基板の他、その支持基板上に形成される金属層や絶縁層等も含む広い概念)上に、空洞(例えば、熱分離機能をもつ熱分離空洞)を介して、素子搭載部ならびに少なくとも一本のアームを含む支持部材(例えばメンブレン)が設けられ、素子搭載部上には、熱型検出素子(例えば赤外線センサー素子)が形成されている。少なくとも一本のアームには第1アームが含まれ、この第1アームにおいて、ソース,ドレイン,ゲートを有する電界効果トランジスター(FET)が設けられる。ゲートは、例えば、第1アーム部に埋設することができ、この場合は、メンブレンを構成する絶縁膜(例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等)をゲート絶縁膜(ならびにパッシベーション膜)としても使用することが可能である。また、ゲートをメンブレン上に設けてトップゲート構造とすることもできる。ゲートに印加される電圧によって、チャネル形成領域における熱コンダクタンスが制御されることから、このFETは、熱スイッチとして機能する。
ソースまたはドレインのいずれか一方には、熱源となる熱型検出素子における電極(電極に接続される配線も含む広義の概念に解釈することができる)が接続され、いずれか他方には、放熱線が接続される。また、ゲートには、ゲート制御線が接続される。ゲート電圧の制御によってチャネルが形成されると、熱スイッチとしてのFETがオンし、熱型検出素子の電極の熱が、放熱線を経由して放熱される。熱型検出素子は、空洞によって基板から分離されているため、通常の動作状態では、放熱が効果的に抑制されている。放熱が必要になったときは、ゲート電圧の制御によってFETをオンさせるだけでよく、部材同士の機械的な接触は一切、生じない。よって、熱型検出素子には、不要な振動等が生じず、安定的な放熱動作が確保される。
(5)本発明の熱型検出器の他の態様では、前記第1アーム部の、前記放熱線および前記ゲート制御線が設けられる側の端部は2分岐され、2分岐された前記端部のうちの一方の端部に前記放熱線が引き出され、2分岐された前記端部のうちの他方の端部に前記ゲート制御線が引き出され、前記引き出された放熱線は、前記第1アーム部を前記基板上に支持する第1支柱に設けられている、熱を前記基板に放熱するための第1導体層に接続されており、前記引き出されたゲート制御線は、前記第1アーム部を前記基板上に支持する第2支柱に設けられている、前記ゲート制御線と前記基板とを電気的に接続するための第2導体層に接続されている。
本態様では、支持部材(メンブレン)は、空洞において、第1および第2の支柱(ポスト)によって支持されている。第1支柱には第1導体層が形成され、この第1導体層は放熱経路を構成する。第1導体層には放熱線が接続される。また、第2支柱には、第2導体層が設けられ、この第2導体層は、電気的接続機能をもつコンタクト用の導体層であり、この第2導体層にはゲート制御線が接続される。第1アーム部の先端は2分岐され、これに対応させて、放熱線とゲート制御線の各々を分岐して引き出し、各々を別個のポストに接続される。
放熱線とゲート制御線の各々を分岐して引き出すことによって、放熱線とゲート制御線とが近接して平行に延在する箇所を減らすことができる。放熱線とゲート制御線が近接して配線されていると、熱スイッチがオフのとき、放熱線の熱がゲート制御線に伝達され、さらに、ゲート制御線を経由してポストに逃げる可能性がある。これを抑制するため、各線を分岐させて、互いに離間させることで、ゲート制御線を経由した自然放熱(放熱リーク)を低減すること(つまり妥当な範囲に収めること)ができる。
(6)本発明の熱型検出器の他の態様では、前記少なくとも一本のアーム部として、前記第1アーム部と、前記第1アーム部とは分離されている第2アーム部とが設けられており、前記第1アーム部に前記放熱線が引き出され、前記第2アーム部に前記ゲート制御線が引き出され、前記放熱線は、前記第1アーム部を前記基板上に支持する第1支柱に設けられている、熱を前記基板に放熱するための第1導体層に接続されており、前記引き出されたゲート制御線は、前記第2アーム部を前記基板上に支持する第2支柱に設けられている、前記ゲート制御線と前記基板とを電気的に接続するための第2導体層に接続されている。
本態様では、第1アーム部と第2アーム部とを設け、第1支柱に設けられる第1導体層を放熱経路として使用し、第2支柱に設けられる第2導体層を、ゲート制御用の導体層として使用する。第1アーム部と第2アーム部とは個別に分離されていることから、第1アーム部の先端を2分岐させる例に比べて、放熱線とゲート制御線との間の熱分離性がより高まる。よって、熱型検出器の通常動作時における、ゲート制御線を経由した自然放熱(放熱リーク)を、より効果的に低減することができる。
(7)本発明の熱型検出器の他の態様では、前記放熱線の熱コンダクタンスは、前記ゲート制御線の熱コンダクタンスよりも大きく設定されている。
本態様では、放熱線の熱コンダクタンスを、ゲート制御線の熱コンダクタンスよりも大きく設定する。すなわち、放熱線の熱コンダクタンスをα1とし、ゲート制御線の熱コンダクタンスをα2としたとき、α1>α2に設定する。α1を大きくすることによって、熱スイッチのオンによる放熱を速やかに行うことができる。よって、スイッチオン時間を短縮することができる。一方、α2をより小さく設定することによって、ゲート制御線を経由した、スイッチオフ時の自然放熱を抑制することができる。
なお、熱コンダクタンスに差を設ける手段としては、例えば、放熱線とゲート制御線の材料を変える(例えば、放熱線はCuやAL等、ゲート制御線はTiN、TiALN等)という設計手法を採用することができ、また、放熱線とゲート制御線の長さを変える、あるいは断面積を変える、といった設計手法を採ることもできる。
(8)本発明の熱型検出器の他の態様では、前記無接点の熱スイッチは、前記第1アーム部の、前記熱型検出器に近い位置に配置されている。
本態様では、熱スイッチは、第1アーム部の、熱型検出器(すなわち熱源)の近くに設けられる。これによって、熱スイッチがオンしたとき、熱源の熱を、熱スイッチを介して素早く逃がすことができる。
(9)本発明の熱型検出装置の一態様では、上記いずれかの熱型検出器が複数、2次元的に配置されている。
本態様では、熱スイッチを備える熱型検出器を2次元状に配置して、熱型検出器アレイ(つまり、熱型検出装置)を構成する。熱スイッチを用いて、各セル(各熱型検出器)の熱的なリセットを、高速に行うことができる。各セルに個別に熱スイッチを設けることができ、また、複数のセルに対して一つの熱スイッチを設けることもできる。なお、熱的リセットの用途としては、熱型センサーの検出対象の温度が変化したときの熱リセット用、検出対象が切り替わったときの熱リセット用、その他、ウエハーの熱分布特性の測定(試験時等)において、測定用の特性のセルに熱的スイッチを設けて、試験を効率的に行えるようにする等の用途が考えられる。
(10)本発明の電子機器の一態様は、上記いずれかの熱型検出器を含む。
上述のとおり、本発明にかかる熱型光検出器は、高速な熱的リセットが可能であり、また、熱スイッチは無接点であることから、部材間の直接的な接触が生じず、信頼性が高く、正確かつ安定な放熱動作が実現される。よって、この熱型検出器を搭載する電子機器も、同様の効果を享受することができる。電子機器の好適な例としては、例えば、光(温度)分布画像を出力するサーモグラフィー、車載用人感センサー、あるいは監視カメラ等があげられる。
このように、本発明の少なくとも一つの態様によれば、例えば、放熱装置における高信頼度の放熱を実現することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(第1の実施形態)
本実施形態では、無接点の熱スイッチを含む熱型検出器(例えば、熱型光センサー)を例にとって説明する。熱型光センサーは、具体的には、例えば、焦電型の熱型赤外線センサーである。無接点の熱スイッチを設けることによって、信頼性の高い放熱動作が実現され、熱型検出器の、安定した熱的リセットが可能となる。
本実施形態では、無接点の熱スイッチを含む熱型検出器(例えば、熱型光センサー)を例にとって説明する。熱型光センサーは、具体的には、例えば、焦電型の熱型赤外線センサーである。無接点の熱スイッチを設けることによって、信頼性の高い放熱動作が実現され、熱型検出器の、安定した熱的リセットが可能となる。
(熱回路)
図1は、強制放熱のために熱スイッチを設けた熱型光センサーの熱回路を示す図である。この熱回路において、熱容量(温度検出部)2は、熱源としての熱型赤外線センサーに対応している。熱容量2と温度基準(環境温度)との間には、放熱経路4が存在する。放熱経路4は、熱抵抗3と、熱スイッチSW1とを有する。熱スイッチSW1の一端は、熱源である熱容量2に接続され、他端が温度基準(温度基準点)に接続されている。熱容量2の両端には、例えば光(赤外線等)の吸収によって温度差1が生じる。
図1は、強制放熱のために熱スイッチを設けた熱型光センサーの熱回路を示す図である。この熱回路において、熱容量(温度検出部)2は、熱源としての熱型赤外線センサーに対応している。熱容量2と温度基準(環境温度)との間には、放熱経路4が存在する。放熱経路4は、熱抵抗3と、熱スイッチSW1とを有する。熱スイッチSW1の一端は、熱源である熱容量2に接続され、他端が温度基準(温度基準点)に接続されている。熱容量2の両端には、例えば光(赤外線等)の吸収によって温度差1が生じる。
熱スイッチSW1がオフのときには、熱容量2に蓄えられた熱は、熱抵抗3を経由してわずかに流出するだけである。一方、熱スイッチSW1がオンされると、熱は熱スイッチSW1を経由して、瞬時に温度基準に流出する。したがって、熱スイッチSW1のオンによって、高速な、強制放熱が実行され、これによって、例えば、熱型赤外線センサーの熱的リセットが実現される。
なお、熱的リセットの用途としては、検出対象の温度が変化したときの熱リセット用、検出対象が切り替わったときの熱リセット用、その他、ウエハーの熱分布特性の測定(試験時等)において、測定用の特性のセルに熱的スイッチを設けて、試験を効率的に行えるようにする等の用途が考えられる。
図1の例では、熱スイッチとして、無接点の熱スイッチSW1を使用することから、従来の有接点の熱スイッチが有していた、機械的接触後に温度検出部に振動等の不要な動きが生じるという課題を解消することができる。また、有接点の熱スイッチは可動型であるがゆえに信頼性があまり高くないという課題を有していたが、無接点の熱スイッチの利用によって、この課題も解消される。よって、信頼性の高い放熱動作が実現される。
(熱スイッチとしてのFETについて)
無接点の熱スイッチとしては、例えば、電界効果トランジスター(FET)を使用することができる。電界効果トランジスター(FET)は、MOSトランジスターや接合型FET(JFET)を使用することができる。FETは、制御端子であるゲートGと、第1端子であるソースSと、第2端子であるドレインDと、ソースSとドレインDとの間に設けられるチャネル形成領域と、を有し、ゲート電圧の制御によって、チャネル形成領域における伝導キャリアの量が制御されて、ソースSとドレインDとの間の熱コンダクタンスが制御される。チャネル形成領域、ソースSおよびドレインDは、例えば、第1導電型(n型もしくはp型)の半導体を利用して形成することができる。半導体としては、例えば、ポリシリコンやアモルファスシリコンを使用することができる。また、半導体として、有機半導体を使用することもできる。
無接点の熱スイッチとしては、例えば、電界効果トランジスター(FET)を使用することができる。電界効果トランジスター(FET)は、MOSトランジスターや接合型FET(JFET)を使用することができる。FETは、制御端子であるゲートGと、第1端子であるソースSと、第2端子であるドレインDと、ソースSとドレインDとの間に設けられるチャネル形成領域と、を有し、ゲート電圧の制御によって、チャネル形成領域における伝導キャリアの量が制御されて、ソースSとドレインDとの間の熱コンダクタンスが制御される。チャネル形成領域、ソースSおよびドレインDは、例えば、第1導電型(n型もしくはp型)の半導体を利用して形成することができる。半導体としては、例えば、ポリシリコンやアモルファスシリコンを使用することができる。また、半導体として、有機半導体を使用することもできる。
放熱動作が実行されないときには、FETはオフ状態に維持される。放熱時には、ゲート電圧の制御によって、チャネル形成領域にチャネルが形成される。これによって、熱伝導の担い手である伝導キャリア(自由キャリア:伝導電子あるいは伝導ホール)を増大させ、熱伝導率を高め、熱コンダクタンスを高める。熱伝導の担い手としては、フォノン(格子振動)と伝導キャリアがあるが、FETを用いたスイッチでは、自由キャリアの量を制御する点が支配的な因子となる。FETでは、チャネルが形成されると、伝導キャリアの量が顕著に増大することから、熱コンダクタンスが急激に上昇する。よって、FETは、無接点型の熱スイッチとして使用することができる。
数値的にいえば、可動キャリアの数は、ゲート電圧制御によって10桁程度変化する。この値だけで見れば熱伝導率も10桁程度変化することになり、FETは非常に優れた熱スイッチである。しかし、実際には、熱を運ぶのは可動キャリアだけでなく、チャネルの中のフォノンも熱を運ぶ。さらにまた、ゲートやゲート絶縁膜などのチャネル部以外の物質も熱を運ぶ。これらは、熱回路的には、可動キャリアだけを考える場合のチャネルに並列接続する熱抵抗(図1の参照符号3)となる。そのため、このFET全体として、現実に制御できる熱伝導率は、2〜3桁程度である。この意味では、このFETは、熱スイッチというより、むしろ可変熱抵抗ということができる。したがって、本明細書において、「熱スイッチ」という用語は、適宜、「可変熱抵抗」と言い換えることもできる。
しかしながら、それでも熱時定数を2〜3桁制御できることになるから、熱的リセットのための熱スイッチを実現するという目的は、FETの使用で十分に達成されたことになる。なお、ゲート絶縁膜の熱伝導率は低い方が電界効果トランジスター(FET)の熱スイッチとしての性能は向上する。したがって、ゲート絶縁膜の材料は熱伝導率の低い材料の方がよい。
また、FETとしては、例えば、ノーマリーオフ型のFETを使用することができる。また、電気的な素子としてのFETは、例えば、第1導電型のウエル領域内に、第2導電型のソース/ドレインが形成され、チャネル領域上にゲート絶縁膜が形成され、ゲート絶縁膜上にゲート電極が形成されるというような、かなり複雑な構造を有するが、熱スイッチとしてのFET(本実施形態で使用するFET)は、熱伝導のオン/オフだけを切り替えればよいため、構造をより簡素化することが可能である。例えば、上述のとおり、第1導電型の半導体片(例えば平面視で短冊状の形状をもつ)を形成し、その半導体片の一端に第1電極を接続し、他端に第2電極を接続し、第1電極と第2電極とに挟まれた領域(チャネル形成領域)の上方(トップゲートの場合)あるいは下方(ボトムゲートの場合)にゲート電極を形成すれば、熱スイッチとしてのFETを構成することができる。
このFETにおいて用いられている半導体は、上述のとおり、n型あるいのp型の一種類だけである。このような熱的スイッチとしてのFETは、電気的素子としてのトランジスターの構造とは異なっており、電気的素子としてのFETの構造と比べて簡単であり、よって、製造が容易であるという長所がある。よって、例えば、厚膜(メンブレン)内にゲートを埋め込み、同一導電型のソース/ドレインを形成し、厚膜の一部をゲート絶縁膜としても使用することによって、極めて小型の、熱スイッチとしてのFETを構成することができる(この例については、図2を用いて後述する)。この構造のFETの性能(電気特性)は、通常の構造のそれに比べて劣るが、FETを熱スイッチとして用いる上では、特に問題とはならない。
また、無接点の熱スイッチとしてのFETのソースSとドレインDは、実質的に同電位とすることができる。上述のとおり、本実施形態の熱抵抗スイッチとしてのFETは、電気的素子として動作せず、熱的なスイッチとしてのみ機能する。よって、例えば、電気的素子としてのFETの通常動作に必要な、ソース・ドレイン間電圧(Vds)は印加されない。つまり、ソースSおよびドレインDには、例えば、バイアス電圧(例えば、接地電位よりも大きな直流電圧)を積極的に印可しない。これによって、ソースおよびドレインは実質的に同電位となる。
例えば、熱スイッチとしては、ノーマリーオフ型の電界効果トランジスターを使用することができる。例えば、ゲート電位がソース電位およびドレイン電位と同電位であるとき、すなわちゲート電圧0のときには、ソースとドレインに挟まれてゲート絶縁膜に接するチャネル形成領域には可動キャリアは存在せず、その部分は絶縁体的である。つまり、チャネルは形成されない。一方、ゲートに電圧を印加すると、その部分には可動キャリアが発生し、その部分は金属的になる。つまり、チャネルが形成される。可動キャリアは熱の担い手となって熱伝導に寄与するから、このとき熱伝導率は高くなる。このように、FETは、ゲート電圧の切り替えによってチャネル形成領域の熱伝導率を自由に制御することができる。よって、本実施形態におけるFETは、優れた特性をもつ無接点の熱スイッチとして機能する。
(FETを使用した熱型検出器の構造例)
次に、熱スイッチとして電界効果トランジスタ(FET)を使用した熱型検出器の構造例について説明する。図2(A)および図2(B)は、熱スイッチとして電界効果トランジスタ(FET)を使用した熱型検出器の構造例を示す図である。図2(A)は平面図であり、図2(B)は、図2(A)に示されるデバイスのA−A’線に沿う断面図である。
次に、熱スイッチとして電界効果トランジスタ(FET)を使用した熱型検出器の構造例について説明する。図2(A)および図2(B)は、熱スイッチとして電界効果トランジスタ(FET)を使用した熱型検出器の構造例を示す図である。図2(A)は平面図であり、図2(B)は、図2(A)に示されるデバイスのA−A’線に沿う断面図である。
図2(A)および図2(B)に示されるように、熱型検出器100は、基板(例えば、Si等の支持基板の他、配線層や絶縁層も含む広義の基板と解釈することができる)BSと、熱型検出素子Q1と、熱型検出素子Q1を支持する支持部材(メンブレン)53と、熱型検出素子Q1からの熱の放熱量を切り換える無接点の熱スイッチとしてのFETと、を含む。支持部材(メンブレン)53は、4つの支柱(ポスト)60a〜60dによって、基板BS上に支持されている。
ここで、支持部材(メンブレン)53は、図2(A)にて点線で囲んで示されるように、平面視で、熱型検出素子Q1を搭載する素子搭載部50と、一端が素子搭載部50に連結され、他端が、第1支柱60aならびに第2支柱60bによって基板BS上に支持される第1アーム部51aと、一端が素子搭載部50に連結され、他端が第3支柱60cによって基板BSに支持される第2アーム部51bと、一端が素子搭載部50に連結され、他端が第4支柱60dによって基板BSに支持される第3アーム部51cと、を有する。
支持部材(メンブレン)53は、例えば、Si3N4膜/SiO2膜/Si3N4膜の3層の積層膜で構成される。支持部材(メンブレン)53は、熱型検出素子Q1を安定的に支持する必要があり、よって、支持部材53のトータルの厚みは、必要な機械強度を満足するように設定されている。
また、図2の例では、熱型検出素子Q1は焦電型赤外線検出素子である。この熱型検出素子Q1は、下部電極(第1電極)15と、焦電膜(強誘電体膜)17と、上部電極(第2電極)19と、光吸収膜(赤外線吸収膜:例えばシリコン酸化膜)21と、を有する。下部電極(第1電極)15および上部電極(第2電極)19は、例えば、3層の金属膜を積層することによって形成される。例えば、焦電膜(強誘電体膜)17から遠い位置から順に、例えばスパッタリングにて形成されるイリジウム(Ir)、イリジウム酸化物(IrOx)及びプラチナ(Pt)の三層構造とすることができる。また、焦電膜(強誘電体膜)17としては、例えばPZT(Pb(Zi,Ti)O3:チタン酸ジルコン酸鉛)を用いることができる。焦電膜(強誘電体膜)17は、例えば、スパッタリング法やMOCVD法等で成膜することができる。下部電極(第1電極)15および上部電極(第2電極)19の膜厚は、例えば0.4μm程度であり、焦電膜(強誘電体膜)17の膜厚は、例えば0.1μm程度である。
下部電極(第1電極)15は、例えば接地電極(広義には基準電位電極)であり、この下部電極(第1電極)15には、下部電極用配線(図中、太い実線で示される)90が接続される。この下部電極用配線90は、第3支柱60cに引き出されている。この第3支柱60cには、コンタクトプラグ70cを含む導体層が設けられている。下部電極用配線90は、コンタクトプラグ70cを含む導体層に接続される。なお、コンタクトプラグ70cを含む導体層は、例えば、基板BS上に設けられる接地配線等(不図示)に接続される。
また、上部電極(第2電極)19は、熱型検出素子Q1の検出出力を出力する電極であり、この上部電極(第2電極)19には、上部電極用配線92が接続される。この上部電極用配線92は、第4支柱60dに引き出されている。この第4支柱60dには、コンタクトプラグ70dを含む導体層が設けられている。上部電極用配線92は、コンタクトプラグ70dを含む導体層に接続される。なお、コンタクトプラグ70dを含む導体層は、例えば、基板BSに設けられる半導体素子(CMOS素子等:不図示)に電気的に接続される。
また、基板BSと、支持部材(メンブレン)53における素子搭載部50との間には、放熱を抑制するために、空洞(熱分離空洞)93が設けられている。
また、無接点の熱スイッチとしてのFETは、半導体(第1導電型のポリシリコンあるいはアモルファスシリコン)40を用いて構成され、制御端子であるゲートGと、第1端子であるソースSと、第2端子であるドレインDと、ソースSとドレインDとの間に設けられるチャネル形成領域CHとを有する。ゲートGに印加される電圧(ゲート電圧)によって、チャネル形成領域CHにおける熱コンダクタンスが制御される。
ゲートG、ソースSおよびドレインDは、第1アーム部51aにおいて設けられる。無接点の熱スイッチとしてのFETは、第1アーム部51aの、熱型検出素子Q1に近い位置に配置されるのが好ましい。これによって、熱スイッチ(FET)がオンしたとき、熱源(熱型検出素子Q1)の熱を、熱スイッチ(FET)を介して、素早く、かつ効率的に逃がすことができる。
また、ソースSまたはドレインDのうちのいずれか一方(図2の例ではドレインD)には、熱型検出素子Q1の下部電極(基準電位電極)15(あるいは、下部電極15から引き出された配線とみることもできる)が接続され、いずれか他方(図2の例ではソースS)には、放熱のための放熱線80が接続され、ゲートGには、ゲートGに印加される電圧(ゲート電圧)を制御するためのゲート制御線73(図2(A)において点線で示されている)が接続される。
FETのゲートGは、例えば、図2(B)に示されるように、第1アーム部51aに埋設することができる。この場合は、支持部材(メンブレン)を構成する絶縁膜(例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜)をゲート絶縁膜(ならびにパッシベーション膜)としても使用することが可能である。ボトムゲート(埋設されたゲート)構造を採用する場合の製造方法としては、例えば、以下の製造方法を採用することができる。
すなわち、支持部材(メンブレン)53を構成する3層の膜のうちの2層(Si3N4膜/SiO2膜)を形成した後、SiO2膜上にポリシリコンまたはアモルファスシリコンを形成して、パターニングすることによってボトムゲートGを形成する。次に、ボトムゲートG上を覆うようにSi3N4膜を形成する。そして、は、例えば、Si3N4膜/SiO2膜/Si3N4膜の3層の積層膜を、RIE等を用いてパターニングして、支持部材(メンブレン)53を形成する。このようにすれば、ボトムゲートGを無理なく、第1アーム部51aに埋め込み形成することができる。また、ゲートGをメンブレン上に設けたトップゲート構造を採用することもできる。但し、この場合には、ゲート絶縁膜の成膜およびパッシベーション膜の成膜が別途、必要となる。なお、ゲート絶縁膜の材料と、支持部材(メンブレン)53を構成する膜の材料とを完全に分け、ゲート絶縁膜を、メンブレン53の構成材料とは別の、熱伝導率の低い材料で形成するという方法を採用することもできる。この場合、FETの放熱性能をより高めることができる。
ゲート電圧の制御によってチャネル形成領域CHにおいてチャネルが形成されると、熱スイッチとしてのFETがオンし、熱型検出素子Q1の電極の熱が、放熱線80を経由して放熱される。熱型検出素子Q1は、空洞93によって基板BSから分離されているため、通常の動作状態では、放熱が効果的に抑制されている。放熱が必要になったときは、ゲート電圧の制御によってFETをオンさせるだけでよく、部材同士の機械的な接触は一切、生じない。よって、熱型検出素子Q1には、不要な振動等が生じず、安定的な放熱動作が確保される。
また、図2(A)に示すように、第1アーム部51aの、放熱線80およびゲート制御線73が設けられる側の端部は2分岐(二叉に分岐)され、2分岐された端部のうちの一方の端部に放熱線80が引き出され、2分岐された端部のうちの他方の端部にゲート制御線73が引き出されている。引き出された放熱線80の一端は、第1アーム部51aを基板BS上に支持する第1支柱60aに設けられている、熱を基板BS側に放熱するための第1導体層70aに接続されている。この第1導体層70aは放熱経路を構成する。
また、引き出されたゲート制御線73は、第1アーム部51aを基板BS上に支持する第2支柱60bに設けられている、ゲート制御線と基板とを電気的に接続するための第2導体層70bに接続されている。この第2導体層70bは、電気的接続のためのコンタクト用導体層である。なお、第1導体層70aおよび第2導体層70bの断面構造については、図3を用いて後述する。
先に説明したように、支持部材(メンブレン)は、熱分離空洞93において、第1支柱60aおよび第2支柱60bによって支持されている。第1アーム部51aの先端は2分岐され、これに対応させて、放熱線80とゲート制御線73の各々を分岐して引き出す。そして、放熱線80とゲート制御線73の各々は、別個の導体層(つまり、第1導体層70a,第2導体層70b)の各々に接続される。
放熱線80とゲート制御線73の各々を分岐して引き出すことによって、放熱線80とゲート制御線73とが近接して平行に延在する箇所を減らすことができる。放熱線80とゲート制御線73が近接して配線されていると、熱スイッチとしてのFETがオフのとき、放熱線80の熱がゲート制御線73に伝達され、さらに、ゲート制御線73を経由して第2導体層70bに逃げる可能性がある(自然放熱量の増大)。これを抑制するため、各線を分岐させて、互いに離間させることで、ゲート制御線を経由した自然放熱(放熱リーク)を低減すること(つまり妥当な範囲に収めること)ができる。
また、第1支柱60aと第2支柱60bとを分離する(両者間に、ある程度の距離を確保する)ことによっても、熱スイッチ(FET)がオフしているときの、ゲート制御線73を経由した基板BSへの放熱を抑制することができる。
また、放熱線80の熱コンダクタンスは、ゲート制御線73の熱コンダクタンスよりも大きく設定されるのが好ましい。すなわち、放熱線80の熱コンダクタンスをα1とし、ゲート制御線73の熱コンダクタンスをα2としたとき、α1>α2に設定するのが好ましい。α1を大きくすることによって、熱スイッチ(FET)のオンによる放熱を速やかに行うことができる。よって、スイッチオン時間を短縮することができる。一方、α2をより小さく設定することによって、ゲート制御線を経由した、熱スイッチ(FET)のスイッチオフ時の自然放熱を抑制することができる。
熱コンダクタンスに差を設ける手段としては、例えば、放熱線80とゲート制御線73の材料を変える(例えば、放熱線80はCuやAL等、ゲート制御線73はTiN、TiALN等)という設計手法を採用することができ、また、放熱線80とゲート制御線73の長さを変える、あるいは断面積を変える、といった設計手法を採ることもできる。また、例えば、放熱経路を構成する第1導体層70aの断面積を大きくする等して放熱量を増大させ、一方、電気的接続用の第2導体層70bの断面積は小さくして、自然放熱(熱リーク)を抑制する、といった設計手法を併せて採ることもできる。
ここで、図3を参照する。図3(A)および図3(B)は、図2(A)のB−B’線に沿う断面図ならびにC−C’線に沿う断面図である。図3の例では、第1導体層70aの断面積は、電気的接続用の第2導体層70bの断面積よりも大きく設定されている。
図3(A)に示すように、放熱経路を構成する第1導体層70aは、例えば、4層の金属層(ME1〜ME4)と、プラグ71a(71a1〜71a3)とによって構成することができる。図3(A)の例では、第1導体層70aは、基板BS(シリコン(Si)基板と、その上に形成された多層配線構造とを含む)に設けられているダミー配線Laを経由して、下地のシリコン(Si)基板に接続されている。よって、熱をシリコン基板に効率的に逃がすことができる。
また、図3(B)に示すように、電気的接続用の第2導体層70bは、例えば、4層の金属層(ME1’〜ME4’)と、プラグ71b(71b1〜71b3)とによって構成することができる。図3(B)の例では、第2導体層70bは、基板BS(シリコン(Si)基板と、その上に形成された多層配線構造とを含む)に設けられている配線Lbを経由して、シリコン(Si)基板に設けられているMOSトランジスターM1(ゲートG2,ソースS2,ドレインD2を有する)のソースS2に接続されている。
ここで、図2に戻って説明を続ける。図2(A)において、第1アーム部51aの熱コンダクタンスをβ1とし、第2アーム部51bおよび第3アーム部51c(熱型検出素子用の下部電極用配線90ならびに上部電極用配線92が設けられるアーム部)の各々の熱コンダクタンスをβ2とすると、β1≧β2に設定するのが好ましい。
すなわち、熱スイッチ(FET)がオフしているとき、第2アーム部51bならびに第3アーム部51cの自然放熱量が支配的であると、熱スイッチ(FET)がオンしたとき、第1アーム部51aを介した高速な放熱ができない場合があることから、自然放熱は、第1アーム部51aの熱コンダクタンスβ1で決まるようにするのが好ましい。
なお、図2(A)において、第3支柱60cには、第3導体層70cが設けられており、第4支柱60dには、第4導体層70dが設けられているが、この第3導体層70cおよび第4導体層70dも、例えば、図3(B)に示される構造とすることができる。
また、本実施形態では、焦電型センサー(焦電型赤外線センサー等)を例にとって説明したが、これに限定されるものではない。本発明は、例えば、ボロメーター等の他の種類の熱型センサーにも応用可能である。また、焦電型検出器または焦電型検出装置は、例えば、供給する熱量と流体が奪う熱量とが均衡する条件下にて流体の流量を検出するフローセンサーなどにも適用可能である。
(第2実施形態)
本実施形態では、熱型検出器におけるアーム部の構成の他の例について説明する。図4は、熱型検出器におけるアーム部の構成の他の例について説明するための図である。図4の例では、4本のアーム部を使用し、放熱線80が設けられるアーム部51a1と、ゲート制御線73が設けられるアーム部51a2とを完全に分離し、かつ、両者間の距離を十分に確保している。
本実施形態では、熱型検出器におけるアーム部の構成の他の例について説明する。図4は、熱型検出器におけるアーム部の構成の他の例について説明するための図である。図4の例では、4本のアーム部を使用し、放熱線80が設けられるアーム部51a1と、ゲート制御線73が設けられるアーム部51a2とを完全に分離し、かつ、両者間の距離を十分に確保している。
すなわち、図4の例では、第1アーム部51a1と、第1アーム部51a1とは分離されている第2アーム部51a2とが設けられており、第1アーム部に放熱線80が引き出され、第2アーム部51a2にゲート制御線73が引き出され、放熱線80は、第1アーム部51a1を支持する第1支柱60eに設けられている、基板BSに熱を逃がすための第1導体層70aに接続されており、また、引き出されたゲート制御線70bは、第2アーム部51a2を支持する第2支柱60hに設けられている、ゲート制御線73と基板BSとを電気的に接続するための第2導体層70bに接続されている。
図4の例では、第1アーム部51a1と第2アーム部51a2とを完全に分離する。第1アーム部51a1を支持する第1支柱60eには、放熱経路を構成する第1導体層70aが設けられる。第2アーム部51a2を支持する第2支柱60hには、第2支柱をゲート制御用に使用する。第1アーム部51a1と第2アーム部51a2とは、個別に分離されていることから、第1アーム部の先端を2分岐させる例に比べて、放熱線73とゲート制御線80との間の熱分離性がより高まる。よって、熱型検出素子Q1の通常動作時における、ゲート制御線73を経由した自然放熱(放熱リーク)を、より効果的に低減することができる。
(第3実施形態)
図5は、熱型検出器がアレイ状(マトリクス状)に配置された熱型検出装置のレイアウト例を示す図である。図5に示される熱型検出器103では、複数の熱型検出器(前掲のいずれかの実施形態にかかる熱型検出器)が、2次元的に配置されている。図5では、例示的に、6個の熱型検出器CE1〜CE6を示している。アレイ状に配置された複数の熱型検出器(CE1〜CE6を含む)の各々は、例えば画素を構成する。アレイを構成する各熱型検出器に熱スイッチあるいは可変熱抵抗となる電界効果トランジスター(FET)を設けることによって、例えば、高速な赤外線イメージ動画の提供が可能になる。熱スイッチは、画素毎に設けることができ、また、所定個数の画素を1つのグループとし、グループ毎に共通の放熱経路を設け、各放熱経路に熱スイッチを設ける構成としてもよい。この場合、画素数が多い場合でも、放熱スイッチの数を抑制することができる。
図5は、熱型検出器がアレイ状(マトリクス状)に配置された熱型検出装置のレイアウト例を示す図である。図5に示される熱型検出器103では、複数の熱型検出器(前掲のいずれかの実施形態にかかる熱型検出器)が、2次元的に配置されている。図5では、例示的に、6個の熱型検出器CE1〜CE6を示している。アレイ状に配置された複数の熱型検出器(CE1〜CE6を含む)の各々は、例えば画素を構成する。アレイを構成する各熱型検出器に熱スイッチあるいは可変熱抵抗となる電界効果トランジスター(FET)を設けることによって、例えば、高速な赤外線イメージ動画の提供が可能になる。熱スイッチは、画素毎に設けることができ、また、所定個数の画素を1つのグループとし、グループ毎に共通の放熱経路を設け、各放熱経路に熱スイッチを設ける構成としてもよい。この場合、画素数が多い場合でも、放熱スイッチの数を抑制することができる。
熱スイッチの機能を用いれば、熱型検出器(熱型赤外線センサー等)における熱容量(温度検出部本体)の蓄熱と放熱の切り替えをゲート電圧制御によって自由に行うことができる。また、被検出体の温度が変化する場合や被検出体が切り替わる時には、新たな温度検出に備えて、前の情報をリセットすることができる。よって残像を抑制することができる。本発明を、測定精度が要求される動的被検出体の温度センサー分野、たとえば人体の体温分布測定を行うアレイ型温度イメージセンサー等の分野、あるいはまた車載用の夜間視認カメラのように動態に対する高速追従性が要求されるアレイ型温度イメージセンサー分野に応用すれば、その効果は特に大きい。
具体的には、車載用の夜間視認カメラ(夜間人感センサー)において、対象物の温度が切り替わったとき(人が道路を横切ったとき、横切り中と、横切った後とでは空間の温度が切り替わる)に、熱スイッチをオンしてリセットを実行するのが好ましい。あるいは、人間が検出された後に子犬が検出されたときのように、対象の切り替わりによって温度差が生じる場合がある。よって、対象の切り替わりの前後の間の期間で、熱抵抗スイッチをオンしてリセットを行うのが好ましい。
(第4実施形態)
図6は、電子機器の構成の一例を示す図である。図6の電子機器は、例えば赤外線カメラである。図示されるように、電子機器は、光学系400と、センサーデバイス(熱型光検出装置)410(前掲の実施形態では参照符号100)と、画像処理部420と、処理部430と、記憶部440と、操作部450と、表示部460と、を含む。なお本実施形態の電子機器は図15の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば光学系、操作部、表示部等)を省略したり、他の構成要素を追加したりする等の種々の変形実施が可能である。
図6は、電子機器の構成の一例を示す図である。図6の電子機器は、例えば赤外線カメラである。図示されるように、電子機器は、光学系400と、センサーデバイス(熱型光検出装置)410(前掲の実施形態では参照符号100)と、画像処理部420と、処理部430と、記憶部440と、操作部450と、表示部460と、を含む。なお本実施形態の電子機器は図15の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば光学系、操作部、表示部等)を省略したり、他の構成要素を追加したりする等の種々の変形実施が可能である。
光学系400は、例えば1または複数のレンズや、これらのレンズを駆動する駆動部などを含む。そしてセンサーデバイス410への物体像の結像などを行う。また必要であればフォーカス調整なども行う。
センサーデバイス410は、上述した本実施形態の光検出器を二次元配列させて構成され、複数の行線(走査線(あるいはワード線))と複数の列線(データ線)が設けられる。センサーデバイス410は、二次元配列された光検出器に加えて、行選択回路(行ドライバー)と、列線を介して光検出器からのデータを読み出す読み出し回路と、A/D変換部等を含むことができる。二次元配列された各光検出器からのデータを順次読み出すことで、物体像の撮像処理を行うことができる。
画像処理部420は、センサーデバイス410からのデジタルの画像データ(画素データ)に基づいて、画像補正処理などの各種の画像処理を行う。処理部430は、電子機器の全体の制御や電子機器内の各ブロックの制御を行う。この処理部430は、例えばCPU等により実現される。記憶部440は、各種の情報を記憶するものであり、例えば処理部430や画像処理部420のワーク領域として機能する。操作部450は、ユーザが電子機器を操作するためのインターフェースとなるものであり、例えば各種ボタンやGUI(Graphical User Interface)画面などにより実現される。
表示部460は、例えばセンサーデバイス410により取得された画像やGUI画面などを表示するものであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの各種のディスプレイにより実現される。
このように、1セル分の熱型光検出器を赤外線センサー等のセンサーとして用いる他、1セル分の熱型光検出器を直交二軸方向に二次元配置することでセンサーデバイス(熱型光検出装置)410を構成することができ、こうすると熱(光)分布画像を提供することができる。このセンサーデバイス410を用いて、サーモグラフィー、車載用の夜間視認カメラあるいは監視カメラなどの電子機器を構成することができる。
以上の電子機器の例は一例であり、これに限定されるものではない。焦電型検出器または焦電型検出装置、あるいはそれらを有する電子機器は、例えば、供給する熱量と流体が奪う熱量とが均衡する条件下にて流体の流量を検出するフローセンサーなどにも適用できる。このフローセンサーに設けられる熱伝対などに代えて、本発明の焦電型検出器(熱型検出器)または焦電型検出装置(熱型検出装置)を設けることができ、この場合には、光以外を検出対象とすることができる。
(第5実施形態)
図7は、電子機器の構成の他の例を示す図である。図7の電子機器800は、熱型光検出器100と、加速度検出素子500と、を搭載したセンサーユニット600を有する。センサーユニット600には、さらにジャイロセンサー等を搭載することもできる。センサーユニット600によって、異なる種類の物理量を測定することが可能である。センサーユニット600から出力される各検出信号は、CPU700によって処理される。
図7は、電子機器の構成の他の例を示す図である。図7の電子機器800は、熱型光検出器100と、加速度検出素子500と、を搭載したセンサーユニット600を有する。センサーユニット600には、さらにジャイロセンサー等を搭載することもできる。センサーユニット600によって、異なる種類の物理量を測定することが可能である。センサーユニット600から出力される各検出信号は、CPU700によって処理される。
以上述べてきたように、本発明によれば、従来の有接点の熱スイッチにおいて機械的接触後に温度検出部本体が温度のゆらぎや電気的雑音の原因となる振動等の不必要な動きをしてしまうという問題を除去することができ、例えば、熱型赤外線センサーによる、正確な温度検出を可能にする。さらに。有接点の熱スイッチは可動型であるがゆえに信頼性に乏しいという問題点をも解決して、例えば、信頼性の高い熱型赤外線センサーを提供することが可能となる。
以上、いくつかの実施形態について説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。例えば、支持部材(メンブレン)の構成材料や、その形成方法等に関しては種々、変形が可能である。
1 温度差、2 熱容量、3 熱抵抗、4 FET等の熱スイッチ(可変熱抵抗)、
15 下部電極、17 焦電膜(PZT等)、19 上部電極、21 光吸収膜、
40 アモルファスシリコンやポリシリコン等の半導体、
50 素子搭載部(素子載置部) 51a,51b,51c 第1アーム〜第3アーム、
53 支持部材(メンブレン等)、
60a〜60d 第1支柱(第1ポスト)〜第4支柱(第4ポスト)、
70a〜70d 第1導体層〜第4導体層、73 ゲート制御線、
80 放熱線、90 下部電極用配線、92 上部電極用配線、
93 空洞(熱分離空洞)、100 熱型検出器、Q1 熱型検出素子、
FET 熱スイッチあるいは可変熱抵抗としての電界効果トランジスター
S ソース、D ドレイン、 G ゲート、CH チャネル形成領域、
BS 基板(例えば、下地のSi基板ならびに多層配線構造等を含む)
15 下部電極、17 焦電膜(PZT等)、19 上部電極、21 光吸収膜、
40 アモルファスシリコンやポリシリコン等の半導体、
50 素子搭載部(素子載置部) 51a,51b,51c 第1アーム〜第3アーム、
53 支持部材(メンブレン等)、
60a〜60d 第1支柱(第1ポスト)〜第4支柱(第4ポスト)、
70a〜70d 第1導体層〜第4導体層、73 ゲート制御線、
80 放熱線、90 下部電極用配線、92 上部電極用配線、
93 空洞(熱分離空洞)、100 熱型検出器、Q1 熱型検出素子、
FET 熱スイッチあるいは可変熱抵抗としての電界効果トランジスター
S ソース、D ドレイン、 G ゲート、CH チャネル形成領域、
BS 基板(例えば、下地のSi基板ならびに多層配線構造等を含む)
Claims (10)
- 熱源と、
放熱経路と、
前記放熱経路に設けられ、一端が前記熱源に接続され、他端が温度基準に接続される無接点の熱スイッチと、を含むことを特徴とする放熱装置。 - 請求項1記載の放熱装置であって、
前記無接点の熱スイッチは、制御端子であるゲートと、第1端子であるソースと、第2端子であるドレインと、前記ソースと前記ドレインとの間に設けられるチャネル形成領域と、を有する電界効果トランジスターであり、前記チャネル形成領域における伝導キャリアの量が制御されて、前記ソースと前記ドレインとの間の熱コンダクタンスが制御されることを特徴とする放熱装置。 - 請求項2記載の放熱装置であって、
前記無接点の熱スイッチとしての電界効果トランジスターの前記ソースと前記ドレインは、実質的に同電位であることを特徴とする放熱装置。 - 基板と、
熱型検出素子と、
前記熱型検出素子を支持する支持部材と、
前記熱型検出素子からの熱の放熱量を切り換える無接点の熱スイッチと、を含み、
前記支持部材は、前記熱型検出素子を搭載する素子搭載部と、一端が前記素子搭載部に連結され、他端が前記基板に支持される少なくとも一本のアームと、を有し、
前記基板と、前記支持部材における前記素子搭載部との間には空洞が設けられており、
また、前記無接点の熱スイッチは、制御端子であるゲートと、第1端子であるソースと、第2端子であるドレインと、前記ソースと前記ドレインとの間に設けられるチャネル形成領域とを有する電界効果トランジスターで構成され、前記ゲートに印加される電圧によって、前記チャネル形成領域における熱コンダクタンスが制御され、
前記ゲート、前記ソースおよび前記ドレインは、前記少なくとも一本のアームに含まれる前記第1アームにおいて設けられ、かつ、前記ソースまたは前記ドレインのうちのいずれか一方には前記熱型検出素子の電極が接続され、いずれか他方には放熱のための放熱線が接続され、前記ゲートには、前記ゲートの電圧を制御するためのゲート制御線が接続される、
ことを特徴とする熱型検出器。 - 請求項4記載の熱型検出器であって、
前記第1アーム部の、前記放熱線および前記ゲート制御線が設けられる側の端部は2分岐され、
2分岐された前記端部のうちの一方の端部に前記放熱線が引き出され、
2分岐された前記端部のうちの他方の端部に前記ゲート制御線が引き出され、
前記引き出された放熱線は、前記第1アーム部を前記基板上に支持する第1支柱に設けられている、熱を前記基板に放熱するための第1導体層に接続されており、
前記引き出されたゲート制御線は、前記第2アーム部を前記基板上に支持する第2支柱に設けられている、前記ゲート制御線と前記基板とを電気的に接続するための第2導体層に接続されている、
ことを特徴とする熱型検出器。 - 請求項4記載の熱型検出器であって、
前記少なくとも一本のアーム部として、前記第1アーム部と、前記第1アーム部とは分離されている第2アーム部とが設けられており、
前記第1アーム部に前記放熱線が引き出され、
前記第2アーム部に前記ゲート制御線が引き出され、
前記放熱線は、前記第1アーム部を前記基板上に支持する第1支柱に設けられている、熱を前記基板に放熱するための第1導体層に接続されており、
前記引き出されたゲート制御線は、前記第1アーム部を前記基板上に支持する第2支柱に設けられている、前記ゲート制御線と前記基板とを電気的に接続するための第2導体層に接続されている、
ことを特徴とする熱型検出器。 - 請求項4〜請求項6のいずれかに記載の熱型検出器であって、
前記放熱線の熱コンダクタンスは、前記ゲート制御線の熱コンダクタンスよりも大きく設定されていることを特徴とする熱型検出器。 - 請求項4〜請求項6のいずれかに記載の熱型検出器であって、
前記無接点の熱スイッチは、前記第1アーム部の、前記熱型検出器に近い位置に配置されていることを特徴とする熱型検出器。 - 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の熱型検出器が複数、2次元的に配置されている熱型検出装置。
- 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の熱型検出器を含むことを特徴とする電子機器。
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JP2010163651A JP2012026779A (ja) | 2010-07-21 | 2010-07-21 | 放熱装置、熱型検出器、熱型検出装置および電子機器 |
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JP2010163651A JP2012026779A (ja) | 2010-07-21 | 2010-07-21 | 放熱装置、熱型検出器、熱型検出装置および電子機器 |
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