JP2012022314A - 光反射シート及び光源ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】正面輝度むら及び斜め輝度むらを軽減させることができる光反射シート及び光源ユニットを提供すること。
【解決手段】本発明の光反射シート1は、シート状の基材11からなり、基材11の少なくとも一方の面上に基材11の光透過性を制御する光透過性制御部位12を有する光反射シート1であって、所定の方向における面内の相対位置を横軸にとり、面内の相対位置での非透過成分率を縦軸にとった非透過成分率分布図において、非透過成分率のピーク値と非透過成分率のボトム値とが複数有り、隣り合うピーク値とボトム値との間の非透過成分率の算術平均値が、隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する全点における非透過成分率の算術平均値より大きいことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置等の背面照明(back lighting)に用いられる光反射シート及び光源ユニットに関する。
現在、液晶表示装置は、携帯電話、PDA端末、デジタルカメラ、テレビ、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、ノートパソコンなどの幅広い分野で利用されている。液晶表示装置においては、例えば、液晶表示パネルの背後にバックライトユニットのような光源ユニットを配置し、この光源ユニットからの光を液晶表示パネルに供給することにより、画像を表示する。このような液晶表示装置に用いられる光源ユニットは、その表示画像を見やすくするために、液晶表示パネルに均一な光を供給するだけでなく、できるだけ多くの光を供給することが要求される。つまり、光源ユニットは、光反射性に優れると共に高い輝度が得られるという光学特性が要求される。
従来の光源ユニットは、例えば、液晶表示パネルに入射する光の分布をパネル全体にわたって均一にするために、導光板又は拡散板に凹凸形状を付与する手法が用いられていた。導光板又は拡散板に凹凸形状を付与する方法としては、金型を用いて樹脂を射出成形する手法や、ダイヤモンド刃によって凹凸構造をロールに加工し、それを用いて押出成形する手法がある。
ここで、上述したような機械的な凹凸形成方法は多くの時間が掛かり、作製費用が高くなるという問題があった。また、上述したような凹凸形成方法では、数十μm程度の凹凸構造が限界であることや、凹凸形状の均一性を高めることが容易ではないという問題があった。これに対して、レーザービームのスペックルによって感光性媒体に凹凸形状を記録してパターン転写用の金型を製造し、この金型を用いて、直下型の大型液晶表示装置用の導光板表面に凹凸を形成したホログラム導光板や(特許文献1 図41参照)、表面に基材よりTgの高い硬質層を積層し、基材層を加熱収縮して凹凸を形成し、さらにパターン印刷層を備えた光拡散シートが開示されている(特許文献2)。
特開2001−23422号公報 特開2010−97108号公報
しかしながら、近年は、液晶表示装置の薄型化が進み、光源と、該光源からの光を拡散させるための光学シート(上述のホログラム導光板、光拡散シート等)との間の距離が短くなっている。また、コスト低減及び消費電力低減のため、光源ユニットの光源数を削減する手法も用いられている。ここで、従来の光源と比較し、光源のピッチ(p)と光源−光学シート間距離(h)との比(p/h)が大きくなるほど、つまり、hが小さくなるほど(図33(a)のh’)、及び/又は、pが大きくなる(図33(b)のp’)ほど、バックライトの輝度むらが顕著になる。ここで輝度むらとは、画面内において光源照度の強弱分布に由来する明暗が見えてしまう現象を指し、画面を正面から見たときの「正面輝度むら」と斜めから見たときの「斜め輝度むら」にわけることができる。正面輝度むらおよび斜め輝度むらが発生すると、液晶表示装置としては好ましくない。上述の特許文献1に開示されているホログラム導光板では、十分に正面輝度むら及び斜め輝度むらを軽減させることができず、液晶表示装置の薄型化や、光源数の削減に対応できない。また、上述の特許文献2に開示されている光拡散シートでは、表面に基材よりTgの高い硬質層を積層し、基材層を加熱収縮して形成した凹凸層の設計自由度が低く、異なる設計の液晶表示装置に対して十分に正面輝度むら及び斜め輝度むらを低減させることができない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、正面輝度むら及び斜め輝度むらを軽減させることができる光反射シート及び光源ユニットを提供することを目的とする。
本発明の光反射シートは、シート状の基材からなり、前記基材の少なくとも一方の面上に前記基材の光透過性を制御する部位を有する光反射シートであって、所定の方向における前記面内の相対位置を横軸にとり、前記面内の相対位置での非透過成分率を縦軸にとった非透過成分率分布図において、前記非透過成分率のピーク値と前記非透過成分率のボトム値とが複数有り、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間の非透過成分率の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する全点における非透過成分率の算術平均値より大きいことを特徴とする。
本発明の光反射シートは、シート状の基材と凹凸パターンが設けられた層からなり、前記基材または前記層の少なくとも一方の面上に前記基材の光透過性を制御する部位を有する光反射シートであって、所定の方向における前記面内の相対位置を横軸にとり、前記面内の相対位置での非透過成分率を縦軸にとった非透過成分率分布図において、前記非透過成分率のピーク値と前記非透過成分率のボトム値とが複数有り、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間の非透過成分率の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する全点における非透過成分率の算術平均値より大きいことを特徴とする。
本発明の光反射シートにおいては、前記非透過成分率のピーク値と前記非透過成分率のボトム値とを交互に周期的に有し、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との2点における非透過成分率の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する全点における非透過成分率の算術平均値より大きく、かつ非透過成分率の分布が前記ピーク値を含み上に凸の曲線形状を有する第一の区間と前記ボトム値を含み下に凸の曲線形状を有する第二の区間とを有することが好ましい。
本発明の光反射シートは、シート状の基材と凹凸パターンが設けられた層からなり、前記基材または前記層の少なくとも一方の面上に、前記基材の光透過性を制御する部位を有する光反射シートであって、所定の方向における前記面内の相対位置を横軸にとり、前記面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のピーク値と前記拡散角度のボトム値とが複数有り、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間の拡散角度の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する全点における拡散角度の算術平均値より大きいことを特徴とする。
本発明の光反射シートにおいては、前記拡散角度のピーク値と前記拡散角度のボトム値とを交互に周期的に有し、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との2点における拡散角度の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する全点における拡散角度の算術平均値より大きく、かつ拡散角度の分布が前記ピーク値を含み上に凸の曲線形状を有する第一の区間と前記ボトム値を含み下に凸の曲線形状を有する第二の区間とを有することが好ましい。
本発明の光反射シートにおいては、前記拡散角度は、前記凹凸パターンにより生じることが好ましい。
本発明の光反射シートにおいては、前記凹凸パターンが干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成された不規則な凹凸パターンであることが好ましい。
本発明の光反射シートにおいては、前記基材の光透過性を制御する部位は、光反射性インクで形成された不連続パターンよりなることが好ましい。
本発明の光源ユニットは、2つ以上の光源と、前記光源の上方に配設される上記光反射シートと、を備えることを特徴とする。
本発明の光源ユニットにおいては、前記光源は線状光源であることが好ましい。
本発明の光源ユニットにおいては、前記光源は点状光源であることが好ましい。
本発明の光源ユニットにおいては、前記光反射シートの非透過成分率分布の周期と、前記光反射シートの入光面における照度分布の周期とが略等しいことが好ましい。
本発明の光源ユニットにおいては、前記光反射シートの拡散角度分布の周期と、前記光反射シートの入光面における照度分布の周期とが略等しいことが好ましい。
本発明の光源ユニットにおいては、前記光反射シートと前記光源の間に配置され、内部に拡散剤を含有する拡散板と、前記光源の下方に配置される反射シートと、を備えることが好ましい。
本発明の光源ユニットにおいては、前記光反射シートの上方に配置されるレンズシートを備えることが好ましい。
本発明の光源ユニットにおいては、前記光反射シートの上方に配置されるプリズムシートを備えることが好ましい。
本発明の光源ユニットにおいては、前記光反射シート上方に配置される反射型偏光シートを備えることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに光を供給する上記光源ユニットと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、正面輝度むら及び斜め輝度むらを軽減させることができる光反射シート及び光源ユニットを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る光反射シートの構成例を示す模式図である。 (a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る光反射シートの光源直上領域と光源間領域を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る光反射シートにおける非透過成分率の分布を示す図である。 (a)〜(f)は、本発明の第1の実施の形態に係る光反射シートの非透過成分率のシート面内の相対位置に対する分布を示す図である。 本発明の実施の形態に係る光反射シートの高非透過成分率領域及び低非透過成分率領域の説明図である。 本発明の実施の形態に係る光反射シートの高非透過成分率領域及び低非透過成分率領域の説明図である。 本発明の実施の形態に係る光反射シートの高非透過成分率領域及び低非透過成分率領域の説明図である。 (a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る光反射シートにおけるドット密度の一例を示す図である。 (a)〜(e)は、本発明の第2の実施の形態に係る光反射シートの構成例を示す模式図である。 (a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る光反射シートにおける拡散角度の定義を示す図である。 本発明の実施の形態に係る光反射シートにおける拡散角度の分布を示す図である。 (a)〜(f)は、本発明の実施の形態に係る光反射シートの拡散角度の光反射シート面内の相対位置に対する分布を示す図である。 本発明の実施の形態に係る光反射シートの高拡散角度領域と低拡散角度領域の説明図である。 本発明の実施の形態に係る光反射シートの高拡散角度領域と低拡散角度領域の説明図である。 本発明の実施の形態に係る光反射シートの高拡散角度領域と低拡散角度領域の説明図である。 (a)〜(e)は、本発明の第3の実施の形態に係る光反射シートにおける構成例を示す図である。 (a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットの構成を示す図である。 (a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットの構成を示す図である。 (a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットの模式的な斜視図である。 (a)は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットにおける光源の間隔と非透過成分率の分布周期を示す図であり、(b)は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットにおける光源位置と拡散角度の分布周期を示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットの他の構成例を示す図である。 (a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットの他の構成例を示す図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットの他の構成例を示す図である。 (a)、(b)、(c)は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットの他の構成例を示す図である。 本発明の実施例および比較例に用いたLED光源の配置を示すものである。 本発明の実施例および比較例に用いたLEDの配光特性を示す図である。 本発明の実施例および比較例に用いたLED光源の配置を示す図である。 本発明の実施例および比較例に用いたLEDの配光特性を示す図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施例における光反射シートの構成を示す図である。 本発明の実施例における光反射シートの拡散角度と光源距離の関係を示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施例における光反射シートの非透過成分率と光源距離の関係を示す図である 本発明の実施例及び比較例に係る配光特性を示す図である。 (a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る光源ユニットの配置を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る光反射シートは、シート状の基材からなり、前記基材の少なくとも一方の面上に前記基材の光透過性を制御する部位を有する光反射シートであって、所定の方向における前記面内の相対位置を横軸にとり、前記面内の相対位置での非透過成分率を縦軸にとった非透過成分率分布図において、前記非透過成分率のピーク値と前記非透過成分率のボトム値とが複数有り、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間の非透過成分率の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する全点における非透過成分率の算術平均値より大きい。本実施の形態に係る光反射シートを光源の上方に配設する場合、光反射シートの非透過成分率の周期を、光源直上領域と光源間領域とからなる投影領域周期に合わせることが好ましい。これにより、正面輝度むら及び斜め輝度むらを低減することができる。
本発明において、「非透過成分率」は、シート面内に光源からの光が入射したとき、シートから透過する成分以外の成分(例えば、反射成分、吸収成分、散乱成分)の総和を表し、次のように定義する。まず、下記関係式(1)により、波長550nmにおける入射光強度と透過光強度との比の百分率を求め、透過成分率を算出後、下記関係式(2)により非透過成分率を算出する。
透過成分率(%)=(550nmにおける透過光強度)/(550nmにおける入射光強度)×100…式(1)
非透過成分率(%)=100−透過成分率…式(2)
本発明に係る光反射シートにおける非透過成分率は、例えば、紫外可視分光光度計(島津製作所社製、MPC−2200)を用いて、光源側に光反射シートの基材面が向くようにセットし、透過波長550nmにおける入射光強度および透過光強度を検出し、上記関係式(1)及び上記関係式(2)によって算出することにより求めることができる。
次に、図1(a)〜図1(c)を参照して本実施の形態に係る光反射シートの構成例について説明する。図1(a)〜図1(c)は、本実施の形態に係る光反射シートの構成例を示す模式図である。
図1(a)〜図1(c)に示すように、本実施の形態に係る光反射シート1は、基材11と、この基材11の少なくとも一方の面上に設けられ、基材11の光透過性を制御する部位12(以下、光透過性制御部位とする)とを有する。光透過性制御部位12は、基材11の一方の面上に設けてもよく(図1(a)参照)、基材11の他方の面上に設けてもよく(図1(b)参照)、基材11の両方の面上に複数設けてもよい(図1(c)参照)。光透過性制御部位12の密度が高い領域A1は、非透過成分率が高くなり、光透過性制御部位12の密度が低い領域A2は、低非透過成分率が低くなる。本実施の形態に係る光反射シート1においては、光源の投影領域に応じて光透過性制御部位12を設け、この光透過性制御部位12によって光反射シート1の非透過成分率を制御することにより、透過光が適度に拡散されて反射シート1の正面輝度むら及び斜め輝度むらを軽減させることができる。
次に、図2(a)、(b)を参照して本実施の形態に係る光反射シートにおける光源の投影領域(以下、光源直上領域とする)及び光源間の投影領域(以下、光源間領域とする)について説明する。図2(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る光反射シートの光源直上領域と光源間領域を模式的に示した平面図である。なお、図2(a)においては、光源としての冷陰極管13上に光反射シート1を配置した例を示し、図2(b)においては、光源としてのLED14上に光反射シート1を配置した例を示している。
図2(a)に示すように、線状光源としての冷陰極管13を用いた場合には、冷陰極管13近傍の矩形形状の領域が光源直上領域A3となり、この光源直上領域A3の外側の領域が光源間領域A4となる。また、図2(b)に示すように、点状光源としてのLED14を用いた場合には、LED14を中心とした円状の領域が光源直上領域A3となり、この光源直上領域A3の外側の領域が光源間領域A4となる。なお、図2(a)、(b)では、光反射シート1面内全体の領域を光源直上領域A3と、光源間領域A4との2つに分割している例を示しているが、光源直上領域A3、光源間領域A4以外の領域を設けるように分割してもよい。また、光源間領域A4は、光源直上領域A3に隣接していなくてもよく、隣接する冷陰極管13の中間に位置する領域を含んでいればよい。
図3は、本実施の形態に係る光反射シートにおける非透過成分率の分布を示す図(以下「非透過成分率分布図」と呼ぶ)である。本実施の形態に係る光反射シートにおいては、光反射シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の非透過成分率が、光反射シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化する。図3に示す非透過成分率分布図においては、光反射シート面内の所定の方向における光反射シート面内の相対位置を横軸にとり、光反射シート面内の相対位置での非透過成分率を縦軸にとっている。本実施の形態に係る光反射シートにおいては、非透過成分率のピーク値と非透過成分率のボトム値とが複数有る(図3においてはピーク値が1つ、ボトム値が2つ示している)。ピーク値とは、非透過成分率分布図の1周期の中で最も高い非透過成分率の値をいい、ボトム値とは、非透過成分率分布図の1周期の中で最も低い非透過成分率の値をいう。
本実施の形態に係る光反射シートでは、このような非透過成分率分布図において、隣り合うピーク値とボトム値との間の非透過成分率の算術平均値が、前記隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する全点における非透過成分率の算術平均値より大きい。ここで述べる「全点」とは、測定点の全てを意味するものである。
非透過成分率の変化は、隣り合うピーク値とボトム値との算術平均値が、隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する非透過成分率の算術平均値より大きければ厳密に直線状、曲線状、階段状でなくてもよく、非透過成分率の測定バラツキ等により、直線状、曲線状、階段状から若干はずれた形状や、直線と曲線の混合形状であってもよい。光源直上領域から光源間領域へ推移する場合、その位置に対する入光角度は直線的に大きくなっていく。入光角度が大きいほど光反射シートより下へ反射される光や光反射シートの法線方向に対して斜めに抜けてゆく光が大きくなっていくことを考慮すると、光源直上領域から光源間領域へ推移するにつれて反射すべき光の量は直線的ではなく、それ以上に大きく減衰する。つまり、隣り合うピーク値とボトム値との算術平均値が、隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する非透過成分率の算術平均値より大きい光反射シートであれば、反射すべき光の減衰に合わせて輝度むらを低減することが可能となる。図4(a)〜図4(f)に、非透過成分率が直線状、曲線状、直線と曲線の混合形状に変化している光反射シートの非透過成分率の光反射シート面内の相対位置に対する分布の例を示す。
光反射シート面内の各領域における非透過成分率は、相対的に非透過成分率が高い領域(以下、高非透過成分率領域という)を光源直上に配置してもよく、相対的に非透過成分率が低い領域(以下、低非透過成分率領域という)を光源直上に配置してもよい。また、高非透過成分率領域と低非透過成分領域との間の非透過成分率はなめらかに変化することが好ましい。特に、高非透過成分率領域に連続する複数のピーク値を含む形状があることが輝度むら低減の観点から好ましく、その形状は直線状又は下に凸の曲線状又は直線と下に凸の曲線との混合形状であることが好ましい(図4(d),(f))。このようなパターンは光源が線光源の場合、特に効果的である。また、非透過成分率のボトム値があり、ボトム値を含む低非透過成分率領域における非透過成分率分布が、ボトム値を極小値とする下に凸の曲線状であるものも輝度むら低減の観点から好ましい(図4(a)〜(d))。図4(c)に示すパターンは、非透過成分率の分布がピーク値を含み上に凸の曲線形状を有する第一の区間D1と、非透過成分率の分布がボトム値を含み下に凸の曲線形状を有する第二の区間D2とを有しているが、このようなパターンは光源が点光源である場合、特に効果的である。点光源として、例えば、LED(発光ダイオード)を用いる場合、光の出光角度によらず照度分布に対して本実施の形態に係る光反射シートにおける非透過成分率を設計することができる。
ここで、高非透過成分率領域とは、ピーク値の最大値とボトム値の最小値の算術平均値より大きい非透過成分率領域とし、低非透過成分率領域とは、ピーク値の最大値とボトム値の最小値の算術平均値より小さい非透過成分率領域とする。本発明において、ピーク値とボトム値との算術平均値は、上記定義に基づく非透過成分率の分布を用いて算出するものとする。なお、一周期の中で、ピーク値、ボトム値は1つとは限らず、同一の値が複数存在していてもよい。
また、隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する非透過成分率とは、図3に示す破線区間D3の部分に存在する非透過成分率をいうものとする。すなわち、ピーク値が複数存在する場合、隣り合うボトム値に対応する位置とピーク値に対応する位置との間の区間内に存在する非透過成分率をいうものとする。
また、「周期的に」変化するとは、繰り返されたパターン同士を比較して、同じ繰り返しに相当するピーク値及びピーク値を与える周期の開始点からの変位、並びに、ボトム値及びボトム値を与える周期の開始点からの変位が、それぞれ、全繰り返しパターンの平均値の±15%以内(好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内)の範囲内にあれば、周期的に変化しているものとする。上記の周期性を示す方向は、光反射シート面内に少なくとも一つあれば良く、光反射シート面について非透過成分率の分布を作成することにより特定することができる。本発明においては、繰り返された複数のピーク値の非透過成分率は、測定された全てのピーク値の非透過成分率の差が3%以内となることが好ましく、2%以内がより好ましく、1%以内であることが最も好ましい。ボトム値についても同様である。
次に、図5〜図7を参照して本実施の形態に係る光反射シートにおける高非透過成分率領域及び低非透過成分率領域の配置例について説明する。図5〜図7は、本実施の形態に係る光反射シートの高非透過成分率領域及び低非透過成分率領域の説明図である。図5に示す例においては、光反射シート1面内のx軸方向において、高非透過成分率領域A5と低非透過成分率領域A6とが、周期Cで交互に変化している。光反射シート1面内での非透過成分率は、各高非透過成分率領域A5内の仮想線L1近傍でピーク値となり、各低非透過成分率領域A6内の仮想線L2近傍でボトム値となる。
また、図6に示す例においては、光反射シート1面内のY軸方向において、光反射シート1の一端側の高非透過成分率領域A5から他端側の低非透過成分率領域A6に向けて非透過成分率が変化する領域A7と、光反射シート1の一端側の低非透過成分率領域A6から他端側の高非透過成分率領域A5に向けて非透過成分率が変化する領域A8とが周期Cで交互に変化している。すなわち、図5及び図6に示す例においては、光反射シート1面内のx軸方向において、非透過成分率が図4の如く周期的に変化していることを示している。このようなパターンは線光源に対して用いることが好適であるが、場合によっては点光源についても用いられる。
また、図7に示す例においては、光反射シート1面内において、円形形状の高非透過成分率領域A5が格子状に所定の周期Cで設けられ、高非透過成分率領域A5の間に低非透過率成分率領域A6が存在する。光反射シート1面内の非透過成分率は、各高非透過成分率領域A5の中心点P1近傍でピーク値となり、各低非透過成分率領域A6内でボトム値となる。すなわち、図7に示す反射シートにおいては、高非透過成分率領域A5と低非透過成分率領域A6とが、光反射シート1面内のx軸方向及びy軸方向において周期的に存在する。図7に示す例においても光反射シート1のx軸またはy軸方向の断面においては図4の如くに非透過成分率が推移している。このようなパターンは点光源に対して用いることが好適であるが、線光源に対して用いてもよい。
光反射シート1の基材11としては、樹脂、ガラス等の材料からなる光透過性の基材であればよく、特に基材単体での非透過成分率が25%以下のものが好ましく用いられる。基材11の厚さは特に限定されないが、通常、50μm〜500μmの範囲内である。樹脂材料からなる基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のオリゴマー及び/又はアクリレート系のモノマー等からなる電離放射線硬化性樹脂を紫外線又は電子線等の電磁放射線で硬化させた樹脂、等で構成された透明性基材を好ましく挙げることができる。また、ガラスからなる基材としては、ソーダ硝子、硼珪酸硝子等が用いられる。
光反射シート1の透過性制御部位12は、例えば、光反射性材料をその基材11の透過性を制御する部位の全面または部分的に塗布することで構成することができる。そのような光反射性材料としては、例えば塗料や金属ペーストなどの光反射性インク、シリコンビーズ、アクリルビーズなどの光拡散剤、蛍光増白剤などの光吸収剤、表面凹凸形状、有機/無機フィラーなどが上げられ、光透過性制御部位12における光反射性材料の占める面積や厚み、密度などによって、透過率、反射率をコントロールすることができる。これらの中でも、透過率と反射率を容易にコントロールでき、大面積化が可能であるという観点から光反射性インクが好ましく、なかでも反射率が高く吸収率が少ないという観点から白色インクが最も好ましい。また、塗布方法としては、白色インク硬化物のパターンを自由に形成できるため、印刷法が好ましい。
ここで、白色インク硬化物とは、白色インク組成物を印刷硬化させたものを意味し、白色インク組成物には、溶剤、白色顔料、分散剤、及び対象物表面への固着剤としての樹脂が基本成分として含まれる。白色インク組成物における白色顔料としては、具体的には、酸化チタン(TiO、チタンホワイト)、炭酸カルシウム、タルク、クレー、ケイ酸アルミニウム、塩基性炭酸鉛(2PbCOPb(OH)、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、ジンクホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、チタンストロンチウムホワイト)、硫酸バリウムなどが単独または混合系で使用できる。特に、酸化チタンは、他の無機白色顔料と比べると比重が小さいため分散安定性があり、屈折率が大きく光学散乱性に優れ、化学的、物理的にも安定である。このため、顔料としての隠蔽力や光学散乱性が大きいので、本発明に使用される無機白色顔料としては酸化チタンを主成分として用いるのが好ましい。拡散光の色目を調整する目的で、上記白色顔料を混合することも可能である。白色顔料の混合率は、白色インク組成物全体の30質量%〜60質量%とするのが好ましい。酸化チタン以外の白色顔料は、必要により分散補助等の目的で顔料全体の3割程度までの量で使用するのが一般的である。
白色インク組成物における樹脂としては、例えば、ケトン樹脂、スルホアミド樹脂、マレイン酸樹脂、エステルガム、キシレン樹脂、アルキド樹脂、ロジン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、セルロース樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂などが使用できるが、中でもアクリル系樹脂が好適に使用できる。
白色インク組成物における有機溶剤は、樹脂の溶解、粘度の調整などを目的として使用するものでありトルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどのシクロパラフィン系溶剤などが単独又は混合物の形で使用できる。有機溶剤の使用量は、白色インク組成物全体の30質量%〜60質量%程度である。
また、白色インク組成物中に光学効果をもつ光学剤を含有してもよい。光学剤は光線を拡散させる性質を有する粒子であり、無機フィラーと有機フィラーに大別される。無機フィラーとしては、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物を用いることができる。有機フィラーとしては、アクリル、アクリロニトリル、無黄変ウレタン、スチレンなどを用いることができる。印刷インクによる膨潤性の低さからは無機フィラーが好ましく、有機フィラーの中ではウレタン系フィラーが好ましい。
光学剤の配合量は、白色インク組成物中の樹脂100質量部に対して10質量部以上80質量部以下が好ましく、20質量部以上60質量部以下が特に好ましい。これは、光学剤の配合量が上記範囲未満であると、輝度均一効果が不十分となってしまい、逆に、光学剤の配合量が上記範囲を越えると、光調整パターンを形成する樹脂組成物の塗工が困難となってしまうことからである。
基材11の透過性制御部位12に印刷法で光反射性の材料を塗布する場合、パターン印刷部の形状については特に制限されない。例えば、円形状、三角形状、四角形状、楕円形状などのドットや、帯状などが挙げられる。パターン形成においては、汎用的であることから、円形状のドットが好ましい。この形状が円形状のドットである場合、その直径は5μm〜10μmであることが好ましい。
また、印刷方法については、従来公知の方法であればよく、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、並びに熱転写リボンを用いた熱溶融印刷、及び熱昇華印刷などのいずれの方法でもよい。なかでもオフセット印刷は網点の鮮明な印刷が可能で、さらに版が直接シートに触れず胴の磨耗が少ないため、大量印刷に適しているため、生産効率の面ではよい。
また、印刷インクは、印刷に使用可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、蒸発乾燥型インク、酸化重合型インク、加熱硬化型インク、2液反応型インク、紫外線硬化型インク、熱溶融型インク、熱昇華型インク等が挙げられる。中でも、フィルム印刷に適する紫外線硬化型インクが好ましい。なお、光学効果向上のためには、印刷インクは白色あるいは、灰色が好ましい。ただし、透明インク中に、無機フィラーや有機フィラーを添加して拡散効果を向上する方法でもよい。
非透過成分率の分布は、光反射性インク硬化物で形成されたドットからなるパターンにおける、ドット密度とドット濃度の分布により生じさせることができる。
光反射性インク硬化物のドット密度とは、下記関係式(3)に示すように光反射性インク硬化物と基材が接触している部分を基材平面に対して法線方向から観察した際の面積(以下「インク面積」という。)を、観察した単位面積で除した値の百分率を指す。インク面積は、例えば、キーエンス社製超深度カラー3D形状測定顕微鏡(VK−9500)や光学顕微鏡で測定することができる。ドット密度が大きくなると、その部位の反射率は増加し、透過率は減少する。
ドット密度(%)=(インク面積)/(観察した単位面積)×100…式(3)
光反射性インク硬化物のドット濃度とは、任意の面上におけるインク濃度(インク硬化物における光反射成分の割合)と厚みによって支配される。この場合、インク組成物中における光反射成分の濃度が予め分かっているので、インクの種類を変更する毎にその濃度を把握することができる。ドットの厚みは、例えば、超深度カラー3D形状測定顕微鏡(キーエンス社製、VK−9500)で測定することができる。ここでドット厚みとは、例えばインクが水含有性インクや溶剤含有性インクの場合、水や溶剤などの溶媒成分が揮発した後のドット厚みを表す。ドット濃度が大きくなると、その部位の反射率は増加し、透過率は減少する。
非透過成分率の分布は、光反射性インク硬化物のドット濃度、すなわち「ドット厚み」と「インク濃度」を一定にし、ドット密度を変化させて形成することが、光透過率の分布を制御しやすいという観点で好ましい。図8は、本実施の形態に係る光反射シートにおけるドット密度の一例を示す図である。光反射シート1のドット密度を変化させるにあたっては、ドット間のピッチPを一定にして、ドット密度の低下と共に、各光反射性インク硬化物15のドット面積を小さくしてもよい(図8(a))。また、各光反射性インク硬化物15のドット面積を一定にして、ドット密度の低下と共に、各光反射性インク硬化物15のピッチPを大きくしてもよい(図8(b))。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る光反射シートについて説明する。本発明の第2の実施の形態に係る光反射シートは、シート状の基材と凹凸パターンが設けられた層からなり、前記基材または前記層の少なくとも一方の面上に前記基材の光透過性を制御する部位を有する光反射シートであって、所定の方向における前記面内の相対位置を横軸にとり、前記面内の相対位置での非透過成分率を縦軸にとった非透過成分率分布図において、前記非透過成分率のピーク値と前記非透過成分率のボトム値とが複数有り、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間の非透過成分率の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する全点における非透過成分率の算術平均値より大きい。
凹凸パターンとは、例えば、表面に多数の突起部が設けられた構造である。突起部の形状は、略円錐状、略球状、略楕円体状、略レンチキュラーレンズ状、略放物面状のいずれでもよく、各突起部は、規則的に配列していても、不規則に配列していてもよい。また、突起部間は連続的な曲面でつながっていてもよい。また、不規則な凹凸が連続的な曲面でつながっている擬似ランダム構造も、好ましく用いることができる。この擬似ランダム構造としては、非平面スペックルによって特徴付けられた微細な3次元構造であることが好ましい。
非平面スペックルによって特徴付けられた3次元構造は、機械加工では困難であった10μm以下の微細な凹凸構造の形成に適している。特に、非平面スペックルを用いて凹凸を形成する方法は、光反射シート上の領域に応じて、拡散角度を変えるような場合に適した製法である。この非平面スペックルによる凹凸構造の製造方法については後述する。
また、マイクロレンズのような等方的な形状や、レンチキュラーレンズのような異方的な形状も容易に形成することができる。この凹凸構造は、モアレ抑制などの観点から、高さ及びピッチが不規則であることが好ましい。
このような凹凸形状を有する層が光反射シート内に存在すると、光反射シートに入射してきた光を拡散することが可能となる。本実施の形態に係る光反射シートは、シート面内に上記のような光を拡散する光学的機能を示す部分を有するが、光学的機能を有する必要のない部分、例えばシート周辺部など、光拡散性を要求されない部分においては、光反射シート表面が平滑になっている部分が存在していても良い。
次に、図9(a)〜(e)を参照して本発明の第2の実施の形態に係る光反射シートの構成例について説明する。図9(a)〜(e)は、本発明の第2の実施の形態に係る光反射シートにおける構成例を示す模式図である。図9(a)〜図9(e)に示すように、本実施の形態に係る光反射シート2は、基材21と、基材21の少なくとも一方の面上に設けられた凹凸パターン層22と、基材21又は凹凸パターン層22の少なくとも一方の面上に設けられ、基材21の光透過性を制御する光透過性制御部位23とを備える。図9(a)〜(c)に示す例は、基材21の一方の面上に凹凸パターン層22を設けた例である。この場合においては、光透過性制御部位23は、基材21と凹凸パターン層22との間に設けてもよく(図9(a)参照)、凹凸パターン層22上に設けてもよく(図9(b)参照)、基材21の他方の面上に設けてもよい。図9(d)、(e)に示す例は、基材21の両方の面上に凹凸パターン層22を設けた例を示している。この場合においては、光透過性制御部位23は、基材21の一方の面側の凹凸パターン層22上に設けてもよく、基材21と基材21の一方の面側の凹凸パターン層22との間及び基材21と基材21の他方の面側の凹凸パターン層22との間に設けてもよい。なお、凹凸パターン層22及び光透過性制御部位23は、任意に積層順序を変更してもよい。
図9(a)〜(e)に示した光反射シート2は、例えば、以下のようにして製造される。図9(a)に示す光反射シート2は、基材21上に光反射性インクを印刷して基材21の一方の面上に光透過性制御部位23を設け、その上に凹凸パターン層22を設けることにより製造される。図9(b)に示す光反射シート2は、基材21上に凹凸パターン層22を設け、凹凸パターン層22上に光反射性インクを印刷して光透過性制御部位23を設けることにより製造される。また、図9(c)に示す光反射シート2は、基材21の一方の面上に凹凸パターン層22を設け、基材21の他方の面上に光反射性インクを印刷して光透過性制御部位23を設けることにより製造される。図9(d)に示す光反射シート2は、基材21上の両面に凹凸パターン層22を設け、基板の一方の面側の凹凸パターン層22上に光反射性インクを印刷して光透過性制御部位23を設けることにより製造される。また、図9(e)に示す光反射シート2は、基材21上の両面にそれぞれ光反射性インクを印刷して光透過性制御部位23を設け、この光透過性制御部位23のそれぞれの表面上に凹凸パターン層22を設けることにより、製造することができる。これらの中でも、図9(b)、(c)で示したような構成のものが、輝度の低下を最小限に抑えつつ輝度むらを低減できるという観点から好ましい。なお、本実施の形態に係る光反射シートにおいては、凹凸パターン層22と光透過性制御部位23とを組み合わせることにより、任意に高非透過成分率領域A5と低非透過成分率領域A6とを調整することができる。
図9(a)または図9(b)のような光反射シート2の構成の場合、凹凸構造がある面と反対側の面は、平滑面、凹凸面、マット面などであってもよい。輝度向上、および輝度ムラ軽減の観点から、凹凸構造がある面と反対側の面は、平滑面となっていることが好ましい。なお、一般に拡散シートを積層する場合等に、傷つき防止のため、平滑性を失わない範囲で、凹凸構造がある面と反対側の面に極微量のビーズを塗布する場合がある。このような場合も平滑面に含まれるものとする。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係る光反射シートについて説明する。本実施の形態に係る光反射シートは、シート状の基材と凹凸パターンが設けられた層からなり、前記基材または前記層の少なくとも一方の面上に、前記基材の光透過性を制御する部位を有する光反射シートであって、所定の方向における前記面内の相対位置を横軸にとり、前記面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のピーク値と前記拡散角度のボトム値とが複数有り、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間の拡散角度の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する全点における拡散角度の算術平均値より大きい。このシートを光源の上方に配設する場合、シートの拡散角度の周期を、光源直上領域と光源間領域とからなる投影領域周期に合わせることが好ましい。これにより、正面輝度むら及び斜め輝度むらを低減することができる。
本発明において、「拡散角度」とは、透過光強度がピーク強度の半分に減衰する角(半値角)の2倍の角度(FWHM:Full Width Half Maximum)をいう(図10(a)参照)。この拡散角度は、例えば、Photon社製のGoniometric Radiometers Real−Time Far−Field Angular Profiles Model LD8900(以下LD8900)で、光反射シートの凹凸面の法線方向から、凹凸面側より入射した光に対する透過光強度の角度分布を測定することによって求めることができる。ここで、光反射シートの法線方向とは、図10(b)に示す方向を指す。
また、本実施の形態に係る光反射シートとしては、測定方向によらず、ほぼ同じ拡散角度が得られる等方性シートと、測定方向によって、拡散角度が異なる異方性シートの両方を用いることができる。異方性シートとは、例えば、直交する2つの方向で拡散角度を測定した場合に、拡散角度が異なるようなシートである。
図11は、本実施の形態に係る光反射シートにおける拡散角度の分布を示す図である。この光反射シートは、光反射シート面に垂直に光線を入射した場合の出射光の拡散角度が光反射シート面内の所定の方向に沿って周期的に変化するものである。図11に示す拡散角度分布図においては、光反射シート面内の所定の方向における光反射シート面内の相対位置を横軸にとり、光反射シート面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとっている。本実施の形態に係る光反射シートにおいては、拡散角度のピーク値と拡散角度のボトム値とが複数有る(図11においてはピーク値が1つ、ボトム値が2つ示している)。ピーク値とは、拡散角度の分布の1周期の中で最も高い拡散角度の値をいい、ボトム値とは、拡散角度の分布の1周期の中で最も低い拡散角度の値をいう。
本実施の形態に係る光反射シートでは、このような拡散角度分布図において、隣り合うピーク値とボトム値との間の拡散角度の算術平均値が、前記隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する全点における拡散角度の算術平均値より大きい。ここで述べる「全点」とは、測定点の全てを意味するものである。
拡散角度の変化は、隣り合うピーク値とボトム値との算術平均値が、隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する拡散角度の算術平均値より大きければ厳密に直線状、曲線状、階段状でなくてもよく、拡散角度の測定バラツキ等により、直線状、曲線状、階段状から若干はずれた形状や、直線と曲線の混合形状であってもよい。光源直上領域から光源間領域へ推移する場合、その位置に対する入光角度は直線的に大きくなっていく。入光角度が大きいほど光反射シートより下へ反射される光や光反射シートの法線方向に対して斜めに抜けてゆく光が大きくなっていくことを考慮すると、光源上領域から光源間領域へ推移するにつれて拡散すべき光の量は直線的ではなく、それ以上に大きく減衰する。つまり、隣り合うピーク値とボトム値との算術平均値が、隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する拡散角度の算術平均値より大きい光反射シートであれば、拡散すべき光の減衰に合わせて輝度ムラを低減することが可能となる。図12(a)〜図12(f)に、拡散角度が直線状、曲線状、直線と曲線の混合形状に変化している光反射シートの例を示す。
光反射シート内の各領域における拡散角度は、相対的に拡散角度が高い領域を光源直上に配置してもよく、相対的に拡散角度が低い領域を光源直上に配置してもよい。また、各領域間の拡散角度はなめらかに変化することが好ましい。特に、高拡散角度領域に連続する複数のピーク値を含む形状があることが輝度むら低減の観点から好ましく、その形状は直線状又は下に凸の曲線状又は直線と下に凸の曲線の混合形状であることが好ましい(図12(d)、(f))。このようなパターンは光源が線光源の場合、特に効果的である。また、拡散角度のボトム値があり、ボトム値を含む低拡散角度領域における拡散角度分布が、ボトム値を極小値とする下に凸の曲線状であるものも輝度むら低減の観点から好ましい(図12(a)〜(d))。図12(c)に示すパターンは、拡散角度の分布がピーク値を含み上に凸の曲線形状を有する第一の区間と、拡散角度の分布がボトム値を含み下に凸の曲線形状を有する第二の区間とを有しているが、このようなパターンは光源が点光源である場合、特に効果的である。点光源として、例えば、LED(発光ダイオード)を用いる場合、光の出光角度によらず照度分布に対して本実施の形態に係る光反射シートにおける拡散角度を設計することができる。
ここで、高拡散角度領域とは、ピーク値の最大値とボトム値の最小値の算術平均値より大きい角度領域とし、低拡散角度領域とは、ピーク値の最大値とボトム値の最小値の算術平均値より小さい角度領域とする。本実施の形態に係る光反射シートにおいて、ピーク値とボトム値との算術平均値は、上記定義に基づく拡散角度の分布を用いて算出するものとする。なお、一周期の中で、ピーク値、ボトム値は1つとは限らず、同一の値が複数存在していてもよい。
また、隣り合うピーク値とボトム値との間に分布する拡散角度とは、図11の破線区間D4部分に存在する拡散角度をいうものとする。すなわち、ピーク値が複数存在する場合、隣り合うボトム値に対応する位置とピーク値に対応する位置との間の区間内に存在する拡散角度をいうものとする。
また、「周期的に」変化するとは、繰り返されたパターン同士を比較して、同じ繰り返しに相当するピーク値及びピーク値を与える周期の開始点からの変位、並びに、ボトム値及びボトム値を与える周期の開始点からの変位が、それぞれ、全繰り返しパターンの平均値の±15%以内(好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内)の範囲内にあれば、周期的に変化しているものとする。上記の周期性を示す方向は、光反射シート面内に少なくとも一つあれば良く、光反射シート面について拡散角度の分布を作成することにより特定することができる。本発明においては、繰り返された複数のピーク値の拡散角度は、測定された全てのピーク値の拡散角度の差が5°以内となることが好ましく、3°以内がより好ましく、2°以内であることが最も好ましい。ボトム値についても同様である。
次に、図13〜図15を参照して本実施の形態に係る光反射シートの高拡散角度領域と低拡散角度領域との配置例について説明する。図13〜図15は、本実施の形態に係る光反射シートの高拡散角度領域及び低拡散角度領域の説明図である。図13に示す例においては、光反射シート3面内のX軸方向において、高拡散角度領域A9と低拡散角度領域A10とが、周期Cで交互に変化している。光反射シート3面内の拡散角度は、各高拡散角度領域A9内の仮想線L3の近傍でピーク値となり、各低拡散角度領域A10内の仮想線L4の近傍でボトム値となる。
また、図14に示す例においては、光反射シート3面内のY軸方向において、光反射シート3の一端側から他端側に向けて高拡散角度領域A9から低拡散角度領域A10に変化する領域A11と、低拡散角度領域A10から高拡散角度領域A9に変化する領域A12とが周期Cで交互に変化している。すなわち、図13及び図14に示す例においては、反射シート面内のx軸方向において、高拡散角度領域A9と低拡散角度領域A11とが図11の如く周期的に変化していることを示している。このようなパターンは線光源に対して用いることが好適であるが、場合によっては点光源についても用いられる。
また、図15は、高拡散角度領域A9と低拡散角度領域A10とが、光反射シート3面内のx軸方向及びy軸方向において周期的に存在する例を示す図である。図15に示す例においては、光反射シート3面内において、円形形状の高拡散角度領域A9が格子状に存在し、各高拡散角度領域A9の間に低拡散角度領域A10が存在する。反射シート3面内の拡散角度は、各高拡散角度領域の中心点P2の近傍でピーク値となり、低拡散角度領域A10内でボトム値となる。図15に示す例においても光反射シート3のx軸またはy軸方向の断面においては図11の如くに拡散角度が推移している。このようなパターンは点光源に対して用いることが好適であるが、線光源に対して用いてもよい。
この凹凸構造を表面に有し、光反射シート上の領域に応じて拡散角度が変化するような光反射シートは、具体的には次のようにして製造することができる。まず、予め干渉露光により、レーザー光をレンズやマスクを介して感光性材料やフォトレジストに照射し、拡散角度が位置によって変化するようにスペックルパターンを形成させたサブマスタ型を作製する。レーザー照射システムを構成する部材間の距離やサイズを変えスペックルパターンの寸法、形状及び方向を調節することにより、拡散角度の範囲を制御し、異なる拡散角度をもつ凹凸構造を記録することができる。
一般に、拡散角度の範囲は、スペックルの平均サイズ及び形状に依存する。スペックルが小さければ角度範囲が広い。また、凹凸構造の単位構造は等方性のものに限らず、異方性のものを形成することもでき、両者の複合された凹凸構造とすることもできる。スペックルが横方向の長円形であれば、角度分布の形は縦方向の長円形となる。このように拡散角度が位置によって変化するようなサブマスタ型を作製する。このサブマスタ型に電鋳などの方法で金属を被着してこの金属にスペックルパターンを転写してマスタ型を作製する。光透過性樹脂層に、上記マスタ型を用いて紫外線による賦形を行って光透過性樹脂層の光取り出し面にスペックルパターンを転写する。拡散角度を位置によって変えたこの拡散シートの詳細な製造方法については、特表2003−525472号公報(国際公開第01/065469号)に開示されている。具体的には、光源と、光源から投射された光の光路に設けられたサイズおよび形状可変の開口を備えたマスクと、光源から投射された光により生ずる拡散パターンを記録するためのプレートと、マスクとプレートの間に配置された光を拡散させる拡散板と、光の一部をブロックするために拡散板とプレートの間に設けられたブロッカーを用い、マスクの開口とブロッカーのサイズ及び形状、拡散板の拡散度合い及び各構成部材間の距離を変化させて作る。
本実施の形態に係る光反射シートは、例えば、以下の工程によって製造される。
1.マスクの開口形状を縦長にすることで、プレート上に記録される凸部の底面の形状を横長の楕円にし、縦長の楕円拡散能を示す(直交する2方向の拡散角度が異なる)領域を形成する。
2.マスクの開口形状を正方形にすることで、プレート上に記録される凸部の底面の形状を等方にし、等方拡散能を示す(全方向で拡散角度が同一となる)領域を形成する。
上記1および2のパターンを組み合わせて、周期的パターンを形成すれば、本実施の形態に係る光反射シート、すなわち面内で拡散角度が周期的に変化する光反射シートが製造できる。
表面構造の凹凸高さは、例えば走査型電子顕微鏡で観察した光反射シート断面形状のピッチやアスペクト比、表面粗さ等から判断できる。また、レーザー共焦点顕微鏡による光反射シート表面の観察像からも、ピッチ、アスペクト比や、表面粗さ等を読み取ることができる。例えば、ピッチが短いほど、或いはアスペクト比が大きいほど、或いは表面粗さが大きいものほど凹凸高さが高いと見なすことができる。
次に、図16(a)〜(e)を参照して、本実施の形態に係る光反射シートの構成の具体例について説明する。図16(a)〜(e)は、本発明の第3の実施の形態に係る光反射シートの構成例を示す図である。図16(a)から図16(e)に示すように、本実施の形態に係る光反射シート3は、基材31と、基材31上に設けられた基材31の光透過性を制御する光透過性制御部位32と、非光透過性制御部位32上に設けられ、周期的に凹凸形状が形成された凹凸パターン層33とを備えている。なお、各層の積層順序は適時変更可能である。図16(a)〜(c)に示す例は、基材31の一方の面上に凹凸パターン層33を設けた例である。この場合においては、光透過性制御部位32は、基材31と凹凸パターン層33との間に設けてもよく(図16(a)参照)、凹凸パターン層33上に設けてもよく(図16(b)参照)、基材31の他方の面上に設けてもよい(図16(c)参照)。図16(d)、(e)に示す例は、基材31の両方の面上に凹凸パターン層33を設けた例を示している。この場合においては、光透過性制御部位33は、基材31の一方の面側の凹凸パターン層33上に設けてもよく、基材31と基材31の一方の面側の凹凸パターン層33との間及び基材31と基材31の他方の面側の凹凸パターン層33の間に設けてもよい。なお、凹凸パターン層32及び光透過性制御部位32は、任意に積層順序を変更してもよい。本実施の形態に係る光反射シート3においては、凹凸パターン層32及び光透過性制御部位33によって高拡散角度領域A9と低拡散角度領域A10とを制御することが可能となる。
図16(a)〜(e)に示した光反射シート3は、例えば、以下のようにして製造される。図16(a)に示す光反射シート3は、基材31上に光反射性インクを印刷して基材21の一方の面上に光透過性制御部位32を設け、光透過性制御部位32上に凹凸パターン層33を設けることにより製造される。図16(b)に示す光反射シート3は、基材31上に凹凸パターン層33を設け、凹凸パターン層33上に光反射性インクを印刷して光透過性制御部位32を設けることにより製造される。また、図16(c)に示す光反射シート3は、基材31の一方の面上に凹凸パターン層33を設け、基材31の他方の面上に光反射性インクを印刷して光透過性制御部位32を設けることにより製造される。図16(d)に示す光反射シート3は、基材31上の両面に凹凸パターン層33を設け、基材31の一方の面側の凹凸パターン層33上に光反射性インクを印刷して光透過性制御部位32を設けることにより製造される。また、図16(e)に示す光反射シート3は、基材31上の両面にそれぞれ光反射性インクを印刷して光透過性制御部位32を設け、この光透過性制御部位32のそれぞれの表面上に凹凸パターン層33を設けることにより製造される。これらの中でも、図16(b)、(c)で示したような構成のものが、輝度むらを低減できるという観点から好ましい。
図16(a)または図16(b)のような構成の場合、凹凸構造がある面と反対側の面は、平滑面、凹凸面、マット面などであってもよい。輝度向上、および輝度ムラ軽減の観点から、凹凸構造がある面と反対側の面は、平滑面となっていることが好ましい。なお、一般に光反射シートを積層する場合等に、傷つき防止のため、平滑性を失わない範囲で、凹凸構造がある面と反対側の面に極微量のビーズを塗布する場合がある。このような場合も平滑面に含まれるものとする。
次に、本発明に係る光源ユニットの一例について説明する。本実施の形態に係る光源ユニットは、基本的には、複数(少なくとも2つ)の光源(線光源又は点光源)と、光源の上方に配設された光反射シートと、を具備する。光源の下方には、光源からの光を反射させるための反射シートが使用されることが好ましい。図17、図18に本実施の形態で示す光源ユニットの概略構成を示す。図17(a)、(b)は、線光源として冷陰極管(CCFL)を用いた光源ユニットの一例を示す図であり、図18(a)、(b)は、点光源としてLED(発光ダイオード)を用いた光源ユニットの一例を示す図である。
図17(a)に示すように、線光源を用いた光源ユニットは、平行に配置された3つの冷陰極管51と、冷陰極管51の下方に配置され、冷陰極管51からの光を反射する反射シート52と、冷陰極管51の上方に配置された光反射シート53とを具備する。また、上記構成を有していれば、さらに、光学シート、拡散シート等を配設してもよく、例えば、冷陰極管51と光反射シート53との間に拡散板(光学シート)54を設けた構成とすることができる(図17(b)参照)。
図18(a)に示すように、点光源を用いた光源ユニットは、平行に配列された複数のLED55と、LED55の下方に配置され、LED55からの光を反射する反射シート52と、LED55の上方に配置された光反射シート53とを具備する。また、線光源を用いた光学ユニットと同様に、LED55と光反射シート53との間に拡散板(光学シート)54を設けた構成とすることができる(図18(b)参照)。
なお、本実施の形態に係る光源ユニットにおいては、光源としては、図17に示すような冷陰極管(CCFL)51などの線光源や、図18に示すようなLED(発光ダイオード)55、レーザーなどの点光源を用いることができる。この場合、光源は光反射シートの入光面及び出光面に対して、直下に配列される。
反射シート52は、光を反射させることのできるものであれば、様々なものを用いることができる。例えば、ポリエステル、ポリカーボネートなどの樹脂を発泡させて内部に微細な空気の粒を入れシート状としたもの、2成分以上の樹脂を混合してシート状としたもの、屈折率の異なる樹脂層を積層したシート、などを用いることができる。また、反射シート52は、表面に凹凸形状が形成されていても良い。これらには、必要に応じて、表面に無機微粒子などを添加したものを用いることができる。
拡散板54は、光を拡散させることのできるものであれば、様々なものを用いることができる。例えばポリスチレン、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー等に、光を拡散させる効果がある有機ポリマーや無機微粒子を添加したものを用いることができる。これらの拡散板は、光を拡散させ、下部光源の光を均一化させる効果がある。また、拡散板54は、表面に凹凸形状が形成されていても良い。これらには、必要に応じて、有機ポリマーや無機微粒子を添加したものを用いることができる。また、2成分以上の樹脂を混合し、延伸してシート状とした拡散板も用いることができる。
本実施の形態で示す光源ユニットにおいては、光反射シートの非透過成分率分布の周期と、前記光反射シートの入光面における照度分布の周期とを等しくする。光反射シートの入光面における照度分布は、例えばELDIM社のEZCONTRASTXL88などによって測定できる。具体的には、光反射シートが設けられる光源ユニットにおいて、光反射シートを除き、光反射シートの入光面が位置する箇所に装置の焦点を定めて全方位輝度分布を測定し、その結果から積算光束量(Integrated Intensity)を得る、ということを面内測定対象範囲において繰り返すことで測定する。
本実施の形態で示す光源ユニットは、光反射シートの拡散角度分布の周期と、光反射シートの入光面における照度分布の周期とを等しくする。光反射シートの入光面における照度分布は、上述の通りである。
次に、図19(a)、(b)及び図20(a)、(b)を参照して、本実施の形態に係る光源ユニットにおける非透過成分率及び拡散角度の分布について説明する。図19(a)、(b)は、本実施の形態に係る光源ユニットの模式的な斜視図である。図20(a)は、図19(a)、(b)に示す光源ユニットにおける光源の間隔と非透過成分率の分布周期を示す図であり、図20(b)は、図19(a)、(b)に示す光源ユニットにおける光源位置と拡散角度の分布周期を示す図である。
図19(a)に示す光源ユニットにおいては、3つの冷陰極管(CCFL)51が所定の光源間隔S1で平行に配置されている。各冷陰極管51の長手方向は、y軸方向に沿って配置されている。光反射シート53は、XY平面内に配置されており、光反射シート53と直交するZ軸方向が出光方向となる。なお、図19(b)は、図19(a)の構成に拡散板54を追加した構成となっている。光反射シート53は、非透過成分率または拡散角度が周期的に分布し、さらに非透過成分率または拡散角度が周期的に分布する方向と、冷陰極管51の長手方向と直交するY軸方向とが一致するように配置されている。光反射シート53面内での非透過成分率または拡散角度は、仮想線L5近傍でピーク値となり、仮想線L6近傍でボトム値となる。
図19(a)、(b)において、光反射シート53の入光面における照度分布の周期Cは隣接する冷陰極管51同士の間隔と等しいため、光反射シート53面内の非透過成分率または拡散角度分布周期を、冷陰極管51の光源間隔S1と略等しくすることが好ましい。光反射シート53の入光面の照度分布において、光源直上領域の照度が高い場合、輝度むら解消の観点から、光反射シートの高非透過成分率領域または高拡散角度領域を配置することが好ましい。図20(a)、(b)には、光反射シート53の入光面における照度分布に対応するように設計した、非透過成分率または拡散角度分布の例が示されている。
また、冷陰極管51の投影領域(光源直上領域)から冷陰極管51の間の投影領域(光源間領域)における非透過成分率または拡散角度の差、凹凸高さの差、及び位置による拡散角度・凹凸高さの変わり方は、輝度を均一化するために適宜調整することができる。
以下に、本実施の形態で示す光源ユニットの具体的な構成例について説明する。例えば、光源ユニットの構成として、図21(a)から図21(c)に示す構成を用いることができる。ここでは線光源であるCCFLについて例示してあるが、例えば図22で示すように光源がLEDなどの点光源であっても構わない。
図21(a)に示す例では、図17(b)に示す構成において、冷陰極管51の直上に配置される拡散板54と光反射シート53との間に、微細な凹凸構造が表面に形成された表面賦形型拡散シート56を配置し、さらに光反射シート53の直上に、表面賦形型拡散シート56を配置している。
図21(b)に示す例では、図17(b)に示す構成において、光源直上に配置される拡散板54及び光反射シート53の上方に、アレイ状のプリズム配列構造を有する光学シート(以下「プリズムシート」ともいう。)57と、微細な凹凸構造が表面に形成された表面賦形型拡散シート56と、をこの順で配置している。また図21(c)に示す例では、図17(b)に示す構成において、光源直上に配置される拡散板54及び光反射シート53の上方に、微細な凹凸構造が表面に形成された表面賦形型拡散シート56と、プリズムシート57とを配置している。
ここで、表面賦形型拡散シート56としては、アクリル系樹脂の球状ビーズがポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース、或いはポリカーボネート等のシート上に塗布されたシートを用いることができる。また、表面賦形型拡散シート56としては、紫外線硬化樹脂による微細な凹凸構造がポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース、或いはポリカーボネート等のシート上に転写されたシートを用いることができる。このような表面賦形型拡散シート56は、光を拡散させ均一化させる効果とともに、拡散板54で拡散された光を集光する機能を有する。これらの表面賦形型拡散シート56と、光反射シート53とを組み合わせて使用することにより、輝度むらを軽減し、光源ユニットの薄型化や光源数の削減を実現することができる。
プリズムシート57としては、表面に、断面形状が略三角形状、略台形状、略楕円状であるプリズム条列がアレイ状に配列しているような光学シートを用いることができる。前記断面形状の頂点を丸めた形状としたものも、耐擦傷性向上などの観点から、好ましく用いることができる。これらのプリズムシートとしては、紫外線硬化樹脂によるプリズム条列がポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース、或いはポリカーボネート等の基材シート上に転写された形態として用いることができる。このようなプリズムシート57は再帰反射性を示すため、入射光を正面へ集光する機能を有する。このプリズムシートと、本実施の形態に係る光反射シートとを組み合わせて使用することにより、輝度むらを軽減し、光源ユニットの薄型化や光源数の削減を実現することができる。
図22(a)に示す例では、図18(b)に示す構成において、光源直上に配置される拡散板54及び光反射シート53の上方に、微細な凹凸構造が表面に形成された表面賦形型拡散シート56を2枚配置し、さらに表面賦形型拡散シート56上に反射型偏光シート58を配置している。図22(b)に示す例では、図18(b)に示す構成において、光源直上に配置される拡散板54及び光反射シート53の上方に、プリズムシート57を配置し、さらにプリズムシート57上に反射型偏光シート58を配置している。
反射型偏光シート58としては、自然光又は偏光から偏光を分離する機能を有するシートを用いることができる。直線偏光を分離するシートとしては、例えば、軸方向で直交する直線偏光の一方を透過し、他方を反射するフィルム等が挙げられる。反射型偏光シートとしては、具体的には、複屈折位相差の大きい樹脂(ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等)と、複屈折位相差の小さい樹脂(シクロオレフィンポリマー等)とを交互に多層積層し一軸延伸して得られるシートや、複屈折性のポリエステル樹脂を数百層積層した構造からなるシート(DBEF、3M(株)製)等を用いることができる。他にも、光源ユニットの構成として、例えば、図23、図24に示す配設構成を採用することができる。
図23(a)に示す例では、図17(a)に示す構成において、冷陰極管51と光反射シート53の間に拡散板54を配置し、さらに光反射シート53の直上に、表面賦形型拡散シート56を配置している。また、図23(b)に示す例では、図17(a)に示す構成において、光反射シート53の上方に、拡散板54、表面賦形型拡散シート56の順で配置している。
図23(c)に示す例では、図17(a)に示す構成において、冷陰極管51と光反射シート53の間に拡散板54を配置し、さらに光反射シート53の上方に、プリズムシート57、反射型偏光シート58をこの順で配置している。また、図23(d)に示す例では、図17(a)に示す構成において、冷陰極管51と光反射シート53の間に拡散板54を配置し、さらに光反射シート53の上方に、プリズムシート57のプリズム配列方向を直交させて2枚配置し、さらにその上方に表面賦形型拡散シート56を配置している。
図24(a)に示す例では、図17(a)に示す構成において、冷陰極管51と光反射シート53の間に拡散板54を配置し、さらに光反射シート53の上方に、表面賦形型拡散シート56、プリズムシート57、及び反射型偏光シート58をこの順で配置している。また、図24(b)は、図17(a)に示す構成において、光反射シート53の上方に、拡散板54、表面賦形型拡散シート56、プリズムシート57、及び反射型偏光シート58をこの順で配置してなる光源ユニットを示す。また、図24(c)は、図17(a)に示す構成において、冷陰極管51と光反射シート53の間に拡散板54を配置し、さらに光反射シート53の上方に、表面賦形型拡散シート56、プリズムシート57、プリズムシート57、及び反射型偏光シート58をこの順で配置している。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、非透過成分率は、光反射シートのx軸方向及び/又はy軸方向に対して、1mm間隔の各位置での透過率を直接測定することが困難であるため、各位置における白色インク硬化物による印刷パターンと同一の印刷パターンを1cm四方の面積に印刷した各サンプルを作製してMPC−2200で測定した値から求めた非透過成分率によって、非透過成分率分布図を作成した。拡散角度については、微細な凹凸構造を有する面から入光させ、LD8900で測定した角度を示している。例えば、5°は、どの方向のFWHMも、5°であることを表す。拡散角度分布については、光反射シートのx軸方向及び/又はy軸方向に対して、1mm間隔でFWHMを測定し、拡散角度分布図を作成した。
光学シートとして記載がないものについて、すなわち、反射シート、拡散板、表面賦形型拡散シート、アレイ状のプリズム配列構造を有するプリズムシート、及び反射型偏光シートについては、それぞれ、ポリエステル樹脂からなる白色反射シート(以下、「RS」と略記)、ポリスチレンからなり、厚さ1.5mm、拡散剤濃度13000ppmの拡散板(以下、「DP」と略記)、厚さ250μmのPET基材上に半球レンズがUV硬化性樹脂によって賦形された光学シート(以下、「MLF」と略記)、厚さ250μmのPET基材上に頂角90°、ピッチ50μmのプリズム条列がUV硬化性樹脂によって賦形された光学シート(以下、「プリズムシート」と略記)、及び反射型偏光シート(以下、「DBEF」と略記。3M社製)を用いた。
実施例1から実施例3及び比較例1の光源ユニットの光源として、3.5mm角、高さ2.0mmの白色LED光源(CREE社製)を用いた。このLEDを図25に示すように並べて配置し、光源ユニットを作製した。使用したLED(CREE社製)の配光特性を図26に示す。
実施例4の光源ユニットの光源として、8.5mm角、高さ3mmのモールドレンズ型白色LEDを、図27(a)に示すように並べて配置し、光源ユニットを作製した。このLEDは図28(a)に示すような配光特性を持つ。
実施例5の光源ユニットの光源として、直径15.3mm、高さ5.4mmのレンズキャップ付白色LEDを、図27(b)に示すように並べて配置し、光源ユニットを作製した。このLEDは図28(b)に示すような配光特性を持つ。
輝度及び輝度むらは、コニカミノルタ社製の2次元色彩輝度計(CA2000)を使用し、光源ユニットから70cm離して設置し、光源ユニットの中心部120mm×120mmの範囲で測定した平均輝度値を輝度とした。
輝度むらは、x軸方向及びy軸方向の2方向について算出した値の平均値とした。まず、x軸(120mm)方向の平均輝度値を求め、y軸方向について、各々の点の輝度値を各々の点から±Amm分の輝度平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求めた。同様に、y軸(120mm)方向の平均輝度値を求め、x軸方向について、各々の点の輝度値を各々の点から±Bmm分の輝度平均値で割り返した値の標準偏差として輝度むらを求めた。各実施例および比較例におけるA,Bの値は下記表1に示す。最後に、x軸方向の標準偏差とy軸方向の標準偏差を平均した値(以下、S.D.で表わす。)を、光源ユニットの輝度むらとした。なお、LED光源は点光源であるので、図2(b)のように、隣接する光源の直線距離が最大となるような線(図2(b)における破線)上において、拡散角度の分布を考えた。正面輝度むらは、画面に対して法線方向からの輝度むらを測定した。斜め輝度むらは画面に対して45度方向から見た輝度むらを測定した。
Figure 2012022314
ここで、正面輝度むらおよび斜め輝度むらの判定基準を下記のように、2段階(○、×)に分類した。
○:S.D.≦0.005
×:0.005<S.D.
(実施例1)
図22(a)に示すように、光源上方にDP、実施例1の光反射シート、MLF、MLF、DBEFと、をこの順で配置し、実施例1の光源ユニットを構成した。
実施例1の光反射シートは、図29(a)に示すように、厚さ250μmのポリエチレンテレフタラートフィルム(コスモシャインA4300、東洋紡社製、以下「PET基材100」という。)の基材の一方の面上に光反射性インクとして白色インク101を印刷した構成である。ここで白色ドット印刷は熱転写式印刷装置と該印刷装置専用の白色インクリボン(アルプス電気社製MD−5500、MDC−SCWH)を用いた。従って、ドット濃度は全印刷領域に渡って一定である。
実施例1の光反射シートは、光源の投影領域の非透過成分率が21%、光源と光源の、中間点の投影領域の非透過成分率が1%で、図31(a)に示すように非透過成分率が変化している光反射シートを、PET基材面が出光面となるように用いた。この時、高非透過成分率領域における白色ドット間のピッチは283μm、1つのドットは直径194μm、面積29544μmの円状で、単位面積あたりのドット密度は37%であった。単位面積は283μm×283μm=80089μmであった。低非透過成分率領域における白色ドット間のピッチは283μm、1つのドットは直径12μm、面積113μmの円状で、単位面積あたりのドット密度は0.14%であった。単位面積は283μm×283μm=80089μmであった。
ここで、RSとDPの入光面との距離hを18.0mmとした。実施例1の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。また、実施例1の光反射シートについて、非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との算術平均値(R−Av1)と、連続する非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との間に分布する全測定点の非透過成分率の算術平均値(R−Av2)を下記表2に併記した。
(実施例2)
図22(a)に示すように、光源上方にDP、実施例2の光反射シート、MLF、MLF、DBEFと、をこの順で配置し、実施例2の光源ユニットを構成した。
実施例2の光反射シートは、図29(b)に示すように、厚さ250umのPET基材100の一方の面上に光反射性インクとして白色インクを印刷し、PET基材100の白色インク101を印刷した面と反対側の面に不規則な凹凸パターン形状を設けた凹凸パターン層102を有する構成である。ここで白色ドット印刷は熱転写式印刷装置と白色インクリボン(アルプス電気社製MD−5500、MDC−SCWH)を用い、不規則な凹凸パターンは干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成された凹凸パターンを用いた。
実施例2の光反射シートは、光源の投影領域の非透過成分率が55%、光源と光源の、中間点の投影領域の非透過成分率が2%で、図31(b)に示すように非透過成分率が変化した。この時、高非透過成分率領域における白色ドット間のピッチは283μm、1つのドットは直径266μm、面積55543μmの円状で、単位面積あたりのドット密度は69%であった。単位面積は283μm×283μm=80089μmであった。低非透過成分率領域における白色ドット間のピッチは283μm、1つのドットは直径145μm、面積16505μmの円状で、単位面積あたりのドット密度は21%であった。単位面積は283μm×283μm=80089μmであった。
また、実施例2の光反射シートは、光源の投影領域の拡散角度が74°、光源と光源の、中間点の投影領域の拡散角度が19°で、図30に示すように拡散角度が変化した。実施例2の光反射シートを、不規則な凹凸パターン形状を設けた層が出光面となるように用いた。
ここで、RSとDPの入光面との距離hを12.0mmとした。実施例2の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。また、実施例2の光反射シートについて、非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との算術平均値(R−Av1)と、連続する非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との間に分布する全測定点の非透過成分率の算術平均値(R−Av2)を下記表1に併記した。さらに、拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との算術平均値(D−Av1)と、連続する拡散角度ピーク値と拡散角度ボトム値との間に分布する全測定点の拡散角度の算術平均値(D−Av2)を下記表2に併記した。
(実施例3)
図22(b)に示すように、光源上方にDP、実施例3の光反射シート、プリズムシート、DBEF、をこの順で配置し、実施例3の光源ユニットを構成した。
実施例3の光反射シートは、図29(c)に示すように、厚さ250umのPET基材100上に不規則な凹凸パターン形状を設けた凹凸パターン層103を有し、さらにその層上に光反射性インクとして白色インク101を印刷した。ここで白色ドット印刷は熱転写式印刷装置と白色インクリボン(アルプス電気社製MD−5500、MDC−SCWH)を用い、不規則な凹凸パターンは干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成された凹凸パターンを用いた。
実施例3の光反射シートは、光源の投影領域の非透過成分率が43%、光源と光源の、中間点の投影領域の非透過成分率が33%で、図31(c)に示すように非透過成分率が変化した。この時、高非透過成分率領域における白色ドット間のピッチは283μm、1つのドットは直径194μm、面積29544μmの円状で、単位面積あたりのドット密度は37%であった。単位面積は283μm×283μm=80089μmであった。低非透過成分率領域における白色ドット間のピッチは283μm、1つのドットは直径12μm、面積113μmの円状で、単位面積あたりのドット密度は0.14%であった。単位面積は283μm×283μm=80089μmであった。また、実施例3の光反射シートは、シート面内の全ての点において拡散角度が90°であった。
実施例3の光反射シートを、不規則な凹凸パターン形状を設けた層上に白色ドットインクを印刷した部分が出光面となるように用いた。ここで、RSとDPの入光面との距離hを18.0mmとした。実施例3の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。また、実施例3の光反射シートについて、非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との算術平均値(R−Av1)と、連続する非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との間に分布する全測定点の非透過成分率の算術平均値(R−Av2)を下記表2に併記した。
(実施例4)
図24(a)に示すように、光源上方にDP、実施例4の光反射シート、MLF、プリズムシート、DBEF、をこの順で配置し、実施例4の光源ユニットを構成した。
実施例4の光反射シートは、図29(d)に示すように、厚さ250umのPET基材100の一方の面上に不規則な凹凸パターン形状を設けた凹凸パターン層103を有し、さらにもう一方の面上に光反射性インクとして白色インク101を非透過成分率を周期的に変化させるように濃淡をつけて印刷した。ここで白色ドット印刷はローランドディー.ジー.社製のUVインクジェットプリンタLEC−330を用い、不規則な凹凸パターンは干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成された凹凸パターンを用いた。
実施例4の光反射シートは、光源の投影領域の非透過成分率が28%、光源と光源との間の中間点の投影領域の非透過成分率が11%であり、図32(a)に示すように非透過成分率が変化した。この時、高非透過成分率領域における白色ドット間のピッチは110μm、1つのドットは直径100μm、面積7850μmの円状で、単位面積あたりのドット密度は52%であった。単位面積は3000μm×3000μm=9000000μmであった。低非透過成分率領域における白色ドット間のピッチは522μm、1つのドットは直径100μm、面積7850μmの円状で、単位面積あたりのドット密度は3%であった。単位面積は3000μm×3000μm=9000000μmであった。また、実施例4の光反射シートは、シート面内の全ての点において拡散角度が90°であった。
実施例4の光反射シートを、白色ドットインクを印刷した部分が光源側となるようにして、高非透過成分率領域が光源の投影領域に、低非透過成分率領域が光源と光源との間の投影領域に位置するように用いた。ここで、RSとDPの入光面との距離hを5.0mmとした。実施例4の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。また、実施例4の光反射シートについて、非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との算術平均値(R−Av1)と、連続する非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との間に分布する全測定点の非透過成分率の算術平均値(R−Av2)を下記表2に併記した。
(実施例5)
図24(c)に示すように、光源上方にDP、実施例5の光反射シート、MLF、プリズムシート−1、プリズムシート−2、DBEF、をこの順で配置し、実施例5の光源ユニットを構成した。
実施例5の光反射シートは、図29(d)に示すように、厚さ250μmのPET基材100の一方の面上に不規則な凹凸パターン形状を設けた凹凸パターン層103を有し、さらにもう一方の面上に光反射性インクとして白色インク101を非透過成分率を周期的に変化させるように濃淡をつけて印刷した。ここで白色ドット印刷は溶剤スクリーン印刷によって行い、不規則な凹凸パターンは干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成された凹凸パターンを用いた。
実施例5の光反射シートは、光源の投影領域の非透過成分率が45%、光源と光源との間の中間点の投影領域の非透過成分率が21%であり、図32(b)に示すように非透過成分率が変化した。この時、高非透過成分率領域における白色ドット間のピッチは593μm、1つのドットは直径138μm、面積14950μmの円状で、単位面積あたりのドット密度は8%であった。単位面積は3000μm×3000μm=9000000μmであった。低非透過成分率領域における白色ドット間のピッチは593μm、1つのドットは直径325μm、面積82916μmの円状で、単位面積あたりのドット密度は46%であった。単位面積は3000μm×3000μm=9000000μmであった。また、実施例5の光反射シートは、シート面内の全ての点において拡散角度が80°であった。
実施例5の光反射シートを、白色ドットインクを印刷した部分が光源側となるようにして、高非透過成分率領域が光源の投影領域に、低非透過成分率領域が光源と光源の間の投影領域に位置するように用いた。ここで、RSとDPの入光面との距離hを10.0mmとした。実施例5の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。また、実施例5の光反射シートについて、非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との算術平均値(R−Av1)と、連続する非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との間に分布する全測定点の非透過成分率の算術平均値(R−Av2)を下記表2に併記した。
(比較例1)
図22(a)に示すように、光源上方にDP、比較例1の光反射シート、MLF、MLF、DBEFと、をこの順で配置し、比較例1の光源ユニットを構成した。比較例1の光反射シートは、厚さ250umの基材上に光反射性インクとして白色インクを印刷した構成である。ここで白色ドット印刷は熱転写式印刷装置と白色インクリボン(アルプス電気社MD−5500、MDC−SCWH)を用いた。
比較例1の光反射シートは、シート面内全面に白色インクによるドットが均一に印刷されており、その非透過成分率は10%であった。この時、白色ドット間のピッチは283μm、1つのドットは直径145μm、面積16505μmの円状で、単位面積あたりのドット密度は21%であった。単位面積は283μm×283μm=80089μmであった。
比較例1の光反射シートをPET基材面が出光面となるように用いた。ここで、RSとDPの入光面との距離hを18.0mmとした。比較例1の光源ユニットにおける正面輝度むらおよび斜め輝度むらを上記の方法で算出した。その結果を下記表2に示す。また、実施例1の光反射シートについて、非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との算術平均値(R−Av1)と、連続する非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との間に分布する全測定点の非透過成分率の算術平均値(R−Av2)を下記表2に併記した。
Figure 2012022314
表2より、実施例1〜実施例5の光反射シートは、非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との算術平均値(R−Av1)が連続する非透過成分率ピーク値と非透過成分率ボトム値との間に分布する全測定点の非透過成分率の算術平均値(R−Av2)よりも大きいので、正面輝度むらおよび斜め輝度むら低減能力が良好であり、光源ユニットの光源数を削減、または光源と光学シート間の距離を短くできることが分かる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態における部材の材質、配置、形状などは例示的なものであり、適宜変更して実施することが可能である。また、上記実施例で示した構成を適宜組み合わせて光源ユニットを構成することができる。その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本発明は、液晶表示装置のような表示デバイスの光反射シート、及び光源ユニットに有効である。
1、2、3 光反射シート、
11、21、31、112 基材
12、23、32 光透過性制御部位
13 冷陰極管
14、55 LED
15 光反射性インク硬化物
22、33 凹凸パターン層
51 冷陰極管
52 反射シート
53 光反射シート
54 拡散板
56 表面賦形型拡散シート
57 プリズムシート
58 反射型偏光シート
100 PET基材
101 白色インク

Claims (18)

  1. シート状の基材からなり、前記基材の少なくとも一方の面上に前記基材の光透過性を制御する部位を有する光反射シートであって、所定の方向における前記面内の相対位置を横軸にとり、前記面内の相対位置での非透過成分率を縦軸にとった非透過成分率分布図において、前記非透過成分率のピーク値と前記非透過成分率のボトム値とが複数有り、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間の非透過成分率の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する全点における非透過成分率の算術平均値より大きいことを特徴とする光反射シート。
  2. シート状の基材と凹凸パターンが設けられた層からなり、前記基材または前記層の少なくとも一方の面上に前記基材の光透過性を制御する部位を有する光反射シートであって、所定の方向における前記面内の相対位置を横軸にとり、前記面内の相対位置での非透過成分率を縦軸にとった非透過成分率分布図において、前記非透過成分率のピーク値と前記非透過成分率のボトム値とが複数有り、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間の非透過成分率の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する全点における非透過成分率の算術平均値より大きいことを特徴とする光反射シート。
  3. 前記非透過成分率のピーク値と前記非透過成分率のボトム値とを交互に周期的に有し、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との2点における非透過成分率の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する全点における非透過成分率の算術平均値より大きく、かつ非透過成分率の分布が前記ピーク値を含み上に凸の曲線形状を有する第一の区間と前記ボトム値を含み下に凸の曲線形状を有する第二の区間とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光反射シート。
  4. シート状の基材と凹凸パターンが設けられた層からなり、前記基材または前記層の少なくとも一方の面上に、前記基材の光透過性を制御する部位を有する光反射シートであって、所定の方向における前記面内の相対位置を横軸にとり、前記面内の相対位置での拡散角度を縦軸にとった拡散角度分布図において、前記拡散角度のピーク値と前記拡散角度のボトム値とが複数有り、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間の拡散角度の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する全点における拡散角度の算術平均値より大きいことを特徴とする光反射シート。
  5. 前記拡散角度のピーク値と前記拡散角度のボトム値とを交互に周期的に有し、隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との2点における拡散角度の算術平均値が、前記隣り合う前記ピーク値と前記ボトム値との間に分布する全点における拡散角度の算術平均値より大きく、かつ拡散角度の分布が前記ピーク値を含み上に凸の曲線形状を有する第一の区間と前記ボトム値を含み下に凸の曲線形状を有する第二の区間とを有することを特徴とする請求項4に記載の光反射シート。
  6. 前記拡散角度は、前記凹凸パターンにより生じることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の光反射シート。
  7. 前記凹凸パターンが干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成された不規則な凹凸パターンであることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の光反射シート。
  8. 前記基材の光透過性を制御する部位は、光反射性インクで形成された不連続パターンよりなることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の光反射シート。
  9. 2つ以上の光源と、前記光源の上方に配設される請求項1から請求項8のいずれかに記載の光反射シートと、を備えることを特徴とする光源ユニット。
  10. 前記光源は線状光源であることを特徴とする請求項9に記載の光源ユニット。
  11. 前記光源は点状光源であることを特徴とする請求項9に記載の光源ユニット。
  12. 前記光反射シートの非透過成分率分布の周期と、前記光反射シートの入光面における照度分布の周期とが略等しいことを特徴とする請求項9から請求項11のいずれかに記載の光源ユニット。
  13. 前記光反射シートの拡散角度分布の周期と、前記光反射シートの入光面における照度分布の周期とが略等しいことを特徴とする請求項9から請求項11のいずれかに記載の光源ユニット。
  14. 前記光反射シートと前記光源の間に配置され、内部に拡散剤を含有する拡散板と、前記光源の下方に配置される反射シートと、を備えることを特徴とする請求項9から請求項13のいずれかに記載の光源ユニット。
  15. 前記光反射シートの上方に配置されるレンズシートを備えることを特徴とする請求項9から請求項14のいずれかに記載の光源ユニット。
  16. 前記光反射シートの上方に配置されるプリズムシートを備えることを特徴とする請求項9から請求項15のいずれかに記載の光源ユニット。
  17. 前記光反射シート上方に配置される反射型偏光シートを備えることを特徴とする請求項9から請求項16のいずれかに記載の光源ユニット。
  18. 液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに光を供給する請求項9から請求項17のいずれかに記載の光源ユニットと、を備えることを特徴とする液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022023713A (ja) * 2020-07-27 2022-02-08 恵和株式会社 光拡散部材、バックライトユニット、画像表示装置及び照明装置

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