JP2012021875A - アンテナ特性評価システムおよびアンテナ特性評価方法 - Google Patents

アンテナ特性評価システムおよびアンテナ特性評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度のアンテナ特性評価を行う。
【解決手段】アンテナ特性評価システムは、評価対象のアンテナである複数の受信アンテナと、電波を放射する複数の送信アンテナと、制御部と、評価部とを備える。制御部は、信号を生成して信号の周波数変換を行い、送信アンテナの数以上の周波数を生成して、送信アンテナに割り振る周波数の組み合わせを可変設定する。評価部は、受信アンテナと接続し、電波を受信したときの受信アンテナのアンテナ特性の評価を行う。これにより、実際の電波伝搬環境を精度よく模擬し、アンテナ間相関を含めたアンテナ特性評価を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナ特性の評価を行うアンテナ特性評価システムおよびアンテナ特性評価方法に関する。
アンテナは、無線伝送特性を左右するキー部品の1つであり、高品質なワイヤレス通信を実現するためには、高性能なアンテナが要求される。また、電波伝搬環境に応じた、電波の放射・吸収特性を最適化したアンテナ設計を行うためには、アンテナの特性を測定・評価するアンテナ特性評価技術が重要となる。
一方、近年のワイヤレス通信の分野では、MIMO(Multi Input Multi Output:複数のアンテナを用いて、データの送受信を行うワイヤレス通信技術)方式を使った高速無線通信が開発されており、将来、携帯端末などの小型の機器においても、マルチアンテナの実装が必須となると予測される。
また、マルチアンテナの設計を行う場合は、電波伝搬環境において、複数のアンテナの指向性を互いに補完して、アンテナ間での受信状態の相関(アンテナ間相関)が小さくなるような放射(吸収)パターンの最適化が行われる。
したがって、マルチアンテナの特性を評価する場合は、アンテナ単体の特性ばかりでなく、アンテナ間相関が、アンテナ特性を決める際の重要な評価指標となる。また、誤り率(BLER:block error probability)やスループット等の無線特性を決める際にも、アンテナ間相関は重要な要素となる。
実際の電波伝搬環境においては、基地局から送信された搬送電波(キャリア)は、マルチパス(信号波が山やビルなどの反射によって複数の経路を伝搬する現象)を経由して通信端末に到達する。
したがって、通信端末が移動していた場合には、各パスでキャリアの到来角度に依存してキャリア周波数が異なるドップラシフトを受けることになる(キャリア周波数にあらたなドップラ周波数が加わり、受信周波数が変位することになる)。
このため、通信端末では、周波数領域において広がった複数の信号を受信することにより、レベルが激しく変動するフェージング(時間差をもって到達した電波の波長が干渉し合うことによって電波レベルの強弱が変化する現象またはその変動波)を受ける。フェージングによる受信レベル変動は、無線通信における情報伝送のBLERを増大する原因となる。
したがって、アンテナ間相関を精度よく評価するには、実際の電波伝搬環境を模擬したフェージング環境を再現することが望まれる。そして、このフェージング環境で測定した値を統計処理して最適化設計を実現することで、アンテナの品質向上が可能となる。
アンテナ特性評価の従来技術として、無反射系の環境に複数の照射用アンテナを設置し、MIMO無線機のアンテナを評価する技術が提案されている(特許文献1)。また、反射シールドボックス内に複数の送信用アンテナを配置し、電磁界環境特性を再現するシステムが提案されている(特許文献2)。さらに、無相関の正弦波を加算してマルチパスフェージング環境に対応するシミュレータの構成が提案されている(特許文献3)。
特開2009−49966号公報 特開2000−209166号公報 特開2006−174254号公報
アンテナの評価環境をシステムで構築する場合、近年では、構成が小規模な反射箱を用いた評価系が注目されている。反射箱とは、内部に反射壁が設けられた箱状の装置であり、反射箱内に被測定のアンテナが設置されてアンテナ特性評価が行われる。
しかし、従来の反射箱を用いた評価系では、マルチアンテナの特性評価を行う場合に、反射箱内で実際のフェージング環境を精度よく再現するための構成や制御が施されていなかった。
すなわち、実環境においては、マルチアンテナに達する複数の信号波は、到来方向や周波数が異なり、互いに独立した状態で到達するが、従来の反射箱を用いた評価系では、このような環境を精度よく模擬することが考慮されていなかった。このため、従来では、マルチアンテナの特性評価を行う場合、被測定アンテナ間の相関性を精度よく評価できないといった問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、実際の電波伝搬環境を精度よく模擬して、高精度のアンテナ特性評価を行うアンテナ特性評価システムを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、実際の電波伝搬環境を精度よく模擬して、高精度のアンテナ特性評価を行うアンテナ特性評価方法を提供することである。
上記課題を解決するために、アンテナ特性評価システムが提供される。このアンテナ特性評価システムは、評価対象のアンテナである複数の受信アンテナと、電波を放射する複数の送信アンテナと、信号を生成して前記信号の周波数変換を行い、前記送信アンテナの数以上の周波数を生成して、前記送信アンテナに割り振る前記周波数の組み合わせを可変設定する制御部と、前記受信アンテナと接続し、前記電波を受信したときの前記受信アンテナの前記アンテナ特性の評価を行う評価部とを有する。
高精度のアンテナ特性評価を行うことが可能になる。
アンテナ特性評価システムの構成例を示す図である。 マルチアンテナの放射パターンを説明するための図である。 アンテナ間相関が小さい場合の電波受信強度を示す図である。 アンテナ間相関が大きい場合の電波受信強度を示す図である。 フェージング環境を生成している様子を示す図である。 ドップラ周波数を説明するための図である。 通信端末の進行方向と電波の到来角とに応じたドップラ周波数の変化を示す図である。(A)は通信端末の進行方向に対し同一方向のパスから電波を受けた場合、(B)は通信端末の進行方向に対し垂直方向から電波を受けた場合を示している。 ハイブリッド方式評価系の構成例を示す図である。 制御部の構成例を示す図である。 制御部による周波数の割り振り例を示す図である。 制御部による周波数の割り振り例を示す図である。 制御部による周波数の割り振り例を示す図である。 制御部の構成例を示す図である。 制御部による周波数の割り振り例を示す図である。 制御部による周波数の割り振り例を示す図である。 制御部の構成例を示す図である。 制御部による周波数の割り振り例を示す図である。 制御部による周波数の割り振り例を示す図である。 制御部の構成例を示す図である。 制御部による周波数の割り振り例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1はアンテナ特性評価システムの構成例を示す図である。アンテナ特性評価システム1は、制御部10、反射箱20、評価部30、送信アンテナ21−1、21−2および受信アンテナ22−1、22−2を有する(図の例では、反射箱20内に送信アンテナが2つ、受信アンテナが2つ配置しているが、これらの個数は任意である)。
受信アンテナ22−1、22−2は、反射箱20内に配置され、アンテナ特性評価対象の被測定アンテナである。送信アンテナ21−1、21−2は、電波を放射する散乱体アンテナであり、反射箱20内に配置される。
制御部10は、送信アンテナ21−1、21−2と接続し、ベースバンド信号を生成してベースバンド信号の周波数変換を行う。そして、送信アンテナの数以上のドップラ周波数を生成して、送信アンテナに割り振るドップラ周波数の組み合わせを可変設定する(以降では、ドップラ周波数を単に周波数とも呼ぶ)。なお、各周波数は電波の周波数帯までアップコンバートされ、アップコンバート後の信号は、送信アンテナ21−1、21−2を介して反射箱20内に放射される。
評価部30は、受信アンテナ22−1、22−2と接続し、送信アンテナ21−1、21−2から送信された電波を受信したときの受信アンテナ22−1、22−2のアンテナ特性の評価を行う。
具体的には、受信アンテナ22−1、22−2で受信された電波をダウンコンバートして、ベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号にもとづいて、誤り率、伝送速度、アンテナ間相関などのアンテナ特性を解析する。
次にアンテナ特性評価システム1を説明する前に、アンテナ間相関、フェージング環境の生成およびドップラ周波数について説明する。最初にアンテナ間相関について説明する。
図2はマルチアンテナの放射パターンを説明するための図である。通信端末MSにアンテナA1、A2のマルチアンテナが設けられている。マルチアンテナ技術では、アンテナA1、A2で受信状態を異なるようにし、片側のアンテナで受信困難な場合でも、反対側のアンテナで受信可能としたダイバーシティ受信を行うことで、通信品質を向上させる。
アンテナA1、A2の受信状態が異なるほど、ダイバーシティ受信の効果が上がる。例えば、一方のアンテナであるアンテナA1の指向性が、左方向に電波を強く放射し(左方向に放射電力が強い)、右方向には電波を弱く放射するといった(右方向は放射電力が弱い)、放射パターンp1であるとする。
この場合には、他方のアンテナには、左方向に電波を弱く放射し、右方向には電波を強く放射する放射パターンp2となるような指向性を持つアンテナA2を、放射パターン同士が重ならない位置に配置する。
ここで、電波が左から右の方向に送信されて、通信端末MSに到来した場合を考える。電波の放射パターンの強弱は、電波の吸収パターンの強弱と同じであるため、到来電波(到来電波b1とする)に対して、アンテナA2では、吸収電力が弱いので受信困難となるが、アンテナA1では、吸収電力が強いので受信可能となる。
また、通信端末MSが移動し、その移動地点において、電波が右から左の方向に送信されて通信端末MSに到来したとすると、この到来電波(到来電波b2とする)に対しては、アンテナA1では、吸収電力が弱いので受信困難であるが、アンテナA2では、吸収電力が強いので受信可能となる。
このように、マルチアンテナの設計を行う場合は、電波伝搬環境において、アンテナA1、A2の指向性を互いに補完して、アンテナ間での受信状態のアンテナ間相関が小さくなるように、放射(吸収)パターンの最適化を行う。
図3はアンテナ間相関が小さい場合の電波受信強度を示す図である。縦軸は電波受信強度、横軸は時間である。図2で示したアンテナA1、A2で、到来電波b1、b2を受信したときの受信強度を示している。
時間t0〜t1で到来電波b1があったときは、アンテナA2の受信強度は低下するが、アンテナA1の受信強度は上昇する。また、時間t1以降で到来電波b2があったときは、アンテナA1の受信強度は低下するが、アンテナA2の受信強度は上昇する。このように、アンテナ間相関を小さくして、受信強度の劣化をアンテナ間で補うことができる。
図4はアンテナ間相関が大きい場合の電波受信強度を示す図である。縦軸は電波受信強度、横軸は時間である。通信端末MSaには、図2で示したアンテナA1と同じ放射パターンを持つアンテナA2−1が設置してあるとする。
時間t0〜t1で到来電波b1があったときは、アンテナA1、A2−1ともに受信強度は上昇するが、時間t1以降で到来電波b2があったときは、アンテナA1、A2−1ともに受信強度は低下してしまう。このように、アンテナ間相関が大きい場合は、放射パターンが落ち込む部分において、アンテナA1、A2−1ともに受信強度が劣化することになる。したがって、マルチアンテナ設計を行う際は、アンテナ間相関が小さくなるような設計が行われ、評価をする上でもアンテナ間相関は重要な評価項目となる。
次に計算機シミュレーションによるフェージング環境の生成について説明する。図5はフェージング環境を生成している様子を示す図である。通信端末MSの周辺に信号発生源5−1〜5−5が配置する。
信号発生源5−1〜5−5のそれぞれは、キャリア周波数に対して互いに異なるドップラ周波数Δf1〜Δf5シフトした周波数を持つ正弦波の電波を発生する。なお、信号発生源5−1〜5−5からは、素波(複数の信号波が合成されていない単一の信号波)の状態で各正弦波電波が放射される。
図5に示す評価環境では、通信端末MSの周囲に配置された複数の信号発生源5−1〜5−5から、異なるドップラ周波数シフトした電波を放射させて、電波を合成させる。そして、通信端末MSが合成波を受信することで、模擬的なフェージング環境を生成している。
次にドップラ周波数の定義について説明する。図6はドップラ周波数を説明するための図である。マルチパス中の1つのパスから到来したキャリア周波数fcが、通信端末MSの進行方向に対して角度θで到来する場合を考える。
通信端末MSの移動速度をv、キャリアの波長をλ、到来角度をθとすると、ドップラ周波数Δfは、進行方向を基準としたときの見かけ上の電波の波長によって次式のように表せる。
Δf=v/(λ/cosθ)=vcosθ/λ・・・(1)
図7は通信端末MSの進行方向と電波の到来角とに応じたドップラ周波数の変化を示す図である。(A)は通信端末MSの進行方向に対し同一方向のパスから電波を受けた場合、(B)は通信端末MSの進行方向に対し垂直方向から電波を受けた場合を示している。
(A)のように、通信端末MSの進行方向と同一方向のパスから電波を受ければ、θ=0、πとなり、式(1)より、ドップラ周波数の絶対値|Δf|は最大となる。
また、(B)のように、通信端末MSの進行方向に対し垂直方向から電波を受ける場合は、進行方向に対する見かけ上の電波の波長は生成されないので、通信端末MSが移動していないのと同じことになり、ドップラシフトの影響は受けない(θ=π/2、3π/2となり、Δf=0)。
ここで、図5で示した評価環境において、通信端末MSが、ある方向に移動すると仮定すると、信号発生源5−1〜5−5には、通信端末MSの移動方向に対する電波の到来角度に応じたドップラ周波数を設定して、そのドップラ周波数を持つ電波を放射させることになる。
例えば図5に示すように、通信端末MSが矢印Xの信号発生源5−4の方向に移動すると仮定すると、信号発生源5−1〜5−5の周波数設定としては、式(1)からわかるように、信号発生源5−4のドップラ周波数Δf4が最も高くなるように設定し、その他の信号発生源からのドップラ周波数は、ドップラ周波数Δf4と比べて低くなるように設定する。
通信端末MSは、固定しており、実際は移動させることはなく、その代わりに、通信端末MSの移動方向に沿って変化するドップラ周波数の変化を、信号発生源5−1〜5−5側で可変に設定して、設定された電波を放射させるものである。
このように、通信端末MSが移動したとみなしたときのドップラシフトを信号発生源側で生成し、このときに受信アンテナに生じる受信強度の落ち込みなどを測定評価したりする。
ここで、アンテナの評価環境をシステムで構築する場合、例えば、電波暗室内に複数のアンテナを配置した測定環境を構築し、このような電波暗室内で図5に示したようなアンテナ特性評価が行われている。
なお、電波暗室とは、室内の天井、壁、および床の全面に、電波吸収体を取り付けて、室内での電波の反射を抑えた部屋のことである。しかし、電波暗室を用いた評価システムでは、システム規模が大がかりとなり、また、広い暗室内で異なる複数の角度方向から反射波を生成するために、多数の散乱体アンテナを用意するなど、非常に高価な評価系になってしまうといった欠点があった。
これに対し、反射壁が内部に設けられた反射箱を用いたアンテナ評価方法は、小型の箱内で電波を反射させるので、反射箱の内部に1つの散乱体アンテナを設ければ、異なる複数の角度方向から反射波を生成することができ、低コストの評価系を生成できる。しかし、1つの散乱体アンテナを設けた評価系では、同じ電波が被測定アンテナに到来することになるので、時間的な環境の変化が生じないといった欠点があった。
一方、複数の散乱体アンテナを反射箱に設けたハイブリッド方式の評価系が注目されている。ハイブリッド方式の評価系では、複数の散乱体アンテナを用意して、各アンテナから反射箱内に、異なる複数の周波数の電波を出射する。
これにより、反射箱内で電波の重なり合わせが変化するので、時間的変動を生じさせることができる。しかし、このようなハイブリッド方式による評価系でも、マルチアンテナのアンテナ間相関については、精度よく評価できないといった問題があった。
次にマルチアンテナのアンテナ間相関を評価するために満たすべき条件について説明する。なお、以降の説明では、アップコンバート、ダウンコンバート等のRF(Radio Frequency)系の処理部の説明は省略する。
図8はハイブリッド方式評価系の構成例を示す図である。アンテナ間相関を評価するための条件が満たされていない場合の構成を示している。
反射箱50内に、アンテナ特性評価対象のアンテナである受信アンテナ52−1、52−2が配置される(簡単な例として、2本のマルチアンテナとしている)。また、反射箱50内に、受信アンテナ52−1、52−2に電波を放射する散乱体アンテナである送信アンテナ51−1、51−2が配置される。
信号生成部61は、ベースバンド信号を生成する。周波数変換部62aは、生成されたベースバンド信号の周波数を周波数f1に変換し、送信アンテナ51−1へ出力する。送信アンテナ51−1は、周波数f1の電波を反射箱50内に放射する。
周波数変換部62bは、生成されたベースバンド信号の周波数を周波数f2に変換し、送信アンテナ51−2へ出力する。送信アンテナ51−2は、周波数f2の電波を反射箱50内に放射する。
ここで、送信アンテナ51−1、51−2から出射された電波の反射箱50による反射波が、受信アンテナ52−1、52−2に到来したときの到来角度をθ1とする。そして、送信アンテナ51−1、51−2からの直接波が、受信アンテナ52−1、52−2に到来したときの到来角度をθ2とする。
また、送信アンテナ51−1の出射波が、受信アンテナ52−1へ伝搬するときの伝搬係数をh1とし、送信アンテナ51−2の出射波が、受信アンテナ52−2へ伝搬するときの伝搬係数をh2とする。
そして、送信アンテナ51−1から出射された電波の反射箱50による反射波が、受信アンテナ52−1に到来角度θ1で到来したときの伝搬係数をh1(θ1)と記し、送信アンテナ51−1からの直接波が、受信アンテナ52−1に到来角度θ2で到来したときの伝搬係数をh1(θ2)と記す。
同様に、送信アンテナ51−2から出射された電波の反射箱50による反射波が、受信アンテナ52−2に到来角度θ1で到来したときの伝搬係数をh2(θ1)と記し、送信アンテナ51−2からの直接波が、受信アンテナ52−2に到来角度θ2で到来したときの伝搬係数をh2(θ2)と記す。
さらに、受信アンテナ52−1の角度θの放射パターン(利得とほぼ等価)をG1(θ)と記し、受信アンテナ52−2の角度θの放射パターンをG2(θ)と記す。
受信アンテナ52−1、52−2間の相互作用(アンテナ間相関)を精度よく測定するには、すなわち、マルチアンテナ評価系が満たすべき条件としては、到来角度θ1、θ2それぞれの信号波が互いに独立しており、これらの信号波を長時間に渡って平均したときには分離できるということが必要となる。
受信アンテナ52−1の受信信号は、以下の式(2)で表せ、受信アンテナ52−2の受信信号は、以下の式(3)で表せる。なお、exp(j2πft)は、周波数fの正弦波である。
Figure 2012021875
Figure 2012021875
また、アンテナ間相関は、各受信アンテナの受信信号の積の時間平均であるので、受信アンテナ52−1、52−2間のアンテナ間相関は、式(4)で算出される。なお、<>は長時間平均を表す。また、X*は、Xの複素共役を示す(X=a+jbのとき、Xの複素共役X*は、X*=a−jbである)。
Figure 2012021875
なお、式(4)となる途中の展開を示すと、(h1(θn)・G1(θn)・exp(j2πf1t)+h2(θn)・G1(θn)・exp(j2πf2t))×(h1*(θm)・G2*(θm)・exp(−j2πf1t)+h2*(θm)・G2*(θm)・exp(−j2πf2t))=h1(θn)・h1*(θm)・G1(θn)・G2*(θm)・e0+h2(θn)・h2*(θm)・G1(θn)・G2*(θm)・e0=(h1(θn)・h1*(θm)+h2(θn)・h2*(θm))・G1(θn)・G2*(θm
一方、多様な方向から到来する電波は、互いに相関性がなく分離することができる。そして、相互に無関係な信号を長時間平均すると、分離することができる信号の積の時間平均はゼロに近くなる。
したがって、反射箱50内でフェージング環境が精度よく再現できていれば、受信アンテナ52−1、52−2のそれぞれの受信信号の積の時間平均をとった場合、本来は、G1(θ1)・G2*(θ1)、G1(θ2)・G2*(θ2)の項が残り、かつG1(θ1)・G2*(θ2)、G1(θ2)・G2*(θ1)の項は存在しないことになる。
すなわち、実際の屋外フィールドのフェージング環境では、以下の式(5)となるはずである。
Figure 2012021875
しかし、図8で示される構成の評価系では、反射箱50内では、上記の式(4)となっており、図8のような構成の評価系では、反射箱50内では実環境を精度よく模擬できていないことがわかる。本技術では、このような点に鑑みてなされたものであり、反射箱内においても、実際の電波伝搬環境を精度よく模擬して、アンテナ間相関を含めたアンテナ特性評価を高精度に行うものである。
次にアンテナ特性評価システム1の制御部10の構成、動作について詳しく説明する。図9は制御部の構成例を示す図である。制御部10−1は、信号生成部11、周波数変換部12a−1、12a−2、2入力1出力の合成部13a−1、13a−2およびスイッチsw1〜sw4を含む。
信号生成部11は、ベースバンド信号を生成する。周波数変換部12a−1は、ベースバンド信号の周波数を周波数f1に変換する。周波数変換部12a−2は、ベースバンド信号の周波数を周波数f2に変換する。
合成部13a−1は、周波数f1と周波数f2とを合成(加算)して、合成周波数を生成し、送信アンテナ21−1へ送信する。合成部13a−2は、周波数f1と周波数f2とを合成して、合成周波数を生成し、送信アンテナ21−2へ送信する。
スイッチsw1は、送信アンテナ21−1から周波数f1の信号波を送信し、かつ送信アンテナ21−2から周波数f2の信号波を送信するとき、または送信アンテナ21−2から合成周波数の信号波を送信するときにはOFFとなり、送信アンテナ21−1から合成周波数の信号波を送信するときにはONとなる。
スイッチsw2は、送信アンテナ21−1から周波数f1の信号波を送信し、かつ送信アンテナ21−2から周波数f2の信号波を送信するとき、または送信アンテナ21−1から合成周波数の信号波を送信するときにはOFFとなり、送信アンテナ21−2から合成周波数の信号波を送信するときにはONとなる。
スイッチsw3は、送信アンテナ21−2から合成周波数の信号波を送信するときにはOFFとなり、送信アンテナ21−1から周波数f1の信号波を送信し、かつ送信アンテナ21−2から周波数f2の信号波を送信するとき、または送信アンテナ21−1から合成周波数の信号波を送信するときにはONとなる。
スイッチsw4は、送信アンテナ21−1から合成周波数の信号波を送信するときにはOFFとなり、送信アンテナ21−1から周波数f1の信号波を送信し、かつ送信アンテナ21−2から周波数f2の信号波を送信するとき、または送信アンテナ21−2から合成周波数の信号波を送信するときにはONとなる。
各素子の接続構成については、信号生成部11の出力端は、周波数変換部12a−1、12a−2の入力端に接続する。周波数変換部12a−1の出力端は、合成部13a−1の入力端p1と接続する。合成部13a−1の入力端p2は、スイッチsw1の端子aと接続し、合成部13a−1の出力端p3は、スイッチsw2の端子cと、スイッチsw3の端子eと接続し、スイッチsw3の端子fは、送信アンテナ21−1と接続する。
周波数変換部12a−2の出力端は、スイッチsw1の端子bと、合成部13a−2の入力端p11と接続する。合成部13a−2の入力端p12は、スイッチsw2の端子dと接続し、合成部13a−2の出力端p13は、スイッチsw4の端子gと接続し、スイッチsw4の端子hは、送信アンテナ21−2と接続する。
図10〜図12は制御部10−1による周波数の割り振り例を示す図である。図10のパターン#1−1は、スイッチsw1、sw2をOFFにし、スイッチsw3、sw4をONにしたときの状態である。この場合、送信アンテナ21−1から周波数f1の信号波が出力し、送信アンテナ21−2から周波数f2の信号波が出力する。
図11のパターン#1−2は、スイッチsw1、sw3をONにし、スイッチsw2、sw4をOFFにしたときの状態である。この場合、周波数変換部12a−1から出力された周波数f1と、周波数変換部12a−2から出力された周波数f2とが合成部13a−1で合成され、合成周波数の信号波が送信アンテナ21−1のみから出力される。送信アンテナ21−2からの出射電波はない。
図12のパターン#1−3は、スイッチsw1、sw3をOFFにし、スイッチsw2、sw4をONにしたときの状態である。この場合、周波数変換部12a−1から出力された周波数f1の信号と、周波数変換部12a−2から出力された周波数f2の信号とが合成部13a−2で合成され、合成周波数の信号波が送信アンテナ21−2のみから出力される。送信アンテナ21−1からの出射電波はない。
このようなパターン#1−1〜#1−3を組み合わせて(例えば、一定時間間隔おきにパターン#1−1、パターン#1−2、パターン#1−3を順次切り替えるなど)、送信アンテナ21−1、21−2から多様な周波数パターンの組み合わせの電波を出力させる。
ここで、2つの送信アンテナ21−1、21−2を送信アンテナ(21−1、21−2)と表記し、送信アンテナ21−1に割り振る周波数をfa、送信アンテナ21−2に割り振る周波数をfbとして、パターン(fa、fb)と表記する。
すると、上記の内容は、送信アンテナ(21−1、21−2)からパターン(f1、f2)、(f1+f2、0)、(0、f1+f2)の周波数の信号波の送出組み合わせで受信アンテナ22−1、22−2を評価することになる。なお、f1+f2は、f1周波数の正弦波とf2の周波数の正弦波の和を表し、周波数がf1+f2であることではない。
このような周波数設定制御を行うことにより、反射箱20内において、異なる方向から受信アンテナへ到来する電波の相関性を無相関に近づけることができ、屋外フィールドの実環境に近いフェージング環境を反射箱20内に生成することができる。このため、受信アンテナのアンテナ間相関の評価を精度よく行うことが可能になる。
次に上記のパターン#1−1〜#1−3における積の時間平均の式(以降、アンテナ間相関式とも呼ぶ)を示して、反射箱20内での試験環境が、実際のフェージング環境に近づくことについて説明する。
パターン#1−1のアンテナ間相関式は、以下の式(6)となる。
Figure 2012021875
式(6)中の[|h1(θn)|2+|h2(θn)|2]は、同じ方向からの到来波であり、正の実数であり、異なるアンテナの組み合わせで平均すると定数になる。また、式(6)中の[h1(θn)h1*(θm)+h2(θn)h2*(θm)]は、異なる方向からの到来波であり、正負の複素数であり、異なるアンテナの組み合わせで平均すると0に近づく。すなわち、伝搬特性が異なり、伝搬係数として正負の複素数は時間的に十分に長く平均すると0に近づく。
パターン#1−2のアンテナ間相関式は以下の式(7)となる。
Figure 2012021875
式(7)中の[|h1(θn)|2+|h1(θn)|2]は、同じ方向からの到来波であり、正の実数であり、異なるアンテナの組み合わせで平均すると定数になる。また、式(7)中の[h1(θn)h1*(θm)+h1(θn)h1*(θm)]は、異なる方向からの到来波であり、正負の複素数であり、異なるアンテナの組み合わせで平均すると0に近づく。
パターン#1−3のアンテナ間相関式は以下の式(8)となる。
Figure 2012021875
式(8)中の[|h2(θn)|2+|h2(θn)|2]は、同じ方向からの到来波であり、正の実数であり、異なるアンテナの組み合わせで平均すると定数になる。また、式中の[h2(θn)h2*(θm)+h2(θn)h2*(θm)]は、異なる方向からの到来波であり、正負の複素数であり、異なるアンテナの組み合わせで平均すると0に近づく。
したがって、パターン#1−1〜#1−3を組み合わせた周波数の電波を、送信アンテナ21−1、21−2から送出することで、パターン#1−1〜#1−3による周波数パターンを平均すると、[|h1(θn)|2+|h2(θn)|2]、[|h1(θn)|2+|h1(θn)|2]、[|h2(θn)|2+|h2(θn)|2]の項が残るので、本来のアンテナ間相関式である式(5)と一致する。
すなわち、複数の信号波が、到来方向や周波数が異なり、互いに独立した状態で受信アンテナへ到達する環境を、反射箱20内に生成することができるので、反射箱20内でフェージング環境を精度よく模擬することができる。
次に図10〜図12で示した周波数パターン以外の例について、以下に変形例1〜3として説明する。
(変形例1)
図13は制御部の構成例を示す図である。制御部10−2は、信号生成部11−1、11−2、周波数変換部12b−1〜12b−4および2入力1出力の合成部13b−1、13b−2を含む。
信号生成部11−1は、1つの送信アンテナ用のベースバンド信号(第1の信号に該当)を生成し、信号生成部11−2は、1つの送信アンテナ用のベースバンド信号(第2の信号に該当)を生成する。信号生成部11−1で生成するベースバンド信号の情報と、信号生成部11−2で生成するベースバンド信号の情報とは異なる。
周波数変換部12b−1、12b−3は、信号生成部11−1で生成されたベースバンド信号の周波数変換を行う。周波数変換部12b−2、12b−4は、信号生成部11−2で生成されたベースバンド信号の周波数変換を行う。
合成部13b−1は、周波数変換部12b−1で生成された周波数と、周波数変換部12b−2で生成された周波数とを合成して、合成周波数を生成し、送信アンテナ21−1へ送信する。
合成部13b−2は、周波数変換部12b−3で生成された周波数と、周波数変換部12b−4で生成された周波数とを合成して、合成周波数を生成し、送信アンテナ21−2へ送信する。
図14、図15は制御部10−2による周波数の割り振り例を示す図である。図14のパターン#2−1においては、周波数変換部12b−1は、信号生成部11−1からの出力信号の周波数を周波数f1に変換し、周波数変換部12b−2は、信号生成部11−2からの出力信号の周波数を周波数f2に変換する。そして、合成部13b−1は、周波数f1と周波数f2とを合成して、合成周波数を送信アンテナ21−1へ出力する。
また、周波数変換部12b−3は、信号生成部11−1からの出力信号の周波数を周波数f3に変換し、周波数変換部12b−4は、信号生成部11−2からの出力信号の周波数を周波数f4に変換する。そして、合成部13b−2は、周波数f3と周波数f4とを合成して、合成周波数を送信アンテナ21−2へ出力する。
図15のパターン#2−2においては、周波数変換部12b−1は、信号生成部11−1からの出力信号の周波数を周波数f3に変換し、周波数変換部12b−2は、信号生成部11−2からの出力信号の周波数を周波数f4に変換する。そして、合成部13b−1は、周波数f3と周波数f4とを合成して、合成周波数を送信アンテナ21−1へ出力する。
また、周波数変換部12b−3は、信号生成部11−1からの出力信号の周波数を周波数f1に変換し、周波数変換部12b−4は、信号生成部11−2からの出力信号の周波数を周波数f2に変換する。そして、合成部13b−2は、周波数f1と周波数f2とを合成して、合成周波数を送信アンテナ21−2へ出力する。
このようなパターン#2−1、#2−2を組み合わせて(例えば、一定時間間隔おきにパターン#2−1、パターン#2−2を順次切り替えるなど)、送信アンテナ21−1、21−2から多様な周波数パターンの電波を出力させる。
上記の変形例1のような周波数設定制御を行うことにより、反射箱20内において、異なる方向から受信アンテナへ到来する電波の相関性を無相関に近づけることができ、屋外フィールドの実環境に近いフェージング環境を反射箱20内で生成することができる。このため、受信アンテナのアンテナ間相関の評価を精度よく行うことが可能になる。
(変形例2)
図16は制御部の構成例を示す図である。制御部10−3は、信号生成部11−1、11−2、周波数変換部12c−1、12c−2、周波数変換・重み付け処理部14c−1、14c−2および2入力1出力の合成部13c−1、13c−2を含む。
信号生成部11−1は、1つの送信アンテナ用のベースバンド信号を生成し、信号生成部11−2は、1つの送信アンテナ用のベースバンド信号を生成する。信号生成部11−1で生成するベースバンド信号の情報と、信号生成部11−2で生成するベースバンド信号の情報とは異なる。
周波数変換部12c−1、12c−2は、信号生成部11−1で生成されたベースバンド信号の周波数変換を行う。周波数変換・重み付け処理部14c−1、14c−2は、信号生成部11−2で生成されたベースバンド信号の周波数変換を行って複数の周波数を生成する。そして、複数の周波数に重み付けを行って合成し、1つの重み付け周波数を生成する。
図17、図18は制御部10−3による周波数の割り振り例を示す図である。図17のパターン#3−1においては、周波数変換部12c−1は、信号生成部11−1からの出力信号の周波数を周波数f1に変換する。
周波数変換・重み付け処理部14c−1は、信号生成部11−2からの出力信号の周波数を周波数f1、f2に変換する。そして、周波数f1に重み付け係数αを乗算し、周波数f2に重み付け係数(1−α21/2を乗算し、2つの乗算結果を加算して、重み付け周波数を生成する。合成部13c−1は、周波数f1と、周波数変換・重み付け処理部14c−1から出力された重み付け周波数とを合成して、合成周波数を送信アンテナ21−1へ出力する。
また、周波数変換部12c−2は、信号生成部11−1からの出力信号の周波数を周波数f3に変換する。周波数変換・重み付け処理部14c−2は、信号生成部11−2からの出力信号の周波数を周波数f3、f4に変換する。そして、周波数f3に重み付け係数αを乗算し、周波数f4に重み付け係数(1−α21/2を乗算し、2つの乗算結果を加算して、重み付け周波数を生成する。合成部13c−2は、周波数f3と、周波数変換・重み付け処理部14c−2から出力された重み付け周波数とを合成して、合成周波数を送信アンテナ21−2へ出力する。
図18のパターン#3−2においては、周波数変換部12c−1は、信号生成部11−1からの出力信号の周波数を周波数f3に変換する。周波数変換・重み付け処理部14c−1は、信号生成部11−2からの出力信号の周波数を周波数f3、f4に変換する。そして、周波数f3に重み付け係数αを乗算し、周波数f4に重み付け係数(1−α21/2を乗算し、2つの乗算結果を加算して、重み付け周波数を生成する。合成部13c−1は、周波数f3と、周波数変換・重み付け処理部14c−1から出力された重み付け周波数とを合成して、合成周波数を送信アンテナ21−1へ出力する。
また、周波数変換部12c−2は、信号生成部11−1からの出力信号の周波数を周波数f1に変換する。周波数変換・重み付け処理部14c−2は、信号生成部11−2からの出力信号の周波数を周波数f1、f2に変換する。そして、周波数f1に重み付け係数αを乗算し、周波数f2に重み付け係数(1−α21/2を乗算し、2つの乗算結果を加算して、重み付け周波数を生成する。合成部13c−2は、周波数f1と、周波数変換・重み付け処理部14c−2から出力された重み付け周波数とを合成して、合成周波数を送信アンテナ21−2へ出力する。
このようなパターン#3−1、#3−2を組み合わせて(例えば、一定時間間隔おきにパターン#3−1、パターン#3−2を順次切り替えるなど)、送信アンテナ21−1、21−2から多様な周波数パターンの電波を出力させる。
上記の変形例2のような周波数設定制御を行うことにより、反射箱20内において、異なる方向から受信アンテナへ到来する電波の相関性を無相関に近づけることができ、屋外フィールドの実環境に近いフェージング環境を反射箱20内で生成することができる。このため、受信アンテナのアンテナ間相関の評価を精度よく行うことが可能になる。
(変形例3)
図19は制御部の構成例を示す図である。制御部10−4は、信号生成部11、周波数変換部12d−1、12d−2およびスイッチsw5を含む。信号生成部11は、ベースバンド信号を生成する。周波数変換部12d−1は、ベースバンド信号の周波数を周波数f1に変換する。周波数変換部12d−2は、ベースバンド信号の周波数を周波数f2に変換する。
スイッチsw5は、送信アンテナ21−1から周波数f1を送信し、かつ送信アンテナ21−2から何も送信しないときはOFFとなり、送信アンテナ21−1から周波数f1を送信し、かつ送信アンテナ21−2から周波数f2を送信するときはONとなる。
なお、信号生成部11の出力端は、周波数変換部12d−1の入力端と接続し、スイッチsw5の端子iと接続する。周波数変換部12d−1の出力端は、送信アンテナ21−1と接続する。スイッチsw5の端子jは、周波数変換部12d−2の入力端と接続し、周波数変換部12d−2の出力端は、送信アンテナ21−2と接続する。
図20は制御部10−4による周波数の割り振り例を示す図である。パターン#4−1においては、スイッチsw5をONにしたときの状態であり、この状態を時間Tだけ継続する。この場合、送信アンテナ21−1から周波数f1の信号波が出力し、送信アンテナ21−2から周波数f2の信号波が出力する。
また、パターン#4−2においては、スイッチsw5をOFFにしたときの状態であり、この状態を時間S(<T)だけ継続する。この場合、送信アンテナ21−1から周波数f1の単一信号波が出力し、送信アンテナ21−2からの出射電波はない。
このようなパターン#4−1、#4−2を組み合わせて、送信アンテナ21−1、21−2から多様な周波数パターンの電波を出力させる。上記の変形例3のような周波数設定制御を行うことにより、反射箱20内において、異なる方向から受信アンテナへ到来する電波の相関性を無相関に近づけることができ、屋外フィールドの実環境に近いフェージング環境を反射箱20内で生成することができる。このため、受信アンテナのアンテナ間相関の評価を精度よく行うことが可能になる。
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。
(付記1) 評価対象のアンテナである複数の受信アンテナと、
電波を放射する複数の送信アンテナと、
信号を生成して前記信号の周波数変換を行い、前記送信アンテナの数以上の周波数を生成して、前記送信アンテナに割り振る前記周波数の組み合わせを可変設定する制御部と、
前記受信アンテナと接続し、前記電波を受信したときの前記受信アンテナのアンテナ特性の評価を行う評価部と、
を有することを特徴とするアンテナ特性評価システム。
(付記2) 前記制御部は、異なる周波数を合成した合成周波数を、前記送信アンテナ毎に割り振ることを特徴とする付記1記載のアンテナ特性評価システム。
(付記3) 前記制御部は、異なる周波数を重み付け合成した重み付け合成周波数を、前記送信アンテナ毎に割り振ることを特徴とする付記1記載のアンテナ特性評価システム。
(付記4) 前記制御部は、前記送信アンテナに複数の前記周波数を割り振る第1のパターンと、単一の前記周波数を割り振る第2のパターンとを設定し、前記第2のパターンの設定時間を前記第1のパターンの設定時間よりも短くすることを特徴とする付記1記載のアンテナ特性評価システム。
(付記5) 2つの前記送信アンテナを第1の送信アンテナと、第2の送信アンテナとし、前記信号の周波数変換後の周波数を周波数f1、f2(f1≠f2)とした場合、
前記制御部は、
前記周波数f1を前記第1の送信アンテナに割り振り、前記周波数f2を前記第2の送信アンテナに割り振る第1のパターンと、
前記周波数f1と前記周波数f2とを合成した合成周波数を前記第1の送信アンテナに割り振り、前記第2の送信アンテナには周波数を割り振らない第2のパターンと、
前記周波数f1と前記周波数f2とを合成した合成周波数を前記第2の送信アンテナに割り振り、前記第1の送信アンテナには周波数を割り振らない第3のパターンと、
の組み合わせを設定することを特徴とする付記1記載のアンテナ特性評価システム。
(付記6) 2つの前記送信アンテナを第1の送信アンテナと、第2の送信アンテナとし、情報の異なる2つの前記信号を第1の信号、第2の信号とし、前記第1の信号の周波数変換後の周波数を周波数f1、f3(f1≠f3)とし、前記第2の信号の周波数変換後の周波数を周波数f2、f4(f2≠f4)とした場合、
前記制御部は、
前記周波数f1と前記周波数f2とを合成した合成周波数を前記第1の送信アンテナに割り振り、前記周波数f3と前記周波数f4とを合成した合成周波数を前記第2の送信アンテナに割り振る第1のパターンと、
前記周波数f3と前記周波数f4とを合成した合成周波数を前記第1の送信アンテナに割り振り、前記周波数f1と前記周波数f2とを合成した合成周波数を前記第2の送信アンテナに割り振る第2のパターンと、
の組み合わせを設定することを特徴とする付記1記載のアンテナ特性評価システム。
(付記7) 2つの前記送信アンテナを第1の送信アンテナと、第2の送信アンテナとし、情報の異なる2つの前記信号を第1の信号、第2の信号とし、前記第1の信号の周波数変換後の周波数を周波数f1、f3(f1≠f3)とし、前記第2の信号の周波数変換後の周波数を周波数f1、f2、f3、f4(f1≠f2≠f3≠f4)とした場合、
前記制御部は、
前記周波数f1と、前記周波数f1および前記周波数f2にそれぞれ重み付けして合成した重み付け周波数と、を合成した合成周波数を前記第1の送信アンテナに割り振り、前記周波数f3と、前記周波数f3および前記周波数f4にそれぞれ重み付けして合成した重み付け周波数と、を合成した合成周波数を前記第2の送信アンテナに割り振る第1のパターンと、
前記周波数f3と、前記周波数f3および前記周波数f4にそれぞれ重み付けして合成した重み付け周波数と、を合成した合成周波数を前記第1の送信アンテナに割り振り、前記周波数f1と、前記周波数f1および前記周波数f2にそれぞれ重み付けして合成した重み付け周波数と、を合成した合成周波数を前記第2の送信アンテナに割り振る第2のパターンと、
の組み合わせを設定することを特徴とする付記1記載のアンテナ特性評価システム。
(付記8) 2つの前記送信アンテナを第1の送信アンテナと、第2の送信アンテナとし、前記信号の周波数変換後の周波数を周波数f1、f2(f1≠f2)とした場合、
前記制御部は、
前記周波数f1を前記第1の送信アンテナに割り振り、前記周波数f2を前記第2の送信アンテナに割り振る第1のパターンと、
前記周波数f1を前記第1の送信アンテナに割り振り、前記第2の送信アンテナには周波数を割り振らない第2のパターンと、
を生成し、前記第1のパターンの設定時間よりも前記第2のパターンの設定時間を短くして設定することを特徴とする付記1記載のアンテナ特性評価システム。
(付記9) アンテナ特性評価方法において、
評価対象のアンテナである複数の受信アンテナと、電波を放射する複数の送信アンテナと、を反射箱内に配置し、
信号を生成して前記信号の周波数変換を行い、前記送信アンテナの数以上の周波数を生成して、前記送信アンテナに割り振る前記周波数の組み合わせを可変設定し、
前記周波数の組み合わせが設定された前記電波を放射して、前記電波を受信したときの前記受信アンテナのアンテナ特性の評価を行う、
ことを特徴とするアンテナ特性評価方法。
1 アンテナ特性評価システム
10 制御部
20 反射箱
21−1、21−2 送信アンテナ
22−1、22−2 受信アンテナ
30 評価部

Claims (5)

  1. 評価対象のアンテナである複数の受信アンテナと、
    電波を放射する複数の送信アンテナと、
    信号を生成して前記信号の周波数変換を行い、前記送信アンテナの数以上の周波数を生成して、前記送信アンテナに割り振る前記周波数の組み合わせを可変設定する制御部と、
    前記受信アンテナと接続し、前記電波を受信したときの前記受信アンテナのアンテナ特性の評価を行う評価部と、
    を有することを特徴とするアンテナ特性評価システム。
  2. 前記制御部は、異なる周波数を合成した合成周波数を、前記送信アンテナ毎に割り振ることを特徴とする請求項1記載のアンテナ特性評価システム。
  3. 前記制御部は、異なる周波数を重み付け合成した重み付け合成周波数を、前記送信アンテナ毎に割り振ることを特徴とする請求項1記載のアンテナ特性評価システム。
  4. 前記制御部は、前記送信アンテナに複数の前記周波数を割り振る第1のパターンと、単一の前記周波数を割り振る第2のパターンとを設定し、前記第2のパターンの設定時間を前記第1のパターンの設定時間よりも短くすることを特徴とする請求項1記載のアンテナ特性評価システム。
  5. アンテナ特性評価方法において、
    評価対象のアンテナである複数の受信アンテナと、電波を放射する複数の送信アンテナと、を反射箱内に配置し、
    信号を生成して前記信号の周波数変換を行い、前記送信アンテナの数以上の周波数を生成して、前記送信アンテナに割り振る前記周波数の組み合わせを可変設定し、
    前記周波数の組み合わせが設定された前記電波を放射して、前記電波を受信したときの前記受信アンテナのアンテナ特性の評価を行う、
    ことを特徴とするアンテナ特性評価方法。
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