JP2010071847A - アンテナ特性評価システム - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない装置数で、効率よくかつ高精度のアンテナ特性評価を行う。
【解決手段】評価アンテナ24a、24bは、電波暗室20内に配置され、評価対象のアンテナである。送信アンテナ23a〜23dは、電波暗室20内に配置され、評価アンテナ24a、24bに電波を放射するアンテナである。ベースバンド信号生成部21は、ベースバンド信号を発生する。合成信号発生部10は、周波数が互いに異なる複数の正弦波を生成して、複数の正弦波に所望の相関性を与え、相関性が与えられた正弦波と、ベースバンド信号とを乗算して合成し、複数の合成信号を発生することで、フェージングを生成する。アップコンバータ22−1〜22−4は、合成信号の周波数をアップコンバートする。評価部30は、評価アンテナ24a、24bで受信された電波をダウンコンバートして、ベースバンド信号に変換し、アンテナ特性を解析する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナ特性の評価を行うアンテナ特性評価システムに関する。
アンテナは、無線伝送特性を左右するキー部品の1つであり、高品質なワイヤレス通信を実現するためには、高性能なアンテナが要求される。このため、電波伝搬環境に応じて、電波の放射・吸収特性を最適化したアンテナ設計を行う必要があり、最適化設計のためには、アンテナの特性を測定・評価するアンテナ特性評価技術が重要となる。
一方、近年のワイヤレス通信の分野では、MIMO(Multi Input Multi Output:複数のアンテナを用いて、データの送受信を行うワイヤレス通信技術)方式を使った高速無線通信が開発されており、将来、携帯端末などの小型の機器においても、マルチアンテナの実装が必須となると予測される。
図27はマルチアンテナの放射パターンを説明するための図である。通信端末MSにアンテナA1、A2のマルチアンテナが設けられている。マルチアンテナ技術では、アンテナA1、A2で受信状態を異なるようにし、片側のアンテナで受信困難な場合でも、反対側のアンテナで受信可能としたダイバーシティ受信を行うことで、通信品質を向上させる。
アンテナA1、A2の受信状態が異なるほど、ダイバーシティ受信の効果が上がるので、例えば図27のように、一方のアンテナであるアンテナA1の指向性が、左方向に電波を強く放射し(左方向に放射電力が強い)、右方向には電波を弱く放射するといった(右方向は放射電力が弱い)、放射パターンp1である場合には、他方のアンテナには、左方向に電波を弱く放射し、右方向には電波を強く放射する放射パターンp2となるような指向性を持つアンテナA2を、放射パターン同士が重ならない位置に配置する。
ここで、電波が左から右の方向に送信されて、通信端末MSに到来した場合を考える。電波の放射パターンの強弱は、電波の吸収パターンの強弱と同じであるため、到来電波(到来電波b1とする)に対して、アンテナA2では、吸収電力が弱いので受信困難となるが、アンテナA1では、吸収電力が強いので受信可能となる。
また、通信端末MSが移動し、その移動地点において、電波が右から左の方向に送信されて通信端末MSに到来したとすると、この到来電波(到来電波b2とする)に対しては、アンテナA1では、吸収電力が弱いので受信困難であるが、アンテナA2では、吸収電力が強いので受信可能となる。
このように、マルチアンテナの設計を行う場合は、電波伝搬環境において、アンテナA1、A2の指向性を互いに補完して、アンテナ間での受信状態の相関(アンテナ間相関)が小さくなるように、放射パターンの最適化を行うことが必要である。
図28はアンテナ間相関が小さい場合の電波受信強度を示す図である。縦軸は電波受信強度、横軸は時間である。図27で示したアンテナA1、A2で、到来電波b1、b2を受信したときの受信強度を示している。
時間t0〜t1で到来電波b1があったときは、アンテナA2の受信強度は低下するが、アンテナA1の受信強度は上昇する。また、時間t1以降で到来電波b2があったときは、アンテナA1の受信強度は低下するが、アンテナA2の受信強度は上昇する。このように、アンテナ間相関を小さくして、受信強度の劣化をアンテナ間で補うことができる。
図29はアンテナ間相関が大きい場合の電波受信強度を示す図である。縦軸は電波受信強度、横軸は時間である。通信端末MSaには、図27で示したアンテナA1と同じ放射パターンを持つアンテナA2−1が設置しているとする。
時間t0〜t1で到来電波b1があったときは、アンテナA1、A2−1ともに受信強度は上昇するが、時間t1以降で到来電波b2があったときは、アンテナA1、A2−1ともに受信強度は低下してしまう。このように、アンテナ間相関が大きい場合は、放射パターンが落ち込む部分において、アンテナA1、A2−1ともに受信強度が劣化することになる。
アンテナの最適化設計を行う場合には、アンテナ特性評価を行うことが不可欠であるが、特にマルチアンテナの特性を評価する場合は、アンテナ単体の特性ばかりでなく、上述のように、アンテナ間相関が、アンテナ特性を決める際の重要な評価指標となる。
一方、実際の電波伝搬環境においては、基地局から送信された搬送電波(キャリア)は、マルチパス(信号波が山やビルなどの反射によって複数の経路を伝搬する現象)を経由して通信端末に到達するので、通信端末が移動していた場合には、各パスでキャリアの到来角度に依存してキャリア周波数が異なるドップラシフトを受けることになる(キャリア周波数にあらたなドップラ周波数が加わり、受信周波数が変位することになる)。
このため、通信端末では、周波数領域において広がった複数の信号を受信することにより、レベルが激しく変動するフェージング(時間差をもって到達した電波の波長が干渉し合うことによって電波レベルの強弱が変化する現象またはその変動波)を受ける。フェージングによる受信レベル変動は、無線通信における情報伝送の誤り率を増大する原因となる。
したがって、アンテナ間相関を精度よく評価するには、計算機シミュレーション等によって、実際の電波伝搬環境を模擬したフェージング環境を再現することが必要であり、そのときに測定した値を統計処理して最適化設計を実現することで、アンテナの品質向上を可能にするものである。
図30は従来のアンテナ特性評価を行っているときの様子を示す図である。通信端末MSの周辺に信号発生源5−1〜5−5が配置する。信号発生源5−1〜5−5のそれぞれは、キャリア周波数に対して互いに異なるドップラ周波数Δf1〜Δf5シフトした周波数を持つ正弦波の電波を発生する。なお、信号発生源5−1〜5−5からは、素波(複数の信号波が合成されていない単一の信号波)の状態で各正弦波電波が放射される。
通信端末MSの周囲に配置された複数の信号発生源5−1〜5−5から、異なるドップラ周波数シフトした電波を放射させて、電波を合成させ、通信端末MSが合成波を受信することで、模擬的なフェージング環境を生成している。
ここで、ドップラ周波数の定義について説明する。図31はドップラ周波数を説明するための図である。マルチパス中の1つのパスから到来したキャリア周波数fcが、通信端末MSの進行方向に対して角度θで到来する場合を考える。
通信端末MSの移動速度をv、キャリアの波長をλ、到来角度をθとすると、ドップラ周波数Δfは、進行方向を基準としたときの見かけ上の電波の波長によって次式のように表せる。
Δf=v/(λ/cosθ)=vcosθ/λ・・・(1)
図32は通信端末MSの進行方向と電波の到来角とに応じたドップラ周波数の変化を示す図である。(A)は通信端末MSの進行方向に対し同一方向のパスから電波を受けた場合、(B)は通信端末MSの進行方向に対し垂直方向から電波を受けた場合を示している。
(A)のように、通信端末MSの進行方向と同一方向のパスから電波を受ければ、θ=0、πとなり、式(1)より、ドップラ周波数の絶対値|Δf|は最大となる。
また、(B)のように、通信端末MSの進行方向に対し垂直方向から電波を受ける場合は、進行方向に対する見かけ上の電波の波長は生成されないので、通信端末MSが移動していないのと同じことになり、ドップラシフトの影響は受けない(θ=π/2、3π/2となり、Δf=0)。
ここで、図30で示した評価環境において、通信端末MSが、ある方向に移動すると仮定すると、信号発生源5−1〜5−5には、通信端末MSの移動方向に対する電波の到来角度に応じたドップラ周波数を設定して、そのドップラ周波数を持つ電波を放射させることになる。
例えば図30に示すように、通信端末MSが矢印Xの信号発生源5−4の方向に移動すると仮定すると、信号発生源5−1〜5−5の周波数設定としては、式(1)からわかるように、信号発生源5−4のドップラ周波数Δf4が最も高くなるように設定し、その他の信号発生源からのドップラ周波数は、ドップラ周波数Δf4と比べて低くなるように設定する。
通信端末MSは、固定しており、実際は移動させることはなく、その代わりに、通信端末MSの移動方向に沿って変化するドップラ周波数の変化を、信号発生器5−1〜5−5側で可変に設定して、設定された電波を放射させるものである。このように、通信端末MSが移動したとみなしたときのドップラシフトを信号発生源側で生成し、このときに評価アンテナに生じる受信強度の落ち込みなどを測定評価したりする。
アンテナ特性評価の従来技術として、複数の散乱体アンテナを配置して、電波の振幅と位相を制御してアンテナ評価を行う技術が特許文献1に提案されている。また、端末の周囲において、反射板および散乱体を移動させて、電波の振幅、位相等を制御してフェージング環境を模擬する技術が特許文献2に提案されている。さらに、端末の周囲に複数のアンテナを配置し、アンテナから放射する電波が、端末からみた各アンテナ方向の実環境の特性を持つように制御する技術が特許文献3に提案されている。
特開2005−227213号公報(段落番号〔0031〕,第1図) 特開平07−162376号公報(段落番号〔0045〕、〔0046〕,第1図) 特開平11−340930号公報(段落番号〔0024〕〜〔0031〕,第1図)
図30で示したような評価環境を具体的なシステムで実現する場合、通常は、電波暗室内に複数のアンテナを配置した測定環境を構築し、この電波暗室内でアンテナ特性評価を行う。なお、電波暗室とは、室内の天井、壁、および床の全面に、電波吸収体を取り付けて、室内での電波の反射を抑えた部屋のことである。
図33は従来のアンテナ特性評価システムの構成を示す図である。アンテナ特性評価システム5aは、電波暗室50、ベースバンド信号生成部51、アップコンバータ52−1〜52−4、送信アンテナ53a〜53d、評価アンテナ54a、54b、アンテナ特性評価ボード55、評価用端末56から構成される(以降、評価用の電波を放射するアンテナを送信アンテナ、評価対象のアンテナを評価アンテナと呼ぶ)。
電波暗室50内に、電波を送信する送信アンテナ53a〜53dと、評価対象の評価アンテナ54a、54bとが配置される。送信アンテナ53a〜53dは、アップコンバータ52−1〜52−4のそれぞれと接続し、アップコンバータ52−1〜52−4は、ベースバンド信号生成部51と接続する。評価アンテナ54a、54bは、アンテナ特性評価ボード55と接続し、アンテナ特性評価ボード55は、評価用端末56と接続する。
ベースバンド信号生成部51は、ベースバンド信号を発生する。アップコンバータ52−1〜52−4は、ベースバンド信号をRF(Radio Frequency)信号の周波数帯にアップコンバートする。
アップコンバータ52−1は、ベースバンド信号をキャリア周波数に対してドップラ周波数Δf1シフトした周波数のRF信号にアップコンバートする。アップコンバータ52−2は、ベースバンド信号をドップラ周波数がΔf2のRF信号にアップコンバートする。
アップコンバータ52−3は、ベースバンド信号をドップラ周波数がΔf3のRF信号にアップコンバートする。アップコンバータ52−4は、ベースバンド信号をドップラ周波数がΔf4のRF信号にアップコンバートする。
送信アンテナ53aは、アップコンバータ52−1でアップコンバートされたキャリア周波数に対してドップラ周波数Δf1シフトした周波数の電波を放射し、送信アンテナ53bは、アップコンバータ52−2でアップコンバートされたドップラ周波数がΔf2の電波を放射する。
また、送信アンテナ53cは、アップコンバータ52−3でアップコンバートされたドップラ周波数がΔf3の電波を放射し、送信アンテナ53dは、アップコンバータ52−4でアップコンバートされたドップラ周波数がΔf4の電波を放射する。
評価アンテナ54a、54bは、送信された電波を受信する。アンテナ特性評価ボード55は、評価アンテナ54a、54bで受信された電波をダウンコンバートして、ベースバンド信号に変換する。評価用端末56は、ダウンコンバート後のベースバンド信号にもとづいて、アンテナ特性を解析する。
従来のアンテナ特性評価システム5aによるシステム構成では、主に以下のような問題点があった。
(1)フェージング精度の劣化。
送信アンテナに無指向性のアンテナを使用すると、無指向性アンテナから放射された電波が他の送信アンテナで反射して、反射波が生成し、その反射波が評価アンテナへ届くと、フェージング精度が劣化するといった問題があった。
(2)フェージング周期を十分長くとれない場合がある。
電波暗室には、複数の送信アンテナを配置するが、実際には所望の送信アンテナ数を必ずしも設置できるとは限らない。従来のアンテナ特性評価システム5aの構成では、送信アンテナの設置数が少ないと、測定に必要な十分長いフェージング周期を得られることができず、アンテナ特性評価を効率的にかつ精度よく実行できないといった問題があった。
(3)マルチパス環境(MIMOより発生するパスを含む)を再現しようとすると、信号発生源および送信アンテナの数が増加する。さらにマルチパス間の相関を所望の値にすることができない。
従来のアンテナ特性評価システム5aの構成では、マルチパス環境を生成して、周波数選択性フェージング下におけるアンテナ特性評価を実施するには、パス数に応じた信号発生器(アップコンバータ)および送信アンテナが必要となり、装置規模が増大するといった問題があった。さらに信号発生器(アップコンバータ)間の信号を、マルチパス間で発生する相関を適当な値とする制御ができなかった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、少ない装置数で、効率よくかつ高精度に、アンテナ特性の評価を行うアンテナ特性評価システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、アンテナ特性の評価を行うアンテナ特性評価システムが提供される。このアンテナ特性評価システムは、評価対象のアンテナである評価アンテナと、前記評価アンテナに電波を放射する複数の送信アンテナと、ベースバンド信号を発生するベースバンド信号生成部と、合成信号を生成する合成信号発生部と、前記送信アンテナに接続し、前記合成信号の周波数を前記電波の周波数までアップコンバートするアップコンバータと、前記評価アンテナと接続し、前記電波を受信したときの前記評価アンテナの前記アンテナ特性の評価を行う評価部とを備える。
ここで、合成信号発生部は、周波数が互いに異なる複数の正弦波を生成して、複数の正弦波に所望の相関性を与え、相関性が与えられた正弦波と、ベースバンド信号とを乗算して合成し、複数の合成信号を発生することで、フェージングを生成する。
少ない装置数で、模擬的なマルチパスのフェージング環境を生成し、効率よくかつ高精度に、アンテナ特性の評価を行う。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1はアンテナ特性評価システムの原理図である。アンテナ特性評価システム1は、送信アンテナ23a〜23d、評価アンテナ24a、24b、ベースバンド信号生成部21、合成信号発生部10、アップコンバータ22−1〜22−4、評価部30とから構成され、電波暗室20内でアンテナ特性の評価を行うシステムである(図の例では、電波暗室20内に送信アンテナが4つ、評価アンテナが2つ配置しているが、これらの個数は任意である)。
評価アンテナ24a、24bは、電波暗室20内に配置され、アンテナ特性評価対象のアンテナである。送信アンテナ23a〜23dは、評価アンテナ24a、24bに電波を放射するアンテナであり、電波暗室20内の適切な位置に分散して配置される。
ベースバンド信号生成部21は、ベースバンド信号を発生する。合成信号発生部10は、周波数が互いに異なる複数の正弦波を生成して、複数の正弦波に所望の相関性を与え、相関性が与えられた正弦波と、ベースバンド信号とを乗算して合成し、複数の合成信号を発生することで、フェージングを生成する(模擬的なマルチパスのフェージング環境を電波暗室20内に生成する)。
アップコンバータ22−1〜22−4(総称する場合は、アップコンバータ22)は、送信アンテナ23a〜23dにそれぞれ接続し、合成信号の周波数を電波の周波数までアップコンバートする。評価部30は、アンテナ特性評価ボード31および評価用端末32を含む。アンテナ特性評価ボード31は、評価アンテナ24a、24bと接続する。
アンテナ特性評価ボード31は、評価アンテナ24a、24bで受信された電波をダウンコンバートして、ベースバンド信号に変換する。評価用端末32は、ダウンコンバート後のベースバンド信号にもとづいて、アンテナ特性を解析する。
次にアンテナ特性評価システム1の構成・動作を説明する前に、解決すべき課題について詳しく説明する。なお、アンテナ特性評価システム1の詳細については図8以降で説明する。
(1)フェージング精度の劣化。
送信アンテナに無指向性アンテナを使用すると、フェージング精度が劣化するといった問題があった。図2は無指向性アンテナによるフェージング精度の劣化を示す図である。通信端末MSの周囲に、アンテナA3、A4が配置し、アンテナA3は、ドップラ周波数がΔfaの電波R1を放射し、アンテナA4は、ドップラ周波数がΔfbの電波R2を放射する。
アンテナA3が無指向性アンテナであった場合、電波R1は、360°に渡って放射される。このため、アンテナA4方向に向かうものもあり、アンテナA4方向に向かった電波R1は、アンテナA4で反射し、反射波R1−1が通信端末MSへ到達するといった経路ができてしまう。
通信端末MSが矢印XのアンテナA3の方向に移動すると仮定したとき、上述したように、アンテナA3から放射される電波のドップラ周波数Δfaは高くし、アンテナA4から放射される電波のドップラ周波数Δfbは低くなるように設定して、アンテナ特性の評価を行うことになる。
しかし、このような状況では、本来は移動方向とは異なる方向からの到来波のドップラ周波数は、移動方向からの到来波のドップラ周波数と比べれば小さくなるはずなのに、不要な反射波R1−1が通信端末MSに届いているために、移動方向の逆方向からも、アンテナA3から放射された同じ値の大きなドップラ周波数Δfaの到来波も受けることになる。このため、あらかじめ想定したものとは異なるフェージング変動を受けてしまい、フェージング精度が劣化することになる。
ここで、フェージング精度について説明する。フェージング環境の振幅変動を表現する分布に、レイリー分布(Rayleigh distribution)があり、レイリー分布は、多重波伝播の基本分布として広く用いられている。
また、マルチパス環境の中でも直接波のない見通し外の通信路からなるフェージング環境における振幅変動は、レイリー分布とかなり近くなることが知られており、振幅変動がレイリー分布となる環境は、レイリーフェージング環境と呼ばれている。さらに端末の移動と電波の到来方向を考慮したドップラ周波数の分布(ドップラスペクトラム)も含めて、ここではレイリーフェージング環境と呼ぶ。
アンテナ特性評価を行う場合に模擬するフェージング環境は、具体的には、レイリーフェージング環境を生成するものであり、モデル化したレイリーフェージング環境上で、アンテナ特性を測定し、測定値の統計処理を行ってデータ解析を行うものである。アンテナ特性の評価用に生成したフェージング環境が、モデル化したレイリーフェージング環境に対して、どれぐらい近いかの度合いがフェージング精度になる。
したがって、生成したフェージング環境と、レイリーフェージング環境とのずれが小さければ、フェージング精度は良好であり、そのずれが大きければフェージング精度は劣化していることになる。または、生成したフェージングによる振幅変動が、レイリー分布および設定したドップラスペクトラムに近ければフェージング精度は良好であり、生成したフェージングによる振幅変動が、レイリー分布および設定したドップラスペクトラムにならなければフェージング精度は劣化しているといえる。
したがって、図2のような想定外の反射波R1−1が発生すると、設定したドップラスペクトラムからのずれが大きくなり(フェージング精度が劣化し)、前提としていたフェージング環境とは異なるために、高精度のアンテナ特性評価を実施できなくなる。
(2)フェージング周期を十分長くとれない場合がある。
図33で示した従来のアンテナ特性評価システム5aの構成では、所望のフェージング周期を確保することができないおそれがあった。図3はフェージング周期を示す図である。縦軸は電力、横軸は時間である。
フェージング周期がTのフェージングを示している。ここで、アンテナ特性評価の評価項目として、例えば、伝送レート、スループットおよび誤り率があるとし、これらの項目を測定する際には、少なくとも周期Tの長さのフェージングが必要であるとする。
フェージングの振幅分布はレイリー分布となる必要があるが、そのために十分に長い周期Tのフェージングを発生させなくてはならない。
このように、1つの評価項目を測定する場合に、周期Tのフェージングを評価アンテナが受信することが必要であるならば、従来のアンテナ特性評価システムの構成では、1周期がTとなるようなフェージングを生成するのに必要な数の送信アンテナを電波暗室内に立てる必要がある。
しかし、必要な数の送信アンテナを電波暗室内に立てられないと、周期Tのフェージングが生成されずに、周期Tよりも短い周期を持ったフェージングが生成されることになり(異なる周波数を持った正弦波の電波が多いほど、その合成波形の電波強度はランダム化し、フェージング周期も長くなるが、正弦波の合成数が少ないと、短い周期の単調な振幅の合成波になってしまう)、評価すべき項目の測定を精度よく行えないといった問題があった。
(3)マルチパス環境を再現しようとすると、信号発生源および送信アンテナの数が増加する。
図33で示したアンテナ特性評価システム5aでは、送信アンテナ53a〜53dからの放射電波は、評価アンテナ54a、54bに同時に到達するために、フェージングの環境としては、1パス環境を生成していることになり、フラットフェージングの影響下におけるアンテナ特性評価を行うものである。
これに対し、周波数選択性フェージングの影響下でのアンテナ特性評価を実施したい場合には、フェージングの環境としては、マルチパス環境を生成することが必要である。例えば、評価アンテナ54a、54bへの到着遅延時間差を持たせた2つのパスの電波による2パス環境を生成したりする。
ここで、(3)の問題点の説明をする前に、1パス環境およびマルチパス環境と、フラットフェージングおよび周波数選択性フェージングとについて説明する。図4は1パス環境およびマルチパス環境の概念を示す図である。1パス環境とは、通信端末MSへの到来波の経路が1つの場合の環境であり、図4ではパスP1の経路で、到来波が通信端末MSに到達している様子を示している。
また、マルチパス環境とは、通信端末MSへの到来波の経路が複数ある場合の環境であり、図4では2パス環境を示しており、パスP1の経路による到来波と、反射物に反射されて生成したパスP2の経路による到来波とが、通信端末MSに到達している様子を示している。なお、パスP1とパスP2とには到達時間差τが生じている。
図5はフラットフェージングと周波数選択性フェージングを示す図である。縦軸は電力(dB)、横軸は周波数(Hz)である。フラットフェージングは、フェージングの周波数成分において、振幅・位相の変動がほぼ一様となり、すべてのチャネルの周波数で同じレベルで減衰するフェージング変動のことである。
また、フラットフェージングは、1パス環境の場合に発生する。
一方、周波数選択性フェージングは、フェージング波の周波数成分毎に、振幅・位相が時間と共に変動し、チャネルの周波数毎に減衰レベルが異なるフェージング変動のことである。
また、周波数選択性フェージングは、マルチパス環境の場合に、遅延の異なるフェージング波が、周波数毎に異なる位相で合成されるために生じる。
次に周波数選択性フェージングの原理について数式を用いて説明する。時間tのときの周波数f0の正弦波の関数(正弦波の振幅)は、式(2)で表すことができる。
cos(2πf0t)+jsin(2πf0t)=exp(j2πf0t)・・・(2)
また、パスiにおける、時間tのときの周波数fnのフェージングは、以下の式(3)で表せる(ai,nは係数である)。
Figure 2010071847
マルチパス環境として、パス間の遅延時間差がτである2パス環境について考えると、周波数fcの1つ目のパスg1(t)と、周波数fcの2つ目のパスg2(t−τ)とが合成したときのフェージングをν(t)とした場合、ν(t)は、式(3)から以下の式(4)となる。
ν(t)=g1(t)exp(j2πfct)+g2(t−τ)exp(j2πfc(t−τ))
=[g1(t)+g2(t−τ)exp(−j2πfcτ)]exp(j2πfct)・・・(4)
図6はフェージングをベクトル表現した図である。座標軸上に、ベクトルg1(t)とベクトルg2(t−τ)とが示されている。ここで、fc=1/τのときのベクトルg1(t)とベクトルg2(t−τ)との合成ベクトルν(t)は、ベクトルg1(t)+g2(t−τ)となる。また、fc=1/(2τ)のときのベクトルg1(t)とベクトルg2(t−τ)との合成ベクトルν(t)は、ベクトルg1(t)−g2(t−τ)となる。
図6からわかるように、周波数fcの値により、パスg1(t)と、パスg2(t−τ)との合成のされ方が異なり、合成後の振幅の大きさが異なることになる。このように、周波数によって振幅変動が異なるフェージングが、周波数選択性フェージングと呼ばれるものである。
(3)の問題点について説明する。図7はアンテナ特性評価システムの構成を示す図である。電波暗室50内で2パス環境を生成している従来のアンテナ特性評価システムの構成を示している。
アンテナ特性評価システム5bは、電波暗室50、ベースバンド信号生成部51、アップコンバータ52−1〜52−8、送信アンテナ53a〜53h、評価アンテナ54a、54b、アンテナ特性評価ボード55、評価用端末56、遅延部57から構成される。
なお、アップコンバータ52−1〜52−4および送信アンテナ53a〜53dは、1パス目の電波を発生する信号発生源および送信アンテナであり、アップコンバータ52−5〜52−8および送信アンテナ53e〜53hは、2パス目の電波を発生する信号発生源および送信アンテナである。
電波暗室50内に、電波を送信する送信アンテナ53a〜53d、53e〜53hと、評価対象の評価アンテナ54a、54bとが配置される。送信アンテナ53a〜53dは、アップコンバータ52−1〜52−4のそれぞれと接続し、送信アンテナ53e〜53hは、アップコンバータ52−5〜52−8のそれぞれと接続する。
アップコンバータ52−1〜52−8は、ベースバンド信号生成部51と接続する。評価アンテナ54a、54bは、アンテナ特性評価ボード55と接続し、アンテナ特性評価ボード55は、評価用端末56と接続する。
ベースバンド信号生成部51は、ベースバンド信号を発生し、アップコンバータ52−1〜52−4は、ベースバンド信号をRF信号にアップコンバートする。遅延部57は、ベースバンド信号を時間Dだけ遅延させ、アップコンバータ52−5〜52−8は、時間D分遅延したベースバンド信号をRF信号にアップコンバートする。
送信アンテナ53aは、アップコンバータ52−1でアップコンバートされたドップラ周波数がΔf1の電波を放射し、送信アンテナ53bは、アップコンバータ52−2でアップコンバートされたドップラ周波数がΔf2の電波を放射する。また、送信アンテナ53cは、アップコンバータ52−3でアップコンバートされたドップラ周波数がΔf3の電波を放射し、送信アンテナ53dは、アップコンバータ52−4でアップコンバートされたドップラ周波数がΔf4の電波を放射する。
一方、送信アンテナ53eは、アップコンバータ52−5でアップコンバートされたドップラ周波数がΔf5の電波を放射し、送信アンテナ53fは、アップコンバータ52−6でアップコンバートされたドップラ周波数がΔf6の電波を放射する。また、送信アンテナ53gは、アップコンバータ52−7でアップコンバートされたドップラ周波数がΔf7の電波を放射し、送信アンテナ53hは、アップコンバータ52−8でアップコンバートされたドップラ周波数がΔf8の電波を放射する。なお、ドップラ周波数Δf5〜Δf8の電波と、ドップラ周波数Δf1〜Δf4の電波との評価アンテナ54a、54bへの到達時間差は、時間Dとなる。
評価アンテナ54a、54bは、送信された電波を受信する。アンテナ特性評価ボード55は、評価アンテナ54a、54bで受信された電波をダウンコンバートして、ベースバンド信号に変換する。評価用端末56は、ダウンコンバート後のベースバンド信号にもとづいて、アンテナ特性を解析する。
このように、マルチパス環境を生成して、周波数選択性フェージング下におけるアンテナ特性評価を実施するには、パス数に応じた信号発生源(アップコンバータ)および送信アンテナが必要となり、装置規模が増大するといった問題があった。
また、アップコンバータなどの装置は、アナログ回路で構成されるため、周波数精度の高いRF信号を必ずしも生成できるとは限らず、アップコンバータの数が多くなると、その分、周波数精度に依存した誤差も大きくなり、アンテナ特性評価の精度も劣化するといった問題があった。
次に上記の課題を解決するアンテナ特性評価システム1について詳しく説明する。最初に、送信アンテナの指向性について説明する。図8は指向性のある送信アンテナを使用したときに反射波が抑制される様子を示す図である。指向性送信アンテナA3−1を用いて、通信端末MS(評価アンテナ)に対して、所定の向きに電波を放射させることにより、電波暗室内で不要な反射波が生成されることを抑制することができ、フェージング精度を向上させることが可能になる。したがって、図1に示した送信アンテナ23a〜23dには、指向性のアンテナを使用する。
図9は指向性の送信アンテナを使用したときのアンテナ配置例を示す図である。通信端末MS(評価アンテナ)の周囲に5個の送信アンテナA〜Eが正五角形となるように配置されている。送信アンテナA〜Eは、すべて指向性アンテナである。
送信アンテナAから通信端末MSに対して、指向性の強い電波R1を放射した場合、反射が起きやすい箇所は、送信アンテナC、Dである。したがって、送信アンテナAから放射すべき電波の放射パターンは、放射角度を36°として、通信端末MSの到達地点である放射パターンの中心部では減衰量は小さく(例えば、減衰量=0dB)、放射パターンの広がる縁部分では、減衰量が大きくなるような(例えば、減衰量=−10dB)指向性を持たせる。
送信アンテナAから、このような指向性を持たせた電波R1を放射させることにより、送信アンテナC、Dで反射が生じることを抑制することが可能になる(当然、放射パターンの広がる範囲よりも外側にある送信アンテナB、Eでは反射は起きない)。
したがって、電波暗室内に5個の送信アンテナA〜Eが正五角形状に配置する場合、送信アンテナA〜Eは、放射電力が最大となる点から左右に−10dBのレベル低下が生じるときの放射角度の指向性を持つようにする。これにより、不要な反射を低減することが可能になる。
次に合成信号発生部(合成信号発生装置に該当)について説明する。図10は合成信号発生部の構成を示す図である。合成信号発生部10は、信号生成部11、演算部12、A/D部13−1〜13−m、正弦波乗算・遅延部14、合成部15、出力処理部16から構成される。なお、信号生成部11、演算部12、正弦波乗算・遅延部14および合成部15は、ディジタル信号処理により動作する構成要素である。
信号生成部11は、複数の正弦波生成部11−1〜11−(m×k)を含み(mはベースバンド信号入力本数、kはパス数)、正弦波生成部11−1〜11−(m×k)は、周波数の互いに異なる複数の初期正弦波(正弦波生成部から発生したそのままの正弦波)を発生する。
演算部12は、初期正弦波に対して、所望の相関性を与えるための相関パラメータを乗算して、所望の相関性を与えた正弦波である複数の相関正弦波を生成する。A/D部13−1〜13−mは、ベースバンド信号生成部21から出力された、アナログのベースバンド信号をA/D変換して、ディジタルのベースバンド信号に変換する。ベースバンド信号の入力本数がmならば、A/D部もm個配置される。
図10では、ベースバンド信号生成部21からアナログのベースバンド信号が入力されるとしたため、A/D部を含む構成としたが、ベースバンド信号生成部21からディジタル入力される場合は、A/Dを含まない構成となる。
正弦波乗算・遅延部14は、受信したベースバンド信号にマルチパス用の遅延を与え、必要な遅延が付加されたベースバンド信号と、相関正弦波とを乗算して乗算値を生成する。合成部15は、乗算値に重み付けを行って合成し、合成信号を生成する。
出力処理部16は、D/A部16a−1〜16a−Nと、フィルタ部16b−1〜16b−Nとから構成される。D/A部16a−1〜16a−Nは、合成部15から出力されたディジタルの合成信号をアナログの合成信号に変換する。フィルタ部16b−1〜16b−Nは、アナログ合成信号をフィルタリングして、D/A変換時に生じた折り返し歪を除去して、合成信号Dout1〜DoutNを生成し、アップコンバータ22側へ送信する(合成信号をN個生成したら、アップコンバータ22はN個、送信アンテナもN個と必要となる)。送信アンテナの幾つかを垂直偏波を送信するアンテナ、残りを水平偏波に対応したアンテナとする場合もある。
次にフェージング周期を長く設定する場合の構成について説明する。信号生成部11内の正弦波生成部11−1〜11−(m×k)は、互いの周期が素の関係となるような初期正弦波を発生する。
図11は周波数が素の関係となる正弦波の一例を示す図である。縦軸は振幅、横軸は時間である。互いに素の関係となる周波数f1〜f4を示している。素の関係とは、1以外の公約数がない関係ということである。例えば、f1=3、f2=5、f3=7、f4=8であるとき、周波数f1〜f4には、1以外の公約数がないので素の関係となる。
または、すべての周波数値を掛け算した値が最小公倍数となる関係と言い換えることもできる。この例では、周波数f1〜f4の最小公倍数は、840(=3×5×7×8)であるので、周波数f1〜f4は素の関係となる。
素の関係の周波数を持つ複数の正弦波が合成した合成波の周期(周期T1とする)と、素の関係でない周波数を持つ複数の正弦波が合成した合成波の周期(周期T2とする)とを比較すると、T2<T1となる。
したがって、互いに素の関係となる周波数を持つ複数の正弦波の合成波は、素の関係を持たない周波数を持つ複数の正弦波の合成波と比べて、フェージング周期を長くすることができる。
次に素の関係となる周波数の設定方法の一例について説明する。周波数f1〜f4(f1<f2<f3<f4)に対して、互いに素の関係となるような周波数値をそれぞれ設定する場合を考える。
最初に、f1、f4については、素の関係となる周波数値を設定して固定する。f2、f3については、f2はf1の近傍の値に仮設定し、f3はf4の近傍の値に仮設定する(f2、f3は、素の関係となるか否かは関係なく、この段階では単にf1、f4の近傍の値に設定する)。仮設定したf2をf2´、仮設定したf4をf4´とする。
式(2)で示したように、周波数f1を持つ正弦波は、exp(j2πf1t)と表せる。同様に、周波数f2、f3、f4はそれぞれ、exp(j2πf2t)、exp(j2πf3t)、exp(j2πf4t)と表せる。
ここで、周波数f1〜f4が素の関係となるには、各周波数の正弦波の周期(振幅)が等しいということなので、
exp(j2πf1t)=exp(j2πf2t)=exp(j2πf3t)=exp(j2πf4t)・・・(5)
となる。式(5)をexp(j2πf1t)で割ると、
1=exp(j2π(f2−f1)t)=exp(j2π(f3−f1)t)=exp(j2π(f4−f1)t)・・・(6)
となる。式(6)の各エクスポネンシャルが1となるには、(f2−f1)t、(f3−f1)t、(f4−f1)tがそれぞれ整数となればよい。なぜなら、式(2)から、cos(2πft)+jsin(2πft)=exp(j2πft)なので、ftが整数のとき、左辺のcos(2πft)+jsin(2πft)は、cosの項が1、sinの項が0となるからである。
したがって、(f2−f1)t=N2、(f3−f1)t=N3、(f4−f1)t=N4とおくと(N2、N3、N4は整数)、式(7)のように表せる。
2/(f2−f1)=N3/(f3−f1)=N4/(f4−f1)=t・・・(7)
式(7)を展開して、
2´=(f2´−f1)・N4/(f4−f1)・・・(8)
となり、式(8)のN2´と最も近いN4と素の関係にあるN2を求める(N4は1980以上の整数とする)。
そして、f2の算出式は、
2=((f4−f1)・N2/N4)+f1・・・(9)
となるから、求めたN2を式(9)に代入して、f2を求める。
また、式(7)を展開して、
3´=(f3´−f1)・N4/(f4−f1)・・・(10)
となり、式(10)のN3´と最も近いN4と素の関係にあるN3を求める。
そして、f3の算出式は、
3=((f4−f1)・N3/N4)+f1・・・(11)
となるから、求めたN3を式(11)に代入して、f3を求める。このようなアルゴリズムによって、周波数f1、f2、f3、f4に対して、互いに素の関係となる値を求めることができる。
次に合成信号発生部10の各構成要素について詳しく説明する。以降では、複数のベースバンド信号をベースバンド信号B1〜Bm(m=1、2、・・・)と表記し、マルチパスを構成する際の複数のパスをパスP1〜Pk(k=1、2、・・・)と表記する(ベースバンド信号の入力本数はm、想定するパス数はkである)。
また、具体的な値で構成例を示す場合には、ベースバンド信号の入力本数を4(=m)とし、また、マルチパスのフェージング環境として、パス数を9(=k)とした9パス環境を生成するものとして説明する。
図12は信号生成部11の構成を示す図である。信号生成部11は、(m×k)個の複数の正弦波生成部を含み、1つの正弦波生成部は、異なる周波数の複数の初期正弦波を発生させるディジタル・ジェネレータである。
ここで、説明をわかりやすくするために、行方向にm個、列方向にk個の正弦波生成部を配置させたと仮定して、m行k列に位置する正弦波生成部を正弦波生成部Xm-kと表記する。図12には、m行k列の場合の正弦波生成部の配置と、4行9列の場合の正弦波生成部の配置とを示している。
図13〜図16は正弦波生成部で生成される初期正弦波を示す図である。正弦波生成部Xm-kは、ベースバンド信号Bmに対応するn個の初期正弦波を生成する。
すなわち、1つの正弦波生成部は、n個の初期正弦波を生成する。したがって、信号生成部11の全体では、(n×m×k)個の互いに異なる周波数を持つ初期正弦波が生成されることになる。
図13〜図16では、n=8としたとき、すなわち、1つの正弦波生成部からは、8波の初期正弦波を生成する様子を示している。したがって、信号生成部11の全体では、288(=8×4×9)種類の互いに異なる周波数を持つ初期正弦波を生成することになる。
また、正弦波生成部Xm-kにおいて、垂直偏波・水平偏波に対応したアンテナが同数ある場合、垂直偏波に対応するn/2個の初期正弦波を、初期正弦波XmVk-nと表記し、水平偏波に対応するn/2個の初期正弦波を、初期正弦波XmHk-nと表記する。
一例を示すと、図13の正弦波生成部X1-1において、ベースバンド信号B1に対応する、垂直偏波の4個の初期正弦波は、初期正弦波X1V1-1、X1V1-2、X1V1-3、X1V1-4と表記される。また、ベースバンド信号B1に対応する、水平偏波の4個の初期正弦波は、初期正弦波X1H1-1、X1H1-2、X1H1-3、X1H1-4と表記される。
これら初期正弦波を表す関数を示すと、X1V1-1=exp(j・2π・δf1V1-1・t+j・θ1V1-1)、X1V1-2=exp(j・2π・δf1V1-2・t+j・θ1V1-2)、X1V1-3=exp(j・2π・δf1V1-3・t+j・θ1V1-3)、X1V1-4=exp(j・2π・δf1V1-4・t+j・θ1V1-4)、X1H1-1=exp(j・2π・δf1H1-1・t+j・θ1H1-1)、X1H1-2=exp(j・2π・δf1H1-2・t+j・θ1H1-2)、X1H1-3=exp(j・2π・δf1H1-3・t+j・θ1H1-3)、X1H1-4=exp(j・2π・δf1H1-4・t+j・θ1H1-4)となる。なお、δf(Δf)はドップラ周波数、tは時間、θは位相である。その他の正弦波生成部も同様である。
次に演算部12について説明する。演算部12は、信号生成部11で生成された複数の初期正弦波に相関パラメータを乗算して、初期正弦波に所望の相関性を与えた相関正弦波を生成する。
相関パラメータの値により、相関度合いを大きくしたり、小さくしたりすることができる。
図17は演算部12の演算処理例を示す図である。演算部12では、図12に示したk列目に位置するm個の正弦波生成部Xm-kのそれぞれから、初期正弦波XmVk-aと初期正弦波XmHk-aとを抽出して(1≦a≦n/2:aは自然数)、n個の要素からなる初期正弦波の列ベクトルを生成する。
そして、この列ベクトルに対して、n×nの行列要素を持つ相関パラメータを乗算して、n個の要素からなる相関正弦波の列ベクトルを生成して、全体で(n×m×k)個の相関正弦波を生成する。
例えば図17に示す演算例で示すように、図12に示した、1(=k)列目に位置する4(=m)個の正弦波生成部X1-1、X2-1、X3-1、X4-1のそれぞれから初期正弦波を抽出して列ベクトルを生成する場合、正弦波生成部X1-1から正弦波X1V-1、X1H1-1を抽出し、正弦波生成部X2-1から正弦波X2V-1、X2H1-1を抽出し、正弦波生成部X3-1から正弦波X3V-1、X3H1-1を抽出し、正弦波生成部X4-1から正弦波X4V-1、X4H1-1を抽出する。
抽出した正弦波の列ベクトルX=(X1V-1、X1H1-1、X2V-1、X2H1-1、X3V-1、X3H1-1、X4V-1、X4H1-1)に対して、n=8であるから、8×8の行列要素であり、列ベクトルXの各要素の相関性を決めるための相関パラメータH1を乗算する。
乗算結果は、列ベクトルY=(Y1V-1、Y1H1-1、Y2V-1、Y2H1-1、Y3V-1、Y3H1-1、Y4V-1、Y4H1-1)となり、例えば、相関パラメータH1が相関性を0にするものであれば、列ベクトルYの各要素は、相関性が互いに0となっていることになる。行列計算式を以下に示す。
Figure 2010071847
なお、1(=k)列目に位置する4(=m)個の正弦波生成部X1-1、X2-1、X3-1、X4-1からは、上記の行列演算の他にさらに、以下の3種類の行列演算が行われる(計算式のみ示す)。
Figure 2010071847
Figure 2010071847
Figure 2010071847
図12に示す正弦波生成部の配置にもとづいて、演算部12では、1列から4種類の行列演算を行い、全部で9列あるので、36種類の行列演算を行うことになる(288種類の正弦波の中から8つの正弦波を抽出して行列演算を行うので、36種類の行列演算を行うことになる)。
また、8×8の行列要素である相関パラメータH1〜H36は、36種類の行列演算に対して、すべて同じ値(H1=H2=・・・=H36)としてもよいし、異なる値に設定してもよい。なお、相関パラメータは、演算部12内の記憶領域に保持されており、ユーザによって相関パラメータの値は、任意の値に設定可能である。
ここで、簡単な例として、2×2の相関パラメータを用いて、2つの周波数の相関性を決める場合について説明する。相関パラメータの行列要素を例えば、a、b、c、dとすると、行列演算は以下の式(16)となる。
Figure 2010071847
式(16)から、y1=a・x1+b・x2、y2=c・x1+d・x2である。相関パラメータの要素が、a=1、b=0、c=1、d=0のとき、y1=y2=x1となる。y1、y2の値が同じであるので、相関性が1となり、y1、y2の相関性は強くなる。
また、相関パラメータの要素が、a=1、b=0、c=0、d=1のとき、y1=x1、y2=x2となり、y1、y2は完全に異なる値となる。y1、y2の相関性は0となって、y1、y2の相関性を無くしていることになる(a、b、c、dに端数を用いれば、相関性を細かく設定できる)。
次に正弦波乗算・遅延部14について説明する。図18は正弦波乗算・遅延部14の全体構成を示す図である。ベースバンド信号の入力本数が4、パス数を9としたときの構成を示している。
正弦波乗算・遅延部14は、ベースバンド信号B1に対しては、乗算処理部14ν1-1〜14ν1-9と、遅延部14a−1〜14a−8とが配置される。ベースバンド信号B2に対しては、乗算処理部14ν2-1〜14ν2-9と、遅延部14b−1〜14b−8とが配置される。
ベースバンド信号B3に対しては、乗算処理部14ν3-1〜14ν3-9と、遅延部14c−1〜14c−8とが配置される。ベースバンド信号B4に対しては、乗算処理部14ν4-1〜14ν4-9と、遅延部14d−1〜14d−8とが配置される。
ここで、ベースバンド信号Bmは、A/D部13−1〜13−4によりディジタル信号に変換される。A/D変換後のベースバンド信号Bmは、パスP1に対する乗算処理を行う乗算処理部14ν1-1〜14ν4-1には、遅延されずに入力する。
また、パスPs(2≦s≦k:sは自然数)に対する乗算処理を行う場合は、遅延単位時間をDとしたとき、ベースバンド信号Bmには(s−1)×Dの遅延を与えて、乗算処理部14νm-sに入力させる。
例えば、ベースバンド信号B1について見ると、パスP2(s=2)に対する乗算処理を行う場合は、ベースバンド信号B1には、遅延部14a−1により、時間1Dの遅延を与えて、乗算処理部14ν1-2に入力させる。また、パスP9(s=9)に対する乗算処理を行う場合は、ベースバンド信号B1には、遅延部14a−1〜14a−8によって生成された時間8Dの遅延を与えて、乗算処理部14ν1-9に入力させる。
図19、図20は正弦波乗算・遅延部14の内部構成を示す図である。ベースバンド信号B1の乗算処理を行う部分の内部構成のみ示している(ベースバンド信号B2〜B4の乗算処理を行う部分も同様の構成である)。乗算処理部14ν1-1〜14ν1-9は、乗算器#1〜#8をそれぞれ含む。遅延部14a−1〜14a−8はそれぞれ、入力信号に対して時間1Dの遅延を与えて出力する。遅延部14a−1〜14a−8によってパス毎に遅延を与えることで、周波数選択性フェージングの環境を生成するものである。
乗算処理部14ν1-1内の乗算器#1〜#8には、A/D変換後の、ベースバンド信号B1が入力する。そして、ベースバンド信号B1と、演算部12から出力された相関正弦波(Y1V1-1、Y1V1-2、Y1V1-3、Y1V1-4、Y1H-1、Y1H1-2、Y1H1-3、Y1H1-4)の各要素が乗算されて、乗算値(ν1V1-1、ν1V1-2、ν1V1-3、ν1V1-4、ν1H-1、ν1H1-2、ν1H1-3、ν1H1-4)が出力する。
すなわち、乗算器#1は、相関正弦波Y1V1-1とベースバンド信号B1とを乗算して乗算値ν1V1-1を生成する。乗算器#2は、相関正弦波Y1V1-2とベースバンド信号B1とを乗算して乗算値ν1V1-2を生成する。乗算器#3は、相関正弦波Y1V1-3とベースバンド信号B1とを乗算して乗算値ν1V1-3を生成する。乗算器#4は、相関正弦波Y1V1-4とベースバンド信号B1とを乗算して乗算値ν1V1-4を生成する。乗算器#5は、相関正弦波Y1H-1とベースバンド信号B1とを乗算して乗算値ν1H-1を生成する。乗算器#6は、相関正弦波Y1H1-2とベースバンド信号B1とを乗算して乗算値ν1H1-2を生成する。乗算器#7は、相関正弦波Y1H1-3とベースバンド信号B1とを乗算して乗算値ν1H1-3を生成する。乗算器#8は、相関正弦波Y1H1-4とベースバンド信号B1とを乗算して乗算値ν1H1-4を生成する。
一方、遅延部14a−1は、A/D変換直後のベースバンド信号B1を時間D1だけ遅延する。乗算処理部14ν1-2内の乗算器#1〜#8には、時間1Dだけ遅延した、ベースバンド信号B1が入力する。
そして、時間D1だけ遅延したベースバンド信号B1と、相関正弦波である(Y1V2-1、Y1V2-2、Y1V2-3、Y1V2-4、Y1H2-1、Y1H2-2、Y1H2-3、Y1H2-4)の各要素が乗算されて、乗算値として(ν1V2-1、ν1V2-2、ν1V2-3、ν1V2-4、ν1H2-1、ν1H2-2、ν1H2-3、ν1H2-4)が出力する。
乗算処理部14ν1-3〜14ν1-9においても同様な演算処理が行われる。なお、最終段の乗算処理部14ν1-9についてのみ簡単に示すと、遅延部14a−8の出力信号は、乗算処理部14ν1-1に入力したベースバンド信号B1と比べて、時間(D1+・・・+D8)だけ遅延している。なお、以降では、時間(D1+・・・+Dn)を時間ΣDb(b=1〜n)と表記する。
乗算処理部14ν1-9内の乗算器#1〜#4には、時間ΣDb(b=1〜8)だけ遅延した、ベースバンド信号B1が入力する。そして、時間ΣDb(b=1〜8)だけ遅延したベースバンド信号B1と、相関正弦波である(Y1V9-1、Y1V9-2、Y1V9-3、Y1V9-4、Y1H9-1、Y1H9-2、Y1H9-3、Y1H9-4)の各要素が乗算されて、乗算値として(ν1V9-1、ν1V9-2、ν1V9-3、ν1V9-4、ν1H9-1、ν1H9-2、ν1H9-3、ν1H9-4)が出力する。
ここで、正弦波乗算・遅延部14の動作内容を一般化して記載すると、パスP1に対する乗算処理に対しては、ベースバンド信号Bmには遅延を与えず、ベースバンド信号Bmに、相関正弦波YmV1-nを乗算して乗算値νmV1-nを生成し、ベースバンド信号Bmに、相関正弦波YmH1-nを乗算して乗算値νmH1-nを生成する。
また、パスPs(2≦s≦k:sは自然数)に対する乗算処理を行う場合は、ベースバンド信号Bmには時間ΣDb(b=1〜m−1)の遅延を与えて、ベースバンド信号Bmに、相関正弦波YmVs-nを乗算して乗算値νmVs-nを生成し、ベースバンド信号Bmに、相関正弦波YmHs-nを乗算して乗算値νmHs-nを生成する。
図21〜図24は正弦波乗算・遅延部14の乗算値を行列表現した図である。図21は、ベースバンド信号B1に対する乗算処理部14ν1-1〜14ν1-9の出力である乗算値を行列表現したものである。また、8×9の行列の各行ベクトル(乗算値ベクトル)をV11〜V14およびH11〜H14と表す。
例えば、V11=(ν1V1-1、ν1V2-1、ν1V3-1、ν1V4-1、ν1V5-1、ν1V6-1、ν1V7-1、ν1V8-1、ν1V9-1)である。また、H11=(ν1H1-1、ν1H2-1、ν1H3-1、ν1H4-1、ν1H5-1、ν1H6-1、ν1H7-1、ν1H8-1、ν1H9-1)である。
図22は、ベースバンド信号B2に対する乗算処理部14ν2-1〜14ν2-9の出力である乗算値を行列表現しており、8つの行ベクトルをそれぞれV21〜V24およびH21〜H24と表している。図23は、ベースバンド信号B3に対する乗算処理部14ν3-1〜14ν3-9の出力である乗算値を行列表現しており、8つの行ベクトルをそれぞれV31〜V34およびH31〜H34と表している。図24は、ベースバンド信号B4に対する乗算処理部14ν4-1〜14ν4-9の出力である乗算値を行列表現しており、8つの行ベクトルをそれぞれV41〜V44およびH41〜H44と表している。
ここで、一般的に、正弦波乗算・遅延部14の乗算値ベクトルをVmn=(νmVk-n)およびHmn=(νmHk-n)と表記できる。例えば、m=1、n=1ならば、V11=(ν1Vk-1)=(ν1V1-1、ν1V2-1、ν1V3-1、ν1V4-1、ν1V5-1、ν1V6-1、ν1V7-1、ν1V8-1、ν1V9-1)となる。また、H11=(ν1Hk-1)=(ν1H1-1、ν1H2-1、ν1H3-1、ν1H4-1、ν1H5-1、ν1H6-1、ν1H7-1、ν1H8-1、ν1H9-1)となる。
次に合成部15について説明する。図25、図26は合成部15の構成を示す図である。合成部15は、n個の重み付け合成部V−1〜V−nと、n個の重み付け合成部H−1〜H−nとから構成される。この例では、n=4なので、重み付け合成部V−1〜V−4と、重み付け合成部H−1〜H−4とから構成される。
また、重み付け合成部V−nには、乗算値ベクトルVmnが入力する。すなわち、重み付け合成部V−1には、乗算値ベクトルVm1=(V11、V21、V31、V41)が入力し、重み付け合成部V−2には、乗算値ベクトルVm2=(V12、V22、V32、V42)が入力する。
また、重み付け合成部V−3には、乗算値ベクトルVm3=(V13、V23、V33、V43)が入力し、重み付け合成部V−4には、乗算値ベクトルVm4=(V14、V24、V34、V44)が入力する。
同様に、重み付け合成部H−nには、乗算値ベクトルHmnが入力する。すなわち、重み付け合成部H−1には、乗算値ベクトルHm1=(H11、H21、H31、H41)が入力し、重み付け合成部H−2には、乗算値ベクトルHm2=(H12、H22、H32、H42)が入力する。
また、重み付け合成部H−3には、乗算値ベクトルHm3=(H13、H23、H33、H43)が入力し、重み付け合成部H−4には、乗算値ベクトルHm4=(H14、H24、H34、H44)が入力する。
ここで、重み付け合成部V−nは、乗算値ベクトルVmnの要素であるk個の乗算値νmVk-nに、k個の重み付け係数Wr(1≦r≦k:rは自然数)をそれぞれ乗算し、乗算結果を加算したm個の加算値Vaddm-nを求め、加算値Vaddm-nの総和を、垂直偏波に対応する合成信号として生成する。
同様に、重み付け合成部H−nは、乗算値ベクトルHmnの要素であるk個の乗算値νmHk-nに、k個の重み付け係数Wrをそれぞれ乗算し、乗算結果を加算したm個の加算値Haddm-nを求め、加算値Haddm-nの総和を、水平偏波に対応する合成信号として生成する。
具体的に、重み付け合成部V−1に関して示すと、行ベクトル(V11、V21、V31、V41)の各要素に重み係数Wk(k=1,2,3,4,5,6,7,8,9)を乗算して乗算結果を加算した加算値Vadd1-1、Vadd2-1、Vadd3-1、Vadd4-1を求め、かつこれらの総和を求める。
すなわち、V11=(ν1V1-1、ν1V2-1、ν1V3-1、ν1V4-1、ν1V5-1、ν1V6-1、ν1V7-1、ν1V8-1、ν1V9-1)のそれぞれの要素に対して、重み係数W1〜W9を乗算して乗算値の和Vadd1-1を求める(式(17))。
Vadd1-1=W1・ν1V1-1+W2・ν1V2-1+W3・ν1V3-1+W4・ν1V4-1+W5・ν1V5-1+W6・ν1V6-1+W7・ν1V7-1+W8・ν1V8-1+W9・ν1V9-1
・・・(17)
また、V21=(ν2V1-1、ν2V2-1、ν2V3-1、ν2V4-1、ν2V5-1、ν2V6-1、ν2V7-1、ν2V8-1、ν2V9-1)のそれぞれの要素に対して、重み係数W1〜W9を乗算して乗算値の和Vadd2-1を求める(式(18))。
Vadd2-1=W1・ν2V1-1+W2・ν2V2-1+W3・ν2V3-1+W4・ν2V4-1+W5・ν2V5-1+W6・ν2V6-1+W7・ν2V7-1+W8・ν2V8-1+W9・ν2V9-1
・・・(18)
さらに、V31=(ν3V1-1、ν3V2-1、ν3V3-1、ν3V4-1、ν3V5-1、ν3V6-1、ν3V7-1、ν3V8-1、ν3V9-1)のそれぞれの要素に対して、重み係数W1〜W9を乗算して乗算値の和Vadd3-1を求める(式(19))。
Vadd3-1=W1・ν3V1-1+W2・ν3V2-1+W3・ν3V3-1+W4・ν3V4-1+W5・ν3V5-1+W6・ν3V6-1+W7・ν3V7-1+W8・ν3V8-1+W9・ν3V9-1
・・・(19)
さらにまた、V41=(ν41-1、ν4V2-1、ν4V3-1、ν4V4-1、ν4V5-1、ν4V6-1、ν4V7-1、ν4V8-1、ν4V9-1)のそれぞれの要素に対して、重み係数W1〜W9を乗算して乗算値の和Vadd4-1を求める(式(20))。
Vadd4-1=W1・ν4V1-1+W2・ν4V2-1+W3・ν4V3-1+W4・ν4V4-1+W5・ν4V5-1+W6・ν4V6-1+W7・ν4V7-1+W8・ν4V8-1+W9・ν4V9-1
・・・(20)
重み付け合成部V−1は、Vadd1-1+Vadd2-1+Vadd3-1+Vadd4-1を計算し、総和である計算結果をディジタルの合成信号として生成し、D/A部16a−1へ出力する。その他の重み付け合成部についても同様な合成演算を行うので説明は省略する。なお、重み係数は、合成部15内の記憶領域に保持されており、ユーザによって重み係数の値は、任意の値に設定可能である。
以上説明したように、アンテナ特性評価システム1では、合成信号発生部10によって、周波数が互いに異なる複数の正弦波を生成し、ベースバンド信号と正弦波とを乗算して合成し、複数の合成信号を発生し、複数の合成信号に所望の相関性を与えて、マルチパスのフェージングを生成する構成とした。
これにより、パス毎に所望の相関性が設定された合成波を、送信アンテナから放射することができるので、従来のシステム構成と比べて、少ない装置数で、マルチパスのフェージング環境を模擬することができる。このため、格段にフェージング精度を向上させることが可能となり、効率よく高精度のアンテナ特性評価を行うことが可能になる。
(付記1) アンテナ特性の評価を行うアンテナ特性評価システムにおいて、
評価対象のアンテナである評価アンテナと、
前記評価アンテナに電波を放射する複数の送信アンテナと、
ベースバンド信号を発生するベースバンド信号生成部と、
合成信号を生成する合成信号発生部と、
前記送信アンテナに接続し、前記合成信号の周波数を前記電波の周波数までアップコンバートするアップコンバータと、
前記評価アンテナと接続し、前記電波を受信したときの前記評価アンテナの前記アンテナ特性の評価を行う評価部と、
を備え、
前記合成信号発生部は、
周波数が互いに異なる複数の正弦波を生成して、複数の前記正弦波に所望の相関性を与え、
相関性が与えられた前記正弦波と、前記ベースバンド信号とを乗算して合成し、複数の前記合成信号を発生することで、フェージングを生成する、
ことを特徴とするアンテナ特性評価システム。
(付記2) 前記送信アンテナが放射した前記電波が、他の前記送信アンテナに反射した際に、生成される反射波が十分小さくなるように、指向性を絞った前記送信アンテナを用いることを特徴とする付記1記載のアンテナ特性評価システム。
(付記3) 前記合成信号発生部は、
周波数の互いに異なる複数の初期正弦波を生成する複数の正弦波生成部を含む信号生成部と、
前記初期正弦波に、所望の相関性を与えるための相関パラメータを乗算して、所望の相関性を与えた正弦波である複数の相関正弦波を生成する演算部と、
マルチパス用の遅延を与えた前記ベースバンド信号と、前記相関正弦波とを乗算して乗算値を生成する正弦波乗算・遅延部と、
前記乗算値に重み付けを行って合成し、前記合成信号を生成する合成部と、
から構成され、ディジタル信号処理により各機能が動作することを特徴とする付記1記載のアンテナ特性評価システム。
(付記4) 前記正弦波生成部は、互いの周波数が素の関係となる前記初期正弦波を生成することを特徴とする付記3記載のアンテナ特性評価システム。
(付記5) 前記演算部は、複数の前記合成信号の相関性が互いに0になるような、または複数の前記合成信号の相関性が互いに十分小さくなるような、前記相関パラメータを用いることを特徴とする付記3記載のアンテナ特性評価システム。
(付記6) 前記合成信号発生部に入力する複数の前記ベースバンド信号をベースバンド信号B1〜Bm(m=1、2、・・・)とし、マルチパスを構成する際の複数のパスをパスP1〜Pk(k=1、2、・・・)とし、
前記信号生成部は、前記正弦波生成部を(m×k)個含み、行方向にm個、列方向にk個の前記正弦波生成部を配置させたとして、m行k列に位置する前記正弦波生成部を正弦波生成部Xm-kとした場合に、
正弦波生成部Xm-kは、ベースバンド信号BmのI信号成分に対応する、n個の前記初期正弦波である初期正弦波XmVk-nと、ベースバンド信号BmのQ信号成分に対応する、n個の前記初期正弦波である初期正弦波XmHk-nとを生成して、前記信号生成部から(2n×m×k)個の前記初期正弦波を生成し、
前記演算部は、
k列目に位置するm個の正弦波生成部Xm-kのそれぞれから、初期正弦波XmVk-aと初期正弦波XmHk-aとを抽出し(1≦a≦n/2:aは自然数)、n個の要素からなる初期正弦波の列ベクトルに、n×nの行列要素を持つ前記相関パラメータを乗算して、n個の要素からなる前記相関正弦波の列ベクトルを生成することで、(n×m×k)個の前記相関正弦波を生成し、
初期正弦波XmVk-nに対応する前記相関正弦波を相関正弦波YmVk-n、初期正弦波XmHk-nに対応する前記相関正弦波を相関正弦波YmHk-nとした場合に、
前記正弦波乗算・遅延部は、
パスP1に対する乗算処理を行う場合は、ベースバンド信号Bmには遅延を与えず、前記ベースバンド信号Bmに、相関正弦波YmV1-nを乗算して乗算値νmV1-nを生成し、前記ベースバンド信号Bmに、相関正弦波YmH1-nを乗算して乗算値νmH1-nを生成し、
パスPs(2≦s≦k:sは自然数)に対する乗算処理を行う場合は、各パス間の遅延をDs−1(2≦s≦k:sは自然数)としたとき、ベースバンド信号BmにはD1+D2+・・・+Ds−1の遅延を与えて、前記ベースバンド信号Bmに、相関正弦波YmVs-nを乗算して乗算値νmVs-nを生成し、前記ベースバンド信号Bmに、相関正弦波YmHs-nを乗算して乗算値νmHs-nを生成し、
前記正弦波乗算・遅延部で求められた、I信号成分に対応する乗算値ベクトルをVmn=(νmVk-n)とし、Q信号成分に対応する乗算値ベクトルをHmn=(νmHk-n)とし、
前記合成部は、n個の重み付け合成部V−1〜V−nと、n個の重み付け合成部H−1〜H−nとから構成され、
重み付け合成部V−nには、乗算値ベクトルVmnが入力し、重み付け合成部H−nには、乗算値ベクトルHmnが入力し、
重み付け合成部V−nは、乗算値ベクトルVmnの要素であるk個の乗算値νmVk-nに、k個の重み付け係数Wr(1≦r≦k:rは自然数)をそれぞれ乗算し、乗算結果を加算したm個の加算値Vaddm-nを求め、加算値Vaddm-nの総和を、1つの合成信号として生成し、
重み付け合成部H−nは、乗算値ベクトルHmnの要素であるk個の乗算値νmHk-nに、k個の重み付け係数Wrをそれぞれ乗算し、乗算結果を加算したm個の加算値Haddm-nを求め、加算値Haddm-nの総和を、1つの合成信号として生成する、
ことを特徴とする付記3記載のアンテナ特性評価システム。
(付記7) 複数の信号を合成して合成信号を発生する合成信号発生装置において、
周波数の互いに異なる複数の初期正弦波を生成する複数の正弦波生成部を含む信号生成部と、
前記初期正弦波に、所望の相関性を与えるための相関パラメータを乗算して、所望の相関性を与えた正弦波である複数の相関正弦波を生成する演算部と、
パス毎に遅延を与えたベースバンド信号と、前記相関正弦波とを乗算して乗算値を生成する正弦波乗算・遅延部と、
前記乗算値に重み付けを行って合成し、前記合成信号を生成する合成部と、
を有することを特徴とする合成信号発生装置。
(付記8) 装置に入力する複数の前記ベースバンド信号をベースバンド信号B1〜Bm(m=1、2、・・・)とし、複数のパスをパスP1〜Pk(k=1、2、・・・)とし、
前記信号生成部は、前記正弦波生成部を(m×k)個含み、行方向にm個、列方向にk個の前記正弦波生成部を配置させたとして、m行k列に位置する前記正弦波生成部を正弦波生成部Xm-kとした場合に、
正弦波生成部Xm-kは、送信アンテナ数の半分に対応する、n/2個の前記初期正弦波である初期正弦波XmVk-nと、送信アンテナ数の残り半分に対応する、n/2個の前記初期正弦波である初期正弦波XmHk-nとを生成して、前記信号生成部から(n×m×k)個の前記初期正弦波を生成し、
前記演算部は、
k列目に位置するm個の正弦波生成部Xm-kのそれぞれから、初期正弦波XmVk-aと初期正弦波XmHk-aとを抽出し(1≦a≦n/2:aは自然数)、n個の要素からなる初期正弦波の列ベクトルに、n×nの行列要素を持つ前記相関パラメータを乗算して、n個の要素からなる前記相関正弦波の列ベクトルを生成することで、(n×m×k)個の前記相関正弦波を生成し、
初期正弦波XmVk-nに対応する前記相関正弦波を相関正弦波YmVk-n、初期正弦波XmHk-nに対応する前記相関正弦波を相関正弦波YmHk-nとした場合に、
前記正弦波乗算・遅延部は、
パスP1に対する乗算処理を行う場合は、ベースバンド信号Bmには遅延を与えず、前記ベースバンド信号Bmに、相関正弦波YmV1-nを乗算して乗算値νmV1-nを生成し、前記ベースバンド信号Bmに、相関正弦波YmH1-nを乗算して乗算値νmH1-nを生成し、
パスPs(2≦s≦k:sは自然数)に対する乗算処理を行う場合は、各パス間の遅延をDs−1(2≦s≦k:sは自然数)としたとき、ベースバンド信号Bmには(D1+D2+・・・+Ds−1の遅延を与えて、前記ベースバンド信号Bmに、相関正弦波YmVs-nを乗算して乗算値νmVs-nを生成し、前記ベースバンド信号Bmに、相関正弦波YmHs-nを乗算して乗算値νmHs-nを生成し、
前記正弦波乗算・遅延部で求められた、I信号成分に対応する乗算値ベクトルをVmn=(νmVk-n)とし、Q信号成分に対応する乗算値ベクトルをHmn=(νmHk-n)とし、
前記合成部は、n個の重み付け合成部V−1〜V−nと、n個の重み付け合成部H−1〜H−nとから構成され、
重み付け合成部V−nには、乗算値ベクトルVmnが入力し、重み付け合成部H−nには、乗算値ベクトルHmnが入力し、
重み付け合成部V−nは、乗算値ベクトルVmnの要素であるk個の乗算値νmVk-nに、k個の重み付け係数Wr(1≦r≦k:rは自然数)をそれぞれ乗算し、乗算結果を加算したm個の加算値Vaddm-nを求め、加算値Vaddm-nの総和を、1つの合成信号として生成し、
重み付け合成部H−nは、乗算値ベクトルHmnの要素であるk個の乗算値νmHk-nに、k個の重み付け係数Wrをそれぞれ乗算し、乗算結果を加算したm個の加算値Haddm-nを求め、加算値Haddm-nの総和を、1つの合成信号として生成する、
ことを特徴とする付記7記載の合成信号発生装置。
アンテナ特性評価システムの原理図である。 無指向性アンテナによるフェージング精度の劣化を示す図である。 フェージング周期を示す図である。 1パス環境およびマルチパス環境の概念を示す図である。 フラットフェージングと周波数選択性フェージングを示す図である。 フェージングをベクトル表現した図である。 アンテナ特性評価システムの構成を示す図である。 指向性のある送信アンテナを使用したときに反射波が抑制される様子を示す図である。 指向性の送信アンテナを使用したときのアンテナ配置例を示す図である。 合成信号発生部の構成を示す図である。 周波数が素の関係となる正弦波の一例を示す図である。 信号生成部の構成を示す図である。 正弦波生成部で生成される初期正弦波を示す図である。 正弦波生成部で生成される初期正弦波を示す図である。 正弦波生成部で生成される初期正弦波を示す図である。 正弦波生成部で生成される初期正弦波を示す図である。 演算部の演算処理例を示す図である。 正弦波乗算・遅延部の全体構成を示す図である。 正弦波乗算・遅延部の内部構成を示す図である。 正弦波乗算・遅延部の内部構成を示す図である。 正弦波乗算・遅延部の乗算値を行列表現した図である。 正弦波乗算・遅延部の乗算値を行列表現した図である。 正弦波乗算・遅延部の乗算値を行列表現した図である。 正弦波乗算・遅延部の乗算値を行列表現した図である。 合成部の構成を示す図である。 合成部の構成を示す図である。 マルチアンテナの放射パターンを説明するための図である。 アンテナ間相関が小さい場合の電波受信強度を示す図である。 アンテナ間相関が大きい場合の電波受信強度を示す図である。 従来のアンテナ特性評価を行っているときの様子を示す図である。 ドップラ周波数を説明するための図である。 通信端末の進行方向と電波の到来角とに応じたドップラ周波数の変化を示す図である。(A)は通信端末の進行方向に対し同一方向のパスから電波を受けた場合、(B)は通信端末の進行方向に対し垂直方向から電波を受けた場合を示している。 従来のアンテナ特性評価システムの構成を示す図である。
符号の説明
1 アンテナ特性評価システム
10 合成信号発生部
20 電波暗室
21 ベースバンド信号生成部
22−1〜22−4 アップコンバータ
23a〜23d 送信アンテナ
24a、24b 評価アンテナ
30 評価部
31 アンテナ特性評価ボード
32 評価用端末

Claims (6)

  1. アンテナ特性の評価を行うアンテナ特性評価システムにおいて、
    評価対象のアンテナである評価アンテナと、
    前記評価アンテナに電波を放射する複数の送信アンテナと、
    ベースバンド信号を発生するベースバンド信号生成部と、
    合成信号を生成する合成信号発生部と、
    前記送信アンテナに接続し、前記合成信号の周波数を前記電波の周波数までアップコンバートするアップコンバータと、
    前記評価アンテナと接続し、前記電波を受信したときの前記評価アンテナの前記アンテナ特性の評価を行う評価部と、
    を備え、
    前記合成信号発生部は、
    周波数が互いに異なる複数の正弦波を生成して、複数の前記正弦波に所望の相関性を与え、
    相関性が与えられた前記正弦波と、前記ベースバンド信号とを乗算して合成し、複数の前記合成信号を発生することで、フェージングを生成する、
    ことを特徴とするアンテナ特性評価システム。
  2. 前記送信アンテナが放射した前記電波が、他の前記送信アンテナに反射した際に、生成される反射波が十分小さくなるように、指向性を絞った前記送信アンテナを用いることを特徴とする請求項1記載のアンテナ特性評価システム。
  3. 前記合成信号発生部は、
    周波数の互いに異なる複数の初期正弦波を生成する複数の正弦波生成部を含む信号生成部と、
    前記初期正弦波に、所望の相関性を与えるための相関パラメータを乗算して、所望の相関性を与えた正弦波である複数の相関正弦波を生成する演算部と、
    マルチパス用の遅延を与えた前記ベースバンド信号と、前記相関正弦波とを乗算して乗算値を生成する正弦波乗算・遅延部と、
    前記乗算値に重み付けを行って合成し、前記合成信号を生成する合成部と、
    から構成され、ディジタル信号処理により各機能が動作することを特徴とする請求項1記載のアンテナ特性評価システム。
  4. 前記正弦波生成部は、互いの周波数が素の関係となる前記初期正弦波を生成することを特徴とする請求項3記載のアンテナ特性評価システム。
  5. 前記演算部は、複数の前記合成信号の相関性が互いに0になるような、または複数の前記合成信号の相関性が互いに十分小さくなるような、前記相関パラメータを用いることを特徴とする請求項3記載のアンテナ特性評価システム。
  6. 複数の信号を合成して合成信号を発生する合成信号発生装置において、
    周波数の互いに異なる複数の初期正弦波を生成する複数の正弦波生成部を含む信号生成部と、
    前記初期正弦波に、所望の相関性を与えるための相関パラメータを乗算して、所望の相関性を与えた正弦波である複数の相関正弦波を生成する演算部と、
    パス毎に遅延を与えたベースバンド信号と、前記相関正弦波とを乗算して乗算値を生成する正弦波乗算・遅延部と、
    前記乗算値に重み付けを行って合成し、前記合成信号を生成する合成部と、
    を有することを特徴とする合成信号発生装置。
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