JP2012021569A - 軸封装置の冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】密封容器内部での破断事故を無くすと共に、密封容器の分解作業を要するような点検の頻度を低減することにより、点検作業を容易にする。
【解決手段】密封容器12は中空筒体14とその両端に結合される蓋板16及び底板18とで構成され、内部に流入管20から冷却水wが導入される。フラッシング流体fが流入される伝熱管28は、入口管28a、内側コイル形成体28b、直管部28c及び28d、外側コイル形成体28e及び出口管28fから構成されている。伝熱管28の接続部33は、密封容器12の外に配置され、その他の部分は一体の管材を曲げ加工して製作されている。密封容器12の内部に伝熱管28の溶接箇所がないので、点検作業が容易になる。また、伝熱管28は、接続部33を分離することで、蓋板16に接続される部分と底板18に接合される部分とに分離できるので、密封容器12の分解が容易になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポンプ等の流体機械の軸封部を構成するメカニカルシール等の軸封装置等を冷却するための冷却装置に関する。
揚水ポンプ等の流体機械では、軸封部に回転軸からの漏れを機械的にシールするメカニカルシールが用いられている。しかし、メカニカルシールの摺動部から発熱があるので、これを冷却するために、メカニカルシールに低温のフラッシング流体を供給している。例えば、高温水ポンプでは、フラッシング流体として、自身で汲み上げた用水を使用する場合、メカニカルシール用クーラで冷却したものを用いている。
特許文献1には、ポンプの軸封部に設けられたメカニカルシールの周囲にシール室を形成し、該シール室にフラッシング水を供給する構成が開示されている。このフラッシング水によって、メカニカルシールの摺動面に異物等を混入させず、摺動面を損傷させないようにすると共に、温度変化等で摺動面が変形して摺動面のシール性能が悪化しないようにしている。そして、フラッシング水の供給ラインに、フラッシング水を冷却する熱交換器(メカニカルシール用クーラ)が介設されている。
特許文献2には、メカニカルシールの周囲にフラッシング水が流れるフラッシング管を配設し、該フラッシング管の周囲をカバーで覆って冷却室を形成し、該冷却室に冷却水を供給してフラッシング管を流れるフラッシング流体を冷却する構成が開示されている。
また、特許文献3及び特許文献4には、メカニカルシール用クーラの内部構成が開示されている。以下、特許文献3に開示されたメカニカルシール用クーラの構成を図7及び図8により説明する。
図7及び図8において、このメカニカルシール用クーラ100は、冷却水wの流入口104及び流出口106を形成した円形断面の密封筒体102と、図示省略のメカニカルシールの冷却に供した後の高温のフラッシング流体fが流入する伝熱管108と、円筒形状のバッフル板110とを備えている。密封筒体102は、円形側板112によって密封され、他端はボルト・ナット114によって固設されたフランジ116によって密封されている。
円形側板112の中央部には流入口104が設けられ、流入口104を取り巻くように小筒体118が密封容器102内に設けられている。小筒体118の一端は円形側板112に固設されている。バッフル板110の一端はフランジ116に固定され、小筒体118とバッフル板110とで、伝熱管108に沿った冷却水wの蛇行流路を形成している。
伝熱管108の主要部は、外側コイル状伝熱管108aと内側コイル状伝熱管108bとで構成され、これらは密封筒体102の軸方向に向けられ、互いに同心状に配置されている。外側コイル状伝熱管108aは、密封筒体102とバッフル板110とで形成された環状流路に配置され、内側コイル状伝熱管108bは、バッフル板110と小筒体118とで形成された環状流路に配置されている。
伝熱管108の入口端108c及び出口端108dは、フランジ116を穿設して設けられた流体入口部120と流体出口部122とに連結されている。密封筒体102には足場124が一体に設けられ、密封筒体102の胴部底部に水抜き孔を形成するソケット126が設けられ、該水抜き孔は、運転中、プラグ128が圧入されて遮蔽されている。冷却水wの流路は、伝熱管108を流れるフラッシング流体fとの熱交換効率を良くするため、外側コイル状伝熱管108a及び内側コイル状伝熱管108bに沿った蛇行流路を形成している。
かかる構成において、メカニカルシール(図示省略)の冷却に供されて高温となったフラッシング流体fは、流体入口部120から伝熱管108に流入する。一方、冷却水wは流入口104から小筒体118を通って密封筒体102内に流入する。密封筒体102の内部で、フラッシング流体fと冷却水wとの間で熱交換が行なわれ、フラッシング流体fは冷却される。冷却されたフラッシング流体fは、流体出口部122から排出され、メカニカルシールへ送られる。密封筒体102内の冷却水wは、流出口106から流出する。
特開昭60−230600号公報 実開平4−93795号公報 特開平8−135800号公報 特開2006−83992号公報
特許文献3に開示されたメカニカルシール用クーラは、伝熱管108をコイル状に曲げ加工し、コイル状伝熱管を同心状に配置したので、冷却水wとの熱交換領域を広く取ることができる。また、バッフル板110等により、伝熱管108に沿った冷却水流路を形成できるので、冷却水とフラッシング流体との熱交換効率を向上できる。
しかし、逆に、伝熱管108の延べ長さが長大化し、1本の規定長さの管材から製作するのが困難になる。また、複雑な三次元形状をしているので、1本の管材を曲げ加工しようとすると、特殊な加工装置を必要とするので、製作コストが大幅に増大する。
そのため、通常、外側コイル状伝熱管108aと内側コイル状伝熱管108bとを別々の管材で製作し、両者の端部を溶接等の手段で接続する製作方法が採用されている。
しかし、伝熱管108には、高圧(例えば約3MPa)のフラッシング流体が流れるので、溶接箇所は他の箇所と比べてひび割れや破損が起こりやすい。もし、該溶接箇所が破断すると、高圧のフラッシング流体が密封筒体102内に漏れ、密封筒体102を内側から加圧するので、密封筒体102を破断させるおそれがある。
また、流体機械の軸受部は、運転中振動が常に発生しており、その振動で溶接箇所が疲労破断するおそれもある。そのため、該溶接箇所の定期点検を必要とする。しかし、溶接箇所が密封筒体102の内部にあるため、メカニカルシール用クーラを分解して溶接箇所を点検しなければならず、点検作業が極めて面倒になるという問題がある。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、前記メカニカルシール用クーラ等、軸封部の冷却装置において、密封容器内部での破断事故を無くすと共に、密封容器の分解作業を要するような点検の頻度を低減することにより、点検作業を容易にすることを目的とする。また、点検に要する時間を短縮し、運転中断時間を短縮することによって、該冷却装置を組み込んだ装置の稼働時間を確保できるようにすることを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の軸封装置の冷却装置は、冷却水の流入口及び流出口を有する密封容器と、該密封容器の内部に導設され、コイル状に曲げ加工された複数の異径なコイル形成体を直列に接続すると共に、これらコイル形成体を同心状に配置してなる伝熱管とを備え、高温流体を該伝熱管に流し冷却水と熱交換させて冷却するようにした軸封装置の冷却装置において、2個のコイル形成体が互いに接続される接続端部を密封容器の外部に導設し、該接続端部同士を密封容器外で接続して高温流体の連続流路を形成するように構成したものである。
本発明装置では、伝熱管を構成するコイル形成体の接続端部を密封容器の外部に導設し、接続端部同士を密封容器外で接続したので、密封容器内の伝熱管の接続部に起因した漏洩事故を防止できる。また、接続端部が外部から目視可能になり、そのため、密封容器を分解せずとも該接続端部の点検が可能になる。従って、密封容器の分解を要するような点検の頻度を低減できるので、メカニカルシール用クーラ等を組み込んだ装置の運転中断時間を低減でき、稼動時間を長く取ることができる。
また、接続端部が密封容器の外側に配置されるので、接続端部の微小なひび割れ等や極微量の漏れも発見できるようになる。さらに、接続端部を密封容器の外部に置くことにより、配管サポート等による補強ができるので、接続端部が振動を受けにくくなり、接続端部の疲労破断を抑制できる。
本発明装置において、密封容器が互いに分離可能な複数の隔壁構成体からなり、各コイル形成体の接続端部を含む両側端部が1個の隔壁構成体のみに取り付けられ支持されるようにするとよい。これによって、各コイル形成体が1個の隔壁構成体に取り付けられているので、密封容器の分解時に、各コイル形成体を隔壁構成体に取り付けたまま密封容器の分解が可能になる。そのため、点検時又は清掃時等に、密封容器の分解作業が容易になる。
例えば、密封容器が、中央胴部を形成する中空筒体と該中空筒体の両端に接合された端板とで構成されると共に、該端板のうち少なくとも一方が中空筒体に分離可能に接合され、伝熱管が該端板を介して密封容器に導設され、該伝熱管の入口部及び出口部が端板により支持されるようにし、コイル形成体の接続端部が端板を介して密封容器の外部に導設され、各コイル形成体の接続端部を含む両側端部が同一の端板に接続されているように構成するとよい。
これによって、各コイル形成体が夫々一方の端板のみに接続され支持されるので、中央胴部を構成する中空筒体からの端板の分離が容易になり、密封容器の内部を開放できる。そのため、密封容器内部の点検や掃除が容易になる。
このとき、すべてのコイル形成体の両側管路が同一の端板に接続されるように構成すれば、すべてのコイル形成体が一方の端板のみに接合され支持されるようになる。そのため、コイル形成体が接続されていない端板を中空筒体から分離するのが容易になる。さらに、各コイル形成体の接続端部が同一の端板を通して密封容器の外部に導設されるので、密封容器外に導設される接続端部の管路長さを短縮でき、管材に要するコストを低減できる。
本発明装置において、コイル形成体の接続端部が互いに固着され又は分離可能に接続されているようにすることができる。コイル形成体の接続端が分離可能に接続されていれば、中空筒体からの一方の端板の分離が容易になり、密封容器内の点検や清掃が容易になる。
また、コイル形成体の接続端が溶接等の手段で固着されていても、伝熱管が銅管等の柔軟性のある材料で構成されているならば、伝熱管の弾性力により中空筒体の両端に配置された端板の間隔を広げることができる。これによって、密封容器の内部を開放できるので、点検や清掃が容易になる。
なお、本発明装置においても、もちろん特許文献3に開示された筒状のバッフル板を密封容器の内部に設けるようにしてもよい。このバッフル板を設けて、コイル形成体に沿う冷却水の蛇行流路を形成するようにすれば、高温流体と冷却水との熱交換効率を大幅に向上できる。
本発明装置によれば、冷却水の流入口及び流出口を有する密封容器と、該密封容器の内部に導設され、コイル状に曲げ加工された複数の異径なコイル形成体を直列に接続すると共に、これらコイル形成体を同心状に配置してなる伝熱管とを備え、高温流体を該伝熱管に流し冷却水と熱交換させて冷却するようにした軸封装置において、2個のコイル形成体が互いに接続される接続端部を密封容器の外部に導設し、該接続端部同士を密封容器外で接続して高温流体の連続流路を形成するように構成したので、密封容器内で伝熱管の漏洩事故を防止できると共に、伝熱管の接続部が外部から目視可能になり、密封容器の分解を要する点検の頻度を低減できる。
そのため、コイル形成体の接続端部の点検が容易になると共に、これによって、点検時間を短縮できるので、メカニカルシール用クーラ等、冷却装置を組み込んだ軸封装置の稼動時間を長く取ることができる。また、接続端部が密封容器の外側に配置されるので、微小ひび割れや極微量の漏れも発見できるようになり、さらに、接続端部を密封容器の外部に置くことにより、配管サポート等による補強ができるので、該接続端部が振動を受けにくくなり、接続端部の疲労破断を抑制できる。
本発明装置の第1実施形態に係る正面視断面図(図2中のB―B線に沿う断面図)である。 図1中のA―A線に沿う断面図である。 図1の装置の平面図である。 本発明装置の第2実施形態に係る正面視断面図である。 本発明装置の第3実施形態に係る正面視断面図である。 図4の装置の平面図である。 従来のメカニカルシール用クーラの正面視断面図である。 図7の装置の左側面図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
本発明を高温水ポンプ等流体機械に適用したメカニカルシール用クーラの第1実施形態を、図1〜図3に基づいて説明する。図1〜図3において、本実施形態のメカニカルシール用クーラ10Aは、密封容器12と、該密封容器12の内部に導設された伝熱管28と、バッフル板42及び44とで構成されている。密封容器12は、円形断面を有し中央胴部を形成する中空筒体14と、中空筒体14の上下端に装着された蓋板16及び底板18とで構成され、内部に密封空間sを形成している。バッフル板42、44は、円筒形状をなし、中空筒体14の内部に中空筒体14と同心状に配置されている。
中空筒体14に冷却水wが流入する流入管20が設けられ、蓋板16の中央部に冷却水wが流出する流出管22が接続されている。中空筒体14の両端にはフランジ14a及び14bが固着され、これらフランジは、Oリング24を介してボルト・ナット26によって、夫々蓋板16又は底板18と結合されている。
伝熱管28は、蓋板16を貫通して密封空間sに導設された直線状の入口管28a、コイル状に形成された内側コイル形成体28b、及び直管部28cと、直管部28d、コイル状に形成された外側コイル形成体28e、及び底板18を貫通して密封容器12の外部に導設された出口管28fとで構成されている。入口管28aから直管部28cまでは1本の管材を曲げ加工して製作され、直管部28dから出口管28fまでは別な管材を曲げ加工して製作されている。
入口管28aは、蓋板16の外面に固着されたソケット30に固着されている。内側コイル形成体28bは、フラッシング流体fの流れが下降流となるように螺旋状に形成されている。直管部28cは、蓋板16を貫通して密封容器12の外部に導設され、蓋板16の外面に固着されたソケット32に固着されている。そのため、入口管28aから内側コイル形成体28bに流入したフラッシング流体fは、内側コイル形成体28bの下端部まで螺旋状に下降し、内側コイル形成体28bの下端より直管部28cを通って蓋板16の外部へ出る。内側コイル形成体28bとバッフル板44間には、円筒形状の空間s1が形成されている。直管部28cはこの円筒空間s1を上下方向に配置されている。
直管部28cと直管部28d間は、外部配管29a及び29bにより接続されている。直管部28cは、外部配管29aと突合せ溶接又は差込み継手で接続され、直管部28dは、外部配管29bと突合せ溶接又は差込み継手で接続されている。外部配管29a及び29bの接続端部は、接続部33でフランジ結合されている。外部配管29a及び29bの接合端部には、夫々フランジ34及び35が固着され、これらフランジがボルト・ナット36で結合されている。直管部28dの他端は、底板18を貫通して密封空間sに導設されている。外側コイル形成体28eと中空筒体14間には円筒形状の空間s2が形成されている。
直管部28dは、底板18の外面に固着されたソケット38に固着され、該円筒空間s2に上下方向に配置され、外側コイル形成体28eの上端に連なっている。外側コイル形成体28eは、内側コイル形成体28bと同様に、フラッシング流体fの流れが下降流となるように螺旋状に形成されている。そのため、直管部28dから外側コイル形成体28eに流入したフラッシング流体fは、下方に向かって螺旋状に流下する。外側コイル形成体28eの下端には、底板18から密封容器12の外側に貫通した出口管28fが一体形成されている。フラッシング流体fは、出口管28fから図示省略のメカニカルシールに送られる。
出口管28fは、底板18の外面に固着されたソケット40に固着されている。バッフル板42の端部は底板18に固着され、バッフル板42の外側に配置されたバッフル板44は、蓋板16に固着されている。底板18には、水抜き孔を有するソケット46が設けられ、該水抜き孔は、運転時、プラグ48で密封されている。
かかる構成において、流入管20から冷却水wが密封空間sに流入し、密封空間sは冷却水wで満たされている。図示省略のメカニカルシールの冷却に供して高温となったフラッシング流体fが、入口管28aから流入し、内側コイル形成体28b及び外側コイル形成体28eを通る時、冷却水wと熱交換して冷却される。バッフル板42及び44によって、流入管20から流入した冷却水wが、外側コイル形成体28e及び内側コイル形成体28bに沿って上下方向に流れる蛇行流路が形成されているので、冷却水wと伝熱管28との接触面積が増え、熱交換効率が向上する。
本実施形態によれば、接続部33が密封容器12の外部に配置され、密封容器12の内部に伝熱管28の接続部が存在しないので、密封容器12内で伝熱管28の接続部で発生するおそれがあるひび割れや破損に起因したフラッシング流体fの漏洩事故を防止できる。また、接続部33の点検時に密封容器12の分解が不要になる。そのため、点検作業が容易になり、点検時間を短縮できるので、その分メカニカルシールを組み込んだポンプ等流体機械の稼動時間を長く保持できる。また、接続部33が密封容器12の外部から目視可能になるので、接続部33の極微量の漏れも容易に発見できるようになる。
さらに、接続部33が密封容器12の外部にあるので、外部配管29a及び29bを配管サポートで固定できるようになる。そのため、接続部33が振動を受けにくくなり、接続部33の疲労破断を抑制できる。また、密封容器12内で冷却水wが外側領域s2から内側領域s1に流れ、フラッシング流体fが内側コイル形成体28bから外側コイル形成体28eに向かって流れている。このように、冷却水wとフラッシング流体fとが対向流を形成しているので、熱交換領域の両者の温度差のばらつきを抑えることができ、熱交換効率を向上できる。
また、伝熱管28のうち、入口管28a、内側コイル形成体28b及び直管部28cが蓋板16に結合され、直管部28d、外側コイル形成体28e及び出口管28fが底板18に結合されている。また、バッフル板44が蓋板16に固着され、バッフル板42が底板18に固着されている。そのため、点検又は清掃等のため、密封容器12を分解するとき、接続部33を外し、底板18のボルト・ナット26を外すことで、蓋板16及び底板18の引き離しが容易になる。従って、密封容器12の分解及び再組立が容易になり、密封容器12内の点検や清掃等が容易になる。
また、内側コイル形成体28b及び外側コイル形成体28eが一方向のみに指向された螺旋状に加工されているので、これらの加工が容易であり、加工コストを節減できる。さらに、フラッシング流体fが一方向に流れるので、フラッシング流体fの圧力損失が低減できるという利点がある。
また、接続部33の近傍で、管路に空気抜き弁又は圧力調整弁等を介設するとよい。これによって、密封容器12の外で、伝熱管28内の空気を除去でき、あるいは伝熱管28内のフラッシング流体fの圧力を調整できるので、熱交換効率を向上できる。また、温度計測用座を配管途中に設けてもよい。
また、入口管28a、直管部28c、28d及び出口管28fと、蓋板16又は底板18との接合手段は、溶接等の固着以外にネジ止め等の手段を用いてもよい。
(実施形態2)
次に、本発明装置の第2実施形態を図4により説明する。図4において、本実施形態のメカニカルシール用クーラ10Bは、バッフル板を除く密封容器12の構成は、第1実施形態と同一であるので、同一構成の部分に同一符号を付し、同一構成部分の説明を省略する。伝熱管50は、フラッシング流体fの流れ方向上流側から順に、入口管50a、外側コイル形成体50b、及び直管部50cと、直管部50dと、内側コイル形成体50eと、出口管50fとで構成されている。入口管50aから直管部50cまでは1本の管材を曲げ加工して製作され、直管部50dから出口管50fまでは別な管材を曲げ加工して製作されている。
密封空間sには、中空筒体14の軸方向に、円筒形状のバッフル板60、62及び64が外側から順に配置されている。バッフル板60が外側コイル形成体50bと入口管50aとの間に配置され、バッフル板62が入口管50aと内側コイル形成体50eとの間に配置され、内側コイル形成体50eの内側にバッフル板64が配置されている。バッフル板60及び62は蓋板16に固着され、バッフル板64は底板18に固着されている。底板18には水抜き孔66が穿設され、水抜き孔66は、運転時にはプラグ68で遮蔽されている。
入口管50aは、ソケット55を介して蓋板16に溶着され、蓋板16を貫通し、バッフル板60及び62間に形成された円筒形状の空間s3に導設されている。入口管50aは、さらに空間s3からバッフル板64の外側を通って、外側コイル形成体50bの下端に一体形成されている。外側コイル形成体50bは、バッフル板60と中空筒体14間に配置され、第1実施形態の内側コイル形成体28bや外側コイル形成体28eと同様に、フラッシング流体fが一端から他端まで同一方向に流れるように螺旋状に加工されている。後述する内側コイル形成体50eも同様に加工されている。
入口管50aから外側コイル形成体50bに流入したフラッシング流体fは、外側コイル形成体50bを通って螺旋状に上昇する。外側コイル形成体50bの上端に直管部50cが連設されている。直管部50cは、直線状をなして上下方向に配置され、蓋板16を貫通して密封容器12の外側に導設されている。直管部50cは、蓋板16の外面に溶着されたソケット51に溶着されている。
直管部50cと直管部50d間は、外部配管53a及び53bにより接続されている。直管部50cは、外部配管53aと突合せ溶接又は差込み継手で接続され、直管部50dは、外部配管53bと突合せ溶接又は差込み継手で接続されている。外部配管53a及び53bの接続端部は、接続部33でフランジ結合されている。外部配管53a及び53bの接合端部には、夫々フランジ54及び56が固着され、これらフランジがボルト・ナット58で結合されている。
直管部50dは底板18を貫通して密封空間sに導設されている。直管部50dはソケット57を介して底板18に溶着されている。密封空間sで、直管部50dは、バッフル板64の内側で上下方向に配置され、バッフル板62と64間に配置された内側コイル形成体50eの上端に一体形成されている。内側コイル形成体50eは、外側コイル形成体50bと同様に、フラッシング流体fが一方向に流れるように、螺旋状に加工されている。
直管部50dから内側コイル形成体50eの上端に流入したフラッシング流体fは、内側コイル形成体50eを下方に流下する。内側コイル形成体50eの下流端に出口管50fが接続されている。出口管50fは、直線状をなして上下方向に配置され、底板18を貫通して密封容器12の外側へ導設されている。出口管50fは、ソケット59を介して底板18に溶着されている。内側コイル形成体50eの下端部に達したフラッシング流体fは、出口管50fを通って図示省略のメカニカルシールに向けて送出される。
かかる構成において、入口管50aから密封空間sに流入したフラッシング流体fは、伝熱管50を出口管50fまで流れていく過程で、冷却水wと熱交換して冷却される。冷却水wは、流入管20から密封空間sを通り、流出管22から出て行く間に、バッフル板60、62及び64で形成された蛇行流路を通る。
本実施形態によれば、接続部52が密封容器12の外側に配置されているので、第1実施形態と同様に、密封容器12内で伝熱管50の接続部で発生するおそれがあるひび割れや破損に起因した漏洩事故を防止できると共に、接続部52の点検作業を容易にする作用効果を有する。
また、入口管50a、外側コイル形成体50b及び直管部50cが蓋板16のみに接続かつ支持され、一方、直管部50d、内側コイル形成体50e及び出口管50fが底板18のみに接続かつ支持されているので、密封容器12の分解が容易になる点で、第1実施形態と同様の作用効果を有する。
さらに加えて、第1実施形態と同様に、外側コイル形成体50b及び内側コイル形成体50eが螺旋状に加工されているので、曲げ加工が容易であり、伝熱管50の加工コストを節減できると共に、これら配管をフラッシング流体fが一方向に流れるので、フラッシング流体fの圧力損失が低減できるという利点がある。
(実施形態3)
次に、本発明装置の第3実施形態を図5及び図6に基づいて説明する。本実施形態は第1実施形態(図1〜図3)の変形例である。本実施形態のメカニカルシール用クーラ10Cの密封容器12の構成は、第1実施形態と同一である。また、伝熱管28のうち、内側コイル形成体28b及び外側コイル形成体28eが、フラッシング流体fが一方向に流れるように、螺旋状に加工されている点、及び入口管28aから内側コイル形成体28bを経て直管部28cに至るまでの構成は、第1実施形態と同一である。
第1実施形態と異なる第一の点は、直管部28cの下流側に接続される外部配管70aと、直管部28d’と接続される外部配管70bとの接続部71が、蓋板16の上方に設けられ、かつ直管部28d’が蓋板16を貫通して密封空間sに入り、外側コイル形成体28eの上端に接続されている点である。
接続部71は、第1実施形態の接続部33と同一構成を有している。即ち、外部配管70a及び70bの接続端に夫々フランジ72及び74が固着され、これらフランジをボルト・ナット76で結合している。蓋板16の上面にソケット78が固着され、直管部28d’がソケット78に固着されている。
さらに第1実施形態と異なる第2の点は、外側コイル形成体28eの下端に出口管28f’が接続され、該出口管28f‘は、円筒空間s2に上下方向に配置され、蓋板16を貫通し、ソケット79に固着されている点である。ソケット79は蓋板16の上面に固着されている。
本実施形態では、フラッシング流体fは、入口管28a→内側コイル形成体28b→外部配管70a及び70b→直管部28d’→外側コイル形成体28e→出口管28f’の順で流れる。
本実施形態によれば、第1実施形態によって得られる作用効果に加えて、伝熱管28全体が蓋板16のみに接続かつ支持されているので、底板18の取り外しが極めて容易になる。底板18を取り外すことで、密封容器12の下面を全面開放できるので、メカニカルシール用クーラの点検や清掃が容易になる。また、直管部28c及び28d’が共に蓋板16から近接した位置で外側に導設されているので、外部配管70a及び70bの長さを短縮でき、そのため、管材の加工コストを低減できる利点がある。
本発明によれば、高温水ポンプ等流体機械の回転軸及びその軸受装置で構成される軸封装置において、その冷却装置の点検や清掃作業を容易にでき、点検作業等に要する時間を短縮できるので、その分流体機械の稼動時間を長く確保できる。
10A〜C、100 メカニカルシール用クーラ
12、102 密封容器
14 中空筒体
14a、14b、34、35、54、56、72、74、116 フランジ
16 蓋板
18 底板
20 流入管
22 流出管
24 Oリング
26、36、58、76、114 ボルト・ナット
28、50、108 伝熱管
28a、50a 入口管
28b、50e 内側コイル形成体
28c、28c’、28d、28d’50c、50d 直管部
28e、50b 外側コイル形成体
28f、28f’、50f 出口管
29a、29b、53a、53b、70a、70b 外部配管
30、32、38、40、46、51、55、57、59、78、79、126 ソケット
33、52、71 接続部
42、44、60、62、64、110 バッフル板
48、68、128 プラグ
66 水抜き孔
102 密封筒体
104 流入口
106 流出口
108a 外側コイル状伝熱管
108b 内側コイル状伝熱管
108c 入口端
108d 出口端
112 円形側板
118 小筒体
120 流体入口部
122 流体出口部
124 足場
s 密封空間
s1、s2、s3 円筒空間
f フラッシング流体
w 冷却水

Claims (5)

  1. 冷却水の流入口及び流出口を有する密封容器と、該密封容器の内部に導設され、コイル状に曲げ加工された複数の異径なコイル形成体を直列に接続すると共に、これらコイル形成体を同心状に配置してなる伝熱管とを備え、高温流体を該伝熱管に流し冷却水と熱交換させて冷却するようにした軸封装置の冷却装置において、
    2個のコイル形成体が互いに接続される接続端部を前記密封容器の外部に導設し、該接続端部同士を密封容器外で接続して高温流体の連続流路を形成するように構成したことを特徴とする軸封装置の冷却装置。
  2. 前記密封容器が互いに分離可能な複数の隔壁構成体からなり、各コイル形成体の前記接続端部を含む両側端部が1個の隔壁構成体のみに取り付けられ支持されていることを特徴とする請求項1に記載の軸封装置の冷却装置。
  3. 前記密封容器が、該密封容器の中央胴部を形成する中空筒体と該中空筒体の両端に接合された端板とで構成されると共に、該端板のうち少なくとも一方が前記中空筒体に分離可能に接合され、
    前記伝熱管が該端板を介して密封容器に導設され、該伝熱管の入口部及び出口部が端板により支持されるようにし、前記コイル形成体の接続端部が端板を介して密封容器の外部に導設され、各コイル形成体の前記接続端部を含む両側端部が同一の端板に接続されているように構成したことを特徴とする請求項2に記載の軸封装置の冷却装置。
  4. すべてのコイル形成体の両側端部が同一の端板に接続されるように構成したことを特徴とする請求項3に記載の軸封装置の冷却装置。
  5. 前記コイル形成体の接続端部が互いに固着され又は分離可能に接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の軸封装置の冷却装置。
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