JP2012014677A - センシングシステム、センシング方法、およびデータ解析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地下に設置された振動測定対象の振動の大きさを検出し、センサ出力信号を出力するセンサ200と、前記センサ出力信号に基づき、一定時間において前記振動の大きさが閾値以上となる回数をカウントしてカウント値を出力するデータ解析装置530と、前記データ解析装置から出力されたカウント値を含む信号を地上に設置されたリーダに送信する送信装置100、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
ここでは、RFIDを設置する位置に応じて、地上に設置されるリーダがRFIDからの電波を受信する範囲が異なるため、RFIDの設置位置が重要であり、マンホールの蓋付近にタグを設置すると、通信可能距離が短くなることが記載されている。
また、RFIDは、地下に設置されているため、駆動電力を消耗してしまった場合、交換するための作業者等の労力が比較的大きいため、消費電力を小さくする必要がある。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るセンシングシステムの概要を説明するための図である。本実施形態においては、マンホールに設置したセンサ−無線タグ接続のシステムについて説明する。
このマンホール400内に設置された複数のセンサ200は、地下に設置された振動測定対象の振動の大きさを検出するものであって、例えば、マンホール400上の道路を走行する車両から伝わる振動を示す情報を、加速度や歪みの変化という形で取得する。このような複数のセンサ200は、センシングしたデータ(センサ出力信号)をデータ解析装置530へ送信する。
つまり、データ解析装置530は、センサ200が取得したデータ(センサ出力信号)の解析を行い、この解析した結果(解析結果情報)を無線タグ100へ伝えている。この伝えられた結果、つまりデータ解析装置530から送信したデータを無線タグ100が受信すると、無線タグ100は、受信した解析結果情報を、地上に設置されているリーダ300へと電波により送信する。
言い換えると、データ解析装置530は、無線タグ100に送信するデータを圧縮(つまり、センサ出力信号を予め設けた閾値Tを超えた回数に応じたカウント値Cに変換)することにより無線タグ100の処理負荷を軽減させることができる。
なお、図1に示したシステム構成では、バッテリー550からデータ解析装置530に給電し、データ解析装置530からケーブル接続されたセンサ200と無線タグ100に給電して、それぞれ装置の駆動電力としている。
図2に示す通り、データ解析装置530は、複数のセンサ200と無線タグ100間に接続されているである。
データ解析装置530は、マンホール400内の状況を把握するシステムとして、センサ200から送られたデータ(センサ出力信号)の収集および分析を行う専用装置である。このデータ解析装置530を、センサ200および無線タグ100と接続することで、例えばセンサ200のデータにおいて予め決められた閾値Tを超えた回数のカウントなどの分析が可能であり、センサ200で取得した情報のデータ容量の削減が実現できる。
本実施形態にかかるセンシングシステムは、「センサ関連とその処理部」として、マンホール400内の状況を取得するセンサ200と、センサ200から送られた取得データを1箇所で十分な処理をするデータ解析装置530と、バッテリー550とを含む。このデータ解析装置530に無線タグ100が接続される。
これらセンサ200、データ解析装置530、無線タグ100、およびバッテリーが、マンホール400内に設置されている。
さらに、マンホール400内に設置されるバッテリー550が、データ解析装置530、および、無線タグ100に駆動電力を供給する。
このデータ解析装置530は、センサ200から受信するデータを、必要な程度、蓄積して、解析処理を行う。また、データ解析装置530には、無線タグ100へデータを送るインターフェースを備えているが、このインターフェースとしては無線タグ100へ入力されやすい形態とすることができる。
これに対して、無線タグ100が送信する無線信号においては、データ解析装置530からのデータを載せてリーダ300に送信するフレームが必要であり、そのための仕組みが搭載される。
一方、無線タグ100への給電が難しい場合は、別の給電の方法として、バッテリー550から無線タグ100へ直に給電する方法も利用可能である。無線タグ100へ給電に対して、それら2つの仕方のどちらが適用される場合でも、センサ200への給電はデータ解析装置530を介して行われる。
図4に示す通り、データ解析装置530は、センサ200およびバッテリー550とそれぞれ接続され、「センサ関連とその処理部」となる。また、無線タグ100とリーダ300が、「無線での送受信関連部」となる。これらの「センサ関連とその処理部」と「無線での送受信関連部」との間は、センサ側と無線側のインターフェースとなっている。
図4(a)に示す出力信号は、マンホール400の振動を、加速度で示す一例である。このグラフでは、横軸が時間、縦軸が加速度の大きさを示す。加速度の大きさにおいて、マイナスは、プラスの振動方向と逆方向の振動の加速度を表わし、マンホール400の振動を示したものである。なお、ここでは、分かりやすいように加速度の大きな振幅と小さな振幅である2種類のマンホール400の振動が多数発生する例を用いて説明する。
なお、マンホール400上の道路を走行する車両と、そのマンホール400の振動の関係については、図6を参照して後述する。
データ解析装置530は、センサ200からのセンサ出力信号のうち、閾値Tを超えた振動をカウントするとともに、この閾値Tを超えた振動をカウントした回数が、予め決められた回数(カウント回数)を超えたか否かを判断する。この閾値Tを超えた振動をカウントした回数が、カウント回数を超えた場合、このデータ解析装置530は、図4(b)の縦軸に示すカウント値Cを1つ増やす。
例えば、理解を簡単にするため、データ解析装置530が、カウント回数が例えば2回と設定されている場合、閾値Tを超えた振動を連続して検出する回数が2回を超えたか否かを判断するものとする。また、データ解析装置530が増やすカウント値Cは、例えば、最大値で3(2進数で示すと“11”)とすることができる。データ解析装置530は、カウント値Cが最大値(2進数で示すと“11”)に達したら、最小値(2進数で示すと“00”)に戻り、カウント値Cの加算を繰り返す。
従って、データ解析装置530が、閾値Tを超えた振動を2回、4回、6回、8回、・・・と取得した場合、データ解析装置530の出力情報(振動情報)であるカウント値Cが順に、1(2進数で“01”)、2(2進数で“10”)、3(2進数で“11”)、0(2進数で“00”)、1(2進数で“01”)・・・となる。
この図4(c)に示す通り、カウント値Cが0(2進数で“00”)の時の無線信号は、無地の矩形S1で示す。カウント値Cが1(2進数で“01”)の時の無線信号は、斜めの縞々のハッチングを付した矩形S2で示す。カウント値Cが2(2進数で“10”)の時の無線信号は、横しま模様のハッチングを付した矩形S3で示す。カウント値Cが3(2進数で“11”)の時の無線信号は、黒色に塗潰した矩形S4で示す。なお、無線信号のフレームについては、図7を参照して後述する。
この図5には、マンホール400の上の道路を通過する車両として、その重量が異なる大型の走行車両(例えばトラック)610と、小型の走行車両(例えば普通乗用車)620を示す。このように、車両の重量が異なると、マンホール400に伝わる振動にも違いが生じる。
マンホール400内には、上述の通り、センサ200とデータ解析装置530と無線タグ100とバッテリー550を接続した構成の装置が設置される。このマンホール400上の道路を車両が走行すると、マンホール400内に車両が走行する振動が伝わる。このマンホール400の振動を、センサ200が捕捉(センシング)する。
また、重量が軽くて走行速度が比較的遅い小型の走行車両620がマンホール400上の道路を走行する場合、マンホール400内の振動は大型の走行車両610が走行する際の振動に比べて小さくなる。この場合に得られるセンサ200のデータは、図5(a)に示すグラフのようになる。
このI/F101は、データ解析装置530から送られるデータ(振動情報)、すなわち、閾値Tを超えたマンホール400内の振動をカウントしたカウント値Cを含む情報を受け取る入力ポートである。また、I/F101は、その一部として、当該無線タグ100を駆動させるために給電される電力を入力するポートも含む。
無線回路103は、制御回路102の指示に従い、無線信号に、無線タグ100の識別子(ID)を対応付けてリーダ300に送信する。なお無線信号のフォーマットは、後で図6(b)を参照しながら説明する。
従って、以上説明した無線タグ100の構成により、所望のマンホール400内で閾値Tを超えた振動に関して、そのカウント値Cを含む無線信号を、無線タグ100は、リーダ300に送信することができる。
無線タグ100から送信される無線信号のフォーマットには、プリアンブルと、ID( Identity Document:識別子)と、振動カウントと、EOF( End Of File:誤り検出符号)がある。
プリアンブルは、無線信号の初めを示し、この例でのプリアンブルは“1010101”である。
ID(識別子)は、個々の無線タグ100を特定する情報であって、予め各無線タグ100に割り当てられており、内蔵するメモリ部に記憶されている。
以上説明したとおり、無線タグ100から送信する無線信号のフォーマットを用いることにより、地上にあるリーダ300がこの無線信号を受けることで、マンホール400内で閾値Tを超える振動の回数がどの程度あるのかを簡単に知ることができる。
この図7に示すデータ解析装置530は、センサ200と無線タグ100との間に挿入接続されている。また、データ解析装置530は、バッテリー550から電力を供給されて動作する。
図7(a)には、データ解析装置530の構成を示す。
このデータ解析装置530は、アナログ入力I/F電力供給部531と、A/D変換部532と、センサデータ蓄積部533と、閾値超え有無判定部534と、カウント出力生成部535と、出力I/F536と、給電I/F537とを含む。
このアナログ入力I/F電力供給部531は、入力するセンサ出力信号を、A/D変換部532に出力する。加えて、アナログ入力I/F電力供給部531は、センサ200を駆動させる電力を供給する。A/D変換部532は、入力するセンサ出力信号を、デジタルデータに変換し、センサデータ蓄積部533に保存する。
また、図7に示す閾値超え有無判定部534は、一定時間内において、センサ200により検出される振動の振幅が閾値Tを越える回数をカウントする。その結果は、センサ出力信号として、最終的にデータ解析装置530から無線タグ100へ送信される。
そもそも、無線タグ100は無線信号の送信を含め、間欠的な動作をしている。このため、データ解析装置530から無線タグ100へセンサ出力信号を送信するタイミングも間欠的である。この間欠の間隔によって一定時間が決められる。
上述の通り、図4のグラフ(c)には、無線タグ100から無線信号が定期的に送信されることが示されている。同じようにデータ解析装置530から無線タグ100へのセンサ出力信号の送信も一定時間ごとに繰り返し行われる。
無線タグ100からの無線信号の定期的な送信の時間間隔を、この一定時間と等しくするか、またはこの一定時間の倍数とすれば、データ解析装置530から無線タグ100へのセンサ出力信号の送信と無線タグ100からリーダ300への無線信号の送信の2つの動作が、時間的に衝突しないようにすることができ、処理の実行上、都合が良い。
具体的にいうと、閾値超え有無判定部534は、設定された一定時間を経過した場合、センサデータ蓄積部533に保存されているセンサ出力信号を読み出し、このセンサ出力信号が、予め決めた閾値Tを超えるかどうかを判定する。
この判定で閾値Tを超えた場合は、閾値超え有無判定部534は、閾値Tを超えた信号が検出されたことを示す信号をカウント出力生成部535に出力する。
例えば、カウント出力生成部535は、閾値Tを超えた結果の回数を連続してカウント回数(例えば2回)をカウントしたら、カウント値Cを1つ増やす。つまり、カウント出力生成部535は、例えば2回連続して、閾値Tを超えた結果をカウントしたら、出力するカウント値Cを変更する。
カウント出力生成部535の出力は、出力I/F536を介して、無線タグ100に出力される。
給電I/F537は、バッテリー550から電力を受け、データ解析装置530を駆動させる。この給電I/F537からこれまで説明したデータ解析装置530の全ての構成要素、つまりアナログ入力I/F電力供給部531、A/D変換部532、センサデータ蓄積部533、閾値超え有無判定部534、カウント出力生成部535、出力I/F536へ電力を供給する。なお、図7(a)では記載を省略しているが、必要ならば図3に示しているように、給電I/F537が、データ解析装置530から無線タグ100へバッテリー550の電力を給電することも可能である。
図7(b)に示すデータ解析装置530の入力信号は、センサ200が検出したマンホール400上の道路を走行した車両から伝わる振動のアナログ値である。
大型の走行車両610がマンホール400上の道路を通過した時、予め決められた閾値Tを超えるアナログ値を含む。一方、小型の走行車両620が道路を走行する場合、センサ200によって検出される信号は閾値Tを超えない。
また、図7(c)示す出力信号は、4値(2進数で“00” “01” “10” “11”)で示される。カウント出力生成部535は、カウント値Cが最大値“11”を超えると、カウント値を再び“00”に変更し、“01” “10” “11”の順番に更新を繰り返す。
この場合、10分間隔に閾値Tを超える振動が2回発生し、この間隔で無線タグ100から更新された出力信号となる。そして、リーダ300が無線タグ100から30分毎の情報を受信するので、カウント値“00””の次は“11”、その次は“10”となる。
逆に考えると、前述した順番でリーダ300が無線タグ100の信号を30分間隔に受信すると、平均5分毎に閾値Tを超える振動があることが分かる。
この考えに従うと、リーダ300の受信が1時間毎で、かつ、このリーダ300で受信した無線信号の変化が“10”、“00”、“10”であるならば、閾値Tを超える振動が平均15分毎に発生していることがわかる。
カウント出力生成部535は、連続して閾値Tを超えたセンサ出力信号を500回カウントした場合に、カウント値Cを、512値(“000000000”,“000000001”,“000000010”,・・・,“111111111”)の段階で更新する。
マンホール400内の無線タグ100からの信号が、2009年1月、2009年6月、2010年1月、・・・と、半年ごとにリーダ300に送信された場合、受信した結果が、順に“000100011”(10進値で“35”)、“001000110”(10進値で“70”)、“001100101”(10進値で“101”)、・・・であれば、半年毎にカウント値Cが約“33”増加するので閾値Tを超える振動が16500回、平均1日に90回、1時間平均3.7回、20分で1.3回の閾値Tを超えた振動となる。
これにより、マンホール400の補修計画において、例えば、多数のマンホール400内で作業員がマンホール内に入る詳細な点検保守を行う優先順位を判断するための有効な情報を、無線タグ100とリーダ300との通信負荷を軽減する方法で取得することができる。
これにより、マンホール400内に設置したセンサ200のデータから必要最小限の情報のみ扱うものとし無線タグ100の消費電力を抑えることができる。
これは、振動測定対象が、地下に埋設されている場合等に特に有益である。実施形態のように、マンホール400内に設置したセンサ200で捉えた情報を無線タグ100からIDと合せ地上のリーダ300に送信することで、マンホール400へわざわざ立入り点検調査作業を行わなくても、マンホール自体や内部の通信設備の現況調査をより効果的に実施でき、短い期間で多数のマンホール内部状況を把握できる。
例えば、データ解析装置530で不必要な機能として、最初の時点で後にセンサ数を幾つまで増設するか、あるいは、別の種類のセンサを接続するのかが判らない事態に備え、予め複数のセンサ200や異なる種類のセンサを接続可能にするための入力チャネル数を余分に確保して置く機能がある。他にも、センサ200により取得するデータをそのまま後に確認できるように記録して保存する大容量のメモリ、あるいは取得データに応じて簡単な解析を変更し実現できるある程度の処理機能などがある。これらの機能が既存のデータロガーに備わる機能であるが、本実施形態に係るデータ解析装置530には、このような余計な機能は不要であり、これらの余計な機能を削減することにより、データ解析装置530では消費電力の低減に貢献することができる。
センサによる取得されたデータをそのまま無線タグで送信すると常に電波を送信し続けなければならず、駆動電力が常に消費される。
また、無線タグの情報を受信するリーダが、常に無線タグからの電波の受信範囲に存在すると保障されないため、センサの取得情報を全てリーダへ伝えられない。
加速度や歪みなどセンサの種類によって収集される情報量は、無線タグから電波で送信することができる僅かな情報と比較すると圧倒的に大きく、その無線タグでは処理できすに扱うことはできない。
リーダは無線タグから送信されたそのカウント(回数)に応じて適切な対処を行うようにする。そのセンサ取得データが閾値を超えたかどうかの判定及び閾値を超えた回数をカウントするためのデータロガーまたはデータ集約装置をセンサと無線タグ間に設ける。
マンホール400内の通信設備を監視するためRFID( Radio Frequency IDentification:無線タグ)を使用することは、マンホール400に入らずに地上で情報取得が可能となり監視に必要な時間を短縮できるため、有効である。
監視対象となるマンホール400内の監視対象となる設備にセンサを設置して、RFIDを介して地上へ情報を伝える。
図8(a)に示すマンホール内の位置(1)〜(4)にRFID(例えば、無線タグ100)を設置して、このRFIDから送信される電波を地上のリーダ300が受信する。リーダ300は、同図において、黒色太線の矢印で示される範囲L1内において、受信する位置を変えて無線タグからの無線信号を受信する。
この図8(b)に示しているグラフから分かるように、距離の対数に比例して損失量が増えており、この例として用いたRFID(無線タグ100)およびリーダ300の許容損失量では、グラフ横軸でlog(d)=0.464、距離(d=)2.91mが得られている。
なお、非特許文献1では、マンホールの金属製の蓋からの影響があることも述べられている。従ってマンホール400内に無線タグ100を用いて情報を得る際には、その無線タグ100が設置される位置が重要であることが分かる。
図9は、センサ200が取得するデータを扱うデータロガーの一例を示す。詳細について、非特許文献2を参照する。
非特許文献2:(NI Developer Zone データロガーとは? National Instruments<http://zone.ni.com/devzone/cda/tut/p/id/5876>)
この図9(a)には、データロガーの使用方法を概略的に示す。また、図9(b)には、データロギングアプリケーションの構成要素の一例を示す。
データロガー510は、このデジタル化されたデータをそのまま、あるいは解析処理をした後で、表示、あるいは記録する。
集録部511は、センサ200から出力される電気信号であるセンサ出力信号をデジタル化する変換処理を行う。オンライン解析部512は、分かりやすい単位系へと単純な変換処理を実行したり、予め決められた条件に合致した場合に収集を止めるなどの制御を行う処理を実行する。記録部513は、解析したデータを保存するとともに、保存しやすいデータへの変換も行う。オフライン解析部514は、保存されたデータを用いて解析することで、データ変化の傾向や履歴の解析で得られるデータ整理を行う。表示/共有/レポート生成部515は、オンライン解析部512によって解析された情報をそのまま表示する。オンライン解析部512により処理したデータ整理の結果を表示する。この表示/共有/レポート生成部515は、オンライン解析部512の解析結果とオンライン解析部512の処理結果を同時に表示することもでき、これにより、監視者が簡単に両方を監視することができる。
(1) 既存のデータロガーに代わり、機能を限定したデータ集約分析装置を接続する方法
(2) 既存のデータロガーを使用する方法
(3) センサと無線タグを直接接続して、無線タグでデータを集約する方法
なお、(1)は、上述の第1実施形態(図1参照)に対応するものであり、(2)(3)は、それぞれ、後述の第2実施形態(図10参照)、第3実施形態(図13参照)に対応するものである。
次に、図10を参照して、本願発明に係る第2実施形態の一例について説明する。図10は、センサ200からPC330までのデータ転送について説明するための図である。
本実施形態は、図10に示す通り、無線タグ100とセンサ200との間に、先の図2に示したデータ解析装置530に換えて、既存のデータロガー510とデータ解析装置520を使用するものである。なお、他の構成は、第1実施形態と同様であり、同一の符号を付すことで詳細な説明は省略する。
本実施形態において、センサ200とデータロガー510については、既存技術を流用するため、センサ200とデータロガー510間の機能接続について十分な確認できている点で有益である。
また、このセンサ200とデータロガー510の部分について、既に様々な用途に用いられているため構成の大部分に当たる機器調達コストを抑えられると予想される点も有益である。
よって、データロガー510は、消費電力が十数W程度あり、マンホール400内の電源確保が困難な環境においては、バッテリーのみで数年駆動させることが困難であるため、データ解析装置520とともに構成することによって、このような課題を改善することができる。
本実施形態にかかるセンシングシステムは、「センサ関連とその処理部」として、マンホール400内の状況を取得するセンサ200と、センサ200から取得データを送られ1次処理するデータロガー510と、データロガー510から1次処理されたデータが伝えられそのデータをさらに解析して十分な処理をするデータ解析装置520と、バッテリー550とを含む。このデータ解析装置520に無線タグ100が接続されている。
これらセンサ200、データロガー510、データ解析装置520、およびバッテリー550が、マンホール400内に設置されている。
さらに、マンホール400内に設置されるバッテリー550が、データロガー510、データ解析装置520、および、無線タグ100に駆動電力を供給する。
このデータ解析装置520において、無線タグ100に送るために十分なセンサデータの解析処理が行われる。この結果、データ解析装置520から無線タグ100へデータを送るインターフェースは、無線タグ100で扱いやすいものとできる。
一方、データ解析装置520からの給電が難しい場合は、別の方法として、バッテリー550から無線タグ100やデータロガー510へそれぞれ直接給電する方法も利用可能である。また、これら2つの給電ともに給電され駆動しているデータロガー510からセンサ200へ給電する。
この図12に示すデータ解析装置520は、データロガー510と無線タグと間に挿入接続されている。また、データ解析装置520は、バッテリー550からの電力の供給を受けて動作しており、データロガー510を経由してセンサ200からの信号を受けて、無線タグ100へ信号を出力する。
図12(a)には、データ解析装置520の構成を示す。
このデータ解析装置520は、デジタル入力I/F521と、センサデータ蓄積部522と、閾値超え有無判定部523と、カウント出力生成部524と、出力I/F525と、給電I/F526とを含む。
加速度の変化は、マンホール400上の道路を走行する車両が通過する際に発生する車両のタイヤと路面間の振動がマンホール400へ伝わったものである。この入力した信号が、デジタル入力I/F521からセンサデータ蓄積部522へ渡され、一時的に保存される。
このセンサデータ蓄積部522に保存されているデータは、閾値T超え有無判定部523によって、例えば上記所定時間が経過した場合、センサデータ蓄積部522から読み出される。そして、閾値超え有無判定部523は、読み出されたデータの値が、予め決められた閾値Tの値を超えているかを判定する。
この判定において閾値Tを超えた場合、閾値超え有無判定部523は、カウント出力生成部524へ閾値Tを超えた回数を通知する。このカウント出力生成部524では、閾値Tを超えた結果を受けその閾値Tを超えた回数をカウントして、このカウントの回数に対応した出力を生成する。
給電I/F526は、バッテリー550から電力を受け、データ解析装置520を駆動させる。この給電I/F526からこれまで説明したデータ解析装置520の全ての構成要素、つまりデジタル入力I/F521、センサデータ蓄積部522、閾値超え有無判定部523、カウント出力生成部524、出力I/F525へ電力を供給する。なお、図12(a)では記載を省略しているが、必要ならば図11に示しているように、給電I/F526が、データ解析装置520から無線タグ100およびデータロガー510へバッテリー550の電力を給電することも可能である。
図12(b)に示すデータ解析装置520の入力信号は、センサ200で捉えられたマンホール400の上の道路を走行する車両によるマンホール内の振動がデータロガー510よってデジタル値に変換された信号である。
ここでは、プラス方向のみ4値(“0”、“1”、“2”、“3”)でデジタル化したものを示している。大型の走行車両610がマンホール400の上の道路を通過した時には、このデジタル値で“3”となり、予め決められた閾値Tを超える。
一方で、小型の走行車両620が道路を往来する場合は、その値は“2”で閾値Tは超えていない。
また、図12(c)に示す出力信号は、4値(“00”、“01”、“10”、“11”)であり、最大値“11”を超えたら、カウント出力生成部524は、カウント値Cを“00”から再び繰り返す。
これにより、例えば5分間隔で閾値Tを超える振動が1回あり、30分間隔で無線タグ100からの情報をリーダ300が受信する場合を想定すると、閾値Tを超える振動が2回発生するのは10分間となり、この間隔で無線タグ100からの出力信号が更新される。
そして、30分間隔で、リーダ300が無線タグ100からの情報を受信すると、“00”の次は“11”その次は“10”となる。逆にこの順番でリーダ300が無線タグ100の信号を30分間隔で受信していると、平均5分間隔で閾値Tを超える振動があることが分かる。
この考えによれば、1時間毎にリーダ300が受信して、そのリーダ300で受信した無線信号の変化が“10”、次が“00”、その次が“10”なら、平均15分毎に閾値Tを超える振動があると分かる。
つまり、凡そ半年毎にカウント値Cが約“32”増えているので、閾値Tを超える振動が32000回、平均すると1日に175回の閾値Tを超える振動、さらに短い1時間平均では7.3回、端的には5分に1.2回の閾値Tを超えた振動があると分かる。このような情報を得ることで、マンホール400の補修の計画すなわち多数あるマンホール400からどれから優先して保守や作業員がマンホール内に入る詳細な点検を行えばよいのかという貴重な指針とすることができる。
次に、図13を参照して、本願発明に係る第3実施形態の一例について説明する。図13は、センサ200からPC330までのデータ転送について説明するための図である。
本実施形態は、無線タグ120とセンサ200を直接接続し、無線タグ120がデータを集約する形態である。
この無線タグ120は、先の図2、図3、図7に示したデータ解析装置530の機能を内蔵する構成である。例えば、この無線タグ120は、既存のデータロガーに備わる機能のうち、必要な機能だけを実装する。例えば、設置後にセンサ200を増設して接続を可能にするための入力チャネル数を余分に確保する機能、センサ200により取得するデータをそのまま記録し保存する大容量のメモリなどが余計な機能である。この無線タグ120は、これら余計な機能を無線タグ120に搭載しないことで、消費する電力増加を抑制させることができる。
また、上記構成により、無線タグ120に接続可能なセンサ200数は、1,2個程度に限られることになる。この結果、入力チャネル数が制限されるため、センサ数を増加する必要がある時の対応が困難となる。このため、このマンホール400内の状況を把握するという目的のためには非常に柔軟性が乏しい。
これに対して本願は、マンホール内の状況を捉えるセンサからマンホール内外間を電波により通信する無線タグまでを有線ケーブルで接続して、さらにセンサから無線タグまでの間に情報を解析処理するデータロガーないしデータ解析装置を介在させる。これらデータロガーやデータ解析装置の装置によりセンサで捉えた情報を無線タグで送信できる容量に圧縮し、マンホール内の情報をマンホール内に設置した無線タグから送信した無線を地上で受信して把握することができる。
これに対して本願は、マンホール内に設置されたセンサで捉えた情報をデータロガーないしデータ解析装置により、長期間駆動を実現するとともに、信号の処理能力が極めて少ない無線タグに送信する情報の情報量を縮小することができる。
マンホールの構造に影響を与える振動は、マンホール上の道路(地上)を走行する大型車両のタイヤと地面との間で発生してマンホールへ伝わる。マンホール内に設置するセンサ(歪みゲージや加速度センサなど)でそのように地上で発生した伝わる振動がどのように捉えられるかを検討する。この検討においては、静的状態の一例である実験環境Aと動的状態の一例である実験環境Bの2つの環境に大別できる。
この静的状態の一例である実験環境Aは、例えば、マンホール上の道路に大型車両が停止している状況であり、主にこの第4実施形態として説明する。
一方、動的状態の一例である実験環境Bは、例えば、マンホール上の道路を走行する大型車両が通過する状況であり、この第4実施形態の後に第5実施形態として挙げて説明する。
図14は、歪みセンサによる設定する閾値を説明するための図である。図14(a)には、荷重[tf]と歪み値[με]との対応関係を表わす関係表を示す。また、図14(b)には、マンホール鉄蓋の荷重−歪み特性を示すグラフを示す。この図14(b)に示すグラフは、横軸に歪み値[με]、縦軸に荷重[tf]をとる。
図15は、実験環境Aにおけるマンホールと停止車両との関係を説明するための図である。この図15では、停止している大型車両610の荷重での応力実験と、マンホール400内での複数のセンサ240(241,・・・,248)を設置した場所を示す。また、同じ図15の紙面右上側には、真上から見た大型車両610とマンホール蓋の位置関係を示す。
この図15に示す実験環境Aは、マンホール400内に設置するセンサ200(この図15では実線白色箱型で示す)として、複数の歪みゲージを用いる実験環境であって、8つの歪みゲージ241〜248を用いる。
そしてマンホール400内に歪みゲージ240を設置する位置は、以下の通り予め決められている。本実施形態の通り、8つの歪みゲージ240を設置する場合、予め決められているセンサ位置“1”〜“8”に設置される。なお、このセンサ位置“1”〜“8”は、マンホール400内における側面の領域を規定するものである。このマンホール400は、地下に広がる地下空間と、この地下空間と地面とを連結する首部空間とを含む。
センサ位置“2”は、マンホール400の出入り口の首部空間内で最上面(地上に近い方の面)と最低面(地底に近い方の面)までの深さにおいて、その中央の深さに対応する位置のマンホールの側面領域である。
センサ位置“3”は、マンホール400の出入り口の首部空間において、最も下の位置、つまり、首部に相当する空間内で地底に近い方の最低面の深さに対応する位置である。言い換えると、センサ位置“3”は、首部空間において地下空間と隣接するマンホールの側面領域である。
なお、センサ位置“1”〜“3”は、首部空間を深さ方向に均等に3分割し、地面に近い方から、それぞれセンサ位置“1”〜“3”に対応する領域が割り当てられても良い。
また、センサ位置“5”は、マンホール400の出入り口の首部空間の最低面と、マンホール400の地下空間において車両進行方向となるマンホール400の側壁との中間位置に当たる地下空間の天井の位置である。言い換えると、地下空間の天井面において首部空間の位置よりも地上を走行する車両の進行方向側の領域であって、車両進行方向と直交するマンホール側壁と首部空間とを結ぶ直線の中間点を含む領域である。
センサ位置“7”は、マンホール400の地下空間において、車両進行方向と直交するマンホール側壁のうち、車両進行方向側の側壁内の中央の位置を含む領域である。
センサ位置“8”は、マンホール400の地下空間において、車両進行方向と平行なマンホール側壁と床面との隣接する領域である。
以上、センサ位置“1”〜“8”のそれぞれに歪みゲージ(3軸)241〜248が取り付けられている。
図15中で、マンホール400の右側に3つの矢印で示すように、まず1つ目の軸としては深さ方向に一致する向きが鉛直方向であり、2つ目の軸については、車両610が進む向きと同じ進行方向、最後の3つ目の軸がこれまでの鉛直方向と進行方向とに直行する水平方向がある。
この図15の右上側に示す真上から見た実験環境Aの状況では、停止している大型車両610の前輪(タイヤ)がマンホール蓋の中央に位置しており、マンホール400と大型車両610の位置関係がより明確に示されている。
図16には、実験環境Aにおける「静的な歪み」の測定結果を示す。
この図16(a)は、測定した回数に応じた、歪みと荷重の変化を表わす関係表を示す。また、図16(b)には、マンホール400内の各ヵ所(例えば、センサ位置“1”〜“8“)における歪み値を示す。本実施形態では、歪みゲージ241〜248から取得される歪み値を示す。
図16(a)に示す歪みは、図15で説明した実験環境Aにおいて大型車両610の前輪(タイヤ)をマンホール蓋の上で止めた際に、マンホール蓋(例えば、センサ位置“1”)に設置した歪みゲージ241により測定された結果である。この図16(a)に示す表のうち、荷重を求めるには、先の図14(b)に示すグラフを基に(つまり、このグラフに示される線形関係に基づき)、変換した値(つまり、歪み値に対応する荷重)を使用している。
図16(a)に示すとおり、計測回数が増えると、歪み値が増加している。また、1回目から2回目の増加分(16.99−(−32.22)=49.21[ε×10^−6])よりも2回目から3回目の増加分((−32.22)−(−40.77)=8.55[ε×10^−6])は少なく、歪み値が一定に近づいていることを示している。
従って、図15に示す実験環境Aのように大型車両610の車輪(タイヤ)からマンホール400の構造に影響があるものとしては、3回目の値(歪み値:−40.77[ε×10^-6]、荷重:2.0[tf])がマンホール400の蓋に加わると見なせる。
従って、数回の測定実験での測定結果から歪み値の閾値を決める場合には、測定で安定した値が得られるところ(後の数回で測定される歪みの値)を閾値として選ぶことが重要である。
ここで図16(b)のセンサ位置“1”〜“5”における歪みゲージ241〜255による歪み値も、図16(a)と同じく、1回目の値が2回目と3回目に比べて大きい。この理由としても、実験環境Aを構築した際のマンホール蓋の開閉により最初の値から次第に安定した値へと変化しているためと考えられる。
また、センサ位置“3”の位置に設置した歪みゲージ243により得られる値は、1回目(菱印“◇”)が6.0[με]、2回目(丸印“○”)が4.2[με]、3回目(三角印“△”)が4.0[με]である。これらセンサ位置“4”と“5”においても、歪み値の測定回数による大小関係は、〔1回目〕>〔2回目〕かつ〔1回目〕>〔3回目〕となっている。
従って、この図16(b)でのセンサ位置“1”〜“5”における3回目の測定値が最も安定したものと考えられる。従って、歪みゲージ240をセンサに選択する場合は、この歪みゲージ240を設置する位置が、センサ位置“4”、“5”、“3”、あるいはこれらのセンサ位置番号の組み合わせた複数の位置を採用することが好ましい。
言い換えると、閾値Tは、複数のセンサ200を振動測定対象であるマンホール400に対して設置した状態において、マンホール400に対して応力が与えられている状態で、センサ200が検出するセンサ出力信号の変動が一定の範囲に収束したときのセンサ出力に基づき予め決定される。
先に述べた第4実施形態では、主に静的な実験環境A(マンホール上の道路に大型車両610が停止している状況)でのマンホール400の構造に影響を与える振動を捉えるための検討をした。第5実施形態では、動的な実験環境B(マンホール上の道路を走行する大型車両610が通過する状況)について検討を説明する。
また、図15と同様に、図17の右上側には、真上から見た大型車両610とマンホール蓋の位置関係を示す。
さらに、センサ位置“7”は、車両進行方向に当たるマンホール側壁の中央、そしてセンサ位置“8”は、車両進行方向と平行するマンホール側壁に接する床面の位置である。
以上のそれぞれセンサ位置“1”〜“8”に加速度センサ261〜268と歪みゲージ241〜248とともに(鉛直方向、水平方向、車両610の進行方向)3軸タイプが取り付けられている。
図15と同様に、図17中でマンホール400の右側に3つの矢印で示す通り、まず1つ目は深さ方向に一致する向きが鉛直方向であり、2つ目は車両610が進む向きと同じ進行方向、最後の3つ目がこれまでの鉛直方向と進行方向とに直行する水平方向がある。
さらに他方で、大型車両610が走行するマンホール蓋の手前にジャンプ台を設置して、走行する大型車両610の片方のタイヤ(図17では大型車両610の前輪)が、一旦地面より上がり下がる際に、マンホール400の蓋に衝撃が加わるようにしている。
この図17の右上側に示す真上から見た実験環境Bの状況では、走行する大型車両610の前輪(タイヤ)がマンホール蓋の中央を通るようにしてある。マンホール蓋の手前にジャンプ台が設置されている位置関係が明確に分かる。
以上、説明した通り、この「動的な応力」をマンホール400の上から加えるこの実験環境Bを用いて、以降に述べる図18に示す結果を測定した。
この図18(a)では、マンホール400内の各ヵ所(例えば、センサ位置“1”〜“8”)における加速度センサ261〜268のよる3回目の検出結果を示す。また、図18(b)では、マンホール400内の各ヵ所(例えば、センサ位置“1”〜“8”)における最大主応力を示す。
また、これら図18(a)と図18(b)のセンサ位置“1”〜“8”については、先の図16(b)と同様で、図17に示されている位置である。
この図18(a)のグラフから分かるように、マンホール400の蓋(出入り口)から近い位置から順に(センサ位置“1”、“2”、・・・、“8”)、鉛直方向の加速度の値が、他の進行方向および水平方向の加速度に比べて大きい。
残りの進行方向の加速度については、先に述べた鉛直方向の加速度より小さく、水平方向の加速度より大きくなっている。言い換えると、センサ位置“1”〜“8”によらずに、鉛直方向及び進行方向の加速度の双方の中間が、進行方向の加速度の値となっている。
例えば、図18(b)に示したとおり、センサ位置“4”に設置された歪みセンサ244により測定されたデータ(歪み値)から求められた最大主応力の値は、それぞれ1回目の測定結果に基づく最大主応力の値(菱印“◇”)が0.66[N/mm^−2]、2回目の測定結果に基づく最大主応力の値(丸印“○”)が0.63[N/mm^−2]、3回目の測定結果に基づく最大主応力の値(三角印“△”)が0.62[N/mm^−2]である。
従って、マンホール400内に設置するセンサとして加速度センサを選択する場合には、この加速度センサ260を設置する位置は、センサ位置“1”、“2”、あるいは“4”、またはこれらのセンサ位置“1”、“2”、“4”の組み合わせた複数の位置を採用して、鉛直方向に取り付けることが重要となる。
次に、図19を参照して、第6実施形態について説明する。
図19は、システム構成の選択方法の一例を説明するための図である。
図19(b)は、センサ200からPC350までのデータ転送、及びPC350からセンサ200の情報収集に関わる制御・設定について説明するための図である。
図19(b)でのデータ転送については、実線の矢印で示す通りであって、図2を参照して説明した通りである。
このデータ解析装置530を、センサ200と無線タグ140との間に挿入して両者を接続する。このデータ解析装置530は、例えばセンサ200によって検出されるデータが予め決められた閾値Tを超えた回数をカウントするとこでセンサ200が検出したデータを圧縮して、センサ200が検出したデータのデータ容量を削減する。
加えて、図19(b)に示すシステム構成は、図2と異なり、PC350から実線矢印で示すように、PC350がセンサ200の情報収集に関わる制御および設定をすることができる。
この第6実施形態のセンシングシステムでは、マンホール400内の状況を取得するセンサ200と、センサ200からの取得データを処理するデータ解析装置530と、バッテリー550とが「センサ関連とその処理部」に含まれる。このデータ解析装置530に無線タグ140が接続され、ほかにセンサ200とバッテリー550が、マンホール400内に設置される。
リーダ320は受信した振動情報を、表示やマンホール400内の状況履歴を比較するPC350へ出力する。なお、ここまでデータの流れは、図20中の破線矢印で示す。これら無線タグ140、リーダ320、およびPC350が、「無線での送受信関連部」に含まれる。
言い換えると、センサ200は、検出された振動情報をデータ解析装置530に送信するインターフェースと、データ解析装置530から電力の供給を受ける給電部を備える。
無線タグ140は、データ解析装置530から電力の供給を受ける給電部と、を備える。
言い換えると、データ解析装置530は、センサ200から送信される振動情報を受信するインターフェースと、センサ200からのデータを蓄積するとともに解析を行う解析部と、バッテリー550から電力の供給を受けるとともに、センサ200および無線タグ140に対して電力を供給する給電部と、無線タグ140にデータを送信するインターフェースと、無線タグ140から制御および設定を指示する制御信号を受信するインターフェースとを備える。
この図20に示すセンサ−無線タグ接続の構成において、データと制御のやり取りに関する特徴は、図3に示す第1実施形態と同様に、既存のデータロガーを用いず、センサ200と無線タグ140の間にデータ解析装置530を挿入して接続させる点である。またこれに加えて、図3に示す第1実施形態と異なり、双方向に通信する無線タグ140とリーダ320を用い、センサ情報の収集に関する制御および設定をPC350ができる点にある。
これに対して、無線タグ140が送信する無線信号においては、データ解析装置530からのデータを載せてリーダ320に送信するフレームが必要であり、無線タグ140にはそのための仕組みが搭載される。
また逆方向となるPC350からのセンサ情報の収集に関する制御および設定について、無線タグ140は、リーダ320から受信した制御および設定を指示する制御信号を復調してデータ解析装置530へ送信する仕組みを搭載している。
一方は、バッテリー550からデータ解析装置530に給電し、データ解析装置530からセンサ200および無線タグ140への給電する方法である。もう一方は、バッテリー550から無線タグ140へ直に給電する方法である。
図21(a)には、無線タグ140の構成を示す。図21(b)には、無線タグ140が受信する無線送信信号のフレームフォーマットを示す。
このI/F101は、データ解析装置530から送られるデータ(振動情報)、すなわち、閾値Tを超えたマンホール400内の振動をカウントしたカウント値Cを含む情報を受け取る入力ポートである。また、I/F101は、センサ情報の収集に関する制御および設定を指示する制御信号をデータ解析装置へ渡す出力ポートにもなる。さらに、I/F101は、その一部として、無線タグ140を駆動させるために給電される電力を受信するポートも含む。
従って、以上説明した無線タグ140の構成により、無線タグ140は、所望のマンホール400内で閾値Tを超えた振動に関して、そのカウント値Cを含む無線信号を、リーダ320に送信する。また、並行して、リーダ320から送られる制御および設定を指示する制御信号を受信して、データ解析装置530に出力することができる。
ここで、この無線タグ140から送信される無線信号のフォーマットについては、先の第1実施形態において図6(b)を参照して説明したものと同じであり説明を省略する。
リーダ320から送信される無線信号のフォーマットには、プリアンブル、ID(Identity Document :識別子)、閾値、カウント生成、EOF(End Of File :誤り検出符合)がある。
ID(識別子)は、個々の無線タグ140を特定する情報であって、無線タグIDに相当する。
閾値は、センサから収集されるデータの処理において、この収集されるデータが予め設定される閾値T以上か否かの基準となる値である。具体的な閾値Tとして、第4実施形態および第5実施形態で示した図14、図16、図18を参照して、この例を挙げる。静的な歪み値では−35.0[με]、動的な加速度で0.45[m/sec^2]、或いは最大主応力0.55[N/mm^2]などである。これら何れかの値を示すデータが、図21(b)で“閾値”の設定として指示される。本実施形態においては、閾値は“5000”である。
図22は、データ解析装置530の構成と制御および設定を指示する制御信号について説明するための図である。
この図22に示すデータ解析装置530は、先の第1実施形態(図7参照)と同様に、センサ200と無線タグ140との間に接続されており、バッテリー550からの給電で動作する。
センサデータ蓄積部533は、保存するセンサ出力信号を一定期間(例えば、車両610が通過する時間)蓄積する。なお、予め決めた一定期間をデータ解析装置530に設定する。
具体的には、閾値超え有無判定部534は、設定された一定時間を経過した場合、センサデータ蓄積部533に保存したセンサ出力信号を読み出し、このセンサ出力信号が、予め決めた閾値T以上か否かを判定する。
カウント出力生成部535は、閾値超え有無判定部534からの出力に基づき、閾値Tを超えた結果の回数をカウントし、対応するカウント値Cを生成する。つまり、カウント出力生成部535は、センサ出力信号の振幅が閾値以上となる回数をカウントし、カウントした回数が予め決めたカウント回数に到達したか否かを判断し、このカウント回数に到達した場合、カウント値Cを1つ次に進める。
ここで、閾値Tを超えた回数を2回としたのは一例であり、好ましくは、1000回程度であることが好ましく、マンホール400の上を走行する大型の走行車両610の走行量に応じた回数がユーザによって選ばれる。
他方で、入力I/F538は、無線タグからセンサ情報の収集解析の制御および設定を指示する制御信号を入力し、カウント生成設定部539と閾値設定部540に出力する。
最初には、カウント出力生成部535が、連続して閾値T1(動的な加速度で0.50[m/sec^2])を超えたセンサ出力信号を50回カウントした場合に、カウント値Cを更新する設定(以下、設定1という)を想定する。次に、閾値T2(加速度で0.45[m/sec^2])を超えたセンサ出力信号を200回カウントした場合、カウント値Cを更新する設定(以下、設定2という)へと変更する。このように2つの設定を順に変更する例を想定して説明する。
最初の設定1においては、閾値設定部540の指示により、閾値超え有無判定部534は、センサ200で取得したデータ(センサ出力信号)が、閾値T=0.50[m/sec^2]を超えたか否かを判断する。そして、センサ出力信号が閾値T=0.50[m/sec^2]を超えた時に、閾値超え有無判定部534は、閾値Tを超えたことを示す出力結果をカウント出力生成部535に出力する。
ここまでの設定では、閾値T=0.50[m/sec^2]、この閾値以上のセンサ出力信号が50回あればカウント値Cを更新している。この設定において、上述した四半期ごとの経過を得た時点では、僅かな情報(1時間平均0.12回の閾値T=0.50[m/sec^2]を超えた振動)しか得られていないと考えられる。
これら設定の変更を指示する制御信号を、PC350からリーダ320へ出力する。つまり、リーダ320が、無線タグ140へ、図21(b)に示す無線受信信号フレームにおける閾値が“0045”(閾値T=0.45[m/sec^2]を意味する)、カウント生成が“00050”(カウント回数=50回を意味する)である無線受信信号を送信する。
これにより、カウント生成設定部539は、閾値超え有無判定部534の出力結果を受け、連続して閾値T=0.45[m/sec^2]を超えたセンサ出力信号を200回カウントした場合に、カウント値Cを、512値(“000000000”、“000000001”、“000000010”、・・・、“111111111”)の段階で更新するようになる。
このほか、第1実施例で説明した市販のデータロガーではなくデータ解析装置530を用いることで、関連する機器全体の消費電力の削減・長期間の駆動、マンホールへ出入する保守作業の邪魔を無くすなどの効果もある。
図19(a)を参照して、本願発明に係る第7実施形態の一例について説明する。
図19(a)は、センサ200からPC350までのデータ転送、及びPC350からセンサ200の情報収集に関わる制御および設定について説明するための図である。
この第7実施形態は、図19(a)に示す通り、図10と同様であり、無線タグ140とセンサ200との間に、先の図2に示すデータ解析装置530に換えて、既存のデータロガー510とデータ解析装置520を使用する。なお、他の構成は、第2実施形態および第4実施形態と同様で、第4実施形態と同一の構成には、同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
第7実施形態では、センサ200とデータロガー510について、既存技術を流用するため、センサ200とデータロガー510との間の機能接続が十分に確認されている点で有益である。また、このセンサ200とデータロガー510の部分が、既に様々な用途に使われ、構成の大部分に当たる機器調達コストを抑制できると予想される点も有益である。
よって、データ解析装置520とともに構成することで、上述した課題を改善するものである。
第7実施形態でセンシングシステムの「センサ関連とその処理部」には、マンホール400内の状況を取得するセンサ200と、センサ200から取得データを送り1次処理するデータロガー510と、データロガー510から1次処理したデータを伝えそのデータをさらに解析し十分な処理をするデータ解析装置520と、バッテリー550とが含まれる。これらデータ解析装置520に無線タグ140が接続され、センサ200、データロガー510、およびバッテリー550が、マンホール400内に設置される。
また、この無線タグ140は、データ解析装置520へ制御・設定を送るインターフェース(図23中では、「無線での送受信関連部」の一部に相当する)を備えている。
対向するデータ解析装置520は、無線タグから制御・設定を受信するインターフェース(図23中では、「センサ関連とその処理部」の一部に相当する)を有している。
さらに、マンホール400内に設置するバッテリー550が、データロガー510、データ解析装置520、および、無線タグ140に駆動電力を供給する。
また、反対の視点からすると、データロガー510からデータ解析装置520にデータを送るインターフェースについても、既存のデータロガー510に合せて、データロガー510で扱いやすい形式にデータを変更するものであることが好ましい。
さらにまた逆方向となるセンサ出力信号の収集に関する制御・設定について、無線タグ140は、リーダ320から受信した制御および設定を指示する制御信号を復調して、データ解析装置520へ送信する仕組みを搭載している。
そして無線タグ140は、データ解析装置520へ制御および設定を指示する制御信号を送るインターフェースを備える。
データ解析装置520は、無線タグ140から制御および設定を指示する制御信号を受信するインターフェースを備える。
一方、データ解析装置520からの給電が難しい場合は、別の方法として、バッテリー550から無線タグ140やデータロガー510へそれぞれ直接給電する方法も利用可能である。また、これら2つの給電ともに給電され駆動しているデータロガー510からセンサ200へ給電する。
この図24に示すデータ解析装置520は、データロガー510と無線タグ140と間に挿入して接続される。また、データ解析装置520は、バッテリー550からの電力の供給を受けて動作しており、データロガー510を経由してセンサ200からのセンサ出力信号を受信し、無線タグ140へセンサ出力信号を圧縮した信号を送信する。
図24には、本実施形態に係るデータ解析装置520の構成の一例を示す。本実施形態に係るデータ解析装置520は、先の第2実施形態(図12参照)と同様に、デジタル入力I/F521、センサデータ蓄積部522、閾値超え有無判定部523、カウント出力生成部524、出力I/F525、給電I/F526に加え、入力I/F527、カウント生成設定部528、閾値設定部529とを備える。
このデータロガー510に入力するアナログのセンサ出力信号と、データロガー510によってデジタル化された信号は先の第2実施形態に挙げた図12(b)と同じである。
センサデータ蓄積部522は、デジタル入力I/F521から入力された信号(センサデータ蓄積部522が受けたデータ)を、所定期間(例えば車両610,620が通過する時間)だけ、保存する。
このセンサデータ蓄積部522に保存されているデータは、閾値超え有無判定部523によって、例えば上記所定時間が経過した場合、センサデータ蓄積部522から読み出される。そして、閾値超え有無判定部523は、読み出されたデータの値が、予め決められた閾値Tの値を超えているかを判定する。
例えば、閾値Tを超えた結果が2回発生していたら、初めてこのカウント出力生成部524の出力を変更する。この例の2回という閾値Tを超えた回数は、一例であって、実際は、200回、あるいは1000回程度であって、実際にマンホール400の上を走行する大型の走行車両610が通過する回数に対応した回数が選ばれる。
カウント出力生成部524の出力は、出力I/F525からデータ解析装置520より出力される。このデータ解析装置520の出力I/F525からの出力が無線タグ140に送信される。
カウント生成設定部528は、入力I/F527からセンサ出力信号の収集解析の制御および設定を指示する制御信号を入力すると、カウント生成に関わる設定を、カウント出力生成部524に対して行う。
具体的には、カウント生成設定部528が、センサ200により取得するデータについて後で述べる閾値Tを超えた回数に対し、何回でカウント値Cを更新するかを設定する。例えば、カウント生成設定部528は、閾値を超えるデータの数が2回でカウント値Cを更新する設定3から、データが5回閾値を越えたらカウント値Cを更新する設定4に変更する。
例えば、閾値設定部529は、先の第4実施形態および第5実施形態で示した図16や図18を参照すると、静的な歪み値であれば閾値Tを−40.0[με]、動的な加速度なら閾値Tを0.3[m/sec^2]、あるいは最大主応力ならば閾値Tを0.5[N/mm^2]と設定する。
ここで、先に説明した第6実施形態と同様、この第7実施形態での“閾値T”と“カウント値Cを更新するセンサの取得情報がその閾値を越えるカウント回数”について、これらの設定値を変更することができる。
このリーダ320の無線送信信号(指示を含む制御信号)を無線タグ140が受信すると、図21(a)でのアンテナ104から無線回路103内の受信・復調部103bで処理される。そして、制御回路102とI/F101を介して、データ解析装置530へ設定を変更する指示が伝えられる。
そして、閾値超え有無判定部523は、新たな設定4に基づき、センサ200で取得したデータが閾値T=0.47[m/sec^2]を超えたか否かを判断する。この閾値T=0.47[m/sec^2]を超えた時、閾値超え有無判定部523は、出力結果をカウント出力生成部535に出力する。
図19(c)を参照し、本願発明に係る第8実施形態の一例について説明する。図19(c)は、図13と同様でセンサ200からPC350までのデータ転送、及びPC350からセンサ200の情報収集に関わる制御・設定について説明するための図である。
この第8実施形態は、図19(c)に示す通り、無線タグ160とセンサ200を直接接続する構成である。本実施形態に係るセンシングシステムは、図13と同様となる無線タグ160がデータを集約することに加えて、PC350からリーダ320を介して無線タグ160に対し情報収集に関わる制御・設定を行うことが可能である。
なお、図19(a)に示すデータロガー510とデータ解析装置520が果たす機能(センサ情報を収集処理する機能とこの処理に関する設定変更の機能)を、図19(c)では無線タグ160が担う。このため、センサ200で取得する過程の対応および取得データの簡単な判定や一時的な記録に加え、取得データに関する判定での基準値(閾値とカウント更新の回数)を制御・設定する点については、無線タグ160に搭載されるI/Oやマイコン、メモリがそれらの処理を行う。
さらに、そのマンホール内に設置したセンサにより捉えた振動のデータを無線タグにより送信できる信号に処理することを考える。この処理の際にもその振動の値についてどのような基準値を扱えば良いのか、また設定した後の運用時でその基準値が合わない場合はどうしたらよいのかという課題がある。これらそれぞれの課題について以下に項目として列挙する。
マンホール内に設置したセンサにより捉えた振動のデータを無線タグにより送信できる信号に処理する必要がある。このような必要な処理において、センサが捉えた振動の値についてどのような基準値に対し処理すれば良いのか分からないという課題がある。さらに具体的に基準値として以下の項目に示すようにより細かな課題が挙げられる。
マンホール上から静的な/動的な応力が加わる場合に、マンホール内に歪みゲージを設置する場所や方向により、測定される歪みの値が異なる。このため、歪みゲージの設置位置・設置方向やその歪みの閾値をどう設定するのかが課題となる。
〔加速度センサを設置する位置・方向〕
マンホール上から動的な応力が加わる場合に、マンホール内に加速度センサを設置する場所や方向により、測定される加速度の値が異なる。このため、加速度センサの設置位置・設置方向やその加速度の閾値をどう設定するのかが課題となる。
センサにより取得したデータを処理するため必要となる基準値を設定した後の運用時でその基準値が合わないことがあるという課題がある
〔歪み測定値の変動〕
マンホール上に静的な/動的な応力を加える数回の測定実験では歪みの値が徐々に大きくなる現象がみられる。このように歪みが測定回数にともない変化する現象があるため、どのように閾値を設定するかが課題となる。
マンホール上に動的な応力を加える数回の測定実験では加速度の値が徐々に小さくなる現象がみられる。このように加速度が測定回数にともない変化する現象があるため、どのように閾値を設定するかが課題となる。
つまり、マンホール内部の状況を把握する目的で、作業員がマンホール内に入ると面倒な様々な準備や手続きなどが必要になるので、これらの準備や手続きなどを無くすことを目標にする。この目標を実現するために、マンホール内に設置した無線タグを使用する。
センサにより捕捉した情報を、その無線タグを介して地上へ伝える。ここで、センサと無線タグの間にデータを圧縮する解析装置を挿入して、解析装置でのデータを圧縮としては、センサで取得したデータを予め決めた閾値を超える回数によりカウントした値を用いる。このように処理した値を地上へ伝える情報として無線タグで送信する。このようなマンホール内に設置するセンサと無線タグの接続の構成において、以下の項目に挙げる具体的な閾値の決め方や各種センサを設置する位置・方向を採用する。
〔閾値の決め方〕
第4実施形態および第5実施形態、図16、図18を用いてその解決方法を具体的に説明した。
つまり、数回の測定で歪みの閾値を決める場合には、後の回数の測定で安定した値が得られるところを閾値として選ぶ。
〔歪みゲージの設置位置〕
第4実施形態(実験環境A)、図15、図16を用いてその解決方法を具体的に説明した。
つまり、マンホール上に静的な応力が加わる(停止した大型車両のタイヤがマンホールの蓋の上に乗る)ような場合でのマンホール内に設置する歪みゲージの場所としてはセンサ位置“3”〜“5”を採用する。
第5実施形態(実験環境B)、図17、図18(a)を用いてその解決方法を具体的に説明した。
つまり、動的な応力が加わる(マンホール蓋の上を走行する大型車両の車輪が通過するような場合)マンホール内に加速度センサを設置する場所は、センサ位置“1”、“2”、“4”で鉛直方向に加速度センサを設置する
第5実施形態(実験環境B)、図17、図18(b)を用いてその解決方法を具体的に説明した。
つまり、歪みセンサを採用して動的な応力が加わる(走行する大型車両の車輪がマンホール蓋の上を通過する)マンホール内に設置する場合には、センサ位置“1”、“3”、“4”、“5”を選択する。
第6施形態、図19(b)、図20、図21、図22を用いてその解決方法を具体的に説明した。
つまり、マンホール設備を点検するシステムの特徴は、以下に挙げる地下に設置された構成をとる。
≪センサ≫ :振動を検出、センサ出力信号をデータ解析装置へ出力
≪データ解析装置≫ :先のセンサ出力信号を受信、一定時間で振動が閾値を越える回数をカウント、カウント値を出力する。
あらかじめ設定された閾値やカウント値、振動が閾値を越えた回数の蓄積する。
無線タグより渡された指示の受取、閾値やカウント値を更新する振動が閾値を超える回数についての設定を変更する。
≪無線タグ≫ :データ解析装置から出力されたカウント値を含む信号を地上に設置されたリーダに送信する。
リーダから送信された指示を受信し、この指示をデータ解析装置へ伝送する。
第7実施形態、図19(a)、図20、図23、図24を用いてその解決方法を具体的に説明した。
つまり、マンホール設備を点検するシステムの特徴は、以下に挙げる地下に設置された構成をとる。
≪センサ≫ :振動を検出、センサ出力信号をデータロガーへ出力する。
≪データロガー≫ :先のセンサ出力信号を受信、アナログ信号のセンサ出力信号をデジタル信号に変換、データ解析装置へ渡す。
≪データ解析装置≫ :デジタル信号に変換されたセンサ出力信号を受信、一定時間で振動が閾値を越える回数をカウント、カウント値を出力する。
あらかじめ設定された閾値やカウント値、振動が閾値を越えた回数の蓄積する。
無線タグより渡された指示の受取、閾値やカウント値を更新する振動が閾値を超える回数についての設定を変更する。
≪無線タグ≫ :データ解析装置から出力されたカウント値を含む信号を地上に設置されたリーダに送信する。
リーダから送信された指示を受信し、この指示をデータ解析装置へ伝送する。
第8実施形態、図19(c)を用いてその解決方法を具体的に説明した。
つまり、マンホール設備を点検するシステムの特徴は、以下に挙げる地下に設置された構成をとる。
≪センサ≫ :振動を検出、センサ出力信号を無線タグへ出力する。
≪無線タグ≫ :先のセンサ出力信号を受信、一定時間で振動が閾値を越える回数をカウント、カウント値を含む信号を地上に設置されたリーダに送信する。
リーダから送信された指示を受信、この指示を基に閾値やカウント値を更新する振動が閾値を超える回数についての設定を変更する。
マンホール内にセンサを設置したセンシングシステムは、マンホールの構造に影響を与える振動を的確に捉える。また、センサにより捉えた振動に関するデータを処理して、無線タグにより送信できる情報量とすることができる。さらに、そのマンホール内に設置したセンサにより捉えた振動のデータを無線タグにより送信できる信号に処理する際にもその振動の値について基準値/予め設定しされたその基準値を後の運用時でも変更・設定できる。これらそれぞれの効果について以下に項目として列挙する。
マンホール上に応力を加える数回の測定実験で歪みや加速度が変化するものの、徐々に安定した値となりこれを閾値に用いる。これにより、センサが捉える歪みや加速度を対象とする変化する値にも対応して、適切にマンホール内の情報を収集できる。
マンホール上から静的な/動的な応力が加わる場合に、マンホール内に歪みゲージや加速度センサを設置する場所や方向により、測定される歪みの値が異なるが、歪みゲージや加速度センサそれぞれに効果的にデータを取得できる設置場所や設置方向が決まっており、これらの歪みゲージや加速度センサの設置場所や設置方向で取得したデータを用いることで十分なマンホール内の情報収集を実現できる。
双方向通信となることで地上からマンホールへの通信を用い、センサにより取得したデータを処理するため必要となる基準値を設定した後の運用時でも設定変更することができる。この設定変更により、マンホール毎にこのセンシングシステムを運用して収集されたデータから、個々のマンホールの状況に合わせより的確な情報を得られるようになる。
Claims (10)
- 地下に設置された振動測定対象の振動の大きさを検出し、センサ出力信号を出力するセンサと、
前記センサ出力信号に基づき、一定時間において前記振動の大きさが閾値以上となる回数をカウントしてカウント値を出力するデータ解析装置と、
前記データ解析装置から出力されたカウント値を含む信号を地上に設置されたリーダに送信する通信機器、
を備えることを特徴とするセンシングシステム。 - 前記データ解析装置は、
前記センサ出力信号に基づき、前記センサ出力信号の振幅が前記閾値以上であるか否かを判断して、前記センサ出力信号の振幅が閾値以上となった場合、閾値以上の振幅が検出されたことを示す信号を出力する判定部と、
前記判定部が出力する信号が入力すると、前記センサ出力信号の振幅が閾値以上となった回数をカウントするとともに、カウントされた回数が予め決められているカウント回数に到達したか否かを判断し、前記カウント回数に到達した場合、前記カウント値を1つ次に進めるカウント出力生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のセンシングシステム。 - 前記閾値は、
複数の前記センサを前記振動測定対象に対して設置した状態において、前記振動測定対象に対して応力が与えられている状態で、前記センサが検出するセンサ出力信号の変動が一定の範囲に収束したときの前記センサ出力に基づき予め決定されることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のセンシングシステム。 - 前記振動測定対象に対して与えられる応力として静止している物体からの荷重が与えられている静的状態において、前記センサ出力信号の変動が一定の範囲に収束したときの前記センサ出力に基づき、前記閾値が予め決定される場合、
前記センサは、
前記振動測定対象であるマンホールのうち地下に広がる地下空間と当該地下空間と地面とを連結する首部空間において、前記首部空間において前記地下空間と隣接するマンホールの側面である第1の領域、あるいは、前記地下空間の天井面において前記首部空間の位置よりも地上を走行する車両の進行方向側となる第2の領域のうち、少なくとも1つの領域に、少なくとも1つ設置されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のセンシングシステム。 - 前記振動測定対象に対して与えられる応力として動いている物体からの衝撃が与えられている動的状態において、前記センサ出力信号の変動が一定の範囲に収束したときの前記センサ出力に基づき、前記閾値が予め決定される場合、
加速度センサである前記センサは、
前記振動測定対象であるマンホールのうち地下に広がる地下空間と当該地下空間と地面とを連結する首部空間において、前記首部空間のおけるマンホールの側面である第3の領域、あるいは、前記地下空間の天井面において前記首部空間の位置よりも地上を走行する車両の進行方向側となる第2の領域のうち前記首部空間に近い第4の領域のうち、少なくとも1つの領域に、少なくとも1つ設置され、
歪みゲージである前記センサは、
前記首部空間において前記地下空間と隣接するマンホールの側面である第1の領域、前記第2の領域、あるいは、前記首部空間において前記地上と隣接するマンホールの側面である第5の領域のうち、少なくとも1つの領域に、少なくとも1つ設置されていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のセンシングシステム。 - 前記データ解析装置は、
制御信号を入力する入力部と、
前記判定部により参照される前記閾値を前記制御信号に基づき設定する閾値設定部と、
前記カウント出力生成部により参照される前記カウント回数を前記制御信号に基づき設定するカウント生成設定部と、
を備えることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のセンシングシステム。 - 前記データ解析装置と前記通信機器とが、1つの装置に搭載されていることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のセンシングシステム。
- 前記センサから出力されるセンサ出力信号を入力して、アナログ信号である前記センサ出力信号をデジタル信号に変換し、前記データ解析装置に出力するデータロガーをさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか一項に記載のセンシングシステム。
- 地下に設置された振動測定対象の振動の大きさを検出し、センサ出力信号を出力するステップと、
前記センサ出力信号に基づき、一定時間において前記振動の大きさが閾値以上となる回数をカウントしてカウント値を出力するステップと、
前記カウント値を含む信号を地上に設置されたリーダに送信するステップ、
を備えることを特徴とするセンシング方法。 - 地下に設置された振動測定対象の振動の大きさを検出するセンサからセンサ出力信号が入力する入力インターフェースと、
前記センサ出力信号に基づき、一定時間において前記振動の大きさが閾値以上となる回数をカウントしてカウント値を、地上に設置されたリーダに送信する通信機器に出力する出力インターフェース、
を備えることを特徴とするデータ解析装置。
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