JP2012013944A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速なAF動作を実行可能とし、ハンチング等による映像の乱れの少ない高品位な映像を撮影すること。
【解決手段】フォーカスレンズの移動中に並行して所定時間間隔で撮像動作を行なって取得したAF評価値と当該AF評価値を取得したときの時間情報とを時系列で記憶し、時系列で記憶されたAF評価値と時間情報とに基づいてフォーカスレンズが合焦位置の手前近傍であるか否かを判定し、合焦位置の手前近傍と判定したる場合、フォーカスレンズの駆動制御方法を切換えてオートフォーカス動作を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像装置に搭載され、撮像素子から出力される像信号を利用するタイプの自動焦点調節装置を搭載する撮像装置に関する。
ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像装置の自動焦点調節方法には、赤外光を被写体に投射して三角測距により被写体距離を求めるアクティブオートフォーカス(AF)方式や、一対の撮像素子から出力される被写体像の位相差情報からデフォーカス量を求める位相差AF方式、撮影用のCCD等の撮像素子を利用し、撮影レンズ内のフォーカスレンズを所定間隔で駆動しながら撮像素子から出力される被写体の像信号の高周波成分を焦点評価値として検出していき、焦点評価値(コントラスト)が最大となるフォーカスレンズ位置を求めるという所謂山登りAFなどがある。山登りAFは、アクティブAF方式や位相差AF方式と較べて、AF専用の部材が不要で小型化や低コスト化等に有利であるという理由から多く利用される。
ところが、山登りAFの方式の場合、原理上コントラストが最大となる合焦位置を検出するために、一旦フォーカスレンズが合焦位置を越える必要があるため、ハンチングによる映像の乱れやAF動作によるタイムラグが大きくなる等の問題がある。
このような問題を解決する方法として、例えば特許文献1、2に開示されている技術がある。特許文献1は、最新に取得した焦点評価値と最新の1回前に取得した焦点評価値との差分の符号、例えば符号が正(+)であれば遠側、負(−)であれば近側が合焦方向であることを記憶し、サーチ駆動時の差分符号が所定回数反転した場合に合焦近傍であると判断してレンズ駆動量を小さくするような自動焦点調節装置について開示する。
特許文献2は、焦点評価値とその1回前に取得した焦点評価値との差分を順次取得していき、焦点評価値が増加から減少に転じ、焦点評価値の差分が減少した場合に合焦近傍であると判断して2次関数近似により合焦位置を求める自動焦点調節装置について開示する。
特開2004−70038号公報 特開2007−86596号公報
しかしながら、特許文献1では、サーチ駆動時の差分符号が所定回数反転した場合に合焦近傍であると判断するので、合焦近傍と判断されるまでに複数回に渡って合焦位置を越える動作が行なわれる可能性がある。このため、特許文献1では、合焦までのタイムラグが大きくなったり、動画撮影時等では合焦位置付近でのピント状態の乱れが生じて映像の品位が劣化してしまう。
特許文献2では、合焦近傍を判断するために合焦位置を越える動作が必要であると共に、合焦近傍を判断するための焦点評価値の差分が評価値検出1回分の差分であるために、回路ノイズ等の影響を受けて焦点評価値の変化が滑らかでないと、合焦近傍を正しく判断できなくなる可能性がある。
本発明の目的は、上記問題を解決し、高速なAF動作を実行可能とし、ハンチング等による映像の乱れの少ない高品位な映像を撮影することができる撮像装置を提供することにある。
本発明の主要な局面に係る撮像装置は、フォーカスレンズを有し、被写体像を結像させる撮影光学系と、撮影光学系により結像された被写体像を光電変換して像信号を出力する撮像素子と、撮像素子より出力される像信号から高周波成分を抽出してAF評価値を取得する画像処理手段と、AF評価値に基づいてフォーカスレンズを駆動制御してオートフォーカス動作を行う制御手段と、フォーカスレンズの駆動と共に所定の時間間隔で撮像動作を行なって画像処理手段によりAF評価値を取得させ、この取得したAF評価値を当該AF評価値を取得した時間情報と共に時系列で記憶し、時系列で記憶したAF評価値と時間情報とに基づいてフォーカスレンズが合焦位置の手前近傍であるか否かを判定する合焦近傍判定手段とを備え、上記制御手段は、合焦近傍判定手段により合焦位置の手前近傍と判定した場合、フォーカスレンズの駆動制御方法を切換えてオートフォーカス動作を行う。
本発明によれば、高速なAF動作を実行可能とし、ハンチング等による映像の乱れの少ない高品位な映像を撮影することができる撮像装置を提供できる。
本発明に係る自動焦点調節装置を搭載したデジタルスチルカメラの第1の実施の形態を示す全体構成図。 同カメラの電気的な回路構成図。 同カメラにおけるスチル撮影動作フローチャート。 同カメラにおけるカメラの山登りAF動作のフローチャート。 同カメラにおける合焦位置手前近傍の判定方法の具体的な例を示す図。 同実施の形態の第1の変形例における合焦位置手前近傍判定方法の一例を説明するための図。 同実施の形態の第2の変形例における平均処理前後のAF評価値変化の一例を示す図。 本発明に係るデジタルスチルカメラの第2の実施の形態における合焦位置手前近傍判定方法の一例を説明するための図。 本発明に係るデジタルスチルカメラの第2の実施の形態の変形例における合焦位置手前近傍判定方法の一例を説明するための図。 本発明に係るデジタルスチルカメラの第3の実施の形態における合焦位置手前近傍判定方法の一例を説明するための図。 本発明に係るデジタルスチルカメラの第4の実施の形態におけるAF動作の概要を説明するための状態遷移を示す図。 同カメラにおける動画撮影動作を示すフローチャート。 同カメラにおける動画撮影時のAF動作を示すフローチャート。
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は自動焦点調節装置を搭載したデジタルスチルカメラ100の全体構成図を示す。このカメラ100は、カメラ本体101と、このカメラ本体101に対して着脱可能な撮影光学系としての交換レンズ部201とで構成されている。
交換レンズ部201は、レンズ制御回路202と、焦点調節レンズ(フォーカスレンズ)203と、ズームレンズ204となどを含んで構成されている。レンズ制御回路202は、焦点調節レンズ203とズームレンズ204とをそれぞれ駆動制御する。焦点調節レンズ203は、光軸方向(矢印f方向)に移動駆動され、交換レンズ部201の焦点状態を調節する。ズームレンズ204は、光軸方向(矢印g方向)に移動駆動され、交換レンズ部201の焦点距離を変更する。
一方、カメラ本体101は、カメラ制御回路102と、撮像素子103と、フォーカルプレンシャッタ104と、表示用モニタ105と、ストロボ106と、レリーズ釦107と、バッテリー108となどを含んで構成されている。カメラ制御回路102は、撮影者によるレリーズ釦107の操作に応じてレンズ制御回路202を通して焦点調節レンズ203を移動駆動して焦点検出動作を行うと共に、撮像素子103とフォーカルプレンシャッタ104とをそれぞれ制御し、必要があればストロボ106の発光制御も行って撮影動作を実行する。又、カメラ制御回路102は、各種カメラ動作に応じて表示用モニタ105の表示制御を行う。撮像素子103は、例えばCCD又はCMOSセンサ等により構成され、交換レンズ部201を通して撮像面に結像された被写体像を撮像して像信号を出力する。フォーカルプレンシャッタ104は、撮影者によるレリーズ釦107の操作に応じて開閉動作を行って露光動作を行う。ストロボ106は、発光用コンデンサ(不図示)に蓄えられた電荷によりフォーカルプレンシャッタ104での露光動作と同期して発光動作を行う。表示用モニタ105は、例えば液晶又は有機EL等で構成され、撮影待機時や動画撮影時のスルー画像表示や、撮影者による再生釦(不図示)や各種設定釦の操作に応じて再生画像や設定情報等の表示を行う。
図2はカメラ100の電気的な回路構成図を示す。交換レンズ部201の外周には、リング状に形成されたマニュアルフォーカス(MF)用回転環228とズーム駆動用回転環229とが交換レンズ部201の外周を取り巻くように設けられている。撮影者がMF用回転環228を交換レンズ部201の光軸中心に回転させると、この回転に連動して焦点調節レンズ203が光軸方向(矢印f方向)に移動する。この焦点調節レンズ203の移動により交換レンズ部201の焦点を手動で調節することができる。このMF用回転環228は、撮影者がマニュアルフォーカスモードを選択した場合に使用される。なお、カメラ100は、モード切り替えスイッチを備え、このモード切り替えスイッチを撮影者が操作してオートフォーカスモードとマニュアルフォーカスモードとを切り替えるものとなっている。
撮影者がズーム駆動用回転環229を交換レンズ部201の光軸中心に回転させることによって、ズームレンズ204を光軸方向(矢印g方向)に移動させることにより、交換レンズ部201の焦点距離を変更することができる。
交換レンズ部201の内部には、焦点調節レンズ203と、ズームレンズ204と、絞り230と、レンズCPU(以下、LCPUと称する)221とを含んで構成されている。LCPU221は、交換レンズ部201の各種制御、例えばレンズ駆動制御、絞り駆動制御、通信制御などを行う。このLCPU221には、レンズ駆動回路222と、レンズ位置検出回路223と、ズーム位置検出回路224と、絞り駆動回路225と、通信回路226とが接続されている。
ズーム位置検出回路224は、ズーム駆動用回転環229によって駆動されたズームレンズ204の位置を検出する。LCPU221は、ズーム位置検出回路224によって検出されたズームレンズ204の位置に基づいて交換レンズ部201の焦点距離情報を得る。
絞り230は、交換レンズ部201を通してカメラ本体101に入射する光の光量を調節するための開口部を含んで構成される。LCPU221は、絞り駆動回路225を制御することによって絞り230の開口部の大きさを変化させて、適切な光量の光をカメラ本体101方向に入射させる。
オートフォーカスモード時、LCPU221は、レンズ駆動回路222を制御して焦点調節レンズ203を光軸方向(矢印f方向)に移動させる。レンズ位置検出回路223は、レンズ駆動回路222によって移動された焦点調節レンズ203の位置を検出する。このレンズ位置検出回路223は、例えば、レンズ駆動回路222に含まれる駆動用モータの回転量をパルス数に変換して検出するフォトインタラプタ(PI)回路などを含んで構成されている。このフォトインタラプタ回路は、焦点調節レンズ203からの絶対位置がある基準位置からのパルス数で表される。LCPU221は、レンズ位置検出回路223によって検出されたレンズ位置に基づいて交換レンズ部201の焦点状態の情報を得る。
LCPU221は、通信回路226を介してカメラ本体101のCPU121と通信可能であり、絞り230の絞り駆動量や交換レンズ部201の光学データなどの情報を通信回路226を通してカメラ本体101のCPU121に送る。通信回路226の通信接続端子は、交換レンズ部201の外部に設けられている。
一方、カメラ本体101の内部には、カメラ全体の制御を行う本体CPU121を含んで構成されている。この本体CPU121には、通信ライン227と、フラッシュROM(FROM)122と、RAM123と、撮像素子制御回路124と、画像処理回路125と、シャッタ制御回路126と、表示回路127と、ストロボ制御回路128と、操作スイッチ検出回路129と、電源回路132とを含んで構成されている。
通信ライン227は、交換レンズ部201のLCPU221とカメラ本体101のCPU121との間に設けられ、これらLCPU221とCPU121との間で通信回路226を通してデータの授受を可能とする。
フラッシュROM(FROM)122には、本体CPU121のプログラムなどが格納されている。
RAM123には、本体CPU121の各種情報が一時格納される。
撮像素子制御回路124は、画像データを得るために撮像素子103を制御する。
画像処理回路125は、撮像素子103から出力される像信号にA/D変換やフィルタ処理等の画像処理を施して撮影画像として記憶する画像データの生成機能と、焦点検出領域内の画像データから高周波成分をハイパスフィルタ処理により抽出してAF評価値を算出する等の処理を行うAF評価値算出機能とを有する。
シャッタ制御回路126は、フォーカルプレンシャッタ104を制御する。
表示回路127は、撮影により取得した画像データや各種撮影情報を表示用モニタ105に表示する。
ストロボ制御回路128は、ストロボ106を制御する。
操作スイッチ検出回路129には、撮影者が操作する各種操作スイッチが接続されている。この操作スイッチ検出回路129には、カメラ100の撮影モードを切り替える切り替えスイッチ(不図示)や、レリーズ釦107の操作によって動作するレリーズスイッチなどが接続されている。本実施の形態におけるレリーズスイッチは、一般的な2段階スイッチになっている。このレリーズスイッチは、レリーズ釦107の半押しで第1レリーズスイッチ130(以下、1Rスイッチと称する)がオンし、焦点検出や測光が行われ、焦点調節レンズ203が駆動されて合焦状態になる。更に、レリーズスイッチは、レリーズ釦107の全押しで第2レリーズスイッチ131(以下、2Rスイッチと称する)がオンし、フォーカルプレンシャッタ104が駆動されて露光が行われる。
電源回路132は、装填されたバッテリー108が接続され、このバッテリー108からの電圧の平滑化や昇圧等を行い、当該電力をカメラ100に供給する。
本体CPU121は、画像処理回路125により算出されたAF評価値に基づいて焦点調節レンズ203を移動制御してオートフォーカス動作を行う。
本体CPU121は、焦点調節レンズ203の移動中に並行して所定時間間隔で撮像動作を行なってAF評価値を取得し、これらAF評価値を取得した時間情報と共に時系列で記憶し、時系列で記憶されたAF評価値と取得時間情報に基づいて焦点調節レンズ203が合焦位置の手前近傍であるか否かを判定する合焦近傍判定部121aを有する。本体CPU121は、例えば各AF評価値と、これらAF評価値を取得したときの焦点調節レンズ203のレンズ位置とを時系列で記憶する。
本体CPU121は、合焦近傍判定部121aにより合焦位置の手前近傍と判定したる場合、焦点調節レンズ203の駆動制御方法を切換えてオートフォーカス動作を行う。
合焦近傍判定部121aは、AF評価値が取得される毎に時系列で記憶されている所定個数前に取得したAF評価値との差分データを求めて時系列で記憶し、最新の差分データが最大値であるか否かを判定して極大値を検出し、この後に少なくとも1回以上検出されるAF評価値の差分データが所定の状態となった時点を合焦位置の手前近傍と判定する。
合焦近傍判定部121aは、差分データの極大値の検出後に検出される差分データが所定回数連続して差分データの極大値より小さい値となる場合に、合焦位置の手前近傍と判定する。
次に、上記の如く構成されたカメラ100のスチル撮影動作について図3に示すスチル撮影動作フローチャートを参照して説明する。
カメラ本体101の電源がオンされると、本体CPU121は、ステップS101において、交換レンズ201が装着されているか否かの判断を行う。この判断の結果、交換レンズ201が装着されていれば、本体CPU121は、ステップS102において、通信回路226、通信ライン227を介してLCPU221との間で通信を行い、交換レンズ201の機種情報や光学データ等を取得してRAM123に記憶する。交換レンズ201が装着されていなければ、本体CPU121は、装着されるまで定期的な装着動作や装着割込み信号を待つなどの待機動作を行う。待機中に撮影者により撮影パラメータの変更操作や過去に撮影した画像の再生操作等が行われた場合は、指示された動作を実行する。
本体CPU121は、ステップS103において、撮像素子制御回路124と、画像処理回路125と、表示回路127とを動作制御する。撮像素子制御回路124は、撮像素子103から出力される像信号から画像データを取得する。画像処理回路125は、撮像素子制御回路124により取得された画像データに対して画像処理を施してスルー画表示用の画像データを作成する。表示回路127は、画像処理回路125により作成されたスルー画表示用の画像データの表示を表示用モニタ105に開始する。これにより、表示用モニタ105には、スルー画が表示される。
本体CPU121は、ステップS104において、交換レンズ201が装着されているか否かを判断する。この判断の結果、交換レンズ201が取り外された場合には、本体CPU121は、ステップS101に戻る。
交換レンズ201が取り外されていなければ、本体CPU121は、ステップS105に移り、カメラ本体101の電源がオフであるか否かを確認する。この確認の結果、電源がオフであれば、本体CPU121は、ステップS112に移り、各種データの退避、リセット動作、電源系統の切断処理等の所定の終了処理を実行する。
電源がオンであれば、本体CPU121は、ステップS106に移り、1Rスイッチ130がオン状態になったか否かを判断する。1Rスイッチ130がオン状態になったか否かは、操作スイッチ検出回路129により検出される。1Rスイッチ130がオン状態でなければ、本体CPU121は、ステップS104に戻る。
1Rスイッチ130がオン状態になったことが操作スイッチ検出回路129により検出されると、本体CPU121は、ステップS107において、山登りAFを実行して焦点調節レンズ203を合焦位置に駆動する。また、本体CPU121は、AF動作と並行して測光、露出演算等の撮影に必要な他の動作も実行する。
本体CPU121は、ステップS108において、1Rスイッチ130がオフ状態であるか否かを確認する。この確認の結果、1Rスイッチ130がオフ状態でなければ、本体CPU121は、ステップS109に移り、2Rスイッチ131がオン状態になったか否かを確認する。2Rスイッチ131がオン状態になったか否かは、操作スイッチ検出回路129により検出される。
この確認の結果、2Rスイッチ131がオン状態になれば、本体CPU121は、ステップS110に移り、上記ステップS107における露出演算結果に基づいて撮像素子制御回路124により撮像素子103の撮像動作を制御し、シャッタ制御回路126によりフォーカルプレンシャッタ104を動作制御し、絞り駆動回路225により絞り230を動作制御して撮像動作を行う。撮像素子103から出力される像信号を画像処理回路125により画像データに変換する。
本体CPU121は、ステップS111において、上記ステップS110において取得した画像データをRAM123又はコンパクトフラッシュ(登録商標)等の外部メディアに記憶し、上記ステップS104に戻り、撮影の待機状態に移行する。
なお、1Rスイッチ130がステップS108においてオフ状態であれば、本体CPU121は、ステップS104に戻る。又、2Rスイッチ131がステップS109においてオフ状態であれば、本体CPU121は、ステップS108に戻る。
次に、上記山登りAF動作について図4に示す山登りAF動作フローチャートを参照して説明する。
本体CPU121は、ステップS121において、AF動作を開始するのに先立ち、焦点調節レンズ203を現在位置から所定方向、例えば至近方向に移動させる。本体CPU121は、山登りAF、すなわち焦点調節レンズ203を矢印f方向に移動させながら画像処理回路125により複数回のAF評価値の取得動作を行い、これらのAF評価値が増加するときの焦点調節レンズ203の移動方向を検出し、当該方向を焦点調節レンズ203の移動方向として決定する。なお、本体CPU121は、上記山登りAFの処理の代わりに、現在の焦点調節レンズ203のレンズ位置から無限端と至近端の間をスキャン駆動してAF評価値が増加する方向を検出し、山登りAFでの焦点調節レンズ203の移動方向を定めるようにするなどの処理を行うようにしてもよい。当該処理は、上記山登りAFの処理により移動方向が決定できない場合に行うようにしてもよい。
本体CPU121は、ステップS122において、焦点調節レンズ203を粗動して合焦位置の手前近傍の位置までに移動させるための粗調用レンズ駆動パラメータ、すなわち山登りAFにより合焦位置の手前近傍の位置検出までの焦点調節レンズ203のレンズ駆動量や駆動速度等を設定する。この設定は、合焦位置の手前近傍の位置の検出後に行う合焦位置検出でのレンズ駆動に較べて粗い間隔で高速に動作するような設定である。
本体CPU121は、ステップS123において、上記設定された粗調用レンズ駆動パラメータを通信ライン227を通して交換レンズ201の通信回路226に送信する。交換レンズ201のLCPU221は、通信回路226を通して受信した粗調用レンズ駆動パラメータに基づいてレンズ駆動回路222とレンズ位置検出回路223とを駆動して焦点調節レンズ203を移動させる。
本体CPU121は、ステップS124において、焦点調節レンズ203の移動完了後、撮像素子制御回路124の撮像制御により撮像素子103を撮像動作させる。この撮像素子103は、交換レンズ部201を通して撮像面に結像された被写体像を撮像して像信号を出力する。画像処理回路125は、撮像素子103から出力される像信号にA/D変換やフィルタ処理等の画像処理を施して撮影画像を生成し、焦点検出領域内の画像データから高周波成分をハイパスフィルタ処理により抽出してAF評価値を取得する。本体CPU121は、AF評価値と、このAF評価値と共に当該AF評価値を取得したときの時間情報、ここでは時間経過と共に移動する焦点調節レンズ203のレンズ位置とを時系列データとしてRAM123に記憶する。AF評価値を取得したときの時間情報は、例えばタイマの計時による時刻情報であってもよい。
本体CPU121は、ステップS125において、RAM123に記憶されている各AF評価値の時系列データに基づいて合焦位置の手前近傍の位置に焦点調節レンズ203が到達したかどうかを判定する。この判定は、取得した各AF評価値のうち所定個数毎の各AF評価値の差分、換言すれば、各AF評価値のうち所定の焦点調節レンズ203のレンズ位置の間隔(所定のレンズ位置間隔)で取得された各AF評価値の差分により行う。
以下、具体的に説明する。
先ず、本体CPU121は、新しいAF評価値を取得する毎に、RAM123に時系列で記憶されている各AF評価値のうち所定のレンズ位置間隔で取得された各AF評価値の差分を順次求め、これら差分データを時系列でRAM123に記憶する。
本体CPU121は、順次求められる各差分の値の大きさが増加から減少に転じると、この増加から減少に転じたときから例えば1回前に取得された差分データを差分データの最大(極大)値と判定する。本体CPU121は、差分データの最大値が検出されたときを基準に、所定回数連続して最大の差分データよりも小さい値の差分データを検出すると、このときに焦点調節レンズ203の位置を合焦手前近傍と判定する。
より具体的な合焦位置手前近傍の判定方法の例について図5を参照して説明する。同図においてDはAF評価値取得開始からn回目に取得したAF評価値、ΔDnmaxはAF評価値差分データΔDの最大(極大)値、L1はAF評価値Dの時系列データ、L2はAF評価値差分ΔDの時系列データ、AはAF評価値Dの差分データΔDが最大時の焦点調節レンズ203のレンズ位置、Bは合焦手前近傍の判定時における焦点調節レンズ203のレンズ位置(合焦手前近傍位置)、Nは合焦手前近傍位置を判定するための差分データ最大値ΔDmax検出時点以降のAF評価値の取得回数を示す。
曲線L1は、上記ステップS124において取得される各AF評価値Dの変化を示す。曲線L2は、取得された各AF評価値DからAF評価値を取るデータ間隔(所定個数毎)、例えば4個置きの差分データΔD(=D−Dn−4)を示す。
合焦手前近傍判定は、RAM123に時系列で記憶されている最新のデータを含めたAF評価値Dの差分データΔDが増加から減少に転じることを検出することにより最大値ΔDmaxを求め、この差分データΔDの最大値ΔDmax検出後に5回連続で最大値ΔDmaxよりも小さい差分データΔDが検出された時点の焦点調節レンズ203のレンズ位置を合焦手前近傍位置であると判定する。
すなわち、この例の場合は、AF評価値Dm+4を取得したときの焦点調節レンズ203のレンズ位置Aで差分データΔDは最大値ΔDmax(=Dm+4−D)となり、この時点から5回連続で差分データΔDが最大値より小さい値となるAF評価値Dm+9を取得したときの焦点調節レンズ203のレンズ位置Bを合焦手前近傍と判定する。
又、山登りAFの開始時点の焦点調節レンズ203の位置がレンズ位置A付近である場合、4回置きの差分データΔD=D−Dn−4をとると、過去のAF評価値Dが不足していることから最大値ΔDmaxが検出できない。このような場合を考慮して本実施の形態では、初回に取得したAF評価値Dが所定値以上であるときに、差分データを算出するデータ間隔を4回置きではなく、例えば隣接データの差分ΔD=D−Dn−1を求めるように設定するなどして、初回のAF評価値Dの値に応じて差分データの算出でのデータ間隔を選択するようにする。差分データ算出でのデータ間隔の選択は、上記ステップS121における焦点調節レンズ203の移動方向の決定時に取得した複数のAF評価値の変化量に基づいて行うようにしてもよい。
さらに、山登りAFの開始時点における焦点調節レンズ203のレンズ位置がレンズ位置Aよりも合焦位置側である場合、差分データΔDの最大値ΔDmaxを検出することができない。このような場合、AF評価値Dnが増加するのにも拘わらず差分データΔDが減少することに着目し、当該着目するようなデータの変化を検出した時点で合焦手前近傍位置であると判定する。このような判定は、上記ステップS121における焦点調節レンズ203の移動方向の決定時に実施するようにしてもよい。なお、AF評価値Dが増加するのにも拘わらず差分データΔDが減少するのは、初回に取得したAF評価値Dが大きいことから差分データの算出でのデータ間隔が隣接データ等の小さい値に設定されることによる。
又、差分データの算出でのデータ間隔や差分データΔDの最大値ΔDmaxの検出後の合焦手前近傍を判定するAF評価値の取得回数は、AF評価値を生成する際に使用したフィルタの種類、焦点調節レンズ203の移動方向f、ズームレンズ204の位置(交換レンズ201の焦点距離)、交換レンズ201のF値、被写体の輝度等の撮影条件に応じて最適化することで合焦手前近傍の判定精度をより向上させることができる。
本体CPU121は、ステップS126において、合焦の手前近傍であると判定されたか否かを判断する。この判断の結果、合焦の手前近傍であると判定されなければ、本体CPU121は、上記ステップS123に戻る。合焦の手前近傍であると判定されると、本体CPU121は、ステップS127に移り、合焦位置検出での焦点調節レンズ203のレンズ駆動量や駆動速度等のパラメータを設定する。ここでの設定は、合焦位置検出前に行う合焦手前位置検出でのレンズ駆動に較べて細かい間隔で動作するような設定とする。
本体CPU121は、ステップS128において、上記ステップS127で設定されたパラメータを通信ライン227を通して交換レンズ201の通信回路226に送信する。LCPU221は、通信回路226で受信したパラメータに基づいてレンズ駆動回路222を動作制御し、焦点調節レンズ203を移動する。このとき、レンズ位置検出回路223は、レンズ駆動回路222によって移動された焦点調節レンズ203の位置を検出する。LCPU221は、レンズ位置検出回路223によって検出されたレンズ位置に基づいて交換レンズ部201の焦点状態の情報を得る。
本体CPU121は、ステップS129において、焦点調節レンズ203のレンズ駆動完了後に、撮像素子制御回路124により撮像素子103を撮像動作させ、この撮像素子103から画像処理回路125を介してAF評価値を取得し、このAF評価値とこのときの焦点調節レンズ203のレンズ位置と共に、時系列データとしてRAM123に記憶する。
本体CPU121は、ステップS130において、新しいAF評価値Dを取得する毎にRAM123に時系列で記憶されているAF評価値Dの隣接差分データD−Dn−1を求め、この隣接差分データD−Dn−1も時系列でRAM123に記憶する。さらに、本体CPU121は、差分データD−Dn−1の符号が正から負に変化した時点で、焦点調節レンズ203が合焦位置を越えたと判断し、この時点とこれ以前の例えば2回のAF評価値Dと焦点調節レンズ203のレンズ位置のデータとから公知の3点補間により合焦位置を求める。
ここでの合焦判定、合焦位置の算出は、上記方法に限るものでなく、隣接差分データD−Dn−1が所定値以下になった場合に合焦近傍であると判断して、RAM123に記憶されているAF評価値Dと焦点調節レンズ203のレンズ位置とのデータから二次関数近似等の多項式近似で合焦位置を求めるなどの方法を用いてもよい。
本体CPU121は、ステップS131において、上記ステップS130で合焦近傍であると判定されなければ、上記ステップS128に戻る。合焦近傍であると判定されると、本体CPU121は、ステップS132に移り、ステップS130で求めた合焦位置データを通信ライン227を通して交換レンズ201の通信回路226に送信する。LCPU221は、通信回路226で受信した合焦位置データに基づいてレンズ駆動回路222を動作制御し、焦点調節レンズ203を移動する。このとき、レンズ位置検出回路223は、レンズ駆動回路222によって移動された焦点調節レンズ203の位置を検出する。LCPU221は、レンズ位置検出回路223によって検出されたレンズ位置に基づいて交換レンズ部201の焦点調節レンズ203の位置を駆動制御する。この後、本体CPU121は、リターンする。
このように上記第1の実施の形態によれば、焦点調節レンズ203の移動中に並行して所定時間間隔で撮像動作を行なって取得した各AF評価値とこれらAF評価値を取得したときの焦点調節レンズ203のレンズ位置とを時系列で記憶し、時系列で記憶されたAF評価値と取得時間情報に基づいて焦点調節レンズ203が合焦位置の手前近傍であるか否かを判定し、合焦位置の手前近傍と判定したる場合、焦点調節レンズ203の駆動制御方法を切換えてオートフォーカス動作を行うようにした。これにより、合焦手前近傍を判断するために合焦位置を越える動作が不要で、合焦近傍と判断した後の合焦動作が最小限のレンズ駆動で行われるので、高速でスムーズな焦点検出動作を行うことができる。
上記第1の実施の形態は、1種類のAF評価値に基づいて合焦手前の近傍判定を行っているが、画像処理回路125によりAF評価値を求める際に複数種類の異なるフィルタ処理を行って複数種類のAF評価値を生成し、これらAF評価値に基づいて合焦手前近傍判定を行い、下記の例のように複数の判定結果から総合的に合焦手前の近傍位置を検出するようにしてもよい。例えば、全ての判定結果が合焦手前近傍である場合に合焦手前近傍と判定する。又は最もAF評価値が大きいデータでの判定結果が合焦手前近傍である場合に合焦手前近傍と判定する。なお、上記の複数種類のデータに基づく判定ついては、後述する第2実施例以降に関しても適用することが可能である。
次に上記第1の実施の形態の第1の変形例について説明する。
図4に示すカメラの山登りAF動作のフローチャートのステップS125の合焦手前近傍判定は、以下のような方法で行ってもよい。この合焦手前近傍の判定は、AF評価値を取るデータ間隔毎(所定個数毎)の差分により判定を行う点では上記の方法と同様である。
上記第1の実施の形態と相違する点は、AF評価値を取るデータ間隔毎(所定個数毎)の差分データの最大(極大)値が検出された後の合焦手前近傍を判定するところであり、本変形例では、最大値の検出後の差分データが所定値よりも小さくなった時点の焦点調節レンズ203のレンズ位置を合焦手前近傍と判定する。
より具体的な例について図6に示す本変形例の合焦位置手前近傍の判定方法を参照して説明する。
同図においてDはAF評価値取得開始からn回目に取得したAF評価値、ΔDmaxはAF評価値差分データΔDの最大(極大)値、L1はAF評価値Dの時系列データ、L2はAF評価値差分ΔDの時系列データ、AはAF評価値Dの差分データΔDが最大時の焦点調節レンズ位置、Bは合焦手前近傍判定時の焦点調節レンズ位置(合焦手前近傍位置)、Cは差分データΔDと比較して合焦手前近傍位置を判定するための合焦手前近傍判定値を示す。
又、図中の符号等は、上記図5に示す場合と同様で、Cは最大値検出後に差分データΔD(=D−Dn−4)と比較して合焦手前近傍を判定するレベルを示しており、焦点調節レンズ203のレンズ位置Aで差分データの最大値ΔDmax(=Dm+4−D)を検出した後、AF評価値Dm+9を取得したときの差分データDm+9−Dm+5が合焦手前近傍判定レベルCよりも小さい値となっており、この時点での焦点調節レンズ203のレンズ位置Bが合焦手前近傍と判定される。
合焦手前の近傍判定レベルCは、差分データΔDの最大値ΔDmaxの大きさ等に応じて値を切換えるようにしてもよい。又、差分データΔDの最大値ΔDmaxが検出された以降は、差分データΔDを最大値ΔDmax基準で正規化し、正規化後の値を合焦手前近傍判定レベルCと比較するようにしてもよい。
本変形例によれば、差分データΔDと比較して合焦手前近傍位置を判定するための合焦手前近傍判定レベルCを設定し、焦点調節レンズ203のレンズ位置Aで差分データの最大値ΔDmax(=Dm+4−D)を検出した後、AF評価値Dm+9を取得したときの差分データDm+9−Dm+5が合焦手前近傍判定レベルCよりも小さい値となった時点で焦点調節レンズ203のレンズ位置Bが合焦手前近傍と判定する。これにより、AF評価値の差分データΔDの最大値を検出した後の差分データΔDの変化量に基づいて合焦手前近傍位置の判定を行うので、より確実な合焦手前近傍位置の判定を行うことができる。
次に上記第1の実施の形態の第2の変形例について説明する。
図7は本変形例に係るカメラの平均処理前後のAF評価値変化の一例を示す。同図においてL1は平均処理前のAF評価値、L2は平均処理後のAF評価値を示す。
実際の山登りAF中のAF評価値Dの変化は、回路ノイズや被写体条件の変化等により滑らかな変化とならず、例えば図7中の実線で示す平均処理前のAF評価値L1で示すような本来の値に各種ノイズ成分が重畳したものになる。この状態で上記合焦手前近傍位置の判定を実行した場合、判定結果等に誤りが発生する可能性が高くなる。
本変形例において本体CPU121は、AF評価値Dの差分データΔDを算出する前に時系列でRAM123に記憶されているAF評価値Dの移動平均又は加重移動平均を求めてAF評価値Dの変化に重畳しているノイズ成分を除去したデータを生成し、このデータの差分データを算出して上記と同様の処理を行う。
移動平均AVEは、下記式(1)により算出する。
AVE=(D+Dn−1+Dn−2+ … +Dn−m)/(m+1) …(1)
(m:平均データ個数−1)
加重移動平均AVE_Aは、下記式(2)により算出する。
AVE_A={mD+(m−1)Dn−1+…+2Dn−m+2+Dn−m+1}
/{m+(m−1)+・・・+2+1} …(2)
(m:平均データ個数)
本変形例によれば、AF評価値Dの移動平均又は加重移動平均を求めることで、図7中に破線で示す平均処理後のAF評価値L2のようなノイズ成分が除去された滑らかなデータを得ることができるので各判定の精度を向上させることができる。
本変形例は、上記で説明した2つの平均処理を独立で利用することに限るものではなく、2つの平均処理を実行してAF評価値から2種類の時系列データを作成し、それぞれのデータに基づいた2つの合焦手前近傍判定結果から総合的に合焦手前近傍を判定してもよい。
なお、本変形例については後述する第2の実施の形態以降の実施の形態にも適用することが可能である。
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態に係る自動焦点調節装置を搭載したデジタルスチルカメラの構成や撮影動作等は、上記第1の実施の形態と同一であるので、第1の実施の形態と共通な部分の説明は省略して相違する部分である合焦手前近傍判定についてのみ以下に記載する。
本実施の形態における合焦手前近傍判定は、所定個数のAF評価値から近似直線を求め、この近似直線の傾きにより合焦手前近傍を判定する。
本体CPU121は、新しいAF評価値を取得する毎にRAM123に時系列で記憶されている所定個数前までのAF評価値と焦点調節レンズ203のレンズ位置とを用いて最小二乗法等により近似直線を求め、この近似直線の傾きを時系列でRAM123の記憶し、近似直線の傾きが増加から減少に転じたときの前回のデータを傾きの最大(極大)値と判定する。本体CPU121は、近似直線の傾きの最大値が検出されたときを基準に所定個数連続して最大値よりも小さい傾きが検出された時の焦点調節レンズ203のレンズ位置を合焦手前近傍と判定する。
次に、本実施の形態の合焦位置手前近傍の判定方法のより具体的な例について図8を参照して説明する。同図においてDnはAF評価値取得開始からn回目に取得したAF評価値、anmaxはAF評価値Dの近似直線の傾きanの最大(極大)値、L1はAF評価値Dの時系列データ、L2はAF評価値Dの近似直線の傾きanの時系列データ、L3は近似直線の傾きanが最大となる時のAF評価値DからDm+4までのデータから求めた近似直線、L4は合焦手前近傍と判定される時のAF評価値Dm+5からDm+9までのデータから求めた近似直線、AはAF評価値Dnの近似直線の傾きanが最大時の焦点調節レンズ位置、Bは合焦手前近傍判定時の焦点調節レンズ位置(合焦手前近傍位置)、Nは合焦手前近傍位置を判定するための近似直線の傾き最大値anmax検出時点以降のAF評価値の取得回数を示す。
又、図中のAF評価値Dの時系列データL1は、上記ステップS124で取得されるAF評価値Dの変化を示す。
AF評価値Dの近似直線の傾きanの時系列データL2は、取得されたAF評価値Dを含む例えば4回までのデータ(5回分のデータ)と焦点調節レンズ203のレンズ位置とから求めた近似直線の傾きanを有する。1点鎖線で示される近似直線L3は、傾きanが最大となる時のAF評価値DからDm+4までのデータから求められる。2点鎖線で示される近似直線L4は、合焦手前近傍と判定されるときのAF評価値Dm+5からDm+9までのデータから求められる。
本体CPU121での合焦手前近傍判定は、RAM123に時系列で記憶されている最新のAF評価値Dを含めた近似直線の傾きanが増加から減少に転じることを検出することにより最大値anmaxを求め、傾きanの最大値anmax検出後に5回連続で最大値anmaxよりも小さい傾きanが検出された時点の焦点調節レンズ203のレンズ位置を合焦手前近傍位置であると判定する。
すなわち、この例の場合、AF評価値Dm+4を取得したときの焦点調節レンズ203のレンズ位置Aで傾きanは最大値anmaxとなる。この時点から5回連続して傾きanが最大値amaxより小さい値となるAF評価値Dm+9を取得したときの焦点調節レンズ203のレンズ位置Bが合焦手前近傍と判定される。
山登りAF開始時点の焦点調節レンズ203のレンズ位置がレンズ位置Aやレンズ位置B付近である場合は、上記第1の実施の形態と同様な処理を実行する。
このように上記第2の実施の形態によれば、合焦手前近傍を判定するのにAF評価値Dの近似直線の傾きanを利用することによりノイズ等のAF評価値のばらつき要因の影響を受けづらくなるので、より確実でスムーズな焦点検出動作を行うことができる。
次に、上記第2の実施の形態の変形例について説明する。
本実施の形態の合焦手前近傍判定は、以下のような方法で行ってもよい。本変形例での合焦手前近傍判定は、所定個数のAF評価値から近似直線を求めて、その直線の傾きにより判定を行う点では上記の方法と同様である。
上記第2の実施の形態と相違する点は、AF評価値の近似直線の傾きの最大(極大)値を検出した後の合焦手前近傍を判定するところであり、本変形例では、最大値検出後の近似直線の傾きが所定値よりも小さくなった時点の焦点調節レンズ203のレンズ位置を合焦手前近傍と判定する。
次に、本変形例の合焦位置手前近傍の判定方法のより具体的な例について図9を参照して説明する。
同図においてDはAF評価値取得開始からn回目に取得したAF評価値、anmaxはAF評価値Dの近似直線の傾きanの最大(極大)値、L1はAF評価値Dの時系列データ、L2はAF評価値Dの近似直線の傾きanの時系列データ、L3は近似直線の傾きanが最大となる時のAF評価値DからDm+4までのデータから求めた近似直線、L4は合焦手前近傍と判定される時のAF評価値Dm+5からDm+9までのデータから求めた近似直線、AはAF評価値Dの近似直線の傾きanが最大時の焦点調節レンズ位置、Bは合焦手前近傍判定時の焦点調節レンズ位置(合焦手前近傍位置)、Cは近似直線の傾きanと比較して合焦手前近傍位置を判定するための合焦手前近傍判定値を示す。
又、図中の符号等は、上記図8に示す場合と同様で、Cは最大値anmaxを検出後に傾きanと比較して合焦手前近傍を判定するレベルを示す。
本体CPU121は、焦点調節レンズ203のレンズ位置Aで近似直線の傾きanの最大値anmaxを検出し、この後、AF評価値Dm+9を取得したときの傾きanが合焦手前近傍判定レベルCよりも小さい値になると、この時点での焦点調節レンズ203のレンズ位置Bを合焦手前近傍と判定する。
合焦手前近傍の判定レベルCは、傾きanの最大値anmaxの大きさ等に応じて値を切換えるようにしてもよい。また、傾きaの最大値anmaxが検出された以降は、傾きanを最大値anmax基準で正規化し、正規化後の値を合焦手前近傍の判定レベルCと比較するようにしてもよい。
本変形例によれば、AF評価値の近似直線の傾きの最大値検出後の傾き変化量に基づいて判定を行うので、より確実な判定を行うことができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態に係る自動焦点調節装置を搭載したデジタルスチルカメラの構成や撮影動作等は、上記第1の実施の形態と同一であるので、第1の実施の形態と共通な部分の説明は省略して相違する部分である合焦手前近傍判定についてのみ以下に記載する。
本実施の形態における合焦手前近傍判定は、所定個数のAF評価値から近似二次曲線を求め、この近似二次曲線により所定回数後に取得されるAF評価値の予測値を算出し、この予測値のAF評価値レベルに応じて判定を行う。
本体CPU121は、先ず、新しいAF評価値を取得する毎にRAM123に時系列で記憶されている所定個数前までのAF評価値と焦点調節レンズ203のレンズ位置とを用いて最小二乗法等により近似二次曲線を求め、この近似二次曲線の式を用いて最新のAF評価値の検出時点から所定検出回数後のAF評価値の予測値を算出する。本体CPU121は、最新のAF評価値とAF評価値の予測値との差が所定の判定値よりも大きくなった時の焦点調節レンズ203のレンズ位置を合焦手前の近傍と判定する。
より具体的な例について図10に示す本実施の形態の合焦位置手前近傍の判定方法を参照して説明する。同図においてDはAF評価値取得開始からn回目に取得したAF評価値、Drは所定時点でのAF評価値、DeはAF評価値がDrである時点からt時間経過後の予測評価値、Dthは所定時点でのAF評価値Drと予測評価値Deの差Dr−Deと比較して合焦手前近傍位置を判定するための合焦手前近傍判定値、L1はAF評価値Dの時系列データ、L2は合焦手前近傍と判定される時のAF評価値DからDm+4までのデータから求めた近似二次曲線、Aは合焦手前近傍判定時の焦点調節レンズ位置(合焦手前近傍位置)、Bは合焦手前近傍判定時からt時間経過後の焦点調節レンズ位置、Nは合焦手前近傍位置を判定するための予測評価値Deを算出する際に用いる所定時点でのAF評価値Drを検出した時点からのAF評価値Dの検出回数を示す。
又、図中の曲線L1は上記ステップS124で取得されるAF評価値Dの変化を示し、曲線L2は合焦手前近傍と判定される時のAF評価値DからDm+4までのデータから求めた近似二次曲線を示す。
本体CPU121は、合焦手前近傍の判定のために、例えば、RAM123に時系列で記憶されているAF評価値Dから最新のAF評価値Dr(=Dm+4)までの5回分のデータと、各AF評価値を検出した時点の焦点調節レンズ203のレンズ位置とから予測評価値Deを算出するための近似二次曲線を求め、
De=aX+bX+c …(3)
上記式(3)中のXにN回後にAF評価値Dが検出される焦点調節レンズ203のレンズ位置を代入して予測評価値Deを算出する。
そして、本体CPU121は、最新のAF評価値Drと算出した予測評価値Deとの差Dr−Deが合焦手前近傍の判定値Dthよりも大きくなった場合、AF評価値Drが検出された時点の焦点調節レンズ203のレンズ位置を合焦手前近傍位置であると判定する。
すなわち、この例の場合、焦点調節レンズ203のレンズ位置Aで取得したAF評価値Dr=Dm+4と、この時点で予測した5回後のAF評価値Dの検出位置である焦点調節レンズ203のレンズ位置Bでの予測評価値Deとの差が合焦手前近傍判定値Dthよりも大きくなった場合、焦点調節レンズ203のレンズ位置Aが合焦手前近傍と判定される。
上記では、近似二次曲線の算出や予測演算に焦点調節レンズ203の位置情報を利用したが、これの代わりに本体CPU121内のタイマ等でカウントされる時間情報を利用してもよい。
また、山登りAF開始時点の焦点調節レンズ203のレンズ位置が位置A付近である場合は、上記第1の実施の形態での合焦位置付近での処理と同様な処理を実行する。
このように上記第3の実施の形態によれば、合焦手前近傍を判定するのに近似二次曲線でのAF評価値予測を利用することにより上記第2の実施の形態と同様に、ノイズ等のAF評価値のばらつき要因の影響を受けづらくなるので、より確実でスムーズな焦点検出動作を行うことができる。
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様の構成を有するデジタルスチルカメラやムービーカメラでの動画撮影の動作に上記合焦手前近傍の判定方法を適用したものであり、以下に動画撮影動作について説明する。
ここで、AF動作の概要について図11に示す状態遷移図を参照し説明する。
先ず、撮影者による動画釦の操作等が操作スイッチ検出回路129により検出されると、動画撮影が開始され、上記実施の形態で説明したスチル撮影時と同様な方法で焦点調節レンズ203を合焦手前近傍位置まで移動する。
焦点調節レンズ203が合焦手前近傍位置まで到達すると、山登りAF動作を停止してウォブリング駆動モードに移行する。
ウォブリング駆動モードでは、焦点調節レンズ203をAF評価値のピーク位置の前後で微小駆動することにより、被写体の動きに応じた合焦位置の変化に焦点調節レンズ203を追従させて合焦状態を維持する、所謂ウォブリング動作を行う。
ウォブリング駆動モードを実行中、合焦位置が変化せずに所定時間が経過した場合は、被写体が静止しているものと判断してウォブリング動作を停止させ待機モードに移行する。
ウォブリング動作では、合焦状態が維持できなくなった場合、被写体の動きが追従不可能な速度になったか、あるいはカメラがパン・チルト操作されたものと判断してサーチ駆動モードに移行する。
待機モード中は、所定時間間隔でAF評価値を取得するのみで焦点調節レンズ203の駆動は行わない。
待機モード中にAF評価値の変化が検出された場合、AF評価値の変化が小さい時は被写体が動きだしたものと判断してウォブリング駆動モードに移行する。AF評価値の変化が大きい時はカメラがパン・チルト操作されたものと判断してサーチ駆動モードに移行する。
このサーチ駆動モードでは、上記の動画開始時と同様に、合焦手前近傍位置で検出動作を行い、焦点調節レンズ203が合焦手前近傍位置まで移動された時点で被写体追従可能な状態になったものと判断してウォブリング駆動モードに移行する。
次に、カメラ100の動画撮影動作の詳細について図12に示す動画撮影動作のフローチャート及び図13に示す動画撮影時のAF動作のフローチャートを参照して説明する。
先ず、動画撮影動作について説明する。
カメラ本体101の電源がオンされると、本体CPU121は、上記図3に示す各ステップS101〜S106と同様に、ステップS201において交換レンズ201が装着されているか否かを判断する。交換レンズ201が装着されなければ、本体CPU121は、交換レンズ201が装着されるまで待機する。
本体CPU121は、ステップS202において交換レンズ201の機種情報や光学データ等を取得し、ステップS203において表示用モニタ105へのスルー画を表示し、ステップS204において交換レンズ201が装着されているか否かを判断する。交換レンズ201が装着されなければ、本体CPU121は、ステップS201に戻る。
本体CPU121は、ステップS205においてカメラ本体101の電源がオフであるか否かを確認する。電源がオフであれば、本体CPU121は、ステップS212に移り、各種データの退避、リセット動作、電源系統の切断処理等の所定の終了処理を行う。
本体CPU121は、ステップ206において1Rスイッチ130がオン状態になったか否かを判断する。この判断の結果、1Rスイッチ130がオン状態になると、本体CPU121は、ステップS213に移り、上記図3に示す通常のスチル撮影動作を実行し、撮影完了後にステップS204に戻って撮影待機状態に移行する。
一方、1Rスイッチ130がオン状態にならなければ、本体CPU121は、ステップS207に移り、動画スイッチ(不図示)がオン状態になったか否かを判断する。動画スイッチがオン状態になったか否かの検出は、操作スイッチ検出回路129により行われる。この判断の結果、動画スイッチがオン状態にならなければ、本体CPU121は、ステップS204に戻る。
動画スイッチがオン状態になると、本体CPU121は、ステップS208に移り、動画撮影を開始し、取得される動画データをRAM123又はコンパクトフラッシュ等の外部メディアに記憶する。
本体CPU121は、ステップS209において、動画AFを実行して焦点調節レンズ203を合焦位置に移動する。また、本体CPU121は、AF動作と並行して測光、露出制御等の撮影に必要な他の動作も実行する。
本体CPU121は、ステップS210において、操作スイッチ検出回路129の検出動作によって動画スイッチ(不図示)がオフ状態であるか否かを確認する。この確認の結果、動画スイッチがオフ状態でなくオン状態であれば、本体CPU121は、ステップS209に戻り、動画AFの実行を続ける。動画スイッチがオフ状態になると、本体CPU121は、ステップS211に移り、動画撮影を終了してステップS204に戻り、撮影待機状態に移行する。
次に、上記動画AFの動作について図13に示す動画AF動作フローチャートを参照して説明する。
本体CPU121は、上記山登りAF動作における各ステップS121〜S126と同様に、先ず、ステップS221において、動画AF動作を開始するのに先立ち、焦点調節レンズ203を矢印f方向に移動させながら画像処理回路125により複数回のAF評価値の取得動作を行い、これらのAF評価値が増加するときの焦点調節レンズ203の移動方向を検出し、当該方向を焦点調節レンズ203の移動方向として決定する。
本体CPU121は、ステップS222において、焦点調節レンズ203を粗動して合焦位置の手前近傍の位置までに移動させるための粗調用レンズ駆動パラメータとして合焦位置の手前近傍の位置検出までの焦点調節レンズ203のレンズ駆動量や駆動速度等を設定する。
本体CPU121は、ステップS223において、上記設定された粗調用レンズ駆動パラメータを通信ライン227を通して交換レンズ201の通信回路226に送信する。交換レンズ201のLCPU221は、粗調用レンズ駆動パラメータに基づいてレンズ駆動回路222とレンズ位置検出回路223とを駆動して焦点調節レンズ203を移動させる。
本体CPU121は、ステップS224において、焦点調節レンズ203の移動完了後、撮像素子制御回路124の撮像制御により撮像素子103を撮像動作させる。これにより、画像処理回路125は、撮像素子103から出力される像信号にA/D変換やフィルタ処理等の画像処理を施して撮影画像を生成し、焦点検出領域内の画像データから高周波成分をハイパスフィルタ処理により抽出してAF評価値を取得する。本体CPU121は、AF評価値と、このAF評価値と共に当該AF評価値を取得したときの焦点調節レンズ203のレンズ位置とを時系列データとしてRAM123に記憶する。
本体CPU121は、ステップS225において、RAM123に記憶されている各AF評価値の時系列データに基づいて合焦位置の手前近傍の位置に焦点調節レンズ203が到達したかどうかを判定する。
本体CPU121は、ステップS226において、合焦の手前近傍であると判定されたか否かを判断する。この判断の結果、合焦の手前近傍であると判定されなければ、本体CPU121は、上記ステップS223に戻る。合焦の手前近傍であると判定されると、本体CPU121は、ステップS227に移り、ウォブリング(Wob)駆動モードに移行し、ウォブリング駆動時の焦点調節レンズ203の駆動振幅や振幅周期等を設定する。
本体CPU121は、ウォブリング駆動モード中、ステップS228において、ウォブリング駆動を開始し、当該駆動の両端位置で撮像素子制御回路124により撮像素子103を撮像動作させる。画像処理回路125は、撮像素子103から出力される像信号にA/D変換やフィルタ処理等の画像処理を施して撮影画像を生成し、焦点検出領域内の画像データから高周波成分をハイパスフィルタ処理により抽出してAF評価値を取得する。
本体CPU121は、取得したAF評価値に応じてウォブリング駆動での焦点調節レンズ203の駆動方向毎の駆動量を調節し、ウォブリング駆動の両端で取得されるAF評価値がほぼ同じ値となる位置を合焦位置として検出する。
合焦位置検出後、画像処理回路125は、被写体の動きに応じた合焦位置の変化をウォブリング駆動の両端で取得されるAF評価値により検出する。本体CPU121は、駆動方向毎の駆動量を調節して焦点調節レンズ203のレンズ位置を合焦位置の変化に追従させる。また、本体CPU121は、取得したAF評価値をRAM123に時系列データとして記憶する。
本体CPU121は、ステップS229において、動画スイッチ(不図示)がオフ状態であるか否かを確認する。動画スイッチのオフ状態であるか否かの確認は、操作スイッチ検出回路129により検出される。
この確認の結果、動画スイッチがオン状態であれば、本体CPU121は、ステップS230に移行し、被写体が静止しているか否かを判定する。この判定の結果、被写体が静止していなければ、本体CPU121は、ステップS231に移行し、被写体の動作による合焦位置の変化に追従可能であるか否かを判断する。追従可能であるか否かの判断は、ウォブリング駆動の両端で取得され、時系列データとしてRAM123に記憶されているAF評価値から行う。本体CPU121は、ウォブリング駆動の両端のAF評価値がほぼ同じ値となるように制御できている場合に追従可能であると判断する。追従可能であるか否かの判断の結果、追従可能であれば、本体CPU121は、ステップS228に戻り、ウォブリング駆動モードを継続する。
ウォブリング駆動の両端のAF評価値がほぼ同じ値とならずにAF評価値が取得毎に小さくなっていく場合や、AF評価値が急激に変化した場合、本体CPU121は、追従不能と判断する。又、かかる場合、本体CPU121は、撮影者によりカメラ100がパン・チルト操作されたと判断する。
追従不能と判断すると、本体CPU121は、ステップS232において、ウォブリング駆動を停止する。
本体CPU121は、ステップS233において、ウォブリング駆動モードから移行してきた場合、追従動作を行っていた方向をサーチ駆動モードでの焦点調節レンズ203の移動方向とする。但し、ウォブリング駆動モード中に突然AF評価値が大きく変化して追従不能となった場合や待機モードから移行してきた場合、本体CPU121は、焦点調節レンズ203の移動方向を判断できないので、スチル撮影時と同様に焦点調節レンズ203を現在位置から所定方向に移動しながらAF評価値が増加する方向を検出し、サーチ駆動モードで焦点調節レンズ203を移動する方向を決定する。
本体CPU121は、ステップS234において、サーチ駆動モードでの焦点調節レンズ203のレンズ駆動量や駆動速度等のパラメータを設定する。ここでの設定は常に固定ではなく、サーチ駆動モード移行前の被写体の動作による合焦位置変化に応じて設定するようにしてもよい。例えば、合焦位置の変化が徐々に速くなった場合は、焦点調節レンズ203のレンズ駆動量を小さく、駆動速度を遅めにした設定とする。合焦位置が突然大きく変化した場合は、焦点調節レンズ203のレンズ駆動量を大きく、駆動速度を速めにした設定とする。
本体CPU121は、ステップS235において、動画スイッチがオフ状態であるか否かを確認する。この動画スイッチのオフ状態であるか否かの確認は、操作スイッチ検出回路129により検出される。なお、動画スイッチがオフ状態であれば、本体CPU121は、リターンする。
動画スイッチがオン状態であれば、本体CPU121は、ステップS236に移り、上記ステップS234で設定されたパラメータを本体CPU121は通信ライン227を介して交換レンズ201の通信回路226に送信する。LCPU221は、通信回路226で受信したパラメータに基づいてレンズ駆動回路222を動作制御し、焦点調節レンズ203を移動する。このとき、レンズ位置検出回路223は、レンズ駆動回路222によって移動された焦点調節レンズ203の位置を検出する。LCPU221は、レンズ位置検出回路223によって検出されたレンズ位置に基づいて交換レンズ部201の焦点状態の情報を得る。
本体CPU121は、ステップS237において、焦点調節レンズ203の移動完了後、撮像素子制御回路124の撮像制御により撮像素子103を撮像動作させる。画像処理回路125は、上記同様に、撮像素子103から出力される像信号に各種画像処理を施して撮影画像を生成し、かつ高周波成分を抽出してAF評価値を取得する。本体CPU121は、AF評価値と焦点調節レンズ203のレンズ位置とを時系列データとしてRAM123に記憶する。
本体CPU121は、ステップ238において、上記実施の形態で説明したいずれかの方法又はその組合せにより合焦手前近傍位置に焦点調節レンズ203が到達したか否かを判定する。
この判定の結果、合焦手前近傍判定で合焦手前近傍であると判定すると、本体CPU121は、ステップS239を通して上記ステップS227に移ってウォブリング駆動モードに移行する。合焦手前近傍でなければ、本体CPU121は、ステップS239を通して上記ステップS235に移ってサーチ駆動モードを継続する。
上記ステップS229における確認の結果、動画スイッチがオフ状態であれば、本体CPU121は、ステップS240に移り、ウォブリング駆動を停止してリターンする。
上記ステップS230における判定の結果、被写体が静止していれば、本体CPU121は、ステップS241に移り、ウォブリング駆動を停止して待機モードに移行し、次のステップS242において、動画スイッチがオフ状態であるか否かを確認する。この動画スイッチのオフ状態であるか否かの確認は、操作スイッチ検出回路129により検出され、動画スイッチがオフ状態であれば、本体CPU121は、リターンする。
動画スイッチがオン状態であれば、本体CPU121は、ステップS243に移り、焦点調節レンズ203を停止した状態で、撮像素子制御回路124の撮像制御により撮像素子103を撮像動作させる。画像処理回路125は、上記同様に、撮像素子103から出力される像信号に各種画像処理を施して撮影画像を生成し、かつ高周波成分を抽出してAF評価値を取得する。本体CPU121は、AF評価値と焦点調節レンズ203のレンズ位置とを時系列データとしてRAM123に記憶する。
本体CPU121は、ステップS244において、被写体の状態が変化したかどうかを時系列データとしてRAM123に記憶されているAF評価値の変化から判断する。待機モード開始初期のAF評価値に対するデータの変化が所定の被写体の変化の判定値以上である場合、本体CPU121は、被写体の状態が変化したと判断してステップS245に移る。
本体CPU121は、ステップS245において、撮影者によりカメラ100がパン・チルト操作されたと判断して上記ステップS233に進んでサーチ駆動モードに移行し、パン・チルト判定値よりも小さい値であった場合に被写体が動きだしたものと判断して上記ステップS227に進んでウォブリング駆動モードに移行する。
なお、上記ステップS244での判断の結果、AF評価値に対するデータの変化が所定の被写体の変化の判定値以下であれば、本体CPU121は、被写体が静止していると判断して上記ステップS242に戻って待機モードを継続する。
このように上記第4の実施の形態によれば、合焦手前近傍を判断することで合焦近傍位置まで高速で焦点調節レンズ203を移動させると共に、大きく合焦位置を越えることなく合焦位置を検出できるので、通常の焦点検出動作と同様に高速でスムーズな動画撮影動作を行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上記各実施の形態における合焦手前近傍の判定は単独で利用するだけでなく、それぞれの判定結果から最終的な判定を行ったり、最終的な合焦手前近傍位置を検出する過程で判定方法を切換えるようにしてもよい。
さらに、上記各実施の形態では、レンズ交換式のデジタルスチルカメラに搭載される自動焦点装置について説明したが、レンズ一体型のデジタルスチルカメラやムービーカメラ等にも応用が可能であることは、言うまでもない。
以下、本発明の主旨について説明する。
第1の発明は、フォーカスレンズを有し、被写体像を結像させる撮影光学系と、
上記撮影光学系により結像された上記被写体像を光電変換して像信号を出力する撮像素子と、
上記撮像素子より出力される上記像信号から高周波成分を抽出してAF評価値を取得する画像処理手段と、
上記AF評価値に基づいて上記フォーカスレンズを駆動制御してオートフォーカス動作を行う制御手段と、
上記フォーカスレンズの駆動と共に所定の時間間隔で撮像動作を行なって上記画像処理手段により上記AF評価値を取得させ、この取得したAF評価値を当該AF評価値を取得した時間情報と共に時系列で記憶し、上記時系列で記憶した上記AF評価値と上記時間情報とに基づいて上記フォーカスレンズが合焦位置の手前近傍であるか否かを判定する合焦近傍判定手段と、
を備え、
上記制御手段は、上記合焦近傍判定手段により上記合焦位置の上記手前近傍と判定した場合、上記フォーカスレンズの駆動制御方法を切換えてオートフォーカス動作を行う、
ことを特徴とする撮像装置である。
第2の発明は、上記合焦近傍判定手段は、上記AF評価値が取得される毎に時系列で記憶されている所定個数前に取得した上記AF評価値との差分データを求めて時系列で記憶し、最新の上記差分データが最大値であるか否かを判定して極大値を検出し、この後に少なくとも1回以上検出される上記AF評価値の上記差分データが所定の状態となった時点を上記合焦位置の上記手前近傍と判定することを特徴とする第1の発明に記載の撮像装置である。
第3の発明は、上記合焦近傍判定手段は、上記差分データの極大値の検出後に検出される差分データが所定値以下となる場合に、合焦位置の手前近傍と判定することを特徴とする第2の発明に記載の撮像装置である。
第4の発明は、上記合焦近傍判定手段は、AF評価値が取得される毎に時系列で記憶されている所定回前までの複数のAF評価値から近似直線を求め、その直線の傾きを時系列で記憶し、最新の傾きが最大値であるか否かを判定して極大値を検出した後に、少なくとも1回以上検出されるAF評価値の近似直線の傾きが所定の状態となった時点を合焦位置の手前近傍と判定することを特徴とする第1の発明に記載の撮像装置である。
第5の発明は、上記合焦近傍判定手段は、上記近似直線の傾きの極大値の検出後に検出される近似直線の傾きが所定回数連続で傾きの極大値より小さい値となった時点を合焦位置の手前近傍と判定することを特徴とする第4の発明に記載の撮像装置である。
第6の発明は、上記合焦近傍判定手段は、上記近似直線の傾きの極大値の検出後に検出される近似直線の傾きが所定値以下となった時点を合焦位置の手前近傍と判定することを特徴とする第4の発明に記載の撮像装置である。
第7の発明は、上記合焦近傍判定手段は、AF評価値が取得される毎に時系列で記憶されている所定回前までの複数のAF評価値から近似2次曲線を求め、この近似曲線から予測される現時点から所定時間経過後のAF評価値を、現在のAF評価値から減算した値が所定値よりも大きくなった時点を、合焦近傍の手前と判定することを特徴とする第1の発明に記載の撮像装置である。
100:デジタルスチルカメラ、101:カメラ本体、201:交換レンズ部、202:レンズ制御回路、203:焦点調節レンズ(フォーカスレンズ)、204:ズームレンズ、102:カメラ制御回路、103:撮像素子、104:フォーカルプレンシャッタ、105:表示用モニタ、106:ストロボ、107:レリーズ釦、108:バッテリー、228:マニュアルフォーカス(MF)用回転環、229:ズーム駆動用回転環、230:絞り、221:レンズCPU(LCPU)、222:レンズ駆動回路、223:レンズ位置検出回路、224:ズーム位置検出回路、225:絞り駆動回路、226:通信回路、229:ズーム駆動用回転環、230:絞り、227:通信ライン、122:フラッシュROM(FROM)、123:RAM、124:撮像素子制御回路、125:画像処理回路、126:シャッタ制御回路、127:表示回路、128:ストロボ制御回路、129:操作スイッチ検出回路、132:電源回路、130:第1レリーズスイッチ130(1Rスイッチ)、131:第2レリーズスイッチ131(2Rスイッチ)、121a:合焦近傍判定部。

Claims (3)

  1. フォーカスレンズを有し、被写体像を結像させる撮影光学系と、
    上記撮影光学系により結像された上記被写体像を光電変換して像信号を出力する撮像素子と、
    上記撮像素子より出力される上記像信号から高周波成分を抽出してAF評価値を取得する画像処理手段と、
    上記AF評価値に基づいて上記フォーカスレンズを駆動制御してオートフォーカス動作を行う制御手段と、
    上記フォーカスレンズの駆動と共に所定の時間間隔で撮像動作を行なって上記画像処理手段により上記AF評価値を取得させ、この取得したAF評価値を当該AF評価値を取得した時間情報と共に時系列で記憶し、上記時系列で記憶した上記AF評価値と上記時間情報とに基づいて上記フォーカスレンズが合焦位置の手前近傍であるか否かを判定する合焦近傍判定手段と、
    を備え、
    上記制御手段は、上記合焦近傍判定手段により上記合焦位置の上記手前近傍と判定した場合、上記フォーカスレンズの駆動制御方法を切換えてオートフォーカス動作を行う、
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 上記合焦近傍判定手段は、上記AF評価値が取得される毎に時系列で記憶されている所定個数前に取得した上記AF評価値との差分データを求めて時系列で記憶し、最新の上記差分データが最大値であるか否かを判定して極大値を検出し、この後に少なくとも1回以上検出される上記AF評価値の上記差分データが所定の状態となった時点を上記合焦位置の上記手前近傍と判定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 上記合焦近傍判定手段は、上記差分データの上記極大値の検出後に検出される上記差分データが所定回数連続して上記差分データの上記極大値より小さい値となる場合に、上記合焦位置の上記手前近傍と判定することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
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