JP2012010501A - 設備停止計画自動立案装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】系統信頼度の評価を厳密に行いながら、処理時間を増大させることなく、安定して設備停止計画を立案することが可能な設備停止計画自動立案装置を提供する。
【解決手段】電力系統設備の停止を伴う作業の作業工程を発生させる作業工程発生機構151と、作業工程発生機構151により発生させた作業工程の各断面に対し、信頼度系統を立案する信頼度系統立案機構16を備えている。作業工程発生機構151により、各種条件により評価関数の改善が望める作業の組合せを効率的に発生させ、発生させた作業工程の各断面に対し、信頼度系統立案機構16により系統信頼度を確保した系統構成を立案する処理を繰り返し行うことにより、処理時間を増大させることなく、系統信頼度の評価を厳密に行った上で設備停止計画を立案することが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力系統設備の停止を伴う作業の実施期間の計画を立案する設備停止計画自動立案装置に関する。
電力系統を構成する設備、例えば送電線や変圧器等の保守や工事を実施する場合、安全確保のためにそれらの設備は停止されて無電圧状態とされる。このような停電を伴う作業を実施する場合、電力系統の信頼度を確保しつつ安定供給を保証する作業日程と、作業停電に伴う系統構成を計画しなければならない。
一般的には、電力会社の給電指令所において、関連部署から要求のあっ作業件名を整理して集約し、集約された作業に対し各系統の運用方針に沿って作業日程が調整される。ここで、系統の運用方針とは、作業の安全を考えた潮流量の制限や供給力の確保の観点から設定される。
近年、電力需要の増大に伴い電力系統の複雑化及び巨大化が進み、上記のような作業の実施期間の調整計画業務が困難になってきており、設備停止計画を自動立案するシステムが望まれている。作業停電の調整計画を自動立案する先行技術として、特許文献1では、作業の制約条件を作業日程探索の組み合わせの限定操作に用い、分枝限定法による作業停電の日程の探索を行う作業停電調整装置が提示されている(分枝限定法については以下の参考例1で説明している)。
特開平8−322149号公報
特許文献1で提示された作業停電調整装置では、作業数と制約条件が増大するにつれて分枝限定法で扱う部分問題が多くなり、それらを解くための処理時間が増大するという問題があった。また、系統信頼度を考慮した上での最良解を求めていないため、系統信頼度について厳密な評価が行われていないという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、系統信頼度の評価を厳密に行いながら、処理時間を増大させることなく、安定して設備停止計画を立案することが可能な設備停止計画自動立案装置を提供することを目的とする。
本発明に係る設備停止計画自動立案装置は、電力系統設備の停止を伴う作業の作業工程を発生させる作業工程発生機構と、作業工程発生機構により発生させた作業工程の各断面に対し、運用上の制約条件を遵守し系統信頼度を確保した系統構成を立案する信頼度系統立案機構と、作業工程発生機構により発生させた作業工程と、信頼度系統立案機構により立案された各断面の系統構成から決定される設備停止計画案の評価を行う設備停止計画評価機構と、設備停止計画評価機構により評価された設備停止計画案の中で最も評価値の高い案を保存する設備停止計画保存機構を備えたものである。
本発明に係る設備停止計画自動立案装置によれば、作業工程発生機構により電力系統設備の停止を伴う作業の作業工程を効率的に発生させ、発生させた作業工程の各断面に対し、信頼度系統立案機構により、運用上の制約条件を遵守し系統信頼度を確保した系統構成を立案する処理を繰り返し行うことにより、系統信頼度の評価を厳密に行いながら、処理時間を増大させることなく、安定して設備停止計画を立案することが可能である。
本発明の実施の形態1に係る設備停止計画自動立案装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る設備停止計画自動立案装置による設備停止計画処理の流れを示す図である。 本発明の実施の形態1に係る停止可能期間検討機構による処理の流れを示す図である。 本発明の実施の形態1に係る作業工程発生機構による処理の流れを示す図である。 本発明の実施の形態1に係る同時作業禁止設定機構において同時作業禁止制約条件違反として設定される作業の例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る作業工程発生機構による同時作業禁止制約条件に違反しない作業工程を発生させる処理の流れを示す図である。 本発明の実施の形態1に係る設備停止計画自動立案装置において、同時作業禁止制約条件に違反する作業に対し実施期間を変更した例を示す図である。 本発明の実施の形態1における連系用変圧器作業時の系統断面の例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る作業工程発生機構による、系統信頼度低下作業を別日に移動させる処理を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る同一停止作業集約機構により検索される停止設備が一致関係あるいは重複関係にある作業群を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る同一停止作業集約機構によるグループ化を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る同一信頼度作業集約機構によるグループ化を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る類似系統構成作業集約機構によるグループ化を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る類似系統構成作業集約機構によりグループ化された作業の実施期間が連続となるように移動させる処理を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る作業工程発生機構により1つの作業を前後日へ1日移動させる処理を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る作業分類機構による作業分類処理の流れを示す図である。 本発明の実施の形態1に係る系統縮約機構により作成される縮約系統モデルを説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る信頼度系統立案機構による信頼度系統立案処理の流れを示す図である。 本発明の実施の形態1に係る信頼度系統立案機構により発生させる想定事故を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る信頼度系統立案機構において、断面と作業の組合せに対し作業時系統とその信頼度評価値を保存する処理を説明する図である。 本発明の参考例1である分枝限定法により設備停止計画を立案する方式を示す図である。
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態1に係る設備停止計画自動立案装置について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る設備停止計画自動立案装置の構成を示している。本実施の形態1に係る設備停止計画自動立案装置1は、関連装置2と連携して設備停止計画を立案する。関連装置2は、作業件名格納装置21、設備データ格納装置22、及び負荷データ格納装置23を備え、設備停止計画自動立案装置1が使用する各種データを格納している。
作業件名格納装置21は、関係各所から申請された作業件名データを格納し、設備データ格納装置22は、将来系統を含んだ設備データを生成、格納している。また、負荷データ格納装置23は、実績負荷をもとに負荷予想を行い計画対象期間の負荷データを生成、格納している。
設備停止計画自動立案装置1の停止可能期間検討機構11は、関連装置2に格納された設備データ、負荷データに基づいて、各電力系統設備に対し、計画対象期間内において停止可能な期間を検討し、その検討結果を保存する。作業集約機構12は、実施期間を一部もしくは全部重複させることが可能な複数の作業、及び実施期間を連続させることが可能な複数の作業をグループ化する。作業集約機構12は、同一停止作業集約機構121、同一信頼度作業集約機構122、及び類似系統構成作業集約機構123から構成される。
同一停止作業集約機構121は、停止設備が同一となる複数の作業をグループ化する。同一信頼度作業集約機構122は、各作業に対して系統信頼度を確保した系統構成を立案した上で、系統信頼度が同等となる複数の作業をグループ化する。また、類似系統構成作業集約機構123は、各作業に対して系統信頼度を確保した系統構成を立案した上で、系統構成が類似する複数の作業をグループ化する。
また、同時作業禁止設定機構13は、同時実施を避けるべき作業の組合せを制約条件として設定する。作業分類機構14は、各作業の作業内容、所要時間(日数)、及び制約条件の有無を含む判断基準をもとに、作業時の系統構成に影響を及ぼす、すなわち影響度が大きいと判断される作業を基準作業、それ以外の作業を一般作業に分類する。
作業工程立案機構15は、設備停止計画を立案、調整する機構であり、作業工程発生機構151、設備停止計画評価機構152、及び設備停止計画保存機構153から構成される。作業工程発生機構151は、電力系統設備の停止を伴う作業の作業工程を発生させる。設備停止計画評価機構152は、作業工程発生機構151により発生させた作業工程と、後述の信頼度系統立案機構16により立案された各断面の系統構成から決定される設備停止計画案の評価を行う。また、設備停止計画保存機構153は、設備停止計画評価機構152により評価された設備停止計画案の中で最も評価値の高い案を保存する。
信頼度系統立案機構16は、作業工程発生機構151により発生させた作業工程の各断面に対し、運用上の制約条件を遵守し系統信頼度を確保した系統構成(以下これを信頼度系統と略す)を立案し、信頼度評価値の算出をするもので、系統縮約機構161、作業時系統立案機構162、復旧目標系統立案機構163、及び信頼度系統保存機構164から構成される。
系統縮約機構161は、同一ルートを形成する複数設備、及び切替えルートが無い複数設備を1設備に縮約した縮約系統モデルを作成する。作業時系統立案機構162は、系統縮約機構161により作成された縮約系統モデルを用い、各作業について作業時の系統信頼度を考慮し、作業時に実際に運用する系統構成(以下これを作業時系統と略す)を立案する。復旧目標系統立案機構163は、作業時系統立案機構162により立案された作業時系統に対して想定事故を発生させ、この想定事故を復旧するための系統構成を立案する。
また、信頼度系統保存機構164は、作業時系統立案機構162により立案された作業時系統とその信頼度評価値を、作業工程の断面と作業の組合せに対して保存する。設備停止計画出力機構17は、作業工程発生機構151により発生させた作業工程と、信頼度系統立案機構16により立案された各断面の信頼度系統から決定された設備停止計画案の中で、設備停止計画評価機構152による評価値が最も高い案を出力する。
次に、本実施の形態1に係る設備停止計画自動立案装置1による設備停止計画処理の流れについて、図2を用いて説明する。なお、図2では、設備停止計画処理の開始から出力までの大まかな流れを示し、各ステップにおいて実施される各機構による処理内容については、後に詳細に説明する。
まず、ステップS2−1において、将来系統を含んだ設備データを生成する設備データ生成処理、実績負荷をもとに負荷予想を行い計画対象期間の負荷データを生成する負荷データ生成処理、及び関係各所から申請された作業件名データを取り込み、申請内容の変更または作業件名の追加/削除を行う作業件名取込処理を行う。
続いてステップS2−2では、設備停止計画において使用する同時作業禁止制約条件、作業工程、系統状態に対する評価項目比重、カレンダデータ等の各調整条件の設定を行う。さらに必要な前処理として、ステップS2−3では、停止可能期間検討機構11により各設備に対する停止可能期間の検討/保存処理を行い、ステップS2−4では作業集約機構12により縮約系統モデルを作成する作業集約処理を行う。
次に、ステップS2−5において、自動日程調整の探索終了判定を行い、終了条件を満した場合(YES)はステップS2−10に進み、自動日程調整の探索が終了した時点で、求めた最良解である作業工程の各作業の実時期間及び各断面の信頼度系統を設備停止計画として出力する。
一方、終了条件を満たさない場合(NO)は、ステップS2−6に進み、作業工程発生機構151により作業工程を発生させる。続いてステップS2−7では、信頼度系統立案機構16により、ステップS2−6で発生させた作業工程の各断面に対し信頼度系統を立案する。さらに、ステップS2−8では、設備停止計画評価機構152により、ステップS2−6及びステップS2−7において立案された設備停止計画の評価を行う。ここで、最も評価が高い設備停止計画案をステップS2−9において保存し、ステップS2−5に戻る。
なお、ステップS2−8における設備停止計画の評価では、設備停止計画の良否を判定する指標として、例えば以下の式1に示す評価関数が用いられる。この式1で得られた数値が最も小さいものが、すなわち評価値の最も高い設備停止計画案となる。
評価関数=Min(同時禁止制約違反量
+作業時系統信頼度違反量
+事故対策系統信頼度違反量
+希望日逸脱量
+作業期間系統切替量) ・・・(1)
次に、図2に示すフローチャートの各ステップで実施される各機構による処理内容について、詳細に説明する。まず、停止可能期間検討機構11による処理の流れについて、図3を用いて説明する。停止可能期間検討機構11は、各電力系統設備に対し、計画対象期間内において停止可能な期間を検討し、その検討結果を保存する。各設備の停止可否は、作業時の系統信頼度から判断され、運用制約上違反が発生しない期間を停止可能期間とする。なお、作業工程発生機構151は、停止可能期間検討機構11による検討結果に基づいて、作業により停止される電力系統設備の停止可能期間に該作業が実施される作業工程を発生させる。これについては後に図4で説明する。
図3において、ステップS3−1では、停止可能期間を検討する対象となる設備を抽出する。次に、ステップS3−2では、抽出した設備の中の1つの設備に着目し、ステップS3−3では、調整対象期間中の1つの断面に着目する。さらに、ステップS3−4では、着目した断面において、着目した1つの設備を停止する。ステップS3−5では、着目した断面において着目した設備を停止した状態で、信頼度系統を作成する。
続いてステップS3−6では、ステップS3−5において作成された信頼度系統の結果により、着目した断面において着目した設備の停止が可能であるか判定し、判定結果を保存する。ここでは、系統信頼度が満たされている場合は停止可能と判定し、系統信頼度が満たされていない場合は停止不可と判定する。
ステップS3−7では、すべての断面について着目したかを判定し、着目済みの場合(YES)はステップS3−8に進み、着目済みでない場合(NO)はステップS3−3に戻る。ステップS3−8では、抽出したすべての設備について着目したかを判定し、着目済みの場合(YES)は停止可能期間検討を終了し、着目済みでない場合(NO)はステップS3−3に戻る。
次に、作業工程発生機構151による作業工程発生処理の流れについて、図4を用いて説明する。なお、図4では、作業工程発生処理の大まかな流れを示し、各ステップにおいて実施される処理内容については、後に詳細に説明する。まず、ステップS4−1では、現在の作業工程において、作業による停止設備の停止可能期間で該作業を実施しているか判定する。停止可能期間で作業を実施している場合(YES)は、ステップS4−3へ進み、停止不可期間で作業を実施している場合(NO)は、ステップS4−2へ進む。
ステップS4−2では、現在の作業工程において、停止不可期間に実施している作業を、停止可能期間に移動する作業の組合せを含む作業工程を発生させる。ステップS4−3では、現在の作業工程において、同時作業禁止制約条件に違反する作業があるか判定する。同時作業禁止制約条件に違反する作業がある場合(YES)はステップS4−4へ進み、同時作業禁止制約条件に違反する作業がない場合(NO)はステップS4−5へ進む。ステップS4−4では、同時作業禁止制約条件違反を回避する作業の組合せを含む作業工程を発生させる。
さらに、ステップS4−5では、現在の作業工程において、系統信頼度違反作業があるか判定する。系統信頼度違反作業がある場合(YES)はステップS4−6へ進み、系統信頼度違反作業がない場合(NO)はステップS4−7へ進む。ステップS4−6では、現在の作業工程において、系統信頼度違反の作業、すなわち系統信頼度を低下させている作業を別日に移動する作業の組合せを含む作業工程を発生させる。
ステップS4−7では、同一停止作業集約機構121によりグループ化された同一停止作業を一括して同一日(または一部を同一日)に移動する作業工程を発生させる。また、ステップS4−8では、同一信頼度作業集約機構122によりグループ化された同一信頼度作業を一括して同一日(または一部を同一日)に移動する作業工程を発生させる。また、ステップS4−9では、類似系統構成作業集約機構123によりグループ化された類似系統の作業の実施期間が連続となるように移動する作業工程を発生させる。
さらに、ステップS4−10では、1つの作業を前後1日移動する作業工程を発生させ、作業工程発生処理を終了する。なお、ステップS4−10における処理は、ステップS4−1からステップS4−9において1つの組合せも発生することができなかった場合に行われる。このように、作業工程発生機構151では、すべての作業の組合せを発生させるのではなく、各種条件により評価関数の改善が望める作業の組合せを発生させることにより、効率的な作業工程発生処理を行うものである。
次に、図4の各ステップにおいて実施される具体的な処理内容について説明する。同時作業禁止設定機構13には、同時実施を避けるべき作業の組合せが制約条件として設定されている。作業工程発生機構151は、同時作業禁止設定機構13により設定された制約条件に違反する作業群に着目し、該作業群に含まれる各作業の実施期間が重複しない作業工程を発生させる(図4のステップS4−4)。これについて、図5、図6及び図7を用いて説明する。
同時作業禁止制約条件に違反する作業の組合せとは、例えば並行2回線送電線の1L作業と2L作業の組合せ、複母線構成の甲母線作業と乙母線作業の組合せ、またはループ系統を構成することができる設備の作業の組合せ等があり、自動検索により設定されるものと、オペレータにより設定されるものがある。図5は、自動検索により同時作業禁止制約条件違反として設定される作業の例を示している。図5(a)は、並行2回線送電線Ln1とLn2の作業の組合せである。図5(b)は複母線構成の甲母線作業と乙母線作業の組み合わせである。また、図5(c)は、ループ系統を構成するLn1とLn2の作業の組合せである。
同時作業禁止制約条件に違反する2つの作業の実施期間が重複しない作業工程を発生させる処理について、図6を用いて説明する。まず、ステップS6−1において、現在の作業工程に対して調整対象期間内で同時作業禁止設定機構13により設定された制約条件に違反する作業の組合せがあるか判定する。違反する作業の組合せがある場合(YES)は、ステップS6−2に進み、違反する作業の組合せがない場合(NO)は処理を終了する。
ステップS6−2では、違反する作業の組合せの中から実施期間を変更する2つの作業を抽出し、続いてステップS6−3では、抽出した2つの作業のうち作業の実施期間を変更する1つの作業を決定する。なお、実施期間を変更する作業の決定は、停止設備、作業内容、所要時間(日数)等から決定される作業の優先度に従い、優先度の低い作業の実施期間を変更する。これは、優先度の高い作業ほど電力系統への影響が大きく、実施期間の変更を極力避ける必要があるからである。
ステップS6−4では、実施期間を変更する作業が決定した後、2つの作業の実施期間が重複せず最も変更断面数が少ない期間を検索する。ステップS6−5では、検索した実施期間への変更により、新たな同時作業禁止制約条件違反が発生するか判定する。ここで、違反が発生する場合(YES)にはステップS6−4に戻り、同時作業禁止制約条件違反が発生しない実施期間を再度検索する。違反が発生していない場合(NO)はステップS6−6に進み、検索された実施期間に作業を移動させた作業工程を発生させ、S6−1に戻る。このように、同時作業禁止設定機構13により設定された制約条件に違反する作業の組合せがなくなるまで、S6−2〜S6−6の処理を繰り返す。
図7は、同時作業禁止制約条件に違反する作業の組み合わせに対し、実施期間を変更した例を示している。図7において、作業Aと作業B、及び作業Bと作業Cは、互いに同時作業禁止制約条件に違反する作業であり、作業Aは作業Bよりも優先度の高い作業である。図7(a)では、制約条件に違反する作業Aと作業Bの2つの作業のうち優先度の低い作業Bの実施期間を、変更断面数が少ない後ろ方向の断面へ変更している。
また、図7(b)では、制約条件に違反する作業Aと作業Bの2つの作業のうち優先度の低い作業Bの実施期間を、変更断面数が少ない後ろ方向の断面へ変更した後、新たに制約条件に違反する作業Bと作業Cの組み合わせが発生するため、さらに作業Bの実施期間を制約違反が発生しない後ろ方向の断面へ変更している。
また、作業工程発生機構151は、信頼度低下作業を別日に移動する作業工程を発生させる(図4のステップS4−6)。これについて、図8及び図9を用いて説明する。図8は、連系用変圧器作業時の作業時系統断面の例を示している。図8において、Tr1〜Tr6は連系用変圧器であり、図中、網掛け部分は作業停止される変圧器を示している。なお、それぞれの変圧器の設備容量は2とする。また、Ln1、Ln2、Ln3、Ln4は送電線であり、Ln1、Ln3、Ln4の設備容量は4、Ln2の設備容量は1とする。また、Ld1は負荷量4、Ld2は負荷量1の負荷である。
図8において、変圧器Tr1の作業停止に伴い、負荷Ld1に負荷量4を供給するには、変圧器Tr2から送電線Ln1のルート、または変圧器Tr3から送電線Ln2のルートがある。ここで、変圧器Tr2の想定事故を考慮し送電線Ln2から供給するよう系統切り替えを行うと、供給可能な負荷量は設備容量の1であるため過負荷が発生する。従って、変圧器Tr1の作業は系統信頼度を低下させる作業となる。
一方、変圧器Tr5の作業停止に伴い、負荷Ld2に負荷量1を供給するには、変圧器Tr6から送電線Ln4のルート、または変圧器Tr4から送電線Ln3のルートがある。ここで、変圧器Tr6の想定事故を考慮し送電線Ln3から供給するよう系統切り替えを行うと、供給可能な負荷量は設備容量の4であり、負荷Ld2の負荷量1を供給することが可能である。従って、変圧器Tr5の作業は系統信頼度を低下させる作業とはならない。これらのことから、図8に示す作業時系統断面において、系統信頼度低下作業として抽出されるのは、変圧器Tr1の作業である。
さらに、作業工程発生機構151は、設備停止計画評価機構152による各断面の系統信頼度の評価結果をもとに、系統信頼度が最も低い断面で実施される作業の中で系統信頼度を最も低下させている作業を抽出し、該作業を別の断面に移動させる作業工程を発生させる。系統信頼度低下作業を別日に移動させる作業工程発生例について、図9を用いて説明する。図9において、断面1〜断面5は設備停止計画評価機構152により評価された断面で、断面1は系統信頼度最低断面であり、作業Aは、系統信頼度低下作業である。また、断面4と断面5は停止可能期間検討機構11に保存された作業Aに対する停止可能期間である。
図9に示す例では、作業工程発生機構151は、まず、系統信頼度低下作業である作業Aの実施期間を停止可能期間である断面4に変更し、設備停止計画評価機構152により断面4に対する評価を行う。次に、作業Aに対するもう1つの停止可能期間である断面5に作業Aの実施期間を変更し、設備停止計画評価機構152により断面5に対する評価を行う。さらに、断面4と断面5の評価値を比較し、評価値の高い断面(図9では断面5とする)に作業Aの実施期間を変更し、次の系統信頼度低下作業を抽出する。以上の処理を繰り返し行い、作業工程を発生させる。
また、作業工程発生機構151は、同一停止作業集約機構121によりグループ化された作業群について、各作業の実施期間が一部もしくは全部重複する作業工程を発生させる(図4のステップS4−7)。これについて、図10及び図11を用いて説明する。同一停止作業集約機構121では、まず、計画対象期間において、停止設備が一致する作業群、あるいは停止設備が複数ある場合、その一部が重複する関係にある作業群を検索する。例えば図10(a)では、図中網掛けで示す停止設備の送電線が一致している。また図10(b)では、図中網掛けで示す停止設備のうち母線が重複している。
同一停止作業集約機構121は、図10に示す例のように、停止設備が一致関係及び重複関係にある作業群を検索し、それらのグループ化を行う。同一停止作業集約機構121によるグループ化について図11を用いて説明する。図11(a)は、停止設備の一致関係で検索した作業群のグループ化を示している。A送電線停止という停止設備の一致関係で検索した作業件名1〜4に対し、作業群の中で最も作業優先度の高い作業1(主作業)に残りの作業2〜作業4(従作業)を1つのグループAとしてグループ化している。なお、作業優先度は、電圧階級、作業種別(拡充、改良、定期点検等)、作業所要時間(日数)により決定される。
グループ化された作業群の作業実施期間の調整については、例えば、グループAでは、主作業である作業1より作業開始日が早い作業2については作業開始日を合わせ、作業1の作業終了日より作業開始日の遅い作業3については作業終了日を合わせる。さらに、作業1の作業実施期間に作業開始日及び終了日がある作業4については作業実施期間を変更しない。
また、同一停止作業集約機構121によりグループ化された作業群であっても、各作業に時間的連続性があり、実施期間を一部もしくは全部重複させることができない場合もある。このような場合は、各作業の実施期間が連続となる作業工程を発生させる。
図11(b)は、停止設備が一致関係及び重複関係で検索した作業群について、時間的連続性がある場合の作業群のグループ化を示している。A送電線停止という停止設備の一致関係で検索した作業件名5〜7は、作業6は作業5の終了後に開始し、作業7は作業6の終了後に開始するという時間的連続性があり、作業実施期間を重複させることはできない。よって作業5〜作業7については、作業実施期間を変更せずそのまま1つのグループBとしてグループ化する。
また、作業工程発生機構151は、同一信頼度作業集約機構122によりグループ化された作業群について、各作業の実施期間が一部もしくは全部重複する作業工程を発生させる(図4のステップS4−8)。これについて図12を用いて説明する。同一信頼度作業集約機構122では、計画対象期間において、設備停止作業時の系統信頼度が同一となる作業群を検索する。図12では、A送電線、B母線、C変圧器がそれぞれ設備停止した場合の系統信頼度は同一となるため、これらの作業はグループ化される。グループ化の方法は、同一停止作業集約機構121によるグループ化の場合と同様である。
また、作業工程発生機構151は、類似系統構成作業集約機構123によりグループ化された作業群について、各作業の実施期間が連続となる作業工程を発生させる(図4のステップS4−9)。これについて図13及び図14を用いて説明する。類似系統構成作業集約機構123は、各設備の作業時系統をもとに、類似する作業時系統となる作業群を検索しグループ化を行う。
類似する作業時系統となる作業としては、例えば図13に示すような、同一送電線ルートの1L作業と2L作業がある。なお、図中、網掛け部分は作業対象設備である。図13(a)は、送電線Ln1の1L作業時の作業時系統、図13(b)は、送電線Ln1の2L作業時の作業時系統を示している。図13(a)及び図13(b)に示す例では共に、負荷Ldへの送電を送電線Ln2からの送電に切り替えており、2つの作業時系統はLn1の1Lと2Lの開閉器入切操作のみで構成されることから、類似系統構成としてグループ化される。
図14は、類似系統構成となる作業の実施期間の変更例を示している。図14において作業Aと作業Bは類似系統構成作業集約機構123によりグループ化された作業である。作業Bの実施期間は当初、断面4に設定されていたが、作業Aと類似系統構成としてグループ化されることにより、作業Aを基準として作業Aの実施される断面1に連続する断面2に変更される。
このように、作業工程発生機構151は、作業集約機構12によりグループ化された作業群について、各作業の実施期間が一部もしくは全部重複する作業工程、あるいは各作業の実施期間が連続となる作業工程を発生させることにより、効率的な作業工程発生処理を行うとともに、設備停止作業の効率化、実施期間の短縮化を図るものである。
さらに、作業工程発生機構151は、1つの作業に着目し、その作業の実施期間を前後日へ1日移動する作業工程を発生させる(図4のステップS4−10)。これについて図15を用いて説明する。作業工程発生機構151では、各作業の実施期間について、順次、1日早める/1日遅らせることによって作業工程を発生させる。具体的には、図15に示すように、実施期間が断面2の作業Aを断面1に移動して作業工程の評価を行い、次に、作業Aを断面3に移動して同様の評価を行う。
次に、作業Aを元の状態に戻した後、作業Bに対し作業Aと同様の移動を行う。すなわち、実施期間が断面2及び断面3の作業Bを、断面1及び断面2に移動して作業工程の評価を行い、次に、作業Bを断面3及び断面4に移動して同様の評価を行う。さらに、作業Bを元の状態に戻した後、作業Cに対して同様の処理を行う。このように、作業工程発生機構151では、1つの作業の実施期間を前後日へ1日移動する作業工程を発生させることにより、さらに厳密な評価を行い、最適解への到達を目指している。
次に、作業分類機構14について詳細に説明する。作業分類機構14は、各作業の作業内容と所要時間(日数)、及び制約条件の有無を含む判断基準をもとに、作業時の系統構成に大きく影響を及ぼす作業を基準作業、それ以外の作業を一般作業に分類する。この分類をもとに、作業工程立案機構15は、基準作業、一般作業の順に、各々、設備停止計画を立案する。
作業分類機構14による作業分類処理の流れについて、図16を用いて説明する。まず、ステップS16−1において、すべての調整対象作業に対して作業内容、所要時間、及び実施期間の限定の有無を判定する。具体的には、着目した作業が設備の増設/撤去作業、またはルート変更作業であるか、着目した作業が一定期間以上の長期作業であるか、または停止時期が限定される作業であるかについて判定し、1つでも条件を満たしている場合(YES)はステップS16−2に進み、該作業を「基準作業」に分類する。また、条件を満たしていない場合(NO)は、ステップS16−3に進み、該作業を「一般作業」に分類する。
すべての調整対象作業に対して分類を行った後、ステップS16−4において、基準作業に分類した作業について設備停止計画を立案する。続いて、ステップS16−5において、ステップS16−4で立案した基準作業の設備停止計画を考慮したうえで、一般作業に分類した作業の設備停止計画を立案する。
次に、信頼度系統立案機構16について詳細に説明する。信頼度系統立案機構16は、作業工程発生機構151により発生させた作業工程のすべての断面について信頼度系統の立案と信頼度評価値の算出を行い、信頼度系統を作成する。信頼度系統立案機構16の系統縮約機構161は、実際の電力系統設備を縮約した縮約系統モデル(ノードブランチモデル)を作成する。ノードブランチモデルについて、図17を用いて説明する。
図17(a)は、従来のノードブランチモデルであり、実際の系統接続形態の形でモデル化が行われていた。このためノードブランチ数が多くなり、作業時系統の作成に長時間を要していた。これに対し、本実施の形態1に係る系統縮約機構161では、図17(b)に示すように、従来のノードブランチモデルを系統縮約したノードブランチモデルを作成する。具体的には、2回線送電線(L1、L2)は1ブランチにモデル化している。また、切替先のない末端の送電線、母線D、E、及びF、Gについては、それぞれ1つのノードに縮約している。このように、系統縮約を行ったノードブランチモデルを使用することにより、信頼度系統作成の高速化を図るものである。
信頼度系統立案機構16は、作業工程の各断面の各作業について系統信頼度を考慮した作業時系統を立案する作業時系統立案機構162を有している。さらに、この作業時系統立案機構162により立案された作業時系統に対して想定事故を発生させ、該想定事故を復旧するための系統構成を立案する復旧目標系統立案機構163を有している。ただし、全ての作業時系統に対して想定事故を発生させるのではなく、作業時系統立案機構162により立案された作業時系統において系統信頼度が確保されていない作業に対し、復旧目標系統立案機構163により想定事故を発生させ、想定事故に対する信頼度を評価するものである。
本来、作業時系統から判断した信頼度が低い場合でも、想定事故に対する信頼度が確保されていれば作業の信頼度は確保できたといえる。しかし、従来方式(参考例1参照)では、作業時系統のみで信頼度の評価を行い、想定事故に対する信頼度の評価を行ってなかった。このため、実際は実施可能な作業に対して実施不可と判定してしまうことがあり、厳密な信頼度の評価が行えていなかった。
これに対し、設備停止計画自動立案装置1では、信頼度系統立案機構16により立案された作業時系統において信頼度が確保できていない作業に対して想定事故を発生させ、想定事故に対する信頼度を評価することにより、より厳密な信頼度評価を行うものである。また、この方法によれば、すべての作業時系統に対して想定事故を発生させるよりも作業数が絞り込まれ、処理時間の増大を抑えることができる。
信頼度系統立案機構16は、作業時系統立案機構162により立案された作業時系統とその信頼度評価値を、断面と作業の組合せに対して保存する信頼度系統保存機構164を有している。作業工程発生機構151が信頼度系統保存機構164に保存された断面と作業の組合せを含む作業工程を発生させた場合、作業時系統立案機構162は、その組合せについては新たに信頼度系統を立案せず、信頼度系統保存機構164に保存された信頼度系統を用いる。
次に、信頼度系統立案機構16による信頼度系統立案処理の流れについて、図18を用いて説明する。まず、ステップS18−1において、検討対象期間の1つの断面に着目する。ステップS18−2では、着目断面と、その着目断面にある作業の組合せに対して過去に信頼度系統が作成済みであるか判定する。具体的には、その断面と作業の組合せが信頼度系統保存機構164に保存されているか探索する。過去に信頼度系統が作成済みの場合(YES)はステップS18−1に戻り、次の断面に着目する。過去に信頼度系統を作成していない場合(NO)はステップS18−3に進み、作業時系統を立案する。
続いてステップS18−4では、立案した作業時系統において、着目断面にあるすべての作業に対する系統信頼度が確保されているか判定する。すべての作業に対して系統信頼度が確保されている場合(YES)はステップS18−1に戻り、次の断面に着目する。系統信頼度が確保されていない作業がある場合(NO)は、ステップS18−5に進む。
ステップS18−5では、着目断面にある1つの作業に着目し、ステップS18−6において、着目した作業に対する系統信頼度が確保されているか判定する。着目した作業に対する系統信頼度が確保されている場合(YES)はステップS18−5に戻り、次の作業に着目する。着目した作業に対する系統信頼度が確保されていない場合(NO)は、ステップS18−7に進み、着目した作業に対する想定事故を発生させる。
続いて、ステップS18−8では、復旧目標系統立案機構163により、想定事故を復旧するための系統構成を立案する。ここで立案される復旧目標系統においては、例えば停電、電力系統設備の過負荷等がなければ、作業に対する信頼度が確保されているものとする。さらに、ステップS18−9において、着目断面にあるすべての作業に着目したか判定し、すべての作業について着目済みの場合(YES)はステップS18−10に進み、すべての作業について着目していない場合(NO)はステップS18−5に戻り次の作業に着目する。
ステップS18−10では、着目断面にあるすべての作業に対する作業時系統と、想定事故に対する復旧目標系統を立案した上で評価した信頼度評価値を、断面と作業の組合せに対して保存する。続いてステップS18−11において、すべての断面について着目したか判定し、すべての断面について着目していない場合(NO)はステップS18−1に戻り次の断面に着目する。すべての断面について着目した場合(YES)は信頼度系統立案処理を終了する。
次に、上記ステップS18−7において発生させる想定事故の具体例について、図19を用いて説明する。なお、図19中、網掛け部分は作業設備を示している。図19(a)は、2回線送電線の1回線(Ln1)作業を示している。このような場合は、残り回線である送電線Ln2に想定事故を発生させる。また、図19(b)は、甲乙母線の片母線(甲)作業を示しており、このような場合は、残り母線である乙に想定事故を発生させる。また、図19(c)は、併用中の複数変圧器の1つの変圧器(Tr1)の作業を示しており、このような場合は残りの変圧器Tr2に想定事故を発生させる。
また、信頼度系統立案機構16において、着目断面とその断面にある作業の組合せに対して立案した作業時系統とその信頼度評価値を保存する処理について、図20を用いて説明する。信頼度系統の立案に用いられる作業時系統と信頼度評価値は、例えば図20(c)に示すような形式で、断面と作業の組合せに対して保存される。まず、図20(a)に示す作業工程に対して信頼度系統を立案する場合、断面1〜断面5のすべての断面について作業時系統を作成し、図20(c)のNO1〜NO5に、断面と作業の組合せに対して作業時系統と信頼度評価値を保存する。
次に、図20(b)に示す作業工程に対して信頼度系統を立案する場合、図20(b)の作業工程は、図20(a)の作業工程に対して作業Dが断面3から断面2に変更されているが、断面1、断面4、及び断面5については作業の変更はない。このため、断面1、断面4、及び断面5については、信頼度系統保存機構164に断面と作業の組合せに対して保存されている作業時系統と信頼度評価値を使用し、新たに作業時系統を立案する必要はない。
一方、断面2及び断面3については新たに作業時系統を立案し、図20(c)のNO6、NO7に、断面と作業の組合せに対して作業時系統と信頼度評価値を保存する。このように、断面と作業の組合せに対して作業時系統と信頼度評価値を保存しておくことにより、過去に作成した作業時系統については新たに立案しないようにしたので、信頼度系統立案処理の高速化が図られる。
以上のように、本実施の形態1に係る設備停止計画自動立案装置1によれば、電力系統設備の停止を伴う作業の作業工程を発生させる作業工程発生機構151と、作業工程発生機構151により発生させた作業工程の各断面に対し、信頼度系統を立案する信頼度系統立案機構16を備え、作業工程発生機構151により各種条件により評価関数の改善が望める作業の組合せを効率的に発生させ、発生させた作業工程について、信頼度系統立案機構16により、作業工程の断面にあるすべての作業に対する系統信頼度を確認する作業を繰り返し行うようにしたので、厳密な系統信頼度の評価を行った上で最良解を求めることが可能である。
さらに、作業時系統の系統信頼度が確保されていない作業に対しては、想定事故に対する信頼度を評価することで、より厳密な評価を行うことができる。また、信頼度系統保存機構164に断面と作業の組合せに対して作業時系統と信頼度評価値を保存し、同一の組合せが発生した場合については保存された作業時系統と信頼度評価値を用いるようにしたので、信頼度系統立案処理の高速化が図られ、処理時間を増大させることなく、安定して設備停止計画を立案することが可能である。
参考例1.
本発明の参考例1として、電力系統設備の停止を伴う作業の作業日程を、分枝限定法により立案する方式について、図21のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS21−1において、運用者は、調整対象となる作業件名、作業の希望開始日、作業日数、作業の種別、作業の制約条件等を含む作業データを入力する。次に、ステップS21−2において、入力された作業データの整理を行い、分枝限定法で扱う作業の優先順位に基づく日程調整順位iを決定する。
ステップS21−3からステップS21−12は、入力された制約条件と作業の優先順位をもとに分枝限定法により作業の日程調整を行う処理ステップである。まず、ステップS21−3では、分枝限定法により部分問題を解く対象作業を、ステップS21−2で決定された作業の優先順位が1番目の作業に初期設定する。続いてステップS21−4では、着目した番号iの作業について部分問題を解き、番号iの作業の日程を決定する。なお、番号iとは作業の優先度番号を意味する。
部分問題について説明する。探索の対象となる作業が探索順序1〜Nまである場合、その場合の原問題は、番号1〜Nの作業について、1〜Nの制約条件のもとに目的関数を最小にする作業日程を決定する問題となる。番号iの作業に対する部分問題は、番号1〜iまでの作業に関する制約条件のもとで与えられた目的関数を最小にする問題となる。この時、番号1〜(i−1)の作業の日程は既決状態にあり、問題を解く際には番号i〜Nの作業の日程を調整することで最適化を行うことになる。また、この段階で既決されるのは番号iの作業の日程だけである。従って、番号Nの作業の部分問題を解くことは、すべての日程が既決された状態となることである。
続いてステップS21−5において、番号iの作業の部分問題に可能解があるかを判定する。可能解とは、すべての作業に対する制約条件を満たした解を意味する。ステップS21−5において、可能解がない場合はステップS21−6に進み、可能解がある場合はステップS21−7に進む。ステップS21−6では、番号iの作業の部分問題に可能解がない場合に番号(i−1)の作業の日程を未決状態に変更し、探索対象を番号(i−1)の作業にする。
ステップS21−7では、番号iの作業(以下、作業iとする)の日程を部分問題の最良解の案とする。続いてステップS21−8において、探索終了条件を判定する。ここでは、規定探索回数での終了判定、運用者による中断要求による終了判定、または最良解発見による終了判定を行い、終了条件を満たしている場合はステップS21―11に進み、終了条件を満たしていない場合はステップS21−9に進む。ステップS21−9では、全作業の日程が確定しているか確認し、全作業の日程が確定している場合はステップS21−6に進み、全作業の日程が確定していない場合はステップS21−10に進む。
ステップS21−6では、すべての作業の日程が確定した場合に作業(i−1)を未決状態に変更し、探索対象を作業(i−1)にする。なお、この処理は、作業(i−1)の日程を再度変更し、異なる組合せの日程を探索する目的で行われる。ステップS21−10では、日程が決定していない作業がある場合に探索対象作業を作業(i+1)に変更し、作業iの次の作業の部分問題を決定する。
また、ステップS21−8において、探索終了条件を満たしていた場合、ステップS21−11に進み、分枝限定法による探索の最良解から更に改善する解を探索するか否かを運用者の判断により選択する。解の改善を行う場合はステップS21−12に進み、解の改善を行わない場合はステップS21−13に進む。ステップS21−12では、解の改善が選択された場合に、作業の適合度と乱数によるしきい値により、日程を再調整する作業の抽出とそれら作業の優先順位を再設定する。ここで抽出した作業に対してステップS21−4からステップS21−10の探索を再度行う。
例えば、下記の式2、式3による適合度をすべての作業について計算し、適合度が0〜1の間で発生させた乱数より大きな値であれば、その作業を再調整対象作業とする。なお、再調整対象作業には、適合度の小さい順に優先順位がつけられる。
(各作業の適合度)=1−|(作業の希望日程)−(調整後の作業の日程)|
/(逸脱量の最大値) ・・・(式2)
(逸脱量の最大値)=max|(作業の希望日程)−(調整後の作業の日程)|
・・・(式3)
ステップS21−13では、分枝限定法により得られた日程のすべての日に対して作業時の系統信頼度を考慮した信頼度系統を立案する。さらに、ステップS21−14では、すべての日程で系統信頼度が確保可能であるか判定する。すべての日程で系統信頼度が確保可能な場合は処理を終了し、系統信頼度が確保できない場合はステップS21−15に進み、系統信頼度の評価結果をもとに作業の微調整を行う。以上の処理ステップにより、電力系統設備の停止を伴う作業の作業日程を立案する。
本発明は、電力会社等において電力系統設備の停止を伴う作業の実施時期の計画を立案する設備停止計画自動立案装置として利用することができる。
1 設備停止計画自動立案装置、2 関連装置、11 停止可能期間検討機構、
12 作業集約機構、13 同時作業禁止設定機構、14 作業分類機構、
15 作業工程立案機構、16 信頼度系統立案機構、17 設備停止計画出力機構、
21 作業件名格納装置、22 設備データ格納装置、23 負荷データ格納装置、
121 同一停止作業集約機構、122 同一信頼度作業集約機構、
123 類似系統構成作業集約機構、151 作業工程発生機構、
152 設備停止計画評価機構、153 設備停止計画保存機構、
161 系統縮約機構、162 作業時系統立案機構、
163 復旧目標系統立案機構、164 信頼度系統保存機構。

Claims (17)

  1. 電力系統設備の停止を伴う作業の作業工程を発生させる作業工程発生機構、
    前記作業工程発生機構により発生させた作業工程の各断面に対し、運用上の制約条件を遵守し系統信頼度を確保した系統構成を立案する信頼度系統立案機構、
    前記作業工程発生機構により発生させた作業工程と、前記信頼度系統立案機構により立案された各断面の系統構成から決定される設備停止計画案の評価を行う設備停止計画評価機構、
    前記設備停止計画評価機構により評価された設備停止計画案の中で最も評価値の高い案を保存する設備停止計画保存機構を備えたことを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  2. 請求項1に記載の設備停止計画自動立案装置であって、各電力系統設備に対し、計画対象期間内において停止可能な期間を検討し、その検討結果を保存する停止可能期間検討機構を備え、前記作業工程発生機構は、前記停止可能期間検討機構による検討結果に基づいて、作業により停止される電力系統設備の停止可能期間に該作業が実施される作業工程を発生させることを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  3. 請求項1に記載の設備停止計画自動立案装置であって、同時実施を避けるべき作業の組合せを制約条件として設定した同時作業禁止設定機構を備え、前記作業工程発生機構は、前記同時作業禁止設定機構により設定された制約条件に違反する作業群に着目し、該作業群に含まれる各作業の実施期間が重複しない作業工程を発生させることを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  4. 請求項1に記載の設備停止計画自動立案装置であって、前記作業工程発生機構は、前記設備停止計画評価機構による各断面の系統信頼度の評価結果をもとに、系統信頼度が最も低い断面で実施される作業の中で系統信頼度を最も低下させている作業を抽出し、該作業を別の断面に移動させる作業工程を発生させることを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  5. 請求項1に記載の設備停止計画自動立案装置であって、実施期間を一部もしくは全部重複させることが可能な複数の作業、及び実施期間を連続させることが可能な複数の作業をグループ化する作業集約機構を備えたことを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  6. 請求項5に記載の設備停止計画自動立案装置であって、前記作業集約機構は、停止設備が同一となる複数の作業をグループ化する同一停止作業集約機構を有することを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  7. 請求項5に記載の設備停止計画自動立案装置であって、前記作業集約機構は、各作業に対して系統信頼度を確保した系統構成を立案した上で、系統信頼度が同等となる複数の作業をグループ化する同一信頼度作業集約機構を有することを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  8. 請求項5に記載の設備停止計画自動立案装置であって、前記作業集約機構は、各作業に対して系統信頼度を確保した系統構成を立案した上で、系統構成が類似する複数の作業をグループ化する類似系統構成作業集約機構を有することを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  9. 請求項5に記載の設備停止計画自動立案装置であって、前記作業工程発生機構は、前記作業集約機構によりグループ化された作業群について、各作業の実施期間が一部もしくは全部重複する作業工程を発生させることを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  10. 請求項5に記載の設備停止計画自動立案装置であって、前記作業工程発生機構は、前記作業集約機構によりグループ化された作業群について、各作業の実施期間が連続となる作業工程を発生させることを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  11. 請求項1に記載の設備停止計画自動立案装置であって、前記作業工程発生機構は、1つの作業に着目し、該作業の実施期間を前後日へ1日移動する作業工程を発生させることを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  12. 請求項1に記載の設備停止計画自動立案装置であって、各作業の作業内容、所要時間、及び制約条件の有無を含む判断基準をもとに、作業時の系統構成に影響を及ぼす作業を基準作業、それ以外の作業を一般作業に分類する作業分類機構を備え、前記基準作業、前記一般作業の順に各々、設備停止計画を立案することを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  13. 請求項12に記載の設備停止計画自動立案装置であって、前記作業分類機構は、設備の増設/撤去作業、ルート変更作業、実施期間が一定期間以上の長期作業、及び実施期間が限定されている作業を前記基準作業に分類することを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  14. 請求項1に記載の設備停止計画自動立案装置であって、前記信頼度系統立案機構は、各作業について作業時の系統信頼度を考慮し、作業時に実際に運用する系統構成を立案する作業時系統立案機構と、前記作業時系統立案機構により立案された系統構成に対して想定事故を発生させ、前記想定事故を復旧するための系統構成を立案する復旧目標系統立案機構を有することを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  15. 請求項14に記載の設備停止計画自動立案装置であって、前記復旧目標系統立案機構は、前記作業時系統立案機構により立案された系統構成において系統信頼度が確保されていない作業に対し、想定事故を発生させることを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  16. 請求項14に記載の設備停止計画自動立案装置であって、前記信頼度系統立案機構は、同一ルートを形成する複数設備、及び切替えルートが無い複数設備を1設備に縮約した縮約系統モデルを作成する系統縮約機構を有し、前記作業時系統立案機構は、前記系統縮約機構により作成された縮約系統モデルを用いて系統構成を立案することを特徴とする設備停止計画自動立案装置。
  17. 請求項14に記載の設備停止計画自動立案装置であって、前記信頼度系統立案機構は、前記作業時系統立案機構により立案された系統構成とその信頼度評価値を、作業工程の断面と作業の組合せに対して保存する信頼度系統保存機構を有し、前記作業工程発生機構が前記信頼度系統保存機構に保存された断面と作業の組合せを含む作業工程を発生させた場合、前記作業時系統立案機構は、前記組合せについては新たに系統構成を立案せず、前記信頼度系統保存機構に保存された系統構成を用いることを特徴とする設備停止計画自動立案装置。

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