[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1に本実施形態に係るタッチパネルの一部を模式的に表す切断斜視図を示す。当該タッチパネルは、間隙を有して対向する一対の基板を有する。この一対の基板のうち、使用者によって押圧(タッチ)されて撓む側の基板を、前側基板1と称する。また、前側基板1と対向する基板を後側基板2と称する。
後側基板2の前側基板1と対向する面には、複数のY座標検出ライン4が互いに平行に配設されている。更に、各Y座標検出ライン4と成す角を90°とするねじれの位置に、複数のX座標検出ライン3が互いに平行に配設されている。本説明では、図1の左上に示す様に、Y座標検出ライン4が延伸する方向をX軸方向と定義し、X軸方向の座標をX座標と定義する。また、X座標検出ライン3が延伸する方向をY軸方向と定義し、Y軸方向の座標をY座標と定義する。
X座標検出ライン3とY座標検出ライン4とが交差する位置(以下、交差点と称する)に対応して、交差点の近傍には、X座標検出用接点電極5が配置されている。X座標検出用接点電極5は、前記対応する交差点を構成するX座標検出ライン3に接続されている。また、X座標検出用接点電極5が配置された交差点の近傍には、交差点に対応して、Y座標検出用接点電極6が配置されている。Y座標検出用接点電極6は、前記対応する交差点を構成するY座標検出ライン4に接続されている。ここで、各X座標検出ライン3は、複数のX座標検出用接点電極5と接続されており、各Y座標検出ライン4は、複数のY座標検出用接点電極6と接続されている。但し、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6は、X座標検出ライン3とY座標検出ライン4が交差する全ての交差点のうち、後に詳述する交差点に対応して配置されている。
前側基板1の後側基板2と対向する面には、対向電極7が形成されている。ここで、X座標検出用接点電極5と対向電極7との間、及びY座標検出用接点電極6と対向電極7との間には、間隙が設けられている。
前側基板1が使用者によりタッチされて撓むと、そのタッチされた部分で、X座標検出用接点電極5と対向電極7とが電気的に導通する。その結果、対向電極7と導通したX座標検出用接点電極5、及びその接点電極と接続しているX座標検出ライン3の電位は、対向電極7の電位と等しくなる。同様に、前側基板1が使用者によりタッチされて撓むと、そのタッチされた部分で、Y座標検出用接点電極6と対向電極7とが電気的に導通する。その結果、対向電極7と導通したY座標検出用接点電極6、及びその接点電極と接続しているY座標検出ライン4の電位は、対向電極7の電位と等しくなる。従って、図示しない座標検出用コントローラが、X座標検出ライン3の電位を計測し、その電位が対向電極7と等電位になっているX座標検出ライン3を同定することで、当該タッチパネルは、タッチされている領域のX座標を取得できる。同様に、座標検出用コントローラが、Y座標検出ライン4の電位を計測し、その電位が対向電極7と等電位になっているY座標検出ライン4を同定することで、当該タッチパネルは、タッチされている領域のY座標を取得できる。
後側基板2上の構成について更に詳しく説明する。図2に、後側基板2上の構成の模式図を示す。図2において、X座標検出ライン3とY座標検出ライン4は、線で示されている。また図2において、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6は、四角で示されている。ここでは簡単のため、X座標検出ライン3が12本あり、Y座標検出ライン4が24本ある例を示して説明する。然し乍勿論、X座標検出ライン3とY座標検出ライン4の本数は、これに限らず何本でも良い。
説明のため、図2に示す通り右から左へ順に、各X座標検出ライン3に、X1乃至X12と名称を付する。同様に、図2に示す通り上から下へ順に、各Y座標検出ライン4に、Y1乃至Y24と名称を付する。また本説明では、例えばX座標検出ラインX1とY座標検出ラインY1との交差点の座標を(x1、y1)、X座標検出ラインX3とY座標検出ラインY5との交差点の座標を(x3、y5)等と、X座標検出ラインX1乃至X12と関連付けてX座標を表し、Y座標検出ラインY1乃至Y24と関連付けてY座標を表すことにする。
本実施形態では、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6とは、対を成して次に示す座標に配設されている。即ち、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6とは、xa=x1,x3,x5とし、ya=y1,y3,y5,y7,y9,y11としたときに座標(xa,ya)で表される18点の近傍に配設されている。これら座標(xa,ya)で表される18点の近傍に配設されたX座標検出用接点電極5を、区画AのX座標検出用接点電極5aと称する。また、これら18点の近傍に配設されたY座標検出用接点電極6を、区画AのY座標検出用接点電極6aと称する。更に、xa=x1,x3,x5で表されるX座標検出ライン3を区画AのX座標検出ライン3aと称する。また、ya=y1,y3,y5,y7,y9,y11で表されるY座標検出ラインを、区画AのY座標検出ライン4aと称する。
また、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6とは、xb=x7,x9,x11とし、yb=y2,y4,y6,y8,y10,y12としたときに座標(xb,yb)で表される18点の近傍にも配設されている。これら座標(xb,yb)で表される18点の近傍に配設されたX座標検出用接点電極5を、区画BのX座標検出用接点電極5bと称し、これら18点の近傍に配設されたY座標検出用接点電極6を、区画BのY座標検出用接点電極6bと称する。更に、xb=x7,x9,x11で表されるX座標検出ライン3を区画BのX座標検出ライン3bと称する。また、yb=y2,y4,y6,y8,y10,y12で表されるY座標検出ラインを、区画BのY座標検出ライン4bと称する。
また、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6とは、xc=x2,x4,x6とし、yc=y13,y15,y17,y19,y21,y23としたときに座標(xc,yc)で表される18点の近傍にも配設されている。これら座標(xc,yc)で表される18点の近傍に配設されたX座標検出用接点電極5を、区画CのX座標検出用接点電極5cと称し、これら18点の近傍に配設されたY座標検出用接点電極6を、区画CのY座標検出用接点電極6cと称する。更に、xc=x2,x4,x6で表されるX座標検出ライン3を区画CのX座標検出ライン3cと称する。また、yc=y13,y15,y17,y19,y21,y23で表されるY座標検出ラインを、区画CのY座標検出ライン4cと称する。
また、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6とは、xd=x8,x10,x12とし、yd=y14,y16,y18,y20,y22,y24としたときに座標(xd,yd)で表される18点の近傍にも配設されている。これら座標(xd,yd)で表される18点の近傍に配設されたX座標検出用接点電極5を、区画DのX座標検出用接点電極5dと称し、これら18点の近傍に配設されたY座標検出用接点電極6を、区画DのY座標検出用接点電極6dと称する。更に、xd=x8,x10,x12で表されるX座標検出ライン3を区画DのX座標検出ライン3dと称する。また、yd=y14,y16,y18,y20,y22,y24で表されるY座標検出ラインを、区画DのY座標検出ライン4dと称する。
以上の通り、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6は、合計72箇所に対を為して配置されている。
X座標検出用接点電極5が設置されている位置も、Y座標検出用接点電極6が設置されている位置も、厳密には座標(xa,ya)等ではないが、以降の説明では簡単のため、座標(xa,ya)の近傍を含めて、X座標検出用接点電極5が配設されている位置も、Y座標検出用接点電極6が配設されている位置も、単に座標(xa,ya)と表すことにする。
m,nを自然数としたときに、X座標がxmである位置に配置された各X座標検出用接点電極5は、Xmで表されるX座標検出ライン3に接続している。同様に、Y座標がynである位置に配置された各Y座標検出用接点電極6は、Ynで表されるY座標検出ライン4に接続している。
上記の様なX座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6との配置のパターンが、本実施形態の特徴の一つである。即ち、本実施形態では、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6の配置は、図2中に破線で示す様に、当該タッチパネルを、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ2分割し、4つの仮想区画に区切って考えられる配置がなされている。各X座標検出ライン3は、1つの仮想区画内に配設されたX座標検出用接点電極5と接続しており、各Y座標検出ライン4は、1つの仮想区画内に配設されたY座標検出用接点電極6と接続している。即ち、各X座標検出ライン3と各Y座標検出ライン4は、それぞれ1つの仮想区画内におけるタッチのみを検出できる様に構成されている。
例えば以下の通りである。X座標がx1乃至x6であり、Y座標がy1乃至y12である仮想区画を仮想区画Aと称する。同様に、X座標がx7乃至x12であり、Y座標がy1乃至y12である仮想区画を仮想区画Bと称する。X座標がx1乃至x6であり、Y座標がy13乃至y24である仮想区画を仮想区画Cと称する。X座標がx7乃至x12であり、Y座標がy13乃至y24である仮想区画を仮想区画Dと称する。これら仮想区画の名称A、B、C及びDは図2に示されている。このとき、X1,X3又はX5で表される区画AのX座標検出ライン3aは、仮想区画Aに配置された区画AのX座標検出用接点電極5aと接続されている。X7,X9又はX11で表される区画BのX座標検出ライン3bは、仮想区画Bに配置された区画BのX座標検出用接点電極5bと接続されている。X2,X4又はX6で表される区画CのX座標検出ライン3cは、仮想区画Cに配置された区画CのX座標検出用接点電極5cと接続されている。X8,X10又はX12で表される区画DのX座標検出ライン3dは、仮想区画Dに配置された区画DのX座標検出用接点電極5dと接続されている。従って、区画AのX座標検出ライン3aから出力される信号は、仮想区画A内におけるタッチされた場所のX座標を表す。同様に、区画BのX座標検出ライン3bから出力される信号は、仮想区画B内におけるタッチされた場所のX座標を表し、区画CのX座標検出ライン3cから出力される信号は、仮想区画C内におけるタッチされた場所のX座標を表し、区画DのX座標検出ライン3dから出力される信号は、仮想区画D内におけるタッチされた場所のX座標を表す。
また同様に、Y1,Y3、Y5,Y7,Y9又はY11で表される区画BのY座標検出ライン4aは、仮想区画Aに配置された区画AのY座標検出用接点電極6aと接続されている。Y2,Y4、Y6,Y8,Y10又はY12で表される区画BのY座標検出ライン4bは、仮想区画Bに配置された区画BのY座標検出用接点電極6bと接続されている。Y13,Y15、Y17,Y19,Y21又はY23で表される区画CのY座標検出ライン4cは、仮想区画Cに配置された区画CのY座標検出用接点電極6cと接続されている。Y14,Y16、Y18,Y20,Y22又はY24で表される区画DのY座標検出ライン4dは、仮想区画Dに配置された区画DのY座標検出用接点電極6dと接続されている。従って、区画AのY座標検出ライン4aから出力される信号は、仮想区画A内におけるタッチされた場所のY座標を表す。同様に、区画BのY座標検出ライン4bから出力される信号は、仮想区画B内におけるタッチされた場所のY座標を表し、区画CのY座標検出ライン4cから出力される信号は、仮想区画C内におけるタッチされた場所のY座標を表し、区画DのY座標検出ライン4dから出力される信号は、仮想区画D内におけるタッチされた場所のY座標を表す。
この様に、例えば、X座標検出用接点電極5は、第1の座標検出部として機能し、例えばY座標検出用接点電極6は、第2の座標検出部として機能し、例えばX座標検出ライン3は、第1の検出ラインとして機能し、例えばY座標検出ライン4は、第2の検出ラインとして機能し、例えば図示しない座標検出用コントローラは、押圧領域座標検出回路として機能する。また、仮想区画A,B,C及びDは、第1及び第2の座標検出部が配置された領域を分割した複数の区画に相当する。
次に本実施形態の動作について説明する。図2に示した本実施形態に係るタッチパネルの2箇所がタッチされた場合を例に挙げて考える。例えば、図3に破線で示す四角形内がタッチされたとする。即ち、xs=x1,x2,x3とし、ys=y1,y2,y3としたときに、座標(xs,ys)で表される位置と、xt=x7,x8,x9とし、yt=y18,y19,y20としたときに、座標(xt,yt)で表される位置との2群の箇所がタッチされたとする。このとき、図3中の黒く塗り潰したX座標検出用接点電極5が対向電極7と導通し、Y座標検出用接点電極6が、対向電極7と導通する。即ち、xu=x1,x3とし、yu=y1,y3としたときに、座標(xu,yu)で表される位置にあるX座標検出用接点電極5が対向電極7と導通し、Y座標検出用接点電極6が対向電極7と導通する。また、xv=x8とし、yv=y18,y20としたときに、座標(xv,yv)で表される位置にあるX座標検出用接点電極5が対向電極7と導通し、Y座標検出用接点電極6が、対向電極7と導通する。尚、X座標検出ライン3とY座標検出ライン4は十分に密に配置されているので、使用者が1箇所をタッチしているつもりでも、通常はこの例の様に、群を成す複数個のX座標検出用接点電極5が対向電極7と導通し、群を成す複数個のY座標検出用接点電極6が、対向電極7と導通する。
この場合、X座標検出ライン3の出力に注目すると、X座標検出ラインX1,X3及びX8の電位が、対向電極7の電位と等電位になる。また、Y座標検出ライン4の出力に注目すると、Y座標検出ラインY1,Y3,Y18及びY20の電位が、対向電極7の電位と等電位になる。
このX座標検出ライン3とY座標検出ライン4の電位を入力した図示しない座標検出用コントローラは、以下の様にタッチされた点を特定する。即ち、対向電極7の電位と等電位になるX座標検出ラインX1,X3及びX8、並びに、Y座標検出ラインY1,Y3,Y18及びY20について、X座標検出ラインX1と交差するY座標検出ラインY1,Y3,Y18及びY20のうち、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6が配置されているのは、座標(x1,y1)と座標(x1,y3)である。また、X座標検出ラインX3と交差するY座標検出ラインY1,Y3,Y18及びY20のうち、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6が配置されているのは、座標(x3,y1)と座標(x3,y3)である。また、X座標検出ラインX8と交差するY座標検出ラインY1,Y3,Y18及びY20のうち、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6が配置されているのは、座標(x8,y18)と座標(x8,y20)である。従って、以上の情報から当該座標検出用コントローラは、タッチされているのは座標(xu,yu)と座標(xv,yv)とで表される、座標(x1,y1)、(x1,y3)、(x3,y1)、及び(x3,y3)と、(x8,y18)及び(x8,y20)とであると特定する。
本実施形態の効果を、図4に示すX座標検出ラインX1乃至X12及びY座標検出ラインY1乃至Y24の全ての交点に対応する位置に、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6が配設されている場合(比較例)と比較して説明する。図3を参照して説明した場合と同じく、比較例において、図4に示す破線で示す四角形内、即ち座標(xs,ys)と座標(xt,yt)で表される部分がタッチされたとする。このとき、図4中に黒く塗り潰した、座標(xs,ys)と座標(xt,yt)で表される位置に配置された、X座標検出用接点電極5が対向電極7と導通し、Y座標検出用接点電極6が対向電極7と導通する。その結果、X座標検出ラインX1,X2,X3,X7,X8及びX9が対向電極7の電位と等電位になり、Y座標検出ラインY1,Y2,Y3,Y18,Y19及びY20の電位が対向電極7の電位と等電位になる。
このとき座標検出用コントローラは、座標(xs,ys)と、(xs,yt)と、(xt,ys)と、(xt,yt)との4つの群を成す箇所(1群あたり9点有するので、計36点)がタッチされたと判定する。つまり、実際にタッチされた座標(xs,ys)で表される9点と、座標(xt,yt)で表される9点のみならず、図4中のX座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6に斜線を付した、座標(xs,yt)で表される9点と、座標(xt,ys)で表される9点もタッチされたと判定する。つまり座標検出用コントローラは、誤検出をする。
この様に、X軸方向及びY軸方向に対して斜め方向に離れて位置する2つの群を成す箇所がタッチされたとき、比較例では、座標検出用コントローラは、4つの群を成す箇所がタッチされたと誤検出する。これに対して、本実施形態に依れば、座標検出用コントローラは、タッチされた2つの群を成す箇所の位置を正しく検出することができる。
また図5に示す通り、座標(x1,y1)、(x1,y2)、(x2,y1)及び(x2,y2)、並びに、座標(x8,y2)、(x8,y3)、(x9,y2)及び(x9,y3)がタッチされたときを考える。このとき、本実施形態に依れば前記と同様に、座標(x1,y1)と座標(x9,y2)がタッチされたと判定される。一方、X座標検出ライン3とY座標検出ライン4の全ての交点に対応する位置にX座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6が配置されている比較例では、図6に示す通り前記と同様に、座標(x1,y1)、(x1,y2)、(x1,y3)、(x2,y1)、(x2,y2)、及び(x2,y3)、並びに、座標(x8,y1)、(x8,y2)、(x8,y3)、(x9,y1)、(x9,y2)及び(x9,y3)がタッチされたと検出される。この様に、X軸方向に離れて位置する2つの群を成す箇所がタッチされたとき、本実施形態の場合も、比較例の場合も正しくタッチされた箇所が検出される。同様に、Y軸方向に離れて位置する2つの群を成す箇所がタッチされたとき、本実施形態の場合も、比較例の場合も正しくタッチされた箇所が検出される。
尚、本実施形態に依れば、区画A、区画B、区画C及び区画D内のそれぞれ1つの群を成す箇所がタッチされた場合、最大で4箇所のタッチ位置を検出することができる。
以上の通り、本実施形態に依れば、X軸方向及びY軸方向に対して斜め方向に並ぶ2つの群を成す箇所が同時にタッチされた場合も、タッチされた位置を正しく検出することができる。
尚、タッチパネルの検知部分の構成は、本実施形態で示した、タッチされたときに接点電極が対向電極に導通するものに限らず、公知の静電容量方式、電磁誘導方式、又はその他の方式により構成されたタッチパネルを用いても良い事は勿論である。
[第1の実施形態の変形例]
次に、本発明の第1の実施形態の変形例について説明する。ここで本変形例の説明では、第1の実施形態との相違点に限定して説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本変形例でも、第1の実施形態と同様に、各X座標検出ライン3は、1つの仮想区画内に配設されたX座標検出用接点電極5と接続しており、各Y座標検出ライン4は、1つの仮想区画内に配設されたY座標検出用接点電極6と接続している。
例えば、X1,X3又はX5で表される区画AのX座標検出ライン3aは、仮想区画Aに配置された区画AのX座標検出用接点電極5aと接続されている。X7,X9又はX11で表される区画BのX座標検出ライン3bは、仮想区画Bに配置された区画BのX座標検出用接点電極5bと接続されている。X2,X4又はX6で表される区画CのX座標検出ライン3cは、仮想区画Cに配置された区画CのX座標検出用接点電極5cと接続されている。X8,X10又はX12で表される区画DのX座標検出ライン3dは、仮想区画Dに配置された区画DのX座標検出用接点電極5dと接続されている。Y座標検出ライン4についても同様に、Y1,Y3、Y5,Y7,Y9又はY11で表される区画AのY座標検出ライン4aは、仮想区画Aに配置された区画AのY座標検出用接点電極6aと接続されている。Y2,Y4、Y6,Y8,Y10又はY12で表される区画BのY座標検出ライン4bは、仮想区画Bに配置された区画BのY座標検出用接点電極6bと接続されている。Y13,Y15、Y17,Y19,Y21又はY23で表される区画CのY座標検出ライン4cは、仮想区画Cに配置された区画CのY座標検出用接点電極6cと接続されている。Y14,Y16、Y18,Y20,Y22又はY24で表される区画DのY座標検出ライン4dは、仮想区画Dに配置された区画DのY座標検出用接点電極6dと接続されている。
本変形例では、図7に示す様に、上記の関係を維持しつつ、前記第1の実施形態よりもX座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6の数を増加させている。即ち、例えば前記第1の実施形態では、座標(x1、y2)や座標(x1、y4)等にはX座標検出用接点電極5は配置されていない。これに対して本変形例では、例えば座標(x1、y2)や座標(x1、y4)等にも区画AのX座標検出用接点電極5aが配置されている。そして、それら区画AのX座標検出用接点電極5aは、それぞれ区画AのX座標検出ライン3aと接続している。また同様に、例えば座標(x2、y1)や座標(x4、y1)等にも区画AのY座標検出用接点電極6aが配置されている。そして、それら区画AのY座標検出用接点電極6aは、それぞれ区画AのY座標検出ライン4aに接続されている。
この様に例えば、X1,X3又はX5で表される区画AのX座標検出ライン3aそれぞれと、仮想区画A内を通るY座標検出ライン4との、全ての交点に対応する位置に、区画AのX座標検出用接点電極5aは配置されている。また同様に例えば、Y1,Y3、Y5,Y7,Y9又はY11で表されるY座標検出ライン4aそれぞれと、仮想区画A内を通るX座標検出ライン3との、全ての交点に対応する位置に、区画AのY座標検出用接点電極6aが配置されている。その他の部分についても同様に、区画BのX座標検出用接点電極5bが配置され、区画BのX座標検出用接点電極5bは、それぞれ区画BのX座標検出ライン3bと接続されている。また、区画CのX座標検出用接点電極5cが配置され、区画CのX座標検出用接点電極5cは、それぞれ区画CのX座標検出ライン3cと接続されている。また、区画DのX座標検出用接点電極5dが配置され、区画DのX座標検出用接点電極5dは、それぞれ区画DのX座標検出ライン3dと接続されている。また同様に、区画BのY座標検出用接点電極6bが配置され、区画BのY座標検出用接点電極6bは、それぞれ区画BのY座標検出ライン4bに接続されている。また、区画CのY座標検出用接点電極6cが配置され、区画CのY座標検出用接点電極6cは、それぞれ区画CのY座標検出ライン4cに接続されている。区画DのY座標検出用接点電極6dが配置され、区画DのY座標検出用接点電極6dは、それぞれ区画DのY座標検出ライン4dに接続されている。
本変形例に依っても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。例えば、第1の実施形態の図3に相当する図8に示す様に、破線で示す四角形内がタッチされた場合を考える。即ち、座標(xs,ys)と座標(xt,yt)とで表される位置がタッチされた場合を考える。ここで、xs=x1,x2,x3であり、ys=y1,y2,y3であり、xt=x7,x8,x9であり、yt=y18,y19,y20である。この場合、X座標検出ラインX1,X3及びX8の電位が、対向電極7の電位と等電位になり、また、Y座標検出ラインY1,Y3,Y18及びY20の電位が、対向電極7の電位と等電位になる。従って、第1の実施形態の場合と同様に、座標検出用コントローラは、座標(xu,yu)と座標(xv,yv)とで表される箇所がタッチされていると判定できる。ここで、xu=x1,x3であり、ys=y1,y3であり、xv=x8であり、yv=y18,y20である。
この様に、本変形例に依っても、X軸方向及びY軸方向に対して斜め方向に離れて位置する2つの群を成す箇所が同時にタッチされた場合も、タッチされた位置を正しく検出できる。本変形例は、前記第1の実施形態と比較して接点数が増加している分、X座標検出ライン3とY座標検出ライン4から出力される信号が安定するという効果を奏する。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。ここで本実施形態の説明では、前記第1の実施形態との相違点に限定して説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。第1の実施形態においては、当該タッチパネルは、4区画の仮想区画に区切られている。これに対して本実施形態では、当該タッチパネルは、12区画の仮想区画に区切られている。
図9に示す通り、本実施形態において、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6は、座標(x1,y1)、(x1,y5)、(x4,y2)、(x4,y6)、(x7,y7)、(x10,y4)、(x10,y8)、(x2,y9)、(x2,y13)、(x5,y10)、(x5,y14)、(x8,y11)、(x8,y15)、(x11,y12)、(x11,y16)、(x3,y17)、(x3,y21)、(x6,y18)、(x6,y22)、(x9,y19)、(x9,y23)、(x12,y20)、及び(x12,y24)に配置されている。そして、m,nを自然数としたときに、X座標がxmである位置に配置された各X座標検出用接点電極5は、Xmで表されるX座標検出ライン3に接続している。同様に、Y座標がynである位置に配置された各Y座標検出用接点電極6は、Ynで表されるY座標検出ライン4に接続している。
従って、以下の通りである。Y座標検出ラインY1乃至Y8と、X座標検出ラインX1乃至X3とが交差する仮想区画を仮想区画Aとし、Y座標検出ラインY1乃至Y8と、X座標検出ラインX4乃至X6とが交差する仮想区画を仮想区画Bとし、Y座標検出ラインY1乃至Y8と、X座標検出ラインX7乃至X9とが交差する仮想区画を仮想区画Cとし、Y座標検出ラインY1乃至Y8と、X座標検出ラインX10乃至X12とが交差する仮想区画を仮想区画Dとする。同様に、Y座標検出ラインY9乃至Y16と、X座標検出ラインX1乃至X3とが交差する仮想区画を仮想区画Eとし、Y座標検出ラインY9乃至Y16と、X座標検出ラインX4乃至X6とが交差する仮想区画を仮想区画Fとし、Y座標検出ラインY9乃至Y16と、X座標検出ラインX7乃至X9とが交差する仮想区画を仮想区画Gとし、Y座標検出ラインY9乃至Y16と、X座標検出ラインX10乃至X12とが交差する仮想区画を仮想区画Hとする。同様に、Y座標検出ラインY17乃至Y24と、X座標検出ラインX1乃至X3とが交差する仮想区画を仮想区画Iとし、Y座標検出ラインY17乃至Y24と、X座標検出ラインX4乃至X6とが交差する仮想区画を仮想区画Jとし、Y座標検出ラインY17乃至Y24と、X座標検出ラインX7乃至X9とが交差する仮想区画を仮想区画Kとし、Y座標検出ラインY17乃至Y24と、X座標検出ラインX10乃至X12とが交差する仮想区画を仮想区画Lとする。
本実施形態では、X1で表される区画AのX座標検出ライン3aは仮想区画Aに配置された区画AのX座標検出用接点電極5aと接続している。以下同様に、X2で表される区画AのX座標検出ライン3eは仮想区画Eに配置された区画EのX座標検出用接点電極5eと、X3で表される区画AのX座標検出ライン3iは仮想区画Iに配置された区画IのX座標検出用接点電極5iと、X4で表される区画AのX座標検出ライン3bは仮想区画Bに配置された区画BのX座標検出用接点電極5bと、X5で表される区画AのX座標検出ライン3fは仮想区画Fに配置された区画FのX座標検出用接点電極5fと、X6で表される区画AのX座標検出ライン3jは仮想区画Jに配置された区画JのX座標検出用接点電極5jと、X7で表される区画AのX座標検出ライン3cは仮想区画Cに配置された区画CのX座標検出用接点電極5cと、X8で表される区画AのX座標検出ライン3gは仮想区画Gに配置された区画GのX座標検出用接点電極5gと、X9で表される区画AのX座標検出ライン3kは仮想区画Kに配置された区画KのX座標検出用接点電極5kと、X10で表される区画AのX座標検出ライン3dは仮想区画Dに配置された区画DのX座標検出用接点電極5dと、X11で表される区画AのX座標検出ライン3hは仮想区画Hに配置された区画HのX座標検出用接点電極5hと、X12で表される区画AのX座標検出ライン3lは仮想区画Lに配置された区画LのX座標検出用接点電極5lと、それぞれ接続している。
また、Y1又はY5で表される区画AのY座標検出ライン4aは仮想区画Aに配置された区画AのY座標検出用接点電極6aと接続している。以下同様に、Y2又はY6で表される区画BのY座標検出ライン4bは仮想区画Bに配置された区画BのY座標検出用接点電極6bと、Y3又はY7で表される区画CのY座標検出ライン4cは仮想区画Cに配置された区画CのY座標検出用接点電極6cと、Y4又はY8で表される区画DのY座標検出ライン4dは仮想区画Dに配置された区画DのY座標検出用接点電極6dと、Y9又はY13で表される区画EのY座標検出ライン4eは仮想区画Eに配置された区画EのY座標検出用接点電極6eと、Y10又はY14で表される区画FのY座標検出ライン4fは仮想区画Fに配置された区画FのY座標検出用接点電極6fと、Y11又はY15で表される区画GのY座標検出ライン4gは仮想区画Gに配置された区画GのY座標検出用接点電極6gと、Y12又はY16で表される区画HのY座標検出ライン4hは仮想区画Hに配置された区画HのY座標検出用接点電極6hと、Y17又はY21で表される区画IのY座標検出ライン4iは仮想区画Iに配置された区画IのY座標検出用接点電極6iと、Y18又はY22で表される区画JのY座標検出ライン4jは仮想区画Jに配置された区画JのY座標検出用接点電極6jと、Y19又はY23で表される区画KのY座標検出ライン4kは仮想区画Kに配置された区画KのY座標検出用接点電極6kと、Y20又はY24で表される区画LのY座標検出ライン4lは仮想区画Lに配置された区画LのY座標検出用接点電極6lと、それぞれ接続している。
本実施形態における動作を説明する。例えば、第1の実施形態の図3に相当する図10に示す様に、破線で示す四角形内がタッチされた場合を考える。即ち、座標(xs,ys)と座標(xt,yt)で表される位置がタッチされた場合を考える。ここで、xs=x1,x2,x3であり、ys=y1,y2,y3であり、xt=x7,x8,x9であり、yt=y18,y19,y20である。この場合、図10中で黒く塗り潰した、座標(x1,y1)と座標(X9,y19)に配置された、X座標検出用接点電極5が対向電極7と導通し、Y座標検出用接点電極6が対向電極7と導通する。このとき、X座標検出ライン3の電位に注目すると、X座標検出ラインX1及びX9が対向電極7の電位と等電位になり、Y座標検出ライン4の電位に注目すると、Y座標検出ラインY1及びY19の電位が対向電極7の電位と等電位になる。これらの電位信号を入力した座標検出用コントローラは、第1の実施形態の場合と同様に、座標(x1、y1)と座標(x9、y19)がタッチされたと判定できる。
本実施形態に依れば、X軸方向及びY軸方向に対して斜め方向に離れて位置する2つの群を成す箇所が同時にタッチされた場合も、タッチされた位置を正しく検出することができる。そして、12区画の仮想区画内のそれぞれ12の群を成す箇所がタッチされた場合、最大で12の群を成す箇所のタッチ位置を、正しく検出することができる。
また、第1の実施形態の変形例と同様に、前記した各仮想区画と、各X座標検出ライン3が接続するX座標検出用接点電極5との配置の関係を維持したまま、また、各仮想区画と、各Y座標検出ライン4が接続するY座標検出用接点電極6との配置の関係とを維持したまま、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6の数を増加させることもできる。例えば、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6を図11に示す様に配置しても良い。本変形例も、第1の実施形態の変形例と同様に、第2の実施形態と比較して接点数が増加している分、X座標検出ライン3とY座標検出ライン4から出力される信号が安定するという効果を奏する。
各X座標検出ライン3に接続するX座標検出用接点電極5の配置と、Y座標検出ライン4に接続するY座標検出用接点電極6の配置とを考えるにあたって、第1の実施形態では4つの仮想区画に区切り、第2の実施形態では12の仮想区画に区切っている。然し乍、この仮想区画の数は、4区画や12区画に限らず、いくつでも良い。また、仮想区画を区切るにあたって、前記実施形態の様に、X座標検出ライン3又はY座標検出ライン4と平行に区切らなくとも良く、斜めに区切っても、曲線で区切っても良い。また、各仮想区画の面積は、それぞれ異なっていても良い。但し、各X座標検出ライン3は、1つの仮想区画内に配置されたX座標検出用接点電極5と接続し、各Y座標検出ライン4は、1つの仮想区画内に配置されたY座標検出用接点電極6と接続している。この場合も前記第1の実施形態、又は第2の実施形態と同様の効果が得られる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。ここで本実施形態の説明では、第1の実施形態との相違点に限定して説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。例えば図4に示した比較例のタッチパネルの様に、X座標検出ライン3とY座標検出ライン4の全て交点に対応する位置の近傍に、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6が配置されている比較例の場合と比べると、第1の実施形態に係るタッチパネルは、次の特徴がある。即ち、第1の実施形態に係るタッチパネルは、複数のタッチ位置を正確に検出できる。一方で、接点電極数が削減されているため、第1の実施形態に係るタッチパネルは、前記比較例に係るタッチパネルに比べて検出分解能が劣る。
これに対して、本実施形態に係るタッチパネルは、第1の実施形態に係るタッチパネルと前記比較例に係るタッチパネルとの長所を兼ね備える。即ち、X座標検出ライン3とY座標検出ライン4の全ての交点に対応する位置の近傍に、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6を配置し、1箇所(1つの群を成す箇所)のみのタッチを検出するシングルタッチモードと、複数箇所(複数の群を成す箇所)のタッチを検出するマルチタッチモードとで、使用するX座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6を切替える構成とする。
本実施形態に係る後側基板2上の構成の模式図を図12に示す。本実施形態において、X座標検出ライン3とY座標検出ライン4は、第1の実施形態と同様に配置されている。そして、第1の実施形態においてX座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6が配置されている位置に、第1のX座標検出用接点電極51及び第1のY座標検出用接点電極61が配置されている。即ち、第1のX座標検出用接点電極51及び第1のY座標検出用接点電極61は、xa=x1,x3,x5とし、ya=y1,y3,y5,y7,y9,y11としたときに、座標(xa,ya)で表される18点と、xb=x7,x9,x11とし、yb=y2,y4,y6,y8,y10,y12としたときに、座標(xb,yb)で表される18点と、xc=x2,x4,x6とし、yc=y13,y15,y17,y19,y21,y23としたときに、座標(xc,yc)で表される18点と、xd=x8,x10,x12とし、yd=y14,y16,y18,y20,y22,y24としたときに、座標(xd,yd)で表される18点とに配置されている。ここで第1のX座標検出用接点電極51と第1のY座標検出用接点電極61そのものの構成は、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6の構成と同じである。
そして、m,nを自然数としたときに、X座標がxmである位置に配置された各第1のX座標検出用接点電極51は、Xmで表されるX座標検出ライン3に接続されている。同様に、Y座標がynである位置に配置された各第1のY座標検出用接点電極61は、Ynで表されるY座標検出ライン4に接続されている。
一方、X座標検出ライン3とY座標検出ライン4の交点に対応する位置の近傍であり、第1のX座標検出用接点電極51と第1のY座標検出用接点電極61が配置されていない位置には、第2のX座標検出用接点電極52と第2のY座標検出用接点電極62が配置されている。第2のX座標検出用接点電極52と第2のY座標検出用接点電極62そのものの構成は、第1のX座標検出用接点電極51と第1のY座標検出用接点電極61の構成と同じである。但し、この各第2のX座標検出用接点電極5bは、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ8(以下モード切替TFT8と称する)を介して、それぞれX座標検出ライン3に接続されており、第2のY座標検出用接点電極6bも、切替TFT8を介して、それぞれY座標検出ライン4に接続されている。ここで、第2のX座標検出用接点電極52又は第2のY座標検出用接点電極62は、モード切替TFT8のソース端子に接続されており、X座標検出ライン3又はY座標検出ライン4は、モード切替TFT8のドレイン端子に接続されている。また、各モード切替TFT8のゲート端子には、モード切替ライン9が接続されている。モード切替ライン9には、モード切替信号が入力される。
この様に、例えば第1のX座標検出用接点電極51は、第1の座標検出部として機能し、例えば第1のY座標検出用接点電極61は、第2の座標検出部として機能し、例えば第2のX座標検出用接点電極52は、第3の座標検出部として機能し、例えば第2のY座標検出用接点電極62は、第4の座標検出部として機能し、例えばX座標検出ライン3は、第1の検出ラインとして機能し、例えばY座標検出ライン4は、第2の検出ラインとして機能し、例えばモード切替TFT8は、第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子として機能する。
次に、本実施形態に係るタッチパネルの動作を説明する。複数の群を成す箇所のタッチを検出するマルチタッチモードでは、モード切替ライン9に入力するモード切替信号をローレベルにする。このとき、モード切替TFT8はOFF状態となる。その結果、第2のX座標検出用接点電極52とX座標検出ライン3とは電気的に切断され、第2のY座標検出用接点電極62とY座標検出ライン4とは電気的に切断される。従ってマルチタッチモードでは、第1のX座標検出用接点電極51は、X座標検出ライン3に電気的に接続しており、一方で第2のX座標検出用接点電極52は、X座標検出ライン3に電気的に接続していない。同様にマルチタッチモードでは、第1のY座標検出用接点電極61は、Y座標検出ライン4に電気的に接続しており、一方で第2のY座標検出用接点電極62は、Y座標検出ライン4に電気的に接続していない。以上のことからマルチタッチモードでは、当該タッチパネルは、第1の実施形態と同様に機能する。
一方、1つの群を成す箇所のタッチを検出するシングルタッチモードでは、モード切替ライン9に入力するモード切替信号をハイレベルにする。このとき、モード切替TFT8はON状態となる。その結果、第2のX座標検出用接点電極5bは、X座標検出ライン3と電気的に接続し、第2のY座標検出用接点電極6bは、Y座標検出ライン4と電気的に接続する。従ってシングルタッチモードでは、X座標検出ライン3には、第1のX座標検出用接点電極51、及び第2のX座標検出用接点電極52が電気的に接続する。同様に、Y座標検出ライン4には、第1のY座標検出用接点電極61、及び第2のY座標検出用接点電極62が電気的に接続する。
以上のことからシングルタッチモードでは、当該タッチパネルは、X座標検出ライン3とY座標検出ライン4の全ての交点に対応する位置の近傍に、タッチを検出するためのX座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6が配置されている状態になる。即ち、シングルタッチモードでは、先に説明したモード切替TFT8がOFF状態のマルチタッチモードのときと比較して、タッチ位置の検出の分解能が向上する。
本実施形態に依れば、当該タッチパネルを以下の様に使用できる。例えば、表示装置に表示した画像の複数箇所を選択する必要があるとき等、複数箇所の検出が必要となる状況では、モード切替TFT8をOFF状態にする。このモード切替TFT8がOFF状態のマルチタッチモードでは、分解能は犠牲になるものの複数群のタッチを正確に検出できる。一方で、例えば手書き文字入力等、一群のタッチされた位置が検出されればよいが、検出位置の分解能が必要な状況では、モード切替TFT8をON状態にする。このモード切替TFT8がON状態のシングルタッチモードでは、マルチタッチモードと比較して分解能が向上する。
以上の通り本実施形態に依れば、当該タッチパネルは、複数の群を成す箇所のタッチ位置を検出する正確さと、1つの群を成す箇所のタッチ位置を検出する分解能とを、使用状況に応じて選択できる。
尚、本実施形態の説明では、第1のX座標検出用接点電極51と第1のY座標検出用接点電極61の配置は、第1の実施形態と同じと説明したが、勿論第2の実施形態と同様に配置しても良いし、それらの変形例と同様に配置しても良い。各X座標検出ライン3は、1つの仮想区画内に配置された第1のX座標検出用接点電極51と接続し、各Y座標検出ライン4は、1つの仮想区画内に配置された第1のY座標検出用接点電極61と接続しているという関係を維持していればその他の配置としても、同様である。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。ここで本実施形態の説明では、第1の実施形態との相違点に限定して説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態は、第1の実施形態に係るタッチパネルを、液晶表示装置内に構築した実施形態である。
本実施形態に係る液晶表示装置の概略を図13に示す。本液晶表示装置は、タッチパネル機能を有する液晶表示パネル100と、ドライバ素子130と、コモン信号発生回路133と、表示用コントローラ134と、座標検出用コントローラ136と、メインコントローラ138とを有する。
液晶表示パネル100は、薄膜トランジスタ(TFT)をアクティブ素子としたアクティブマトリックス型の液晶表示パネルである。ここでは、本実施形態に係る液晶表示装置は、水平方向に240画素、垂直方向に320画素を有する縦置きのQVGA(以下、QVGAポートレートと称する)の表示パネルである。液晶表示パネル100は、液晶層を挟んで互いに対向する後側基板102と前側基板101とを有する。図示しないバックライトから出射した光は、液晶表示パネル100を後側基板102から前側基板101に向けて透過し、使用者に到達する。本実施形態の説明では、前側基板101側を観察側、後側基板102側をバックライト側と定義する。
後側基板102の観察側の面の画面エリア120内の領域には、複数の透明な画素電極125が形成されている。例えば画素電極125は、図14に示す様に、行方向(水平方向;X軸方向)及び列方向(垂直方向;Y軸方向)に配列されている。各画素電極125は、行方向の電極幅が列方向の電極長さよりも小さい、縦長の矩形形状を有している。各画素電極125は、スイッチング素子として働く表示用薄膜トランジスタ(表示用TFT)126のドレイン端子にそれぞれ接続されている。各表示用TFT126は、前記縦長の矩形形状を有する各画素電極125の、一隅角(例えば図14における左下隅)に配置されている。
また、後側基板102の観察側の面には、各画素電極125の行方向に沿って、行毎に走査線123が形成されている。各行の走査線123は、画素電極125の表示用TFT126が配置された側の端(図14において各画素電極125の下端側)に沿わせて設けられており、当該走査線123に沿って配置された表示用TFT126の各ゲート端子に接続されている。
更に、後側基板102の観察側の面には、各画素電極125の列方向に沿って、列毎に信号線124が形成されている。各列の信号線124は、画素電極125の表示用TFT126が配置された側の端(図14において各画素電極125の左端側)に沿わせて設けられており、当該信号線124に沿って配置された表示用TFT126の各ソース端子に接続されている。
また、後側基板102の一端部を前側基板101の外方に張り出して形成されたドライバ搭載部102aには、ドライバ素子130が、図13に示す様に搭載されている。このドライバ素子130は、図14に示す様に、走査ドライバ131とデータドライバ132とが形成された、LSI(Large Scale Integrated Circuit;大規模集積回路)からなる。各走査線123は、ドライバ搭載部102aに導出されて(図示せず)、走査ドライバ131の各出力端子に接続されており、各信号線124は、同様にドライバ搭載部102aに導出されて(図示せず)、データドライバ132の各出力端子に接続されている。
前側基板101のバックライト側には、複数の画素電極125と対向する一枚膜状の透明な対向電極107が形成されている。対向電極107は、コモン信号発生回路133に接続されており、対向電極107の電位は、コモン信号発生回路133により制御される。
本液晶表示パネル100は、第1の実施形態に係るタッチパネルが組み込まれている。ここで、後側基板102は、後側基板2に相当し、前側基板101は、前側基板1に相当し、対向電極107は、対向電極7に相当する。後側基板102の観察側には、例えば図14に示す様に、X軸方向に並ぶ3つの画素電極125毎に、垂直方向にX座標検出ライン3が配設されている。即ち、赤、緑及び青の3色からなる1画素毎に、1本のX座標検出ライン3が配設されている。また、Y軸方向に並ぶ1つの画素電極125毎に、水平方向にY座標検出ライン4が配設されている。
この各X座標検出ライン3は、図14に示す様に、列方向に配列した各画素電極125と、当該画素電極125と隣り合う列の各画素電極125に接続された表示用TFT126にデータ信号を供給する信号線124との間に、信号線124と平行に形成されている。言い換えると、各X座標検出ライン3は、各画素電極125の当該画素電極125に接続された表示用TFT126にデータ信号を供給する信号線124が形成されている側と反対側であり、当該画素電極125と隣接する位置に、信号線124と平行に形成されている。また、各Y座標検出ライン4は、前記行方向に配列された各画素電極125と、当該画素電極125と隣り合う行の各画素電極125に接続された表示用TFT126にゲート信号を供給する走査線123との間に、走査線123と平行に形成されている。言い換えると、各Y座標検出ライン4は、各画素電極125の当該画素電極125に接続された表示用TFT126にゲート信号を供給する走査線123が形成されている側と反対側であり、当該画素電極125に隣接する位置に、走査線123と平行に形成されている。
X座標検出ライン3には、X座標検出用接点電極5が接続されており、Y座標検出ライン4には、Y座標検出用接点電極6が接続されている。このX座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6の配置パターンは、第1の実施形態と同様の配置パターンである。即ち、QVGAポートレートの表示パネルであり、水平方向に240、垂直方向に320ある画素を、水平方向及び垂直方向にそれぞれ2分割して、4つの仮想区画に分けたときを考える。このとき、各X座標検出ライン3に接続されているX座標検出用接点電極5は、前記4つの仮想区画のうち何れか1つの仮想区画内に配置されたものに限られている。同様に、各Y座標検出ライン4に接続されているY座標検出用接点電極6は、前記4つの仮想区画のうち何れか1つの仮想区画内に配置されたものに限られている。
また、X座標検出用接点電極5と対向電極107との間、及びY座標検出用接点電極6と対向電極107との間には間隙が設けられている。本表示装置の使用者により、前側基板101が観察側から押圧されて撓むと、対向電極107とその部分に存在するX座標検出用接点電極5とが導通する。その結果、対向電極107と導通したX座標検出用接点電極5、及びその接点電極に接続するX座標検出ライン3は、対向電極107と等電位になる。また、対向電極107とその部分に存在するY座標検出用接点電極6とが導通する。その結果、対向電極107と導通したY座標検出用接点電極6、及びその接点電極に接続するY座標検出ライン4は、対向電極107と等電位になる。
更に、後側基板102の観察側の面上であり、画面エリア120の領域外(図14において画面エリア120の右側の領域)である領域には、複数のX座標検出用薄膜トランジスタ(X座標検出用TFT)108、及び複数のY座標検出用薄膜トランジスタ(Y座標検出用TFT)109が形成されている。各Y座標検出用TFT109は、画面エリア120の領域外のうち、画面エリア120と隣接する部分に、X座標検出ライン3が伸展する方向と平行な方向に1列に並べて配置されている。各Y座標検出用TFT109が配置される間隔は、各Y座標検出ライン4の間隔と同程度である。
一方、前記各X座標検出用TFT108は、前記各Y座標検出用TFT109の画面エリア120からみて更に外側となる位置に、前記各Y座標検出用TFT109とそれぞれ隣り合わせに、1列に並べて配置されている。
X座標検出用TFT108は、X座標検出ライン3と同じ数存在する。各X座標検出用TFT108のソース端子は、それぞれ別々のX座標検出ライン3に接続されている。ここで、X座標検出ライン3とX座標検出用TFT108とは、前記画面エリア120の外側で引き回された延長ライン115により接続している。また、各X座標検出用TFT108のゲート端子は、それぞれ別々の走査線123に、延長ライン110を介して接続している。各X座標検出用TFT108のドレイン端子は、X座標検出用出力ライン111に接続されている。このX座標検出用出力ライン111は、外部回路接続端子113に接続されている。この外部回路接続端子113は、ドライバ搭載部102a(図13参照)に設けられている。
一方、Y座標検出用TFT109は、Y座標検出ライン4と同じ数存在する。各Y座標検出用TFT109のソース端子は、それぞれ別々のY座標検出ライン4に接続されている。また、各Y座標検出用TFT109のゲート端子は、それぞれ別々の走査線123に、延長ライン110を介して接続されている。各Y座標検出用TFT109のドレイン端子は、Y座標検出用出力ライン112に接続されている。このY座標検出用出力ライン112は、X座標検出用出力ライン111と同様に、ドライバ搭載部102aに設けられた外部回路接続端子114に接続されている。
尚、本液晶表示パネル100は、前記液晶層の液晶分子を、後側基板102及び前側基板101の間において液晶分子をツイスト配向させたツイステッドネマティック(TN)型若しくはスーパーツイステッドネマティック(STN)型、液晶分子を後側基板102及び前側基板101の面に対して垂直に配向させた垂直配向型(Vertical Alignment方式;VA方式)、横電界型のIn−Plane Switching方式(IPS方式)の液晶パネルを含む液晶分子の分子長軸を一方向に揃えて後側基板102に平行に配向させた水平配向型、液晶分子をベンド配向させるベンド配向型(Optically Compensated Birefringenece方式;OCB方式)、又は強誘電性若しくは反強誘電性液晶表示パネル等、種々の液晶表示パネルのうち何れでも良い。また、ポリマーネットワーク型液晶表示パネルでも良い。
図13に示す様に、ドライバ素子130の走査ドライバ131とデータドライバ132とは、前記した液晶表示パネル100に接続される外部回路の表示用コントローラ134に接続されている。また、対向電極107に電圧を印加するコモン信号発生回路133は、表示用コントローラ134に接続されている。また、X座標検出用出力ライン111の外部回路接続端子113は、前記した座標検出用コントローラ136に接続し、同様にY座標検出用出力ライン112の外部回路接続端子114は、座標検出用コントローラ136に接続されている。座標検出用コントローラ136は、前記第1乃至第3の実施形態に係る図示しない座標検出用コントローラと同様のものである。これら表示用コントローラ134と座標検出用コントローラ136とは、それぞれ、それらを制御するメインコントローラ138と接続している。
この様に、例えば画素電極125は、画素電極として機能し、例えば対向電極107は、対向電極として機能し、例えばX座標検出用接点電極5は、第1の接点電極として機能し、例えばY座標検出用接点電極6は、第2の接点電極として機能し、例えばX座標検出ライン3は、第1の検出ラインとして機能し、例えばY座標検出ライン4は、第2の検出ラインとして機能し、例えばX座標検出用TFT108は、第1の座標検出用薄膜トランジスタとして機能し、例えばY座標検出用TFT109は、第2の座標検出用薄膜トランジスタとして機能し、例えばX座標検出用出力ライン111は、第1の出力ラインとして機能し、例えばY座標検出用出力ライン112は、第2の出力ラインとして機能し、例えば座標検出用コントローラ136は、押圧領域座標検出回路として機能する。
次に、本実施形態に係る液晶表示装置の動作を説明する。液晶表示パネル100において、コモン信号発生回路133から出力されたコモン信号(Vcom信号)は、対向電極107に印加される。表示用コントローラ134の走査ドライバ131は、各走査線123を順次選択し、選択した走査線123に、表示用TFT126をONさせるゲート信号を、選択期間印加する。また、表示用コントローラ134のデータドライバ132は、各信号線124に、前記Vcom信号に対して画像データに対応した電位差をもつデータ信号を、走査線123の選択期間印加する。液晶表示パネル100は、上記の通り表示駆動される。尚、本実施形態では、液晶表示パネル100の表示駆動方式に、各走査線123の選択期間毎に、対向電極107に印加するVcom信号の電圧を、ハイレベル(以下、Hレベルという)とローレベル(以下、Lレベルという)とに反転させるライン反転方式を用いている。
次に、液晶表示パネル100のタッチパネルとしての動作を説明する。ここで、図14からタッチパネル機能に関する構成を抜粋した回路構成の概略を、図15に示す。各走査線123、各X座標検出用TFT108、各Y座標検出用TFT109、各X座標検出ライン3、及び各Y座標検出ライン4に以下の名称をつける。即ち、図15における上端側から、1行目の画素電極125に接続する表示用TFT126のゲート端子に接続する走査線123をゲートG1とし、2行目のそれをゲートG2とし、以下同様にして、下端である320行目のそれをゲートG320とする。そして、ゲートG1にそのゲート端子を接続しているX座標検出用TFT108をX−TFT1とし、ゲートG2にそのゲート端子を接続しているX座標検出用TFT108をX−TFT2とし、以下同様にして、ゲートG240にそのゲート端子を接続しているX座標検出用TFT108をX−TFT240とする。また同様に、ゲートG1にそのゲート端子を接続しているY座標検出用TFT109をY−TFT1とし、ゲートG2にそのゲート端子を接続しているY座標検出用TFT109をY−TFT2とし、以下同様にして、ゲートG320にそのゲート端子を接続しているY座標検出用TFT109をY−TFT320とする。
また、X−TFT1で表されるX座標検出用TFT108のソース端子に接続しているX座標検出ライン3をX1とし、X−TFT2で表されるX座標検出用TFT108のソース端子に接続しているX座標検出ライン3をX2とし、以下同様にして、X−TFT240で表されるX座標検出用TFT108のソース端子に接続しているX座標検出ライン3をX240とする。また同様に、Y−TFT1で表されるY座標検出用TFT109のソース端子に接続しているY座標検出ライン4をY1とし、Y−TFT2で表されるY座標検出用TFT109のソース端子に接続しているY座標検出ライン4をY2とし、以下同様にして、Y−TFT320で表されるY座標検出用TFT109のソース端子に接続しているY座標検出ライン4をY320とする。
前記タッチ入力が行われると、前側基板101のタッチされた部分(以下、タッチ部と称する)が後側基板102側に撓み変形する。その結果、後側基板102に形成されたX座標検出用接点電極5のうち、前記タッチ部に形成されたX座標検出用接点電極5が、前側基板101に形成された対向電極107と導通する。同様に、前記タッチ部の後側基板102に形成されたY座標検出用接点電極6のうち、前記タッチ部に形成されたY座標検出用接点電極6が、対向電極107と導通する。
従って、タッチ部で対向電極107と導通したX座標検出用接点電極5と、この接点電極と接続しているX座標検出ライン3は、対向電極107に印加されたVcom信号の電位と同レベルになる。同様に、タッチ部で対向電極107と導通したY座標検出用接点電極6と、この接点電極と接続しているY座標検出ライン4の電位は、対向電極107に印加されたVcom信号の電位と同レベルになる。
前記の通り、各X座標検出ライン3は、X座標検出用TFT108のソース端子に接続しており、Y座標検出ライン4は、Y座標検出用TFT109のソース端子に接続している。また、各X座標検出用TFT108のゲート端子は、それぞれ別々の走査線123に接続しており、各Y座標検出用TFT109のゲート端子は、それぞれ別々の走査線123に接続している。
従って、画像表示のため、ゲートG1からゲートG320までの各走査線123に順次ゲート信号が印加されると、X−TFT1からX−TFT240までの各X座標検出用TFT108は、順次ON状態になる。このとき、各X座標検出用TFT108のドレイン端子に接続しているX座標検出用出力ライン111の電位は、前記ON状態になっているX座標検出用TFT108のソース端子に接続されているX座標検出ライン3の電位になる。ここで、タッチ部に対応するX座標検出用接点電極5が接続しているX座標検出ライン3の電位は、対向電極107の電位になっている。
これらと同様に、ゲートG1からゲートG320までの各走査線123に順次ゲート信号が印加されると、Y−TFT1からY−TFT320までの各Y座標検出用TFT109は、順次ON状態になる。そして、各Y座標検出用TFT109のドレイン端子に接続しているY座標検出用出力ライン112の電位は、前記ON状態になっているY座標検出用TFT109のソース端子に接続されているY座標検出ライン4の電位になる。ここで、タッチ部に対応するY座標検出用接点電極6が接続しているY座標検出ライン4の電位は、対向電極107の電位になっている。
即ち、ゲートG1、ゲートG2、・・・、ゲートG240と順にゲート電圧が印加されると、X−TFT1、X−TFT2、・・・、X−TFT240と順にX座標検出用TFT108がON状態になる。その結果、X座標検出用出力ライン111の電位は、順次X座標検出ラインX1の電位、X座標検出ラインX2の電位、・・・、X座標検出ラインX240の電位になる。同様に、ゲートG1、ゲートG2、・・・、ゲートG320と順にゲート電圧が印加されると、Y−TFT1、Y−TFT1、・・・、Y−TFT320と順にY座標検出用TFT109がON状態となる。その結果、Y座標検出用出力ライン112の電位は、順次Y座標検出ラインY1の電位、Y座標検出ラインY2の電位、・・・、Y座標検出ラインY320の電位になる。従って、この液晶表示パネル100は、各X座標検出ライン3の電位に対応したX座標のパラレルデータを、X座標のシリアルデータに変換して、X座標検出用出力ライン111から出力する。また同様に、各Y座標検出ライン4の電位に対応したY座標のパラレルデータを、Y座標のシリアルデータに変換して、Y座標検出用出力ライン112から出力する。
当該タッチパネルの動作を図16を参照して説明する。図16(a)に、当該タッチパネルのタッチされている位置を表す模式図を示す。また、図16(b)に、対向電極107に印加するVcom信号の電位、X座標検出用出力ライン111から出力されるX−data信号の電位、及びY座標検出用出力ライン112から出力されるY−data信号の電位の模式図を示す。図16(a)においてタッチされた位置は、図3等と同様に破線の四角で示されている。
図16(b)に示す様に、Vcom信号は、繰り返しHレベルとLレベルと変化している。ここで、Vcom信号を表す波形の上に付した番号1,2,3,・・・は、それぞれ、X−TFT1で表されるX座標検出用TFT108とY−TFT1で表されるY座標検出用TFT109とがONになっている期間,X−TFT2で表されるX座標検出用TFT108とY−TFT2で表されるY座標検出用TFT109とがONになっている期間,X−TFT3で表されるX座標検出用TFT108とY−TFT3で表されるY座標検出用TFT109とがONになっている期間,・・・であることを示す。
この例では、図16(a)に示す通りX座標検出ラインX3とX座標検出ラインX238についてタッチされている点がある。このため、X−data信号は、X−TFT3で表されるX座標検出用TFT108がONになっている期間について、Vcom信号と同様に、第1フレームでは基準電位に対してLレベルとなり、第2フレームでは基準電位に対してHレベルとなる。また、X−data信号は、X−TFT238で表されるX座標検出用TFT108がONになっている期間について、Vcom信号と同様に、第1フレームでは基準電位に対してHレベルとなり,第2フレームでは基準電位に対してLレベルとなる。
また、Y座標検出ラインY3とY座標検出ラインY318についてタッチされている点がある。従って、Y−data信号は、Y−TFT3で表されるY座標検出用TFT109がONになっている期間について、Vcom信号と同様に、第1フレームでは基準電位に対してLレベルとなり、第2フレームでは基準電位に対してHレベルとなる。また、Y−data信号は、Y−TFT318で表されるY座標検出用TFT109がONになっている期間について、V−com信号と同様に、第1フレームでは基準電位に対してHレベルとなり、第2フレームでは基準電位に対してLレベルとなる。
座標検出用コントローラ136は、これらX−data信号とY−data信号に基づいて、座標(x3,y3)と座標(x238、y318)とがタッチされたと検出する。
ここに説明した例は、Vcom信号が反転するライン反転方式の駆動によるものであるが、Vcomが反転しないドット反転駆動方式その他の駆動方式を用いても勿論良い。
以上の通り、本実施形態に依れば、タッチパネル機能を有する液晶表示装置において、X軸方向及びY軸方向に対して斜め方向に離れて位置する2つの群を成す箇所が同時にタッチされた場合も、タッチされた位置を正しく検出することができる。
尚、前記の例では、QVGAサイズのパネルをX軸方向及びY軸方向にそれぞれ2つ、即ち4つの仮想区画に区切って、X座標検出ライン3に接続されたX座標検出用接点電極5と、Y座標検出ライン4に接続されたY座標検出用接点電極6との配置を決定している。この場合、各仮想区画に、120本のX座標検出ライン3、及び160本のY座標検出ライン4を設けることができる。従って、各仮想区画に、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6をそれぞれ、X軸方向に60個、Y軸方向に80個、合計4800個設けることができる。当該液晶表示装置全体では、X軸方向に120個、Y軸方向に160個、合計19200個のX座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6を設けることができる。その結果、十分な位置検出の分解能が得られる。
また、第1の実施形態と同様に、QVGAサイズのパネルをX軸方向及びY軸方向にそれぞれ2つに分割した4つの仮想区画に区切るのではなく、第2の実施形態と同様に、QVGAサイズのパネルをX軸方向に3つ、及びY軸方向に4つにそれぞれ分割し、合計12区画の仮想区画に区切っても良い。この場合でも、各仮想区画に、X座標検出ライン3を80本、Y座標検出ライン4を80本、それぞれ設けることができる。従って、各仮想区画に、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6をそれぞれ、X軸方向に20個、Y軸方向に26又は27個、合計520又は540個設けることができる。当該液晶表示装置全体では、X軸方向に60個、Y軸方向に106個、合計6360個のX座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6を設けることができる。その結果、十分な位置検出の分解能が得られる。
また、4区画又は12区画以外の仮想区画数に区切っても良いことは勿論である。更に、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例と同様に、X座標検出用接点電極5とY座標検出用接点電極6の数を増やすこともできる。但し、何れの場合も、各X座標検出ライン3は、1つの仮想区画内に配置されたX座標検出用接点電極5と接続し、各Y座標検出ライン4は、1つの仮想区画内に配置されたY座標検出用接点電極6と接続する。
また、第3の実施形態と同様に、1箇所(1つの群を成す箇所)のタッチを検出するシングルタッチモードと、複数箇所(複数の群を成す箇所)のタッチを検出するマルチタッチモードとを切替える構成を、液晶表示パネル内に形成しても良い。この場合、更に第3の実施形態と同様の効果が得られる。
また、以上の説明では、QVGAポートレートを例に挙げて説明したが、QVGAポートレートに限らず、横置きの通常のQVGAや、例えば、VGA(640画素×480画素)、SVGA(800画素×600画素)、XGA(1024画素×768画素)、SXGA(1280画素×1024画素)や、それらの縦置き型等、種々の画素数を有する表示パネルを用いても良い。他の画素数を有する表示パネルを用いた場合、画素数に合わせて、上記説明の構成要素の数が多くなったり少なくなったりすることは勿論である。
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても、発明が解決しようとする課題の欄で述べられた課題が解決でき、かつ、発明の効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成も発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。