JP2012003546A - 解析方法および解析装置 - Google Patents

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【課題】多重反射が生じている空間内の電磁界に基づく解析の収束性が良くなり、解析にかかる計算時間が削減できる解析方法および解析装置を提供することを課題としている。
【解決手段】第1の電磁界成分算出部(5,7,9,11)が、第2の電磁界成分算出工程で算出された電磁界の値のうち、アンテナと仮想回路部との接続点での電磁界の値を用いて、FDTD法により解析空間における電磁界の値を算出する第1の電磁界成分算出工程と、第2の電磁界成分算出部(6,8,10,12)が、第1の電磁界成分算出工程で算出された電磁界の値のうち、アンテナと解析空間との接続点での値を用いて、第1の電磁界成分算出工程とを同期して、FDTD法により仮想回路部における電磁界の値を算出する第2の電磁界成分算出工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、解析方法および解析装置に関する。
近年、時間領域の有限差分法であるFDTD(Finite Difference Time Domain)法を用いて電磁界解析を行う手法が提案されている。FDTD法は、マクスウェルの方程式を時間領域と解析空間において差分化し、解析空間の電磁界をリープフロッグ(Leap−flog)アルゴリズムを用いて時間的に更新、出力点の時間応答を得る(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
図17は、アンテナのFDTD法を用いた伝搬特性の周波数特性をシミュレーションする場合の解析領域を説明する図である。図17のように、FDTD法では、波源Ez(位置902)を囲むように解析領域901(Δx×Δy×Δz)をとり、解析領域全体を微小直方体(セル)に分割する。次に、分割した全セルに対して、マクスウェルの微分方程式あるいは積分方程式を適用して、Yeeのアルゴリズムを用いて定式化することで解析を行う。図17において、Hx、Hy、Hzは、x軸、y軸、z軸方向の磁界であり、面の中心に垂直に割り当てられる。また、解析領域901内の波源Ezにより、FDTD格子上の点において電界Eが発生し、セルの各辺に沿って電界Ex、Ey、Ezが割り当てられる。そして、波源Ezが周囲に磁界を発生し、波源電圧と波源電流が得られる。また、wire903は、アンテナを線状導体としてモデル化したものである。また、高周波領域の解析では、図18のように、wire903を解析領域901と距離Δだけ離れ、解析領域902からギャップ供電(gap voltage source)を受けるデルタギャップ供電による手法が用いられる。図18は、デルタギャップ供電を説明する図である。
また、FDTD法は、有限要素法と同様に基本的には閉領域の解析手法のため、開放領域の特性を解析する場合、解析領域の外壁に反射が起こらないような仮想的な境界である吸収境界を設ける必要がある(例えば、非参考文献2参照)。
特開2004−004054号公報
M. Omiya et al. ," Design of cavity-backed slot antennas using the finite difference time-domain technique," IEEE TRANSACTIONS ON ANTENNAS AND PROPAGATION, 46(12): 1853-1858, (1998) 宇野 亨、「FDTD法による電磁界およびアンテナ解析」、コロナ社、1998年
図19は、エレベータや電車の車両内など周囲を金属で囲まれた空間内に送信波源がある場合を説明する図である。図19のような周囲を金属で囲まれた空間内で携帯電話等を使用する場合、アンテナ供電点において与えられた電磁界成分は共振条件に即して、その空間内に放射されるとしてFDTD法を用いて空間内の送信波源(主にアンテナ)からの放射電磁界成分の伝搬特性の周波数成分を推定する。このため、周辺の金属壁により反射を繰り返す。
しかしながら、従来技術では、このように周辺を金属で囲まれた空間内の電磁界に基づく解析を行う場合、金属壁による反射が繰り返されるため、空間内の電磁界が収束しないか、あるいは、収束するまでに長い計算時間が必要になるという問題点があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、多重反射が生じている空間内の電磁界に基づく解析の収束性が良くなり、解析にかかる計算時間が削減できる解析方法および解析装置を提供することを課題としている。
上記目的を達成するため、本発明は、金属壁に囲まれた構造物内の送信波源からの放射電磁界を、FDTD法を用いて解析する解析方法であって、第1の電磁界成分算出部が、第2の電磁界成分算出工程で算出された電磁界の値のうち、アンテナと仮想回路部との接続点での電磁界の値を用いて、FDTD法により解析空間における電磁界の値を算出する第1の電磁界成分算出工程と、第2の電磁界成分算出部が、前記第1の電磁界成分算出工程で算出された電磁界の値のうち、前記アンテナと前記解析空間との接続点での値を用いて、FDTD法により前記仮想回路部における電磁界の値を算出する第2の電磁界成分算出工程とを備え、前記解析空間は、波源を含む解析モデルが配置され、前記アンテナを介して前記仮想回路部と接続され、前記仮想回路部は、前記解析空間領域とは別の空間領域に設けられ前記アンテナを介して解析空間と接続され、4側面を完全導体境界条件とした空間内に配置した接続点、電圧源および吸収境界部からなるアンテナ給電用の給電回路であり、前記第1の電磁界成分算出工程と前記第2の電磁界成分算出工程とを同期して行うことを特徴としている。
また、本発明に係る解析方法において、前記第1の電磁界成分算出工程は、前記解析空間における電界成分を算出する第1電界成分算出工程と、前記解析空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を算出し、前記電界成分算出工程で算出された前記解析空間における吸収境界面上の電界成分を書き換える第1電界成分の吸収境界条件算出工程と、前記解析空間における磁界成分を算出する第1磁界成分算出工程と、前記解析空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を算出し、前記磁界成分算出工程で算出された前記解析空間における吸収境界面上の磁界成分を書き換える第1磁界成分の吸収境界条件算出工程と、前記第2の電磁界成分算出工程は、前記仮想回路部における電界成分を算出する第2電界成分算出工程と、前記仮想回路部の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を算出し、前記電界成分算出工程で算出された前記解析空間における吸収境界面上の電界成分を書き換える第2電界成分の吸収境界条件算出工程と、前記仮想回路部における磁界成分を算出する第2磁界成分算出工程と、前記仮想回路部の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を算出し、前記磁界成分算出工程で算出された前記解析空間における吸収境界面上の磁界成分を書き換える第2磁界成分の吸収境界条件算出工程とを備え、前記第1磁界成分算出工程は、前記第2電界成分の吸収境界条件算出工程で算出された電界成分を、前記アンテナと前記仮想回路部との接続点において用いて磁界成分を算出し、前記第2磁界成分算出工程は、前記第1磁界成分の吸収境界条件算出工程で算出された電界成分および磁界成分を、前記アンテナと前記解析空間との接続点において用いて磁界成分を算出するようにしてもよい。
また、本発明に係る解析方法において、前記解析空間は、所定のサイズの開口部を備え、前記第1の電磁界成分算出工程と前記第2の電磁界成分算出工程により算出された電磁界値を用いてリターンロスを解析するようにしてもよい。
上記目的を達成するため、本発明は、金属壁に囲まれた構造物内の送信波源からの放射電磁界を、FDTD法を用いて解析する解析装置であって、第2の電磁界成分算出部で算出された電磁界の値のうち、アンテナと仮想回路部との接続点での電磁界の値を用いて、FDTD法により解析空間における電磁界の値を算出する第1の電磁界成分算出部と、前記第1の電磁界成分算出部で算出された電磁界の値のうち、前記アンテナと前記解析空間との接続点での値を用いて、FDTD法により前記仮想回路部における電磁界の値を算出する第2の電磁界成分算出部とを備え、前記解析空間は、波源を含む解析モデルが配置され、前記アンテナを介して前記仮想回路部と接続され、前記仮想回路部は、前記解析空間領域とは別の空間領域に設けられ前記アンテナを介して解析空間と接続され、4側面を完全導体境界条件とした空間内に配置した接続点、電圧源および吸収境界部からなるアンテナ給電用の給電回路であり、前記第1の電磁界成分算出部による電磁界成分の算出と前記第2の電磁界成分算出部による電磁界成分の算出とを同期して行うことを特徴としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る解析プログラムは、金属壁に囲まれた構造物内の送信波源からの放射電磁界を、FDTD法を用いて解析する解析装置のコンピュータに、波源を含む解析モデルが配置され、前記アンテナを介して前記仮想回路部と接続されている解析空間と、前記解析空間領域とは別の空間領域に設けられ前記アンテナを介して解析空間と接続され、4側面を完全導体境界条件とした空間内に配置した接続点、電圧源および吸収境界部からなるアンテナ給電用の給電回路である仮想回路部において、第1の電磁界成分算出部が、第2の電磁界成分算出工程で算出された電磁界の値のうち、アンテナと前記仮想回路部との接続点での値を用いて、FDTD法により前記解析空間における電磁界の値を算出する第1の電磁界成分算出工程と、第2の電磁界成分算出部が、前記第1の電磁界成分算出工程で算出された電磁界の値のうち、前記アンテナと前記解析空間との接続点での値を用いて、前記第1の電磁界成分算出工程とを同期して、FDTD法により前記仮想回路部における電磁界の値を算出する第2の電磁界成分算出工程とを実行させることを特徴としている。
本発明によれば、解析空間にとは別に仮想回路部を想定し、仮想回路部の電磁界成分算出部と解析空間の電磁界成分算出部とが同期して電磁界成分を算出し、さらに、解析空間で算出された電磁界成分を仮想回路部に供給し、仮想回路部で算出された電磁界成分を解析空間に供給する。これにより、金属壁による反射の電磁界成分を仮想回路部に吸収させることができるようにしたので、多重反射の影響により収束性が悪化することを防ぐことができる。この結果、周辺を金属で囲まれた空間内の解析を行う場合でも、アンテナから放射された後、周囲の金属壁から反射されてアンテナに戻ってくる電磁界成分を新たに設けた仮想回路部で吸収させることができるので、解析にかかる計算時間を低減することができる。さらに、アンテナと仮想回路部との解析を異なる空間で行うようにしたので、解析に必要な計算用メモリの容量の増加を抑えることができる。
また、本発明によれば、解析空間に所定の開口部を設けて解析空間の電磁界成分算出工程と仮想回路部の電磁界成分算出工程により算出された電磁界値を用いてリターンロスの解析を行う。この結果、周辺を金属で囲まれた空間内の解析を行う場合でも、アンテナから放射された後、周囲の金属壁から反射されてアンテナに戻ってくる電磁界成分を新たに設けた仮想回路部で吸収させることができるので、解析にかかる計算時間を低減することができる。さらに、アンテナと仮想回路部との解析を異なる空間で行うようにしたので、解析に必要な計算用メモリの容量の増加を抑えることができる。
第1実施形態に係る伝搬特性推定装置のブロック図である。 同実施形態に係る解析モデルを説明する図である。 同実施形態に係る解析モデルの各パラメータを示す図である。 同実施形態に係る給電回路(仮想回路)部を説明する図 同実施形態に係る解析空間の波源、電界成分及び磁界成分を説明する図である。 同実施形態に係る仮想回路部の波源および解析空間へ供給する電界を説明する図である。 同実施形態に係る仮想回路部における放射アンテナ給電部を説明する図である。 同実施形態に係る放射アンテナ給電部におけるインピーダンス対周波数の特性を示す図である。 同実施形態に係る解析処理手順のフローチャートである。 同実施形態に係る解析ポイントPoint1における電界強度と計算回数の図である。 同実施形態に係る解析ポイントPoint2における電界強度と計算回数の図である。 同実施形態に係る解析ポイントPoint3における電界強度と計算回数の図である。 第2実施形態に係る解析モデルを説明する図である。 同実施形態に係る解析モデルの各パラメータを示す図である。 (a)は、同実施形態に係る解析空間のみで解析を行う従来技術による電流対計算回数の波形であり、(b)は、同実施形態に係る解析空間と仮想回路部を用いて解析を行う電流対計算回数の波形である。 (a)は、同実施形態に係る解析空間のみで解析を行う従来技術による入力インピーダンス対周波数の特性を説明する図であり、(b)は、同実施形態に係る解析空間と仮想回路部を用いて解析を行う入力インピーダンス対周波数の特性を説明する図である。 従来技術に係るアンテナのFDTD法を用いた伝搬特性の周波数特性をシミュレーションする場合の解析領域を説明する図である。 従来技術に係るデルタギャップ供電を説明する図である。 エレベータや電車の車両内など周囲を金属で囲まれた空間内に送信波源がある場合を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図16を用いて説明する。なお、本発明は斯かる実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内で種々の変更が可能である。
[第1実施形態]
第1実施形態について、図1〜図12を用いて説明する。図1は、第1実施形態における伝搬特性推定装置のブロック図である。図1のように、伝搬特性推定装置30は、パラメータ設定部1と、配列初期化部2と、解析空間情報記憶部3と、仮想回路情報記憶部4と、第1電界成分計算部5と、第2電界成分計算部6と、第1電界成分の吸収境界条件計算部7と、第2電界成分の吸収境界条件計算部8と、第1磁界成分計算部9と、第2磁界成分計算部10と、第1磁界成分の吸収境界条件計算部11と、第2磁界成分の吸収境界条件計算部12とを備えている。なお、本実施形態では、完全導体に囲まれた空間内で、携帯電話等の携帯無線装置から電波放射が行われている場合を解析する。
パラメータ設定部1は、解析を行うための解析空間サイズ、セルサイズ、離散時間間隔の定義、解析モデル(アンテナや空間の条件等)の設定を行う。
配列初期化部2は、解析を行うために必要なサイズの配列を、解析空間の電界および磁界を算出するためのものと、仮想回路部の電界および磁界を算出するためのものとを確保する。
解析空間情報記憶部3は、第1電界成分計算部5および第1電界成分の吸収境界条件計算部7が算出した電界成分値を時系列データとして記憶する。また、解析空間情報記憶部3は、第1磁界成分計算部9および第1磁界成分の吸収境界条件計算部11が算出した磁界成分値を時系列データとして記憶する。
仮想回路情報記憶部4は、第2電界成分計算部6および第2電界成分の吸収境界条件計算部8が算出した電界成分値を時系列データとして記憶する。また、仮想回路部情報記憶部4は、第2磁界成分計算部10および第2磁界成分の吸収境界条件計算部12が算出した磁界成分値を時系列データとして記憶する。
第1電界成分計算部5は、パラメータ設定部1が設定したパラメータと、配列初期化部2が確保した配列を用いて、解析空間における電界成分値を算出し、算出した電界成分値を、バス21を介して電界成分の第1電界成分の吸収境界条件計算部7に出力する。また、第1電界成分計算部5は、解析空間内の電界値について、時間依存の変化(FDTD解析における繰り返し演算回数に依存した変化)が十分小さくなるまで、第1電界成分計算部5と第1電界成分の吸収境界条件計算部7とによる更新を繰り返す。そして、第1電界成分計算部5は、解析空間内の電界値について、時間依存の変化が十分小さくなり定常状態に達した場合、解析を終了する。
第2電界成分計算部6は、パラメータ設定部1が設定したパラメータと、配列初期化部2が確保した配列を用いて、仮想回路部における電界成分値を算出し、算出した電界成分値を、バス21を介して第2電界成分の吸収境界条件計算部8に出力する。
第1電界成分の吸収境界条件計算部7は、第1電界成分計算部5が算出した電界成分値を受け取り、受け取った電界成分値を用いて解析空間における電界成分の吸収境界条件を算出し、算出した電界成分の吸収境界条件を第1電界成分計算部5が算出した電界成分に対して適用する。また、第1電界成分の吸収境界条件計算部7は、算出した解析空間における電界成分の値を時系列データとして、解析空間情報記憶部3に書き込んで記憶させる。
第2電界成分の吸収境界条件計算部8は、第2電界成分計算部6が算出した電界成分値を受け取り、受け取った電界成分値を用いて仮想回路部における電界成分の吸収境界条件を算出し、算出した電界成分の吸収境界条件を第2電界成分計算部6が算出した電界成分に対して適用する。また、第2電界成分の吸収境界条件計算部8は、算出した仮想回路部における電界成分の値を時系列データとして、仮想回路部情報記憶部3に書き込んで記憶させる。
第1磁界成分計算部9は、仮想回路部情報記憶部4に記憶されている仮想回路部における電界成分データの中から、所定の箇所の電界ExおよびEyの値を読み出す。また、第1磁界成分計算部9は、パラメータ設定部1が設定したパラメータと、配列初期化部2が確保した配列を用いて、解析空間における磁界成分を算出する。
さらに、第1磁界成分計算部9は、読み出した仮想回路部における所定箇所の電界成分ExおよびEyを解析空間の所定箇所の電界成分ExおよびEyに代入し、仮想回路部との接続点におけるアンテナが含まれるセルの磁界成分値を算出する。さらに、第1磁界成分計算部9は、算出した電界成分値を、バス21を介して第1磁界成分の吸収境界条件計算部11に出力する。
さらに、第1磁界成分計算部9は、解析空間内の磁界値について、時間依存の変化が十分小さくなるまで、第1磁界成分計算部9と第1電界成分の吸収境界条件計算部7とによる更新を繰り返す。そして、第1磁界成分計算部9は、解析空間内の磁界値について、時間依存の変化が十分小さくなり定常状態に達した場合、解析を終了する。
第2磁界成分計算部10は、解析空間情報記憶部3に記憶されている解析空間における電界成分データの中から、所定の箇所の電界Ez、磁界HxおよびHyの値を読み出す。また、第1磁界成分計算部9は、パラメータ設定部1が設定したパラメータと、配列初期化部2が確保した配列を用いて、解析空間における磁界成分を算出する。
さらに、第2磁界成分計算部10は、読み出した解析空間における電界Ez、磁界HxおよびHyの値を仮想回路部の電界Ez、磁界HxおよびHyに代入し、アンテナとの接続点における磁界成分値を算出する。さらに、第2磁界成分計算部10は、算出した磁界分値を、バス21を介して第2磁界成分の吸収境界条件計算部12に出力する。
第1磁界成分の吸収境界条件計算部11は、第1磁界成分計算部9が算出した磁界成分値を受け取り、受け取った磁界成分値を用いて磁界成分の吸収境界条件を算出し、算出した磁界成分の吸収境界条件を第1磁界成分計算部9が算出した磁界成分に対して適用する。また、第1磁界成分の吸収境界条件計算部11は、算出した解析空間における磁界成分の値を時系列データとして、解析空間情報記憶部3に書き込んで記憶させる。
第2磁界成分の吸収境界条件計算部12は、第2磁界成分計算部10が算出した磁界成分を受け取り、受け取った磁界成分を用いて磁界成分の吸収境界条件を算出し、出した磁界成分の吸収境界条件を第2磁界成分計算部10が算出した磁界成分に対して適用する。また、第2磁界成分の吸収境界条件計算部12は、算出した仮想回路部における磁界成分の値を時系列データとして、仮想回路部情報記憶部4に書き込んで記憶させる。
なお、第1の電磁界成分算出部である第1電界成分計算部5と第1電界成分の吸収境界条件計算部7と第1磁界成分計算部9と第1磁界成分の吸収境界条件計算部11とが行う解析空間についての解析と、第2の電磁界成分算出部である第2電界成分計算部6と第2電界成分の吸収境界条件計算部8と第2磁界成分計算部10と第2磁界成分の吸収境界条件計算部12とが行う解析空間についての解析とは同期して行う。
次に、解析モデルについて、図2〜図5を用いて説明する。図2は、解析モデルを説明する図である。図2のように、携帯無線装置100のモデルを、本体103と送信波源(アンテナ)102とで表す。この携帯無線装置100を、解析空間101に置きFDTD法を用いて解析を行う。携帯無線装置100の大きさは30×10×100[cell]であり、cell(セル)は、FDTD法における分割された微小直方体である。
また、解析領域101の左下O点を原点(0,0,0)とし、Feed point104の座標は(100,100,80)、解析ポイントPoint1の座標は(80,100,80)、解析ポイントPoint2の座標は(60,100,80)、解析ポイントPoint3の座標は(30,100,80)である。なお、図2において、例えば10Δは、10[cell]を表している。また、Feed point104は、アンテナ102と本体103との接続点であり、解析空間においては給電信号が入力されるポイントでもある。
図3は、解析モデルの各パラメータを示す図である。図3のように、空間離散間隔dは1.5[mm]、時間離散間隔dtは2.6455×10−12[sec]、入力周波数は2100[MHz]、全解析領域101(図2の全解析領域101の寸法のセル数)は200×200×200[cell]、携帯モデル103(図2の携帯電話103の寸法のセル数)は30×15×70[cell]、送信波源(アンテナ)102の長さl(図2のモノポールアンテナ102の長さ)は36[mm]である。また、図4のように、仮想回路部241の寸法のセル数である全解析領域(同軸)は3×3×31[cell]、仮想回路部241における円柱導体201および202の半径Rは0.52[mm]である。図4は、給電回路(仮想回路)部を説明する図である。
次に、本実施形態の概要について、図2、図4および図5を用いて説明する。図5は、解析空間の波源、電界成分及び磁界成分を説明する図である。従来の解析空間901は、図16のように1つであり、波源902も解析空間901に含まれていた。本実施形態では、FDTD法を用いて解析空間101で解析を行うのと同時に、解析空間101とは別の空間領域(仮想回路部241;図4)を用いて電磁界成分の解析を行っている。この仮想回路部241は、4側面を完全導体境界条件とした空間内に配置した接続点、電圧源および吸収境界部を備えている。また、仮想回路部241による電磁界成分の解析は、同一時間内で進行する図5の空間領域内のFDTD法による空間解析による電磁界成分と共有される。また、仮想回路部241の底面231を吸収境界面として設定するため、解析空間101からアンテナ接続点104を通じて仮想回路部に戻った電磁界成分が、仮想回路部の内部を底面方向に伝搬し、この結果、解析空間101で発生した反射波を吸収する。
すなわち、空間領域101内にある送信波源(アンテナ)102においては、従来手法と同様の給電が実現され、同時に送信波源(アンテナ)102から電磁界が放射された後、周囲の金属壁から反射されて送信波源(アンテナ)102に戻ってくる電磁界成分を図4の仮想回路部241で吸収させる。この結果、反射波による収束性の悪化を改善することができ、推測にかかる計測時間を低減することが可能になる。
言い換えると、仮想回路部の役割は、「解析空間」におかれたアンテナに対して電力を供給する機能を実現する。同時に、「アンテナに供給されたもののアンテナから放射されない周波数成分の電力」および「アンテナからいったん放射された後、解析空間におかれた物体の反射・散乱等によりアンテナに戻ってきた電力」を受け取り、再び「解析空間」に戻さないようにする機能を実現している。
次に、仮想回路部241について、図4を用いて説明する。図4のように、円柱導体部201と202との間に、ギャップ電圧源Vin(t)212を備える。そして、円柱導体部202は、吸収境界(ABC;Absorbing Boundary Condition)面231(例えば、Higdon 2nd order ABC等)から距離10セルの位置に配置されている。また、円柱導体部201と202およびギャップ電圧源Vin(t)212は、4つの側面を有する完全導体境界面221〜224に囲まれている。
なお、吸収境界とは、解析領域が完全導体で囲まれていない開放空間を仮想的に閉じておく境界である。HigdonのN次吸収境界条件(吸収境界面の条件)は、次式(1)である。
式(1)において、vは伝搬速度であり、θはx=0の吸収境界面に平面波が入射する入射角度であり、ξ(≧0)は安定化のための減衰係数である。
仮想回路部241は、セル各辺に電界成分、セルの面上に磁界成分が存在する。また、FDTD法においては、のように、円柱導体部201と202、そして円柱導体部201と202と隔離された完全導体境界面221〜224とを構成する必要がある。このため、仮想回路部241は、x軸方向およびy軸方向について、それぞれ2セル以上で近似する。さらに、z軸方向については、送信波源(アンテナ)102との接続点104とギャップ電圧源Vin(t)212との距離は0.5波長以上必要であり、また、吸収境界面231とギャップ電圧源Vin(t)212との距離が小さすぎると十分な吸収性能が得られないため、全体として0.6波長以上の長さに設定している。なお、送信波源(アンテナ)102との接続点104とギャップ電圧源Vin(t)212との距離は0.5波長以上離した理由は、アンテナ接続点104における電磁界成分が、ギャップ電圧源Vin(t)212の電磁界成分によって乱されるのを防ぐためである。
なお、仮想回路部241のサイズは、解析する周波数の波長およびFDTD解析に用いるセルサイズに依存する。なお、送信波源(アンテナ)102との接続点104とギャップ電圧源Vin(t)212との距離は、用いる吸収境界条件を算出する手法に基づき、異なる値でもよい。
次に、解析空間101の電界成分と磁界成分、および仮想回路部241について図5を用いて説明する。図5のように、解析空間101内の位置302に波源Ezが含まれている。なお、給電信号には、ガウシヤン変調した正弦波を用いている。そして、この解析空間101内の送信波源(アンテナ)102を介して、仮想回路部241には、算出された電界Ez、磁界Hxおよび磁界Hyが供給される。図5において、電界Ezは、仮想回路部241に供給される電界を表し、磁界HxとHyは、仮想回路部241に供給される磁界を表している。また、仮想回路部241から、磁界ExとEyとが供給される。
また、図6のように、仮想回路部241内には、ギャップ電圧源Vin(t)212があり、これが波源Ezに相当する。なお、給電信号には、ガウシヤン変調した正弦波を用いている。そして、解析空間311の送信波源(アンテナ)102には、算出された電界ExとEyとを供給する。図6は、仮想回路部の波源および解析空間へ供給する電界を説明する図である。
次に、第1電界成分計算部5が行う解析空間101における電界成分の計算方法について説明する。概略として、t=(n−1)Δtにおける電界En−1と、t=(n−1/2)Δtにおける磁界Hn−1/2を用いて電界Enを算出し、Hn−1/2とEnを用いて磁界Hn+1/2を計算する。このように、順次、電界と磁界とを計算していく。
3次元のFDTD法において、 散乱界に関するベクトルマクスウェル回転方程式をスカラ成分に分解し、電界のx成分は、次式(2)の式を用いて更新を行う。ただし、微分方程式を差分方程式で置き換えている。
式(2)において、εは真空の誘電率(8.85418782×10−12[F/m])であり、i、j、kは、格子点の座標(i,j,k)であり、Δtは時間ステップであり、nは次数である。また、次数n+1/2の意味合いは、リープフロッグ・アルゴリズムによる(1/2)Δtおきに電界と磁界とを交互に算出するためである。
同様に、電界のy成分は、次式(3)のように表され、電界のz成分は、次式(4)のように表される。
次に、第1磁界成分計算部9が行う解析空間101における磁界成分の計算方法について説明する。3次元のFDTD法において、磁界のx成分は、次式(5)の式を用いて更新を行う。
式(5)において、μは真空の透磁率(1.25663706×10−6[H/m])である。
同様に、磁界のy成分は、次式(6)のように表され、磁界のz成分は次式(7)のように表される。
次に、第1電界成分の吸収境界条件計算部7が行う電界成分に対する吸収境界条件の計算方法について説明する。吸収境界条件は、例えば、MurおよびBerengerのPML(Perfectly Matched Layer)などを用いて算出する。例えば、PMLによる電界の吸収条件は次式(8)〜式(13)のように表される。
式(8)〜式(13)において、εは誘電率であり、εはε/εと合同であり、σは伝導率である。また、電界EzxはEのx軸方向に伝搬する成分であり、EzyはEのy軸方向に伝搬する成分である。
次に、第1磁界成分の吸収境界条件計算部11が行う磁界成分に対する吸収境界条件の計算方法について説明する。磁界の吸収境界条件も、電界成分に対する吸収境界条件と同様に、例えば、MurおよびBerengerのPML(Perfectly Matched Layer)などを用いて算出する。例えば、PMLによる磁界の吸収条件は次式(14)〜式(19)のように表される。
式(14)〜式(19)において、μは透磁率であり、μはμ/μと合同であり、cは光速度であり、Zは真空の波動インピーダンス(√(μ/ε))である。
次に、仮想回路部のパラメータの設定方法について、図7と図8を用いて説明する。図7は、仮想回路部における放射アンテナ給電部を説明する図であり、図8は、放射アンテナ給電部におけるインピーダンス対周波数の特性を示す図である。図7のように、x軸方向とy軸方向は、それぞれを2つのセルで近似し、z軸方向は、31個のセルで近似する。また、放射アンテナ給電部251は、垂直方向に長さ20セルの円柱導体201と長さ10セルの202を有し、円柱導体202と201との間隔は1セル分である。また、波源であるギャップ電圧源Vin(t)は、z軸の10セルの位置(10Δz)でz軸方向の電圧を与える。また、図7において、V(t)とI(t)とは、時間波形を表している。なお、V(t)とI(t)は、FDTD計算によって算出された電界と磁界を用いて、次式(20)と式(21)により算出する。
そして、セルサイズを1.5[mm]、導体半径Rを0.52[mm]として、電圧V(t)と電流I(t)をフーリエ変換して、インピーダンス(ResistanceおよびReactance)対周波数の特性を演算すると、図8のような特性が得られる。すなわち、パラメータを調整することで、仮想回路部241のインピーダンスを所望の値、例えば50オームに一致させることが可能であり、測定結果と解析結果との比較が容易になる。
次に、本実施形態における解析処理手順を、図9のフローチャートを用いて説明する。まず、パラメータ設定部1は、解析を行うための各種パラメータを設定する(ステップS1)。また、パラメータ設定部1は、設定した各種パラメータをバス21に出力する。
次に、配列初期化部2は、解析空間における電界と磁界の解析に必要な配列と、仮想回路部における電界と磁界の解析に必要な配列を確保する(ステップS2)。また、配列初期化部2は、確保した各配列をバス21に出力する。
次に、第1電界成分計算部5は、パラメータ設定部1により設定されたパラメータを用いて、解析空間における電界成分を式(2)〜式(4)により算出する(ステップS3)。なお、電界成分の初期値および磁界成分の初期値は、たとえばゼロを代入する。
次に、第1電界成分の吸収境界条件計算部7は、解析空間における電界成分の吸収境界条件を算出し、算出した電界成分の吸収境界条件を第1電界成分計算部5が算出した電界成分に対して適用する(ステップS4)。次に、第1電界成分の吸収境界条件計算部7は、算出した解析空間における電界成分の値を時系列データとして、解析空間情報記憶部3に書き込んで記憶させる。
また、ステップS3とステップS4と並行して、第2電界成分計算部6と第2電界成分の吸収境界条件計算部8は、以下の処理を行う。
第2電界成分計算部6は、パラメータ設定部1により設定されたパラメータを用いて、仮想回路部における電界成分を算出する(ステップS5)。なお、電界成分の初期値および磁界成分の初期値は、たとえばゼロを代入する。
次に、第2電界成分の吸収境界条件計算部8は、仮想回路部における電界成分の吸収境界条件を算出し、算出した電界成分の吸収境界条件を第2電界成分計算部6が算出した電界成分に対して適用する(ステップS6)。次に、第2電界成分の吸収境界条件計算部8は、算出した解析空間における電界成分の値を時系列データとして、仮想回路部情報記憶部4に書き込んで記憶させる。
次に、第1磁界成分計算部9は、仮想回路部情報記憶部4に記憶されている仮想回路部における電界成分データの中から、図6に示したように、アンテナ102が含まれるセルにおける箇所の電界ExおよびEyの値を読み出す。次に、第1磁界成分計算部9は、読み出した電界ExおよびEyの値を、磁界の式(5)〜式(7)の該当位置のExおよびEyに代入する。そして、第1磁界成分計算部9は、第1電界成分の吸収境界条件計算部7で算出された解析空間における電界成分、およびパラメータ設定部1により設定されたパラメータを用いて、解析空間における磁界成分を式(5)〜式(7)により算出する(ステップS7)。すなわち、第1磁界成分計算部9は、アンテナ102が含まれるセルにおける磁界成分を算出する時に、仮想回路部により算出された電界ExとEyの値を用いて、解析空間における磁界成分を算出する。
次に、第1磁界成分の吸収境界条件計算部11は、解析空間における磁界成分の吸収境界条件を算出し、算出した磁界成分の吸収境界条件を第1磁界成分計算部9が算出した磁界成分に対して適用する(ステップS8)。次に、第1磁界成分の吸収境界条件計算部11は、算出した解析空間における磁界成分の値を時系列データとして、解析空間情報記憶部3に書き込んで記憶させる。
次に、第2磁界成分計算部10は、解析空間情報記憶部3に記憶されている仮想回路部における電界成分データの中から、図5に示したように、アンテナ102が含まれるセルにおける箇所の電界Ez、磁界HxおよびHyの値を読み出す。次に、第2磁界成分計算部10は、読み出した電界Ez、磁界HxおよびHyの値を、磁界の式(5)〜式(7)の該当位置の電界Ez、磁界HxおよびHyに代入する。そして、第2磁界成分計算部10は、第2電界成分の吸収境界条件計算部8で算出された仮想回路部における電界成分、およびパラメータ設定部1により設定されたパラメータを用いて、仮想回路部における磁界成分を式(5)〜式(7)により算出する(ステップS9)。すなわち、第2磁界成分計算部10は、アンテナ102との接続点の磁界成分を算出する時に、解析空間により算出された電界Ez、磁界HxおよびHyの値を用いて、仮想回路部における磁界成分を算出する。
次に、第2磁界成分の吸収境界条件計算部12は、仮想回路部における磁界成分の吸収境界条件を算出し、算出した磁界成分の吸収境界条件を第2磁界成分計算部10が算出した磁界成分に対して適用する(ステップS10)。次に、第2磁界成分の吸収境界条件計算部12は、算出した仮想回路部における磁界成分の値を時系列データとして、仮想回路部情報記憶部4に書き込んで記憶させる。
次に、第1電界成分計算部5および第1磁界成分計算部9は、解析空間内の電界値、磁界値、電圧値あるいは電流値を観測し、それらの時間依存の変化(FDTD解析における繰り返し演算回数に依存した変化)が、解析モデルに基づく所定の値より十分小さくなった否かを判別し(ステップS11)、時間依存の変化が十分小さくなるまで、ステップS3〜ステップS10を繰り返すことで、解析空間の電界成分値と磁化成分値と、仮想回路部の電界成分値と磁化成分値との更新を繰り返し行う。そして、時間依存の変化が十分小さくなったと判別された場合(ステップS11;Yes)、第1電界成分計算部5および第1磁界成分計算部9は、更新を終了する。
なお、ステップS3、S4、S7およびS8が、解析空間の電磁界成分算出工程であり、ステッS5、S6、S9およびS10が、仮想回路部の電磁界成分算出工程である。
すなわち、解析空間においてアンテナから送信された電磁界は、ます従来と同様に電界成分が算出され、さらに解析空間で算出された電界成分を用いて仮想回路部における電界成分を算出する。そして、仮想回路部で算出された電界成分を共有して、この電界成分を用いて解析空間の磁界成分を算出し、さらに同期して、解析空間で算出された電磁界成分を共有し、この解析空間で算出された電磁界成分を用いて仮想回路部における磁界成分を求める。そして、この処理を繰り返して電磁界成分の更新を行うことで、周囲の金属壁から反射されてアンテナに戻ってくる電磁界成分を仮想回路部により吸収させている。
以上のように、解析空間にとは別に仮想回路部を想定し、仮想回路部の電磁界成分算出部と解析空間の電磁界成分算出部とが同期して電磁界成分を算出し、さらに、解析空間で算出された電磁界成分を仮想回路部に供給し、仮想回路部で算出された電磁界成分を解析空間に供給する。これにより、金属壁による反射の電磁界成分を仮想回路部に吸収させることができるようにしたので、多重反射の影響により収束性が悪化することを防ぐことができる。この結果、周辺を金属で囲まれた空間内の解析を行う場合でも、アンテナから放射された後、周囲の金属壁から反射されてアンテナに戻ってくる電磁界成分を新たに設けた仮想回路部で吸収させることができるので、解析にかかる計算時間を低減することができる。さらに、アンテナと仮想回路部との解析を異なる空間で行うようにしたので、解析に必要な計算用メモリの容量の増加を抑えることができる。
次に、本実施形態における解析を行った結果の一例を、図10〜図12を用いて説明する。図10は、解析ポイントPoint1における電界強度と計算回数の図であり、図11は、解析ポイントPoint2における電界強度と計算回数の図であり、図12は、解析ポイントPoint3における電界強度と計算回数の図である。図10において、解析ポイントPoint1では、従来技術による解析空間だけの解析では、解析結果501のように計算回数が1.5×105[回]行った後でも電界強度が収束していないが、本実施形態による方法を用いた場合、解析結果502のように、従来技術と比較し少ない演算回数で収束している。同様に、図11において、解析ポイントPoint2においても、本実施形態による方法を用いた場合、解析結果512のように従来技術の解析結果511と比較し少ない演算回数で収束している。同様に、図12において、解析ポイントPoint3においても、本実施形態による方法を用いた場合、解析結果522のように従来技術の解析結果521と比較し少ない演算回数で収束している。
すなわち、多重反射環境下でのFDTD法を用いた解析において、本実施形態における伝搬特性推定方法を用いることで収束時間が短くなり、演算に係る時間を短縮することが可能になる。
また、本実施形態では、解析モデルを図3のようなパラメータを設定して解析する例を説明したが、パラメータはこれに限らず、入力周波数、携帯電話のサイズ、アンテナの長さ等、解析を行いたい携帯電話などに応じて設定し、さらに、設定した携帯電話のパラメータに応じて他のパラメータを設定するようにしてもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について、図13〜図16を用いて説明する。図13は、本実施形態における解析モデルを説明する図である。図13のように、3[cm]×57[cm]の窓602(開口部)を有する87[cm]×87[cm]×36[cm]の金属箱601内に、高さ28.5[cm]の棒状アンテナ611を、原点Oに対し(x、y、z)=(25.5[cm]、43.5[cm]、0[cm])の位置に配置する。本実施形態では、この解析モデルを用いて、アンテナ611への入射電力と接点での反射電力の比であるリターンロスを解析する。また、リターンロス特性は、アンテナ611が所望の周波数範囲で給電回路と整合の特性である。
図14は、解析モデルの各パラメータを示す図である。図14のように、空間離散間隔dは15.0[mm]、時間離散間隔dtは1.59×10−11[sec]、入力信号はガウシヤンパルス、全解析領域(図14の全解析領域の寸法のセル数)は80×80×50[cell]、金属箱601モデル(図14の金属箱601の寸法のセル数)は58×58×24[cell]、送信波源(アンテナ)611の長さl(図14のアンテナ611の長さ)は285[mm]、仮想回路領域である全解析領域は3×3×31[cell]、仮想回路領域における円柱導体の半径Rは0.52[mm]である。
本実施形態においても、棒状アンテナ611について、第1実施形態と同様に、解析空間と仮想回路部を用いて電界成分と磁界成分を算出して解析を行う。伝搬特性推定装置30の構成は、第1実施形態の図1と同じであり、解析の処理手順も第1実施形態の図9と同様に行う。
図15(a)は、解析空間のみで解析を行う従来技術による電流対計算回数の波形であり、図15(b)は、本実施形態における解析空間と仮想回路部を用いて解析を行う電流対計算回数の波形であり、縦軸は電流値、横軸は計算回数を表している。図15(a)のように、解析空間のみによる解析では、計算回数を多くしても、電流値は収束していないが、本実施形態の方法を用いた場合、図15(b)のように、計算回数が10000回程度で電流値が収束している。
図16(a)は、解析空間のみで解析を行う従来技術による入力インピーダンス対周波数の特性であり、図16(b)は、本実施形態における解析空間と仮想回路部を用いて解析を行う入力インピーダンス対周波数の特性であり、縦軸はリターンロス(|S11|)値、横軸は周波数を表している。図16(a)のように、解析空間のみによる周波数に対するインピーダンスは、250MHzにおいては解析値と実測値が近い値になっているか、200MHz、300MHzおよび400MHz付近においては、解析値は実測値と一致していない。他方、本実施形態の方法を用いた場合、図16(b)のように、250MHz以外の周波数においても、解析値と実測値は非常に近い値となっている。
以上のように、本実施形態によれば、窓602を有する金属箱601内にアンテナ611を配置した解析空間において電磁界成分を算出し、さらに解析空間とは別の空間領域に仮想回路部を備えて解析空間での解析と同期して電磁界成分を算出し、算出された電磁界成分を共有する。これにより、反射波が仮想回路部で吸収されるので、リターンロスの解析において、実測値に近い解析結果を得ることができる。この結果、周辺を金属で囲まれた空間内の解析を行う場合でも、アンテナから放射された後、周囲の金属壁から反射されてアンテナに戻ってくる電磁界成分を新たに設けた仮想回路部で吸収させることができるので、解析にかかる計算時間を低減することができる。さらに、アンテナと仮想回路部との解析を異なる空間で行うようにしたので、解析に必要な計算用メモリの容量の増加を抑えることができる。
また、本実施形態では、解析モデルを図14のようなパラメータを設定して解析する例を説明したが、パラメータはこれに限らず、入力周波数、アンテナの長さ等を解析を行いたいアンテナなどに応じて設定し、さらに、設定したアンテナなどのパラメータに応じて他のパラメータを設定するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、第1の電磁界成分の計算部(第1電界成分計算部5、第1電界成分の吸収境界条件計算部7、第1磁界成分計算部9および第1磁界成分の吸収境界条件計算部11)と、第2の電磁界成分の計算部(第2電界成分計算部6、第2電界成分の吸収境界条件計算部8、第2磁界成分計算部10および第2磁界成分の吸収境界条件計算部12)を個別に備える例を説明したが、各部もしくは一部の機能部を共有して、例えば時分割して処理するようにしてもよい。
なお、実施形態の図1または図6の各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体、USB(Universal Serial Bus) I/F(インタフェース)を介して接続されるUSBメモリ、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
30・・・伝搬特性推定装置
1・・・パラメータ設定部
2・・・配列初期化部
3・・・解析空間情報記憶部
4・・・仮想回路情報記憶部
5・・・第1電界成分計算部
6・・・第2電界成分計算部
7・・・第1電界成分の吸収境界条件計算部
8・・・第2電界成分の吸収境界条件計算部
9・・・第1磁界成分計算部
10・・・第2磁界成分計算部
11・・・第1磁界成分の吸収境界条件計算部
12・・・第2磁界成分の吸収境界条件計算部
100・・・携帯無線装置
101・・・解析空間
102・・・アンテナ
103・・・本体
104・・・Feed point
201,202・・・円柱導体部
221〜224・・・完全導体境界面
241・・・仮想回路部

Claims (5)

  1. 金属壁に囲まれた構造物内の送信波源からの放射電磁界を、FDTD法を用いて解析する解析方法であって、
    第1の電磁界成分算出部が、第2の電磁界成分算出工程で算出された電磁界の値のうち、アンテナと仮想回路部との接続点での電磁界の値を用いて、FDTD法により解析空間における電磁界の値を算出する第1の電磁界成分算出工程と、
    第2の電磁界成分算出部が、前記第1の電磁界成分算出工程で算出された電磁界の値のうち、前記アンテナと前記解析空間との接続点での値を用いて、FDTD法により前記仮想回路部における電磁界の値を算出する第2の電磁界成分算出工程と、
    を備え、
    前記解析空間は、波源を含む解析モデルが配置され、前記アンテナを介して前記仮想回路部と接続され、
    前記仮想回路部は、前記解析空間領域とは別の空間領域に設けられ前記アンテナを介して解析空間と接続され、4側面を完全導体境界条件とした空間内に配置した接続点、電圧源および吸収境界部からなるアンテナ給電用の給電回路であり、
    前記第1の電磁界成分算出工程と前記第2の電磁界成分算出工程とを同期して行う
    ことを特徴とする解析方法。
  2. 前記第1の電磁界成分算出工程は、
    前記解析空間における電界成分を算出する第1電界成分算出工程と、
    前記解析空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を算出し、前記電界成分算出工程で算出された前記解析空間における吸収境界面上の電界成分を書き換える第1電界成分の吸収境界条件算出工程と、
    前記解析空間における磁界成分を算出する第1磁界成分算出工程と、
    前記解析空間の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を算出し、前記磁界成分算出工程で算出された前記解析空間における吸収境界面上の磁界成分を書き換える第1磁界成分の吸収境界条件算出工程と、
    前記第2の電磁界成分算出工程は、
    前記仮想回路部における電界成分を算出する第2電界成分算出工程と、
    前記仮想回路部の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を算出し、前記電界成分算出工程で算出された前記解析空間における吸収境界面上の電界成分を書き換える第2電界成分の吸収境界条件算出工程と、
    前記仮想回路部における磁界成分を算出する第2磁界成分算出工程と、
    前記仮想回路部の最外壁境界面での電磁波が反射しないような吸収境界条件を算出し、前記磁界成分算出工程で算出された前記解析空間における吸収境界面上の磁界成分を書き換える第2磁界成分の吸収境界条件算出工程と、
    を備え、
    前記第1磁界成分算出工程は、
    前記第2電界成分の吸収境界条件算出工程で算出された電界成分を、前記アンテナと前記仮想回路部との接続点において用いて磁界成分を算出し、
    前記第2磁界成分算出工程は、
    前記第1磁界成分の吸収境界条件算出工程で算出された電界成分および磁界成分を、前記アンテナと前記解析空間との接続点において用いて磁界成分を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の解析方法。
  3. 前記解析空間は、
    所定のサイズの開口部を備え、
    前記第1の電磁界成分算出工程と前記第2の電磁界成分算出工程により算出された電磁界値を用いてリターンロスを解析する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の解析方法。
  4. 金属壁に囲まれた構造物内の送信波源からの放射電磁界を、FDTD法を用いて解析する解析装置であって、
    第2の電磁界成分算出部で算出された電磁界の値のうち、アンテナと仮想回路部との接続点での電磁界の値を用いて、FDTD法により解析空間における電磁界の値を算出する第1の電磁界成分算出部と、
    前記第1の電磁界成分算出部で算出された電磁界の値のうち、前記アンテナと前記解析空間との接続点での値を用いて、FDTD法により前記仮想回路部における電磁界の値を算出する第2の電磁界成分算出部と、
    を備え、
    前記解析空間は、波源を含む解析モデルが配置され、前記アンテナを介して前記仮想回路部と接続され、
    前記仮想回路部は、前記解析空間領域とは別の空間領域に設けられ前記アンテナを介して解析空間と接続され、4側面を完全導体境界条件とした空間内に配置した接続点、電圧源および吸収境界部からなるアンテナ給電用の給電回路であり、
    前記第1の電磁界成分算出部による電磁界成分の算出と前記第2の電磁界成分算出部による電磁界成分の算出とを同期して行う
    ことを特徴とする解析装置。
  5. 金属壁に囲まれた構造物内の送信波源からの放射電磁界を、FDTD法を用いて解析する解析装置のコンピュータに、
    波源を含む解析モデルが配置され、前記アンテナを介して前記仮想回路部と接続されている解析空間と、前記解析空間領域とは別の空間領域に設けられ前記アンテナを介して解析空間と接続され、4側面を完全導体境界条件とした空間内に配置した接続点、電圧源および吸収境界部からなるアンテナ給電用の給電回路である仮想回路部において、
    第1の電磁界成分算出部が、第2の電磁界成分算出工程で算出された電磁界の値のうち、アンテナと前記仮想回路部との接続点での値を用いて、FDTD法により前記解析空間における電磁界の値を算出する第1の電磁界成分算出工程と、
    第2の電磁界成分算出部が、前記第1の電磁界成分算出工程で算出された電磁界の値のうち、前記アンテナと前記解析空間との接続点での値を用いて、前記第1の電磁界成分算出工程とを同期して、FDTD法により前記仮想回路部における電磁界の値を算出する第2の電磁界成分算出工程と、
    を実行させるための解析プログラム。
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