同じ符号は、以下の説明、添付図面、及び特許請求の範囲を通して、同じ部分に関する。
図1は、本発明に係る典型的な海中発電ステーション100の斜視図を示す。このステーション100は、365日24時間作動するよう構成されており、完全に沈んでいる間に供給ケーブル(図示せず)を通して陸上の電力網に電力を供給する。ステーション100は、海洋生物やバイオマスに優しく、また航行し易く、特定の進路の極めて一定である海中の海流が存在する地理的な場所で特に適している。発電のために、一定である特定の進路の海中の海流を利用し得る多くの世界中の場所(例えば、フロリダ、ジョージア、及びサウスカロライナの海岸等といった、北アメリカのメキシコ湾流の領域)があることに留意されたい。電気エネルギを発生する能力に加えて、ステーション100は相当量の飲料水を生成し得る。
ステーション100は、中立浮力を受ける有人の常圧のフレーム102を有している。フレーム102は、略水平方向に向いた三角形の上部耐圧構造104、略水平方向に向いた三角形の下部耐圧構造106、及び構造104及び構造106間を延びる、略垂直方向に向いた3つの実質的に中空の脚部又は「スパー」(第1のスパー108、第2のスパー110、及び第3のスパー112)を有している。
三角形の構造104及び106及びスパー108、110及び112は、構造上略円筒状であり、人間が入る圧力容器のための米国機械学会(ASME)の基準(PVHO−2, section VIII, Division I)、National Board、アメリカ船級協会(ABS)及び米国沿岸警備隊(USCG)基準といった、基準に適するよう製造される。フレーム102は、中立浮力(neutrally buoyant)を受けるよう構成される。ステーション100による水置換及び「ハードな」及び「ソフトな」バラストタンク及びシンタクチックフォームの使用を含む不変及び可変の浮力の様々な組み合わせによって中立浮力を実現してもよい。
本実施例の上部三角形構造104は、係留区域、洗面所、シャワー、休憩室、非番用の部屋、食品の調理及び貯蔵区域、小さな診療所、通信及びメディア室、運動場等を有する商船の船上に見られるのと同じような居住区域を提供する。さらに、上部三角形構造104は、緊急避難ポッド及びone atomosphere absolute transfer−under−pressure(One ATATUP)モジュールといった、非常設備のための貯蔵区域を提供する。
下部三角形構造106は、貯蔵及び設備のためのさらなるスペースを提供する。例として、水生成器(逆浸透(「R/O」)又は蒸留タイプ)、衛生器具、温水器、制御機器、消火システム(「FSS」)、減圧チャンバ、ダイバーロックアウト区画(「DLOC」)、遠隔操作車両ロックアウトポート(「ROVLOC」)、空気交換及び環境制御ユニット(「ECU」)が、ステーション100に設けられている。環境制御ユニットは、酸素発生器、洗浄器及び燃焼器を有している。さらに下部三角形構造106は、飲料水、与圧空気及び酸素、及び回転機械部の冷却のため及びこの回転機械部によって発生する熱を使用してシステムを加熱するための1又はそれ以上の熱交換システムを貯蔵するためのタンクを収容する。さらに、バッテリが、発電が中断して電力網が利用できない場合に電力供給をバックアップする。
ステーション100は6つのノードを有している。ノード114及び116はスパー110によって結合され、ノード118及び120がスパー112によって結合され、ノード122及び124がスパー108によって結合されている。さらに、6つのさらなるスパーが様々なノードを結合している。特に、上部構造104に沿って、スパー126がノード122及び114を結合し、スパー128がノード114及び118を結合し、スパー130がノード118及び122を結合する。下部構造106に沿って、スパー132がノード124及び116を結合し、スパー134がノード116及び120を結合し、スパー136がノード120及び124を結合する。浸水又は他の緊急事態の場合に防水ドア(図示せず)によってノード及びスパー間の各通路を密閉して、様々な区域を隔離してもよい。ノード116、120及び124は、パイロン117、121及び125によってそれぞれ固定されている。パイロン117、121及び125は、海底に固定される。
スパー110及びスパー112は、垂直ドライブシャフトのハウジングとして機能する。図1及び図2を参照すると、ドライブシャフト138がノード116及び114の間を延びている。ドライブシャフト138は、3つのルーバーパネル140、142及び144に結合されている。ルーバーパネル140、142及び144は、スパー110によって回転可能に支持されている。ドライブシャフト138は、モジュール式発電機146といった多くのモジュール式発電機を駆動する。スパー112は、ルーバーパネル141、143及び145を具えて同様に構成されている。このように、本実施例では、各発電ノード114、116、118及び120が、16の積層型モジュール式発電ユニットを収容する。
スパー108は、ルーバーパネル140、141、142、143、144及び145といった様々なルーバーパネルの閉鎖を正しい順序で制御して水流からの運動エネルギの取り出しを最大限にする計器及びブレード/ベーンマイクロプロセッサを取り付けており、様々なルーバーパネルの開放を制御して、「駆動位置」に回転するルーバー面の抵抗を最小限にする。また、計器スパー108の下部は常圧の科学的な観察ステーションを提供する。
図3は、固定及び位置決めシステム150をより明りょうに示すよう取り除いた様々な部品を備えた代替的なステーション300を示す。固定及び位置決めシステム150は、当業者に既知の高圧の水ジェットを用いて海底154に埋められる大規模な円形の「マッドパッド」タイプのアンカー152を有している。
さらに、システム150は、マッドパッド152から延びて、冗長なシンタクチックフォームが詰まっているステンレス鋼の水中ブイ162、164、及び166によってそれぞれ引っ張り状態に保持されるステンレス鋼の3つの「テンションレグ」ケーブル156、158及び160を有している。ケーブル156、158及び160の長さは、水中ブイ162、164及び166がいかなる海の状態においても(駆動して又は曳航されて)海上を航行する船舶に顕著な障害を引き起こす深さを維持しないように選択される。代替的に、ステーション300を、絡み合い又は損傷を防止するために、漁及び航行が制限される領域に配置してもよい。各ステンレス鋼のテンションレグケーブル162、164及び166は、ステーション300の対応する垂直なスパー310、308又は312を通り抜ける。システム150のケーブル162、164及び166には緊急浮揚器具が装備されており、沈んだりルーバーパネルに絡んだりする可能性なく、損傷した/絡んだケーブルの部分が水面に浮上する。
さらに、固定及び位置決めシステム150は、各スパー308、310及び312のそれぞれの内部に配置された大規模なスプールウインチ及び/又は他の適切な油圧牽引装置(図示せず)を有している。固定及び位置決めシステム150は、ウインチを採用することによって選択された操業深さにステーション300を沈めて、ケーブルを引き込み海底154に向けてステーション300を引く。また逆に、ウインチを使用することでステーション300が選択された操業深さからテンションレグブイ162、164及び166まで「はい上がる」ことができる。可変のバラストタンクを使用してステーション300に負又は正の浮力を与え、これらの動作の際にウインチにかかる負荷を減らしてもよい。
さらに、固定及び位置決めシステム150は、可変のバラストタンクを用いてケーブル156、158及び160を緩めることによって、迅速に深さが浅きなるようステーション300を半分だけ海上に出して、正の浮力を与えることができる。いずれにしても、海洋の海面168直下にステーション300を位置決めして、従来の潜水器具によって運用し得る。
また、ステーション300は、ステーション300に取り付けられたケーブルウインチからケーブルを解放したり引っ込めたりすることによって、ステーション300から水面に浮上し又は水中に沈む拘束された常圧の「エレベータ」ポッド170を有している。潜っているステーション300に海面168から機器を搬送するのに、ポッド170を使用し得る。ポッドケーブルには緊急浮上装置が設けられており、損傷した/絡まったケーブルの部分が、沈んだりルーバーパネルに絡まったりする可能性なく海面に浮上する。
図1に戻って参照すると、ステーション100が、さらに、大量の飲料水を生成するよう構成されている。ルーバーパネルを採用して発電するのに加えて、本システムは、発生した電力又は回転するルーバーパネル140、141、142、143、144及び145の機械的な力を採用し、海洋生物に優しい(吸引ブレーク)フィルタを通して周囲の海水660を引き込む高圧水ポンプに電力を供給し、高圧の海水を逆浸透膜に通して新鮮な飲料水を生成する。代替的に、海水を蒸留してもよい。必要に応じて、飲料水を微小ガスで塩素消毒してもよい。そして、有人作業の間にステーション100で飲料水を使用でき、及び/又は飲料水を埋設されたパイプラインを介して本土の給水施設に汲み上げる。
さらに、ステーション100は、塩水拡散システム、逆浸透プロセスの塩水(「flush」)を収集する保持タンク、及び塩水を塩水拡散システムの中に射出するポンプを有している。塩水拡散システムは、穴を開けた長いパイプ及び周囲の海水をパイプを通して強く流すポンプを有している。システム400は定量的にパイプの中に塩水溶液を射出し、塩水が、海洋生物を食塩中毒させないように制御された状態で穴を開けたパイプを通って周囲の海水の中に拡散する。これは、海洋生物に有毒な水柱の中の望ましくない塩の塊の生成物を改善する。好適には、塩水拡散パイプが、ステーション100の下流側に配置されている。
図4に示すステーションのコンピュータネットワーク170を介してステーション100の動作を制御する。ネットワーク170は、ユーザインタフェース172、マイクロプロセッサ174及びメモリ176を有している。マイクロプロセッサ174は、ステーション100の動作に関する様々な機能を監視且つ制御するようプログラムされる。例として、発電に関する様々なセンサ178が監視される。本実施例のセンサ178は、ルーバーパネル140、141、142、143、144及び145の回転位置に対応する出力を発生するセンサを有している。
また、マイクロプロセッサ174は、センサ180を介してステーション100の中の雰囲気状態を含む環境の状態を監視する。センサ182は、ステーション100の上流側の状態に対応する信号を出力する。本実施例のセンサ182は、NortekUSA of Annapolis,Maryland.から市販されているAQUADOPP(登録商標)電流計である。センサ182は水温及び水の流速を示す出力を与える。センサ182は、センサ100の上流側の電流経路に配置されている。
マイクロプロセッサ74は、さらに、様々な制御機能を提供するようプログラムされる。例として、マイクロプロセッサ174は、ステーション100の環境を適したものに維持するよう使用される様々なシステム184に制御信号を出力する。システム184は、加熱、換気及び空調システムを有している。マイクロプロセッサは、さらに、消化システム186、通信システム188、及び補助システム190に関連する機械を制御する。
マイクロプロセッサは、さらに、ルーバーパネルの制御を含む発電に関連する様々なシステム192を制御する。ルーバーパネルの制御は、図5を参照して説明する。水流が矢印194で示す方向に動いている。センサ182によって流れの速さが検出され、信号がマイクロプロセッサ174に向けて送られる。ルーバーパネル140、141、142、143、144、及び145の位置を示す信号が、センサ178からマイクロプロセッサ174に伝わる。マイクロプロセッサ174は、各ルーバーパネル140、141、142、143、144、及び145に関する受信した入力に基づいて、推定される衝撃時間を計算するようプログラムされる。
換言すれば、ルーバーパネル140、141、142、143、144、及び145が、矢印195及び197で示す方向にスパー110及び112の周りを回転する際に、各スパー110又は112からルーバーパネル140、141、142、143、144、及び145を通して引かれるラインが、流れがやって来る方向(ここでは流れと揃うと称する)に向けて真っ直ぐに向く時間を、マイクロプロセッサ174が推定する。図5では、ルーバーパネル140が流れとほぼ揃っている。このため、ルーバーパネル140、141、142、143、144、及び145が流れと揃うポイントを越えて回転し続けると、マイクロプロセッサ174が、流れから運動エネルギを受けるための比較的大きな面を与える閉鎖位置に特定のルーバーパネルのルーバー146を移動させる制御信号を出す。
ルーバーパネルが下流側の流れと揃うまで、閉じたルーバーパネルに対して流れが力を与え続ける。図5では、ルーバーパネル141が、下流側で流れとほぼ揃っている。このような位置を越えて、ルーバーパネルへの流れの力が、ルーバーパネルの回転を遅くするよう作用する。したがって、マイクロプロセッサ174が制御信号を出力し、下流側の流れと揃ったパネルのルーバー196(図2参照)が開くことでルーバーパネルの有効表面積を減らす。
さらに、当業者は、ルーバーパネル141、143及び145からステーション100へのトルクが、ルーバーパネル142、144及び146からステーション100へのトルクによって無効にされることを理解するであろう。
一実施例では、マイクロプロセッサ174が、予測される「攻撃角」及び「攻撃速度」を判断するよう構成されている。このような計算は、開放及び閉鎖位置間のルーバーの移動スピードとともにルーバーパネルの回転スピードを組み込んでおり、ルーバーパネルの回転スピードを最適化する。
さらに、マイクロプロセッサ174を使用して、制御されるルーバー196が完全開放位置に移動してルーバーパネルの減速/停止を助ける「フルフェザー(full feather)」位置にルーバー196を制御する。別の制御位置は、各ルーバーパネルの全てのルーバー196が完全閉鎖位置になるよう制御されて、修復のためにステーション100を半分浮上させるといったステーション100の深さを変える際に比較的低い垂直抵抗を与える「全傾」位置である。さらに、ルーバー196の一つが完全開放位置に設定されてこのルーバーのために運動制御システムの修復を可能にするようロックされる一方、他のルーバーが発電でいつものように機能し続ける「選択フェザー」位置にルーバー196を制御してもよい。
また、マイクロプロセッサ174は、発電ノード114、116、118及び120の発電機器のための制御機能を提供する。図6を参照すると、発電ノード114が、4つのレベルのモジュール式発電機146を有している。各レベルは、パワーアクスル138の周りに配置された4つのモジュール式発電機146を有している。パワーアクスル138は、4つのユニバーサルギヤ198、200、202及び204に連結されている。各発電機146は、クラッチ206によってモジュール式発電機146と同じレベルのユニバーサルギヤ198、200、202又は204に連結されている。マイクロプロセッサ174は、個々のクラッチ206を係脱するための制御信号を出力する。した、各モジュール式発電機146が、メンテナンスを実行するために、又は発電ノード114の残りの31のモジュール式発電機146の作動に影響を及ぼさずに交換するために、個別に作動状態から解除される。
また、メンテナンス関連が、ルーバー196の構成の考慮に入れられる。例として、図7が、ルーバー206及びルーバー208の概略図を示す。ルーバー206及び208の位置をクロスバー210及び212を通して制御する。クロスバー210及び212は、矢印214の方向に流れる流れが正面216及び218にそれぞれ衝突する際に、ルーバー206及び208が開放位置に向かってある程度片持ちになるよう位置決めされる。逆に、矢印220の方向に流れる流れが背面222及び224に衝突する際に、ルーバー206及び208が、それぞれ閉鎖位置に向けてそれらを動かす力を受ける。このような構成は、ルーバーパネルの作動効率を増加させ、ルーバーを制御するよう使用されるシステムに働く力を減らす。さらに、このような構成により、ルーバーを積極的に制御せず、むしろ流れの衝突に応じてクロスバー210及び212の周りを回動させ得るような実施例でルーバー206及び208を使用し得る。
また、本実施例では、ルーバー206及び208が、ステーション100が所望の深さにあるときに中立浮力を受けるよう構成されている。このため、様々な部品にあまり力がかからず、メンテナンスの要請がさらに減る。
マイクロプロセッサ174によって制御される補助システム190は、スパー108に与えられる昇降システムを有している。図8に示すように、スパー108は、ノード122及びノード124間を延びる昇降シャフト230を囲んでいる。昇降装置230により、人員、供給品、資材が上部構造104及び下部構造106間を移動し得る。さらに、スパー126、128、130、132、134及び136に、ステーションにわたって機器又は供給品を移動させる際に使用するための軌道又はガイドレールを設けてもよい。
昇降シャフト230は、ドライウォータースカート232の下方に配置されている。このスカート232は、高圧の水洗浄器及び回転洗浄ブラシを装備した乗物とともに使用されるよう構成されている。高圧の水洗浄器及び回転洗浄ブラシを使用して、ドライウォータースカート232から生物付着及び他の破片を除去する。そして、スタブピンを用いて乗物をドライトランスファースカート232の上に据え、適切に配置させる。乗物の底面のシールが、乗物及びドライトランスファースカート232間の防水シールを与える。乗物が適切に配置されると、シールの中及び乗物とドライトランスファースカート232間の空間が排水される。排水処理が、乗物とドライトランスファースカート232間の圧力を低くする。したがって、乗物に作用する周囲の海の圧力によって防水が維持される。
一実施例によれば、ステーション100が、海面下650乃至2500フィート(「FSW」)の深さにある。このような深さにより、荒天の状況の下で100年間ステーション100が平均水面下に良好に設置される。固定及び位置決めシステム150を650FSWで組み込むと、マッドパッド152が海底154の下方約45フィートの深さに埋まり、ステンレス鋼の各テンションレグケーブル156、158及び160を終端とする3つの水中ブイ162、164及び166が、約165FSWの最小深さにある一方、荒天の状況の下で100年間平均水面下にある。
乗員の交換、食料、郵便、交換部品の配達、病気の又は負傷したステーションの作業員の退去、及び科学的観測ステーションを訪れる研究者の送り出し及び交換を、有人潜水艇を使用して行ってもよい。このため、海洋の「活動層」の下方にこのように良好に配置することで、ステーション100は、津波、ハリケーン、太陽フレア、戦争、等といった海面/海中の悪条件によってそれほど影響を受けない。また、ステーション100は可能性のあるテロリズムにとって難しい標的である。このため、さらに、ルーバーパネル140、141、142、143、144及び145が海洋生物への悪影響を改善するために十分ゆっくりと開放、閉鎖、及び回転することに留意されたい。また、ステーション100は、ほとんどのタイプの海洋生物に嫌悪/迂回行動を誘発させるためのレベル及び周波数で音を発生するよう構成された水中ラジオ放送システムを有している。支柱及びブレード面への(クラゲ、等の)無脊椎動物の衝突は、沖合の石油生産構造物又は沈没船に見られる衝突に匹敵するであろう。
さらに、操業時に、ステーション100が、潜水艇のための補助電力ドックを提供し、修理/メンテナンスのための船上の動力装置のパワーダウンの際に潜水艇に電力及び新鮮な水を提供し、ステーション100は、長距離の水中聴音器の海中聴音/追跡/信号リピートシステム用の高電圧の電源を提供する。
さらに、ステーション100は適度な冷水(すなわち、約650FSWの深さの39°Fのオーダー)の中に沈む実質的に大きな金属構造体であるため、周囲の水660の温度が熱交換によって回転部分を冷やし易くなる。
代替的な水中発電ステーション250を図9に示す。水中発電ステーション250は、ベース252及びフレーム254を有している。ベース252はアンカーとして機能し、水中の流れの中の所望の場所に発電ステーション250を保持する。フレーム254は、水中の流れの中で発電ステーション250を位置決めするよう使用される多くの目付き板256を有している。目付き板256を使用して、船によって発電ステーション250を陸地から離れた場所に下ろしてもよく、又はクレーンによって河川、水路、又は陸地の近くの海流に発電ステーション250を配置してもよい。
フレーム254は、ベース252から水面258の上方の位置に延びている。本実施例では、フレーム254が、発電ステーション250に近付けて電力線を発電ステーション250から負荷に這わせるのに使用される渡り板260を支持する。さらに、フレーム254は、垂直回転シャフト266及び268によってそれぞれ作動する2つの発電機262、及び264を支持する。本実施例の発電機262及び264は、Marathon electric Manufacturing Corp.,of Wausau,Wisconsin.によって市販されている5kW LIMA(登録商標)MAC発電機である。必要に応じて、各垂直回転シャフト266及び268によって、ステーション100に関する上記のようなクラッチシステムを介して、2以上の発電機に動力を供給してもよい。
垂直回転シャフト266及び268は、発電機262及び264からフレーム254のケージ部270の中にそれぞれ延びており、図10に示すように、回転シャフト266及び268が2つの垂直軸タービン272及び274にそれぞれ連結されている。タービン272及び274は略同一であり、図11に示すタービン272に関して説明する。タービン272は、2つのエンドプレート282及び284間を延びる多くのルーバー280を有している。各ルーバー280は、それぞれの回動棒286によってエンドプレート282及び284に回動可能に結合されている。各回動棒286は、エンドプレート282及び284に設けられている回動穴288の中で回動する。
図12を参照すると、エンドプレート282は、多くの受容領域290を有している。各受容領域290は、1つの回動穴288、前縁回動規制壁292、後縁回動規制壁294、及びスタビライザ296を有している。平面図によると、最上部の受容領域290の前縁回動規制壁294が後縁回動規制壁292の右方に向かって開いている。したがって、エンドプレート282は、以下により詳しく説明するように、時計方向のエンドプレートである。各受容領域290は、図13に示すように、1つのルーバー280を受容する。対向するエンドプレート284は受容領域によって相補的に形成される。必要に応じて、中間ウェブをウェブの切り欠き部を通って延びるルーバーに設けて、さらなる剛性を与えてもよい。
図13は、タービン274のエンドプレート284及びエンドプレート298を示す。エンドプレート284は反時計方向のエンドプレートであるのに対し、エンドプレート298は時計方向のエンドプレートである。回動棒286が、各ルーバー280を後縁部302と後縁部302よりも短い前縁部300とに分ける。前面304が、各ルーバー280の一方の側の前縁部300及び後縁部302間を延びており、背面306が前面304の反対側に設けられている。ルーバー280の背面306は、後縁回動規制壁292に接触するルーバー280の側面である。このため、図13に示すように、タービン272のルーバー280がタービン274のルーバー280と同じである一方、タービン272のルーバー280の背面306が、タービン274のルーバー280の背面306とは逆になっている。
水中発電システム250の作動を図9乃至図13を参照して説明する。まず、フレーム254が、ベース252が海底の上に載りケージ部270が少なくとも部分的に沈むまで、海流の水塊の中に下げられる。本実施例では、発電機262及び264が完全に海面258の上に位置している。
好適な向きでは、フレーム254が、垂直回転シャフト266から垂直回転シャフト268に延びるラインが海流に対して垂直となるよう位置している。したがって、図13の矢印310の方向に移動する海流が、タービン272及び274双方をほぼ同じ力で駆動させる。流れがルーバー280に衝突する際に、ルーバー280が3つの動作ゾーンを通って回転する。フラッターゾーン312では、ルーバーが回動棒286によって拘束されるが、それらは受容領域290によって拘束されない。したがって、ルーバー280が入って来る流れに対して抵抗の少ない方向に自分で向き、前縁部300が入ってくる流れの方向に向く。
タービン272及び274が回転すると、フラッターゾーン312の中のルーバー280が、回動棒286によって規定される回動軸の周りを回動する。したがって、ルーバー280の後縁部302の背面306が、後縁回動規制壁292に近付くよう回動する。ルーバー280がフラッターゾーン312の外で回転すると、それらは主要駆動ゾーン314に入る。主要駆動ゾーン314では、ルーバー280の後縁部302の背面306が後縁回動規制壁292と接触する。
したがって、流れが矢印310の方向に移動すると、流れからの運動エネルギがルーバー280を通って主要駆動ゾーン314の中の後縁回動規制壁292に伝わる。中間ウェブを含む実施例では、流れからの運動エネルギがルーバー280を通って中間ウェブにも伝わる。移動する運動エネルギにより、タービン272及び274が回転する。タービン272のエンドプレート284(下部エンドプレート)は反時計方向のエンドプレートである。したがって、タービン272のルーバー280に衝突する流れにより、矢印316の方向にタービン272が回転する。タービン274のエンドプレート298(下部エンドプレート)は時計方向のエンドプレートである。したがって、タービン274のルーバー280に衝突する流れにより、タービン274が矢印318の方向に回転する。
流れからルーバー280を通る運動エネルギの移動が、主要移動ゾーン314にわたって継続する。ルーバー280が第2の移動ゾーン320に向けて回転すると、ルーバー280の長手軸が流れの方向に揃う。ルーバー280が第2の移動ゾーン320に回転すると、タービン272及び274を通過する流れがルーバー280の背面306に衝突する。衝突する流れによりルーバー280が回動する。ルーバー280の回動は、ルーバー280の前縁エッジ部300が前縁回動規制壁294に接触するまで継続する。本実施例では、スタビライザ296が、ルーバー280の前縁エッジ部300が前縁回動規制壁294に接触するする際に、ルーバー280の前面304がスタビライザに接触するように構成されている。
ルーバー280がスタビライザ296及び前縁回動規制壁294に接触するすると、さらなる運動エネルギがルーバー280を通ってスタビライザ296及び前縁回動規制壁294に移動し、タービン272及び274にさらなるトルクを発生させる。
したがって、ルーバー280が整列して、流れから主要駆動ゾーン314及び第2の駆動ゾーン320を通したタービン272及び274への運動エネルギの移動を最小限にする一方、フラッターゾーン312を通した抵抗を最小限にする。
他の改変を組み込んで本書に記載の様々なタービンの効果を強化してもよい。例として、図14は、後縁回動規制壁324を有するプレート322の斜視図を示す。プレート322を、タービンのエンドプレートの一部又は中間ウェブとして使用して、ルーバーにさらなる支持を与えてもよい。高圧にさらされるタービンのバージョン及び/又は海水といった特に厳しい環境にさらされる適用例では、プレート322及び本書に記載の他のプレートをステンレス鋼で製造してもよい。特に高い塩分の水にさらされない小さなバージョンでは、Chemtura Corporation,of Middlebury,Connecticutによって市販されている、VIBRATHANE又はADIPRENEといったポリマー又はキャスタブルウレタンをプレート322の製造に組み込んでよい。
また、互いに移動する部品間にブッシングを含めることによって、タービンの効果を強化してもよい。例えば、本書で説明する様々なエンドプレートで図15のブッシング326を使用してもよい。また、VIBRATHANE又はADIPRENEを含んだブッシング326を加工してもよい。
ルーバーの重量を減らすことによって、さらなる効果を生じさせてもよい。この目的を達成するために、図16に示すルーバー328は、シャフト空洞部334に加えて前縁空洞部330及び後縁空洞部332を有している。流体又は気体を詰めて所望の浮力を与えてもよい空洞330及び332により、ルーバー328の重量を所望の重量に変えることができる。さらに、空洞がルーバー328の強度及び剛性を高くする。特定の適用例ではステンレス鋼を使用してルーバー328を製造する一方、ルーバー328の小さなバージョンは、アルミニウムを用いて押出成形してルーバー328の重量をさらに減らしてもよい。例として、6063アルミニウム合金を使用且つ熱処理することでT6状態の特性を呈する。上述のようなポリマーを使用してルーバーをコーティングし、さらなる所望の特性を与えてもよい。
図17は、水中の流れから発電するよう使用される代替的なタービン340を示す。タービン340は、多数のルーバー346を支持する2つのエンドプレート342及び344を有している。ルーバー346は、回動棒348によってエンドプレート342及び344に回動可能に結合されている。回動棒348は、前縁部350及び後縁部352間に位置する回動軸を規定する。ルーバー346は、さらに、前面354及び背面356を有している。
タービン340は、タービン272及び274と同じような方法で動作する。タービン340とタービン272及び274との間の1つの差異は、エンドプレート342及び344が、受容領域を有していないことである。むしろ、ルーバー346の回動は、図18に示す関連する回動ピン358、及び大部分のルーバー346では、隣接するルーバー346の前面304の前縁部350によって制約される。特に、回動ピン358が、関連する第1のルーバー346の背面356が関連する回動ピン358に接触するときに、背面356の後縁部352もまた第1のルーバー346の内側に位置する隣接する第2のルーバー346の前面304の前縁部350に接触するように、位置している。
したがって、主要駆動ゾーン360を通ってルーバー346が回転するときに、隣接するルーバー346がルーバーの刃部362を変形させる。ルーバー346が第2の駆動ゾーン364に回転するときに、図18に示すように、ルーバー346は時計方向に回動し、入ってくる流れからの運動エネルギが前縁部350の背面356を通って関連する回動棒348に伝わる。
他の実施例では、固定されたルーバータービンを使用して、水中の流れから発電する。例として、図19及び図20が、5つの固定ルーバー372を有するタービン370を示す。ルーバー372は、エンドプレート374及び376間を延びており、垂直シャフト378の周りに螺旋状に形成されている。必要に応じて、1又は数個の固定ルーバーを使用してもよい。このため、図21及び図22に示すタービン380は、3つの固定ルーバー382を有している。ルーバー382は、エンドプレート384及び386の間を延びており、垂直シャフト388の周りを螺旋状に形成されている。
固定ルーバーを具えたタービンを使用する場合、バッフルを使用してタービンの効果を高めてもよい。例として、バッフル380及び382を図9及び図10のフレーム254のケージ部270に付けた状態を図23に示す。バッフル380は、前方口部384及び後部386を有している。バッフル382は、前方口部388及び後部390を有している。対向する口部384及び388は、ケージ部270の入口392を規定し、後部386及び390が排出口394を規定する。
また、タービン370及び396を図23で示す。タービン370は、矢印398方向に移動する流れが衝突する際に、図23に示すように反時計方向に回転するよう構成されている。タービン396は、矢印398方向に移動する流れが衝突する際に、図23に示すように時計方向に回転するよう構成されている。タービン370及び396がケージ部270に組み込まれて流れの中に配置される場合、入口392を通ってタービン370及び396の主要駆動ゾーン400及び402のルーバー372に衝突する流れが、バッフル380及び382によって方向付けられる。ケージ部270を通過する水は、排出口394を通って排出される。バッフル380及び382は、流れが非主要駆動ゾーン404及び406のルーバー372に直接衝突しないように、ケージ部270の周囲で流れを逸らすことで、抵抗を減らしタービン370及び396の効果を高める。
代替的な水中発電ステーション410を図24及び図25に示す。水中発電ステーション410は、ベース又はデッキ412及びフレーム414を有している。以下に説明するように、水中の発電ステーション410を位置決め且つ保持するよう使用される多くの滑り止め416が、デッキ412に設けられている。
デッキ412は、第1の台船(ポンツーン)418から第1の台船418に対して間隔を空けた第2の台船420に延びている。4つのクロスバー422が台船418及び420間を延びている。2つのバッフル424及び426が台船418及び420にそれぞれ結合されている。バッフル424及び426は、発電ステーション410の中央線428に向けて内側に湾曲している。
2つの発電機430及び432がフレーム414の中で支持されている。発電機430及び432は、発電ステーション250の発電機262及び264と同じタイプでよい。2つの垂直シャフト434及び436が発電機430及び432にそれぞれ結合されており、ベース438によって回転可能に支持されている。各垂直シャフト434及び436は、各垂直軸のタービン440及び442に結合されている。垂直軸タービン440及び442は、垂直軸タービン272及び274と略同一である。
水中発電ステーション410を、水中発電ステーション250と略同一の方法で作動させる。しかしながら、水中発電ステーション410の様々な部品によってさらなる性能が与えられる。例えば、台船418及び420により、水中発電ステーション410を曳航船によって移送して水塊の中に送り出すことが可能となる。台船418及び420は、デッキ412並びに発電機430及び432を水上に保持するような大きさである。そして、止め具416にロープが取り付けられ、水中発電ステーション410を水塊の所望の場所の中に誘導するよう使用される。代替的に、モータをデッキ412に取り付けて水中発電ステーション410を配置するよう使用してもよい。
素早い展開が可能となるのに加えて、水中発電ステーション410の水塊の中での場所及び方向を容易に最適化できる。例として、図26に示す水中発電ステーション410を、2つの左舷側のスプリングライン452及び454及び2つの右舷側のスプリングライン456及び458によって、移動する水塊450の中に固定する。また、左舷側のブレストライン460及び右舷側のブレストライン462を止め具416に結合してもよい。さらに、スプリングライン452及び454が支柱464に結合され、スプリングライン456及び458が支柱466に結合される。ブレストライン460及び462は、それぞれ支柱468及び470に結合される。代替的に、ブレストライン460及び462並びにスプリングライン452、454、456、及び458を他の従来の構造に結合してもよい。
スプリングライン452、454、456、及び458を使用して、水中発電ステーション410を水塊450の中の場所に位置決めし、そこで水塊450の中の流れが最適となる。図26の例では、自然に生じるネック部472が水塊450の流れを集中させる。そして、ブレストライン460及び462を使用して、入ってくる流れに水中発電ステーション410の中央線428を向けて、水中発電ステーション410による発電量を最大限にする。
バッフル424及び426は、入ってくる流れをさらに集中させて、垂直軸タービン440及び442に流れが衝突する角度を最適化するよう構成されている。必要に応じて、バッフル424及び426を、海面の上方の場所に格納して水中発電ステーション410の操縦性を高め、水中発電ステーション410が水塊450の中の所望の場所に配置されると下がるよう構成してもよい。
電力ケーブル478を使用して、水中発電ステーション410をサブステーション480に結合する。ブレストライン462の中でケーブル478を支持してもよい。そして、水中発電ステーション410を使用して発電する。
典型的なプロセス及びシステム部品の記載によって本発明を説明したが、そして様々なプロセス及び部品を詳細に記載したが、本出願人は、このような詳細によって添付した特許請求の範囲を制限又は多少なりとも限定することを意図するものではない。また、さらなる利点及び修正が当業者にとって容易に明らかとなろう。このため、本発明の最も広い態様は図示及び説明した特定の詳細、実施例、又は具体例に限定されない。したがって、出願人の全体的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱しなければ、このような詳細から逸脱してもよい。