JP2011526280A - セミカルバゾン化合物を異性化させる方法 - Google Patents

セミカルバゾン化合物を異性化させる方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般式(I)〔ここで、式(I)中の可変部分は明細書中で定義されている意味を有する〕で表されるセミカルバゾン化合物のZ-異性体(I-Z)をそのE-異性体(I-E)に異性化させる方法に関し、ここで、該方法は、Z-異性体(I-Z)又は立体異性体(I-Z)と(I-E)の混合物を少なくとも1種類の有機酸の存在下で反応させることを含む。
Figure 2011526280

【選択図】なし

Description

本発明は、一般式(I)
Figure 2011526280
〔ここで、式(I)中の可変部分は、以下の意味を有する:
m、p及びqは、それぞれ独立して、0、1、2、3又は4の整数であり;
R1、R2、R3は、それぞれ独立して、ハロゲン;OH;CN;NO2;C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ若しくはC3-C6-シクロアルキルで場合により置換されていてもよいC1-C6-アルキル;C1-C6-ハロアルキル;C3-C6-シクロアルキル;C1-C4-アルコキシ若しくはC3-C6-シクロアルキルで場合により置換されていてもよいC1-C6-アルコキシ;C1-C6-ハロアルコキシ;C1-C6-アルキルカルボニル;C3-C6-シクロアルコキシ;C1-C6-アルコキシカルボニル;又は、C1-C6-アルコキシカルボニルオキシである〕
で表されるセミカルバゾン化合物のZ-異性体(I-Z)をそのE-異性体(I-E)に異性化させる方法に関する。
一般式(I)で表されるセミカルバゾン化合物は、有害生物防除剤(pest-controlling agent)として有効であることがEP-A-462456から知られている。式(I)で表されるセミカルバゾンは、C=N-二重結合に関して2種類の幾何異性体、即ち、E-型(I-E)及びZ-型(I-Z)、を有する。
Figure 2011526280
室温において、これらの幾何異性体は、E/Z-異性化に関しては安定である。これらの化合物の相対的な殺虫活性(pesticidal activity)に関しては、一般に、E-型(I-E)の方がZ-型(I-Z)よりも活性が高い。従って、セミカルバゾン(I)の農業的及び商業的に許容される規格では、E/Z-比は、少なくとも9:1、好ましくは、少なくとも10:1であることが必要である。
式(I)で表される化合物は、下記スキームにおいて例示されている調製方法で調製することができる。
Figure 2011526280
この調製方法では、かなりの量の望ましくないZ-異性体(I-Z)が形成される。さらに、望ましいE/Z-比を達成するためには、多大な労力が必要である。第1に、ヒドラゾン前駆体(II)における高いE/Z-比〔これは、最終生成物(I)において所望されるE/Z-比を達成するのに必要である〕を達成するためには、長い反応時間が必要である。第2に、Z-異性体(I-Z)の存在下においてE-異性体(I-E)を結晶化させることは、時間が掛かり、また、困難である。所望のE-異性体の高い単離収率(isolated yield)を達成するために、Z-異性体の一部も当該反応混合物からE-異性体と一緒に結晶化されてしまう。同様に、結晶化生成物において所望されるE/Z-比を達成するためには、E-異性体の単離収率が低いことが必要であり、その結果、望ましくないZ-異性体が当該反応混合物中で有意量のE-異性体と一緒に完全に可溶化される。第3に、所望されるE/Z-比を達成するために、かなりの量の望ましくないZ-異性体を含んでいる単離生成物(I)を再結晶化させることも、時間が掛かり、また、困難である。当該混合物からの結晶化と同様に、結晶化回収率が低くなるか、又は、最終生成物のZ-異性体含有量が高くなる。これらのことは、単離される生成物の収率が低くなるか又は必要とされるE/Z-比を有さないというリスクを含んでいる。
WO 2005/047235 A1には、セミカルバゾン(I)をヨウ素の存在下で好ましいE-異性体に異性化させる方法〔ここで、該方法は、有利には、固相又は溶融相で実施される〕が開示されている。この方法の不利な点は、E-富化セミカルバゾン(I)を大規模製造するのには、固体原料を所望される温度まで加熱するのに適した特別の高価なプロセス機器(process equipment)が必要となるであろうということである。さらに、ヨウ素を使用することは、毒物学的問題及び腐食の問題に起因して、製造上の観点からすれば魅力的ではない。例えば、ヨウ素廃棄物は、有害廃棄物として処理しなくてはならない。
欧州特許出願公開第462456号明細書 国際公開第2005/047235号パンフレット
従って、(I)のZ-異性体をそのE-異性体(I-E)に異性化させるための、実施するのにより都合がよく且つ環境上の観点及び経済的な観点からより適した方法を提供することが依然として求められている。
驚くべきことに、Z-型(I-Z)又は幾何異性体(I-E)と(I-Z)の混合物を少なくとも1種類の有機酸の存在下で反応させることによって、化合物(I)のZ-異性体を(I)のE-異性体に異性化させることができるということが分かった。このことは、ヒドラゾン前駆物質(II)の調製において、最終生成物(I)を殺虫剤として使用することを目的として許容されるE/Z比を有機酸の存在下で達成することができなかったという事実を考えれば、極めて驚くべき結果である。
従って、本発明は、上記で定義されている一般式(I)で表される化合物のZ-異性体(I-Z)をそのE-異性体(I-E)に異性化させる方法に関し、ここで、該方法は、Z-異性体(I-Z)又は幾何異性体(I-Z)と(I-E)の混合物を少なくとも1種類の有機酸の存在下で反応させることによる。
本発明の方法において使用される有機酸は、原理上は、任意の有機酸であることができる。
好ましい実施形態では、有機酸は、カルボン酸及びスルホン酸から選択される。
本明細書中で使用されている場合、用語「カルボン酸」は、例えば、脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸を意味し、ここで、該脂肪族カルボン酸及び芳香族カルボン酸は置換されていなくても又は置換されていてもよい。
本明細書中で使用されている場合、用語「スルホン酸」は、例えば、脂肪族スルホン酸及び芳香族スルホン酸を意味し、ここで、該脂肪族スルホン酸及び芳香族スルホン酸は置換されていなくても又は置換されていてもよい。
好ましくは、有機酸は、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸及びそれらの任意の混合物から選択され、ここで、何れの場合も、置換されていないか又は置換されている。
脂肪族カルボン酸は、好ましくは、アルキル基が置換されていないC1-C4-アルキルであるか又は1個以上のハロゲン原子で置換されているC1-C4-アルキルであるアルキルカルボン酸から選択される。さらに好ましくは、脂肪族カルボン酸は、アルキル基がフッ素、塩素又は臭素から(さらに好ましくは、塩素又はフッ素から)独立して選択される1個以上のハロゲン原子で置換されているC1-C4-アルキルであるアルキルカルボン酸から選択される。特に好ましくは、脂肪族カルボン酸は、アルキル基が1〜5個のフッ素原子で置換されているC1-C2-アルキル(本明細書においては、「C1-C2-フルオロアルキル」とも称される)であるアルキルカルボン酸から選択される。上記脂肪族カルボン酸の例は、ギ酸、酢酸、クロロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸及びそれらの任意の混合物であり、ここで、トリフルオロ酢酸が好ましい。
芳香族カルボン酸は、好ましくは、アリール基が置換されていないアリールカルボン酸又はアリール基がC1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、ハロゲン若しくはニトロから独立して選択される1以上の置換基で置換されているアリールカルボン酸から選択される。さらに好ましくは、芳香族カルボン酸は、アリール基が置換されていないアリールカルボン酸又はアリール基がC1-C6-ハロアルキル若しくはハロゲンから独立して選択される1以上の置換基で置換されているアリールカルボン酸から選択される。さらに一層好ましい実施形態では、芳香族カルボン酸は、アリール基が置換されていないフェニルであるアリールカルボン酸又はアリール基がC1-C4-ハロアルキル若しくはハロゲンから独立して選択される1〜3の置換基で置換されているフェニルであるアリールカルボン酸から選択される。さらに好ましい別の実施形態では、芳香族カルボン酸は、アリール基が置換されていないフェニルであるアリールカルボン酸又はアリール基がC1-C2-フルオロアルキル若しくは塩素から独立して選択される1〜3の置換基で置換されているフェニルであるアリールカルボン酸から選択される。さらに一層好ましい実施形態では、芳香族カルボン酸は、アリール基が置換されていないフェニルであるアリールカルボン酸又はアリール基がC1-C2-フルオロアルキル(特に、トリフルオロメチル)若しくは塩素から独立して選択される1若しくは2の置換基で置換されているフェニルであるアリールカルボン酸から選択される。上記芳香族カルボン酸の例は、安息香酸、o-メチル安息香酸、m-メチル安息香酸、p-メチル安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、o-トリフルオロメチル安息香酸、m-トリフルオロメチル安息香酸、p-トリフルオロメチル安息香酸、o-クロロ安息香酸、m-クロロ安息香酸、p-クロロ安息香酸、o-ニトロ安息香酸、m-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸及びそれらの任意の混合物である。好ましい芳香族カルボン酸としては、安息香酸、o-トリフルオロメチル安息香酸、m-トリフルオロメチル安息香酸、p-トリフルオロメチル安息香酸、o-クロロ安息香酸、m-クロロ安息香酸、p-クロロ安息香酸及びそれらの任意の混合物などを挙げることができる。さらに好ましくは、芳香族カルボン酸は、安息香酸、m-トリフルオロメチル安息香酸、o-クロロ安息香酸、m-クロロ安息香酸、p-クロロ安息香酸及びそれらの任意の混合物から選択される。
本明細書中で使用されている用語「アリール」は、少なくとも1の芳香族環(例えば、フェニル又はビフェニル)又は少なくとも1の環が芳香族である複数の縮合環(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、ナフチル、アントリル又はフェナントリル)〔ここで、これらはいずれも置換されていてもよい〕を有する芳香族炭素環式基を意味する。
好ましい脂肪族スルホン酸は、アルキル基が置換されていないC1-C4-アルキルであるアルキルスルホン酸又はアルキル基が1個以上のハロゲン原子(特に、フッ素)で置換されているC1-C4-アルキルであるアルキルスルホン酸である。さらに好ましくは、脂肪族スルホン酸は、アルキル基が置換されていないC1-C2-アルキルであるアルキルスルホン酸又はアルキル基が1〜5個のフッ素原子で置換されているC1-C2-アルキルであるアルキルスルホン酸から選択される。適切な脂肪族スルホン酸は、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸及びトリフルオロメタンスルホン酸であり、ここで、メタンスルホン酸が好ましい。
好ましくは、芳香族スルホン酸は、アリール基が置換されていないアリールスルホン酸又はアリール基がC1-C6-アルキル若しくはハロゲンから独立して選択される1以上の置換基で置換されているアリールスルホン酸から選択される。さらに好ましくは、芳香族スルホン酸は、アリール基が置換されていないフェニルであるアリールスルホン酸又はアリール基がC1-C6-アルキル若しくはハロゲンから独立して選択される1以上の置換基で置換されているフェニルであるアリールスルホン酸から選択される。さらに一層好ましくは、芳香族スルホン酸は、アリール基が置換されていないフェニルであるアリールスルホン酸又はアリール基が1〜3のC1-C6-アルキル(好ましくは、1又は2のC1-C4-アルキル)で置換されているフェニルであるアリールスルホン酸から選択される。上記芳香族スルホン酸の例は、ベンゼンスルホン酸、o-トルエンスルホン酸、m-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、2,5-ジメチルベンゼンスルホン酸、3,4-ジメチルベンゼンスルホン酸、m-キシレンスルホン酸、o-エチルベンゼンスルホン酸、m-エチルベンゼンスルホン酸、p-エチルベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸及びそれらの任意の混合物である。好ましい芳香族スルホン酸は、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸であり、ここで、p-トルエンスルホン酸が最も好ましい。
好ましい実施形態では、有機酸は、アルキルカルボン酸〔ここで、アルキル基は、置換されていないC1-C4-アルキルであるか、又は、1個以上のハロゲン原子で置換されているC1-C4-アルキルである〕、アリールカルボン酸〔ここで、アリール基は、置換されていないか、又は、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、ハロゲン若しくはニトロから独立して選択される1以上の置換基で置換されている〕、アルキルスルホン酸〔ここで、アルキル基は、置換されていないC1-C4-アルキルであるか、又は、1個以上のハロゲン原子で置換されているC1-C4-アルキルである〕及びアリールスルホン酸〔ここで、アリール基は、置換されていないか、又は、C1-C6-アルキル若しくはハロゲンから独立して選択される1以上の置換基で置換されている〕から選択される。
好ましい別の実施形態では、有機酸は、ギ酸、酢酸、クロロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、o-メチル安息香酸、m-メチル安息香酸、p-メチル安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、o-トリフルオロメチル安息香酸、m-トリフルオロメチル安息香酸、p-トリフルオロメチル安息香酸、o-クロロ安息香酸、m-クロロ安息香酸、p-クロロ安息香酸、o-ニトロ安息香酸、m-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、o-トルエンスルホン酸、m-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、2,5-ジメチルベンゼンスルホン酸、3,4-ジメチルベンゼンスルホン酸、m-キシレンスルホン酸、o-エチルベンゼンスルホン酸、m-エチルベンゼンスルホン酸、p-エチルベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸及びそれらの任意の混合物から選択される。
さらに一層好ましい実施形態では、有機酸は、トリフルオロ酢酸、安息香酸、m-トリフルオロメチル安息香酸、o-クロロ安息香酸、m-クロロ安息香酸、p-クロロ安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸及びそれらの任意の混合物から選択される。
異性化を達成するためには、化合物(I)の総重量に基づいて、一般に、少なくとも0.05重量%、好ましくは、少なくとも0.1重量%。又は、さらに好ましくは、少なくとも0.2重量%の少なくとも1種類の有機酸が必要である。実際上の理由により、有機酸の量は、化合物(I)の総重量に基づいて、一般に、5重量%を超えることはなく、特に、2重量%を超えることはなく、とりわけ、1重量%を超えることはない。好ましい実施形態では、有機酸は、化合物(I)の総重量に基づいて、0.1〜5重量%の量で使用する。さらに好ましくは、有機酸は、化合物(I)の総重量に基づいて、0.1〜2重量%の量で使用する。さらに一層好ましくは、本発明の方法は、化合物(I)の総重量に基づいて0.1〜1重量%の有機酸の存在下で実施する。
本発明の方法を実施する温度は、少なくとも30℃、好ましくは、少なくとも40℃、さらに好ましくは、少なくとも45℃である。本発明の方法は、好ましくは、110℃未満の温度で実施し、特に、90℃未満の温度で実施し、最も好ましくは、80℃未満の温度で実施する。特に好ましくは、異性化は、40℃〜90℃の範囲内の温度で実施し、特に、45℃〜80℃の範囲内の温度で実施し、特に、45℃〜70℃の範囲内の温度で実施する。
好都合には、異性化において、濃度及び温度は、形成されるE-異性体(I-E)が当該反応媒体から連続的に分離されるように選択する。
本発明の方法は、出発物質として殆ど純粋なZ-異性体(E/Z-比 < 5:95)又は幾何異性体(I-E)と(I-Z)の混合物(E/Z-比 > 5:95)を用いて実施することができる。本発明の好ましい実施形態では、出発物質として、E/Z-比の範囲が1:1〜15:1、好ましくは、2:1〜15:1、特に、3:1〜10:1である幾何異性体(I-E)と(I-Z)の混合物を使用する。
一般に、化合物(I)の異性化は、少なくとも30:1、好ましくは、少なくとも50:1、及び、さらに好ましくは、少なくとも80:1のE/Z比が得られるまで実施する。所望のE/Z-比を達成するのに必要とされる反応時間は、使用する有機酸の量及び種類によって変化し、そして、1〜20時間の範囲内、好ましくは、1〜15時間の範囲内、さらに好ましくは、2〜10時間の範囲内にある。
異性化は、不活性有機溶媒又は希釈剤の中で実施することができる。適切な有機溶媒は、以下のものである:芳香族溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン類(即ち、m-キシレン、o-キシレン、p-キシレン及びそれらの任意の混合物)、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン;非環式エーテル、例えば、ジエチルエーテル及びメチル-tert-ブチルエーテル;脂環式エーテル、例えば、テトラヒドロフラン及びジオキサン;アルカノール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びn-ブタノール;ケトン、例えば、アセトン及びメチルエチルケトン;ニトリル、例えば、アセトニトリル及びプロピオニトリル;カルボネート、例えば、ジメチルカルボネート、ジエチルカルボネート、エチレンカルボネート及びプロピレンカルボネート;脂肪族炭化水素及び脂環式炭化水素、例えば、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン及びシクロヘキサン;並びに、上記で挙げた溶媒の混合物。好ましい溶媒は、上記芳香族溶媒、特に、アルキルベンゼン類であり、さらに一層好ましくは、アルキル基(ここで、各アルキル基は、1〜3個の炭素原子を含んでいる)で1置換、2置換又は3置換されているアルキルベンゼン類であり、特に、トルエン、キシレン類、及び、少なくとも50体積%の上記芳香族溶媒を含んでいる上記溶媒の混合物である。
不活性有機溶媒又は希釈剤の中で異性化を実施するために、Z-異性体(I-Z)又は幾何異性体(I-E)と(I-Z)の混合物を、適切な溶媒又は溶媒の混合物に溶解又は懸濁させ、上記で概説した少なくとも1種類の有機酸の存在下で反応させることができる。異性化は、Z-異性体(I-Z)又は幾何異性体(I-E)と(I-Z)の混合物を上記有機溶媒のいずれか又はそれらの任意の混合物に懸濁させた懸濁液の中で実施するのが特に有利である。上記懸濁液は、有機酸を既に含んでいてもよい。好ましくは、有機酸を上記懸濁液に添加するが、それは、そうすることによって迅速且つ効率的な異性化が可能となるからである。
異性化は、ヒドラゾン(II)とイソシアネート(III)の反応から得られる反応混合物中、又は、該反応混合物から化合物(I)を結晶化させた後で得られる母液中のいずれかで実施することも可能である。
少量のZ-異性体(I-Z)を場合により伴っていてもよいE-異性体(I-E)を得るために、異性化混合物を通常の方法で後処理する。好ましくは、少量(一般に、5重量%以下)の異性体(I-Z)を場合により伴っていてもよい異性体(I-E)を、結晶化又は沈澱により液体反応混合物から単離する。結晶化又は沈澱は、液体反応混合物を冷却及び/若しくは濃縮することによって、並びに/又は、当該反応混合物中の化合物(I)の溶解性を低減させる不活性溶媒を添加することによって、達成することができる。化合物(I)の溶解性を低減させるのに適した溶媒は、脂肪族炭化水素又は脂環式炭化水素、例えば、ヘキサン、ヘプタン、イソヘキサン及びシクロヘキサンなどである。
(I-Z)の異性化は、溶媒又は希釈剤の非存在下において実施することもできる。換言すれば、Z-異性体(I-Z)の異性化を固相又は溶融相で実施する。かくして、固体状若しくは溶融状の化合物(I-Z)又は幾何異性体(I-E)と(I-Z)の固体状若しくは溶融状の混合物を、上記で概説した少なくとも1種類の有機酸と反応させる。所望される程度の異性化が達成された後、当該少なくとも1種類の有機酸は、昇華によって、例えば、温度を上昇させることにより及び/又は圧力を低減することにより、容易に除去することができる。得られる残渣は、通常、出発物質と比較してE/Z-比が増大している化合物(I)のみを含んでおり、そして、場合により、出発物質の中に含まれる不純物も含んでいる。該残渣は、通常、さらなる不純物を全く含んでいない。
溶媒又は希釈剤の非存在下における異性化のための出発物質は、純粋なZ-異性体又は幾何異性体(I-E)と(I-Z)の混合物であり得る。そのような混合物の例は、必要とされるE/Z-比を満たしていない結晶性生成物、及び、化合物(I)の調製における後処理に際して化合物(I)の結晶化の母液から得られる残渣である。
可変部分の上記定義において挙げられている有機部分〔例えば、用語「ハロゲン」〕は、当該基の個々のメンバーを個別的に列挙する代わりの総称である。前に付記されている「Cn-Cm」は、何れの場合にも、当該基における炭素原子の可能な数を示している。用語「ハロゲン」は、何れの場合にも、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素を意味し、好ましくは、フッ素、臭素又は塩素を意味し、特に、フッ素又は塩素を意味する。他の意味の例は、以下のとおりである。
本明細書中で使用されている用語「C1-C6-アルキル」並びにC1-C6-アルコキシ、C1-C6-アルコキシカルボニル、C1-C6-アルキルカルボニル及びC1-C6-アルコキシカルボニルオキシのアルキル部分は、1〜6個の炭素原子(特に、1〜4個の炭素原子)を有する直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル及び1-エチル-2-メチルプロピルなどを意味する。「C1-C4-アルキル」は、例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル又は1,1-ジメチルエチルなどを意味する。
C1-C6-アルキルにおいて、1個の水素は、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ及びC3-C6-シクロアルキルから選択される基で置き換えられてもよい。
本明細書中で使用されている用語「C1-C6-ハロアルキル」は、当該基内の水素原子の一部又は全部が上記ハロゲン原子で置き換えられていてもよい、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和アルキル基(上記のとおり)を意味し、例えば、C1-C4-ハロアルキル、例えば、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル及びペンタフルオロエチルなどを意味する。
本明細書中で使用されている用語「C1-C2-フルオロアルキル」は、1個、2個、3個、4個又は5個のフッ素原子を有しているC1-C2-アルキルを意味し、例えば、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,1,2,2-テトラフルオロエチル又はペンタフルオロエチルなどを意味する。
本明細書中で使用されている用語「C1-C6-アルコキシ」並びにC1-C6-アルコキシカルボニル及びC1-C6-アルコキシカルボニルオキシのアルコキシ部分は、酸素原子を介して当該分子の残りの部分に結合している、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和アルキル基(上記のとおり)を意味する。その例としては、メトキシ、エトキシ、OCH2-C2H5、OCH(CH3)2、n-ブトキシ、OCH(CH3)-C2H5、OCH2-CH(CH3)2、OC(CH3)3、n-ペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、2,2-ジメチル-プロポキシ、1-エチルプロポキシ、n-ヘキソキシ、1-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、4-メチルペントキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,2,2-トリメチルプロポキシ、1-エチル-1-メチルプロポキシ及び1-エチル-2-メチルプロポキシなどを挙げることができる。
C1-C6-アルコキシにおいて、1個の水素は、C1-C6-アルコキシ及びC3-C6-シクロアルキルから選択される基で置き換えられてもよい。
本明細書中で使用されている用語「C1-C6-ハロアルコキシ」は、フッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素で部分的に又は完全に置換されている上記C1-C6-アルコキシ基を意味し、即ち、例えば、C1-C6-ハロアルコキシ、例えば、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、2-ブロモエトキシ、2-ヨードエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、2-フルオロプロポキシ、3-フルオロプロポキシ、2,2-ジフルオロプロポキシ、2,3-ジフルオロプロポキシ、2-クロロプロポキシ、3-クロロプロポキシ、2,3-ジクロロプロポキシ、2-ブロモプロポキシ、3-ブロモプロポキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシ、3,3,3-トリクロロプロポキシ、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロポキシ、ヘプタフルオロプロポキシ、1-(フルオロメチル)-2-フルオロエトキシ、1-(クロロメチル)-2-クロロエトキシ、1-(ブロモメチル)-2-ブロモエトキシ、4-フルオロブトキシ、4-クロロブトキシ、4-ブロモブトキシ、ノナフルオロブトキシ、5-フルオロ-1-ペントキシ、5-クロロ-1-ペントキシ、5-ブロモ-1-ペントキシ、5-ヨード-1-ペントキシ、5,5,5-トリクロロ-1-ペントキシ、ウンデカフルオロペントキシ、6-フルオロ-1-ヘキソキシ、6-クロロ-1-ヘキソキシ、6-ブロモ-1-ヘキソキシ、6-ヨード-1-ヘキソキシ、6,6,6-トリクロロ-1-ヘキソキシ又はドデカフルオロヘキソキシなどを意味し、特に、クロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ又は2,2,2-トリフルオロエトキシを意味する。
本明細書中で使用されている用語「C3-C6-シクロアルキル」は、3〜6個の炭素原子を有する脂環式基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルなどを意味する。該シクロアルキル基は、置換されていなくてもよいか又は1〜6のC1-C4-アルキル基(好ましくは、メチル基)を有していてもよい。
一般に、異性化は、式(I)で表される化合物の何れに対しても実施することができる。本発明の好ましい実施形態では、可変部分m、p及びqは、それぞれ、1である。
好ましい基R1、R2、R3は、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ又はC1-C6-ハロアルコキシである。さらに好ましくは、R1はハロゲン又はC1-C4-ハロアルキル(特に、CF3)であり、R2はCNであり、R3はC1-C4-ハロアルコキシ(特に、OCF3)である。
特に好ましい化合物(I)の例は、R1がフェニル環の3位に位置しているCF3であり、R2がフェニル環の4位に位置しているCNであり、R3がフェニル環の4位に位置しているOCF3である化合物である。この化合物は、(I.1)と称され、その異性体は、(I.1-E)及び(I.1-Z):
Figure 2011526280
と称される。
本発明の方法によって、Z-異性体(I-Z)をそのE-異性体(I-E)に容易に異性化させることが可能となる。該異性化は、通常、95:5を超える高いE/Z-比、好ましくは、97:3を超える高いE/Z-比、さらに好ましくは、98:2を超える高いE/Z-比をもたらす。顕著な量の副産物は形成されない。即ち、化合物(I)の収率は99%を超える。従って、本発明の方法を用いて、化合物(I)を≧9:1という所望されるE/Z-比で調製することを容易なものとすることができ、且つ、総体的な単離収率を増大させることができる。このことは、経済的視点から特に有益である。
特定の又は好ましい実施形態と別の特定の若しくは好ましい実施形態の組合せは、本発明の範囲内に含まれる。
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく本発明について例証することが意図されている。
実施例1: トルエン中における粗製化合物(I.1)(E/Z比 4.8:1)のp-トルエンスルホン酸を用いた処理
E/Z比が4.8:1(HPLCでの評価に基づく;面積%による)である90重量%の化合物(I.1)を含んでいる2gの固体を、0.1gのp-トルエンスルホン酸と一緒に3.5gのトルエンに懸濁させ、得られたスラリーを4時間、50℃に加熱した。次いで、その反応混合物を冷却し、濾過した。そのフィルターケーキを10gのシクロヘキサンで洗浄した。かくして、18gの湿った固体が得られた。そのE/Z比は、HPLCによって、204:1(面積%による評価)であると決定された。
実施例2: o-キシレン中における粗製化合物(I.1)(E/Z比 4.8:1)のp-トルエンスルホン酸を用いた処理
E/Z比が4.8:1(HPLCに基づく;面積%での評価)である90重量%の化合物(I.1)を含んでいる2gの固体を、0.1gのp-トルエンスルホン酸と一緒に3.5gのo-キシレンに懸濁させ、得られたスラリーを4時間、50℃に加熱した。次いで、その反応混合物を冷却し、濾過した。そのフィルターケーキを10gのシクロヘキサンで洗浄した。かくして、1.8gの湿った固体が得られた。そのE/Z比は、HPLCによって、54:1(面積%による評価)であると決定された。
実施例3: トルエン中における粗製化合物(I.1)(E/Z比 4.8:1)の安息香酸を用いた処理
E/Z比が4.8:1(HPLCに基づく;面積%での評価)である90重量%の化合物(I.1)を含んでいる2gの固体を、0.1gの安息香酸と一緒に3.5gのトルエンに懸濁させ、得られたスラリーを4時間、50℃に加熱した。次いで、その反応混合物を冷却し、濾過した。そのフィルターケーキを10gのシクロヘキサンで洗浄した。かくして、1.8gの湿った固体が得られた。そのE/Z比は、HPLCによって、103:1(面積%による評価)であると決定された。
実施例4: o-キシレン中における粗製化合物(I.1)(E/Z比 4.8:1)の安息香酸を用いた処理
E/Z比が4.8:1(HPLCに基づく;面積%での評価)である90重量%の化合物(I.1)を含んでいる2gの固体を、0.1gの安息香酸と一緒に3.5gのo-キシレンに懸濁させ、得られたスラリーを4時間、50℃に加熱した。次いで、その反応混合物を冷却し、濾過した。そのフィルターケーキを10gのシクロヘキサンで洗浄した。かくして、1.9gの湿った固体が得られた。そのE/Z比は、HPLCによって、24:1(面積%による評価)であると決定された。
実施例5: 対応するヒドラゾン(II.1)〔即ち、R 1 がフェニル環の3位に位置しているCF 3 であり、R 2 がフェニル環の4位に位置しているCNであるヒドラゾン(II)〕とイソシアネート(III.1)〔即ち、R 3 がフェニル環の4位に位置しているOCF 3 であるイソシアネート(III)〕から得られた化合物(I.1)の反応混合物のp-トルエンスルホン酸を用いた処理
180gのトルエンの中で、90℃で、217mmolのヒドラゾン(II.1)を過剰量のイソシアネート(III.1)と反応させ、メタノールを添加することにより過剰なイソシアネート(III.1)を破壊した後、その反応混合物を50℃まで冷却した。冷却中に、生成物の沈澱が観察された。p-トルエンスルホン酸を添加する直前に、HPLC分析(重量%による評価)のためのサンプルを該反応混合物から取った。次いで、その反応混合物に243mgのp-トルエンスルホン酸を添加し、得られた混合物を18.5時間、50℃で加熱した。p-トルエンスルホン酸を添加した後、種々の時間間隔で、HPLC分析(重量%による評価)のためのサンプルをこの混合物から取った。その結果は、下記表中に示されている。
Figure 2011526280
混合物を10℃まで冷却し、その温度に6時間維持した。生成物を濾過し、87gのトルエンで洗浄し、減圧下に80℃で乾燥させた。収量:101gの化合物(I.1)〔I-E:97.5重量%;I-Z:0.6重量%〕、即ち、理論値の90%。
上記実施例1〜5において、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)による評価は、以下の条件を用いて実施した:
カラム: Machery Nagel, CC 150/4,6 Kromasil, 100-3,5 C8;
オーブンの温度: 35℃;
溶離剤: アセトニトリル/水(pH2.4に緩衝化;0.05% トリフルオロ酢酸/アンモニア)勾配;
流速: 0.4mL/分;
検出: UV 235nm。

Claims (12)

  1. 一般式(I)
    Figure 2011526280
    〔式中、
    m、p及びqは、それぞれ独立して、0、1、2、3又は4の整数であり;
    R1、R2、R3は、それぞれ独立して、ハロゲン;OH;CN;NO2;C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ若しくはC3-C6-シクロアルキルで場合により置換されていてもよいC1-C6-アルキル;C1-C6-ハロアルキル;C3-C6-シクロアルキル;C1-C4-アルコキシ若しくはC3-C6-シクロアルキルで場合により置換されていてもよいC1-C6-アルコキシ;C1-C6-ハロアルコキシ;C1-C6-アルキルカルボニル;C3-C6-シクロアルコキシ;C1-C6-アルコキシカルボニル;又は、C1-C6-アルコキシカルボニルオキシである〕
    で表される化合物のZ-異性体(I-Z)をそのE-異性体(I-E)に異性化させる方法であって、
    Z-異性体(I-Z)又は立体異性体(I-Z)と(I-E)の混合物を少なくとも1種類の有機酸の存在下で反応させることを含む、前記方法。
  2. 前記有機酸が、カルボン酸及びスルホン酸から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記有機酸が、何れの場合にも置換されていないか又は置換されている脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸及びそれらの任意の混合物から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記有機酸が、アルキルカルボン酸〔ここで、アルキル基は、置換されていないC1-C4-アルキルであるか、又は、1個以上のハロゲン原子で置換されているC1-C4-アルキルである〕、アリールカルボン酸〔ここで、アリール基は、置換されていないか、又は、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、ハロゲン若しくはニトロから独立して選択される1以上の置換基で置換されている〕、アルキルスルホン酸〔ここで、アルキル基は、置換されていないC1-C4-アルキルであるか、又は、1個以上のハロゲン原子で置換されているC1-C4-アルキルである〕及びアリールスルホン酸〔ここで、アリール基は、置換されていないか、又は、C1-C6-アルキル若しくはハロゲンから独立して選択される1以上の置換基で置換されている〕から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記有機酸が、ギ酸、酢酸、クロロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、o-メチル安息香酸、m-メチル安息香酸、p-メチル安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、o-トリフルオロメチル安息香酸、m-トリフルオロメチル安息香酸、p-トリフルオロメチル安息香酸、o-クロロ安息香酸、m-クロロ安息香酸、p-クロロ安息香酸、o-ニトロ安息香酸、m-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、o-トルエンスルホン酸、m-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、2,5-ジメチルベンゼンスルホン酸、3,4-ジメチルベンゼンスルホン酸、m-キシレンスルホン酸、o-エチルベンゼンスルホン酸、m-エチルベンゼンスルホン酸、p-エチルベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸及びそれらの任意の混合物から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記有機酸が、トリフルオロ酢酸、安息香酸、m-トリフルオロメチル安息香酸、o-クロロ安息香酸、m-クロロ安息香酸、p-クロロ安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸及びそれらの任意の混合物から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記有機酸を、一般式(I)で表される化合物の総重量に基づいて、0.1〜5重量%の量で使用する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記異性化を不活性有機溶媒又は希釈剤の中で実施する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. E/Z比が15:1〜1:1である異性体(I-Z)と(I-E)の混合物を反応させる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記異性化を、40℃〜90℃の温度で実施する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 式(I)において、
    m、p及びqが、それぞれ、1であり;並びに、
    R1、R2、R3が、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-アルコキシ又はC1-C6-ハロアルコキシである、
    請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 式(I)において、R1がフェニル環の3位に位置しているCF3であり、R2がフェニル環の4位に位置しているCNであり、R3がフェニル環の4位に位置しているOCF3である、請求項11に記載の方法。
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