JP2011521996A - 少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造方法 - Google Patents

少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

a)炭化水素源が、エチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物を生成する簡略化分解にかけられ、b)生成物の前記混合物が、ほとんどのエチレンを含有する1画分(画分A)と、場合によりエタンの別個の1画分と1重質画分(画分C)とに1分別工程で分別され、c)画分Aが少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される、炭化水素源から出発する少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造方法。

Description

本発明は、少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造方法に、特に1,2−ジクロロエタン(DCE)と場合によりまた、DCEとは異なるエチレンから出発して直接製造される少なくとも1つのエチレン誘導体化合物との製造方法に関する。
今まで、99.8%純度より高いエチレンがエチレン誘導体化合物の、特にDCEの製造のために通常使用されている。非常に高い純度のこのエチレンは、様々な石油製品の分解、引き続く分解の他の生成物からエチレンを単離し、そして非常に高い純度の製品を得るために多数の複雑な、費用のかかる分離操作によって得られる。
かかる高純度のエチレンの生産に関連した高いコストを鑑みて、99.8%未満の純度を有するエチレンを使用するエチレン誘導体化合物、特にDCEの様々な製造方法が開発されてきた。これらの方法は、分解から生じた生成物を分離する過程を簡略化することによって、こうしてエチレン誘導体化合物、特にDCEの製造にとって何の利益もない複雑な分離を放棄することによってコストを削減するという利点を有する。
例えば、国際公開第00/26164号パンフレットは、エチレンの塩素化と一体となったエタンの簡略化分解によるDCEの製造方法を記載している。この趣旨で、エチレン塩素化工程は、エタンの分解中に得られた不純物の存在下に行われる。
国際公開第03/048088号パンフレットは、エタン脱水素による塩素との化学反応用の低濃度エチレンの製造を記載している。エタン負荷ガス流れは、水素およびメタンのみならず、多量の未転化エタンをも含有する。この方法の経済的デザインのためには、未転化エタンは、複雑な清浄化プロセス後にエタン脱水素にフィードバックされなければならない。この方法は、供給原料としてエタンを使用できるにすぎない。重大な欠点は、水素、プロピレン、ブタジエンなどのガス流れのさらなる成分がこのエチレンを非常に特別なプロセスで使用することを可能にするにすぎないという事実だけでなく、エチレンの非常に低い濃度−60%未満−である。
さらに、国際公開第2006/067188号パンフレット、同第2006/067190号パンフレット、同第2006/067191号パンフレット、同第2006/067192号パンフレット、同第2006/067193号パンフレットおよび同第2007/147870号パンフレットは、先ず簡略化分解にかけられる、炭化水素源、特にナフサ、ガスオイル、天然ガス液、エタン、プロパン、ブタン、イソブタンまたはそれらの混合物から出発するDCEの製造方法を記載している。エチレンを含有する2つの異なる画分は、DCEを製造するために塩素化反応器とオキシ塩素化反応器とに独立して搬送される前に、簡略化分解から生じたガス混合物から後で分離される。それらの目的が99.8%未満の純度を有するエチレンを製造し、使用することである、それらの方法は、しかしながら、エチレンを含有する2つの画分を得るために、それらを複雑にし、そしてそれらのコストを増加させる数段階の分別を必要とするという欠点を提起する。
国際公開第2008/000705号パンフレット、同第2008/000702号パンフレットおよび同第2008/000693号パンフレットは、一方、先ず接触酸化脱水素にかけられるエタンの流れから出発するDCEの製造方法を記載している。それらの目的が99.8%未満の純度を有するエチレンを製造し、使用することである、上述の特許出願に記載されている方法は、しかしながら、生産コストの増加をもたらす重大な投資を要する接触酸化脱水素の第1工程を必要とするという欠点を提起する。
本発明の目的は、一方、99.8%未満の純度を有するエチレンを使用する上述の方法の欠点を提起しない99.8%未満の純度のエチレンを使用する、少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の、特に少なくともDCEの製造方法を提供することである。
この趣旨で、本発明は、
a)炭化水素源が、エチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物を生成する簡略化分解にかけられ、
b)生成物の前記混合物が、ほとんどのエチレンを含有する1画分(画分A)と、場合によりエタンの別個の1画分と1重質画分(画分C)とに1分別工程で分別され、
c)画分Aが少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される、炭化水素源から出発する少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造方法に関する。
表現「少なくとも1つのエチレン誘導体化合物」は、本発明の目的のためには、1つまたは2つ以上のエチレン誘導体化合物が本発明による方法によって製造できることを意味すると理解される。
単数形でまたは複数形で本明細書で以下に用いられる、表現「エチレン誘導体化合物」は、本発明の目的のためには、エチレンから出発して直接製造される任意のエチレン誘導体化合物ならびにそれから誘導される任意の化合物を意味すると理解される。
単数形でまたは複数形で本明細書で以下に用いられる、表現「エチレンから出発して直接製造されるエチレン誘導体化合物」は、本発明の目的のためには、エチレンから直接製造される任意の化合物を意味すると理解される。
単数形でまたは複数形で本明細書で以下に用いられる、表現「それから誘導される化合物」は、本発明の目的のためには、エチレンから製造される1つの化合物それ自体から製造される任意の化合物ならびにそれから誘導される任意の化合物を意味すると理解される。
エチレンから出発して直接製造されるかかるエチレン誘導体化合物の例として、とりわけ、エチレンオキシド、線状アルファ−オレフィン、線状第一級アルコール、エチレンのホモポリマーおよびコポリマー、エチルベンゼン、酢酸ビニル、アセトアルデヒド、エチルアルコール、プロピオンアルデヒドおよびDCEが挙げられてもよい。
それらから誘導されるかかる化合物の例として、とりわけ、
− エチレンオキシドから製造されるグリコールおよびエーテル類、
− エチルベンゼンから製造されるスチレンおよびスチレンから誘導されるスチレンのポリマー、
− DCEから製造される塩化ビニル(VC)、
− VCから誘導される塩化ビニリデン、フッ素化炭化水素およびポリ塩化ビニル(PVC)ならびにフッ素化炭化水素から誘導されるフッ素化ポリマー、ならびに
− 塩化ビニリデンから誘導されるポリ塩化ビニリデンおよびフッ素化炭化水素(およびフッ素化ポリマー)
が挙げられてもよい。
本発明による方法は、炭化水素源から出発する方法である。
考えられる炭化水素源は、任意の公知の炭化水素源であってもよい。好ましくは、分解(工程a))にかけられる炭化水素源は、ナフサ、ガスオイル、天然ガス液、エタン、プロパン、ブタン、イソブタンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましい方法では、炭化水素源は、エタン、プロパン、ブタンおよびプロパン/ブタン混合物からなる群から選択される。より特に好ましい方法では、炭化水素源は、プロパン、ブタンおよびプロパン/ブタン混合物からなる群から選択される。プロパン/ブタン混合物はそのまま存在してもよく、またはプロパンとブタンとの混合物からなってもよい。
表現「エタン、プロパン、ブタンおよびプロパン/ブタン混合物」は、本発明の目的のためには、市販されている製品、すなわち主に純製品(エタン、プロパン、ブタンまたは混合物としてのプロパン/ブタン)から、および第2に純製品それ自体より軽質もしくは重質な他の飽和もしくは不飽和炭化水素からなる製品を意味すると理解される。
本発明によるDCEとDCEとは異なる少なくとも1つのエチレン誘導体化合物との製造方法で、炭化水素源は、エチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物を生成する簡略化分解(工程a))にかけられる。
表現簡略化分解(工程a))は、本発明の目的のためには、本発明による方法の工程b)で画分Aと、場合によりエタンの別個の1画分と画分Cとに分離されるエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物の形成をもたらす炭化水素源の処理工程すべてを意味すると理解される。
かかる分解は、それがエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物の生成を可能にする限り、任意の公知の技法に従って実施されてもよい。有利には、分解は、水、酸素、硫黄誘導体および/または触媒などの第3化合物の存在下または不存在下での炭化水素源の熱分解(すなわち、熱の作用下の転化)の第1分解工程を含む。熱分解のこの第1分解工程は有利には、分解生成物の混合物の形成を引き起こすために少なくとも1つの分解炉で実施される。
分解生成物のこの混合物は有利には、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、酸素、硫化水素、少なくとも1個の炭素原子を含む有機化合物、および水を含む。
熱分解の第1分解工程は、好ましくは少なくとも2つの分解炉で、特に好ましくは少なくとも3つの分解炉で実施される。熱分解の第1分解工程は、好ましくは5つ以下の分解炉で、特に好ましくは4つ以下の分解炉で実施される。より特に有利には、使用中の炉の1つがデコーキング操作を受けなければならないときに当該炉と交換するために追加の分解炉が利用可能である。
より特に好ましい方法では、熱分解の第1分解工程は3つの分解炉で実施される。最も特に好ましい方法では、熱分解の第1分解工程は3つの異なる分解炉で実施され、それらのそれぞれに由来する分解生成物の混合物は一緒に集められる。より特に有利には、使用中の3つの炉の1つがデコーキング操作を受けなければならないときに当該炉と交換するために第4分解炉が利用可能である。
それ故、熱分解の第1分解工程を3つの異なる分解炉で実施し、それらのそれぞれに由来する分解生成物の混合物がその後に一緒に集められ、そして使用中の3つの炉の1つと交換するために第4分解炉を利用可能にすることが特に有利である。
この熱分解の第1分解工程a)の後に、分解生成物の前記混合物は、エチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物を得ることを可能にする一連の処理工程にかけられ、それは有利には次の工程からなる:分解されたガスの熱の熱回収、場合により有機急冷(場合により中間液での交換器のネットワークにわたった熱回収を含む)、水性急冷、ガスの圧縮および乾燥、そしてまた存在するかまたは加えられた二酸化炭素のほとんどおよび硫黄化合物のほとんどの除去(例えば、アルカリ性洗浄を用いる)、場合により、例えば、アセチレンなどの望ましくない誘導体の水素化および場合により、例えば、PSA(圧力スイング吸着)法によるかまたは膜法による、幾らかの水素および/またはメタンの除去。
有利には、本発明による方法で、工程b)に由来するエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物は、水素、メタン、2〜7個の炭素原子を含む化合物、一酸化炭素、窒素および酸素を含む。水素、メタン、アセチレン以外の2〜7個の炭素原子を含む化合物は好ましく、生成物の前記混合物の総容量に対して少なくとも200容量ppmの量で存在する。一酸化炭素、窒素、酸素およびアセチレンは、生成物の前記混合物の総容量に対して200容量ppm未満の量で、または少なくとも200容量ppmの量で存在してもよい。7個より多い炭素原子を含有する化合物、二酸化炭素、硫化水素および他の硫黄化合物ならびにまた水を含有する化合物はまた、生成物の前記混合物の総容量に対して200容量ppm未満の量で生成物の上述の混合物中に存在してもよい。
ガスの圧縮および乾燥は有利には、少なくとも6個の炭素原子を含む化合物の通過が最小限であるような特定の条件下に行われる。使用されてもよい冷却流体は有利には、大気冷却塔からの水の温度より低い温度で用いられる。冷却流体は好ましくは少なくとも−5℃の、より好ましくは少なくとも0℃の温度で用いられる。冷却流体は最も好ましくは氷水である。
上に定義された工程a)後に、工程b)に従って、エチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物は、ほとんどのエチレンを含有する1画分(画分A)と、場合によりエタンの別個の1画分と1重質画分(画分C)とに1分別工程で分別される。
好ましくは、工程b)に従って、エチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物は画分Aと画分Cとに分離される。
表現「1分別工程」は、本発明の目的のためには、1つおよび1つのみの分別工程が考えられることを意味すると理解される。
表現「エチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物が1分別工程で分別される」中の用語「分別される」または「分別」は、本発明の目的のためには、サブ混合物の少なくとも1つが、指定圧力範囲で、泡立ち点でのエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物の組成によって画定される範囲の外側にある組成と、露点での同じ混合物の組成とで特徴づけられるような方法での単一の分離(分別)工程による2つ以上のサブ混合物へのエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物の分割を意味すると理解される。
表現「分別工程」は、単一機能を有すると考えることができる潜在的に多段階プロセスの任意の部分を意味することを意図される。分別工程は、1つまたは幾つかの相互接続装置で行うことができる。
表現「泡立ち点」は、本発明の目的のためには、出発温度から一定圧力でエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物を加熱中に、この混合物が、蒸気の第1泡が形成される液体状態にあるような点を意味すると理解され;泡立ち点組成は、この第1蒸気泡の組成である。
表現「露点」は、本発明の目的のためには、出発温度から一定圧力でエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物を冷却中に、この混合物が、液体の第1泡が形成される蒸気状態にあるような点を意味すると理解され、露点組成は、この第1液体泡の組成である。
分別工程は有利には分別操作を含む。
分別操作の例は、蒸留、抽出蒸留、液−液抽出、パーベーパレーション、気体透過、吸着、圧力スイング吸着(PSA)、吸収、クロマトグラフィー、逆浸透および分離濾過である。蒸留、気体透過、パーベーパレーションおよびPSAが好ましい。蒸留がより好ましい。
この分別工程はそれ故より好ましくは、異なる画分、すなわち塔Cの頂部を出る画分Aと、場合により塔Cの側面から抜き取ることによって回収されるエタンの1つの別個の画分と、塔Cの底部を出る画分Cとへの工程a)に由来する生成物の混合物の主塔(塔Cと呼ばれる)内部での分別にある。
塔Cへの導入前に、工程a)に由来する生成物の混合物は、熱調節工程にかけられてもよい。表現熱調節工程は、エネルギーの使用を最適化する一連の熱交換、例えば先ず冷却水で、次に氷冷水で、次に徐々に冷たい流体で冷却される一連の交換器プラス生成した流れの顕熱を回収するクロス交換器での生成物の混合物の漸次冷却を意味すると理解される。
生成物の前記混合物は、単一画分としてかまたは幾つかのサブ画分として工程b)中に塔Cに導入されてもよい。それは好ましくは幾つかのサブ画分として導入される。
主塔Cは有利には、回収部分および/または精留部分を含む塔である。2つの部分が存在する場合、精留部分は好ましくは、Perry’s Chemical Engineer’s Handbook、第6版、13.5ページ、1984年に推奨されているように回収部分の上にある。
塔Cは有利には、上述の2つの部分を含む蒸留塔および2つの部分の1つのみを含有する塔から選択される。好ましくは、塔Cは蒸留塔である。
工程b)はそれ故好ましくは蒸留工程である。
塔Cは有利には、例えば少なくとも1つのリボイラーおよび少なくとも1つの凝縮器などの関連補助装置を取り付けられる。中間抜き取りおよび中間熱交換を可能にするデバイスが主塔に追加されてもよい。
ほとんどのエチレンを含有する画分Aは有利には塔Cの頂部を出るが、最小揮発性の化合物に富む画分Cは有利には塔Cの底部を出る。
上述の工程b)は有利には、少なくとも8バールの、好ましくは少なくとも10バールの、より好ましくは少なくとも12バールの、最も好ましくは少なくとも20バールの、非常に最も好ましくは少なくとも27バールの圧力で行われる。工程b)は有利には、50バール以下の、好ましくは45バール以下の、特に好ましくは40バール以下の圧力で行われる。
工程b)が行われる温度は、塔C1の頂部で有利には少なくとも−140℃、好ましくは少なくとも−120℃、より好ましくは少なくとも−110℃、最も好ましくは少なくとも−100℃である。それは、塔C1の頂部で有利には−20℃以下、好ましくは−30℃以下、より好ましくは−50℃以下、最も好ましくは−65℃以下、非常に最も好ましくは−80℃以下である。
工程b)が行われる温度は、塔C1の底部で有利には少なくとも0℃、好ましくは少なくとも10℃、より好ましくは少なくとも20℃である。それは、塔C1の底部で有利には100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下、最も好ましくは60℃以下である。
工程b)が行われる圧力および温度は有利には、ほとんどのエチレンを含有する1画分(画分A)が工程b)後に得られるように選択される。
特に好ましい圧力範囲は20〜50バールであり、27〜38バールが好ましい。
塔C1の頂部での特に好ましい温度範囲は−110〜−50℃であり、−100〜−80℃が好ましい。
塔C1の底部での特に好ましい温度範囲は0〜100℃であり、20〜−60℃が好ましい。
塔の頂部での画分Aは有利には部分凝縮して還流を供給し;冷却力は有利には、外部低温サイクル、凝縮物の一部またはそれの混合物の圧力放出による内部低温サイクルによって、好ましくはそれの混合によって供給される。ガス生成物のターボ膨張によるエネルギー回収が場合により用いられる。
語句「ほとんどのエチレンを含有する1画分」は、本発明の目的のためには、ほとんどのエチレンを含有する1つおよび1つのみの画分が工程b)後に得られることを意味すると理解される。
語句「ほとんどのエチレンを含有する画分」は、本発明の目的のためには、この画分が、工程b)にかけられる生成物の混合物中に含有されるエチレン量の少なくとも90%を含有することを意味すると理解される。
好ましくは、画分Aは、工程b)にかけられた生成物の混合物中に含有されるエチレン量の少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%を含有する。
語句「1重質画分」は、本発明の目的のためには、1つおよび1つのみの重質画分が工程b)後に得られることを意味すると理解される。
画分Aおよび画分Cを特徴づけるために下に定義される量は、工程b)を出るこれらの画分についてのものである。
画分Aは有利には、エチレンより軽質である化合物に富む。これらの化合物は一般に、メタン、窒素、酸素、水素および一酸化炭素である。有利には、画分Aは、工程b)にかけられた生成物の混合物中に含有されるエチレンより軽質の化合物の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%、非常に最も好ましくは少なくとも99.5%を含有する。
画分Aは、画分Aの総容量に対して有利には0.1容量%以下、好ましくは0.05容量%以下、特に好ましくは0.01容量%以下の、少なくとも3個の炭素原子を含有する化合物の含有率で特徴づけられる。
画分Cは有利には、少なくとも3個の炭素原子を含む化合物を含有する。有利には、少なくとも3個の炭素原子を含むこれらの化合物は、工程a)に由来するエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物に起因するか、または工程b)中の副反応によって生成する。少なくとも3個の炭素原子を含む化合物のうち、プロパン、プロピレン、ブタンおよびそれらの不飽和誘導体ならびに全ての飽和または不飽和のより重質な化合物が挙げられてもよい。
画分Cは有利には、工程b)にかけられた生成物の混合物中に含有される少なくとも3個の炭素原子を含む化合物の少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、特に好ましくは少なくとも99%を含有する。
画分Cは有利には、画分Cの総重量に対して5重量%以下、好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.8重量%以下、非常に最も好ましくは0.5重量%以下のエチレンを含有する。
画分Cは有利にはエチレンより重質の成分に富む。好ましくは、画分Cは、燃料として燃焼されるか、または化学的に付加価値化される。より好ましくは、画分Cは化学的に付加価値化される。画分Cは最も好ましくは、画分の1つ(画分C1)については5個未満の炭素原子を含む化合物、および他の1つ(画分C2)については少なくとも5個の炭素原子を含む化合物をそれぞれ含有する2つの異なる画分に、例えば蒸留によって、画分Cを分別することからなるさらなる分離工程にかけられる。画分C1は次に好ましくは、工程a)にリサイクルする前に少なくとも1つの水素化工程にかけられる。特にベンゼンに富む、画分C2は特に好ましくは、燃料として(例えば熱分解ガソリン画分に)または化学的に(エチルベンゼンの製造に搬送されて)付加価値化される。ベンゼンがその回収率を最大にするために画分Cに導かれるように、工程b)を適合させることはそれ故興味深いことであり得る。
幾つかの場合には、エタンを付加価値化するためにそれを単離することは興味深いことであり得る。これらの状況において、本発明による方法は、エタンが画分A、画分Cに導かれるように適合させることができるか、または別個の画分として単離することができ、好ましくは、本発明はエタンが画分Cに導かれるように適合させることができるか、または別個の画分として単離することができる。
エタンが画分Cに導かれる場合には、エタンは、さらなる蒸留塔の使用による画分C中に存在するより重質の炭化水素からの分別によって分離することができる。エタンはまた、画分Aから画分C(底部で抜き取られる)を単離するために使用される蒸留塔の側面からそれを抜き取ることによってか、または画分Cを単離するときに従来型蒸留塔の代わりに隔壁塔を使用することによって回収することができる。
エタンが塩素化に向けられる画分に導かれる場合には、エタンは、好ましくは、気体透過、パーベーパレーションまたは圧力スイング吸着の中間工程によって、塩素化のガス状排出物から回収することができる。
エタンが別個の画分として単離される場合、それは、工程b)中に他の画分から分別することができる。
回収された後、エタンは燃料として燃焼されるか、または化学的に付加価値化される。エタンは好ましくは化学的に付加価値化される。エタンはそれ故より好ましくは工程a)にリサイクルされるか、またはオキシ塩素化に後でかけられるエチレンを生成するために国際公開第2008/000705号パンフレット、同第2008/000702号パンフレットおよび同第2008/000693号パンフレットに記載されているように酸化脱水素(ODH)にかけられるかのどちらかである。エタンは最も好ましくは工程a)にリサイクルされる。
上に定義された工程b)後に、工程c)に従って、画分Aは、少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される。
本発明による方法の第1実施形態によれば、画分Aは有利には、1つのエチレン誘導体化合物の製造に1画分で搬送される。
この第1実施形態によれば、本方法は有利には、工程a)およびb)後に、c)画分Aが、場合によりアセチレン水素化にかけられた後に、1つのエチレン誘導体化合物の製造に、好ましくはDCEと場合によりそれから誘導される任意の化合物との製造に1つの画分で搬送されるようなものである。
第1実施形態の第1変形によれば、本方法は有利には、工程a)およびb)後に、
c)画分Aが、場合によりアセチレン水素化にかけられた後に、画分A中に存在するエチレンのほとんどが分子状塩素との反応によってDCEに転化される塩素化反応器でのDCEの製造に1画分で搬送され、
d)得られたDCEが塩素化反応器に由来する生成物の流れから分離され、
e)分離されたDCEがDCE分解工程にかけられ、こうしてVCおよび塩化水素を生成し、
f)得られたVCおよび塩化水素が、DCE分解工程に由来する生成物の流れから分離される
ようなものである。
塩素化反応(ふつう直接塩素化とよばれる)は有利には、FeClまたは別のルイス(Lewis)酸などの溶解触媒を含有する液相(好ましくは主にDCE)で実施される。この触媒をアルカリ金属塩化物などの共触媒と有利に組み合わせることが可能である。良好な結果を与えたペアは、FeClとLiClとの錯体(リチウムテトラクロロフェラート−オランダ国特許出願第6901398号明細書に記載されている)である。
有利に使用されるFeClの量は、液体ストックの1kg当たり約1〜30gのFeClである。FeCl対LiClのモル比は有利には約0.5〜2である。
加えて、塩素化反応は好ましくは塩素化有機液体媒体中で行われる。より好ましくは、液体ストックとも呼ばれる、この塩素化有機液体媒体は主にDCEからなる。
本発明による塩素化反応は有利には30〜150℃の温度で実施される。良好な結果は、圧力にかかわらず沸点より下の温度(サブクール条件下の塩素化プロセス)および沸点そのもの(沸点での塩素化プロセス)の両方で得られた。
本発明による塩素化プロセスがサブクール条件下の塩素化プロセスであるとき、それは、有利には50℃以上、好ましくは60℃以上、しかし有利には80℃以下、好ましくは70℃以下の温度で、そして有利には1バール絶対以上、好ましくは1.1バール絶対以上、しかし有利には20バール絶対以下、好ましくは10バール絶対以下、特に好ましくは6バール絶対以下の気相での圧力で操作することによって良好な結果を与えた。
反応の熱を有効に回収する、沸点での塩素化プロセスが好ましいことがある。この場合、反応は有利には、60℃以上、好ましくは70℃以上、特に好ましくは85℃以上、しかし有利には150℃以下、好ましくは135℃以下の温度で、そして有利には0.2バール絶対以上、好ましくは0.5バール絶対以上、特に好ましくは1.1バール絶対以上、より好ましくは1.3バール絶対以上、しかし有利には10バール絶対以下、好ましくは6バール絶対以下の気相での圧力で行われる。
塩素化プロセスはまた、沸点での塩素化のためのハイブリッド・ループ冷却プロセスであってもよい。表現「沸点での塩素化のためのハイブリッド・ループ冷却プロセス」は、形成されたDCEの少なくともその量を気相に生成しながら、反応媒体の冷却が、例えば反応媒体中に浸漬された交換器を用いてか、または交換器中を循環するループによって実施されるプロセスを意味すると理解される。
有利には、反応温度および圧力は、生成されたDCEが気相で出て、そして反応媒体からの熱の残りが交換表面領域を用いて除去されるように調節される。
塩素化を受ける画分およびまた分子状塩素(それ自体純粋かまたは希釈された)が、一緒にまたは別々に、任意の公知デバイスによって反応媒体に導入されてもよい。塩素化を受ける画分の別々の導入は、その分圧を上げるために、かつ、このプロセスの律速段階を多くの場合に構成するその溶解を容易にするために有利であるかもしれない。
分子状塩素は、エチレンのほとんどを転化させるのに十分な量で、そして過剰の未転化塩素の添加を必要とすることなく加えられる。用いられる塩素/エチレン比は好ましくは1.2〜0.8、特に好ましくは1.05〜0.95モル/モルである。
得られた塩素化生成物はDCE、そしてまた1,1,2−トリクロロエタンなどの少量の副生物または少量のエタンもしくはメタン塩素化生成物を主に含有する。
塩素化反応器に由来する生成物の流れからの得られたDCEの分離は公知の形態に従って実施され、塩素化反応の熱を利用することを一般に可能にする。それは次に好ましくは、凝縮および気/液分離によって実施される。
未転化生成物(メタン、エタン、一酸化炭素、窒素、酸素および水素)は次に有利には、初期の混合物から出発して純エチレンを分離するために必要であるはずのものより容易な分離にかけられる。
水素は特に、未転化生成物から抽出することができ、例えば過酸化水素製造での作業溶液の水素化のためまたは過酸化水素の直接合成のために付加価値化することができる。
DCE分解工程が実施されてもよい条件は当業者に公知である。DCE分解は、そのうちに触媒を挙げることができる第3化合物の存在下にまたは不存在下に行うことができ;DCE分解はこの場合には接触DCE分解である。しかしながら、DCE分解は好ましくは第3化合物の不存在下に、そして熱のみの作用下に行われ;DCE分解はこの場合にはしばしば熱分解と呼ばれる。
この熱分解は有利には、管状炉中気相での反応によって得られる。通常の熱分解温度は400〜600℃であり、480℃〜540℃の範囲が好ましい。滞留時間は有利には1〜60秒であり、5〜25秒の範囲が好ましい。DCEの転化率は有利には、副生物の形成および炉の管の汚れを制限するために45〜75%に制限される。
熱分解に由来する生成物の流れから得られるVCと塩化水素との分離は、精製VCと塩化水素とを集めるために、任意の公知デバイスを使用して、公知の形態に従って実施される。精製後に、未転化DCEは有利には熱分解炉に搬送される。
第1実施形態の第1変形によれば、VCは後で好ましくは重合されてPVCを生成する。
PVCの製造は、塊状、溶液または水性分散重合法であってもよく、好ましくはそれは水性分散重合法である。
表現水性分散重合は、水性懸濁液でのフリーラジカル重合ならびに水性エマルジョンでのフリーラジカル重合および水性マイクロサスペンジョンでの重合を意味すると理解される。
表現水性懸濁液でのフリーラジカル重合は、分散剤および油溶性フリーラジカル開始剤の存在下に水性媒体中で行われる任意のフリーラジカル重合法を意味すると理解される。
表現水性エマルジョンでのフリーラジカル重合は、乳化剤および水溶性フリーラジカル開始剤の存在下に水性媒体中で行われる任意のフリーラジカル重合法を意味すると理解される。
均質化水性分散系での重合とも呼ばれる、表現水性マイクロサスペンジョン重合は、油溶性開始剤が使用され、そしてモノマー小滴のエマルジョンが強力な機械撹拌および乳化剤の存在によって調製される任意のフリーラジカル重合法を意味すると理解される。
分離後に、塩化水素は任意の目的のために使用されてもよい。それは例えば、塩化カルシウム、クロロアルコール、そのうち1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールまたは1,2,3−プロパントリオール(エピクロロヒドリンの合成をもたらすグリセリンすなわちグリセロール)との反応によるクロロプロパノール、クロロアルカン、その中にメタノールとの反応によるクロロメタン、水性塩酸、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、クロロシラン、塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アンモニウムのような他の無機塩化物のような化合物の合成に、しかしまた例えば芳香族化合物のオキシ塩素化法、アルキンの塩化水素化(例えばアセチレンのVCへの塩化水素化)もしくはアルケンの塩化水素化に搬送することができるかまたは分子状塩素に酸化することができる。
本発明による方法の第1実施形態の第1変形の工程f)に従った分離後に、g)塩化水素は好ましくは、後でより好ましくは塩素化反応器にリサイクルされる分子状塩素への酸化にかけられる。
特に好ましい方法はそれ故、工程a)およびb)後に、
c)画分Aが、場合によりアセチレン水素化にかけられた後に、画分A中に存在するエチレンのほとんどが分子状塩素との反応によってDCEに転化される塩素化反応器でのDCEの製造に1画分で搬送され、
d)得られたDCEが塩素化反応器に由来する生成物の流れから分離され、
e)分離されたDCEがDCE分解工程にかけられ、こうしてVCおよび塩化水素を生成し、
f)得られたVCおよび塩化水素が、DCE分解工程に由来する生成物の流れから分離され、
g)塩化水素が、後で塩素化反応器にリサイクルされる分子状塩素への酸化にかけられる
ようなものである。
分離された塩化水素の分子状塩素への酸化は、任意の公知の方法に従って行うことができる。
それらの公知の方法のうち、塩酸の電解、Kelloggと呼ばれるKEL塩素法のような酸素による塩化水素の接触酸化法(触媒として濃硫酸およびニトロシル硫酸を使用する)、Shell−Deacon法(触媒としてシリケート担体上の塩化銅(II)と他の金属塩化物との混合物を使用する)および三井東圧(MT−塩素)法のような改良Deacon法(触媒としてシリケート担体上の酸化クロム(III)を使用する)ならびに硝酸による塩化水素の酸化が挙げられてもよい。
酸素による塩化水素の接触酸化が本発明による方法にとって好ましい。この酸化は有利には、酸素を含有するガスで行われる。
酸素を含有するガスとして、分子状酸素または空気を使用することができる。酸素は、空気の圧力スイング法または空気の深冷分離などの、通常の工業的方法によって製造されてもよい。
塩化水素の1モルを酸化するために必要な酸素の理論モル量は0.25モルであるが、理論量を超える量で酸素を使用することが好ましく、より好ましくは、塩化水素の1モル当たり0.25〜2モルの酸素が使用される。
本発明による酸化反応に使用される触媒は、塩化水素の酸化による塩素の製造に使用される任意の公知の触媒であってもよい。
触媒の例は、Deacon法におけるような銅ベースの触媒、酸化クロム、酸化ルテニウムまたは酸化ルテニウムと酸化チタンとの混合物である。Deacon触媒は有利には、塩化銅、塩化カリウムおよび第3成分としての様々な種類の化合物を含む。
触媒の形状は、球形粒子、円筒形ペレット、押出形状、リング形状、ハニカム形状、または成形材料のミリング、引き続く篩い分けによって製造される好適なサイズを有する顆粒などの通常使用される形状のいずれであってもよい。触媒のサイズは好ましくは10mm以下である。触媒のサイズの下限は制限されなくてもよいが、触媒のサイズは有利には少なくとも0.1mmである。本明細書では、触媒のサイズは、球形粒子の場合には球の直径、円筒形ペレットの場合には横断面の直径または他の形状の場合には横断面の最大サイズを意味する。
酸素を含有するガスを数部分に分け、それを少なくとも2つの反応ゾーンに導入することは興味深いことであり得る。
酸化反応は有利には、それぞれが、好ましくは直列に配置された、触媒充填層を含む、少なくとも2つの反応ゾーンで実施される。
反応圧力は有利には0.1〜5MPaである。反応温度は有利には200〜650℃、より好ましくは200〜500℃である。
反応器は有利には、その内径が好ましくは10〜50mm、より好ましくは10〜40mmである、管型反応器である。
分子状塩素はより好ましくは塩素化反応器にリサイクルされる。リサイクリングは、任意の公知の方法に従って行うことができる。分子状塩素は有利には先ず乾燥され、次に塩素化に入るための必要な圧力にされる。乾燥は有利には、圧縮による出口での凝縮でまたは硫酸の塔もしくは塩素と相性がいい吸着剤の塔を使用してのどちらかによって、好ましくは硫酸の塔で行われる。
第1実施形態の第2変形によれば、本方法は好ましくは、工程a)およびb)後に、
c)画分Aが、場合によりアセチレン水素化にかけられた後に、塩素化反応器における1,2−ジクロロエタンの製造に1画分で搬送され、塩素化反応器内で、画分A中に存在するエチレンの最大90%が、分子状塩素との反応によってDCEに転化され、
d)塩素化反応器内で形成されたDCEが、場合により塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離され、
e)DCEが場合により抽出された、塩素化反応器に由来する生成物の流れがオキシ塩素化反応器に搬送され、オキシ塩素化反応器内でエチレンの残りの大部分がDCEに転化されるが、塩素化反応器内で形成されたDCEが前もって抽出されなかった場合にはDCEを場合により吸収/脱着工程e’)にかけDCEを場合により抽出した後に、塩素化反応器に由来する生成物の流れがオキシ塩素化反応器に搬送され、
f)オキシ塩素化反応器内で形成されたDCEがオキシ塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離され、塩素化反応器で形成されたDCEに場合により加えられる
ようなものである。
第1実施形態のこの第2変形によれば、DCEは有利には、さらにDCE分解工程にかけられてVCを生成し、VCは後で好ましくは重合されてPVCを生成する。
本明細書で後に詳述される塩素の流量を除けば第1実施形態の第2変形の特殊な場合での塩素化反応に関する詳細については第1実施形態の第1変形に言及されている。
塩素の流量は、エチレンの有利には少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%がDCEに転化されるようなものである。塩素の流量は、エチレンの有利には90%以下、好ましくは80%以下、特に好ましくは70%以下がDCEに転化されるようなものである。
第1実施形態の第2変形の工程d)によれば、塩素化反応器で形成されたDCEは場合により塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離される。ある場合においては、塩素化反応器で形成されたDCEを塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離しないことが有利であるかもしれない。しかしながら好ましくは、塩素化反応器で形成されたDCEは、塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離される。
それが行われるとき、塩素化反応器に由来する生成物の流れから得られるDCEの分離は、公知の方法に従って実施され、一般に、塩素化反応の熱を活用することを可能にする。それは次に好ましくは、凝縮および気/液分離によって実施される。
第1実施形態の第2変形の工程e)によれば、DCEが場合により抽出された、塩素化反応器に由来する生成物の流れがオキシ塩素化反応器に搬送され、オキシ塩素化反応器内でエチレンの残りの大部分がDCEに転化されるが、塩素化反応器内で形成されたDCEが前もって抽出されなかった場合にはDCEを場合により吸収/脱着工程e’)にかけDCEを場合により抽出した後に、塩素化反応器に由来する生成物の流れがオキシ塩素化反応器に搬送される。
オキシ塩素化反応は有利には、不活性担体上に沈着された銅をはじめとする、活性元素を含む触媒の存在下に実施される。不活性担体は有利には、アルミナ、シリカゲル、混合酸化物、粘土および天然起源の他の担体から選択される。アルミナが好ましい不活性担体である。
数が有利には少なくとも2つであり、その1つが銅である活性元素を含む触媒が好ましい。銅以外の活性元素のうち、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属ならびにルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金および金からなる群からの金属が挙げられてもよい。以下の活性元素を含有する触媒が特に有利である:銅/マグネシウム/カリウム、銅/マグネシウム/ナトリウム;銅/マグネシウム/リチウム、銅/マグネシウム/セシウム、銅/マグネシウム/ナトリウム/リチウム、銅/マグネシウム/カリウム/リチウムおよび銅/マグネシウム/セシウム/リチウム、銅/マグネシウム/ナトリウム/カリウム、銅/マグネシウム/ナトリウム/セシウムおよび銅/マグネシウム/カリウム/セシウム。参照により援用される、欧州特許出願公開第255 156A号明細書、欧州特許出願公開第494 474A号明細書、欧州特許出願公開第657 212A号明細書および欧州特許出願公開第657 213A号明細書に記載されている触媒が最も特に好ましい。
金属形態で計算される、銅含有率は有利には、触媒1kg当たり30〜90g、好ましくは触媒1kg当たり40〜80g、特に好ましくは触媒1kg当たり50〜70gの触媒である。
金属形態で計算される、マグネシウム含有率は有利には、触媒1kg当たり10〜30g、好ましくは触媒1kg当たり12〜25g、特に好ましくは触媒1kg当たり15〜20gである。
金属形態で計算される、アルカリ金属含有率は有利には、触媒1kg当たり0.1〜30g、好ましくは触媒1kg当たり0.5〜20g、特に好ましくは触媒1kg当たり1〜15gの触媒である。
Cu:Mg:アルカリ金属原子比は、有利には1:0.1〜2:0.05〜2、好ましくは1:0.2〜1.5:0.1〜1.5、特に好ましくは1:0.5〜1:0.15〜1である。
窒素でBET法に従って測定される、有利には25m/g〜300m/g、好ましくは50〜200m/g、特に好ましくは75〜175m/gである比表面積を有する触媒が特に有利である。
触媒は固定床でまたは流動床で使用されてもよい。この第2選択肢が好ましい。オキシ塩素化プロセスは、この反応向けに通常推奨される範囲の条件下に操作される。温度は有利には150〜300℃、好ましくは200〜275℃、最も好ましくは215〜255℃である。圧力は有利には大気圧より大きい。2〜10バール絶対の値が良好な結果を与えた。4〜7バール絶対の範囲が好ましい。この圧力は、反応器で最適滞留時間を達成するために、および様々な操作スピードについて一定速度の通過を保つために有効に調節されてもよい。通常の滞留時間は1〜60秒、好ましくは10〜40秒の範囲である。
このオキシ塩素化のための酸素源は、空気、純酸素またはそれらの混合物、好ましくは純酸素であってもよい。未転化反応体の容易なリサイクリングを可能にする後者の解決策が好ましい。
反応体は、任意の公知デバイスによって床へ導入されてもよい。安全上の理由から酸素を他の反応体とは別々に導入することが一般に有利である。また、これらの安全上の理由により、反応器を出るまたはそれにリサイクルされるガス混合物を、該当する圧力および温度で引火性の限度外に保つ必要がある。いわゆる濃混合気、言い換えれば、燃料と比較して点火するのには少なすぎる酸素を含有する混合物を維持することが好ましい。この関連で、水素の豊富な存在(2vol%より多い、好ましくは5vol%より多い)は、この化合物の広範囲の引火性を考えると不利となるであろう。
用いられる塩化水素/酸素比は有利には3〜6モル/モルである。エチレン/塩化水素比は有利には0.4〜0.6モル/モルである。
得られた塩素化生成物は、主にDCEそしてまた少量の1,1,2−トリクロロエタンなどの副生物を含有する。
ある場合には、オキシ塩素化反応器に入る前に、DCEが場合により抽出された、塩素化反応器に由来する生成物の流れを吸収/脱着工程e’)にかけ、塩素化反応器内で形成されたDCEが前もって抽出されなかった場合DCEを場合により抽出することが有利であるかもしれない。
表現「塩素化反応器内で形成されたDCEが前もって抽出されなかった場合DCEが場合により抽出される、工程e’)」は、塩素化反応器で形成されたDCEが工程e’)中に、この工程が行われる場合におよびDCEが前もって抽出されなかった場合に抽出されてもよいことを意味すると理解される。好ましくは、塩素化反応器で形成されたDCEは工程e’)中に、この工程が行われる場合におよびDCEが前に抽出されなかった場合に抽出される。
このように、DCEが場合により抽出された、塩素化反応器に由来する生成物の流れ(本明細書では以下塩素化流れとして知られる)は有利には、吸収工程と脱着工程とにかけられ、これらの工程で前記流れは好ましくは、溶剤を含有する洗浄剤と接触させられる。
表現「溶剤を含有する洗浄剤」またはより簡単に「洗浄剤」は、溶剤が液体状態で存在する組成物を意味すると理解される。
本発明に従って使用することができる洗浄剤はそれ故有利には、液体状態での溶剤を含有する。前記洗浄剤中の他の化合物の存在は、本発明の範囲から決して排除されない。しかしながら、洗浄剤が少なくとも50容量%、より好ましくは少なくとも65容量%、最も特に好ましくは少なくとも70容量%の溶剤を含有することが好ましい。
溶剤は有利には、アルコール、グリコール、ポリオール、エーテル、グリコールとエーテルとの混合物、鉱油ならびにDCEのうちから選択される。溶剤は好ましくはアルコール、鉱油およびDCEのうちから、より好ましくは共沸エタノール(有利には少なくとも70容量%、好ましくは少なくとも80容量%、より好ましくは少なくとも85容量%のエタノールの水性エタノール)およびDCEのうちから選択される。溶剤は最も好ましくはDCEである。
吸収工程のために使用される洗浄剤は、任意の起源の新鮮な洗浄剤、例えば粗共沸エタノールもしくは塩素化装置を出た粗DCE、オキシ塩素化装置を出た粗DCEまたは精製されなかった2つの混合物からなってもよい。それはまた、前に精製された前記DCE、または、下に説明されるように、エタンより重質である化合物のDCE中の濃度を下げることを可能にする任意の処理後の、場合により新鮮な洗浄剤を添加した、塩素化反応器で形成され、脱着工程で抽出されたDCEを場合により含有する下に説明される脱着工程中に回収された洗浄剤の全てもしくは一部からなってもよい。
好ましくは、吸収工程のために使用される洗浄剤は、上述の任意の処理後の、場合により新鮮な洗浄剤を添加した、塩素化反応器で形成され、脱着工程で抽出されたDCEを場合により含有する脱着工程中に回収された洗浄剤の全てもしくは一部からなる。塩素化反応で形成されたDCEが塩素化出口で塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離される場合、特に好ましい方法では、吸収工程のために使用される洗浄剤は、上述の任意の処理後の、(吸収および脱着工程中の洗浄剤の損失を補うための)新鮮な洗浄剤を添加した、脱着工程中に回収された洗浄剤の全てもしくは一部からなる。
エタンより重質である化合物の、好ましくは少なくとも3個の炭素原子を含む化合物の洗浄剤中の濃度を下げることを可能にする上述の任意の処理は、エタンより重質であり、かつ、洗浄剤より軽質である化合物を脱着する工程か、または洗浄剤を蒸留する工程であってもよい。好ましくは、それは、エタンより重質であり、かつ、洗浄剤より軽質である化合物を脱着することからなる。好ましくは、洗浄剤のこの処理が行われる。
DCEが洗浄剤である最も好ましい場合の本質的な利点は、それがオキシ塩素化または塩素化中に主に形成される化合物であるので、このDCEの存在が全く厄介ではないという事実にある。
洗浄剤および塩素化流れのそれぞれのスループット間の比は、決定的に重要であるわけでなく、大幅に変わることができる。それは実際には、洗浄剤を再生するコストによって制限されるにすぎない。一般に、洗浄剤のスループットは、塩素化流れの1トン当たり少なくとも1トン、好ましくは少なくとも5トン、特に好ましくは少なくとも10トンである。一般に、洗浄剤のスループットは、塩素化流れから抽出されるべきエチレンおよびエタン混合物の1トン当たり100トン以下、好ましくは50トン以下、特に好ましくは25トン以下である。
吸収工程は有利には、例えば、上昇薄膜型もしくは流下薄膜型吸収装置、またはプレート塔、ランダム充填塔、構造化充填塔、前述のインターナルの1つ以上を組み合わせた塔および噴霧塔から選択される吸収塔などの吸収装置を用いて実施される。吸収工程は好ましくは、吸収塔を用いて、特に好ましくはプレート吸収塔を用いて実施される。
吸収塔は有利には、例えば、塔の内部または外部にある少なくとも1つの凝縮器または冷却装置などの関連付属品を備えている。
上述の吸収工程は有利には、少なくとも15バール、好ましくは少なくとも20バール、特に好ましくは少なくとも25バール絶対の圧力で実施される。吸収工程は有利には、40バール以下、好ましくは35バール以下、特に好ましくは30バール絶対以下の圧力で実施される。
吸収工程が実施される温度は、吸収装置または吸収塔の頂部で有利には少なくとも−10℃、好ましくは少なくとも0℃、特に好ましくは少なくとも10℃である。それは、吸収装置または吸収塔の頂部で有利には60℃以下、好ましくは50℃以下、特に好ましくは40℃以下である。
吸収装置または吸収塔の底部での温度は、少なくとも0℃、好ましくは少なくとも10℃、特に好ましくは少なくとも20℃である。それは有利には70℃以下、好ましくは60℃以下、特に好ましくは50℃以下である。
エチレンより軽質である化合物から精製され、かつ、洗浄剤に富む塩素化流れである、吸収工程に由来する流れは有利には脱着工程にかけられる。
塩素化反応器で形成され、次に抽出されたDCEを場合により含有する、脱着工程後に回収された洗浄剤が取り出され、場合により上述の処理後に、新鮮な洗浄剤を任意に添加して、DCEがオキシ塩素化反応器で形成されたDCEと一緒になるオキシ塩素化セクターに完全にもしくは部分的に搬送されるか、または吸収工程に完全にもしくは部分的に再搬送されてもよい。好ましくは、脱着工程後に回収された洗浄剤は、上述の任意の処理後に、新鮮な洗浄剤を任意に添加して、吸収工程に、またはオキシ塩素化セクターに完全にもしくは部分的に再搬送される。塩素化反応器で形成されたDCEが塩素化出口で塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離される場合、特に好ましい方法では、脱着工程後に回収された洗浄剤は、上述の任意の処理後に、新鮮な洗浄剤を添加して、吸収工程に完全にもしくは部分的に再搬送される。
脱着工程は有利には、例えば、上昇薄膜式もしくは流下薄膜式脱着装置、リボイラーまたはプレート塔、ランダム充填塔、構造化充填塔、前述のインターナルの1つ以上を組み合わせた塔および噴霧塔から選択される脱着塔などの脱着装置を用いて実施される。脱着はまた、DCEを集めるために蒸気の直接注入によって行うことができる。脱着工程は好ましくは、脱着塔を用いて、特に好ましくはプレート脱着塔を用いて実施される。
脱着塔は有利には、例えば、塔の内部または外部にある少なくとも1つの凝縮器または1つの冷却装置および少なくとも1つのリボイラーなどの関連付属品を備えている。
脱着圧力は有利には、少なくとも3個の炭素原子を有する化合物の脱着ガス中の含有率が容量で100ppm未満、好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下であるように選択される。
上述の脱着工程は有利には、少なくとも1バール、好ましくは少なくとも2バール、特に好ましくは少なくとも3バール絶対の圧力で実施される。脱着工程は有利には、20バール以下、好ましくは15バール以下、特に好ましくは10バール絶対以下の圧力で実施される。
脱着工程が実施される温度は、脱着装置または脱着塔の頂部で有利には少なくとも−10℃、好ましくは少なくとも0℃、特に好ましくは少なくとも10℃である。それは、脱着装置または脱着塔の頂部で有利には60℃以下、好ましくは50℃以下、特に好ましくは45℃以下である。
脱着装置または脱着塔の底部での温度は、少なくとも60℃、好ましくは少なくとも80℃、特に好ましくは少なくとも100℃である。それは有利には200℃以下、好ましくは160℃以下、特に好ましくは150℃以下である。
吸収工程が吸収塔で実施され、そして脱着工程が脱着塔で実施される場合が最も特に好ましい。
吸収工程後に回収された水素は有利には、燃料としてまたは、場合により精製工程後に、反応体として開発される。このように、水素は、DCE分解工程での燃料として開発されてもよい。それはまた、例えば水素化反応用の反応体として開発されてもよい。
第1実施形態の第2変形の工程f)によれば、オキシ塩素化反応器で形成されたDCEは、オキシ塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離され、塩素化反応器で形成されたDCEに場合により加えられる。
オキシ塩素化反応器に由来する生成物の流れから得られるDCEの分離は、公知の方法に従って実施される。それは好ましくは凝縮によって先ず実施される。オキシ塩素化反応器の熱は一般に、分離のためにまたは任意の他の用途のために使用されてもよい気相状態で回収される。
オキシ塩素化反応器から出た後、この反応器に由来する生成物の流れはまた有利には、未転化HClを回収するために洗浄される。この洗浄操作は有利にはアルカリ性洗浄工程である。それに好ましくは、形成されたDCEを液体形態で回収し、そして最終的にDCEを乾燥させることを可能にする気/液分離工程が続く。
表現「塩素化反応器で形成されたDCEに場合により加えられる」は、塩素化反応器で形成されたDCEが、塩素化反応器を出るとすぐに、または工程e’)後に、この反応器に由来する生成物の流れから単離される場合に、オキシ塩素化反応器で形成されたDCEがそれに加えられても加えられなくてもよいことを意味すると理解される。好ましくは、それはそれに加えられる。一方、この第1DCEが単離されない場合に、オキシ塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離されたDCEは有利には、回収されたDCEの唯一の流れである。別の代替手段は有利には、オキシ塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離されたDCEを、塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離されたDCEの一部と混合すること、およびこの後者の他の部分を直接DCE分解工程に送ることである。
DCE分解工程に関するおよびDCE分解工程に由来する生成物の流れから得られるVCの分離に関するより詳細については第1実施形態の第1変形に言及されている。
第1実施形態のこの第2変形によれば、VCは後で好ましくは重合されてPVCを生成する。PVCの製造に関するより詳細については第1実施形態の第1変形に言及されている。
本発明による方法の第2実施形態によれば、画分Aは有利には、同じ組成のまたは異なる組成の少なくとも2つの画分に、好ましくは同じ組成のまたは異なる組成の画分A1および画分A2に分けられる。
この第2実施形態によれば、本方法は有利には、工程a)およびb)後に、c)画分Aが、少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される前に、同じ組成のまたは異なる組成の、少なくとも2つの画分に、好ましくは画分A1および画分A2に分けられるようなものである。
表現「画分Aは少なくとも2つの画分に分けられる」における用語「分けられる」(または「分割」)は、本発明の目的にためには、サブ混合物が全て、指定圧力範囲で、泡立ち点での画分Aの組成によっておよび露点での画分Aの組成によって画定される範囲に含まれる組成で特徴づけられるような方法での2つ以上のサブ混合物への画分Aの分割を意味すると理解される。
少なくとも2つの画分への、好ましくは画分A1および画分A2への画分Aの分割は有利には、任意の公知の手段を用いて同じ組成のまたは異なる組成の幾つかの、好ましくは2つの画分へ画分Aを分けることによって操作される。
分割工程は、1つまたは幾つかの装置で行うことができる。分割工程は有利には分割操作を含む。分割操作の例は、同一組成を有するサブ混合物への混合物の分割、ガス状混合物の部分凝縮、液体混合物の部分気化、液体混合物の部分凝固である。
画分Aが、同じ組成の、少なくとも2つに、好ましくは画分A1および画分A2に分けられる場合は、工程a)を出るエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物が、好ましくは2つで簡単に分けることができるときに、好ましくは工程a)を出る生成物の混合物が水素に乏しいおよび/または水素化工程中に水素と反応する化合物に富むときに特に興味深い。
画分Aが、異なる組成の、少なくとも2つの画分に、好ましくは画分A1および画分A2に分けられる場合は、異なる組成の画分が工程c)のために必要とされるときに特に興味深い。画分Aはそれ故有利には、各画分をエチレン誘導体化合物のそれぞれの製造に搬送できるように、異なる組成の、少なくとも2つの画分に、好ましくは画分A1および画分A2に分けられる。
異なる組成の、少なくとも2つの画分への、好ましくは画分A1および画分A2への画分Aの分割は、任意の公知の手段によって行うことができる。好ましくは、画分Aは、熱交換器での間接冷却によって冷却され、熱交換器で画分A2は好適な圧力への膨張後に気化し、その温度の規定の低下まで好適な冷却媒体で冷却された熱交換器での間接接触によって過冷却される。液体蒸気は好ましくは分けられて蒸気画分A1および液体画分A2を生成する。温度低下は、有利には5℃を上回り、好ましくは7℃を上回り、より好ましくは8℃を上回る。温度低下は、有利には30℃を下回り、好ましくは25℃を下回り、より好ましくは22℃を下回る。
画分A1は有利には、画分A中に含有されるエチレン量の10%超、好ましくは20%超、より好ましくは25%超を含有する。画分A1は有利には、画分A中に含有されるエチレン量の90%未満、好ましくは80%未満、より好ましくは75%未満を含有する。
画分A1は有利には、画分A中に含有される水素量の80%超、好ましくは85%超、より好ましくは90%超、最も好ましくは95%超、非常に最も好ましくは98%超を含有する。
画分A1は有利には、画分A中に含有されるメタン量の70%超、好ましくは75%超、より好ましくは80%超、最も好ましくは90%超、非常に最も好ましくは95%超を含有する。
画分A1は有利には、画分A中に含有されるエタン量の40%未満、好ましくは30%未満、より好ましくは25%未満を含有する。
第2実施形態の第1変形によれば、本方法は有利には、工程a)およびb)後に、
c)画分Aが同じ組成のまたは異なる組成の画分A1および画分A2に分けられ、画分A1および画分A2が、場合によりアセチレン水素化にかけられた後に、DCEと場合によりそれから誘導される任意の化合物との製造に搬送される
ようなものである。
第2実施形態のこの第1変形による方法は好ましくは、工程a)、b)およびc)後に、
d)場合によりアセチレン水素化にかけられた後に、画分A1が塩素化反応器に、そして画分A2がオキシ塩素化反応器に搬送され、それらの反応器で画分A1および画分A2中に存在するエチレンのほとんどがDCEに転化され;そして
e)得られたDCEが、塩素化およびオキシ塩素化反応器に由来する生成物の流れから分離される
ようなものである。
第2実施形態の第2変形によれば、本方法は有利には、工程a)およびb)後に、
c)画分Aが同じ組成のまたは異なる組成の画分A1および画分A2に分けられ、それらの1つが、場合によりアセチレン水素化にかけられた後に、DCEと場合によりそれから誘導される任意の化合物との製造に搬送され、一方他方が、DCEとは異なるエチレンから出発して直接製造される少なくとも1つのエチレン誘導体化合物と場合によりそれから誘導される任意の化合物との製造に搬送される
ようなものである。
第2実施形態のこの第2変形による方法は好ましくは、工程a)およびb)後に、
c)画分Aが同じ組成のまたは異なる組成の画分A1および画分A2に分けられ、画分A1が、場合によりアセチレン水素化にかけられた後に、DCEと場合によりそれから誘導される任意の化合物との製造に搬送され、一方画分A2が、DCEとは異なるエチレンから出発して直接製造される少なくとも1つのエチレン誘導体化合物と場合によりそれから誘導される任意の化合物との製造に搬送される
ようなものである。
画分AからDCEならびに後でVCおよびPVCを得るために本発明による方法の第1実施形態について詳述された3つの変形は、画分A1からDCEならびに後でVCおよびPVCを得るために本発明による方法の第2実施形態の第2変形にもまた適用される。
第2実施形態の第2変形によれば、画分A2は有利には、DCEとは異なるエチレンから出発して直接製造される少なくとも1つのエチレン誘導体化合物と場合によりそれから誘導される任意の化合物との製造に搬送される。
画分Aから製造することができる、DCEとは異なるエチレンから出発して直接製造されるエチレン誘導体化合物の例として、とりわけ、エチレンオキシド、線状アルファ−オレフィン、線状第一級アルコール、エチレンのホモポリマーおよびコポリマー、エチルベンゼン、酢酸ビニル、アセトアルデヒド、エチルアルコールおよびプロピオンアルデヒドが挙げられてもよい。
それから誘導される任意の化合物の例として、とりわけ、エチレンオキシドから製造されるグリコール、エチルベンゼンから製造されるスチレンおよびスチレンから誘導されるスチレンのポリマーが挙げられもよい。
画分A2は、DCEとは異なるエチレンから出発して直接製造される1つのまたは幾つかのエチレン誘導体化合物の製造に搬送することができる。
DCEとは異なるエチレンから出発して直接製造される幾つかのエチレン誘導体化合物の製造に送られるために、画分A2は有利には、同じ組成の必要なだけ多くの画分に分けられる。
好ましくは、画分A2は、DCEとは異なるエチレンから出発して直接製造される1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される。
画分A2はより好ましくは、エチルベンゼンの製造に、最も好ましくは、スチレンのポリマーを得るために後で重合されるスチレンの製造に搬送されるエチルベンゼンそれ自体の製造に搬送される。
第2実施形態によれば、DCEはより好ましくは、さらにDCE分解工程にかけられてVCを生成し、VCは後で最も好ましくは重合されてPVCを生成する。
塩素化反応器に由来する生成物の流れから分離されたDCEは、DCE分解工程の前に、オキシ塩素化反応器に由来する生成物の流れから分離されたDCEと混合するまたは混合しないことができる。両DCEが混合されるとき、それらは全体的にまたは部分的に混合することができる。オキシ塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離されたDCEが塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離されたDCEの一部と混合され、この後者の他の部分がDCE分解工程に直接送られるときが好ましい場合である。
塩素化反応と塩素化反応器に由来する生成物の流れから得られるDCEの分離とに関する詳細については第1実施形態の第1変形に言及されている。DCE分解工程とDCE分解工程に由来する生成物の流れから得られるVCの分離とに関する詳細については同じ第1変形に言及されている。オキシ塩素化反応とオキシ塩素化反応器に由来する生成物の流れから得られるDCEの分離とに関する詳細については第1実施形態の第2変形に言及されている。
この第2実施形態によれば、VCは後で好ましくは重合されてPVCを生成する。PVCの製造に関するより詳細については第1実施形態の第1変形に言及されている。
本発明による方法の利点は、エチレンおよび他の成分を含有する混合物または生成物の分別が1工程であるので、有利には分別の幾つかの工程を含む以前の国際公開第2006/067188号パンフレット、同第2006/067190号パンフレット、同第2006/067191号パンフレット、同第2006/067192号パンフレット、同第2006/067193号パンフレットおよび同第2007/147870号パンフレットに記載されている相当する分別工程と比較して簡略化されている1つの分別工程b)をそれが可能にすることである。本発明による方法はそれ故、より低いエネルギー需要を可能にする。
本発明による方法の利点はまた、ほとんどのエチレンが1画分に存在することであるが、以前の国際公開第2006/067188号パンフレット、同第2006/067190号パンフレット、同第2006/067191号パンフレット、同第2006/067192号パンフレット、同第2006/067193号パンフレットおよび同第2007/147870号パンフレットでは、エチレンは有利には、2つの異なる画分、エチレンより軽質の化合物に富むエチレンの1含有部分とエチレンに富み、かつ、低い水素含有率で特徴づけられる他の部分とに分けられる。
本発明による方法の第2実施形態の第2変形の利点は、それがDCE製造とDCEとは異なる少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造との統合を可能にすることである。
この統合は、共通の工程と関連するコストの共有のおかげで総コストの低減を可能にする。
DCE/VC/PVC製造とエチルベンゼン/スチレン/ポリスチレン製造との統合の特殊な場合に、本方法は、ベンゼンに富む画分(本明細書で上では画分C2)の付加価値化をさらに可能にする。
本発明による方法の利点は、それが完全に統合されたプロセスを、同じ工業用地で所有することを可能にすることである。

Claims (11)

  1. a)炭化水素源が、エチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物を生成する簡略化分解にかけられ、
    b)生成物の前記混合物が、ほとんどのエチレンを含有する1画分(画分A)と、場合によりエタンの別個の1画分と1重質画分(画分C)とに一分別工程で分別され、
    c)画分Aが少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される、
    炭化水素源から出発する少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造方法。
  2. 工程a)およびb)後に、
    c)画分Aが、場合によりアセチレン水素化にかけられた後に、1,2−ジクロロエタンと場合によりそれから誘導される任意の化合物との製造に1画分で搬送される、請求項1に記載の方法。
  3. 工程aおよびb)後に、
    c)画分Aが、場合によりアセチレン水素化にかけられた後に、画分A中に存在するエチレンのほとんどが分子状塩素との反応によって1,2−ジクロロエタンに転化される塩素化反応器での1,2−ジクロロエタンの製造に1画分で搬送され、
    d)得られた1,2−ジクロロエタンが、塩素化反応器に由来する生成物の流れから分離され、
    e)分離された1,2−ジクロロエタンが1,2−ジクロロエタン分解工程にかけられ、こうして塩化ビニルおよび塩化水素を生成し、
    f)得られた塩化ビニルおよび塩化水素が、1,2−ジクロロエタン分解工程に由来する生成物の流れから分離され、
    g)塩化水素が、後で塩素化反応器にリサイクルされる分子状塩素への酸化にかけられる、
    請求項2に記載の方法。
  4. 塩化ビニルが重合されてポリ塩化ビニルを生成する、請求項3に記載の方法。
  5. 工程a)およびb)後に、
    c)画分Aが、場合によりアセチレン水素化にかけられた後に、塩素化反応器における1,2−ジクロロエタンの製造に1画分で搬送され、塩素化反応器内で、画分A中に存在するエチレンの最大90%が、分子状塩素との反応によって1,2−ジクロロエタンに転化され、
    d)塩素化反応器内で形成された1,2−ジクロロエタンが、場合により塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離され、
    e)1,2−ジクロロエタンが場合により抽出された、塩素化反応器に由来する生成物の流れがオキシ塩素化反応器に搬送され、オキシ塩素化反応器内でエチレンの残りの大部分が1,2−ジクロロエタンに転化されるが、塩素化反応器内で形成された1,2−ジクロロエタンが前もって抽出されなかった場合には1,2−ジクロロエタンを場合により吸収/脱着工程e’)にかけ1,2−ジクロロエタンを場合により抽出した後に、塩素化反応器に由来する生成物の流れがオキシ塩素化反応器に搬送され、
    f)オキシ塩素化反応器内で形成された1,2−ジクロロエタンがオキシ塩素化反応器に由来する生成物の流れから単離され、塩素化反応器内で形成された1,2−ジクロロエタンに場合により加えられる、
    請求項2に記載の方法。
  6. 1,2−ジクロロエタンが1,2−ジクロロエタン分解工程にかけられて塩化ビニルを生成し、その後塩化ビニルが重合されてポリ塩化ビニルを生成する、請求項5に記載の方法。
  7. 工程a)およびb)後に、
    c)画分Aが、少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される前に、同じ組成のまたは異なる組成の少なくとも2つの画分に、好ましくは画分A1および画分A2に分けられる、請求項1に記載の方法。
  8. 工程a)およびb)後に、
    c)画分Aが、同じ組成のまたは異なる組成の画分A1および画分A2に分けられ、画分A1および画分A2が、場合によりアセチレン水素化にかけられた後に、1,2−ジクロロエタンと場合によりそれから誘導される任意の化合物との製造に搬送される、請求項7に記載の方法。
  9. 工程a)およびb)後に、
    c)画分Aが、同じ組成のまたは異なる組成の画分A1および画分A2に分けられ、それらの一方が、場合によりアセチレン水素化にかけられた後に、1,2−ジクロロエタンと場合によりそれから誘導される任意の化合物との製造に搬送され、他方が、1,2−ジクロロエタンとは異なる、エチレンから出発して直接製造される少なくとも1つのエチレン誘導体化合物と場合によりそれから誘導される任意の化合物との製造に搬送される、請求項7に記載の方法。
  10. 炭化水素源が、ナフサ、ガスオイル、天然ガス液、エタン、プロパン、ブタン、イソブタンおよびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 画分Aが、工程b)にかけられる生成物の混合物中に含有されるエチレン量の少なくとも95%を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
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