本願は、本明細書において参照によって明確に組み込まれ、本願の譲受人に譲渡され、“METHOD AND APPARATUS FOR FULL QoS IN A WIRELESS COMMUNICATION SYSTEM”と題された仮出願61/048,905号の優先権を主張する。
さまざまな実施形態が、全体を通じて同一要素を示すために同一の参照番号が使用される図面を参照して説明される。次の記述では、説明の目的のために、多数の特定の詳細が、1または複数の実施形態についての完全な理解を提供するために記述される。しかしながら、そのような実施形態は、これら具体的な詳細なしで実現されうることが明白でありうる。他の事例では、1または複数の実施形態の記載を容易にするために、周知の構成およびデバイスがブロック図形式で示される。
本願で使用されるように、用語「構成要素」、「モジュール」、「システム」等は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、あるいは実行中のソフトウェアのうちの何れかであるコンピュータ関連エンティティを称することが意図されている。例えば、構成要素は、限定される訳ではないが、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行形式、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータでありうる。例示によれば、コンピュータ・デバイス上で実行中のアプリケーションと、コンピュータ・デバイスとの両方が構成要素になりえる。1または複数の構成要素は、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在し、構成要素は、1つのコンピュータに局在化されるか、および/または、複数のコンピュータに分散されうる。さらに、これらの構成要素は、さまざまなデータ構造を格納したさまざまなコンピュータ読取可能媒体から実行可能である。これら構成要素は、(例えば、信号によってローカル・システムや分散システム内の他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータ、および/または、他のシステムを備えた例えばインターネットのようなネットワークを経由して他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータのような)1または複数のデータのパケットを有する信号にしたがって、ローカル処理および/またはリモート処理によって通信することができる。
本明細書に記述された技術は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、シングル・キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)システム、およびその他のシステムのようなさまざまな無線通信システムに使用することができる。「システム」、「ネットワーク」という用語はしばしば置換可能に使用される。CDMAシステムは、例えばユニバーサル地上ラジオ・アクセス(UTRA)、CDMA2000等のようなラジオ技術を実現することができる。UTRAは、広帯域CDMA(W−CDMA)およびCDMAのその他の変形を含んでいる。CDMA2000は、IS−2000規格、IS−95規格、およびIS−856規格をカバーする。TDMAシステムは、例えばグローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))のような無線技術を実現することができる。OFDMAシステムは、例えばイボルブドUTRA(E−UTRA)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、フラッシュ−OFDM(登録商標)等のような無線技術を実現することができる。UTRAおよびE−UTRAは、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)の一部である。3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)は、E−UTRAを使用するUMTSの最新リリースであり、ダウンリンクではOFDMAを用い、アップリンクではSC−FDMAを用いる。
シングル・キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)は、シングル・キャリア変調および周波数ドメイン等値化を用いる。SC−FDMAは、OFDMAシステムと類似の性能を有し、本質的に全体的に同等の複雑さを有する。SC−FDMA信号は、その固有のシングル・キャリア構造により、より低いピーク対平均電力比(PAPR)を有する。SC−FDMAは、例えば、より低いPAPRが送信電力効率の観点からアクセス端末に非常に役立つアップリンク通信で使用されうる。したがって、SC−FDMAは、3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)すなわちイボルブドUTRAにおけるアップリンク多元接続性スキームとして実施されうる。
さらに、さまざまな実施形態は、本明細書において、アクセス端末に関して記載される。アクセス端末はまた、システム、加入者ユニット、加入者局、モバイル局、モバイル、遠隔局、遠隔端末、モバイル・デバイス、ユーザ端末、端末、無線通信デバイス、ユーザ・エージェント、ユーザ・デバイス、またはユーザ機器(UE)とも称されうる。アクセス端末は、セルラ電話、コードレス電話、セッション初期化プロトコル(SIP)電話、ワイヤレス・ローカル・ループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、無線接続機能を有するハンドヘルド・デバイス、コンピューティング・デバイス、あるいは無線モデムに接続されたその他の処理デバイスでありうる。さらに、本明細書では、さまざまな実施形態が、基地局に関連して記載される。基地局は、アクセス端末と通信するために利用することができ、アクセス・ポイント、ノードB、イボルブド・ノードB(eNodeB)、あるいはその他のいくつかの用語で称されうる。
さらに、本明細書に記載のさまざまな態様または特徴は、標準的なプログラミング技術および/またはエンジニアリング技術を用いた方法、装置、または製造物品として実現されうる。本明細書で使用される用語「製造物品」は、任意のコンピュータ読取可能デバイス、キャリア、または媒体からアクセスすることが可能なコンピュータ・プログラムを含むことが意図される。例えば、コンピュータ読取可能媒体は、限定される訳ではないが、磁気記憶装置(例えば、ハード・ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなど)、光ディスク(例えば、コンパクト・ディスク(CD)、DVDなど)、スマート・カード、およびフラッシュ・メモリ・デバイス(例えば、EPROM、カード、スティック、キー・ドライブなど)を含みうる。さらに、本明細書に記載されたさまざまな記憶媒体は、情報を格納するための1または複数のデバイス、および/または、その他の機械読取可能媒体を表すことができる。用語「機械読取可能媒体」は、限定されることなく、無線チャネル、および、命令群および/またはデータを格納、包含、および/または搬送することができるその他任意の媒体を含みうる。
図1に示すように、本明細書に記載されたさまざまな実施形態にしたがった無線通信システム100が例示されている。システム100は、複数のアンテナ・グループを含むことができる基地局102を含む。例えば、1つのアンテナ・グループは、アンテナ104およびアンテナ106を含むことができ、別のグループはアンテナ108およびアンテナ110を備えることができ、さらに別のグループはアンテナ112およびアンテナ114を含むことができる。おのおののアンテナ・グループについて2つのアンテナしか例示されていないが、2本のアンテナが各アンテナ・グループのために例示されているが、2本より多いアンテナ、または2本より少ないアンテナも、各グループのために利用されうる。基地局102はさらに、送信機チェーンおよび受信機チェーンを含みうる。それらおのおのは、当業者によって理解されるように、信号の送信および受信に関連する複数の構成要素(例えば、プロセッサ、変調器、マルチプレクサ、復調器、デマルチプレクサ、アンテナなど)を備えうる。
基地局102は、アクセス端末116およびアクセス端末122のような1または複数アクセス端末と通信しうる。しかしながら、基地局102は、アクセス端末116、122に類似の実質的に任意の数のアクセス端末と通信しうることが認識されるべきである。アクセス端末116およびアクセス端末122は、例えば、セルラ電話、スマート・フォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルド・コンピューティング・デバイス、衛星ラジオ、全地球測位システム、PDA、および/または、無線通信システム100による通信に適したその他任意のデバイスでありうる。図示するように、アクセス端末116は、アンテナ112、114と通信しており、ここでは、アンテナ112およびアンテナ114が、順方向リンク118によってアクセス端末116へ情報を送信し、逆方向リンク120によってアクセス端末116から情報を受信する。さらに、アクセス端末122は、アンテナ104、106と通信しており、ここでは、アンテナ104およびアンテナ106が、順方向リンク124によってアクセス端末122へ情報を送信し、逆方向リンク126によってアクセス端末122から情報を受信する。周波数分割デュプレクス(FDD)システムでは、例えば、順方向リンク118は、逆方向リンク120によって使用されるものとは異なる周波数帯域を使用し、順方向リンク124は、逆方向リンク126によって使用されるものとは異なる周波数帯域を使用することができる。さらに、時分割デュプレクス(TDD)システムでは、順方向リンク118および逆方向リンク120は、共通の周波数帯域を使用し、順方向リンク124および逆方向リンク126は、共通の周波数帯域を使用することができる。
通信するように指定された領域および/またはアンテナのおのおののグループは、基地局102のセクタと称されうる。例えば、基地局102によってカバーされる領域のセクタ内のアクセス端末に通信するように、複数のアンテナが設計されうる。順方向リンク118および順方向リンク124による通信では、基地局102の送信アンテナは、アクセス端末116およびアクセス端末122のための順方向リンク118および順方向リンク124の信号対雑音比を改善するためにビームフォーミングを適用することができる。また、基地局102が、関連付けられた有効通信範囲にランダムに散在したアクセス端末116、122に送信するためにビームフォーミングを利用している間、近隣セル内のモバイル・デバイスは、すべてのアクセス端末に対して単一のアンテナによって送信している基地局に比べて、少ない干渉しか被らない。
権利主張される主題の広範囲な議論および説明に移る前に、限定することなく、または、一般性を失うことなく、権利主張される主題は、複数の基地局にわたるサービス品質(QoS)区別および/または優先度付けのダウンリンクの局面に関して説明されているが、等価な能力および/または機能を持つ権利主張される主題が、複数の基地局にわたるサービス品質(QoS)区別および/または優先度付けのアップリンクの類似物に対する応用も持ちうることが注目されるべきである。
セル・エッジ・ユーザは、近隣のセルからの干渉電力が低減されることから、著しく利益を得ることができる。したがって、基地局またはeノードB間での協調がある場合、セル・リソース利用の効率が高められ、物理リソース・ブロック(PRB)間の電力利用が調整される。権利主張される主題によって適用されるようなセル間干渉調整(ICIC:inter cell interference coordination)シグナリングを利用することによって、この種の調整を達成するメカニズムが生成される。その結果、伝送および/または受信された伝送を正しく調整するセルのグループは、全体的なリソース効率において各セルに対して利益をもたらし、もって、特定の相対的なサービス品質(QoS)ステータスが必ずしも共有されていない場合であっても、そのような価値のあるスキームをもたらす。
しかしながら、前述した効率の向上に加えて、また、サービス品質(QoS)ステータス情報を共有することによって、セル間でサービス品質(QoS)要求を平準化することも可能となる。このサービス品質(QoS)情報は、セル全体の密集度(例えば、アップロード(UL)密集度およびダウンロード(DL)密集度)に少なくとも部分的に基づき、密集したラジオ・ベアラまたはデータ・フローの優先度を考慮すべきである。これによって、セル間にわたる相対的なサービス品質(QoS)優先度に基づくリソース割当トレードオフが可能となる。
本明細書に記載されたさまざまな態様にしたがって権利主張される主題は、セル間干渉調整(ICIC)インジケータにビット・フィールドを追加する。このビット・フィールドは、セル内で現在密集している最高優先度のラジオ・ベアラまたはフローを定義する。ここで、密集状態は、一般に、所与のラジオ・ベアラまたはデータ・フローのサービス品質(QoS)目標(例えば、遅延、保証ビット・レート)のうちの1つが満足されていない場合に生じうる。セル間干渉調整(ICIC)インジケータに追加されるビット数は、ちょうど1つの優先度レベルのために必要とされるものと類似しうる。例えば、セル間干渉調整(ICIC)インジケータに追加されるビット数は、少なくとも1つの3GPP Rel.8サービス品質優先度(QoS)数を符号化するために必要なビット数でありうる。さらに、フローのどのラジオ・ベアラも現在密集していないことを示す1つの予約ビットが存在しうる。一般に、セル間干渉調整(ICIC)インジケータは、密集したラジオ・ベアラまたはフローの最高優先度レベルが変化した場合には常にトリガされる。あるいは、サービス品質(QoS)の考慮に直接的に基づかないよう定義されうる他のトリガに加えて、物理リソース・ブロック(PBR)毎のビット・パターンが調節された場合にもトリガされうる。
図2は、複数の基地局(2011,・・・,202Z、ここでZは、ゼロより大きな整数を示す)にわたるサービス品質(QoS)区別および/または優先度付けを容易および/または有効にするシステム200の例示を提供する。ここで、複数の基地局(2011,・・・,202Z)のおのおのは、互いに近接しており、おのおのの基地局によって制御またはサービス提供されるセルは、送信動作フェーズおよび/または受信動作フェーズ中、近隣によって制御またはサービス提供されているセルに対して干渉を引き起こす。さらに、図示するように、基地局(2021、・・・、202Z)は、例えばセル2041(例えば、セルA1、B1、C1)およびセル204Z(例えば、AZ、BZ、CZ)のような1または複数のセルを制御するか、サービス提供する。限定することなく、また、一般性を失うことなく、基地局2021および/または基地局202Zのおのおのによって3つのセルしか制御されていないように示されているが、それよりも多い数または少ない数のセルが、対応する基地局によって制御またはサービス提供されうることが注目されるべきである。それに加えて、1または複数のセル2041および/または1または複数のセル204Zのおのおのが、さらなるセルを備えた1または複数のセクタに分割されうることが注目されるべきである。基地局2021、・・・、基地局202Zは、情報、信号、データ、命令群、コマンド、ビット、シンボル等の送信および/または受信を行いうる。また、本明細書で利用されている基地局という用語は、その他いくつかの専門用語で称されるように、アクセス・ポイント、ノードB、イボルブド・ノードB(例えば、eノードB、eNB)と称することもできることが認識されるべきである。さらに、図示していないが、基地局2021、・・・、基地局202Zは、1または複数のアクセス端末またはユーザ機器と、連続的および/または断続的に情報交換または通信しうることが認識されるべきである。さらに、図示していないが、限定することも、また、一般性を失うこともなく、基地局2021、・・・、基地局202Zは実質的に類似しうることがさらに認識されるべきである。例示によれば、システム200は、ロング・ターム・イボリューション(LTE)ベースのシステムになり得る。しかしながら、権利主張される主題は、必ずしもそれに限定される必要はない。
互いに協調するように例示されている基地局2021、・・・、202Zは、物理リソース・ブロック間での電力利用量を調整することによって、効率を向上し、セル間干渉を緩和する。そのような調整は、セル間干渉調整(ICIC)シグナリングを利用することによって達成されうる。ここでは、それぞれのセル(例えば2041,・・・,204Z)を制御しているおのおのの基地局2021,・・・,202Zが、サービス品質(QoS)ステータス情報を共有することによって、セル2021,・・・,202Zにわたるサービス品質(QoS)要件を平準化することのみならず、リソース効率全体を向上させるようにして、互いの動作(例えば、伝送および/または受信された伝送)を調整できるように互いに情報交換または通信しうる。
現在、ロング・ターム・イボリューション(LTE)ベースのシステムは、X2チャネルの概念を持っている。ここでは、基地局2021,・・・,202Zは、関連付けられたX2インタフェースによって互いに接続されうる。しかしながら、ロング・ターム・イボリューション(LTE)規格によって概念化された移動メカニズムは、ロング・ターム・イボリューション(LTE)ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)にアンカ・ポイントを含んでいないので、X2チャネル/インタフェースは、一般に、隣接セルまたは近接セルを有する基地局(2021,・・・,202Z)間でのみ使用されうる。それにもかかわらず、X2チャネル/インタフェースは、第1の基地局(例えば2021)と第2の基地局(例えば202Z)との間に直接的な接続を提供しうる。ここでは、第1の基地局(例えば2021)が、基地局202Zによって制御またはサービス提供されている1または複数のセル(例えばA1、B1、C1)を制御するか、またはこれら複数のセルに対してサービス提供する。これによって、セル2041またはセル204Zのうちの1または複数の間の隣接関係が、セル間干渉を引き起こす。例えば、基地局2021によって制御されるセルC1は、基地局202Zによって制御されるセルAZと隣接または接触し、セルAZへの伝送、および/または、セルAZから受信した伝送と干渉しうる。
現在まで、アクセス端末またはユーザ機器は、基地局(例えば、基地局2021,・・・,202Z)によって制御またはサービス提供されるセル(例えば2041,・・・,204Z)の範囲内に来た場合、一般に、信号品質に少なくとも部分的に基づいて単一のセルに割り当てられるので、セル内ベース(例えば、同じ基地局によって制御されるセル内)でサービス品質(QoS)メトリックを利用する試みに成功する。そのような試みの成功の中心は、スケジューラの役割である。スケジューラは、一般に、ボイス・オーバ・インターネット・プロトコル(VoIP)、ビデオ、ベスト・エフォート、ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル(HTTP)等へ割り当てられたリソースを制御する。さらに、スケジューラは、一般に、サービス品質(QoS)制約を被るフローの設定および取扱い(例えば、特定のリソースに割り当てられた特定のフローによって受信されたサービス品質(QoS)の品質を管理すること)等を担当する。しかしながら、異なる、すなわち、別のまたは異なる基地局(例えば、基地局2021,・・・,202Z)によって制御されるセル(例えば、2041,・・・,204Z)が、互いに対する干渉をもたらすことにより、互いに影響を与えるという点において、セル間またはセルにわたる固有の接続がなされ、それが常に存在している。
現在、セル内を中心に考えることに関する重要な動作原型であることを仮定すると、異なるすなわち別の基地局によってサービス提供または制御されるセル間の干渉と、その結果生じる両干渉セル(例えば、セルC1およびAZ)に関連付けられたフローに対するサービス品質(QoS)の低下は、やはり、見逃すことも、割り引くことも、軽視することもできない。このセル内を中心に考えることは、以下のように例示されうる。ここでは、セルC1に関連付けられたフローによって経験される低下したサービス品質(QoS)を認識している基地局2021が、セルC1内のフローと、低下に対する主体とが、サービス品質(QoS)目標を達成することを保証するために、リソース割当およびスケジューリング・スキームを有効にする。一方、基地局202Zは、セルAZに関連付けられたフローが、それらのサービス品質(QoS)ゴールを実現することを保証するために、その他の可能性のある調和の取れていないリソース割当と、スケジューリング・パラダイムとを実施しうる。
しかしながら、当業者によって認識されるように、それぞれ制御されたセルのおのおのを通過するデータ・フロー(および/または、影響するデータ・フロー)に関連付けられたローカルなサービス品質(QoS)目標を保証するために、それぞれ、個々の、および独立した技術における基地局2021および基地局202Zのおのおのによって実現されるリソース割当および/またはスケジューリング・スキームは、互いの干渉を引き起こす。あるいは、より簡潔に述べると、それぞれ制御されたデータ・フローに関連付けられたローカルなサービス品質(QoS)目標を制御および最大化するために、独立した技術における基地局2021および基地局202Zのおのおのは、他方に対する相互的な干渉を引き起こす。したがって、無線セルラ・システムにわたって品質サービス(QoS)メトリックがいつおよび/またはどのようにして適用されるべきか、特に、別のまたは異なる基地局(例えば、基地局2021および基地局202Z)によって制御またはサービス提供される近隣セル(例えば、C1およびAZ)に関して品質サービス(QoS)メトリックがいつおよび/またはどのようにして適用されるべきかを制御するメカニズムは、今のところ存在しない。
図2に例示されるような権利主張される主題は、セルを中心とする品質サービス(QoS)メカニズムではなく、ネットワーク・ワイドな品質サービス(QoS)メカニズムを提供する。限定することも、一般性を失うこともなく、権利主張される主題は、現在のセルを中心とするサービス品質(QoS)メカニズムに取って代わるものではなく、現在のサービス品質(QoS)メカニズムに対して付加機能を追加または提供し、これによって、基地局(例えば、基地局2021,・・・,202Z)は、干渉しているセルが他の隣接した基地局によって制御されるセル間/セルにわたる干渉を低減または緩和する方式で、リソース割当および/またはスケジューリング・スキームを調整しうることが注目されるべきである。
権利主張される主題を実施することにより、干渉回避による効果的な改善が得られる。例えばセルC1によって提供されるさまざまなタスクまたはフローに関連付けられたサービス品質(QoS)ターゲットの支援の下、セルC1に関し、基地局2021によって実施されるリソース割当および/またはスケジューリング・ポリシーは、セルAZによってディスパッチされているさまざまなタスクまたはフローに関連付けられたサービス品質(QoS)目標を妨げることが無いように選択されうる。ここで、セルAZは、別の基地局(例えば、基地局202Z)によって制御される。干渉回避によってそのような効果的な利点を得るために、セルAZに対するセル間/セルにわたる干渉を低減する基地局2021は、セルAZ内のサービス品質(QoS)目標を満足するフローのスループットに悪影響をもたらさないセルC1によって使用されるリソース割当および/またはスケジューリング・ポリシーを識別しうる。同様に、基地局2021によって制御またはサービスされるセルC1へのセル間干渉を低減している基地局202Zは、セルC1にわたるサービス提供または制御を行う基地局2021によって採用されているリソース割当および/またはスケジューリング・ポリシーと相補的または一致している、セルAZにおいて使用されているスケジューリング・ポリシーおよびリソース割当を採用しうる。したがって、例えば基地局2021は、第1の周波数でブロードキャストされるべきであるセルC1における特定の高優先度フローのためのサービス品質(QoS)ターゲットを満足または超えるために、それを決定しうる。第2の、干渉していない周波数でブロードキャストするために、セルAZに関連付けられたフローは、セルC1で実行されているものと同じ優先度レベルに上がることはないので、セルC1内でディスパッチされている高優先度のフローと、この高優先度のフローに関連付けられたサービス品質(QoS)目標を満足するための基地局2021の試みとを認識している基地局202Zが、それを決定しうる。したがって、セル間干渉インジケータによって互いに協調している基地局2021および基地局202Zによって、相互に合意される干渉のないブロードキャスト周波数パターン干渉回避(例えば、C1が第1の周波数でブロードキャストし、AZが第2の、干渉のない周波数でブロードキャストする)が有効とされうる。
さらに、権利主張される主題によって利用されるような干渉回避メカニズムは、近隣基地局に関する、すなわち、近隣基地局に対するアクセス端末またはユーザ機器の場所を示すインジケーションを与える。例えば、ユーザ機器が現在、基地局2021によって制御またはサービス提供されているセルに関連付けられているのであれば、基地局2021および/または基地局202Zのおのおのによって採用および/または有効とされた干渉回避メカニズムが、基地局2021および/または基地局202Zのおのおのに対するユーザ機器の場所に関する相対位置情報を提供しうる。しかしながら、一般的なベースにおける干渉回避の実施は、通常、すべてのユーザ機器に対して望ましい訳ではないが、近隣の基地局およびこれら基地局によって制御されているセルからの干渉(傍流の干渉であっても)を被っているユーザ機器にとっては都合が良いことが認識されるべきである。
図3に移って、複数の基地局にわたるサービス品質(QoS)区別および/または優先度付けを容易および/または有効にするシステム300が例示される。ここでは、複数の基地局のおのおのが、互いに隣接関係を持っており、これによって、各基地局、あるいは、各基地局によってサービス提供または制御されているセルのうちの1または複数が、送信動作フェーズまたは受信動作フェーズ中に、近隣に関連付けられた1または複数のセルに対する干渉を引きこしうる。図示するように、システム300は、第1の基地局302と第2の基地局306とを含み得る。これらは、X2チャネル304によって連続的にまたは断続的に通信しうる。上述したように、X2チャネル304は、第1の基地局302と第2の基地局304との間に直接的な接続を提供する。ここでは、第1の基地局302は、第2の基地局306によって制御またはサービス提供されている1または複数のセルと隣接関係を有する1または複数のセルに対し、制御またはサービス提供を行う。これによって、第1の基地局302によって制御またはサービス提供されるセルのうちの1または複数の間の隣接関係が、第2の基地局306によって制御またはサービス提供されるセルのうちの1または複数に対して、セル間干渉をもたらすか、あるいは、第2の基地局306によって制御またはサービス提供される1または複数のセル間の隣接関係が、第1の基地局302によって制御またはサービス提供される1または複数のセルに対して、干渉をもたらすようになる。当業者によって認識されるように、X2チャネル304は、第1の基地局302と第2の基地局306とのおのおのに関連付けられた(図示しない)それぞれのX2インタフェースへ接続されうる。
権利主張される主題の態様によれば、X2チャネル304は、第1の基地局302と第2の基地局306のおのおのが、それぞれが制御またはサービス提供している1または複数のセルに関する状態情報を交換することを可能にするシグナリング・メカニズムを、第1の基地局302と第2の基地局306との間に提供するために適用されうる。ここで、この状態情報は、密集状態を被っている1または複数のセルに関連しており、セル間干渉調整インジケータの形式で通信される。さらに、X2チャネル304はまた、第1の基地局302と第2の基地局306との間で通信されるセル間調整インジケータに含まれる優先度データ(例えば、フローに関連付けられた現在の優先度レベルや、将来のフローに関連付けられた予期されるレベル)を伝送するためにも適用されうる。
第1の基地局302と第2の基地局306との間のシグナリング・メカニズムの能力および/または機能を提供するために、別の実装ストラテジが適用されうる。1つのストラテジによれば、集中的なメカニズムが適用されうる。ここでは、第1の基地局302と第2の基地局306とのおのおのによって制御またはサービス提供されるセル間の、セルにわたる干渉を緩和または回避するために、単一のシステム・ワイドなエンティティが、第1の基地局302および第2の基地局306のおのおのによって利用されるべきリソース割当ポリシーおよびスケジューリング・ポリシーを調整する。第1の基地局302および/または第2の基地局306のおのおのによってサービス提供または制御されるセル間での干渉の影響を改善するために、代替および/または追加のストラテジ、および、ロング・ターム・イボリューション(LTE)規格に記載される基本原理により良く適合することは、分散された、すなわち、集中化されていないメカニズムを適用することである。ここでは、参加しているおのおのの基地局(例えば、近隣の第1の基地局302および/または第2の基地局306)が、X2チャネル304によって提供または受信されるセル間干渉調整インジケータに含まれる状態情報および/または優先度情報を利用する。当業者によって認識されるだろうが、そのような分散された、すなわち、集中化されていないメカニズムは、隣接または近隣の各基地局と、関連付けられたセルとに、ピア・トゥ・ピア関係を与える。ここでは、分散された、すなわち、集中化されていないメカニズムについて、必ずしも単一の基地局またはセルが、全体的な制御を行う必要はない。
したがって、前述を考慮して、第1の基地局302は、スケジューラ構成要素308を含み得る。スケジューラ構成要素308は、1または複数のスケジューリング・パラダイム(例えば、ファースト・カム−ファースト・サービス(first-come first served)、チャネル依存スケジューリング、ラウンド・ロビン、最大−最小公平スケジューリング、比例的公平スケジューリング、重み付け公平キュー、最大スループット)を利用し、第1の基地局302によって制御またはサービス提供されている1または複数のセルからディスパッチされている1または複数のデータ・フローに関連付けられたサービス品質(QoS)ターゲットを考慮して、可能な限り効率的なリソース利用を達成するために、利用可能なラジオ・リソースをどのようにして共有すべきかを確認する。スケジューラ構成要素308はさらに、第1の基地局302によって制御またはサービス提供されているセル内で目下密集しているラジオ・ベアラまたは最高優先度のフローに関するインジケーションを提供しうる。密集状態は一般に、密集したフローのサービス品質(QoS)目標のうちのいずれか1つ(例えば、遅延、保証ビット・レート)が満たされない場合に、セル内で生じうる。したがって、サービス品質(QoS)目標を満足するためにデータ・フローをスケジュールすることに加えて、スケジューラ構成要素308はまた、それぞれのサービス品質(QoS)目標に適合しないデータ・フローに関連付けられた密集メトリックを提供し、さらに、これらデータ・フローから、任意の時間において、最悪の密集を被っている最高優先度のデータ・フロー(例えば、それぞれのサービス品質(QoS)目標を満足しない最高優先度のデータ・フロー)を識別しうる。
一般的なものとして、スケジューラ構成要素308は、同じ基地局によって制御またはサービス提供されるセル間のセル干渉を緩和または回避するリソース割当を有効にしうる。例えば、図2に戻って、基地局2021に含まれるスケジューラ構成要素308は、基地局2021によって制御またはサービス提供されるセル2041(例えば、A1、B1、C1)内のリソース割当が相補的になっており、セルA1とセルB1、C1との間の干渉が緩和され、セルB1とセルA1、C1との間の干渉が緩和され、および/または、セルC1とセルA1、B1との間の干渉も同様に緩和されるようになる。同じ基地局によって制御またはサービス提供されるセル間のセル干渉のそのような緩和または回避は、スケジューラ構成要素308が、それぞれのデータ・フローと、それぞれのデータ・フローに関連付けられたサービス品質(QoS)目標を考慮し、同じ基地局によって制御またはサービス提供されるセル間のコンフリクトを回避するようにしてリソースを割り当てることによって有効とされうる。例えば、スケジューラ308は、セルA1、B1、C1におけるそれぞれのデータ・フローのおのおのが、それぞれのサービス品質(QoS)目標を満たすことができるように、セルA1に対して、データ・フローをブロードキャストするために第1の周波数を利用するように指示し、セルB1に対して、データ・フローをブロードキャストするために第2の周波数を適用するように指示し、セルC1に対して、データ・フローをブロードキャストするために第3の周波数を用いるように指示する。
さらに、スケジューラ構成要素308は、別の隣接または近隣の基地局(例えば、第1の基地局302および第2の基地局306)によって制御またはサービス提供されるセル間のセル干渉を緩和または回避するリソース割当を有効としうる。この例では、セル間干渉調整構成要素310と協調するスケジューラ構成要素308が、X2チャネル304によって1または複数の隣接基地局から提供/受信された情報に少なくとも部分的に基づいて干渉回避を容易にする手段を講じる。例えば、スケジューラ構成要素308は、スケジューラ構成要素308が含まれる基地局(例えば、第1の基地局302)によって制御またはサービス提供されるセルに関連付けられたサービス品質(QoS)基準および/またはデータ・フローと、および/または、X2チャネル304によって1または複数の隣接する基地局から提供/受信された情報とに少なくとも部分的に基づいて、近隣の基地局(例えば、第2の基地局306)によって制御またはサービス提供されるセルとの干渉回避を容易にするリソース割当ストラテジを採用しうる。例えば、スケジューラ構成要素308は、第1の基地局302によって制御されるセルC1に関連付けられたデータ・フローが、第2の基地局306によって制御されるセルAZに関連付けられたデータ・フローよりも低い優先度であることを確認しうる。セルC1に関連付けられたデータ・フローが、セルAZにおいてブロードキャストされたものよりも相対的に低い優先度からなるという事実を認識して、スケジューラ構成要素308は、セルAZがより高い優先度のトラフィックをブロードキャストできるように、セルC1におけるリソース割当を変更しうる。前述したことを容易にするためにスケジューラ構成要素308によって利用されうる1つの例示的なリソース割当スキームは、セルC1における低優先度のフローのブロードキャストが、セルAZがより高優先度のトラフィックをブロードキャストする周波数に関して干渉しない周波数で実行されることを保証するためでありうる。第1の基地局302によって制御またはサービス提供されるセルC1における低優先度フローのブロードキャストが、第2の基地局306によってサービス提供または制御されるセルAZにおける高優先度のフローと干渉しないことを保証するために、スケジューラ構成要素308によって実現されうるさらなる例示的なリソース割当スキームは、スケジューラ構成要素308が、第1の電力レベルで低優先度のデータ・フローをブロードキャストするようにセルC1に対して指示するためのものである一方、第2の基地局306によって制御またはサービス提供されるセルAZにおける高優先度のフローは、第2の電力レベルでブロードキャストされる。ここでは、第1の電力レベルと、第2の電力レベルとは、互いに干渉しない。
当業者によって認識されるであろうが、第2の基地局306はまた、スケジューラ構成要素308に関して説明したように設定され動作することができるスケジューラ構成要素を含みうる。これによって、前述したものとは相反する機能および/または能力を提供しうる。したがって、第2の基地局306に含まれるスケジューラ構成要素と、同じく第2の基地局306に含まれるセル相互干渉調整構成要素とは連携して、第1の基地局302に含まれるスケジューラ構成要素308によって実現されるリソース割当スキームと相合うリソース割当スキームを実現しうる。例えば、第1の基地局302に含まれるスケジューラ構成要素308が、セルC1によってブロードキャストされている低優先度のデータ・フローのためのリソース割当を実施する場合、セルAZによってブロードキャストされているデータ・フローが相対的に高い優先度を有するという認識のもと、第2の基地局306に含まれるスケジューラ構成要素は、セルAZに対して、セルC1によってブロードキャストされている低優先度のデータ・フローのブロードキャストとの干渉を回避できるように、異なるリソース割当を用いて高優先度のデータ・フローをブロードキャストするように指示する。例えば、第1の基地局302に含まれるスケジューラ308が、セルC1に対して、低優先度のデータ・フローを第2の電力レベルでブロードキャストするように指示するであろうという理解の下(例えば、第1の基地局302によって、X2チャネル304を経由して第2の基地局306へ通信される)、第2の基地局306に関連付けられたスケジューラ構成要素は、セルAZに対して、高優先度のデータ・フローを第1の電力レベルでブロードキャストするように指示しうる。当業者によって容易に理解されることが明らかとなるであろうが、高優先度のデータ・フローをブロードキャストするためにセルAZによって利用される第1の電力レベルは、第2の基地局306に関連付けられたスケジューラ構成要素によって選択され、これによって、選択された第1の電力レベルは、第1の基地局302に関連付けられたスケジューラ構成要素308によって選択された第2の電力レベルで、セルC1による低優先度のデータ・フローのブロードキャストと干渉しない。
当業者によって認識されるであろうが、セル間干渉調整構成要素310からのフィードバックまたはフィードフォワードに少なくとも部分的に基づいて、または、連携して、スケジューラ構成要素308は、セルにわたる干渉を回避または緩和するために、他のリソース・ブロックまたは電力レベルに優先して、リソース・ブロックまたは電力レベルを選択的に利用しうる。ここでは、セルにわたる干渉は、第1の基地局302および第2の基地局306のように隣接配置された別の基地局によって制御またはサービス提供される複数のセルが主因である。さらに認識されるであろうが、スケジューラ構成要素308は、パターン調整を有効としうる。ここでは、参加している基地局に含まれるおのおののスケジューラ構成要素が、第1の基地局によって制御されているセルであって、近隣にある第2の基地局によって制御またはサービス提供されるセルからの干渉を受けるセルにおける密集した高優先度のデータ・フローをどうやって最良にブロードキャストするかに関し、相互に利益のある合意に対して動的に、かつ時間にわたって引き付けられる。
近隣にある他の基地局によって制御またはサービス提供される他のセルからの干渉をうけるセルにおける密集したデータ・フローのブロードキャストに関し、近隣の基地局間での相互協力があることを保証することによって、効率およびスループットの向上が保証される。
さらに、第1の基地局302には、セル間干渉調整構成要素310が含まれうる。セル間干渉調整構成要素310は、データ・フローが、それぞれのサービス品質(QoS)目標を満たすために、第1の基地局302によって制御されるさまざまなセルにおけるデータ・フローにサービス提供する際に、スケジューリング構成要素308によって利用されるリソース割当ミックスに関し、スケジューリング構成要素308によってなされる動作を連続的および/または定期的にモニタしうる。セル間干渉調整構成要素310はまた、第1の基地局302によって制御またはサービス提供されるセル内のデータ・フローのサービス品質(QoS)目標が満たされているかをモニタし、この情報から、これらセルのうちのどれが、サービス品質(QoS)目標を満足することができず、密集していると考えられるのかを判定または確認しうる。さらに、セル間干渉調整構成要素310はまた、これら密集したセルから、どのデータ・フローが最高優先度を有しているのかを確認しうる。
さらに、セル間干渉調整構成要素310はまた、調停する態様を提供する。ここでは、スケジューラ構成要素308から受信した入力、あるいはスケジューラ構成要素308に対して求めた入力と、複数の近隣の基地局から(例えばX2チャネル304を介して)獲得または取得された情報が適用され、スケジューラ構成要素308に対して、近隣の基地局によって制御またはサービス提供されるセル内のデータ・フローによって経験されるそれぞれの優先度および/または密集を示すインジケーションが与えられる。スケジューラ構成要素308は、そのような情報または入力を用いて、スケジューラ構成要素308が含まれる基地局によって制御されるセル内のリソース割当を変更する。ここでは、1または複数の近隣の基地局によって制御またはサービス提供されるセルとのコンフリクトがある。例えば、第2の基地局306によって制御またはサービス提供されたセルAZが、高優先度のデータ・フローのブロードキャストを試みているが、現在は、密集を被っている(例えば、セルAZにおけるデータ・フローに対するサービス品質(QoS)目標が満たされていない)ことがX2チャネル304を介して受信された情報から確認され、さらに、低優先度のデータ・フローをブロードキャストしている際に、スケジューラ構成要素308によって、第1の基地局302によって制御またはサービス提供されるセルC1へ提供されている現在のリソース割当が、セルAZにおける高優先度のデータ・ブローのブロードキャストと対立すると判定された場合、セル間干渉調整構成要素310は、スケジューラ構成要素308に対して、セルC1のためのリソース割当ミックスを調節するように指示する。これによって、第2の基地局306によって制御またはサービス提供されるセルAZにおける高優先度のデータ・フローは、関連付けられたサービス品質(QoS)目標に、より緊密にしたがうことができるようになる。前述したことが実施される場合、セルAZからブロードキャストされている高優先度のデータ・フローと、セルC1からブロードキャストされている相対的に低優先度のデータ・フローとの両方が、第1の基地局302と第2の基地局306それぞれに含まれるスケジューラ構成要素のおのおのによって実施されるリソース割当が、互いに相補的であるという点において利点を見出すことができることが注目されるべきである。例えば、第2の基地局306に関連付けられたスケジューラ構成要素は、第1の電力レベルで、セルAZにおいて、高優先度のデータ・フローをブロードキャストすることを選択的に選択する一方、第1の基地局302に含まれるスケジューラ構成要素308は、第1の周波数で、セルC1において、低優先度のデータ・フローをブロードキャストすることを選択的に選択しうる。このようにして、第1の基地局302と第2の基地局306との間の相互連携、および、対応するセル間干渉調整構成要素を使用することによって、セルAZおよびセルC1におけるデータ・フローによって以前に経験された干渉は、回避されるか、あるいは、少なくとも緩和されうる。
さらに、セル間干渉調整構成要素310はまた、ディスパッチする態様を含む。これは、後にX2チャネル304を介して1または複数の近隣の基地局へディスパッチまたは配信されうるセル間干渉調整インジケータを構築しうる。セル間干渉調整インジケータは、単一のビットから複数のビットにまで及びうる。しかしながら、一般に、セル間干渉調整構成要素310によって構築されたセル間干渉調整インジケータに含まれるビット数は、1つの優先度レベルを伝送するのに十分である(例えば、少なくとも1つの3GPP優先度レベルで伝送するために必要なビット数である)。しかしながら、権利主張される主題はそのように限定される必要がないことが理解されるだろう。さらに、セル間干渉調整インジケータは、密集したデータ・フローの最高優先度レベルに変化があった場合、あるいは、物理リソース・ブロック・ビット毎のパターンが調節された場合には常に、セル間干渉調整構成要素310によって構築されうる。さらに、セル間干渉調整インジケータの構築は、必ずしもサービス品質(QoS)の考慮に結び付けられる必要のない他の考慮に少なくとも部分的に基づいてトリガされうる。
当業者によって認識されるであろうが、第2の基地局306にもまた同様のスケジューラ構成要素308とセル間干渉調整構成要素310とが備えられ、第1の基地局302に関連して上述されたものと同様に動作しうる。さらに、限定することも一般性を失うこともなく、第1の基地局302と第2の基地局306との間の近隣関係は、一般には、これら基地局間のX2チャネル・フックアップのベンダ特有の実装によって定義されることが注目されるべきである。したがって、例えば、第1の基地局302と第2の基地局306とは互いに数メートルしか離れておらず、第1の基地局302および第2の基地局306のおのおのによって制御またはサービス提供されるこれらセル(および、これらセルを通過するデータ・フロー)は、一般に、互いに対立しうる(例えば、第1の基地局302および第2の基地局306によって制御されるセル間の一定および/または持続的な干渉がある)か、あるいは、第1の基地局302と第2の基地局306とが何キロメートルも離れていれば、第1の基地局302および第2の基地局306によって制御またはサービス提供されるセルを通過するデータ・フローは、あるとしても、稀にしか互いに直接的にコンフリクトしなくなる。しかしながら、当業者によって認識されるようになるであろうが、干渉調整および/または干渉回避は一般に、遠くの近隣よりもより近くの近隣に着目されており、遠くの近隣と、より近くのおよび/または干渉している近隣とを区別するために、1または複数のネットワーク尺度が適用されうる。
図4は、第1の基地局302のより詳細な図解400であり、さらに詳しくは、セル間干渉調整構成要素310のより詳細な図解を与える。例示するように、セル間干渉構成要素310は、モニタ構成要素402を含み得る。モニタ構成要素402は、第1の基地局302によって制御またはサービス提供されるセルに関し、スケジューラ構成要素308によってなされたリソース割当や、第1の基地局302に関連付けられたセルを通過するデータ・フローに関し、サービス品質(QoS)目標が満足されているか否かを判定または確認するために、スケジューラ構成要素308のスケジューリング動作を連続的および/または定期的にモニタしうる。この情報から、モニタ構成要素402は、第1の基地局302によって制御またはサービス提供されているセルを通過しているデータ・フローが、それぞれのサービス品質(QoS)目標を満足しているか否かを確認しうる。1または複数のセルを通過している1または複数のデータ・フローが、サービス品質(QoS)目標を満足していないとモニタ構成要素402が確定した場合、モニタ構成要素402は、この発見を、これらセル内のデータ・フローが現在密集していることを示すインジケーションとして考慮する。さらに、モニタ構成要素402はまた、これら密集したセルのおのおのから、そのように密集している密集セル内の最高優先度のデータ・フローをも確認しうる。
セル間干渉調整構成要素310はまた、調停構成要素404をも含み得る。調停構成要素404は、モニタ構成要素402やスケジューラ構成要素308から提供された、あるいは、モニタ構成要素402やスケジューラ構成要素308に対して要求した情報、および/または、1または複数の近隣の基地局(例えば、第2の基地局306)から、X2チャネル304を介して獲得または取得された情報を利用して、1または複数の近隣の基地局に関連付けられたセル内のデータ・フローによって経験されている密集および/またはそれぞれの優先度のフィードバックまたはフォードフォワードをスケジューラ構成要素308へ提供する。調停構成要素404によってスケジューラ構成要素308へと提供された情報は、スケジューラ構成要素308によって利用され、基地局(例えば、第1の基地局302)によって制御またはサービス提供されているセル内のリソース割当が変更される。ここでは、スケジューラ構成要素308は、コンフリクトしているセル(例えば、第1の基地局302および第2の基地局306によって制御またはサービス提供されるセル)間の干渉が、互いにより相補的になるように配置される。例えば、調停構成要素404から受信した情報に少なくとも部分的に基づいて、スケジューラ構成要素308は、第1の基地局302によって制御またはサービス提供されたセルとコンフリクトしているセルを制御している別の近隣基地局に関連付けられたスケジューラ構成要素によって有効にされたリソース割当とコンフリクトしないリソース割当を有効としうる。
それに加えて、セル間干渉調整構成要素310はまた、X2チャネル304を介して近隣の基地局へ送信されうるセル間干渉調整インジケータをアセンブルするディスパッチ構成要素406をも含む。ディスパッチ構成要素406は、セル間干渉調整インジケータを、少なくとも1つの優先度レベル(例えば、第1の基地局302によって制御またはサービス提供される特定のセルにおいて密集を被っている最高優先度のデータ・フローの優先度レベル)を示すのに十分な連続ビットとしてアセンブルまたは構築しうる。ディスパッチ構成要素406は、例えば、密集しているデータ・フローの最高優先度レベルに変化がある場合、あるいは、物理ブロック毎のビット・パターンが調節された場合、セル間干渉調整インジケータのアセンブルおよびディスパッチを行う。さらに、ディスパッチ構成要素406はまた、サービス品質(QoS)基準に関連する考慮以外の考慮に基づいて、セル間干渉調整インジケータの構築および配信をも行いうる。ディスパッチ構成要素406は、セル間干渉調整インジケータを構築すると、セル間干渉調整インジケータを、X2チャネルを介して近隣の基地局へと送信しうる。ここでは、セル間干渉調整インジケータが、近隣の基地局に含まれているか、あるいは関連付けられているセル間干渉調整構成要素および/または同様に構成されたスケジューラ構成要素によって利用されうる。
図5乃至図7に示すように、無線通信環境において、複数の基地局にわたるサービス品質(QoS)区別および/または優先度付けを有効にすることに関連する方法が例示される。説明を単純にする目的で、これら方法は、一連の動作として示され説明されているが、これら方法は、1または複数の実施形態にしたがって、幾つかの動作が本明細書で示され記載されたものとは異なる順序で、あるいは他の動作と同時に生じうるので、動作の順序によって限定されないことが理解され認識されるべきである。例えば、当業者であれば、これら方法はその代わりに、例えば状態図におけるように、一連の相互関連する状態またはイベントとして表されうることを理解し認識するだろう。さらに、1または複数の実施形態にしたがって方法を実現するために、必ずしも例示された全ての動作が必要とされる訳ではない。
図5に関して、権利主張される主題にしたがって、複数の基地局にわたるサービス品質(QoS)区別および/または優先度付けを有効にする方法500が例示される。方法500は、502において開始される。ここでは、基地局によって制御される1または複数のセルに対する現在のリソース割当が取得される。ここで、リソース割当は、基地局によって制御される1または複数のセルを通過しているデータ・フローに関連付けられたサービス品質(QoS)メトリックに少なくとも部分的に基づいてなされうる。504において、方法500は、現在および/または将来のサービス品質(QoS)要件/目標が、現在のリソース割当によって満足されているかを確認しうる。504において、1または複数のセルを通過するデータ・フローのサービス品質(QoS)要件/目標が、満足されていると観察された場合、これらデータ・フローが密集状態であることが示され、さらに、最高優先度のデータ・フローが識別されるように順序付けがなされうる。506では、現在および将来のサービス品質(QoS)目標/要件、リソース割当、および/または、密集下で識別された最高優先度のデータ・フローが、セル間干渉調整インジケータ内のビットまたは連続ビットとして、近隣の基地局へ(例えば、X2チャネルを介して)ディスパッチされうる。
図6は、権利主張される主題の態様にしたがって、複数の基地局にわたるサービス品質(QoS)区別および/または優先度付けを容易および/または有効にするさらなる方法600を例示する。方法600は602において開始される。ここでは、近隣の基地局によって制御された特定のセルにおいて密集状態にあると識別された最高優先度のデータ・フローに関連する複数のサービス品質(QoS)メトリック、リソース割当、およびその他の適切な情報が受信されうる。604では、受信している基地局によって制御またはサービス提供される1または複数のセルに対するリソース割当ミックスを調節するために、602で受信された情報が利用される(例えば、スケジューリング態様/構成要素に対して指示される)。特に、近隣の基地局によって制御されているか、あるいは、関連付けられているセル内で密集している最高優先度のデータ・フローが、サービス品質(QoS)目標を満足できるように、リソース割当ミックスが調節されうる。606では、現在のリソース割当ミックス、サービス品質(QoS)メトリック、および/または、受信している基地局によって制御またはサービス提供されている1または複数のセルにおいて密集していると識別された最高優先度のデータ・フローが、セル間干渉調整インジケータにおいて、ビットまたは連続ビットとして近隣の基地局へ配信されうる。
図7は、権利主張される主題の態様にしたがって、複数の基地局にわたるサービス品質(QoS)区別および/または優先度付けを有効にする別の方法700を例示する。方法700は、702において開始される。ここでは、近隣の基地局によって制御またはサービス提供される特定のセルにおいて密集状態にある識別された最高優先度のフローに関するサービス品質(QoS)メトリック、リソース割当、および情報が受信されうる。限定することも、一般性を失うこともなく、702で受信した情報は、(例えば、密集状態にある少なくとも最高優先度のデータ・フローを伝送するのに十分なビットまたは連続ビットとして)セル間干渉調整インジケータによって受信されうることが注目されるべきである。704では、受信している基地局によって制御またはサービス提供される1または複数のセルにおける特定のデータ・フローのためのサービス品質(QoS)目標をさらに満足する際になされるサービス品質(QoS)メトリックおよびリソース割当が、スケジューラから取得されうる。706では、近隣の基地局によって制御またはサービス提供される特定のセルにおいて密集状態にある識別された最高優先度のフローに関連するサービス品質(QoS)メトリック、リソース割当、および、情報のみならず、受信している基地局によって制御またはサービス提供されるセルにおいて密集状態にあると識別された最高優先度のフローに関連するリソース割当、サービス品質(QoS)メトリック、および情報が、受信している基地局に関連付けられたスケジューラに対して、現在のリソース割当ミックスを調節するように指示するために利用されうる。これによって、受信している基地局によって制御またはサービス提供されるセルにおいて密集状態にあると識別された最高優先度のデータ・フローであるか、または、近隣の基地局のうちの1または複数によって制御またはサービス提供されるセルにおいて密集状態にあると識別された最高優先度のデータ・フローのうちの少なくとも1つが、サービス品質目標を満足することができるようになる。708では、受信している基地局に関連付けられたスケジューラによって有効とされた再調節されたリソース割当ミックス、受信している基地局によって制御されたセル内において現在、密集状態にあると識別された最高優先度のデータ・フロー、および/または、受信している基地局によって制御またはサービス提供されるセルを通過するさまざまなデータ・フローに関連付けられたサービス品質(QoS)メトリックが、X2チャネル/インタフェース・カップレットを介して、セル間干渉調整インジケータ(例えば、方法700が実行している受信している基地局において密集状態にある最高優先度のデータ・フローを近隣の基地局に少なくとも伝送するビットまたは連続ビット)として、近隣の基地局へ配信されうる。
本明細書に記載された1または複数の態様にしたがって、ローカルな基地局および/または隣接または近隣の遠隔基地局によって制御されるセルにわたって移動している密集したデータ・フローの観点から、適切なリソース割当ミックスを選択することに関して推論がなされうることが認識されるだろう。本明細書で使用されるように、「推論する」または「推論」なる用語は一般に、イベントおよび/またはデータによって取得されたような観察のセットから、システム、環境、および/または、ユーザの状態の推論あるいはそれらに関する推理のプロセスを称する。推論は、特定のコンテキストまたは動作を特定するために適用されるか、あるいは、例えば状態にわたる確率分布を生成しうる。推論は、確率論的、すなわち、データおよびイベントの考慮に基づいて、該当する状態にわたる確率分布を計算することでありうる。推論はまた、イベントおよび/またはデータのセットから、より高いレベルのイベントを構築するために適用される技術を称することができる。そのような推論によって、イベントが時間的に近接していようといまいと、これらイベントおよびデータが1または幾つかのイベント・ソースおよびデータ・ソースに由来していようと、観察されたイベントおよび/または格納されたイベント・データのセットから、新たなイベントまたは動作を構築することができる。
図8は、回路交換された音声を、パケット交換ネットワークで送信することを容易にするシステム800の例示である。システム800は、複数の受信アンテナ804によって1または複数の端末802から信号を受信する受信機808と、送信アンテナ806によって1または複数のアクセス端末802へ信号を送信する送信機820とを有する基地局302(例えば、アクセス・ポイント)を備える。受信機808は、受信アンテナ804から情報を受信する。さらに、受信した情報を復調する復調器810と動作可能に関連付けられている。復調されたシンボルは、受信機808によって受信された情報を分析すること、および/または、送信機820による送信のための情報を生成することに特化されたプロセッサ812であるか、基地局302の1または複数の構成要素を制御するプロセッサである。このようなプロセッサは、アクセス端末802(または(図示しない)他の基地局)へ送信されるデータ、アクセス端末802(または(図示しない)他の基地局)から受信したデータ、および/または、本明細書に記載されたさまざまな動作および機能を実行することに関連するその他任意の適切な情報を格納するメモリ814に接続される。プロセッサ812はさらに、パケット交換ネットワークによるセル間干渉調整インジケータの送信を容易にするセル間干渉調整構成要素816に接続される。さらに、セル間干渉調整構成要素816は、送信されるべき情報を、変調器818へ提供しうる。変調器818は、送信機820によるアンテナ806を介したアクセス端末802への送信のためのフレームを多重化しうる。プロセッサ812と別に図示されているが、セル間干渉調整構成要素816および/または変調器818は、プロセッサ812または多くのプロセッサ(図示せず)の一部でありうることが認識されるべきである。
図9は、無線通信システム900の例を示す。無線通信システム900は、簡潔さの目的のため、1つの基地局910と1つのアクセス端末950しか示していない。しかしながら、システム900は、1より多い基地局、および/または、1より多いアクセス端末を含みうることが認識されるべきである。ここで、追加の基地局および/またはアクセス端末は、以下に示す基地局910およびアクセス端末950の例と実質的に類似しうるか、あるいは、異なりうる。さらに、基地局910および/またはアクセス端末950は、その間の無線通信を容易にするために、本明細書に記載されたシステム(図1乃至図4)および/または方法(図5乃至図7)を適用しうる。
基地局910では、多くのデータ・ストリームのためのトラフィック・データが、データ・ソース912から送信(TX)データ・プロセッサ914へ提供される。一例によれば、おのおののデータ・ストリームが、それぞれのアンテナを介して送信される。TXデータ・プロセッサ914は、トラフィック・データ・ストリームをフォーマットし、このデータ・ストリームのために選択された特定の符合化スキームに基づいて符号化し、インタリーブして、符合化されたデータを提供する。
おのおののデータ・ストリームの符合化されたデータは、直交周波数分割多重化(OFDM)技術を用いてパイロット・データと多重化されうる。さらに、あるいは、その代わりに、パイロット・シンボルは、周波数分割多重化(FDM)、時分割多重化(TDM)、あるいは符号分割多重化(CDM)されうる。パイロット・データは、一般には、周知の方式で処理される既知のデータ・パターンであり、チャネル応答を推定するために、アクセス端末950において使用されうる。おのおののデータ・ストリームについて多重化されたパイロットおよび符合化されたデータは、データ・ストリームのために選択された特定の変調スキーム(例えば、バイナリ・フェーズ・シフト・キーイング(BPSK)、直交フェーズ・シフト・キーイング(QPSK)、Mフェーズ・シフト・キーイング(M−PSK)、M直交振幅変調(M−QAM)等)に基づいて変調(例えば、シンボル・マップ)され、変調シンボルが提供される。おのおののデータ・ストリームのデータ・レート、符号化、および変調は、プロセッサ930によって実行または提供される命令によって決定されうる。
データ・ストリームの変調シンボルは、(例えば、OFDMのために)変調シンボルを処理するTX MIMOプロセッサ920に提供される。TX MIMOプロセッサ920はその後、NT個の変調シンボル・ストリームを、NT個の送信機(TMTR)922a乃至922tへ提供する。さまざまな実施形態において、TX MIMOプロセッサ920は、データ・ストリームのシンボル、および、そのシンボルが送信されるアンテナへ、ビームフォーミング重みを適用する。
おのおのの送信機922は、1または複数のアナログ信号を提供するために、それぞれのシンボル・ストリームを受信して処理し、さらには、MIMOチャネルを介した送信に適切な変調信号を提供するために、このアナログ信号を調整(例えば、増幅、フィルタ、およびアップコンバート)する。さらに、送信機922a乃至922tからのNT個の変調信号は、NT個のアンテナ924a乃至924tそれぞれから送信される。
アクセス端末950では、送信された変調信号が、NR個のアンテナ952a乃至952rによって受信され、おのおののアンテナ952から受信された信号が、それぞれの受信機(RCVR)954a乃至954rへ提供される。おのおのの受信機954は、それぞれの信号を調整(例えば、フィルタ、増幅、およびダウンコンバート)し、この調整された信号をデジタル化してサンプルを提供し、さらにこのサンプルを処理して、対応する「受信された」シンボル・ストリームを提供する。
RXデータ・プロセッサ960は、NR個の受信機954からNR個のシンボル・ストリームを受信し、受信されたこれらシンボル・ストリームを、特定の受信機処理技術に基づいて処理して、NT個の「検出された」シンボル・ストリームを提供する。RXデータ・プロセッサ960は、検出されたおのおののシンボル・ストリームを復調し、デインタリーブし、復号して、そのデータ・ストリームのためのトラフィック・データを復元する。RXデータ・プロセッサ960による処理は、基地局910におけるTX MIMOプロセッサ920およびTXデータ・プロセッサ914によって実行されるものと相補的である。
プロセッサ970は、上述したように、利用可能などの技術を利用するのかを定期的に決定する。さらに、プロセッサ970は、行列インデクス部およびランク値部を備えた逆方向リンク・メッセージを規定することができる。
逆方向リンク・メッセージは、通信リンクおよび/または受信されたデータ・ストリームに関するさまざまなタイプの情報を備えうる。逆方向リンク・メッセージは、多くのデータ・ストリームに関するトラフィック・データをデータ・ソース936から受け取るTXデータ・プロセッサ938によって処理され、変調器980によって変調され、送信機954a乃至954rによって調整され、基地局910へ送り戻される。
基地局910では、アクセス端末950からの変調信号が、アンテナ924によって受信され、受信機922によって調整され、復調器940によって復調され、RXデータ・プロセッサ942によって処理されて、アクセス端末950によって送信された逆方向リンク・メッセージが抽出される。さらに、プロセッサ930は、ビームフォーミング重みを決定するためにどの事前符合化行列を使用するかを決定するために、この抽出されたメッセージを処理する。
プロセッサ930およびプロセッサ970は、基地局910およびアクセス端末950それぞれにおける動作を指示(例えば、制御、調整、管理等)する。プロセッサ930およびプロセッサ970はそれぞれ、プログラム・コードおよびデータを格納するメモリ932およびメモリ972に関連付けられうる。プロセッサ930およびプロセッサ970はまた、アップリンクおよびダウンリンクそれぞれのための周波数およびインパルス応答推定値を導出する計算をも実行する。
態様では、論理チャネルが、制御チャネルとトラフィック・チャネルとに分類される。論理制御チャネルは、システム制御情報をブロードキャキャストするためのDLチャネルであるブロードキャスト制御チャネル(BCCH)を含みうる。さらに、論理制御チャネルは、ページング情報を転送するDLチャネルであるページング制御チャネル(PCCH)を含みうる。さらに、論理制御チャネルは、1またはいくつかのMTCHのためにマルチメディア・ブロードキャストおよびマルチキャスト・サービス(MBMS)スケジュールおよび制御情報を送信するために使用されるポイント・トゥ・マルチポイントDLチャネルであるマルチキャスト制御チャネル(MCCH)を備えうる。一般に、ラジオ・リソース制御(RRC)接続を確立した後、このチャネルは、MBMS(例えば、旧MCCH+MSCH)を受信するUEによってのみ使用される。さらに、論理制御チャネルは、専用制御情報を送信するポイント・トゥ・ポイント双方向チャネルであり、RRC接続を有するUEによって使用される専用制御チャネル(DCCH)を含みうる。態様では、論理トラフィック・チャネルは、ユーザ情報を転送するために、1つのUEに専用のポイント・トゥ・ポイント双方向チャネルである専用トラフィック・チャネル(DTCH)を備える。さらに、論理トラフィック・チャネルは、トラフィック・データを送信するポイント・トゥ・マルチポイントDLチャネルのためのマルチキャスト・トラフィック・チャネル(MTCH)をも含みうる。
態様では、伝送チャネルが、DLとULとに分類される。DL伝送チャネルは、ブロードキャスト・チャネル(BCH)、ダウンリンク共有データ・チャネル(DL−SDCH)、およびページング・チャネル(PCH)を備える。PCHは、セル全体にわたってブロードキャストされることにより、および、他の制御/トラフィック・チャネルのために使用されうる物理レイヤ(PHY)リソースにマップされることにより、UE節電をサポートする(例えば、不連続受信(DRX)サイクルが、ネットワークによってUEへ示される)。UL伝送チャネルは、ランダム・アクセス・チャネル(RACH)、要求チャネル(REQCH)、アップリンク共有データ・チャネル(UL−SDCH)、および複数のPHYチャネルを備える。
PHYチャネルは、DLチャネルとULチャネルとのセットを備える。例えば、DL PHYチャネルは、共通のパイロット・チャネル(CPICH)、同期チャネル(SCH)、共通制御チャネル(CCCH)、共有DL制御チャネル(SDCCH)、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)、共有UL割当チャネル(SUACH)、アクノレッジメント・チャネル(ACKCH)、DL物理共有データ・チャネル(DL−PSDCH)、UL電力制御チャネル(UPCCH)、ページング・インジケータ・チャネル(PICH)、および/または、負荷インジケータ・チャネル(LICH)を含みうる。さらなる実例として、UL PHYチャネルは、物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH)、チャネル品質インジケータ・チャネル(CQICH)、アクノレッジメント・チャネル(ACKCH)、アンテナ・サブセット・インジケータ・チャネル(ASICH)、共有要求チャネル(SREQCH)、UL物理共有データ・チャネル(UL−PSDCH)、および/またはブロードキャスト・パイロット・チャネル(BPICH)を含みうる。
本明細書に記載された実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、あるいはこれらの任意の組み合わせで実現されうることが理解されるべきである。ハードウェアで実現する場合、処理ユニットは、1または複数の特定用途向けIC(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能論理回路(PLD)、フィールドプログラム可能ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロ・コントローラ、マイクロ・プロセッサ、本明細書に記載の機能を実行するために設計されたその他の電子ユニット、あるいはこれらの組み合わせ内に実装されうる。
これら実施形態が、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアあるいはマイクロコード、プログラム・コードあるいはコード・セグメントで実現される場合、これらは、例えば記憶素子のような機械読取可能媒体に格納されうる。コード・セグメントは、手順、機能、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラス、または、命令、データ構造、あるいはプログラム文からなる任意の組み合わせを表すことができる。コード・セグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、あるいは記憶内容の引渡および/または受信を行うことによって、他のコード・セグメントまたはハードウェア回路に接続されうる。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージ引渡し、トークン引渡、ネットワーク送信などを含む任意の適切な手段を用いて引渡、転送、あるいは送信されうる。
ソフトウェアで実現する場合、本明細書に記載のこれら技術は、本明細書に記載の機能を実行するモジュール(例えば、手続き、機能等)を用いて実現されうる。ソフトウェア・コードは、メモリ・ユニット内に格納され、プロセッサによって実行されうる。メモリ・ユニットは、プロセッサ内部またはプロセッサ外部に実装されうる。プロセッサ外部に実装される場合、メモリ・ユニットは、当該技術分野で周知のさまざまな手段によってプロセッサと通信可能に接続されうる。
図10を参照して、無線通信環境において、複数の基地局にわたるサービス品質(QoS)区別および/または優先度付けを有効にするシステム1000が例示される。例えば、システム1000は、基地局内に少なくとも部分的に存在しうる。システム1000は、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現される機能を表す機能ブロックでありうる機能ブロックを含むものとして示されることが認識されるべきである。システム1000は、連携して動作しうる電子構成要素の論理グループ1002を含む。例えば、論理グループ1002は、関連するセルを通過するデータ・フローに関連付けられたサービス品質(QoS)メトリックに少なくとも部分的に基づく現在のスケジューリング・リソース割当を取得または要求するための電子構成要素1004を含みうる。さらに、論理グループ1002は、関連するセル内の現在および/または将来のサービス品質(QoS)目標が満足されているか、すなわち、満たされているかを確認するための電子構成要素1006を含みうる。さらに、論理グループ1002は、現在および将来の品質サービス(QoS)要件、リソース割当、および密集下にあると識別された最高優先度のデータ・フローを、セル間干渉調整インジケータを介して近隣の基地局へディスパッチするための電子構成要素1006を備えうる。例えば、制御チャネル(例えば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、X2チャネル)によってインジケーションが転送されうる。さらに、システム1000は、電子構成要素1004、1006、1008に関連付けられた機能を実行するための命令群を保持するメモリ1010を含みうる。メモリ1010の外側にあると示されているが、電子構成要素1004、1006、1008のうちの1または複数は、メモリ1010内に存在しうることが理解されるべきである。
図11を参照して、無線通信環境において、複数の基地局を介してサービス品質(QoS)区別および/または優先度を有効にするシステム1100が例示される。例えば、システム1100は、基地局内に少なくとも部分的に存在しうる。システム1100は、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現される機能を表す機能ブロックでありうる機能ブロックを含むものとして示されることが認識されるべきである。システム1100は、連携して動作しうる電子構成要素の論理グループ1102を含む。例えば、論理グループ1102は、近隣の基地局によって制御されたセル内において、密集状態にあると識別された最高優先度のデータ・フローに関連付けられたQoSメトリック、リソース割当、および/または情報を受信するための電子構成要素1104を含みうる。さらに、論理グループ1102は、ローカルまたは受信している基地局によって制御される1または複数のセルへのリソース割当を調節するための電子構成要素1106を含みうる。さらに、論理グループ1102は、現在のリソース割当ミックス、サービス品質(QoS)メトリック、および/または、受信しているまたはローカルな基地局内の、密集していると識別された最高優先度のデータ・フローを配信する電子構成要素1108を備えうる。例えば、制御チャネル(例えば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、X2チャネル)によってインジケーションが転送されうる。さらに、システム1100は、電子構成要素1104、1106、1108に関連付けられた機能を実行するための命令群を保持するメモリ1110を含みうる。メモリ1110の外側にあると示されているが、電子構成要素1104、1106、1108の1または複数は、メモリ1110内に存在しうることが理解されるべきである。
上述したものは、1または複数の実施形態の一例を含んでいる。もちろん、上述した実施形態を説明する目的で、構成要素または方法の考えられるすべての組み合わせを記述することは可能ではないが、当業者であれば、さまざまな実施形態のさらに多くの組み合わせおよび置き換えが可能であることを認識することができる。したがって、記載された実施形態は、特許請求の範囲の精神およびスコープ内にあるそのようなすべての変更、変更、および変形を含むことが意図される。さらにまた、用語「含む」が、詳細説明あるいは特許請求の範囲のうちの何れかで使用されている限り、その用語は、用語「備える」が、請求項における遷移語として適用される場合に解釈される用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。