JP2011519888A - 抗ウイルス性複素環式化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、CCR5レセプターのモデュレーションが関係する障害を含めた、多様な障害の処置に有用な、式(I)[式中、R、R及びRは、本明細書において同義である]で示されるピペリジン誘導体に関する。この誘導体により治療又は予防されうる障害には、HIV感染及び遺伝学的に関係するレトロウイルス感染(及び結果として生じる後天性免疫不全症候群、AIDS)、関節リウマチ、実質臓器移植拒絶反応(移植片対宿主病)、喘息及びCOPRが挙げられる。

Description

本発明は、CCR5レセプターリガンドの結合のモデュレーションが有益な種々の障害の処置に有用な3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン化合物に関する。さらに詳細には、新規な9−(4−メチル−ピペリジン−4−イル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン化合物、該化合物を含有する組成物、並びにそのような化合物及び組成物の使用に関する。この化合物により治療又は予防することのできる障害には、HIV−1(及び結果として生じる後天性免疫不全症候群、AIDS)、関節炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び移植臓器の拒絶反応が挙げられる。
本発明の化合物は、ケモカインCCR5レセプターの活性をモデュレーションする。CCR5レセプターは、2個の隣接システイン残基を構造的な特徴とする大きなファミリーのケモカインレセプターのサブセットのメンバーである。ヒトのケモカインには、アミノ酸50〜120残基の構造的に相同な約50種の小型タンパク質が含まれる(M. Baggiolini et al., Ann. Rev. Immunol. 1997 15:675-705)。ケモカインは、炎症部位でマクロファージ、単球、好酸球、好中球、線維芽細胞、血管内皮細胞、平滑筋細胞、及びマスト細胞などの多種多様な細胞により放出される炎症促進性ペプチドである(Luster, New Eng. J Med. 1998 338:436-445及びRollins, Blood 1997 90:909-928に総説されている)。「ケモカイン」という名は、「chemotactic cytokine(走化性サイトカイン)」の短縮形である。ケモカインは、白血球を様々な組織に誘引する(炎症及び感染に対する不可欠な反応である)ことのできる白血球走化性タンパク質のファミリーである。ケモカインは、2個のアミノ末端システイン残基が直接隣接しているか(CCファミリー)、又は1個のアミノ酸により隔てられている(CXCファミリー)かに基づいて二つのサブファミリーに分類することができる。インターロイキン−8(IL−8)、好中球活性化タンパク質−2(NAP−2)及びメラノーマ成長刺激活性タンパク質(MGSA)などのCXCケモカインは、主に好中球及びTリンパ球に対して走化性であるが、一方でRANTES(CCL5)、MIP−1α(CCL3、マクロファージ炎症性タンパク質)、MIP−1β(CCL4)、単球走化性タンパク質(MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、及びMCP−5)及びエオタキシン(−1及び−2)などのCCケモカインは、数ある種類の細胞の中で、マクロファージ、Tリンパ球、好酸球、樹状細胞、及び好塩基球に対して走化性である。
CCR5レセプターを刺激することのできる天然ケモカインには、MIP−1α、MIP−1β及びRANTESが挙げられる。
したがって、MIP−1α、MIP−1β及びRANTESなどのケモカインの、これらのレセプターへの結合を阻害する薬物、例えばケモカインレセプターアンタゴニストは、ターゲット細胞に対するMIP−1α、MIP−1β及びRANTESなどのケモカインの作用を阻害する医薬品として有用でありうる。CCR5の機能をモデュレーションする化合物の同定は、炎症状態及びCCR5レセプターに関連する疾患を処置するための薬理学的薬剤の開発に向けた、優れたドラッグデザインアプローチになる。
巨大分子、タンパク質及びペプチドに関連する薬物動態の課題は、CCR5の低分子量アンタゴニストを同定するためのプログラムの確立を招いた。ケモカインモデュレーターを同定するための努力が総説されている(W. Kazmierski et al. Biorg Med. Chem. 2003 11 :2663-76; L. Agrawal and G. Alkhatib, Expert Opin. Ther. Targets 2001 5(3):303-326; Chemokine CCR5 antagonists incorporating 4-aminopiperidine scaffold, Expert Opin. Ther. Patents 2003 13(9): 1469-1473; M. A. Cascieri and M. S. Springer, Curr. Opin. Chem. Biol. 2000 4:420-426、及びそれらに引用された参考文献)。
2005年8月11日に公開された米国特許出願公開第20050176703号において、S. D. Gabrielらは、CCR5レセプターアンタゴニストである1−オキサ−3,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オン及び1−オキサ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン誘導体を開示した。
本発明は、式I
Figure 2011519888

[式中、
は、テトラヒドロピラニル−メチル、テトラヒドロフラニル−メチル、4−C1−6アルコキシ−シクロヘキシルメチル、4−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチル、C3−6シクロアルキル−C1−3アルキル、又はIIa〜IId
Figure 2011519888

(ここで、
は、−C(=O)OR、−SO、C1−6アシル、C1−6ハロアルキルであり;
該シクロアルキルは、場合により、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−3アルキル、オキソ、及びハロゲンから成る群より独立して選択される1〜3個の基で独立して置換されている)であり;
は、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、又はC1−4アルコキシ−C1−3アルキルであり;
は、(a)〜(e)及び(f):
(a)4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル;
(b)4,6−ジメチル−2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル;
(c)2,4−ジメチル−ピリジン−3−イル;
(d)6−シアノ−2,4−ジメチル−ピリジン−3−イル;
(e)2,4−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル;
(f)1,2,4−トリメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル
から成る群より選択され;
は、C1−6アルキルである]
で示される化合物;或いはそのジアステレオマー混合物、鏡像異性体若しくは精製された鏡像異性体又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
式Iで示される化合物は、HIV−1ウイルスの侵入を阻害することに有用であることから、HIV−1感染の処置に有用なCCR5レセプターアンタゴニストである。式Iに示されるCCR5アンタゴニストは、また、免疫反応のモデュレーションにも有用であることから、関節リウマチ、喘息、COPD及び自己免疫反応によって増悪するか又は引き起こされる移植片拒絶反応などの炎症障害を処置するために使用することができる。
本発明は、また、少なくとも一つの担体、希釈剤又は賦形剤と混合された、式Iで示される化合物を含む組成物を提供し、その組成物は、HIV−1感染、又は自己免疫活性により増悪するか若しくは引き起こされる炎症障害に悩む患者に、式Iで示される化合物を投与するために有用である。
本明細書に使用するときの「a」又は「an」実体という語句は、一つ又は複数のその実体を表し、例えば、「a compound」は、一つ若しくは複数の化合物又は少なくとも一つの化合物を表す。そのように、「a」(又は「an」)、「一つ又は複数」及び「少なくとも一つ」という用語は、本明細書において互換的に使用することができる。
「本明細書上記と同義の」という語句は、発明の概要又は最も範囲の広い請求項に提供される、各基についての最も広い定義を表す。以下に提供される全ての他の態様では、各態様に存在しうる置換基であって、明白に定義されていない置換基は、発明の概要に提供される最も広い定義を保持する。
請求項の移行句であろうと特徴部分であろうと、本明細書に使用するときの「含む」及び「含んでいる」という用語は、制限のない(open-ended)意味を有すると解釈することができる。すなわち、この用語は、「少なくとも有している」又は「少なくとも含んでいる」という語句と同義に解釈することができる。工程の文脈で使用する場合、「含んでいる」という用語は、その工程が少なくとも列挙された段階を含むが、追加的な段階を含みうることを意味する。化合物又は組成物の文脈で使用する場合、「含んでいる」という用語は、その化合物又は組成物が、少なくとも列挙された特徴又は構成要素を含むが、追加的な特徴又は構成要素もまた含みうることを意味する。
「独立して」という用語は、本明細書において同じ化合物内で同じ又は異なる定義を有する可変部の存在又は不在を考慮せずに、任意の一つの場合に可変部が適用されることを示すために使用される。したがって、R”が2回出現し、「独立して炭素又は窒素」と定義される化合物では、両方のR’は炭素でありうるか、両方のR’は窒素でありうるか、又は一方のR”は炭素で、他方が窒素でありうる。
任意の可変部(例えば、R、R4a、Ar、X又はHet)が本発明に採用又は請求された化合物を表示及び説明する任意の部分又は式に1回を超えて出現する場合に、各出現でのその定義は、他の全ての出現でのその定義と独立する。また、置換基及び/又は可変部の組み合わせは、そのような化合物が安定な化合物を生じる場合にのみ許容される。
結合の末端の記号「*」又は結合を経由して描かれた「------」は、それぞれ、官能基又は他の化学的部分から、それが一部分をなす分子の残りへの結合点を表す。したがって、例えば:
Figure 2011519888

である。
(別個の頂点での連結とは対照的に)環系の中に描かれた結合は、その結合が任意の適切な環原子に結合しうることを示す。
本明細書に使用するときの「場合による」又は「場合により」という用語は、続いて記載される事象又は状況が起こりうるが、起こらなくてもよいこと、並びにその記載がその事象又は状況が起こる場合及びそれが起こらない場合を含むことを意味する。例えば、「場合により置換された」は、場合により置換された部分が水素又は置換基を組み入れうることを意味する。
「場合による結合」という語句は、その結合が存在してもよいし、存在しなくてもよいこと、及びその記載に単結合、二重結合又は三重結合が含まれることを意味する。置換基が「結合」又は「不在」と呼ばれるならば、それらの置換基に連結する原子は、直接結合している。
「独立して」という用語は、本明細書において同じ化合物内に同じ又は異なる定義を有する可変部の存在又は不在を考慮せずに、任意の一つの場合に可変部が適用されることを示すために使用される。したがって、R”が2回出現し、「独立して炭素又は窒素」と定義される化合物では、両方のR’は炭素でありうるか、両方のR’は窒素でありうるか、又は一方のR”は炭素で、他方は窒素でありうる。
「約」という用語は、本明細書において、ほぼ、付近、概ね、又はおよそを意味するために使用される。「約」という用語が、数値範囲と共に使用される場合に、この用語は、示された数値の上下に境界を広げることによりその範囲を改変する。一般に「約」という用語は、本明細書において、20%の変動だけ既述の値の上下に数値を改変するために使用される。
式Iで示される化合物は、互変異性を示す。互変異性化合物は、二つ以上の相互変換可能な種として存在しうる。プロトン互変異性体は、2個の原子の間で共有結合した水素原子の移動に起因する。互変異性体は、一般に、平衡状態で存在し、個別の互変異性体を単離しようとすると、通常は、化学的及び物理的性質が化合物の混合物と一致する混合物が生成する。平衡の位置は、分子内の化学的特徴に依存する。例えば、アセトアルデヒドなどの多数の脂肪族アルデヒド及びケトンでは、ケト型が優勢であるが、一方でフェノールではエノール型が優勢である。一般的なプロトン互変異性体には、ケト/エノール(−C(=O)−CH−⇔−C(−OH)=CH−)、アミド/イミド酸(−C(=O)−NH−⇔−C(−OH)=N−)及びアミジン(−C(=NR)−NH−⇔−C(−NHR)=N−)互変異性体が挙げられる。後者の二つは、特にヘテロアリール環及び複素環に一般的であり、本発明は、化合物の全ての互変異性形態を包含する。
本明細書に使用される技術用語及び科学用語は、特に定義しない限り、本発明が属する技術分野の技術者に一般に理解される意味を有する。本明細書において当業者に公知の様々な方法及び材料が参照される。薬理学の一般原理を説明している標準的な参考文献には、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics、10th Ed.、McGraw Hill Companies Inc., New York (2001)が挙げられる。当業者に公知の任意の適切な材料及び/又は方法を、本発明の実施に利用することができる。しかし、好ましい材料及び方法を説明する。下記の説明及び実施例に参照される材料、試薬などは、特に注記しない限り販売元から入手することができる。
本明細書に使用するときの「アルキル」という用語は、さらに限定することなく、1〜10個の炭素原子を有する非分岐又は分岐鎖の飽和一価炭化水素残基を示す。「低級アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖炭化水素残基を示す。本明細書に使用するときの「C1−10アルキル」は、1〜10個の炭素から構成されるアルキルを表す。アルキル基の例には、非限定的に、低級アルキル基が挙げられ、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル又はペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルが挙げられる。
「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」のように、「アルキル」という用語を別の用語に続く接尾語として使用する場合に、これは、他の具体的に挙げられた基より選択される1〜2個の置換基で置換されている、上記と同義のアルキル基を表すことが意図される。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、R’R”−基(ここで、R’は、フェニル基であり、R”は、本明細書において同義のアルキレン基である)を示し、フェニルアルキル部分の結合点がアルキレン基にあることが了解されている。アリールアルキル基の例には、非限定的に、ベンジル、フェニルエチル、3−フェニルプロピルが挙げられる。「アリールアルキル」又は「アラルキル」という用語は、R’がアリール基である以外は、同様に解釈される。「(ヘト)アリールアルキル」又は「(ヘト)アラルキル」という用語は、R’が、場合によりアリール又はヘテロアリール基である以外は、同様に解釈される。
本明細書に使用するときの「アルキレン」という用語は、特に示さない限り、1〜10個の炭素原子の二価飽和直鎖炭化水素基(例えば、(CH)又は2〜10個の炭素原子の分岐飽和二価炭化水素基(例えば、−CHMe−又は−CHCH(i−Pr)CH−)を示す。メチレンの場合を除き、アルキレン基の空の原子価は、同じ原子に結合しない。アルキレン基の例には、非限定的に、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチル−プロピレン、1,1−ジメチル−エチレン、ブチレン、2−エチルブチレンが挙げられる。
本明細書に使用するときの「アルケニル」という用語は、1又は2個のオレフィン二重結合を有する、2〜10個の炭素原子を有する非置換炭化水素鎖基を示す。本明細書に使用するときの「C2−10アルケニル」は、2〜10個の炭素から構成されるアルケニルを表す。例は、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)又は2−ブテニル(クロチル)である。
本明細書に使用するときの「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル基を意味し、ここで、アルキルは、上記と同義であり、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなど(それらの異性体を含む)である。本明細書に使用するときの「低級アルコキシ」は、前記と同義の「低級アルキル」基を有するアルコキシ基を示す。本明細書に使用するときの「C1−10アルコキシ」は、アルキルがC1−10の−O−アルキルを表す。
本明細書に使用するときの「アルコキシアルキル」という用語は、R’R”−基を表し、ここで、R’は、本明細書において同義のアルコキシ基であり、R”は、本明細書において同義のアルキレン基であり、アルコキシアルキル部分の結合点は、アルキレン基にあることが了解されている。C1−6アルコキシアルキルは、アルキル部分が、アルコキシ部分の炭素原子を除いて1〜6個の炭素原子から構成される基を示す。C1−3アルコキシ−C1−6アルキルは、アルキル部分が1〜6個の炭素原子から構成され、アルコキシ基が1〜3個の炭素である基を示す。例は、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロピルオキシプロピル、メトキシブチル、エトキシブチル、プロピルオキシブチル、ブチルオキシブチル、t−ブチルオキシブチル、メトキシペンチル、エトキシペンチル、プロピルオキシペンチル、及びそれらの異性体である。
本明細書に使用するときの「ハロアルキル」という用語は、1、2、3個又はそれを超える水素原子がハロゲンにより置換されている、上記と同義の非分岐又は分岐鎖アルキル基を示す。例は、1−フルオロメチル、1−クロロメチル、1−ブロモメチル、1−ヨードメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、トリヨードメチル、1−フルオロエチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−ヨードエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2,2−ジクロロエチル、3−ブロモプロピル又は2,2,2−トリフルオロエチルである。本明細書に使用するときの「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
本明細書に使用するときの「アシル」又は「アルキルカルボニル」という用語は、式−C(=O)R(式中、Rは、水素又は本明細書において同義の低級アルキルである)で示される基を示す。C1−6アシルという用語は、1〜6個の炭素原子を有する基−C(=O)Rを表す。Cアシル基は、R=Hのホルミル基であり、アルキル基が非分岐の場合にCアシル基は、ヘキサノイルを表す。本明細書に使用するときの「アリールカルボニル」という用語は、式C(=O)R(式中、Rはアリール基である)で示される基を意味し、本明細書に使用するときの「ベンゾイル」という用語は、Rがフェニルの「アリールカルボニル」基を意味する。
本明細書に使用するときの「オキソ」という用語は、一緒になってケトン又はアルデヒドを形成する、カルボニルに連結した二重結合酸素(=O)を表す。したがって、オキソ置換基を有するシクロヘキサンは、シクロヘキサノンである。
「オキセタニル」、「テトラヒドロフラニル」及び「テトラヒドロピラニル」という用語は、それぞれ1個の酸素原子を有する4、5及び6員非縮合複素環を表す。「ピリジン」という用語は、1個の窒素原子を有する6員複素芳香環を表す。「ピリミジン」、「ピラジン」及び「ピリダジン」という用語は、それぞれ1,3、1,4及び1,2の関係で位置する2個の窒素原子を有する、6員非縮合複素芳香環を表す。「テトラヒドロ−ピラニルメチル」という用語は、メチレンが炭素原子に結合している部分構造(i)を表し、「テトラヒドロ−フラン−3−イルメチル」は、部分構造(ii)を表す。
Figure 2011519888
HIV−1感染の処置方法
HIV−1は、ウイルスエンベロープ糖タンパク質(Env)とCD−4抗原との高親和性相互作用を利用することにより、単球−マクロファージ系列の細胞及びヘルパーT細胞リンパ球に感染する。CD−4抗原は、細胞への侵入に必要であるが、十分条件ではないことが見出され、細胞に感染するために少なくとも一つの他の表面タンパク質が必要であった(E. A. Berger et al., Ann. Rev. Immunol. 1999 17:657-700)。その後、CD4に加えて、二つのケモカインレセプター、CCR5又はCXCR4レセプターが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による細胞感染に必要な共レセプターとして同定された。HIVの病理発生にCCR5が果たす中心的な役割は、天然ヌルアレルCCR5Δ32の強力な疾患改変効果の疫学的同定により推測された。Δ32突然変異は、CCR5遺伝子に32塩基対の欠失を有し、Δ32と名付けられた切断型タンパク質を生じる。Δ32/Δ32ホモ接合体は、一般集団に比べて曝露/未感染個体に有意に高い頻度で見られ、そのことは、HIVの細胞侵入にCCR5が果たす役割を示唆している(R. Liu et al., Cell 1996 86(3):367-377; M. Samson et al., Nature 1996 382(6593):722-725)。HIVのgp120のCD−4結合部位は、細胞表面のCD4分子と相互作用すると思われ、gp120をCCR5及び/又はCXCR−4などの別の細胞表面レセプターに結合できるようにするコンフォメーション変化を受ける。これにより、ウイルスエンベロープは細胞表面により近くなり、ウイルスエンベロープのgp41と細胞表面の融合ドメインの間の相互作用、細胞膜との融合、及び細胞へのウイルスコアの侵入が可能になる。したがって、正常なケモカインレセプターを保有するヒトにおいてケモカインレセプターを遮断することのできる薬剤は、健康な個体における感染を予防し、感染した患者におけるウイルスの進行を減速又は停止させるはずである。
RANTES及びN−末端で化学的に改変されたアナログであるアミノオキシペンタンRANTESは、細胞へのHIV侵入を遮断することが見出された(G. Simmons et al., Science 1997 276:276-279)。可溶性CD4タンパク質及び合成誘導体(Smith, et al., Science 1987 238:1704-1707)、硫酸デキストラン、色素ダイレクトイエロー50、エバンスブルー、及びある種のアゾ染料(米国特許第5,468,469号)を含めた他の化合物は、HIVの複製を阻害することが実証された。これらの抗ウイルス剤のいくつかは、HIVのコートタンパク質であるgp120のそのターゲット(細胞のCD4糖タンパク質)への結合を遮断することにより作用することが示された。
A-M. Vandammeら(Antiviral Chemistry & Chemotherapy, 1998 9:187-203)は、少なくとも三剤の併用を含めた、ヒト(man)におけるHIV−1感染の現行のHAART臨床処置を開示している。高活性抗レトロウイルス療法(HAART)は、伝統的に、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)及びプロテアーゼ阻害剤(PI)を用いた併用療法から成る。これらの化合物は、ウイルス複製に必要とされる、不可欠な生化学過程を阻害する。HAARTは、HIV感染者の予後を劇的に変えたが、高度に複雑な投薬様式及び非常に重篤になりうる副作用を含めた、現行療法には多数の欠点が残っている(A. Carr and D. A. Cooper, Lancet 2000 356(9239): 1423-1430)。さらに、これらの多剤療法は、HIV−1を除去せず、長期処置は、通常、多剤耐性を招くことにより、長期療法におけるそれらの有用性を限定している。HIV−1のよりよい処置を提供するための、NRTI、NNRTI、PI及びウイルス融合阻害剤と併用できる新しい治療剤の開発は、依然として優先事項である。
併用療法に適した典型的なNRTIには、ジドブジン(AZT;RETROVIR(登録商標));ジダノシン(ddI;VIDEX(登録商標));ザルシタビン(ddC;HIVID(登録商標));スタブジン(d4T;ZERIT(登録商標));ラミブジン(3TC;EPIVIR(登録商標));アバカビル(ZIAGEN(登録商標));アデホビルジピボキシル[ビス(POM)−PMEA;PREVON(登録商標)];ロブカビル(BMS−180194)、EP−0358154及びEP−0736533に開示されたヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤;BCH−10652、Biochem Pharmaにより開発中の逆転写酵素阻害剤(BCH−10618及びBCH−10619のラセミ混合物の形態);Triangle Pharmaceuticalsにより開発中のエミトリシタビン(emitricitabine)[(−)−FTC];Vion Pharmaceuticalsにライセンス供与されたβ−L−FD4(β−L−D4Cとも呼ばれ、β−L−2’,3’−ジクレオキシ−5−フルオロ−シチデンと命名された);DAPD、プリンヌクレオシド、EP−0656778に開示され、Triangle Pharmaceuticalsにライセンス供与された(−)−β−D−2,6−ジアミノ−プリンジオキソラン;並びにロデノシン(FddA)、9−(2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−β−D−トレオ−ペントフラノシル)アデニン、U.S. Bioscience Inc.により開発中の酸安定性プリン系逆転写酵素阻害剤が挙げられる。
承認されたNNRTIには、ネビラピン(BI−RG−587;VIRAMUNE(登録商標));デラビラジン(BHAP、U−90152;RESCRIPTOR(登録商標));エファビレンツ(DMP−266;SUSTIVA(登録商標))及びエトラビリン(TMC−125、INTELENCE(登録商標))が挙げられる。現在臨床試験中のNNRTIには、TMC−278(J.E.G. Guillemontら、国際公開公報第2003/016306号)、UK−453,061(L. H. Jonesら、国際公開公報第2002/085860号)、AR806(J.-L. Girardetら、国際公開公報第2006/026356号)及びIDX899(R.Storerら、US2006074054)が挙げられる。なお他のNNRTIには、PNU−142721、Pfizerにより開発中のフロピリジン−チオ−ピリミジン;AG−1549(以前は塩野義#S−1153);国際公開公報第96/10019号に開示された5−(3,5−ジクロロフェニル)−チオ−4−イソプロピル−1−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルカルボネート;MKC−442(1−(エトキシ−メチル)−5−(1−メチルエチル)−6−(フェニルメチル)−(2,4(1H、3H)−ピリミジンジオン);並びに(+)−カラノリドA(NSC−675451)及びB、米国特許第5,489,697号に開示されたクマリン誘導体が挙げられる。
最近、HIV−1インテグラーゼの阻害剤が、HIV−1の処置に有用であることが証明された。HIV−1インテグラーゼ阻害剤であるN−置換ヒドロキシピリミジノンカルボキサミド阻害剤は、2003年5月1日に公開された国際公開公報第2003/035077号にB. Crescenziらによって開示され、MK−0518(ラルテグラビル)は、FDAによって承認された。Gilead Sciencesによってライセンス供与された、日本たばこ産業株式会社からのGS9137(エルビテグラビル)又はJTK−303は、第二相試験の途中である(A. Savarino, Expert Opin Investig Drugs. 2006 15(12): 1507-22)。
典型的で適切なPIには、サキナビル(Ro31−8959;INVIRASE(登録商標);FORTOVASE(登録商標));リトナビル(ABT−538;NORVIR(登録商標));インジナビル(MK−639;CRIXIVAN(登録商標));ネルフィナビル(nelfnavir)(AG−1343;VIRACEPT(登録商標));アンプレナビル(141W94;AGENERASE(登録商標));ラシナビル(BMS−234475);DMP−450、Triangle Pharmaceuticalsにより開発中の環状尿素;BMS−2322623、第二世代HIV−1 PIとしてBristol-Myers Squibbにより開発中のアザペプチド;Abbottにより開発中のABT−378;及びAG−1549、Agouron Pharmaceuticals, Inc.により開発中のイミダゾールカルバメートが挙げられる。
他の抗ウイルス剤には、ヒドロキシ尿素、リバビリン、IL−2、IL−12、ペンタフシドが挙げられる。ヒドロキシ尿素(Droxia)は、リボヌクレオシド三リン酸レダクターゼ阻害剤であり、ジダノシンの活性に相乗作用を及ぼすことが示され、スタブジンと共に研究された。IL−2(アルデスロイキン;PROLEUKIN(登録商標))は、味の素株式会社のEP−0142268、武田薬品工業株式会社のEP−0176299、及びChironの米国特許第RE33,653号、第4,530,787号、第4,569,790号、第4,604,377号、第4,748,234号、第4,752,585号、及び第4,949,314号に開示されている。ペンタフシド(FUZEON(登録商標))は、ターゲット膜へのHIV−1の融合を阻害する36アミノ酸残基の合成ペプチドである。ペンタフシド(3〜100mg/日)は、三剤併用療法に不応性のHIV−1陽性患者に、エファビレンツ及び二つのPIと一緒に連続皮下注入又は注射として与えられる。100mg/日の使用が好ましい。リバビリン、1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。
HIV感染の管理におけるCCR5モデュレーターの潜在性に加えて、CCR5レセプターは、免疫機能の重要なレギュレーターであり、本発明の化合物は、免疫系の障害の処置に有用なことが判明することがある。実質臓器移植拒絶反応、移植片対宿主病、関節炎、関節リウマチ、炎症性腸疾患、アトピー性皮膚炎、乾癬、喘息、アレルギー又は多発性硬化症の処置を必要とするヒトに、本発明のCCR5アンタゴニスト化合物の有効量を投与することにより、そのような処置を行うこともまた可能である。
関節リウマチを処置するための方法
CCR5レセプターのモデュレーターは、様々な炎症状態の処置に有用なことがある。関節リウマチは、炎症を起こした関節へのメモリーTリンパ球及び単球の浸潤を特徴とする。炎症及び感染への身体反応の両方に必須の過程である、身体の様々な組織へのマクロファージの誘引に、ケモカインは、白血球走化性因子として不可欠な役割を果たす。ケモカイン及びそれらのレセプターは、炎症性疾患及び感染性疾患の病態生理の一因となる白血球の輸送及び活性化をレギュレーションすることから、好ましくはケモカインとそれらのレセプターとの相互作用と拮抗しながらCCR5活性をモデュレーションする薬剤は、そのような炎症性疾患の治療的処置に有用である。
高レベルのCCケモカイン、特にCCL2、CCL3及びCCL5は、関節リウマチを有する患者の関節から見出され、滑膜組織への単球及びT細胞の動員と関連した(I. F. Charo and R. M. Ransohoff、New Eng. J. Med. 2006 354:610-621)。関節リウマチの滑液から回収されたT細胞は、CCR5及びCXCR3を発現することが示された(P. Gao et al., J. Leukocyte Biol. 2003 73:273-280)。Met−RANTESは、CCR1及びCCR5レセプターへのRANTESの結合をナノモル濃度で遮断するアミノ末端改変RANTES誘導体である(A. E. Proudfoot et al., J. Biol. Chem. 1996 271 :2599-2603)。ラットアジュバント誘導性関節炎における関節炎の重症度は、Met−RANTESの投与により低下した。加えて、炎症促進性サイトカインTNF−α及びIL−1,マクロファージコロニー刺激因子、及びRANKLのレベルは、対照群よりもMet−RANTES群のアジュバント誘導性関節炎を有する関節で減少した(S. Shahrara et al. Arthr. & Rheum. 2005 52:1907-1919)。Met−RANTESは、当技術分野で認められているげっ歯類炎症モデルであるコラーゲン誘導性関節炎において、炎症の発生を改善することが示された(C. Plater-Zyberk et al. Immunol. Lett. 1997 57:117-120)。
TAK−779は、また、コラーゲン誘導性関節炎モデルにおける関節炎の発生率及び重症度の両方を減少させることが示された。このアンタゴニストは、関節への炎症性CCR5T細胞の浸潤を阻害した(Y.-F. Yang et al., Eur. J. Immunol. 2002 32:2124-2132)。別のCCR5アンタゴニストであるSCH−Xは、アカゲザルにおけるコラーゲン誘導性関節炎の発生率及び重症度を減少させることが示された(M. P. M. Vierboom et al., Arthr. & Rheum. 2005 52(20):627-636)。
いくつかの炎症状態において、本発明の化合物は、代替の作用様式を有しうる他の抗炎症薬と組み合わせて投与することができる。CCR5アンタゴニストと組み合わせることのできる化合物には、非限定的に以下のものが挙げられる:
(a)5−リポキシゲナーゼの阻害剤などのリポキシゲナーゼのアンタゴニスト又は生合成阻害剤、ロイコトリエンアンタゴニスト(例えば、ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト、ポビルカスト、SKB−106,203)、ロイコトリエン生合成阻害剤(例えば、ジロートン、BAY−1005);
(b)非ステロイド系抗炎症剤又はシクロオキシゲナーゼ(COX1及び/又はCOX2)阻害剤、例えばプロピオン酸誘導体(例えば、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロクス酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、及びチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(例えば、インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロズ酸、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、イソキセパク、オキシピナク(oxpinac)、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン、及びゾメピラク)、フェナム酸(fenarnic acid)誘導体(フルフェナム酸(flufenarnic acid)、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸及びトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸(biphenylearboxylic acid)誘導体(ジフルニサル及びフルフェニサール)、オキシカム(oxicarn)(イソキシカム(isoxicarn)、ピロキシカム、スドキシカム及びテノキシカム(tenoxican))、サルチル酸塩(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)、ピラゾロン(アパゾン、ベズピペリロン(bezpiperylon)、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン)及びセレコキシブ;
(c)インフリキシマブ(REMICADE(登録商標))、エタネルセプト(ENBREL(登録商標))、又はアダリムマブ(HUMIRA(登録商標))などのTNF阻害剤;
(d)ベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びヒドロコルチゾンなどの抗炎症性ステロイド;
(e)シクロスポリン、レフルノミド(Arava(登録商標))、アザチオプリン(Azasan(登録商標))、ペニシラミン及びレバミゾールなどの免疫調節剤;
(f)メトトレキサートなどの葉酸拮抗物質;
(g)オーロチオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム又はオーラノフィンなどの金化合物。
移植拒絶反応を処置するための方法
実質臓器移植後の拒絶反応もまた、CCR5レセプターを発現しているT細胞及びマクロファージの間質領域への浸潤を特徴とする(J. Pattison et al, Lancet 1994 343:209-211)。CCR5Δ32欠失についてホモ接合性の腎移植患者は、CCR5Δ32欠失についてヘテロ接合性の患者又はホモ接合性野生型患者よりも生存の面で有意に勝る(M. Fischerder et al., Lancet 2001 357:1758-1761)。CCR5−/−ノックアウトマウスは、心臓及び膵島組織の移植後に、移植片生存の有意な延長を示した(W. Gao et al., Transplantation 2001 72:1199-1205;R. Abdi et al., Diabetes 2002 51: 2489-2495)。CCR5レセプター活性化の遮断は、心臓同種移植片の生存を有意に延長することが見出された(W. W. Hancock et al., Curr. Opin. Immunol 2003 15:479-486)。
移植拒絶反応又は移植片対宿主病の処置において、本発明のCCR5アンタゴニストは、非限定的に、シクロスポリン(SANDIMMUNE(登録商標))、タクロリムス(PROGRAF(登録商標)、FK−506)、シロリムス(RAPAMUNE(登録商標)、ラパマイシン)、ミコフェノール酸モフェチル(CELLCEPT(登録商標))、メトトレキサート、ダクリズマブ(ZENAPAX(登録商標))又はバシリキシマブ(SIMULECT(登録商標))などの抗IL−2レセプター(抗CD25)抗体、ビシリズマブ(NUVION(登録商標))又はムロモナブ(OKT3、ORTHOCLONE(登録商標))などの抗CD3抗体を含めた、他の免疫抑制剤と組み合わせて投与してもよい。
喘息及びCOPDを処置するための方法
CCR5レセプターの拮抗は、Th1活性化の拮抗により喘息及びCOPDの進行を阻害するためのターゲットとして示唆されたB. Ma et al., J. Immunol. 2006 176(8):4968-4978、B. Ma et al., J. Clin. Investig. 2005 115(12):3460-3472及びJ. K. L. Walker et al., Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 2006 34:711-718。
本発明の一態様では、式I[式中、R、R、R、R、及びRは、本明細書前記と同義である]で示される化合物が提供される。態様の記述において具体的には限定されない、この態様及び以後の態様における置換基の定義は、発明の概要に定義された最も広い範囲をもつ。全ての態様には、式Iで示される化合物の薬学的に許容される塩が含まれる。
本発明の第二の態様では、式I[式中、Rは、場合により、C1−6アルコキシにより置換されているシクロヘキシルであり;Rは、n−Buであり、Rは、(a)、(c)又は(d)である]で示される化合物が提供される。
本発明の第三の態様では、式I[式中、Rは、テトラヒドロピラニル−メチル又はテトラヒドロフラニル−メチルであり;Rは、n−Buであり、Rは、(a)、(c)又は(d)である]で示される化合物が提供される。
本発明の第四の態様では、式I[式中、Rは、テトラヒドロピラニル−メチルであり;Rは、n−Buであり、Rは、(a)、(c)又は(d)である]で示される化合物が提供される。
本発明の第五の態様では、式I[式中、Rは、テトラヒドロフラニル−メチルであり;Rは、n−Buであり、Rは、(a)、(c)又は(d)である]で示される化合物が提供される。
本発明の第六の態様では、式I[式中、Rは、IIaであり;Rは、n−Buであり、Rは、(a)、(c)又は(d)であり、Rは、C(=O)OR、−SO又はC1−6アシルである]で示される化合物が提供される。
本発明の第七の態様では、表IのI−1〜I−15より選択される化合物が提供される。
本発明の第八の態様では、ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)感染又はAIDS若しくはARCの処置を必要とする患者において、それを処置するための方法が提供され、その方法は、それを必要とする患者に、式I[式中、R、R、R、R及びRは、本明細書前記と同義である]で示される化合物の治療有効量を投与することを含む。
本発明の第九の態様では、ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)感染又はAIDS若しくはARCの処置を必要とする患者においてそれを処置するための方法が提供され、その方法は、それを必要とする患者に、式I[式中、R、R、R、R及びRは、本明細書前記と同義である]で示される化合物の治療有効量を、HIV−1ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、HIV−1プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、及びHIV−1ウイルス融合阻害剤から成る群より選択される、一つ又は複数の化合物と一緒に同時投与することを含む。
本発明の第十の態様では、関節リウマチの処置を必要とする患者においてそれを処置するための方法が提供され、その方法は、その患者に、式I[式中、R、R、R、R及びRは、本明細書前記と同義である]で示される化合物の治療有効量を投与することを含む。
本発明の第十一の態様では、関節リウマチの処置を必要とする患者においてそれを処置するための方法が提供され、その方法は、それを必要とする患者に、式I[式中、R、R、R、R及びRは、本明細書前記と同義である]で示される化合物の治療有効量を、一つ又は複数の抗炎症化合物又は鎮痛化合物と一緒に同時投与することを含む。
本発明の第十二の態様では、喘息又はCOPDの処置を必要とする患者においてそれを処置するための方法が提供され、その方法は、それを必要とする患者に、式I[式中、R、R、R、R及びRは、本明細書前記と同義である]で示される化合物の治療有効量を投与することを含む。
本発明の第十三の態様では、実質臓器移植拒絶反応の処置を必要とする患者においてそれを処置するための方法が提供され、その方法は、それを必要とする患者に、式I[式中、R、R、R、R及びRは、本明細書前記と同義である]で示される化合物の治療有効量を投与することを含む。
本発明の第十四の態様では、実質臓器移植拒絶反応の処置を必要とする患者においてそれを処置するための方法が提供され、その方法は、それを必要とする患者に、式I[式中、R、R、R、R及びRは、本明細書前記と同義である]で示される化合物の治療有効量を、一つ又は複数の抗拒絶反応薬は免疫調節剤と一緒に同時投与することを含む。
本発明の第十五の態様では、式I[式中、R、R、R、R及びRは、本明細書前記と同義である]で示される化合物を、一つ又は複数の担体、賦形剤又は希釈剤と一緒に含む薬学的組成物が提供される。
通常使用される略語には、以下のものが挙げられる:アセチル(Ac)、アゾビスイソブチリルニトリル(AIBN)、気圧(Atm)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ピロ炭酸ジ−tert−ブチル又はboc無水物(BOCO)、ベンジル(Bn)、ブチル(Bu)、ケミカルアブストラクツ登録番号(CASRN)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ又はZ)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)、ジベンジリデンアセトン(dba)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ジクロロメタン(DCM)、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、水素化アルミニウムジイソブチル(DIBAL又はDIBAL−H)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、2−エトキシ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(EEDQ)、ジエチルエーテル(EtO)、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HATU)、酢酸(HOAc)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、イソプロパノール(IPA)、ヘキサメチルジシラザンリチウム(LiHMDS)、メタノール(MeOH)、融点(mp)、MeSO−(メシル又はMs)、メチル(Me)、アセトニトリル(MeCN)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、質量スペクトル(ms)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−カルボン酸無水物(NCA)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、フェニル(Ph)、プロピル(Pr)、イソプロピル(i−Pr)、ポンド/平方インチ(psi)、ピリジン(pyr)、室温(rt又はRT)、tert−ブチルジメチルシリル又はt−BuMeSi(TBDMS)、トリエチルアミン(TEA又はEtN)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)、トリフレート又はCFSO−(Tf)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1’−ビス−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2,6−ジオン(TMHD)、テトラフルオロホウ酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(TBTU)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、テトラヒドロフラン(THF)、トリメチルシリル又はMeSi(TMS)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH又はpTsOH)、4−Me−CSO−又はトシル(Ts)、N−ウレタン−N−カルボン酸無水物(UNCA)。接頭文字のノルマル(n)、イソ(i−)、二級(sec−)、三級(tert−)及びネオを含めた従来の命名法は、アルキル部分について使用する場合その慣用の意味を有する(J. Rigaudy and D.P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979 Pergamon Press, Oxford)。
化合物及び調製
本発明が包含し、本発明の範囲内にある代表的化合物の例を下表に示す。これらの例及びそれに続く調製は、当業者が本発明をより明瞭に理解し実施できるように提供されている。それらは、本発明の範囲を制限するものではなく、単にそれを例示及び代表するものと見なすべきである。
一般に、本出願で使用する命名法は、IUPAC系統的命名法を生成するのに、AUTONOM(商標)v.4.0というBeilstein Instituteのコンピューター化されたシステムに基づいている。図示した構造とその構造に与えられた名称との間に相違点がある場合、図示した構造をより重要視されたい。加えて、構造又は構造の一部分の立体化学が、例えば、太線又は破線で示されていない場合、その構造又は構造の一部分は、その全ての立体異性体を包含すると解釈されたい。
Figure 2011519888

Figure 2011519888
本発明の化合物は、A−2から、ピリドンの窒素のアルキル化に続いて、ピペリジン環の導入及びアシル化により調製することができる。A−2は、A−1aから調製したが、A−1aは、今度はカプロン酸エチルの共役付加により(1−ベンジル−ピペリジン−4−イリデン)−シアノ−酢酸エチルエステルから調製した。リチウムピロリジノボロハイドライドを用いたこのエステルの還元(G.B. Fisher et al., Tetrahedron Lett. 1992 33(32):4533)により、A−1bが得られ、A−1bをNaN及びDEADで処理することにより、これをアジドに変換した。そのアジドをPhPで処理することにより、分子内シュタウディンガー−アザウィッティッヒ反応を起こし、中間体アミジンの加水分解後にA−2が得られた。
アルコールは、不活性溶媒、例えばヘキサン、ヘプタン及び石油エーテルなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、o−ジクロロベンゼン、及びキシレンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、THF、ジグリム及びジオキサンなどのエーテル中で、好ましくはエーテル中で、LiAlH、DIBAL−H、リチウムアミノボロヒドリド及びBHなどの様々な適切な還元剤でカルボン酸又はカルボン酸エステルを還元することにより調製することができる。
Figure 2011519888
塩基性条件下でのアミドのアルキル化(工程4)のための方法は、当業者に周知である。その反応は、典型的にはTHF、DMF、DMSO、NMP及びそれらの混合物などの非プロトン性溶媒中で、−78℃〜100℃の温度で実施される。典型的に使用される塩基は、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドである。
N9原子からベンジル保護基を切断(工程5)した後に、N−Boc−4−オキソピペリジン(A−6)を用いた二級アミンA−3bのTi(O−i−Pr)介在縮合により4−メチル−N−Boc−ピペリジン部分を導入し、中間体イミンをEtAlCNで捕捉することにより、4位にニトリルを導入し(A−4a)、次にそれを臭化マグネシウムメチルで置換してA−4bが得られる(A. Palani et al. J. Med. Chem. 2001 44(21):3339-42)。
Boc保護基の除去及び窒素のアシル化により、本発明の化合物が得られる。Boc基の脱保護は、TFA/DCM又はHCl/ジオキサンなどの酸性条件下で実施する。
アミンのアシル化は、酸クロリド又は対称酸無水物若しくは混合酸無水物などの活性化カルボン酸を調製し、共溶媒として水などの存在下又は不在下で、0℃〜60℃の温度で、一般にNaCO、NaHCO、KCO、DIPEA、TEA又はピリジンなどの塩基の存在下で、DMF、DCM、THFなどの溶媒中でその活性化誘導体を式A−5aのアミンと反応させることにより実施することができる。カルボン酸は、当業者に周知の標準的な試薬を使用してそれらの酸クロリド、例えばチオニルクロリド、オキサリルクロリド、ホスホリルクロリドなどに変換する。それらの試薬は、DCM又はDMFなどの不活性溶媒中で、DIPEA、TEA又はピリジンなどの塩基の存在下で使用することができる。
または、カルボン酸は、ペプチド合成のために開発された当業者に周知の手順により活性化酸誘導体にその場で変換することができる。これらの活性化酸を式A−5aのアミンと直接反応させて、式Iで示される化合物が得られた。通常のカップリングプロトコールは、0℃〜60℃の温度でDMF又はDCMなどの不活性溶媒中で、NMM、TEA又はDIPEAなどの塩基の存在下又は不在下で、EDCI又はDCC、HOBt、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBrOP)、又は2−フルオロ−1−メチルピリジニウムp−トルエンスルホネート(向山試薬)などの活性化剤を採用する。その代わりに反応を、DMF、DCM又はTHF中でO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)又は1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)及びTEA又はDIPEAなどの存在下で実施してもよい。アミンのアシル化(J. March, supra pp.417-425; H. G. Benz, Synthesis of Amides and Related Compounds in Comprehensive Organic Synthesis, E. Winterfeldt, ed., vol. 6, Pergamon Press, Oxford 1991 pp.381-411)が総説されている。
反応工程の順序は重大ではなく、類似の反応条件を利用するスキームBに示すように、N9アミドの導入を、アミドのアルキル化の前に実施してもよい。
Figure 2011519888
ペンダント官能化ピペリジン置換基を有する本発明の化合物は、4−ブロモメチルピペリジン1−カルボン酸tert−ブチルエステルでB−3bをアルキル化することにより調製した(スキームC)。アミンの脱保護、及び結果として得られた二級アミンのアシル化又はスルホニル化により、本発明の化合物が得られる。トルエン−4−スルホン酸4−(tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ)−シクロヘキシルメチルエステルでB−3bをアルキル化し、それを最終工程で脱保護することにより、シクロヘキサノール誘導体I−15を調製した。
Figure 2011519888
投薬及び投与
本発明の化合物は、多種多様な経口投与投薬形態及び担体に製剤化することができる。経口投与は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、ゼラチン硬カプセル及び軟カプセル、液剤、乳剤、シロップ剤、又は懸濁剤の形態でありうる。本発明の化合物は、数ある投与経路の中で、連続的(静脈内点滴)局所非経口、筋肉内、静脈内、皮下、経皮(透過促進剤を含みうる)、口腔、鼻腔内、吸入及び坐剤投与を含めた、他の投与経路により投与したときに有効である。好ましい投与様式は、一般に、好都合な1日投薬様式を用いた経口であり、苦痛の程度及び活性成分に対する患者の反応に応じて調整することができる。
本発明の一つ又は複数の化合物及びそれらの薬学的に使用可能な塩は、一つ又は複数の従来の賦形剤、担体、又は希釈剤と一緒に、薬学的組成物及び単位投薬の形態にすることができる。薬学的組成物及び単位投薬形態は、追加的な活性化合物又は主薬の存在下又は不在下で、従来比率の従来成分から構成されてもよく、単位投薬形態は、採用しようとする1日投薬範囲と釣り合う、任意の適切な有効量の活性成分を含有しうる。薬学的組成物は、錠剤又は充填済みカプセル剤などの固形、半固形、散剤、徐放製剤、若しくは液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤などの液体、若しくは経口用の充填済みカプセル剤として;又は直腸若しくは膣内投与用の坐剤の形態で;又は非経口用の滅菌注射液の形態で、採用することができる。典型的な調製物は、約5%〜約95(w/w)%の一つ又は複数の活性化合物を含有するであろう。
「調製物」又は「投薬形態」という用語には、活性化合物の固体製剤及び液体製剤の両方が含まれることが意図され、当業者は、活性成分が、ターゲット器官又は組織並びに所望の用量及び薬物動態パラメーターに応じて異なる調製物中に存在しうることを認識しているであろう。
本明細書に使用するときの「賦形剤」という用語は、一般に安全、無毒で、生物学的にもその他の面でも望ましくないことがない薬学的組成物を調製する上で、有用な化合物を表し、賦形剤には、獣医学的使用及びヒトの薬学的使用に許容される賦形剤が挙げられる。本発明の化合物は、単独で投与してもよいが、一般に、意図された投与経路及び標準的な薬学的治療に関して選択された、一つ又は複数の適切な薬学的賦形剤、希釈剤又は担体と混合して投与される。
「薬学的に許容される」は、一般に安全、無毒で、生物学的にもその他の面でも望ましくないことがない薬学的組成物を調製する上で有用なことを意味し、それには、獣医学的使用及びヒトの薬学的使用に許容されることが含まれる。
活性成分の「薬学的に許容される塩」形態は、また、非塩形態では存在しなかった所望の薬物動態特性を、最初に活性成分に付与することもでき、活性成分の薬力学に、体内でのその治療活性に関してプラスの影響まで及ぼしうる。化合物の「薬学的に許容される塩」という語句は、薬学的に許容される塩であって、親化合物の所望の薬理活性を保有する塩を意味する。そのような塩には、以下のものが挙げられる:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と形成した酸付加塩;又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸と形成した酸付加塩;或いは(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、若しくはアルミニウムイオンにより置換されているか;又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基に配位される場合に形成する塩。
固形形態調製物には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤が挙げられる。固形担体は、希釈剤、着香料、溶解補助剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤又は封入物質としても作用しうる一つ又は複数の物質でありうる。散剤中の担体は、一般に、微粉化活性構成要素との混合物である、微粉化固体である。錠剤中の活性構成要素は、一般に必要な結合能を有する担体と適切な比率で混合され、所望の形状及び大きさに圧縮される。適切な担体には、非限定的に、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ろう、カカオ脂などが挙げられる。固形形態調製物は、活性構成要素に加えて、着色料、着香料、安定化剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、粘稠化剤、溶解補助剤などを含有しうる。
液体製剤は、また、経口投与に適し、それらには、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水剤、水性懸濁剤を含めた液体製剤が挙げられる。これらには、使用直前に液体形態の調製物に変換することが意図された固体形態調製物が挙げられる。乳剤は、溶液、例えばプロピレングリコール水溶液に調製してもよく、または、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、又はアラビアゴムなどの乳化剤を含有してもよい。水剤は、活性構成要素を水に溶解させ、適切な着色料、着香料、安定化剤、及び粘稠化剤を添加することにより調製することができる。水性懸濁剤は、微粉化された活性構成要素を、天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの粘性物質、及び他の周知の懸濁化剤と共に水に分散させることにより調製することができる。
本発明の化合物は、(例えば注射、例えばボーラス注射又は連続注入による)非経口投与用に製剤化してもよく、アンプル、充填済みシリンジ、少量輸液中の単位量形態で、又は保存料を添加した多回量容器に入れて提示することができる。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤、又は乳剤、例えば水性ポリエチレングリコールの液剤のような形態を採りうる。油性又は非水性担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えばオリーブ油)、及び注射用有機エステル(例えばオレイン酸エチル)が挙げられ、それらは、保存料、湿潤剤、乳化剤又は懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散剤などの製剤化用薬剤(formulatory agent)を含有しうる。または、使用前に適切なビヒクルで、例えば滅菌された、発熱物質を有さない水で構成するために、活性成分は、滅菌固体の無菌的単離又は溶液からの凍結乾燥により得られた粉末形態であってもよい。
本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤若しくはローション剤として、又は経皮パッチとして、表皮に局所投与するために製剤化してもよい。軟膏剤及びクリーム剤は、例えば、適切な粘稠化剤及び/又はゲル化剤を添加した水性又は油性基剤を用いて製剤化してもよい。ローション剤は、水性又は油性基剤を用いて製剤化してもよく、一般に一つ又は複数の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、粘稠化剤、又は着色料もまた含有する。口内局所投与に適した製剤には、香味基剤、通常はスクロース及びアラビアゴム又はトラガカントの中に活性薬剤を含むトローチ剤;ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアラビアゴムなどの不活性基剤中に活性成分を含むパステル剤;並びに適切な液体担体に活性成分を含む洗口剤が挙げられる。
本発明の化合物は、坐剤として投与するために製剤化してもよい。脂肪酸グリセリド混合物などの低融点ろう又はカカオ脂を最初に融解させ、例えば撹拌することにより活性構成要素を均一に分散させる。次に、融解した均一な混合物を都合のよい大きさの型に注ぎ、冷却及び固化させる。
本発明の化合物は、膣内投与用に製剤化してもよい。活性成分に加えて、当技術分野において適切なことが公知である担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、パスタ剤、泡剤又は噴霧剤。
本発明の化合物は、鼻腔内投与用に製剤化してもよい。液剤又は懸濁剤は、従来の手段、例えばスポイト、ピペット又はスプレーにより鼻腔に直接適用される。それらの製剤は、単回又は多回量形態で提供することができる。スポイト又はピペットの後者の場合、これは、患者が液剤又は懸濁剤の適切な所定容量を投与することにより達成することができる。スプレーの場合、これは、例えば定量噴霧ポンプにより達成することができる。
本発明の化合物は、特に呼吸器への、鼻腔内投与を含むエアロゾル投与用に製剤化してもよい。この化合物は、一般に、例えば5ミクロン以下のオーダの小さな粒子径を有するものである。このような粒子径は、当技術分野で公知の手段により、例えば微粒子化により得ることができる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、若しくはジクロロテトラフルオロエタンなどの適切な噴射剤、又は二酸化炭素若しくは他の適切な気体と共に加圧パックに入れて提供される。エアロゾルは、好都合にはレシチンなどの界面活性剤もまた含有しうる。薬物の用量は、定量バルブによりコントロールしてもよい。または、活性成分は、乾燥粉末、例えば乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリジン(PVP)などのデンプン誘導体などの適切な粉末基剤に入れたその化合物の粉末混合物の形態で提供してもよい。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成するであろう。粉末組成物は、例えば、ゼラチン又はインヘラーにより粉末を投与することができるブリスターパックの、例えばカプセル又はカートリッジに入れた単位量形態で提示してもよい。
所望であれば、製剤は、活性成分の持続性又は徐放投与に適合した腸溶性コーティングを行って調製することができる。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下薬物デリバリー装置に入れて製剤化することができる。これらのデリバリーシステムは、化合物の持続性放出が必要な場合、及び患者の処置方式の遵守が重要な場合に有利である。経皮デリバリーシステムでは、化合物は、皮膚接着性固体支持体に結合されることが多い。関心がもたれる化合物は、また、透過促進剤と、例えば、アゾン(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と混合することができる。持続性放出デリバリーシステムは、皮下的に真皮下層に外科手術又は注射により挿入される。真皮下植込み剤は、脂溶性膜、例えばシリコーンゴム又は生分解性ポリマー、例えばポリ乳酸に化合物を封入している。
薬学的担体、希釈剤及び賦形剤に加えて、適切な製剤は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。熟練の製剤学者は、本発明の組成物を不安定にせずに、また、それらの治療活性を損なわずに、特定の投与経路用に多数の製剤を提供するために、本明細書の教示の範囲内で製剤を改変することができる。
これらの化合物を水又は他のビヒクルにより可溶性にするためのこれらの化合物の改変は、例えば、十分に当業者の範囲内である小さな改変(塩形成、エステル化など)により容易に達成することができる。患者に最大の有益効果を及ぼすようにこれらの化合物の薬物動態を管理するために、特定の化合物の投与経路及び投薬方式を改変することもまた、十分に当技術分野における慣用技術の範囲内である。
本明細書に使用するときの「治療有効量」という用語は、個体における疾患の症状を軽減するために必要な量を意味する。この用量は、各特定の場合における個別の必要性に合わせて調整される。投薬量は、処置される疾患の重症度、患者の年齢及び全身の健康状態、患者が処置されている他の併用薬、投与経路及び投与形態、並びに担当の医師の好み及び経験などの多数の要因に依存して、広い範囲内で変動しうる。経口投与について、1日あたり約0.01〜約1000mg/kg体重の1日投薬量は、単剤療法及び/又は併用療法に適切であろう。好ましい1日投薬量は、1日あたり約0.1〜約500mg/kg体重、さらに好ましくは0.1〜約100mg/kg体重、最も好ましくは1.0〜約10mg/kg体重である。したがって、70kgのヒトに投与するための投薬範囲は、1日あたり約7mg〜0.7gであろう。1日投薬量は、単回投薬として、又は分割投薬で、典型的には1日に1〜5回の投薬で投与することができる。一般に、処置は、化合物の最適用量未満の、より低い投薬量で開始される。その後、個別の患者に関して最適な効果が達成されるまで投薬量を少しずつ増加させる。本明細書に記載された疾患を処置するにあたり、当業者は、過度の実験を行わずに、個人の知識、経験及び本出願の開示を信頼して、所与の疾患及び患者のための本発明の化合物の治療有効量を確認することができるであろう。
薬学的調製物は、好ましくは単位投薬形態である。そのような形態では、調製物は、活性構成要素の適切量を含有する単位量に細分される。単位投薬形態は、パッケージされた調製物、例えばパッケージされた錠剤、カプセル剤、及びバイアル又はアンプル中の散剤のことがあり、そのパッケージは、別個の量の調製物を中に含む。また、単位投薬形態は、それ自体カプセル剤、錠剤、カシェ剤、又はトローチ剤のことがあるし、これらの任意のものが適切な数でパッケージされた形態になっていることもある。
以下の実施例は、本発明の範囲内の化合物の調製及び生物学的評価を例示する。これらの実施例及びそれに続く調製は、当業者が本発明をより明瞭に理解し実施できるように提供される。これらは、本発明の範囲を限定するものとみなしてはならず、単にそれを例示及び代表するものと見なすべきである。
参考例
2−(1−ベンジル−4−シアノメチル−ピペリジン−4−イル)−ヘキサン酸エチルエステル
Figure 2011519888
工程1− THF(100mL)のジイソプロピルアミン(4.88mL、34.9mmol)の−78℃に冷却した溶液に、n−BuLi(ヘキサン中の2.5M、13.3mL、33.3mmol)を添加し、反応物を15分間撹拌した。乾燥−氷アセトン浴を取り外し、撹拌を更に20分間続け、次に反応混合物を−78℃に再冷却した。LDA溶液に、THF(30mL)中のカプロン酸エチル(5.5mL、33.3mmol)の−78℃に予め冷却した溶液をシリンジで10分間かけて滴下した。反応物を−78℃で40分間撹拌した。THF(30mL)中の(10)(8.6g、30mmol;CASRN 1463−52−1)の溶液を、シリンジで添加した。反応混合物をHOとEtOAcの混合物に注いだ。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮した。残渣を、EtOAc/ヘキサン勾配(30分間かけて20%→40% EtOAc)で溶離するSiOカラムクロマトグラフィーにより精製して、(12)のジアステレオマー混合物11.71g(90%)を油状物として得た:1HNMR (CDCl3, 300 MHz) δ 7.32-7.24 (m), 4.30-4.08 (m), 3.51 (s), 2.81-2.26 (m), 2.15-1.95 (m), 1.90-1.65 (m), 1.40-1.15 (m), 0.91-0.85 (m); IR (neat film) 3062, 3027, 2958, 2873, 2810, 2769, 2246, 1736, 1604, 1495, 1454, 1370, 1320, 1249, 1181, 1074, 1030, 857, 740, 699 cm -1;MS C15374[M+H]の計算値:429。実測値:429。
工程2− DMSO(100mL)及びHO(10mL)の(12)(15.46g、36.1mmol)及びLiCl(3.06g、72.2mmol)の懸濁液を、200℃で1.5時間加熱した。室温に冷ました後、内容物をEtOAcで希釈し、溶液を50%飽和食塩水水溶液で洗浄した。有機層を分離した。水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮した。残渣を、EtOAc/ヘキサン勾配(36分間かけて10%→50% EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、11.5gのA−1aを油状物として得た:C1925の計算値:C、74.12%;H、9.05;N、7.86。実測値:C、73.71;H、8.89;N、7.74。
実施例1
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−エトキシ−シクロヘキシルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(I−1;スキームA)
工程1− THF(100mL)の化合物A−1a(8.08g、22.7mmol)の溶液に、水素化ピロリジンホウ素リチウム(THF中1M、87mL、87mmol)を室温で添加した。反応物を室温で一晩撹拌し、0℃に冷却し、1N NaOH水溶液でクエンチした。得られた混合物を食塩水/28% NHOH水溶液(5:1)の溶液で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮した。残渣を、DCM及びDCM/MeOH/28% NHOH水溶液の勾配(60:10:1; 30分間かけて90%→50% DCM)で溶離するSiOフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、6.12gのA−1b(86%)を淡黄色の油状物として得た:1HNMR (CDCl3, 300 MHz) δ 7.32-7.22 (m, 5H), 3.79 (d, J = 3.7 Hz, 2H), 3.50 (s, 2H), 2.65-2.58 (m, 4H), 2.26-2.16 (m, 2H), 1.86-1.77 (m, 1H), 1.74-1.61 (m, 4H), 1.51-1.20 (m, 6H), 0.91 (t, J = 7.0 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3, 300 Hz) δ 138.1, 129.1, 128.2, 127.1, 119.2, 63.2, 61.1, 49.0, 46.8, 36.3, 33.0, 31.0, 25.3, 22.9, 22.7, 14.1; IR (neat film) 3488, 3062, 3028, 2929, 2871, 2811, 2769, 2241, 1494, 1454, 1397, 1368, 1344, 1316, 1253, 1122, 1075, 1029, 961, 793, 744, 699 cm-1;HRMS C2031O[M+H]の計算値:315.2436。実測値:315.2393。
工程2− THF(70mL)のA−1b(17.5g、55.7mmol)及びPPh(16.1g、61.3mmol)の溶液に、DEAD(原液の、10.6mL、67.4mmol)を室温で添加した。室温で10分間撹拌した後、ジフェニルホスホリルアジド(無溶媒の、14.6mL、67.4mmol)を添加した。混合物を一晩撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣を、EtOAc/ヘキサン勾配(40分間かけて15%→50%)で溶離するSiOフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、10.25gのA−1c(54%)を清澄な粘性油状物として得た:1HNMR (CDCl3, 300 MHz) δ 7.33-7.20 (m, 5H), 5.12-4.97 (m, 1H), 3.58-3.42 (m, 4H), 2.65-2.58 (m, 2H), 2.59 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 2.25-2.15 (m, 2H), 1.8-1.2 (m, 11H), 0.92 (t, J = 7.0 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3, 300 Hz) δ 138.1, 129.0, 128.3, 127.1, 118.4, 63.1, 50.7, 48.9, 44.9, 36.4, 32.8, 32.6, 30.7, 26.6, 22.8, 22.1, 21.9, 21.7, 14.0; IR (neat film) 3432, 3028, 2955, 2872, 2809, 2768, 2098, 1740, 1493, 1455, 1374, 1264, 1183, 1103, 1028, 965, 741 cm-1;HRMS C20305[M+H]の計算値:340.2501。実測値:340.2516。
工程3− THF(40mL)のA−1c(2.04g、6mmol)の溶液に、PPh(2.36g、9mmol)を室温で添加した。反応混合物を70℃で1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣を濃HCl水溶液(約40mL)に取り、密閉した圧力管中で100℃で三夜かけて加熱した。室温に冷ました後、内容物をビーカーに注ぎ、固体のNaCOでクエンチした。混合物を水で更に希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を乾燥(NaSO)させ、濾過し、濃縮した。残渣を、DCM及びDCM/MeOH/28% NHOH水溶液の勾配(60:10:1; 40分間かけて80%→30% DCM)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、1.57g(2工程を経て82%)のA−2を白色の固体として得た:1HNMR (CDCl3, 300 MHz) δ 7.30-7.20 (m, 5H), 6.85 (s, 1H), 3.51 (s, 2H), 3.41 (dd, J = 1.5 , 4.7 Hz, 1H), 3.10-3.02 (m, 1H), 2.70-2.60 (m, 2H), 2.41-2.13 (m, 4H), 1.80-1.13 (m, 11H), 0.89 (t, J = 7.1 Hz, 3H); 13C NMR (CDCl3, 300 Hz) δ 172.4, 138.6, 129.9, 129.6, 128.6, 128.3, 127.7, 127.4, 63.7, 49.3, 49.2, 42.5, 41.5, 38.6, 35.2, 33.8, 31.8, 30.9, 26.1, 23.2, 14.4; IR (neat film) 3421, 3195, 3060, 2948, 2932, 2869, 2799, 2762, 1670, 1505, 1451, 1411, 1366, 1341, 1313, 1121, 736 cm-1;HRMS C2031O[M+H]の計算値:315.2436。実測値:315.2433。
工程4− トルエン(2mL)のA−2(0.243g、0.77mmol)、NaOH(真珠様、0.154g、3.85mmol)、KCO(0.117g、0.85mmol)及びテトラブチルアンモニウムブロミド(0.026g、0.08mmol)の懸濁液に、trans−4−エトキシ−シクロヘキシルメチルトルエン−4−スルホナートを添加した。反応混合物を90℃で3日間加熱した。室温に冷ました後、内容物を食塩水/水(1:1)で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮した。残渣を、DCM及びDCM/MeOH/28% NHOH水溶液の勾配(60:10:1; 30分間かけて80%→40% DCM)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、0.46g(R=trans−エトキシ−シクロヘキシル−4−メチル)のA−3aを不純で清澄な油状物として得て、次の工程で更に精製しないで使用した。MS C294722[M+H]の計算値:455。実測値:455。
工程5− MeOH(15mL)の工程4からのA−3a(0.46g)及びPd(OH)/C(20wt%、500mg)の懸濁液を水素雰囲気(60psi)下、Parr装置中で室温にて3時間振とうした。内容物をSOLKA FLOC(登録商標)を通して濾過し、濃縮して、0.316gの粗A−3bを泡状物として得た:MS C22412[M+H]の計算値:365。実測値:365。
工程6及び7− DCM(5mL)のA−3b(0.316g、純度100%と仮定して、0.87mmol)及びN−Boc−4−ピペリドン(0.19g、0.96mmol)の溶液に、Ti(O−i−Pr)(0.3mL、1.04mmol)をアルゴン下で添加した。反応物を室温で一晩撹拌し、次にEtAlCN(トルエン中1.0M、2.2mL、2.2mmol)を滴下した。室温で5時間撹拌した後、反応混合物を0℃に冷却し、EtOAc(10mL)と飽和NaHCO水溶液(2mL)の混合物に0℃で注いだ。混合物を室温で1時間激しく撹拌し、CELITE(登録商標)の栓を通して濾過した。濾液を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮して、0.53gの粗A−4aを澄明な油状物として得た。
油状物を無水THF(10mL)に溶解し、0℃に冷却した。MeMgBrの溶液(EtO中3M、1.54mL、4.63mmol)を滴下した。浴を取り外し、反応物を室温で一晩撹拌した。内容物を氷浴で冷却し、飽和NHCl水溶液でクエンチした。混合物を28% NHOH水溶液で塩基性にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮した。残渣を、DCM及びDCM/MeOH/28% NHOH水溶液の勾配(60:10:1; 30分間かけて80%→40% DCM)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、0.13gのA−4bを澄明な油状物として得た:MS C33604[M+H]の計算値:562;実測値:562。
工程8− DCM(3.2mL)のA−4b(0.13g、0.23mmol)の溶液に、TFA(0.8mL)を室温で添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、氷冷飽和NaHCO水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。水層を、連続抽出器を用いてDCMで一晩濃縮した。合わせた有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮して、98mgの粗A−5aを得て、それを次の工程で更に精製しないで使用した:MS C28522[M+H]の計算値:462;実測値:462。
工程9− A−5a(98mg、純度100%と仮定して、0.21mmol)、4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸(48mg、0.32mmol)、EDCI(92mg、0.42mmol)、HOBt水和物(65mg、0.48mmol)の混合物に、DCM(6mL)及びDIPEA(0.67mL、3.8mmol)を室温で順次添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、飽和NaHCO水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を乾燥(NaSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、60% DCM及び40% DCM/MeOH/28% NHOH水溶液(60:10:1)の溶液で展開する分取SiOクロマトグラフィープレートで精製して、40mgのA−1を白色の粉末として得た:MS C35583[M+H]の計算値:596;実測値:596。
光学異性体I−2及びI−3を、MeOHで溶離する(R,R)-Whelk-O キラルHPLCカラム(Regis Technologies, Inc.)により、流速1.2mL/分で分離した。二つの異性体は、保持時間9.3分及び10.9分を有した。
工程4で4−ブロモメチルテトラヒドロピランをtrans−4−エトキシ−シクロヘキシルメチルトルエン−4−スルホナートの代わりに使用し、工程9で6−シアノ−2,4−ジメチル−ニコチン酸を4,6−ジメチルピリミジン5−カルボン酸の代わりに使用する以外は、化合物I−12を同様に調製することができた。MS C34523[M+H]の計算値:578;実測値:578。
実施例2
5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−エトキシ−シクロヘキシルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(I−4、スキームB)
工程1− EtOH(20mL)のB−1a(0.545g)及びPd(OH)/C(20wt%、0.7g)の懸濁液を、Parr装置で、水素雰囲気(60psi)、室温にて4.5時間振とうした。内容物を、CELITE(登録商標)を通して濾過し、濃縮して、0.465gの粗B−1bを明褐色の固体として得た:MS C1325O[M+H]の計算値:225。実測値:225。
工程2及び3− DCMのB−1b(0.447g、純度100%と仮定して、2mmol)及びN−Boc−4−ピペリドン(0.438g、2.2mmol)の溶液に、Ti(O−i−Pr)(0.94mL、3.2mmol)をアルゴン下で添加した。反応物を室温で一晩撹拌し、次にEtAlCN(トルエンの1.0M、5mL、5mmol)を滴下した。室温で4.5時間撹拌した後、反応混合物を0℃に冷却し、EtOAc(20mL)と飽和NaHCO水溶液(4mL)の混合物に0℃で注いだ。混合物を室温で1時間激しく撹拌し、CELITEの栓を通して濾過した。濾液を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮して、0.9gの粗B−2aを泡状物として得た。
泡状物を無水THF(20mL)に溶解し、0℃に冷却した。MeMgBr(EtO中3M、3.3mL、9.9mmol)の溶液を滴下した。浴を取り外し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を氷浴で冷却し、飽和NHCl水溶液でクエンチした。混合物を飽和NaHCO水溶液で塩基性にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮した。残渣を、DCM及びDCM/MeOH/28% NHOH水溶液の勾配(60:10:1; 20分間かけて70%→30% DCM)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、0.822gのB−2bを白色の固体として得た:MS C24443[M+H]の計算値:422;実測値:422。
工程4− B−2b(0.69g、純度100%と仮定して、1.64mmol)を含有するフラスコに、ジオキサンのHClの溶液(4M、5mL、20mmol)、続いてジオキサン(5mL)を添加した。不均一な反応混合物を室温で1時間撹拌し、減圧下で濃縮して、粗アミンB−3aを得て、それを次の工程で更に精製しないで使用した。MS C1926O[M+H]の計算値:322;実測値:322。
工程5− 工程4からのB−3a、4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボン酸(374mg、2.46mmol)、EDCI(630mg、3.28mmol)、HOBt水和物(443mg、3.28mmol)の混合物に、DCM(20mL)及びDIPEA(2.8mL、16mmol)を室温で順次添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、飽和NaHCO水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を乾燥(NaSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、DCM及びDCM/MeOH/28% NHOH水溶液の勾配(60:10:1; 25分間かけて70%→20% DCM)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、403mgのB−3bをオフホワイトの泡状物として得た(2工程を経て収率54%):MS C26422[M+H]の計算値:456;実測値:456。
工程6− トルエン(4mL)のB−3b(0.4g、0.88mmol)、NaOH(真珠様、0.21g、5.28mmol)、KCO(0.134g、0.97mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.043g、0.13mmol)及び4−ブロモメチルテトラヒドロピラン(0.47g、2.64mmol)の混合物を、90℃で18時間加熱した。室温に冷ました後、内容物を食塩水/水(1:1)で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮した。残渣を、DCM及びDCM/MeOH/28% NHOH水溶液の勾配(60:10:1; 30分間かけて80%→30% DCM、次に30% DCMを5分間)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、0.18gのI−4を白色の泡状物として得た:MS C32523[M+H]の計算値:554;実測値:554。
工程6で4−ブロモメチルテトラヒドロピランをtrans−4−メトキシ−シクロヘキシルメチルp−トルエンスルホナートに代える以外は、I−5を同様に調製することができた:MS C34553[M+H]の計算値:582;実測値:582。
工程6で4−ブロモメチルテトラヒドロピランをcis−4−メトキシ−シクロヘキシルメチルp−トルエンスルホナートに代える以外は、I−9を同様に調製することができた:MS C35583[M+H]の計算値:596;実測値:596。
工程6で4−ブロモメチルテトラヒドロピランをラセミ体2−ブロモメチルテトラヒドロピラン(CASRN 34723−82−5)に代える以外は、I−11を同様に調製することができた:MS C32523[M+H]の計算値:554;実測値:554。
工程5で4,6−ジメチルピリミジン5−カルボン酸を2,4−ジメチル−ニコチン酸に代え、工程6で4−ブロモメチルテトラヒドロピランを(R)−テトラヒドロフラン−3−イルメチルp−トルエンスルホナート(CASRN 726180−98−9)に代える以外は、I−10を同様に調製することができた:MS C32513[M+H]の計算値:539;実測値:539。
工程5で4,6−ジメチルピリミジン5−カルボン酸を2,4−ジメチル−ニコチン酸に代える以外は、I−12を同様に調製することができた:MS C33533[M+H]の計算値:553;実測値:553。
実施例3
4−{1−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−4−オキソ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸メチルエステル(I−8、スキームC)
工程1− 4−ブロモメチルテトラヒドロピランを4−ブロモメチルピペリジン1−カルボン酸tert−ブチルエステルに代える以外は、中間体C−1aを、試験例3の工程6の手順にしたがってB−3bから調製することができた。MS C37614[M+H]の計算値:653;実測値:653。
工程2− C−1aのBoc保護基の脱保護を、試験例3の工程4の手順にしたがって行って、C−1bを得ることができた:MS C32532[M+H]の計算値:553;実測値:553。
工程3− DCM(2mL)のC−1b(68mg、0.12mmol)及びTEA(0.051mL、0.37mmol)の溶液に、クロロギ酸メチル(0.0116mL、0.15mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO水溶液に注ぎ、DCMで3回抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過し、濃縮した。残渣を、DCM及びDCM:MeOH:28% NHOH水溶液(60:10:1)(45% DCM)の溶液で展開する分取TLCプレートで精製して、36mgのI−8を油状物として得た:MS C34554[M+H]の計算値:611;実測値:611。
工程3でメチルスルホニルクロリドをクロロギ酸メチルの代わりに使用する以外は、化合物I−6を同様に調製することができた:MS C3355S[M+H]の計算値:631;実測値:631。
工程3で塩化アセチルをクロロギ酸メチルの代わりに使用する以外は、化合物I−7を同様に調製することができた:MS C30473[M+H]の計算値:539;実測値:539。
実施例4
5−ブチル−9−[1−(2,4−ジメチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(I−15)
Figure 2011519888
工程5で4,6−ジメチルピリミジン5−カルボン酸を2,4−ジメチル−ニコチン酸に代え、工程6で4−ブロモメチルテトラヒドロピランをtrans−4−tert−ブチルジメチルシラニルオキシシクロヘキシルメチルp−トルエンスルホナートに代える以外は、化合物(14)を、試験例2の手順にしたがって調製することができた:R=0.39(50% DCM/DCM:MeOH:28% NHOH水溶液(60:10:1));1H NMR (400 MHz): 8.31 (d, J = 1.36 Hz, 1H), 6.94 (t, J = 4.76 Hz, 1H), 4.10 (m, 1H), 3.48 (m, 2H), 3.25 (m, 3H), 3.10 (m, 1H), 2.97 (m, 2H), 2.67 (m, 1H), 2.54 (m, 1H), 2.44 (d, J = 11.1 Hz, 3H), 2.35 (m, 2H), 2.23 (d, J = 9.6 Hz, 3H), 1.93 (m, 1H), 1.82 (m, 2H), 1.72 (m, 1H), 1.60 (m, 4H), 1.1-1.5 (m, 17H), 0.88 (m, 7H), 0.83 (s, 9H), 0.01 ppm (s, 6H)。
工程2− 無溶媒のシリルエーテル(14)(0.071mmol、0.0486g)に、75%酢酸水溶液(10mL)を添加し、得られた反応混合物を室温で一晩(16時間)撹拌した。HOAcを飽和NaHCO水溶液で中和し、DCMで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、DCM及びDCM:MeOH:28% NHOH水溶液(60:10:1)(40% DCM)の溶液を含有する溶液で展開する分取TLCプレートで精製して、0.0226g(57%)のI−15を白色の泡状物として得た:MS C34553[M+H]の計算値:567;実測値:567。
実施例5
5−ブチル−9−[1−(2,4−ジメチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−[(R)−1−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)メチル]−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン(I−14)
Figure 2011519888
工程1− (S)−テトラヒドロ−3−フラン酸(3.3g、29.1mmol)を、新たに蒸留したTHF(15mL)に溶解し、新たに蒸留したTHF(0℃に冷却した)(15mL)のNaBH(2.6g、69mmol)のスラリーに添加し、N雰囲気下で保持した。混合物を10分間撹拌し、次に無水THF(15mL)のI(7.3g、29mmol)の溶液を30分間かけて滴下した。ガスの発生が止まった時、溶液を12時間加熱還流した。反応混合物を冷まし、溶媒を蒸発させ、残渣を20% KOH水溶液に取り、室温で4時間撹拌した。水溶液をDCMで2日間連続的に抽出し、得られた抽出物を乾燥(MgSO)させ、濾過し、蒸発させて、2.5gの(R)−20を得た:MS=(M+H)=103;NMR= 1H nmr δ 3.93-3.51 (m, 6H), 2.2-2.0 (m, 1H), 1.98-1.71 (m, 2H)。
工程2− (R)−20(2.5g、24.4mmol)、TEA(50mL)、DMAP(149mg)及びDCM(50mL)の溶液に、塩化p−トルエンスルホニル(5.1g、26.9mmol)を少量ずつ添加した。反応混合物をN雰囲気下、室温で一晩撹拌した。溶媒を除去し、残渣をEtOAcに溶解し、水で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過し、蒸発させた。粗物質を、30% EtOAc/ヘキサンで溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、4.9gの(S)−22を得た:(M+H)=257。
工程6で4−ブロモメチルテトラヒドロピランを(S)−22に代える以外は、I−14の合成を、実施例2に記載されている手順と同様にして行うことができた:MS C32513[M+H]の計算値:539;実測値:539。
実施例6 ヒトCCR5レセプター−リガンド結合アッセイのプロトコール
ヒトCCR5レセプター(Genebank ID:29169292)を哺乳動物発現ベクターであるpTarget(Promega)にクローニングした。Fugene試薬(Roche)を使用することによりその構築物をCHO−Gα16細胞にトランスフェクションした。抗生物質(G418及びハイグロマイシン)の選択圧をかけてクローンを選択し、蛍光標示式細胞分取器及びCCR5レセプターに特異的なモノクローナル抗体(BD Biosciences Pharmigen、Mab 2D7、カタログ番号555993)を用いて4回分取した。最高に発現したクローン(細胞1個あたり100,000コピー)を結合アッセイ用に選出した。
Ca2+及びMg2+を含有しない、1mM EDTAのPBS(リン酸緩衝生理食塩水)を使用して、225mL組織培養フラスコ(約90%コンフルーエント)の中の接着細胞を回収した。Ca2+及びMg2+を含有しないPBSで細胞を2回洗浄した。次に、新たに調製した0.5% BSA及び0.05% NaNを補充した結合緩衝液(50mM HEPES、1mM CaCl、5mM MgCl、0.5% BSA、0.05% NaN、pH7.24)、pH7.4)を氷冷したものに、CHO−Gα16−hCCR5細胞を再懸濁した(1×10個/mL)。
96ウェルプレートに80μlのCHO−Gα16−hCCR5細胞(1×10個/mL)を加えた。結合緩衝液(50mM HEPES、1mM CaCl、5mM MgCl、0.5% BSA、0.05% NaN、pH7.24)を用いて全ての希釈を行った。
プレートをセルシェーカーの上に置いて、終濃度0.1nMの125I RANTES又は125I MIP−1α又は125I MIP−1βと共に室温で2時間インキュベーションした。化合物の希釈は、PBS(1% BSA)中で行った。合計反応容量は、100μl/ウェルであった。被験化合物を細胞に加えてから放射性リガンドを加えた。
インキュベーション後に、Packard細胞回収器を用いてGF/Cフィルタープレートの上に細胞を回収した。フィルターを0.3% PEI/0.2% BSAで30分間前処理した。フィルタープレートをpH7.1に調整した25mM HEPES、500mM NaCl、1mM CaCl及び5mM MgClで素早く5回洗浄した。プレートを乾燥器(70℃)の中で20分間乾燥させ、40μlのシンチレーション液を添加し、Packard TopSeal-Aで密封した。Packard Top Countを使用して、ウェル1個あたり1分間放射能を測定した。
総結合は、放射性同位体及び緩衝液を添加した対照ウェルで測定し、非特異的結合は、対照ウェルの一部の過剰の冷RANTESを用いて測定した。特異的結合は、総結合から非特異的結合を減算することにより測定した。結果は、125I RANTESの特異的結合の率として表現する。IC50値は、様々な濃度の被験リガンドを3連で使用して測定し、データは、GraphPad Prism(GraphPad, San Diego, CA)を使用して解析した。
実施例7
CCR5介在性CCFアッセイ
CCFアッセイは、以前に記載されたように行った(C. Ji, J. Zhang, N. Cammack and S. Sankuratri, J. Biomol Screen. 2006 11(6):652-663)。10% FBS、1×Pen−Strep、300μg/mL G418、100μg/mLハイグロマイシン、及び1μg/mLドキシサイクリン(Dox)を補充した無フェノールレッドダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(BD Bioscience, Palo Alto, CA)が入った384ウェルの白色培養プレート(BD Bioscience, Palo Alto, CA)に、Hela−R5細胞(R5向性ウイルス由来gp160及びHIV−1 Tatを発現)をウェル1個あたり細胞7.5×10個でMultimek(Beckman, Fullerton, CA)を使用して蒔き、37℃で一晩インキュベーションし、gp160の発現を誘導した。5% DMSOを含有する培地で希釈した化合物10μLを細胞に加え、続いて、CD4及びCCR5を発現し、HIV−2の末端反復配列(LTR)推進ルシフェラーゼ・レポーター遺伝子を保有するCEM−NKr−CCR5−Luc(NIH AIDS Research & Reference Reagents Programから入手)を細胞1.5×10個/15μL/ウェルで加え、24時間インキュベーションした。共培養の終わりに、各ウェルに15μLのSteady-Gloルシフェラーゼ基質を添加し、培養物を密封し、45分間静かに振盪した。ルシフェラーゼ活性は、10分間の暗順応を行って、16チャネルのTopCount NXT(PerkinElmer, Shelton, CT)を使用することにより、ウェル1個あたり10秒間発光として測定したが、読出しはカウント毎秒(CPS)である。薬物相互作用実験のために、5% DMSO(CalBiochem, La Jolla, CA)及び1×Pen−Strepを含有する無血清無フェノールレッドRPMIに小分子化合物又は抗体を系列希釈した。薬物−薬物相互作用について二つの希釈された被験化合物又は被験mAbの各5μLをHela−R5細胞に添加し、その直後にターゲット細胞を添加した。
Figure 2011519888
実施例8
いくつかの経路により投与するための主題化合物の薬学的組成物をこの実施例に記載したように調製した。
Figure 2011519888
成分を混合し、それぞれ約100mgを含むようにカプセルに分配する;カプセル1個は、ほぼ合計1日投薬量である。
Figure 2011519888
成分を配合し、メタノールなどの溶媒を使用して造粒する。次に、製剤を乾燥させ、適切な打錠機で錠剤(活性化合物約20mgを含有)を作る。
Figure 2011519888
成分を混合し、経口投与用懸濁剤を作る。
Figure 2011519888
活性成分を注射用水の一部に溶解させる。次に、撹拌しながら十分量の塩化ナトリウムを添加し、その溶液を等張にする。残りの注射用水でその溶液の重量を調整し、0.2ミクロンのメンブランフィルターを通して濾過し、無菌条件下でパッケージする。
Figure 2011519888
成分を一緒に融解させ、蒸気浴で混合し、合計重量2.5gが入るように型に注入する。
Figure 2011519888
上記の発明を、明確化及び理解の目的で、例示及び実施例により幾分詳細に記載した。添付の特許請求の範囲の範囲内で、変更や修正を行いうることは、当業者に明白であろう。したがって、上記の記載は、例示的であって、限定するものではないと理解されたい。本発明の範囲は、したがって、上記の記載を参照して決定すべきではなく、代わりに、以下の添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲に与えられる等価物の全ての範囲と共に決定すべきである。
本出願に引用された全ての特許、特許出願及び刊行物は、各々の個々の特許、特許出願及び刊行物がそのように個々に言及されている場合と同程度に、全ての目的に対して、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。

Claims (12)

  1. 式I
    Figure 2011519888

    [式中、
    は、テトラヒドロピラニル−メチル、テトラヒドロフラニル−メチル、4−C1−6アルコキシ−シクロヘキシルメチル、4−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチル、C3−6シクロアルキル−C1−3アルキル、又はIIa〜IId
    Figure 2011519888

    (ここで、
    は、−C(=O)OR、−SO、C1−6アシル、C1−6ハロアルキルであり;
    該シクロアルキルは、場合により、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−3アルキル、オキソ、及びハロゲンから成る群より独立して選択される1〜3個の基で独立して置換されている)であり;
    は、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、又はC1−4アルコキシ−C1−3アルキルであり;
    は、(a)〜(e)及び(f):
    (a)4,6−ジメチル−ピリミジン−5−イル;
    (b)4,6−ジメチル−2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル;
    (c)2,4−ジメチル−ピリジン−3−イル;
    (d)6−シアノ−2,4−ジメチル−ピリジン−3−イル;
    (e)2,4−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル;
    (f)1,2,4−トリメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル
    からなる群より選択され;
    は、C1−6アルキルである]
    で示される化合物;或いはそのジアステレオマー混合物、鏡像異性体若しくは精製された鏡像異性体又はその薬学的に許容される塩。
  2. が、場合によりC1−6アルコキシにより置換されたシクロヘキシルであり;
    が、n−Buであり;
    が、(a)、(c)又は(d)である、請求項1記載の化合物。
  3. が、テトラヒドロピラニル−メチル又はテトラヒドロフラニル−メチルであり;
    が、n−Buであり;
    が、(a)、(c)又は(d)である、請求項1記載の化合物。
  4. が、テトラヒドロピラン−4−イル−メチルである、請求項3記載の化合物。
  5. が、テトラヒドロフラン−3−イル−メチルである、請求項3記載の化合物。
  6. が、IIaであり;
    が、n−Buであり;
    が、(a)、(c)又は(d)であり;
    が、C(=O)OR、−SO又はC1−6アシルである、請求項1記載の化合物。
  7. 5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−エトキシ−シクロヘキシルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン;
    5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン;
    5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−メトキシ−シクロヘキシルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン;
    5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン;
    3−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルメチル)−5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン;
    4−{1−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−4−オキソ−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イルメチル}−ピペリジン−1−カルボン酸メチルエステル;
    5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−エトキシ−シクロヘキシルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン;
    5−ブチル−9−[1−(2,4−ジメチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−[(S)−1−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)メチル]−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン;
    5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン;
    5−ブチル−9−[1−(2,4−ジメチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン;
    5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン;
    5−ブチル−9−[1−(4,6−ジメチル−ピリミジン−5−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン;
    5−{4−[7−ブチル−10−オキソ−9−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカ−3−イル]−4−メチル−ピペリジン−1−カルボニル}−4,6−ジメチル−ピリジン−2−カルボニトリル;
    5−ブチル−9−[1−(2,4−ジメチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−[(R)−1−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)メチル]−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン;
    5−ブチル−9−[1−(2,4−ジメチル−ピリジン−3−カルボニル)−4−メチル−ピペリジン−4−イル]−3−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチル)−3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン
    から成る群より選択される、請求項1記載の化合物;或いはそのジアステレオマー混合物、鏡像異性体若しくは精製された鏡像異性体又はその薬学的に許容される塩。
  8. 医薬として使用するための、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
  9. ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)感染の処置、又はAIDS若しくはARCの処置のための医薬として使用するための、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
  10. ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)感染、AIDS又はARCの処置のための医薬の製造のための、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物の使用。
  11. 請求項1記載の化合物及び少なくとも一つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む薬学的組成物。
  12. 本明細書前記の発明。
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