JP2011516450A - 髄膜炎に対するデフェンシンの使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、細菌性髄膜炎のような髄膜炎を、デフェンシンポリペプチドを用いて治療する方法に関する。

Description

本発明は、デフェンシンポリペプチドを用いた髄膜炎の治療に関する。
配列表に関する参照
本願は、コンピュータで読み取り可能な形式の配列表を含む。該コンピュータで読み取り可能な形式は、参照により本明細書に組込まれる。
髄膜炎は、総称して髄膜として知られる、中枢神経系を覆う保護膜の炎症である。髄膜炎は多くの要因、最も顕著なものとしてはバクテリアやウィルス、に対する応答として発症する場合がある。髄膜炎は、炎症が脳および脊髄に近接していることから、将来的に深刻な状態となりうる。深刻な神経障害、更には死の可能性すらあることから、速やかな治療および医学的評価が求められる。細菌性髄膜炎は通常抗生物質で治療し、十分な観察が必要である。数多くの微生物が細菌性髄膜炎の原因となる可能性があるが、ストレプトコッカス ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)(肺炎球菌(pneumococcus))およびネイセリア メニジチジス(Neisseria meningitidis)(髄膜炎菌(meningococcus))は、免疫欠損のない患者に最も共通した病原体である。細菌性髄膜炎は、全世界で推計年171000人の死者をもたらす、健康に対する地球規模の脅威である。
ストレプトコッカス ニューモニエは、幼児の侵襲性細菌感染の原因として広がりをみせている生物である。ニューモコッカル メニンジチス(pneumococcal meningitis)による子供の死亡率は、髄膜炎菌性髄膜炎(meningococcal meningitis)によるものの少なくとも2倍であり、生存者の後遺症発生率は高い。5歳未満の子供の肺炎球菌性髄膜炎発生率に関するヨーロッパ各国からのデータが、最近の研究で報告されている。報告によれば、全体で最も発生率が低いのはフィンランド(0.3/100000)で、最も高いのはフランス(12.0/100000)である。ペニシリン耐性肺炎球菌はしばしば多剤耐性であるため、治療には深刻な問題が提起される。マクロライド類への耐性もまた広がっており、地中海地域においては特にその広がりは大きい。
本発明は、髄膜炎の治療にあたり、血液脳関門を通過できるポリペプチドおよびその使用法の提供を目的とする。
本発明者らは、合成デフェンシンが肺炎球菌性髄膜炎に対する活性に優れており、細菌性髄膜炎の治療に利用できることを見出した。
第1の態様では、本発明は、髄膜炎治療用薬剤の製造にあたり、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する抗菌活性ポリペプチドの使用を提示する。
第2の態様では、本発明は、髄膜炎治療用の、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する抗菌活性ポリペプチドを提示する。
他の態様では、本発明は、治療有効量、例えば抗髄膜炎有効量の、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する抗菌活性ポリペプチドを被験者に投与することを含む、髄膜炎の治療方法を提示する。
1の実施態様では、上記ポリペプチドはデフェンシンポリペプチド、好ましくは、ベータ−デフェンシンポリペプチドである。
本発明で言うところの髄膜炎は、細菌性髄膜炎であってよく、好ましくは肺炎球菌性髄膜炎、例えば連鎖球菌、特に好ましくはストレプトコッカス ニューモニエに起因する髄膜炎である。好ましい実施態様では、上記髄膜炎はペニシリン耐性ストレプトコッカス ニューモニエに起因する。
本発明の使用、または本発明の髄膜炎治療のためのポリペプチドは、以降、「本発明の(による)ポリペプチド」と称する。
定義
抗菌活性:用語「抗菌活性」は、本明細書中では、微生物細胞を殺生、またはその増殖を阻害することのできる活性として定義される。本発明においては、用語「抗菌」は、殺菌の、および/または静菌性の、および/または殺真菌性の、および/または静真菌性の、および/または殺ウィルス性の効果を意味すように意図し、ここで、用語「殺菌の」は細菌細胞を殺すことができることとして理解される。用語「静菌性の」は細菌増殖を阻害することができること、すなわち、細菌細胞の増殖を阻害することとして理解される。用語「殺真菌性の」は真菌細胞を殺すことができることとして理解される。用語「静真菌性の」は真菌の増殖を阻害できること、すなわち、真菌細胞の増殖を阻害することとして理解される。用語「殺ウィルス性の」は、ウィルスを不活性化できることとして理解される。用語「微生物細胞」は、細菌のまたは真菌の細胞(酵母を含む)を示す。
本発明において、用語「微生物細胞の増殖阻害」は、細胞が非増殖状態にあること、すなわち、細胞が増殖できないことを意味するように意図したものである。
好ましい実施態様では、「抗菌活性」の語は、殺菌の、および/または静菌性の活性を意味する。より好ましくは、「抗菌活性」は、連鎖球菌、より好ましくはストレプトコッカス ニューモニエに対する殺菌の、および/または静菌性の活性として定義される。
本発明の目的には、抗菌活性はレーラーら(Lehrer et al., Journal of Immunological Methods, Vol. 137 (2) pp. 167-174 (1991 ))の記載した方法に従って測定してよい。あるいは、抗菌活性は、CLSI(臨床検査標準協会(Clinical and Laboratory Standards Institute); 旧名称は米国臨床検査標準委員会(National Committee for Clinical and Laboratory Standards))からのNCCLSガイドラインに従って測定してもよい。
抗菌活性を有するポリペプチドは、ストレプトコッカス ニューモニエ(ATCC 49619)の生細胞数を、抗菌活性を有するポリペプチド濃度500μg/ml;好ましくは250μg/ml;より好ましくは100μg/ml;さらに好ましくは50μg/ml;最も好ましくは25μg/ml;特に好ましくは10μg/ml、37℃の関連微生物増殖基質中、8時間(好ましくは4時間、より好ましくは2時間、より好ましくは1時間、特に好ましくは30分)のインキュベーション後に1/100に減少させることができる場合がある。
抗菌活性を有するポリペプチドはまた、関連微生物増殖基質中、37℃、8時間で、濃度500μg/ml;好ましくは250μg/ml;より好ましくは100μg/ml;さらに好ましくは50μg/ml;最も好ましくは10μg/ml;特に好ましくは5μg/mlで加えた時、ストレプトコッカス ニューモニエ(ATCC 49619)の増殖を阻害できる場合がある。
本発明のポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列から成るポリペプチドの抗菌活性の少なくとも20%、好ましくは、少なくとも40%、より好ましくは、少なくとも50%、より好ましくは、少なくとも60%、より好ましくは、少なくとも70%、より好ましくは、少なくとも80%、さらに好ましくは、少なくとも90%、最も好ましくは、少なくとも95%、および、さらに好ましくは、少なくとも100%を有する。
デフェンシン:用語「デフェンシン」は、本明細書中では、デフェンシンクラスの抗菌ペプチドに属するものとして当業者が認めるポリペプチドを指す。あるポリペプチドが本発明のデフェンシンであるかどうかの決定には、自由に入手できるHMMERソフトウェアパッケージを用いて、アミノ酸配列を、PFAMデータベースの隠れマルコフモデルプロファイル(HMMプロファイル)と比較することが好ましい(実施例1参照)。
PFAMデフェンシンファミリーにはデフェンシン_1、すなわち「哺乳類デフェンシン」(受託番号PF00879)、デフェンシン_2、すなわち「節足動物デフェンシン」(受託番号PF01097)、デフェンシン_ベータ、すなわち「ベータデフェンシン」(受託番号PF0071 1)、デフェンシン_propep、すなわち「デフェンシンプロペプチド」(受託番号PF00879)、およびガンマ−チオニン、すなわち「ガンマ−チオニンファミリ」(受託番号PF00304)が含まれる。
上記デフェンシン類はアルファ−デフェンシンクラス、ベータ−デフェンシンクラス、シータ−デフェンシンクラス、昆虫または節足動物デフェンシンクラス、または植物デフェンシンクラスに属しうる。
1の実施態様では、本発明のデフェンシンのアミノ酸配列は、4、5、6、7、または8のシステイン残基、好ましくは、4、5、または6のシステイン残基、より好ましくは4または6のシステイン残基、最も好ましくは6のシステイン残基を含む。
上記デフェンシン類は、上記デフェンシンクラスのいずれの特徴を有する合成デフェンシンであってもよい。
こうしたデフェンシンには例えば、α−デフェンシンHNP−1(ヒト好中球ペプチド)HNP−2およびHNP−3;β−デフェンシン−12、ドロソマイシン(Drosomycin)、ヘリオマイシン(Heliomicin)、γ1−プロチオニン(purothionin)、昆虫デフェンシンA、およびPCT出願 WO 99/53053、WO 02/06324、WO 02/085934、WO 03/044049、WO 2006/050737およびWO 2006/053565に開示されたデフェンシン類が含まれるが、これらに限定されるものではない。
単離ポリペプチド:用語「単離変異体(isolated variant)」または「単離ポリペプチド」は、本明細書中では、ソースから単離した変異体またはポリペプチドを言う。1の態様では、上記変異体またはポリペプチドの純度は、SDS−PAGEでの測定で、少なくとも1%、好ましくは、少なくとも5%、より好ましくは、少なくとも10%、より好ましくは、少なくとも20%、より好ましくは、少なくとも40%、より好ましくは、少なくとも60%、さらに好ましくは、少なくとも80%、そして、最も好ましくは、少なくとも90%である。
実質的に純粋なポリペプチド:用語「実質的に純粋なポリペプチド」は、本明細書中では、天然にまたは組み換え技術によって結合した他のポリペプチド物質を重量%で最大10%、好ましくは最大8%、より好ましくは最大6%、より好ましくは最大5%、より好ましくは最大4%、より好ましくは最大3%、さらに好ましくは最大2%、最も好ましくは最大1%、およびさらに好ましくは最大0.5%を含むポリペプチド標品をさす。よって、上記実質的に純粋なポリペプチドは、上記標品中に存在する全ポリペプチド物質に対し少なくとも92重量%の純度、好ましくは少なくとも94重量%の純度、より好ましくは少なくとも95重量%の純度、より好ましくは少なくとも96重量%の純度、より好ましくは少なくとも96重量%の純度、より好ましくは少なくとも97重量%の純度、より好ましくは少なくとも98重量%の純度、さらに好ましくは少なくとも99重量%の純度、最も好ましくは少なくとも99.5重量%の純度、およびさらに好ましくは100重量%の純度である。本発明のポリペプチドは、実質的に純粋な形であることが望ましい。このことは、例えば、周知の組み換え方法や標準的な精製法でポリペプチドを調製することによって実現できる。
同一性:2のアミノ酸配列の関連性や2のヌクレオチド配列の関連性は「同一性」パラメータで記述される。
本発明の目的には、2つのアミノ酸配列間の同一性の程度は、好ましくはバージョン3.0.0以降のEMBOSSパッケージ(EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice et al., 2000, Trends in Genetics 16: 276−277; http://emboss.org)のNeedleプログラムで使用されているNeedleman−Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48: 443−453)を用いて決定される。任意のパラメータとして、ギャップオープンペナルティ(gap open penalty)10、ギャップ伸長ペナルティ0.5(gap extension penalty)、および、EBLOSUM62(EMBOSS version of BLOSUM62)置換マトリクスが使用される。「最長同一性(longest identity)」と標識されたNeedleの出力(-nobriefオプションを用いて得られる)は、同一性のパーセント(percent identity)として使用され、次のように計算される:
(同定残基×100)/(アライメント長−アライメント中の全ギャップ数)
本発明の目的のために、2つのデオキシリボヌクレオチド配列間の同一性の程度は、好ましくはバージョン3.0.0以降のEMBOSSパッケージ(EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice et al., 2000, 上記参照; http://emboss.org)のNeedleプログラムで使用されているNeedleman−Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, 上記参照)を用いて決定される。ギャップ開始ペナルティ10、ギャップ伸長ペナルティ0.5、EDNAFULL (EMBOSS version of NCBI NUC4.4)置換マトリクスが任意のパラメータとして使用される。「最長同一性」として標識されたNeedleの出力は、同一性のパーセントとして使用され、次のように計算される:
(同定デオキシリボヌクレオチド×100)/(アライメント長−アライメント中の全ギャップ数)
対立遺伝子変異体:用語「対立遺伝子変異体(allelic variant)」は、本明細書中では、同じ染色体の座を占める遺伝子の、2以上の代替形状のいずれかを示す。対立遺伝子変異体は天然には突然変異を通じて発生し、集団内部での多様性をもたらす。遺伝子の突然変異は沈黙状態(コードされたポリペプチドの変化なし)のこともあり、また、変化したアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする場合もある。ポリペプチドの対立遺伝子変異体は、遺伝子の対立遺伝子変異体によってコードされたポリペプチドである。
修飾:用語「修飾」は、本明細書中では、配列番号1のアミノ酸配列から成るポリペプチドの化学修飾を意味し、そのポリペプチドをコードするDNAの遺伝子操作も同様に意味する。修飾は、アミノ酸の置換、欠失、および/またはアミノ酸側鎖の挿入およびアミノ酸側鎖の置換;または、アミノ酸配列内における、類似の性質を持つ非天然アミノ酸の使用であってよい。特に、修飾はC末端のアミド化などのアミド化であってよい。
抗菌活性を有するポリペプチド
第1の態様では、本発明は、抗菌活性を有する、配列番号1との同一性の程度が少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、および、特に少なくとも97%のアミノ酸配列を有する単離ポリペプチド(以下、「同種ポリペプチド(homologous polypeptides)」)に関する。好ましい態様では、上記同種ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列と最大6アミノ酸まで、好ましくは最大5アミノ酸まで、より好ましくは最大4アミノ酸まで、さらに好ましくは最大3アミノ酸まで、最も好ましくは最大2アミノ酸まで、および 特に1アミノ酸まで異なるアミノ酸配列を有する。
本発明のポリペプチドは、好ましくは配列番号1のアミノ酸配列またはその対立遺伝子変異体を含む。好ましい態様では、ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を含む。他の好ましい態様では、ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列またはその対立遺伝子変異体から成る。他の好ましい態様では、ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列からなる。
好ましくは、アミノ酸の変化はわずかなもの、すなわち、保存アミノ酸置換または挿入であって、ポリペプチドの折りたたみや活性に重大な影響を与えないもの;単一欠失;アミノ−またはカルボキシル−末端の小規模延長;最大20−25残基の小さなリンカーペプチド;または、正味の電荷や他の機能を変化させることで純化を促進させる、小規模の延長であって、例えばポリヒスチジンタグ、抗原エピトープ、または結合ドメインなどである。
保存置換の例としては、塩基性アミノ酸 (アルギニン、リジン、およびヒスチジン)、 酸性アミノ酸(グルタミン酸およびアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミンおよびアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、およびバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシン)、および小アミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、トレオニン、およびメチオニン)のグループ内部でのものがある。特定の活性を通常変化させないアミノ酸置換技術は既知であり、例えば、H. Neurath and R.L. Hill, 1979, In, The Proteins, Academic Press, New Yorkに記載されている。最も一般的な変換はAla/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu、および Asp/Glyである。
20の標準アミノ酸に加え、非標準アミノ酸(4−ヒドロキシプロリン、6−N−メチルリジン、2−アミノイソブチル酸、イソバリン、および、アルファ−メチルセリンなど)が、野生型ポリペプチドのアミノ酸残基を置換してもよい。限定数の非保存アミノ酸、遺伝子コードでコードされないアミノ酸、および非天然アミノ酸でアミノ酸残基を代替してよい。「非天然アミノ酸」はタンパク質合成後に修飾され、および/またはその側鎖に標準アミノ酸とは異なる化学構造を有する。非天然アミノ酸は化学合成され、好ましくは商業的に入手できるものであり、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−および4−メチルプロリン、および3,3−ジメチルプロリンが含まれる。
親ポリペプチド中の必須アミノ酸は、部位特異的変異やアラニンスキャン変異(alanine-scanning mutagenesis)など既知の手段で同定することがでる(Cunningham and Wells, 1989, Science 244: 1081−1085)。後者の技術では、単一のアラニン変異を分子内の残基毎に導入し、得られた変異分子の生物活性(例えば抗菌活性)を試験し、分子の活性に必須なアミノ酸残基を特定する。Hiltonら, 1996, J. Biol. Chem. 271: 4699−4708も参照。生物学的相互作用もまた、想定される接触部位アミノ酸の突然変異と関連し、核磁気共鳴、結晶学、電子線回折、または光親和性標識のような技術で測定できるのと同様に、構造の物理解析で求めることができる。例えば、de Vosら, 1992, Science 255: 306−312; Smithら, 1992, J. Mol. Biol. 224: 899−904; Wlodaverら, 1992, FEBS Lett. 309:59−64を参照。必須アミノ酸の同一性もまた、本発明のポリペプチドに関連したポリペプチドとの同一性解析から推定することができる。
突然変異、組み換え、および/またはシャッフリングの既知の方法を用いて単一のまたは複数のアミノ酸置換を行い、テストし、下記文献に開示されたスクリーニング法を適用した:Reidhaar−Olson and Sauer, 1988, Science 241: 53−57; Bowie and Sauer, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 2152−2156; WO 95/17413; またはWO 95/22625。他に使用することのできる方法としては、エラープローンPCR、ファージディスプレイ(例えば,Lowmanら, 1991, Biochem. 30:10832−10837; U.S. Patent No. 5,223,409; WO 92/06204)、および領域特異的変異(Derbyshireら, 1986, Gene 46:145; Ner et al., 1988, DNA 7:127)がある。
突然変異/シャッフリング法は、スループットの高い自動スクリーニング法と組合せ、ホスト細胞によって発現された突然変異ポリペプチドのクローンの活性を測定することができる。活性ポリペプチドをエンコードする突然変異DNA分子をホスト細胞から回収し、従来技術を用いて速やかに配列を定めることができる。これらの方法によれば、興味あるポリペプチド中のアミノ酸残基の重要性を速やかに決定することができ、未知の構造を有するポリペプチドに適用することができる。
好ましい実施態様では、本発明のポリペプチドはデフェンシンポリペプチドであり、好ましくは、ベータ−デフェンシンポリペプチドである。
N−末端伸長
本発明のポリペプチドのN−末端伸長は、1−50のアミノ酸から、好ましくは2−50のアミノ酸から、特に3−15のアミノ酸から成ってよい。1の実施態様では、N−末端ペプチド伸長には、Arg(R)は含まれない。他の実施態様では、N−末端伸長は、以下で更に定義される、kex2またはkex2類似の切断部位を含む。好ましい実施態様では、N−末端伸長はEAE、EE、DE、およびDDの配列の1つを含むN−末端伸長など、少なくとも2のGlu (E)および/または Asp (D)を含むペプチドである。
Kex2サイト
Kex2サイト(例えば、Methods in Enzymology Vol 185, ed. D. Goeddel, Academic Press Inc. (1990), San Diego, CA, “Gene Expression Technology”を参照)およびkex2様部位は、二塩基認識部位(例えば切断部位)であって、いくつかのタンパク質のプロペプチドエンコード領域と成熟領域の間に見出される。
kex2またはkex2様サイトの挿入により、場合によっては、プロペプチド切断部位におけるエンドペプチダーゼプロセッシングの正確さが向上することが示され、その結果、タンパク質分泌レベルが上昇する。
本発明においては、kex2またはkex2様サイトの挿入によって、N末端伸長の特定の部位における切断が可能となり、その結果、配列番号1で示される成熟ポリペプチドと比較して伸長した抗菌ポリペプチドが得られることとなる。
融合ポリペプチド
さらに本発明のポリペプチドは、他のポリペプチドが本発明のポリペプチドまたはそのフラグメントのNまたはC末端に融合した、融合ポリペプチドまたは切断可能な融合ポリペプチドを含む。融合ポリペプチドは、他のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を、本発明のヌクレオチド配列(またはその部分)に融合させることで製造される。融合ポリペプチドの製造技術は公知であり、ポリペプチドをコードするコーディング配列のライゲーション(ligation)を含み、そうすることで、それらの骨格ができ、同じプロモータおよびターミネータの制御下に融合ポリペプチドが発現する。
方法と使用
本発明は、髄膜炎治療用のポリペプチドの使用に関する。従って、本発明のポリペプチドは、抗菌性の、動物またはヒトの治療または予防薬に使用することができる。すなわち、本発明のデフェンシン変異体は、髄膜炎治療のための、動物またはヒト用の治療または予防薬として使用することができる。
本発明のポリペプチドは、連鎖球菌、例えばストレプトコッカス ニューモニエの成長を停止または阻害するに十分な量使用することができる。
本発明のポリペプチドの製剤は髄膜炎、例えば細菌性髄膜炎に罹患した、または罹患しやすい宿主へ投与される。1の実施態様では、髄膜炎は、ペニシリン耐性ストレプトコッカス ニューモニエへの感染に起因する。
投与は局所または全身に行われる。通常、本発明の抗菌ポリペプチドの投与量は、微生物個体群を、少なくとも1ログまで、および2ログまたはそれ以上まで減少させるに十分な量であろう。本発明のポリペプチドは、副作用を最小に抑えながら、微生物個体群を減少させる量投与される。生体への使用に関し、内科医の指導のもとに得られた配合が使用されるものと考えられる。
様々な投与法が使用される。ポリペプチド製剤は経口で、または経脈管的に、筋肉に、皮下に、腹膜に、噴霧器で、眼胞に、膀胱に、経皮的に、等投与してよい。治療用製剤の投与量は、投与される殺菌ポリペプチド、投与頻度、投与方法、宿主からの剤のクリアランス等によって大きく変化する。初期投与量は多めに、以降の維持投与量は少なめにしてよい。多くの場合、経口投与では、静注より必要な投与量は多くなる。アミド結合のほかに、アミノ末端やカルボキシ末端もまた、経口投与の安定性を大きくするように修飾してよい。例えば、カルボキシ末端はアミド化してよい。
製剤
本発明のポリペプチドは、治療学的投与のために種々の製剤に導入することができる。より具体的には、本発明のポリペプチドは、適当な、医薬的に許容される担体や希釈剤と組合せて医薬組成物に製剤化することができ、また、錠剤、カプセル剤、散剤、ガス状、軟膏剤、水剤、坐剤、注射剤、吸入剤、及びエーロゾル剤などの固体、半固体、液体、又はガス状の形態の調製物に製剤化することができる。 このようにして、薬剤の投与は、経口、口腔、直腸、非経口、腹腔内、皮内、経皮、気管内などの投与を含む種々の方法で行うことができる。本発明の抗菌ポリペプチドは、投与後全身性となり得、または局在化されうる。
本発明のポリペプチドは、単独で、互いに組み合わせて、または他の既知の化合物(例えば、パーフォリン、抗炎症剤、抗生物質、等)と組合せて使用される。薬学的剤型では、ポリペプチドはその薬学的に許容される塩の形で投与することができる。以下の方法及び賦形剤は単に代表例であり、何ら限定するものではない。
経口調製物としては、ポリペプチドを単独で、又はラクトース、マニトール、コーンスターチ又はポテトスターチなど従来の適当な添加物と;結晶セルロース、セルロース誘導体、アラビアゴム、コーンスターチ、ゼラチンなどの結合剤と;コーンスターチ、ポテトスターチ、又はカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの崩壊剤と;タルク又はステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤と;また、必要な場合には希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤、及び香味剤と組み合わせて、錠剤、散剤、顆粒剤又はカプセル剤を作ることができる。
ポリペプチドは、植物又は他の同様のオイル、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸又はプロピレングリコールのエステルなど水性又は非水性溶媒中で、また、所望する場合には、可溶化剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤、及び保存剤などの慣用的な添加剤などとともに溶解、懸濁、又は乳化することにより、注射用の調製物に製剤化することができる。
ポリペプチドはエアロゾル製剤として、吸入投与することができる。本発明のポリペプチドは、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの、許容される噴射剤の加圧噴射剤に製剤化することができる。
さらに、ポリペプチドは、乳化基剤又は水溶性基剤などの種々の基剤と混合することにより、坐剤にすることができる。本発明のポリペプチドは坐剤により直腸投与することができる。坐剤にはビヒクルが含まれる。坐剤は、体温で溶け、かつ、さらに室温で固体化するカカオ脂、カーボワックス、及びポリエチレングリコールなどのビヒクルを含むことができる。
シロップ剤、エリキシル剤、及び懸濁剤などの経口又は直腸投与用の単位剤形を提供することができ、各投薬単位、例えば、ティースプーンフル、テーブルスプーンフル、錠剤、又は坐剤、は1つ以上の阻害剤を含有する所定量の組成物を含む。同様に、注射又は静脈内投与用の単位剤形は、滅菌水、通常の生理食塩水、又は別の薬学的に許容される担体中の溶液としての組成物中に本発明のポリペプチドを含む。
徐放性製剤用のインプラントは公知の技術である。インプラントは、生分解性または非生分解性ポリマーなどを用いて、マイクロスフェアやスラブなどとして製剤化される。例えば、乳酸および/またはグリコール酸は、宿主による忍容性良好な浸食性ポリマーを形成する。本発明の抗菌ポリペプチドを含むインプラントは、感染領域に隣接して配置することで、体の残りの部分と比較して、活性剤の局所濃度が上昇する。
本明細書に用いられる用語「単位剤形」は、ヒト及び動物被検体用の単位用量として好適な物理的に区別される単位をいい、各々の単位は、薬学的に許容される希釈剤、担体、又はビヒクルに関連して所望の効果を生じるのに十分な量で計算された所定量の本発明の化合物を含有する。本発明の新規な単位剤形のための特定は、用いる特定の化合物及び達成される効果、並びに宿主中での各化合物に関連する薬力学に依存する。
ビヒクル、補助剤、担体、又は希釈剤などの薬学的に許容される賦形剤は、一般の人が容易に入手可能である。さらに、pH調整剤及び緩衝剤、等張化剤、安定化剤、湿潤剤などの薬学的に許容される補助物質は、一般の人が容易に入手可能である。
全身投与に対する典型的な投薬量としては、患者の体重1kgあたり投与毎に、0.1pgから100mgである。典型的な投薬量は、1錠を1日に2〜6回、または比例して活性成分量の多いタイムリリースカプセルまたは錠剤を1日にひとつ、であってよい。タイムリリース効果は、種々のpH値で溶解するカプセル材料によって、浸透圧によって徐々に放出するカプセルによって、または任意の既知の制御放出手段によって得ることができる。
投与量レベルは、特定の化合物、症状の重症度、及び副作用に対する被検体の感受性の関数として変動することができることを当業者は容易に理解するだろう。所定の化合物の好ましい投与量は、種々の手段により当業者が容易に決定できる。好ましい手段は、所定のポリペプチドの生理学的効力を測定することである。
輸送手段としてのリポソームの使用は、興味ある方法の1つである。リポソームは標的部位の細胞と融合し、内腔の内容物を細胞内に移送する。リポソームと細胞との融合する時間が十分とれるように、単離、結合剤など、接触を維持する様々な方法を用いて、接触が維持される。本発明の1の態様では、リポソームは経肺投与用にエアロゾルとしてデザインされる。リポソームは、センダイウィルスやインフルエンザウィルスなど、膜融合を媒介する、精製タンパク質またはペプチドを用いて調製してよい。上記脂質は、既知のリポソーム形成脂質の任意の有用な組合せであってよく、ホスファチジルコリンなど、カチオンや両性イオン脂質が含まれる。残存脂質は通常中性または酸性脂質であり、例えば、コレステロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロールなどである。
リポソームの調製には、Katoら、(1991) J. Biol. Chem. 266:3361に記載の手順を使用してよい。簡単にいえば、脂質とペプチドを含有する内腔組成物を適当な水性媒質中で混合する。水性媒質としては、全固形物が約1から10重量%の範囲内にある生理食塩水が便利である。5−60秒の短時間の強い撹拌の後、管を約25−45℃の温水槽中に配置し、このサイクルを5−10回繰り返す。続いて、都合のよい時間、通常約1−10秒間、上記組成物を超音波で分解し、さらに渦撹拌してよい。続いて水性媒体を加えて、通常約1−2倍に体積を増加させ、その後振盪し冷却を行う。上記方法によって、高分子量分子の内腔への取込みが可能になる。
他の活性薬剤との製剤
本方法に使用するために、本発明の抗菌ポリペプチドを薬学的に活性な他の薬剤、特に他の抗菌剤と製剤化してよい。興味のある他の薬剤として、広範囲の抗生物質がこの技術分野で知られている。抗生物質のクラスには、例えばペニシリンG、ペニシリンV、メチシリン、オキサシリン、カルベニシリン、ナフシリン、アンピシリンなどのペニシリン類;ベータラクタマーゼ阻害剤であるセファクロア(cefaclor)、セファゾリン、セフロキシム、モクサラクタムなどのセファロスポリン類と組合せたペニシリン類;カルバペネム類;モノバクタム類;アミノグリコシド類;テトラサイクリン;マクロライド類;リンコマイシン類;ポリミキシン類;スルホンアミド類;キノロン類;クロラムフェニコール類;メトロニダゾール;スペクチノマイシン;トリメトプリム;バンコマイシン等が挙げられる。
抗真菌薬も有用でり、アムホテリシンB、ナイスタチン;5−フルコシンなどのポリエン類;および、ミコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾールおよびフルコナゾールなどのアゾール類が含まれる。抗結核薬にはイソニアジド、エタンブトール、ストレプトマイシンおよびリファンピンが含まれる。例えば、インターフェロンγ、腫瘍壊死因子α、インターロイキン12などのサイトカインも、本発明の抗菌ポリペプチドの製剤に含まれてよい。
インビトロ合成
本発明のポリペプチドは、当該技術分野で既知の一般的な方法を用いて、インビトロ合成により調製してよい。様々な市販の合成装置、例えばApplied Biosystems Inc.やBeckmanなどの自動化された合成装置が利用できる。合成装置を用いて、天然に存在するアミノ酸を非天然アミノ酸、特に、例えばD−アラニンやD−イソロイシンなどのD−アイソマー(D−形)、ジアステレオマー、異なった長さや機能を有する側鎖などで置換してもよい。具体的な配列や調製方法は便宜性、経済性、必要な純度等によって決定される。
化学結合は、例えば還元的アミノ化など置換アミン生成のためのアミノ基、チオエーテルやジスルフィド生成のためのチオール基、アミド生成のためのカルボキシル基など、結合に便利な官能基を有する種々のペプチドやタンパク質に対して行われる。
必要な場合には、合成や発現の過程で種々の基がペプチドに導入されてよく、これによって、他の分子や表面に結合を形成することが可能となる。すなわち、システインを用いればチオエーテルができ、ヒスチジンを用いれば金属イオン錯体との結合ができ、カルボキシル基を用いればアミドやエステルが形成され、アミノ基を用いればアミドが形成される、などである。
ポリペプチドは、従来の組み換え合成法に従って、単離・精製してもよい。発現宿主の溶解物を調製し、HPLC、排除クロマトグラフィ、ゲル電気泳動、親和性クロマトグラフィ、または他の精製技術を用いて精製してよい。主として、使用される組成物は、望みの生成物を、少なくとも20重量%、より一般的には少なくとも75重量%、好ましくは、少なくとも9%重量%含み、治療目的には、製品の製造と精製の方法に関連する混入物質に関連し、通常少なくとも約99.5重量%含む。通常、パーセンテージは全タンパク質を基礎としている。
本発明は更に、以下の実施例で説明されるが、これによって本発明の範囲が限定されると解釈すべきではない。
実施例1
PFAMデータベースのHMMファイルを用いたデフェンシンの同定
隠れマルコフモデルプロファイル(HMMプロファイル)を用いた配列解析は、インターネット上オンラインで行ってもよく、ローカルのコンピュータ上で、無料で利用できる周知のHMMERソフトウェアパッケージを用いて行ってもよい。現在のバージョンは2003年10月からのHMMER 2.3.2である。
HMMプロファイルは周知のPFAMデータベースから得ることができる。現在のバージョンは2004年11月からのPFAM 16.0である。HMMERとPFAMは両方とも、例えば、Washington University in St. Louis (USA), School of Medicine (http://pfam.wustl.edu およびhttp://hmmer.wustl.edu)から、すべてのコンピュータプラットフォーム用に入手可能である。
質問アミノ酸配列またはそのフラグメントが以下の5PFAMファミリーの1つに属するならば、該アミノ酸配列は、本発明のデフェンシンである:
−デフェンシン_ベータまたは“ベータデフェンシン”、受託番号: PF00711;
−デフェンシン_propepまたは“デフェンシンプロペプチド”、受託番号: PF00879;
−デフェンシン_1または“哺乳類デフェンシン”、受託番号: PF00323;
−デフェンシン_2または“節足動物デフェンシン”、受託番号: PF01097;
−ガンマ−チオニンまたは“ガンマ−チオニンファミリ”、受託番号: PF00304.
PFAMデータベースをオンラインで使用し、またはhmmpfamプログラム(HMMERソフトウェアパッケージから)をローカルで使用し、あるアミノ酸配列が0.1より大きなE値、およびゼロ以上のスコアを生成した時は、そのアミノ酸配列はPFAMファミリーに属する。
配列解析をhmmpfamプログラムを用いてローカルで行った時、PFAMデータベースからHMMプロファイルを入手(ダウンロード)する必要がある。各ファミリーに対して2つのプロファイル、グローカルサーチ用のxxx_ls.hmm、およびローカルサーチ用のxxx_fs.hmmが存在する。これによって上記5ファミリー用に全部で10プロファイルができる。
この10プロファイルは個別に使用してよく、また、(テキストエディタを用いて−プロファイルはASCIIファイルである)結合して(付加して)、例えばdefensin.hmmといった名前の単一のプロファイルにしてもよい。質問アミノ酸配列は次のコマンドラインを用いて評価することができる:
hmmpfam −E 0.1 defensin.hmm sequence_file
−ここで、「sequence_file」は上記質問アミノ酸配列を有するファイルであって、HMMERソフトウェアパッケージで認識できる任意のフォーマットである。
スコアがゼロ(0.0)以上、E値が0.1より大の場合、質問アミノ酸配列は本発明のデフェンシンである。
PFAMデータベースは更に、Batemanら (2004) “The Pfam Protein Families Database”, Nucleic Acids Research, Vol. 32 (Database Issue) pp. D138−D141に記載されている。
実施例2
髄膜炎における合成デフェンシンのCSF浸透および殺菌効果
ペニシリン耐性の血清型9Vストレプトコッカス ニューモニエ(1395)の分離株は、髄膜炎に罹患した78歳女性のCSFから初めて分離されたものであり、髄膜炎モデルにおいて使用された。この菌株はかつてモキシフロキサシンによる髄膜炎治療効果の評価に用いられた(Ostergaardら、 “モキシフロキサシンの評価、新規な8−メトキシキノロン、ウサギのペニシリン耐性肺炎球菌に起因する髄膜炎の治療(Evaluation of moxifloxacin, a new 8-methoxyquinolone, for treatment of meningitis caused by a penicillin-resistant pneumococcus in rabbits)”, Antimicrob Agents Chemother, vol. 42(7), pp. 1706−1712 (1998)を参照)。
上記菌株の毒性は、バクテリアをマウス腹膜炎モデルを通すことで強くなった。腹水からサンプリングしたバクテリアを血液寒天培地で成長させ、回収し、牛肉培養液中で10%グリセロールで希釈し、−80℃で凍結した。
バクテリアのアリコートを解凍し、血液寒天培地で成長させ、無菌の牛肉培養液に懸濁させ、540nmでの光学濃度を3.5とし、希釈して最終濃度を1−2×106CFU/mlとした。
実験で使用した合成デフェンシンは配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドである。実施例では、この合成デフェンシンは「Meningicin」と称する。ストレプトコッカス ニューモニエ(1395)に対するMeningicinの最小発育阻止濃度は0.25μg/mlであった。
効果研究において、髄膜感染症の除去におけるMeningicinの有効性を、ペニシリン耐性株を有する肺炎球菌性髄膜炎に罹患した患者の治療によく用いられる抗生物質であるセフトリアキソンのそれと比較し、また、治療薬を与えない(「ビヒクル」)場合の効果と比較した。セフトリアキソンのストレプトコッカス ニューモニエ(1395)に対するMICは0.5 μg/mlであった。
Meningitisモデル
体重約2500gの、オスのニュージーランド白ウサギを実験に使用した。上記ウサギは、順応のため、実験の1−2週間前に施設に到着した。これらは干し草で覆われたシングルケージに保管し、食物と水を自由に与えた。研究所では獣医の専門知識を得ることができ、実験計画は研究所の動物法制委員会に承認された。
定位固定装置中での固化の準備
上記ウサギの体重を量り、ドルミカム0.5ml/kg(ミダゾラム5mg/ml) s.c.、10分後にヒプノルム(hypnorm) 0.35ml/kg(フェンタニルクエン酸+フルアニソン) i.m.で麻酔を行った。
耳、頭皮および首の毛をそり、皮膚を消毒した。前額部を約2cm切開し、鈍的切開により頭皮を露出した。4つの掘削孔をあけ四角形を画定し、4つのねじを表面に対し垂直に締め付けた(2.5から3回)。アクリル製ヘルメットを歯科用鋳造材料から直接ウサギの頭皮の上に成形し、流水で冷却した。ウサギをケージに戻し、餌と水を自由に与え、非感染ウサギの細菌接種の時間、または薬物動態治療研究の開始まで8−10時間休ませた。ブプレノルフィン0.1 mg/kgで鎮痛した。
細菌接種
メニンジシン(Meningicin)を用いた治療実験の前夜10時に、上記ウサギに再度麻酔をかけた。ウサギの頭を定位固定フレームに固定し、脊髄カニューレを大槽に導入し、肺炎球菌を1×105CFU接種した。細菌接種の後、ウサギはケージに戻し、さらに8時間、餌と水を与えた。ブプレノルフィン0.1 mg/kgで鎮痛した(備考:非感染ウサギには細菌接種は行っていない)。
薬物動態研究および効果研究の手順
ウレタン3.5 ml/kg (ジメチルアクリル酸(dimethyl-acrylat) 50%、1.75 g/kg) s.c.を用いて、上記ウサギに再度麻酔をかけた。静脈カテーテルを左耳静脈に適用し、メブマール約0.5−1ml(ペントバルビタール50mg/ml) i.v.をゆっくりと、ウサギが眠り、深く麻酔状態になるまで注入した。三方活栓を静脈カテーテルおよび補助麻酔としてペントバルビタールを含むシリンジに取り付け、等張NaClおよびヘパリン1UI/mlをフラッシング用にタップに取り付けた。ウサギを半時間毎に観察した。補助麻酔が必要になったら、メブマール0.2ml(ペントバルビタール50mg/ml)を追加した。実験の間、実験動物部門のスキームおよび実験動物査察の基準に基づき観察および麻酔を記録した。
動脈カニューレを右耳の動脈に適用し、実験中の血液のサンプリングに利用した。ボルトをアクリル製ヘルメットに組込まれたターンバックルに締め付け、ウサギの頭を定位固定フレームに固定した。ウサギは実験の間中固定されたままだった。
大槽を脊髄カニューレで穿刺し、定位固定フレームに固定した。実験中カニューレは所定の位置に残し、CSFサンプリングに利用した。
実験の適切な時点で、血液1mlおよびCSF0.3mlを動脈カニューレ/脊髄から吸引し、EDTA−チューブ/エッペンドルフ−チューブに移した。最後のサンプリングの後、実験を終了し、ウサギをメブマール(ペントバルビタール200mg/ml)過剰投与で殺処分した。
解析
メニンジシンのCSFおよび血漿濃度をHPLCを用いて測定した。接種材料およびサンプル中の細菌濃度を評価するにあたっては、連続10倍希釈物(試験物質20μlが必要)を、血液寒天培地上に50μlのスポットとして用いてCFU/mlの計算を行った。
薬物動態研究の詳細
メニンジシン(投薬量は各20、40、および40mg/kg)を上記三方活栓を通し、実験開始から10分間かけて静脈内ボーラス投与した。
炎症を起こした髄膜のメニンジシン通過の研究に使用したウサギを上述の通り感染させ、細菌接種10時間後にメニンジシン点滴投与を行った。2グループのウサギを用いて浸透研究を行い、炎症を起こした髄膜および炎症を起こしていない髄膜を通して3種の投与量で評価した。メニンジシンの投与から0、1/4、1/2、1、1・1/2、2、3、4、5および6時間後に血液およびCSFをサンプリングし、メニンジシンの濃度を測定した(HPLC)。メニンジシンに関して観察されたMICおよび薬物動態に基づき、治療臨床試験の投与計画を確立した。
薬効研究の詳細
脊髄カニューレをつけ、CSF0.5mlをシリンジに吸引した。0.1mlを使用して接種前に細菌を溶解し、その後0.2mlを使用して、シリンジとカニューレを洗浄した。接種の連続10倍希釈により、感染用量を確認した。
メニンジシンまたはセフトリアキソンを用いた治療を細菌接種の10時間後に開始した。血液および脳脊髄液のサンプリングを、抗生物質の静脈投与の0、1、3、5、6および10時間後に行った。抗生物質の濃度および細菌数を測定した。
薬物動態の結果
上述の通り、メニンジシンは20mg/kg、40mg/kgおよび80mg/kgの量を投与した。感染したウサギの血清中のメニンジシン濃度を測定し、「曲線下の面積(area under the curve)」(AUC血清)を計算した。同様に、脳脊髄液(CSF)中のメニンジシン濃度を測定し、「曲線下の面積」(AUC CSF)を計算した。
Figure 2011516450
有効性研究の結果
有効性研究を3連で行った。用量40mg/kgのメニンジシンを時間=0で投与し(治療の開始)、5時間後にまた用量20mg/kgのメニンジシンを投与した。セフトリアキソン(125mg/kg、時間=0の時)を陽性対照として使用した。下表は脳脊髄液中の細菌負荷を示す。
Figure 2011516450
下表は、治療時の脳脊髄液中の細菌負荷(Δ log CFU)減少を示す。データは時間=0で0.00から始まるように標準化されている。
結果は、髄膜炎治療におけるメニンジシンの非常に高い有効性を実証している。メニンジシンの有効性は、少なくともセフトリアキソンの有効性と同等である。
Figure 2011516450
Figure 2011516450
Figure 2011516450

Claims (9)

  1. 髄膜炎治療用の医薬の製造のための、配列番号1のアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む抗菌活性を有するポリペプチドの使用。
  2. 髄膜炎治療のための抗菌活性を有するポリペプチドであって、配列番号1のアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、前記ポリペプチド。
  3. 髄膜炎を治療する方法であって、治療を必要とする被験者に治療有効量、例えば抗髄膜炎有効量の、配列番号1のアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む抗菌活性を有するポリペプチドを投与することを含む、前記方法。
  4. 前記ポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸配列に少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、好ましくは、当該ポリペプチドが、配列番号1のポリペプチドを含むか、または配列番号1のポリペプチドからなる、請求項1〜3いずれか一項に記載の使用、ポリペプチド、または方法。
  5. 上記ポリペプチドがデフェンシンポリペプチド、好ましくはベータ−デフェンシンポリペプチドである、請求項1〜3いずれか一項に記載の使用、変異体、または方法。
  6. 髄膜炎が細菌性髄膜炎である、請求項1〜3いずれか一項に記載の使用、変異体、または方法。
  7. 細菌性髄膜炎が連鎖球菌属の感染に起因する、請求項6に記載の使用、変異体、または方法。
  8. 細菌性髄膜炎が肺炎球菌性髄膜炎である、請求項6に記載の使用、変異体、または方法。
  9. 肺炎球菌性髄膜炎がペニシリン耐性ストレプトコッカス ニューモニエの感染に起因する、請求項8の使用、変異体、または方法。
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