JP2011516424A - 上皮傷害の治療での使用のためのカルシウム模倣化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、全般的に、医薬の分野、とりわけ、上皮傷害、特に、虚血、低酸素症、外傷、化学溶解剤又は放射線曝露によるもの、を治療するための方法に関する。

Description

本発明は、全般的に、医薬の分野、とりわけ、上皮傷害、特に、虚血、低酸素症、外傷、化学溶解剤又は放射線曝露によるもの、を治療又は予防するための方法に関する。
急速に分裂する腸上皮は、虚血、化学療法又は放射線被爆による損傷に対して非常に感受性が高い。その結果起こる上皮傷害により、様々な腸細胞において、最終的に細胞破壊及び細胞死を引き起こし得る重要な代謝及び構造の変化が起こる。虚血に関連する細胞傷害の進行を制限するために血流の回復が必要であるにもかかわらず、虚血の腸への血流及び酸素供給の回復の結果、矛盾して組織傷害が促進され得る(再潅流傷害)。化学療法剤は、いくつかの異なる機構を介して、急速に増殖する細胞においてそれらの細胞崩壊性の作用を発揮し、これにより、究極的には細胞周期が停止し及び/又は細胞アポトーシスが引き起こされる。化学溶解剤/化学療法剤の細胞毒性作用は腫瘍特異的ではない。化学溶解剤投与後の胃腸毒性は、重篤な粘膜炎、体重減少及び全身性感染症を特徴とする。胃腸(GI)毒性による化学溶解剤の用量及び治療の制限により、感受性が高い患者において化学療法の有効性が損なわれる。
放射線を含む多様な治療の使用は、多くの悪性腫瘍を治療する上でごく一般的なものとなっており、癌患者の約半数がその治療の一部として放射線療法を受けている。放射線療法の断層撮影法での局所化及び細分化に対する現在の技術により、放射線療法の結果起こる短期及び長期の胃腸病的状態が顕著に減少した。それにもかかわらず、殆どの患者が、下痢、腹部疼痛、鼓張、裏急後重及び出血などの、急性の放射線療法に伴うGI症状を経験する。放射線野が上部GI管を含む場合、胸部疼痛、嚥下困難及び嚥下痛が見られ得る。通常、これらの症状は、放射線療法終了後すぐに消失する。しかし、放射線療法を受けている患者の最大で4分の1は、治療完了後3ヶ月を超えて呈する症状として定義されるある形態の慢性傷害も発現する。症状は、通常、治療開始後の最初の2年以内で顕著である。しかし、患者の中には、何年にも又は数十年にわたり症状を発現しない者もいる。
紫外線(UV)光に対する皮膚の曝露により、急速かつ長期にわたる影響が生じ得る。UV光への曝露の主要な急性の影響には、日焼け及びビタミンD合成が含まれる。UV光に対する慢性的曝露により、皺、しみ、毛細管拡張症及び粗く日焼けした外観を呈する光損傷を受けた皮膚となり得、メラノーマ又は非メラノーマ皮膚癌の発症というより深刻な結果にもなり得る。皮膚癌のリスクはUV光への曝露の累積と大して相関はないが、皮膚癌は、一般に、UV光への曝露の長期続発症と考えられる。
皮膚創傷は完全修復に12から18ヶ月を要し得、瘢痕は、適正な創傷治癒を妨害する過度の治癒反応を引き起こす傷害の結果である。瘢痕は、創傷、火傷、手術、事故の結果であり得、細菌及び座瘡などの皮膚状態により起こり得る。
上皮傷害に関連する細胞死を抑制すること及び細胞の生存を促進することにおいて、有効な治療計画を提供する治療法が必要とされている。
本発明は、上皮傷害を治療又は予防することを必要とする対象に、カルシウム模倣化合物及び医薬的に許容可能な希釈剤又は担体を含む医薬組成物の治療的に許容される用量を投与することを含む、上皮傷害を治療又は予防するための方法を提供する。ある態様において、上皮傷害は腸の傷害である。別の態様において、上皮傷害は皮膚の傷害である。
ある態様において、上皮傷害は、低酸素症又は虚血により誘発され得る。別の態様において、上皮傷害は、化学溶解剤によるものであり得る。さらなる態様において、上皮傷害は、化学療法誘発性細胞毒性であり得る。別の態様において、上皮傷害は、放射線により誘発され得る。別の態様において、上皮傷害は、毒素、感染性因子又は化学物質により誘発され得る。
本発明は、上皮傷害を改善することを必要とする対象に、カルシウム模倣化合物の治療的有効量を投与することを含む前治療計画により上皮傷害を改善するための方法を包含する。ある態様において、前治療計画は、それを必要とする対象に、上皮傷害前の3日以内に、カルシウム模倣化合物の治療的有効量を投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、治療後処置計画をさらに含み得る。
本発明の方法は、発明を実施するための形態において詳述する。
本発明の方法において有用なカルシウム模倣化合物は、下記の発明を実施するための形態において詳述する。
ある態様において、対象は哺乳動物であり得る。ある態様において、対象はヒトであり得る。
ラットからの単離回腸絨毛における虚血性傷害からの保護におけるカルシウム模倣化合物Aの効果を示す。パネルAは、100%N(虚血性傷害)への曝露後の細胞内カルシウムの変化に対する経時変化を示す。パネルBは、N曝露後の回腸絨毛における細胞内カルシウムの変化のまとめである。パネルCは、カルシウム模倣物(100nM 化合物A)への5分間曝露の保護効果が、100%Nの存在下でカルシウム上昇を示さないことを示す。パネルDは、虚血性傷害に曝露された絨毛におけるカルシウム模倣物(100nM 化合物A)の保護効果のまとめである。 カルシウム模倣化合物がラット結腸陰窩での虚血に対する保護効果を示すことを示す。パネルAは、100%N(虚血性傷害)への曝露後の、結腸陰窩における細胞内カルシウムの変化に対する経時変化を示す。パネルBは、N曝露後の細胞内カルシウムの変化のまとめである。パネルCは、カルシウム模倣物(100nM 化合物A)への5分間曝露の保護効果により、100%Nの存在下でカルシウム上昇が見られないことを示す。パネルDは、虚血性傷害に曝露された結腸陰窩におけるカルシウム模倣物(100nM 化合物A)の保護効果のまとめである。 トリパンブルー色素排除による、カルシウム模倣物への短時間曝露後のラット回腸絨毛における細胞傷害に対する保護効果を示す。 傷害後第1日及び第3日での、全層創傷後の正常皮膚及び損傷皮膚におけるCaSR RNA発現を示す。カルシウム感知受容体RNAは、傷害後第1日(D1)及び第3日(D3)での、カルシウム模倣物(化合物B)処置動物における対照に対する%として表す(n=4−5)。 回腸の機能における放射線傷害の影響を示す。パネルAは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、マウス回腸絨毛細胞の完全性におけるUVA及びUVB放射線の影響の合成サマリープロットである。パネルBは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、CaSRノックアウトマウス細胞の完全性におけるUVA及びUVB放射線の影響の合成サマリープロットである。 結腸機能における放射線傷害の影響を示す。パネルAは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、マウス結腸陰窩細胞の完全性におけるUVA及びUVB放射線の影響の合成サマリープロットである。パネルBは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、CaSRノックアウトマウス細胞の完全性におけるUVA及びUVB放射線の影響の合成サマリープロットである。 回腸機能における放射線傷害の影響を示す。パネルAは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、マウス回腸絨毛細胞の完全性におけるUVA及びUVB放射線の影響の合成サマリープロットである。パネルBは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、CaSRノックアウトマウス細胞の完全性におけるUVA及びUVB放射線の影響の合成サマリープロットである。 回腸機能における化学的傷害の影響を示す。まとめのグラフは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、回腸切片における50mM ソルビトールからの化学的傷害の影響を示す。
I.定義
本明細書中で使用される場合、「対象」という用語は、治療を必要とする、ヒト又は動物を意味するものとする。この対象は、例えば、虚血、低酸素症、化学溶解剤又は放射線曝露による上皮傷害を有し得るか又は発現するリスクがあり得る。
疾患の「治療する」又は「治療」には、(1)疾患を阻害する、即ち疾患もしくはその臨床兆候の何れかの発現を阻止するかもしくは軽減するか又は(2)疾患を予防する、即ち、ある疾患もしくはその疾患を引き起こし得る状態であり得るか又はそれに曝露されているか又はその疾患に罹患しやすくなっているが疾患兆候をまだ発現していないか又は示さない対象において、疾患の臨床兆候を発現しないようにするか、(3)ある疾患を緩和する、即ち、ある疾患又はその臨床兆候の何れかの軽減を引き起こすことが含まれる。
1以上のさらなる治療薬と「組み合わせて」又は「一緒に」投与(すること)には、同時又は並行投与及びあらゆる順序での連続投与が含まれる。
「治療的有効量」という用語は、疾患の重症度及び発症頻度における改善の目的を達成する本発明の化合物の量である。疾患の重症度の改善には、疾患の好転ならびに疾患の進行の遅延が含まれる。
本明細書中で使用される場合、「カルシウム感知受容体」又は「CaSR」は、細胞外カルシウム及び/又はマグネシウムレベルの変化に反応するGタンパク質共役型受容体を指す。CaSRの活性化により、タプシガルジン−感受性細胞内貯蔵からカルシウムを移動させることによって、及び細胞膜における電圧に無反応のカルシウムチャネルを通じてカルシウム流入を増加させることによって、細胞質カルシウム濃度が急速に一過性に上昇する(Brownら、Nature 366:575−580、1993;Yamaguchiら、Adv Pharmacol 47:209−253、2000)。
「上皮傷害」という用語は、本明細書中で使用される場合、虚血、低酸素症、化学療法、放射線又は外傷による細胞性傷害を包含する。
「放射線」という用語は、放射線のイオン化及び非イオン化型の両方を包含し、赤外線、紫外線、α、β、γ及びX放射線を含む。
「紫外線」又は「UV光」は、本明細書中で使用される場合、約10から400nmの間の波長を有する電磁エネルギーを意味する。紫外線スペクトルは、3つの主要なセグメント、約320から400nmの波長のUV−A光、290から320nmの波長のUV−B光及び約10から290nmの波長のUV−C光に適宜に分けられる。UVスペクトルのUV−B部は、主に日焼けの発赤又は紅斑の発生に関与し、一方でUV−A光は、皮膚の充血又は日焼けを引き起こす効率はおよそ数千倍低い。太陽からのUV−C光は成層圏オゾンにより吸収される。
「化学溶解剤(chemolytics又はchemolytic agent)」という用語は、本明細書中で使用される場合、化学療法で使用される何らかの薬剤を意味する。化学溶解剤の例にはアルキル化薬(例えばシクロホスファミド)(このタイプの薬物は、DNAをアルキル化する。);DNAの産生を妨害し、細胞が増大及び増殖しないようにする代謝拮抗剤(例えば5−フルオロウラシル(5−FU));真菌から調製される抗腫瘍抗生物質(例えばドキソルビシン及びブレオマイシン);正常な細胞分裂を妨害する植物アルカロイド(例えばビンブラスチン及びビンクリスチン);及びホルモン依存性の癌で主に使用されるステロイドホルモン(例えばタモキシフェン)が含まれる。化学溶解剤又は化学療法剤のその他の例は当技術分野で周知である。
II.カルシウム模倣化合物及びそれらを含む医薬組成物、投与及び投薬
A.カルシウム模倣化合物、定義
本明細書中で使用される場合、「カルシウム模倣化合物」又は「カルシウム模倣物」という用語は、カルシウム感知受容体に結合し、内因性リガンドCa2+によりカルシウム感知受容体活性化に対する閾値を低下させる構造変化を誘導する化合物を指す。これらのカルシウム模倣化合物はまた、カルシウム受容体のアロステリック調節因子とも見なされ得る。
ある態様において、カルシウム模倣物は、次の活性の1以上を有し得る:30秒未満の持続時間の内部カルシウムの一過性の上昇を喚起する活性(例えば内部カルシウムを移動させることによる。);30秒以内に起こる[Ca2+ ]の急速な上昇を喚起、;[Ca2+ ]の持続性の上昇(30秒より長い。)を喚起する活性(例えば、外部カルシウムの流入を引き起こすことによる。);通常は60秒未満以内の、イノシトール−1,4,5−3リン酸又はジアシルグリセロールレベルの上昇を喚起する活性;及びドーパミン−又はイソプロテレノール刺激性の環状AMP形成を阻害する活性。ある態様において、[Ca2+ ]の一過性の上昇は、10mMフッ化ナトリウムで又はホスホリパーゼCの阻害剤で10分間細胞を前処理することにより阻止され得るか、又はタンパク質キナーゼCの活性化因子、例えば、ホルボールミリステートアセテート(PMA)、メゼレイン又は(−)インドラクタムVでの細胞の短時間の前処理(10分以下)によって一過性の上昇が縮小される。ある態様において、カルシウム模倣化合物は小分子であり得る。別の態様において、カルシウム模倣物は、CaSRに対するアゴニスト性抗体であり得る。
本発明において有用なカルシウム模倣化合物には、例えば、欧州特許第637,237号、同第657,029号、同第724,561号、同第787,122号、同第907,631号、同第933,354号、同第1,203,761号、同第1,235,797号、同第1,258,471号、同第1,275,635号、同第1,281,702号、同第1,284,963号、同第1,296,142号、同第1,308,436号、同第1,509,497号、同第1,509,518号、同第1,553,078号;国際公開WO93/04373、WO94/18959、WO95/11221、WO96/12697、WO97/41090、WO01/34562、WO01/90069、WO02/14259、WO02/059102、WO03/099776、WO03/099814、WO04/017908;WO04/094362、WO04/106280、WO06/117211;WO06/123725;米国特許第5,688,938号、同第5,763,569号、同第5,962,314号、同第5,981,599号、同第6,001,884号、同第6,011,068号、同第6,031,003号、同第6、172,091号、同第6,211,244号、同第6,313,146号、同第6,342,532号、同第6,362,231号、同第6,432,656号、同第6,710,088号、同第6,750,255号、同第6,908,935号、同第7,157,498号、同第7,176,322号及び米国特許出願公開第2002/0107406号、同第2003/0008876号、同第2003/0144526号、同第2003/0176485号、同第2003/0199497号、同第2004/0006130号、同第2004/0077619号、同第2005/0032796号、同第2005/0107448号、同第2005/0143426号、欧州特許出願PCT/EP2006/004166、仏国特許出願第0511940号に記載のものが含まれる。
ある種の実施形態において、カルシウム模倣化合物は、式Iの化合物及び医薬的に許容可能なその塩から選択される:
Figure 2011516424
(式中、X及びX(これらは同一であるか又は異なり得る。)は、それぞれ、CH、CHO、CHCHO、Br、Cl、F、CF、CHF、CHF、CFO、CHS、OH、CHOH、CONH、CN、NO、CHCH、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、アセトキシ及びアセチル基から選択される基であるか又はXの2つが、縮合環式脂肪族環、縮合芳香環及びメチレンジオキシ基から選択される部分を一緒に形成し得るか又はXの2つが、縮合環式脂肪族環、縮合芳香環及びメチレンジオキシ基から選択される部分を一緒に形成し得;ただしXは3−t−ブチル基ではなく;
nは、0から5の範囲であり;
mは、1から5の範囲であり;
アルキル基はC−Cアルキル基から選択され、このアルキル基は、場合によっては、飽和及び不飽和、線状、分岐型及び環状C−Cアルキル基、ジヒドロインドリル及びチオジヒドロインドリル基及び2−、3−及び4−ピペリジニル基から選択される少なくとも1つの基で置換される。)。
本カルシウム模倣化合物はまた、式IIの化合物:
Figure 2011516424
及び医薬的に許容可能なその塩からも選択され得る(式中、
は、アリール、置換アリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、シクロアルキル又は置換シクロアルキルであり;
は、アルキル又はハロアルキルであり;
は、H、アルキル又はハロアルキルであり;
は、H、アルキル又はハロアルキルであり;
存在する各Rは、独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロゲン、−C(=O)OH、−CN、−NRS(=O)、−NRC(=O)NR、−NRS(=O)NR又は−NRC(=O)Rからなる群から選択され;
は、アリール、置換アリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、シクロアルキル又は置換シクロアルキルであり;
各Rは、独立に、H、アルキル又はハロアルキルであり;
各Rは、独立に、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、これらのそれぞれは、未置換であるか又はアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ及びニトロからなる群から選択される3個以下の置換基により置換され得;
各Rは、独立に、アルキル、ハロアルキル、フェニル又はベンジルであり、これらのそれぞれは、置換され得るか又は未置換であり得;
各Rは、独立に、H、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、このアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキルは、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、R、−C(=O)R、−OR、−NR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)及び−S(=O)NRから選択される0、1、2、3又は4個の置換基により置換され;
mは、1又は2であり;
nは、0、1又は2であり;
pは、0、1、2、3又は4であり;
ただし、Rがメチルであり、pが0であり、Rが未置換フェニルであるならば、Rは、2,4−ジハロフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,4−ジエチルフェニル、2,4,6−トリハロフェニル又は2,3,4−トリハロフェニルではない。)。これらの化合物は、米国特許出願第20040082625号で詳述されている。
ある態様において、本カルシウム模倣化合物は、N−((6−(メチルオキシ)−4’−(トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニルイル−3−イル)メチル)−1−フェニルエタンアミン又は医薬的に許容可能なその塩であり得る。別の態様において、本カルシウム模倣化合物は、(1R)−N−((6−クロロ−3’−フルオロ−3−ビフェニルイル)メチル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン又は医薬的に許容可能なその塩であり得る。さらなる態様において、本カルシウム模倣化合物は、(1R)−1−(6−(メチルオキシ)−4’−(トリフルオロメチル)−3−ビフェニルイル)−N−((1R)−1−フェニルエチル)エタンアミン)又は医薬的に許容可能なその塩であり得る。
本発明のある種の実施形態において、カルシウム模倣化合物は、式IIIの化合物:
Figure 2011516424
又は医薬的に許容可能なその塩から選択され得る(式中、
Figure 2011516424
は、二重又は単結合を表し;
はRであり;
は、C1−8アルキル又はC1−4ハロアルキルであり;
は、H、C1−4ハロアルキル又はC1−8アルキルであり;
は、H、C1−4ハロアルキル又はC1−4アルキルであり;
は、独立に、各例で、H、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、−OC1−6アルキル、−NR又はNRC(=O)Rであり;
Xは、−CR=N−、−N=CR−、O、S又は−NR−であり;
Figure 2011516424
が二重結合である場合、Yは=CR−又は=N−であり、Zは−CR=又は−N=であり;
Figure 2011516424
が単結合である場合、Yは−CR−又は−NR−であり、Zは−CR−又は−NR−であり;
は、R、C1−4ハロアルキル、−C(=O)R、−OC1−6アルキル、−OR、−NR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、シアノ、ニトロ、−NRS(=O)又は−S(=O)NRであり;
は、R、C1−4ハロアルキル、−C(=O)R、−OC1−6アルキル、−OR、−NR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、シアノ、ニトロ、−NRS(=O)又は−S(=O)NRであるか;又は
及びRは、一緒に、0、1、2又は3個のN原子及び0、1又は2個のS及びOから選択される原子を含有する3から6個の原子の飽和又は不飽和架橋を形成し、この場合、この架橋は、Rから選択される0、1又は2個の置換基により置換され;R及びRがベンゾ架橋を形成する場合、このベンゾ架橋は、N及びOから選択される1又は2個の原子を含有する3又は4個の原子の架橋(この架橋は、C1−4アルキルから選択される0又は1個の置換基により置換される。)によりさらに置換され得;
は、独立に、各例で、H、C1−4ハロアルキル又はC1−6アルキルであり;
は、独立に、各例で、フェニル、ベンジル、ナフチル又は、N、O及びSから選択される1、2又は3個の原子(O及びSから選択される原子は2個以下)を含有する飽和もしくは不飽和の5もしくは6員環の複素環(このフェニル、ベンジル又は複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基により置換される。)であり;
は、独立に、各例で、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、フェニル又はベンジルであり;
は、独立に、各例で、H、C1−6アルキル、フェニル、ベンジル又は、N、O及びSから選択される1、2又は3個の原子(O及びSから選択される原子は2個以下)を含有する、飽和もしくは不飽和の5もしくは6員環の複素環(このC1−6アルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル及び複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2、3又は4個の置換基により置換される。)、R、−C(=O)R、−OR、−NR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)及び−S(=O)NRであり;
mは、1又は2である。)。
式IIIの化合物は、米国特許出願第20040077619号(参照により本明細書中に組み込まれる。)で詳述される。
ある態様において、カルシウム模倣化合物は、N−(3−[2−クロロフェニル]−プロピル)−R−α−メチル−3−メトキシベンジルアミンHCl(化合物A)である。別の態様において、カルシウム模倣化合物は、N−((6−(メチルオキシ)−4’−(トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル)メチル)−1−フェニルエタンアミン(化合物B)である。
ある態様において、本発明のカルシウム模倣化合物は、式IVの化合物から選択される:
Figure 2011516424
(式中、
Yは、酸素又は硫黄であり;
及びR’は、同じであるか又は異なり、それぞれがアリール基、ヘテロアリール基を表すか又はR及びR’は、それらが連結される炭素原子と一緒に、式:
Figure 2011516424
の縮合環構造を形成し(式中、Aは、単結合、メチレン基、ジメチレン基、酸素、窒素又は硫黄(この硫黄は、場合によってはスルホキシド又はスルホン型であり得る。)を表す。)、R及びR’のそれぞれ又はそれらにより形成されるこの縮合環構造は、場合によっては、群cから選択される少なくとも1つの置換基により置換され、
この群cは、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、線状及び分岐状アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルキルチオ、アルケニル及びアルキニル基;線状及び分岐状アルコキシル基;線状及び分岐状チオアルキル基;ヒドロキシカルボニルアルキル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルコキシカルボニル;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシル;−CN;−NO;アルキルスルホニル基(場合によってはスルホキシド又はスルホン型である。)からなり;この場合、何れのアルキル成分も1から6個の炭素原子を有し、何れのアルケニル又はアルキニル成分も2から6個の炭素原子を有し、
複数の置換基がある場合、この各置換基は同じであるか又は異なり、
及びR’(これらは同じであるか又は異なり得る。)は、それぞれ、水素原子;1から6個の炭素原子を含有し、少なくとも1つのハロゲン原子、ヒドロキシ又は、1から6個の炭素原子を含有するアルコキシ基により場合によっては置換される、線状又は分岐状アルキル基;アルキルアミノアルキル又はジアルキルアミノアルキル基(ここで各アルキル基は1から6個の炭素原子を含有する。)を表すか、
又はR及びR’は、それらが連結される窒素原子と一緒に、0、1又は2個のさらなるヘテロ原子を含有し、5、6又は7環原子を有する、飽和もしくは不飽和の複素環を形成し(この複素環は、上記で定義された群「c」から選択される少なくとも1つの置換基により場合によっては置換され、複数の置換基がある場合、この置換基は同じであるか又は異なる。)、
は、式:
Figure 2011516424
の基:
(式中、Bは酸素原子又は硫黄原子を表し、xは、0、1又は2であり、y及びy’は同じであるか又は異なり、それぞれが0又は1であり、Ar及びAr’は同じであるか又は異なり、それぞれが、アリール又はヘテロアリール基を表し、n及びn’は同じであるか又は異なり、それが連結されるy又はy’が0である場合、それぞれが1であるか、又はこのy又はy’が1である場合、連結されるAr又はAr’上で置換され得る位置の数と等しく、Nを含有する縮合環は5又は6員のヘテロアリール環であり、ここで、R及びR’(これらは同じであるか又は異なり得る。)は、それぞれが水素原子又は群aから選択される置換基を表し、
この群aは、ハロゲン原子;ヒドロキシル;カルボキシル;アルデヒド基;線状及び分岐状アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル及びハロアルキニル基;線状及び分岐状アルコキシル基;線状及び分岐状チオアルキル基;アラルコキシ基;アリールオキシ基;アルコキシカルボニル;アラルコキシカルボニル;アリールオキシカルボニル;ヒドロキシカルボニルアルキル;アルコキシカルボニルアルキル;アラルコキシカルボニルアルキル;アリールオキシカルボニルアルキル;パーフルオロアルキル;パーフルオロアルコキシ;−CN;アシル;アミノ、アルキルアミノ、アラルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアラルキルアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ及びジアシルアミノ基;アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ及びアリールカルボニルアミノ基;アルキルアミノカルボニルオキシ、アラルキルアミノカルボニルオキシ及びアリールアミノカルボニルオキシ基;
アミノ、アルキルアミノ、アラルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアラルキルアミノ、ジアリールアミノ、アシルアミノ、トリフルオロメチルカルボニル−アミノ、フルオロアルキルカルボニルアミノ又はジアシルアミノ基で置換されるアルキル基;CONH;アルキル−、アラルキル−及びアリール−アミド基;アルキルチオ、アリールチオ及びアラルキルチオ及び酸化スルホキシド及びそのスルホン型;スルホニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アリールスルホニル及びアラルキルスルホニル基;スルホンアミド、アルキルスルホンアミド、ハロアルキルスルホンアミド、ジ(アルキルスルホニル)アミノ、アラルキルスルホンアミド、ジ(アラルキルスルホニル)アミノ、アリールスルホンアミド及びジ(アリールスルホニル)アミノ;及び飽和及び不飽和ヘテロシクリル基からなり、ここで、このヘテロシクリル基は、単環式又は二環式であり、群bから選択される1以上の置換基(これらは同じであるか又は異なり得る。)により場合によっては置換され、
この群bは、ハロゲン原子;ヒドロキシル;カルボキシル;アルデヒド基;線状及び分岐状アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル及びハロアルキニル基;線状及び分岐状アルコキシル基;線状及び分岐状チオアルキル基;アルコキシカルボニル;ヒドロキシカルボニルアルキル;アルコキシカルボニルアルキル;パーフルオロアルキル;パーフルオロアルコキシ;−CN;アシル;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ及びジアシルアミノ基;アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ又はジアシルアミノ基により置換されるアルキル基;CONH;アルキルアミド基;アルキルチオ及び酸化スルホキシド及びそのスルホン型;スルホニル、アルキルスルホニル基;及びスルホンアミド、アルキルスルホンアミド及びジ(アルキルスルホニル)アミノ基からなり、
群a及びbにおいて、何れのアルキル成分も1から6個の炭素原子を含有し、何れのアルケニル又はアルキニル成分も2から6個の炭素原子を含有し、少なくとも1つのハロゲン原子又はヒドロキシ基により場合によっては置換され、ここで何れのアリール成分も場合によってはヘテロアリール基である。)を表す。)。
ある態様において、本カルシウム模倣化合物は、3−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−1−(3,3−ジフェニルプロピル)−1−(2−(4−モルホリニル)エチル)尿素又は医薬的に許容可能なその塩であり得る。別の態様において、本カルシウム模倣化合物は、N−(4−(2−((((3,3−ジフェニルプロピル)(2−(4−モルホリニル)エチル)アミノ)カルボニル)アミノ)−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル)メタンスルホンアミド又は医薬的に許容可能なその塩であり得る。
ある態様において、本発明のカルシウム模倣化合物は、式Vの化合物から選択され得る:
Figure 2011516424
(式中、
は、フェニル、ベンジル、ナフチル又は、N、O及びSから選択される1、2又は3個の原子(O及びSから選択される原子は2個以下)を含有する飽和もしくは不飽和の5もしくは6員の複素環であり、このフェニル、ベンジル、ナフチル又は複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基により置換され;
は、C1−8アルキル又はC1−4ハロアルキルであり;
は、H、C1−4ハロアルキル又はC1−8アルキルであり;
は、H、C1−4ハロアルキル又はC1−8アルキルであり;
は、独立に、各例で、H、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、置換もしくは未置換ピロリジニル、置換もしくは未置換アゼチジニル又は置換もしくは未置換ピペリジルであり、この場合、この置換基は、ハロゲン、−OR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、シアノ、ニトロ、−NRS(=O)又は−S(=O)NRから選択され得;
Lは、−O−、−OC1−6アルキル−、−C1−6アルキルO−、−N(R)(R)−、−NRC(=O)−、−C(=O)−、−C(=O)NR1−6アルキル−、−C1−6アルキル−C(=O)NR−、−NRC(=O)NR−、−NRC(=O)NR1−6アルキル−、−NRC(=O)R−、−NRC(=O)OR−、−OC1−6アルキル−C(=O)O−、−NR1−6アルキル−、−C1−6アルキルNR−、−S−、−S(=O)−、−NRS(=O)又は−S(=O)N(R)−であり;
Cyは、部分もしくは完全飽和又は不飽和の5−8員単環式、6−12員二環式又は7−14員三環式の環系であり、この環系は、単環式の場合は1から3個のヘテロ原子、二環式の場合は1から6個のヘテロ原子又は三環式の場合は1から9個のヘテロ原子を場合によっては含む炭素原子から形成され、この環系の各環は、場合によっては、独立に、R、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)又は−S(=O)NRの1以上の置換基により置換され;
は、部分もしくは完全飽和又は不飽和の5−8員単環式、6−12員二環式又は7−14員三環式の環系であり、この環系は、単環式の場合は1から3個のヘテロ原子、二環式の場合は1から6個のヘテロ原子又は三環式の場合は1から9個のヘテロ原子を場合によっては含む炭素原子から形成され、この環系の各環は、場合によっては、独立に、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)又は−S(=O)NRの1以上の置換基により置換され;
は、独立に、各例で、H、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキルアリール又はアリールC1−6アルキルであり;
は、独立に、各例で、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル又は、N、O及びSから選択される1、2又は3個の原子(O及びSから選択される原子は2個以下)を含有する、飽和もしくは不飽和の5もしくは6員複素環であり、このフェニル、ベンジル、ナフチル又は複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基により置換され;
は、独立に、各例で、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、フェニル又はベンジルであり;
は、独立に、各例で、H、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニル、ベンジル、ナフチル又は、N、O及びSから選択される1、2又は3個の原子(O及びSから選択される原子は2個以下)を含有する飽和もしくは不飽和の5もしくは6員複素環であり、このC1−6アルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル及び複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロ、R、−C(=O)R、−OR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)及び−S(=O)NRから選択される0、1、2、3又は4個の置換基により置換され;
mは、1又は2であり;
nは1又は2であり;
ただし、Lが、−O−又は−OC1−6アルキル−である場合、Cyはフェニルではない。)。
ある態様において、本カルシウム模倣化合物は、N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−メチル−3−イソキサゾールカルボキサミド又は医薬的に許容可能なその塩であり得る。別の態様において、本カルシウム模倣化合物は、N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−ピリジンカルボキサミド又は医薬的に許容可能なその塩であり得る。
本発明の方法で有用なカルシウム模倣化合物には、上述のカルシウム模倣化合物ならびにそれらの立体異性体、鏡像異性体、多形体、水和物及び前述のものの何れかの医薬的に許容可能な塩が含まれる。
B.カルシウム模倣活性を評価する方法
ある態様において、CaSR活性調節部位に結合する化合物は、例えば、競合的結合アッセイ形式でこの部位に結合する標識した化合物を用いて同定され得る。
化合物のカルシウム模倣活性は、国際公開WO93/04373、WO94/18959及びWO95/11211に記載のものなどの技術を用いて決定され得る。
化合物カルシウム模倣活性を評価するために使用され得るその他の方法は下記で述べる。
HEK293細胞アッセイ
ヒト副甲状腺CaSRを発現するように操作されたHEK293細胞(HEK2934.0−7)は、以前に詳述されている(Nemeth EFら(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:4040−4045)。このクローン細胞株は、
CaSRのアゴニスト、アロステリック調節物質及びアンタゴニストに対してスクリーニングするために広く使用されてきた(Nemeth EFら(2001)J.Pharmacol.Exp.Ther.299:323−331)。
細胞質カルシウム濃度の測定のために、リン酸緩衝食塩水(PBS)中の0.02%エチレンジアミン四酢酸(EDTA)で短時間処理することによって組織培養フラスコから細胞を回収し、次いで洗浄し、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)及び1mg/mL D−グルコースが添加された緩衝液A(126mM NaCl、4mM KCl、1mM CaCl、1mM MgSO、0.7mM KHPO/KHPO、20mM Na−Hepes、pH7.4)中で再懸濁する。緩衝液A及び2μM fura−2アセトキシメチルエステル中で37℃で30分間温置することによって、fura−2を細胞に負荷する。この細胞を緩衝液B(緩衝液Bは、硫酸塩及びリン酸塩を含まず、5mM KCl、1mM MgCl、0.5mM CaClを含有する、0.5%BSA及び1mg/mL D−グルコースが添加された緩衝液A)で洗浄し、4から5x10個(細胞)/mLの密度になるように室温で再懸濁する。蛍光シグナルを記録するために、持続的に撹拌しながら、予め温められた(37℃)緩衝液Bで細胞を5倍希釈する。励起及び発光波長はそれぞれ340及び510nmである。蛍光シグナルは、ストリップチャート記録装置を用いてリアルタイムで記録する。
蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR)分析のために、10%ウシ胎仔血清(FBS)及び200μg/mLハイグロマイシンを添加したダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)中でHEK293細胞を維持する。分析24時間前に、細胞をトリプシン処理し、側面が黒色で底部が透明で、コラーゲン1で被覆された96ウェルプレートに、1.2x10個(細胞)/ウェルになるように上記培地中でプレーティングする。このプレートを1,000rpmで2分間遠心し、5%CO下、37℃で一晩温置する。次に、室温で60分間、6μM フルオ−3アセトキシメチルエステルを細胞に負荷する。1.0mg/mL D−グルコース及び1.0mg/mL BSAフラクションIV(pH7.4)を添加した、126mM NaCl、5mM KCl、1mM MgCl、20mM Na−Hepesを含有する緩衝液中で全てのアッセイを行う。
ある態様において、1mM Ca2+の存在下でCaSR活性化合物に対するEC50を決定することができる。0.5mMの細胞外Ca2+レベルで出発して、細胞質カルシウム濃度に対するEC50を決定することができる。0.8Wのレーザー設定及び0.4秒CCDカメラシャッタースピードを用いて、FLIPR実験を行う。カルシウム、CaSR活性化合物又はビヒクル(20μL)を細胞に添加し、50秒間にわたり、1秒間隔で蛍光を監視する。次に、カルシウム、CaSR活性化合物又はビヒクルの第二の添加(50μL)を行い、蛍光シグナルを監視することができる。同じ時間内の反応のピーク高として蛍光シグナルを測定する。次に、%最大蛍光を調べるために、プレート中で観察される最大ピークに対して各反応を正規化する。
ウシ副甲状腺細胞
単離されたウシ副甲状腺細胞の初代培養物を用いて、PTH分泌のCaSR依存性制御におけるカルシウム模倣化合物の効果を評価することができる。コラゲナーゼ消化により単離細胞を得て、プールし、次いでPercoll精製緩衝液中で再懸濁し、4℃で20分間、14,500xgで遠心することにより精製することができる。単離副甲状腺細胞を取り出し、0.5%BSA、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン及び20μg/mLゲンタマイシンが添加されたHam’sF−12及びDMEMの1:1混合液(F−12/DMEM)中で洗浄する。最終的に、10U/mLペニシリン、10μg/mLストレプトマイシン及び4μg/mLゲンタマイシンを含有するF−12/DMEM中で細胞を再懸濁し、ITS+(インスリン、トランスフェリン、亜セレン酸、BSA及びリノール酸;Collaborative Research、Bedford、MA)によりBSAを置き換える。大気中5%COの加湿雰囲気中で、37℃でT−75フラスコ中で細胞を温置する。
一晩培養した後、傾斜法により細胞をフラスコから取り出し、0.1%BSA及び0.5mM CaClを含有する副甲状腺細胞緩衝液(126mM NaCl、4mM KCl、1mM MgSO、0.7mM KHPO/KHPO、20mM Na−Hepes、20;pH7.45及び規定どおりのCaClの可変量)で洗浄する。この同じ緩衝液中で細胞を再懸濁し、適切な対照、CaSR活性化合物及び/又はCaClの様々な濃度を含有するポリスチレンチューブに一部(0.3mL)を添加する。各3本ずつ、各実験条件を実施する。37℃での温置は20分間であり、チューブを氷上に置くことにより停止させ得る。遠心(4℃で5分間、1500xg)により細胞を沈殿させ、上清0.1mLをすぐにアッセイする。温置時間中、細胞の一部を氷上に置いたままにし、次いでその他の試料とともに平行して処理する。氷上で維持されたチューブからの上清中のPTHの量は、「基底放出」として定義され、その他の試料から差し引かれる。ラットPTH−(1−34)免疫放射定量アッセイキット(Immunotopics、San Clemente、CA)を用いて、製造者の説明書に従い、PTHを測定する。
MTC6−23細胞カルシトニン放出
増殖培地(カルシウム/15%HIHSが添加されたDMEM高グルコース)中で、ATCC(Manassas、VA)から購入されるラットMTC6−23細胞(クローン6)を維持し、この培地を3から4日ごとに交換する。1:4の分割比で週に1回培養物を継代する。処方された増殖培地中のカルシウム濃度を計算し、3.2mMとなる。37℃で90%O/10%COの雰囲気中で細胞を温置する。実験前に、コンフルエントに近い培養物からの細胞を吸引し、トリプシン溶液で1回リンスする。フラスコを再び吸引し、細胞を剥離するために、新鮮なトリプシン溶液とともに室温で5−10分間温置する。増殖培地中3.0x10個(細胞)/mLの密度で、剥離細胞を縣濁し、コラーゲン被覆48ウェルプレート(Beckton Dickinson Labware、Bedford、MA)中に1.5x10個(細胞)/ウェル(0.5mL細胞縣濁液)の密度で播種する。播種後56時間、細胞を付着させ、その後、増殖培地を吸引し、アッセイ培地(DMEM高グルコース、2%FBSなし)の0.5mLで置き換えた。次に、カルシウム刺激されたカルシトニン放出の測定前に、細胞を16時間温置する。この培地中の実際のカルシウム濃度を計算し、0.07mM未満となる。カルシトニン放出を測定するために、アッセイ培地中の試験薬剤0.35mLを各ウェルに添加し、培地中のカルシトニン含量測定前に4時間温置する。ラットカルシトニン免疫放射定量アッセイキット(Immutopics、San Clemente、CA)を用いて、製造者の説明書に従い、カルシトニンレベルを定量する。
イノシトールリン酸アッセイ
ラット脳からのクローン化CaSRを含有する発現ベクターを遺伝子移入したチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞[CHO(CaSR)]又は遺伝子移入していない[CHO(WT)]で行われる生化学的アッセイにおいて、化合物のカルシウム模倣特性を評価することもできる(Ruat M.、Snowman AM.、J.Biol.Chem 271、1996、p5972)。CHO(CaSR)は、Ca2+及びその他の二価陽イオンによる及びNPS568によるCaSRの活性化時に、トリチウム化イノシトールリン酸([H]IP)蓄積を刺激することが示されている(Ruatら、J.Biol.Chem 271、1996)。このようにして、2mM細胞外カルシウム存在下での各CaSR活性化合物10μMにより生じる[H]IP蓄積を測定し、10mM細胞外カルシウム(最大CaSR活性化を誘発する濃度)により生じる効果と比較することができる(Dauban P.ら、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、10、2000、p2001)。
C.医薬組成物及び投与
無機又は有機酸由来の医薬的に許容可能な塩の形態で、本発明において有用なカルシウム模倣化合物を使用することができる。この塩には、以下に限定されないが、次のもの:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファスルホン酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、ペクチネート(pectinate)、過硫酸塩、2−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、メシル酸塩及びウンデカン酸塩が含まれる。本発明の化合物がカルボキシ基などの酸性官能基を含む場合、カルボキシ基に対する適切な医薬的に許容可能な塩は、当業者にとって周知であり、例えば、アルカリ、アルカリ土類、アンモニウム、第4級アンモニウム陽イオンなどが含まれる。「薬理学的に許容可能な塩」のさらなる例については、Bergeら、J.Pharm.Sci.66:1、1977を参照のこと。本発明のある種の実施形態において、塩酸塩及びメタンスルホン酸塩を使用することができる。
本発明のある態様において、シナカルセト、即ち、N−(1−(R)−(1−ナフチル)エチル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−アミノプロパン、シナカルセトHCl及びシナカルセトメタンスルホン酸塩から、カルシウム受容体活性化合物を選択することができる。シナカルセトHCl及びシナカルセトメタンスルホン酸塩などのカルシウム模倣化合物は、非晶質粉末、結晶性粉末及びそれらの混合物などの様々な形態であり得る。結晶性粉末は、多形、偽多形、晶癖、粉体(micromeretics)及び粒子形態を含む形態であり得る。
投与のために、本発明において有用な化合物は、通常、指示された投与経路に適切な1以上のアジュバントと組み合わせられる。本化合物は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸及び硫酸のナトリウム及びカルシウム塩、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリジン及び/又はポリビニルアルコールと混合することができ、従来の投与の場合、錠剤化又はカプセル化することができる。あるいは、本発明で有用な化合物は、食塩水、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、落花生油、綿実油、ゴマ油、トラガカントゴム及び/又は様々な緩衝液に溶解させ得る。その他のアジュバント及び投与形式が医薬分野で周知である。担体又は希釈剤は、モノステアリン酸グリセリン、ジステアリン酸グリセリンなどの遅延材料を、単独で、又はワックスもしくは当技術分野で周知のその他の材料と一緒に、含み得る。
本医薬組成物は、(顆粒剤、散剤又は坐剤を含む)固体剤形又は液体剤形(例えば、溶液、懸濁液又はエマルジョン)で構成され得る。本医薬組成物は、滅菌などの従来の製薬操作に供し得、及び/又は保存料、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤などの従来のアジュバントを含有し得る。
経口投与用の固体剤形には、カプセル、錠剤、丸剤、散剤、坐剤及び顆粒剤が含まれ得る。このような固体剤形において、本活性化合物をスクロース、ラクトース又はデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合し得る。このような剤形は、通常実施されるように、不活性希釈剤以外のさらなる物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤を含むこともできる。カプセル、錠剤及び丸剤の場合、緩衝剤も本剤形に含まれ得る。さらに、錠剤及び丸剤は、腸溶コーティングとともに調製され得る。
経口投与用の液体剤形には、水などの当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤を含有する、医薬的に許容可能な、エマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、エリキシル剤などが挙げられる。このような組成物は、湿潤剤、甘味料、香味料、芳香剤などのアジュバントも含み得る。
本発明で有用な組成物中のカルシウム受容体活性化合物の治療的有効量は、対象1人あたりカルシウム模倣化合物約0.1mgから約180mg、例えば、約5mgから約180mg、又は約1mgから約100mgの範囲であり得る。ある態様において、組成物中のカルシウム受容体活性化合物の治療的有効量は、約0.1mg、約1mg、5mg、約15mg、約20mg、約30mg、約50mg、約60mg、約75mg、約90mg、約120mg、約150mg、約180mgから選択され得る。
カルシウム受容体活性化合物を対象に単独で投与し得る一方で、投与される化合物は、通常、医薬組成物中の活性成分として存在する。従って、本発明の医薬組成物は、少なくとも1種類のカルシウム模倣化合物の治療的有効量又は少なくとも1種類のカルシウム模倣化合物の有効投与量を含み得る。
本明細書中で使用される場合、「有効投与量」は、単回投与、複数回投与又は部分投与として投与した場合に、カルシウム受容体活性化合物の治療的有効量を与える量である。従って、本発明のカルシウム受容体活性化合物の有効投与量は、化合物の有効量未満の量、有効量と同量、有効量を超える量を含み、例えば、錠剤、カプセルなどの2以上の単位投与量(unit dosage)が化合物の有効量を投与するために必要とされる医薬組成物、又は、あるいは、組成物の一部を投与することによってカルシウム模倣化合物の有効量が投与される、散剤、液剤などの複数回投与医薬組成物を含む。
あるいは、錠剤、カプセルなどの2種類以上の単位製剤がカルシウム受容体活性化合物の有効量を投与するために必要とされる医薬組成物は、例えば、個々の対象に対する有効量を確認するために、潜在的副作用に対して個々の対象の敏感性を減じるために、個々の対象に投与する1以上のその他の治療薬の有効な投薬再調整又は減少を可能にするためになど、有効量未満で1期間以上(例えば、1日1回投与及び1日2回投与)投与し得る。
本発明において有用である医薬組成物の有効投与量は、単位剤形から約1mgから約360mg、例えば、単位剤形から約5mg、約15mg、約30mg、約50mg、約60mg、約75mg、約90mg、約120mg、約150mg、約180mg、約210mg、約240mg、約300mg又は約360mgの範囲であり得る。
本発明のある態様において、本明細書中で開示される組成物は、上皮傷害の治療又は予防のためのカルシウム受容体活性化合物の治療的有効量を含む。例えば、ある種の実施形態において、シナカルセトHClなどのカルシウム模倣化合物は、組成物の総重量に対する重量比で約1%から約70%、例えば約5%から約40%、約10%から約30%又は約15%から約20%の範囲の量で存在し得る。
本発明において有用な組成物は、本カルシウム感知受容体活性化合物に加えて、1以上の活性成分を含有し得る。さらなる活性成分は、別のカルシウム模倣化合物であり得るか又は異なる治療活性を有する活性成分であり得る。併用薬として投与される場合、本治療薬は、同時にもしくは異なる時間に投与される個別の組成物として処方され得るか、又は本治療薬は単一組成物として投与され得る。
ある態様において、本発明の方法に対して有用な医薬組成物には、下記でより詳細に記載されるようなさらなる化合物が含まれ得る。
別の態様において、本発明の方法を実施するために使用される化合物は、上部胃腸管、例えば胃及び腸へ実質的に放出せず、結腸において生物活性成分を放出する経口投与のために処方され得る。結腸への薬物の経口送達により、上部GI管での薬物放出のために起こる副作用又は不要な全身性吸収を最小限に抑えながら、局所的な高濃度を達成することができるようになり得る。薬物の結腸送達の長所は、吸収性に乏しい薬物吸収のバイオアベイラビリティーが高くなり得るという事実によるものであり得、結腸は、胃及び小腸よりも活性の多様性及び強度が低い、幾分厳しさが低い環境であり、結腸は、より長い保持時間を有し、吸収性に乏しい薬物の吸収を促進する薬剤に対して高い反応性があると思われる。Chourasia、M.ら(2003)J.Pharm.Pharmaceut.Sci 6(1):33−66。結腸を標的とする薬物送達系の開発のために使用され得るいくつかの製薬学的アプローチを表1でまとめる。
Figure 2011516424
別の例において、ペクチン及びガラクトマナン(両者とも結腸細菌酵素により分解可能な多糖類)を含む薬物担体とともに、本発明の医薬組成物を使用することができる(米国特許第6,413,494号)。薬物担体として単独で使用される場合、ペクチン又はガラクトマナンは模擬胃液及び模擬腸液中で容易に溶解されるが、一方で、約7のpH以上で調製されるこれらの2種類の多糖類の混合物は、模擬胃液及び腸液中で溶解されないか又は分解されない、強く、弾性があり不溶性であるゲルを生じ、従って、この混合物で被覆された薬物は、上部GI管で放出されないよう保護される。ペクチン及びガラクトマナンの混合物が結腸に到達すると、結腸細菌酵素の相乗作用によってこれが迅速に分解される。さらに別の態様において、本発明の組成物は、結腸酵素により分解可能である、ゼラチン及び陰イオン性多糖類(例えば、ペクチネート(pectinate)、ペクテート(pectate)、アルギン酸塩、コンドロイチン硫酸、ポリガラクツロン酸、トラガントゴム、アラビアゴム及びそれらの混合物)の複合体の医薬マトリクスとともに使用され得る(米国特許第6,319,518号)。
本発明の化合物の別の送達経路において、全身循環系における化合物の治療レベルを達成するために、ならびに、より局所的な薬物の内部投薬のために、経皮投与を使用することができる。標的内部組織での化合物の治療レベルを達成するために薬物の十分な経皮浸透をもたらすため、皮膚浸透性促進ビヒクルを含有する組成物を提供することが必要であることが多い。米国特許第4,485,033号;同第4,537,776号;同第4,637,930号;同第4,695,465号を含め、多くの皮膚浸透性促進ビヒクルが開示されている。
上皮傷害の治療のための本発明の化合物及び組成物の送達の別の例は、局所送達、例えばオイル及びローションの形態のものである。局所送達組成物は当技術分野で周知であり、例えば米国特許第5,614,178号;同第7,241,456号;及び同第5,720,948号に記載されている。
III.治療の方法
ある態様において、本発明は、虚血、化学療法、放射線又は機械的傷害による腸上皮損傷又は傷害を克服するために有用な方法を提供する。本発明は、アポトーシス及び/又は壊死を阻害し、上皮傷害がある対象における細胞生存を促進するためのカルシウム模倣物の使用に関する。本発明の方法が目論まれる上皮組織は、一例を挙げると、単層上皮である。別の例において、それは重層上皮である。さらなる例において、それは偽重層上皮である。ある態様において、上皮傷害は、腸上皮傷害であり得る。別の態様において、それは皮膚傷害であり得る。さらなる態様において、それは、例えば口腔、食道及び直腸の一部の上皮など、重層扁平上皮に対する傷害であり得る。別の態様において、これは、扁平、円柱又は偽重層上皮細胞に対する傷害であり得る。
ある態様において、本発明は、化学療法、放射線療法又は手術が行われようとしている対象を治療するための方法に関する。この態様において、対象は、化学療法、放射線療法又は手術を行う前に、本発明のカルシウム模倣化合物で前治療され得る。前治療プロトコールの例は下記に記載する。
本発明の別の態様は、GI管における悪影響を引き起こす殺生物剤(例えば抗ウイルス剤、抗真菌剤及び抗菌剤)などの細胞毒性剤を投与される対象に対する治療の方法に関する。本発明のさらなる態様は、疾患、例えば浸透圧性下痢により引き起こされる上皮傷害を取り扱う。
本発明のある態様は、化学的傷害による悪影響を軽減するために適用され得る。適用例には、上皮傷害誘発性の腸粘膜炎の発現の阻害又は予防、感染の発生率及び重症度の低下、白血球細胞枯渇の抑制及び大腸に対する損傷耐性が含まれる。
本発明の別の態様は、小腸の機能における上皮傷害の悪影響を改善すること、例えば、腸の長さの短縮及び機能の低下につながる、吸収不良、潰瘍形成、出血、感染、下痢、線維症及び狭窄形成の発生率を改善することである。
本発明に従う対象の前治療での使用のために、上皮傷害前に予め定められた期間にわたり、日常的に対象に本発明のカルシウム模倣化合物を投与し得る。適切な前治療期間は、傷害後のこれらの評価項目の何れか1つ:生存上昇、小腸又は大腸の健康又は機能の向上、白血球数上昇、感染発生率又は細菌数低下及び粘膜炎の発生率に関して、カルシウム模倣化合物で前治療されない対象と比較して、ある一定の利益を対象に与えるものとして特定される。ある態様において、前治療期間は、1日から7日間からなる。一例において、前治療期間は、上記の用量でのカルシウム模倣組成物での前治療の3連続日からなる。
本発明は、機械的ストレス、例えば創傷治癒、皮膚移植又は手術による上皮傷害を治療するための方法をさらに提供する。上皮傷害の全てのタイプは、本発明のこの態様において治療されることがもくろまれる。本発明のある態様において、本発明の化合物及び組成物は、治癒を加速させるために、植皮片を処置又は前処置するために使用され得る。本発明の化合物は、治癒を向上させ、細胞死を防ぐために、手術前、手術中又は手術後に使用され得る。
上皮傷害の様々なマーカーが当技術分野で公知である。臨床兆候は、治療中及び治療後の代用評価項目として最も一般的に使用される。皮膚傷害のタイプには、切り傷、擦り傷、打撲が含まれ得る。UV損傷マーカーは、乾燥皮膚、日焼け又は光線角化症である。腸上皮傷害の症状には、食欲不振、嘔気、嘔吐、粘膜傷害、腹部けいれん及び下痢が含まれる。これらの症状は、傷害後すぐに起こり得る。しばしば、これらは、傷害(例えば、化学療法後又は放射線療法中)から2又は2週間後に顕著になり、傷害後2−6週間続く。粘膜輸送及びバリア機能の評価は、試験マーカーの吸収を測定すること又は栄養吸収不良に対する試験を通じて行われ得る。Lutgens L.ら(2007)World J.Gastroenterol.13(22):3033−3042参照。腸上皮傷害のその他のバイオマーカーには、例えば虚血性小腸傷害を測定するための血漿ジアミンオキシダーゼ(DAO)活性、脂肪酸結合タンパク質、カルプロテクチン及びシトルリンが含まれる。上皮傷害のさらなるバイオマーカーは、下記の実施例でさらに詳細に記載される。
本発明の方法によりもくろまれるような治療の進行は、臨床兆候又は評価項目を観察することにより、又は、カルシウム模倣化合物及び本発明の組成物での治療前、治療中及び治療後に、傷害の各個々のタイプに対する適切なバイオマーカーを評価することにより、測定され得る。
次の実施例は、本発明をより完全に説明するために与えられるものであるが、本発明の範囲を限定するものではない。
この実施例は、カルシウム模倣化合物が虚血性傷害から回腸絨毛を保護することを示す。
動物
実験前に、体重22−27グラムの雄(Casr+/+;Gcm2−/−)又はCaSRノックアウト(Casr−/−;Gcm2−/−)マウス(上パネル)又は体重220−275グラムの雄Sprague−Dawleyラット(下パネル)を自由摂餌及び摂水にした。イソフルオランの過剰量に動物を曝露し、回腸を取り出した。次に、この回腸を4cmの長さの切片に切り分け、個々の絨毛を単離するために37℃で20分間、各切片をEDTA(20mM)中に入れた。この消化時間後、100%Oを泡立てて通気したHEPES−リンガー溶液中に絨毛を入れ、使用まで4℃でこの溶液中で保存した。全てのマウスは、Yale Universityで繁殖コロニーから作製した。Charles River Laboratories Inc.(Wilmington、MA)から雄Sprague−Dawleyラットを購入した。Yale University Animal Care and Use Committeeの標準プロトコールに従い、全ての動物を取り扱った。
化学試薬
HEPES−リンガー溶液は、(mmol/Lで)NaCl 125;KCl 5;MgCl 0.5;HEPES 22、CaCl 0.1又は1.6;グルコース 10、pH=7.4を含有した。この溶液に100%Oを泡立てて通気した。
Invitrogen(Seattle、WA、USA)からのFLUO−4及び保存溶液をジメチルスルホキシド(DMSO)中で調製した。
DMSOを用いて、カルシウム模倣物溶液(化合物A、3−(2−クロロフェニル)−N−((1R)−1−(3−(メチルオキシ)フェニル)エチル)−1−プロパンアミン)及び化合物B、N−((6−(メチルオキシ)−4’−(トリフルオロメチル)−1,1'−ビフェニル−3−イル)メチル)−1−フェニルエタンアミンを処方した。DMSOの最終濃度は、0.1%(v/v)を超えなかった。予備実験から、ビヒクルは、何れの細胞傷害パラメーターも変化させなかったか又は生存に影響しなかったことが示された。
虚血性傷害及びカルシウム測定
単離後、個々の絨毛をカバースリップ上に置き、カルシウム指示色素FLUO4−AM(10μM)(Invitrogen、Oregon USA)を15分間負荷した。
負荷後、絨毛を倒立顕微鏡のステージに移し、そこで、100%Oを泡立てて通気した37℃HEPESリンガー溶液でそれらを潅流した。5分間の平衡時間後、脱エステル化色素を除去するために、100%Nを泡立てて通気したHEPESリンガー溶液に絨毛を曝露し、一方で、535nm励起及び490nm発光で15秒ごとに画像を回収した。冷却CCDカメラ及びMetamorph画像収集及び分析ソフトウェア付きの60x倍率のDICオプティクスを用いて、20−30分間、画像を記録した。
虚血性傷害及びトリパンブルー
個々の絨毛を倒立顕微鏡のステージに移し、そこで、100%Oを泡立てて通気した37℃HEPESリンガー溶液でそれらを潅流した。5分間の平衡時間後、100%Nを泡立てて通気したHEPESリンガー溶液に絨毛を曝露した。一連のトリパンブルーにおいて、膜の完全性の評価のために使用される非膜浸透色素を槽に添加した(0.1mMトリパンブルー濃縮液を槽溶液に直接溶解、100%O又は100%Nの何れか)。次に、連続した時間点で、冷却CCDカメラ及びMetafluor画像収集及び分析ソフトウェアを用いた60x倍率のDICオプティクスを用いて、画像を記録した。全ての群に対して潅流開始から30分で最終データを収集した。トリパンブルー陽性細胞の数を数え、各条件下で各絨毛に対して数を記録した。
統計学的分析
カルシウム測定及び虚血性傷害
任意蛍光単位(AFU)として細胞内Caの上昇をプロットするが、AFUの数値が高いことは細胞内Ca2+の上昇を示す。次に、絨毛1本あたり最少で7個の細胞を有する各絨毛に対するデータをプールし、記録した。次に、各絨毛から及び各動物からの全ての細胞データの合計に対して、数値的平均を与えた。与えられる研究に対して、絨毛1本あたり7個の細胞、動物1匹あたり5本の絨毛及び各群において5匹の動物があった。
トリパンブルー測定及び虚血性傷害
各実験溶液に30分間曝露した後、盲検下にある観察者から、トリパンブルー陽性細胞の数を記録した。各絨毛に対する陽性細胞の最終的な数を記録した。絨毛1本あたり最少で7個の細胞を有する各絨毛に対するデータをプールし、記録した。次に、各絨毛から及び各動物からの全ての細胞データの合計に対して数値的平均を与えた。与えられる実験に対して、絨毛1本あたり7個の細胞、動物1匹あたり5本の絨毛及び各群において5匹の動物があった。
図1で結果をまとめるが、これは、ラット由来の単離回腸絨毛での虚血性傷害からの保護におけるカルシウム模倣化合物Aの効果を示す。パネルAは、前出の100%N(虚血性傷害)への曝露後の、細胞内カルシウムの変化(ビデオ蛍光画像システム及びカルシウム感受性蛍光指示薬FLUO−4により測定した場合:細胞内カルシウムの上昇はより大きい蛍光強度により示される。)に対する経時変化を示す。パネルBは、N曝露後の回腸絨毛における細胞内カルシウムの変化のまとめである。細胞傷害及び結果として起こる細胞死の兆候であった、最初の値の200%を超えるカルシウムの持続的上昇があった。パネルCは、カルシウム模倣物(100nM 化合物A)への5分間曝露の保護効果を示し、このカルシウム模倣物では、100%Nの存在下でカルシウム上昇は示されず、それにより、虚血がなかったことが示唆される。パネルDは、虚血性傷害に曝露された絨毛におけるカルシウム模倣物(100nM 化合物A)の保護効果のまとめである。
この実施例は、カルシウム模倣化合物が虚血から結腸陰窩を保護することを示す。
動物
実験前に、体重22−27グラムの雄(Casr+/+;Gcm2−/−)又はCaSRノックアウト(Casr−/−;Gcm2−/−)マウス又は体重220−275グラムの雄Sprague−Dawleyラットを自由摂餌及び摂水にした。イソフルオランの過剰量に動物を曝露し、結腸を取り出した。次に、この結腸を4cmの長さの切片に切り分け、個々の陰窩を単離するために37℃で20分間、各切片をEDTA(20mM)中に入れた。この消化時間後、100%Oを泡立てて通気したHEPES−リンガー溶液中に陰窩を入れ、使用まで4℃でこの溶液中で保存した。全てのマウスは、Yale Universityで繁殖コロニーから作製した。Charles River Laboratories Inc.(Wilmington、MA)から雄Sprague−Dawleyラットを購入した。Yale University Animal Care and Use Committeeの標準プロトコールに従い、全ての動物を取り扱った。
化学試薬、虚血性傷害及びカルシウム測定、虚血性傷害及びトリパンブルー、統計学的分析−実施例1参照。
結果を図2でまとめるが、これは、カルシウム模倣化合物がラット結腸陰窩での虚血に対して保護効果を示すことを示す。パネルAは、100%N(虚血性傷害)への曝露後の結腸陰窩における細胞内カルシウムの変化に対する経時変化を示す。パネルBは、N曝露後の細胞内カルシウムの変化のまとめである。パネルCは、カルシウム模倣物(100nM 化合物A)への5分間曝露の保護効果を示し、このカルシウム模倣物では、100%Nの存在下でカルシウム上昇は示されなかった。パネルDは、虚血性傷害に曝露された結腸陰窩におけるカルシウム模倣物(100nM 化合物A)の保護効果のまとめである。化合物A100nMでの5分間のプレパルスにより、結腸陰窩における細胞内カルシウムの上昇が阻止され、従って、酸素なしの環境での陰窩の生存能が高まり、細胞膜の変化(アポトーシス)が阻止された。
この実施例は、カルシウム模倣物が虚血による細胞死を阻止できることを示す。
図3は、カルシウム模倣物への短時間の曝露後のラット回腸絨毛における細胞損傷に対する保護効果を示す。細胞損傷及び膜完全性の崩壊をアッセイするために使用される、トリパンブルー、ジアゾ色素生細胞染色に組織を曝露した。生細胞又は膜損傷のない細胞は染色されなかった。カルシウム模倣物の非存在下で、虚血性状態(100%N)に30分間曝露した結果、60%を超えるトリパンブルーの細胞取り込みが起こった。カルシウム模倣物100nMに僅か5分間曝露することにより、回腸絨毛へのトリパンブルー取り込みが阻止され、このことから、虚血性傷害の予防におけるカルシウム模倣物(100nM 化合物A)の保護効果が示される。
この実施例は、創傷傷害及び修復におけるカルシウム模倣物治療の効果を示し、創傷傷害、炎症及び修復に関与する96種類の遺伝子における化合物Bの影響をマウス全層皮膚創傷傷害モデルにおいて評価した。Zoog SJら、Cytometry A.(2009)3月;75(3):189−98参照。遺伝子mRNAバイオマーカーにおけるカルシウム模倣物治療の影響を定量的PCRにより評価した。
創傷傷害に対するRNAバイオマーカー
創傷傷害RNAバイオマーカー探索のために、雌balb/cマウスを無作為に分け、皮膚創傷の前日及び皮膚創傷後、実験終了まで毎日、化合物B(3mg/kg、n=5)又はビヒクル(水中20%カプチゾール(Captisol)、n=5)で処置した。第0日に、全てのマウスに3mm直径の全層穿孔創傷を与えた。傷害後、第1日及び第3日に、元の3mmの創傷を覆う6mm直径の皮膚生検を行い、創傷組織をRNA分析のために回収した。製造者の説明書に従い、Trizol試薬(Invitrogen)を用いてRNAを単離した。1xABI(Applied Biosystems)Taqman qRT−PCR混合液中の10μLの最終体積で1個のウェルにトータルRNA10ngを添加し、ABI7900HTリアルタイムPCRシステムにおいて運転した。データ分析のために、ABI SDS2.1ソフトウェアを用いて、対照遺伝子、Hprt1を基にして、各試料の遺伝子発現プロファイルを最初に調べた。さらにActb、Gapdh、Hprt1及びRpl27で各試料のシグナルを正規化した。第1日及び3日にビヒクルとカルシウム模倣物(化合物B)処置群との間で差異を示す遺伝子を表2でまとめる。
カルシウム模倣物処置マウスは、一連の試験期間にわたり、20−36ng/mLの平均血漿レベルを示し、ビヒクル処置動物での10.2−10.9mg/dLの総カルシウムレベルと比較して、7.21−7.9mg/dLの血清総カルシウムレベルという、対応する低下を示した。これらの結果から、カルシウム模倣化合物が、皮膚創傷傷害、炎症及び修復反応に影響を与え得る血清カルシウムにおいて薬力学的な効果を有したことが示唆される。
バイオマーカー遺伝子RNA分析から、正常な皮膚において、及び化合物Bで処置した動物の傷害後第1日及び第3日の損傷皮膚において、CaSRが発現されることが示された(図4)。このことから、創傷組織においてCaSRが発現され、故にカルシウム模倣物により調節され得ることが示唆される(図4)。
ビヒクル対照と比較して、第1日及び第3日に化合物Bにより動的に影響を受けた創傷傷害、炎症及び修復のバイオマーカーを表2で示す。カルシウム模倣化合物Bは、炎症性遺伝子及びリモデリング及び修復に関与する遺伝子に影響を及ぼした。具体的に、細胞死を促進し得るIL−1a及びTNFなどのキーとなる炎症性サイトカイは、化合物Bにより影響を受けた。影響を受けた、炎症及び修復に関与する遺伝子には、トリプターゼ、TIMP−3及びMMP13が含まれた。細胞生存の促進に関与する遺伝子には、VEGFa、TGFb1、eNOS及びPDGFRbが含まれた。免疫細胞関連遺伝子には、M−CSF、TLR−7及びCD3が含まれた。その他の関連遺伝子には、ITGA3及びPRG−1が含まれた。従って、カルシウム模倣物は、皮膚創傷傷害モデルにおいて創傷バイオマーカー遺伝子発現に影響を与える薬力学的活性を示した。表2は、PCR分析により測定した場合の、ビヒクルを上回る、遺伝子の薬物誘導性の量的変化の増加(倍)を示す(各薬物又はビヒクル処置コホートにおいてn=5)。
Figure 2011516424
この実施例は、回腸での放射線傷害におけるカルシウム模倣化合物の保護効果を示す。
動物
実験前に、体重22−27グラムの雄(Casr+/+;Gcm2−/−)又はCaSRノックアウト(Casr−/−;Gcm2−/−)マウス又は体重220−275グラムの雄Sprague−Dawleyラットを自由摂餌及び摂水にした。イソフルオランの過剰量に動物を曝露し、回腸を取り出した。次に、この回腸を4cmの長さの切片に切り分け、個々の絨毛を単離するために37℃で20分間、各切片をEDTA(20mM)中に入れた。この消化時間後、100%Oを泡立てて通気したHEPES−リンガー溶液中に絨毛を入れ、使用まで4℃でこの溶液中で保存した。全てのマウスは、Yale Universityで繁殖コロニーから作製した。Charles River Laboratories Inc.(Wilmington、MA)から雄Sprague−Dawleyラットを購入した。Yale University Animal Care and Use Committeeの標準プロトコールに従い、全ての動物を取り扱った。
化学試薬
HEPES−リンガー溶液は、(mmol/Lで)NaCl 125;KCl 5;MgCl 0.5;HEPES 22、CaCl 0.1又は1.6;グルコース 10、pH=7.4を含有した。この溶液に100%Oを泡立てて通気した。
生死アッセイ(Invitrogen OR)
強い蛍光性のカルセインへの実質的に非蛍光の細胞浸透性カルセインAMの酵素変換により調べられる、ユビキタスな細胞内エステラーゼ活性の有無により、生きている細胞を区別する。ポリアニオン系色素カルセインは、生細胞中でよく維持され、生細胞において強い均一な緑色蛍光を発した(励起/発光〜495nm/〜515nm)。EthD−1は膜損傷のある細胞に侵入し、核酸へ結合すると40倍の蛍光増強が起こり、それにより、死細胞において明るい赤色蛍光が生じた(励起/発光〜495nm/〜635nm)。EthD−1は、生細胞の無傷の原形質膜により排除された。細胞生存能の判定は、細胞のこれらの物理学的及び生化学的特性に依存する。バックグラウンド蛍光レベルは、このアッセイ技術では生来的に低かったが、これは、色素が細胞との相互作用前に実質的に非蛍光であったからである。
放射線傷害及び生死アッセイ測定
単離後、個々の絨毛をカバースリップ上に置き、倒立顕微鏡のステージに移し、そこで100%Oを泡立てて通気した37℃HEPESリンガー溶液でそれらを潅流した。5分間の平衡時間後、300W Xenon Sourceから送達されるUV A及びUV B放射線に絨毛を曝露した。100%Oを泡立てて通気したHEPESリンガー溶液が入ったチャンバーを連続的に潅流しながら、20分間の曝露時間にわたり、個々の絨毛に放射線を集束させた。1つのシリーズでのこの時間の終了時に、Metafluor画像収集プログラム及び分析ソフトウェアを用いて、画像を記録した。独立観察者が絨毛1本あたりの死細胞数を数えた。各動物に対してこのプロセスを繰り返し、次に統計学的分析のために数値をプールした。
放射線傷害及びトリパンブルー
個々の絨毛を倒立顕微鏡のステージに移し、そこで、100%Oを泡立てて通気した37℃HEPESリンガー溶液でそれらを潅流した。5分間の平衡時間後、300W Xenon Sourceから送達されるUV A及びUV B放射線に絨毛を曝露した。100%Oを泡立てて通気したHEPESリンガー溶液が入ったチャンバーを連続的に潅流しながら、20分間の曝露時間にわたり、個々の絨毛に放射線を集束させた。1つのシリーズのトリパンブルーにおいて、膜の完全性の評価のために使用される非膜浸透色素を槽に添加した(0.1mMトリパンブルー濃縮液を槽溶液に直接溶解させた。)。次に、連続的な時間点で、冷却CCDカメラ及びMetafluor画像収集及び分析ソフトウェアを用いた60x倍率のDICオプティクスを用いて、画像を記録した。全ての群に対して潅流開始から30分で最終データを収集した。トリパンブルー陽性細胞の数を数え、各条件下で各絨毛に対して数を記録した。
統計学的分析
生死測定及び放射線傷害
死滅アッセイエチジウムホモ二量体(EthD-1)に対する陽性染色細胞の増加を死細胞としてプロットした。次に、絨毛1本あたり最少で7個の細胞を有する各絨毛に対するデータをプールし、記録した。次に、各絨毛から及び各動物からの全ての細胞データの合計に対して数値的平均を与えた。与えられる研究に対して、絨毛1本あたり7個の細胞、動物1匹あたり5本の絨毛及び各群において5匹の動物があった。
トリパンブルー測定及び放射線傷害
各実験溶液に30分間曝露した後、盲検下にある観察者から、トリパンブルー陽性細胞の数を記録した。各絨毛に対する陽性細胞の最終的な数を記録した。次に、絨毛1本あたり最少で7個の細胞を有する各絨毛に対するデータをプールし、記録した。次に、各絨毛から及び各動物からの全ての細胞データの合計に対して数値的平均を与えた。与えられる実験に対して、絨毛1本あたり7個の細胞、動物1匹あたり5本の絨毛及び各群において5匹の動物があった。
結果は図5で与えるが、これは、回腸機能における放射線傷害の影響をまとめる。パネルAは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、マウス回腸絨毛細胞の完全性におけるUVA及びUVB放射線の影響の合成サマリープロットである。本カルシウム模倣物はトリパンブルー取り込みを阻止し、それにより細胞の健全性が向上したことが示される。パネルBは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、CaSRノックアウトマウス細胞の完全性におけるUVA及びUVB放射線の影響の合成サマリープロットである。本カルシウム模倣物は、トリパンブルー取り込みの阻止には影響がなく、これにより、本カルシウム模倣物の保護効果が回腸における機能的カルシウム感知受容体と関連することが示される。
この実施例は、回腸での放射線傷害における本カルシウム模倣化合物の保護効果を示す。
動物
実験前に、体重22−27グラムの雄(Casr+/+;Gcm2−/−)又はCaSRノックアウト(Casr−/−;Gcm2−/−)マウス又は体重220−275グラムの雄Sprague−Dawleyラットを自由摂餌及び摂水にした。イソフルオランの過剰量に動物を曝露し、回腸を取り出した。次に、結腸を4cmの長さの切片に切り分け、個々の陰窩を単離するために37℃で20分間、各切片をEDTA(20mM)中に入れた。この消化時間後、100%Oを泡立てて通気したHEPES−リンガー溶液中に陰窩を入れ、使用まで4℃でこの溶液中で保存した。全てのマウスは、Yale Universityで繁殖コロニーから作製した。Charles River Laboratories Inc.(Wilmington、MA)から雄Sprague−Dawleyラットを購入した。Yale University Animal Care and Use Committeeの標準プロトコールに従い、全ての動物を取り扱った。
化学試薬
HEPES−リンガー溶液は、(mmol/Lで)NaCl 125;KCl 5;MgCl 0.5;HEPES 22、CaCl 0.1又は1.6;グルコース 10、pH=7.4を含有した。この溶液に対して100%Oを泡立てて通気した。
生死アッセイ(Invitrogen OR)
実質的に非蛍光の細胞浸透性カルセインAMの、強い蛍光性のカルセインへの酵素変換により調べられる、ユビキタスな細胞内エステラーゼ活性の有無により、生細胞を区別する。ポリアニオン系色素カルセインは、生細胞中でよく維持され、生細胞において強い均一な緑色蛍光を発した(励起/発光〜495nm/〜515nm)。EthD−1は膜損傷のある細胞に侵入し、核酸への結合の際に40倍の蛍光増強が起こり、それにより、死細胞において明るい赤色蛍光が生じた(励起/発光〜495nm/〜635nm)。EthD−1は、生細胞の無傷の原形質膜により排除された。細胞生存能の判定は、細胞のこれらの物理学的及び生化学的特性に依存する。バックグラウンド蛍光レベルは、このアッセイ技術では生来的に低かったが、これは、この色素が細胞との相互作用前に実質的に非蛍光であったからである。
放射線傷害及び生死アッセイ測定
単離後、個々の陰窩をカバースリップ上に置き、倒立顕微鏡のステージに移し、そこで、100%Oを泡立てて通気した37℃HEPESリンガー溶液でそれらを潅流した。5分間の平衡時間後、300W Xenon Sourceから送達されるUV A及びUV B放射線に陰窩を曝露した。100%Oを泡立てて通気したHEPESリンガー溶液が入ったチャンバーを連続的に潅流しながら、20分間の曝露時間にわたり、個々の陰窩に放射線を集束させた。1つのシリーズのこの時間の終了時に、Metafluor画像収集プログラム及び分析ソフトウェアを用いて、画像を記録した。独立観察者が陰窩1個あたりの死細胞数を数えた。各動物に対してこのプロセスを繰り返し、次に統計学的分析のために数値をプールした。
放射線傷害及びトリパンブルー
個々の陰窩を倒立顕微鏡のステージに移し、そこで、100%Oを泡立てて通気した37℃HEPESリンガー溶液でそれらを潅流した。5分間の平衡時間後、300W Xenon Sourcweから送達されるUV A及びUV B放射線に陰窩を曝露した。100%Oを泡立てて通気したHEPESリンガー溶液が入ったチャンバーを連続的に潅流しながら、20分間の曝露時間にわたり、個々の陰窩に放射線を集束させた。一連のトリパンブルーにおいて、膜の完全性の評価のために使用される非膜浸透色素を槽に添加した(0.1mMトリパンブルー濃縮液を槽溶液に直接溶解させた。)。次に、連続的な時間点で、冷却CCDカメラ及びMetafluor画像収集及び分析ソフトウェアを用いた60x倍率のDICオプティクスを用いて、画像を記録した。全ての群に対して潅流開始から30分で最終データを収集した。トリパンブルー陽性細胞の数を数え、各条件下で各絨毛に対して数を記録した。
統計学的分析
生死測定及び放射線傷害
死滅アッセイエチジウムホモ二量体(EthD-1)に対して陽性の細胞染色の増加を死細胞としてプロットした。次に、絨毛1本あたり最少で7個の細胞を有する各陰窩に対するデータをプールし、記録した。次に、各陰窩から及び各動物からの全ての細胞データの合計に対して数値的平均を与えた。与えられる研究に対して、陰窩1個あたり7個の細胞、動物1匹あたり5個の陰窩及び各群で5匹の動物があった。
トリパンブルー測定及び放射線傷害
各実験溶液に30分間曝露した後、盲検下にある観察者から、トリパンブルー陽性細胞の数を記録した。次に、各陰窩に対する陽性細胞の最終的な数を記録した。陰窩1個あたり最少で7個の細胞を有する各陰窩に対するデータをプールし、記録した。次に、各陰窩から及び各動物からの全ての細胞データの合計に対して数値的平均を与えた。与えられる実験に対して、陰窩1個あたり7個の細胞、動物1匹あたり5個の陰窩、各群5匹及び各群で5匹の動物があった。
結果を図6でまとめるが、これは、結腸機能における放射線傷害の効果を示す。パネルAは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、マウス結腸陰窩細胞の完全性におけるUVA及びUVB放射線の影響の合成サマリープロットである。本カルシウム模倣物は、トリパンブルー取り込みを阻止し、それにより、細胞の健全性が向上したことが示される。パネルBは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、CaSRノックアウトマウス細胞の完全性におけるUVA及びUVB放射線の影響の合成サマリープロットである。本カルシウム模倣物は、トリパンブルー取り込みの阻止には影響がなく、これにより、本カルシウム模倣物の保護効果が結腸における機能的カルシウム感知受容体と関連することが示される。
この実施例は、カルシウム模倣化合物が回腸での放射線傷害に対する保護効果を示すことを示す。
動物
実験前に、体重22−27グラムの雄(Casr+/+;Gcm2−/−)又はCaSRノックアウト(Casr−/−;Gcm2−/−)マウス又は体重220−275グラムの雄Sprague−Dawleyラットを自由摂餌及び摂水にした。イソフルオランの過剰量に動物を曝露し、回腸を取り出した。次に、この回腸を4cmの長さの切片に切り分け、個々の絨毛を単離するために37℃で20分間、各切片をEDTA(20mM)中に入れた。この消化時間後、100%Oを泡立てて通気したHEPES−リンガー溶液中に絨毛を入れ、使用まで4℃でこの溶液中で保存した。全てのマウスは、Yale Universityで繁殖コロニーから作製した。Charles River Laboratories Inc.(Wilmington、MA)から雄Sprague−Dawleyラットを購入した。Yale University Animal Care and Use Committeeの標準プロトコールに従い、全ての動物を取り扱った。
化学的傷害及び細胞体積変化
単離後、個々の絨毛をカバースリップ上に置き、倒立顕微鏡のステージに移し、そこで、100%Oを泡立てて通気した37℃HEPESリンガー溶液でそれらを潅流した。5分間の平衡時間後、標準的HEPES−リンガー溶液+50mMソルビトールに絨毛を曝露した。ソルビトールへの曝露後、Metamorph画像収集プログラム及び分析ソフトウェアを用いて15秒ごとに画像を記録した。開始時と、全部で15分間にわたり、以降の各時間周期の間、独立観察者が絨毛直径を測定した。各動物に対してこのプロセスを繰り返し、次に統計学的分析のために数値をプールした。
統計学的分析
細胞体積測定及び化学的傷害:死滅アッセイエチジウムホモ二量体(EthD-1)に対して陽性の細胞染色の増加を死細胞としてプロットした。各絨毛に対するデータを記録した。次に、各絨毛から及び各動物からの全ての絨毛体積データの合計に対して数値的平均を与えた。与えられる研究に対して、動物1匹あたり5本の絨毛、各群で5匹の動物があった。
結果を図7で与えるが、これは、回腸機能における放射線傷害の影響を示す。パネルAは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、マウス回腸絨毛細胞の完全性におけるUVA及びUVB放射線の影響の合成サマリープロットである。本カルシウム模倣物は、エチジウムホモ二量体の取り込みの上昇を阻止し、これにより、細胞の健全性が向上することが示される。パネルBは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、CaSRノックアウトマウス細胞の完全性におけるUVA及びUVB放射線の影響の合成サマリープロットである。本カルシウム模倣物は、エチジウムホモ二量体の取り込みをを阻止することにおいて影響がなく、これにより、本カルシウム模倣物の保護効果が回腸における機能的カルシウム感知受容体と関連することが示される。
この実施例は、カルシウム模倣化合物が結腸における化学的傷害に対して保護効果を示すことを示す。
この結果は、回腸機能における化学的傷害の影響をまとめる図8で示す。まとめのグラフは、カルシウム模倣物の存在下及び非存在下での、回腸切片における50mMソルビトールからの化学的傷害の影響を示す。ソルビトールへの曝露によって、傷害により組織重量が増加する。カルシウム模倣物の存在下で、重量は変化しないが、これは、化学的傷害からの保護を示す。
本願で引用される全ての刊行物、特許及び特許出願は、各個々の刊行物又は特許出願が具体的に及び個別に参照により組み込まれることが示されるように、参照により本明細書中に組み込まれる。前述の発明は、理解を明確にするために説明及び実施例によりある程度詳細に記載したが、当業者にとって当然のことながら、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明に対してある程度の変更及び改変が行われ得る。

Claims (28)

  1. 上皮傷害を治療することを必要とする対象に、カルシウム模倣化合物の治療的有効量を投与することを含む、上皮傷害を治療するための方法。
  2. 上皮傷害が胃腸上皮傷害である、請求項1に記載の方法。
  3. 上皮傷害が皮膚損傷である、請求項1に記載の方法。
  4. 上皮傷害が、低酸素症又は虚血により誘発される、請求項1に記載の方法。
  5. 上皮傷害が、化学溶解剤(chemolytic agent)により誘発される、請求項1に記載の方法。
  6. 上皮傷害が化学療法誘発性細胞毒性である、請求項7に記載の方法。
  7. 上皮傷害が、放射線により誘発される、請求項1に記載の方法。
  8. 上皮傷害が、毒素、感染性因子又は化学物質により誘発される、請求項1に記載の方法。
  9. 上皮傷害が、外傷により誘発される、請求項1に記載の方法。
  10. 上皮傷害を緩和することを必要とする対象にカルシウム模倣化合物の治療的有効量を投与することを含む前治療計画によって、上皮傷害を緩和するための方法。
  11. 前治療計画が、それを必要とする対象に、上皮傷害の前3日以内に、カルシウム模倣化合物の治療的有効量を投与することを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 治療後処置計画をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. カルシウム模倣化合物が、式Iの化合物:
    Figure 2011516424
    (式中、X及びX(これらは同一であるか又は異なり得る。)は、それぞれ、CH、CHO、CHCHO、Br、Cl、F、CF、CHF、CHF、CFO、CHS、OH、CHOH、CONH、CN、NO、CHCH、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、アセトキシ及びアセチル基から選択される基であるか又はXの2つが、縮合環式脂肪族環、縮合芳香環及びメチレンジオキシ基から選択される部分を一緒に形成し得るか又はXの2つが、縮合環式脂肪族環、縮合芳香環及びメチレンジオキシ基から選択される部分を一緒に形成し得;ただし、Xは3−t−ブチル基ではなく;
    nは、0から5の範囲であり;
    mは、1から5の範囲であり;
    アルキル基はC−Cアルキル基から選択され、このアルキル基は、場合によっては、飽和及び不飽和、線状、分岐型及び環状C−Cアルキル基、ジヒドロインドリル及びチオジヒドロインドリル基及び2−、3−及び4−ピペリジニル基から選択される少なくとも1つの基で置換される。);
    又は医薬的に許容可能なその塩である、請求項1に記載の方法。
  14. カルシウム模倣化合物が、N−(3−[2−クロロフェニル]−プロピル)−R−α−メチル−3−メトキシベンジルアミン又は医薬的に許容可能なその塩である、請求項13に記載の方法。
  15. カルシウム模倣化合物がシナカルセトHClである、請求項1に記載の方法。
  16. カルシウム模倣化合物が、式IIの化合物:
    Figure 2011516424
    (式中、Rは、アリール、置換アリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、シクロアルキル又は置換シクロアルキルであり;
    は、アルキル又はハロアルキルであり;
    は、H、アルキル又はハロアルキルであり;
    は、H、アルキル又はハロアルキルであり;
    存在する各Rは、独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロゲン、−C(=O)OH、−CN、−NRS(=O)、−NRC(=O)NR、−NRS(=O)NR又は−NRC(=O)Rからなる群から選択され;
    は、アリール、置換アリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、シクロアルキル又は置換シクロアルキルであり;
    各Rは、独立に、H、アルキル又はハロアルキルであり;
    各Rは、独立に、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、これらのそれぞれは、未置換であるか又はアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ及びニトロからなる群から選択される3個以下の置換基により置換され得;
    各Rは、独立に、アルキル、ハロアルキル、フェニル又はベンジルであり、これらのそれぞれは、置換され得るか又は未置換であり得;
    各Rは、独立に、H、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、このアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキルは、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、R、−C(=O)R、−OR、−NR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)及び−S(=O)NRから選択される0、1、2、3又は4個の置換基により置換され;
    mは、1又は2であり;
    nは、0、1又は2であり;
    pは、0、1、2、3又は4であり;
    ただし、Rがメチルであり、pが0であり、Rが未置換フェニルであるならば、Rは、2,4−ジハロフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,4−ジエチルフェニル、2,4,6−トリハロフェニル又は2,3,4−トリハロフェニルではない。)
    又は医薬的に許容可能なその塩である、請求項1に記載の方法。
  17. カルシウム模倣化合物が、(1R)−N−((6−(メチルオキシ)−4’−(トリフルオロメチル)−3−ビフェニルイル)メチル)−1−フェニルエタンアミン又は医薬的に許容可能なその塩である、請求項16に記載の方法。
  18. カルシウム模倣化合物が、(1R)−N−((6−クロロ−3’−フルオロ−3−ビフェニルイル)メチル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン又は医薬的に許容可能なその塩である、請求項16に記載の方法。
  19. カルシウム模倣化合物が、(1R)−1−(6−(メチルオキシ)−4’−(トリフルオロメチル)−3−ビフェニルイル)−N−((1R)−1−フェニルエチル)エタンアミン又は医薬的に許容可能なその塩である、請求項16に記載の方法。
  20. カルシウム模倣化合物が、式IIIの化合物:
    Figure 2011516424
    及び医薬的に許容可能なその塩(式中、
    Figure 2011516424
    は、二重又は単結合を表し;
    はRであり;
    は、C1−8アルキル又はC1−4ハロアルキルであり;
    は、H、C1−4ハロアルキル又はC1−8アルキルであり;
    は、H、C1−4ハロアルキル又はC1−4アルキルであり;
    は、独立に、各例で、H、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、−OC1−6アルキル、−NR又はNRC(=O)Rであり;
    Xは、−CR=N−、−N=CR−、O、S又は−NR−であり;
    Figure 2011516424
    が二重結合である場合、Yは=CR−又は=N−であり、Zは−CR=又は−N=であり;
    Figure 2011516424
    が単結合である場合、Yは−CR−又は−NR−であり、Zは−CR−又は−NR−であり;
    は、R、C1−4ハロアルキル、−C(=O)R、−OC1−6アルキル、−OR、−NR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、シアノ、ニトロ、−NRS(=O)又は−S(=O)NRであり;
    は、R、C1−4ハロアルキル、−C(=O)R、−OC1−6アルキル、−OR、−NR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、シアノ、ニトロ、−NRS(=O)又は−S(=O)NRであるか;又はR及びRは、一緒に、0、1、2又は3個のN原子及び0、1又は2個のS及びOから選択される原子を含有する3から6個の原子の飽和又は不飽和架橋を形成し、この場合、この架橋は、Rから選択される0、1又は2個の置換基により置換され;R及びRがベンゾ架橋を形成する場合、このベンゾ架橋は、N及びOから選択される1又は2個の原子を含有する3又は4個の原子の架橋(この架橋は、C1−4アルキルから選択される0又は1個の置換基により置換される。)によりさらに置換され得;
    は、独立に、各例で、H、C1−4ハロアルキル又はC1−6アルキルであり;
    は、独立に、各例で、フェニル、ベンジル、ナフチル又は、N、O及びSから選択される1、2又は3個の原子(O及びSから選択される原子は2個以下)を含有する飽和もしくは不飽和の5もしくは6員環の複素環(このフェニル、ベンジル又は複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基により置換される。)であり;
    は、独立に、各例で、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、フェニル又はベンジルであり;
    は、独立に、各例で、H、C1−6アルキル、フェニル、ベンジル又は、N、O及びSから選択される1、2又は3個の原子(O及びSから選択される原子は2個以下)を含有する、飽和もしくは不飽和の5もしくは6員環の複素環(このC1−6アルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル及び複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2、3又は4個の置換基により置換される。)、R、−C(=O)R、−OR、−NR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)及び−S(=O)NRであり;
    mは、1又は2である。)
    又は医薬的に許容可能なその塩である、請求項1に記載の方法。
  21. カルシウム模倣化合物が、式IVの化合物:
    Figure 2011516424
    (式中、R及びR’(これらは同じであるか又は異なり得る。)は、アリール基、ヘテロアリール基、1以上のハロゲン原子により、1以上のヒドロキシ基により、1から5個の炭素原子を含有する1以上の線状又は分岐状アルキル又はアルコキシ基により、1以上のトリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−CN、−NO、アセチル、カルボキシル、カルボアルコキシ又はチオアルキル基及び酸化スルホキシド又はそのスルホン型、チオフルオロアルコキシ基により置換される、アリール又はヘテロアリール基を表すか、
    又は、R及びR’は、それらが連結される炭素原子と一緒に、式:
    Figure 2011516424
    の環(式中、Aは、単結合、−CH−基、酸素、窒素又は硫黄原子である。)を形成し、
    及びR’は、それらが連結される窒素原子と一緒に、1から5個の炭素原子を含有する1以上の線状又は分岐状アルキル基により場合によっては置換される4又は5個の炭素原子を含有する飽和複素環を形成するか(この複素環は、場合によってはさらなるヘテロ原子を含有し、それ自身、基Rにより場合によっては置換される(Rは、水素原子、アルコキシ又はアシルオキシ基により場合によっては置換される1から5個の炭素原子を含有する線状又は分岐状アルキル基を表す。)。)、
    又はR及びR’は(これらは同じであるか又は異なり得る。)、水素原子、1から5個の炭素原子を含有するヒドロキシ又はアルコキシ基により場合によっては置換される、1から5個の炭素原子を含有する線状又は分岐状アルキル基を表し、
    は、式:
    Figure 2011516424
    (式中、Bは、酸素原子又は硫黄原子を表し、R及びR’(これらは同じであるか又は異なり得る。)は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル又はアルキルチオ基及び、酸化スルホキシド及びそのスルホン型、1から5個の炭素原子を含有する線状又は分岐状、アリール又はヘテロアリール基、ハロゲン原子、1から5個の炭素原子を含有する線状又は分岐状アルキル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、−CN基、アミノ、ジアルキルアミノ及び−NH−CO−アルキル基、アルキルチオ基及び酸化スルホキシド及びそのスルホン型、アルキルスルホンアミド−NH−SO−アルキル基から選択される1以上の基によるか又はモルホリノ基により置換される、アリール又はヘテロアリール基を表すか、
    又はチアゾリル又はオキサゾリル基上のR及びR’は、1以上の場合によっては置換されるヘテロ原子を含むか又は含まない、飽和もしくは不飽和の環を形成し得る。)
    のチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル又はベンゾオキサゾリル基を表す。)
    又は医薬的に許容可能なその塩である、請求項1に記載の方法。
  22. カルシウム模倣化合物が、3−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)−1−(3,3−ジフェニルプロピル)−1−(2−(4−モルホリニル)エチル)尿素又は医薬的に許容可能なその塩である、請求項21に記載の方法。
  23. カルシウム模倣化合物が、N−(4−(2−((((3,3−ジフェニルプロピル)(2−(4−モルホリニル)エチル)アミノ)カルボニル)アミノ)−1,3−チアゾール−4−イル)フェニル)メタンスルホンアミド又は医薬的に許容可能なその塩である、請求項21に記載の方法。
  24. カルシウム模倣化合物が、式Vの化合物:
    Figure 2011516424
    (式中、
    は、フェニル、ベンジル、ナフチル又は、N、O及びSから選択される1、2又は3個の原子(O及びSから選択される原子は2個以下)を含有する飽和もしくは不飽和の5もしくは6員の複素環であり、このフェニル、ベンジル、ナフチル又は複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基により置換され;
    は、C1−8アルキル又はC1−4ハロアルキルであり;
    は、H、C1−4ハロアルキル又はC1−8アルキルであり;
    は、H、C1−4ハロアルキル又はC1−8アルキルであり;
    は、独立に、各例で、H、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、置換もしくは未置換ピロリジニル、置換もしくは未置換アゼチジニル又は置換もしくは未置換ピペリジルであり、この場合、この置換基は、ハロゲン、−OR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、シアノ、ニトロ、−NRS(=O)又は−S(=O)NRから選択され得;
    Lは、−O−、−OC1−6アルキル−、−C1−6アルキルO−、−N(R)(R)−、−NRC(=O)−、−C(=O)−、−C(=O)NR1−6アルキル−、−C1−6アルキル−C(=O)NR−、−NRC(=O)NR−、−NRC(=O)NR1−6アルキル−、−NRC(=O)R−、−NRC(=O)OR−、−OC1−6アルキル−C(=O)O−、−NR1−6アルキル−、−C1−6アルキルNR−、−S−、−S(=O)−、−NRS(=O)又は−S(=O)N(R)−であり;
    Cyは、部分もしくは完全飽和又は不飽和の5−8員単環式、6−12員二環式又は7−14員三環式の環系であり、この環系は、単環式の場合は1から3個のヘテロ原子、二環式の場合は1から6個のヘテロ原子又は三環式の場合は1から9個のヘテロ原子を場合によっては含む炭素原子から形成され、この環系の各環は、場合によっては、独立に、R、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)又は−S(=O)NRの1以上の置換基により置換され;
    は、部分もしくは完全飽和又は不飽和の5−8員単環式、6−12員二環式又は7−14員三環式の環系であり、この環系は、単環式の場合は1から3個のヘテロ原子、二環式の場合は1から6個のヘテロ原子又は三環式の場合は1から9個のヘテロ原子を場合によっては含む炭素原子から形成され、この環系の各環は、場合によっては、独立に、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)又は−S(=O)NRの1以上の置換基により置換され;
    は、独立に、各例で、H、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキルアリール又はアリールC1−6アルキルであり;
    は、独立に、各例で、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル又は、N、O及びSから選択される1、2又は3個の原子(O及びSから選択される原子は2個以下)を含有する、飽和もしくは不飽和の5もしくは6員の複素環であり、このフェニル、ベンジル、ナフチル又は複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基により置換され;
    は、独立に、各例で、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、フェニル又はベンジルであり;
    は、独立に、各例で、H、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニル、ベンジル、ナフチル又は、N、O及びSから選択される1、2又は3個の原子(O及びSから選択される原子は2個以下)を含有する飽和もしくは不飽和の5もしくは6員の複素環であり、このC1−6アルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル及び複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロ、R、−C(=O)R、−OR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)及び−S(=O)NRから選択される0、1、2、3又は4個の置換基により置換され;
    mは、1又は2であり;
    nは1又は2であり;
    ただし、Lが、−O−又は−OC1−6アルキル−であるならば、Cyはフェニルではない。)
    又は医薬的に許容可能なその塩である、請求項1に記載の方法。
  25. カルシウム模倣化合物が、N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−メチル−3−イソキサゾールカルボキサミド又は医薬的に許容可能なその塩である、請求項24に記載の方法。
  26. カルシウム模倣化合物が、N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−ピリジンカルボキサミド又は医薬的に許容可能なその塩である、請求項24に記載の方法。
  27. 対象が哺乳動物である、請求項1に記載の方法。
  28. 対象がヒトである、請求項1に記載の方法。
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