JP2011513778A - 改善されたレンズ移動のためのシリコーンヒドロゲル眼科用レンズを加工するための方法及びシステム - Google Patents

改善されたレンズ移動のためのシリコーンヒドロゲル眼科用レンズを加工するための方法及びシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、レンズ移動を円滑にするための加工助剤としてジメチルシロキサンを含有する水溶液を用いて、シリコーンヒドロゲル眼科用レンズを加工するための方法及びシステムを含む。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年2月28日に仮出願された米国特許仮出願第61/032,161号の非暫定出願である。
(発明の分野)
本発明は、シリコーンヒドロゲルから作製される眼科用レンズを製造するためのプロセスに関する。更に具体的には、本発明は、眼科用レンズを加工し、かつレンズが形成された鋳型部分における自動レンズ検査収率の増加をもたらすための方法及びシステムに関する。
コンタクトレンズを用いて、視力を向上させられることが周知である。長年、種々のコンタクトレンズが市販されている。コンタクトレンズの初期のデザインは、硬質材料から作られていた。硬質材料のレンズは、用途によっては現在でも用いられているが、快適さ、及び酸素に対する透過性が比較的低いことから、全ての患者に適しているわけではない。その分野における後の開発によって、ヒドロゲルに基づくソフトコンタクトレンズが生まれた。
現在、シリコンヒドロゲルコンタクトレンズは、一般に受け入れられている。ソフトシリコンヒドロゲルレンズは、硬質材料から作製されたコンタクトレンズよりも着用が快適であることが多い。ソフトコンタクトレンズは、多部分鋳型内でレンズを形成することによって製造することができ、ここでは、組み合わされた部分によって、所望の最終レンズと一致するトポグラフィが形成される。
ヒドロゲルを有用な物品(例えば眼科レンズ)に作るために用いる多部分鋳型は、例えば、眼科レンズの後側湾曲部に対応する凸部表を伴う第1の鋳型部分と、眼科レンズの前側湾曲部に対応する凹部表面を伴う第2の鋳型部分とを備えることができる。レンズを作製するためには、未硬化のヒドロゲルレンズ配合物を鋳型部分の凸面と凹面の間に定置し、その後、硬化させる。ヒドロゲルレンズ配合物は、例えば、熱及び光のいずれか一方、又は両方に暴露されることによって、硬化されてもよい。硬化したヒドロゲルは、鋳型の寸法に一致したレンズを形成する。
眼科用レンズ加工中、レンズは、一般に、レンズ支持体に定置され、1つ以上の溶液に暴露される。溶液への暴露後、レンズは、レンズ支持体からパッケージへと移動される。支持体内のそれぞれのレンズの一貫した定置により、自動機械による移動のためのレンズの位置決めが行いやすくする。
自動レンズ検査システムを使用して、パッケージ内のレンズを視覚的に検査し、レンズがパッケージに適切に移動しているか否かを判定することができる。
〔課題を解決するための手段〕
したがって、本発明は、シリコーンヒドロゲル眼科用レンズを加工する方法を提供し、これには、一例として、ジメチルシロキサン、いくつかの実施形態においては、ジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーのような、ペンダント/櫛型の形状を含む親水性置換基を有するシロキサン骨格鎖を含む1つ以上の界面活性剤の有効量の水溶液に、レンズを暴露することによって円滑にされる支持体又は他の容器における、レンズの定置を含む。
いくつかの実施形態においては、例えば、ホウ酸ナトリウムのような中和剤を、水溶液中に含む。
加えて、本発明は、概して、少なくとも1つの高分子量の親水性ポリマーと、少なくとも1つのヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーとを含む反応混合物から形成された水和シリコーンヒドロゲルを含む材料から作製された眼科用レンズに関する。いくつかの実施形態においては、眼科用レンズは、高分子量の親水性のポリマーと、有効量のヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーとを含む反応混合物から形成される。
本発明のいくつかの実施形態に従う、鋳型組立品装置を図示。 DBE 821を備える溶液にレンズを暴露した後、改善されたレンズ収率を例示するチャート。
本発明により、シリコーンヒドロゲル眼科用レンズの更に有効な加工は、有効量のジメチルシロキサン、及びいくつかの実施形態においては、ジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーの水溶液に、硬化されたレンズを暴露することによって実現することができることが判定されている。特に、いくつかの実施形態においては、レンズが、凹部レンズ支持体に含有されつつ、コンタクトレンズが、暴露される水溶液に、1つ以上のジメチルシロキサン及びジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーを含む。1つ以上のジメチルシロキサン及びジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーへの暴露は、凹部支持体におけるレンズの中心化を改善し、それによって、レンズの更なる一貫した定置をもたらし、同様に、自動機械によるレンズの移動を改善する。
定義
本明細書で使用するとき、「浸出材料」には、UCD、希釈剤、及びポリマーに結合しない他の材料が含まれており、例えば、水若しくは有機溶媒で浸出させることによって、ポリマーマトリックスから抽出されてもよい。一例として、いくつかの実施形態においては、浸出材料としてデカン酸を含む。
本明細書で使用するとき、「浸出助剤(Leaching Aid)」は、眼科用レンズを処理するために水溶液中に有効量で使用される場合、低減された量の浸出材料を有するレンズを産生することができる、あらゆる化合物である。ジメチルシロキサン、及びいくつかの実施形態においては、ジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーを、浸出補助剤として含む。
本明細書で使用するとき、「レンズ」は、眼内又は眼上にある任意の眼用装置を指す。これらの装置は光学補正をもたらすことができるか、又は美容用であっても良い。例えば、レンズという用語は、コンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼用挿入物、光学挿入物、又は他の同様の、視力が補正若しくは変更される装置か、又は視力を妨げることなく目の生理機能が美容的に拡張される(例えば、虹彩色)装置を指すことができる。いくつかの実施形態では、本発明の好ましいレンズは、シリコーンヒドロゲル類、及びフルオロヒドロゲル類を含むが、これらに限定されない、シリコーンエラストマー類又はヒドロゲル類から作製される、ソフトコンタクトレンズである。種々の実施形態においては、レンズは、光学補正、創傷手当て、薬物送達、診断機能、美容補強又は美容作用、あるいは、これらの性質の組み合わせを提供することができる。
本明細書で使用するとき、「レンズ形成混合物」、「反応性混合物」又は、「RMM」(反応性モノマー混合物)という用語は、硬化及び架橋することができるか、又は架橋して眼科レンズを形成することができる、モノマー又はプレポリマー材料を指す。様々な実施形態は、UV遮断剤、染料、光開始剤、又は触媒、及びコンタクト若しくは眼内レンズ等の眼科レンズに望まれ得る他の添加剤等の1つ以上の添加剤を有するレンズ形成混合物を含むことができる。
本明細書で使用するとき、「レンズ形成表面」は、レンズを成型するために使用する表面を意味する。いくつかの実施形態においては、任意のこのような表面103〜104は、光学品質表面仕上げを備えることができる。光学品質表面仕上げとは、表面が十分に滑らかで、成型表面に接触しているレンズ形成材料の重合によって作られるレンズ表面が光学的に許容可能であるように形成されることを示す。更に、いくつかの実施形態においては、レンズ形成表面103〜104は、レンズ表面に所望の光学特性を付与するのに必要な幾何学形状を有することができる。所望の光学特性としては、限定することなく、球面、非球面、及び円筒屈折力、波面収差補正、角膜トポグラフィ補正などに加えて、それらの任意の組み合わせが挙げられる。
本明細書で使用するとき、「鋳型」という用語は、未硬化配合物からレンズを形成するために使用され得る、剛性又は半剛性の物体を指す。いくつかの好ましい鋳型は、前側湾曲部鋳型部分及び後側湾曲部鋳型部分を形成する、2つの鋳型部分を含む。
本明細書で使用するとき、「モノマー」という用語は、ゲル透過クロマトグラフィーの屈折率検出法によって測定された場合に、少なくとも1つの重合可能な基を含み、かつ約2000ダルトン未満の平均分子量を含む化合物である。したがって、モノマーは、二量体、場合によっては、オリゴマーを含むことができ、これには、1つ以上のモノマー単位から作られたオリゴマーを含まれる。
本明細書で使用するとき、「鋳型から取り外す」とは、レンズが、鋳型から完全に分離した状態、又は穏やかな揺動によって取り外すか、若しくは綿棒を用いて押し外すことができるように、ほんの軽く付着した状態のいずれかとなることを意味する。
本明細書で使用するとき、「加工助剤」は、加工助剤を含まない水溶液中のレンズと比較して、水と組み合わせた場合、レンズ容器中の眼科用レンズの表面張力を低下させる、有機溶媒を除いた、化合物又は化合物の混合物である。ジメチルシロキサン、及びいくつかの実施形態においては、加工助剤として、ジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーを含む。
本明細書で使用するとき、「処置」という用語は、浸出助剤及び離型助剤のうち、少なくとも1つを含む、水溶液に硬化されたレンズを暴露することを意味する。
本明細書で使用し、かつ上述した定義にように、「UCD」という用語は、未反応成分及び希釈剤を意味する。
鋳型
図1を参照すると、眼科用レンズ用の例示的鋳型100の図は、エネルギー受信部分109とともに図示される。本明細書で使用するとき、鋳型という用語は、レンズ形成用混合物の反応又は硬化の際に所望の形状の眼科用レンズが製造されるように、レンズ形成混合物110を分配することができる、空洞105を有する形態100を含む。本発明の鋳型及び鋳型組立品100は、複数の「鋳型部分」又は「鋳型片」101〜102から構成される。鋳型部分101〜102を組み合わせて、空洞105を鋳型部分101〜102間に形成し、その中にレンズを形成することができるようにすることができる。このような鋳型部分101〜102の組み合わせは、一時的であることが好ましい。レンズが形成されたら、レンズを取り出すために鋳型部分101〜102を再び分離することができる。
少なくとも1つの鋳型部分101〜102は、その表面103〜104の少なくとも一部がレンズ形成用混合物と接触していて、レンズ形成用混合物110の反応又は硬化の際に、表面103〜104が所望の形状及び形態を表面が接触しているレンズ部分にもたらすようになっている。少なくとも1つの他の鋳型部分101〜102についても同じである。
こうして、例えば、好ましい実施形態においては、鋳型組立品100を、2つの部分101〜102、すなわち雌型の凹部片(前側片)102と雄型の凸部片(後側片)101(それらの間に空洞が形成されている)から形成する。凹部表面104のレンズ形成用混合物と接触する部分は、鋳型組立品100内に作製すべき眼科レンズの前側湾曲部の湾曲を有するとともに、十分に滑らかであり、凹部表面104と接触しているレンズ形成用混合物の重合によって形成された眼科レンズの表面が光学的に許容できるものとなるように形成されている。
いくつかの実施形態においては、前側鋳型片102はまた、円形の周辺エッジ108と一体でこれを囲む環状フランジを備えることができ、このフランジから、軸線に垂直でフランジ(図示せず)から延びる平面内で延びている。
レンズ形成表面は、光学品質表面仕上げを備える表面103〜104を含むことができ、光学品質表面仕上げとは、表面が十分に滑らかで、成型表面に接触しているレンズ形成材料の重合によって作られるレンズ表面が光学的に許容可能であるように形成されていることを示す。更に、いくつかの実施形態においては、レンズ形成表面103〜104は、レンズ表面に所望の光学特性を付与するのに必要な幾何学形状を有することができる。所望の光学特性としては、限定することなく、球面、非球面、及び円筒屈折力、波面収差補正、角膜トポグラフィ補正などに加えて、それらの任意の組み合わせが挙げられる。
鋳型部分101〜102材料は、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、及び変性ポリオレフィンのうちの1つ以上のポリオレフィンを含むことができる。
好ましい脂環式コポリマーは、2種の異なる脂環式ポリマーを含み、Zeon Chemicals L.P.によってZEONORの商品名で販売される。ゼオノールには、複数の異なる等級がある。種々の等級には、105℃〜160℃の範囲のガラス転移温度があっても良い。特に好ましい材料は、ZEONOR 1060Rである。
1つ以上の添加剤と組み合わせて、眼科用レンズの鋳型を形成し得る他の鋳型材料には、例えば、ジーグラナッタ(Zieglar-Natta)ポリプロピレン樹脂(しばしばznPPと称される)が含まれる。代表的なジーグラナッタポリプロピレン樹脂は、PP 9544 MEDという名で入手可能である。PP 9544 MEDは、FDA規則21 CFR(c)3.2により清浄成型に対する透明化ランダム共重合体であり、ExxonMobile Chemical Companyにより入手可能である。PP 9544 MEDは、エチレン基を有するランダムコポリマー(znPP)である(以下、9544 MED)。他の代表的なジーグラナッタポリプロピレン樹脂としては、アトフィーナポリプロピレン(Atofina Polypropylene)3761及びアトフィーナポリプロピレン3620WZが挙げられる。
更にまた、いくつかの実施形態においては、本発明の鋳型には、ポリマー、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、主鎖に脂環式部分を含む変性ポリオレフィン、及び環状ポリオレフィンが含まれる場合もある。このブレンドを、鋳型半片の一方又は両方の上で用いることができる。このブレンドを後側湾曲部上で用いて前側湾曲部は脂環式コポリマーからなることが好ましい。
本発明により鋳型100を作るいくつかの好ましい方法では、既知の技術に従って射出成型を用いるが、実施形態には、他の技術によって作られる鋳型を含むこともできる。他の技術としては、例えば旋盤法、ダイヤモンド切削、又はレーザー切断が挙げられる。
通常、レンズを、両方の鋳型部分101〜102の少なくとも1つの表面上に形成する。しかしながら、いくつかの実施形態においては、レンズの片方の表面は、鋳型部分101〜102から形成され得、レンズの他方の表面は、旋盤法、又は他の方法を用いて形成することができる。
処理
本発明により、処理は、水溶液に、硬化されたレンズを暴露する工程を含むことができ、これには、ジメチルシロキサン、及びいくつかの実施形態においては、ジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーを有する溶液が含まれる。暴露する工程には、例えば浸水、スプレー又は硬化されたレンズとの接点に溶液を流す工程を含み得る。
また、いくつかの実施形態においては、ホウ酸ナトリウムは、水和溶液中に含まれる。ホウ酸ナトリウムは、水和溶液を中和するには有効であり得る。いくつかの好ましい実施形態には、約5〜10、及び最も好ましくは約7.5〜9のpHを有する水和溶液を含むことができる。いくつかの実施形態においては、ホウ酸ナトリウムは、約0.5%〜5%、及び最も好ましくは約0.8%〜2%の濃度で水和溶液に添加され得る。
種々の実施形態においては、処置は、例えば溶液中にレンズを浸漬させることにより、又は溶液の流れにレンズを暴露することにより達成され得る。種々の実施形態においては、処置はまた、例えば溶液を加熱することと、溶液を撹拌することと、レンズを取り外せる上で十分なレベルまで、溶液中の離型助剤のレベルを増加させることと、レンズを機械的に揺動させることと、レンズからのUCDの適切な除去を円滑にする上で十分なレベルまで、溶液中の浸出助剤のレベルを増加させることのうちの1つ以上も含むことと、ができる。
非限定例として、種々の実施には、特定時間、固定タンク内に収容された溶液中にレンズが浸水するバッチ処理(batch process)、又は浸出助剤及び離型助剤のうち、少なくとも1つを含む溶液の連続的な流れにレンズが暴露される垂直処理(vertical process)のいずれかによって達成される、レンズ定置を含むことができる。
いくつかの実施形態において、溶液は、レンズの浸出及び鋳型部分からのレンズの取り外しを更に円滑にするために、熱交換器若しくは他の加熱装置で加熱することができる。例えば、加熱には、ヒドロゲルレンズ及びレンズが付着する鋳型部分を加熱された水溶液中に浸水しつつ、沸点まで、水溶液の温度を上昇させることを含むことができる。他の実施形態には、水溶液の温度を制御循環させることを含むことができる。
いくつかの好ましい実施形態においては、レンズが暴露される溶液は、90℃以上まで加熱される。他の実施形態においては、水溶液中に含まれる界面活性剤の曇点温度を超える温度まで加熱された水溶液が好ましい。したがって、このような実施形態においては、約70℃を超える温度がより好ましい場合がある。
いくつかの実施形態はまた、浸出及び取り外しを円滑にするために物理的な揺動の適用を含むこともできる。例えば、レンズが付着するレンズ鋳型部分は、振動、又は水溶液中で前後運動させることもできる。他の実施形態には、超音波を水溶液に通すことが含まれてもよい。
これらの及び他の類似した方法は、レンズの梱包前に、レンズを取り外し、かつ、ジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーとのレンズの接触を通して、デカン酸、UCD、又は他の不必要な材料を眼科用レンズから除去するために許容可能な手段を提供することができる。
加工
本発明によると、シリコーンヒドロゲルレンズの加工は、レンズから浸出させる工程、及び所望の位置に定置し、位置に保持することを可能にするために十分なほど水和溶液の表面張力を低減させる工程のうちの1つ又は双方を促進するのに効果的な濃度の水と混合された、ジメチルシロキサン、及びいくつかの実施形態においては、ジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーを含む水和溶液に、レンズを暴露することによって促進される。いくつかの実施形態においては、水和溶液には、ジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマー、塩基性水及びDI水のようなジメチルシロキサンが含まれる。いくつかの好ましい実施形態においては、水和溶液は、約0.05%〜5.0%のジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーを含み、塩基性水は、0.1%〜1%の濃度で、約7.5〜9のpHの範囲内である。他の実施形態には、約0.01%〜10.0%ジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーのものであり、かつ0.1%〜5%の濃度で、約4.5〜10のpHの範囲の塩基性水を有する、水和溶液を含むことができる。
界面活性剤は、親水性置換基が、ペンダント/櫛状の形状である、親水性及び疎水性部分を有する必要がある。1つの好ましい例示の界面活性剤には、Gelestにより商業的に入手可能な化合物が含まれ、DBE、特にDBE−821の商標名で入手可能である。DBE−821は、抽出を円滑にする浸出助剤、及び容器中のレンズの定置を円滑にする加工助剤のうちの片方又は両方として水溶液中で利用され得る。抽出を手助けするための浸出助剤として利用する際、DBE 821等の界面活性剤は、一般には、より高濃度で使用される加工助剤として使用される際よりも高濃度に存在する。
より高濃度の界面活性剤溶液が、本質的に、加工助剤としての役割を果たすが、加工助剤が、唯一所望の成果である場合、例えば、約0.009%〜約0.0110%のジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーの溶液中で、組成物を使用することができる。
加工助剤としてジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーの使用の態様は、界面活性剤溶液が、溶液の表面張力を低下させ、このようにして、レンズの適切な定置が該プロセスを通して適切な移動を確実にすることが可能である。前述の例に記述されるように、本質的に、加工助剤としての役割を果たす一方、溶液はまた、より高濃度で、界面活性剤は、レンズの配合の希釈剤中に使用される低水溶性成分の拡散速度を向上させる、抽出助剤としても使用され得る。
本発明により、デカン酸及びUCD等の望ましくない材料をレンズから除去する上で有効な濃度で、水と組み合わせた1つ以上の浸出助剤及び加工助剤を含む、溶液にレンズを暴露することによってシリコーンヒドロゲルレンズの抽出及び加工を円滑にする。
例えば、いくつかの実施形態においては、眼科用レンズに対しては、浸出助剤にレンズを暴露する処置が施されるとともに、GC質量分析計を使用して、眼科用レンズ中における1つ以上のUCDのレベルを測定することができる。GC質量分析計は、特定の浸出助剤による処置が、当該レンズ中に存在する特定のUCDの量を最大閾値量まで減少させる上で有効か否かを決定することができる。
したがって、いくつかの実施形態においては、GC質量分析計を使用して、デカン酸の最大閾値に関して確認することができる。
レンズ材料
本発明で用いるのに適した眼科用レンズには、シリコーンヒドロゲルから作られたものが含まれる。シリコーンヒドロゲルは、従来のヒドロゲルと比較して、眼科用レンズの着用者に利益を与える。例えば、それらは、典型的には、より高い酸素透過性のDk、又は酸素/酸素透過性のDk/l(ここで、lはレンズの厚さである)を与える。このようなレンズは、緩和された低酸素症に起因して生じる角膜の膨張を低減し、赤眼(limbal redness)を緩和し、装着感を改善し、細菌感染等の有害反応の危険性を低減し得る。シリコーンヒドロゲルは、典型的には、シリコーン含有モノマー又はマオクロマーを親水性モノマー又はマクロマーと組み合わせることによって作製される。
シリコーン含有モノマーの例としては、SiGMA(2−プロペン酸、2−メチル−,2−ヒドロキシ−3−[3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]プロピルエステル)、α,ω−ビスメタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン、mPDMS(モノメタクリロキシプロピル基末端モノ−n−ブチル基末端ポリジメチルシロキサン)及びTRIS(3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン)が挙げられる。
親水性モノマーの例には、HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、DMA(N,N−ジメチルアクリルアミド)及びNVP(N−ビニルピロリドン)が含まれる。
いくつかの実施形態においては、モノマー混合物に、高分子量を有するポリマーを添加してもよく、これは、内在する湿潤剤の機能を果たし得る。いくつかの実施形態には、追加の成分又は添加剤を含むこともでき、これらは、一般に、当該技術分野において既知である。添加剤には、例えば、紫外線吸収性の化合物及びモノマー、反応性染色剤、抗菌性化合物、顔料、光互変性物質(photochromic)、加工助剤、これらの組み合わせ等が含むことができる。
シリコーンモノマー及びマクロマーは、親水性モノマー若しくはマクロマーと混合され、眼科用レンズ鋳型内に定置され、モノマーの重合化を生じることが可能な1つ以上の条件に、モノマーを暴露することによって、硬化される。このような条件には、例えば、熱及び光が含まれ得るが、光には、可視光線、電離放射線、化学線、X線、電子ビーム若しくは紫外(以下、UVという)光のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態においては、重合化を生じるのに利用される光は、約250nm〜約700nmの波長を有することができる。好適な照射線源には、UVランプ、蛍光ランプ、白熱ランプ、水銀蒸気ランプ、及び太陽光が含まれる。UV吸収性の化合物が(例えば、UV遮断剤として)モノマー組成物に含まれる実施形態においては、硬化は、UV照射以外の手段(例えば、可視光若しくは熱等による)によって、行われ得る。
いくつかの実施形態においては、硬化を円滑にするために使用される放射線源は、低強度のUVA(約315〜約400nm)、UVB(約280〜約315nm)、又は可視光(約400〜約450nm)から選択され得る。いくつかの実施形態にはまた、混合物がUV吸収性化合物を含む、反応を含むこともできる。
いくつかの実施形態においては、レンズが熱を用いて硬化される場合には、熱反応開始剤がモノマー混合物に添加されてもよい。このような反応開始剤には、過酸化ベンゾイル等の過酸化物と、AIBN(アゾビスイソブチロトニリル)等のアゾ化合物のうち、1つ以上を含むことができる。
いくつかの実施形態においては、レンズは、UV光又は可視光を用いて硬化され得るが、光開始剤がモノマー混合物に添加されてもよい。このような光開始剤には、例えば、芳香族α−ヒドロキシケトン、アルコキシオキシベンゾイン類、アセトフェノン類、アシルホスフィンオキシド類、第3級アミンのジケトン付加物(a tertiary amine plus a diketone)、これらの混合物等が含まれてもよい。光重合開始剤の具体例は、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、酸化ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4−4−トリメチルペンチルフォスフィン(DMBAPO)、酸化ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィン(イルガキュア819)、酸化2,4,6−トリメチルベンジルジフェニルフォスフィン並びにカンファーキノン(camphorquinone)とエチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエートの配合物である。市販の可視光重合開始剤系には、Irgacure 819、Irgacure 1700、Irgacure 1800、Irgacure 819、Irgacure 1850(全てCiba Specialty Chemicals製)及びLucirin TPO開始剤(BASFから入手可能)が含まれる。市販の紫外線光重合開始剤には、Darocur 1173及びDarocur 2959(Ciba Specialty Chemicals)が含まれる。
いくつかの実施形態においては、モノマー混合物中に希釈剤を含むことも、例えば、種々の化合物の溶解性を改善するために、あるいは、形成されるポリマーの透明性若しくは重合度を向上させるために、有用であり得る。実施形態にはまた、希釈剤として、二級及び三級アルコールを含むこともできる。
眼科用レンズの生産における反応混合物の加工には、スピンキャスティング及び静鋳造法(static casting)を含む様々な方法が周知である。いくつかの実施形態においては、ポリマーから眼科用レンズを生産するための方法には、シリコーンヒドロゲルを成型することが含まれる。シリコーンヒドロゲルの成型は、有効となり得るものであり、かつ、水和したレンズの最終形状にわたる精密制御をもたらし得る。
シリコーンヒドロゲルからの眼科用レンズを成型することには、凹状鋳型部分内に測定量のモノマー混合物を定置することが含まれ得る。その後、凸状鋳型部分をモノマーの上部上に定置し、コンタクトレンズ形状を定める空洞部を閉ざして形成するように、押圧する。鋳型部分内のモノマー混合物を硬化して、コンタクトレンズを形成する。本明細書で使用するとき、モノマー混合物を硬化することには、モノマー混合物の重合化を可能にする、又は、円滑にするプロセス若しくは条件が含まれる。重合化を円滑にする条件の例には、光への暴露及び熱エネルギーの付与のうち、1つ以上が含まれる。
鋳型の半体が分割された場合に、レンズは、典型的には、一方若しくは他方の鋳型半体に付着する。レンズをこの鋳型半体から物理的に取り外すことは、通常、困難であるので、この鋳型半体を溶媒中に定置して、レンズを取り外すことが一般的に好ましい。レンズが、この溶媒の一部を吸収した結果として生じたレンズの膨張により、鋳型からのレンズの取り外しが、通常、円滑になる。
シリコーンヒドロゲルレンズは、3,7−ジメチル−3−オクタノール等の相対的に疎水性を呈する希釈剤を用いて、作製されてもよい。このようなレンズを水中において取り外そうとする試みがなされた場合、このような希釈剤は、水の吸収を防止し、かつ、レンズの取り外す場合に十分にレンズを膨張させない。
代替として、シリコーンヒドロゲルは、エタノール、t−ブタノール又はt−アミルアルコールのような相対的に親水性及び水溶性を呈する希釈剤を用いて作製され得る。このような希釈剤を使用して、レンズ及び鋳型を水に定置される場合、希釈剤は、更に容易に溶解され得、レンズは、更に疎水性を呈する希釈剤を使用した場合よりも、水中において更に容易に取り外し得る。
浸出材料
レンズを硬化した後、形成されたポリマーは、典型的には、ポリマーに結合されないか、又は組み込まれない一部の材料を含有する。ポリマーに結合されない浸出材料は、例えば、水又は有機溶媒で浸出させることによって、ポリマーマトリックスから抽出され得る(以下、「浸出材料」という)。このような浸出材料は、眼内でのコンタクトレンズの使用には好都合ではない場合がある。例えば、浸出材料は、コンタクトレンズが眼内に着用された場合に、コンタクトレンズから、徐々に放出されることがあり、着用者の眼内で、刺激又は毒性を生じさせる場合がある。一部の場合には、浸出材料は、コンタクトレンズの表面を被覆する(bloom)こともあり、浸出材料が、疎水性表面を形成し得、涙の堆積物を引き付け得るか、又は、コンタクトレンズの湿潤性を妨げ得る。
一部の材料は、ポリマーマトリックス内に物理的に捕捉されていることがあり、例えば、水又は有機溶媒での抽出によって、除去できない場合がある。本明細書で使用するとき、捕捉された材料は、浸出材料ではないとみなされる。
浸出材料には、典型的には、重合可能な官能性を有しないモノマー混合物に含まれる材料の大半又は全部が含まれる。例えば、希釈剤は、浸出材料であり得る。浸出材料はまた、モノマーに存在した重合不可能な不純物も含まれ得る。重合が完了に近づくと、その重合速度は、典型的には、遅くなるはずであり、一部の少量のモノマーは決して重合しないこともある。決して重合しないモノマーは、重合化したレンズから浸出する材料中に含むことができる。浸出材料はまた、小さなポリマー断片、又はオリゴマーが含まれ得る。オリゴマーは、任意の所与のポリマー鎖の形成における初期の停止反応に起因して生じ得る。したがって、浸出材料には、上述した構成成分の任意又は全ての混合物が含まれ得るが、これは、毒性、分子量若しくは水溶性等の特性において、様々であってもよい。
いくつかの特定の例示の実施形態においては、デカン酸は、浸出材料である。
高分子量の親水性ポリマー
本明細書で使用するとき、「高分子量の親水性ポリマー」とは、約100,000ダルトン以上の重量平均分子量を有する物質を指し、シリコーンヒドロゲル配合物に組み込まれた際に、前記物質は、硬化されたシリコーンヒドロゲルの湿潤性を増加させる。これらの高分子量の親水性ポリマーの好ましい重量平均分子量は、約150,000ダルトン超とされ、更に好ましくは、約150,000〜約2,000,000ダルトン、更になお好ましくは、約300,000〜約1,800,000ダルトン、最も好ましくは約500,000〜約1,500,000ダルトンである。
代替として、本発明の親水性ポリマーの分子量は、運動粘度測定に基づくK値によっても表され得る。この方法で表された場合には、親水性ポリマーは、約46超、好ましくは約46〜約150のK値を有する。高分子量の親水性ポリマーは、コンタクトレンズを提供する上で十分な量で、これらの装置の配合物中に存在しており、これらは、表面改質を行うことなく、使用中、表層堆積物が実質的に残らない。通常の使用期間は、少なくとも約8時間が含まれ、好ましくは、数日間の連続装用とされ、更に好ましくは、取り外さずに、24時間以上とされる。表層堆積物が実質的に残らないとは、スリット灯で観察された場合に、患者集団において装用されたレンズのうち、少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約80%、更に好ましくは少なくとも約90%について、装用期間にわたって、堆積物が全く確認されないか、又は僅かに確認されたとして評価されたことを意味する。
高分子量の親水性ポリマー類の好適な量には、全ての全反応成分の合計に基づいて、約1〜約15重量%、更に好ましくは約3〜約15重量%、最も好ましくは約5〜約12重量%が含まれる。
高分子量の親水性ポリマーの例としては、ポリアミド、ポリラクトン、ポリイミド、ポリラクタム、及びDMAと、HEMA等のより低分子量のヒドロキシル官能性ポリマーとを共重合させた後に、得られたコポリマーのヒドロキシル基と、イソシアナトエチルメタクリレート若しくはメタクリロイルクロライド等のラジカル重合性基を含有する材料とを反応させることによって官能化されたDMA等の官能性ポリアミド、官能性ポリラクトン、官能性ポリイミド、官能性ポリラクタムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。メタクリル酸グリシジルを有するDMA又はn−ビニルピロリドンから作られる親水性プレポリマーも使用してもよい。メタクリル酸グリシジル環は、開環されてジオールを得、これは、混合系において、他の親水性プレポリマーと併用されて使用され得、高分子量の親水性ポリマー、ヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマー及び相溶性を与える他の全ての基の相溶性を向上させる。好ましい高分子量の親水性ポリマーは、それらの骨格内に環状部分を内在したものであり、更に好ましくは、環状アミド又は環状イミドである。高分子量の親水性ポリマーとしては、ポリ−N−ビニル−ピロリドン、ポリ−N−ビニル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−4−メチル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−エチル−2−ピロリドン、及びポリ−N−ビニル−4,5−ジメチル−2−ピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、ポリ2エチルオキサゾリン、ヘパリン多糖類、多糖類、これらの混合物及びコポリマー(ブロック若しくはランダム、分岐型、マルチ鎖型、櫛状、又は星状を含む)が挙げられるが、これらに限定されず、ポリ−N−ビニルピロリドン(PVP)が特に好ましい。PVPのグラフトコポリマー等のコポリマーも使用され得る。
高分子量の親水性ポリマーは、改善された湿潤性を提供し、特に、本発明の医療用装置に対して生体内での湿潤性を改善する。あらゆる理論に束縛されることなく、高分子量の親水性ポリマーは、水性の環境内で、水に結合した水素原子を受容する水素結合受容体であり、このようにして、事実上、より親水性となると考えられる。水の不存在は、反応混合物中の親水性ポリマーの混和を円滑にする。特化した高分子量の親水性ポリマーは別として、前記高分子量の親水性ポリマーが、シリコーンヒドロゲル配合物に添加された場合に、親水性ポリマーが、(a)反応混合物から実質的に相分離せず、(b)得られた硬化したポリマーに湿潤性を付与する、という条件で、いかなる高分子量の親水性ポリマーも本発明に有用であることが期待される。いくつかの実施形態においては、高分子量の親水性ポリマーが処理温度で希釈剤中に溶可溶性であることが好ましい。水若しくは水溶性の希釈剤を用いる製造方法は、簡単で、低コストのために好ましいとされ得る。これらの実施形態においては、処理温度で水溶性である高分子量の親水性ポリマーが好ましい。
ヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマー
本明細書で使用するとき、「ヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマー」は、ゲル透過クロマトグラフィーの屈折率検出法によって測定された場合に、約5000ダルトン未満、好ましくは、約3000ダルトン未満の平均分子量を示す少なくとも1つの重合可能な基を含む化合物であり、これは、ヒドロゲル配合物中に含まれるシリコーン含有モノマーと親水性ポリマーとを相溶化することができる。ヒドロキシル官能基は、親水性の相溶性を改善する上で非常に有効である。したがって、好ましい実施形態においては、本発明のヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーは、少なくとも1つのヒドロキシル基と、少なくとも1つの「−Si−O−Si−」基とを含む。前記ヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーのシリコーン及びこのシリコーンに結合した酸素は、好ましくは約10重量%より大きく、更に好ましくは約20重量%より大きい割合を占める。
また、ヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマー中でのSiのOHに対する比は、所望の相溶を呈するヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーを提供する上で重要である。疎水性部分のOHに対する比が高すぎる場合、ヒドロキシル官能化シリコーンモノマーは、親水性ポリマーとの相溶性の点で劣り、結果的に、相溶性のない反応混合物を得ることになり得る。したがって、いくつかの実施形態においては、SiのOHに対する比は、約15:1未満、好ましくは、約1:1〜約10:1である。いくつかの実施形態においては、第1級アルコールは、第2級アルコールと比較して、改善された相溶性を呈している。当業者は、ヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーの量及び選択は、所望の湿潤性及び、シリコーン含有モノマーが親水性ポリマーと相溶しない度合いを達成するために、親水性ポリマーがどの程度、必要であるかに依存していると理解されよう。
いくつかの実施形態においては、本発明の反応混合物は、1つ以上のヒドロキシル官能化シリコーンモノマーを含み得る。単官能基のヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーのために、好ましいR’は、水素であり、好ましいR、R、及びRは、C〜6アルキル及びトリC〜6アルキルシロキシであり、最も好ましくは、メチル及びトリメチルシロキシである。多官能性(二官能性又はそれ以上)のために、R〜Rは独立して、エチレン型不飽和の重合可能な基を含み、更に好ましくは、アクリル酸、スチリル、C1〜6アルキルアクリレート、アクリルアミド、C1〜6アルキルアクリルアミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド、C2〜12アルケニル、C2〜12アルケニルフェニル、C12アルケニルナフチル、又はC2〜6アルケニルフェニルC1〜6アルキルを含む。いくつかの実施形態においてはRは、ヒドロキシル、−CHOH又はCHCHOHCHOHである。
いくつかの他の実施形態においては、Rは、二価のC1〜6アルキル、C1〜6アルキルオキシ、C1〜6アルキルオキシC1〜6アルキル、フェニレン、ナフタレン、C1〜12シクロアルキル、C1〜6アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、C1〜6アルキルカルボニル、カルボニル、C1〜6アルコキシ、置換C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキルオキシ、置換C1〜6アルキルオキシ、置換C1〜6アルキル、置換フェニレン、置換ナフタレン、置換C1〜12シクロアルキルであり、ここで、置換基は、C1〜6アルコキシカルボニル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アミド、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、C1〜6アルキルカルボニル及びホルミルからなる群の1つ以上の員から選択される。特に好ましいRは、二価のメチル(メチレン)である。
いくつかの実施形態においては、Rは、アクリレート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、イタコン酸基、C1〜6アルキルアクリレート、アクリルアミド、C1〜6アルキルアクリルアミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド、C2〜12アルケニル、C2〜12アルケニルフェニル、C2〜12アルケニルナフチル、若しくはC2〜6アルケニルフェニルC1〜6アルキル等の遊離反応基、又はビニルエーテル若しくはエポキシ基等のカチオン反応基を含む。特に好ましいRは、メタクリレートである。
いくつかの実施形態においては、Rは、二価のC1〜6アルキル、C1〜6アルキルオキシ、C1〜6アルキルオキシC1〜6アルキル、フェニレン、ナフタレン、C1〜12シクロアルキル、C1〜6アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、C1〜6アルキルカルボニル、カルボニル、C1〜6アルコキシ、置換C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキルオキシ、置換C1〜6アルキルオキシC1〜6アルキル、置換フェニレン、置換ナフタレン、置換C1〜12シクロアルキルであり、ここで、置換基は、C1〜6アルコキシカルボニル、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、アミド、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、C1〜6アルキルカルボニル及びホルミルからなる群の1つ以上の員から選択される。特に好ましいRは、C1〜6アルキルオキシC1〜6アルキルである。
式Iのヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーの例には、2−プロペン酸、2−メチル−、2−ヒドロキシ−3−[3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]プロピルエステル(これは、(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン−)2とも称し得る)が含まれる。化合物(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシランは、エポキシドから形成され、上記化合物と(2−メタクリルオキシ−3−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシランとの80:20の混合物を生成する。本発明のいくつかの実施形態においては、一級ヒドロキシルの存在量が、好ましくは、約10重量%を超え、更に好ましくは約20重量%を有することが好ましい。
他の好適なヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーには、(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン3ビス−3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピルポリジメチルシロキサン4 3−メタクリルオキシ−2−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン5N,N,N’,N’−テトラキス(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−.α.,.ω.−ビス−3−アミノプロピル−ポリジメチルシロキサンが含まれる。
アミノ官能化ポリジメチルシロキサンとのメタクリル酸グリシジルの反応生成物はまた、ヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーとして使用されてもよい。好適なヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーであり得る更に追加の構造には、以下の構造6を有する化合物に類似のものが含まれ、ここでn=1〜50であり、Rは独立して、H若しくは重合可能な不飽和基を含み、少なくとも1つのRは、重合可能な基を含み、少なくとも1つのR、及び好ましくは3〜8のRは、Hを含む。これらの構成要素は、液相クロマトグラフィー、蒸留、再結晶若しくは抽出等の公知の方法によって、ヒドロキシル官能化モノマーを除去してもよく、又はそれらの形成は、反応条件及び反応比を厳選することによって回避されてもよい。
好適な1官能性ヒドロキシル官能化シリコーンモノマーは、Gelest,Inc.Morrisville,Paより商業的に入手可能である。好適な多官能性ヒドロキシル官能化シリコーンモノマーは、Gelest,Inc.Morrisville,Paより商業的に入手可能であるか、又は公知の手順を用いて作製され得る。
ヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーは、生物医学的装置、特に眼科装置に相性のよいポリマーを提供するにおいて特に適していることが見出されたが、最終物品に重合及び/又は形成される場合に、選択された親水性成分と相溶性のある、あらゆる官能性シリコーン含有モノマーが使用可能である。好適な官能化シリコーン含有モノマーは、以下のモノマー相溶性検査を用いて選択されてもよい。この検査では、1グラムのモノ−3−メタクリルオキシプロピル末端、モノ−ブチル末端を有するポリジメチルシロキサン(mPDMS分子量800〜1000)と、検査されるモノマーとを、それぞれ、約20℃で、1グラムの3,7−ジメチル−3−オクタノール中で混合する。撹拌してから3分後の濁りを溶液が残存したままで、12重量部のK−90のPVPと60重量部のDMAとの混合物を、撹拌しながら、疎水性成分溶液中に滴下する。PVPとDMAとの混合物の添加量は、グラム単位で確認され、モノマー相溶性指数として記録される。0.2グラムを超える、更に好ましくは約0.7グラムを超える、最も好ましくは約1.5グラムを超える相溶性指数を有する、あらゆるヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーは、本発明に用いるには好適であろう。
本発明のヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーの「有効量」又は「相溶性を呈する有効量」とは、高分子量の親水性ポリマー及びポリマー配合物中の他の成分との相溶性を呈する、又は溶解する上で必要とされる量である。したがって、ヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーの量は、使用される親水性ポリマーの量にある程度依存し、より高濃度の親水性ポリマーとの相溶性を呈するのに必要とされるヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーの量も多くなる。ポリマー配合物中のヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーの有効量は、約5%(重量パーセント、反応成分の重量パーセントに基づいて)〜約90%、好ましくは約10%〜約80%、最も好ましくは約20%〜約50%を含む。
本発明の高分子量の親水性ポリマー及びヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーに加えて、他の親水性及び疎水性モノマー、架橋剤、添加剤、希釈剤、重合開始剤は、本発明の生物医学的装置を作製するために使用されてもよい。高分子量の親水性ポリマー及びヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーに加えて、ヒドロゲル配合物には、本発明の生物医学的装置を与える追加のシリコーン含有モノマー、親水性モノマー、及び架橋剤が含まれてもよい。
追加のシリコーン含有モノマー
追加のシリコーン含有モノマーについては、3−メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(TRIS)、モノメタクリルオキシプロピル基末端を有するポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、3−メタクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン及びこれらの組み合わせを含むTRISの有用なアミド類似体は、本発明の追加のシリコーン含有モノマーとして特に有用である。追加のシリコーン含有モノマーは、約0〜約75重量%、更に好ましくは約5〜約60重量%、最も好ましくは約10〜約40重量%の量で存在してもよい。
親水性モノマー
更に、本発明の反応成分には、従来のヒドロゲルを作製する上で使用されるあらゆる親水性モノマーが含まれてもよい。例えば、アクリル基(CH.dbd.CRCOX、ここでRは、水素原子若しくはC1〜6アルキルであり、かつXはO若しくはNである)又はビニル基(−−C.dbd.CH)を含有するモノマーを使用してもよい。追加の親水性モノマーの例としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−N−メチルアセタミド、N−ビニル−N−エチルアセタミド、N−ビニル−N−エチルホルマミド、N−ビニルホルマミド及びこれらの組み合わせが挙げられる。
上述した追加の親水性モノマーを別として、重合性の二重結合を含有する官能基で置換された1つ以上の末端ヒドロキシル基を有するポリオキシエチレンポリオールが使用されてもよい。例としては、イソシアナトエチルメタクリレート、メタクリル酸無水物、塩化メタクリロイル、塩化ビニルベンゾイル等のエンドキャッピング基1モル当量以上と反応し、カーバメート、尿素又はエステル基等の結合部分によって、ポリエチレンポリオールに結合した1つ以上の末端重合性オレフィン基を有するポリエチレンポリオールを生成するポリエチレングリコール、エトキシル化アルキルグルコシド及びエトキシル化ビスフェノールAが含まれる。
なお更なる例としては、親水性ビニルカーボネート又はビニルカルバメートモノマー、親水性オキサゾロンモノマー及びポリデキストランが含まれる。
追加の親水性モノマーには、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、グリセロールメタクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン(NVP)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸及びこれらの組み合わせが含まれる。追加の親水性モノマーは、約0〜約70重量%、更に好ましくは約5〜約60重量%、最も好ましくは約10〜約50重量%の量で存在してもよい。
架橋剤
好適な架橋剤は、2つ以上の重合性官能基を有する化合物である。架橋剤は、親水性であるか、あるいは疎水性であってもよいが、本発明のいくつかの実施形態においては、親水性架橋剤と疎水性架橋剤との混合物は、改善された光学的な透明度(CSI薄型レンズと比較して低減させたかすみ)を呈するシリコーンヒドロゲルを提供することが見出されている。好適な親水性架橋剤の例には、2つ以上の重合性官能基、並びに、ポリエーテル、アミド若しくはヒドロキシル基等の親水性官能基を有する化合物が含まれる。特定の例としては、TEGDMA(テトラエチレングリコールジメタクリレート)、TrEGDMA(トリエチレングリコールジメタクリレート)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、エチレンジアミンジメチルアクリルアミド、グリセロールジメタクリレート及びこれらの組み合わせが含まれる。好適な疎水性架橋剤の例には、多官能性ヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマー、多官能性ポリエーテル−ポリジメチルシロキサンブロック共重合体、これらの組み合わせ物が挙げられる。特定の疎水性架橋剤としては、アクリロキシプロピル末端を有するポリジメチルシロキサン(n=10又は20である)(acPDMS)、ヒドロキシルアクリレート官能化シロキサンマクロマー、メタクリロキシプロピル末端PDMS、ブタンジオールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)−テトラキス(トリメチルシロキシ)ジシロキサン及びこれらの混合物が挙げられる。好ましい架橋剤としては、TEGDMA、EGDMA、acPDMS及びこれらの組み合わせが挙げられる。使用される親水性架橋剤の量は、一般に、約0〜約2重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%とされ、疎水性架橋剤の量は、約0〜約5重量%とされるか、あるいは、これらは、反応成分のモル%で示すと、約0.01〜約0.2ミリモル/グラム、好ましくは約0.02〜約0.1ミリモル/グラム、更にり好ましくは0.03〜約0.6ミリモル/グラムとされ得る。
最終ポリマー中の架橋剤の含有量を増やすことにより、かすみを低減させることができることが分かっている。しかし、架橋剤の濃度が、反応成分中に約0.15ミリモル/グラムを超過して増加する際、反応成分の弾性率は、一般に、所望値(約0.6205MPa(90psi)を超える)を超過して、増加し得る。したがって、本発明のいくつかの実施の形態においては、架橋剤の組成物及び量は、反応混合物中の架橋剤の濃度が、約0.01〜約0.1ミリモル/グラムの間になるように選択される。
一般に、当該技術分野において既知の追加の成分又は添加剤も含んでもよい。添加剤には、紫外線吸収性の化合物及びモノマー、反応性染色剤、抗菌性化合物、顔料、光互変性物質(photochromic)、加工助剤、これらの組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されない。
追加の成分には、炭素−炭素三重結合含有モノマー等の他の酸素透過性成分、及び当該技術分野において既知であり、かつ、フッ素含有(メタ)アクリレートを含むフッ素含有モノマーが含まれ、更に具体的には、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,−8,8−ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のフッ素含有C〜C12アルキルエステルが含まれる。
希釈剤
反応成分(ヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマー、親水性ポリマー、架橋剤及び他の成分)は、一般に、水の不存在下で、任意に、反応混合物を形成するための少なくとも1つの希釈剤の存在下で、混合されて反応する。使用される希釈剤のタイプ及び量はまた、得られたポリマー及び物品の特性に影響を与える。最終物品のかすみ及び湿潤性は、相対的に疎水性希釈剤を選択すること及び/又は使用される希釈剤の濃度を低減させることによって改善され得る。上述したように、希釈剤の疎水性の増加により、(相溶性検査によって測定されるような)低相溶性成分を相溶性ポリマー及び物品を形成するように処理することも可能である。しかし、希釈剤がより疎水性になると、希釈剤を水で置換する上で必要な処理工程では、水以外の溶媒の使用が必要となるはずである。これは、望ましくないことであるが、製造工程の複雑性及びコストを高めてしまうことになる。したがって、加工に必要なレベルを有する成分への所望の適合性を与える希釈剤を選択することは重要である。本発明の装置のいくつかの実施形態を調製する上で有用な希釈剤には、エーテル、エステル、アルカン、アルキルハライド、シラン、アミド、アルコール及びこれらの組み合わせが含まれる。アミド及びアルコールは、好ましい希釈剤であり、二級及び三級アルコールは、最も好ましい希釈剤である。本発明の希釈剤として有用なエーテルの例には、テトラヒドロフラン、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル酢酸塩、ジプロピレングリコールメチルエーテル酢酸塩、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びこれらの混合物が含まれる。本発明の有用なエステルの例には、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル(i-propyl lactate)が含まれる。本発明の希釈剤として有用なアルキルハライドの例には、塩化メチレンが含まれる。本発明の希釈剤として有用なシランの例には、オクタメチルシクロテトラシロキサンが含まれる。
本発明の希釈剤として有用なアルコールの例には、式7を有するものが含まれ、式中、R、R’及びR”は、独立して、H、直鎖状、分岐状若しくは環状の一価のアルキルから選択され、これは、ハロゲン、エーテル、エステル、アリール、アミン、アミド、アルケン、アルキン、カルボン酸、アルコール、アルデヒド、ケトン等を含む1つ以上の基と任意に置換可能である1〜10個の炭素原子を有しているか、又はR、R’及びR”のうち、いずれか2つ若しくは3つ全てはともに結合して、1つ以上の環状構造を形成し、この環状構造は、R、R’若しくはR”の1つだけはHであるという条件で、上述したように置換可能である1〜10個の炭素原子を有するアルキル等である。
R、R’及びR”は、独立して、H又は1〜7個の炭素原子を有する、非置換型直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基から選択されることは、好ましい。R、R’及びR”は、独立して、1〜7個の炭素原子を有する、非置換型直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基から選択されることは、更に好ましい。ある実施形態においては、好ましい希釈剤は、希釈剤が高分子量であればあるほど、揮発性及び燃焼性が低下するため、全部で、4つ以上、更に好ましくは5つ以上の炭素原子を有する。R、R’及びR”のうち1つがHである場合には、構造は二級アルコールを形成する。R、R’及びR”のいずれもHでない場合には、構造は三級アルコールを形成する。三級アルコールは、二級アルコールよりも好ましい。希釈剤は、その炭素原子の総数が5個以下である場合に、不活性であり、かつ、水によって容易に置換可能であることが好ましい。有用な二級アルコールの例には、2−ブタノール、2−プロパノール、メントール、シクロヘキサノール、シクロペンタノール及びエクソノルボルネオール(exonorborneol)、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3−メチル−2−ブタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、2−ノナノール、2−デカノール、3−オクタノール、ノルボルネオール(norborneol)等が含まれる。
有用な三級アルコールの例には、三級ブタノール、三級アミル、アルコール、2−メチル−2−ペンタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、1−クロロ−2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−2−ヘプタノール、2−メチル−2−オクタノール、2,2−メチル−2−ノナノール、2−メチル−2−デカノール、3−メチル−3−ヘキサノール、3−メチル−3−ヘプタノール、4−メチル−4−ヘプタノール、3−メチル−3−オクタノール、4−メチル−4−オクタノール、3−メチル−3−ノナノール、4−メチル−4−ノナノール、3−メチル−3−オクタノール、3−エチル−3−ヘキサノール、3−メチル−3−ヘプタノール、4−エチル−4−ヘプタノール、4−プロピル−4−ヘプタノール、4−イソプロピル−4−ヘプタノール、2,4−ジメチル−2−ペンタノール、1−メチルシクロペンタノール、1−エチルシクロペンタノール、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブテン、4−ヒドロキシ−4−メチル−1−シクロペンタノール、2−フェニル−2−プロパノール、2−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール、2,3,4−トリメチル−3−ペンタノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、2−フェニル−2−ブタノール、2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール、及び3−エチル−3−ペンタノール等が含まれる。
単独のアルコール、若しくは、上述のアルコールのうちの2つ以上の混合物、又は上述の構造に従う2つ以上のアルコールの混合物は、本発明のポリマーを作製するために、希釈剤として使用することができる。
ある実施形態において、好ましいアルコール希釈剤は、少なくとも4つの炭素原子を有する二級及び三級のアルコールである。特に、一部のアルコール希釈剤には、三級ブタノール、三級アミルアルコール、2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、3,7−ジメチル−3−オクタノールを含むことができる。
また、希釈剤には、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、三級ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、イソプロパノール、三級アミルアルコール、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸イソプロピル、3,7−ジメチル−3−オクタノール、ジメチルホルマミド、ジメチルアセタミド、ジメチルプロピオンアミド、N−メチルピロリジノン及びこれらの混合物を含むことができる。
本発明のいくつかの実施形態においては、希釈剤は、加工条件で水溶性である、かつ、短時間で、レンズから容易に水で洗い出される。好適な水溶性希釈剤には、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メチル−2−プロパノール、三級アミルアルコール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、イソプロパノール、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、乳酸エチル、ジプロピルグリコールメチルエーテル、これらの混合物等が含まれる。水溶性の希釈剤の使用は、成型後のプロセスを、水のみを用いて又は実質的な成分としての水を含む水溶液を用いて、行うことが可能になる。
いくつかの実施形態においては、希釈剤の量は、一般に、反応混合物の約50重量%未満、好ましくは約40重量%未満、更に好ましくは約10重量%と約30重量%との間であり得る。いくつかの実施形態においては、希釈剤はまた、加工助剤等の追加の成分が含まれてもよく、水溶性を含み、レンズの型抜き(deblocking)に役立てることができる。
重合開始剤には、例えば、過酸化ラウリル(lauryl peroxide)、過酸化ベンゾイル(benzoyl peroxide)、過炭酸イソプロピル(isopropyl percarbonate)、アゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronitrile)等、適度な昇温でフリーラジカルを発生する化合物、及び芳香族アルファ−ヒドロキシケトン(aromatic alpha-hydroxy ketones)、アルコキシオキシベンゾイン(alkoxyoxybenzoins)、アセトフェノン(acetophenones)、酸化アシルフォスフィン、三級アミンとジケトン(a tertiary amine plus a diketone)、及びこれらの混合物等の光重合開始剤系を含むことができる。光重合開始剤の具体例は、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、酸化ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4−4−トリメチルペンチルフォスフィン(DMBAPO)、酸化ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィン(Irgacure 819)、酸化2,4,6−トリメチルベンジルジフェニルフォスフィン、ベンゾインメチルエステル、並びにカンファーキノン(camphorquinone)とエチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエートとの混合物である。市販の可視光重合開始剤系には、Irgacure 819、Irgacure 1700、Irgacure 1800、Irgacure 819、Irgacure 1850(全てCiba Specialty Chemicals製)及びLucirin TPO開始剤(BASF社から入手可能)が含まれる。市販の紫外線光重合開始剤には、Darocur 1173及びDarocur 2959(Ciba Specialty Chemicals)が含まれる。この開始剤は、反応混合物の光重合を開始するための有効量、例えば、反応性モノマーの100重量部に対し、約0.1〜約2重量部の量(from about 0.1 to about 2 parts of by weight per 100 parts of reactive monomer)で反応混合物中に使用される。反応混合物の重合は、使用する重合開始剤に応じて熱又は可視光又はUV光又は他の手段を適切に選択して開始できる。代替的には、例えば電子線を使用して、光重合開始剤を使用することなく開始することができる。しかし、光開始剤が使用される際には、いくつかの実施の形態には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4−4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(DMBAPO)との組み合わせが含まれ得、重合開始の方法には、可視光が含まれ得る。他の実施形態には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(Irgacure 819.RTM.)を含むことができる。
混合したシリコーン含有モノマー(ヒドロキシル官能化シリコーン含有及び追加のシリコーン含有モノマー)の範囲は、反応成分の約5〜99重量パーセント、更に好ましくは約15〜90重量パーセント、いくつかの実施形態においては、約25〜約80重量パーセントであり得る。ヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーの範囲は、約5〜約90重量パーセント、好ましくは約10〜約80重量パーセント、更に好ましくは約20〜約50重量パーセントであり得る。いくつかの実施形態においては、親水性モノマーの範囲は、反応成分の約0〜約70重量パーセント、更に好ましくは約5〜約60重量パーセント、最も好ましくは約10〜約50重量パーセントであり得る。他の実施形態においては、高分子量の親水性ポリマーの範囲は、約1〜約15重量パーセント、又は約3〜約15重量パーセント、又は約5〜約12重量パーセントであり得る。全てのおよその重量パーセントは、全ての全反応成分の合計を基準にしたものである。
いくつかの実施形態においては、希釈剤の範囲は、反応混合物中の全成分の重量を基準にして、約0〜約70重量%、又は約0〜約50重量%、及び/又は、約0〜約40重量%とされ、いくつかの実施の形態においては、約10重量%と約30重量%との間とされる。必要とされる希釈剤の量は、反応成分の本質的かつ相対的な量に応じて変化する。
いくつかの実施形態において、反応成分は、2−プロペン酸、2−メチル−、2−ヒドロキシ−3−[3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]プロピルエステル(「SiGMA」、反応成分の約28重量%)、(分子量800〜1000を有するモノメタクリロキシプロピル基末端及びモノ−n−ブチル基末端を有するポリジメチルシロキサン、「mPDMS」(約31重量%)、N,N−ジメチルアクリルアミド、「DMA」(約24重量%)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、「HEMA」(約6重量%)、テトラエチレングリコールジメタクリレート、「TEGDMA」(約1.5重量%)、ポリビニルピロリドン、「K−90 PVP」(約7重量%)、及び少量の添加剤及び光開始剤を含む残部が含まれる。また、重合は、約23%(モノマーと希釈剤との混合物の重量%)の3,7−ジメチル−3−オクタノールの希釈剤の存在下で実行され得る。
いくつかの実施形態においては、上述の配合の重合は、希釈剤として三級アミルアルコールの存在下で実行され、約29重量%の未硬化の反応混合物を含み得る。
本発明が1つ以上の加工の態様に基づいて記述されているが、本発明には、非限定的な例として、成型用鋳型操作装置、水和タワー、浸漬用タンク、自動制御システム、モノマー分配器、硬化用トンネル、熱交換器等のような装置及びシステムが組み込まれるが、これらは本明細書に記述された1つ以上の工程を実行するために使用され得ることを理解されたい。
本発明を説明するために以下の実施例を記載する。これらの実施例は本発明を限定するものではない。これらの実施例は本発明を実施する方法を提案することのみを目的としたものである。コンタクトレンズ及び他の技術におけるこれらの知識は、本発明を実践する他の方法を見出し得、これらの方法は、本発明の範囲内であると見なされる。
(実施例1)
図2を参照すると、チャートは、眼科用レンズを加工するための溶液中にDBE 821を含む有益な効果を例示する。チャートによって表される例においては、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、上述のプロセスに従って鋳型成型される。レンズは、加熱された水溶液の2セットのうちの1つに暴露される。
溶液セットAには、約90℃に加熱した約0.45%のホウ酸ナトリウム及び0.0%のDBE−821の第1の溶液並びに70℃〜80℃に加熱した約0.45%のホウ酸ナトリウム及び0.0%のDBE−821の第2の溶液を含んだ。レンズは、それぞれ、約10分間それぞれの第1及び第2の溶液に暴露した。
溶液セットBには、約90℃に加熱した約0.45%のホウ酸ナトリウム及び100 PPMのDBE−821の第1の溶液並びに70℃〜80℃に加熱した約0.45%のホウ酸ナトリウム及び100 PPMのDBE−821の第2の溶液を含んだ。レンズは、それぞれ、約10分間それぞれの第1及び第2の溶液に暴露した。
チャートによって図示されるように、溶液セットA 201によって加工されたこれらのレンズは、溶液セットB 202に暴露されたれらのレンズよりも低い移動収率があった。移動収率は、例えば、目視検査又は自動レンズ検査装置により判定され得る。
〔実施の態様〕
(1) シリコーンを含む眼科用レンズを加工するための方法であって、
前記眼科用レンズを形成する工程と、
前記レンズをレンズ支持体に定置する工程と、
前記眼科用レンズを約0.004%以上のジメチルシロキサンを含む第1の水溶液に暴露する工程と、
前記レンズを前記レンズ支持体から移動する工程と、を含む、方法。
(2) 前記水溶液が、約0.01%以上のジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記水溶液が、約0.005%以上のジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記水溶液が、約0.005%〜5%のジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記水溶液が、約7.0〜9.5の範囲内のpHを有する、実施態様1に記載の方法。
(6) 前記第1の溶液が、約0.40%〜0.50%のホウ酸ナトリウムを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記第1の水溶液を洗い流すために、前記レンズを第2の水溶液に暴露する工程を更に含む、実施態様4に記載の方法。
(8) 前記第1の水溶液及び前記第2の水溶液のうちの少なくとも1つが、緩衝水溶液を含む、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記第1の水溶液への暴露が、5分間以上継続する、実施態様7に記載の方法。
(10) 前記眼科用レンズが、0%〜約90%の水を含むコンタクトレンズを含む、実施態様7に記載の方法。
(11) 前記眼科用レンズが、着色剤のパターンを含む、実施態様7に記載の方法。
(12) 前記眼科用レンズが、高分子量の親水性のポリマー及び有効量のヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーを含む反応混合物から形成される、実施態様7に記載の方法。
(13) 前記眼科用レンズは、約1%〜約15%の高分子量の親水性のポリマーを含む反応混合物から形成される、実施態様7に記載の方法。
(14) ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ−N−ビニル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−4−メチル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−エチル−2−ピロリドン、及びポリ−N−ビニル−4,5−ジメチル−2−ピロ−リドン、ポリビニルイミダゾール、ポリ−N−N−ジメチルアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、ポリ2エチルオキサゾリン、ヘパリン多糖類、多糖類、これらの混合物及びコポリマーからなる群のモノマーを硬化させることによって、前記眼科用レンズを形成する工程を更に含む、実施態様7に記載の方法。
(15) 前記眼科用レンズを洗い流す工程が、少なくとも35mLの脱イオン水に、3回、前記眼科用レンズを暴露する工程を含む、実施態様7に記載の方法。
(16) 前記第1の水溶液が、約90℃以上に加熱される、実施態様4に記載の方法。
(17) 第1の水溶液に前記眼科用レンズを暴露する工程が、前記第1の水溶液に前記レンズを浸漬する工程を含む、実施態様4に記載の方法。
(18) 第1の水溶液に前記眼科用レンズを暴露する工程が、前記第1の水溶液を前記レンズ上に流す工程を含む、実施態様4に記載の方法。
(19) 約0.004%以上のジメチルシロキサンを含む前記第1の水溶液に前記レンズを暴露する工程が、5%以上のレンズ移動収率の増加をもたらす、実施態様1に記載の方法。
(20) 鋳型部分からのシリコーンを含む眼科用レンズを取り外すための方法であって、
ペンダント/櫛型の形状を含む親水性置換基を含むシロキサン骨格鎖を含む疎水性部分を含む約0.01%以上の界面活性剤を含む第1の水溶液に前記眼科用レンズを暴露する工程を含む、方法。

Claims (20)

  1. シリコーンを含む眼科用レンズを加工するための方法であって、
    前記眼科用レンズを形成する工程と、
    前記レンズをレンズ支持体に定置する工程と、
    前記眼科用レンズを約0.004%以上のジメチルシロキサンを含む第1の水溶液に暴露する工程と、
    前記レンズを前記レンズ支持体から移動する工程と、を含む、方法。
  2. 前記水溶液が、約0.01%以上のジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水溶液が、約0.005%以上のジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記水溶液が、約0.005%〜5%のジメチルシロキサン−エチレンオキシドコポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記水溶液が、約7.0〜9.5の範囲内のpHを有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第1の溶液が、約0.40%〜0.50%のホウ酸ナトリウムを更に含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第1の水溶液を洗い流すために、前記レンズを第2の水溶液に暴露する工程を更に含む、請求項4に記載の方法。
  8. 前記第1の水溶液及び前記第2の水溶液のうちの少なくとも1つが、緩衝水溶液を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第1の水溶液への暴露が、5分間以上継続する、請求項7に記載の方法。
  10. 前記眼科用レンズが、0%〜約90%の水を含むコンタクトレンズを含む、請求項7に記載の方法。
  11. 前記眼科用レンズが、着色剤のパターンを含む、請求項7に記載の方法。
  12. 前記眼科用レンズが、高分子量の親水性のポリマー及び有効量のヒドロキシル官能化シリコーン含有モノマーを含む反応混合物から形成される、請求項7に記載の方法。
  13. 前記眼科用レンズは、約1%〜約15%の高分子量の親水性のポリマーを含む反応混合物から形成される、請求項7に記載の方法。
  14. ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ−N−ビニル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−4−メチル−2−ピペリドン、ポリ−N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、ポリ−N−ビニル−3−エチル−2−ピロリドン、及びポリ−N−ビニル−4,5−ジメチル−2−ピロ−リドン、ポリビニルイミダゾール、ポリ−N−N−ジメチルアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、ポリ2エチルオキサゾリン、ヘパリン多糖類、多糖類、これらの混合物及びコポリマーからなる群のモノマーを硬化させることによって、前記眼科用レンズを形成する工程を更に含む、請求項7に記載の方法。
  15. 前記眼科用レンズを洗い流す工程が、少なくとも35mLの脱イオン水に、3回、前記眼科用レンズを暴露する工程を含む、請求項7に記載の方法。
  16. 前記第1の水溶液が、約90℃以上に加熱される、請求項4に記載の方法。
  17. 第1の水溶液に前記眼科用レンズを暴露する工程が、前記第1の水溶液に前記レンズを浸漬する工程を含む、請求項4に記載の方法。
  18. 第1の水溶液に前記眼科用レンズを暴露する工程が、前記第1の水溶液を前記レンズ上に流す工程を含む、請求項4に記載の方法。
  19. 約0.004%以上のジメチルシロキサンを含む前記第1の水溶液に前記レンズを暴露する工程が、5%以上のレンズ移動収率の増加をもたらす、請求項1に記載の方法。
  20. 鋳型部分からのシリコーンを含む眼科用レンズを取り外すための方法であって、
    ペンダント/櫛型の形状を含む親水性置換基を含むシロキサン骨格鎖を含む疎水性部分を含む約0.01%以上の界面活性剤を含む第1の水溶液に前記眼科用レンズを暴露する工程を含む、方法。
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