JP2011512154A - 還元電位および還元酵素活性が同時に増大した遺伝学的に形質転換されたバイオマス発酵用微生物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、バイオマス由来の発酵可能な糖からより効率的に、工業的に有用な生産物を生産するよう微生物の特性を高めるバイオテクノロジーに用いられる、生産性微生物の遺伝子工学に関する。ピリジンヌクレオチド(NAD/NADH)を必要とする複数のデヒドロゲナーゼによる基質の酸化および還元を機能的に結びつけた操作された微生物は、電子の移動を伴う還元電位酵素活性を同時に向上させる。特に、本発明は、エタノールの生産を増大させる、2つの異なるデヒドロゲナーゼの発現のための切除可能な遺伝子発現カセットの構築に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオマス由来の糖からより効率的に、工業的に有用な生産物を生産するよう微生物の特性を高めるバイオテクノロジーに用いられる、微生物の遺伝子工学に関する。特に、本発明は、エタノールなどの代謝物の生産を高める、2つの異なるデヒドロゲナーゼの発現のための切除可能な遺伝子発現カセット及びプロモータ配列の構築に関する。
微生物が効率的な速度で商業的に重要な生産物をより高い収率で生産する能力は、関与する代謝経路において関連する代謝反応を触媒する鍵酵素の増幅、付加、又は欠失を伴う代謝工学的アプローチにより得ることができる。オキシドレダクターゼと一般に呼ばれる酵素によって触媒される、いくつもの代謝経路におけるレドックス反応は、多くの工業的に有用な化合物の生産に関与している。細胞内レドックスバランスを維持することが、細胞増殖および代謝の基本的な要件であり、また微生物が商業的に重要な代謝物を生産する際の効率性に基本的に必要であることを考慮すれば、最適なレドックスバランスの維持に関与する遺伝子を操作することは、微生物の代謝工学においてさらなるツールを提供することになる。種々の補因子の中でも、ピリジンヌクレオチド類、すなわち、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)は、普遍的な可溶の電子伝達体として働き、また、いくつかのデヒドロゲナーゼ酵素類の補因子として機能する。異化経路に関与するNAD−および同化経路に関与するNADP−は、基質分子の酸化(脱水素化)に伴う可逆的還元を受け、いくつかのデヒドロゲナーゼの補因子として機能する。特に、酸化された形態(NAD+)および還元された形態(NADH+H+)でNAD−は、300を超えるレドックス反応において補因子として機能し、異化作用において電子受容体として働くのみならず、好気呼吸および嫌気呼吸において起こるエネルギー保存レドックス反応において、細胞に還元力を与える(Fosterら, 1990)。細胞濃度よりも代謝回転の方が大きいため、これらヌクレオチドの酸化速度および還元速度のバランスをとることが、異化および同化を継続するための前提条件となる。
当業者には、嫌気条件下でのグルコースの異化に関与する発エルゴン経路が、以下に示すように、NADH+H+の生成と密接して、エネルギーを、アデノシン三リン酸(ATP)の形態で生成することが知られている。
グルコース+2NAD++2ADP+2Pi=2ピルビン酸+2NADH+H++2ATP+2H2
最終的にATPの生成に至る解糖系の2つのエネルギー保存反応のうち、グリセルアルデヒド3−リン酸の1,3−ビスホスホグリセリン酸への酸化は、NAD+の還元と同時に起こるため、重要である。異化における重要な中間体でありすべての自由エネルギー源の共通の生産物であるピルビン酸が、引き続いて、(脱炭酸により)アセトアルデヒドへ変換されるか、またさらにエタノールへ変換されるか、または嫌気条件下で(還元により)乳酸へ変換されるか、または好気条件下で(酸化的脱炭酸により)アセチルCoAへ変換されるかは、主に、細胞の酸化状態、およびNADH+H+の酸化によりNAD+が再生する反応によって決定される。NAD+の再生がないと、細胞は、グリセルアルデヒド3−リン酸の酸化に必要な電子受容体を使い果たし、解糖系のエネルギー供給反応が停止する。
補因子としての上記の役割に加え、ピリジンヌクレオチド補因子はまた、遺伝子発現を制御する。このため、NAD合成を制限することによりadhEの発現は減少したが、NADH濃度を増加させると、adhE遺伝子が誘導される(Leonardo, 1996)。
細胞学から生じる上記の知識の延長で、NAD+およびNADH+H+の収率および相対的代謝回転を変化させることによって細胞のレドックス電位を操作する試みがなされ、微生物による代謝物の商業的生産を調節するに向けて大きな改善があった。現在利用可能な補因子操作の戦略のほとんどは、(a)NADの酸化および還元に関与するデヒドロゲナーゼ、または(b)これらピリジンヌクレオチドの相対含量の向上を対象としている。
代謝経路の増幅又は遮断又は付加に向けた代謝工学的アプローチは、重要な結果をもたらした。重要なことに、余剰のNADHの酸化におけるグリセロールの生理的役割およびATP生成におけるエタノールの生理的役割についての我々の知識は、代謝工学においてこの上なく利用されている。
その他の中で、特定の目的とする代謝物の生産に向けたNAD+/NADH比を調節することによる補因子操作の重要な例は、以下が挙げられる。
i)NADH+H+のアベイラビリティを高めることにより、大腸菌(Escherichia coli)において(アルコールデヒドロゲナーゼをコードする)adhE遺伝子を過剰発現させることができ、発酵条件下でのエタノール生産を高めることができる(Leonardoら, 1996)。
ii)L−ラクトアルデヒドの酸化−還元間のシフトを、高いNADH/NAD比でピルビン酸デヒドロゲナーゼ錯体を抑制することによって制御できた(Graefら, 1999;Baldoma & Aguilar, 1988)。
iii)NADH依存性グリセロール3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GPD)の過剰発現により、炭素フラックスがグリセロール生産に向かい、エタノール生産を犠牲にしてコハク酸および酢酸が生産される(Remizeら, 1999)。
iv)グリセロールおよびエタノールの収率の制御は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)において、グリセロール3−リン酸デヒドロゲナーゼをコードするGDPを過剰発現する、または破壊することによっても可能であった(Nevoigt, 1998)。
v)GPD1の破壊により、グリセロール生産が減少しエタノール生成が増加する一方で、遺伝子の過剰発現により、アセトアルデヒド生成が顕著に増大し、ピルビン酸、酢酸、アセトイン、2,3ブタンジオール、およびコハク酸の著しい蓄積があった。これらの変化は、グリセロール3−リン酸デヒドロゲナーゼによるNADHの競合的再生によってなすことができた(Michnikら, 1998)。
vi)Nissenら(2000)は、サッカロミセス・セレビシエにおけるアンモニウムおよび2−オキソグルタル酸からのグルタミン酸の通常のNADPH消費合成を、NADHおよびATPの消費によって特徴付けられる新しい経路に置き換えた。得られた酵母株は、嫌気発酵条件下での親野生型株と比べて、高いエタノール収量および低いグリセロール収量であった。
vii)ホモ乳酸発酵から混合有機酸発酵への代謝シフトが、ミュータンス菌(Streptococcus mutans)からラクトバクターラクティス(Lactobacter lactis)へ、NADH酸化酵素をコードするnox2遺伝子をクローニングすることにおいてなされた。好気条件下、形質転換細胞における観測されたシフトは、NADH/NAD+比を低くするNADH酸化のレベルによって制御された(Lopez De Felipeら, 1998)。
補因子依存の工業生産の極めて高い重要性を考慮して、NAD+、NADHなどの使用した補因子を再生するための検討もまた、なされた。その検討としては以下が挙げられる。
i)酸化剤としてのアルデヒドと組み合わせ、クロストリジウムクルイベリ(Clostridium kluyveri)の細胞溶解物を用いたNADHのインビボ再生(米国特許第4766071号)
ii)NADHの電気化学的再生をとりなす電極の使用(米国特許第5393615号)
iii)ポリマー骨格と共有結合したメディエータを含む被覆ポリマーの採用(米国特許第5264092号)
上記に加え、NADHの細胞内生産を増加させるための特定の戦略についてもまた、大腸菌において研究がなされた。これらは、(a)異なる酸化状態を有する炭水化物を供給すること、(b)(例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼなどの)NADHを用いてNADHをめぐって競う経路を除くこと、(c)NAD+依存ギ酸デヒドロゲナーゼを過剰発現させてNADHを再生すること、(d)外から加えられたニコチン酸をニコチン酸モノヌクレオチドに変換するニコチン酸ホスホリボシルトランスファーゼを過剰発現させることを含む。これらのアプローチのうち、外部手段と遺伝子的手段を組み合わせることによって、すなわち、異なる酸化状態を有する異なる炭素源を、ニコチン酸ホスホリボシルトランスファーゼを過剰発現する大腸菌株に供給することによって、NADHアベイラビリティを変化させると、分子内NADH含有量がある程度高くなった。大腸菌におけるカンジダボイジニイ(Candida boidinii)NAD+依存ギ酸デヒドロゲナーゼの異種発現によって、グルコースまたはソルビトールから生じるNADHの最大収量が、各基質1モルに対し、理論最大値2モルから、4および4.6モルに高められた。異種ギ酸デヒドロゲナーゼにより形質転換され炭素源としてソルビトールを用いた大腸菌(E. coli)株は、NADHアベイラビリティが高くなったことを反映してエタノール生産の増大を示した(Sanchezら, 2005)。
発明者らと先行技術の知識を有する科学者は、上記の検討の共通のモチーフは、解糖系またはそれに関連する経路に関与する複数のデヒドロゲナーゼのうちの1つをターゲットとすることにより、細胞のレドックスバランスに影響するNAD/NADH比を変化させることにあることを十分に理解している。そこで、代謝フラックスを、エタノール、酢酸、ピルビン酸、アセトイン、ブタンジオール、またはコハク酸などの微生物代謝産物の生成に導くために、アルコールデヒドロゲナーゼまたはピルビン酸デヒドロゲナーゼまたはグリセロール3−リン酸デヒドロゲナーゼまたはギ酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子の操作を再分類した。しかし、これらのデヒドロゲナーゼのすべてが、補因子として還元型NAD(NADH)を利用する、基質の還元に関与している。NADHの生産に関与するデヒドロゲナーゼを操作するまたは過剰発現するためになされた検討は限られたものであった。
グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼは、グリセルアルデヒド3−リン酸の1,3−ビスホスホグリセリン酸への酸化−解糖系の報酬期の最初のステップ−に関与する次の反応を触媒する。
グリセルアルデヒド3−リン酸+無機リン酸 = 1,3−ビスホスホグリセリン酸
+NAD+ +NADH+H+
当該反応における水素の受容体は、還元型補因子NADHを生じる、グリセルアルデヒド3−リン酸のアルデヒド基からNADのニコチンアミド環へのヒドリドイオン(:H-)の酵素的転移に関与するNAD+であり、基質の他の水素原子は、溶液中H+として現れる。大量の反応の標準自由エネルギー(ΔG0’=−49.3KJ/mol)が、引き続き起こる、1,3−ビスホスホグリセリン酸が3−ホスホグリセリン酸に変換される反応において、ATPの生成に利用される。グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼは、解糖系においてNADHの唯一のソースであり、発酵可能な糖の利用において主要な異化経路であり、解糖系および微生物による糖新生に関与している。グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼは、サッカロマイセス(Saccharomyces)などの発酵性産生細胞の細胞質および細胞壁内に分散する四量体である。サッカロマイセスにおいては、TDH1、TDH2およびTDH3と名付けられた3つの非結合遺伝子(〜1kbp)が、関連しているが同一ではない触媒的に活性なホモ4量体を、異なる特定の活性が代謝および構造のリモデリングに関与しつつ、コードする(Robertsら, 2006)。TDH3タンパク質が、全活性の50〜60%を占める一方、TDH1およびTDH2でコードされた蛋白質はそれぞれ、全活性の10〜15%および25〜30%を占める。
TDH酵素をコードする遺伝子のうち、TDH1およびTDH2は、染色体X上に位置し、TDH3は、染色体VII上に位置する。TDH2またはTDH3機能遺伝子の存在が細胞生存に必須であっても、これらの構造遺伝子のうち、細胞生存に個々に必須なものはない。しかし、TDH1が、解糖系のウルトラディアン振動に関与するGTS1と相互作用して、グリセロールリン酸デヒドロゲナーゼ(GPD2)遺伝子を欠いた酵母培養液の嫌気性増殖を高めることが報告されている(Valadiら, 2004)。TDH遺伝子の生理的および遺伝子的役割について入手可能なこのような多数の情報にもかかわらず、TDH遺伝子が補因子工学に関し生来有している能力については、産生微生物による商業的代謝物生産に対しては開拓されていなかった。従って、最大理論収量に近い高さでの生産物生成のために、糖異化に必要な酵素をコードする、安定なゲノムインサートや遺伝子カセットの創出が未だに要求されている。
新しい考え方に踏み入り、発明者らは、微生物の代謝生産に関する補因子の要件を立案するために、NADHの生産と利用に関する事象を組み合わせる検討を行った。これらの実験により、新規なDNA構築物および、NADHの生産と利用に関与する2つのデヒドロゲナーゼの過剰発現においてサイクリックにより大きな還元電位が継続して生産され利用される生理学的状況を作り出す方法を表現する本発明に至った。このようなアプローチは、工業的な微生物による糖からの、特定の工業的に重要な生産物の生産性を高める。当該革新的アイデアの新規性はまた、発明者らが2つの異なるデヒドロゲナーゼ酵素、1つはNADHの生産に関与し、もう1つがNADHの利用に関与する、を操作したという事実に関連している。このアプローチは、NADHを生産するか利用するかのどちらかのデヒドロゲナーゼ1つのみを対象とし、微生物代謝生産の増大に用いている上述のアプローチとは明らかに異なる。より重要なことに、このようなアプローチは、サイクリックにNADHを生産および利用するようになり、微生物代謝生産を増大させる。なぜなら、2つの酵素は、1つの代謝経路すなわち解糖系の要素であり、2つのデヒドロゲナーゼは、生成物生成に寄与する不可欠の要素であるため、当該アプローチは、基質を生成物生成に導くことを増進させる。
本発明の目的は、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH1)プロモータにより駆動されるトリオースリン酸デヒドロゲナーゼ(TDH3)遺伝子とそれに続くADH1プロモータにより駆動されるアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH1)遺伝子を含む新規のDNA構築物または遺伝子発現カセットを作り出す方法を表すことにある。この遺伝子発現カセットは、モノマーとしてまたは1以上のマルチマーの複製として、還元電位の生成と付随する利用を増進し、工業的に重要な生産物の発酵生産を増大させる能力を有する。解糖系に関与する複数のデヒドロゲナーゼが結合したピリジンヌクレオチドにより酸化および還元を機能的に結びつけると、2つのデヒドロゲナーゼ間の還元電位のサイクリックな移動が促進される。本発明の別の側面は、前記2つのデヒドロゲナーゼのうちの少なくとも1つをコードするかもしくは前記2つのデヒドロゲナーゼのうちの少なくとも1つの発現を引き起こす、少なくとも1つの組み換えDNA分子を有する、組み換えられた細菌または酵母などの微生物を形質転換し選択する方法を表す。より多量の還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH+H+)を提供することにより還元電位のアベイラビリティが増加することは、生産物生成の速度向上に寄与し、得られる組み換え微生物は、バイオマスなどの再生可能な炭素源から、効率良く発酵生産物を生産する能力を有する。本発明の目的のために、微生物は好ましくは、酵母、糸状菌、および細菌である。好ましくは、酵母は、サッカロミセス(Saccharomyces)属であり、特に、サッカロミセス種株である。従って、新規な本発明は、遺伝子操作された工業的な微生物、遺伝子発現カセット、およびバイオマス炭水化物を変性微生物によって工業的に有用な生産物に発酵するためのプロセスを表す。本発明の一番の利点は、生体内変換に利用可能なNADHの量を増やすことによって、変性された生物においてNADHがサイクリックに生産されかつ利用され、高収率で発酵生産物が得られることにある。
本開示の1以上の実施態様の詳細を、添付図面と以下の記載にて記述する。他の特徴、目的および利点は、以下の記載および図面から、ならびにクレームから明らかになるであろう。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示の1以上の実施態様を説明するものであり、詳細な説明とともに当該開示の原理と実施を説明するのに役立つものである。
グルコースからのエタノールの生産に関与する還元電位のリサイクルを説明する解糖経路の概要を表したものである。 切除可能な遺伝子カセットと制限サイトを有するpNF034の遺伝子地図。遺伝子カセットのマルチマー化は、ユニークなBamHIサイト中のBamHI−Bg1IIフラグメントとみなされるカセットをクローニングすることによって可能である。 切除可能な遺伝子カセットを発現するサッカロミセス・セレビシエ組み換え株(tNF006;黒丸)およびその親株(W303;白丸)によるグルコース発酵;増殖パターンによる比較。 切除可能な遺伝子カセットを発現するサッカロミセス・セレビシエ組み換え株(tNF006;黒丸)およびその親株(W303;白丸)によるグルコース発酵;グルコース消費量による比較。 切除可能な遺伝子カセットを発現するサッカロミセス・セレビシエ組み換え株(tNF006;黒丸)およびその親株(W303;白丸)によるグルコース発酵;エタノール生産量による比較。 切除可能な遺伝子カセットを発現するサッカロミセス・セレビシエ組み換え株(tNF006;黒丸)およびその親株(W303;白丸)によるグルコース発酵;エタノール生産速度による比較。 切除可能な遺伝子カセットを発現するサッカロミセス・セレビシエ組み換え株(tNF006;黒丸)およびその親株(W303;白丸)によるグルコース発酵;グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼの活性による比較。 切除可能な遺伝子カセットを発現するサッカロミセス・セレビシエ組み換え株(tNF006;黒丸)およびその親株(W303;白丸)によるグルコース発酵;アルコールデヒドロゲナーゼの活性による比較。
本開示は、生体内変換に利用可能なNADHの量を増やすことによって、変性された生物においてNADHがサイクリックに生産されかつ利用され、高収率で発酵生産物が得られるよう操作された組み換え微生物について言及する。
本明細書において使用される「遺伝子」との用語は、タンパク質やリボ核酸(RNA)などの機能的な生物学的生産物の合成に必要な情報を有するデオキシリボヌクレオチド(DNA)のセグメントのことをいう。
「遺伝子操作」との用語は、遺伝子の分離、結合、導入を含む遺伝子の操作作法を含む種々の方法、および操作された遺伝子を含む選択した有機体を分離する方法を指すものとして用いられている。
ここで規定するように、「DNA構築物」との用語は、1以上のソースから得られるデオキシリボヌクレオチドを含むデオキシリボヌクレオチド配列のことをいう。
「遺伝子発現」との用語は、関与する遺伝子に含まる遺伝子情報の効率的な転写および翻訳のことをいう。
ここで使用するように、「切除可能な遺伝子カセット」とは、還元電位および還元酵素活性が同時に増大したベクター中の遺伝子に含まれる構築物のことをいう。
ここで使用するように、「協調発現」との用語は、関与する遺伝子によってコードされた生産物の出現の細胞的な位置と時間に関し、遺伝子が同時発現することを意味する。
「プロモータ」との用語は、遺伝子を構成しているデオキシリボヌクレオチド配列の上流(5’〜3’方向)にあるデオキシリボヌクレオチド配列のことをいう。「モノマー」との用語は、(上に規定した)遺伝子発現カセットの1ユニットのことをいい、「マルチマー」は、1より多い遺伝子発現カセットのユニットを含む。
「レドックス電位」との用語は、標準的な生物学的条件下でpH7.0で測定される化合物の酸化/還元電位のことをいう。当該用語はまた、電子キャリアの酸化力および還元力の尺度としても用いられ、特に、NADおよびNADHの標準レドックス電位(E0’=−0.32ボルト)、および酵素活性のための補因子としてのNADおよびNADHに依存する酵素反応に関連している。従って、還元電位の「生成」および「利用」との用語は、還元型NAD(NADH)の生成および消失が関与する生体反応のことをいう。
ここで使用するように、「サイクリックな移動」とは、特定のデヒドロゲナーゼ酵素によって触媒される酸化反応および還元反応が機能的に結びつくことを伴う反応を意味する。
「組み換え」細胞または細胞集団との用語は、外因性核酸配列がプラスミドなどの送達ビヒクルを用いて導入された、細胞または細胞集団のことをいう。
ここで使用するように、「還元電位のサイクリックな移動」との用語は、還元電位の連続的な生成および利用を容易にする、操作され、組み換えられた系のことをいう。
ここでいう「微生物」の用語は、細菌または酵母の1以上の形態/種のことをいう。
「微好気性条件」との用語は、微生物が増殖可能な低酸素条件の環境のことをいう。
解糖系(ギリシャ語;glykys=甘い;lysis=分割)は、グルコースの嫌気分解が関与し酵素によって触媒される一連の反応を介してピルビン酸2分子を与える、偏在し、中心となる異化経路である。解糖経路は、細胞に、高エネルギー化合物、すなわちアデノシン三リン酸(ATP)の形態でバイオエネルギーを与えるのみならず、アミノ酸、脂肪酸、コレステロールなどの生体分子の生合成に必要なC3前駆体を与えるため、両性代謝である。上記に加え、この嫌気代謝経路はまた、還元型ピリジンヌクレオチド−NADHの生成源となる。グリセルアルデヒド3−リン酸の1,3−ビスホスホグリセリン酸への変換に関与する反応を触媒するグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼは、糖分解でグルコースをピルビン酸に変換する際にNADHに寄与する唯一の酵素であるため、解糖系の鍵酵素である。この生体触媒的な役割の他に、高度に保存されたタンパク質が、微小管結束促進、プロテインキナーゼの調節、ニューロン転写の活性化などの他のいくつかの重要な細胞機能に寄与する(Sastry & Rao, 2000)。グルコース分解の嫌気発酵経路において、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼは、酸化型NADから還元型NAD(NADH)への還元に伴って同時に起こるアルデヒドから酸への変換に関与する酸化電位に関与する唯一の酵素である。解糖系で引き続き起こる反応においては、ピルビン酸(炭素数3の化合物)が生成する。ピルビン酸のエタノールまたは乳酸などの種々の代謝物への変換は、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼによって以前に生成したNADHの酸化を伴い、ついには、NAD+が再生し、解糖経路が連続して作動することができるようになる(図1)。
微生物の生産性を向上させるのに寄与する還元電位を操作し、リサイクルする例として、発明者らは、サッカロミセス・セレビシエの天然遺伝子構築物を、エタノール生産の発酵能を高めるために操作した。これに関し、発明者らは、候補となる遺伝子(TDH3およびADH1)を操作し、一般的なADH1プロモータの制御下に置き、制限フラグメントとして得ることが可能な、切除可能な遺伝子カセットを生成させた。このカセットは、あらゆるベクター、プラスミド、または有機体に、単一のユニット、または遺伝子量を高めることを容易にするタンデムリピートを生成する複数のユニットとして挿入することができる。高められた遺伝子量は、遺伝子が関与するデヒドロゲナーゼの合成を増進し、TDH3に触媒される還元型補因子(NADH)のアベイラビリティを高め、より高い量でADH1酵素発現により引き起こされて酸化型NAD+が再生する。このような急速なレドックス電位の代謝回転は、サイクリックにNADの酸化および還元が増進されることに表されるように、バイオマス由来の炭水化物を発酵させる酵母や細菌などの工業的微生物によって、エタノールなどの微生物代謝物の割合/収率を高める。
本発明の一実施態様は、共に独立してADH1プロモータによって駆動される、サッカロミセス・セレビシエのグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼとそれに続くアルコールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子カセットを構築する方法を表す。これに関し、ADH1プロモータは、Ostranderが過去に(1998)報告するように、pDO105、すなわちADH1プロモータを含む酵母シャトルベクターを、BamHIおよびPstIで切断することによって得た。グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼをコードするTDH3遺伝子と、アルコールデヒドロゲナーゼをコードするADH1遺伝子は、実験用S.セレビシエ株(ATCC コロケーションNo.BY4742)のトータルゲノムDNAより増幅した。プロモータと遺伝子を、クローニングベクター(ATCCから得られるpBSKS)に連続して導入し、遺伝子カセットを含む組み換えpBSKSプラスミドの構築物を得た。遺伝子カセットを、切断時に、組み換えpBSKSプラスミドから、BamHIおよびBg1IIを用いて切除し、酵母シャトルベクターに導入した(YEp351)。得られた組み換えYEp351プラスミドを、pNF034と称した。
本発明の別の実施態様では、S.セレビシエ株(ATCCからのW303)を、pNF034によって形質転換した。形質転換細胞を得るために、GietzおよびWoodsの方法(2004)をわずかに変更しつつ適用した。その手順は、2%イースト抽出物、4%ペプトン、および10mg%のアデニンヘミスルフェートを含む4%デキストロースから作製された培地中で1mlあたり〜1.2×107の濃度まで酵母細胞を培養することを含んでいた。0.1M酢酸リチウム、100μgの一本鎖DNA、および33.3%ポリエチレングリコールを含むトランスフォーメーションミックス中で、細胞に42℃で180分間熱ショックを与えた。細胞を滅菌水で洗浄し、形質転換細胞を選択するために、ロイシン欠損合成培地上で、プレート培養した(Rose 1987a)。形質転換細胞は、ロイシン栄養要求性変異および野生型遺伝子相補によって選別した。形質転換細胞は、組み換えpNF034を分離し、BamH1で切断することによって確認した。確認した形質転換細胞を、tNF006と称した。
本発明のさらに別の実施態様では、酵母形質転換細胞(tNF006)のエタノール生産能について発酵条件下で確認し、その親W303細胞と比較した。親酵母株は、パブリックドメイン(http://www.umanitoba.ca/faculties/medicine/biochem/gietz/media.html)で入手可能なGietz labプロトコルで特定されている、0.67%酵母窒素塩基、10%グルコースを含み、アミノ酸、ウラシル、アデニンヘミスルフェートが補充された完全合成培地中で培養した。tNF006を培養する間、形質転換細胞の栄養要求性を確認するために、ロイシンは、培地から除いた。等しい数(5×106個)の細胞を、28±2℃で48時間、上記で規定する培地500mlを含む密封ボトル中で培養した。一定時間経過後にアリコート(50ml)を抜き取り、増殖、グルコース消費量、およびアルコール生産量を評価した。
実施例1 組み換えプラスミドpNF034の構築方法
還元電位および還元酵素活性が同時に増大した遺伝子的に形質転換された微生物を得るために、組み換えプラスミドpNF034を構築した。このプラスミドは、共に独立してADH1プロモータによって駆動される、サッカロミセス・セレビシエのグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼとそれに続くアルコールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子カセットを含む。添付の遺伝子配列は、共に独立してADH1プロモータによって駆動されるサッカロミセス・セレビシエのグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼとそれに続くアルコールデヒドロゲナーゼをコードする切除可能な遺伝子カセットのヌクレオチドシークエンスから推定されるアミノ酸シークエンスのアラインメントを表す。ヌクレオチドシークエンス1−1516はADH1プロモータを示し;ヌクレオチドシークエンス1517−1559は、TDH3遺伝子の上流にあるKozakシークエンスを示し;ヌクレオチドシークエンス1560−2558は、TDH3遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)を示し;ヌクレオチドシークエンス2559−2815は、TDH3遺伝子の転写のターミネーター領域を示し;ヌクレオチドシークエンス2816−3193は、ADH1プロモータを示し;ヌクレオチドシークエンス3194−4240は、ADH1遺伝子のオープンリーディングフレームを示し;ヌクレオチドシークエンス4241−4451は、ADH1遺伝子の転写のターミネーター領域を示す。転写を容易にするS.セレビシエのコンセンサスプロモータシークエンスは、ヌクレオチドシークエンス1343−1350および3066―3072にある。
パート1 ADH1プロモータのPBSKSクローニングベクターへのクローニング
pNF034の構築の最初のステップとして、ADH1プロモータ(シークエンス番号1−1516)に相当するシークエンスを、pDO105プラスミドをBamHIおよびPstIで切断することにより得た。得られたフラグメントを、T4 DNAリガーゼを用いて、細菌性のクローニングベクターpBSKSのlacプロモータの制御下、マルチクローニングサイト内に位置するBamHIおよびPstIサイトにライゲーションし、大腸菌(Escherichia coli)DH5α株に形質転換した。得られた形質転換細胞は、インデューサーとしてイソプロピルチオガラクトシド(IPTG)と、発色基質として5−ブロモ−4 クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X−gal)を用いて青白選択により選別した。1516bpフラグメントを得るための、ADH1プロモータを含む組み換えpBSKSのBamHIおよびPstIによる制限酵素切断、ならびに関連するヌクレオチドシークエンスの照合によりADH1プロモータを確認した。
パート2 TDH3遺伝子のADH1プロモータを含む組み換えpBSKSベクターへのクローニング
サッカロミセス・セレビシエ(SGD No.YGR192C)のグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼに相当するORFを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、酵母染色体DNAから増幅した。TDH3遺伝子の末端を相補するプライマー(順方向プライマー SEQ ID No.1=5’−CACCAAGAACTTAGTTTCG−3’;逆方向プライマー SEQ ID No.2=5’−CCCCAAAATTATTAAGAGCGCC−3’)を、S.セレビシエBY4742から分離した染色体DNAからこの遺伝子を増幅するために用いた。順方向プライマーには、5’終端にPstIの制限サイトが含まれ、逆方向プライマーには、5’終端にEco RIおよびBg1IIによる切断のためのサイトが含まれていた。PCRの条件は、95℃5分の熱による開始、95℃1分、60℃1分、72℃1.5分の30サイクル、72℃5分の終了期間とした。TDH3遺伝子を代表するPCR生成物を、PstIおよびEco RIにより切断し、0.5%アガロースゲルで精製した。TDH3遺伝子を、上記の実施例1パート1で得られた組み換えpBSKSベクターのPstIおよびEcoRIサイトにおいてADH1プロモータ下流でライゲーションした。
パート3 ADH1遺伝子の、ADH1プロモータおよびTDH3遺伝子を含む組み換えpBSLSベクターへのクローニング
アルコールデヒドロゲナーゼのORFをコードするADH1遺伝子を、そのプロモータおよびターミネーターシークエンス(SGDNo.YOL086C)とともに、PCRによりS.セレビシエの染色体DNAから増幅した。ADH1遺伝子の末端を相補するプライマー(順方向プライマー SEQ ID No.3=5’−CTCCCCCGTTGTTGTCTCACC−3’;逆方向プライマー SEQ ID No.4=5’−GGCATTTGCTCGGCATG CCGG−3’)を、S.セレビシエBY4742から分離した染色体DNAからこの遺伝子を増幅するために用いた。順方向プライマーには、5’終端にBamHIの制限サイトが含まれ、逆方向プライマーには、5’終端にBg1IIによる切断のためのサイトが含まれていた。PCRの条件は、95℃5分の熱による開始、95℃1分、62.9/66.8℃1分、72℃1.5分の30サイクル、72℃5分の終了期間とした。このPCR生成物を、上記の実施例1パート2で得られた組み換えプラスミドのBg1IIサイトにおいてライゲーションした。
得られた組み換えpBSKSベクターに存在するADH1プロモータによって共に独立して駆動されるサッカロミセス・セレビシエのグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼとそれに続くアルコールデヒドロゲナーゼをコードする、上記のようにして得られた遺伝子カセット(図2に記載)を、実施例1パート3で得られた組み換えプラスミドをBamH1およびBg1IIで切断することによって得た。
パート4 遺伝子カセットを含むpNF034の構築
LEU2マーカー遺伝子を含む酵母−大腸菌シャトルベクターYEp351を、BamHIで切断することにより、リニアライズした。(実施例1パート3に記載の工程を経て得られた)組み換えpBSKSベクターを、BamH1およびBg1IIで切断することによって得られた遺伝子カセットを、リニアライズしたYEp351のBamHIサイトにライゲーションした。得られた遺伝子カセットを含む組み換え発現プラスミドを、pNF304と称した。
実施例2 酵母のpNF034による形質転換
サッカロミセス・セレビシエ株W303(MATa/MATalpha {leu2-3, 112 trp1-1 can 1-100 ura 3-1 ade 2-1 his 3-11, 15)[phi+]をATCC(No.200060)より得て、遺伝子カセットが与えられたpNF304により形質転換した。形質転換は、GietzおよびWoods(2004)に記載をわずかに変更して行った。その手順は、2%イースト抽出物、4%ペプトン、および10mg%のアデニンヘミスルフェートを含む4%デキストロースから作製された培地中で1mlあたり〜1.2×107の濃度まで酵母細胞を培養することを含んでいた。0.1M酢酸リチウム、100μgの鮭精子DNA、および33.3%ポリエチレングリコールを含むトランスフォーメーションミックス中で、細胞に、42℃で180分間熱ショックを与えた。28±2℃での48時間インキュベーションの終わりにロイシン栄養要求性変異および野生型遺伝子相補によって形質転換細胞を選択するために、洗浄した細胞を、ロイシン欠損合成培地上でプレート培養した(Rose 1987a)。同時に、親酵母株をまた、YEp351単体で形質転換し、コントロールとした。組み換えプラスミドをRoseの方法(1987b)によって酵母形質転換細胞から分離した。形質転換細胞から分離した組み換えプラスミドのBamHIによる制限切断によって、遺伝子カセットを含むベクターに相当する〜10kbフラグメントを分離した。遺伝子カセットをコードするpNF034をホストする、確認された酵母形質転換細胞を、tNF006と称した。
実施例3 サッカロミセス・セレビシエのバッチ培養
S.セレビシエW303の前培養を、0.67%酵母窒素塩基、2%グルコースを含み、アミノ酸、ウラシル、アデニンヘミスルフェートが補充された合成培地100ml中で、単一コロニーで行い、一方で、遺伝子カセットが与えられたS.セレビシエtNF006を、ロイシンを除いた上記と同じ培地で単一コロニーで培養した(http://www.umanitoba.ca/faculties/medicine/biochem/gietz/media.html)。前培養は、500ml三角フラスコ中28±2℃200rpmで14〜16時間株を増殖させることによって行った。親株と形質転換株の両方について等しい量の細胞(5×106個)を、3通りのバッチ培養実験に用いた。S.セレビシエW303細胞は、0.67%酵母窒素塩基、10%グルコースを含み、アミノ酸、ウラシル、アデニンヘミスルフェートが補充された発酵培地500mlを含む650mlストッパー付きガラス容器中で、28±2℃で48時間静置培養として増殖させた。培地からロイシンを除いた以外は同様の培地と条件を、S.セレビシエtNF006の発酵に用いた。
実施例4:分析方法
パート1 サッカロミセス・セレビシエ株の増殖
実施例3に挙げたサッカロミセス・セレビシエ株の細胞密度を、Shimazu UV−1601分光光度計(島津製作所,京都,日本)において600nmで48時間の増殖時間にわたってモニターした。3つの異なる実験から得られる平均値を、図3に示す。見識のある科学者であれば、データから、親W303株の増殖は、遺伝子カセットが与えられたtNF006形質転換細胞の増殖よりもはるかに少ないということが理解できるであろう。より具体的には、48時間内の親株による増殖には、形質転換細胞により、指数対数的増殖段階の初期に約8時間内に到達することができた。さらに、48時間の増殖の終了までに、形質転換細胞を、親株の場合に得られる0.5ユニットのA600に対し、約3.9ユニットのA600まで培養できた。親株に比べて8倍の形質転換細胞による増殖の増加は、株内でのレドックス電位の急速なリサイクル効果が現れたものであった。
パート2 グルコース消費量の分析
親株(W303)および形質転換(tNF006)S.セレビシエ株のグルコース消費量を、特定時間における発酵培地中の残存グルコース含有量を決定して得られた値を発酵の開始時に利用可能なグルコースの初期濃度(10%)から引き算することによって分析した。発酵培地のアリコート(50ml)について、10000rpm15分間の遠心分離により、特定時間における酵母細胞を清澄し、これを、還元糖によって黄色がかった橙色の化合物に変換される3,5−ジニトロサリチル酸を用いたグルコース量の決定に用いた(Miller, 1972)。3つの異なる実験から得られる平均値を、図4に示す。データより、親W303株および形質転換tNF006株の両方とも、約9時間でグルコース消費(g/L)が始まることがわかる。48時間終了までの形質転換株によるその後のグルコース消費は、急速であり、培地中で利用可能なグルコースの全量の〜84%の消費量になった。これは、48時間の発酵終了時の親株と比べ、形質転換細胞によってグルコースが76%多く消費されたことになり、形質転換株内のレドックス電位の急速なリサイクル効果が現れたものであった。
パート3 アルコール生産の分析
特定時間において抜き取って、実施例4パート3に記載のように清澄した発酵培地の清澄アリコートについて、Templeton(1994)の手順にわずかな修正を加え、水素炎イオン化検出器(FID)を備えたShimazu GC−14Bガスクロマトグラフ(島津製作所,京都,日本)、およびPorapak Qカラムを用いて、エタノール含有量を評価した。10μlのサンプル中のエタノール含有量を評価するために用いたパラメータは、140℃のオーブン温度、220℃の注入ポート温度、225KPaに維持された窒素キャリアガスを用いた240℃のFID温度、50KPaの水素および25KPaの空気である。図5に示されたデータから、S.セレビシエの親W303株によるエタノール生産は、36時間後に開始されたことが明らかである。これに対して、tNF006形質転換細胞によるエタノール生産は、6時間という初期に開始され、48時間の発酵時間の終了時には、最大〜40g/Lに達した。親W303株は、この期間の終了時に〜4g/Lのエタノールのみ生産できた。48時間終了時における形質転換細胞によるトータルエタノール生産量の10倍の増加は、遺伝子カセットに含まれる形質転換細胞によるエタノールの過剰生産に寄与するレドックス電位のリサイクルの増加が現れたものであった。
パート4 基質消費量と生産物生成との化学量論的関係の評価
図6は、親W303とその形質転換細胞間での、基質(グルコース)から生産物(エタノール)への化学量論的転化率の詳細な比較を示し、次のことを明らかにしている。(i)発酵初期の6時間において形質転換細胞によりグルコースからエタノールが生産されたことは、明白である。(ii)48時間で親W303株によりグルコースがエタノールに変換される割合は、形質転換細胞により9時間の発酵で達成された。(iii)グルコースのエタノールへの変換の理論最大値(グルコース1モルに対しエタノール2モル)を考慮すると、このような関係は、36時間経過時までに形質転換tNF006によって達成することができた。これは、還元電位の急速なリサイクルが、エタノール生産速度にプラスに影響したことを示している。
実施例5 酵素アッセイ
パート1 グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性のアッセイ
形質転換株の遺伝子カセットに存在するTDH3の過剰発現を確認するために、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性をアッセイした。無細胞抽出液を、van Hoek(2000)のようにして2mMのMgCl2と1mMのジチオスレイトールを含むpH7の0.1Mリン酸緩衝液中で、S.セレビシエの親W303株および形質転換tNF006株より作製し、Worthington(1993)の記載のように酵素アッセイした。図7は、これについて得られた結果を示し、酵素活性が、3時間の増殖時間で2.3倍の増加〜48時間の発酵終了時に約6.3倍の増加が観測され、顕著に増加したことを示している。形質転換細胞の場合、酵素の比活性の値が、6時間で約8.5から36時間で約20まで増加した。
パート2 アルコールデヒドロゲナーゼ活性のアッセイ
形質転換株の遺伝子カセットに存在するADH1の過剰発現を確認するために、アルコールデヒドロゲナーゼ活性をアッセイした。無細胞抽出液を、van Hoek(2000)のようにして2mMのMgCl2と1mMのジチオスレイトールを含むpH7の0.1Mリン酸緩衝液中で、S.セレビシエの親W303株および形質転換tNF006株より作製し、Valle(1995)により記載された方法によって、アルコールデヒドロゲナーゼの活性をアッセイした。図8は、これについて得られた結果を示し、48時間の発酵終了時において、ADH酵素活性が、親W303と異なり形質転換細胞において約3.5倍と顕著に増加したことを示している。形質転換細胞の酵素活性は経時的に増加し、3時間後約17(mmol酸化されたNADH/分/mgタンパク質)から48時間後約169という比活性となり、48時間の発酵で約10倍の活性の増加を示した。
微生物の寄託
以下の微生物を、ブダペスト条約の規則に則り、2008年12月11日に、インド共和国、チャンディーガル−160 036、セクター39−AのInstitute of Microbial Technologyの、MTCC Microbial Type Culture Collection and Gene Bankに寄託した。
微生物 株記号表示 受入番号
サッカロミセス・セレビシエ tNF006 MTCC5451
の2倍体株
この開示は、特定の組成や生物学的システムに限られるものではなく、当然に変更可能であることが理解されるべきである。ここで用いられる用語は、特定の実施態様を説明する目的のためのみであって、限定する意図はないこともまた理解されるべきである。本明細書および添付のクレームで用いられているように、単数表示の“a”“an”および“the”は、内容に明確な断りのない限り、複数の指示対象を含むものである。従って、例えば、“生合成中間体”との言及は、複数の当該中間体を含み、“核酸”との言及は、複数の当該核酸を含むものであり、“遺伝子操作されたホスト細胞”との言及は、1以上の遺伝子操作されたホスト細胞および当業者が理解する均等物の言及を含む、などである。
特に断りのない限り、ここで使用するすべての技術用語および科学用語は、当該開示が属する分野の当業者に通常理解されるのと同じ意味を有する。ここで記載されたものと同様のまたは均等のいかなる方法および材料が、当該開示の試験の実施に用いることができるが、ここでは、適した材料および方法の特定の例について記載した。ここで挙げた刊行物は、引用する刊行物が関連する方法および材料を開示および記載するものとして、参照としてここに組み込まれる。
上記の実施例は、当該開示の装置、システム、および方法の実施態様をいかにして作製して使用するかの完全な開示と説明を当業者に与えるためのものであって、本発明者らが開示であるとみなしているものの範囲を限定することが意図されているものではない。当業者に自明な開示を実行するための上記の様式の変更は、以下の請求の範囲内にあることが意図されている。明細書で挙げた全ての特許公報および刊行物は、当該開示が属する分野の当業者の技術レベルの指標となるものである。当該開示において引用された全ての文献は、各文献が個々に完全な形で参照として組み込まれるようにして、参照として組み込まれる。
背景技術、詳細な説明および実施例で引用した各文献(特許公報、特許出願、学術論文、要約、研究マニュアル、単行本、他の開示等を含む)の開示の全体が、ここに参照として組み込まれる。さらに、ここに提出した配列表のハードコピーおよびコンピュータで読み取り可能なその対応物も共に、完全な形で参照として組み込まれる。
本開示の特定の実施態様がここで明確に開示されているが、上記の明細書および実施例は、説明のためのものであって、これに制限されるものではない。当該開示の精神と範囲を外れることなく、種々の変更を行ってもよいことが理解されるであろう。当該開示の多くの変更は、本明細書と以下の実施態様を検討することにより当業者に明確になるであろう。当該開示の全範囲は、均等物の全範囲と共に実施態様と、上記の変更と共に明細書とを参照して決定されるべきである。従って、他の実施態様も以下の請求の範囲内にある。
参考文献
特許文献
米国特許第7091014号明細書B1 8/2006 Aristidouら
米国特許出願第0257983号明細書A1 11/2006 Broら
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米国特許出願第5264092号明細書 10/1993 Skotheimら
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他の刊行物
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Claims (13)

  1. アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH1)プロモータによって駆動されるトリオースリン酸デヒドロゲナーゼ(TDH3)遺伝子とそれに続くADH1遺伝子を含み、当該2つの遺伝子がADH1プロモータにより駆動される、工業的発酵生産物の生産性を高めるためのNADH補因子系のサイクリックな再生のための遺伝子カセット構築物。
  2. 請求項1に記載の遺伝子カセット構築物の構築方法であって、遺伝子がタンデムに配置される方法。
  3. 請求項1に記載の遺伝子カセット構築物の構築方法であって、TDH3とADH1の両方を含む遺伝子カセットを、マルチマー化することが可能な方法。
  4. 請求項1に記載の遺伝子カセット構築物の構築方法であって、遺伝子が誘導可能なプロモータにより駆動される方法。
  5. 前記カセット中の候補となる遺伝子を、誘導可能なまたは誘導不能なタイプの他の任意のプロモータシークエンスにより駆動可能な請求項1に記載の遺伝子カセット構築物。
  6. 遺伝子が、ホスト酵母株にエピソーム組込物または染色体組込物として導入されている請求項1に記載の遺伝子カセット構築物。
  7. 遺伝子カセットが、エタノール、乳酸、および他の発酵生産物の生産のためのホスト酵母株に導入されている請求項1に記載の遺伝子カセット構築物。
  8. 遺伝子が、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の、一倍体株、二倍体株、または倍数体株に導入されている請求項1に記載の遺伝子カセット構築物。
  9. 遺伝子が、サッカロミセス・セレビシエ、ピチア属(Pichia sp.)、ハンゼンスラ属(Hansensula sp.)、クルベロマイセス属(Kluveromyces sp.)を含むいずれかの酵母属を形質転換するために用いられる請求項1に記載の遺伝子カセット構築物。
  10. 遺伝子カセットがグルコースを炭素源として利用するための任意のホスト酵母株を形質転換するのに用いられる請求項1に記載の遺伝子カセット構築物。
  11. 遺伝子カセットが任意の単糖類を炭素源として利用するための任意のホスト酵母株を形質転換するのに用いられる請求項1に記載の遺伝子カセット構築物。
  12. 遺伝子を、ホスト細胞中の還元当量を最適化するために原核ホスト中での発現のための原核プロモータによって駆動可能な請求項1に記載の遺伝子カセット構築物。
  13. 遺伝子が、50以上200以下の塩基対の転写不能なシークエンスにより分離される請求項1に記載の遺伝子カセット構築物。
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