JP2011512003A - 金属基板にパターン付けするカーボンナノチューブ - Google Patents
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Abstract
【課題】CNT電子源、CNT電子源を製造する方法、及びCNTパターン付きスカルプチャード基板を利用する太陽電池を開示する。
【解決手段】各実施形態は、CNTが、基板から直接成長することを可能にする金属基板を利用する。抑制剤が、金属基板からのCNTの成長を抑制するために、金属基板に塗布され得る。この抑制剤は、任意のパターンで金属基板に正確に塗布することができ、それにより、CNTグルーピングの位置決めをより正確に制御することを可能にする。金属基板の表面粗さを変えて、各CNTグルーピング内のCNTの密度を制御することができる。さらに、吸収体層及び受容体層をCNT電子源に施して、太陽電池を形成することができ、この太陽電池では、電位が、太陽光の露光に応じて受容体層と金属基板の間で発生可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】各実施形態は、CNTが、基板から直接成長することを可能にする金属基板を利用する。抑制剤が、金属基板からのCNTの成長を抑制するために、金属基板に塗布され得る。この抑制剤は、任意のパターンで金属基板に正確に塗布することができ、それにより、CNTグルーピングの位置決めをより正確に制御することを可能にする。金属基板の表面粗さを変えて、各CNTグルーピング内のCNTの密度を制御することができる。さらに、吸収体層及び受容体層をCNT電子源に施して、太陽電池を形成することができ、この太陽電池では、電位が、太陽光の露光に応じて受容体層と金属基板の間で発生可能である。
【選択図】 図1
Description
本出願は、2008年1月18日に出願した、Cattien V.Nguyenを発明者とし、代理人整理番号NASA−P1004.PROを有する表題「SYSTEM AND METHOD FOR GROWING CARBON NANOTUBES ON METAL SUBSTRATES AND MODIFYING THE METAL SUBSTRATES TO CONTROL THE PROPERTIES OF THE CARBON NANOTUBES」の米国特許仮出願第61/022,291号の利益を主張する。この出願は、その全体があらゆる目的について参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載された本発明は、民間従業員によってなされたものであり、民間従業員の貢献は、NASAとの契約に基づいた研究の実施においてなされ、一般法96−517(米国特許法第202条)の規定に従っている。これらの発明は、NASAによって授与された契約NAS2−03144の下で政府支援を受けてなされたものである。政府は、これらの発明に一定の権利を有する。
カーボンナノチューブは、しばしば、丈夫な物理特性、化学特性、及び電気特性が与えられる従来の電子源に使用されている。例えば、一般に、カーボンナノチューブ(CNT)は、低いターンオン電界を与える高アスペクト比を有し、それによりCNTが、電子を十分に放出することを可能にする。一般に、CNTは、二酸化シリコン等の非金属基板上に配設した金属触媒上に成長させられる。
CNTを備える従来の電子源を生産することもできるが、非金属基板に金属触媒を塗布することに関する制限を考えると、従来の電子源の機能性は、制限される。例えば、非金属基板に金属触媒を正確なパターンで塗布することは難しい。したがって、金属基板の各領域に成長させられるCNTグルーピングの間隔は、しばしば不均一であり、制御が難しく、それにより従来の電子源の効果を減少させている。さらに、各グルーピングのCNTの密度は、制御が難しい。
加えて、非金属基板に金属触媒を塗布するプロセス、例えば金属触媒の蒸着は、比較的費用がかかる。したがって、従来の電子源の生産コストは、非金属基板に金属触媒を塗布することに関する比較的高いコストにより増加する。
したがって、効果を改善したカーボンナノチューブ(CNT)電子源の必要性が存在する。より具体的には、CNTグルーピングのパターン付けを改善したCNT電子源の必要性が存在する。製造時により正確に制御できるCNT密度を有するCNT電子源の必要性も存在する。さらに、従来の電子源よりも安価に生産できるCNT電子源の必要性が存在する。本発明の各実施形態は、これらの必要性及び下記のような他の必要性に対する新規な解決策を提供する。
各実施形態は、CNT電子源、CNT電子源を製造する方法、及びパターン付きCNTスカルプチャード基板(patterned CNT sculptured substrate)を利用する太陽電池に関する。より具体的には、各実施形態は、CNTが、基板から直接成長することを可能にする金属基板を利用する。抑制剤(inhibitor)が、金属基板からのCNTの成長を抑制するために、金属基板に塗布され得る。この抑制剤は、(例えば、フォトリソグラフィ、パターン付きスタンプを用いるナノインプリンティング、バブルジェット印刷等を用いて)金属基板を任意のパターンに正確に塗布することができ、それにより、CNTグルーピングの位置決めをより正確に制御することを可能にする。(例えば、CNTの成長前に、金属基板を研磨又は粗くすることによって)金属基板の表面粗さを変えて、各CNTグルーピング内のCNTの密度を制御することができる。さらに、吸収体層及び受容体層をCNT電子源に施して、太陽電池を形成することができ、この太陽電池では、電位(voltage potential)が、太陽光の露光に応じて受容体層と金属基板間で発生可能である。
一実施形態では、電子源を製造する方法は、金属基板を利用可能にするステップを含む。抑制剤が、金属基板の第1の複数の領域に塗布され、抑制剤は、金属基板の第1の複数の領域内のカーボンナノチューブの成長を抑制するように作用する。カーボンナノチューブは、第1の複数の領域と区別された第2の複数の領域内で金属基板上に成長させられる。抑制剤を塗布するステップは、金属基板にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィプロセスを使用して、フォトレジストの一部を紫外線に露光することによってなされてもよく、但しフォトレジストのこの一部は、第2の複数の領域に配設される。金属基板の第1の複数の領域に配設されたフォトレジストの非露光部分が、取り除かれてもよい。抑制剤は、金属基板及びフォトレジストのこの一部に塗布されてもよい。加えて、フォトレジストのこの一部は、金属基板の第1の複数の領域に配設された抑制剤を残して取り除かれてもよい。
代替として、抑制剤は、ポリマーを含んでもよく、抑制剤を塗布するステップは、金属基板にポリマーを塗布することによってなされてもよい。ポリマーは、パターン付きスタンプを使用してパターン付けされてもよく、このパターン付きスタンプは、第1の複数の領域に対応する特徴を含む。ポリマーは、パターン付きスタンプが、所定位置にある状態で硬化されてもよい。さらに、別の実施形態では、抑制剤を塗布するステップは、バブルジェット印刷プロセスを使用して抑制剤を塗布することによってなされてもよい。
一実施形態では、電子源は、金属基板と、この金属基板の第1の複数の領域に配設される抑制剤と、第1の複数の領域と区別された第2の複数の領域内で金属基板に配設されるカーボンナノチューブとを備える。金属基板は、約5ナノメートル未満のRMS表面粗さを有するニッケルクロムを含んでもよい。カーボンナノチューブは、カーボンナノチューブの複数のグルーピングを含んでもよく、カーボンナノチューブのこの複数のグルーピングのそれぞれは、物理的に相互に区別されている。
さらに別の実施形態では、太陽電池は、金属基板と、この金属基板の第1の複数の領域に配設される抑制剤と、第1の複数の領域と区別された第2の複数の領域内で金属基板に配設されるカーボンナノチューブとを備えてもよい。吸収体層は、抑制剤及びカーボンナノチューブに配設される。さらに、受容体層は、吸収体層に配設され、この受容体層は、受容体層での露光量に応じて金属基板に対して電位を発生させるようになっている。
本発明を、限定としてではなく例として添付図面の各図に示すことにし、図中同じ参照番号は、同様の要素を指している。
次に、添付図面に各実施形態の例が例示されている、本発明の各実施形態への参照を詳細に行うことする。下記の各実施形態と関連して本発明を述べることにするが、各実施形態は、本発明をこれらの各実施形態だけに限定するものではないことを理解されよう。むしろ、本発明は、添付した特許請求の範囲によって定められる本発明の精神及び範囲に含まれ得る代替形態、修正形態、及び均等物を含むものである。さらに、本発明の下記の詳細な説明では、本発明を十分理解するために、多数の具体的詳細を説明する。しかし、本発明の各実施形態は、これらの具体的詳細がなくても実施することができる。他の例では、よく知られた方法、手順、構成要素、及び回路は、本発明の態様を不必要に曖昧にしないように詳細には説明されていない。
概して、本発明の各実施形態は、カーボンナノチューブ(CNT)が、基板から直接成長することを可能にする金属基板を備える電子源に関する。抑制剤が、金属基板からのCNTの成長を抑制するために金属基板に塗布されてもよく、それによりCNTは、金属基板上に正確に配置及び/又はパターン付けできる。抑制剤は、下記のもの、即ち、(例えば、図1、図2A及び図2Bに関連して述べるような)フォトリソグラフィ、(例えば、図3及び図4に関連して述べるような)パターン付きスタンプを用いるナノインプリンティング、(例えば、図5及び図6に関連して述べるような)バブルジェット印刷等を用いて金属基板に塗布することができる。(例えば、CNTの成長前に、金属基板を研磨又は粗くすることによって)金属基板の表面粗さを変えて、CNTの密度を制御することができる。加えて、吸収体層及び受容体層をCNT電子源に施して、(例えば、図7及び図8に関連して述べるように)太陽電池を形成することができ、この太陽電池では、電位が、太陽光の露光に応じて受容体層と金属基板の間で発生可能である。
図1は、本発明の一実施形態による、フォトリソグラフィを用いた、金属基板を備える電子源の例示的な生産段階の略図100を示す。図2A及び図2Bは、本発明の一実施形態による、フォトリソグラフィを用いた、金属基板を備える電子源を製造するための例示的なプロセス200の流れ図を示す。図1の略図100を、図2A及び図2Bのプロセス200と関連して説明することにする。
図2Aに示すように、ステップ210は、金属基板(例えば、図1の110)を準備するステップを含む。この金属基板は、ニッケルクロム、カーボンナノチューブを成長可能な金属、カーボンナノチューブを成長可能な金属合金、それらのいくつかの組合せ等を含み得る。加えて、金属基板の準備は、(例えば、金属基板を研磨すること、金属基板を粗くすること等によって)基板の表面粗さを変更するステップを含んでもよく、(例えば、以下のステップ290に関連して述べるように)この表面粗さを使用して金属基板から成長するカーボンナノチューブ(CNT)の密度を調整することができる。一実施形態では、金属基板は、約5ナノメートル未満のRMS表面粗さで準備することができる。加えて、一実施形態では、基板の粗さは、化学研磨、機械研磨、それらのいくつかの組合せ等を使用して変更することができる。
一実施形態では、金属基板の準備(例えば、110)は、不純物(例えば、水、溶剤等)を取り除くために金属基板のHDMS処理を含んでもよい。例えば、プライマ(例えば、マサチューセッツ州Newton所在のMicroChem社製のMCCプライマ80/20)が、金属基板(例えば、110)上へ塗布され(例えば、塗られ)、(例えば、毎分約4500回転で約30秒間)遠心脱水されてもよい。次いで、この金属基板は、(例えば、摂氏約110度で約2分間)加熱又は焼きしめを受けてもよい。
ステップ220は、金属基板(例えば、110)にフォトレジスト(例えば、120)を塗布するステップを含む。一実施形態では、このフォトレジストは、UV−6 0.6を含んでもよい。加えて、一実施形態では、フォトレジストは、スピンオンプロセスを使用して金属基板に塗布されてもよい。さらに、フォトレジストは、(例えば、摂氏約130度で約1分間)加熱又は焼きしめを受けてもよい。
図2Aに示すように、ステップ230は、フォトレジストの一部を紫外線(例えば、140)に露光するステップを含む。一実施形態では、フォトレジスト(例えば、120)は、フォトレジストの一部を紫外線(例えば、140)に露光する前にマスク(例えば、130)で覆われてもよい。マスク(例えば、130)は、紫外線(例えば、150)の一部が、マスクを通過することを可能にし、フォトレジスト(例えば、120)の対応する一部を露光することができる。例えば、図1に示すように、マスク130の色を濃くした四角は、(例えば、露光されていないフォトレジスト120の部分122を残しつつ)光140を遮断することができ、一方、マスク130の明るい四角は、(例えば、光150によって表されるように)光140が、マスク130を通過することを可能にし、フォトレジスト120の一部125を露光することができる。このようにして、マスク(例えば、130)を使用してフォトレジスト(例えば、120)をパターン付けし、最終的に(例えば、プロセス200のステップ290で)金属基板から成長するCNTをパターン付けすることができる。
マスク130は、透過電子顕微鏡(TEM)グリッドを含むことができる。代替として、マスク130は、ステンシルマスク、フォトリソグラフィマスク等を含んでもよい。
ステップ240は、フォトレジスト(例えば、110)を加熱又は焼きしめするステップを含む。一実施形態では、露光後焼きしめ(post−exposure bake)は、摂氏140度で約90秒間、フォトレジスト(例えば、110)を加熱するステップを含み得る。
図2Aに示すように、ステップ250は、フォトレジスト(例えば、120)の非露光部分(例えば、122)、又はフォトレジスト(例えば、120)の露光部分(例えば、125)を取り除くステップを含む。一実施形態では、アセトンが、フォトレジストのこれら部分(例えば、122、125等)を取り除くために、フォトレジストに塗布され得る。
図2Bに示すように、ステップ255は、残っているフォトレジスト(例えば、フォトレジスト120の露光部分125、ステップ250で露光部分125を取り除いた場合はフォトレジスト120の非露光部分122等)を加熱するステップを含む。一実施形態では、残っているフォトレジストは、摂氏約140度で約3分間、加熱又は焼きしめされ得る。
ステップ260は、残っているフォトレジスト(例えば、フォトレジスト120の露光部分125、ステップ250で露光部分125を取り除いた場合はフォトレジスト120の非露光部分122等)、及び金属基板(例えば、110)に抑制剤(例えば、162及び165)を塗布するステップを含む。この抑制剤を使用して、抑制剤を配設した金属基板の領域内のCNTの成長を抑制することができる。加えて、抑制剤(例えば、162及び165)は、CNTの成長を抑制する任意の材料を含んでもよい。例えば、抑制剤(例えば、162及び165)は、非金属、ポリマー及び金属(例えば、Mo、Al、Cr等)を含んでもよい。さらに、一実施形態では、抑制剤(例えば、162及び165)は、IBSモリブデン(IBS molybdenum)を含んでもよい。
図2Bに示すように、ステップ270は、残っているフォトレジスト(例えば、フォトレジスト120の露光部分125、ステップ250で露光部分125を取り除いた場合はフォトレジスト120の非露光部分122等)、及び残っているフォトレジストに配設された金属抑制剤の部分(例えば、フォトレジスト部分125に配設された金属抑制剤の部分162、ステップ250で露光部分125を取り除いた場合はフォトレジスト120の非露光部分122に配設された金属抑制剤の部分等)を取り除くステップを含む。このようにして、金属基板(例えば、110)の領域に配設された金属抑制剤(例えば、165)の部分だけが、残存することができ、それにより、残っている抑制剤(例えば、165)をパターン付けし、いかなる金属抑制剤もない金属基板の表面上の領域(例えば、領域175)を生成する。一実施形態では、残っているフォトレジスト(例えば、フォトレジスト120の露光部分125、ステップ250で露光部分125を取り除いた場合はフォトレジスト120の非露光部分122等)は、現像液(例えば、マイクロポジット1165)を用いた少なくとも2つの連続した浴(consecutive bath)を用いて取り除くことができ、ここでそれぞれの浴は、摂氏約80度で約5分間続く。
ステップ280は、金属基板(例えば、110)及び残っている金属抑制剤(例えば、165)を処理するステップを含む。一実施形態では、金属基板(例えば、110)及び残っている金属抑制剤(例えば、165)は、純水で洗浄及びメタノールで清浄され得る。
図2Bに示すように、ステップ290は、金属抑制剤が配設されていない金属基板の領域内(例えば、領域175内)でCNT(例えば、170)を成長させるステップを含む。一実施形態では、CNT(例えば、170)は、多層カーボンナノチューブ(MWNT)であり得る。金属基板(例えば、110)から成長するCNT(例えば、170)の各柱状体又はグルーピングは、物理的に相互に間隔をおいて配置され得る。加えて、CNTの柱状体又はグルーピングは、(例えば、ステップ230に関連して述べるように)フォトレジストの一部を露光するために使用されるマスク(例えば、130)によってパターン付けすることができる。さらに、一実施形態では、CNT(例えば、170)の各グルーピングの密度は、(例えば、金属基板110の領域175内の)金属基板の表面粗さに関連があり得る。
したがって、例示的なプロセス200を使用して、金属基板(例えば、110)を備える電子源(例えば、190)を生産することができる。一実施形態では、電子源(例えば、190)は、金属触媒の蒸着なしで生産することができる。加えて、CNTは、(例えば、別の基板層に配設された金属触媒から成長する代わりに)基板から直接(例えば、ステップ290で)成長することができる。さらに、プロセス200によって生産される電子源(例えば、190)は、液晶ディスプレイ(LCD)のバックライト及び/又は(例えば、光源若しくは電球のような)他の照明アプリケーション用等、アプリケーションの特性に合った照明が必要とされる任意のアプリケーションに用いることができることを理解されたい。プロセス200によって生産される電子源(例えば、190)は、例として、(例えば、本明細書の図7及び図8に関連して述べるように)太陽電池の一部として、(例えば、熱を放散するための金属基板を用いた)ヒートシンクとして等の他のアプリケーションに用いることもできる。
図1は、特定の個数、形状、大きさ等の構成要素(例えば、金属基板110、抑制剤165、及びCNT170)を備える電子源190を示すが、他の実施形態では、異なる個数、形状、大きさ等の構成要素が、用いられてもよいことを理解されたい。例えば、金属基板110は、屋根瓦、屋根板、又は別の表面のような形状をしてもよく、それにより、金属基板110が、ソーラーパネルアプリケーションで用いる(例えば、住居用の)屋根材に適用、又は屋根瓦の一部として製造されることを可能にする。さらに、他の実施形態では、金属基板110は、代わりとなる形状及び/又は大きさをしていてもよい。
図3は、本発明の一実施形態による、パターン付きスタンプを用いるナノインプリンティングを用いた、金属基板を備える電子源の例示的な生産段階の略図300を示す。図4は、本発明の一実施形態による、パターン付きスタンプを用いるナノインプリンティングを用いた、金属基板を備える電子源を製造するための例示的なプロセス400の流れ図を示す。図3の略図300を、図4のプロセス400と関連して説明することにする。
図4に示すように、ステップ410は、金属基板(例えば、110)を準備するステップを含む。一実施形態では、ステップ410は、図2Aのステップ210に類似して行うことができる。
ステップ420は、金属基板(例えば、110)に抑制剤(例えば、320)を塗布するステップを含む。一実施形態では、抑制剤(例えば、320)は、熱硬化性樹脂を含み得る。熱硬化性樹脂は、熱、光、化学反応、乾燥等を用いて硬化可能であり得る。
図4に示すように、ステップ430は、金属基板(例えば、110)及び抑制剤(例えば、320)にパターン付きスタンプ(例えば、330)を施すステップを含む。一実施形態では、パターン付きスタンプ(例えば、330)は、パターンを形成するように配置される複数の特徴(例えば、335)を含み得る。これら特徴は、パターン付きスタンプ(例えば、330)が、抑制剤(例えば、320)及び/又は金属基板(例えば、110)と接触させられると(例えば、抑制剤を転移及び/又は形成することによって)抑制剤をパターン付けすることができ、それにより、パターン付きスタンプ(例えば、330)の特徴(例えば、335)のパターンに対応するパターンに配置され得る抑制剤部分325を形成する。
ステップ430は、スタンプが(例えば、抑制剤320及び/又は金属基板110に押圧される)所定位置にある状態で抑制剤を硬化するステップも含む。この抑制剤は、熱、光、化学反応、乾燥等を用いて硬化可能である。したがって、この抑制剤の特徴(例えば、325)は、ステップ430での抑制剤の硬化後に、所定位置に保持又は固定することができる。
図4に示すように、ステップ440は、抑制剤が配設されていない金属基板の領域内(例えば、領域175内)でCNT(例えば、170)を成長させるステップを含む。一実施形態では、ステップ440は、図2Bのステップ290に類似して行うことができる。
したがって、例示的なプロセス400を使用して、金属基板(例えば、110)を備える電子源(例えば、390)を生産することができる。一実施形態では、電子源(例えば、390)は、金属触媒の蒸着なしで生産することができる。加えて、CNTは、(例えば、別の基板層に配設された金属触媒から成長する代わりに)基板から直接(例えば、ステップ440で)成長させることができる。さらに、プロセス400によって生産される電子源(例えば、390)は、液晶ディスプレイ(LCD)のバックライト及び/又は(例えば、光源若しくは電球のような)他の照明アプリケーション用等の、アプリケーションの特性に合った照明が必要とされる任意のアプリケーションに用いることができることを理解されたい。プロセス400によって生産される電子源(例えば、390)は、例として、(例えば、本明細書の図7及び図8に関連して述べるように)太陽電池の一部として、(例えば、熱を放散するための金属基板を用いた)ヒートシンクとして等の他のアプリケーションに用いることもできる。
図3は、特定の個数、形状、大きさ等の構成要素(例えば、金属基板110、抑制剤325、及びCNT170)を備える電子源390を示すが、他の実施形態では、異なる個数、形状、大きさ等の構成要素が、用いられてもよいことを理解されたい。例えば、金属基板110は、屋根瓦、屋根板、又は別の表面のような形状をしてもよく、それにより、金属基板110が、ソーラーパネルアプリケーションで用いる(例えば、住居用の)屋根材に適用、又は屋根瓦の一部として製造されることを可能にする。さらに、他の実施形態では、金属基板110は、代わりとなる形状及び/又は大きさをしていてもよい。
図5は、本発明の一実施形態による、バブルジェット印刷を用いた、金属基板を備える電子源の例示的な生産段階の略図500を示す。図6は、本発明の一実施形態による、バブルジェット印刷を用いた、金属基板を備える電子源を製造するための例示的なプロセス600の流れ図を示す。図5の略図500を、図6のプロセス600と関連して説明することにする。
図6に示すように、ステップ610は、金属基板(例えば、110)を準備するステップを含む。一実施形態では、ステップ610は、図2Aのステップ210に類似して行うことができる。
ステップ620は、バブルジェット印刷を用いて、金属基板(例えば、110)に抑制剤(例えば、525)を塗布するステップを含む。一実施形態では、抑制剤(例えば、525)は、ポリマーを含み得る。加えて、抑制剤(例えば、525)は、図5に示すようにノズル(例えば、580)によって金属基板(例えば、110)に塗布することができ、(例えば、インクジェットプリンタに似ている)ノズル(例えば、580)は、コンピュータシステムによって指定される位置に抑制剤(例えば、525)を蒸着させることができる。一実施形態では、抑制剤(例えば、525)は、ステップ620においてあるパターンに塗布され得る。
図6に示すように、ステップ630は、金属基板(例えば、110)に塗布した抑止剤(例えば、525)を硬化するステップを含む。一実施形態では、抑制剤(例えば、525)は、熱及び/又は光を加えること、化学反応、乾燥等によって硬化することができる。
ステップ640は、抑制剤が配設されていない金属基板の領域内(例えば、領域175内)でCNT(例えば、170)を成長させるステップを含む。一実施形態では、ステップ640は、図2Bのステップ290に類似して行うことができる。
したがって、例示的なプロセス600を使用して、金属基板(例えば、110)を備える電子源(例えば、590)を生産することができる。一実施形態では、電子源(例えば、590)は、金属触媒の蒸着なしで生産することができる。加えて、CNTは、(例えば、別の基板層に配設された金属触媒から成長する代わりに)基板から直接(例えば、ステップ640で)成長することができる。さらに、プロセス600によって生産される電子源(例えば、590)は、液晶ディスプレイ(LCD)のバックライト及び/又は(例えば、光源若しくは電球のような)他の照明アプリケーション用等の、アプリケーションの特性に合った照明が必要とされる任意のアプリケーションに用いることができることを理解されたい。プロセス600によって生産される電子源(例えば、590)は、例として、(例えば、本明細書の図7及び図8に関連して述べるように)太陽電池の一部として、(例えば、熱を放散するための金属基板を用いた)ヒートシンクとして等の他のアプリケーションに用いることもできる。
図5は、特定の個数、形状、大きさ等の構成要素(例えば、金属基板110、抑制剤525、及びCNT170)を備える電子源590を示すが、他の実施形態では、異なる個数、形状、大きさ等の構成要素が、用いられてもよいことを理解されたい。例えば、金属基板110は、屋根瓦、屋根板、又は別の表面のような形状をしてもよく、それにより、金属基板110が、ソーラーパネルアプリケーションで用いる(例えば、住居用の)屋根材に適用、又は屋根瓦の一部として製造されることを可能にする。さらに、他の実施形態では、金属基板110は、代わりとなる形状及び/又は大きさをしていてもよい。
図7は、本発明の一実施形態による、パターン付きCNTスカルプチャード基板を用いた、太陽電池又はソーラーパネルの例示的な生産段階の略図700を示す。図8は、本発明の一実施形態による、パターン付きCNTスカルプチャード基板を用いて太陽電池又はソーラーパネルを製造するための例示的なプロセス800の流れ図を示す。図7の略図700を、図8のプロセス800と関連して説明することにする。
図8に示すように、ステップ810は、パターン付きCNTスカルプチャード基板を利用可能にするステップを含む。例えば、図7に示すように、パターン付きCNTスカルプチャード基板790が、利用可能にされてもよく、スカルプチャード基板790は、プロセス200によって生産されてもよく(したがって、例えば、図1の電子源190に類似していてもよく)、プロセス400によって生産されてもよく(したがって、例えば、図3の電子源390に類似していてもよく)、プロセス600によって生産されてもよく(したがって、例えば、図5の電子源590に類似していてもよく)、又はそれらのいくつかの組合せによって生産されてもよい。加えて、図1に示すように、CNT170は、金属基板110から成長し、抑制剤710によって物理的に区別することができ、そこでは抑制剤710は、図1の金属抑制剤165、図3の抑制剤325、図5の抑制剤525、又はそれらのいくつかの組合せに類似している。
ステップ820は、パターン付きCNTスカルプチャード基板に吸収体層を配設するステップを含む。例えば、図7に示すように、吸収体層720は、スカルプチャード基板790(例えば、抑制剤710及びCNT170)に配設される。吸収体層(例えば、720)は、スパッタリング、化学蒸着法(CVD)等を用いてパターン付きCNTスカルプチャード基板(例えば、790)に施されてもよい。加えて、一実施形態では、吸収体層720は、薄膜であり得る。
図8に示すように、ステップ830は、吸収体層に受容体層を配設するステップを含む。例えば、図7に示すように、受容体層730は、吸収体層720に配設される。受容体層(例えば、730)は、スパッタリング、化学蒸着法(CVD)等を用いて、吸収体層(例えば、720)に施されてもよい。加えて、一実施形態では、受容体層730は、薄膜であり得る。
したがって、プロセス800を使用して金属基板(例えば、110)を備えるパターン付きCNTスカルプチャード基板(例えば、790)を用いて太陽電池(例えば、795)を生産することができる。太陽光に露光されると、太陽電池(例えば、795)を使用して、金属基板(例えば、110)と受容体層(例えば、730)の間に電位を発生させることができる。
一実施形態では、金属基板(例えば、110)は、アノードとして機能することができ、一方、受容体層(例えば、730)は、カソードとして機能することができ、この金属基板(例えば、110)は、太陽光に露光されると、受容体層(例えば、730)に電子を解放することができる。このようにして、パターン付きCNTスカルプチャード基板(例えば、790)は、電子供与体として機能することができる。
代替として、一実施形態では、金属基板(例えば、110)は、カソードとして機能することができ、一方、受容体層(例えば、730)は、アノードとして機能することができ、この受容体層(例えば、730)は、太陽光に露光されると、金属基板(例えば、110)に電子を解放することができる。このようにして、パターン付きCNTスカルプチャード基板(例えば、790)は、電子受容体として機能することができる。
図7は、特定の個数、形状、大きさ等の構成要素(例えば、金属基板110、抑制剤710、CNT170、吸収体層720、及び受容体層730)を備える太陽電池795を示すが、他の実施形態では、異なる個数、形状、大きさ等の構成要素が用いられてもよいことを理解されたい。例えば、太陽電池795は、屋根瓦、屋根板、又は別の表面のような形状をしてもよく、それにより、太陽電池795が、(例えば、住居用の)屋根瓦に適用、又は(例えば、住居で使用するためや、他の場所で取り込んで使用するためなどにソーラーエネルギーを発生させるための)屋根材の一部として製造されることを可能にする。さらに、他の実施形態では、太陽電池795は、代わりとなる形状及び/又は大きさをしていてもよい。
前述の明細書では、本発明の実施形態を実施ごとに異なり得る多数の具体的詳細を参照して説明してきた。このように、本発明であるもの、及び出願人によって本発明であるとされるものを独占排他的に示すものは、特有の形式の(その後の任意の補正を含む)本出願から得られる一連の請求項であり、そうした請求項は、かかる形式で得られる。したがって、請求項に明示的に挙げられていない限定、要素、特性、特徴、利点、又は属性は、そのような請求項の範囲を何ら限定すべきではない。それゆえ、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考えられるべきである。
Claims (23)
- 電子源を製造する方法であって、
金属基板を利用可能にするステップと、
前記金属基板の第1の複数の領域に抑制剤を塗布するステップであり、前記抑制剤が、前記金属基板の前記第1の複数の領域内のカーボンナノチューブの成長を抑制するように作用するものである、ステップと、
前記第1の複数の領域と区別された第2の複数の領域内で前記金属基板上にカーボンナノチューブを成長させるステップと
を含む方法。 - 前記金属基板が、カーボンナノチューブを成長させるように作用する金属、及びカーボンナノチューブを成長させるように作用する金属合金からなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記抑制剤が、カーボンナノチューブの成長を抑制するように作用する非金属、ポリマー及び金属からなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
- 抑制剤を塗布する前記ステップが、
前記金属基板にフォトレジストを塗布するサブステップと、
フォトリソグラフィプロセスを使用して、前記フォトレジストの一部を紫外線に露光するサブステップであり、前記フォトレジストの前記一部が前記第2の複数の領域に配設される、サブステップと、
前記金属基板の前記第1の複数の領域に配設された前記フォトレジストの非露光部分を取り除くサブステップと、
前記金属基板及び前記フォトレジストの前記一部に前記抑制剤を塗布するサブステップと、
前記フォトレジストの前記一部を取り除き、前記金属基板の前記第1の複数の領域に配設された前記抑制剤を残すサブステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 前記抑制剤がポリマーを含み、
抑制剤を塗布する前記ステップが、
前記金属基板にポリマーを塗布するサブステップと、
パターン付きスタンプを使用して前記ポリマーをパターン付けするサブステップであり、前記パターン付きスタンプが前記第1の複数の領域に対応する特徴を含む、サブステップと、
前記パターン付きスタンプが所定位置にある状態で前記ポリマーを硬化するサブステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 抑制剤を塗布する前記ステップが、バブルジェット印刷プロセスを使用して前記抑制剤を塗布するサブステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記抑制剤及び前記カーボンナノチューブに吸収体層を配設するステップと、
前記吸収体層に受容体層を配設するステップであり、前記受容体層での露光量に応じて前記金属基板に対して電位を発生させる前記受容体層を配設する、ステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 吸収体層を配設する前記ステップ及び受容体層を配設する前記ステップが、スパッタリング及び化学蒸着法から選択されるプロセスを使用して行われる、請求項7に記載の方法。
- 前記金属基板を研磨して、約5ナノメートル未満のRMS表面粗さを発生させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 金属基板と、
前記金属基板の第1の複数の領域に配設される抑制剤と、
前記第1の複数の領域と区別された第2の複数の領域内で前記金属基板に配設されるカーボンナノチューブと
を備える電子源。 - 前記金属基板が、カーボンナノチューブを成長させるように作用する金属、及びカーボンナノチューブを成長させるように作用する金属合金からなる群から選択される材料を含む、請求項10に記載の電子源。
- 前記抑制剤が、カーボンナノチューブの成長を抑制するように作用する非金属、ポリマー及び金属からなる群から選択される材料を含む、請求項10に記載の電子源。
- 前記抑制剤が、ポリマーを含む、請求項10に記載の電子源。
- 前記金属基板が、約5ナノメートル未満のRMS表面粗さを有するニッケルクロムを含む、請求項10に記載の電子源。
- 前記カーボンナノチューブが、カーボンナノチューブの複数のグルーピングを含み、カーボンナノチューブの前記複数のグルーピングのそれぞれが、物理的に相互に区別されている、請求項10に記載の電子源。
- 前記カーボンナノチューブが、光を発生させるために電子を放出するように作用する、請求項10に記載の電子源。
- 金属基板と、
前記金属基板の第1の複数の領域に配設される抑制剤と、
前記第1の複数の領域と区別された第2の複数の領域内で前記金属基板に配設されるカーボンナノチューブと、
前記抑制剤及び前記カーボンナノチューブに配設される吸収体層と、
前記吸収体層に配設される受容体層であり、受容体層での露光量に応じて前記金属基板に対して電位を発生させる受容体層と
を備える、太陽電池。 - 前記金属基板及び前記カーボンナノチューブが、電子を放出する電子供与体を形成する、請求項17に記載の太陽電池。
- 前記金属基板及び前記カーボンナノチューブが、電子を受け取る電子受容体を形成する、請求項17に記載の太陽電池。
- 前記金属基板が、カーボンナノチューブを成長させるように作用する金属、及びカーボンナノチューブを成長させるように作用する金属合金からなる群から選択される材料を含む、請求項17に記載の太陽電池。
- 前記抑制剤が、カーボンナノチューブの成長を抑制するように作用する非金属、ポリマー及び金属からなる群から選択される材料を含む、請求項17に記載の太陽電池。
- 前記金属基板が、約5ナノメートル未満のRMS表面粗さを有するニッケルクロムを含む、請求項17に記載の太陽電池。
- 前記カーボンナノチューブが、カーボンナノチューブの複数のグルーピングを含み、カーボンナノチューブの前記複数のグルーピングのそれぞれが、物理的に相互に区別されている、請求項17に記載の太陽電池。
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