当業者であれば明らかであろうが、本発明は、方法、システム、コンピュータプログラムプロダクト、または上記の組合せとして実施することが可能である。したがって、本発明は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または、ここでは一般に「システム」ということがある、ソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態をとることができる。さらに、本発明は、コンピュータ使用可能格納媒体におけるコンピュータプログラムプロダクトの形態をとり、媒体においてコンピュータ使用可能プログラムコードを実施させることも可能である。
適切であれば、どのようなコンピュータ使用可能媒体やコンピュータ読出可能媒体を使用してもよい。コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ読出可能媒体としては、例えば、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、半導体のシステム、装置、デバイス、プログラム媒体が挙げられるが、上記に限られない。より具体的なコンピュータ読出可能媒体の例(非排他的リスト)としては、以下が含まれよう。すなわち、1または2以上の配線を有する電子接続;ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読出専用メモリ(ROM:read−only memory)、消去可能プログラム可能読出専用メモリ(EPROM:erasable programmable read−only memoryまたはフラッシュメモリ)、コンパクトディスク読出専用メモリ(CD−ROM)など、またはその他の有形光格納デバイスや有形磁気格納デバイスなどの有形媒体;インターネットやイントラネットをサポートするもののような送信媒体。コンピュータ使用可能媒体やコンピュータ読出可能媒体は、プログラムを印刷する紙やその他の適切な媒体とすることさえ可能であり、プログラムは、例えば紙やその他の媒体の光学スキャンによって電子的にキャプチャし、コンパイルし、解読し、あるいは適切に処理することができる。また、必要であればコンピュータ記憶部に記憶することができる。
この書類では、コンピュータ使用可能媒体やコンピュータ読出可能媒体は、命令実行システム、プラットフォーム、装置、デバイスが使用したり、関連して使用したりするプログラムを含むこと、記憶すること、通信すること、伝達すること、または伝送することが可能であれば、いかなる媒体であってもよい。コンピュータ使用可能媒体は、伝達データ信号を、それで実施されたコンピュータ使用可能プログラムコードとともに、ベースバンドに、または搬送波の一部として含むことができる。コンピュータ使用可能プログラムコードは、インターネット、配線、光ファイバケーブル、無線周波(RF:radio frequency)などやその他の手段を用いて送信することが可能であるが、上記に限られず、適切であれば、いかなる媒体を用いて送信することも可能である。
本発明の動作を実行するコンピュータプログラムコードは、Java、Perl、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向のプログラミング言語、スクリプトのプログラミング言語、非スクリプトのプログラミング言語で書かれたものとすることができる。しかしながら、本発明の動作を実行するコンピュータプログラムコードは、「C」プログラミング言語や同様のプログラミング言語のような従来の手続き型プログラミング言語で書かれたものとすることも可能である。
以下、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、コンピュータプログラムプロダクトについてのフローチャート、説明図、ブロック図を参照しながら、本発明を説明する。フローチャート、説明図、ブロック図の各ブロック、およびフローチャート、説明図、ブロック図のブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実施可能であることが理解されよう。汎用コンピュータ、専用コンピュータ、あるいはその他のプログラム可能データ処理装置の処理部に、かかるコンピュータプログラム命令を与え、機械を製造することで、コンピュータや他のプログラム可能データ処理装置の処理部が実行する命令が、フローチャートやブロック図のブロックに特定される機能/行動を実施する手段を創造することができる。
かかるコンピュータプログラム命令は、コンピュータや他のプログラム可能データ処理装置を機能させることができるコンピュータ読出可能メモリに記憶することで、コンピュータ読出可能メモリに記憶された命令は、フローチャートやブロック図のブロックに特定される機能/行動を実施する命令手段を備えた製品を製造することも可能である。
コンピュータプログラム命令は、コンピュータや他のプログラム可能データ処理装置にロードし、コンピュータや他のプログラム可能装置で一連の動作を実行させ、コンピュータ実施処理を製造することで、コンピュータや他のプログラム可能装置が実行する命令は、フローチャートやブロック図のブロックに特定される機能/行動を実施するステップを提供することも可能である。あるいは、コンピュータプログラム実施ステップまたは行動は、本発明の実施形態を実行するために、オペレータまたは人間実施ステップまたは行動と組み合わせることも可能である。
本発明による実施形態は、例えば、第1信号を直接受信し、1または2以上の他の装置から1または2以上の第2信号を受信することが可能で、第1信号と1または2以上の第2信号との同期処理を行い、帯域幅と、受信した第1信号の処理ゲインとを増大させる携帯電話、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、無線モデム付ラップトップ型コンピュータなどの移動装置を含んだものである。移動装置は、第1信号と1または2以上の第2信号とを用いて、同期した受信ダイバーシティ処理を行うことで、帯域幅を増大させることができる。また、移動装置は、第1信号と1または2以上の第2信号とを用いて、同期した多入力多出力(MIMO)処理を行うことで、帯域幅を増大させることができる。本発明の実施形態によれば、移動装置は、第1信号と1または2以上の第2信号とを用いた同期受信ダイバーシティ処理、および第1信号と1または2以上の第2信号とを用いた同期多入力多出力(MIMO)処理の両方を行い、受信した第1信号の帯域幅/処理ゲインを増大させることも可能である。1または2以上の第2装置についても、例えば携帯電話やPDAなどの移動装置とすることができる。
本発明による実施形態は、それぞれ単一の受信アンテナを有する2または3以上の移動装置を含んだものとすることが可能であり、2または3以上の移動装置は、2または3以上の移動装置の間の受信ダイバーシティ同期処理やMIMO同期処理のため、高帯域幅低遅延インタフェースによって情報を伝送するものとすることができる。高帯域幅低遅延インタフェースについては、低エネルギーで短距離のインタフェースとすることも可能である。高帯域幅低遅延インタフェースは、例えば、超広帯域(UWB:ultra wide band)インタフェース、マイクロ波インタフェース、WiMAX(world−wide interoperability for microwave access:マイクロ波アクセス用世界的相互運用性、ワイマックス)インタフェース、無線USB(universal serial bus:ユニバーサルシリアルバス)インタフェースなど、いかなる種類の無線高帯域幅インタフェースとすることも可能である。本発明の実施形態によれば、受信情報のソフトビットを移動装置間で共有して、高いデータレートの処理ゲインを与えることができる。同様に、高帯域幅低遅延インタフェースによって他の移動装置へデータを送信することで追加のアップリンクチャネルを提供することも可能である。複数のデータチャネルを用いた増分冗長技術によって、ハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)を得ることも可能である。
アンテナは、情報を送信することにも、受信することにも使用することができる。「受信アンテナ」、「送信アンテナ」という言葉を用いた場合は、本発明の実施形態の説明のため、単に信号の送信方向を示すためだけに用いている。このような言葉は、アンテナを送信専用アンテナまたは受信専用アンテナのどちらかに限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態例による受信ダイバーシティ処理のためのシステムの図を示している。システム100は、第1移動装置101と第2移動装置102とを含んだものとする。第1移動装置101は、移動装置101の受信アンテナ104を介して、受信部107で信号103を受信することができる。受信部108からの復調データ(ソフトビット)は処理部106に渡るものとすることができる。また、移動装置101は、第2移動装置102からのデータ(ソフトビット)を受信する高帯域幅低遅延インタフェース105を備えたものとすることもできる。このデータもまた処理部106に渡るものとし、そして処理部106に相互接続した記憶部109に渡るものとすることができる。記憶部109は、第2移動装置102との同期受信ダイバーシティ処理を可能とする同期アプリケーション110を含んだものとすることができる。処理部106は、受信ダイバーシティ処理107を行うハードウェアやソフトウェアを備えたものとすることができる。第1移動装置101は、例えばコンピュータ(例えばラップトップ型コンピュータ)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、音声データ受信機、映像データ受信機、衛星データ受信機、電子ゲームなど、いかなるタイプの移動装置とすることもできる。
同様に、第2移動装置102は、移動装置102のアンテナ111を介して、受信部115で第2信号118を受信することができる。また、第2移動装置102は、受信部115からの復調データを、処理部113を介して第1移動装置101へ送信する高帯域幅低遅延インタフェース115を備えたものとすることもできる。第2記憶部116は、第1移動装置101との同期受信ダイバーシティ処理を可能とする第2同期アプリケーション117を含んだものとすることができる。第2処理部113は、受信ダイバーシティ処理114を行うハードウェアやソフトウェアを備えたものとすることができる。第2移動装置102は、例えばコンピュータ(例えばラップトップ型コンピュータ)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、音声データ受信機、映像データ受信機、衛星データ受信機、電子ゲームなど、いかなるタイプの移動装置とすることもできる。
第1移動装置101は、第2移動装置102から第1移動装置101へ送信された第1信号103と第2信号118との受信ダイバーシティ処理を行うことができる。第1移動装置101は第2信号118を受信し、第2信号が第1信号103と同一の情報を含んだ元の信号の派生物であって受信ダイバーシティ処理を行うことができるかどうかを判定するものとすることができる。第2信号118のデータ(ソフトビット)は、第2移動装置102の第2高帯域幅低遅延インタフェース112から、第1移動装置101の第1高帯域幅低遅延インタフェース105へ送信されるものとすることができる。第2信号118は、有線送信で送信することもできれば、無線送信で送信することもできる。第1同期アプリケーション110は、第1移動装置101の第1処理部106によって実行され、第2移動装置102の第2同期アプリケーション117と通信し、第2移動装置102との第1移動装置101の同期受信ダイバーシティ処理を可能とすることができる。ここで、第1移動装置101は、第1信号103に関する同期情報や、受信ダイバーシティ処理で使用可能な第2信号118を通信することができる。また、状況を逆にして、第2移動装置102が第1移動装置101から第1信号103のデータ(ソフトビット)を受信し、第1信号103と第2信号118とを用いて受信ダイバーシティ処理を行うものとすることも可能である。
第1移動装置101と第2移動装置102との間で、高帯域幅低遅延インタフェース105、112を介して、またはこれらの装置間の他の無線インタフェースを介して、同期情報を通信するものとすることができる。同期情報は、低帯域幅型チャネルによって通信するものとすることができる。例えば、同期情報は、赤外線、Bluetooth、あるいはその他のタイプのチャネルによって通信することができる。同期情報は、第1移動装置101と第2移動装置102との間の同期受信ダイバーシティ処理を可能とするものである。例えば、第1移動装置101がモデム(図示せず)を介して第1信号103を受信するラップトップ型コンピュータであるとすると、第1移動装置101は、受信した第1信号103の帯域幅を増大させたいがため、第2移動装置102から第2信号118を受信し、帯域幅の増大を可能とすることができる。
したがって、本発明の実施形態によれば、2つの移動装置を使用して、互いに受信ダイバーシティ処理を行うことができる。各移動装置は、単一の受信アンテナのみを備え、信号の受信ダイバーシティ処理を実行することが可能なものとすることができる。携帯電話などの第2移動装置と同期して受信ダイバーシティ処理を行うことにより、受信したデータの帯域幅を増大させたり、受信信号の品質を改善したりすることができる。
図2は、本発明の一実施形態例によるMIMO処理のためのシステムの図を示している。システム200は、第1移動装置201と第2移動装置202とを含んだものとする。第1移動装置201は、移動装置201の受信アンテナ204を介して、受信部207で信号203を受信することができる。受信部207からの復調データ(ソフトビット)は処理部206に渡るものとすることができる。また、第1移動装置201は、第2移動装置202からのデータ(ソフトビット)を受信する高帯域幅低遅延インタフェース205を備えたものとすることもできる。このデータもまた処理部206に渡るものとし、そして処理部206に相互接続した記憶部209に渡るものとすることができる。記憶部209は、第2移動装置202との同期MIMO処理を可能とする同期アプリケーション210を含んだものとすることができる。処理部206は、MIMO処理208を行うハードウェアやソフトウェアを備えたものとすることができる。第1移動装置201は、例えばコンピュータ(例えばラップトップ型コンピュータ)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、音声データ受信機、映像データ受信機、衛星データ受信機、電子ゲームなど、いかなるタイプの移動装置とすることもできる。
同様に、第2移動装置202は、移動装置202のアンテナ211を介して、受信部214で第2信号218を受信することができる。また、第2移動装置202は、受信部214からの復調データを、処理部213を介して第1移動装置201へ送信する高帯域幅低遅延インタフェース212を備えたものとすることもできる。第2記憶部216は、第1移動装置201との同期MIMO処理を可能とする第2同期アプリケーション217を含んだものとすることができる。第2処理部213は、MIMO処理215を行うハードウェアやソフトウェアを備えたものとすることができる。第2移動装置202は、例えばコンピュータ(例えばラップトップ型コンピュータ)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、音声データ受信機、映像データ受信機、衛星データ受信機、電子ゲームなど、いかなるタイプの移動装置とすることもできる。
第1移動装置201は、第2移動装置202から第1移動装置201へ送信された第1信号203と第2信号218とのMIMO処理を行うことができる。第1移動装置201は第2信号218を受信し、第2信号が第1信号203と異なる情報を含んだ信号であってMIMO処理を行うことができるかどうかを判定するものとすることができる。第2信号218は、第2移動装置202の第2高帯域幅低遅延インタフェース212から、第1移動装置201の第1高帯域幅低遅延インタフェース205へ送信されるものとすることができる。第2信号218は、有線送信で送信することもできれば、無線送信で送信することもできる。同期アプリケーション210は、第1移動装置201の第1処理部206によって実行され、第2移動装置202の同期アプリケーション217と通信し、第2移動装置202との第1移動装置201の同期MIMO処理を可能とすることができる。ここで、第1移動装置201は、第1信号203に関する同期情報や、MIMO処理で使用可能な第2信号218を通信することができる。また、状況を逆にして、第2移動装置202が第1移動装置201から第1信号203を受信し、第1信号203と第2信号218とを用いてMIMO処理を行うものとすることも可能である。
第1移動装置201と第2移動装置202との間で、高帯域幅低遅延インタフェース205、212を介して、またはこれらの装置間の他の無線インタフェースを介して、同期情報を通信するものとすることができる。同期情報は、低帯域幅型チャネルによって通信するものとすることができる。例えば、同期情報は、赤外線、Bluetooth、あるいはその他のタイプのチャネルによって通信することができる。同期情報は、第1移動装置201と第2移動装置202との間のMIMO処理を可能とするものである。例えば、第1移動装置201がモデム(図示せず)を介して第1信号203を受信するラップトップ型コンピュータであるとすると、第1移動装置201は、受信した第1信号203の帯域幅を増大させたいがため、第2移動装置202から第2信号218を受信し、帯域幅の増大を可能とすることができる。
したがって、本発明の実施形態によれば、2つの移動装置を使用して、互いにMIMO処理を行うことができる。各移動装置は、単一の受信アンテナのみを備え、信号のMIMO処理を実行することが可能なものとすることができる。携帯電話などの第2移動装置と同期してMIMO処理を行うことにより、受信したデータの帯域幅を増大させたり、受信信号の品質を改善したりすることができる。
図3は、本発明の一実施形態例による、複数の移動装置を用いた受信ダイバーシティ処理のためのシステムの図を示している。システム300は、第1信号305を受信する第1移動装置301と、第2信号306を受信する第2移動装置302と、第3信号307を受信する第3移動装置303と、第4信号308を受信する移動装置304とを含んだものとする。このシステムでは4つの移動装置を示しているが、本発明の実施形態はこの数に限定されるものではなく、移動装置はいくつ含んでもよい。説明のため、受信ダイバーシティ処理を行う移動装置は「マスタ」といい、受信ダイバーシティ処理で使用するマスタ移動装置へ信号を送信する移動装置は「スレーブ」ということにする。しかしながら、移動装置は全て、マスタとすることもスレーブとすることも可能なものである。この実施形態例では、第1移動装置301がマスタ装置であり、受信ダイバーシティ処理を行う。
第1移動装置301は他の移動装置302、303、304からの信号を受信することが可能であり、各信号は受信されると、第1信号305とともに受信ダイバーシティ処理を行うために使用される。マスタ第1移動装置301は、各信号を受信し、信号が第1信号305と同一の情報を含んだ元の信号の派生物であって受信ダイバーシティ処理を行うことができるかどうかを判定する。例えば、各スレーブ移動装置、すなわち第2移動装置302、第3移動装置303、第4移動装置304が信号を受信するものとし、それぞれ第2信号306、第3信号307、第4信号308を受信するものとする。各信号は、第1信号305の同一の情報を含んだ元の信号の派生物(ただし遅延していることがある)であるとする。第2移動装置302は、第1信号305の派生物である第2信号306を受信するものとすることができる。同様に、第3移動装置303、第4移動装置304も、受信ダイバーシティ処理のため、第1移動装置301に対して信号を受信、転送するものとすることが可能であり、それぞれ第3信号307、第4信号308を受信、転送する。スレーブ移動装置が多ければ多いほど、帯域幅や処理ゲインをさらに増大させることができる。
図4は、本発明の一実施形態例による、複数の移動装置を用いたMIMO処理のためのシステムの図を示している。システム400は、第1信号405を受信する第1移動装置401と、第2信号406を受信する第2移動装置402と、第3信号407を受信する第3移動装置403と、第4信号408を受信する移動装置404とを含んだものとする。このシステムでは4つの移動装置を示しているが、本発明の実施形態はこの数に限定されるものではなく、移動装置はいくつ含んでもよい。説明のため、MIMO処理を行う移動装置は「マスタ」といい、MIMO処理で使用するマスタ移動装置へ信号を送信する移動装置は「スレーブ」ということにする。しかしながら、移動装置は全て、マスタとすることもスレーブとすることも可能なものである。この実施形態例では、第1移動装置401がマスタ装置であり、MIMO処理を行う。
第1移動装置401は他の移動装置402、403、404からの信号を受信することが可能であり、各信号は受信されると、第1信号405とともにMIMO処理を行うために使用される。マスタ第1移動装置401は、各信号を受信し、信号が第1信号405と同一の情報を含んだ元の信号の派生物であってMIMO処理を行うことができるかどうかを判定する。例えば、各スレーブ移動装置、すなわち第2移動装置402、第3移動装置403、第4移動装置404が信号を受信するものとし、それぞれ第2信号406、第3信号407、第4信号408を受信するものとする。第2信号406、第3信号407、第4信号408は、それぞれ第1信号405と全く異なる情報を含んだ信号であるとする。したがって、第2移動装置402は、全く異なる第2信号406を受信し、この第2信号406を第1移動装置401へ転送するものとすることができる。同様に、第3移動装置403、第4移動装置404も、MIMO処理のため、第1移動装置401に対して信号を受信、転送するものとすることが可能であり、それぞれ第3信号407、第4信号408を受信、転送する。スレーブ移動装置が多ければ多いほど、帯域幅や処理ゲインをさらに増大させることができる。
図5は、本発明の別の実施形態例による受信ダイバーシティのためのシステムの図を示している。システム500は、第1移動装置501と第2移動装置502とを含んだものとする。第1移動装置501は第1信号503を受信するものとし、第2移動装置502は第2信号504と第3信号505とを受信するものとする。この実施形態例では、第1移動装置501がマスタ装置であり、第1信号503と、第2移動装置502から受信した第2信号504とを用いて、受信ダイバーシティ処理を行うものとする。第2移動装置502は、第3信号505を受信し、処理するのと同時に、第1移動装置501での同期受信ダイバーシティ処理をサポートすることができる。例えば、第2移動装置502が携帯電話であるとすると、第3信号505は、別の装置との電話などの電気通信信号であろう。図示はしていないが、第1移動装置501は、受信ダイバーシティ処理を実行中に同時処理可能な別の信号を受信することも可能である。
図6は、本発明の別の実施形態例によるMIMO処理のためのシステムの図を示している。システム600は、第1移動装置601と第2移動装置602とを含んだものとする。第1移動装置601は第1信号603を受信するものとし、第2移動装置602は第2信号604と第3信号605とを受信するものとする。この実施形態例では、第1移動装置601がマスタ装置であり、第1信号603と、第2移動装置602から受信した第2信号604とを用いて、MIMO処理を行うものとする。第2移動装置602は、第3信号605を受信し、処理するのと同時に、第1移動装置601での同期受信ダイバーシティ処理をサポートすることができる。例えば、第2移動装置602が携帯電話であるとすると、第3信号605は、別の装置との電話などの電気通信信号であろう。図示はしていないが、第1移動装置601は、受信ダイバーシティ処理を実行中に同時処理可能な別の信号を受信することも可能である。
図7は、本発明の一実施形態例による受信ダイバーシティ処理のための処理のフローチャートを示している。処理700では、ブロック701において、第1信号を第1移動装置で受信することができる。ブロック702において、第2信号を第2移動装置で受信することができる。ブロック703において、第2信号を第2移動装置から第1移動装置へ伝送することができる。ブロック704において、第2信号が第1信号の派生物であるかどうかを判定することが可能であり、派生物でない場合、処理は終了する。第2信号が第1信号の派生物である場合、ブロック705において、第1移動装置で第1信号と第2信号とを用いて受信ダイバーシティ処理を行うことができる。
図8は、本発明の一実施形態例によるMIMO処理のための処理のフローチャートを示している。処理800では、ブロック801において、第1信号を第1移動装置で受信することができる。ブロック802において、第2信号を第2移動装置で受信することができる。ブロック803において、第2信号を第2移動装置から第1移動装置へ伝送することができる。ブロック804において、第1信号に含まれるものとは異なる情報を第2信号が含んでいるかどうかを判定することが可能であり、含んでいない場合、処理は終了する。第1信号に含まれるものとは異なる情報を第2信号が含んでいる場合、ブロック805において、第1移動装置で第1信号と第2信号とを用いて受信ダイバーシティ処理を行うことができる。
図9は、本発明の別の実施形態例による、帯域幅を増大させる処理のフローチャートを示している。処理900では、ブロック901において、第1移動装置で第1信号を受信することができる。ブロック902において、帯域幅の増大が所望されるどうかを判定することが可能であり、所望されない場合、処理はブロック901へ戻る。帯域幅の増大が所望される場合、ブロック903において、第1移動装置が、第1移動装置の近くのサポート可能な装置からのサポートを要求することができる。ブロック904において、第1移動装置は、サポートの提供を申し出た少なくとも1つの移動装置から1または2以上の確認応答を受信することができる。ブロック905において、第1移動装置は、少なくとも1つの第2移動装置の各々へ同期情報を送信することができる。ブロック906において、少なくとも1つの第2装置からの少なくとも1つの第2信号を、少なくとも1つの第2移動装置の各々から第1移動装置へ伝送することができる。ブロック907において、少なくとも1つの第2移動装置と同期した第1移動装置によって、受信ダイバーシティ処理やMIMO処理を行うことができる。
図10は、本発明の別の実施形態例による同時増大帯域幅サポートおよび信号処理のための処理のフローチャートである。処理1000では、ブロック1001において第1移動装置で第1信号を受信し、ブロック1002において第2移動装置で第2信号を受信し、ブロック1003において第3移動装置で第3信号を受信することができる。ブロック1004において、第2移動装置が第1移動装置をサポートしているかどうかを判定することが可能であり、サポートしていない場合、ブロック1005において第2移動装置が第3信号を処理することができる。第2移動装置が第1移動装置をサポートしている場合、ブロック1006において、第2移動装置から第1移動装置へ第2信号を伝送することができる。そしてブロック1007において、第1移動装置で第1信号と第2信号とを用いて受信ダイバーシティ処理やMIMO処理を行うことができる。同時に、ブロック1008において、第1移動装置での受信ダイバーシティ処理やMIMO処理の同期サポートと同時に第2移動装置で第3信号を処理することができる。
図面におけるフローチャート、ブロック図は、本発明のさまざまな実施形態による、システムのあり得る実施形態のアーキテクチャ、機能、動作、方法、コンピュータプログラムプロダクトを示したものである。ここで、フローチャートやブロック図の各ブロックは、特定の論理機能を実施する1または2以上の実行可能命令を含む符号のモジュール、セグメント、部分を表している場合がある。実施形態の変更例によっては、図面に記載した順番どおりとはならない場合もある、ということにも留意すべきである。例えば、連続するように図示された2つのブロックは、実際には関連する機能に応じて、実質的に同時に実行したり、時には逆の順番で実行したりすることもできる。ブロック図のフローチャート説明図の各ブロック、ブロック図のフローチャート説明図のブロックの組合せは、特定の機能や行動を行う専用ハードウェアベースのシステムや、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せで実施することが可能である、ということにも留意すべきである。
ここで使用した用語については、特定の実施形態を説明することも目的としており、本発明を限定しようとしたものではない。単数形「a」、「an」、「the」をここで用いた場合は、文脈上に明確な指示がない限り、複数形も含むものとしたい。さらに、「comprises」や「comprising」という言葉を本明細書で用いた場合は、言明した特徴、整数、ステップ、動作、構成、構成要素の存在を特定するものであるが、1または2以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、構成、構成要素、あるいはその組合せの存在や追加を排除するものではないと理解されよう。
ここでは特定の実施形態の図示および説明を行ったが、当業者であれば、示した特定の実施形態を、同一目的の達成を図る変更で置き換え可能であること、そして他の環境では本発明に他の応用があることを了解されよう。本出願は、本発明のいかなる適用や変更も含んだものとしたい。添付の特許請求の範囲については、決して、ここで説明した特定の実施形態に本発明の範囲を限定しようという意図はない。