JP2011511422A - 溶液処理された電子デバイスを作製するための構造 - Google Patents

溶液処理された電子デバイスを作製するための構造 Download PDF

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Abstract

ほぼ平坦な基板、または平坦化基板が形成されるように、平坦でない表面を有するTFT基板の上に平坦化層が堆積されている有機電子デバイスを形成するための方法が提供される。第1の厚さを有するとともにテーパ角が75°以下のテーパ状の縁部を有する複数の薄い第1の電極構造体が、平坦化基板上に形成される。複数の活性層が、平坦化基板上に形成される。次に、バッファ層が、第1の液体媒体中にバッファ材料を含む組成物の液相堆積によって形成される。バッファ層は、第1の厚さより少なくとも20%厚い第2の厚さを有する。次に、ピクセル開口を画定する化学薬品収容パターンが、バッファ層上に形成される。第2の液体媒体中に第1の活性材料を含む組成物が、ピクセル開口の少なくとも一部内に堆積される。次に、第2の電極が形成される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づいて、2008年2月1日に出願された米国仮特許出願第60/025,341号の優先権を主張するものであり、この仮特許出願は、全体が参照により援用される。
本開示は、一般に、電子デバイスおよびその形成方法に関する。より詳細には、本開示は、バックプレーン構造体、およびバックプレーン構造体を用いて溶液処理によって形成されるデバイスに関する。
有機電子デバイスを含む電子デバイスは、日常生活の中でますます広く用いられるようになってきている。有機電子デバイスの例としては、有機発光ダイオード(「OLED」)が挙げられる。OLEDに用いられる層を形成するのに様々な堆積技術を用いることができる。液相堆積(liquid deposition)技術としては、インクジェット印刷および連続ノズル印刷などの印刷技術が挙げられる。
デバイスがより複雑になり、その解像度が上がるにつれて、薄膜トランジスタ(「TFT」)を用いたアクティブマトリックス回路を使用する必要性が高まる。しかしながら、ほとんどのTFT基板の表面は平坦ではない。これらの平坦でない表面への液相堆積により、不均一なフィルムが形成され得る。コーティング配合物用の溶媒を選択することによって、および/または乾燥条件を制御することによって、不均一性は軽減され得る。しかしながら、フィルムの均一性を向上させ得るTFT基板構造が依然として必要とされている。
一実施形態において、有機電子デバイスを形成するための方法が提供され、本方法は:
TFT基板を提供する工程と;
基板上に平坦化層を形成して平坦化基板を形成する工程と;
平坦化基板上に、テーパ角が75°以下のテーパ状の縁部を有するとともに第1の厚さを有する複数の薄い第1の電極構造体を形成する工程と;
平坦化基板上に、複数の活性材料層を形成する工程と;
第1の液体媒体中にバッファ材料を含む組成物の液相堆積によってバッファ層を形成する工程であって、バッファ層が、第1の厚さより少なくとも20%厚い第2の厚さを有する工程と;
バッファ層上に、ピクセル開口を画定する化学薬品収容パターンを形成する工程と;
第2の液体媒体中に第1の活性材料を含む組成物を、ピクセル開口の少なくとも一部内に堆積させる工程と;
第2の電極を形成する工程と
を含む。
ある実施形態において、本方法は、過剰な平坦化材料を取り除く工程も含む。
平坦化層は、無機または有機平坦化材料で形成されていてもよい。
順に:
TFT基板と;
平坦化層と;
複数の活性材料層と;
テーパ角が75°以下のテーパ状の縁部を有するとともに第1の厚さを有する複数の薄い第1の電極構造体と;
第1の厚さより少なくとも20%厚い第2の厚さを有するバッファ層と;
ピクセル開口を画定する化学薬品収容パターンと;
ピクセル開口の少なくとも一部における活性層と;
第2の電極と
を含む有機電子デバイスも提供される。
以上の概要および以下の詳細な説明は、単に例示的および説明的なものであり、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明を限定するものではない。
本明細書において提示される概念を理解しやすいようにするために、添付の図面において実施形態を説明する。
非極性基板への有機平坦化膜の堆積の概略図を含む。 平坦化基板上への、無機平坦化膜および半導体活性材料層の堆積後の平坦化基板の概略図を含む。 本明細書に記載の、無機平坦化膜を備えた電子デバイス用バックプレーンの概略図を例示として含む。 本明細書に記載の電極の概略図を例示として含む。 本明細書に記載の電子デバイス用バックプレーンの概略図を例示として含む。 本明細書に記載の電極およびバッファ層の概略図を例示として含む。 接触角を示す概略図を含む。
図面中の物体は、平易かつ明快にするために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことを当業者は理解するであろう。たとえば、実施形態を理解しやすいようにするために、図面中の一部の物体の寸法が他の物体よりも拡大されている場合がある。
本明細書において多くの態様および実施形態を上述したが、これらはあくまで例示であり限定されるものではない。当業者は、本明細書を読めば、他の態様および実施形態が本発明の範囲から逸脱せずに可能であることを理解するであろう。
実施形態のいずれか1つまたは複数の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。詳細な説明はまず、用語の定義および説明に触れ、その後、バックプレーン、バッファ層、化学薬品収容層、有機活性層、第2の電極、および他のデバイス層と続いている。
1.用語の定義および説明
下記の実施形態の詳細に触れる前に、いくつかの用語を定義または説明する。
本明細書において使用される場合、用語「活性」は、層または材料について言及される場合、デバイスの動作を電子的に促進する層または材料を意味する。活性材料の例としては、電荷を伝導、注入、輸送または阻止する材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ここで、電荷は電子または正孔のいずれかであり得る。例としては、電子的特性または電気放射的(electro−radiative)特性を有する層または材料も挙げられる。活性層材料は、放射線を受けたときに、放射線を放出するかまたは電子−正孔対の濃度の変化を示し得る。
用語「アクティブマトリックス」は、電子部品のアレイおよびアレイ内の対応するドライバ回路を意味することを意図している。
用語「バックプレーン」は、上に有機層が堆積されて電子デバイスが形成される加工物を意味することを意図している。
用語「回路」は、適切に接続され適切な電位が供給されたときに、集合的にある機能を果たす電子部品の集まりを意味することを意図している。回路は、ディスプレイのアレイ内のアクティブマトリックスピクセル、カラムデコーダまたはロウデコーダ、カラムアレイストローブまたはロウアレイストローブ、センス増幅器、信号ドライバまたはデータドライバなどを含み得る。
用語「電極」は、キャリアを輸送するように構成された構造体を意味することを意図している。たとえば、電極は、アノード、カソードであってよい。電極は、トランジスタ、コンデンサ、抵抗器、インダクタ、ダイオード、有機電子部品、および電源の一部を含むことができる。
用語「電子デバイス」は、適切に接続され適切な電位が供給されたときに、集合的にある機能を果たす回路、電子部品、またはそれらの組み合わせの集まりを意味することを意図している。電子デバイスは、システムの一部を含むかまたはシステムの一部であり得る。電子デバイスの例としては、ディスプレイ、センサーアレイ、コンピュータシステム、航空電子機器、自動車、携帯電話、および多くの他の家庭用および工業用電化製品が挙げられる。
用語「絶縁」は、「電気絶縁」と同義的に使用される。これらの用語およびその変形は、有意な電流が材料、層、部材または構造体を流れるのを実質的に防ぐような電気的特性を有する材料、層、部材、または構造体を意味することを意図している。
用語「層」は、用語「フィルム」と同義的に使用され、所望の領域を覆うコーティングを意味する。この領域は、デバイス全体の大きさであってもよく、あるいは実際の視覚的表示などの特殊機能領域の小ささ、または1つのサブピクセルの小ささであってもよい。フィルムは、気相堆積、液相堆積および熱転写を含む任意の従来の堆積技術によって形成することができる。典型的な液相堆積技術としては、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、および連続ノズルコーティングなどの連続堆積技術;ならびにインクジェット印刷、グラビア印刷、およびスクリーン印刷などの不連続堆積技術が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
用語「光透過性」は「透明」と同義的に使用され、所与の波長の入射光の少なくとも50%が透過されることを意味することを意図している。ある実施形態において、光の70%が透過される。
用語「液体組成物」は、溶液を形成するために材料を溶解させる液体媒体、分散体を形成するために材料を分散させる液体媒体、または懸濁液もしくはエマルジョンを形成するために材料を懸濁させる液体媒体を意味することを意図している。「液体媒体」は、溶媒または分散媒を加えなくても液体である材料、すなわち、その凝固温度より高い温度における材料を意味することを意図している。
用語「開口」は、平面図で見た場合に、領域を取り囲む特定の構造体がないことを特徴とする領域を意味することを意図している。
用語「有機電子デバイス」は、1つまたは複数の半導体の層または材料を含むデバイスを意味することを意図している。有機電子デバイスとしては(1)電気エネルギーを放射線に変換するデバイス(たとえば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、またはダイオードレーザー)、(2)電子的過程を介して信号を検出するデバイス(たとえば、光検出器(たとえば、光導電セル、フォトレジスタ、フォトスイッチ、フォトトランジスタ、または光電管)、IR検出器、またはバイオセンサー)、(3)放射線を電気エネルギーに変換するデバイス(たとえば、光起電性デバイスまたは太陽電池)、ならびに(4)1つまたは複数の有機半導体層を含む1つまたは複数の電子部品を含むデバイス(たとえば、トランジスタまたはダイオード)が挙げられる。
デバイス内の層、部材または構造体に言及するのに用いられる際の用語「〜の上に」および「上層の」は、ある層、部材または構造体が別の層、部材、または構造体に直接隣接または接触していることを必ずしも意味しているわけではない。同様に、用語「〜の下に」および「下位の」は、ある層、部材または構造体が別の層、部材、または構造体に直接隣接または接触していることを必ずしも意味しているわけではない。第1の層が第2の層の下にあり、かつその第2の層と直接接触している場合、「〜のすぐ下に」または「すぐ下の」と称される。
用語「周辺部」は、平面図において、閉じた平面形状を形成している、層、部材、または構造体の境界を意味することを意図している。
用語「フォトレジスト」は、成形して層にすることができる感光性材料を意味することを意図している。活性化放射線に露光されたとき、露光された領域と露光されていない領域とが物理的に区別され得るように、フォトレジストの少なくとも1つの物理的特性および/または化学的特性が変化される。
用語「構造体(structure)」は、それ自体でまたは他のパターン形成された層または部材と組み合わされて意図された目的を果たすユニットを形成する、1つまたは複数のパターン形成された層または部材を意味することを意図している。構造体の例としては、電極、ウェル構造体、カソードセパレータなどが挙げられる。
用語「TFT基板」は、ベース支持体上でパネル機能を果たすためのTFTのアレイおよび/または駆動回路を意味することを意図している。
用語「支持体」または「ベース支持体」は、剛性または可撓性のいずれであってもよく、1つまたは複数の材料の1つまたは複数の層を含んでもよい基材を意味することを意図しており、そのような支持体としては、ガラス、ポリマー、金属、またはセラミック材料、あるいはそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において使用される場合、用語「含んでなる」、「含んでなること」、「含む」、「含むこと」、「有する」、「有すること」、またはそれらの他のあらゆる変形は、非排他的な包含を扱うことを意図している。たとえば、ある一連の要素を含むプロセス、方法、物品、または装置は、それらの要素のみに必ずしも限定されるわけではなく、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に関して明示されないかまたはそれらに固有のものでもない他の要素を含むことができる。さらに、相反する明示的な記載がない限り、「または」は、包含的な「または」を意味するのであって、排他的な「または」を意味するのではない。たとえば、条件AまたはBが満たされるのは:Aが真であり(または存在する)Bが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在しない)Bが真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)のいずれか1つによってである。
また、本発明に記載の要素および成分を説明するために単数形(「a」または「an」)も使用されている。これは単に便宜的なものであり、本発明の範囲の一般的な意味を提供するために行われている。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むものと読むべきであり、明らかに他の意味となる場合を除けば、単数形は複数形も含んでいる。
元素周期表の縦列に対応する族番号は、「CRC Handbook of Chemistry and Physics」、第81版(2000〜2001年)に見られるような「新表記法(New Notation)」規約を使用する。
特に定義しない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または等価の方法および材料を、本発明の実施形態の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料について以下に説明する。本明細書において言及されるあらゆる刊行物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、特定の段落が引用されない限りそれらの記載内容全体が援用される。矛盾が生じる場合には、定義を含めて本明細書に従うものとする。さらに、材料、方法、および実施例は、単に説明的なものであり、限定を意図したものではない。
本明細書に記載されない程度に、特定の材料、処理行為、および回路に関する多くの詳細が、従来のものであり、有機発光ダイオードディスプレイ技術、光検出器技術、光起電力技術、および半導体部材技術の範囲内のテキストブックおよび他の出典に見出されるであろう。
2.バックプレーン
本明細書に記載の方法用のバックプレーンは、TFT基板と、平坦化層と、テーパ状の縁部を有する複数の薄い第1の電極構造体と、複数の活性層とを含む。平坦化層は、無機または有機材料を含んでいてもよい。
TFT基板は、電子技術分野で周知である。ベース支持体は、有機電子デバイスの技術分野において用いられるような従来の支持体であり得、ITOなどの電極材料を含み得る。ベース支持体は、可撓性または剛性であってもよく、有機または無機であってもよい。ある実施形態において、ベース支持体は透明である。ある実施形態において、ベース支持体はガラスまたは可撓性有機フィルムである。公知のように、TFTアレイがこの支持体上またはこの支持体内に配置されてもよい。この支持体は、約12〜2500ミクロンの範囲の厚さを有し得る。ここで、本明細書において使用される場合、用語「第1の電極構造体」は、ベース支持体と、電極と、TFT構造体とを含む基板を意味する。
用語「薄膜トランジスタ」または「TFT」は、電界効果トランジスタの少なくとも1つのチャネル領域が基本的に基板の基材の一部でない電界効果トランジスタを意味することを意図している。一実施形態において、TFTのチャネル領域は、a−Si、多結晶ケイ素、またはそれらの組み合わせを含む。用語「電界効果トランジスタ」は、導電性がゲート電極にかかる電圧によって影響されるトランジスタを意味することを意図している。電界効果トランジスタとしては、接合型電界効果トランジスタ(JFET)または金属−酸化物−半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を含む金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタ(MISFET)、金属−窒化物−酸化物−半導体(MNOS)電界効果トランジスタなどが挙げられる。電界効果トランジスタは、n型(n型キャリアがチャネル領域内を流れる)またはp型(p型キャリアがチャネル領域内を流れる)であり得る。電界効果トランジスタは、エンハンスメント型(enhancement−mode)トランジスタ(チャネル領域がトランジスタのS/D領域と比較して異なる導電型を有する)またはデプレッション型(depletion−mode)トランジスタ(トランジスタのチャネルおよびS/D領域が同じ導電型を有する)であり得る。
TFT構造体および設計は周知である。TFT構造体は、通常、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極、ならびに、通常、バッファ層、ゲート絶縁体、および中間層と呼ばれる一連の無機絶縁層を含む。
TFT基板にわたって設けられる平坦化層が存在する。本明細書において使用される場合、用語「厚い」は、平坦化層について言及される場合、基板の平面に垂直な方向における少なくとも5000Åの厚さを意味することを意図している。平坦化層は、TFT基板の粗い特徴部および任意の粒子材料にわたって平滑化し、寄生容量を防止する。ある実施形態において、平坦化層の厚さは0.5〜5ミクロン;ある実施形態において、1〜3ミクロンである。
任意の無機誘電体材料を平坦化層用の平坦化膜として用いることができる。一般に、無機材料は、少なくとも2.5の誘電率を有するべきである。ある実施形態において、無機材料は、SiOx、SiNxおよびSinxから選択される。ある実施形態において、無機材料は、シリカおよび窒化ケイ素から選択されてもよい。
ある実施形態において、薄い無機平坦化膜が、基板上に堆積され、過剰分が取り除かれて、同じ基板上にITOまたはTFTの非平坦部(non−planarities)(すなわち、不均一な構造体)とほぼ同じ厚さの無機層を有する平坦化基板が形成される。これは図1Bに示されている。過剰分の除去は、化学機械研磨(CMP)などの公知の技術によって行うことができる。別の実施形態において、無機膜は、平坦化のための充填剤として、同じ基板上の平坦でない構造体に隣接し、かつ平坦でない構造体とほぼ同じ厚さを有する薄い層として堆積されてもよい。図1Bも参照されたい。平坦化膜を堆積した後の基板の表面は、アノード(例えば、ITO)とカソードとの間での短絡欠陥の可能性を低減するために、必要に応じて、CMPを含む任意の方法によって任意選択的に平滑化されてもよい。
任意の有機誘電体材料を平坦化層に用いることができる。一般に、有機材料は、少なくとも2.5の誘電率を有するべきである。ある実施形態において、有機材料は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、およびポリイミド樹脂からなる群から選択される。そのような樹脂は周知であり、多くのものは市販されている。
ある実施形態において、基板上に平坦でない構造体とほぼ同じ厚さの平坦化層を残して、ITO上の有機平坦化膜を容易に除去できるように、有機平坦化層は、基板上にハーフトーンの(half−tone)マスクを用いて堆積される。ある実施形態において、平坦化層は、電子デバイスが封止されることとなる領域からそれを除去するようにパターン形成される。パターン形成は、標準的なフォトリソグラフィー技術を用いて行うことができる。ある実施形態において、平坦化層は、フォトレジストとして知られている感光性材料から作製される。この場合、この層は、画像形成され、現像されて、パターン形成された平坦化層が形成され得る。フォトレジストはポジ型(これは、フォトレジスト層が、活性化放射線に露光された領域においてより除去されやすくなることを意味する)、あるいはネガ型(これは、フォトレジスト層が、露光されていない領域においてより除去されやすいことを意味する)であり得る。ある実施形態において、平坦化層自体は感光性ではない。この場合、フォトレジスト層が、平坦化層にわたって適用され、画像形成され、現像されて、パターン形成された平坦化層が形成され得る。ある実施形態において、次に、フォトレジストは剥がされる。画像形成、現像、および剥離(stripping)のための技術は、フォトレジストの技術分野で周知である。他の実施形態において、有機平坦化膜のあらゆる過剰分が、無機平坦化膜に関して上述したような公知の平滑化技術によって除去されてもよい。また、平滑化は、短絡欠陥の可能性を低減するためにも任意選択的に行われてもよい。
次に、複数の活性層が、平坦化基板上に形成される。活性層は、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、発光(emissive)層、およびバッファ層などの層を含む。1つの層が、2種以上の材料を含んでいてもよい。例えば、発光層は、発光性の「ドーパント」材料および「ホスト」材料の両方を含んでいてもよい。
図1Aは、基板の表面全体にわたって平面でないように示されているITO電極115を含む基板100を示している。有機平坦化材料125が、電極層115の両側に過剰に堆積されている。図1Aに示される実施形態において、過剰な平坦化材料125が除去されておらず、その上、有効発光領域145内において、基板上の均一な平坦層として印刷層135が堆積されていてもよい。文字xが、有効発光領域145の外側における、基板の表面上の領域を表わしている。さらなる活性層(図示せず)が、有効発光領域内において同様の平坦な均一性で適用されてもよい。
図1Bは、ITO電極215と、ITO電極215とほぼ同じ厚さで平坦化充填剤として溶液で塗布された無機平坦化材料225とを含む基板200を示している。正孔注入層255と、正孔輸送層265と、発光層275とを含む活性層が、両方の有効発光領域245内において平坦な均一性で、また、平坦化基板200の表面領域全体にわたってほぼ均一に適用される。さらなる層(図示せず)が、同様に適用されてもよい。
示される基板がTFT構造体を含む実施形態が、図2に細部まで詳細に示されている。
次に、複数の薄い第1の電極構造体が、平坦化層上に形成される。本明細書において使用される場合、用語「薄い」は、第1の電極構造体に言及しているとき、基板の面に垂直な方向で1500Å以下の厚さを意味することを意図している。ある実施形態において、厚さは1200Å以下であり;ある実施形態において、800Å以下である。電極はアノードまたはカソードであり得る。ある実施形態において、電極は平行な細片として形成される。電極は、交互に、四角形、矩形、円、三角形、楕円などの平面形状を有する構造体のパターン形成されたアレイであり得る。一般に、電極は、従来のプロセス(たとえば堆積、パターン形成、またはそれらの組み合わせ)を用いて形成され得る。
電極は、テーパ角が75°以下のテーパ状の縁部を有する。本明細書において使用される場合、用語「テーパ角」は、電極構造体に言及するとき、電極縁部と下位の平坦化層とで形成される内角を意味することを意図している。これは図3に概略的に示されている。平坦化層10は上面11を有する。平坦化層上の電極構造体20は、テーパ状の縁部21を有する。テーパ状の縁部21は、平坦化層表面とともに内角Θを形成する。角度Θはテーパ角である。従来のテーパ状でない電極では、内角Θは90°となる。本明細書に記載の電極は、75°以下のテーパ角を有し;ある実施形態において、40°以下のテーパ角を有する。
ある実施形態において、第1の電極構造体は、少なくとも、電極における、有機活性層を堆積するための印刷方向に平行な側がテーパ状になっている。ある実施形態において、第1の電極構造体のあらゆる側がテーパ状になっている。
ある実施形態において、電極は透明である。ある実施形態において、電極は、インジウムスズ酸化物(ITO)などの透明な導電材料を含む。他の透明な導電材料としては、たとえば、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化亜鉛、酸化スズ、亜鉛スズ酸化物(ZTO)、元素金属、金属合金、およびそれらの組み合わせが挙げられる。ある実施形態において、電極は電子デバイス用のアノードである。電極は、ステンシルマスクを用いた選択的堆積、またはブランケット堆積、および一部を取り除いてパターンを形成するための従来のリソグラフィー技術などの従来の技術を用いて形成され得る。
テーパ形状は、任意の従来の技術を用いて形成することができる。ある実施形態において、テーパは、ドライエッチングまたはウェットエッチング技術によって形成される。そのような技術は周知である。
1つの例示的なバックプレーン100が、図4に概略的に示されている。TFT基板は、ガラス基板110、無機絶縁層120、ならびにゲート電極またはゲート線およびソース/ドレイン電極またはデータ線用の様々な導電線130を含む。有機平坦化層140がある。ピクセル化された電極が、ピクセル領域160とともに、150として示されている。
3.バッファ層
用語「有機バッファ層」または「有機緩衝材料」は、導電性材料または半導体有機材料を意味することを意図しており、下位層の平坦化、電荷輸送特性および/または電荷注入特性、酸素または金属イオンなどの不純物の捕捉(scavenging)、および有機電子デバイスの性能を促進または改良するための他の態様を含むがこれらに限定されるものではない、有機電子デバイスの1つまたは複数の機能を有していてもよい。有機緩衝材料は、ポリマー、オリゴマー、または小分子であってもよく、溶液、分散体、懸濁液、エマルジョン、コロイド混合物、または他の組成物の形態であってもよい。
有機バッファ層は、ポリアニリン(PANI)またはポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)などのポリマー材料(これらはプロトン酸でドープされることが多い)で形成することができる。プロトン酸は、たとえば、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)などであり得る。有機バッファ層は、銅フタロシアニンおよびテトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタン系(TTF−TCNQ)などの電荷輸送化合物などを含み得る。一実施形態において、有機バッファ層は、導電性ポリマーおよびコロイド形成性ポリマー酸の分散体から作製される。そのような材料は、たとえば、米国特許出願公開第2004−0102577号明細書、同第2004−0127637号明細書、および同第2005−0205860号明細書に記載されている。
有機バッファ層は、第1の電極構造体の厚さより少なくとも20%厚い厚さを有する。ある実施形態において、厚さは少なくとも50%厚い。
バッファ層は、バッファ材料と第1の液体媒体とを含む組成物の液相堆積によって形成される。上記のように、任意の液相堆積技術を用いることができる。液体媒体の選択は、用いられる特定のバッファ材料に依存することとなる。ある実施形態において、第1の液体媒体は水性である。ある実施形態において、第1の液体媒体は少なくとも70体積%の水である。
バッファ層の適用によって形成される構造体が、図5に概略的に示されている。平坦化層210は、その表面上に電極構造体220を有する。上層の電極構造体はバッファ層230である。電極構造体のテーパ状の縁部およびバッファ層の厚さのため、表面は、その後の液相堆積工程に向けてほぼ平面である。
4.化学薬品収容パターン
化学薬品収容パターンが、バッファ層にわたって形成される。用語「化学薬品収容パターン」は、物理的な障壁構造体ではなく表面エネルギー効果によって液体材料の広がりを収容または抑制するパターンを意味することを意図している。層に言及しているときの用語「収容される」は、層が、それが堆積されている領域を大きく越えて広がっていないことを意味することを意図している。用語「表面エネルギー」は、材料から表面の単位面積を形成するのに必要なエネルギーである。表面エネルギーの特徴は、所与の表面エネルギーを有する液体材料がより低い表面エネルギーを有する表面を濡らさないことである。
ある実施形態において、化学薬品収容パターンは、周囲の領域より低い表面エネルギーを有する。比表面エネルギーを求める1つの方法は、RSAでの処理の前後の第1の有機活性層に対する所与の液体の接触角を比較することである。本明細書において使用される場合、用語「接触角」は、図6に示される角度Φを意味することを意図している。液体媒体の液滴については、角度Φは、表面の面と、表面に対する液滴の外縁からの線との交差部によって画定される。さらに、角度Φは、液滴が適用されてから表面上で平衡位置に達した後に測定される。すなわち「静的接触角」である。様々な製造業者が、接触角を測定できる装置を作製している。
化学薬品収容パターンは、別個のパターン形成された層であってもよく、またはあるパターンでの表面処理であってもよい。
化学薬品収容パターンが別個の層として存在する場合、それは超薄層である。ある実施形態において、層は、500Å以下の厚さを有し;ある実施形態において、100Å以下の厚さを有し;ある実施形態において、50Å以下の厚さを有する。ある実施形態において、パターンは単層である。
ある実施形態において、化学薬品収容パターンは、あるパターンで堆積された低表面エネルギー材料の層である。フッ化ケイ素または窒化ケイ素などの材料が、気相堆積によってあるパターンで適用され得る。フッ化炭素またはシリコーンなどの材料は、標準的なフォトリソグラフィー技術を用いてあるパターンで適用され得る。
ある実施形態において、化学薬品収容パターンは、すぐ下の層を反応性の表面活性組成物で処理することによって形成される。用語「放射/放射線」は、放射線が光線、波、または粒子であるかを問わず、任意の形態の熱、全電磁スペクトル、または亜原子粒子を含めた任意の形態のエネルギーを加えることを意味する。材料に言及しているときの用語「放射線感受性」は、放射線に露光された結果、材料の少なくとも1つの化学的特性、物理的特性、または電気的特性が変化することを意味することを意図している。
ある実施形態において、化学薬品収容パターンを形成するために処理される下位層はバッファ層である。ある実施形態において、バッファ層の上に1つまたは複数の追加の有機層が存在する。追加の層が存在する場合、収容されるべき活性層の前にある層は、処理される層である。反応性表面活性組成物(「RSA」)は放射線感受性組成物である。放射線に露光されると、露光された領域と露光されていない領域とが物理的に区別され、かつあるパターンが形成され得るように、RSAの少なくとも1つの物理的特性および/または化学的特性が変更される。RSAでの処理は、処理されている材料の表面エネルギーを低下させる。
一実施形態において、RSAは放射線で硬化可能な組成物である。この場合、RSAは、放射線に露光されると、液体媒体により溶解または分散しやすくなり得、より粘着性が低く、より軟性が低く、より流動性が低く、より取り外しにくく、またはより吸収性が低くなり得る。他の物理的特性も影響され得る。
一実施形態において、RSAは放射線で軟化可能な組成物である。この場合、RSAは、放射線に露光されると、液体媒体により溶解または分散しにくくなり得、より粘着性、より軟性、より流動性、より取り外し易く(liftable)、またはより吸収性になり得る。他の物理的特性も影響され得る。
放射線は、RSAの物理的変化をもたらす任意のタイプの放射線であり得る。一実施形態において、放射線は、赤外線、可視線、紫外線、およびそれらの組み合わせから選択される。
RSAにおける、放射線に露光された領域と、放射線に露光されていない領域との間の物理的な差は、これ以降「現像」と称され、任意の公知の技術によって実現することができる。そのような技術は、フォトレジストの技術分野で広く用いられている。現像技術の例としては、加熱(蒸発)、液体媒体による処理(洗浄)、吸収材料による処理(ブロッティング)、粘着性材料による処理などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一実施形態において、RSAは、1つまたは複数の放射線感受性材料から本質的になる。一実施形態において、RSAは、放射線に露光されると、硬化するか、あるいは液体媒体により溶解しにくく、より膨潤しにくく、またはより分散しにくくなるか、あるいはより粘着性が低いかまたはより吸収性が低くなる材料から本質的になる。一実施形態において、RSAは、放射線で重合可能な基を有する材料から本質的になる。そのような基の例としては、オレフィン、アクリレート、メタクリレートおよびビニルエーテルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態において、RSA材料は、架橋をもたらし得る2つ以上の重合性基を有する。一実施形態において、RSAは、放射線に露光されると、軟化するか、あるいは液体媒体により溶解しやすく、より膨潤しやすく、またはより分散しやすくなるか、あるいはより粘着性またはより吸収性になる材料から本質的になる。一実施形態において、RSAは、200〜300nmの範囲の波長を有する深紫外線に露光されると主鎖の分解が起こる少なくとも1つのポリマーから本質的になる。そのような分解が起こるポリマーの例としては、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリケトン、ポリスルホン、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一実施形態において、RSAは、少なくとも1つの反応性材料および少なくとも1つの放射線感受性材料から本質的になる。放射線感受性材料は、放射線に露光されると、反応性材料の反応を開始させる活性種を生成する。放射線感受性材料の例としては、遊離基、酸、またはそれらの組み合わせを生成するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態において、反応性材料は重合性または架橋性である。材料の重合または架橋反応は、活性種によって開始または触媒される。放射線感受性材料は、一般に、RSAの総重量を基準にして0.001%〜10.0%の量で存在する。
一実施形態において、RSAは、放射線に露光されると、硬化するか、あるいは液体媒体により溶解しにくく、より膨潤しにくく、またはより分散しにくくなるか、あるいはより粘着性が低いかまたはより吸収性が低くなる材料から本質的になる。一実施形態において、反応性材料はエチレン性不飽和化合物であり、放射線感受性材料は遊離基を生成する。エチレン性不飽和化合物としては、アクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。遊離基を生成する公知の種類の放射線感受性材料のいかなるものも使用することができる。遊離基を生成する放射線感受性材料の例としては、キノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエーテル、アリールケトン、過酸化物、ビイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシルアルキルフェニルアセトフェノン、ジアルコキシアセトフェノン、トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド誘導体、アミノケトン、ベンゾイルシクロヘキサノール、メチルチオフェニルモルホリノケトン、モルホリノフェニルアミノケトン、アルファハロゲノアセトフェノン、オキシスルホニルケトン、スルホニルケトン、オキシスルホニルケトン、スルホニルケトン、ベンゾイルオキシムエステル、チオキサントロン、カンファーキノン、ケトクマリン、およびミヒラーズケトンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。あるいは、放射線感受性材料は、複数の化合物(そのうちの1つが、放射線によって活性化される増感剤によって誘発されると遊離基を与える)の混合物であってもよい。一実施形態において、放射線感受性材料は可視線または紫外線に感受性である。
一実施形態において、RSAは、1つまたは複数の架橋性基を有する化合物である。架橋性基は、二重結合、三重結合、二重結合をその場で形成可能な前駆体、または複素環付加重合性基を含有する部分を有し得る。架橋性基のいくつかの例としては、ベンゾシクロブタン、アジド、オキシラン、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、シアン酸エステル、ヒドロキシル、グリシジルエーテル、C1〜10アルキルアクリレート、C1〜10アルキルメタクリレート、アルケニル、アルケニルオキシ、アルキニル、マレイミド、ナジミド(nadimide)、トリ(C1〜4)アルキルシロキシ、トリ(C1〜4)アルキルシリル、およびそれらのハロゲン化誘導体が挙げられる。一実施形態において、架橋性基は、ビニルベンジル、p−エテニルフェニル、パーフルオロエテニル、パーフルオロエテニルオキシ、ベンゾ−3,4−シクロブタン−1−イル、およびp−(ベンゾ−3,4−シクロブタン−1−イル)フェニルからなる群から選択される。
一実施形態において、反応性材料は、酸によって開始される重合を起こすことができ、放射線感受性材料は酸を生成する。そのような反応性材料の例としては、エポキシが挙げられるが、これに限定されるものではない。酸を生成する放射線感受性材料の例としては、スルホニウム塩およびヨードニウム塩(ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートなど)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一実施形態において、RSAは、放射線に露光されると、軟化するか、あるいは液体媒体により溶解しやすく、より膨潤しやすく、またはより分散しやすくなるか、あるいはより粘着性またはより吸収性になる材料から本質的になる。一実施形態において、反応性材料はフェノール樹脂であり、放射線感受性材料はジアゾナフトキノンである。
当該技術分野で公知の他の放射線感受性材料系も同様に用いることができる。
一実施形態において、RSAはフッ素化材料を含む。一実施形態において、RSAは、1つまたは複数のフルオロアルキル基を有する不飽和材料を含む。一実施形態において、フルオロアルキル基は、2〜20個の炭素原子を有する。一実施形態において、RSAは、フッ素化アクリレート、フッ素化エステル、またはフッ素化オレフィンモノマーである。RSA材料として使用可能な市販の材料の例としては、本件特許出願人(Wilmington,DE)から入手可能なZonyl(登録商標)8857Aフッ素化不飽和エステルモノマー、およびSigma−Aldrich Co.(St.Louis,MO)から入手可能な3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−エンイコサフルオロドデシルアクリレート(H2C=CHCO2CH2CH2(CF29CF3)が挙げられるがこれに限定されるものではない。
一実施形態において、RSAはフッ素化マクロモノマーである。本明細書において使用される場合、用語「マクロモノマー」は、末端であるかまたは鎖から懸垂している1つまたは複数の反応性の基を有するオリゴマー材料を意味する。ある実施形態において、マクロモノマーは、1000を超える分子量を有し;ある実施形態において、2000を超える分子量を有し;ある実施形態において、5000を超える分子量を有する。ある実施形態において、マクロモノマーの主鎖は、エーテルセグメントおよびパーフルオロエーテルセグメントを含む。ある実施形態において、マクロモノマーの主鎖は、アルキルセグメントおよびパーフルオロアルキルセグメントを含む。ある実施形態において、マクロモノマーの主鎖は、部分的にフッ素化されたアルキルセグメントまたは部分的にフッ素化されたエーテルセグメントを含む。ある実施形態において、マクロモノマーは、1つまたは2つの末端の重合性基または架橋性基を有する。
一実施形態において、RSAは、開裂可能な側鎖を有するオリゴマー材料またはポリマー材料であり、ここで側鎖を有する材料は、側鎖を有さない材料とは異なる表面エネルギーを有する膜を形成する。一実施形態において、RSAは、フッ素化されていない主鎖および部分的にフッ素化されたまたは完全にフッ素化された側鎖を有する。側鎖を有するRSAは、側鎖を有さないRSAから作製される膜より低い表面エネルギーを有する膜を形成することとなる。したがって、RSAはすぐ下の層に適用され、あるパターンで放射線に露光されて側鎖が開裂されてから、現像されて側鎖が除去され得る。これにより、側鎖が除去された放射線に露光された領域において表面エネルギーがより高く、側鎖が残っている露光されていない領域において表面エネルギーがより低いというパターンが形成される。ある実施形態において、側鎖は熱に対して不安定(thermally fugitive)であり、赤外レーザーを用いるような加熱によって開裂される。この場合、現像は、赤外線への露光と同時であり得る。あるいは、現像は、真空をかけるかまたは溶媒による処理によって実現され得る。ある実施形態において、側鎖は、紫外線への露光によって開裂される。上記の赤外線システムの場合のように、現像は、放射線への露光と同時であるか、あるいは真空をかけるかまたは溶媒による処理によって実現され得る。
一実施形態において、RSAは、反応性基および第2のタイプの官能基を有する材料を含む。第2のタイプの官能基は、RSAの物理的な処理特性または光物理的特性を変えるために存在してもよい。処理特性を変える基の例としては、酸化アルキレン基などの可塑化基が挙げられる。光物理的特性を変える基の例としては、カルバゾール基、トリアリールアミノ基、またはオキサジアゾール基などの電荷輸送基が挙げられる。
一実施形態において、RSAは、放射線に露光されると、すぐ下の領域と反応する。この反応の正確な機構は、用いられる材料に依存することとなる。RSAは、放射線に露光された後、好適な現像処理によって露光されていない領域において除去される。ある実施形態において、RSAは露光されていない領域のみで除去される。ある実施形態において、RSAは、露光された領域においても部分的に除去され、それらの領域に薄くなった層が残る。ある実施形態において、露光された領域において残っているRSAの厚さは、50Å以下である。ある実施形態において、露光された領域において残っているRSAの厚さは、基本的に単層である。
RSAの処理は、すぐ下の層の形成と同時かまたはその後であり得る。
一実施形態において、RSAの処理は、すぐ下の層の形成と同時である。一実施形態において、RSAは用いられる液体組成物に加えられて、すぐ下の層が形成される。堆積された組成物が乾燥されて膜が形成されると、RSAは空気界面、すなわち、すぐ下の層の上面に移動して、系の表面エネルギーを低下させる。
一実施形態において、RSAの処理は、すぐ下の層の形成の後である。一実施形態において、RSAは、上層の別個の層として、すぐ下の層と直接接触して適用される。
一実施形態において、RSAは、それを溶媒に加えることなく適用される。一実施形態において、RSAは気相堆積によって適用される。一実施形態において、RSAは室温で液体であり、すぐ下の層の上に液相堆積によって適用される。液体のRSAは、膜を形成するか、あるいはすぐ下の層の表面に吸収または吸着され得る。一実施形態において、液体のRSAは、すぐ下の層の上に第2の層を形成するために、RSAの融点未満の温度まで冷却される。一実施形態において、RSAは室温で液体ではなく、その融点より高い温度まで加熱されてから、すぐ下の層に堆積され、室温まで冷却されて、すぐ下の層の上に第2の層が形成される。液相堆積については、上記の方法のいずれを用いてもよい。
一実施形態において、RSAは、第2の液体組成物から堆積される。液相堆積方法は、上記のように連続または不連続であり得る。一実施形態において、RSA液体組成物は、連続液相堆積方法を用いて堆積される。RSAを堆積するための液体媒体の選択は、RSA材料自体の正確な性質に依存することとなる。一実施形態において、RSAはフッ素化材料であり、液体媒体はフッ素化された液体である。フッ素化された液体の例としては、パーフルオロオクタン、トリフルオロトルエン、およびヘキサフルオロキシレンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ある実施形態において、RSAの処理は、下位層の上に犠牲層を形成する第1の工程と、犠牲層の上にRSA層を適用する第2の工程とを含む。犠牲層は、いかなる現像処理を選択しても、RSA層より容易に除去されるものである。したがって、放射線に露光した後、後述するように、RSA層および犠牲層は、現像工程で、露光された領域または露光されていない領域のいずれかにおいて除去される。犠牲層は、選択された領域のRSA層の完全な除去を助けるとともに、RSA層の反応性種からのあらゆる悪影響からすぐ下にある下位層を保護することを意図している。
RSAの処理の後、処理された層は、放射線に露光される。用いられる放射線のタイプは、上述したRSAの感度に依存することとなる。露光はパターン状である。本明細書において使用される場合、用語「パターン状」は、材料または層の選択された部分のみが露光されることを示す。パターン状の露光は、任意の公知の画像形成技術を用いて行うことができる。一実施形態において、パターンは、マスクを介して露光することによって得られる。一実施形態において、パターンは、選択された部分のみをレーザーで露光することによって得られる。露光時間は、用いられるRSAの特定の化学的性質に応じて、数秒から数分の範囲であり得る。レーザーが用いられる場合、レーザーの出力に応じて、個々の領域ごとにはるかに短い露光時間が用いられる。露光工程は、材料の感度に応じて、空気中または不活性雰囲気中で行うことができる。
一実施形態において、放射線は、同時処理および連続処理を含め、紫外線(10〜390nm)、可視線(390〜770nm)、赤外線(770〜106nm)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態において、放射線は、200〜300nmの範囲の波長を有する深紫外線である。別の実施形態において、紫外線は、300〜400nmの範囲の、いくらか長い波長を有するものである。一実施形態において、放射線は熱放射線である。一実施形態において、放射線への露光は加熱によって行われる。加熱工程のための温度および持続時間は、発光領域のいかなる下位層も損傷せずにRSAの少なくとも1つの物理的特性が変更されるようなものである。一実施形態において、加熱温度は250℃未満である。一実施形態において、加熱温度は150℃未満である。
一実施形態において、放射線は、紫外線または可視線である。一実施形態において、放射線がパターン状に適用されることにより、RSAの露光された領域およびRSAの露光されていない領域が形成される。
一実施形態において、放射線へのパターン状の露光の後、RSAの露光された領域または露光されていない領域のいずれかを除去するための処理がなされる。放射線へのパターン状の露光、および露光された領域または露光されていない領域を除去するための処理は、フォトレジストの技術分野において周知である。
一実施形態において、RSAを放射線に露光すると、溶媒へのRSAの溶解性または分散性が変化する。露光がパターン状に行われる場合、この後に湿式現像処理が続くことがある。処理は、通常、1つのタイプの領域を溶解させ、分散させ、または脱離させる(lift off)溶媒で洗浄することを含む。一実施形態において、放射線へのパターン状の露光により、RSAの露光された領域が不溶化され、溶媒での処理により、RSAの露光されていない領域が除去される。
一実施形態において、可視線または紫外線にRSAを露光することにより、RSAの露光された領域における揮発性を低下させる反応が生じる。露光がパターン状に行われる場合、この後に熱現像処理が続くことがある。処理は、露光されていない材料の揮発温度または昇華温度より高く、かつ材料が熱に反応する温度より低い温度まで加熱することを含む。たとえば、重合性モノマーについては、材料は、昇華温度より高くかつ熱重合温度より低い温度で加熱されるであろう。揮発温度に近いかまたはそれより低い熱反応性温度を有するRSA材料は、このように現像することができないことがあることが理解されよう。
一実施形態において、放射線にRSAを露光すると、材料が溶融し、軟化しまたは流動する温度が変化する。露光がパターン状に行われる場合、この後に乾式現像処理が続くことがある。乾式現像処理は、より軟らかい部分を吸収するかまたは吸い取るために、要素の最外面を、吸収剤表面と接触させることを含み得る。この乾式現像は、元々露光されていない領域の特性にさらに影響しない限り、高温で行うことができる。
RSAでの処理、放射線への露光、および現像の後、すぐ下の層には、低い表面エネルギーの領域とより高い表面エネルギーの領域とを有するパターンがある。RSAの一部が放射線への露光後に除去される場合、すぐ下の層における、RSAによって被覆された領域は、RSAによって被覆されていない領域より低い表面エネルギーを有することとなる。化学薬品収容パターンはピクセル開口を画定する。
5.有機活性層
有機活性層が、化学薬品収容パターンによって画定されるピクセル領域の少なくとも一部に形成される。有機活性層は活性材料を含む。ある実施形態において、活性材料は光活性材料を含む。「光活性」は、電圧を印加することによって励起されたときに発光する材料(発光ダイオードまたは化学セル中など)、あるいは放射エネルギーに応答し、印加バイアス電圧を使用しまたは使用せずに信号を発生する材料(光検出器中など)を意味する。任意の有機エレクトロルミネッセンス(「EL」)材料を光活性層に使用することができ、そのような材料は、当該技術分野で周知である。材料としては、小分子有機蛍光化合物、蛍光性およびリン光性の金属錯体、共役ポリマー、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。光活性材料は、単独で、または1つまたは複数のホスト材料と混合して存在し得る。蛍光化合物の例としては、ナフタレン、アントラセン、クリセン、ピレン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、クマリン、ローダミン、キナクリドン、ルブレン、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。金属錯体の例としては、トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(Alq3)などの金属キレート化オキシノイド化合物;Petrovらの米国特許第6,670,645号明細書ならびにPCT出願公開の国際公開第03/063555号パンフレットおよび国際公開第2004/016710号パンフレットに開示されるようなフェニルピリジン、フェニルキノリン、またはフェニルピリミジンの配位子を有するイリジウム錯体などの、シクロメタレート化されたイリジウムおよび白金のエレクトロルミネッセンス化合物、ならびに、たとえば、PCT出願公開の国際公開第03/008424号パンフレット、国際公開第03/091688号パンフレット、および国際公開第03/040257号パンフレットに記載されるような有機金属錯体、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。共役ポリマーの例としては、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリ(スピロビフルオレン)、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。光活性層は、典型的に、約50〜500nmの範囲の厚さを有する。
有機活性層は、第2の液体媒体中に有機活性材料を含む液体組成物から堆積される。液体媒体の選択は、用いられる特定の有機活性材料に依存することとなる。ある実施形態において、液体媒体は、1つまたは複数の有機溶媒である。
光活性層は、上記のような任意の溶液堆積技術によって適用され得る。一実施形態において、光活性層は、インクジェット印刷および連続ノズル印刷から選択される技術によって適用される。
ある実施形態において、第1の有機活性材料が、ピクセル領域の第1の部分に堆積され、第2の有機活性材料が、ピクセル領域の第2の部分に堆積される。さらに、ある実施形態において、第3の有機活性材料が、ピクセル領域の第3の部分に堆積される。ある実施形態において、第1の有機活性材料は、第1の色を有する第1の光活性材料を含み;第2の有機活性材料は、第2の色を有する第2の光活性材料を含み;第3の有機活性材料は、第3の色を有する第3の光活性材料を含む。本明細書において使用される場合、光活性材料の色は、材料が光を発するかまたは吸収する波長を意味する。ある実施形態において、色は、赤色、青色および緑色である。
6.第2の電極
第2の電極が、活性層上に形成される。ある実施形態において、第2の電極はカソードである。カソードは、第1族金属(たとえば、Li、Cs)、第2族(アルカリ土類)金属、ランタニドおよびアクチニドを含む希土類金属から選択され得る。カソードは、約300〜1000nmの範囲の厚さを有する。
7.他のデバイス層
また、上述した活性層などの他の層がデバイスに存在してもよい。例えば、バッファ層と有機活性層との間に1つまたは複数の正孔注入層および/または正孔輸送層があってもよい。有機活性層とカソードとの間に1つまたは複数の電子輸送層および/または電子注入層があってもよい。
用語「正孔輸送」は、層、材料、部材、または構造体について言及される場合、そのような層、材料、部材、または構造体が、比較的効率的かつ少ない電荷損失で、そのような層、材料、部材、または構造体の厚さを通過する正電荷の移動を促進することを意味することを意図している。発光材料がいくらかの電荷輸送特性を有していることもあるが、用語「電荷輸送層、材料、部材、または構造体」は、主な機能が発光である層、材料、部材、または構造体を含むことを意図していない。
層120の正孔輸送材料の例は、たとえば、Y.Wangによる「Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology」、第4版、第18巻、837〜860頁(1996年)にまとめられている。正孔輸送分子とポリマーとの両方を使用することができる。慣用的に使用される正孔輸送分子としては、:4,4’,4”−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(TDATA);4,4’,4”−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(MTDATA);N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD);1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC);N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−[1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル]−4,4’−ジアミン(ETPD);テトラキス−(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン(PDA);α−フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン(TPS);p−(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH);トリフェニルアミン(TPA);ビス[4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル](4−メチルフェニル)メタン(MPMP);1−フェニル−3−[p−(ジエチルアミノ)スチリル]−5−[p−(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPRまたはDEASP);1,2−trans−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)シクロブタン(DCZB);N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TTB);N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ビス−(フェニル)ベンジジン(α−NPB);および銅フタロシアニンなどのポルフィリン化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。慣用的に使用される正孔輸送ポリマーとしては、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)ポリシラン、ポリ(ジオキシチオフェン)、ポリアニリン、およびポリピロールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前述のような正孔輸送分子を、ポリスチレンおよびポリカーボネートなどのポリマー中にドープすることによって正孔輸送ポリマーを得ることも可能である。正孔輸送層は、典型的に、約40〜100nmの範囲の厚さを有する。
「電子輸送」という用語は、層、材料、部材または構造体について言及される場合、そのような層、材料、部材または構造体を通過して別の層、材料、部材または構造体への負電荷の移動を促進または容易にするそのような層、材料、部材または構造体を意味する。任意選択的な電子輸送層140に用いられ得る電子輸送材料の例としては、トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(AlQ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(p−フェニルフェノラト)アルミニウム(BAlq)、テトラキス−(8−ヒドロキシキノラト)ハフニウム(HfQ)およびテトラキス−(8−ヒドロキシキノラト)ジルコニウム(ZrQ)などの金属キレート化オキシノイド化合物;ならびに2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、および1,3,5−トリ(フェニル−2−ベンズイミダゾール)ベンゼン(TPBI)などのアゾール化合物;2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリンなどのキノキサリン誘導体;4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DPA)および2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DDPA)などのフェナントロリン;ならびにそれらの混合物が挙げられる。電子輸送層は、典型的に、約30〜500nmの範囲の厚さを有する。
本明細書において使用される場合、用語「電子注入」は、層、材料、部材、または構造体について言及される場合、そのような層、材料、部材、または構造体が、比較的効率的かつ少ない電荷損失で、そのような層、材料、部材、または構造体の厚さを通過する負電荷の移動を促進することを意味することを意図している。任意選択の電子輸送層は無機であってもよく、BaO、LiF、またはLi2Oを含んでもよい。電子注入層は、典型的に、約20〜100Åの範囲の厚さを有する。
封入層が、アレイならびに周囲の離れた回路にわたって形成されて、ほぼ完成した電気デバイスが形成され得る。
概要または実施例において前述したすべての行為が必要なわけではなく、特定の行為の一部は不要である場合があり、1つまたは複数のさらに別の行為が、前述の行為に加えて実施される場合があることに留意されたい。さらに、行為が列挙されている順序は、必ずしもそれらが実施される順序ではない。
以上の明細書において、具体的な実施形態を参照しながら本発明の概念を説明した。しかし、当業者であれば、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱せずに種々の変更および変形を行えることが理解できるであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく説明的なものであるとみなすべきであり、すべてのこのような変更は、本発明の範囲内に含まれることを意図している。
特定の実施形態に関して、利益、その他の利点、および問題に対する解決法を以上に記載してきた。しかし、これらの利益、利点、問題の解決法、ならびに、何らかの利益、利点、または解決法を発生させたり、より顕著にしたりすることがある、あらゆる特徴が、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての重要な、必要な、または本質的な特徴として解釈されるものではない。
別々の実施形態の状況において、明確にするために本明細書に記載されている特定の複数の特徴は、1つの実施形態の中で組み合わせても提供できることを理解されたい。逆に、簡潔にするため1つの実施形態の状況において説明した種々の特徴も、別々に提供したり、あらゆる副次的な組み合わせで提供したりすることができる。さらに、範囲で記載される値への言及は、記載の範囲よりも上および下のわずかなばらつきを含み、それを使用して、その範囲内の値と実質的に同じ結果を得ることができる。また、これらの範囲の開示は、ある値の一部の成分を異なる値の一部の成分と混合した場合に生じうる分数値を含めて、最小平均値と最大平均値との間のすべての値を含む連続した範囲であることを意図している。さらに、より広い範囲およびより狭い範囲が開示される場合、ある範囲の最小値を別の範囲の最大値と一致させること、およびその逆のことが本発明の意図の範囲内である。

Claims (21)

  1. 有機電子デバイスを形成するための方法であって、該方法が、
    TFT基板を提供する工程と;
    前記基板上に平坦化層を形成して平坦化基板を形成する工程と;
    前記平坦化基板上に、第1の厚さを有する複数の薄い第1の電極構造体を形成する工程であって、前記電極構造体が75°以下のテーパ角をもつテーパ状の縁部を有する工程と;
    前記平坦化基板上に、複数の活性材料層を形成する工程と;
    第1の液体媒体中にバッファ材料を含む組成物の液相堆積によってバッファ層を形成する工程であって、前記バッファ層が第2の厚さを有し、該第2の厚さが前記第1の厚さより少なくとも20%厚い工程と;
    前記バッファ層上に、ピクセル開口を画定する化学薬品収容パターンを形成する工程と;
    第2の液体媒体中に第1の活性材料を含む組成物を、前記ピクセル開口の少なくとも一部内に堆積させる工程と;
    第2の電極を形成する工程と
    を含む方法。
  2. 前記平坦化層が、無機および有機平坦化材料から選択される材料を含む平坦化膜を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記平坦化材料が無機材料である請求項2に記載の方法。
  4. 前記無機材料が、SiOx、SiNxおよびSinxから選択される一般式を有する材料から選択される請求項3に記載の方法。
  5. 前記無機材料が、シリカおよび窒化ケイ素から選択される請求項4に記載の方法。
  6. 前記平坦化材料が有機材料である請求項2に記載の方法。
  7. 前記有機材料が、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、およびポリイミド樹脂から選択される請求項6に記載の方法。
  8. 前記テーパ角が40°以下である請求項1に記載の方法。
  9. 前記第2の厚さが、前記第1の厚さより少なくとも50%厚い請求項1に記載の方法。
  10. 前記第1の厚さが1500Å以下である請求項1に記載の方法。
  11. 前記第1の厚さが1200Å以下である請求項10に記載の方法。
  12. 前記第1の厚さが800Å以下である請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1の有機活性材料が、インクジェット印刷および連続ノズル印刷からなる群から選択される技術によって堆積される請求項1に記載の方法。
  14. 順に:
    TFT基板と;
    平坦化層と;
    第1の厚さを有する複数の薄い第1の電極構造体であって、該電極構造体が75°以下のテーパ角をもつテーパ状の縁部を有するものと;
    第2の厚さを有するバッファ層であって、該第2の厚さが前記第1の厚さより少なくとも20%厚いものと;
    ピクセル開口を画定する化学薬品収容パターンと;
    前記ピクセル開口の少なくとも一部における活性層と;
    第2の電極と
    を含む有機電子デバイス。
  15. 前記平坦化層が、無機および有機材料から選択される材料を含む平坦化膜を含む請求項14に記載のデバイス。
  16. 前記平坦化材料が無機材料である請求項15に記載のデバイス。
  17. 前記材料が、SiOx、SiNxおよびSinxから選択される一般式を有する請求項16に記載のデバイス。
  18. 前記材料が、シリカおよび窒化ケイ素から選択される請求項17に記載のデバイス。
  19. 前記平坦化材料が有機材料である請求項15に記載のデバイス。
  20. 前記有機材料が、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、およびポリイミド樹脂から選択される請求項19に記載のデバイス。
  21. 前記活性層が、エレクトロルミネッセンス材料を含む請求項13に記載の有機電子デバイス。
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