JP2011510599A - 共通パイロット・チャネルおよび専用パイロット・チャネルを使用する逆方向リンクチャネル推定 - Google Patents

共通パイロット・チャネルおよび専用パイロット・チャネルを使用する逆方向リンクチャネル推定 Download PDF

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Abstract

本発明は、複数のユーザに利用可能な少なくとも1つの共通パイロットと、複数の専用パイロットとを受信するように構成された複数のアンテナを有する受信機において実施されるチャネル推定の方法を提供する。各専用パイロットは、その複数のユーザのうち1名のユーザに割り当てられる。この方法は、第1のユーザに関連する少なくとも1つの第1のチャネル、および第2のユーザに関連する少なくとも1つの第2のチャネルを、その複数の専用パイロットの観測、およびその少なくとも1つの共通パイロットの観測に基づいて、推定することを含む。

Description

本発明は、一般に、通信システムに関し、より詳細には、無線通信システムに関する。
従来の無線通信システムは、基地局のネットワーク、基地局ルータ、および/またはネットワークに関連する地理的区域(またはセル)におけるアクセス端末装置に無線接続を提供するのに使用される他の無線アクセスポイントを含む。情報は、複数のチャネルを通常、含む無線通信リンクを使用する無線インターフェースを介してネットワークとアクセス端末装置の間で通信されることが可能である。これらのチャネルには、基地局からアクセス端末装置まで信号を送信する順方向リンク(またはダウンリンク)チャネルと、アクセス端末装置から基地局まで信号を送信する逆方向リンク(またはアップリンク)チャネルとが含まれる。これらのチャネルは、タイムスロット、周波数、スクランブル符号もしくはスクランブル系列、または以上の任意の組み合わせを使用して定義されることが可能である。例えば、CDMA(符号分割多元接続)システムにおけるチャネルは、直交符号または直交系列を使用してチャネル上で送信される信号を変調することによって定義される。別の例として、OFDM(直交周波数分割多重化)システムにおけるチャネルは、トーンまたは副搬送波として知られる直交周波数のセットを使用して定義される。
802.16e WiMAX、UMTS LTE(Long Term Evolution)、およびcdma2000 EV−DO改訂C UMB(Ultra Mobile Broadband)などの次(第4)世代無線システムは、直交周波数分割多元接続に基づく。OFDMAにおいて、送信される信号は、周波数領域において互いにほぼ直交する狭帯域トーンから成る。1つのタイムスロット(またはフレーム)の持続時間にわたって送信されるトーンのグループが、タイル、RB(リソース・ブロック)、またはベース・ノード(BN)としても知られる、最小のスケジューリング・リソース単位を構成する。タイルに属する様々なトーンは、OFDMAシステムによって使用される搬送周波数帯域全体にわたって散らばっている可能性があり、したがって、各タイル送信は、各副搬送波上で多様なチャネルおよび干渉を経験する。代替として、タイルは、タイルによって経験されるチャネルおよび干渉が、より局在化されるように、トーンの隣接するセットから形成されることが可能である。HARQ(ハイブリッド自動再送要求)が、OFDMAシステムの容量を増加させるのに使用される。この目的で、符号器パケット送信は、或る数のフレームごとに繰り返され、サブパケット再送の決まった許される最大回数を有する複数のHARQインタレースを含む。
最新の無線システムは、通常、順方向リンクと逆方向リンクの両方においてコヒーレント検出を実施する。このことは、アップリンク/ダウンリンク信号を送信するフェージング・チャネルの振幅および位相を推定する基準として使用されることが可能なパイロット信号(基準信号または訓練信号と呼ばれることも可能である)の送信を要求する。例えば、逆方向リンク上で、コヒーレント検出は、各ユーザが、そのユーザのサービング基地局にパイロット信号を送信することを要求する。異なる移動ユニット(または各移動ユニットにおける異なるアンテナ)からのパイロット信号が、時間、周波数、符号、または以上の組み合わせに関してデータと多重化され、さらに互いに多重化されることが可能である。通常、様々なユーザの間で、共通パイロット信号のセットが、定義され、分割される。例えば、図1におけるOFDMA(直交周波数分割多元接続)システムのようなOFDMAシステムにおいて、これらのトーンは、データ・トーン(図1における開いた円)と共通パイロット・トーン(図1における陰影付きの円)に分割される。各ユーザは、これらの共通パイロット・トーンのいくつかを、好ましくは、そのユーザに割り当てられたデータ・トーンの付近にあるトーンを利用して、そのユーザのパイロット信号を送る。例えば、ユーザAが、図1の左側のデータ・トーン上で送信し、したがって、この領域内の共通パイロットをやはり使用する。ユーザBが、図1の右側のデータ・トーン上で送信し、したがって、この領域内の共通パイロットをやはり使用する。
無線システムにおける高まりつつある傾向は、受信機に複数のアンテナを備えることである。これらのユーザからの送信は、様々な受信アンテナにわたる異なる空間特性のお陰で解決され、検出される(いわゆる空間多元接続または仮想MIMO)。このことは、数名のユーザが、各時間/周波数/符号リソースを共有することを可能にし、例えば、複数のユーザが、同一の周波数帯域上で、さらに同一の符号を使用して同時に送信することを許す。同時の信号を検出することは、受信機が、ユーザ・チャネルの各チャネルの振幅および位相の推定を有することを条件とする。これらの推定を獲得するための従来の技術は、関与するユーザのそれぞれからの別々のパイロット送信を使用する。これらの別々のパイロット送信は、それらの複数の受信アンテナに対応するユーザ・チャネルを定義するのに使用される。しかし、空間チャネルを定義するのに使用されるパイロット送信は、複数のユーザの間の衝突により、受信機が、別々のユーザのパイロット信号を検出し、ユーザ・チャネルの振幅および位相を特定する能力が大幅に低下するため、従来、共通パイロット信号を使用しては送信されない。
空間的に定義されたチャネルを実施する無線通信システムは、通常、共通パイロットに加えて、専用パイロットも含む。これらの専用パイロット・チャネルは、これらの専用パイロット・チャネル上で送信されるパイロット信号が、他のユーザによって送信される信号と衝突しないように、個々のユーザに割り当てられることが可能である。例えば、図2におけるOFDMA(直交周波数分割多元接続)システムのようなOFDMAシステムにおいて、これらのトーンは、データ・トーン(図2における開いた円)、共通パイロット・トーン(図2における陰影付きの円)、および専用パイロット・トーン(図2における陰影付きの境界を有する円)に分けられる。図2の左側のトーンの1つの範囲が、ユーザAおよびCに割り当てられ、さらに図2の右側のトーンの別の範囲が、ユーザBおよびDに割り当てられる。トーンの各範囲は、データ・トーン、共通パイロット・トーン、および特定のユーザに割り当てられることが可能な専用パイロット・トーンを含む。
トーンのいくつかを、専用パイロット・トーンとなるように割り当てることは、いくつかの欠点を有する。例えば、このシステムにおけるユーザをサポートするのに必要とされる専用パイロットの数は、空間多元接続を実行しているユーザの数とともに拡大縮小される。これに対して、共通パイロットの数は、ユーザのすべてが、共通パイロット・トーンを使用することが可能であるため、ユーザの数とともに拡大縮小されない。その結果、専用パイロット・トーンを実施するシステムにおける各ユーザに、(共通パイロット・トーンの潜在的な数と比べて)より少ない専用パイロット・トーンしか、通常、利用可能でない。例えば、図2において、各ユーザに、単一の専用パイロット・トーンが割り当てられるのに対して、図1に示されるような、空間多元接続のない対応するシナリオでは、各ユーザに、2〜3つの共通パイロットが割り当てられることが可能である。さらに、専用パイロットを使用する空間多元接続が実施される場合、共通パイロットは、異なるユーザによって送信されたパイロット信号間の衝突の確率が高いため、通常、チャネル推定のために使用されない。したがって、これらの共通パイロットは、浪費されるリソースである可能性がある。さらに、専用パイロット・チャネルの数がより少ないため、および共通パイロット・チャネルが利用できないため、空間多元接続システムは、空間チャネルを推定するのに利用可能である情報がより少ない可能性があるという理由で、チャネル推定の点で不利である(共通パイロット・チャネル・システムと比べて)。
本発明は、前述した問題のうち1つまたは複数の問題の影響に対処することに向けられる。以下に、本発明のいくつかの態様の基本的な理解をもたらすために、本発明の簡略化された概要を提示する。この概要は、本発明の網羅的な概観ではない。この概要は、本発明の重要な要素、もしくは不可欠な要素を特定することも、本発明の範囲を線引きすることも意図していない。この概要の唯一の目的は、後段で説明される、より詳細な説明の前置きとして、いくつかの概念を簡略化された形態で提示することである。
本発明の一実施形態において、複数のユーザに利用可能な少なくとも1つの共通パイロットと、複数の専用パイロットとを受信するように構成された複数のアンテナを有する受信機において実施されるチャネル推定のための方法が、提供される。各専用パイロットは、その複数のユーザのうち1名のユーザに割り当てられる。この方法は、第1のユーザに関連する少なくとも1つの第1のチャネル、および第2のユーザに関連する少なくとも1つの第2のチャネルを、その複数の専用パイロットの観測、およびその少なくとも1つの共通パイロットの観測に基づいて、推定することを含む。
本発明の別の実施形態において、少なくとも1名のユーザに関連する複数の送信アンテナに利用可能な少なくとも1つの共通パイロットと、複数の専用パイロットとを受信するように構成された複数の受信アンテナを有する受信機において実施されるチャネル推定のための方法が、提供される。各専用パイロットは、その複数の送信アンテナのうち1つに割り当てられる。この方法は、その複数の専用パイロットの観測、およびその少なくとも1つの共通パイロットの観測に基づいて、その複数の送信アンテナに関連する複数のチャネルを推定することを含む。
さらに本発明の別の実施形態において、複数のユーザに利用可能な少なくとも1つの共通パイロットと、複数の専用パイロットとを受信するように構成された少なくとも1つの受信アンテナをそれぞれが有する複数の受信機において実施されるチャネル推定のための方法が、提供される。各専用パイロットは、ユーザの一人に割り当てられる。この方法は、その複数の専用パイロットの観測、およびその少なくとも1つの共通パイロットの観測に基づいて、その複数のユーザに関連する複数のチャネルを推定することを含む。
本発明は、同様の符号が同様の要素を識別する、添付の図面と併せて解釈される、以下の説明を参照して理解することができる。
トーンの従来の割り当ての第1の例示的な実施形態を概念的に示す図である。 トーンの従来の割り当ての第2の例示的な実施形態を概念的に示す図である。 本発明による無線通信システムの1つの例示的な実施形態を概念的に示す図である。 本発明によるトーンの割り当ての1つの例示的な実施形態を概念的に示す図である。 本発明によるチャネル推定ロジックの第1の例示的な実施形態を概念的に示す図である。 本発明によるチャネル推定ロジックの第2の例示的な実施形態を概念的に示す図である。 本発明によるチャネル推定ロジックの第3の例示的な実施形態を概念的に示す図である。
本発明は、様々な変形形態および代替形態が可能であるが、本発明の特定の実施形態が、図面に例として示されており、さらに本明細書で詳細に説明される。しかし、特定の実施形態の本明細書の説明は、開示される特定の形態に本発明を限定することを意図しておらず、それどころか、意図されているのは、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内に入るすべての変形形態、均等形態、および代替形態を範囲に含むことであることを理解されたい。
本発明の例示的な実施形態を後段で説明する。簡明のため、実際の実施形態のすべての特徴を本明細書で説明することはしない。もちろん、いずれのそのような実際の実施形態の開発においても、実施形態ごとに異なる、システム関連の制約やビジネス関連の制約などの開発者の特定の目標を達するように、多数の実施形態特有の決定が行われるべきであることが認識されよう。さらに、そのような開発作業は、複雑で時間がかかる可能性があるが、それでも、本開示を利用する当業者には日常的な取り組みであることが認識されよう。
次に、本発明を、添付の図を参照して説明する。様々な構造、システム、およびデバイスが、単に説明の目的で、さらに当業者によく知られている詳細で本発明を不明瞭にしないように、図面に概略で示されている。それでも、添付の図面は、本発明の例示的な実施例を図示し、説明するように含められている。本明細書で使用される語および句は、当業者によるそれらの語および句の理解と合致する意味を有するように理解され、解釈されなければならない。用語または句の特殊な定義、すなわち、当業者によって理解される通常の、慣例的な意味と異なる定義が、本明細書における用語または句の一貫した用法によって暗示されることは全く意図していない。用語または句が特殊な意味、すなわち、当業者によって理解される以外の意味を有することが意図される限り、そのような特殊な定義は、その用語または句に関する、その特殊な定義を直接に、明確に与える定義の仕方で本明細書に明記される。
図3は、無線通信システム300の1つの例示的な実施形態を概念的に示す。例示される実施形態では、無線通信システム300は、対応する無線インターフェース315を介して移動ユニット310に無線接続を提供するのに使用される1つまたは複数の基地局305(またはアクセス・ネットワーク)を含む。移動ユニット310を示すのに、ユーザ、アクセス端末装置、加入者局、加入者端末装置などの他の用語が使用されることも可能であることが、本開示を利用する当業者には認識されよう。また、図3に示される基地局305および/または移動ユニット310の数は、例示的であることが意図され、本発明を限定するものではないことも、本開示を利用する当業者には認識されよう。代替の実施形態では、任意の数の基地局305および/または移動ユニット310が、無線通信システム300に含められることが可能である。
無線接続は、OFDMA(直交周波数分割多元接続)システムの容量を増加させるようにHARQ(ハイブリッド自動再送要求)を実施することが可能なOFDMA技術に基づく、802.16e WiMAX、UMTS LTE(Long Term Evolution)、およびcdma2000 EV−DO改訂C UMB(Ultra Mobile Broadband)などの次(第4)世代無線システムのために規定された標準および/またはプロトコルに準拠して提供されることが可能である。次世代の無線標準および/またはプロトコルに準拠して無線接続を提供するシステムを実施するため、および/または運用するための技術は、当技術分野で知られており、簡明のため、本発明に関係のある、システムを実施する、および/または運用する態様だけが、本明細書で説明される。さらに、本発明は、次世代無線通信システム、および/またはOFDMAを実施するシステムには限定されないことが、本開示を利用する当業者には認識されよう。代替の実施形態では、無線通信システム300は、他の標準/プロトコルに準拠して動作する任意の世代のシステムであることが可能である。
基地局305および/または移動ユニット310は、複数のアンテナを備えることが可能である。例示される実施形態では、基地局305は、無線インターフェース315を介して情報を送信する、および/または受信するのに使用することが可能な複数のアンテナ320を含む。各移動ユニット310に単一のアンテナのみが接続されていることが示されているものの、一般に、移動ユニット310は、複数のアンテナを含むことが可能である。基地局305および/または移動ユニット310に含められるアンテナ320の数は、設計上の選択の問題であり、無線通信システム300の異なる実施形態において異なる可能性がある。
基地局305における複数のアンテナ320の使用により、無線インターフェース315のチャネルが、アンテナ320と移動ユニット310の間で伝送される信号の空間特性の点で定義されることが可能になる。例えば、ユーザkにおける各送信アンテナと各受信アンテナの間のチャネル係数は、行列Hとして表されることが可能である。送信信号と受信信号の間の関係は、以下のとおり表されることが可能である。
y=Hx+n
ただし、xは、送信信号を含むベクトルであり、yは、各アンテナにおける受信信号のベクトルであり、nは、雑音ベクトルである。これらの空間的に定義されたチャネルは、数名のユーザ310が、無線インターフェース315に関連する各時間/周波数/符号リソースを共有することを可能にすることができる。例えば、複数の移動ユニット310が、同一の周波数帯域上で、さらに同一の符号を使用して同時に送信することができる可能性がある。これらの同時の信号を検出するために、基地局におけるチャネル推定ロジック325が、ユーザ・チャネルの各チャネルの振幅および位相の推定を行うのに使用される。チャネル推定ロジック325は、ハードウェアで、ファームウェアで、ソフトウェアで、または以上の任意の組み合わせで実施されることが可能であることが、本開示を利用する当業者には認識されよう。
例示される実施形態において、チャネル推定ロジック325は、1つまたは複数の共通パイロットの観測、および移動ユニット310に割り当てられた専用パイロットの観測を使用して無線インターフェース315のチャネルを推定する。本明細書で使用される「共通パイロット」という句は、複数の移動ユニット310によって共有され、さらに無線インターフェース315を介してパイロット信号を送信するのに使用される無線インターフェース・リソース(タイムスロット、周波数、および/または符号などの)を指すものと理解される。「専用パイロット」という句は、単一の移動ユニット310に、この移動ユニットが、無線インターフェース315を介してパイロット信号を送信することができるように、割り当てられた無線インターフェース・リソース(タイムスロット、周波数、および/または符号などの)を指すものと理解される。その他の移動ユニット310は、専用パイロットが割り当てられている場合、その専用パイロットを使用することから除外される。共通パイロットおよび/または専用パイロットを示すのに他の用語が使用されることも可能であることが、本開示を利用する当業者には認識されよう。例えば、WiMAXにおいて、共通パイロットは、「スロット・パイロット」と呼ばれ、専用パイロットは、「サウンディング・シンボル」と呼ばれる。
図4は、トーンの割り当ての1つの例示的な実施形態400を概念的に示す。例示される実施形態では、周波数トーンは、OFDMA(直交周波数分割多元接続)システムのために定義される。図4は、様々なチャネル(例えば、データ・チャネルおよび/またはパイロット・チャネル)が、周波数において1次元分布であることを示すものの、本発明は、この分布に限定されないことが、本開示を利用する当業者には認識されよう。代替の実施形態において、これらのチャネルは、無線インターフェースの複数のリソースに対応する複数の次元に分布していることが可能である。例えば、これらのチャネルは、代替として、時間および周波数において分布していてもよく、例えば、これらのチャネルは、2次元の時間−周波数のグリッドもしくは長方形に割り当てられることが可能であり、さらにこのグリッドの異なる部分が、データ、共通パイロット、および専用パイロットに割り当てられることが可能である。
例示される実施形態では、これらのトーンは、データ・トーン(図4における開いた円)、共通パイロット・トーン(図4における陰影付きの円)、および専用パイロット・トーン(図4における陰影付きの境界を有する円)に割り当てられる。各ユーザは、これらのトーンの一部分に割り当てられる。例示される実施形態では、ユーザAおよびCが、図4の左側のトーンに割り当てられ、さらにユーザBおよびDが、図4の右側のトーンに割り当てられる。ユーザは、共通パイロット・トーンの任意のトーンを、好ましくは、ユーザに割り当てられたデータ・トーンの付近にあるトーンを利用して、ユーザのパイロット信号を送ることができる。例えば、ユーザAおよびCは、これらのユーザに割り当てられたトーンに対応する周波数帯域内の共通パイロット上で、これらのトーンにおけるラベル「AC」で示されるとおり、送信する。ユーザBおよびDは、これらのユーザに割り当てられたトーンに対応する周波数帯域内の共通パイロット上で、これらのトーンにおけるラベル「BD」で示されるとおり、送信する。
例示される実施形態では、各ユーザに、ラベル「A」、「B」、「C」、および「D」、ならびに様々な専用パイロット・トーンで示されるとおり、1つの専用パイロット・トーンも割り当てられる。図4は、専用パイロットを、不定の期間にわたって単一のユーザに割り当てられた周波数であるものとして示すものの、本発明は、この割り当て技術に限定されない。代替の実施形態では、ユーザは、1つまたは複数の専用パイロットに動的に割り当てられてもよい。例えば、ユーザAが、選択された期間(および/または選択された数のタイムスロット)にわたって1つの専用パイロットに割り当てられることが可能であり、次に、その他のユーザが、その他の期間中に(またはその他のタイムスロット中に)、この専用パイロットに割り当てられることが可能である。また、これらのユーザは、異なる期間中、もしくは異なるタイムスロット中に、異なる専用パイロット・トーンに割り当てられることも可能である。さらに、ユーザは、1度に1つだけの専用パイロットを使用することに限定されない。一部の実施形態では、1名または複数名のユーザが、或る特定の期間中に複数の専用パイロットに割り当てられることが可能である。
図5は、チャネル推定ロジック500の第1の例示的な実施形態を概念的に示す。第1の例示的な実施形態において、チャネル推定ロジック500は、2段階チャネル推定プロセスにおいてユーザAおよびBに関連するチャネルを推定する。したがって、チャネル推定ロジック500は、ユーザAおよびBに関連するチャネルの予備的な推定を、これらのユーザに関連する専用パイロットの観測に基づいて、形成するのに使用されるチャネル・エスティメータ505を含む。また、チャネル推定ロジック500は、ユーザAおよびBに関連するチャネルの重なり合いを、これらのユーザによって使用される共通パイロットの観測に基づいて、推定するのに使用されるチャネル・エスティメータ510も含む。チャネル・エスティメータ505、510において実施されるチャネル推定アルゴリズムは、設計上の選択の問題である。しかし、一実施形態では、チャネル・エスティメータ505、510は、利用可能な、知られている情報(すなわち、専用パイロットおよび/または共通パイロットの観測)に基づいて、1つまたは複数の未知数(すなわち、チャネル)を推定する最小平均二乗基準を実施してもよい。最小平均二乗基準を使用して無線通信チャネルを推定するための技術は、当技術分野で知られており、簡明のため、本発明に関係のあるチャネル推定の態様だけを、本明細書でさらに説明する。
次に、ユーザに関連するチャネルの予備的な推定は、推定改良ロジック515に供給されることが可能である。チャネル・エスティメータ510は、ユーザAおよびBに関連するチャネルの重なり合いの推定を示す信号を、推定改良ロジック515に供給することも可能であり、推定改良ロジック515は、予備的な推定、およびチャネル重なり合いの推定を使用して、これらのユーザに関連するチャネルの改良された推定、および/または向上した推定を生成することができる。一実施形態では、推定改良ロジック515は、最小平均二乗基準を使用して、ユーザAおよびBに関連するチャネルの向上した推定を算出する。チャネル推定ロジック500の第1の例示的な実施形態は、実施するのが比較的簡単であり得るが、専用パイロット情報および共通パイロット情報が、問題解決の異なる段階に組み込まれるため、チャネルのそれほど正確でない推定をもたらす可能性がある。
図6は、チャネル推定ロジック600の第2の例示的な実施形態を概念的に示す。第2の例示的な実施形態において、チャネル推定ロジック600は、ユーザAおよびBに関するチャネルを、対応する専用パイロットの観測、および共通パイロットの観測に基づいて、推定するのに使用される2つのチャネル・エスティメータ605、610(すなわち、各ユーザにつき1つ)を含む。例えば、チャネル・エスティメータ605は、ユーザAに割り当てられた専用パイロットの観測を示す信号、およびユーザAおよびユーザBの両方によって使用される共通パイロットの観測を示す信号を受け取る。すると、チャネル・エスティメータ605は、ユーザAに関するチャネルを、対応する専用パイロット、および共通パイロット情報に基づいて、推定することができる。例えば、ユーザAに割り当てられた専用パイロットの観測、および共通パイロットの観測は、ユーザAに関するチャネルの推定を生成する、最小平均二乗基準アルゴリズムへの入力として使用されることが可能である。チャネル・エスティメータ610も同様に、ユーザBに関するチャネルを、ユーザBに割り当てられた専用パイロットの観測、および共通パイロットの観測に基づいて、推定することができる。
図7は、チャネル推定ロジック700の第3の例示的な実施形態を概念的に示す。第3の例示的な実施形態において、チャネル推定ロジック700は、ユーザAおよびBに関するチャネルを、対応する専用パイロットの観測、および共通パイロットの観測に基づいて、同時に推定するのに使用される1つのチャネル・エスティメータ705を含む。例えば、チャネル・エスティメータ705は、ユーザAに割り当てられた専用パイロットの観測を示す信号、ユーザBに割り当てられた専用パイロットの観測を示す信号、およびユーザAとユーザBの両方によって使用される共通パイロットの観測を示す信号を受け取ることが可能である。すると、チャネル・エスティメータ705は、ユーザAおよびユーザBに関するチャネルを、対応する専用パイロット、および共通パイロット情報に基づいて、推定することができる。例えば、ユーザAに割り当てられた専用パイロットの観測、ユーザBに割り当てられた専用パイロットの観測、および共通パイロットの観測が、ユーザAおよびユーザBに関するチャネルの推定を生成する、最小平均二乗基準アルゴリズムへの入力として使用されることが可能である。本発明は、2名のユーザに関するチャネルを推定することに限定されないことが、本開示を利用する当業者には認識されよう。代替の実施形態では、チャネル推定ロジック700は、任意の数のユーザに関するチャネルを推定することができる。チャネル推定ロジック700の第3の例示的な実施形態は、例えば、図5に示される第1の例示的な実施形態と比べて、実施するのが比較的複雑であり得るものの、チャネル推定は、チャネル推定ロジック700が、専用パイロットの観測と共通パイロットの観測の間の結合を考慮に入れることができるため、比較的、より正確であることが可能である。
本明細書で示される様々な実施形態は、複数のアンテナを備えた基地局が、複数のユーザからの信号を、同一の周波数帯域上で、さらに同一の符号を使用して同時に受信する無線通信システムを想定していた。しかし、本発明は、無線通信システムの、この構成には限定されないことが、本開示を利用する当業者には認識されよう。代替の実施形態では、本明細書で説明される技術は、無線通信システムの他の構成において適用されることが可能である。例えば、本明細書で説明される空間チャネル推定技術は、複数のアンテナが、同一の周波数帯域上で、さらに同一の符号を使用して信号を同時に送信している単一のユーザに適用されることが可能である。この事例において、各アンテナは、本明細書で説明される状況におけるユーザの役割をし、したがって、専用パイロットは、別々のアンテナに割り当てられ、各アンテナに関連するチャネルを推定するのに使用される。別の例として、本明細書で説明される空間チャネル推定技術は、同一の周波数帯域上で、さらに同一の符号を使用して同時に送信する複数のアンテナをそれぞれが有する、複数のユーザに適用されてもよい。各ユーザの各アンテナは、本明細書で説明される状況におけるユーザの役割をし、したがって、専用パイロットは、別々のアンテナに割り当てられ、各アンテナに関連するチャネルを推定するのに使用される。さらに別の例として、本明細書で説明される空間チャネル推定技術は、1名または複数名のユーザからのパイロットの協調した受信を実行する複数の基地局を含む無線通信システムに適用されることが可能である。この複数の基地局のそれぞれは、1つまたは複数のアンテナを含むことが可能であり、したがって、これらの基地局が協調させられる場合、複数のアンテナを介して通信を受信する単一のエンティティの役割をすることが可能である。
本発明のいくつかの部分、および対応する詳細な説明は、ソフトウェア、あるいはコンピュータメモリ内にデータ・ビットに対する操作のアルゴリズムおよび記号表現の点で提示される。これらの説明および表現は、当業者が、自らの作業の内容を他の当業者に効果的に伝える説明および表現である。アルゴリズムは、本明細書で使用される用語として、さらに一般的に使用される際、所望される結果につながるステップの自己矛盾のない系列と考えられる。これらのステップは、物理的量の物理的な操作を要求するステップである。通常、ただし、必然的にではなく、これらの量は、格納される、転送される、組み合わされる、比較される、およびそれ以外で操作されることが可能な光信号、電気信号、または磁気信号の形態をとる。ときとして、主に一般的な用法の理由で、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、項、数などと呼ぶことが好都合であることが、判明している。
しかし、これら、および類似する用語のすべては、適切な物理的量に関連付けられるべきであり、これらの量に付けられた便利なラベルに過ぎないことに留意されたい。特に明記しない限り、または説明から明白であるように、「処理すること」、または「算出すること」、または「計算すること」、または「判定すること」、または「表示すること」などの用語は、コンピュータ・システムのレジスタおよびメモリの内部の物理的な電子的量として表されるデータを操作し、コンピュータ・システム・メモリもしくはコンピュータ・システム・レジスタ、あるいは他のそのような情報格納デバイス、情報伝送デバイス、または情報表示デバイスの内部の物理的量として同様に表される他のデータに変換する、コンピュータ・システム、または類似する電子コンピューティング・デバイスのアクションおよびプロセスを指す。
また、本発明のソフトウェアによって実施される態様は、通常、何らかの形態のプログラム記憶媒体上に符号化される、またはいくつかのタイプの伝送媒体を介して実施されることにも留意されたい。このプログラム記憶媒体は、磁気型(例えば、フロッピー・ディスクもしくはハードドライブ)であっても、光学型(例えば、コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ、つまり、「CD ROM」)であってもよく、さらに読み取り専用型であっても、ランダム・アクセス型であってもよい。同様に、伝送媒体は、より対線、同軸ケーブル、光ファイバ、または当技術分野で知られている他の何らかの適切な伝送媒体であることが可能である。本発明は、任意の所与の実施の、これらの態様によって限定されない。
本発明は、本明細書の教示を利用する当業者には明白な、異なるが、均等の仕方で変形され、実施されることが可能であるため、前段で開示される特定の実施形態は、例示的であるに過ぎない。さらに、本明細書に示される構築または設計の詳細への限定は、添付の特許請求の範囲に記載される以外、全く意図されていない。したがって、前段で開示される特定の実施形態は、変更される、または変形されることが可能であり、すべてのそのような変形が、本発明の範囲内にあると考えられる。したがって、本明細書で求められる保護は、以下の特許請求の範囲に示されるとおりである。

Claims (10)

  1. 複数のユーザに利用可能な少なくとも1つの共通パイロットと、前記複数のユーザのうち1名のユーザにそれぞれが割り当てられた複数の専用パイロットとを受信するように構成された複数のアンテナを有する基地局において実施されるチャネル推定の方法であって、
    前記基地局において、第1のユーザに関連する少なくとも1つの第1のチャネル、および第2のユーザに関連する少なくとも1つの第2のチャネルを、前記基地局において実行される、前記複数の専用パイロットの観測、および前記少なくとも1つの共通パイロットの観測に基づいて、推定するステップを備える方法。
  2. 前記少なくとも1つの第1のチャネル、および前記少なくとも1つの第2のチャネルを推定するステップは、
    前記少なくとも1つの第1のチャネルを、前記第1のユーザに割り当てられた少なくとも1つの第1の専用パイロットの観測に基づいて、推定するステップと、
    前記少なくとも1つの第2のチャネルを、前記第2のユーザに割り当てられた少なくとも1つの第2の専用パイロットの観測に基づいて、推定するステップとを備える請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1のユーザ、および前記第2のユーザに関連する少なくとも1つの複合チャネルを、前記少なくとも1つの共通パイロットの前記観測に基づいて、推定するステップを備え、前記少なくとも1つの第1のチャネル、および前記少なくとも1つの第2のチャネルを推定するステップは、
    前記少なくとも1つの推定された第1のチャネルを、前記少なくとも1つの推定された複合チャネルに基づいて、改良するステップと、
    前記少なくとも1つの推定された第2のチャネルを、前記少なくとも1つの推定された複合チャネルに基づいて、改良するステップとを備える請求項2に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの第1のチャネルを推定するステップは、前記少なくとも1つの第1のチャネルを、前記第1のユーザに割り当てられた少なくとも1つの第1の専用パイロットの観測、および前記少なくとも1つの共通パイロットの前記観測に基づいて、推定するステップを備え、さらに前記少なくとも1つの第2のチャネルを推定するステップは、前記少なくとも1つの第2のチャネルを、前記第2のユーザに割り当てられた少なくとも1つの第2の専用パイロットの観測、および前記少なくとも1つの共通パイロットの前記観測に基づいて、推定するステップを備え、前記観測は、前記基地局において実行される請求項1に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つの第1のチャネル、および前記少なくとも1つの第2のチャネルを推定するステップは、前記少なくとも1つの第1のチャネルと前記少なくとも1つの第2のチャネルを、前記第1のユーザに割り当てられた少なくとも1つの第1の専用パイロットの観測、前記第2のユーザに割り当てられた少なくとも1つの第2の専用パイロットの観測、および前記少なくとも1つの共通パイロットの前記観測に基づいて、同時に推定するステップを備え、さらに前記少なくとも1つの第1のチャネルと前記少なくとも1つの第2のチャネルを同時に推定するステップは、前記少なくとも1つの共通パイロットの前記観測において示される前記第1のチャネルと前記第2のチャネルの結合を考慮に入れるように前記少なくとも1つの第1のチャネルと前記少なくとも1つの第2のチャネルを同時に推定するステップを備え、前記観測は、前記基地局において実行される請求項1に記載の方法。
  6. 少なくとも1名のユーザに関連する複数の送信アンテナに利用可能な少なくとも1つの共通パイロットと、前記複数の送信アンテナのうち1つにそれぞれが割り当てられた複数の専用パイロットとを受信するように構成された複数の受信アンテナを有する基地局において実施されるチャネル推定の方法であって、
    前記基地局において、前記複数の送信アンテナに関連する複数のチャネルを、前記基地局において実行される、前記複数の専用パイロットの観測、および前記少なくとも1つの共通パイロットの観測に基づいて、推定するステップを備える方法。
  7. 前記複数のチャネルを推定するステップは、
    前記複数のチャネルを、前記複数の専用パイロットの観測に基づいて、推定するステップと、
    前記複数のユーザに関連する少なくとも1つの複合チャネルを、前記少なくとも1つの共通パイロットの観測に基づいて、推定するステップと、
    前記複数の推定されたチャネルを、前記少なくとも1つの推定された複合チャネルに基づいて、改良するステップとを備える請求項6に記載の方法。
  8. 前記複数のチャネルを推定するステップは、前記複数のチャネルを、前記複数のユーザに割り当てられた前記専用パイロットの観測、および前記少なくとも1つの共通パイロットの前記観測に基づいて、同時に推定するステップを備える請求項6に記載の方法。
  9. 複数のユーザに利用可能な少なくとも1つの共通パイロットと、前記ユーザのうち1名のユーザにそれぞれが割り当てられた複数の専用パイロットとを受信するように構成された少なくとも1つの受信アンテナをそれぞれが有する複数の基地局において実施されるチャネル推定の方法であって、
    前記基地局において、前記複数のユーザに関連する複数のチャネルを、前記基地局において実行される、前記複数の専用パイロットの観測、および前記少なくとも1つの共通パイロットの観測に基づいて、推定するステップを備える方法。
  10. 前記複数のチャネルを推定するステップは、
    前記複数のチャネルを、前記複数の専用パイロットの観測に基づいて、推定するステップと、
    前記複数のユーザに関連する少なくとも1つの複合チャネルを、前記少なくとも1つの共通パイロットの観測に基づいて、推定するステップと、
    前記複数の推定されたチャネルを、前記少なくとも1つの推定された複合チャネルに基づいて、改良するステップとを備える請求項9に記載の方法。
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