JP2011509406A - 免疫グロブリン療法によるnk細胞調節に対する応答者及び非応答者の評価のためのアッセイ及び方法 - Google Patents

免疫グロブリン療法によるnk細胞調節に対する応答者及び非応答者の評価のためのアッセイ及び方法 Download PDF

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Abstract

免疫グロブリンを用いた疾患の治療又は疾患の予防に対する応答における免疫グロブリンによるNK細胞調節ための患者の感受性を決定する方法であって、該免疫グロブリンによって生じるナチュラルキラー細胞の調節を決定する、方法。

Description

本発明は、疾患の治療、又は疾患の予防に対する応答において患者が示す免疫グロブリンに対する感受性を決定する方法に関する。
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、先天性免疫系及び生体防御系の一部である。NK細胞の考えられる重要な機能は、ウイルスのような侵入者及び腫瘍細胞の攻撃にある。そのメカニズムは、特に、細胞内移行(cell internalisation)及びタンパク質分解後に前記侵入者の特定部分の提示に通常関与する、低いレベル又は皆無のレベルの主要組織適合性遺伝子複合体MHCクラスIを有するそれらの細胞の認識に基づくものであると推測されている。このような特徴により、NK細胞は、それらの攻撃を目的とするために、感染細胞を非感染細胞から識別するかもしれない。 特定のウイルスは、特定の宿主防御を回避し、MHCクラスI分子の輸送を阻むことさえするが、NK細胞の攻撃のターゲットになる。
ヒト細胞によって発現される特定のHLA対立遺伝子は自己を示し、上記の認識の特徴との組合せにおいて、「自己」の体細胞は、自己攻撃からの追加の安全機構を提供し、保護される。
殺傷の極めて効果的なメカニズムは、直接のNKターゲット細胞の接触を介して媒介される。NK細胞は、外来細胞に対して分子を放出する。これらの分子は、NK細胞の粒子から放出され、それゆえに、この効果は、貯蔵されたエフェクタ分子を遊離する脱顆粒と呼ばれており、NK細胞は、標的の細胞膜にチャンネル、又は標的の重度の損害、その「死」にさえ導く被覆を形成する、いわゆる「パーフォリン」を用いる。他の分子が、この攻撃に関与し、タンパク質分解のような他のメカニズムによって破壊効果を支持し、ここでは、NK細胞脱顆粒によってまた放出されるグランザイムBが関与する。サイトカインを含む、それらのシグナル化合物の放出は、他の細胞を攻撃及び活性化し、侵入者に対する複合的な攻撃、及び最終的には下方制御された防衛反応の結果となる。
腫瘍細胞がNK細胞によって攻撃及び破壊される場合、この殺傷力は、独特の癌治療のアプローチのために利用することができる。したがって、特別の化合物及び医療介入(interventions)が、NK細胞活性を支持し、かつNK細胞をより特異的に腫瘍細胞に対抗するように導くために、探索されている。
NK細胞は、宿主防御の重要な一部である。しかし、例えば、異なる疾患の理由又は過程において、これらの細胞の調節異常が生じると、それらは、末梢及び脳において臓器構造及び希突起膠細胞の攻撃のような、重大な病態生理学的結果を伴い、「自己構造(self-structures)」に対抗するように自己を導くことができる。このような欠陥及び自己攻撃をもたらすメカニズムは十分に理解されていないが、これらの細胞の制御を取り戻すこと、及びそれらの殺傷力を生理学的に妥当なレベルまで減少させることが必要とされる。殺傷効率は、脱顆粒及びエフェクター分子の放出に密接に関係しているので、このような脱顆粒を制御して、損傷を減少させることが目的である。したがって、NK細胞の作用を調節することができ、該作用及び続く損傷を減少/防止する、化合物を同定すること及び使用することが目的である。
免疫グロブリンは、多くの異なる化合物、構造及び細胞構造の部分としての構造をも含む標的を認識し、それらの生物学的効果を認識し、かつしばしば中和する、免疫系の先天的な一部である。免疫複合体は、「異質の」分子の除去に迅速に導かれて、消去される。よって、免疫グロブリンレベルを欠いた(或いは、減少した)患者が、重大な再発性の感染を受ける傾向がある事実によって実証されている通り、認識、結合及び除去の機能は、疑いなく重要な意味を持つ。侵入者に対するこの防御機能以上に、免疫グロブリンは、免疫系を平衡化し、かつ調節するに当たり、重要な調節機能を担っている。通常、プールされた献血又は血漿に由来し、専門家によく知られた方法により調整された免疫グロブリンが、IMID(免疫関与炎症性疾患;immune mediated inflammatory disease)及びいわゆるAID(自己免疫疾患;autoimmune diseases)の治療のために用いられているが、それらの定義は、疾患の同一の、又はオーバーラップした特徴を表現するものかもしれない。免疫グロブリン濃縮物は、通常、静脈(IVIG)又は皮下(SCIG)に投与されるが、筋肉内投与、吸入投与、点眼、経口投与、又は局所投与であってもよい。
自己免疫疾患における静脈投与の免疫グロブリン(IVIG)の有効性は1950年代に最初に報告されており、その時は、特発性血小板減少性紫斑病を患っていた患者を治療するために用いられた。そのうちに、多くの臨床研究が、自己免疫疾患においてIVIGの有益な効果を証明した。特に、IVIG治療は、ギラン・バレー症候群(GBS)、川崎症候群、慢性炎症性デミエリニシング多発性神経炎、重症筋無力症、及びコルチコステロイド抵抗性皮膚筋炎(corticosteroid-resistant dermatomyositis)において実績がある(エフレムら、2005;カザチキン及びカベリ、2001;ボロスら、2005(Ephrem et al., 2005; Kazatchkine and Kaveri, 2001; Boros et al., 2005))。その上、多発性硬化症(MS)における疾患進行再発率及びMRI増強病斑へのIVIGの好ましい効果が、臨床研究により証明された(ソレンセン・ピーエス、2003;ソレンセンら、2002(Sorensen PS, 2003; Sorensen et al., 2002))。
IVIGの作用の完全なメカニズムは未だ不明確であるが、F受容体の発現及び機能の調節、補体活性化の阻害、T細胞及びB細胞の活性化、分化因子、並びにエフェクター機能の調節を引き起こすようである(エフレムら、2005;カザチキン及びカベリ、2001;ボロスら、2005(Ephrem et al., 2005; Kazatchkine and Kaveri, 2001; Boros et al., 2005))。
IVIGの予防及び治療は、多くの患者においてうまく使用されている一方、それらの中には、IVIGの適用に不完全に又は全く応答しないケースもある。現在のところ、そのような非応答性を説明したり、又は免疫グロブリンの適用が患者において期待される効果的な働きに至るかどうかの予測を容易にする信頼性のある検査システムは存在しない。最近の研究で、例えば、反復自然流産において、NK細胞の数及び活性が流産又は正常な妊娠を予測するかもしれないこと、すなわち高い数/活性は不良な予後を生じることが示された。さらに、イン・ビトロで試験された免疫グロブリンとの相関関係が発見され、NK細胞の殺活性を明らかにした。しかし、NK細胞活性が、直接的又は間接的な態様で、免疫グロブリンによってどのように影響を受けるかについてのメカニズムは不明のままであり、したがって、進められる試験は、Cr51標識細胞株及び対応するCr51の放出の存在下におけるNK殺活性に注目するものであり、このパラメータによって評価を簡単にするものであった。さらに、上記の兆候が、例えば、IMID(免疫介在性炎症疾患;immune mediated inflammatory disease)の兆候の代表となるかどうかは、推論的なものである。
臨床及び実験免疫学、2000、121、506−514におけるアスファルターら(Asphalter et al in Clin Exp Immunol 2000, 121, 506-514)は、NKサブセットへのイン・ビボIVIG補充療法及び高用量のIVIG(2g/kg体重)の作用を開示している。IVIG療法(200−400mg/kg毎3週)の前後においてNK細胞における細胞内IFN−ガンマ(IFN-gamma)を測定した、細胞内NK・IFN−ガンマ・アッセイも開示されている。両アッセイのうちの少なくとも一つの測定が治療後に行われたが、応答者及び非応答者を区別する可能性は提供しない。
ジャーナル・オブ・リプロダクティブ・イミュノロジー、31(1996)、125−141におけるルイズら(Ruiz. et al. in Journal of Reproductive Immunology, 31 (1996), 125-141)は、それが標的として末梢血リンパ球を用いたNK細胞障害性アッセイに加えられた場合の、イン・ビトロにおいてNK活性を阻害するIVIGの免疫学的メカニズムに関係する。減少した51CR放出は、NK細胞障害性における減少を示した。Crは細胞表面に非特異的に結合するので、測定された放射能が脱顆粒に起因するものかは疑わしい。
ブラッド、110巻、No.9、9.11月、2007におけるサ−イン・サニャラクら(Tha - In Thanyalak et al. in Blood, Vol 110, No 9, 9. Nov. 2007)は、IVIGの存在下において18時間の間に成熟する樹枝状細胞(DC’s)及びナチュラルキラー(NK)細胞へのそれらの影響に関連する。NK細胞表現型へのこれらの細胞の作用は、5日後に、Fc−ガンマ−RIIIの発現の決定により調べられた。INF−ガンマ産生及びNK細胞の脱顆粒も、共培養IVIG−DC’sを用いて、48時間後に決定され、高含量のインターフェロン−ガンマを示した。最も興味深い点は、DC’s無しでIVIGを用いて処理したNK細胞のコントロール・サンプルが周縁部の活性化のみを示したことが観察されたことである。このように、サ−インは、IVIG−DC’sのみが、適切に、NK細胞の脱顆粒を活性化すると結論付けた。本願(IVIG−DC’sは本発明によって使用されていない)と比較して、異なる細胞を用いて行われた長期に渡るアッセイ(48時間及び5日)に加えて、疾患の治療に対する応答において免疫グロブリンに対するヒトの感受性の決定のために該発見を使用することについて、何ら指示は見受けられない。加えて、唯一の比較できるアッセイ(IVIGを用いて処理したNK細胞)は、本願と比較して矛盾する結果を示し、あいにく、何ら特定の状況は発表されず、実質的な比較は不可能であった(第3257頁、左欄、第3−7行)。
アーリー・プリグナンシー、IV巻、第154〜164頁におけるカワク・ジョアンら(Kwak Joanne Y.H. et al. in EARLY PREGNANCY, Vol IV, pp 154-164)は、追加の他の治療を未だ受けている、上昇したNK細胞レベルを伴った反復流産を有する者においてIVIG治療の臨床効果を調査した。NK細胞障害性及びCD16+の発現は、IVIG注入治療の7日後に顕著に抑制されることが判った。疾患の治療に対する応答において免疫グロブリンに対するヒトの感受性の決定のために該発見を使用することについて、何ら指示は見受けられない。
EP−A−1801234は、被験者が疾患にかかり易いか、あるいは自己免疫疾患を発病し易いかどうかを、組換え核酸コンストラクトを用いることによって予測するための診断方法に関連する。このようなコンストラクトは、本願によって使用されない。
イミュニティ、第26巻、No.1、1月、2007、第67〜78頁におけるパーク−ミン・キャング−ヒュンら(Park-Min Kyung-Hyun et al. in IMMUNITY, vol.26, no. 1, January 2007, pp 67-78)は、インターフェロン−ガンマに対する細胞応答へのIVIGの影響に関係するいくつかの調査を記載している。これらの調査は、ウィステリア・モノサイトジェネス(Wisteria monocytogenes)の観察及びマクロファージに主に基づくものであり、NK細胞は無い。
欧州特許出願公開第1801234号(EP−A−1801234)
臨床及び実験免疫学、2000、121、506−514におけるアスファルターら(Asphalter et al in Clin Exp Immunol 2000, 121, 506-514) ジャーナル・オブ・リプロダクティブ・イミュノロジー、31(1996)、125−141におけるルイズら(Ruiz. et al. in Journal of Reproductive Immunology, 31 (1996), 125-141) ブラッド、110巻、No.9、9.11月、2007におけるサ−イン・サニャラクら(Tha - In Thanyalak et al. in Blood, Vol 110, No 9, 9. Nov. 2007) アーリー・プリグナンシー、IV巻、第154〜164頁におけるカワク・ジョアンら(Kwak Joanne Y.H. et al. in EARLY PREGNANCY, Vol IV, pp 154-164) イミュニティ、第26巻、No.1、1月、2007、第67〜78頁におけるパーク−ミン・キャング−ヒュンら(Park-Min Kyung-Hyun et al. in IMMUNITY, vol.26, no. 1, January 2007, pp 67-78)
本発明の技術的課題は、免疫グロブリンの投与に対する応答者と非応答者とを識別するための方法を提供することである。
驚くべきことに、IVIG産物の形態にさらされた、免疫グロブリンの存在下におけるNK細胞は、イン・ビトロ全血検査システムにおいて調節されることを発見した。特に、IFN−ガンマ放出及びNK細胞脱顆粒が誘導され、一方、殺活性は減少する。その上、NK細胞の細胞表面上のCD16(FCγRIII)も調節される。
本発明の根底にある技術的課題は、免疫グロブリンを用いた疾患の治療又は疾患の予防に対する応答において患者が示す免疫グロブリンに対する感受性を決定する方法であって、該免疫グロブリンによって生じる、NK細胞の調節、及びナチュラルキラー細胞の脱顆粒の量を決定する、方法によって解決される。
脱顆粒という用語は、当業者に良く知られており、細胞膜との融合による分泌顆粒内容物の放出という意味を有する。
たいてい、細胞間接触によりNK細胞の脱顆粒を誘導するために、NK細胞標的(標識K562のような)細胞の存在が必要であり、それによって、NK細胞粒子からの兵器(上記参照)の放出によって、標的細胞の殺傷に影響を及ぼす。(K562を用いて測定したように)全血の免疫グロブリン(IVIG)への暴露が、標的細胞との細胞間接触と同等、或いはより効果的に、比較できる程の感受性のあるNK細胞のサブセットの脱顆粒を誘導することが発見された。これは、粒子化合物の細胞外間隙への放出を導く。細胞外間隙は、アッセイセットアップにおいて、培地又は溶液によって刺激され得る。特に、ナチュラルキラー細胞の脱顆粒の量は、当業者によって確立することができるイン・ビトロの方法において決定される。
例えば、全血を、約3時間のように特定の時間、IVIGインキュベーション又はプラセボコントロールによって刺激した。そして、抗ヒトCD107a又はアイソタイプコントロールが加えられ、試料を、例えば、約3時間、約37℃で、2×10のK562標的細胞と共に、インキュベートした。自発的及びIVIG誘導脱顆粒を検出するために、コントロール試料は、標的細胞無しにインキュベートした。その後、試料を、抗CD56及び抗CD3モノクローナル抗体を用いて染色し、続いて、検出工程、特に、フローサイトメトリー分析を行った。
NK細胞の陽性脱顆粒を有する患者は、免疫グロブリンを用いた治療によるNK細胞調節に感受性があるものとして決定される。
本発明の一の実施形態によれば、免疫グロブリンを用いた疾患の治療又は疾患の予防に対する応答において、患者が示す免疫グロブリンに対する感受性の決定は、転写産物のレベル、タンパク質のレベル、又は転写産物のレベル及びタンパク質のレベルを検出することによって行われる。
本発明の別の実施形態によれば、転写産物のレベル、タンパク質のレベル、又は転写産物のレベル及びタンパク質のレベルは、定量的に決定される。例えば、転写産物のレベルが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等の核酸検出方法によって決定され、及び/又は、タンパク質のレベルが、放出されたナチュラルキラー細胞タンパク質、及び/又はナチュラルキラー細胞の表面に発現したタンパク質を用いて決定される。
本発明のさらなる別の実施形態では、全血又は血球を、免疫グロブリンの存在下又は非存在下において、かつ刺激剤の存在下においてインキュベートし、続いて、免疫グロブリンの投与に対する固体の応答性を評価するために、IFN−ガンマ、IP−10、F−ガンマIII受容体、グランザイムB、パーフォリン、又はそれらの組合せからなる、NK細胞調節を示す群から選択されるイベント因子の測定を行う。「組合せ」と言う用語は、IFN−ガンマ及びIP−10、IFN−ガンマ及びF−ガンマIII受容体、IFN−ガンマ及びグランザイムB、IFN−ガンマ及びパーフォリン;IP−10及びF−ガンマIII受容体、IP10及びグランザイムB、IP−10及びパーフォリン;F−ガンマIII受容体及びグランザイムB、F−ガンマIII受容体及びパーフォリン;グランザイムB及びパーフォリン;IFN−ガンマ及びIP−10及びF−ガンマIII受容体;IFN−ガンマ、IP−10、グランザイムB;IFN−ガンマ及びIP−10及びパーフォリン;IFN−ガンマ及びグランザイムB及びパーフォリン;IP−10及びF−ガンマIII受容体及びグランザイムB;IP−10及びF−ガンマIII受容体及びパーフォリン;F−ガンマIII受容体及びグランザイムB及びパーフォリン;INF−ガンマ及びIP−10及びF−ガンマIII受容体及びグランザイムB;IP−10及びF−ガンマIII受容体及びグランザイムB及びパーフォリン;IFN−ガンマ及びIP−10及びF−ガンマIII受容体及びグランザイムB及びパーフォリンとして、当業者に十分に理解される。
測定されるイベント因子は、例えば、転写の量、及び/又はタンパク質の発現レベル、特に、イベント因子の定量的測定である。
本発明の一の実施形態では、刺激剤は、リポ多糖体(LPS)、フォルボル−12−ミリステート−13アセテート(PMA)、イオノマイシン、細胞表面タンパク質に結合するモノクローナル抗体(mAbs)又はそれらの組合せから選択される。「組合せ」という用語は、当業者に十分に明確であるが、組合せのリストは以下の通り例示される:LPS及びPMA、LPS及びイオノマイシン;LPS及び細胞表面タンパク質に結合するmAbs;PMA及びイオノマイシン;PMA及び細胞表面タンパク質に結合するmAbs;イオノマイシン及び細胞表面タンパク質に結合するmAbs;LPS及びPMA及びイオノマイシン;LPS及びイオノマイシン及び細胞表面タンパク質に結合するmAbs;PMA及びイオノマイシン及び細胞表面タンパク質に結合するmAbs;LPS及びPMA及びイオノマイシン及び細胞表面タンパク質に結合するmAbs。
通常は、アッセイにおいて使用される免疫グロブリンの量は、約0.01〜約100mg/mL、特に、約1〜約50mg/mLで変化しても良い。
約1〜約50mg/mLの範囲は、この用語によって、少なくとも1及び50の限定の間の各整数が包含されることを容易に理解する当業者に良く知られるものであり、特に、当業者は、1〜50の範囲において、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50;又は2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50の数値の組合せだけでなく、例えば、1,2,3又は2,3,5,6、及び該範囲に入る数値を単に並び替えることによって可能なその他の組合せも読み取る。
本発明の方法により得られる結果は、炎症媒介免疫疾患(inflammatory mediated immune disease)、自己免疫疾患及びアレルギーからなる群から選択される疾患の治療に関係する。
IVIGによる全血(WB)刺激後のNK細胞の脱顆粒(n=8)を示す図である。 約3時間及び約24時間後の全血試料の上清におけるグランザイムBを定量した結果を示す図である。 HD(n=19)(A)及びMS患者(n=16)(B)におけるIVIG(転写産物μL)によって誘導されたIFN−ガンマの遺伝子発現を調べた結果を示す図である。 24時間後にIVIGによって誘導されたタンパク質放出(IFN−ガンマ)を調べた結果を示す図である。 IVIG存在下及び免疫グロブリンを含有しないコントロールにおけるIP−10タンパク質レベルを示す図である。 IVIgによるCD16の下方調節及びCD56dim(薄暗い)NK細胞の脱顆粒、(A)IVIg又はコントロールを用いた3時間のインキュベーション後の全血におけるCD56CD3細胞上のCD16表面発現(%におけるMFI、コントロール=100%)、n=12、(B、C)IVIg(C)又はコントロール(B)を用いた3時間のインキュベーション後の全血におけるCD56dim(薄暗い)及びCD56bright(明るい)NK細胞上のCD107a外在化。CD107aを発現している総CD56dim(薄暗い)及びCD56bright(明るい)細胞のパーセントが示されている。 IVIgによるCD16の下方調節及びCD56dim(薄暗い)NK細胞の脱顆粒、(A)IVIg又はコントロールを用いた3時間のインキュベーション後の全血におけるCD56CD3細胞上のCD16表面発現(%におけるMFI、コントロール=100%)、n=12、(B、C)IVIg(C)又はコントロール(B)を用いた3時間のインキュベーション後の全血におけるCD56dim(薄暗い)及びCD56bright(明るい)NK細胞上のCD107a外在化。CD107aを発現している総CD56dim(薄暗い)及びCD56bright(明るい)細胞のパーセントが示されている。 IVIgは、パーフォリンとして決定された全血におけるNK細胞の脱顆粒を誘導する、IVIg又はコントロールを用いた全血の24時間のインキュベーション後の上清へのパーフォリン(A)放出(pg/mL)(n=12、p<0.005)。 IVIgは、全血におけるNK細胞の殺作用を減少させる。健常な固体からの全血試料を、約37℃で、約3時間、IVIg又はコントロールを用いて処理した。次に、NK細胞作用を、NK細胞感受性標的細胞K562に対する4時間の51Cr放出アッセイによって決定した。100μLの全血を用いてK562細胞の溶解が示されている(n=10、p<0.005)。
脱顆粒反応それ自身は、
a.)細胞の再構成反応を利用すること(表面分子の検出のような)
及び/又は
b.)化合物を含む粒子の放出
によって、感度良く検出することができる。
a.)の例としては、CD107a(LAMP1)表面発現が、NK細胞脱顆粒のマーカーとして知られている。フローサイトメトリー(例えば、FACS、蛍光標識細胞分取)のための標識抗体、断片又は親和性リガンドの特定の検出のような、専門家に知られた方法により測定された、モニターされるシグナル(例えば、蛍光)の増加は、実施例1により詳細に記載されるように、IgGの暴露に関し脱顆粒の有効性を示す。IgG暴露により誘導された脱顆粒の有効性及び状況を検出及び定量するために、脱顆粒に関連する細胞マーカーのその他の変化を利用することができる。このようなNK細胞粒子(溶解性リソソーム)化合物の典型は、タンパク質パーフォリン及びグランザイム(後者はプロテアーゼ、より詳細にはグランザイムB)であり、これらは、例えば、ELISAのような抗原検出システム又は(酵素及びプロテアーゼのための)直接酵素試験によって定量することができる。
記載した反応は、IVIG媒介イン・ビボ効果を予測するために利用することができるが、それは、イン・ビボ(生理学的)調節及びIVIG適用によって媒介される効果に関係する重要な反応を構成する。投与された免疫グロブリンによって直接誘導された、コントロール不良のNK細胞の「極度の疲労(exhaustion)」(NK細胞の兵器の放出)は、特定の期間、NK細胞の殺傷力を減少することができ、その結果、無調節な病原性の状態において、「自己」構造に対する細胞破壊力を減少させる。結果として、NK細胞の寄与に関係し、又はNK細胞の寄与によって開始される、病態生理学的なイベントが、IVIG、SCIG及び専門家に知られる他の形態の適用による免疫グロブリン予防及び治療のために示される。
免疫グロブリン予防及び治療の応答者/非応答者の同定は、他のパラメータ、それらの組合せ及び脱顆粒アッセイとの組合せによって達成することができる。この目的のために、全血アッセイだけでなく、分離した細胞についても、イン・ビボにおける免疫グロブリンの有効性を予測するために利用することができる。
インターフェロン−ガンマ(IFN−ガンマ)は、それらのパラメータに属する。そのmRNA(転写産物)は、全血又は、例えば、NK細胞のイン・ビトロ適用において誘導され、また、該細胞によって産生されるタンパク質レベルの増加によって示され、IP−10(CXCL10、他の機能の中でもT細胞及びNK細胞のための化学誘引物質)は、通常、IFN−ガンマの制御下にあり、すなわち、増加した場合に後者によって刺激される。全血アッセイシステムにおいて(バクテリア由来の)リポ多糖体を用い、それにより、病態生理学的状態を模倣すると、IFN−ガンマ及びIP−10の両方が、mRNA転写産物(数)及びタンパク質(放出)レベルで、上方制御される。(LPSを用いた刺激の上に)添加された免疫グロブリンの存在下において、免疫グロブリン無しのコントロールに比較して、IP−10の増加は、免疫グロブリンによって減少することが発見されたが、一方で、IFN−ガンマについては、相対的な減少は観察されなかった。この効果は、予想外であり、免疫グロブリンによる免疫調節性状の一部として理解され、このようにして、抗炎症反応として理解できる、IFN−ガンマ及びIP−10応答の部分的脱共役に繋がる。これに対応して、この効果は、IVIG適用に対する応答性が有望であるかどうかを評価するために、生体外(ex vivo)検査システム(潜在的なIVIG受容者からの全血)において利用することができる。
さらに、免疫グロブリンは、F−ガンマ−R型III(FC-gamma-R type III)の下方調節を誘導し、そのサブセットは、炎症反応に関係することが報告されているので、このパラメータはF−ガンマ−受容体調節に関するアッセイと組合せて使用することができる。よって、転写産物及びタンパク質の細胞表面発現の減少は、抗炎症側への生理を導くだろう。
さらに、これらのパラメータは、異なる遺伝的背景の患者を示す、インターロイキン−2受容体(IL−2R)、インターロイキン−7受容体(IL7−R)及びCD58等の一塩基多型(SNP)に関するアッセイと組合せることができる。
本発明及び各アッセイを、以下の実施例により、より詳細に説明する。
(実施例1)
<NK細胞脱顆粒アッセイ(CD107a)>
方法
100μLのヒト血液を100μLアッセイ培地(10%FCS及びペニシリン/ストレプトマイシン含有IMDM)で希釈し、37℃で3時間、少なくとも一度IVIGと共に、また、コントロールとして、少なくとも一度IVIG無しで、インキュベートした。そして、PE−Cy5結合抗CD107a mAb又はアイソタイプコントロールを加え、試料を、2〜3時間、37℃で、2×10のK562標的細胞と共にインキュベートした。自発的及びIVIG誘導脱顆粒を検出するために、コントロール試料は、標的細胞無しにインキュベートした。その後、試料を、FITC結合抗CD56mAb及びPE結合抗CD3mAbを用いて染色し、その後、フローサイトメトリーによる分析を行った。免疫グロブリン(5%又は10%IVIG、オクタガム、オクトファーマ・ピーピージーエムビーエイチ、ビエンナ、オーストリア(Octagam, Octpharma ppGmbH, Vienna, Austria))を、10mg/mLで全血に添加した。マルトース溶液を、マルトースを含有するIVIGのコントロールとして使用した。
結果
NK細胞の脱顆粒の誘導は、CD107a陽性細胞の増加する数によって証明することができた。8人の健常被験者の結果が図1に示されている。全ての健常被験者において、NK細胞の脱顆粒が誘導され、コントロール(マルトース)よりも、より顕著に効果的であることが判明した。K562細胞を、NK殺傷作用の評価のために使用した(コントロール:K562細胞+マルトース)。とりわけ、より強い効果が、標準K562細胞よりも、IVIGによってもたらされた。わずかに増強された脱顆粒の傾向が、IVIG及びK562細胞を組合せて用いた場合に観察された。
NK細胞上のF −ガンマ−III−受容体(CD16)発現
NK細胞上のF−ガンマ−III−受容体(CD16)を測定するために、100μLのIVIg又はコントロールで処理した全血試料(実施例1に記載の通り調整)を、PerCP−Cy5.5結合抗CD16、PE−Cy7結合抗CD56、及びパシフィックブルー結合抗CD3を用いて染色した後、フローサイトメトリー分析を行った。
IVIg治療は、CD16の表面発現を顕著に減少させた(p<0,005、n=12、図6A)。これらのデータは、IVIg媒介CD16の下降調節と一致しており、IVIgによるCD16の直接的な関与を示唆している。CD16は、CD56bright(明るい)の一方と比較して、より細胞障害性のあるNK細胞のCD56dim(薄暗い)集団上に発現している。このことは、IVIgによるCD16の直接的な関与は、観察されるNK細胞の自発的な脱顆粒の原因であることを示唆している。この仮説に一致する通り、我々は、IVIgは、CD56dim(薄暗い)/CD56bright(明るい)NK細胞集団における、CD107aの外在化を特異的に誘導することを発見した(図6B/C)。
(実施例2)
IVIG誘導脱顆粒によるグランザイムB、IFN−ガンマ及びパーフォリンの放出
約3時間及び/又は約24時間後の全血試料の上清におけるグランザイムBを定量する実験の設定を選択した(ELISA、サンクイン試薬(Sanquin Reagents)、アムステルダム、オランダによって測定)。(上記のIgG暴露により誘導された)グランザイムBの放出は、図2(3時間、n=6;24時間、n=8)に証明されるように、グランザイムB濃度の顕著な増加に繋がった。
IFN−ガンマ及びパーフォリンの測定は、約37℃における約3時間及び/又は約24時間のインキュベーション後に遠心分離により得られた全血培養物の上清により、ELISAによって行った。必要であれば、上清は、アッセイまで約−80℃で保存した。ELISAは、市販のキットを用いて、製造元(ダイアクロン(Diaclone)、ベサンコン(Besancon)、フランス)のプロトコルに応じて行った。コントロールの測定は、免疫グロブリン(IgG)の添加を除いて、同じ条件の下で行った。
全血試料におけるグランザイムB及びパーフォリンの測定により、IgG暴露後に自発的脱顆粒を確認した。CD107aのデータと一致するように、IVIgは、顕著なグランザイムBの放出を誘導し(p=0,002;n=12;ウイルコクソンの符号付き検定を、SPSSソフトウェアを用いて、統計分析に適用した。0.05未満のP値を有意であると考慮した。)、また、標的細胞無しで、パーフォリンにおいてよりわずかな増加(p<0,005;n=12)を誘導した。パーフォリンの結果は、図7に示されている。
(実施例3)
全血刺激及び免疫グロブリン適用のIFN−ガンマ及びIP−10レベルへの影響
健常ドナー(n=19)からのヘパリン添加静脈血を、7.5mLチューブ(サーステッド(Sarstedt)、ナンブレチト(Numbrecht)、ドイツ)に回収した。5%IVIG又は10%IVIGのストック溶液(オクタガム、オクトファーマ、ビエンナ、オーストリア(Octagam, Octpharma, Vienna, Austria))を、培地で、10mg/mLのIVIGの濃度に希釈した(各1:5、1:10)。免疫グロブリン製剤に応じたプラセボ溶液は、IVIGと同じように希釈した(培地において1:5又は1:10)。
リポ多糖体(LPS、シグマ、セントルイス、ユー・エス・エー)を、刺激のために、100ng/mLの濃度に希釈した。全血1mLを、3時間、37℃で、刺激の存在下又は非存在下で、1mLの培地、プラセボを含有する1mLの培地、又は10mg/mLのIVIGを含有する1mLの培地と共にインキュベートした。
メッセンジャーRNA及びcDNA合成を、標準の方法により行った。サーモサイクラーにおいて、ファースト・ストランドcDNA合成キット(RAS)及びプライマーとしてオリゴ−(dT)を用い、製造元のプロトコルを用いて、8.2μLのmRNAのアリコートを逆転写した。cDNA合成を停止した後、反応混合物を最終容量500μLに希釈し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析まで、−20℃で保存した。
ライトサイクラー(RAS)に最適化したパラメータ特異的プライマーセットを開発し、サーチ・エルシー・ジーエムビーエイチ(SEARCH-LC GmbH)(ヘイデルバーグ(Heidelberg)、ドイツ)から購入した。PCRを、ライトサイクラー・ファストスタートDNAサイバーグリーンIキット(LightCycler FastStart DNA Sybr Green I kit)(RAS)を用いて、該パラメータ特異的キットにおいて提供されているプロトコルに応じて行った。
RNAインプットは、二つのハウスキーピング遺伝子ベータ−アクチン及びサイクロフィリンBの平均的発現によって標準化した。データは、cDNAμL当たりの調製した転写産物として提示されている。
(プラセボに対して)IVIGにより刺激した全血におけるサイトカイン及びケモカインの放出を、高感度ELISA(ダイアクロン(Diaclone)、ベサンコン(Besancon)、フランス)、又はルミネックス(マルチプレックス)システム(バイオ−プレックス(Bio-Plex)、バイオラッド・ラボラトリーズ、ハークルズ(Hercules)、カリフォルニア、ユー・エス・エー)を用いて、24時間後に測定した。
37℃で、3時間の培養後のLPS刺激全血におけるサイトカイン及びケモカインの放出を測定するために、試料を遠心分離した。上清を直ちに回収して、−80℃で保存した。上清について、ビーディー・サイトメトリック・ビード・アレイ・キット(BD Cytometric Bead Array kits)(ヒトTh1/Th2サイトカインCBAキット、ヒトケモカインCBAキット、両方ともにビーディー・バイオサイエンス(BD Biosciences)、サンディエゴ、ユー・エス・エー)を用い、製造元のプロトコルに従って、測定した。
結果
18/19の健常被験者及び14/16のMS患者において、IFN−ガンマ遺伝子発現が、IVIGによって誘導された(図3a)及び3b)を参照)。
図3:HD(n=19)及びMS患者(n=16)におけるIVIG(転写産物μL)によって誘導されたIFN−ガンマの遺伝子発現。
図4は、24時間後に、IVIGによって誘導されたタンパク質放出(IFN−ガンマ)を示す(高感度ELISA)(n=10)。
しかし、添加された免疫グロブリンの暴露に対する反応強度における個々の差を取り消すと、免疫グロブリンを含有しないコントロール(LPSの存在下における設定)と比較した場合、IP−10タンパク質レベル(及び転写産物数、示していない)は、IVIGの存在下において、有意に、ほとんど増加しなかった(n=6)(図5)。
(実施例4)
51 Cr放出アッセイによるNK細胞障害性の評価
全血51Cr放出アッセイを、約3時間、約37℃で、IVIg又はコントロールを用いて、アッセイ培地(IMDM、10%FCS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシン)で血液を希釈することにより行い、次いで、V底96ウェルプレート上に分布させ、異なる血液希釈で、51Cr標識K562標的細胞と混合した。プレートを、約4時間、約37℃でインキュベートし、上清を回収した。51Cr放出をガンマカウンターで測定した。標的比率に対するエフェクターの計算のためにNK細胞の絶対数を決定するために、200μLの希釈した血液試料を、PE−結合抗CD56及びPE/Cy−5結合抗CD3mAb(モノクローナル抗体)と共に、氷上で、約20分間、インキュベートした。そして、20.000のFITC結合ビーズ(ライト・リファレンス・スタンダード(Right Reference Standard)、バングス・ラボラトリーズ(Bangs Laboratories)、フィッシャーズ(Fishers)、インディアナ(IN)、ユー・エス・エー)を加え、血液試料を、FACS溶解溶液(FACS Lysing Solution)(ビーディー・バイオサイエンシズ(BD Biosciences)、ヘイテルバーグ(Heidelberg)、ドイツ)を用いて、赤血球溶解に供試した。希釈した血液試料のNK細胞数を、[NK細胞/μL試料]=[(CD56+/CD3−細胞計数)/(ビーズ計数)]×100として計算した。
IVIg治療により、NK標的K562の溶解の有意な減少を生じた(p<0.005、n=10、図8)。
図1、3〜8に対する凡例:
図1:IVIGによる全血(WB)刺激後のNK細胞の脱顆粒(n=8)。
図6:IVIgによるCD16の下方調節及びCD56dim(薄暗い)NK細胞の脱顆粒、(A)IVIg又はコントロールを用いた3時間のインキュベーション後の全血におけるCD56CD3細胞上のCD16表面発現(%におけるMFI、コントロール=100%)、n=12、(B、C)IVIg(C)又はコントロール(B)を用いた3時間のインキュベーション後の全血におけるCD56dim(薄暗い)及びCD56bright(明るい)NK細胞上のCD107a外在化。CD107aを発現している総CD56dim(薄暗い)及びCD56bright(明るい)細胞のパーセントが示されている。
図7:IVIgは、パーフォリンとして決定された全血におけるNK細胞の脱顆粒を誘導する、IVIg又はコントロールを用いた全血の24時間のインキュベーション後の上清へのパーフォリン(A)放出(pg/mL)(n=12、p<0,005)。
図8:IVIgは、全血におけるNK細胞の殺作用を減少させる。健常な固体からの全血試料を、約37℃で、約3時間、IVIg又はコントロールを用いて処理した。次に、NK細胞作用を、NK細胞感受性標的細胞K562に対する4時間の51Cr放出アッセイによって決定した。100μLの全血を用いてK562細胞の溶解が示されている(n=10、p<0,005)。

Claims (12)

  1. 免疫グロブリンを用いたNK細胞撹乱による疾患の治療又は疾患の予防に対する応答において患者が示す免疫グロブリンに対する感受性を決定する方法であって、前記免疫グロブリンによるNK細胞調節を決定することによって行われる方法。
  2. ナチュラルキラー細胞の脱顆粒の量が、イン・ビトロ法で決定される、請求項1の方法。
  3. ナチュラルキラー細胞の陽性脱顆粒を有する患者は、免疫グロブリンを用いた治療に対して感受性があると決定される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 免疫グロブリンを用いた疾患の治療又は疾患の予防に対する応答において患者が示す免疫グロブリンに対する感受性を決定することが、転写産物レベル、タンパク質レベル、又は転写産物レベル及びタンパク質レベルの検出によって行われる、請求項1〜3のいずれか1項の方法。
  5. 転写産物レベル、タンパク質レベル、又は転写産物レベル及びタンパク質レベルが、定量的に決定される、請求項4の方法。
  6. 転写産物レベルが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)如く核酸検出法によって決定される、請求項1〜5のいずれか1項の方法。
  7. タンパク質レベルが、放出されたナチュラルキラー細胞タンパク質、及び/又はナチュラルキラー細胞表面上に発現するタンパク質を用いて決定される、請求項1〜6のいずれか1項の方法。
  8. 全血又は血球を、免疫グロブリンの存在下における少なくとも一のアッセイにおいて、かつコントロールとして免疫グロブリンの非存在下における少なくとも一のアッセイにおいて、刺激物の存在下で、インキュベートし、続いて、免疫グロブリンの投与に対する固体の応答性を評価するために、IFN−ガンマ、IP−10、F−ガンマIII受容体、グランザイムB、パーフォリン、CD107a、又はこれらの組合せからなる群から選択される、NK細胞調節を示す因子の発現によって、イベントの測定を行う、請求項1〜7のいずれか1項の方法。
  9. 測定されるイベントは、前記因子の転写の存在量及び又はタンパク質発現レベル、特に前記イベントの定量的測定である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記刺激物は、リポ多糖体(LPS)、フォルボル−12−ミリステート−13アセテート(PMA)、イオノマイシン、細胞表面タンパク質に結合するモノクローナル抗体又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項8又は9に記載の方法。
  11. アッセイに用いられる免疫グロブリンの量が、約0.01〜約100mg/mL、特に約1〜約50mg/mLである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 疾患が、炎症媒介免疫疾患、自己免疫疾患、及びアレルギーからなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
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