JP2011507670A - 生物分解性ポリマー - Google Patents

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Abstract

【課題】内部ジスルフィド結合を持つ生物分解性ポリマーおよび該ポリマーを含む、移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイスを提供する。
【解決手段】本発明の一局面によれば、ジスルフィド結合によって結合された、複数の十分に定義されたポリマーセグメントを持つポリマーが提供される。
これらのジスルフィド結合が破壊された場合、多数の低分子量のより小さなポリマーが生成する。本発明のもう一つの局面によれば、移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイスが提供され、該デバイスは、ジスルフィド結合によって結合された、複数の十分に定義されたポリマーセグメントを持つポリマーを含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般的には生物分解性ポリマーに係り、より詳しくは、内部ジスルフィド結合を持つ生物分解性ポリマーおよび該ポリマーを含む、移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイスに関するものである。
生物分解性ポリマーは、医療用デバイス用途および特に移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイスにおける用途を含む、広範囲に及ぶ用途を持つ。このような場合において、該デバイスは、例えば移植した際に初期生体適合性を起動させ、これを増強しあるいは改善するために、生物分解性ポリマーで被覆することができる。一旦、該デバイスが生体内に移植され、かつそこで安定化されたら、多くの場合においては、該ポリマーを分解させることが望ましい。医療用デバイスにおいて利用されている、多くのこのようなポリマーがあり、これらは、主として、ポリラクチドおよびポリグリコライド並びにポリ(ラクチド-co-グリコライド)を包含する、ポリエステル群から選択される。しかし、重大な問題があり、それは、これらポリマーが分解した場合、その分解生成物が広範囲に渡る分子量を有し、またその結果として、該系が予想外の系に相当し、該系が、例えば結晶性粒子に起因する異物応答、酸性分解副生成物の存在による炎症性応答および/または機械的な完全性の喪失に伴う用量低下等を含む、ある範囲に及ぶ生物学的作用に導くことである。この主な制限を解消するためには、新たな生物分解性ポリマー系の使用が望ましい。理想的には、このような系は、十分に制御された分子量をもつ分解生成物を生成し、また該生物分解速度を調和するように調節することのできる基を組込み得る能力を持ち、また様々な他の特徴の中でも特に、容易に合成できる性質を持つものであろう。
本発明の一局面によれば、ジスルフィド結合によって結合された、複数の十分に定義されたポリマーセグメントを持つポリマーが提供される。これらのジスルフィド結合が破壊された場合、より低い分子量をもつ、多数のより小さなポリマーが生成する。
本発明のもう一つの局面によれば、移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイスが提供され、該デバイスは、生物分解性ポリマー領域を含み、該領域は更にジスルフィド結合によって結合された、複数の十分に定義されたポリマーセグメントを持つポリマーを含む。
このような生物分解性ポリマーの利点の一つは、これらが、最終的に極めて均一なサイズを持つ、分解生成物にまで分解されることにある。
本発明のこれらのおよび他の局面、態様および利点は、以下の詳細な説明および添付した特許請求の範囲を検討した際に、当業者にとっては、直ちに明らかになるであろう。
より完全な本発明の理解は、本発明の多数の局面および態様に係る、以下の詳細な説明を参照することによって達成することができる。以下の本発明の詳細な説明は、例示を目的とするものであり、本発明を限定するためのものではない。
上で述べたように、一局面において、本発明はポリマーを提供するものであり、該ポリマーは、ジスルフィド結合によって結合された、複数のポリマーセグメントを持つ。これらの結合が破壊された場合、複数のより低分子量を持つより小さなポリマー(ここでは、「ポリマー分解生成物」または「ポリマーフラグメント」とも呼ぶ)が生成される。
本発明のもう一つの局面によれば、移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイスが提供され、該デバイスは、生物分解性ポリマー領域を含み、該領域は更にジスルフィド結合によって結合された、複数のポリマーセグメントを持つポリマーを含んでいる。
ジスルフィド結合は、例えば還元剤、求核試薬、求電子試薬に暴露することにより、光化学的に、あるいは酵素還元により分解することができる。ジスルフィド結合は、生物分解性であることが知られている(例えば、X.Z. Shu等, Biomaterials, 2003, 24, 3825-3834を参照のこと)が、恐らくは、合成上の問題並びに体内への同化速度を越える制御性の欠如によるものと思われる、極限られた注目を集めているに過ぎない。
以下においてより一層詳しく論じられるように、ジスルフィド結合は、広範囲のポリマー物質に組込むことができる。例えば、これらは、疎水性ポリマーに組込むことができ、またその結果として、ジスルフィド結合は、典型的にはインビボにおいて非-分解性である、ポリマー系の生物分解を可能とする。逆に、該結合は、所望ならば、親水性ポリマーに組入れることも可能である。
本発明を実施するための医療デバイスの例は、移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス、例えばステント(冠状血管ステント、末梢血管ステント、大脳、尿道、尿管、胆管、気管、胃腸管および食道ステントを含む)、ステント被覆、カテーテル(例えば、腎臓または血管カテーテル、例えばバルーン付きカテーテルおよび様々な中心静脈カテーテル)、ガイドワイヤ、バルーン、フィルタ(例えば、大静脈フィルタおよび末梢保護デバイス(distal protection device)用メッシュフィルタ)、ステント移植片、脈管移植片、腹部大動脈瘤(AAA)デバイス(例えば、AAAステント、AAA移植片等)、脈管アクセス口、透析口、大脳動脈瘤充填コイルを含む塞栓形成デバイス(ガグリルミ(Guglilmi)着脱式コイルおよび金属コイルを包含する)、塞栓剤、拡張(bulking)剤、中隔欠損閉塞デバイス、心筋プラグ、パッチ、ペースメーカー、ペースメーカーリード線用被覆を含むリード線用被覆、細動除去装置リード線およびコイル、左心室支援型心臓およびポンプを含む心室支援デバイス、全人工心臓、シャント、心臓弁および脈管弁を含む弁、吻合クリップおよびリング、移植蝸牛刺激装置、組織拡張デバイス、および軟骨用の組織処理用骨格、骨、皮膚および他のインビボ組織再生、縫合糸、縫合糸固定装置、外科手術部位の組織ステープルおよび結サツ用クリップ、カニューレ、金属ワイヤ結サツ糸、尿道三角巾、ヘルニア「メッシュ」、人工靭帯、整形外科学的補綴装置、例えば骨移植片、骨薄板、フィンおよび融合デバイス、関節補綴器具、脊椎板および核、並びに身体内に移植されまたは挿入されるあらゆる被覆基板を包含する。
幾つかの態様において、本発明の生物分解性ポリマー領域は、全医療用デバイスに相当する。他の態様において、該生物分解性ポリマー領域は、医療デバイスの1またはそれ以上の部分に相当する。例えば、該生物分解性ポリマー領域は、1またはそれ以上の医療用デバイスの部材の形状、医療用デバイスに組込まれる、1またはそれ以上の繊維の形状、下部基板全体またはその一部のみに渡って形成された、1またはそれ以上のポリマー層の形状等であり得る。下部医療デバイス基板として使用するための材料は、セラミックス、金属およびポリマー基板を含む。基板材料は、またとりわけ炭素またはケイ素を主成分とする材料であり得る。下部基板上の様々な位置に、かつ様々な形状(例えば、一連の矩形、ストライプ、または任意の他の連続的または不連続的なパターン形状)で、層を設けることができる。ここで使用する、与えられた材料の「層」とは、該材料の長さおよび幅両者と比較して厚みが小さい(例えば、20%またはそれ以下、しばしばそれよりも一層小さい)、該材料の領域である。ここで使用するように、層は、例えば下部基質の輪郭を有する平坦面である必要はない。層は不連続(例えば、パターン化されたもの)であり得る。
ここで使用する「ポリマー領域」とは、例えば50質量%またはそれ以下乃至75質量%まで、90質量%まで、95質量%まで、97.5質量%まで、99質量%まで、あるいはそれ以上までのポリマーを含む領域(例えば、全デバイス、デバイス部材、デバイスの被覆層等)である。
ここで使用する「ポリマー」とは、1またはそれ以上の、一般的にモノマーと呼ばれる構成単位の多数の複製(例えば、2乃至5まで、10まで、25まで、50まで、100まで、250まで、500まで、1000までまたはそれ以上の複製)を含む分子である。ここで使用する用語「モノマー」とは、遊離モノマーおよびポリマー内に組込まれたモノマーを意味することができ、これらの区別は、該用語が使用されている内容から明らかである。
ポリマーは多数の形状をとることができ、該形状は、例えば特に環状、線状および分岐形状から選択することができる。分岐形状は、星-型形状(例えば、3個またはそれ以上の鎖が、単一の分岐点から広がる形状)、櫛型形状(例えば、「グラフト」形状とも呼ばれる、主鎖と複数の側鎖とを持つ形状)、樹枝状の形状(例えば、樹枝状ポリマーおよび超分岐(hyperbranched)ポリマー)、網状組織形状(例えば、架橋ポリマー)等を含む。
ここで使用する「ホモポリマー」とは、単一の構成単位(モノマー)の多数の複製を含むポリマーである。「コポリマー」とは、少なくとも2種の異種の構成単位(モノマー)の多数の複製を含むポリマーであり、その例は、無秩序、ランダム、グラジエント、周期的(例えば、交互)およびブロックコポリマーを含む。
ここで使用する用語「セグメント」とは、ポリマーの一部である。
ここで使用する用語「(連)鎖」とは、線状ポリマーまたはその一部、例えば線状ポリマーセグメントである。
ここで使用する用語「生物分解性」ポリマー領域とは、インビボにて、複数のより小さな低分子量のポリマーに分解される、ポリマーを含む領域である。
幾つかの態様において、該生物分解性ポリマー領域は、架橋されていない生物分解性ポリマー領域である。架橋されていない領域は、例えばこれらが、架橋されている領域と比較して、一般的に様々な形状に加工することが容易である(例えば、これらは噴霧し、押出し等に付することができる)点において有利である。
ここで使用する「架橋されていない(非-架橋)ポリマー領域」とは、線状、分岐、その他であれ、該領域を形成するポリマーが、単一の高分子量網状構造を形成するように、相互に共有結合されていない領域である。しかし、非-架橋ポリマー領域は、1またはそれ以上の架橋された部分を含む個々のポリマー分子を含むことができる(即ち、分子は架橋されていてもよいが、該ポリマー領域自体は架橋されていない)。例えば、架橋されたコアおよび線状のアームを持つポリマー分子を、以下において更に説明する(例えば、特に架橋されたポリジメタクリレートコアおよびポリメチルメタクリレートアーム;
Figure 2011507670
を持つ星型コポリマー)。これを、本発明の非-架橋ポリマー領域において使用することができる。
ここで使用する「多分散性」とは、重量平均分子量対数平均分子量の比である。これは、ポリマーサンプルの分子量分布に関する指標を与えてくれ、1.0〜1.5なる範囲の値は、狭い分子量分布を表す。この多分散性は、サンプル内の全てのポリマーが同一のサイズを持つ場合に、1なる値を持つ。
上述の如く、一局面において、本発明は、移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイスを提供するものであり、該デバイスは、生物分解性ポリマー領域を含み、該領域は更にジスルフィド結合によって結合された複数のポリマーセグメントを持つポリマーを含む。
このようなデバイスの一利点は、該ポリマーの分解生成物の分子量分布を、並びに分解率を調整できることにある。それ故に、生物学的作用の範囲(例えば、炎症性応答等)を制御することができる。例えば、幾つかの態様において、これらポリマー内部のジスルフィド結合を破壊した際に生じる、該ポリマーの分解生成物は、狭い多分散性、例えば1.1乃至1.2、乃至1.3、乃至1.4、乃至1.5なる範囲の値を持つ。
該デバイスのもう一つの利点は、幾つかの態様において、該デバイスが治療薬放出のための媒介物として使用できることにある。該系の調節可能性のために、治療薬放出の速度を、所定の用途に対して適合させることができる。
概して、所定の液体(例えば、生理的流体)に対する与えられたポリマーの溶解度は、分子量の減少に伴って増大するであろう。その上、多くのポリマーにとっては、臨界分子量が存在し、それ以下で該ポリマーは溶解し得る。勿論、これは他の多くの因子の中でも、特に問題とする該ポリマーの親水性の度合いに応じて変動する。本発明の様々な態様において、該元のポリマーのサイズは、この臨界分子量以上であり(また結果として不溶性であり)、一方で該ポリマーの分解生成物のサイズは、この臨界分子量以下(従って、溶解性)となるように選択される。その上、該ポリマーフラグメントが腎臓を介して身体から排除されるデバイスにおいて、可溶性であっても、該ポリマーの分解生成物の分子量は、この経路を介して身体から、該フラグメントの除去を阻害する程に大きなものであってはならない。この点に関連して、幾つかの態様において、該ポリマーフラグメントは、その分子量において、30kDaを越えてはならず、より好ましくは20kDaを越えてはならず、またより一層好ましくは10kDaを越えてはならない。
幾つかの態様において、本発明のデバイスの該ポリマー領域は、更に還元剤、例えばその放出が治療上適切な時点に開始されて、該ポリマー領域の分解を促進する、チオプロピル-アガロース、2-メルカプトエタノール、ジチオスレイトール、トリ-n-ブチルホスフィン、トリス-2-カルボキシエチルホスフィン、グルタチオン、または他の連鎖溶解触媒を備えている。例えば、還元剤は、壁部に磁性粒子または金属粒子を含むマイクロカプセル内に封入することもでき、外部の交流式磁場を利用して、該粒子内に運動(例えば、振動、回転)または熱(例えば、渦電流を介して)を誘発し、これにより該カプセルシェルを破壊し、またはその透過性を高めることができる。このようなマイクロカプセル化された系の具体例としては、Z. Lu等, Langmuir, 2005, 21 (5), 2042-2050を参照のこと。この文献には、磁場を利用して高分子電解質製マイクロカプセルの透過性を調節しており、該マイクロカプセルは、層毎の自己組織化によって調製され、また該カプセル壁内部に埋設された、常磁性金-被覆コバルトナノ粒子を含んでいる。外部交流式磁場が、該埋設されたナノ粒子を回転させるために適用され、該磁場は該カプセル壁を撹乱し、かつ歪ませ、巨大分子、特にFITC-標識デキストランに対するその透過性を大幅に高める。
本発明において使用するための生物分解性ポリマーは、「リビング(living)」フリーラジカル重合法、例えば金属触媒を用いた原子トランスファー(atom transfer)ラジカル重合(ATRP)または他のラジカル重合法を用いて製造することができる。制御されたフリーラジカル重合(CRP)とも呼ばれる、リビングフリーラジカル重合は、本発明の様々な態様において好ましいものであり、その理由は、これらが、フリーラジカル重合の望ましからぬ性質と、リビングフリーラジカル重合法の与える多分散性、構造および分子量の制御能とを組合せて使用しているからである。CRP法は、文献中に十分に詳細に説明されており、また例えばPyunおよびMatyjaszewski,「制御された/「リビング」ラジカル重合を利用する、ナノ複合有機/無機ハイブリッド材料の合成(Synthesis of Nanocomposite Organic/Inorganic Hybrid Materials Using Controlled/”Living” Radical Polymerization)」,Chem. Mater., 13:3436-3448 (2001);B. Reeves,「リビングフリーラジカル重合における最近の進歩(Recent Advances in Living Free Radical Polymerization)」,11月20, 2001, フロリダ大学(University of Florida);およびT. Kowalewski等,「ATRPにより調製されたセグメント化コポリマー由来の複合ナノ構造化材料(Complex nanostructured materials from segmented copolymers prepared by ATRP)」, Eur. Phys. J. E, 10, 516 (2003)等の論文に記載されている。
ATRPは、様々な官能基(例えば、特にアルコール、アミン、およびスルホネート基)に対して高い許容度を持つので、特に頻繁に見られるフリーラジカル重合技術であり、従って多くのモノマーの重合を可能とする。ATRPによるモノマーの重合において、ラジカルは、通常有機ハライド開始剤および遷移金属錯体を用いて生成される。有機ハライド開始剤の幾つかの典型的な例は、アルキルハライド、ハロエステル(例えば、メチル2-ブロモプロピオネート、エチル2-ブロモイソブチレート等)、およびベンジルハライド(例えば、1-フェニルエチルブロミド、ベンジルブロミド等)を含む。広範囲に及ぶ遷移金属錯体を使用することができ、その例は、様々なRu-、Cu-、Os-およびFe-を主成分とする系を包含する。ATRP重合反応において使用できるモノマーの例は、特に様々な不飽和モノマー、例えばアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ビニルエステル、ビニル芳香族モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、および4-ビニルピリジンを含む。ATRPにおいては、該重合の終了時点において、該ポリマー鎖は、ハロゲン原子でキャップされ、該ハロゲン原子は、SN1、SN2またはラジカル化学を介して容易に変換されて、他にも多数ある中で、特にアミノ基等の他の官能基を与えることができる。官能性は、また他の方法、例えば該ラジカル重合工程に関与しない官能基を含む開始剤を使用することにより、該ポリマー内に導入することもできる。その例は、特にエポキサイド、アジド、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、およびアリル基を持つ開始剤を含む。更に、官能基は、上記モノマー自体に存在していてもよい。
更に、CRP法、例えばATRPは、ジスルフィド結合に基く、生物分解性ポリマー系の製造に特別に適したものであることも分かった。更に、上述の如く、ATRP法により生成したポリマーは、十分に制御された多分散性、典型的には1.5未満の多分散性を呈し、並びに転化プロフィール(conversion profiles)に対して線形関係にある分子量は、分子量の予測を可能とする。
結果として、ポリマーはジスルフィド結合を持つように生成でき、これは分解の際に、既知サイズおよび組成を持つ生成物を与える。この事実は、例えば分解生成物および分解速度の調節を可能とし、これら両者は、医療用デバイス用途において極めて望ましいものである。
内部ジスルフィド結合を持つポリマーが、合成されている。例えば、N.V. Tsarevsky等, Macromolecules, 2005, 38, 3087-3092は、内部ジスルフィド結合を持つ分解性ポリメタクリレート:
Figure 2011507670
の製造を開示している。より具体的には、メチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレートおよびベンジルメタクリレートのポリマーを、適当なATRP触媒を用いて、内部ジスルフィド結合、具体的にはビス[2-(2-ブロモイソブチリルオキシ)エチル]ジスルフィド:
Figure 2011507670
を持つ二官能性ジハライド開始剤を使用して製造している。このジスルフィド結合は、トリブチルホスフィンで還元することによりチオールに開裂された。
同様に、N. V. Tsarevsky等, Macromolecules, 2002, 35, 9009-9014は、内部ジスルフィド結合を持つ分解性ポリスチレン:
Figure 2011507670
の、内部ジスルフィド結合を持つ同様なジハライド開始剤、特にビス(2-ヒドロキシエチル)ジスルフィドの2-ブロモプロピオン酸ジエステル:
Figure 2011507670
を使用した、同様な条件下でのATRPによる製造を記載している。この内部ジスルフィド結合を、ジチオスレイトールによる還元によって開裂して、該親化合物の分子量の約1/2の分子量をもつ、対応するチオール末端を有するポリスチレンを生成した。
また、同様なATRP条件下で、ジメチル2,6-ジブロモヘプタンジオエートを開始剤として用いた、ジブロモ末端を有するポリスチレン:
Figure 2011507670
の合成も開示されている。得られたアームは、ハライド末端を持つものであり、更に付随的なモノマーによる連鎖延長を行うことができる。
チオジメチルホルムアミドを使用して、該臭素末端基を、以下の式で表されるチオール官能基に転化した:
Figure 2011507670
得られるこのポリマーは、二官能性であるので、例えばFeCl3による酸化を通して、多数の内部ジスルフィドブリッジを持つ、以下の式で表されるような高分子量ポリマーへと、相互にカップリングすることができる:
Figure 2011507670
上記ポリマーは線状ポリマーである。該生物分解過程(および幾つかの態様における、結果としての上記治療薬の放出)の更なる調節を、更に複雑な構造の生成を通して達成することができる。その例は、星型ポリマーおよび所謂ミクトアーム(miktoarm)星(即ち、化学的に異なるアームを持つ星型ポリマー)を含む。この星型ポリマーの生成能力は、また超分岐またはデンドリマー型の系を生成する可能性に導く。
特別な一つの例として、H. Gao等, Macromolecules, 2005, 38, 5995-6004には、ATRPを介する分解性星型ポリマーの提案された合成法が記載されており、ここでは、分解性のジスルフィド結合:
Figure 2011507670
を持つジメタクリレート化合物を、線状マクロ開始剤:
Figure 2011507670
具体的にはブロモ-末端を持つポリメチルメタクリレートの存在下で重合して、架橋ポリジメタクリレートコアおよびポリメチルメタクリレートアーム:
Figure 2011507670
を持つ星型コポリマーを生成している。該コアにおける残留臭素基の存在のために、追加のポリマー鎖、例えばポリブチルアクリレート鎖の合成は、該コアからATRPを介して進行し、これは所謂超-開始剤(super-initiator)として作用し、ミクトアーム星型ポリマー:
Figure 2011507670
を生成する。得られるこのアームは、ハライド-末端を持つものであるから、追加のモノマーを用いた更なる連鎖延長を行うことができる。
上述の如く、ATRPを含むCRP技術は、極めて多才であり、特にアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ビニル芳香族モノマー、およびビニルエステルを含む様々な不飽和モノマーを重合することを可能とする。少数の特定のモノマーは以下の通りであり、これらから製造されたホモポリマーの公開されたガラス転移点(Tg)をも併せて示す:
アルキルアクリレートの具体的な例は、とりわけ低いTgを持つメチルアクリレート(Tg 10℃)、エチルアクリレート(Tg -24℃)、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート(Tg -11℃、アイソタクチック)、ブチルアクリレート(Tg -54℃)、sec-ブチルアクリレート(Tg -26℃)、イソブチルアクリレート(Tg -24℃)、シクロヘキシルアクリレート(Tg 19℃)、2-エチルヘキシルアクリレート(Tg -50℃)、ドデシルアクリレート(Tg -3℃)およびヘキサデシルアクリレート(Tg 35℃)、および高いTgを持つtert-ブチルアクリレート(Tg 43-107℃)等を含む。
アルキルメタクリレートの具体的な例は、とりわけ低いTgを持つモノマー、例えばブチルメタクリレート(Tg 20℃)、ヘキシルメタクリレート(Tg -5℃)、2-エチルヘキシルメタクリレート(Tg -10℃)、オクチルメタクリレート(Tg -20℃)、ドデシルメタクリレート(Tg -65℃)、ヘキサデシルメタクリレート(Tg 15℃)およびオクタデシルメタクリレート(Tg -100℃)並びに高いTgを持つモノマー、例えばメチルメタクリレート(Tg 105-120℃)、エチルメタクリレート(Tg 65℃)、イソプロピルメタクリレート(Tg 81℃)、イソブチルメタクリレート(Tg 53℃)、t-ブチルメタクリレート(Tg 118℃)およびシクロヘキシルメタクリレート(Tg 92℃)を包含する。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(ここで、(メタ)アクリレートは、メタクリレートおよびアクリレートの包括的用語である)の具体的な例は、とりわけ2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(Tg 57℃)、および2-ヒドロキシプロピルメタクリレート(Tg 76℃)を包含する。
他の(メタ)アクリレートの具体的な例は、とりわけ、開裂可能であり、かつ後の側鎖の変性のために使用できる、ペンダントオキシランを持つグリシジルアクリレート、テトラヒドロピラニルメタクリレート、トリメチルシリルメタクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、ビニルアクリレート、アリルアクリレート、およびベンジルアクリレートを含む。
ビニル芳香族モノマーの具体的な例は、特にスチレン(Tg 100℃)および2-ビニルナフタレン(Tg 151℃)、並びにアルキル置換ビニル芳香族モノマー、例えば3-メチルスチレン(Tg 97℃)、4-メチルスチレン(Tg 97℃)および4-tert-ブチルスチレン(Tg 127℃)、ハロ置換ビニル芳香族モノマー、例えば4-クロロスチレン(Tg 110℃)、4-ブロモスチレン(Tg 118℃)、4-フルオロスチレン(Tg 95℃)、3-トリフルオロメチルスチレンおよび3-4-トリフルオロメチルスチレン、およびエステル置換ビニル芳香族モノマー、例えば4-アセトキシスチレン(Tg 116℃)を含む。
ビニルエステルモノマーの具体例は、とりわけ酢酸ビニル(Tg 30℃)、プロピオン酸ビニル(Tg 10℃)、安息香酸ビニル(Tg 71℃)、ビニル4-tert-ブチルベンゾエート(Tg 101℃)およびビニルシクロヘキサノエート(Tg 76℃)を含む。
ここで使用する「低Tg(低いTgを持つ)ポリマー」とは、体温以下の、より典型的には35℃乃至20℃、乃至0℃、乃至-25℃、乃至-50℃またはそれ以下のTgを示すポリマーであり、また典型的には体温において、軟質かつゴム状のポリマーである。逆に、ここで使用する用語「高Tg(高いTgを持つ)ポリマーブロック」とは、体温以上の、より典型的には40℃乃至50℃、乃至75℃、乃至100℃またはそれ以上のTgを示すものであり、また典型的には体温にて硬質のものである。Tgは、示差走査型熱量法(DSC)により測定できる。
上記モノマーの多くは、どちらかといえば非-極性である(例えば、スチレン等)。その他のものは、どちらかといえば極性の高いものである(例えば、2-ヒドロキシエチルメタクリレート等)。
更に別のモノマーは、異なる極性を持つモノマーに転化することができる。例えば、上述の如く、tert-ブチル-およびベンジル-置換メタクリレートは、ATRPによって重合されている。例えば、N.V. Tsarevsky等, Macromolecules, 2005, 38, 3087を参照のこと。これらのメタクリレートは、次いで後-重合処理に付すことができる。具体的には、加水分解(例えば、トリフルオロ酢酸またはHClによる)は、tert-ブチルメタクリレートからtert-ブチル基を開裂し、カルボン酸部分を残すであろう。この基は、高度に親水性であり、所望により、追加の化学的処理を行うことを可能とし、これは、例えば該ポリマーの生物分解速度を調節することを可能とする。ベンジル-置換メタクリレートに関連して、H2(g)を用いた、炭素担持活性化パラジウムによる水素添加も、カルボン酸部分を生成するであろう。
処理中に、ジスルフィド結合が開裂されて、チオール基を形成し得る程度まで、幾つかの態様においては、該結合を、酸化(例えば、上記の如くFeCl3)を介して改質することが可能である。
本発明の他の態様においては、高度に生体適合性のポリマー、例えば以下の一般的な構造を持つ生体適合性ポリマーを生成することができる:
Figure 2011507670
ここで、RおよびXは、広範囲の有機基の何れであってもよく、他の多くの可能性の中でも特に、例えばRはHまたはC1-C5アルキル基であり得、またXはC1-C5アルキル基であり得る。具体的な例として、R=HおよびX=(-CH2)2であるヒドロキシエチルメタクリレートを、ATRPを介して重合して、ジスルフィドを含む生物分解性で、生体適合性のポリマーを製造することができる。
上記の如く、ATRPの性質のために、末端ハライドが、重合後に該ポリマーの末端部に残され、該末端ハライドは更に反応して、該ポリマーをキャップすることができ、あるいは例えば親水性、疎水性、生体適合性、タンパク質抵抗性または生物学的に活性な末端キャップ基またはポリマー鎖による連鎖延長のために利用できる。
具体的な例として、両親媒性ポリマーは、疎水性鎖の重合、これに続く親水性鎖の重合、またはその逆により製造できる。例えば、スチレン鎖を先ず重合し、次いでヒドロキシエチルメタクリレート鎖を重合し、またはt-ブチルメタクリレートあるいはベンジルメタクリレート鎖を重合することができる(上述のように、カルボキシル基への転化を伴う)。両親媒性ポリマーは、十分な濃度にて存在する場合には、ミセルを形成することが知られている。
本発明に従って分解性を変更するために、ジスルフィド結合を組込むことのできるポリマーの、非限定的な他の例は、特に以下に列挙するものから選択することができる:内部ジスルフィド結合を持つポリヒドロキシ酸および他の生物分解性ポリエステル(例えば、ポリラクチド、ポリグリコライド、ポリ(ラクチド-co-グリコライド)およびポリカプロラクトン)、内部ジスルフィド結合を持つポリスルホンおよびポリオルトエステル、内部ジスルフィド結合を持つポリ無水物、多糖類、内部ジスルフィド結合を持つ、ポリアミノ酸およびタンパク質を主成分とするポリマー、内部ジスルフィド結合を持つポリウレタン、内部ジスルフィド結合を持つポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)およびポリエステルアミド、内部ジスルフィド結合を持つポリビニルアルコール、内部ジスルフィド結合を持つポリビニルアセテート、内部ジスルフィド結合を持つポリエーテル、内部ジスルフィド結合を持つポリビニル芳香族物質、内部ジスルフィド結合を持つシリコーンおよびシロキサンポリマー、内部ジスルフィド結合を持つ疎水性ポリマー、例えばスチレン、ブチレンおよび様々なジエンを主成分とする疎水性ポリマーおよびこれらのコポリマー、例えばスチレン-b-イソブチレン-b-スチレン(SIBS)、スチレン-b-イソプレン-b-スチレン(SIS)、スチレン-b-ブタジエン-b-スチレン(SBS)コポリマーを含む。
このようなポリマーは、例えば、適当な部分(例えば、ジスルフィド結合を含む部分、例えばジスルフィド-含有ポリマーまたはジスルフィド-含有小分子)から連鎖延長を図るための、重合反応(例えば、縮合反応、付加反応等)により、あるいは予め製造したポリマーのジスルフィド-含有部分へのカップリングにより製造することができる。このようなポリマーは、また、他にも多数存在する方法の中でも特に、チオール末端基を持つポリマーを一緒にカップリングして、内部ジスルフィドブリッジを持つ高分子量ポリマーを製造することにより得ることもできる。
本発明により分解性を改善するために、ジスルフィド結合を組込むことのできる、更に別の非-限定的なポリマーの例(必ずしも上記のものを排除するものではない)は、とりわけ以下に列挙するものから選択することができる:ポリカルボン酸を含む、ポリカルボン酸ポリマーおよびコポリマー;アセタールポリマーおよびコポリマー;セルロースアセテート、セルロースニトレート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セロファン、レーヨン、レーヨントリアセテート、およびセルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシアルキルセルロースを含む、セルロース系ポリマーおよびコポリマー;ポリオキシメチレンポリマーおよびコポリマー;ポリアミドポリマーおよびコポリマー、例えばポリエーテルブロックイミドおよびポリエーテルブロックアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、およびポリエーテルイミド;ポリアリールスルホンおよびポリエーテルスルホンを包含するポリスルホンポリマーおよびコポリマー;ナイロン6,6、ナイロン12、ポリカプロラクタムおよびポリアクリルアミドを包含するポリアミドポリマーおよびコポリマー;ポリカーボネート;ポリアクリロニトリル;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール、ポリビニルハライド、例えばポリビニルクロリド、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルエーテル、例えばポリビニルメチルエーテル、スチレン-無水マレイン酸コポリマー、ビニル-芳香族-アルキレンコポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、ポリビニルケトン、ポリビニルカルバゾール、およびポリビニルエステル、例えばポリ酢酸ビニルを包含する、ビニルモノマーのポリマーおよびコポリマー;ポリベンズイミダゾール;酸基の幾つかが亜塩またはナトリウムイオンの何れかにより中和することのできる(一般的にはイオノマーとして知られている)、エチレン-メタクリル酸コポリマーおよびエチレン-アクリル酸コポリマー;ポリエチレンオキサイド(PEO)を含むポリアルキルオキサイドポリマーおよびコポリマー;ポリエチレンテレフタレートおよび脂肪族ポリエステル、例えばラクチド(これは乳酸並びにd-、l-およびメソラクチドを含む)、ε-カプロラクトン、グリコリド(グリコール酸を含む)、ヒドロキシブチレート、ヒドロキシバレレート、p-ジオキサノン、トリメチレンカーボネート(およびそのアルキル誘導体)、1,4-ジオキセパン-2-オン、1,5-ジオキセパン-2-オン、および6,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2-オン(ポリ(乳酸)とポリ(カプロラクトン)とのコポリマーがその一具体例である)のポリマーおよびコポリマーを包含するポリエステル;ポリアリールエーテル、例えばポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンを含むポリエーテルポリマーおよびコポリマー;ポリフェニレンスルフィド;ポリイソシアネート;ポリアルキレン、例えばポリプロピレン、ポリエチレン(低密度および高密度、低分子量および高分子量ポリエチレン)、ポリブチレン(例えば、ポリブト-1-エンおよびポリイソブチレン)、ポリオレフィンエラストマー(例えば、サントプレン)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、ポリ-4-メチル-ペン-1-エン、エチレン-α-オレフィンコポリマー、エチレン-メチルメタクリレートコポリマーおよびエチレン-酢酸ビニルコポリマーを含むポリオレフィンポリマーおよびコポリマー;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ(テトラフルオロエチレン-co-ヘキサフルオロプロペン)(FEP)、変性エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、およびポリビニリデンフルオライド(PVDF)を包含するフッ素化ポリマーおよびコポリマー;シリコーンポリマーおよびコポリマー;熱可塑性ポリウレタン(TPU);エラストマー、例えば弾性ポリウレタンおよびポリウレタンコポリマー(ポリエーテルを主成分とする、ポリエステルを主成分とする、ポリカーボネートを主成分とする、脂肪族化合物を主成分とする、芳香族化合物を主成分とするおよびこれらの混合物を主成分とする、ブロックおよびランダムコポリマーを含む);p-キシリレンポリマー;ポリイミノカーボネート;コポリ(エーテル-エステル)、例えばポリエチレンオキサイド-ポリ乳酸コポリマー;ポリホスファジン;ポリアルキレンオキサレート;ポリオキサアミドおよびポリオキサエステル(アミノおよび/またはアミド基を含むものを包含する);ポリオルトエステル;バイオポリマー、例えばポリペプチド、タンパク質、および多糖類;並びに上記したものの更なるコポリマー。
幾つかの態様において、ジスルフィド結合を持つポリマーは、チオール末端を持つポリマー(例えば、一端または両端にチオール部分を持つポリマー鎖)を結合することにより製造でき、例えばジスルフィド結合は、酸化によりチオールから生成し得る。
本発明の幾つかの態様において、該医療デバイスのポリマー領域は、1またはそれ以上の生物分解性ポリマーに加えて、1またはそれ以上の治療剤を含む。ここでは、「治療薬」、「薬物」、「薬理的に活性な薬剤」、「薬理的に活性な物質」、およびその他の関連する用語は、互換的に使用できるものである。
例えば、該治療薬は、該生物分解性ポリマーと非-共有結合的に結合(例えば、混合)されていてもよい。
他の例においては、該治療薬は、該生物分解性ポリマーの主鎖に沿って、またはその末端において共有結合によりカップリングされていてもよい。例えば、多くの治療薬が、特にアミノ、カルボキシル、ヒドロキシルまたはチオール基等の官能基を有し、これらの官能基が、該生物分解性ポリマーの主鎖における共有結合を可能とする。他の例として、例えば、酸化によりジスルフィド結合の生成を可能とするために、多くの治療薬を、スルフィド(-S-)またはチオール基で変性することができる。
このような治療薬-含有ポリマーマトリックスは、例えば特定の身体部位に注入、または特定の身体部位に挿入または移植されることになるデバイスに適用することができる。該マトリックスが分解するにつれて、該治療薬の制御可能な放出が、達成できる。
本発明に従う、ポリマー領域からの治療薬の放出速度は、拡散および結合の分解等の過程に依存し、該速度は、更に該治療薬の特性(例えば、疎水性、親水性、両親媒性等)、および該ポリマーを構成するモノマーの型(疎水性、親水性、またはこれらの組合せ)、該ジスルフィド結合の量および構造上の位置、該ポリマーの構造等を含む該ポリマーの諸特性に依存する。このようなパラメータを変えることにより、広い範囲の薬物放出およびポリマーの分解速度を達成することができ、結果として高度に調整可能な薬物放出装置を製造することができる。
本発明と組み合わせて使用するための治療薬の例は、以下に列挙するものを包含する:(a) 抗血栓剤、例えばヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、およびPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン);(b) 抗炎症薬、例えばデキサメタゾン、プレドニソロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジンおよびメサラミン(メサラジン);(c) 抗-新生物薬/増殖抑制薬/細胞分裂阻害剤、例えばパクリタクセル、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン(epothilones)、エンドスタチン(endostatin)、アンギオスタチン、アンギオペプチン(angiopeptin)、平滑筋細胞増殖を阻害することのできるモノクローナル抗体、およびチミジンキナーゼ阻害剤;(d) 麻酔薬、例えばリドカイン、ブピバカインおよびロピバカイン;(e) 抗-凝集剤、例えばD-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド-含有化合物、ヘパリン、ヒルジン、抗-トロンビン化合物、血小板受容体アンタゴニスト、抗-トロンビン抗体、抗-血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤およびマダニ抗-血小板性ペプチド;(f) 脈管細胞増殖促進剤、例えば成長因子、転写活性化剤、および翻訳促進剤;(g) 脈管細胞増殖阻害剤、例えば成長因子阻害剤、成長因子受容体アンタゴニスト、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害剤、抑制抗体、成長因子に対する抗体、成長因子および細胞毒素からなる二官能性分子、抗体および細胞毒素からなる二官能性分子;(h) プロテインキナーゼおよびチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、チルホスチン、ゲニステイン、キノキサリン);(i) プロスタサイクリン類似体;(j) コレステロール低下剤;(k) アンギオポエチン;(l) 抗菌薬、例えばトリクロサン、セファロスポリン、アミノグリコシドおよびニトロフラントイン;(m) 細胞毒性剤、細胞成長抑止剤および細胞増殖アフェクター(affectors);(n) 血管拡張薬;(o) 内因性血管作用メカニズムを妨害する薬剤;(p) 白血球リクルートメント阻害剤、例えばモノクローナル抗体;(q) サイトカイン;(r) ホルモン;(s) HSP90タンパク質の阻害剤(即ち、分子シャペロンまたはハウスキーピングタンパク質であり、また細胞の成長および生存に対して応答性の他のクライアント(client)タンパク質/シグナル伝達タンパク質の安定性および機能にとって必要とされる熱ショックタンパク質)、ゲルダナマイシンを含む;(t) α-受容体アンタゴニスト(例えば、ドキサゾシン、タムスロシン)およびβ-受容体アゴニスト(例えば、ドブタミン、サルメテロール)、β-受容体アンタゴニスト(例えば、アテノロール、メタプロロール、ブトキサミン)、アンギオテンシン-II受容体アンタゴニスト(例えば、ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、カンデサルタンおよびテルミサルタン)、および鎮痙薬(例えば、オキシブチニンクロリド、フラボキサート、トルテロジン、ヒヨスチアミンサルフェート、ジクロミン(diclomine));(u) bARKct阻害剤;(v) ホスホランバン(phospholamban)阻害剤;(w) セルカ(Serca) 2遺伝子/タンパク質;(x) アミノキゾリン(aminoquizolines)、例えばイミダゾキノリンを含む免疫応答調節剤、例えばレジキモドおよびイミキモド;(y) ヒトアポリポタンパク質(例えば、AI、AII、AIII、AIV、AV等);(z) 選択的エストロゲン受容体調節物質(SERMs)、例えばラロキシフェン、ラソフォキシフェン(lasofoxifene)、アルゾキシフェン(arzoxifene)、ミプロキシフェン(miproxifene)、オスペミフェン(ospemifene)、PKS 3741、MF 101およびSR 16234;(aa) PPARアゴニスト、例えばロシグリタゾン(rosiglitazone)、ピオグリタゾン、ネトグリタゾン(netoglitazone)、フェノフィブラート、ベクサオテン(bexaotene)、メタグリダセン(metaglidasen)、リボグリタゾン(rivoglitazone)、およびテサグリタザール(tesaglitazar);(bb) プロスタグランジンEアゴニスト、例えばアルプロスタジルまたはONO 8815Ly;(cc) トロンビン受容体活性化ペプチド(TRAP);(dd) ベナゼプリル、ホシノプリル、リジノプリル、キナプリル、ラミプリル、イミダプリル、デラプリル、モエキシプリルおよびスピラプリルを包含する、バソペプチダーゼ阻害剤;(ee) チモシンβ4;(ff) ホスホリルコリン、ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジルコリンを包含するリン脂質;および(gg) VLA-4アンタゴニストおよびVCAM-1アンタゴニスト。
必ずしも上に列挙したものを排除するものではない、多数の治療薬は、血管治療方式のための候補として、例えば再狭窄を標的とする薬剤(抗-再狭窄症薬)として同定されている。このような薬剤は、本発明の実施にとって有用であり、以下に列挙するものを1種またはそれ以上含む:(a) ベンゾチアザピン、例えばジルチアゼムおよびクレンチアゼム、ジヒドロピリジン、例えばニフェジピン、アムロジピンおよびニカルダピン、並びにフェニルアルキルアミン、例えばベラパミルを含む、Ca-チャンネルブロッカー;(b) 5-HTアンタゴニスト、例えばケタンセリンおよびナフチドロフリル、並びに5-HT取込み阻害剤、例えばフルオキセチンを含むセロトニン経路調節剤;(c) ホスホジエステラーゼ阻害剤、例えばシロスタゾールおよびジピリダモール、アデニレート/グアニレートシクラーゼ刺激剤、例えばフォルスコリン、並びにアデノシン類似体を包含する環状ヌクレオチド経路剤;(d) α-アンタゴニスト、例えばプラゾシンおよびブナゾシン、β-アンタゴニスト、例えばプロプラノロールおよびα/β-アンタゴニスト、例えばラベタロールおよびカルベジロールを包含するカテコールアミン調節剤;(e) エンドセリン受容体アンタゴニスト、例えばボセンタン、シタックスセンタン(sitaxsentan)ナトリウム、アトラセンタン(atrasentan)、エンドネンタン(endonentan);(f) 有機ニトレート/ニトリット、例えばニトログリセリン、イソソルビド二硝酸エステルおよび亜硝酸アミル、無機ニトロソ化合物、例えばナトリウムニトロプルシド、シドノニミン(sydnonimines)、例えばモルシドミンおよびリンシドミン、ノノエート、例えばジアゼニウムジオレートおよびアルカンジアミンのNO付加物、低分子量化合物(例えば、カプトプリル、グルタチオンおよびN-アセチルペニシラミンのS-ニトロソ誘導体)および高分子量化合物(例えば、タンパク質、ペプチド、オリゴ糖、多糖、合成ポリマー/オリゴマーおよび天然ポリマー/オリゴマーのS-ニトロソ誘導体)、並びにC-ニトロソ化合物、O-ニトロソ化合物、N-ニトロソ化合物およびL-アルギニンを包含する一酸化窒素供与体/放出分子;(g) アンギオテンシン転化酵素(ACE)阻害剤、例えばシラザプリル、ホシノプリルおよびエナラプリル;(h) ATII-受容体アンタゴニスト、例えばサララシン(saralasin)およびロサルチン(losartin);(i) 血小板接着阻害剤、例えばアルブミンおよびポリエチレンオキサイド;(j) シロスタゾール、アスピリンおよびチエノピリジン(チクロピジン、クロピドグレル)およびGP IIb/IIIa阻害剤、例えばアブシキマブ、エピチフィバチド(epitifibatide)およびチロフィバン(tirofiban)を包含する血小板凝集阻害剤;(k) ヘパリノイド、例えばヘパリン、低分子量ヘパリン、デキストランサルフェートおよびβ-シクロデキストリンテトラデカサルフェート、トロンビン阻害剤、例えばヒルジン、ヒルログ(hirulog)、PPACK(D-Phe-L-プロピル-L-Arg-クロロメチルケトン)およびアルガトロバン、FXa阻害剤、例えばアンチスタチン(antistatin)およびTAP(マダニ抗-凝集性ペプチド)、ビタミンK阻害剤、例えばワルファリン、並びに活性化タンパク質Cを含む凝集経路調節剤;(l) シクロオキシゲナーゼ経路阻害剤、例えばアスピリン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシンおよびスルフィンピラゾン;(m) 天然並びに合成コルチコステロイド、例えばデキサメタゾン、プレドニソロン、メスプレドニソロン(methprednisolone)およびヒドロコルチゾン;(n) リポキシゲナーゼ経路阻害剤、例えばノルジヒドログアイアレチン酸およびカフェイン酸;(o) ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;(p) E-およびP-セレクチンのアンタゴニスト;(q) VCAM-1およびICAM-1相互作用阻害剤;(r) プロスタグランジン、例えばPGE1およびPGI2およびプロスタサイクリン類似体、例えばシプロステン、エポプロステノール、カルバサイクリン(carbacyclin)、イロプロストおよびベラプロストを包含するプロスタグランジンおよびその類似体;(s) ビスホスホネートを含むマクロファージ活性化阻害剤;(t) HMG-CoAレダクターゼ阻害剤、例えばロバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、シンバスタチンおよびセリバスタチン(cerivastatin);(u) 魚油およびω-3-脂肪酸;(v) 遊離基捕獲剤/酸化防止剤、例えばプロブコール、ビタミンCおよびE、エブセレン、trans-レチノイン酸、SOD(オルゴテイン)およびSOD模倣体、ベルテポルフィン、ロスタポルフィン(rostaporfin)、AGI 1067、およびM 40419;(w) FGF経路剤、例えばbFGF抗体およびキメラ融合タンパク質、PDGF受容体アンタゴニスト、例えばトラピジル、IGF経路剤(ソマトスタチン類似体、例えばアンギオペプチンおよびオクレオチド(ocreotide)を含む)、TGF-β経路剤、例えば多価アニオン性薬剤(ヘパリン、フコイジン(fucoidin))、デコリン(decorin)、およびTGF-β抗体、EGF経路剤、例えばEGF抗体、受容体アンタゴニストおよびキメラ融合タンパク質、TNF-α経路剤、例えばサリドマイドおよびその類似体、トロンボキサンA2(TXA2)経路調節剤、例えばスロトロバン、バピプロスト、ダゾキシベン(dazoxiben)およびリドグレル(ridogrel)、並びにタンパクチロシンキナーゼ阻害剤、例えばチルホスチン、ゲニステインおよびキノキサリン誘導体を包含する様々な成長因子に影響を与える薬剤;(x) マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)経路阻害剤、例えばマリマスタット(marimastat)、イロマスタット(ilomastat)、メタスタット(metastat)、ペントサンポリスルファート、レビマスタット(rebimastat)、インサイクリニド(incyclinide)、アプラタスタット(apratastat)、PG 116800、RO 1130830またはABT 518;(y) 細胞運動性阻害剤、例えばサイトカラシンB;(z) 代謝拮抗物質、例えばプリン類似体(例えば、塩素化プリンヌクレオシド類似体である、6-メルカプトプリンまたはクラドリビン(cladribine))、ピリミジン類似体(例えば、シタラビンおよび5-フルオロウラシル)およびメトトレキセート、ナイトロジェンマスタード、アルキルスルホネート、エチレンイミン、抗生物質(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン)、ニトロソウレア、シスプラチン、微小管の機能に影響を与える薬剤(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、コルヒチン、Epo D、パクリタクセルおよびエポチロン(epothilones))、カスパーゼ活性化剤、プロテアソーム阻害剤、血管形成阻害剤(例えば、エンドスタチン(endostatin)、アンギオスタチンおよびスクアラミン)、オリムス(olimus)群の薬物(例えば、シロリムス(sirolimus)、エベロリムス、タクロリムス、ゾタロリムス(zotarolimus)等)、 セリバスタチン(cerivastatin)、フラボピリドール(flavopiridol)およびスラミンを含む抗-増殖/抗-新生物剤;(aa) マトリックス沈着/組織化経路阻害剤、例えばハロフギノンまたは他のキナゾリノン誘導体、ピルフェニドンおよびトラニラスト;(bb) 内皮形成促進剤、例えばVEGFおよびRGDペプチド;(cc) 血液レオロジー調節剤、例えばペントキシフィリン;および(dd) グルコール架橋分解剤、例えばアラゲブリウム(alagebrium)クロリド(ALT-711)。
必ずしも上記のものを排除するものではないが、多くの抗-新生物/抗-増殖/細胞分裂阻害剤は、その多くが抗-新生物性作用を持つものとして同定されており、これらは、本発明の実施にとって有用であり、また1種またはそれ以上の以下に列挙するものを含む:他の公知の抗-新生物/抗-増殖/細胞分裂阻害剤の中でも特に、代謝拮抗物質、例えば葉酸類似体/アンタゴニスト(例えば、メトトレキセート等)、プリン類似体(例えば、塩素化プリンヌクレオシド類似体である、6-メルカプトプリン、チオグアニン、またはクラドリビン(cladribine)等)およびピリミジン類似体(例えば、シタラビン、フルオロウラシル等)、タキサン類(taxanes)(例えば、パクリタクセル、ドセタクセル(docetaxel)等)を含むアルカロイド、アルキル化剤、例えばアルキルスルホネート、ナイトロジェンマスタード(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド等)、ニトロソウレア、エチレンイミンおよびメチルメラミン、他のアルキル化剤(例えば、ダカルバジン等)、抗生物質および類似体(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、ブレオマイシン、プリカマイシン等)、プラチナ錯体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン等)、抗-新生物性酵素(例えば、アスパラギナーゼ等)、微小管の機能に影響を与える薬剤(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、コルヒチン、Epo D、エポチロン(epothilones))、カスパーゼ活性化剤、プロテアソーム阻害剤、血管形成阻害剤(例えば、スタチン類、例えばエンドスタチン(endostatin)、セリバスタチン(cerivastatin)およびアンギオスタチンおよびスクアラミン等)、オリムス(olimus)群の薬物、エトポシド、並びに多くの他の薬剤(例えば、ヒドロキシウレア、フラボピリドール(flavopiridol)、プロカルビジン、ミトキサントロン、カンポテシン等)、および上記薬剤の組み合わせ。
治療薬が存在する場合には、広範囲に渡るその配合量を、本発明の医療デバイスとの組合せで、使用することができる。典型的な配合量の範囲は、例えば該ポリマー領域の、1質量%またはそれ以下乃至2質量%まで、5質量%まで、10質量%まで、25質量%までまたはそれ以上なる範囲にある。
多数の技術が、本発明に従うポリマー領域を製造するために利用できる。
例えば、ポリマー領域が、熱可塑性特性を持つ1種またはそれ以上のポリマーで作られている場合、様々な標準的熱可塑性物質の処理技術を使用して、該ポリマー領域を製造することができる。これら技術を利用して、例えば(a) まずポリマーおよび任意の随意の薬剤、例えば治療薬を含むメルトを調製し、および(b) 引続き該メルトを冷却することによって、ポリマー領域を製造することができる。熱可塑性物質の処理技術の例は、圧縮成型、射出成型、吹込成形、噴霧、真空成型およびカレンダリング、シート、繊維、ロッド、チューブおよび他の様々な長さを持つ断面材への押出し、およびこれら工程の組合せを含む。これらのおよびその他の熱可塑性物質処理技術を用いて、デバイス全体またはその一部を製造することができる。
また、熱可塑性物質処理技術以外の他の加工技術を使用して、本発明のポリマー領域を製造することができ、該加工技術は、溶媒の使用を主体とする技術を含む。これらの技術を利用して、例えば(a) まずポリマーおよび任意の随意の薬剤、例えば治療薬を含む溶液または分散液を調製し、および(b) 引続き該溶媒を除去することにより、ポリマー領域を製造することができる。最終的に選択される該溶媒は、1種またはそれ以上の溶媒種を含み、これらは、一般に乾燥速度、表面張力等を含む、他の因子に加えて、該ポリマー領域を形成する該ポリマーの少なくとも1種を溶解する、その能力に基いて選択される。幾つかの態様において、該溶媒は、同様に任意の薬剤、例えば治療薬を溶解または分散する、その能力に基いて選択される。好ましい溶媒の使用に基く技術は、溶液流延技術、スピンコート技術、ウエブ被覆技術、溶液噴霧技術、浸漬被覆技術、空気懸濁を含む機械的な懸濁を介する塗布を含む技術、インクジェット技術、溶液スピニング技術、静電技術、およびこれら方法の組合せを含むが、これらに制限されない。
本発明の幾つかの態様において、溶液(ここでは、溶媒の使用を主体とする技術を利用する)またはポリマーメルト(ここでは、熱可塑性物質加工技術を利用する)を包含する、ポリマーを、基板に適用して、ポリマー領域を生成する。例えば、該基板は、移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイスの全てまたはその一部に相当し、これに、例えば噴霧、浸漬、押出し等によって、ポリマー被膜を適用できる。該基板は、また例えば金型等の型板であってもよく、固化後に、該基板から、該ポリマー領域を取り出すことができる。他の態様において、例えば押出しおよび同時押出し技術においては、1種またはそれ以上のポリマー領域を、基板の助けを借りずに製造する。具体的な一例においては、医療デバイス全体を押出成形する。別の態様では、ポリマー被覆層を、下部の医療デバイス本体と共に、同時押出しする。
実施例1
ジスルフィド結合によって結合された、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)セグメントを主成分とする、生物分解性で生体適合性の系を製造し、かつパクリタクセルおよび適当な溶媒と共に、冠動脈ステントに、噴霧塗布法により適用することができる。
実施例2
ジスルフィド結合間にMW約10,000ダルトンおよび約1.1なるPDIを持つポリ(n-ブチルアクリレート)から製造した約40,000ダルトンのポリ(n-ブチルアクリレート)中間ブロック、およびジスルフィド結合間にMW約2,500ダルトンおよび約1.1なるPDIを持つポリスチレンから製造した、約10,000〜15,000ダルトンのポリスチレン末端ブロックを有する、ABAトリブロックコポリマーを、0.1〜50質量%なる範囲のパクリタクセルと共に、適当な溶媒から、冠動脈ステント上に噴霧塗布する。
実施例3
ジスルフィド結合間にMW約10,000ダルトンおよび約1.1なるPDIを持つポリ(n-ブチルアクリレート)から製造した約40,000ダルトンのポリ(n-ブチルアクリレート)中間ブロック、およびジスルフィド結合間にMW約2,500ダルトンおよび約1.1なるPDIを持つポリ(メチルメタクリレート)から製造した、約10,000〜15,000ダルトンのポリ(メチルメタクリレート)末端ブロックを有する、ABAトリブロックコポリマーを、0.1〜50質量%なる範囲のパクリタクセルと共に、冠動脈ステント上に噴霧塗布する。
実施例4
実施例3のポリマー/薬物の組合せを、該ステント上に、噴霧被覆ではなく、ロール塗布する。
実施例5
実施例3のポリマー/薬物の組合せを、該ステント上に、噴霧被覆ではなく、浸漬塗布する。
以上、本明細書において様々な態様を具体的に示し、かつ説明してきたが、本発明の改良並びに変更は、上記教示により、本発明の範囲に含まれ、また本発明の精神並びに意図された範囲から逸脱することなしに、添付した特許請求の範囲の範囲内に入るものと理解されよう。

Claims (30)

  1. 架橋されていない生物分解性ポリマー領域を含み、該架橋されていない生物分解性ポリマー領域が、1またはそれ以上のジスルフィド結合によって結合した、複数の第一のポリマーセグメントを含むポリマーを含有することを特徴とする、移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  2. 前記ポリマーが、線状ポリマーである、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  3. 前記ポリマーが、分岐ポリマーである、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  4. 前記ポリマーが、複数のジスルフィド結合を持つコアを含む星形ポリマーであり、かつ前記第一のセグメントが、該コアから広がっている、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  5. 前記コアが、2つのメタクリレート基を分離しているジスルフィド結合を含む、ジメタクリレート化合物のポリマーを含む、請求項4記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  6. 前記第一のポリマーセグメントが、1.2未満の多分散性を持つ、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  7. 前記第一のポリマーセグメントが、親水性セグメントである、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  8. 前記親水性セグメントが、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートセグメントおよび(メタ)アクリル酸セグメントから選択される、請求項7記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  9. 前記第一のポリマーセグメントが、疎水性セグメントである、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  10. 前記疎水性セグメントが、スチレン、アクリル酸エステル、およびメタクリル酸エステルから選択される、請求項9記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  11. 前記第一のポリマーセグメントが、両親媒性セグメントである、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  12. 前記第一のポリマーセグメントが、低いTgを持つセグメントである、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  13. 前記第一のポリマーセグメントが、高いTgを持つセグメントである、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  14. 前記ポリマーが、更に1またはそれ以上のジスルフィド結合によって結合した、複数の第二のセグメントを含み、該第二のセグメントが、モノマー含有率において前記第一のセグメントとは異なる、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  15. 前記第一のセグメントが、親水性であり、かつ前記第二のセグメントが疎水性である、請求項14記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  16. 前記第一のセグメントが、高いTgを持つセグメントであり、かつ前記第二のセグメントが、低いTgを持つセグメントである、請求項14記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  17. 前記ポリマーが、線状ポリマーである、請求項14記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  18. 前記ポリマーが、分岐ポリマーである、請求項14記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  19. 前記ポリマーが、複数のジスルフィド結合を持つコアを含む星形ポリマーであり、かつ前記第一および第二のセグメントが、該コアから広がっている、請求項14記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  20. 前記第一および第二のセグメント各々が、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、スチレン、置換スチレンモノマー、ビニルピリジンモノマー、置換ビニルピリジンモノマー、アクリルアミドモノマー、メタクリルアミドモノマーから選択されるモノマーを含む、請求項14記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  21. 前記ポリマーが、更に1またはそれ以上のジスルフィド結合によって結合された、複数の第三のセグメントを含み、該第三のセグメントが、モノマー含有率において、前記第一および第二のセグメントとは異なっている、請求項14記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  22. 前記ポリマー領域が、医療デバイス全体に、または医療デバイスの一部材全体に対応している、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  23. 前記ポリマー領域が、少なくとも部分的に下部基板を覆っている、層の形状にある、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  24. 前記ポリマー領域が、治療薬を含む、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  25. 前記治療薬が、増殖抑制剤、抗血栓症薬、内皮細胞増殖促進剤、抗菌薬、鎮痛薬、抗-再発狭窄症薬、および抗炎症薬から選択される、請求項24記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  26. 前記治療薬が、前記ポリマーと共有結合により結合している、請求項24記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  27. 前記治療薬が、ジスルフィド結合により、前記ポリマーと共有結合によりに結合している、請求項24記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  28. 前記医療用デバイスが、血液と接触する型の医療用デバイスである、請求項1記載の移植可能なまたは挿入可能な医療用デバイス。
  29. 前記医療用デバイスが、ステントである、請求項1記載の医療用デバイス。
  30. 複数のジスルフィド結合によって結合されている、複数の生物分解性の第一のポリマーセグメントを含み、該生物分解性の第一のポリマーセグメントが、ポリエステル、ポリ無水物、ポリエステルアミド、ペプチド、核酸およびデンプンから選択されるものであることを特徴とするポリマー。
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