JP2011504743A - 炭疽毒素に対するg免疫グロブリン - Google Patents

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Abstract

【課題】(1)配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸一致性を有するアミノ酸配列を有するL鎖可変領域と、(2)配列番号2と少なくとも90%のアミノ酸一致性を有するアミノ酸配列を有し且つ位置25のセリン残基、位置54のリ遺伝子残基および位置60のアルギニン残基に対応するアミノ酸残基を有するH鎖可変領域とを有する炭疽毒素の防御抗原(PA)に対するGクラスの免疫グロブリン(IgG)。
【解決手段】IgG1またはIgG2から成ることを特徴とする。

Description

本発明は、炭疽菌(バチルスアンスラシス、Bacillus anthracis)のPAサブユニット(保護抗原)に対するprimatizedされたG免疫グロブリンに関するものである。
炭疽(Anthrax)はグラム陽性バクテリア(バチルスアンスラシス、Bacillus anthracis)を原因とする感染症である。このバクテリアは移動性がなく、非常に抵抗性のある芽胞を形成し、ヒトや動物の血液または組織等の環境中に存在すると栄養形に生育する。芽胞は極めて抵抗性があるが、複製はしない。しかし、芽胞は土壌中で10年間生き残ることができる。
炭疽毒素が媒介する感染は皮膚、肺または消化器の3つの形で起こる。肺臓感染では死を免れないことがある。B. anthracisの芽胞を吸い込むと、芽胞は肺胞を切り抜け、マクロファージおよび特に樹状細胞よってphagocytedされる。これらの細胞で芽胞は生育し始め、栄養形がリンパ節で増殖する。それからバクテリアは循環血液中に移り、複製を続け、この病気で死に至らしめる原因の一つとなるトキシンを生産する。炭疽毒素(炭疽トキシン)は染防御抗原(PA、細胞内酵素の開裂前は83kDa、開裂後は63kDa)、致死因子(90kDa、LF)および浮腫因子(89kDa、EF)の3つのタンパクから成る。死に至らしめるトキシンはPAとLFから形成され、病理学的な役割は少ない浮腫トキシンはPAとEFから形成される。
これらのタンパクはバクテリアから無毒なモノマーとして分泌され、標的細胞の表面上で集合し、有毒な錯体を形成する。
これまで炭疽感染の治療には多数の抗生物質、例えばペニシリン、ドキシサイクリンおよびフルオロキノン(例えばシプロフロキサシン)が使用されてきた。
しかし、これらの抗生物質はいくらかの株には効果がなく、これらの抗生物質に抵抗性を有する。特に、耐性菌が意図的に使用されるテロリズムまたは細菌戦争に対してはこれらの治療法は使用できない、
さらに、抗生物質では炭疽毒素の作用を抑制できないので、これらの抗生物質は感染初期段階に投与する必要がある。しかし、初期症状に特徴がないため早期診断は難しい。
主成分が防御抗原PAであるワクチンが開発されているが、B. anthracisと接触したことが極めて確実な人にしか使用できない。しかも、充分な免疫性を得るためには数か月の期間が必要なため、これらのワクチンは緊急事態、突発事故状況では使用できない。今日、フランスでヒトでの使用が承認されているワクチンはない。従って、抗生物質と異なる新しい治療方法および病気予防方法のアプローチを開発する必要がある。
抗体によるパッシブな免疫治療法は上記トキシンを中和するのに効率的な戦略である。防御抗原(PA)および致死因子(LF)に対するモノクロナール抗体を用いて炭疽致死トキシンを中和する試みがいくつか行なわれている。抗体を使用して炭疽致死トキシンを中和することはPAとその細胞受容体の結合を抑制するか、PAの開裂を抑制するか、PAのLFに対する結合を抑制するか、例えばLFの作用を抑制することによって行なうことができる。
従って、炭疽を予防し、効果的に治療するためのに、炭疽毒素を中和できる新規な抗体を開発することは重要である。
最近の仕事では、マカクを防御抗原PA83で免疫して炭疽毒素を介したヒトの感染治療用抗体を得ている。この発明者は骨髄からPA83-特異抗体断片をコードする遺伝子を増幅し、それをクローンしてライブラリを作つている。それから強い親和性(Kd=3.4 nM)と強く中和した断片(50%阻害濃度=5.6+/-0.13nM)(35PA83とよぶ)を単離している(非特許文献1)
この免疫グロブリン断片35PA83はPAとその細胞受容体との全ての相互作用を阻止して炭疽毒素を中和する。
しかし、この免疫グロブリン断片を医学用途(病気の予防または治療)に調整する場合、その親和性を改良することで患者への投与量を減らすことができ、治療コストを下げることができる。その一方、この免疫グロブリン断片はサル起源であるため、免疫原性の危険と、ヒトでの生体有用性の変化とがある。
Laffly et al. antimicbial agents and chemotherapy, 2005、49(8):3414-3420
本発明の目的は、抗原PA対する親和性が改善され、しかも、ヒト抗体との類似性が大きくなるように予め変性された、免疫グロブリン断片35PA83から得られた、IgGIまたはIgG2アイソタイプの完全免疫グロブリンを提供することにある。
本発明の他の目的は、少数の残基が変化させた抗体35PA83の可変領域と、ヒト起源の一定の恒常部とから成る、炭疽毒素の防御抗原(PA)に対するGクラスの免疫グロブリン(IgG)を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明のIgGをコードする核酸、この核酸から成るベクター、このベクターを含む宿主細胞を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明のIgGを含む組成物およびこのIgGを含む医薬組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、バチルスアンスラシスの感染の治療または予防用の医薬の調製での本発明IgGの使用を提供することにある。
本発明はさらに、炭疽毒素の検出キット、炭疽毒素のインビトロな検出方法、本発明のIgGを含む免疫結合体(immunoconjugate)にも関するものである。
本発明の対象は、(1)配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸一致性を有するアミノ酸配列を有するL鎖可変領域と、(2)配列番号2と少なくとも90%のアミノ酸一致性を有するアミノ酸配列を有し且つ位置25のセリン残基、位置54のリ遺伝子残基および位置60のアルギニン残基に対応するアミノ酸残基を有するH鎖可変領域とを有し、IgGiまたはIgG2から成ることを特徴とする炭疽毒素の防御抗原(PA)に対するGクラスの免疫グロブリン(IgG)にある。
VKV2領域([表1]に記載の突然変異を含む本発明IgGのL鎖の可変領域領域)の増幅ダイアグラム。 VHV2領域([表2]に記載の突然変異を含む本発明IgGのH鎖可変領域)の増幅ダイアグラム。 ベクターCHK463-23の地図。 ベクターHK558-12の地図。 IgG 35PA83 v2([表1] [表2]に記載の突然変異を含む本発明IgG)を用いた病気の予防的治療。2mg/kgのIgG 35PA83v2で60%の生残率が得られ、5mg/kgで100%の生残が得られる。30日まで新しいイベントは観察されない。 テトラサイクリンを用いた病気の予防的治療。日7にテトラサイクリンの投与は止めた。この治療後、全てのハツカネズミは4〜7日の間に死んだ。 IgG 35PA83を補足または補足していないドキシサイクリンを用いた病気の予防的治療。テトラサイクリンベースの治療(毎日の投与量=5mg/kg)をA/Jハツカネズミで開始した。12時以後にこの動物をSterne株芽胞に10000 LD50で感染させた。治療から日7に35PA83(1または2mg/kg)の存在下または不存在下でテトラサイクリン注射を止めた。図示した時間(500時間)を越えても特別なイベントは起きなかった。非常に重大な作用は図に「***」で示した。 シプロフロキサシン(ciprofloxacin)ベースの治療、IgG 35PA83 v2または両者、シプロフロキサシンまたはIgG 35PA83 v2のみの使用では実質的に生残できない。両方の分子を一緒に用いると生残率は80%にすることができる。30日まで新しいイベントは起きない。
IgG 35PA83を補足したシプロフロキサシンを用いた治療。A/Jハツカネズミに1000LD50 Sterne芽胞を感染させた。感染後、12時間後に2つの別々のグループ(各グループは10匹の動物)に対してシプロフロキサシンのベース(1日に2回、25mg/kg)のみの治療を5日間開始するか、IgG 35PA83(10mg/kg)を一回だけ注射投与した。3つの異なる時間でポスト感染(12、24または48時間後)させ(各時間は異なる動物のグループを表す)、ハツカネズミにはシプロフロキサシンのベースの治療(1日に2回、25mg/kg、5日間)にIgG 35PA83(10mg/kg)の一回の注射を加えた治療を受けさせた。図示した時間(150時間)を越えても特別なイベントは観察されない。重大な作用は図に「*」(p=O.03)または「**」(p=0.0007)で示した。 IgG 35PA83を有する受動の病気予防の治療。35PA83(2mg/kgまたは5mg/kg)の一つの注射は、投与された12の時間従来の感染(10の000 LD50)であった。30日を越えて生き残ったハツカネズミには30日に再感染(10000 L050)させた。図示した時間(40日)を越えて特別なイベントは起きなかった。非常に重大な作用は「***」(p=O.0001)で示した。 突い然変異していな35PA83抗体のH鎖可変領域およびL鎖可変領域のpearl-on-a-string形。このIMGT pearl-on-a-stringはIMGT命名法による。各点は35PA83および35PA83に最も類似するヒト遺伝子の違いを示す。黒丸はIMGT命名法のミッシング位置に対応する。
本発明では、対照の第2の核酸と少なくとも90%の一致性を有する第1の核酸は、この対照の第2の核酸と少なくとも90%一致し、好ましくは91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、97.5%、98%、98.3%、98.6%、99%、99.6%のヌクレオチド一致性を有するのが好ましい。
本発明では、対照の第2のポリペチドと少なくとも90%の一致性を有する第1のポリペチドは、この対照の第2のポリペチドと少なくとも90%一致し、好ましくは91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、97.5%、98%、98.3%、98.6%、99%、99.6%のアミノ酸一致性を有するのが好ましい。
2つの核酸配列間または2つのポリペチド配列間の「一致性%」は比較ウインドウで両方の最適整列した配列を比較して決定する。
すなわち、比較ウインドウ中の上記ヌクレオチドまたはアミノ酸配列部分は基準または対照配列(付加や欠失を含まない)と比べて付加または欠失(例えば「ギャップ」)を含み、両方の配列間の最適アランメントを得ることができる。
一致性%は比較した両方の配列に見られる全く同一塩基または全く同一アミノ酸残基の所での位置の数を求め、両方の塩基または両方のアミノ酸残基の間で一致が観測された位置の数を比較ウインドウ中の位置の全数で割り、得られた結果に100を掛けて、、2つの配列間のヌクレオチド一致性または2つの配列間のアミノ酸一致性の百分比を計算する。
最適配列のアランメント比較は公知のアルゴリズムを使用してコンピュータで行うことができる。
配列一致性%はCLUSTAL Wソフトウェア(バージョン1.82)を用いて決定するのが好まし。そのパラメータは以下のように設定えいるされいる:
(1) CPU MODE = ClustaiW mp、
(2) ALIGNMENT = 「full」、
(3) OUTPUT FORMAT =「aln w/number」、
(4) OUTPUT ORDER =「aligned」、
(5) COLOR ALIGNMENT =「nol、
(6) KTUP(word size)=「default」、
(7) WINDOW LENGTH =「default」、
(8) SCORE TYPE = 「percent」、
(9) TOPDIAG = 「default」、
(10) PAIRGAP = 「default」、
(11) PHYLOGENETIC TREE/TREE TYPE =「none」、
(12) MATRIX = 「default」、
(13) GAP OPEN =「default」、
(14) END GAPS =「default」、
(15) GAP EXTENSION =「default」、
(16) GAP DISTANCES = 「default」
(17) TREE TYPE =「cladogram」、
(18)TREE GRAP DISTANCES =「hide」
本発明抗体のH鎖可変領域およびL鎖可変領域上の突然変異の注、より一般的には本発明抗体の任意実施例の説明に関しては2007年9月26日出願の「炭疽毒素に対して使用される抗体」と題する下記文献の第48〜75頁が参照できる。この特許公報の内容は本明細書の終わりに付けてある。
フランス特許出願第FR 07/06744号公報
配列番号2の位置25のセリン残基の存在度は[図11]の位置「35H」の「31A」と名付けた突然変異に対応する。この突然変異は「G/S(31A)」ともよばれる。
配列番号2の位置54のリ遺伝子残基の存在度は[図11]の位置「35H」の突然変異「66」に対応する。この突然変異は「R/K(66)」ともよばれる。
配列番号2の位置60のアルギニン残基の存在度は「KIR(73)」とよばれる突然変異に対応し、[図11]の位置「35H」の位置「73」に対応する。
本発明では、位置25のセリン残基、位置54のリ遺伝子残でおよび位置60のアルギニン残基に「対応する」残基が上記残基を構成し且つ
(i)これらは配列番号2と少なくとも90%同じ配列中の位置に位置するか、
(ii) 配列番号2と90%同一である配列はアミノ酸の一つ以上の欠失または付加を含むため、基準となる配列番号2と比べて別の位置する。
本発明の別の対象は、下記を特徴とする上記定義のGクラスの免疫グロブリン(IgG)を提供することにある:
(1)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するL鎖可変領域と、
(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するH鎖可変領域。
L鎖とFd断片とから成る免疫グロブリン断片35PA83は、非特許文献1(Laffly達、2005)に記載のように、マカクを炭疽の防御抗原PA83で免疫することによって得た。
抗体の親和性「KD」は当業者に公知の従来法によって測定できる。
親の突然変異していない抗体(すなわち非突然変異)35PA83の親和性KDは3.4×10-9 Mである。この親和定数は、実施例で記載するように、表面プラスモン共振によって会合定数と解離定数をリアル・タイムで測定して計算した。
本発明のIgGのL鎖可変領域(配列番号1)は免疫グロブリン断片35PA83のL鎖可変領域に由来する。その配列は取得番号CAH 17921およびAJ81 0487で、コンピュータ化されたデータバンク、例えばGenbankから入手可能である。
本発明IgGのL鎖可変領域は配列番号1で表されるアミノ酸配列を有し且つそれに加えて以下から選択される少なくとも一つの突然変異を有するのが好ましい:
none/A(1)
none/I(2)
none/Q(3)
none/L(4)
Y/S (14)
K/R (18)
H/R(24)
L/V(124)
上記のnone/A(1)の突然変異は、[図11]の「35L」の部分の配列の位置1および配列番号1の位置−4、すなわち、−3が存在する場合にはその直ぐ上流、存在しない場合には−2の直ぐ上流、それが存在しない場合には−1の直ぐ上流、それが存在しない場合には残基No.1の直ぐ上流にアミノ酸「A」が加わったことを意味する。
上記のnone/ Q(3)の突然変異は、[図11]の「35L」の部分の配列の位置3および配列番号1の位置−2、すなわち、−1が存在する場合にはその直ぐ上流、存在しない場合には残基No.1の直ぐ上流にアミノ酸「I」が加わったことを意味する。
上記のnone/ L(4)の突然変異は、[図11]の「35L」の部分の配列の位置4および配列番号1の位置−1、すなわち、残基No.1の直ぐ上流にアミノ酸「I」が加わったことを意味する。
上記のY/ S(14)の突然変異は、[図11]の「35L」の部分の配列の位置14および配列番号10の位置でアミノ酸「Y」がアミノ酸「S」に置換されていることを意味する。
上記のK/ R(18)の突然変異は、[図11]の「35L」の部分の配列の位置18および配列番号14の位置でアミノ酸「K」がアミノ酸「R」に置換されていることを意味する。
上記のH / R(24)の突然変異は、[図11]の「35L」の部分の配列の位置24および配列番号20の位置でアミノ酸「H」がアミノ酸「R」に置換されていることを意味する。
上記のL /V(124)の突然変異は、[図11]の「35L」の部分の配列の位置124および配列番号100の位置でアミノ酸「L」がアミノ酸「V」に置換されていることを意味する。
これらの突然変異の少なくとも一つの付加によって本発明免疫グロブリンGのL鎖可変領域の免疫原性を、その起源である断片35PA83の免疫原性と比較して、減らすことができるのができるのが好ましい。
配列番号1に示すアミノ酸配列を有する本発明IgGのL可変領域は下記の突然変異を有するのが特に有利である:
none/A(1)
none/I(2)
none/Q(3)
none/L (4)
配列番号1に示すアミノ酸配列を有する本発明IgGのL可変領域は下記の突然変異を有するのが特に有利である:
none/A(1)
none/I(2)
none/Q(3)
none/L (4)
Y/S (14)
K/R(18)
H/R(24)
LN(124)
これらの突然変異の少なくとも一つの付加によって本発明免疫グロブリンGのL鎖可変領域の免疫原性を、その起源である断片35PA83の免疫原性と比較して、減らすことができるのができるのが好ましい。
本発明のIgGのH鎖可変領域(配列番号2)は免疫グロブリン断片35PA83のFd断片の可変領域に由来する。その配列はコンピュータ化されたデータバンク、例えばGenbankに登録され、取得番号CAH17920およびAJ810486でアクセスできる
配列番号2に示したアミノ酸配列を有するH鎖可変領域は下記の中から選択される少なくとも一つの突然変異をさらに有するのが好ましい:
none/Q(1)
none/V(2)
none/Q(3)
none/L(4)
none/Q(5)
none/E(6)
L/V (12)
A/T (24)
A/T(122)
V/L(123)
上記のnone/Q(1)の突然変異は、[図11]の「35H」の部分の配列の位置1および配列番号2の位置−6、すなわち、−5が存在する場合にはその直ぐ上流、存在しない場合には−4の直ぐ上流、それが存在しない場合には−3の直ぐ上流、それが存在しない場合には−2の直ぐ上流、それが存在しない場合には−1の直ぐ上流、それが存在しない場合には残基No.1の直ぐ上流にアミノ酸「Q」が加わったことを意味する。
上記のnone/V(2)の突然変異は、[図11]の「35H」の部分の配列の位置2および配列番号2の位置−5、すなわち、−4が存在する場合にはその直ぐ上流、存在しない場合には−3の直ぐ上流、それが存在しない場合には−2の直ぐ上流、それが存在しない場合には−1の直ぐ上流、それが存在しない場合には残基No.1の直ぐ上流にアミノ酸「V」が加わったことを意味する。
上記のnone/ Q(3)の突然変異は、[図11]の「35H」の部分の配列の位置2および配列番号2の位置−4、すなわち、−3が存在する場合にはその直ぐ上流、存在しない場合には−2の直ぐ上流、それが存在しない場合には−1の直ぐ上流、それが存在しない場合には残基No.1の直ぐ上流にアミノ酸「Q」が加わったことを意味する。
上記のnone/ L(4)の突然変異は、[図11]の「35H」の部分の配列の位置4および配列番号2の位置−3、すなわち、−2が存在する場合にはその直ぐ上流、存在しない場合には−1の直ぐ上流、それが存在しない場合にはは残基No.1の直ぐ上流にアミノ酸「L」が加わったことを意味する。
上記のnone/ L(4)の突然変異は、[図11]の「35H」の部分の配列の位置4および配列番号2の位置−3、すなわち、−2が存在する場合にはその直ぐ上流、存在しない場合には−1の直ぐ上流、それが存在しない場合にはは残基No.1の直ぐ上流にアミノ酸「L」が加わったことを意味する。
上記のnone/ Q(5)の突然変異は、[図11]の「35H」の部分の配列の位置5および配列番号2の位置−2、すなわち、−1が存在する場合にはその直ぐ上流、存在しない場合には残基No.1の直ぐ上流にアミノ酸「Q」が加わったことを意味する。
上記のnone/ E(6)の突然変異は、[図11]の「35H」の部分の配列の位置6および配列番号2の位置−1、すなわち、残基No.1の直ぐ上流にアミノ酸「E」が加わったことを意味する。
上記のL/V (12)の突然変異は、[図11]の「35H」の部分の配列の位置12および配列番号2の位置5のアミノ酸Lがアミノ酸Vと置換されていることを意味する。
上記のA/T(24)の突然変異は、[図11]の「35H」の部分の配列の位置24および配列番号2の位置11のアミノ酸Aがアミノ酸Tと置換されていることを意味する。
上記のA/T(122)の突然変異は、[図11]の「35H」の部分の配列の位置122および配列番号2の位置113のアミノ酸Aがアミノ酸Tと置換されていることを意味する。
上記のV/L(123)の突然変異は、[図11]の「35H」の部分の配列の位置123および配列番号2の位置114のアミノ酸Vがアミノ酸Lと置換されていることを意味する。
これらの突然変異の少なくとも一つの付加によって本発明免疫グロブリンGのL鎖可変領域の免疫原性を、その起源である断片35PA83の免疫原性と比較して、減らすことができるのができるのが好ましい。
本発明のIgGのH鎖可変領域(配列番号2)は免疫グロブリン断片35PA83のFd断片の可変領域に由来する。その配列はコンピュータ化されたデータバンク、例えばGenbankに登録され、取得番号CAH17920およびAJ810486でアクセスできる。本発明のH鎖可変領域(配列番号2)は免疫グロブリン断片35PA83の可変領域と比べて、G/S(31A)、R/K、66)およびK/R(73)の3つの突然変異を含む点で修正されている。これら3つの突然変異によって本発明の免疫グロブリンGのH鎖可変領域の親和性が、免疫グロブリン断片35PA83の可変領域と比較して、改善できるのが好ましい。
配列番号2によって示されるアミノ酸配列を有するH鎖可変領域は下記の突然変異をさらに含むのが特に有利である:
none/Q(1)
none/V(2)
none/Q(3)
none/L(4)
none/Q(5)
none/E(6)
配列番号2によって示されるアミノ酸配列を有するH鎖可変領域は下記の突然変異をさらに含むのが特に有利である:
none/Q(1)
none/V(2)
none/Q(3)
none/L(4)
none/Q(5)
none/E(6)
L/V(12)
A/T(24)
A/T (122)
V/L(123)
これらの突然変異の少なくとも一つによって本発明の免疫グロブリンGのL鎖可変領域の疫原性が、それが由来する免疫グロブリン断片35PA83の可変領域と比較して、減できるのが好ましい。
配列番号1によって示されるアミノ酸配列を有するL鎖可変領域は下記の突然変異:
none/A(1)
none/I(2)
none/Q(3)
none/L(4)
をさらに含み、抗体のH鎖可変領域(番号配列2)が下記の突然変異:
none/Q(1)
none/V(2)
none/Q(3)
none/L(4)
none/Q(5)
none/E(6)
を含むのが特に有利である
本発明のIgGのL鎖恒常領域は配列番号3からなるアミノ酸配列を有し、H鎖恒常領域は配列番号4から成るアミノ酸配列を有するのが好ましい。
本発明の説明で、「免疫グロブリン」という用語は特定の抗原と特異的に結合する能力を有する免疫グロブリン分子または免疫グロブリン分子の断片を意味する。周知の免疫グロブリン断片は例えばF(ab')2、Fab、Fv、scFv、そして、Fd断片等である。
タイプGの免疫グロブリン(免疫グロブリンG)はジスルフィド架橋によって互いに結合された2つのH鎖と2つのL鎖とから成るヘテロダイマーである。各鎖は、N末端位置の、その免疫グロブリンが目指す抗原に特異的な可変領域またはドメイン(再配置されたL鎖の場合、遺伝子V-J、H鎖の場合、V-D-Jによってコードされる)と、C末端位置の、L鎖の場合は単一のドメインCLまたはH鎖の場合には3つのドメイン(CH1、CH2およびCH3)から成る恒常領域とを有している。重鎖および軽鎖の可変ドメインとCH1およびCLドメインとが組合されてFab部分を形成する。このFab部分は非常に可撓性のあるヒンジ領域を介してFc領域に接続し、それによって各Fabは抗原標的に結合でき、Fc領域は抗体のエフェクタ特性を調停し、免疫エフェクタ、食細胞またはキラー細胞にアクセス可能のままで残る。これらの恒常領域は抗原との結合には関与しない。2グロブラードメインCH2およびCH3から成るFc領域は両鎖の各々でCH2ドメイン上でラクトサミン型のビアンテナリN-グリカンの存在下でAsn 297に結合する。
可変領域はそのエピトープに対する抗体の結合に関与する。
恒常領域(Fc)が酵素で開裂され、そこからヒンジ領域が作られ、する抗体はF(ab)2断片とよばれ、2つの抗原結合部位を保持する。
同様に、ヒンジ領域を含む恒常領域が酵素で開裂されるか、この領域無しで作られた抗体はFab断片とよばれ、2つの抗原結合部位の一つを保持する。
Fd断片は、VHとCH1領域とから成る。
可変領域にはコンプレメンタリティを決定する領域(CDRs、コンプレメンタリティ決定領域)が位置し、高度変異領域とも呼ばれ、抗原と直接相互作用する。従って、CORを修正することで抗体の親和性を修正することができる。可変領域にはCORの三次構造を維持するフレーム・ワーク領域(FR)と呼ばれる第2の型の領域が位置している。このフレーム・ワーク領域は抗体が誘導される各生物種に対して比較的特有である。H鎖およびL鎖のFd断片には4つのフレーム・ワーク領域(FR4へのFRI)が位置し、3つのCDR(CDR1〜CDR3)によってそれぞれ切り離されている。
本発明の抗-PA IgGのH鎖可変領域およびL鎖可変領域のアミノ酸に関する上記の説明から、当業者はこれらアミノ酸配列をコードする核酸を合成することができる。
本発明のIgGのH鎖およびL鎖の各恒常領域はヒトの恒常領域であるのが好ましい。
本発明のIgGの各L鎖の恒常領域はκ型であるのが好ましい。本発明では任意のアロタイプ、例えばKm(1)、Km(12)、Km(1、2、3) またはKm(3)を最適に使用できるが、好ましいアロタイプはKm(3)である。
各抗体のH鎖恒常領域はγ型、γ2型またはγ3型(これらの3種類の恒常領域はヒト補体を固定する特徴を有する)またはγ4型にすることができる。
各抗体のH鎖の恒常領域はγ型であるのが好ましい。すなわち、この種の抗体は大多数の個体(ヒト)のADCC活性を誘発できる。この点で、本発明では任意のアロタイプ、例えばGIm(3)、Glm(1、2、17)、Glm(1、17)またはGlm(I.3)を最適に使用できる。アロタイプはGlm(l.17)であるのが好ましい。
本発明のIgGの各H鎖の恒常領域はγ1型であるのが好ましく、アミノ酸配列番号4を含み、本発明のIgGの各L鎖の恒常領域はアミノ酸配列番号3を有するのが好ましい。
本発明のIgGの各L鎖はアミノ酸配列番号5を有するのが好ましく、本発明のIgGの各H鎖はアミノ酸配列番号6を有するのが好ましい。
本発明の他の目的は、本発明のIgGをコードする核酸を提供することにある。
本発明のIgGの各L鎖の可変領域は配列番号7の核酸一次構造によってコードされる。本本発明の抗体のH鎖の各可変領域は配列番号8のネズミの核酸一次構造によってコードされる。
本発明の一つの実施態様では、本発明のIgGの各H鎖の恒常領域はヒト核酸の配列番号9によってコードされる。本発明の各L鎖の恒常領域は配列番号10のヒト核酸によってコードされる。
特に、本発明の抗体の各軽鎖は配列番号11の核酸によってコードされ、各H鎖は配列番号12の核酸によってコードされる。
本発明の別の目的は、本発明のIgGをコードする核酸を有するベクターを提供することにある。
ここで使用する「ベクター」という用語は、所定の配列が制限で挿入され、運搬または各種の遺伝環境の中でライゲーションされ、または宿主細胞中で発現される核酸を意味する。ベクターは例えばプラスミド、コスミド、酵母人工クロモソーム(YAC)、バクテリアの人工クロモソーム(BAC)およびバクテリオファージPl(PAC)、ウィルス由来のベクターにすることができる。クローニングベクタは宿主細胞中で複製ができ、さらに、一つ以上のエンドヌクレアーゼ制限サイトの存在で特徴づけられるベクターである。発現ベクターは目的のDNA塩基配列が制限またはライゲーションテクニックによって挿入され、RNAにその複製および/または転写ができるベクターである。このベクターはそのベクターでトランンスフォームまたはトランスフェクトされたセルを選択または識別するための一つ以上のマーカーを含むことができる。
この核酸を組換え型ベクターに組み込んで、本発明の抗体のクローン化または発現させることができる。
本発明は真核または原核細胞トランスフォーメーション、トランスフェクションまたは遺伝子治療のためのコード配列を含む全ての組換え型ベクターを含む。この種のベクターは分子生物学の従来法に従って調製でき、適切なプロモータを含むことができ、必要に応じて輸出または分泌のための信号配列やヌクレオチド配列の転写のために必要な調節配列を有することができる。
本発明の抗体を精製するには合着ポリペチドが必要であろう。合着ドメインは例えばNi2+カラムまたは繊維状ファージメンブレンアンカー上へ精製を可能するポリヒスチジンテイルを含むことができる。これは「バクテリオファージ表示」と呼ばれている方法でライブラリをスクリーニングする上で特に有用である。
本発明で最適に使用可能なベクターは、本発明の全長抗体またはF(ab)2またはFab断片のようなヘテロダイマ抗体の発現を可能にするために、第一および第二のDNA塩基配列を受け、発現するための組換え型DNA分子である。この種のベクターはベクターに存在する2つのカセット中で、上記のヘテロダイマ抗体から第一および第二のポリペチドを発現するための2つの別々のシストロンを形成するために、両方のDNA塩基配列を独立してクローン化するための系を提供する。この種の発現ベクターはディシストロニック(dicistronic)なベクターと呼ばれている。
本発明の変性された抗体は真核細胞、例えばCHO細胞またはヒトまたはネズミの例えばハイブリドーマ細胞や、トランスジェニク植物および動物細胞で生産することができる。
本発明の更らに他の目的は、本発明のベクターを含む原核または真核の宿主細胞を提供することにある。
本発明の発現ベクターは本発明のIgGのL鎖を発現することができるのが好ましい。この本発明の特定の実施例では、ベクターは各IgG L鎖の可変領域をコードする配列番号7の核酸と、抗体の各軽鎖の恒常領域をコードする配列番号10の核酸とを含む核酸分子であり。宿主細胞はその発現に必要な必須の配列(プロモータ、ポリアデニル化配列、選択遺伝子)を有しているので、それを宿主細胞へ挿入し、保持することでこれらの核酸の異種断片を発現できる。これらのベクターは当業者に周知で、アデノウィルス、レトロウィルス、プラスミドまたはバクテリオファージにすることができるが、これらに制限されるものでわない。さらに、宿主細胞として任意の哺乳類細胞、すなわち、例えばYB2/0、CHO、CHO dhfr-(例えばCHO DX Bu、CHO DG44)、CHO LecI3、SP2/0、NSO、293、BHKまたはCOSのような本発明IgGのL鎖の発現ベクターによって運ばれる核酸断片を発現する細胞セルを使用することもできる。
本発明の発現ベクターは本発明のIgGのH鎖できるのが好ましい。この特定実施例では、ベクターはH鎖が配列番号12の核酸によってコードされる本発明のIgGを発現できる分子であるのが好ましい。このベクターの核酸には各IgG H鎖の可変領域をコードする配列番号8の核酸と、各抗体H鎖の恒常領域をコードする配列番号9の核酸とが挿入された核酸分子で、これらの核酸は宿主細胞へ挿入され、保持される。宿主細胞はこれらの核酸の発現に必要な必須の配列(プロモータ、ポリアデニル化配列、選択遺伝子)を有するので、宿主細胞でこれらの核酸異種断片の発現ができる。既に述べたように、ベクターは例えばプラスミド、アデノウィルス、レトロウィルスまたはバクテリオファージにすることができ、宿主細胞は任意の哺乳類細胞、例えばYB2/0、CHO、CHO dhfr-(CHO DX BII、CHO DG44)、CHO Lecl3、SP2IO、NSO、293、BHKまたはCOSにすることもできる。
本発明のベクターは本発明の免疫グロブリンのH鎖および/またはL鎖をコードする配列含むことができる。
本発明のIgGの重鎖および軽鎖の発現を可能にするベクターの例は実施例2に示す。このベクターは本発明のIgGのL鎖およびH鎖のための2つの転写単位を含むユニークなベクターである。
本発明の他の目的は、上記定義のベクターを含む宿主細胞を提供することにある。
本発明の宿主細胞は、SP2/0、YB2/D、1R983F、ママルワ(Namalwa)ヒト・ミエローマ、PERC6、CHO細胞株、特に、CHO-K-1、CHO-LeclO、CHO-LecI、CHO-Lecl3、CHO Pro-5、CHO dhfr-、WiI-2、Jurkat、Vero、Molt-4、COS-7、293-HEK、BHK、K6H6、NSO、SP0分の2-Ag 14およびP3X63Ag8.653の中から選択するのが好ましい。
本発明の好ましい実施例では、抗体はラット・ハイブリドーマYB2/0の(YB2/3HL.P2.GII.I6Ag.20細胞、American Type Culture Collectionに受入れ番号ATCC CRL-1662で寄託)で生産することができる。この細胞系を選択した理由は、CHO細胞のような類似した一次構造の抗体で得られるものと比べて、改善されたADCC活性(抗体依存‐細胞媒介細胞傷害性)を有する抗体を生産できる能力にある。
本発明の一つの特定態様では、本発明の抗体を発現する安定した細胞系、特に、上記グループの中から選択される細胞系は上記のようなH鎖およびL鎖の発現ベクターの一方または両方を統合したものである。
本発明の別の目的は、本発明の少なくとも一つのIgGを含む組成物を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、本発明の少なくとも一つのIgGを含む医薬品組成物を提供することにある。
上記医薬品組成物は薬学的に許容されるビヒクルを含むのが好ましい。本発明で使用するビヒクルは組成物の活性成分の生物学的活性効率と干渉しない無毒な材料を意味する。「薬学的に許容される」とは、生物系、例えばセル、細胞培養、組織または生物とコンパチブルな無毒な材料を意味する。ビヒクルの特徴は投与方法に依存する。
本発明は、炭素菌の感染を治療または予防するための医薬品組成物または薬物の製造での本発明の少なくとも一つのIgGの使用に関するものである。
「予防」という用語は、患者、特にヒトでの病気の発生を防ぐこと、病気が現れないことを意味する。
「治療」という用語は上記病気の阻止、すなわち上記病気の症状および結果の進展の停止、低下または消滅を意味する。
本発明のIgGはラベル化することができる。適切なマーカーの例には酵素、ラジオアイソトープ、蛍光化合物、コロイド金属、キミオルミオネッセス(chimioluminescent)化合物およびビオルミオネッセス(bioluminescent)化合物が含まれる。
マーカーを抗体へ結合する方法は当業者に周知である。
他の標識化方法は抗体を低分子量ハプテンにカップリングするものである。このハプテンは第2の反応によって変性することができる。適したハプテンの例にはビオチン(アビ遺伝子と化学反応する)またはジニトロフェノールピリドキサールまたはフルオレセイン(抗ハプテン特異抗体と化学反応できる)が含まれる。
本発明の目的は以下から成るPA-含む炭疽毒素検出キットを提供することにある:
(1)ラベル化されていてもよい本発明の少なくとも一つの抗-PA IgGを含む容器、
(2)緩衝液を含む容器(任意成分)、
(3)リポータ分子、例えば蛍光剤または酵素マーカーと結合したビオチン-結合タンパク、例えばアビ遺伝子またはステレプタビヂン(streptavidine)のようなラベル化されたIgG検出手段を含む容器(任意成分)。この容器は非ラベル化免疫グロブリンG、すなわち実質的に抗体または抗体断片を検出する手段を含むこともできる。
本発明のIgGはビトロ、免疫アッセイ、例えば液相中または固相ビヒクルに固定して使用することができる。周知のビヒクルの例にはガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然または改質繊維素、ポリアクリルアミド、アガロースまたは磁鉄鉱が含まれる。本発明の抗PA IgGを使用した免疫アッセイの例は免疫ラジオイムノアッセイ、ヒストイムノロジカル(histoimmunological)ラベル化法、ELISA、ウエスタンブロット、免疫沈降アッセイ、免疫拡散アッセイ、補体結合アッセイの、蛍光活性セルソーティング(Fluorescence-activated Cell Sorting)アッセイ(FACS)またはタンパク-チップアツセイである。
本発明のさらに別の目的は、下記工程から成る生物学的サンプル中のPA-含有炭疽毒素をインビイトロで検出する方法を提供することにある:
(1)上記サンプルを本発明の少なくとも一つの抗-PA IgGと接触させ、
(2)上記炭疽毒素の存在を示すものとして上記抗体の結合を検出する。
生物学的サンプルは液体、例えば唾液、尿、脳脊髄液、漿液または血液または固形物または半固体、例えば組織または大便または例えば伝統的に組織学の鑑別で使用されている固体組織にすることができる。
本発明の別の目的は、本発明のラベル化した免疫グロブリンGを検体に投与する、PA-含有炭疽毒素をインビトロで検出する方法を提供することにある。ラベル化IgGの投与量は抗体を被検出トキシンに充分に結合できる量でなければならない。ラベル化IgGの投与量は病気の段階、例えば患者の年齢および性等のいくらかの因子に依存する。投与量は0.01mg/kg〜50mg/kg、好ましくは0.1mg/kg〜20mg/kg、より、好ましくは0.1mg/kg〜2mg/kgにすることができる。
インビトロで診断を行うためには、本発明の変性抗PA IgGを官能基を介して直接または間接的にラジオアイソトープに結合しなければをならない。一般に使用されている官能基の例にはジエチレンートリアミンー五酢酸(DTPA)およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が含まれる。ラジオアイソトープ金属イオンの例には1111n、97Ru、67Ga、68Ga、72As、89Zrおよび201TIが含まれる。
本発明の変性された抗PA IgGsをさらに、磁気共鳴画像(MRI)または電子スピン共鳴(ESR)を使用した診断をするために、正磁性同位体でラベル化することもできる。また、ポジトロン-発生ガンマ・ラジオアイソトープ、例えば157Gd、55Mn、162Dy、68Ga、52Crおよび56Feを使用することもできる。
本発明のIgGsはさらに、病気の治療の進展をインビトロまたはインビでモニターする、例えば炭疽毒素が目標とする細胞の数の増加または減少や、生物学的サンプル中のPAトキシン濃度の変化を求めるために使用することができる。
本発明の一つの目的は、潜在的に炭素菌に感染した患者、好ましくはヒトを治療する方法、本発明で変性された抗PA抗体の治療有効量を患者に投与して治療する方法を提供することにある。
「治療有効量」とは上記の治療を必要とする患者に投与したときに治療を実施するのに充分な量を意味する。この治療有効量は患者、治療する病気の段階および投与方法に依存し、当業者はルーチン手順で決定できる。
「炭疽」という用語はバチルスアンスラシスの感染によって直接または間接的に生じる任意の病気を意味する。吸引感染の初期症状はコリーザのそれらと同様である(発熱、筋肉痛)。これらの症状は二日間後には重大な呼吸困難、腐敗菌へと進展する。通常、炭疽を吸引することは致命的なことである。
炭疽の皮膚感染はバクテリアが皮膚間隔皮膚中に深く入り込んだときに起こる。この感染ではまず最初に丘疹が形成され、2〜3日以内にベシクルになり、その後、直径が1〜3cmの潰瘍化になり、中心に壊死面積ができる。炭疽の胃腸感染は汚染された肉を消費することで生じて、腸管の鋭い炎症によって特徴づけられる。
治療有効量は、病気症状および感染の拡大を減らすのに充分な量に対応する。この量は患者の年齢、性および病気の段階で変わり、当業者が決定できる。この治療有効量は1日1回または数回で、0.01mg/kg〜50mg/kg、好ましくはの0.1mg/kg〜20mg/kg、より好ましくは0.1mg/kg〜2mg/kg、1日またはそれより長期間、投与することができる。
投与方法は注射または漸進注入にすることができる。注射は静脈、経腹膜、腹膜内、経筋、皮下、経皮で行うことができる。
非経口投与用調整物には無菌水溶液または非水溶液、懸濁液またはエマルションが含まれる。非水系溶媒の例にはプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、オレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルが含まれる。水溶性ビヒクルには水、アルコール/水溶液、エマルションまたは懸濁が含まれる。
本発明の別の目的は、、本発明のIgGを治療薬と直接または間接的に組合わせた免疫複合体(immunoconjugate)を提供することにある。
上記治療薬には化学薬、放射性核種、免疫療法薬、サイトカイン、ケモキン(chemokines)、トキシンまたは酵素阻害剤が含まれる。トキシンの例としてはジフテリアトキシン連鎖A、エキソトキシン連鎖A、リシン連鎖A、アブリン連鎖A、モデッシン連鎖A、α-サリシン(sarcin)、アルライトフォルヂディ(Aleurite fordii)タンパク、ディアシン(dianthin)タンパク、フィトラカ アメリカナ(Phytolaca americana)タンパク、モルディカ チャランチカ(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン、サパオナリア(sapaonaria)局方インヒビター、ゲロニン(gelonine)、ミトゲエリン(mitogelline)、レストリクトシン(restrictocine)、フェノミシン(phenomycine)、エノミシン(enomycine)およびトリコテェセン(tricothecenes)挙げられる。放射性核種の例には212Bi、131I、131ln、90Yおよび186Reが含まれる。
本発明のIgGは、テトラサイクリン-ベースの病気予防治療と組み合わせるのが好ましい。本発明の免疫グロブリンGを使用することで、テトラサイクリン-ベースの予防を短くすることができ、テトラサイクリン-ベースの速い治療(迅速な治療」)に本発明のIgGの注射を加えることで、感染の危険に曝された後に確実に定され止まることができる。
本発明の免疫グロブリンGはシプロフロキサシンを用いた治癒処理と組み合わせるのが好ましい。
本発明は以下の抗PA IgG調整物の実施例を参照することでより容易に理解できよう。
実施例1
Fab(35PA83)変異菌ライブラリの構築
材料と方法
大腸菌株
下記の大腸菌株を使用した:
(1)XL1(Stratagene、jolla、CA):recAl、endAl、gyrA96 thi-1 hsdRl7 sup E44 relAl lac [F'proAB laclqZΔMl5 TnlO(Tetr)]
(2)SURE(Stratagene):e14(McrA) Δ(mcrCB-hsdSMR-mrr)171 endAl supE44 thi-l gyrA96 relAl lac recB recJ sbcC umuC:Tn5(Kanr)uvrC [F' proAB laclqZAMI5 TnlO(Tetr)]
(3)HB2151(Caete et al., 1985)、可溶性Fabsの発現に使用。
トキシン
List labotatoriesから得られる炭疽毒素(PA83、LFおよびEF)。
35PA83変異菌ライブラリの構築
免疫グロブリン断片35PA83の突然変異体を構築し、ヒユーマライズした。この突然変異体は[表3]および「表4]に記載の突然変異を実行して得た:
Figure 2011504743
Figure 2011504743
このヒユーマライズした突然変異体から出発して、Massive mutagenesis(登録商標)(Biomethods、Evry、フランス)で遺伝子35PA83に由来する突然変異抗体ライブラリを作った。突然変異はNNSコードンを使用して重鎖および軽鎖のCDR5中に挿入した(NはA、T、GまたはCをコードし、SはGまたはCをコードする)。CDR領域はKabat et al (Wu and Kabat 1970)およびIMGT(Lefranc、Pommie et al 2003)に従って定義した。
DNAライブラリを使用してSUREセルを電気穿孔法(electroporation)によってトランスホームさせた。培養物にカルベニシリン補充(carbenicillin-supplemented)したSB媒体を加えた後、に37℃で1時間培養し、培養物に1mlのファージ・ヘルパーVCSM13、Andris-Widhopf et al.、2001)(約1012pfu)を加えた。インキュベーションを2時間行った後、70μg/mlのカナマイシンを加え、培養物を一晩、撹拌下に37℃に放置した。
ファージ表示による抗体の選択
ファージ-Fabs粒子を精製し、50mlの培養物からPEGで沈殿によって濃縮し、3mlの1% PBS-BSAの-0.02%アジドに再懸濁させ、0.45 μm-濾紙でろ過した。このファー調整物のタイターは約1010pfu/mlであった。ファージ-Fabsを上記の5、10および15に対応する3つの感染-選択回収サイクル、例えば上記(Andris-Widhopf、Rader、 et al,2000)、にかけた。
可溶性Fab、ペリプラスミック(periplasmic)抽出および精製
各DNA突然変異体を化学的にコンペテント化大腸菌株(HB2151とよばれる)のバクテリアにトランスホームした。セルヲ30℃で培養し、50μg/mlのカルベニシリン(carbenicilline)と0.1%のグルコースとを含む1LのSB媒体を250回転数/分で撹拌した。培養物の吸光度がλ=600nmで1.5に達した時に、22℃で18時間、、1mM IPTG(イソプロピルβ-D-1-チオガラクトースピラノシド(thiogalactopyranoside)で誘導を実行した。
Fabsをポリミキシン(polymixine)B硫酸エステル(シグマ)で抽出し、ニッケルカラム(Ni-NTAスピンカラム、QIAGEN、バレンシア、CA)で、そのメーカの指示に従って精製し、PBS IXで4℃で3時間透析した。
可溶性Fabsの数量化
Fab純度はSOS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動でテストし、その濃度はソフトウェアQuantity One(登録商標)(Biorad)を使用して決定した。
表面プラスモン共振(SPR)のリアルタイム計測
PA83と35PA83の突然変異体間の相互作用に対する反応速度定数をっシステムBiacore X SPR(BlAcore、Uppsala、スウェーデン)を使用して決定した。pH 4.5の10mM酢酸ナトリウム中の2μg/mlのPA83に対して30μlを注射するアミンカッツプリング手順を使用して、PA83をCM5感応ティツプ(Biacore)上に固定した。結合確率を最小にするために高流速(30μl/mm)および最小結合量(約500RU、共振単位)を使用してKDを測定した。PBS中の5〜400nMの各種濃度でFabにたいする結合比を30μl/分の速度で求めた。結合データをBIA評価用ソフト(Biacore)のラングミュアの1:1に導入した。PA83に対するFabの会合定数および解離定数(konおよびkoff)を35℃で求めた。
配列解析
選択したクローンの重鎖およびL鎖の配列はompseqおよびnewpelseqプライマ(Andris-Widhopf、Rader al. 2000)を使用してGenome Expressシークエンシング(Meylan、フランス)で決定した。配列はIMGTシステム(http:/imgt.cines.fr)を使用してオンラインで分析した。
結果
インビトロ親和性成熟を行い改良された親和性を有する新しい突然変異体を作った。そのために6CDRからの残基すなわち、73位置に位置する残基の突然変異のみを行って突然変異ライブラリを作った。このライブラリは寸法に関して5.4×108のトランスフォーマントを含む。45の独立したプラスミドクローンの配列決定を行って多様性および突然変異率を求めた。実験した突然変異率は3つの突然変異/断片(VH+VL)に対応し、これを用いることでPAに対する親和性が改善された突然変異の組合せを直接選ぶことができる。
非選択ライブラリの標的CORの各位置での突然変異体頻度を選択ライブラリ(表1)と比べて分析することで、いくつかの位置が突然変異に対して寛容でないことが明らかになった。すなわち、これらの位置に位置する残基は抗原に結合するためのキーとなる重要な残基であり、抗原結合部位インテグリティーを保存する。特に、CDR1の(H31-H40)残基は抗原接触残基と定義される。
この選択プロセス中に実質的な選択圧力が働き、選択配列に比べて、特にL-CDR1およびH-CDR1において、非選択ライブラリはより広い多様性を有するように思われる。
全ての突然変異位置の間で、突然変異の組合せは著しく改良された親和性を示した.[表3]はクローンv2、その結合能およびキネティクスを示す。
Figure 2011504743
会合定数(Kon)および解離定数(Koff)は表面プラスモン共振(BlAcore)で求め、Koff/Kon比に対応するKDを計算した。
V2 トリプル突然変異体は低い解離定数(K0ff = 8.1×IO5 s-1)とおよび35PA83より少し速い会合定数(Kon = 1.22×105M-1-l)すなわち親和性× 5.15を示した。この突然変異体はH鎖可変領域に3つの突然変異: H-CDRI(H鎖可変領域のCDR1)に一つの突然変異(G31AS)と、H-CDR2(H鎖可変領域のCDR2)に2つの突然変異R66K、K73Rを含む。
第3サイクル後、ファージを2回の追加的選択方法に従ってスクリーニングした。すなわち、抗原被覆ウエル中で長期持続培養でパンイングする(「長期培養選択」)、非常に低濃度の可溶性ビオティニレイト(biotinylated)した抗原を使用した(「低濃度可溶性抗原選択」)。
実施例2
カニクイザル‐ヒトキメラlqG 35PA83 v2発現のための発現ベクターHK558-12の構築
選択された突然変異体(v2)のH鎖可変領域(VH)はヒトの突然変異体Fab 35PA83と比べて3つの突然変異:G-> >S(IMGT命名に従うとHIの第6残基)、R-> >K(H2の第2アンカー残基)およびK-> >R(IMGT命名に従うとFR3の第6残基)を含む。
ベクターHK558-12(図4参照)は最適化されたユニークなジェネリクベクターCHK463-23-1(図3参照)から「ダブル」キメラ化(chimerization)、すなわち、カニクイザルv2配列にヒト・リーダー領域を5'に加え(プラスミドpCOMB(Andris-Widhopf et al.、2000)のv2クローン配列はリーダー配列を含まない)および3'にヒト恒常領域CKおよびGlに加えた。
1.方法の原則
伝統的な分子生物学的方法をベクターHK558-12の構築で実行した。問題DNAの塩基配列をアッセンブリーPCRで増幅(酵素「Proofstart DNAポリメラーゼ」Qiagen、202 203)で10サイクル)し、プラスミドまたは発現ベクター中でクローン化した(限定酵素で消化、ライゲーション)。こうして得られた組換えプラスミドをバクテリア(バクテリアのトランスフォーメーション)に挿入し、増幅してトランスフェクション段階に充分な量のベクターを生産した(バクテリアの培養)。
バクテリア培養プロセス中に得られたベクターは精製され、その後、YB2/0およびCHO細胞株でのトランスフェクションのエクスペクテイシオンで線形化される。
1.1 変異体v2(VKv2)の軽鎖可変領域のアッセンブリーPCR合成
領域VKv2は下記領域のキメラ化(chimerization)に対応する:
(1)L鎖可変領域(VK)のリーダー―スタートVK:ヒト配列Z0006(受入れ番号)(サブグループVKI、VKI-13)、選択CRSSA-IMGT:
(2)VK カニクイザル(文献Laffly et al 2005に記載の、v2のVHおよびVL配列含むプラスミドpComb3X)
VK カニクイザルの5'にヒト・リーダー配列を加えると下記の配列が得られる:

ATGGACATGAGGGTCCCCGCTCAGCTCCTGGGGCTTCTGCTGCTCTGGCTCCCAGGTGCCAGATGTGCCATCCAGTTG(配列番号13)
(イタリック:ヒトVKスタート)
この配列はクローン化手順で使用する制限サイトは含まない。
領域VKv2の増幅:
(1)プライマ一ペアーVK1_CAとVK2_CA
VKI_CA:5'‐CTCAGTACTAGTGCCGCCACCATGGACATGAGGGTCCCCGCTCAGCT-3'(配列番号 14)
VK2_CA:5'-ACCTGGGAGCCAGAGCAGCAGAAGCCCCAGGAGCTGAGCGGGGA-3'(配列番号 15)
このプライマ一ペアによってサイトSpeIの導入とv2の配列に最も類似するヒトVKリーダー(VKI-13 Z00006、Accession No.)に対応するリーダー配列のスタートを可能にする。
得られたアンプリコンはアンプリコン1(78pb)に対応する。
(2)プライマ一ペアーVK3_CAとVK4_CA
VK3_CA:5'‐TGCTCTGGCTCCCAGGTGCCAGATGTGCCATCCAGTTGACCCA−3' (配列番号16)
VK4_CA:5'‐CTCCCACATA TG CA GA CAGGGACGA TG GA GACTGGGTCAACTGGA-3'(配列番号17)
このプライマ一ペアを用いることで、残りのリーダー配列すなわちヒトVKの領域5' (VK1-13 Z00006)の導入とv2のVKのスタートを可能にする。得られたアンプリコンはアンプリコン2(75pb)に対応する。
(3)プライマ一ペアVK1_CAとVK4_CA
VK1_CA:5'-CTCAGTACTAGTGCCGCCACCATGGACATGAGGGTCCCCGCTCAGCT−3' (配列番号18)
VK4_CA:5'‐CTCCCA CA TA TGCA GA CAGGGACGA TG GA GACTGGGTCAACTGGA-3'(配列番号19)
このプライマペアを用いることで、アンプリコン1および2のアッセンブリーPCRでアンプリコン3(136pb)を得ることができる。
(4)プライマ一ペアVK_CA_NdeとVK_CA_Dra
VKCANde:5'-TCGTCCCTGTCTGCATATGTGGGAG-3'(配列番号20)
VK_CA_Dra:5'-GATGAAGACACTTGGTGCAGCCACAGTTCGTTTGATATCCAG-3'(配列番号21)
このプライマペアを用いることで、鋳型プラスミドとしてpCOMB v2を用いてアンプリコン4(327pb)を得ることができる。さらに、アンプリコン4はアンプリコン3を用いた最後のアッセンブリーPCRを可能にするヒト領域VKを上流側に含む。
(5)プライマ一ペアVKI CAとVK_CADra
VK1_CA:5'-CTCAGTACTAGTGCCGCCACCATGGACATGAGGGTCCCCGCTCAGCT-3'(配列番号22)
VK_CA_Dra:5'-GATGAAGACACTTGGTGCAGCCACAGTTCGTTTGATATCCAG-3'(配列番号23)
このプライマペアを用いることで、アンプリコン3および4のアッセンブリーPCRでアンプリコン5(438pb)を得ることができ、それによってヒト・リーダー配列VKおよびVK カニクイザルの配列のコンカティネーショーン(連鎖)ができる。
得られたプライマおよびアンプリコン配列は[図1]に示してある。
アンプリコン3はアンプリコン1および2のアッセンブリーPCRによってサイトSpe I,ヒト・リーダー配列VKe、の導入、v2の配列VKのスタートで得られる。アンプリコン4はv2のVKコード配列に対応する。
最終アンプリコン5はアンプリコン3および4のアッセンブリーPCRで、ヒトVKリーダー配列およびVK カニクイザル配列のコンカティネーショーン(連鎖)ができる。
1.2 突然変異体v2(VHV2)によるH鎖可変領域のアッセンブリーPCR合成
領域VHv2は下記領域のキメラ化(chimerization)に対応する:
(1)リーダーVH−スタートVH:ヒト配列M298I2(受入れ番号)(サブグループVH4VH4-59)。ヒト・遺伝子Vは、上記のように突然変異された、Fdの場合には35PA83:lGHV4−59*O1およびL鎖の場合にはIGKV1−13*02(IMGT命名法)に最も類似した配列をコードする。
(2)カニクイザル VH(プラスミドpComb3X)
ヒト配列がカニクイザル VHの5'に加えると以下の配列が得られる:
ATGAAACATCTGTGGTTCTTCCTTCTCCTGGTGGCAGCTCCCAGATGGGTCCTGTCCCAGGTGCAGCTGCAGGAGT(配列番号24)
(イタリック:ヒトVHのスタート)
この配列はクローン化手順に使った制限サイトを含まない。
[図2]は各種プライマ一ペアと得られたアンプリコンで合成した領域VHV2を示す。
1.2.1 領域VHV2の増幅
領域VHV2の増幅は[図2]に示した。
(1)プライマ一ペアVH1_CAおよびVH2_CA
VHI_CA:5'-CTCAGTGCTAGCGCCGCCACCATGAAACATCTGTGGTTCTTCCTTCT-3'(配列番号25)
VH2_CA:5'‐CCCATCTGGGAGCTGCCACCAGGAGAAGGAAGAACCACA-3'(配列番号26)
このプライマ一ペアを使用することでサイトNhe Iおよび35PA83に最も類似する配列をコードするv2の配列に最も類似するリーダー・ヒトVHに対応するリーダー配列のスタート(VH4-59 M29812(ヒト・遺伝子V:上記のように突然変移されたFdではlGHV4-59*01、L鎖(IMGT命名法)ではlGKV1-13*02)の導入ができる。得られたアンプリコンはアンプリコン1(70pb)に対応する。
(2)プライマ一ペアVH3_CAとVH4_CA_mut
VH3_CA:5'-TGGCAGCTCCCAGATGGGTCCTGTCCCAGGTGCAGCTGCAGG-3' (配列番号27)
VH4_CA_mut:5'-CAGTCCTGGTCCCGACTCCTGCAGCTGCACCTGGG-3'(配列番号
28)
このプライマ一ペアを用いることで残りのリーダー配列(すなわちヒトVH(VH4 M29812)の領域5'とv2の配列VHのスタート)を導入できる。プライマVH4_CAは突然変異生成法でVHの開始時にサイトAPA Iを欠失させる。得られたアンプリコンはアンプリコン2(59pb)に対応する。
(3)プライマ一ペアVHI_CAとVH4_CA_mut
VHI_CA:5'-CTCAGTGCTAGCGCCGCCACCATGAAACATCTGTGGTTCTTCCTTCT-3'(配列番号29)
VH4_ CA_mut:5'-CA G TCCTGG TCCCGA CTCCTGCA GCTGCACCTGGG-3'(配列番号30)
このプライマペアーを用いることでアンプリコン1と2のアッセンブリーPCRでアンプリコン3(111pb)を得ることができる。
(4)プライマ一ペア5VH_CA_mutと3VH_CA_APA
5VH_CA_mut:5'-CAGCTGCAGGAGTCGGGACCAGGACTG-3'(配列番号
31)
3VH_CA_APA:5'-ACCGATGGGCCCTTGGTGGAGGCTGAGGAGACGGTGAC-3'(配列番号32)
鋳型プラスミドとしてpCOMB V2を使用することで、このプライマペアーからアンプリコン4(392の塩基)を得ることができる。このアンプリコン4は上流に最後のアッセンブリーPCRを可能にするヒト領域VHを含む。
(5)プライマ一ペアVHI_CAと3VH_CA_APA
VHI_CA:5'-CTCAGTGCTAGCGCCGCCACCATGAAACATCTGTGGTTCTTCCTTCT-3'(配列番号33)
3VH_CA_APA:5'-ACCGATGGGCCCTTGGTGGAGGCTGAGGAGACGGTGAC 3'(配列番号34)
このプライマペアーを用いることで、アンプリコン3と4のアッセンブリーPCRによってアンプリコン5(476pb)を得ることができ、それによってヒトVHとカニクイザル VHリーダー配列のコンカティネーショーン(連鎖)ができる。
得られたプライマおよびアンプリコンの配列は[図2]に示してある。
アンプリコン3はサイトNheI、ヒトVHリーダー配列およびv2の配列VHのスタートを導入するアンプリコン1、2のアッセンブリーPCRで得られる。アンプリコン4はv2のVHコード領域に対応する。
最終的なアンプリコン5は、ヒトVHとカニクイザル VHリーダー配列のコンカティネーショーン(連鎖)を可能にするアンプリコン3と4のアッセンブリーPCRで得られる。
1.3 最終ベクターのシークエンシングおよびFDA(食品医薬管理)による確認
シークエンシングはサンガー法(または、連鎖ターミネータ法:Sanger F.、et al, 1977、PNAS 74:5463参照) で行う。この方法は固定末端(シークエンシング・プライマの固定エリア)から所定塩基(A、C、GまたはT)で終わる全ての断片を生じさせるために、ディデソキシヌクレオチド(didesoxynucleotides(ddNTP))または「ターミネータ」のランダムな移入を含む。自動シーケンサ(大きさに関して分離し、検出)でこれらの断片を分析することによって各塩基の順序、従って、所定DNAの配列を定義できる。
シークエンシング手順はFDA品質グレードに従って実行された。これは配列したDNAのダブルストランディドダブルカバレッジレート、最小リダンダンシーは4倍、精度100%、専用ツール、品質レポート発行、作成文書のアーカイブの貯蔵を有する最高品質レベルである。
シークエンシング後、供給元から提供された配列はアランメント(ソフトウェアAlignX、ベクターNT1、Invitrogen)に関し、理論的に予想される配列と比較する。
1.4 PCRスクリーニングプライマ
(1)プライマ5prsvbis
5'-GCTCGATACAATAAACGCCA-3'(配列番号35)
CK4またはGSP2ANPを用いた、TU(転写単位)TU(転写単位)イントロンKまたはH中に位置するプライマで、クローン後にVK挿入(781pbアンプリコン)およびVH挿入(821アンプリコン)を検出することができる。
(2)プライマCK4
5'-TCTGGGATAGAAGTTATTCAG-3'(配列番号36)
5prsvbisを用いた、ヒト恒常領域CKの5'に位置するプライマで、クローン後にVK挿入を検出できる。
(3)プライマGSP2ANP
5'-GGAAGTAGTCCTTGACCAGGCAG-3'(配列番号37)
5prsvbisを用いた、ヒト恒常領域のGiの5'に位置するプライマで、クローン後にVH挿入を検出することができる。
1.5 中間体ベクターK558-12
1.5.1 ベクターCHK463-23でのクローン化
この段階はIgG 35PA83 v2のカッパ鎖のカニクイザル-ヒトキメラ化(chimerization)を実行する。アッセンブリーPCRでの増幅とSpe lおよびDra IIIによる消化を経た後、ベクターCHK463-23でユニークなサイトSpe lおよびDra IIIにその端に配列VKv2をクローンした。ライゲーション後、組換型コロニーをスクリーニングして、プライマ5prsvbisおよびCK4(781pbアンプリコン)を使用してPCRで挿入の存在を検出した。
PCRによりスクリーニングされた23のバクテリアクローンから、20は組換型で、挿入VKv2を有していた。プラスミド精製後、クローン1〜8を制限Nde I(8536、1246、943塩基)、Dra III(線形化)およびSpe I(線形化)を介して制御した。
1.5.2 中間ベクターK558-12の領域VKv2のシークエンシング
8つの同定された組換体クローンをプライマCK4でシークエンシングで制御した。クローン2、3、4、5および8、クローン化サイトSpe IとDra IIIの間に正しい配列を有した。しかし、クローン1および6は突然変異を含み、クローン7は取扱可能な結果にならなかった。
クローン55806231-2は、発現ベクターHK558-12の構築を続けるために保持した。
1.6 最終ベクターHK558-12
1.6.1 ベクターK558-12でのクローン化
この段階では抗体(IgG 35PA33 v2)のH鎖のカニクイザル-ヒトキメラ化を実行する。アッセンブリーPCRでの増幅とNhe 1およびAPA 1による消化作用を経た後、配列VHv2を中間ベクターK558-12においてユニークなサイトNhe 1およびAPA 1にその端にクローンした。ライゲーション後、組換型コロニーをスクリーニングして、プライマ5prsvbisおよびGSP2ANP(821pbアンプリコン)を使用してPCRによって挿入の存在を検出する。PCRを通してスクリーニングした22のバクテリアクローンから、18は組換型であり、挿入VHv2を有していた。
1.6.2 VHv2領域のシークエンシングと制限による制御
プラスミド精製後、クローン1〜5、7、9および11をプライをGSP2ANPでシークエンシングで制御した。クローン2、4、7および9はサイトNhe IとSpe Iとの間に正しい配列を有し、他の4つのクローンは突然変異を含む。クローン2、4、7および9で制限制御を実施した。制限アッセーNhe I(線形化)、APA I(線形化)およびBgl II+Nde 1(2900、2222、1975、1879、1246、934、9pb)で4つのクローンが予想された制限制御プロフィルを有することが確認できた。
クローン55806298-9をカニクイザル-ヒトキメラ抗体(IgG 35PA53)を発現するために選択した。このベクターの地図は[図4]に示してある。
1.6.3 消化による最終ベクターのコントロール
消化Not I(線形化)および二重消化Bgl II+Ndel(2900、2222、1975、1880、1246、934、9pb)を実行して、選択したクローン55806298-9から得られた精製プラスミドを制御した。
予想したものクローン55806298-9に対応する制限プロフィルはFDAグレードに従って配列決定した。この配列は予想したものと同じであった。
1.6.4 トランスフェクションのためのベクターHK558-12の調整
TE緩衝(10mMトリスpH 8、1mM EDTA)中でNot I(パラグラフ1.6.3参照)で線形化したベクターHK558-12の調整物は−20℃で貯蔵し、1μg/μlを投与し、YB2/0およびCHO細胞株のトランスフェクションのためにCellular Engineeringセクターへ移られた。
実施例3
炭疽の防御抗原に対するカニクイザル-ヒトキメラモノクローン抗体35PA83v2を生産するトランスフォーマントの調整
35PA83 v2抗体をYB2/0細胞株(抗体EMABlingR)およびCHO細胞株(抗体non EMABlingingR)で製造してそのトキシン-中和活性でのグリコシル化の効果をインビトロおよびインビボで研究した。
以下の実験では下記条件でELISA手順を実行した:マイクロタイトレーション96-坑井ウエル(maxisorp、Nunc、Danemark)にPBSで希釈したPA(5μg/ml、100μl/ウエル)を塗布し、4℃で一晩置いた。200μlの5%PBS-BSA加えて、37℃で1時間プレートをブロックし、PBS-0.1% Tween 20-1%BSA中の希釈漿液は2時間、37℃で順次培養した(各ウエル毎に100μl)。抗マウスIgGアルカリホスファターゼまたは「抗IgGアルカリホスファターゼコンジュゲート」(シグマ)を37℃で1時間培養した(1/10 000)。次に、P-Nitrophenyl Phosphate基材を37℃で30分間培養した。結果は自動化されたマイクロプレートリーダー(iEMSリーダーMF、Labsystems、Helsinky、フィンランド)で405ナノメートルで吸光度を測定して決定した。逆数が漿液タイターを決定する最後の希釈度をネガティブ対照として使用したネガティブ漿液より2倍以上低い信号を出すことで決定した。
YB2/0細胞株でのトランスフォーマントの調整法は明細書の終わりに[表4]として示した。
1.1 トランスフォーメーション品質のコントロール
(1)トランスフォーメーションレート
トランスフォーメーションレートは、培養後5週間後のD+3に、選択培地でP96で細胞成長速度を基に評価した。薬剤G418を用いて単一の選択を行う場合のトランスフォーメーション速度は約1/500〜1/900である。薬剤G418およびMTX(MTX)を用いてダブルの選択を行う場合のトランスフォーメーション速度は1/2200以上である。
(2)平均生産速度
8つのP24ウエルの3つのプールは調製し、平均生産性を評価するためにウエルを細胞で3/4まで満たした時に最高生産性(D+7)が得られた。これらのプールを用いることで所定の個体群の平均的特徴を評価でき、トランスフォーマントに関するデータは利用できないが、最小の特徴レベルが評価できる。
ベクターHK558-12およびベクター・コントロールコンビネーションを用いた平均生産性はそれぞれ1.2μg/mlおよび3.3μg/mlである。
1.2 クロイド選択
(1)生産速度:最も生産的なクロイド(cloides)の最初のスクリーニング
ヒトIgGの生産性は細胞の3/4%を含むダブル選択P96ウエルの上澄のELISAで決定し、その生産能力に関するクロイドの最初の優先順位を得た。
3回の連続したスクリーニング(2日または3日毎)は実行して各スクリーニングのための10の最初の最も生産性のあるものを保持した。528のトランスフォーマントから27を続け、P24中に保存し、D+3にその収率に関すると、最高生産性(D+7)の調査を同時に行った。
(2)D+3での収率と最高生産性(D+7)
それらのほとんどが5pcdを超え、最高生産性が10μg/ml を超える選択した最初の15のクロイド生産物を選択培地(ダブル選択)中で細胞レベルで増幅し、液体窒素中に貯蔵した。
(3)フコース速度
D+3およびD+7に選択した15のクロイドの上澄のフコーシレーション(fucosylation)アッセイをELISAで行った。
l.3 クロイドDD12の選択と、ローラでのIgGの生産
収率(11.6pcd)、最高生産性(20.17μg/ml)およびフコース速度(D+3での26.9%およびD+7での26.7%)に関して最高のクロイドが選択さるクライテリアで、ローラ(19L)でのIgGの生産のためにクロイドDDI2を保持した。
461mgの抗体を生産し、精製した。濃縮(XIS)および精製後、351mgすなわちインビボで予備検定を実施するのに充分な量のの抗体を得た。
1.4 3つのクロイドのクローニング
3つの最初の最も生産性のあるクロイド DDI2、FH2およびGAll(収率10pcd以上、最高生産性20μg/ml以上、フコース速度33%以下)をトランスフォーマントのありえる不安定を見越して制限された希釈度でクローン化した。
(1)IgG生産:ベスト生産物クローンの最初のスクリーニング
ヒトIgGの生産性は細胞の3/4を含むP96ウエルの上澄のELISA(酵素にリンクした免疫溶剤アッセイ)で決定し、それらの生産能力に関するクローンの最初の優先順位を得た。2回の連続したスクリーニング(間に7日)を実行し、各クロイドの8つのベスト生産クローンを保持した。収率は6μg/ml以上である。
(2)D+3での収率
これら24のクローンのD+3での収率を計算し、15のベスト生産クローン(すなわち5つのクローン/クロイド)を選択した。そのほとんどが4pcd以上である。
選択された15のクローンは細胞レベルで増幅され、液体窒素中に保存した。
1.5 クローンDD12-8F2の選択
収率(6.6pcd)およびD+3のフコース速度(27.8%)を選択クライテリアとして、クローンDD12-8F2をベストなものとして保持した。
クローンDDI2-8F2の特徴は、各種媒体を使用したため収率(D+3)を除いて、親のクロイド DD1 2の特徴に近い。クローンの収率は均一で、クロイドの安定度が確認できた。
1.6 CHO細胞株でのトランスフォーマントの調整
CHO細胞株で抗体35PA83 v2を生産するトランスフォーマントの調整方法に対応する流れ図は明細書の終わりに[表5]に示す。
2. トランスフォーメーション品質の制御
トランスフォーメーション速度
トランスフォーメーション速度は選択培地で培養後5週後のD+3でのP96中のセル成長速度を基に評価した。
2.2 クロイドの選択
(1)生産速度:最も生産的なクロイド最初のスクリーニング
ヒトIgGの生産は細胞の3/4を含む単一および二重選択での、P96ウエル中の上澄にELISAで決定して、生産能力に関してクラウドの最初の優先順位を得た。
3回の連続したスクリーニング(2〜4日毎)を実行し、各スクリーニングで10の最初のベスト生産物を保持した。953のトランスフォーマントから30を続け、P24中保存した。D+4の収率と最高生産(D+7)とを同時に調べた。
(2)D+4での収率と最高生産(D+7)
収率pcdが高く、最高生産が1μg/mlを超える最初の15のベストクロイド生産物物を選択培地で細胞レベルで増幅し、され細胞レベルで増幅(調製条件に従って単一または二重選択)し、液体窒素中に保存した。
(3)フコース速度
D+7に選択した15のクロイドの上澄でフコシレションアッセイをELISAで行った。CHO細胞株での得られたIgGのフコース速度は一般に75%以上である。
2.3 遺伝子増幅
生産速度が低く、所望量の抗体を生産できないトランスフォーマントに対して遺伝子増幅を実施して、一体化したベクターのコピー数、従って、増幅されたクロイドの収率を増加させた。遺伝子増幅は3つのクロイド(I3G8、9D4、8F11)と2つのクロイド群(4つのクロイド(PAl)の1つのプールと8つのクロイド(PA2)の1つのプール)で実行した。この選択はD+4で得られる全体的結果が最高の生産性およびフコース速度となるように行う。
遺伝子増幅は細胞を選択培地でG4I8およびMTXでトランスプレートさせることで実行した。増幅の最初の段階はMTXなしで調製したクロイドの場合は5nM濃度のMTXで実行し、10nMで調製したクロイドの場合は40nMの濃度MTXで実行した。次に、D+4にIgGの生産を実行した。
更なる増幅段階を続けた。第2の増幅段階はx4濃度のMTXで、第2の増幅段階はx16濃度のMTXで行う。
D+4での産速度の解析から増幅過程中にIgGの生産が増加することが分かる。収率は遺伝子増幅の前に得られたものの約4倍である。
2.4 2つのクロイドの選択とクロイド 13G8のローラでの生産
クロイド 13G8および9D4は第2の段階の増幅で最高収率に達した最高の生産速度を有する。従って、クロイド 13G8(20nM MTX)および904(160nM MTX)を選択培地で細胞レベルで増幅し、液体窒素中に保存した。
クロイド 13G8および9D4から誘導される精製されたIgGでフコースレートアッセイを実行し、ローラー(5.5L)中でのIgGの生産のためにクロイド 13G8(2OnM MTX)を保持した。精製したIgGに対するフコースレートは76.6%であった。
65.5mgのIgGを製造して精製した。精製後、46.2mgの抗体が得られた。
2.5 結論
YB2/0細胞株での生産に関しては、11.6pcdの収率、20.17pg/mIの最高生産性および約27%のフコース速度の全ての選択クライテリアを考慮して、クロイド DDI2をベストなものととして保持した。
このクロイドのローラー(19L)での生産によって351mgの26%のフコース速度を有する精製された抗体を得ることができる。
CHO細胞株の生産の場合には、精製されたIgGsに対する8.2pcdの収率および76.6%の相対フコース速度の全ての選択クライテリアを考慮して、クロイド 13G8(20のnM MTX)をベストなものとして保持した。このクロイドのローラー(5.5L)での生産によって46.2mgの84%のフコース速度を有する精製された抗体を得ることができる。
両方の細胞株から得た精製抗体量は最初のインビトロアッセイを実施するのに充分な量であった。
実施例4
インビトロでの中和アッセイ
YB2/0細胞でのDDI2の生産後、細胞培養上澄を回収し、濃縮x15し、A-Sepharose組換型タンパクを用いたアフィニティークロマトグラフィにかけた。第2段の精製は陽イオン交換カラムHiPrep 16/10 SF FFを用いて実行した。精製IgGの一体性と汚染菌の非存在をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動および組換型PA83に結合するELISAで制御した。
親和性は、BlAcore(登録商標、Biacore Uppsala、スウェーデン)を用いた表面プラスモン共振(SPR)で測定した。供給元の指示に従って、アミン結合でPA83(List biological laboratories, Campbell、CA)を最大210RUでCM5チップ(Biacore)上に固定した。測定手順中、30μl/分の流れを維持した。各測定でHBS-EP緩衝剤(Bioacore)中に10〜0.1μg/mlの濃度で希釈したIgGの少なくとも6つの希釈物を1900秒間テストした。IgGの各希釈後に、チップを30秒間の10μl/分の流れでグリセリンpH 1.5(Biacore)で再生させた。二価検体法(Karlsson、et. al., 1991)によって定数を計算し、内部コンシステンシテスト(Schuck, et al., 1996)によってチェックした。
インビトロ中和テストはLittle et al., (Little et al.,1990)に記載のプロトコルに従って実行した。ハツカネズミのマクロファージ細胞株J774A.1(ATCCLGC、Molsheim、フランス)を16時間、96-ウエルプレート上で14000細胞/ウエルの濃度で培養した。致死性トキシン、40ng/mlのPA(List biological laboratories)と400ng/mlのLF成分をPBS中に1mg/ mlに希釈し、使用まで凍結状態で貯蔵すると同時にIgGまたは媒体単独に加え。37℃で1時間培養した。
次いで、培養生成物をマクロファージに加え、37℃で4時間培養した。細胞の生育性を評価するためにCytotox(登録商標)アッセイ(Promega)を供給元の指定に従って使用した。各アッセイは100%セル生育性(対照ウエルはトキシンもIgGも含まないもの)および0%の生育性(IgG以外のトキシンを含まない対照ウエル)で修正した。
結果
測定されたIgG G 35PA83の見かけの親和性は80pMであり、測定された50%中和価(IC50)は0.75±0.O2nM(平均値±SD)であった。これは(IgG 35PA83/PA)が1/4、(1go 35PA83結合部/PA)が1/2であることを表す。
実施例5
薬学力学(Pharmacokinetic)解析
IgG 35PA83 の半減期を評価するために、6週齢の6匹のA/Jハツカネズミ(ハーラン、Gannat、フランス)を同じ大きさの2つのサブグループに分けた。全てのハツカネズミに単一の皮下注射によってIgG 35PA83を10mg/kgの投与量で投与した。注射後第1日から第6日まで毎日、レトロオービタルな穿刺で血液を採取した。注射後第8日から第10日までは毎日ハツカネズミをかわるがわるに使用した。漿液サンプルプールで行ったELISAテストの結果から得られた値の直線外挿してIgG 35PA83の半減期を決定した。
ELISAテストを実行するために、マイクロタイトレーション96-ウエルプレートのウエルをPBS緩衝液(5μg/ml, ウエル当り100μl)に希釈した抗原PA83または抗原LF(list Laboratories)で覆い、4℃で一晩培養した。次に、マイクロプレートのウエルのフリーな側をPBS緩衝液中のウシ血清アルブミン(BSA)の5%溶液の200μlで37℃で1時間培養してブロックした。漿液を0.1%のPBS、1%のTween(登録商標)20、BSAの緩衝液で順次希釈し、プレート(100μl/ウエル)中で37℃で2時間培養した。プレートウエルを抗マウスIgG/アルカリホスファターゼコンジュゲートまたは1/10 000に希釈した抗ヒト免疫グロブリンG/アルカリホスファターゼコンジュゲート(Sigma, Saint Louis, Missouri, 米国)で37℃で1時間培養した。次いで、それにP-ニトロフェニルリン酸塩基質(Sigma)を加え、、プレートを実験室温度では30分間培養した。吸光度はマイクロプレートリーダ(iEMS reader MF、Labsystems、ヘルシンキ、フィンランド)を使用して405ナノメートルで求めた。希釈限界は信号の値が天然ハツカネズミの漿液で測定した信号値の2倍の信号値の点と定義され、その相互値は漿液抗体価に対応する。天然ハツカネズミはネガティブ対照として使用した。
結果
A/Jハツカネズミの1gG 35PA83の半減期は7.78±1.46日と決定された。
実施例6
ラットの受動保護アッセイ
インビボアッセイのためにフィッシャーラット(体重250〜300g)(C. River, L'Abresle, フランス)に250gのラット当り40μgのPA(List biological laboratories, Campbell、CA)と8μgのLFを注射した。これはテイル静脈を使用したことを除いてEzzel et alに記載の方法(Ezzel et al.、1984)で行なった。1グループ当り4匹の動物を使用し、IgG 35PA83を評価するために注射の前にPAおよびLFにIgGをを加えた。ラットを10日間、毎日2回観測した。この研究で行なった全てのインビボアッセイは地区動物実験・ケアー倫理委員会で承認されたものである。
Sterne株芽胞の調整と使用
Albrecht et al.(Albrecht et al.、2007)に記載の方法で、バチルスアンスラシス(Bacillus anthracis)Sterne株芽胞(コレクション パスツール)を調製し、凍結条件(-20℃)下に保存した。凝固/融解後、活性のあるプレートを数えて芽胞数を数えた。計数は各チューブをこの研究で使用するときに確認した。9週齢の体重20〜25gのA2/J雄ハツカネズミ(Harla/, Gannat, フランス)に経静脈で投与して、48〜72時間以内に死に至る上記芽胞のLD5O値は1.104であると決定した。他の研究(Albrecht、et al.、2007).ではこれに近い2.104の値を使用している。
結果
トキシンを注射したラットは2時間以内に死んだ。0.15 nmolのIgG 35PA83で保護した場合には4.5時間および5時間(統計学的に有意効果(p 0.045)とみなされる)後に2匹のラットだけが死亡した。0.2 nmolのIgG 35PA83を使用した場合には4匹のラットが生き残った(有意効果、p = 0.03)、これはモル比(IgG /PA83の抗原への結合部)で0.8に対応する。
実施例7
IgG 35PA83 v2 またはテトラサイクリンのみを用いた病気予防の治療の研究のために、感染の12時間前に、IgGを10のA/Jハツカネズミのグループに経皮注射した(一回の注射は5mg/kgまたは2mg/kg)。抗原投与として10000 LD5Oまたは1.108の芽胞を投与し、ハツカネズミを2週は毎日2回観察し、それからさらに追加の2週間、1週間に5回観測した。生き残ったハツカネズミには1ヵ月後に同じ量の芽胞で感染させて再びテストし、追加の1か月間、観測をした。テトラサイクリンと1gG 35PA83の両方での病気予防治療研究のためには、10のハツカネズミ群にテトラサイクリンにテトラサイクリンのみを使用するプログラムと同様な処置をしたが、抗原投与の12時間前に1gG 35PA83v2を加えた。アクティブな保護テストするために、10匹のハツカネズミにはハツカネズミ当りフロインド完全アジュバント中に5μgのPAを経皮注射した。同じ注射を受けた第2のグループは1ヵ月後にフロインド不完全アジュバント中のPAの同じ投与量で刺激してこのグループの免疫応答を調べた。
結果
10000 LD5Oの抗原投与前12時間から出発した病気予防治療とその生残曲線は[図5]および[図6](テトラサイクリン、7日間)に示してある。5mg/kgのIgG 35PA83を投与した全てのハツカネズミは生き残り、2mg/kgのIgG 35PA83を投与したハツカネズミの60%は生き残った(有意差、p<0.0001)。生き残ったこれら16匹のハツカネズミは、35PA83の注射および抗原投与から1か月後に、ヒト抗-IgGコンジュゲートで抗体は検出されなかった。従って、この段階ではIgG 35PA83が含まれていないとみられる。PAに対するネズミ1gG中のハツカネズミ・タイターは64000〜128000の範囲にあり、LFに対するネズミ1gG中のハツカネズミ・タイターは32000〜64000の範囲にあり、それぞれ投与量とは無関係である。これらのハツカネズミに最初の感染後の1ヵ月後に再びSterne株芽胞を10000 LD5Oで抗原投与したが、全ては生き残った。
テトラサイクリンで予防治療した全てのハツカネズミは治療中(7日間)は生き残ったが、これらのハツカネズミは抗生物質の投与を止めた後、4〜7日以内に死んだ。この場合、最後の注射でIgG 35PA83を1mg/kgの投与量で一回投与すると、20%のハツカネズミが生き残った(非有意結果)が、注射投与量を2mg/kgにした場合には全部が生き残った(有意、p=0.008)。一回のPA注射では1月後に抗PA抗体価は25000〜5000になり、ハツカネズミはアクティブに保護された。その後、抗原投与したが、10匹のハツカネズミの6匹は生き残った(有意とみなされる。p=0.0l)。PAの2回の注射によってアクティブに保護されたハツカネズミは、第2回の注射後、1ヵ月後に抗PA抗体価が160000〜640000になり、全ての生き残った。
上記のテスト結果から、IgG 35PA83v2の一回の注射によってテトラサイクリンをベースにし予防治療の期間を短くすることができ、予防治療の最後に注射投与量を2mg/kgにするとハツカネズミは100%生残ることが観測されることがわかる。これとは逆に、テトラサイクリン(7日間)を短期間治療して保護したハツカネズミに治療後12時間後にB. anthracis Sterne株を1000 LD5O抗原投与すると、ハツカネズミの60%が生き残る。10000 LD5Oを抗原投与した後、テトラサイクリンの投与をした全てのハツカネズミは、おそらく後期芽胞出芽により、7日以内に死亡した。すなわち、これはテトラサイクリンによる治療を短くし、その後にIgG 35PA83の注射を加えることで、テトラサイクリンでの病気予防治療を、暴露リスク後に、安全に止めることができることを示している。この解決策は治療期間が短くなり、抗生物質の投与量が減り、コストの減少が予測できるので、抗生物質の摂取を必要とする患者には有利である。
実施例8
IgG 35PA83 v2での病気予防治療、ドキシサイクリンでの短期治療または両方の治療
IgG 35PA83 を用いまたは用いずに、ドキシサイクリン(doxycvcline)を用いた病気予防治療の研究を10週齢の10-A/Jハツカネズミ(Harlam、Gannat、フランス)で実施した。この実験では経腹膜で5mg/kgの投与量で抗生物質を一日一回予防として注射した。感染の12時間前に予防化学療法を開始し、7日間続け、結果は標準の持続期間60日の9/10の減少を表した。
ドキシサイクリンの投与量はヒトの標準投与量(ヒト成体の場合の毎日の投与量、3mg/kg)の2倍が選択され、B. anthracisに対してはより少ない投与量で効率的であることを証明している(Friedlander、 et al., 1993, J Infect Dis, vol. 167:1239-1243; Kalns et al., 2002 Biochem Biophys Res Commun vol. 297:506-509)。より高い投与量も使用されている(Heine et al., 2007, Antimicrob Agents Chemother, Vol 51:1373-1 379)。しかし、50mg/kgの投与量でも腹の腫脹および立毛からA/Jハツカネズミには耐えられないことがわかった。ドキシサイクリンの治療にIgG 35PA83を補足した場合には、この抗体を一回注射(1または2mg/kg)するか、最後のドキシサイクリン投与量と非同時に注射する。感染は経腹膜で芽胞を1×108注射して行なう。これは10000 LD50を表す。最初の2週間、マウスを毎日2回観測し、それから追加の2週間は1週間に5回観察した。
結果
2001年の米国での炭疽散布事件後、抗生物質での長期にわたる病気予防治療(60日)の不完全な遵守が強調された。IgG 35PA83が治療時間を短くできるか否かを決定するために、7日間だけ毎日の投与量を5mg/kgにてドキシサイクリンで病気予防治療をしてから12時間後に10000 LD50で感染させた。治療の最終日にIgG 35PA83を一回だけ注射して抗生物質で病気予防治療を補足したものとしないものを調べた([図7])。しかし、ドキシサイクリンの最後の注射に1mg/kgのIgG 35PA83を補足した場合には死亡数が増加するまでに平均に288〜456時間に延び、ハツカネズミの20%は生き残った。これは有意な保護効果(ドキシサイクリンと比較して、p<0.001)を表す。IgG 35PA83を2mg/kg投与量した場合には10匹の動物全てが生き残った。1ヵ月後の感染で、12匹の生き残ったハツカネズミの漿液を組織的に採取し、合せてプールし、-20℃に保存した。この漿液をELISAテストした時の抗PA IgG抗体価の平均値は64000で、抗LF 1go抗体価の平均値は32000であった。
実施例9
laG 35PA83 v2を用いた治療、シプロフロキサシン短縮治療またはその両者の治療
治療シェーマを研究するために、10匹のA/Jハツカネズミグループに1000 LD5Oまたは1.l07の芽胞投与量で抗原投与した。12時間後にIgG 35PA83 v2を経皮で10mg/kgで1回注射するか、シプロフロキサシン(経皮で、5日間、1日2回、50mg/kg)を別に注射し、または、シプロフロキサシンとIgG 35PA83 の両方を最初の日に注射し、それからシプロフロキサシンのみをさらに4日間注射した。
結果
1000 LD5Oの抗原投与後12時間後から治療を開始した時の生残曲線は[図8]に示した(シプロフロキサシン、IgG 35PA83の5日間の治療またはその両者)。シプロフロキサシンを5日間投与したハツカネズミは全て生き残らなかった。IgG 35PA83を投与したハツカネズミは10%だけ生き残った(有意でない結果)。しかし、シプロフロキサシンとIgG 35PA83を投与したハツカネズミは80%が生き残った(有意、p=0.0007)。
シプロフロキサシンとIgG 35PA83とを同時に使用することで80%は生き残ることができた。IgG PA83とシプロフロキサシンとの間には強い相乗効果が治療用途では証明された。興味深いことは、このような短い時間では免疫応答が生じることができないため、このような短期間の抗生剤治療(5日)で効くワクチンはないということである。さらに、IgG 35PA83はこのように短い抗生剤治療後、後戻りを防ぐのにおそらく最も有効なものと思われる。この理由から、ハツカネズミより半減期が少なくとも3倍長い(3〜7日対21日)ヒトにはより効率的であると考えられる。
実施例10
IgG 35PA83 v2を用いた治療、シプロフロキサシン短縮治療またはその両者の治療(他のアッセイ)
治療研究のために、10匹のA/Jハツカネズミグループを1000 LD50または1.107の芽胞投与量で感染させた。12時間後に、ハツカネズミをシプロフロキサシンで治療(経皮、最初の一回の注射、25mg/kg)するか、IgG 35PA83 v2で治療(経皮、10mg/kgを1回注射)するか、シプロフロキサシンとIgG 35PA83とを同時に2つの異なる場所に両方とも注射した。さらに遅れたテスト、すなわち、結合治療(シプロフロキサシンとIgG 35PA83)を開始する前の24時間前、48時間前のテストも実施した。最初の治療投与後、シプロフロキサシンのみを次の4.5日間注射した(1日2回、25mg/kg)。シプロフロキサシンの投与量はヒトの標準投与量の約2倍(ヒト成人の毎日の投与量、20mg/kg)であり、B. anthracisに対してはこの選択投与は効果的である(Kalns、et al., 2002, Biochem Biophys Res Commun, vol. 297:506-509)。この選択投与量への寛容性はA/Jハツカネズミでこの研究を始める前にテストし、有利なものであった。この研究の目的の一部は、治療が遅れた場合の短期生存の問題を解決することにあり、感染後18日間しかモニターしていない。
結果
炭疽は現在の習慣下ではほとんど遭遇することがなく、その診断法および治療法は遅れている。本研究では、Sterne株芽胞の1000 LD50を感染させ後の12時間後に、遅れて一回の治療(50mg/kg/日の投与量での5日間の長いシプロフロキサシン治療、または10mg/kgのIgG 35PA83を一回投与)をし、また、同じ感染をさせ後に、12、24および48時間遅れて、複合治療(シプロフロキサシンをIgG 35PA83と組み合わせて)をし、その効率を検査した([図9])。
シプロフロキサシンのみで治療したハツカネズミは生き残らなかった。IgG 35PA83のみで治療したハツカネズミはアッセイで私用した10引きの中の1匹しか生残できなかった(非有意結果)。しかし、シプロフロキサシンとIgG 35PA83で治療したハツカネズミは、治療が12時間遅れた場合には80%が生き残り(治療なしの対照と比較して有意、(p=O.0007))、治療が24時間遅れた場合にはハツカネズミの60%が生き残った(治療なしの対照と比較して有意、(p=O.003))。感染後48時間後には、治療をしなかった10匹のハツカネズミの2匹だけが生き残ったが、上記の複合投与で治療したにもかかわらず、まもなく死んだ。感染後18日後の生き残った14匹のハツカネズミの漿液を採取し、合せてプールし、保存し、ELISAテストをした。抗PA IgG抗体価は32000で、抗LF IgG抗体価は8000であった。
実施例11
抗炭疽予防のパッシブ治療とアクティブ治療の比較
パッシブな予防的抗炭疽治療はIgG 35PA83を用いた治療から成る。アクティブな予防的抗炭疽治療は抗PAで免疫化する治療から成る。
これら能動的免疫保護と受動的免疫保護とを比較するために、10匹のハツカネズミのグループにフロインド完全アジュバント中に入れた5μgのPA83を皮下注射して免疫化した後、1ヵ月後に腹膜内に10000 LD50を感染させた。他の10匹のハツカネズミグループも同様に免疫化したが、4週間後にフロインド不完全アジュバントに入れた5μgのPA83で「免疫リコール(immunization recall)」し、その一か月後に第2回注射で感染させた。同時に、同じ感染に対してIgG 35PA83で受動免疫したものも評価した。全ての感染動物を1ヵ月間観測し、両方の予防法の結果を比較した。
結果
PA注射をべースにしたワクチン治療が伝統的に最も多く利用されてきた病気予防治療手段であり、その効率は抗炭疽抗体価(anti-anthrax antibody titers)に関連付けされる(Grunow et al., 2007, Vaccine, vol.25):3679-3683)。ワクチン接種したヒトで観測されるそれと同様な値の抗PAタイターができように、A/JハツカネズミをPAで免疫化して、IgG 35PA83で保護されるこの種ワクチンの効率を比較した。PA83を一回注射して免疫化したハツカネズミの抗PA抗体価は免疫化後1ヵ月後で25000〜50000である。Sterne株芽胞の10000 LD50で感染させたマウスでは、10匹のハツカネズミの中で生き残ったのは6匹である(天然の対照ハツカネズミと比較して有意な結果、(p=0.OI))。PA83を2回注射して免疫化した10匹のハツカネズミの抗PA83抗体価は160000〜640000である。これらの10匹の動物を免疫化治療終了後1ヵ月後に上記と同様に感染させて、単一回の注射をベースにした治療と比べた2回の注射をベースにした有意な保護レベルの増加が証明された(p=0.02)。さらに、2または5mg/kgの投与量にしてIgG 35PA83での受動保護を評価した。2mg/kgのIgG 35PA83で保護した10匹のハツカネズミは6匹が生き残った(治療なしのハツカネズミと比較して有意、p<0.0001、[図10])。5mg/kgのIgG 35PA83を投与して病気予防注射した全てのハツカネズミは生き残った。この研究で、5mg/kgのIgG 35PA83を注射して得られる完全な保護は、PA83で2回免疫化して得られる完全な保護と等価であり、それ自体はPA83を一回注射して得られる保護より高い。
IgG 35PA83のみで受動病気予防治療した後に生き残っていたマウスを最初の感染からさらに1ヵ月間さらに観測した。抗原としてPA83および抗ヒトIgGコンジュゲートを使用したELISAテストで、対応する漿液中に信号は検出されず、従って、注射後1ヵ月後のハツカネズミ中にはIgG 35PA83は存在しないと結論付けることができ、これはIgG 35PA83の半減期値と一致する。しかし、抗マウスIgGコンジュゲートを用いた場合には、ネズミIgGが検出され、それが抗PAに向かい、投与したIgG 35PA83の投与量とは無関係にタイターは64000〜128000になり、抗LFに向かうネズミのIgGのタイターは32000〜64000になる。最初の感染後、1ヵ月で、Sterne株芽胞を10000 LD50再感染させても全ての動物は生き残る。
[表7]は4つの実験条件下で観測される抗PA IgG抗体価および抗LE 1go抗体価の結果を要約したものである。
Figure 2011504743
インビボアッセイ統計学:
A Kaplan-Meier comparative log-rank test for analyzing the survival data was performed using a Graph Prism 4.0 software (OraphPad software, San Diego, CA).
参照文献
(1)Albrecht, M. T., H. Li, E. D. Williamson, C. S. Lebutt, H. C. Flick-Smith, C. P. Quinn, H. Westra, D. Galloway, A. Mateczun, S. Goldman, H. Oroen, and L. W. Baillie. 2007. Human monoclonal antibodies against anthrax lethal factor and protective antigen act independently to protect against Bacillus anthracis infection and enhance endogenous immunity to anthrax. Infect Immun.
(2)Andris-Widhopf, J., C. Rader, P. Steinberger, R. Fuller, and C. F. Barbas, 3rd. 2000. Methods for the generation of chicken monoclonal antibody fragments by phage display. J Immunol Methods 242:159-181.
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Figure 2011504743
Figure 2011504743
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付録 第75〜48頁
9月26日出願のフランス特許出願第FR07/06744号「炭疽毒素に対する抗体」の内容
(配列リスト付き、図なし)
「炭疽毒素に対する抗体」
本発明は、炭疽毒素に対する抗体に関するものである。本発明は特に、改善された親和性および寛容性を有するように変性された、炭疽の致死トキシンおよび浮腫トキシンのPAサブユニットに対する抗PA抗体に関するものである。
炭疽(Anthrax)はグラム陽性バクテリア(バチルスアンスラシス、Bacillus anthracis)を原因とする感染症である。このバクテリアは移動性がなく、生残に関わる環境に置かれると芽胞を形成する。この芽胞は空気中で24時間、土壌で約100年を生き延びることができ、暑熱曝露または殺菌剤に耐えることができる。
炭疽トキシンが媒介する感染は皮膚、肺または消化器の3つの形をとる。肺臓感染の場合には死をほとんど免れられない。B. anthracisの芽胞を吸い込むと、芽胞は肺胞を切り抜け、マクロファージおよび特に樹状細胞よって食細胞化(phagocyted)される。これらの細胞で芽胞は生育し始め、栄養形がリンパ節で増殖する。それからバクテリアは循環血液中に移り、複製を続け、この病気で死に至らしめる原因の一つとなるトキシンを生産する。炭疽毒素(炭疽トキシン)は染防御抗原(PA、細胞内酵素の開裂前は83kDa、開裂後は63kDa)、致死因子(90kDa、LF)および浮腫因子(89kDa、EF)の3つのタンパクから成る。死に至らしめるトキシンはPAとLFから形成され、病理学的な役割は少ない浮腫トキシンはPAとEFから形成される。これらのタンパクはバクテリア介して無毒なモノマーとして分泌され、標的細胞上で集合し、有毒な錯体を形成する。
現在まで、多くの抗生物質、例えばペニシリン、ドキシサイクリンおよびフルオロキノン(fluoroquinones)が炭疽感染を治療するために使われてきた。しかし、これらの抗生物質はいくらかの株に影響を与えず、抗生物質に抵抗性を有する。特に、抗生耐性菌が意図的に散布されるテロリズムまたは細菌学の戦争状況に対してはこれらの治療法は使えない。
さらに、抗生物質では炭疽毒素の作用を抑制できないので、これらの抗生物質は感染初期段階に投与する必要がある。しかし、初期症状に特徴がないため早期診断は難しい。
主成分が防御抗原PAであるワクチンが開発されているが、B. anthracisと接触したことが極めて確実な人にしか使用できない。しかも、充分な免疫性を得るためには数か月の期間が必要なため、これらのワクチンは緊急事態、突発事故状況では使用できない。今日、フランスでヒトでの使用が承認されているワクチンはない。従って、抗生物質と異なる新しい治療方法および病気予防方法のアプローチを開発する必要がある。
抗体によるパッシブな免疫治療法は上記トキシンを中和するのに効率的な戦略である。防御抗原(PA)および致死因子(LF)に対するモノクロナール抗体を用いて炭疽致死トキシンを中和する試みがいくつか行なわれている。抗体を使用して炭疽致死トキシンを中和することはPAとその細胞受容体の結合を抑制するか、PAの開裂を抑制するか、PAのLFに対する結合を抑制するか、例えばLFの作用を抑制することによって行なうことができる。
従って、炭疽を予防し、効果的に治療するためのに、炭疽毒素を中和できる新規な抗体を開発することは重要である。
最近の仕事では、マカクを防御抗原PA83で免疫して炭疽毒素を介したヒトの感染治療用抗体を得ている。この発明者は骨髄からPA83-特異抗体断片をコードする遺伝子を増幅し、それをクローンしてライブラリを作つている。それから強い親和性(Kd=3.4 nM)と強く中和した断片(50%阻害濃度=5.6+/-0.13nM)(35PA83とよぶ)を単離している(Laffly et al 抗菌因子および化学療法,2005、49(8):3414-3420)。この発明者はこの免疫グロブリン断片35PA83はPAとその細胞受容体との全ての相互作用を阻止して炭疽毒素を中和することを証明している。
本発明者は、ヒトに対するその親和性および寛容性を改善して、病気の予防と医学治療の両方で使用できるようにその性状を改善するために、この免疫グロブリン断片を修正することに焦点を絞った。この免疫グロブリン断片の親和性を改善することによって充分な生物学的活性度を得るのに必要な免疫グロブリンの量を減少させることができ、治療コストを減らすことができるという利点がある。ヒトに対する寛容性を改善することでこの抗体断片に対する免疫応答を避けることができる。
従って、本発明の目的は、免疫グロブリン断片35P483から変性した抗PA抗体を提供することである。
本発明の他の目的は、上記の変性した抗体を含む組成物と,上記の変性した抗体を含む医薬組成物を提供することにある。
本発明の別の目的は、炭疽毒素を介した感染の治療または予防に使用される医薬組成物の製造での、上記の変性した抗体の使用を提供することにある。
本発明はさらに、上記の変性した抗体を含む炭疽毒素の検出キットと、炭疽毒素の検出方法とにも関するものである。
本発明は以下の定義からより容易に理解できよう。
「抗体」という用語は、特定の抗原に結合できる免疫グロブリン分子または免疫グロブリン分子の断片を意味する。免疫グロブリン断片は周知で、例えばF(ab‘)2、Fab、Fv、scFv、Fd断片等がある。
「炭疽」という用語は、バチルスアンスラシス、Bacillus anthracis)の感染によって直接、間接的に生じる全ての病気を意味する。吸引感染の初期症状はコリーザ(発熱、筋肉痛・・)と同様である。2日間後、これらの症状は呼吸障害および腐敗菌シヨックの重篤な問題に発展する。従って、炭疽菌を吸引することは致命的である。
炭疽の皮膚感染はバクテリアが皮膚間隔皮膚中に深く入り込んだときに起こる。この感染ではまず最初に丘疹が形成され、2〜3日以内にベシクルになり、その後、直径が1〜3cmの潰瘍化になり、中心に壊死面積ができる。炭疽の胃腸感染は汚染された肉を消費することで生じて、腸管の鋭い炎症によって特徴づけられる。
「単離された」という用語は「PCRによるインビトロでの増幅」「クローン化による組換生産」「ゲル分離または開裂による精製」または「例えば化学合成による合成」を意味する。
「ベクター」という用語は、問題の配列が制限により挿入され、トランスポートのため、または、各種遺伝子環境内へ移送のため、または、宿主細胞での発現のためにライゲーションされる核酸を意味する。ベクターの例はプラスミド、コスミド、酵母人工染色体(YAC)、バクテリア人工クロモソーム(BAC)およびバクテリオファージPl(PAC)、ウィルス派生ベクターに由来する人工クロモソーム等がある。クローニングベクタは宿主細胞中で複製可能で、一つ以上のエンドヌクレアーゼ制限サイトの存在で特徴付けられるベクターである。発現ベクターは問題DNAの塩基配列が制限またはライゲーション法で挿入でき、複製および/またはRNAに転写可能dベクターである。ベクターはさらに、一つ以上のマーカーを含み、ベクターで形質転換または形質移入された細胞を選択または同定することができる。
「ヒト化抗体」という用語は、元の成分のいくつかがヒト成分で置換された動物起源の遺伝子の抗体を意味する。
「病気の予防」という用語は、上記の病気の発生、特に病気が進行していないヒトでのを阻止することを意味する。
「病気の治療」という用語は上記病気を阻止すること、すなわち、病気の進展の停止、病気の症状および結果の消失を意味する。
「治療有効量」という用語は、治療を必要とす患者に投与した時に治療を実行するのに充分な量を意味する。この治療有効量は患者、治療すべき病気の段階、投与方法に依存し、さらに、当業者がルーチン手順で決定できる。
抗体の一部、可変領域だけがそのエピトープに対する抗体の結合に関係するということは周知である。抗体の恒常領域は免疫エフェクタ、食細胞またはキラー細胞および補体を活性化し、これらの恒常領域は抗原への結合には関係しない。F(ab')断片としてはヒンジ領域を保持するように恒常領域(Fc)が酵素で開かれた抗体が好ましく、抗原への2つの結合部を保持する。
同様に、Fab断片としてはヒンジ領域を含めた恒常領域が酵素切断された抗体またはこの領域なしで生産された抗体が好ましく、抗原への2つの結合部の一つを保持する。Fab断片はFdとよばれるH鎖の一部に共有結合したL鎖から成る。
可変領域にはコンプレメンタリティ(CDR、コンプレメンタリティ決定領域)(超可変領域ともよばれる)が位置しており、これは抗原と直接相互作用する。従って、このCDRを修飾することで抗体の親和性を変えることができる。可変領域にはCORの三次構造を維持するフレームワーク領域(FR、frameworlc)とよばれる第2のタイプの領域も位置している。これらのフレーム・ワーク領域は抗体が誘導される各生物種に特異である。H鎖およびL鎖のFd断片中には3つのCDR(CDR1〜CDR3)によってそれぞれ分離された4つのフレームワーク領域(FR1〜FR4)が位置している。
本発明の目的は、H鎖可変領域が配列番号1で表されるアミノ酸配列を含み、L鎖可変領域が配列番号2で表されるアミノ酸配列を含む抗PA抗体であって、未変性のものより高い親和性を有するように、H鎖可変領域またはL鎖可変領域の少なくとも一つの突然変異によって変性されたことを特徴とする抗体を提供することにある。
ペプチド配列番号3(これはLaffly et alに記載の抗体35PA83のFd断片に対応する)はGenbankのようなコンピュータデータバンクに受入番号CAH17920で登録され、ペプチド配列番号4(抗体35PA83 L鎖に対応)も同様に受入番号CAH17921でアクセスできる。
これらの配列の可変領域は[図1]に2次元ダイアグラムの形で示してある。
抗体の35PA83のFd断片およびL鎖をコードするDNAの塩基配列(ここでは配列番号5、配列番号6という)もコンピュータデータバンクに受入番号AJ810486およびAJ810487でそれぞれアクセスできる。
抗体の親和性KDは当業者ち公知の従来方法で測定できる。
親の未修正(すなわち未変異)抗体35P483の親和性KDは3.4 l0-9である。この親和性定数は、例えば実施例に記載のように、表面プラスモン共振によるリアルタイムに測定した会合定数と解離定数とから計算した。
本発明の一つの実施例では、本発明の変性された抗PA抗体がH鎖可変領域のG/S(31A)、R/K(66)、K/R(73)、D/G(28)、G/E(31A)、H/L(55)、S/G(74)、Y/T(113)、S/L(117)およびL鎖可変領域のQ/R(68)、Q/R、(27)、AP(114)、Q/L(68)、P/S(115)、H/R(24)、S/E(69)、S/R(58)から選択される少なくとも一つの突然変異によって修正される。
H鎖可変領域の突然変異G/S(31A)は3lA位置のアミノ酸G(アミノ酸位置に関しては[図1]を参照)がアミノ酸Sと置換したことを意味する。
H鎖可変領域またはL鎖可変領域の上記突然変異の少なくとも一つで修正されたこの抗PA抗体はPAに対する親和性が抗体35PA83と比べて改良されている。
従って、本発明は、抗体Fc部分がヒトまたは非ヒトの相同配列から誘導された、本発明の変性された抗PA抗体およびキメラ抗体のF(ab´)2、Fab、Fv、scEvおよびFd断片を提供する。
本発明の一つの実施例では、抗体Fc部分はIgG A、lgMまたはIgGを生産するように選択できる。
本発明の他の実施例では、抗体Fc部分はハツカネズミ、ウマ、羊、ウシまたは他の哺乳類動物に由来するFc部分にすることができる。
本発明の好ましい実施例では、本発明で修正された抗PA抗体はヒト由来のFc部分を含む。このような全長の抗体はFabのような抗体断片より長い半減期を有し、腹膜内、経静脈、経筋、皮膚下または経皮で投与するのに最適しているので、ヒトに好ましく投与することができる。
従って、本発明の他の目的は、本発明の修正された抗PA抗体から誘導されるFab、Fab断片またはエピトープ-結合ペプチドより小さいか背が高いこの抗体の断片、特に、本発明で修正した抗PA抗体のハイパー変異部に由来するペプチドを提供することにある。
本発明の第1の実施例の本発明で修正された抗PA抗体の特徴は、上記の少なくとも一つの突然変異がH鎖可変領域のG/S(3lA)、R/K(66)、K/R(73)、D/G(28)、G/E(31A)、H/L(55)、S/G(74)、Y/T(113)、S/L(117)の中から選択される点にある。
本発明の第2の実施例の本発明で修正された抗PA抗体の特徴は、上記の少なくとも一つの突然変異がL鎖可変領域のQ/R(68)、Q/R(27)、A/P(114)、Q/L(68)、P/S(115)、H/R(24)、S/E(69)、S/R(58)の中から選択される点にある。
本発明の第3の実施例の本発明で修正された抗PA抗体の特徴は、上記の少なくとも一つの突然変異がH鎖可変領域のG/S(31A)、R/K(66)、K/R(73)、D/G(28)、G/E(31A)、H/L(55)、S/G(74)、Y/T(113)、S/L(117)の中から選択される一つの突然変異と、L鎖可変領域のQ/R(68)、Q/R(27)、A/P(114)、Q/L(68)、P/S(115)、H/R(24)、S/E(69)、S/R(58)の中から選択される一つの突然変異とで修正される点にある。
本発明の好ましい実施例では、本発明で修正された上記抗PA抗体がH鎖可変領域に下記の3つの突然変異を含む:
G/S(31A)
R/K(66)
K/R(73)
本発明の他の好ましい実施例では、本発明で修正されこ上記抗PA抗体がH鎖可変領域に下記:
H/L(55)
S/C(74)
の2つの突然変異を含み、L鎖可変領域にQ/L(68)の突然変異を含む。
本発明のさらに他の好ましい実施例では、本発明で修正された上記抗PA抗体がH鎖可変領域に下記:
S/L(117)
の突然変異を含み、L鎖可変領域にS/R(58)の突然変異を含む。
本発明のさらに他の好ましい実施例では、本発明で修正された上記抗PA抗体がL鎖可変領域に下記の2つの突然変異を含む:
H/R(24)
S/E(69)
本発明のさらに他の目的は、未変性の35P483抗体と比べて親和性が改良され、ヒト免疫系に対する寛容性がより良くなった本発明で修正された上記抗PA抗体を提供することにある。このヒト化された抗体はいかなる免疫応答も誘発せず、誘導したとしても最少の誘導であり、半減期がより長いという利点がある。
従って、本発明の他の目的は、H鎖可変領域に下記の群の中から選択される少なくとも一つの突然変異を含むことを特徴とする、本発明で修正されたヒト化抗PA抗体を提供することにある:
none/Q (1)
none/N(2)
none/Q(3)
none/L(4)
none/Q(5)
none//E(6)
L/V (12)
A/T(24)
S/P(45)
R/N(66)
K/V (80)
L/F(87)
R/S(92)
A/T(122)
V/L(123)
突然変異none/Q (1)は、アミノ酸Qが位置1に加わったことを意味する(アミノ酸の位置に関しては[図1]を参照)。
本発明の他の実施例では、本発明で修正したヒト化抗PA抗体がL鎖可変領域に下記から成る群の中から選択される少なくとも一つの突然変異を含む:
none/A(1)
none/I(2)
none/Q(3)
none/L(4)
Y/S (14)
K/R(18)
H/R(24)
Y/F(87)
S/P(96)
S/T(101)
L/V(124)
本発明の一つの好ましい実施例では、本発明で修正されたヒト化抗PA抗体がH鎖可変領域に上記のような少なくとも一つの突然変異を含みかつL鎖可変領域に上記のような少なくとも一つの突然変異を含む。
本発明で修正されたヒト化抗PA抗体はH鎖可変領域に下記の突然変異:
none/Q(1)
none/N(2)
none/Q(3)
none/L(4)
none/Q(5)
none/E(6)
A/T (122)
V/L(123)
を含み且つL鎖可変領域に下記の突然変異:
none/A (1)
none/I(2)
none/Q(3)
none/L(4)
L/V(124)
う含むのが好ましい。
本発明に従って修正した抗-PA抗体のH鎖可変領域およびL鎖可変領域のアミノ酸の上記の説明から、当業者はこれらアミノ酸配列を合成でき、また、それをコードする核酸を合成することができる。
従って、本発明の他の目的は、未変性の抗体35PA83と比べて親和性が改良された、ヒト化された(またはヒト化されていない)本発明で変性された抗PA抗体をコードする核酸を提供することにある。
本発明の別の目的は、上記核酸を含むベクターを提供することにある。この核酸は本発明の抗体をクローン化または発現するための組換型ベクターに組込むことができる。
本発明はさらに、真核細胞または原核細胞のトランスフォーメーション、トランスフェクションまたは遺伝子治療のための暗号配列を含む全ての組換型ベクターを含む。これらのベクターは従来の分子生物学的方法に従って調製でき、適切なプロモータを含み、必要な場合にはエクスポートまたは分泌のための信号配列と、ヌクレオチド配列の転写に必要な調節配列とを含む。
本発明抗体を精製するためには融合ポリペチドが必要であろう。この融合領域は例えばNi2+カラムまたは繊維状ファージ膜アンカ上で精製を可能にするポリヒスチジンのテイルを含むことができる。これは「バクテリオファージ表示」とよばれる方法に従ってバンクをスクリーニングするのに特に有用である。
本発明で使用するのに最適なベクターは第1および第2のDNAの塩基配列を受けかつ発現するように構成された組換型DNA分子であり、例えば本発明の全長抗体またはF(abエ)2またはFab断片のようなヘテロダイマ抗体を発現できるうよにした組換型DNA分子である。これらのベクターはベクターに存在する3つの別のカセットで両方のDNA配列をそれぞれ独立してクローン化するための系を提供し、ヘテロダイマ抗体から第一および第二のポリペチドの発現するための2つの別々のシストロンを形成する。この種の発現ベクターはディシすトロニックベクターと呼ばれている。
本発明の修正された抗体はCHO細胞またはヒトまたはネズミのハイブリドーマ細胞のような真核細胞と原核細胞植物および動物細胞で生産できる。
本発明の別の目的は、本発明のベクターを含む真核細胞および原核細胞の宿主細胞を提供することにある。
本発明の他の目的は、親和性が改善され、必要に応じてヒト化された本発明に従って修正された少なくとも一種の抗-PA抗体を含む組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、親和性が改善され、必要に応じてヒト化された本発明に従って修正された少なくとも一種の抗-PA抗体を含む医薬組成物を提供することにある。
上記医薬組成物は薬学的に許容されるビヒクルを含むのが好ましい。本発明で使用されるビヒクルは組成物の活性成分の生物学的活性効率を下げない無毒な材料を意味する。「薬学的に許容される」という表現は生物系、例えば細胞、細胞培養物、組織または生物体とコンパチブルで無毒な材料を意味する。ビヒクルの特性は投与方法に依存する。
本発明は、親和性を改善し、必要に応じてヒト化された本発明に従って修正された少なくとも一種の抗-PA抗体の、炭疽菌感染に対する予防および治療のための医薬品組成物または薬物の製造での使用にある。
本発明に従って親和性を改善し、必要に応じてヒト化された本発明に従って修正された少なくとも一種の抗-PA抗体はラベル化することができる。適切なマーカーの例には酵素、ラジオアイソトープ、蛍光剤化合物、コロイド状金属、化学発光化合物および生物発行化合物が含まれる。抗体へのマーカーの結合方法は当業者に周知である。
他の標識化方法は基本的に抗体に低分子量ハプテンを結合する方法で、ハプテンは第2の反応によっ修正できる。適切なハプテンの例にはアビディンまたはジニトロフェノールと反応するビオチン、抗ハプテン特異抗体と反応するピリドキサールまたはフルオレセインがある。
本発明の他の目的は、PA-含有炭疽毒素検出キットを提供することにある。このキットは下記を含む:
(1)親和性を改善し、必要に応じてヒト化された本発明に従って修正された、ラベル化されていてもよい、少なくとも一種の抗-PA抗体を収容した容器、
(2)緩衝液を収容した容器(任意構成要素)、
(3)例えばアビチンまたはストレプタティビジンのようなリポータ分子に結合した例えばビオチン-結合タンパク、例えば蛍光剤または酵素のマーカーの、ラベル化され修正された抗-PA抗体の検出手段を収容した容器(任意構成要素)。この容器は非ラベル化修正抗-PA抗体すなわち実質的に抗体または抗体断片を検出する手段を含むことができる。
本発明に従って親和性を改善し、必要に応じてヒト化された本発明に従って修正された少なくとも一種の抗-PA抗体はインビトロで、例えば液相または固相ビヒクルに固定して免疫学のアッセイで使用できる。周知のビヒクルの例にはガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然または変性繊維素、ポリアクリルアミド、アガロースまたは磁鉄鉱が含まれる。
本発明の抗−PA抗体を用いた免疫学アッセイの例はラジオイムノアッセイ、ヒトス免疫学標識化方法、ELISA、ウエスタンブロット、免疫沈降アッセイ、免疫拡散アッセイ、補体結合アッセイ、蛍光活性セルソーティングアッセイ(FACS)またはタンパク-ラップである。
本発明の別の目的は、以下の工程から成る、生物学的製剤サンプル中のPA-含有炭疽毒素をインビトロで検出する方法を提供することにある:
(1)本発明に従って親和性を改善し、必要に応じてヒト化された本発明に従って修正された少なくとも一種の抗-PA抗体をサンプルと接触させ、
(2)炭疽毒素の存在を示す、抗体の結合を検出する。
生物学的サンプルは液体、例えば唾液、尿、脳脊髄液、漿液または血液でも、固形物または半固体、例えば組織または大便、組織学の鑑別で使用した固体組織でもよい。
本発明のさらに他の目的は、PA-含有炭疽毒素をインビボで検出する方法を提供することにある。この検出方法では発明に従って親和性を改善し、必要に応じてヒト化された本発明に従って修正されたラベル化された少なくとも一種の抗-PA抗体を患者に投与する。ラベル化された上記修正抗体の投与量は検出すべきトキシンに対して抗体を充分に結合できる量でなければならない。このラベル化された上記修正抗体の投与量は患者の年齢と性および病気段階等の因子に依存する。投与量は0.01mg/kg〜50mg/kg、好ましくは0.1mg/kg〜20mg/kg、より好ましくは0.1mg/kg〜2mg/kgである。
上記のインビボ診断を実行するには、本発明に従って修正した抗-PA抗体を直接または官能基を介して間接的にラジオアイソトープに結合しなければならない。一般に使用されている官能基には例えばジエチレン-トリアミン-四酢酸(DTPA)およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が含まれる。ラジオアイソトープ金属イオンの例には111In、97Ru、67Ga、68Ga、72As、89Zrおよび201Tlが含まれる。
本発明に従って修正された抗-PA抗体を磁気共鳴画像(MRI)または電子スピン共鳴(ESR)を使用した診断用には正磁性同位元素でラベル化できる。また、157Gd、55Mn、162Dy、68Ga、52Crおよび56Feのようなポジトロン-エミッションガンマ・ラジオアイソトープを使用することもできる。
本発明に従って親和性を改善し、必要に応じてヒト化された本発明に従って修正された少なくとも一種の抗-PA抗体は、例えば炭疽毒素によって目標とされる細胞の数の増加または減少、または、生物学的サンプル中のPAトキシン濃度の変化を測定することによって、病気の治療の進化をモニターするためにインビトロおよびインビボで使用することができる。
本発明の他の目的は、本発明に従って親和性を改善し、必要に応じてヒト化された本発明に従って修正された少なくとも一種の抗-PA抗体の有効量を患者に投与することによって、潜在的にバチルスアンスラシス、Bacillus anthracis)に感染した患者、好ましくはヒトの治療方法を提供することにある。
治療有効量は病気の症状および感染の進行を減らすのに充分な量に対応する。この量は患者の年齢および性、そして、病気の段階に応じて当業者が決定できる。この治療有効量は0.01mg/kg〜50mg/kg、好ましくは0.1mg/kg〜5〜20mg/kg、より好ましくは0.1mg/kg〜2mg/kgを1日に1回または数回投与する。
投与方法は注射または漸進的注入にすることができる。注射は静脈内、腹膜内、筋内、皮下、であるか経皮型にすることができる。
非経口投与用製剤は殺菌水または非水溶液、懸濁液または乳化剤を含むことができる。非水系溶媒の例にはプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えばオリーブ油または注射可能な有機エステル、オレイン酸エチルが含まれる。水溶ビヒクルには水、アルコール/水溶液、エマルションまたは懸濁液が含まれる。
本発明の別の目的は、本発明に従って修正された抗-PA抗体を治療薬と直接または間接的に組み合わせたイムノコンジュゲート(immunoconjugate)を提供することにある。上記の治療薬には化学試薬、放射性核種、免疫療法薬、サイトカイン、キメトキシン(chemokines)、トキシンまたは酵素阻害剤が含まれる。トキシンの例としてはジフテリアトキシン連鎖A、エキソトキシン連鎖A、リシン連鎖A、アブリン連鎖A、モデッシン連鎖A、α-サルシン(sarcin)、アルライトフォルディ(Aleurite fordii)タンパク、ジアンチン(dianthin)タンパク、フィトラカ アメリカ(Phytolaca Americana)タンパク、モモルディカ チャランティア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン、サパオナリア(sapaonaria)局方インヒビター、ゲロニン(gelonine)、ミトゲリン(mitogelline)、レストリクトシン(restrictocine)、フェノミシン(phenomycine)、エノミシン(enomycine)およびトリコテセン(tricothecenes)が挙げられる。放射性核種の例には212Bi、131I、131In、90Yおよび186Reが含まれる。
本発明は抗PA抗体の製造実施例に関する以下の説明を読むことによってより容易に理解できよう。
以下の実施例では下記の添付図面を参照する:
図1:抗体35P483のH鎖可変領域およびL鎖可変領域のpearl-on-a-string形態。このIMGT pearl-on-a-string形態はIMGT命名に従ったものである。点は35PA83および35PA83に最も類似したヒト遺伝子での相違点を示す。斜線付きの丸はIMGT命名法で抜けている位置に対応する。
図2:本発明で修正された3つの抗-PA抗体(6.20、V2およびJ24-7)と親の抗体35PA83とを整合させたもの。
CDRの位置はIMGTの定義(薄い灰色)またはKabatの定義(暗灰色、Wu and Kabat 1970)に従っている。突然変異した残基は太文字で記載してある。全ての残基はIMGT命名に従って番号を付けてある。
材料および方法
E.cou株
下記の大腸菌株を使用した:
(1)XL1(Stratagene、jolla、CA):recAl、endAl、gyrA96 thi-1 hsdRl7 sup E44 relAl lac [F'proAB laclqZΔMl5 TnlO(Tetr)]
(2)SURE(Stratagene):e14(McrA) Δ(mcrCB-hsdSMR-mrr)171 endAl supE44 thi-l gyrA96 relAl lac recB recJ sbcC umuC:Tn5(Kanr)uvrC [F' proAB laclqZAMI5 TnlO(Tetr)]
(3)HB2151(Caete et al., 1985)、可溶性Fabsの発現に使用。
トキシン
List labotatoriesから得られる炭疽毒素(PA83、LFおよびEF)。
35PA83変異体のライブラリの構築
遺伝子35PA83に由来する突然変異体抗体のライブラリはMassive mutagenesis@(Biomethods、Evry、フランス)で構築した。突然変異をNNSコードンを使用して重鎖および軽鎖のCDRに導入した。CDR領域はKabat et al(Wo and Kabat 1970)およびIMGT(Lefranc、Pommie st al., 2003) に従って定義した。
DNAライブラリを使用してエレクトロポレーション(electroporatiori)によってSURE細胞を形質転換した。培養物にカルベニシリン補給(carbenicillin-supplemented)したSB培地に加えた、37℃で1時間培養した後に1mlのバクテリオファージ・ヘルパーVCSM1 3(約1012pfu)を培地に加えた。2時間培養した後、70μg/mlのカナマイシンを加え、培地を37℃で撹拌下に一晩置いた。
ファージを介した抗体の選択
50mlの培地からPEGで沈殿させてファージ−Fab粒子を精製し、濃縮し、3mlの1% PBS-BSA-0.02% アジド中に再懸濁させ、0.45 μm-濾過器で濾過した。このファージ調整物のタイターはlO10 pfu/mlであった。上記のAndris-Widhopf、Rader and et al 2000に記載のように、ファージ−Fabに3回の感染-選択回収サイクルを行った。いくつかのファージを分析するか、下記プロセスの少なくとも一つを行った。
非常低い濃度での抗原の溶出による選択
ライブラリはbiotinylatedされたPA83(100nM、10nM、1nM、0,1nM、0.01nM、0.001nM)の減少している濃縮を使用することによりスクリーニング、そして、磁気のビーズはstreptavidine pMACS(Milteny Biotech)についてはカバーした。
バクテリオファージの多様な混合物および、異なる濃縮で、biotinylatedされたテストは、30分間ガラス管の37℃で培養た。
BiotinylatedされたPA83-boundバクテリオファージは、streptavidine pMACS(5分室温で)でおおわれている磁気のビーズの100pIを使用することによって、捕らえられた。
バクテリオファージ捕獲の後、ビーズはPBSの洗浄された五つの時間およびTPBS(Tween 20の0.1%を含んでいるPBS)の一つの時間であった。
結合されたバクテリオファージは、それから100pIのトリプシン(10pg/mI)を有するインキュベーションにより溶出された。
溶出液が、指数増殖期の大腸菌SUREバクテリアを感染さ細胞ために使われた。
長期培養選択
ペル坑井(50pI)がスクリーニングおよそ一つの09iの010バクテリオファージは、PBSのPA83の5pgでおおわれている締め具(Nunc Maxisorp)/mIを塗布して、MPBSの5%については静まった。
PA83プレートは、37℃での2hおよび0.1% Tween 20-PBSの洗浄された五つの時間およびPBSの二つの時間のためのバクテリオファージ-Fabについては培養た。
バクテリオファージは、それから卵を培養た
50pg/mIの所定の時間(1、3、13、18および24日)の間のSoluble PA83を有する4℃。
五つの洗浄手順の後、結合されたバクテリオファージが溶出されたことで
50を有するトリプシンの10pg 1jl 15分/大腸菌SUREの再感染の前のmI(シグマ)のための37℃
指数増殖期のバクテリア。
可溶性のFabの発現、periplasmic抽出および精製
EachDNA突然変異体の発現は、化学的に有能にされて、HB2151と呼ばれているE. cou株のバクテリアにおいて、変形した。
50pg/mIのcarbenicillineおよび0.1%グルコースを含んでいるSB中間のiLの250回転数/分で撹拌されて、細胞は30℃で培養された。
培養が~で1.5の吸光度に届く。600ナノメートル= 1mM IPTG(イソプロピルf3-D-l-thiogalactopyranoside)を有する誘起が、18h 22℃APPENDIXで実行された
Fabsは、polymixine B硫酸エステル(シグマ)については抽出されて、供給元の規定(それから3hのための4℃でのPBS iXを有するdialyzed)に従うニッケル欄(Ni-NTAスピン欄、QIAGEN、バレンシア、CA)に精製した。
可溶性のFabsの数量化
Fab純度はSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって、テストされた、そして、それの濃縮はソフトウェアQuantity OneR(Biorad)を使用することを決定した。
表面プラスモン共振(SPR)のリアル・タイム測定
PA83と35PA83の突然変異体間の相互作用に対する反応速度定数をシステムBiacore X SPR(BlAcore、Uppsala、スウェーデン)を使用して決定した。pH 4.5の10mM酢酸ナトリウム中の2μg/mlのPA83に対して30μlを注射するアミンカッツプリング手順を使用して、PA83をCM5感応ティツプ(Biacore)上に固定した。結合確率を最小にするために高流速(30μl/mm)および最小結合量(約500RU、共振単位)を使用してKDを測定した。PBS中の5〜400nMの各種濃度でFabにたいする結合比を30μl/分の速度で求めた。結合データをBIA評価用ソフト(Biacore)のラングミュアの1:1に導入した。PA83に対するFabの会合定数および解離定数(konおよびkoff)を35℃で求めた。
配列の解析
選択したクローンの重鎖およびL鎖の配列はompseqおよびnewpelseqプライマ(Andris-Widhopf、Rader al. 2000)を使用してGenome Expressシークエンシング(Meylan、フランス)で決定した。配列はIMGTシステム(http:/imgt.cines.fr)を使用してオンラインで分析した。
結果
Fab(35PA83)突然変異体ライブラリの構築
インビトロ親和性成熟を行い、改良された親和性を有する新しい突然変異体を作った。そのために6CDRからの残基すなわち73位置に位置する残基の突然変異のみを行って突然変異ライブラリを作った。このライブラリは寸法に関して5.4×108のトランスフォーマントを含む。45の独立したプラスミドクローンの配列決定を行って多様性(表1)および突然変異率を求めた。実験した突然変異率は3つの突然変異/断片(VH+VL)に対応し、これを用いることでPAに対する親和性が改善された突然変異の組合せを直接選ぶことができる。
非選択ライブラリの標的CORの各位置での突然変異体頻度を選択ライブラリ(表1)と比べて分析することで、いくつかの位置が突然変異に対して寛容でないことが明らかになった。すなわち、これらの位置に位置する残基は抗原に結合するためのキーとなる重要な残基であり、抗原結合部位インテグリティーを保存する。特に、CDR1の(H31-H40)残基は抗原接触残基と定義される。
この選択プロセス中に実質的な選択圧力が働き、選択配列に比べて、特にL-CDR1およびH-CDR1において、非選択ライブラリはより広い多様性を有するように思われる。
選択したライブラリでは2つの位置(黒)が度々突然変異した:H117およびL27。突然変異体J24-15を除いて、残基セリンH117の突然変異はFab([表2])の抗原への結合に影響を及ぼさなかった。これとは逆に、グルタミンL27残基の突然変異は、Fab親和性減らす(突然変異体6.7)と、負の効果を有するか、Fab発現効率に影響する(データなし)ように思われる。
表1 目標COR位置での突然変異頻度
Figure 2011504743
所定位置での突然変異のパーセント
表2 Fab 35PA83およびその突然変異体に対する結合能とキネティクス
Figure 2011504743
会合定数(Kon)および解離(Koff)定数は表面プラスモン共振(BlAcore)で求め、KDはKoff/Kon比に対応するように計算された。
突然変異体のスクリーニング
上記突然変異ライブラリは3つのサイクル(R1、R2、R3)感染-選択−回収サイクルに出した。R3段階後に12の個別クローンをVHおよびVLのシークエンシングで解析した。これらの8つの突然変異体から2つは類似物であることが分かった。7つのFabは可溶性Fabとして発現された。その中の3つはSPRによる親和性測定が可能な充分な発現であった。
Figure 2011504743
V2 トリプル突然変異体は親和性が×5.15に増加したことに起因して、35PA83と比べて、低い解離定数(Koff = 8.1 105s-1)と少し速い会合定数(Kon = 1.22 105 M-1.s-1)を示した。この突然変異体はH鎖変数領域に3つの突然変異:H-CDRI(G3IAS)に一つの突然変異、H-CDR2二つの突然変異(R66K、K73R)を含んでいる。
第3サイクル後、追加の2回のスクリーニングによってファージをスクリーニングした。すなわち、長期持続的培養では抗原でカバーし、ウエル中でパニングする(「長期インキュベーション選択」)か、非常に低濃度の可溶性のバイオディニレート化(biotinylated)した抗原でパニング(「可溶性抗原の非常に低濃度での溶出による選択」)した。
Figure 2011504743
ライブラリR3はバイオディニレート化(biotinylated)PA83を100nM〜0.01pMの低濃度で用いて選択した。1pMがネガティブ対照クローンより多くを溶出可能にする最低濃度である。下記の条件6で得られた各クローンをまず最初に重鎖およびL鎖の配列によって分析した。約35%の野性の配列を含んでいた。
Figure 2011504743
これら28の突然変異体から、47%は親和性をSPRで測定できるのに十分な発現をした。クローンのリダンダンシーのため、8つの個体突然変異体が発現し、その反応速度定数を測定した。最高の親和定数(KD= 1.8 10-10M、これは改良ファクターが18.9であることを示す)を有する抗体断片はトリプル突然変異体6.20である。この突然変異体はH鎖CDR2に2つの突然変異(H55L、S74G)と、L鎖に一つの突然変異CDR2(Q68L)を含む。
Figure 2011504743
24日に溶出した18のクローンから、14は完全に配列決定され(VHおよびVL)、3つのみが野生型であった。6つの突然変異体は反応速度定数を決定するのに十分な発現をした。ダブル突然変異体J24-7(KD= 7.8 10-10M)とJ24-15(KD= 8.8 10-10M)は結合能がファクターでそれぞれ4.35および3.96だけ増加した。
変異株のヒト化
人間に注射される抗体はヒト型の時に寛容性が非常によくなる。これに対して、動物起源の抗体は有害な副作用の原因となり、早急に排除される。しかし、抗体のハイパー可変領域は親和性成熟に対して強く変異し、配列解析で起源が残り、決定するのが難しい。Fabは恒常領域を有しないので、その寛容性に関係するのはフレームワーク領域のみである。
Fab 35PA83およびそれから誘導される分子の寛容性を改善するために、このFabをヒト化した。IMGTサーバー(htfp://imgt.cines.fr)で自動分析して、Fab 35PA83のフレーム・ワーク領域中に35P483と最も類似する配列をコードする、ヒト胚種遺伝子によってコードされるものとは異なる残基を局所化できるようにした。従来の突然変異手順を用いることで、Fab 35PA83突然変異体をコードしかつヒト配列との相同性を増加させる1つまたは少数の突然変異を含むヌクレオチド配列を得ることができる。35PA83に比べて親和性が大きく違わない突然変異を表3と表4に示す。新しい合成遺伝子を形成するためにこれら全ての突然変異を合わせた。この合成遺伝子ではヒト胚種の遺伝子がコードするフレーム・ワーク領域に対して97.75%同一なフレームワーク領域を有し、35PA83親Fabに対して88.69%同一である。しかし、この充分にヒト化した突然変異体(KD=9 10-9 M)の親和性はFab 35PA83と比べてファクターで約3だけ劣化している。
表3
Figure 2011504743
表4
Figure 2011504743
Figure 2011504743
Figure 2011504743
Figure 2011504743
Figure 2011504743
Figure 2011504743

Claims (20)

  1. (1)配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸一致性を有するアミノ酸配列を有するL鎖可変領域と、(2)配列番号2と少なくとも90%のアミノ酸一致性を有するアミノ酸配列を有し且つ位置25のセリン残基、位置54のリ遺伝子残基および位置60のアルギニン残基に対応するアミノ酸残基を有するH鎖可変領域とを有し、IgGiまたはIgG2から成ることを特徴とする炭疽毒素の防御抗原(PA)に対するGクラスの免疫グロブリン(IgG)。
  2. (1) 配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有するL鎖可変領域と、(2)配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有するH鎖可変領域とを有する請求項1に記載のGクラスの免疫グロブリン(免疫グロブリンG)。
  3. L鎖可変領域(配列番号1)が下記の中から選択される少なくとも一つの突然変異を有する請求項1に記載のIgG:
    none/A(1)
    none/I(2)
    none/Q(3)
    none/L(4)
    Y/S(14)
    K/R(18)
    H/R(24)
    L/V(124)
  4. L鎖可変領域(配列番号1)が下記の中から選択される少なくとも一つの突然変異を有する請求項3に記載のIgG:
    none/A(1)
    none/I(2)
    none/Q(3)
    none/L(4)
    Y/S(14)
    K/R(18)
    H/R(24)
    L/N(124)
  5. H鎖可変領域(配列番号2)が下記の中から選択される少なくとも一つの突然変異を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のIgG:
    none/Q(1)
    none/V(2)
    none/Q(3)
    none/L(4)
    none/Q(5)
    none/E(6)
    L/V (12)
    A/T (24)
    A/T(122)
    V/L(123)
  6. 配列番号2に示すアミノ酸配列を有するH鎖可変領域が下記の突然変異を有する請求項4に記載のIgG:
    none/Q(1)
    none/V(2)
    none/Q(3)
    none/L(4)
    none/Q(5)
    none/E(6)
    L/V (12)
    A/T (24)
    A/T(122)
    V/L(123)
  7. L鎖の恒常領域が配列番号3で表されるアミノ酸配列を有し、H鎖の恒常領域が配列番号4で表されるアミノ酸配列を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のIgG。
  8. 各H鎖の恒常領域がγ1型であるる請求項1〜7のいずれか一項に記載のIgG。
  9. 各H鎖の恒常領域がγ1型で、配列番号7のアミノ酸配列を有し、各L鎖の恒常領域が配列番号8のアミノ酸を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載のIgG。
  10. 各L鎖が配列番号9のアミノ酸配列を有し、各H鎖が配列番号10のアミノ酸配列を有する請求項1〜9のいずれか一項に記載のIgG。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の抗体をコードする核酸。
  12. 請求項11に記載の核酸を有するベクター。
  13. 請求項12に記載のベクターを含む宿主細胞。
  14. SP2/0、YB2/0、1R983F、Namalwaヒト・ミエローマ、PERC6、有するCHO株、特に、CHO-K-1、CHO-LeclO、CHO-Lec1、CHO-Lecl3、CHO Pro-5、CHO dhfr-、Wil-2、Jurkat、Vero、Molt-4、COS-7、293-HEK、BHK、K6H6、NSO、SP2/02-Ag 14およびP3X63Ag8.653の中から選択される請求項 13に記載の宿主細胞。
  15. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも一つのヒト免疫グロブリンGを含む組成物。
  16. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも一つのヒトIgGをを含む医薬組成物。
  17. 炭素菌による感染の治療または予防用の医薬の製造での請求項1〜10のいずれか一項に記載のヒトIgGの使用。
  18. (1)少なくとも一種のラベル化した請求項1〜10のいずれか一項に記載のIgGを収容した容器と、(2)上記ラベル化したIgGを検出する手段を収容した容器とを有する、PA-含有炭疽毒素を検出するためのキット。
  19. (1)請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも一つのIgGとサンプルとを接触させ、(2)上記IgGの結合を上記炭疽毒素の存在の指示として検出する工程を有することを特徴とする、生物学的サンプル中のPA-含有炭疽毒素をインビトロで検出する方法。
  20. 治療薬と結合した請求項1〜1のいずれか一項に記載のIgGを含むいる免疫複合体(immunocoA/Jugate)。
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