JP2011504241A - 改良されたフューザー流体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、一般式:AおよびBにより表される剥離油である。ここで、Zはアミンである。当該剥離油の溶剤により抽出される部分は、A:Bの比が1:5未満である。当該剥離油の分子量分布の10%未満はm/z1000未満である。当該剥離油は好ましくは200〜500センチストークスの粘度を有する。

Description

本発明は、静電写真画像再生に関し、より詳細には、ポリシロキサン剥離油(polysiloxane release oil)であって、特定の割合のポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)鎖が片末端でアルキルアミンにより終端されており、特定の割合だけが両末端でアルキルアミンにより終端されているポリシロキサン剥離油に関する。
一般的に、静電写真再生では、コピーすべきオリジナルを感光性部材上に静電潜像の形態にする。この潜像は帯電トナーの適用により可視化される。
画像を形成するトナーは、紙または透明フィルムなどの当該技術分野においてレシーバーとも呼ばれている基材に転写され、その基材に定着または融着される。熱軟化性トナー、例えば熱可塑性ポリマーバインダーを使用する場合、基材にトナーを定着する通常の方法は、基材表面上に存在するトナーに熱を印加し、次にトナーを放冷することを伴う。この融着プロセスにおける熱の印加は、好ましくは約90℃〜220℃の温度である。熱と共に圧力を用いてもよい。粒子の転写を促進するために様々な添加剤および油が使用される。シリコーン油は、熱的に安定であり、トナー粒子およびプリンター内の他のポリマーと不混和性であるために、剥離油として一般的に使用されている。
必要な熱および圧力を供給するためにシステムまたはアセンブリーは、一般的に、融着サブシステム(fusing subsystem)として備えられ、通常、フューザー部材(fuser member)および支持部材を含む。融着サブシステムを構成する様々な部材は、融着部材(fusing members)と見なされ、中でも、フューザー部材は、融着サブシステムにより融着されるべきトナーと接触する特定の部材である。融着プロセスにおいて使用される熱エネルギーは、フューザー部材により基材上のトナーに伝達される。具体的には、フューザー部材を加熱して、熱エネルギーを基材の表面上に位置するトナーに伝達される。フューザー部材はこのトナーに接触しており、フューザー部材はその基材自体のこの表面と接触していてもよい。支持部材は、基材の反対側の表面と接触する。
従って、これらの部材が共に基材に対して作用して融着プロセスにおいて必要な圧力をもたらすことができるように、基材をフューザー部材と支持部材の間に位置または配置することができる。好ましくは、フューザー部材および支持部材はニップまたは接触アークを形成し、そこを基材が通過する。好ましさの点から、フューザー部材および支持部材は、それぞれフューザーローラーおよび圧力ローラーの形態にある。フューザー部材および支持部材の一方または両方が、トナーを融着させる熱を良好に伝達させるために、ニップを増やす柔らかい層を有する。
融着プロセスの間、トナーが基材からフューザー部材にオフセットされることがある。フューザー部材に転写されたトナーは、次に、静電写真装置内の他の部材に移るか、または融着にかけられる後の基材に移り得る。融着部材上のトナーは、静電写真装置の運転および静電写真プロセスの最終製品の品質に支障を来すおそれがある。このオフセットトナーは、フューザー部材の汚染と見なされており、この汚染を防止することまたは少なくとも最低限に抑えることは望ましい目標である。
ポリエステルトナーが使用される場合には、トナーのオフセットは特に問題である。ポリエステルトナーは、高画質カラーおよび白黒印刷用途においてしばしば使用されている。特に、フューザー部材へのオフセットは、フューザー部材を加熱するための外部加熱部材および剥離剤アプリケーター、例えばオイラー(oilers)などの、融着サブシステムの他の部材上に集まることがある。この点において、トナーのオフセットを防止または最低限に抑えるために、剥離剤を融着プロセスの間に融着部材に適用することができる。これらの剥離剤は、通常、ポリオルガノシロキサン、特に、ポリオルガノシロキサン油であるか、またはポリオルガノシロキサン、特に、ポリオルガノシロキサン油を含む。当該ポリシロキサンは、フューザー部材の表面を保護するために好ましい反接着性(anti-adhesive properties)を有し、フューザー部材の耐久性を維持する。
官能基を有する変性ポリシロキサンは、当該官能基とフューザー表面との間の特異的な相互作用を通じてフューザー表面に付着することによって、保護バリヤーを提供する。フューザー表面との官能基の相互作用によって、ポリシロキサンは、フューザー部材とのトナーの接触を立体障害により妨害し、保護バリヤーを提供することができる。1つの反応性官能基を有する単官能ポリシロキサンは、フューザー部材またはトナー表面と相互作用して保護コーティングをもたらすと共にポリマー剥離剤組成物中の非官能性成分の濡れを増大させることができる。1つよりも多くの反応性基を有する多官能性ポリシロキサンも同様に相互作用して保護コーティングをもたらすが、1つよりも多い官能基の存在は他の成分との望ましくないさらなる相互作用を可能にするおそれがある。
官能性ポリオルガノシロキサンについて、米国特許第6,261,688号明細書および米国特許出願公開第2001/0019768号明細書には、第3級アミノ官能基を有するオルガノポリシロキサンポリマーを含むポリマー剥離剤が開示されている。開示されている第3級アミノ官能基の中には、N原子が1つの置換基としてアルキルまたはアリールアルキルと、他の置換基としてアシル[−C(=O)−CH3]を有するものがある。米国特許第5,157,445号明細書には、第2級アミンN原子がNH2を終端とするC1-8アルキレン置換基を有する第2級アミノ置換基を1または2個以上有するオルガノポリシロキサンを含むトナー剥離油組成物が開示されている。適格な剥離油として、芳香族第2級アミノ置換基を有するオルガノポリシロキサンも開示されている。
米国特許第5,531,813号および第5,512,409号明細書には、N原子がH原子に加えてC1-18アルキルまたはアリールアルキル置換基を有していてもよい第2級アミノ官能性ポリオルガノシロキサンが開示されている。これらの特許明細書には、前記ポリオルガノシロキサンがモノアミノ官能性ポリマーとして開示されている。モノアミノ官能基はフューザー部材のヒドロ−フルオロエラストマー表面と相互作用し、この相互作用はトナーに対するバリヤーと、表面からトナーが剥離する低表面エネルギーフィルムを提供すると述べられている。特にモノアミノ官能基については、さらに、反応性基が中心ケイ素原子に結合している分岐T型モノアミノ官能性ポリシロキサンが米国特許第5,516,361号明細書に記載されている。
官能性ポリシロキサンは米国特許第4,101,686号明細書に開示されており、この特許明細書には、カルボキシル、ヒドロキシ、エポキシ、アミノ、イソシアネート、チオエーテルおよびメルカプト基などの官能基を有するポリマー剥離剤が開示されている。この特許明細書には、トナーの付着を防止するために加熱フューザー部材にポリマー剥離剤が適用されることが述べられている。同様に、米国特許第4,272,179号および第4,264,181号明細書には、官能基を有するポリマー剥離剤が開示されており、この剥離剤はフューザー部材の表面に適用される。
さらに、米国特許第5,141,788号および第5,281,506号明細書には、硬化したフルオロエラストマー層の表面にグラフト化した反応性官能基を有するポリオルガノシロキサンを含むフューザー部材が開示されている。米国特許第4,853,737号明細書には、フルオロエラストマーの主鎖に共有結合的に結合したポリジオルガノシロキサンセグメントを有する硬化したフルオロエラストマーを含む外層を有するフューザーローラーが開示されている。このポリジオルガノシロキサンは官能基を有し、これらの官能基のうちの少なくとも1つはポリジオルガノシロキサン鎖上に存在してフルオロエラストマー主鎖に対する共有結合を形成している。
米国特許第7,074,488号明細書には、分岐シロキサン鎖が高い表面被覆率と剪断下での伸びに対する抵抗をもたらす単官能性分岐ポリシロキサンが開示されている。この仮出願の内容全体を、引用によりここに援用する。
官能基に加えて、ポリシロキサン剥離流体を、表面成分の相互作用または濡れを促進する非反応性有機基により変性させることがなされてきた。米国特許第5,780,545号明細書には、濡れを促進する界面活性剤として作用し、オフセットを減少させる安定化ポリエーテル変性オルガノシロキサンが開示されている。米国特許第5,568,239号、第5,641,603号、第5,627,000号および第5,636,012号明細書には、テトラフルオロエチレンなどのフルオロカーボン表面の濡れを促進するための、フルオロカーボン鎖の側基または末端基により変性されたポリオルガノシロキサンが開示されている。米国特許第5,783,719号および第5,959,056号明細書には、固体剥離剤として、および他の目的、例えばトナーカートリッジをシーリングするのに有用であるとして、オルガノシロキサンの長鎖炭化水素による変性が開示されており、さらに、長い炭化水素鎖がトナー用の界面活性剤として作用しうることが示唆されている。
米国特許第7,208,258号、第7,214,462号、第7,198,875号および第7,186,462号明細書並びに米国特許出願公開第2005/0287372号明細書(Xerox)には、剥離流体中の多官能アミノシロキサンのレベルが、フューザーローラー上に形成されるゲルの量に関連することが述べられている。これは、ひいては、フューザーローラーへのトナーのオフセットをもたらし、印刷品質不良をもたらす。これらの特許明細書には、シロキサンの官能性のレベルを調節して、官能基がポリマー主鎖の内部またはペンダントにあるアミノシロキサンを調製する技術が教示されている。官能基はポリマー鎖の内部に沿って位置するが、鎖の末端だけに存在するわけではない。
米国特許第6,261,688号明細書 米国特許出願公開第2001/0019768号明細書 米国特許第5,157,445号明細書 米国特許第5,531,813号明細書 米国特許第5,512,409号明細書 米国特許第5,516,361号明細書 米国特許第4,101,686号明細書 米国特許第4,272,179号明細書 米国特許第4,264,181号明細書 米国特許第5,141,788号明細書 米国特許第5,281,506号明細書 米国特許第4,853,737号明細書 米国特許第7,074,488号明細書 米国特許第5,780,545号明細書 米国特許第5,568,239号明細書 米国特許第5,641,603号明細書 米国特許第5,627,000号明細書 米国特許第5,636,012号明細書 米国特許第5,636,012号明細書 米国特許第5,783,719号明細書 米国特許第5,959,056号明細書 米国特許第7,208,258号明細書 米国特許第7,214,462号明細書 米国特許第7,198,875号明細書 米国特許第7,186,462号明細書 米国特許出願公開第2005/0287372号号明細書
界面活性剤として濡れを促進し、しかも、トナー上またはフューザー部材表面上の極性部位に対して反応性を示し及び/又は相互作用し、トナーオフセットを招来する傾向がある表面への又はトナーオフセットを招来する傾向があるフューザー部材上の極性部位へのトナーの付着を妨げるまたは阻止する薬剤を得ることが望ましい。当該組成物が容易に調製できるものであることがさらに望ましいであろう。当該組成物が、表面との反応のために不安定な水素を有することがよりいっそう望ましいであろう。
本発明は、一般式:
Figure 2011504241
(式中、Zはアミンである)
により表される剥離油である。この剥離油の溶剤により抽出される部分は、A:Bの比が1:5未満である。剥離油の分子量分布の10%未満は、m/zが1000未満である。この剥離油は好ましくは200〜500センチストークスの粘度を有する。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は以下の説明および図面を参照することでより明らかになるであろう。ここで、同じ参照番号を用いた場合には、可能であれば、図面で共通する同じ特徴を指す。
図1aは、ワンポット重合を使用して製造されたフューザー油のメタノール抽出物の陽イオンリフレクトロンMALDI TOF MSスペクトルである。 図1bは、ブレンドされたフューザー油を使用して製造されたフューザー油のメタノール抽出物の陽イオンリフレクトロンMALDI TOF MSスペクトルである。 図2は、ワンポット重合を使用して製造されたフューザー油のメタノール抽出物の陽イオンリフレクトロンMALDI TOF MSスペクトルの拡大領域(上側のスペクトル);およびブレンドされたフューザー油を使用して製造されたフューザー油のメタノール抽出物の陽イオンリフレクトロンMALDI TOF MSスペクトルの拡大領域(下側のスペクトル)である。 図3は、ブレンドされたフューザー流体から得られたアセトン抽出試料のGC/MS(上側のスペクトル)およびブレンドされたフューザー流体から得られたアミン部分のアセトン抽出試料のGC/MS(下側のスペクトル)である。 図4は、ワンポット重合から得られたアセトン抽出試料のGC/MS(上側のスペクトル)およびワンポット重合から得られたアミン部分のアセトン抽出試料のGC/MS(下側のスペクトル)である。 図5は、ワンポット重合を使用して製造されたフューザー油からストリップされたアミノシロキサン油の陽イオンリフレクトロンMALDI TOF MSスペクトルである。 図6は、ワンポット剥離油からストリップされたアミノシロキサン油の全イオンクロマトグラム(TIC)クロマトグラム(上側のスペクトル)、抽出イオンクロマトグラム(m/z 156)(下側のスペクトル)である。 図7は、ブレンドされた剥離油およびワンポット剥離油のゲル形成速度を示す。 図8は、ブレンドされた剥離油(上側)およびワンポット剥離油(下側)の場合のストレスドキュメント(stress document)における光沢度の変化を示す。
本発明をその利点および性能とともにより良く理解するために、先の図面とともに以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照されたい。
本発明は、非官能性シロキサン中に分散された官能性ポリシロキサンであって、官能基がシロキサン鎖の末端に位置するアミノ基である官能性ポリシロキサンに関する。官能性ポリシロキサン鎖は、主に、単官能性である。好ましくは、本発明のポリマーは、トナー剥離油として使用され、約3,000またはそれを超える数平均分子量を有する。より好ましくは、本発明のポリマーは、約4,000〜約250,000の数平均分子量を有し、さらに好ましくは約6,000〜約100,000の数平均分子量を有する。このシロキサン流体は、約200cSt〜約500cStの粘度、および0.0080〜0.018meq/gのアミン濃度を有する。
本発明は、官能基がポリマー主鎖の末端、主に片末端だけに存在するアミノシロキサンから調製できる優れたフューザー流体を提供する。これは、重合を行って、官能基がポリマー鎖の片末端に存在する単官能性ポリマーを望ましいレベル生成させることによって行われる。単官能性アミノシロキサンポリマーは、フューザーローラー表面において不完全に反応して、低表面エネルギーPDMSの薄い保護層を形成する。我々は、フューザー流体における二官能性アミノシロキサンの存在がフューザーローラー上に、融着プリントに画像アーチファクトを生じる粘稠なゲルの形成をもたらすことを見出した。低レベルの二官能性は、スキーム1に示す方法を変更することによって達成した。官能性末端封鎖剤と非官能性末端封鎖剤の比を慎重に選択することによって、圧倒的にポリマー鎖の片末端だけをアミンにより終端し、それと同時に、系の官能性および粘度を所望のレベルにすることよって、優れた剥離流体がもたらされた。これらの流体は、許容できない画像アーチファクトをもたらすことが示された融着ローラー上でゲルを形成する傾向が大きく減少したものである。
さらに、低分子量アミノシロキサンオリゴマーを除去するための慎重な精製もプリントの画質を改良するのに重要である。非常に低レベルの二官能性シロキサンを含む系でも同じことが言える。プリントの高濃度領域における画像光沢の変化がほとんどないことで改良点が認められた。
化学分析の組み合わせによって、優れた流体が容易に見分けられる。剥離流体中に存在するアミンの全量を求める滴定、流動特性を求めるための分子量および粘度の測定に加えて、流体を構成する個々のポリマー鎖を同定するために質量分析を用いることができる。これらの技術の組み合わせによって、これらのアミノシロキサン流体について、重合法により生成した化学構造と画像形成特性との間に強い相関をもたらすことができる。フューザーローラー表面上の欠陥に対する結合形成に最もアクセス可能な鎖の末端位置に1つのアルキルアミンを有するこれらのポリマー鎖は、トナーオフセットに対する優れた防止性を提供する。
合成
ポリジメチルシロキサン主鎖上に官能性アルキルアミノ末端基と非官能性末端基とを有する剥離油
この合成は、スキーム1に示す開環重合反応においてバリエーションを伴う1段法または2段法で実施できる。静電写真プリンターにおける剥離剤用のアミノシロキサンを調製するために、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(1)およびヘキサメチルジシロキサン(2)により終端される又は末端封鎖されるオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)の開環重合を用いることができる。この反応は平衡重合であり、4員環の代わりにジメチルシロキサンの他のモノマー供給源を使用できる。重要な点は、反復単位の数nであり、nはD4または他のジメチルシロキサン供給源と末端封鎖剤との比によって決まる。nの値がより大きいほど、ポリマー分子量がより大きくなるために、より粘度が高くなる。官能化されていない末端基の数に対するアミン末端基の数は、末端封鎖剤間の比によって決まる。等モル濃度の(1)および(2)は、非官能性末端基対モノアミノ官能性末端基対ジアミノ官能性末端基の比が1/2/1のポリマーを生じる。望ましいレベルのアミノシロキサンは、次に、アミノシロキサン濃縮物を官能化されていないPDMSとブレンドすることにより調製できる。官能化されていないPDMSは、様々な分子量で市販されている。約7質量部のPDMS(粘度330CPS)を1部のアミノシロキサン濃縮物と混合して最終的な剥離剤を調製することできる。これを、合成ブレンド法と呼ぶ。
Figure 2011504241
スキーム1.アミノシロキサンポリマーの合成のための合成手順
別の合成スキームは、1つの重合で最終生成物を調製するというものである。アミノ官能化シロキサンの濃縮物を調製して非官能性ポリマーを混合し望ましいアミンレベルとする代わりに、重合を1つの反応釜内で1段階で実施できる。これを合成のワンポット法と呼ぶ。両方の手順で同じ生成物が製造されるが、生成物の分布は、ポリマーを調製するのにどの方法を使用したかによって決まる。アミノ末端封鎖剤(2)と比べて官能化されていない末端封鎖剤(1)のレベルが高いと、単官能化ポリマーの量が増加し、二官能化ポリマーの量が減少する。これは、ワンポット重合の望ましい結果である。なぜなら、剥離油中の高レベルの二官能性アミノシロキサンはフューザーローラー上でゲル化し、静電写真プリントにおいて望ましくない画像アーチファクトをもたらすからである。
スキーム1は、剥離流体の試料全体をワンポット法により調製した場合には、ビスアミンのレベルが大幅に減少することも示している。重合で使用するのに末端封鎖剤の適切な比は、下記式を適用することにより決定できる。二官能性末端封鎖剤に対して非官能性末端封鎖剤が8倍の比であると、二官能性ポリマーに対する単官能性ポリマーの量は16倍多い量となる。これは、上記2種類の末端封鎖剤の濃度を式1に示す(ax+by)2の二項展開式に当てはめることで分かる。
Figure 2011504241
ここで、xおよびyはそれぞれ非官能性末端封鎖剤および二官能性末端封鎖剤を表し、aおよびbは重合の出発物質のモル比を表す。
従って、上記ワンポット合成におけるように、a=8およびb=1の場合には、
(8x+1y)2=64x2+16xy+1y2
であり、ここで、
2は非官能性ポリマーを表し、
xyは単官能性ポリマーを表し、
2は二官能性ポリマーを表す。
このポリマーは、1個の二官能性ポリマー分子当たり16分子の単官能性物質と非官能性トリメチルシリル末端基を有する64個のPDMSを生じる。そのため、分子の約20%が官能基を有する。
a=b=1として濃縮物重合(concentrate polymerization)の場合の値に置き換えると
(1x+1y)2=1x2+2xy+1y2
となる。
従って、この濃縮物重合は、1部の非官能性PDMSと、2部の単官能性アミノシロキサンと、1部の二官能性アミノシロキサンポリマーを生じる。この濃縮物を次に約7部の非官能性PDMSと混合すると、剥離流体として有用な正確なレベルのアミノシロキサンを含む最終的なフューザー油が生じる。これらの2つのレベルはスキーム1で対比される。もちろん、この計算は理想化した反応である。重合の実際の動力学(kinetics)は異なる比をもたらす。例えば、置換された鎖の重合速度は、おそらく、非官能性ポリマー鎖と幾分異なるであろう。とはいえ、我々は、この手法をフューザー流体の製造に適用することで、非常に望ましい物質が生じることを見出した。
この重合生成物の官能性について予測されるレベルは、下記表1に、反応に入力された末端封鎖剤の関数として示す。
Figure 2011504241
剥離流体中のアミンのレベルは、酸による滴定によって求めることができる。この値は、トナーオフセットおよびフューザーローラー上への汚染を防止するための要件によって決まり、好ましくは0.0080〜0.018meq/g、最も好ましくは0.010〜0.016meq/gである。アミンのレベルを剥離流体において比較的一定に保たなければならず、これは、合成に使用されるアミンの量を制限する。さらに、シロキサンポリマーの分子量は、当該流体の粘度を調節するのに重要である。分子量が増加するにつれて、鎖末端の数が増加する。従って、望ましい粘度を与えると同時に鎖末端の官能基を制御する最適な分子量が存在する。我々は、反応物の濃度を慎重に選択することによって、望ましい比の鎖末端官能基を有する剥離流体を製造できることを見出した。この剥離流体は優れた融着性能を有する。アミンは、使用した官能性末端封鎖部分に応じて鎖末端上に存在する。単官能性アミノシロキサンと二官能性アミノシロキサンとの比、および非官能性シロキサンのレベルは、融着ローラー上でゲルを形成するまたは他の融着コンポーネントの汚染を引き起こす傾向が小さい剥離流体を生じるように全て制御可能である。さらに、融着性能が損なわれないように粘度を調節することができる。
単官能性および二官能性という用語は、アミノ官能基を有するケイ素末端基の数に関係することを意味する。これらの鎖の各々は、線状または環状のアルキルアミンを多数有することができる。
これは、重合において官能性末端封鎖剤として1,3−ビス(2−アミノエチルアミノメチル)テトラメチルジシロキサンを使用して達成できる。他の末端封鎖剤としては、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル、4−アミノブチルまたは2−アミノエチルアミノメチルが挙げられる。しかしながら、これらのタイプの官能基を有する剥離油は、1個のアミノピロピル末端基を有する分子よりも熱安定性が高くなく、および/または、ゲルを形成する傾向がより高いことがある。好ましい末端封鎖剤は、スキーム1における(1)がヘキサメチルジシロキサンと(2)が1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンの組み合わせである。代わりに、末端単官能性封鎖剤3−アミノプロピルペンタメチルジシロキサンをヘキサメチルシシロキサンと併用して剥離油に対して同様な分布の官能基を生じさせることができる。
分光学的特性評価
表面特性評価技術から、印刷によりフューザーローラー上に蓄積するゲルの大部分はシリコーンポリマーであることが判った。減衰全反射赤外(ATR−IR)分光法、X線光電子分光法(XPS)、および二次イオン質量分析法(SIMS)は全て、フューザーローラー上のゲルが高PDMS配列であることを示した。この分析は、高速カラープリンターで使用されるフューザーローラーがフルオロカーボンオーバーコートを有することによって促進される。これらのローラーの詳細は米国特許第6,429,249号明細書のFluorocarbon Thermoplastic Random Copolymer Composition(フルオロカーボン熱可塑性ランダムコポリマー組成物)および米国特許第5,824,416号明細書のMember Having Fluoroelastomer Layer(フルオロエラストマー層を有するフューザー部材)に記載されており、これらの引用により本明細書に援用する。フューザーオーバーコートは、シリコンリッチゲルとそれが結合するフルオロカーボンローラー表面との区別を容易にする。アミノシロキサンで覆うことを意図した欠陥部位の中には、フルオロカーボン表面にある残留オレフィンがある。これらのオレフィンは、フルオロカーボンオーバーコートが形成される場合に、架橋部位として作用することが意図されているが、往々にして、不十分な架橋剤のためにフルオロカーボン中に残留する。フューザーローラーが動作する高い温度では、アミノシロキサンは二重結合に付加しその表面欠陥を覆うのに十分に反応性である。単官能性アミノシロキサンポリマーは、フューザーローラー表面におけるこれらおよび他の欠陥(例えば露出したフィラー粒子)と反応して、低表面エネルギーPDMSの薄い保護層を形成する。しかしながら、フューザー流体における高レベルの二官能性アミノシロキサンは、融着プリントに画像アーチファクトをもたらす粘稠なゲルをフューザーローラー上に形成する。二官能性アミノシロキサンは、ローラーの表面に露出する反応性の高いアミンを残すと考えられる。我々はこれらのシリコーンゲルがローラー上に形成される機構を理解しているとは言えないが、表面に結合した高表面エネルギーアミノシロキサン官能基の有効性が、遊離官能性末端基が電子写真プロセスにおいて他の物質と反応してゲルを形成しうる状況をもたらすことができる。
どのシリコーン流体がゲルを形成するかを予測するためのシリコーン流体の研究はより困難である。化学分析によって、アミノシロキサン流体中の官能価のレベルを解明できるが、最近まで、ある程度の官能基を含むポリマー分子を特性評価し区別する技術はほとんどなかった。我々は、これらの剥離油の構造が、当該流体を特性評価する方法として質量分析法を使用することによって実証できることを見出した。我々は、剥離油中の各官能性シロキサンポリマーのレベルが質量分析法を使用して間接的に決定できることを見出した。極性溶剤による剥離剤の抽出は、アミノシロキサンを選択的に抽出する。これらの抽出物を次にマトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)飛行時間型質量分析法またはガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)により分析できる。剥離流体のポリマー分布に存在する分子の各タイプを識別する能力は、非常に有力である。他の分析法は、平均的な官能基の濃度を測定することができるが、各ポリマー鎖中の官能基の数を区別することはできない。例えば、滴定からポリマー系中のアミノ末端基の濃度は判明するが、単官能性および二官能性分子の分子量分布を別々に求めるために用いることはできない。しかしながら、アミンが末端に存在する場合とアミンがシロキサン鎖に沿って懸垂している場合との剥離油の構造上の違いは、分光分析技術により詳しく説明できる。アミンが末端位置にあるかまたは側基のようにポリマーに対して懸垂しているかを含む、剥離流体の組成を求めるためにNMRを使用できる。しかし、NMRはポリマー系中の末端基の官能性の分布を求めることはできない。換言すれば、剥離流体として使用されるポリマー中に存在する単官能性と二官能性末端基の比を求めるために、滴定、NMR、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)またはUV−可視赤外分光分析を使用することはできない。我々は、以下に、優れた特性を有する剥離流体を決めるためにどのように質量分析法を使用できるかを説明する。
フューザー油試料は、スキーム1に示した濃縮物から調製されたアミノプロピル−PDMSとトリメチルシリル(TMS)末端PDMSとのブレンド(約1:7)として存在する。トリメチルシリル−PDMS中のこの希釈物は、MALDIにより油のアミノプロピル−PDMS成分を表現することを困難にする。アミノプロピル−PDMS成分は、NMRおよび滴定により得られた証拠に基づいて、存在することが判った。MALDIによりこれらの試料のアミン含有成分を表現するために、試料をメタノールにより抽出した。ポリマー分布の低分子量部分のみがメタノールにより抽出されることが実証された(SECにより)。これは、モル質量に関して試料を単純化する。アミン含有成分はプロトン化分子イオン形成し、一方、TMS末端PDMSはNaカチオン化分子イオンを形成することがMALDIにより判った。試料のアミン含有成分だけを表現するために、抑制すべきTMS末端PDMSのカチオン化を引き起こす残留ナトリウムを試料調製プロセスから注意して除去した。これは、溶液および抽出物を調製するのにプラスチックバイアルを使用すること、低ナトリウムマトリックス材料を使用すること、マトリックス溶液をカチオン交換樹脂で処理すること、18−クラウン−6をナトリウム捕捉剤として試料調製物に加えること、および試料プレートをクエン酸アンモニウムにより洗浄することを含んだ。得られたMALDIスペクトルは、試料のアミン含有成分の表現を示した。
2つの抽出された剥離油試料のアミン部分のMALDI質量スペクトルは図1に示す。このポリマーの直接MALDI分析により可能な2種類の識別問題があることに注意することは重要である。第1に、このポリマーはかなり高いモル質量のPDMSであるために、このポリマーは広いポリマー分布を有する傾向が強い。MALDIスペクトルで観察されるピークは、分布の低分子量側に偏りやすい。第2に、極性の異なる末端基(例えばアミン対アミンなし)の場合に複数の分布が存在するため、イオン化識別問題のために、これらの分布の相対的強度に偏りがある傾向がある。従って、相対強度は定量的であると見なされるべきではない。様々な試料を調査した後、我々は、指向性比較を行うために、アミン含有成分の相対強度を使用できることを見出した。
図1には、濃縮物法およびワンポット法から調製された抽出剥離油のMALDIスペクトルが示されている。下側のスペクトル(図1b)は、トリメチルシリル末端PDMSにより希釈された1/2/1濃縮物のスペクトルである。このスペクトルは、m/z800〜4800の分子量範囲にわたる1個の電荷を有するイオンの2種類の分布からなる。各場合で2つのピーク群のうちの大きい方のピークはモノアミノシロキサンオリゴマー系列である。小さい方のピーク群は、ジアミノシロキサンオリゴマー系列である。ブレンド法から調製されたもののスペクトルに二官能性シロキサンがはっきりと見えるが、ワンポット試料のスペクトル(図1a)では見えないということに注意することは重要である。二官能性アミンのピークの低い強度は、より低い濃度の二官能性シロキサンがワンポット法で形成されることを示している。
上記の2種類のスペクトルの拡大図は、単官能性シロキサンと二官能性シロキサンとの間の分子量の差をより詳しく示している。これらは図2に示されている。各群のピークの分子量は、m/zで74ずつ増加する。これは、アミノシロキサンポリマーのSiO(CH32反復単位に対応する。下側および上側のスペクトルは両方とも、主に、図2に(B)で示した単官能性物質を示す。大きな中間の(B)ピークは、18個の反復単位を有する単官能性アミノプロピルシロキサンオリゴマーを表す。これは、モノアイソトピック質量(これは通常第1同位体元素ピーク)を使用することにより計算される。モノアミンシロキサンオリゴマーは205.132の合計末端基質量を有する。PDMS反復単位は74.0188である。Hは1.0078であり、Hはイオン化プロセス(プロトン化)において分子に付加する。n=18である場合には、中央の(B)イオンについて、205.132+(74.0188)n+1.0078=1538.478である。これは、スペクトルの対応するピークに良く一致する(質量電荷比m/z 1538.4)。
濃縮物試料からの下側のスペクトルはビスアミノシロキサンオリゴマー(A)もはっきりと示している。n=18である場合には、図2の下側のスペクトルにおける最大分子量イオンである二官能性イオン(A)について、248.174+(74.0188)n+1.0078=1581.520である。これは、m/z 1581.5を示すスペクトルの対応するオリゴマーに良く一致する。対照的に、ポリマーをワンポット法により調製した上側のスペクトルは、ほんの微量のジアミノシロキサンオリゴマー系列を示した。
これらのピークの同定をさらに裏付けるものは質量分析法における「窒素ルール」である。これらのMALDI試料のようにプロトン化スペクトルにおけるモノアミノシロキサンオリゴマーは、偶数のモノアイソトピックm/z値を有する分子量を有する。ビスアミノシロキサンオリゴマーは、窒素ルールにより奇数の分子量のイオンを有する。これらの化合物の高い分子量のために、小数点以下の質量の端数が繰り上がりを生じ、最終的に奇数の質量と偶数の質量との間で変化する場合に、解釈は複雑である。例えば、モノアミノシロキサン(B)系列のn=18のオリゴマーの場合の1538.478の分子量は偶数であると見なされ、MALDI中の1個のアミンと整合する。分子イオン1581.520は、n=18のオリゴマー系列(A)における2個の窒素原子について予測される奇数であると見なされる。しかしながら、n=46では、小数点以下の質量の効果のために、モノアイソトピック質量はビスアミン系列の場合の3611.004となる。
剥離油の化学組成の違いは、剥離油をブレンド法により調製した場合の高レベルのビスアミンオリゴマーについて予測される傾向を示す。換言すれば、MALDIは式1に基づいてシロキサンオリゴマーについて予測される官能性の傾向と整合する。この予測についてのさらなる証拠は、図3に示すガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)の関連する分析技術によって得られる。GC/MSは、MALDIによって得られるタイプの情報を引き立たせる。ブレンド法およびワンポット法により調製された試料を分析し、モノアミノプロピルPDMS種およびビスアミノプロピルPDMS種の違いを調べた。これらの試料は、GC/MS分析に先立って、アセトンにより抽出した。GC/MS分析におけるアセトン抽出物は2つの目的に供した。分析が容易になるように、抽出によってアミノシロキサンを濃縮した。低分子量成分が好ましい。また、抽出物のアミノ部分をそれらの対応するイミンに誘導体化した。質量分析データの解析および/または公知のライブラリー参照スペクトルとの比較によって化合物を同定した。図3には2つの部分がある。
上側のクロマトグラムは、試料抽出物中に検出された線状および環状PDMS並びに誘導体化されたモノおよびビス−アミノプロピル線状PDMS化合物を表す。これは、全イオンクロマトグラム(TIC)を構成する官能性シロキサンおよび非官能性シロキサンの両方を含む。このクロマトグラムは、官能基を含まないPDMSにより支配され、その一部がアセトンに可溶であり、GCカラムを通過するのに十分に揮発性であった。スペクトルはかなり対称的である。このことは、試料分布の定量的な証拠として採用されるべきではないが、試料を比較するのに有用である。大きなピークの上に、モノ置換体(B)およびビスアミノシロキサン(A)に対応する他のピーク群が重なっている。
図3の下側のスペクトルは、アミノシロキサンのみを示す。誘導化アミノ種(イミン)に特有な抽出イオンクロマトグラム(m/z 156)が、ビスアミノシロキサン系列についての(A)のラベルが付いたピークおよびモノ置換アミノシロキサン系列についての(B)のラベルが付いたピークに含まれている。一連のビスアミノシロキサンのピーク(A)は図3において下側のクロマトグラムの左側にあるより見えやすいより小さい群である。より高い分子量では、ガスクロマトグラフィカラムは、モノアミノシロキサンピーク(B)のより大きい分布からビスアミノシロキサンのピークも区別しない。これら2種類の分布は重なるために調べるのは困難である。このことは、カラムクロマトグラフィーによる2つの分布の解像度はMALDI質量分析法による場合ほどには良好でないことを示している。これらのイオンはMALDIスペクトルで先に述べたものに対応する。これらのクロマトグラムは、TICからこのイオンを「抽出」して表示するのにMSソフトウェアを使用して生成させた。モノおよびビスアミノシロキサンの解像度は、より低分子量のピークほど良好であるように見える。しかしながら、クロマトグラフィー分離は、これらの系列のより高分子量側の要素について、それらの系列において臨界点の後に重なるために、2つのピーク群を分解しない。MALDIにおけるよりもGC/MSにおけるピーク比情報により偏りがあるように見える。156イオンは誘導体化アミノ化合物の場合の質量スペクトルに特有のものであり、線状および環状PDMS種では見られないことを注記しておく。さらに、図3において、全ての分子量ラベルは誘導体化モノアミノ化合物(イミン)に対応し、誘導体化されていないモノアミノ種よりも40amu高い。
ワンポット法により調製された試料の抽出を図4に示す。スペクトルの下側半分あるアミノシロキサンのスペクトルは、モノ置換シロキサンのみを示す。これは、ブレンド法により作られた図3中のGC/MSスペクトルとは全く異なる。ワンポット法は、明らかに、ビスアミノシロキサンを消費してモノ置換物質を形成しやすい。これらの結果は、既に述べたMALDI分析とよく一致する。
高レベルのビスアミノシロキサン官能基を有する上記のシリコーン油は、低レベルのビスアミンシロキサンオリゴマーを含むものよりも劣るフューザー流体であった。しかし、幾らかのビスアミンの存在によって、不良な剥離流体をもたらさなかった。アミン官能基の末端配置に固有の低レベルのビスアミンの存在は、トナー汚染に対する保護層をもたらし、これは内部またはペンダント型官能基を超える利点である。ワンポット法により調製されたアミン流体は、ストレスドキュメントの融着試験において長い寿命をもたらし、融着ローラー上で著しいゲルの形成なしにおよびブレンド法により調製された物質と比べてフューザーの汚染なしにかなり長持ちした。しかしながら、優れた剥離流体にとって重要であることが判ったビスアミン官能基比に加えて、第2のパラメーターは低分子量種の程度である。剥離流体にとって望ましくない流体の低分子量フラクション中には低分子量の単官能性および二官能性アミノシロキサンが含まれる。これらの低分子量オリゴマーは、高温および真空下でシロキサン油をストリッピングすることにより除去した。ストリッピングにより除去されたこれらの抽出物の組成を図5に示すように質量分析法により調べた。
図5中の流体のストリップされた部分のMALDIスペクトルは、主にm/zが1000未満のモノアミンピークを示している。ビスアミノシロキサンはワンポット法により調製されたため、ビスアミノシロキサンの形跡はほとんどなかった。ストリップされた物質は透明で無色の液体であったが、それが蒸留された剥離油よりもかなり低い粘度を有していた。この物質はメタノールに易溶解性であり、フューザー流体の分析のために使用した抽出工程を不要とした。そのため、スペクトルは、恐らく、剥離油自体にスペクトルで観察されるものよりも試料全体についてのより代表的なものであり、試料の実際の分布についてのより代表的なものである。このスペクトルにおいて最大ピークはm/z 872.3である。上記のようにMALDIイオンの分子質量に対してフィットさせることによって、このピークは9個の反復単位を有するものアミノシロキサンを表す。n=9である場合には、中央の(B)イオンについて、205.132+(74.0188)n+1.0078=872.309である。
このスペクトル全体は、15個以下の反復単位を有するアミノシロキサンを表す。これらのアミノオリゴマーの全部または一部が融着プロセスに悪影響をもたらす場合には、それらを除去することでワンポット剥離油の融着性能が改善された。
さらなるGC/MSデータは、図6に示すようにMALDIの結果と整合していた。上側のクロマトグラムはワンポット油からストリップされた同じ油の誘導体化試料についての全イオンクロマトグラム(TIC)である。下方の抽出イオンクロマトグラム(m/z 156)は、誘導体化モノアミノおよびジアミノプロピル線状PDMS種に特有のものである。先に述べたように、GC/MSは、環状および線状の非官能性PDMSの両方を示す試料組成のより完全な図式を与える。また、先にのべたように、スペクトルのアミノ部分はMALDI分析と非常によく整合し、9個〜15個の反復単位を有するアミノシロキサンを中心とした分布を示している。
機械性能
濃縮物から調製された油とワンポット法により調製されたものとを比較するために使用した1つの基準は、ストレス印刷実験中の有害なゲルの蓄積速度である。使用したストレスドキュメントは、繰り返し印刷した場合にフューザー上に光沢差および交差トラックアーチファクトを生じるようなパターンで、フラットフィールド(flatfields)、バー(bars)およびブランク領域の画像を有するものであった。周期的画像ドキュメント「キーパー」を画像品質分析のために印刷して、フューザーローラー上のゲルにより生じた光沢およびクロストラックアーチファクトの程度を求めた。ゲルレベルは、ATR−IR分光分析法を使用して測定した。シリコーン信号の強度を既知のシリコーンおよびフューザーローラーベースクッション対照試料と比較して、汚染度(%)を求めた。汚染は、フューザーローラー、圧力ローラー、ウェブクリーナーおよびオイラーなどのフューザーサブシステム全体にトナーが拡がることにより生じる。プリンター内でストレスドキュメント画像を走行させた場合の画像数×1000の関数として汚染度(%)を測定することによりゲルレベルをプロットした。図7中のグラフは、ブレンドされた剥離流体から材料を調製した場合の、フューザーローラー上のゲルの急速な蓄積を示す。下側の線は、ビスアミン含有量が低いワンポット合成から剥離流体を使用した場合のかなり遅いゲルの蓄積についての結果である。
プリントの異なる領域で観察された光沢の変化を、ストレスドキュメントの4200枚の両面コピー(完全)を印刷することにより追跡した。2種類の紙の上にフラットフィールドを印刷することにより画像を分析した。光沢の測定をフラットフィールド画像の9つの領域で行って、紙全体にわたって反射濃度を比較した。31,000枚を超えるプリントが生じるまで、このプロセスを繰り返した。ブレンド剥離流体とワンポット剥離流体とを比較するこれらの実験結果を表8に示す。上側のグラフは、ブレンド油の試験において、画像数が増加するにつれて、レシーバーの異なる領域で光沢が減少したことを示す。この剥離流体は、濃縮法により調製されたもので、高レベルのビスアミンを有していた。最終的には、領域全体が光沢の実質的な低下を示した。6単位の光沢の変化は一般的に許容されない。ワンポット法により調製された剥離流体と交換することによって、実験中に画像にはほとんど光沢の変化がなかった。下側のグラフから判るように、画像の如何なる領域でも光沢の6単位の変化はなかった。結論として、ブレンドされた流体と比べてワンポット流体の場合に光沢はより安定であった。ワンポット流体はオイラー、圧力ローラー、ウェブクリーナー、および融着サブシステムの他の部分の汚染も大幅に抑制した。ブレンド法からワンポット法に流体製造法を変更することで、光沢低下によるフューザー寿命が著しく改善し、トナー汚染が減少することで、その他のフューザーコンポーネントの高品質プリント数が増加する。
本発明を以下の実施例によりさらに説明するが、当然のことながら、本発明は、決してかかる実施例に限定されるものではない。
剥離油中のアミンの滴定を、50/2(V)THF/MeOH中に試料を溶解させて0.1N HClO4により滴定することにより行った。結果をmeq/g単位で報告する。フューザーローラーオーバーコートを構成するフルオロポリマーの組成は、フッ化ビニリデン(VF)が50%、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)が10%、およびテトラフルオロエチレン(TFE)が40%であった。本発明において有用なフルオロポリマーとしては、(VF)x(HFP)y(TFE)z(式中、x=40〜70%、y=5〜35%、z=10〜50%)により表されるものが挙げられる。
MALDI法
装置条件:窒素レーザー(337nm)を備えたTofSpec2EレーザーTOF質量分析器(Micromass, Inc., 英国)を使用して実験を行った。試料を、20KVの加速電圧でリフレクトロンモードを使用して陽イオンとして分析した。
試料抽出:MALDI分析に先立って、試料をメタノールにより抽出した。プラスチックバイアルを使用して、1mLのメタノールを100mgの試料に加え、1分間渦混合した。混合物を遠心分離して2つの層を分離した。上(メタノール)層をMALDI分析に使用した。
MALDI試料調製:プラスチックバイアル内で、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)マトリックスの原液をメタノール中20mg/mLで調製し、50mgのカチオン交換(水素形態)樹脂と混合して残留ナトリウムを除去した。プラスチックバイアル内で、18−クラウン−6の原液をメタノール中0.5mg/mLで調製した。DHB原液20μLと試料抽出物のメタノール層10μLと18−クラウン−6原液10μLを混合することによりMALDI分析用の試料を調製した。この混合物の0.5μLをステンレススチール試料プレート上に載せ、乾燥させた。
GC/MS法
GC/MS分析に先立って、剥離油をアセトンで抽出した。アセトン抽出物を2つの目的に供した。この油の低分子量成分およびより極性の高いアミン含有成分を溶剤への抽出により濃縮した。アセトンはアミンと反応もし、抽出された化学種を対応するイミンに誘導体化した。各抽出物を2回分析した。
線状および環状PDMS並びに誘導体化モノおよびジ−アミノプロピル線状PDMS化合物をこれらの試料抽出物中に検出した。全イオンクロマトグラム(TIC)からこのイオンを「抽出」して表示するのにMSソフトウェアを使用して、誘導体化アミノ種(イミン)に特有の抽出イオンクロマトグラム(m/z156)を生成させた。m/z156のイオンは誘導体化アミノ化合物の場合の質量スペクトルに特有のものであり、線状および環状PDMS種では見られない。全ての分子量ラベルは誘導体化モノアミノ化合物(イミン)に対応し、元のモノアミノ種よりも40amu高い。これらのスペクトルからの情報は、同様に処理された試料間での比較が有効であると考えられる場合のみ定量的である。質量スペクトルデータの解読および/または既知のライブラリー参照スペクトルとの比較によって、化合物を同定した。
ブレンド剥離流体およびワンポット剥離流体の特性評価
以下の2つの表は、濃縮物から調製されたブレンドされた剥離流体(比較例1〜4)の分析データとワンポット法により調製された剥離流体(実施例1〜4)の試料の分析データを示す。表1Aは、滴定により求められたアミン濃度を示す。アミンのレベルは、0.010から0.012meq/gで全ての試料で同様であり、表1Aには、油のメタノール抽出部分の全分子量分布およびモノアミノシロキサンの分子量分布のMALDI測定結果も掲載されている。メタノール中に抽出されたビスアミノシロキサンの分子量分布は、表1Bに掲載されている。さらに、剥離油中のモノおよびビスアミノシロキサンの相対量を表1Bの最後の2つの列で比較した。上記2つの方法により調製された油の組成の違いを表すのはこれら最後の2つの列である。メタノール抽出物のMALDI分析に基づくと、濃縮物から調製されたブレンド油の試料では、モノアミノシロキサンオリゴマーに対するビスアミノシロキサンオリゴマー系列の相対面積百分率が16〜21%である。ワンポット法により調製された試料では、ビスアミノシロキサンオリゴマー系列は5〜8%であった。
Figure 2011504241
Figure 2011504241
表2Aおよび2Bは、表1に記載したのと同じ8つの剥離流体の機械試験を示す。まず、表2Aに、高塗布量被覆レシーバーを記載する。試験は、様々な流体をフューザー油としてKodak Nexpress Color Printers(登録商標)に別々に入れ、ストレスドキュメントとして作用するように縞模様の対象を6万2千枚相当A4両面プリントまで印刷することにより行った。プリント上の光沢の減少をプリント数の関数としてモニターし、フューザーローラー上のクロストラック線(cross-track lines)の出現もプリント数の関数としてモニターした。データの最初の列は、4つのブレンド油が低い光沢を有するプリントを生じたことを示しており、5,000プリント未満で少なくとも3の光沢単位の低下が生じた。これとは著しい対照を成して、ワンポット剥離流体を使用すると、光沢の同程度の低下が観察される前に、30,000枚を超えるプリントが生成された。第2列目は、6光沢単位の光沢の低下が、濃縮物から調製された剥離油よりもかなり長い寿命を有するワンポット流体と類似の挙動を示したことを示している。これの1つの例外が、40,000プリント後まで6光沢単位の低下が観測されなかった比較例4aであることは興味深い。このことは、ワンポット剥離油のうちの幾つかが6の光沢値を生じずに機能する場合とほぼ同じである。驚くほどのことではないが、比較例4は、また、表1Bに16.4%と報告されているように、濃縮物から調製された4つの試料のうちで最低レベルのビスアミノシロキサンを有する。このことは、低ビスアミノシロキサン含有量を有する油の組成の重要性を明らかにしている。より高いビスアミン含有量を有する試料は、より少ないプリント数で光沢の低下を生じた。このことは、それらの油の寿命がより短いことを示している。
表2A中の第3列のデータは、剥離流体と、フューザーローラー表面上に欠陥が生じた早さとの間の関係を示している。比較例1および2は両方とも、クロストラックラインアーチファクトの早期の形成を示した。これらの試料は20%を超えるビスアミノシロキサンレベルを有していた。クロストラック線アーチファクトは、フューザーローラー上でのゲル形成に関係すると考えられ、このゲル形成は剥離油のビスアミノシロキサン含有量に直接関係付けることができる。
Figure 2011504241
表2Bは、剥離流体を比較するために表2Aと同じ基準を用いて得られた機械性能の結果を示すもので、フューザーローラーをきれいにするために使用したウェブ上の汚染物の量の目安となるさらなるパラメーターが含まれている。密度がより高レベルのクリーニングウェブは、フューザーにおける汚染のレベルがより高いことを示している。4つの比較例1〜4の全てと実施例1〜2のみを試験した。データから導き出された結論は、表2Aから導き出された結論とほぼ同じである。高レベルのビスアミン含有量を有する試料は融着試験におけるのと同様に良好に機能しなかった。濃縮物から得られた試料は、ワンポット法から得られた試料よりも、より低い光沢を有するプリントをより早急に生じ、クロスラインアーチファクトをより早急に示した。さらに、ワンポット合成から得られた試料は、より高いビスアミン含有量を有していた試料よりも、低いクリーニングウェブ密度を有していた。前者は約0.2の密度を有していたのに対し、濃縮物から得られた試料は0.3以上の密度を有していた。このことは、これらの試料の汚染レベルがより高いことを示している。
Figure 2011504241
実施例5〜16
良好な特性を有する剥離油の調製に重要であろう3つの因子を比較するために実験を設計した。本願において記載したワンポット法に従って12の調製を行った。より多量のアミンの導入が実際的となるような多量でビスアミノシロキサンのレベルが減少したために、2つのアミン濃度を選択した。1つの組の流体の目的は、当初のアミンレベルを、濃縮物からブレンドフューザー流体を生成させるために従来使用されていた0.010meq/gとするものである。第2の組の流体は、0.014meq/gというよりアミン濃度がより高いものであった。第2のパラメーターは粘度であった。粘度の3つのレベルを380、330および280mm2/sを目標とした。最後に、各試料を3つのレベルの揮発分にストリップした。揮発分レベルは、高温で所定の時間で所定量の試料について0.5%、0.3%および0.1%であった。揮発分の測定値は、ストリップされた試料を真空下で加熱することによってその質量変化により求めた。揮発分レベルが低いほど、より高純度の試料が生成する。揮発分のレベルが低いことは重合で残留する低分子量不純物(環状および線状シロキサンなど、後者は非官能性、モノアミノ−およびビスアミノシロキサンから構成される)のレベルがより低いことに対応する。表3で、これらの12種の試料についての目標としたレベルと実際のレベルを比較する。
Figure 2011504241
表4は、これらの実施例の幾つかから得た質量分析データの比較を示す。2つの方法で同じ傾向が見られるが、GC/MSデータはMALDIデータほど識別性が高くない。実際に、GC/MSデータの場合には、他の試料の多くが、この測定法における高いベースラインノイズのためにビスアミンの検出限界未満であった。従って、応答がモノアミノシロキサンに比べてかなり低かったために、GC/MSスペクトルを基準にして、これらの試料は全て、10%未満のビスアミノシロキサンを有していたものと推測される。より高いジアミン末端封鎖剤含有量で調製された剥離油ほどより高いレベルのビスアミンを生じたことが明らかである。実施例5〜9は高レベルのアミン末端封鎖剤を用いて調製されたものであり、これらの試料は全て、低いレベルのアミン末端封鎖剤を使用して調製された実施例10〜16よりも高いレベルのビスアミノシロキサン(A)を示した。このことは、非官能性末端封鎖剤ヘキサメチルジシロキサン(2)に対する官能性末端封鎖剤アミノプロピルジシロキサン(1)の比がより高い場合の重合で予測されるように、これらの油がワンポット法により調製された場合にも当てはまった。
表4は、粘度が分子量変化のこの領域でモノおよびビスアミノシロキサンの分布を決定するのに重要な成分でないことも示している。あるアミン濃度に対して、ビスアミン含有量は粘度の減少に伴って増加するが、試料によってストリッピングのレベルが異なるためにその効果は複雑である。実施例5および8は、実施例5が高い粘度を有していたことを除いて同様に調製した。実際に、実施例5は(A)を、実施例8の11.7%と比べてより高い12.4%というレベルで含んでいた。これらの違いは、有意性が疑わしいほど非常に小さい。表中のその他の試料についても同様なことが言える。しかしながら、この傾向は実験を通して認められ、粘度の効果がわずかであるものの実在するという論拠を支持する。
試料をストリッピングすることは(A)対(B)の比にほとんど影響を及ぼさない。この事項は、表4中の実施例10、11および12に示されている。これら3つは、ストリッピングのレベルを試料番号とともに増加したことを除いて同じであった。それぞれ7.0%、5.4%および6.6%である(A)のレベルは何らかの傾向を示さなかった。蒸留プロセスは、おそらく、1つの形態のアミンをその他の形態のアミンに対して大きな選択性で除去しない。対照的に、ストリッピングの効果は、表4の最終列に示されているm/z1000未満のアミン含有量の面積百分率を調べることによって理解できる。同じ3つの実施例のアミン含有量減少率はそれぞれ10.7%、5.2%および2.1%であった。対応して、実施例5、8、10および13は全て10%を超えるアミン含有率を有し、これらは揮発分がたった0.5%にストリップされた試料であった。比較例1はm/z1000未満のアミン含有量が9.8%であったため、剥離油試料はm/z1000未満のアミン含有量が10%以下であることが望ましい。機械試験は、試料の分子量分布がプリントの光沢差を最低限にするのに重要であるということを裏付けた。低レベルの低分子量成分を含む剥離油は光沢の大きな変化を示さなかったが、高レベルの低分子量成分を含む試料は、ストリッピングが不十分であるために良好に機能しなかった。
濃縮物により製造され、次いで非官能PDMSとブレンドされた先の比較例と比べてこれらのワンポットオイルの融着性能は全て良好であった。これらの試料は全て、比較例1よりも良好であった。比較例1は、フューザーの汚染が高レベルであるとともに、20%のビスアミン含有量(A)を有していたために非常に速いゲル化速度を示し、高レベルのフューザーの汚染および非常に速いゲル化速度は相まって、本発明の新規なワンポット末端アミノシロキサン剥離油よりも低い画像品質をもたらした。5〜16の性能では、より小さな差が観察された。例えば、低揮発分で高粘度の試料は幾分良好な性能を示した。しかしながら、比較例1は、ワンポット剥離流体よりも高いゲル形成および不十分な性能をもたらした。このことは、ビスアミン含有量が非常に高いことは、流体中の他の可変因子にかかわらず融着プリントの画像品質に有害であるという根拠をさらに示している。
Figure 2011504241
実施例5〜16のアミノシロキサンの分子量分布を示すMALDIデータを表5に示す。
Figure 2011504241
剥離油にとって最適な重合
目標粘度を330mm2/sおよびアミン濃度を0.012meq/gとして最適なワンポット重合条件で一連の9つの重合を行った。試料を高温で真空下でストリップして揮発分および低分子量物質を除去した。MALDI分析から、ビスアミノシロキサン(A)含有量の全てが全アミン含有量の10%未満であり、試料の全てがm/z1000超のアミン含有量が90%を超えることが判った。
試料の全てがNexPress(登録商標)カラープリンターにおいて剥離流体として非常に良好に機能した。光沢差がないことから明らかなようにゲルの蓄積は遅く、2のクロストラック線アーチファクトを生じるプリントは、ストレスドキュメントの6万2千枚のA4相当プリント後であった。

Claims (9)

  1. 一般式:
    Figure 2011504241
    (式中、Zはアミンである)
    を含む剥離油であって、当該剥離油の溶剤により抽出される部分は、A:Bの比が1:5未満であり、分子量分布の10%未満が当該剥離油の溶剤により抽出される部分のm/z1000未満のものである剥離油。
  2. 前記アミンがアミノプロピルを含む、請求項1に記載の剥離油。
  3. 前記アミンが、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチル、4−アミノブチルまたは2−アミノエチルアミノメチルを含む、請求項1に記載の剥離油。
  4. 200〜500センチストークスの粘度を有する請求項1に記載の剥離油。
  5. 分子量分布の10%以下がm/z1000未満である、請求項1に記載の剥離油。
  6. アミンが0.0080〜0.018meq/gの濃度を有する、請求項1に記載の剥離油。
  7. 一般式:
    Figure 2011504241
    (式中、Zはアミンである)
    により表される剥離油であって、当該剥離油の溶剤により抽出される部分は、A:Bの比が1:5未満であり、分子量分布の10%未満が当該剥離油の溶剤により抽出される部分のm/z1000未満のものである剥離油。
  8. 200〜500センチストークスの粘度を有する請求項7に記載の剥離油。
  9. アミンが0.0080〜0.018meq/gの濃度を有する、請求項7に記載の剥離油。
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