本発明の第1の見地によれば、この目的は、表示装置のピクセルの予め規定されている領域を選択的に照明する複数のセグメントを有するバックライトシステムであって、前記バックライトシステムは、前記セグメントから発される光の強度及び/又は色を選択的に制御し、各セグメントは光源を有しており、前記バックライトシステムは、前記光源によって隣接するセグメントに向かって発される光の横方向の広がりを制限する光障壁を更に有しており、前記光障壁は格子の格子線を規定しており、前記光源は、前記光障壁の少なくとも1つと少なくとも部分的に一致する前記格子線の位置を占有している、バックライトシステムによって達成される。
前記バックライトシステムの厚さは、前記光障壁及び光源を有する前記格子に対して実質的に垂直に測定される寸法である。
本発明による手段の効果は、前記セグメントの前記光源を前記光障壁と同じ前記格子線上に位置させることによって、前記光源からの光が、隣接するセグメントに向かって前記光障壁の両側において広がることである。このことは、前記セグメントによって自身の隣接するセグメントに向かって発される光の予め規定されている重複を生成する。この予め規定されている重複は、静止画又は移動画像における光輪、又は、例えば、前記表示装置の視野角における変化のような、アーチファクトを防止することを必要とされている。例えば、前記光障壁が、セグメントの格子と実質的に同一である格子であって、前記光源が、例えば、前記セグメントの中央に実質的に配されるようにずらされている格子を形成する場合、前記光障壁から離れて広がる光は、隣接するセグメントまで広がるであろう。前記広がる光が遭遇する隣の光障壁は、前記隣接するセグメントの中心に配されており、前記光は、例えば、少なくとも部分的には前記バックライトシステムを通って更に広がるのを防止される。このことは、セグメントに関連する前記光源から隣接するセグメントに向かう光の前記予め規定されている重複を生成する一方で、前記重複の程度を制限する。更に、この予め規定されている重複の生成は、前記光障壁に対する前記光源の配置によって生じさせられ、従って、本発明によるバックライトシステムにおいて、予め規定されている重複を生成するための付加的な厚さは必要とされない。前記重複の程度の制限のために、前記バックライトシステムのセグメントの光出力の局所的な調光又はブースティングは、依然として、前記コントラストの改善を提供している。
前記光障壁は、格子を形成している。前記セグメントの縁は、前記光障壁の格子の格子線とは一致していない。例えば、各セグメントが、例えば、前記セグメントの中央に配されている単一の光源を有している場合、前記光障壁は、前記光源を横切る格子線と少なくとも部分的に一致する。これらの光障壁は、各セグメントと少なくとも部分的に交差し、そうするように前記セグメントの中心に実質的に配されている。前記光障壁のこの配置により、前記光源によって発される光は、前記光源が位置されている前記セグメント内及び直接的に隣接するセグメントに比較的容易に広がる。前記直接的に隣接するセグメントにおける光障壁は、例えば、前記光が更なるセグメントに向かって更に広がるのを防止し、従って、前記光源によって発される前記光の横方向の広がりを、実質的に自身の直接的な隣接するものに制限することができる。結果として、本発明による前記光障壁の配置は、前記光源によって発される光が分配されるようにし、この結果、前記光が直接的に隣接する前記セグメントと重複すると共に、前記直接的に隣接するセグメントから離れた更なるセグメントと重複しないように制限される。結果として、この配置は、前記バックライトシステムの厚さを増大させるであろう付加的な高さを必要とすることなく、セグメント間で予め規定されている重複を提供する。
光障壁の既知の配置において、前記光障壁は、前記セグメントの縁と実質的に一致し、セグメントごとの前記光源は、前記セグメントの中央に実質的に位置決めされる。引用された前記特許出願に示されているような、この既知の配置において、この付加的な拡散層は、1つのセグメント内で発された光を、更なるセグメントに部分的に重複させるのに使用される。代替的には、前記既知の配置の光障壁は、前記光源によって発される光を完全に遮蔽することができておらず、従って、前記光が他のセグメントと部分的に重複するのを可能にしている。このことは、例えば、前記液晶セルに向かって通じている更なる光学層と前記光障壁との間の空気の間隙を持つことによって、例えば、前記光障壁より上方に「自由空間」を付加することによって達成されることができる。この付加的な空気の間隙は、付加的な高さを作り、多数のセグメントにわたる前記光の分布を防止するために慎重に調整されなければならない。前記分布が多数のセグメント全体にある場合、コントラスト増強を得るために前記セグメントから発される前記光の強度を局所的に変えることは、実質的に不可能である。なぜならば、単一のセグメントによって発される前記光は、全ての周囲のセグメントから光の比較的大きい寄与を有しており、単一のセグメントが調光される又はブーストされることができる範囲を著しく制限するからである。本発明によるバックライトシステムにおいて、前記光障壁は、この上に個々のセグメントの前記光源が位置されている前記格子の格子線と一致するように配されている。この構成は、前記光障壁の何らかの直感的な配置に反するものであり、前記光障壁と共に前記光源から生じる光分布は、この直接的な隣接するセグメントと一緒に関連するセグメントを照明するという驚くべき効果を可能にする。結果として、前記光源からの前記光が分配される程度が制限され、本発明によるバックライトシステムの高さを増大させることなく、画像アーチファクトを防止する予め規定されている重複を生成する。更に、光源及び光障壁のこの配置は、比較的大きいコントラストの差が、前記バックライトシステムを局所的に調光するのに使用されることを可能にするための、前記セグメントの十分に局所的な照明を生成する。
前記バックライトシステムの実施例において、前記光源は、2つの格子線間の交差上に配され、前記2つの格子線の各々は、前記光障壁の少なくとも一方と少なくとも部分的に一致している。この実施例の利益は、前記光源からの前記光の広がりが二次元におけるものであり、二次元において前記隣接するセグメントの重複を提供することである。二次元におけるこの重複は、二次元における前記バックライトシステムの均一性を改善し、従って、本発明によるバックライトシステムが二次元の調光バックライトシステムとして使用されるのを可能にする。
前記バックライトシステムの実施例において、前記格子は、実質的に直角の格子を有する。この実施例の利益は、この直角の格子が、より厳密に前記スクリーンの形状に似ており、セグメントの配置を前記スクリーンの形状に対して均一に整合させることを比較的容易にすることにある。更に、実質的に直角の格子の使用は、4つの光障壁のみが前記光源の近くに設けられることを必要とする。一般に、全ての光障壁が、均一性に影響し得る。従って、光障壁の数を減少させることによって、前記バックライトシステムによって発される光の均一性は、改善されることができる。
前記バックライトシステムの実施例において、前記光源の隣接する交差には更なる光源が無く、前記隣接する交差とは、前記格子線に沿って移動させた場合、前記光源の両側の格子線と少なくとも部分的に一致している光障壁によって構成される交差である。格子線を移動させる場合、光障壁と少なくとも部分的に一致している格子線の全ての第2の交差のみが、光源を有している。この配置において、発される光が重複する全ての光源間の距離は、実質的に等しく、格子−点間の対角距離である。前記光源のこの配置は、前記バックライトシステム全体の前記バックライトシステムによって発される前記光の均一性の更なる改善を可能にする。例えば、前記光障壁が、正方形又は長方形の格子内に配される場合、4つの角のうちの互いに向かって対角に配されている2つの角のみが、光源を有する。従って、全ての光源とこれらの隣接するものとの間の距離は、前記正方形又は長方形の格子の対角の寸法に実質的に等しい。前記格子線に沿った2つの光源間の距離が、格子−点間の対角距離とは異なるにもかかわらず、これらの2つの光源の光は、実質的には重複しない。2つの光源間の光障壁の交差は、これらの中間の空間が、光源を含んでおらず、前記2つの光源からの前記光が重複を生成するのを実質的に防止し、従って、前記格子線に沿って配されている前記光源は、互いに縁的に影響し得るのみである。
対照的に、前記正方形の全ての角又は光障壁の長方形の格子が光源を有する場合、2つの隣接する光源間の距離は、前記格子線に沿った2つの角間の距離か、又は前記正方形又は長方形の格子の対角に沿って測定される2つの角間の距離かの何れかである。このような配置において、2つの光源間の距離は一定でなく、前記バックライトシステム全体の前記バックライトシステムによって発される前記光の一様な分布を生成することを更に困難にする。光源を設けるために前記正方形又は長方形の格子の2つの対角的に対向している角のみを選択することは、2つの光源間の距離を実質的に一定にし、従って、前記バックライトシステム全体に発される前記光の均一性を改良する。
前記バックライトシステムの実施例において、前記格子線と少なくとも部分的に一致している前記光障壁は、三角形の配置において配される。この実施例の利益は、この配置がより厳密に円形のセグメントに似ており、観察者によってより均一に知覚されることにある。更に、この三角形の配置は、6つの隣接するセグメント間に重複を提供する。前記重複が生成されるセグメントの数を増大させることによって、前記バックライトシステムによって発される前記光の均一性の更なる改善が、生成される。
前記バックライトシステムの実施例において、前記三角形の配置は、二等辺三角形を有する。この実施例の利益は、前記光源及び前記光障壁のこの配置においても、全ての光源が実質的に同じ距離において配されており、このことは、再び、前記バックライトシステム全体の前記バックライトシステムによって発される光の均一性の改善を可能にすることにある。
前記バックライトシステムの実施例において、前記バックライトシステムは、前記光障壁及び前記光源を有する光ガイドを有している。この実施例の利益は、例えば、全内部反射によって、前記光が前記光ガイド内に効率的にガイドされることにある。前記光の抽出は、マイクロドット、かき傷等のような、既知の抽出手段を介してなされることもできる。
前記バックライトシステムの実施例において、前記光障壁は、前記光ガイド内に切られるスリットである。この実施例の利益は、これらの光障壁は、製造するのが比較的容易であるということにある。前記光ガイドが、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMAとしても知られている)によって生成された場合、前記スリットは、レーザーカッターを使用して比較的簡単にかつ正確に生成されることができる。
前記バックライトシステムの実施例において、前記スリットは、少なくとも部分的に反射材料によって満たされる。この反射材料は、前記光障壁の反射率を制御するために使用されても良い。前記反射率は、前記光障壁を部分的に半透明にすることによって影響を受け得て、又は、前記光障壁からの反射の種類は、例えば、拡散的又は鏡のようであるように制御されることができる。拡散的な反射光障壁は、一般に、生成するのが容易であり、前記バックライトシステムから光の均一な放出に貢献することができる。鏡面的な反射光障壁は、例えば、前記光源からの光の放出が主に横方向にある場合、必要とされる。このような実施例において、前記光障壁からの反射は、横方向における前記光を混合することを必要とされる。
前記バックライトシステムの実施例において、前記光ガイドは、複数のサブ光ガイドを有しており、前記複数のサブ光ガイドの縁は、前記光障壁である。この実施例の利益は、前記サブ光ガイドが、PMMAの単一のスラブよりも典型的には小さいことにあり、この結果、前記バックライトシステムの費用の減少をもたらす。
前記バックライトシステムの実施例において、前記サブ光ガイドの縁は、反射材料を有している。再び、この反射材料は、前記光障壁を部分的に半透明にすることによって前記反射率に影響を与える、又は前記光障壁からの反射の種類を制御するように使用されることができる。サブ光ガイドの使用によって、前記サブ光ガイドが本発明によるバックライトシステム内に組み込まれる前に反射材料が設けられることができるので、前記反射材料を設けることを比較的容易にする。
前記バックライトシステムの実施例において、前記サブ光ガイドは、前記バックライトシステムの光放出窓を実質的に直接的に照明するように配される。前記光放出窓は、拡散器層を有していても良い。この実施例の利益は、輝度差が異なるセグメント間に生じるのを防止することにある。
前記バックライトシステムの実施例において、前記光障壁は、部分的に半透明である。
前記バックライトシステムの実施例において、前記格子線の前記光障壁によって覆われていない部分は、前記光源の位置によって占有されている。前記光障壁は、前記前記光の広がりを制限するための格子を形成する。前記格子は、実質的に完全に閉じられており、前記格子内の唯一の開口は、前記光源を配置するために使用される。このような実施例において、例えば、直接的に隣接するセグメントのみに向かう又は前記直接的に隣接するセグメントよりも多くのものに向かう前記光の横方向の広がりは、前記光障壁によって良好に制御されることができる。
前記バックライトシステムの実施例において、各セグメント内の光源は、前記セグメントの中央に実質的に配されている。この実施例の利益は、自身が前記セグメントによってピクセルのグループの実質的に均一な照明を可能にすることにある。
前記バックライトシステムの実施例において、前記光源は、実質的に白い光を発する、及び/又は前記光源は、1つ以上の予め規定されている色の光を発する複数の発光体を有する。
前記光源は、例えば、横方向に発せられた光の少なくとも一部を発する発光ダイオード又はレーザダイオードを有していても良い。代替的には、前記光源は、少なくとも部分的に前記バックライトシステムのバックプレートに平行な方向に光を発する何らかの他の適切な光源であっても良い。前記光源は、実質的に白い光を発しても良く、例えば、予め規定されている色の光を各々が発する複数の発光ダイオードを有していても良い。前記光源は、更に、前記発せられた光の少なくとも一部を異なる色の光に変換するルミネセンス材料を有していても良い。前記光源は、例えば、前記青色光の一部を黄色光に変換するルミネセンス層を持つ青色発光ダイオードであっても良く、残りの青色光と混合された場合、実質的に白色の光を生成する。前記ルミネセンス層は、前記発光体から離れて位置されていても良く、所謂『遠隔蛍光体』配置を生成する。前記光源は、前記セグメントの寸法と比較して比較的小さいものであっても良く、又は前記セグメントの大幅な部分に渡って延在していても良い。
この文脈において、予め規定されている色の光は、典型的には、予め規定されているスペクトルを持つ光を有する。前記予め規定されているスペクトルは、例えば、予め規定されている波長周辺の特定の帯域幅を持つ原色を有していても良く、又は、例えば、複数の原色を有していても良い。予め規定されている波長は、前記予め規定されている波長は、放射出力スペクトル分布の平均波長である。この文脈において、予め規定されている色の光は、紫外光のような、非可視光も含む。紫外光が前記光源によって発される場合、典型的には、ルミネセンス材料のような、光変換媒体が使用される。前記ルミネセンス材料は、例えば、前記紫外線光を可視光に変換する。この変換媒体は、前記光源上に直接的に設けられることもでき、又は前記光源から離れて設けられても良い。原色の光は、例えば、赤、緑、青、黄、アンバー及びマゼンダ色の光を含む。前記予め規定されている色の光は、例えば、青及びアンバー、又は青、黄及び赤色のような、原色の混合を有していても良い。例えば、赤、緑及び青色の光の特定の組合せを選択することによって、白色を含む、実質的に全ての色が、前記照明システムによって生成されることができる。原色の他の組合せも前記光投影システムにおいて使用されることができ、赤、緑、青、シアン及び黄色のような、実質的に全ての色の生成を可能にする。この色調整可能な照明システムにおいて使用される原色の数は、変化し得る。
前記バックライトシステムの実施例において、前記バックライトシステムの前記光源は、前記バックライトシステムの実質的に平坦なバックプレート上に配される。この実施例の利益は、実質的に全ての光源の単一の平坦なプレート上への配置が、比較的平坦なバックライトシステムを可能にするということにある。
前記バックライトシステムの実施例において、前記バックライトシステムは、各セグメントによって発される前記光の強度及び/又は色を制御するために前記光源のフィードバック情報を受け取るコントローラを有している。前記フィードバック情報は、個々の光源によって発される光の強度及び/又は色が前記他の光源によって発された光、又は必要な強度及び/又は色に一致することを保証するために、工場において1回だけ又は前記バックライトシステムの付加的な較正において感知される情報であって、この後、個々の前記光源の寿命における補正値として使用される情報であっても良い。代替的には、前記フィードバック情報は、連続的なフィードバック情報であっても良く、正しい強度及び/又は色が前記光源によって生成されることを保証するように前記光源によって発される光の強度及び/又は色の連続的な監視を可能にする。更に代替的には、前記フィードバック情報は、例えば、電気信号(例えば、前記光源の加齢に関連する内部抵抗信号)であっても良い。この電気信号の感知は、前記バックライトシステムが、加齢の効果を修正して、前記正しい強度及び/又は色が前記光源から発されるのを保証することを可能にする。
本発明は、添付の請求項19に記載の一次元の又は二次元の、調光可能な光源、又は添付の請求項20に記載の表示装置にも関する。