JP2011503222A - イオン導入による爪疾患の処置のためのアモロルフィンの使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、爪疾患の処置における使用のための薬剤の製造における、水性アルコール性溶液中に、1乃至5質量%のアモロルフィンを、イオン化形態で、pH3乃至6にて含む組成物の使用であって、前記組成物が、イオン導入電流と組み合わせて爪に適用され、前記イオン導入電流の強度が0.01乃至5mA/cm2であって、前記アモロルフィンが爪に到達及び/または通過するために十分な期間に亘って適用される、使用に関する。
Description
本発明は、爪疾患の処置、特に、爪甲真菌症及び爪乾癬の処置に関する。
本発明は、特に、疾患の処置、特に、爪甲真菌症及び爪乾癬の処置における、アモロルフィンを含む組成物とイオン導入電流との併用に関する。
爪甲真菌症は、半透明の、白色の、厚く、砕けやすく、且つ脆い爪に反映される爪の真菌感染症である。これは、一般的に、一つのみよりも多くの爪を侵す。爪甲真菌症は、人口の2乃至13%を侵しており、40乃至60歳の年齢の個人においてはおよそ15乃至20%に増加している。
爪甲真菌症のために通常使用される処置は、三つのカテゴリーに分けられる:
・抗真菌剤を用いる全身的処置;
・感染した爪を完全にまたは部分的に除去する外科的処置、これに次ぐ、露出した組織のための局所的処置;
・感染した爪へのクリーム、ローション、ゲル、または溶液の局所的適用。
これら様々なアプローチには、多くの欠点がある。
・抗真菌剤を用いる全身的処置;
・感染した爪を完全にまたは部分的に除去する外科的処置、これに次ぐ、露出した組織のための局所的処置;
・感染した爪へのクリーム、ローション、ゲル、または溶液の局所的適用。
これら様々なアプローチには、多くの欠点がある。
Murdan et al., International Journal of Pharmaceutics, 236 (2002), 1-26
Diffusion Apparatus for Skin Penetration, J. Controlled Release, 1984,1, 161-162
Fate of substances delivered to follicles, ducts and nails, ASCC, 2005
Structural characteristics and permeability properties of the human nail: a review, J. Cosmet. ScL, 1999, 50, 363-385
爪甲真菌症の処置のための抗真菌剤の全身的(経口)投与は、長期的に処置効果をもたらすのみである。例えば、抗真菌化合物であるケトコナゾールを用いる経口処置は、典型的には、顕著な処置効果が得られるまでに、一日当たり200乃至400mgの投与を6カ月間に亘って要する。しかしながら、これらの抗真菌剤は、長期的には、軽視できない副作用を引き起こしうる。
爪の外科的除去は、多数の欠点、特に、疼痛及び外科的処置に伴う不快感、さらに見栄えの悪い爪の外観をさらに含む。
クリーム、ローション、ゲル、または溶液を使用する通常の局所的処置の場合には、爪表面を経る有効成分の拡散が非常にわずかであり、処置の継続期間がとりわけ長くなる。さらにまた、これらの局所的投与形態では、持続的期間に亘って有効成分を爪と接触させておくことが不可能であり、そのための包帯を使用せねばならない。
別の既知の局所形態は、ネイルラッカーである(Murdan et al., International Journal of Pharmaceutics, 236 (2002), 1-26)。Loceryl(登録商標)は、アモロルフィン(5%)、Eudragit RL 100、グリセロールトリアセテート、ブチルアセテート、エチルアセテート、及びエタノールを含むラッカーの一例である。このラッカーを、爪甲(horny plate of the nail)に適用し、数分間乾燥させて溶媒を蒸発させ、爪表面にポリマーの撥水性フィルムを形成させる。その後、有効成分は、フィルムから放出され、爪甲を経て拡散する。
Loceryl(登録商標)は、一週間に1もしくは2回、手の爪には6か月に亘って、足の爪には9乃至12カ月に亘って適用される。処置の継続期間は、感染の位置、強度、及び罹患した爪表面に本質的に依存する。
したがって、ラッカーを用いる処置は、反復的であり、各適用の前の爪の整備を要し、且つ罹患していない爪のいかなる感染をも回避するために特に注意を要することから、比較的に束縛的であることが判明している。提案されている別の局所形態は、抗真菌剤を含むパッチ、特に、アモロルフィンを含むパッチ(WO2005/092299)であるが、その有効性は、抗真菌剤の爪からの優れた浸透を必要とする。
爪甲真菌症の処置に使用される全ての局所的抗真菌剤に共通する問題、並びにその有効性が低い理由は、感染性因子の貯留層、すなわち、爪床に到達するための、有効成分の爪からの浸透性が非常に弱いことである。
爪乾癬に関しては、これは、基質、爪体もしくは爪床、あるいは爪の根元の皮膚に罹患しうる炎症性疾患である。爪に引き起こされる損傷は、多少によらず深刻であり、爪を喪失するほど悪化しうる。現在、爪乾癬の処置方法には、コルチコステロイド類またはレチノイド類の局所適用、あるいは、局所注射によるグルココルチコイド類の局所投与が含まれる。しかしながら、これらの処置方法は、依然として比較的に有効性が低い。
本発明の発明者は、爪へのアモロルフィンを含む組成物の適用とイオン導入電流の適用とを、所定条件下で組み合わせることによる、爪疾患の処置のための従来技術に関する問題の解決を提案する。
イオン導入は、外部電場の使用を含む、生物学的膜(典型的には皮膚)を通して薬剤を投与する方法である。この電場は、生物学的膜を通してイオン化分子を輸送する。
イオン導入の医学的用途は、様々な症状、特に、皮膚、眼、及び爪の症状(WO2005/04980及びUS2003/0144625参照)の処置について記載されている。
しかしながら、今日までに、爪疾患の処置を必要とする患者における、こうした処置での、アモロルフィンまたはアモロルフィンの塩を含む組成物とイオン導入電流との併用を記載した文献はない。
「アモロルフィンの塩」なる語は、製薬品として許容される酸とのアモロルフィンの塩、例えば、塩酸塩を意味し、アモロルフィンがイオン化形態であることを企図する。
本発明は、こうした組み合わせの有効性について、特定の条件を維持することを推奨する。
本願は、とりわけ、爪疾患の処置における使用のための薬剤の製造における、水性アルコール性溶液中に、1乃至10質量%、好ましくは1乃至5質量%のアモロルフィンを、好ましくはイオン化形態で、4乃至6のpHにて含む組成物の使用であって、前記組成物が、イオン導入電流と組み合わせて爪に適用され、前記イオン導入電流の強度が、好ましくは電流の適用のあいだ一定であって、所定期間、好ましくは0乃至24時間に亘って、0.01乃至10mA/cm2、好ましくは0.01乃至5mA/cm2、更に好ましくは0.01乃至4、3、もしくは2mA/cm2であって、前記アモロルフィンが爪に到達及び/または爪を通過するために十分である、使用を記載する。
イオン導入電流は、処置用有効成分、典型的にはアモロルフィンの、爪への及び/または爪を経る浸透を促進するために使用される。
本発明の好ましい一実施態様によれば、アモロルフィンは、イオン化形態、例えば、アモロルフィン塩酸塩(アモロルフィンHCl)の形態で使用される。
本発明の詳細は、以下の詳細な説明に開示される。
(イオン導入)
イオン導入には、イオン化分子を生物学的膜を通して拡散させることのできる電流が使用される。
電流の作用下では、生物学的膜の浸透性が増大し、このため前記生物学的膜の細胞中への分子の通過が促進される。次いで、電場は、この膜を通してイオン化分子の挙動に作用する。この技術は、従来の局所適用と比較すると、使用される電流の強度及び適用時間に比例して、有効成分の浸透を増大させるという利点を有する。
イオン導入には、イオン化分子を生物学的膜を通して拡散させることのできる電流が使用される。
電流の作用下では、生物学的膜の浸透性が増大し、このため前記生物学的膜の細胞中への分子の通過が促進される。次いで、電場は、この膜を通してイオン化分子の挙動に作用する。この技術は、従来の局所適用と比較すると、使用される電流の強度及び適用時間に比例して、有効成分の浸透を増大させるという利点を有する。
本発明の一つの目的は、有効成分の送達を促進する装置を使用することであって、前記装置は、使用が非常に簡便であり、且つ爪の処置を対象とすると同時に非侵襲性である。既知のイオン導入装置は、これらの要求に合致する。
あらゆるタイプのイオン導入装置が、本発明による使用のために適当でありうる。こうした装置は、文献に記載されている。特段の一実施態様によれば、本発明においては、出願WO2005/04980に記載されている変換器を利用することができる。
こうした装置は、当業者によれば、本発明に記載される使用に、例えば、処置しようとする個人、前記個人の病理の性質、罹患した爪の数、及び前記爪の位置(手であるか足であるか)によって、容易に適合させることができる。
こうした装置には、少なくとも、電流発生機、活性電極、すなわち、罹患した爪に配置される電極、及び戻し電極(return electrode)が含まれる。
本発明の内容で使用可能なイオン導入装置の電極は、例えば、要求される使用に適当なあらゆるサイズ及び形状に、例えば、円形、楕円形、長方形、もしくは正方形に作られていてよい。好ましくは、活性電極は、爪の形状に最も適合する形状、すなわち、楕円形タイプの形状を有する。本発明の内容で使用される活性電極の好ましいサイズは、0.1cm2乃至4cm2、好ましくは1cm2乃至2cm2であって、処置しようとする領域の位置によって選択される。
戻り電極は、例えば、罹患した爪の指の下、前記爪から離れた腕もしくは脚の皮膚表面、あるいは処置しようとする爪自体の表面に配置してよい。その形状は、配置される位置に依存し、その表面積は適用される電流の強度に依存し、処置しようとする個人に苦痛を引き起こすことのないように(電流を流すことに関して)、表面積は強度と共に増大させる。
典型的には、爪に適用される、表面積がおよそ1cm2である活性電極に対して、且つ、強度がおよそ0.01乃至5mA/cm2の電流に対しては、皮膚に適用される、表面積がおよそ1乃至10cm2である戻り電極が使用される。
本発明によって示されるように、イオン導入技術の適用により、本明細書中に記載される特定条件下では、任意に別の有効成分と組み合わせた、処置用有効成分の爪への及び/または爪を経る浸透が促進される。さらにまた、前記技術によれば、前記有効成分を爪から徐々に放出させることが可能である。
本発明に照らせば、イオン導入電流は、有利には、処置剤(下記)を含む組成物の爪への適用後に送達される。
本発明者は、罹患した爪へのまたは罹患した爪を経る、アモロルフィンの有効な送達を可能にするイオン導入を実行するための、特定の条件を示すことができた。
電流の適用は、継続的または連続的であってよく、その強度は、好ましくは、電流適用時には一定であるが、以上に説明した通り、使用される電極の表面積によって異なり、したがって、およそ0.01mA/cm2乃至およそ10mA/cm2の範囲内である。強度は、好ましくは、所与のタイプの電極対について一定である。有利には、この強度は、およそ0.01乃至およそ5mA/cm2、好ましくは、およそ0.5乃至およそ3mA/cm2、更に好ましくはおよそ0.5乃至およそ1mA/cm2である。
電流は、有効成分が爪に到達もしくは爪を通過するため、好ましくは、感染性因子の貯留層である爪床まで送達するために十分な期間に亘って適用される。この期間は、電流の適用が継続的である場合には、およそ1時間乃至およそ24時間、好ましくは、およそ1時間乃至およそ12時間である。
本発明の好ましい一実施態様によれば、イオン導入電流は、連続的に適用される。電流は、例えば、サイクルで適用される。「サイクルで」なる語は、電流が適用される期間に次いで、電流が全く適用されない期間があることを意味することとする。前記サイクルは、およそ1乃至12時間、好ましくは、1乃至6時間であって、24時間あたりに1乃至4サイクル、好ましくは2サイクルである。
イオン導入電流は、本発明の別の実施態様によれば、パルスで適用しても良く、各パルスの継続時間は、およそ1秒間乃至60分間であってよく、各パルス間の期間は、およそ1秒間乃至60分間であってよく、更に、パルス処置は、およそ1乃至12時間継続してよい。
実際のところ、本発明者は、驚くべきことに、こうした連続的もしくはパルス投与によれば、電流の中断の度毎に、電流の適用の間に爪に浸透した有効成分の、爪床での放出が促進されることに着目している。
上記の条件は、処置しようとする疾患、疾患の進行度、及び爪の厚さによって、当業者によって容易に適合させられる。
(爪処置)
本発明においては、イオン導入は、爪への処置用有効成分の適用と組み合わせて使用される。これは、イオン導入が、爪への浸透促進効果をもたらすためである。「爪への浸透促進効果」なる表現は、爪へのもしくは爪を通る、分子の浸透を促進する効果を意味することとする。
本発明においては、イオン導入は、爪への処置用有効成分の適用と組み合わせて使用される。これは、イオン導入が、爪への浸透促進効果をもたらすためである。「爪への浸透促進効果」なる表現は、爪へのもしくは爪を通る、分子の浸透を促進する効果を意味することとする。
したがって、本発明は、処置用有効成分、例えば、アモロルフィンを、好ましくは、イオン化形態で、例えば、アモロルフィン塩酸塩の形態で含む組成物の、爪疾患の処置における使用のための薬剤の製造のための使用に関し、前記組成物は、爪に、イオン導入電流と組み合わせて、前記成分が爪に到達及び/または爪を通過するために十分な期間に亘って適用される。
「処置」なる語は、前記疾患の安定化または完治を可能にする、予防、緩和、治療処置を意味することとする。
好ましくは、本発明は、例えば上述される通り、爪甲真菌症または爪乾癬の処置における使用のための薬剤の製造における使用に関する。
全タイプの爪甲真菌症、すなわち、特に、遠位爪甲下爪真菌症、近位白色爪甲下爪真菌症、表在性白色爪真菌症、及びカンジダ属の株によって誘発される爪甲真菌症が対象とされる。全タイプの爪乾癬もまた、対象とされる。
処置用有効成分は、爪へのイオン導入電流の適用の前又は後に適用してよい。したがって、好ましい一実施態様においては、使用者は、以下に説明する局所形態の一つで有効成分を適用し、その後、前記有効成分で覆われた爪にイオン導入電流を適用する。代替的な一実施態様によれば、処置用有効成分を含まないクリーム、ゲル、ローション、または溶液で完全もしくは部分的に覆われた爪に、イオン導入電流をまず適用して、使用する処置用有効成分の浸透のために爪を準備する。次いで、前記処置用有効成分を、かくして準備した爪に適用する。イオン導入電流を、再度爪に適用してもしなくてもよく、爪は、前記処置用有効成分に部分的もしくは完全に覆われている。
本発明の特段の一実施態様においては、処置用有効成分は、遊離の酸もしくは塩基の形態で存在する。
「処置用有効成分」なる語は、処置しようとする爪疾患に対して有効な分子を意味することとする。
特段の一実施態様によれば、処置用有効成分は、爪甲真菌症の処置に有効な抗真菌剤である。
爪甲真菌症または爪乾癬の処置において有効であることが当業者に既知である、あらゆる抗真菌剤を、イオン導入電流の爪への適用と組み合わせて使用してよい。好ましくは、前記抗真菌剤は、アモロルフィンであり、好ましくは、アモロルフィン塩酸塩(もしくはアモロルフィンHCl)またはその誘導体である。その爪への浸透性が低いために現在は爪甲真菌症の処置に使用されていない薬剤の、爪へのもしくは爪を経る浸透を促進するための、イオン導入電流の使用もまた、想定されうる。
「アモロルフィン」なる語は、アモロルフィン塩基を意味することとする。「アモロルフィン誘導体」なる語は、特に、そのイオン化形態、特に、その製薬品として許容される塩、特に、その塩酸塩誘導体(アモロルフィンHCl)を意味することとする。
「製薬品として許容される塩」なる語は、外皮と、好ましくは、皮膚及び/または粘膜と、適合性である塩を意味することとする。
アモロルフィンHClもしくはアモロルフィン塩酸塩は、アモロルフィンの塩酸誘導体であり、式(1):
に表わされる、酸、シス-4-[3-[4-(1,1-ジメチルプロピル)フェニル]-2-メチルプロピル]-2,6-ジメチルモルホリンの塩酸塩を示す。
この化合物は、真菌、例えば、酵母、皮膚糸状菌、カビ、黒色真菌(黒色菌)の細胞膜ステロールの合成を阻害することによって、静真菌活性及び殺菌活性をもたらす。
本発明において使用される組成物は、好ましくは、1乃至10質量%、更に好ましくは、1乃至5質量%のアモロルフィンを、好ましくは、イオン化形態で、例えば、アモロルフィン塩酸塩を、抗真菌処置用有効成分として含む。
アモロルフィンまたはその誘導体は、生物学的もしくは生理学的、特に、抗菌もしくは抗真菌特性を有する、処置しようとする爪の領域への局所適用による経爪適用に適当な、別の有効成分と組み合わせて存在してよい。
有利には、処置用有効成分は、爪への吸収を促進する作用剤と組み合わせて爪に適用してよい。「爪への吸収を促進する」なる語は、処置用有効成分、例えば、アモロルフィンまたはその誘導体に関する、生物学的膜の、例えば、皮膚または爪の浸透性を増大させることができ、前記膜からの処置用有効成分またはその誘導体の浸透の速度を増大させる、製薬品として許容される化合物を意味することとする。
これらの浸透速度は、当業者には周知の技術を用いて測定することができる。したがって、細胞拡散装置、例えば、Merritらにより記載されているフランツ型拡散セル(Diffusion Apparatus for Skin Penetration, J. Controlled Release, 1984, 1, 161-162)あるいは、Waltersらの文献(Fate of substances delivered to follicles, ducts and nails, ASCC, 2005)またはGupchupらの文献(Structural characteristics and permeability properties of the human nail: a review, J. Cosmet. Sci, 1999, 50, 363-385)に記載されている方法を使用してよい。別の方法は、出願WO2005/011565に記載されている。
吸収促進剤は、従来技術より周知であり、特に、α-ヒドロキシ酸類、脂肪酸のエステル類及びそのアミド類、脂肪アルコール類、脂肪酸類、及びグリセロールエステル類、特に、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、グリセリルモノラウレート、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール類、ポリグリコシル化グリセリド類、不飽和ポリグリコール類(Labrafil M1944CS(登録商標)、Gattefosse)、飽和ポリグリセリド類(Labrasol、Gattefosse)、Labrafac HydroWL 1219(登録商標)(Gattefosse)、デシルメチルスルホキシド、ピロリドン類、サリチル酸、乳酸、イソプロピルミリステート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ドデシル硫酸ナトリウム、リン脂質類、Transcutol(登録商標)(Gattefosse)、並びに、オレイン酸と2-(2-エトキシエトキシ)エタノールとの混合物及びオレイン酸とLabrafil(登録商標)との混合物を含んでよく、これらのオレイン酸混合物は、好ましくは、およそ1:1の割合である。酵素化合物、例えば、ケラチン組織からもしくは爪からの有効成分の浸透を促進するタンパク質分解酵素を、吸収促進剤として更に使用してよい。本発明によって使用可能な脂肪酸類の非限定的例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ミリストレイン酸、パルミトイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、及びリノレイン酸を挙げてよい。
別の既知の吸収促進剤は、加水分解、表皮剥離、変性、あるいは爪または膜を破壊する同等の別の機構によって機能する。この方式で機能する吸収促進剤の例としては、尿素、スルフヒドリル基を含むアミノ酸類、アルキルスルホキシド類、並びに、爪及び/または膜を破壊もしくは変性させて、製薬化合物を前記膜の深層への浸透を可能にすることによって機能するあらゆる同等の化合物を挙げてよい。
浸透促進剤の例としては、特に、尿素、エキサルトリド、N-アセチルシステイン、及び乳酸、またはこれらの混合物、乳酸と、もしくはN-アセチルシステインと組み合わせた尿素、並びに単独のエキサルトリドが、特に好ましい。
各吸収促進剤の量は、当業者により、特に、処置用有効成分の投与形態によって、爪の外観によって、且つ/または、処置しようとする疾患の進行度によって、決定してよい。
本発明の内容で使用される組成物は、任意に、1つもしくは複数の溶媒を更に含んでよい。
溶媒とは、これによれば、組成物中の別の成分が混合、溶解もしくは懸濁、軟化、及び/または液化して、こうした組成物を表面、例えば、爪に、局所適用しうる物質である。溶媒は、生理学的に許容されるものであるべきである。
生理学的に許容される、適切な溶媒には、水、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、及びエステル類であって、美容製品に使用されるもの、例えば、一価アルコールのエステル類(例えば、エチル及びブチルアセテート)の、芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、及び/またはアルコール類、例えば、エタノールまたはイソプロパノールと任意に混合したものが含まれる。
溶媒の選択は、本質的に、有効成分を溶解するその性能によって決定される。
アモロルフィンまたはその誘導体に関しては、水性アルコール性溶液、典型的にはエタノールを含むものが、好ましく使用される。
この溶液のpHは、アモロルフィン及びその誘導体のために、有利には、3乃至6である。
共溶媒または共溶媒の混合物の使用もまた、有益であると証明されうる。イソプロパノールは、特に、尿素と乳酸との一組の吸収促進剤のための共溶媒として有用である。
むろん、当業者であれば、その一般的な知識に照らして、作業条件並びに成分の溶解に必要とされる度合いに最も適当な溶媒及び共溶媒を決定しうる。
処置用有効成分は、任意に吸収促進剤と組み合わせて、好ましくは、ローション、クリーム、ゲル、パッチ、溶液、または他のあらゆる許容形態で適用される。
特段の一実施態様においては、処置用有効成分は、遊離酸または塩基の形態で存在してよい。
特段の一実施態様においては、処置用有効成分は、遊離酸または塩基の形態で存在してよい。
前記組成物は、有利には、少なくとも一つの塩または電荷を担持する別のあらゆる作用剤を、例えば、緩衝溶液の形態で更に含んでよい。これは、例えば、有効成分が塩の形態ではない場合であってよい。
処置用有効成分は、本発明の内容で使用される組成物中に、個人が罹患した爪病理の処置のために有効な量で存在する。
典型的には、治療しようとする病理が爪甲真菌症である場合には、前記成分は、抗真菌剤、例えば、アモロルフィンまたはその誘導体である。後者は、好ましくは、組成物中に、前記組成物のおよそ1乃至およそ10質量%、好ましくは、およそ1乃至およそ5質量%の量で、更に好ましくは、およそ1乃至およそ3質量%の量で存在する。組成物の質量には、前記組成物中に存在しうる、揮発性及び不揮発性の全量が含まれる(アモロルフィンは、この全量中に含まれる)。
したがって、特段の一実施態様においては、本発明は、爪疾患の処置、特に、爪甲真菌症の処置または爪乾癬の処置における使用のための薬剤の製造における、1乃至5質量%のアモロルフィンを、好ましくはアモロルフィン塩酸塩の形態で、好ましくは水性アルコール性溶液中に、有利には3乃至6のpHにて含む組成物の使用であって、前記組成物が、イオン導入電流と組み合わせて爪に適用され、前記イオン導入電流の強度が、前記アモロルフィンが爪に到達及び/または爪を通過するために十分な期間、好ましくは一定であって、好ましくは0.01乃至5mA/cm2である、使用に関する。
本発明の更に別の実施態様においては、この組成物は、トリス/エタノール溶液中に、およそ1質量%のアモロルフィン塩酸塩を、3乃至5のpHにて含み、適用されるイオン導入電流は、およそ1mA/cm2である。
特段の一実施態様においては、爪を、イオン導入電流の適用または処置用有効成分を含む製薬組成物の適用の前に準備する。例えば、爪は、吸収促進剤を用いた予備処理によって、またはこれを水和させるための密封パッチを利用して、前処理しても良い。こうした密封パッチは、特許FR2871292に記載されている。
別の方式または組み合わせの方式で、爪を、ネイルファイルを使用して、あるいは、爪にとって研磨性である化学組成物、例えば、特許出願US2004/0197280に記載のものを使用して、剥離によって準備しても良い。
本発明は、更に、上述の使用に関連する予防または治療処置のための、キット及び方法に関する。
本発明は、例えば、(i)罹患した爪に、治療用有効成分、例えば、アモロルフィンを、好ましくは、アモロルフィン塩酸塩の形態で含む組成物を適用する工程、及び(ii)イオン導入電流を、前記成分が爪に到達及び/または爪を通過するために十分な期間に亘って適用する工程を含む、爪病理の処置方法に関する。
したがって、本発明の特段の一実施態様は、(i)罹患した爪に、1乃至5質量%のアモロルフィンを、水性アルコール性溶液中に、pH4乃至6にて含む組成物を適用する工程、及び(ii)その強度が好ましくは一定であり、且つおよそ0.01乃至およそ5mA/cm2であるイオン導入電流を、前記アモロルフィンが爪に到達及び/または通過するために十分な期間に亘って適用する工程を含む、爪甲真菌症の処置方法に関する。
本発明はまた、(i)罹患した爪に、1質量%のアモロルフィン塩酸塩を、トリス/エタノール溶液中に、pH4乃至5にて含む組成物を適用する工程、及び(ii)その強度が好ましくは一定であり、且つおよそ1mA/cm2であるイオン導入電流を、前記アモロルフィンが爪に到達及び/または通過するために十分な期間に亘って適用する工程を含む、爪甲真菌症の処置方法に関する。
上述の爪病理、特に、爪甲真菌症または爪乾癬に罹患した個人は、本発明による組成物を、健常もしくは罹患していない爪に予防的に適用して、前記病理の外観または伝搬を防止することができる。
老年の患者及び免疫抑制患者もまた、本発明による予防処置を適用してよい個人である。
本発明の別の利点及び使用は、純粋に例示的であって、非限定的と見なされるべきである、以下の実施例を読むことにより明らかになるであろう。
(実験条件:実施例2;3;4;及び5)
ドナー溶液:
実験2におけるドナー溶液は、50mMのNaCl及び0.4%のTween 80を含む水性溶液中の、0.36%(10mM)のアモロルフィンHClからなる。この実験は、更なる調整なしに、pH3.9にて行われた。
ドナー溶液:
実験2におけるドナー溶液は、50mMのNaCl及び0.4%のTween 80を含む水性溶液中の、0.36%(10mM)のアモロルフィンHClからなる。この実験は、更なる調整なしに、pH3.9にて行われた。
実験3におけるドナー溶液は、40:60(w:w)のトリス緩衝液:エタノール中の、0.36%(10mM)のアモロルフィンHClからなる。前記トリス緩衝液は、50mMのトリス及び50mMのNaClをpH7.4にて含むものであった。緩衝液:エタノール溶液のpHは、最高で7.5であった。薬剤の添加後、pHは最高で5.5であった。
実験4及び5におけるドナー溶液は、40:60(w:w)のトリス緩衝液:エタノール中の、1%(28mM)のアモロルフィンHClからなる。前記トリス緩衝液は、50mMのトリス及び50mMのNaClをpH7.4にて含むものであった。緩衝液:エタノール溶液のpHは、最高で7.5であった。薬剤の添加後、pHは最高で4.7であった。
レセプター溶液:pH7.4であり、0.25%のTween 80を含むPBS(実験2と同一)
実験設定
様々な拡散セル(水平型及びフランツ型)及び別の爪アッセンブリを検討した。以下に記載の設定を、これらの実験のために選択した。
・拡散セル:直径15mmのフランツ型拡散セルを使用した。「爪アッセンブリ」は、ドナーチャンバーとレセプターチャンバーとの間に配置した。
・爪装置:爪を、直径5mmの内口を有する二つのシリコーン環の間に固定した。別の代替物(シリコーングリース、別の生体接着性ポリマー類)が爪を「定位置に」保持せず、爪表面に前記グリースの漏れもしくは拡散をもたらしたことから、アクリル接着剤を用いた。
・爪の厚さを、マイクロメーターを用いて測定した。水和前の末端での爪の厚さを、三か所で測定した。この時点では、爪を破損する一切の危険性を回避して、中心部は測定しなかった。爪を、50mMのNaCl溶液中に一晩浸漬した。浸漬後に爪の柔軟性が増大したため、この時点では、爪の中心部、上部、及び側面の角の厚さを測定することができた(表1)。
様々な拡散セル(水平型及びフランツ型)及び別の爪アッセンブリを検討した。以下に記載の設定を、これらの実験のために選択した。
・拡散セル:直径15mmのフランツ型拡散セルを使用した。「爪アッセンブリ」は、ドナーチャンバーとレセプターチャンバーとの間に配置した。
・爪装置:爪を、直径5mmの内口を有する二つのシリコーン環の間に固定した。別の代替物(シリコーングリース、別の生体接着性ポリマー類)が爪を「定位置に」保持せず、爪表面に前記グリースの漏れもしくは拡散をもたらしたことから、アクリル接着剤を用いた。
・爪の厚さを、マイクロメーターを用いて測定した。水和前の末端での爪の厚さを、三か所で測定した。この時点では、爪を破損する一切の危険性を回避して、中心部は測定しなかった。爪を、50mMのNaCl溶液中に一晩浸漬した。浸漬後に爪の柔軟性が増大したため、この時点では、爪の中心部、上部、及び側面の角の厚さを測定することができた(表1)。
・リーク及びイオン導入回路についての試験:イオン導入実験を開始する前に、各セルについてリークのないことを試験した。ドナーチャンバー及びレセプターチャンバーを、それぞれ(薬剤を含まない)ドナー及びレセプター緩衝液で満たし、0.1mAの電流を流した。リークの存在下では、回路の抵抗は低く、電流を駆動するために必要な電圧は非常に低い(最高で1V)。リークのない系は、典型的には、格段に高い電圧をもたらす(最高で100V)。いずれの場合にも、リークは観察されなかった。
・通電開始時に観察された電圧は、迅速に低下して、およそ20分後には最高で30Vに安定化した。
・三つのセルで、回路の安定性が確認されたところで、ドナー区画を薬剤溶液で満たし、電流を再通電した。
・電流の強度は、0.1mAであり、0.51mA/cm2(露出領域 = 0.196cm2)に等しい。
・実験2については18時間のイオン導入後に、実験3及び4については20時間のイオン導入後に、1つの試料を採取した。その後、レセプターを再充填し、4時間の通電なしの(passive)イオン導入後の期間の後に、第二の試料を得た。
・ドナー溶液の回収後、陽極チャンバーをエタノールで2度リンスして、爪の表面から残留溶液を除去した。その後、爪をシリコーン環から切り取り、計量し、Soluene(登録商標)に溶解し、放射性を測定した。
・通電開始時に観察された電圧は、迅速に低下して、およそ20分後には最高で30Vに安定化した。
・三つのセルで、回路の安定性が確認されたところで、ドナー区画を薬剤溶液で満たし、電流を再通電した。
・電流の強度は、0.1mAであり、0.51mA/cm2(露出領域 = 0.196cm2)に等しい。
・実験2については18時間のイオン導入後に、実験3及び4については20時間のイオン導入後に、1つの試料を採取した。その後、レセプターを再充填し、4時間の通電なしの(passive)イオン導入後の期間の後に、第二の試料を得た。
・ドナー溶液の回収後、陽極チャンバーをエタノールで2度リンスして、爪の表面から残留溶液を除去した。その後、爪をシリコーン環から切り取り、計量し、Soluene(登録商標)に溶解し、放射性を測定した。
実験条件の概要
実験5は通電なしのコントロールである。
実験5は通電なしのコントロールである。
結果
レセプター区画へのアモロルフィンの累積送達量(nmol)を、表2及び図1に示す。
レセプター区画へのアモロルフィンの累積送達量(nmol)を、表2及び図1に示す。
三つの実験間のアモロルフィン流量(nl/時)の比較を、表3に示す。
イオン導入後の、レセプター区画へのアモロルフィンの累積送達量(nmol)を、表4及び図2及び3に示す。
爪中に回収されるアモロルフィン量(nmol/mg)を、表5及び図4に示す。
アモロルフィン結果のまとめ:
結果は、実験2及び3と比較して、実験4においてアモロルフィンの最大流量を示す。アモロルフィンのイオン導入は、爪への及び爪を経る、薬剤送達を促進する。
Claims (15)
- 爪疾患の処置における使用のための薬剤の製造における、水性アルコール性溶液中に、1乃至5質量%のアモロルフィンを、イオン化形態で、pH3乃至6にて含む組成物の使用であって、前記組成物が、イオン導入電流と組み合わせて爪に適用され、前記イオン導入電流の強度は、所定期間、好ましくは0乃至24時間に亘って、一定であり、且つおよそ0.01乃至およそ5mA/cm2であって、前記アモロルフィンが爪に到達及び/または通過するために十分である、使用。
- イオン導入電流が、前記組成物の爪への適用の後に送達される、請求項1に記載の使用。
- イオン導入電流が、およそ1乃至12時間に亘って継続的に適用される、請求項1または2に記載の使用。
- イオン導入電流が、連続的に適用される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の使用。
- 電流が、1乃至6時間のサイクルで、24時間あたりおよそ2乃至4サイクルの割合で適用される、請求項4に記載の使用。
- 適用される電流の強度が、およそ0.5乃至およそ3mA/cm2である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の使用。
- 適用される電流の強度が、およそ0.5乃至およそ1mA/cm2である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の使用。
- 前記組成物が、爪への吸収促進剤を更に含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の使用。
- 前記吸収促進剤が尿素である、請求項8に記載の使用。
- イオン化アモロルフィンが、アモロルフィン塩酸塩の形態で使用される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の使用。
- 前記水性アルコール性溶液が、エタノールを含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の使用。
- 前記組成物が、1質量%のアモロルフィン塩酸塩を、トリス/エタノール溶液中に、pH3乃至5にて含み、適用される電流の強度が、およそ1mA/cm2である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の使用。
- 前記組成物が、水性アルコール性溶液の形態である、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の使用。
- 前記疾患が、爪甲真菌症である、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の使用。
- 前記疾患が、爪乾癬である、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の使用。
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