JP2011502414A - 受信ダイバシティを備えた無線受信機 - Google Patents

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Abstract

送信機によって送信された信号を受信するための無線受信機及び対応する方法が提供される。受信機は、異なる伝搬チャンネルを経由した前記信号のバージョンをそれぞれが受信すると共に、そのバージョンをそれぞれの入力において提供するための複数のアンテナと、前記信号の検出を実行する際に使用するための供給された数の前記入力のダイバシティ処理を操作するように構成された信号処理手段とを備える。受信機は、更に、伝搬チャンネルに関する1つ以上のチャンネルパラメータを推定するように構成されたチャンネルパラメータ推定手段と、特定の次元の数の受信機のダイバシティ処理を実行するために、前記伝搬チャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータに従って、前記入力のサブセットだけを選択するように構成された選択手段とを備える。

Description

本発明は、無線受信機における受信ダイバシティに関係する。
無線通信システムにおいて、通信は、受信機によって受け取られるべきである無線周波数(RF)信号を送信する送信機によって達成される。
マルチパスフェージングは、信号が送信機から受信機に複数の伝搬チャンネルを介して伝わり、相互に干渉する同じ信号の複数のレプリカの受信になる場合に発生する。図1は、マルチパスフェージングの影響の(非常に図式化された)実例である。ここで、送信アンテナ2は、複数の建物6または信号を遮断するか、及び/または反射する他の障害物を含む領域3の全体に信号を放送する。その結果として、任意の場所で、受信信号は、多重伝搬路を経由して受信された信号の複数のレプリカの重ね合せになる。様々な範囲の場所にわたって、受信信号強度は、従って、異なる伝搬路の建設的及び破壊的な干渉によって引き起こされたピーク及びトラフ(trough)のパターンを示す。
図1は、正確な縮尺ではないことに注意が必要である。高速フェージング状況において、信号強度は、障害物及び信号の波長に応じて、フェージングの影響のせいで、およそメートルを、またはセンチメートルさえも超えて、測定できる程に変化し得る。これは、それらの受信機が動き回るので、信号品質における顕著な変動があり得ることを意味する。その受信機が携帯電話またはラップトップのような利用者装置(UE)端末である場合において、その利用者は、信号品質においてかなりの違いを経験することになる。2つの受信アンテナにおいて信号を比較するときに、肝心なのは、信号強度ばかりでなく、チャンネル応答を構成する複素数のタップ重み(tap-weight)の振幅及び位相(、そして統計的分布)である。
空間受信ダイバシティは、受信機が物理的に分離された複数のアンテナ、例えば図1において示されたアンテナ4及び4を提供される技術である。各受信アンテナは、それぞれの伝搬チャンネルに対応すると共に、この状況は、所定の受信アンテナにおいて経験されるような送信アンテナ2からの複数の伝搬経路に起因する。この場合も先と同様に、図1が正確な縮尺ではなく、2つの受信アンテナ4及び4は、一般的に同じ端末、例えば同じ移動端末の中に収容される点に注意が必要である。
空間ダイバシティ受信は、例えば、“J. G. Proakis, 「Digital Communications」, New York: McGraw-Hill, 1995,”、“P. Balaban and J. SaIz1 「Optimum Diversity Combining and Equalization in Digital Data Transmission with Application to Cellular Mobile Radio - Part I: Theoretical Considerations」, IEEE Transactions on Communications, vol. 40, no. 5, pp. 885-894, May 1992”、そして“J. H. Winters, J. SaIz, and R. D. Gitlin, 「The Impact of Antenna Diversity on the Capacity of Wireless Communication Systems」, IEEE Transactions on Communications, vol. 42, no. 2/3/4, pp. 1740-1751 , February 1994”に示された無線通信システムの性能を向上させるための有名な手段である。複数の受信アンテナの存在は、異なる伝搬チャンネルを介して送信された所望の信号の複数のレプリカを受信機に提供する。(無線伝送の搬送波波長と比較した)受信アンテナの間の十分な空間的な距離間隔のために、異なるアンテナにおける受信信号は、無相関のチャンネルによって特徴付けられる(すなわち、独立してフェージングのタップ重みを有するチャンネルインパルス応答を持っている。)。このシステムは、受信機のエラー性能を向上させるために利用され得るダイバシティ利得を実現する。
ダイバシティ利得、及び対応する性能利点は、ダイバシティチャンネルの間の増加する相関の代わりに減少する。しかしながら、相互関係を有するチャンネルが存在する場合でも、アンテナダイバシティは、電力利得に関して性能利点をまだ提供し得ると共に、異なるダイバシティブランチに関する信号が無相関の妨害(雑音及び干渉の和)によって影響を受けるときに、電力利得は最大になる。例えば、完全に相関を有するダイバシティチャンネル及び2つのダイバシティ信号に関する無相関の雑音を伴うデュアルアンテナ受信機は、信号対雑音電力比(SNR)に関して3dBの利得を提供する。この場合も先と同様に、この利得は、異なるダイバシティブランチに関する妨害の増加する相関の代わりに減少する。
複数の受信アンテナの使用は、3GPP広帯域符号分割多重アクセス(Wideband Code Division Multiple-Access:WCDMA)及び高速下り回線パケットアクセス(High-Speed Downlink Packet Access:HSDPA)のような無線セル方式システムのために考察された。例が、以下の“R. Love, K. Stewart, R. Bachu, and A. Ghosh, 「MMSE Equalization for UMTS HSDPA」, IEEE Vehicular Technology Conference, vol. 4, Orlando, FL1 October 2003, pp. 2416-2420”、及び“M. J. Heikkila and K. Majonen, 「Increasing HSDPA Throughput by Employing Space-Time Equalization」, IEEE International Symposium on Personal, Indoor and Mobile Radio Communications, vol. 4, Barcelona, Spain, September 2004, pp. 2328-2332”において与えられる。
空間ダイバシティは、受信機のエラー性能の改善を行うが、受信機の増加した“次元の数”は、増加した計算費用もやはり招く。特に移動端末受信機の場合には、例えば、受信ダイバシティによって提供された性能利点が、複数のアンテナユニット及びRFチェーンの要求からだけでなく、信号検出を行うのに必要とされる受信機処理機能の増加した次元の数から派生する追加の複雑さ及び電力消費を犠牲にして生じる、と考えることが重要である。
いくらかの計算費用を無効にしながら、受信ダイバシティの改善された性能から利益を得ることが、有利であろう。
本発明の1つの特徴によれば、送信機によって送信された信号を受信するための無線受信機が提供され、前記受信機は、異なる伝搬チャンネルを経由した信号のバージョンをそれぞれが受信すると共に、そのバージョンをそれぞれの入力において提供するための複数のアンテナと、前記信号の検出を実行する際に使用するための与えられた数の前記入力のダイバシティ処理を操作するように構成された信号処理手段と、伝搬チャンネルに関する1つ以上のチャンネルパラメータを推定するように構成されたチャンネルパラメータ推定手段と、特定の次元の数の受信機のダイバシティ処理を実行するために、前記伝搬チャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータに従って、前記入力のサブセットだけを選択するように構成された選択手段とを備える。
ダイバシティ処理は、線形であり得るか、もしくは非線形であり得る。
従って、本発明は、受信機性能及び関連する計算費用及び電力消費量の間の最も良いトレードオフを達成するための特定のチャンネルパラメータの推定に基づいて、受信ダイバシティブランチの全てまたはサブセットで受信された信号の使用を選択することが可能である受信機構造を提供する。本発明の原理が他のタイプのダイバシティ処理、例えば偏波ダイバシティにまで及ぶということが認識されることになる。
本発明の別の特徴によれば、無線ネットワークを経由して送信される信号を処理する方法が提供され、前記方法は、複数のアンテナのそれぞれにおいて、異なる伝搬チャンネルを経由した信号のバージョンを受信すると共に、そのバージョンをそれぞれの入力において提供する段階と、前記信号の検出を実行する際に使用するための与えられた数の前記入力のダイバシティ処理を操作する段階と、伝搬チャンネルに関する1つ以上のチャンネルパラメータを推定する段階と、特定の次元の数の受信機のダイバシティ処理を実行するために、前記伝搬チャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータに従って、前記入力のサブセットだけを選択する段階とを含む。
本発明の別の特徴は、入力においてバージョンとして受信された信号の検出を実行する際に使用するための与えられた数の入力のダイバシティ処理を操作するように構成されたプログラムコード手段と、それを介して前記バージョンが送信された異なるダイバシティチャンネルに関する1つ以上のチャンネルパラメータを推定するためのプログラムコード手段と、特定の次元の数の受信機のダイバシティ処理を実行するために、前記伝搬チャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータに従って、前記入力のサブセットだけを選択するためのプログラムコード手段とを備えるコンピュータプログラム製品を提供する。
本発明の別の特徴は、複数の異なる伝搬チャンネルを経由した信号の異なるバージョンを受信すると共に、複数のそれぞれの入力を生成する段階と、前記信号の検出を実行するダイバシティ処理のための与えられた数の前記入力を使用する段階と、前記伝搬チャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータを推定する段階と、前記1つ以上のチャンネルパラメータに従って、選択的に前記入力の内の1つ以上が前記ダイバシティ処理の工程に供給されることを防ぐ段階とを含む、無線通信システムにおいて信号を受信する方法を提供する。
本発明の別の特徴は、異なる伝搬チャンネルを経由した信号のバージョンをそれぞれが受信すると共に、そのバージョンをそれぞれの入力において提供するための複数のアンテナと、前記信号の検出のための与えられた数の前記入力のダイバシティ処理を操作するように構成された信号処理手段と、伝搬チャンネルに関する1つ以上のチャンネルパラメータを推定するように構成されたチャンネルパラメータ推定手段と、特定の次元の数の受信のダイバシティ処理を実行するために、前記伝搬チャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータに従って、前記入力のサブセットだけを選択するように構成された選択手段とを備える、無線受信機を有する移動端末を提供する。
チャンネルパラメータ推定手段は、好ましくは、前記チャンネルのそれぞれの信号対妨害比を推定するように構成される。その場合に、これは、入力のサブセットを選択する決定が、1組のダイバシティチャンネルの間の相関または1組のダイバシティブランチの間の妨害相関に基づいているか否かを判定するために使用され得る。信号対妨害比は、しきい値と比較され得る。もしそれが第1のしきい値より大きいならば、入力のサブセットは、少なくとも1組のダイバシティチャンネルの間の相関に基づいて選択され得る。もしSDR比が第2のしきい値より小さいならば、入力のサブセットは、1組のダイバシティブランチの間の妨害相関に基づいて選択され得る。
第1のしきい値及び第2しきい値は、同じであり得るか、もしくは異なり得る。
その代りに、選択手段は、結果を前記チャンネルパラメータの関数として計算すると共に、前記結果のしきい値に対する比較に従って前記入力のサブセットを選択するように構成され得る。このような状況におけるチャンネルパラメータは、前記チャンネルのぞれぞれの信号対妨害比、少なくとも1組のダイバシティチャンネルの間の相関、及び少なくとも1組のダイバシティブランチの間の妨害相関であり得る。
代替装置において、以下の基準が、1組のアンテナの両方からの入力が使用されるべきであるか否かを判定するために利用され得る。
高い信号対妨害比を有する場合、もしチャンネル相関がしきい値TH1を下回っているならば、1組のアンテナの両方のアンテナからの入力が使用されるべきである。
低い信号対妨害比を有する場合、もし妨害相関がしきい値TH2を下回っているならば、1組のアンテナの両方のアンテナからの入力が使用されるべきである。
中間の(中位の)信号対妨害比を有する場合、もしチャンネル相関がしきい値TH1'を下回っているならば、または、もし妨害相関がしきい値TH2'を下回っているならば、1組のアンテナの両方のアンテナからの入力が使用されるべきである。
低い/中間の/高い信号対妨害比領域の間の区別は、中間の信号対妨害比領域のみ、及び、低い/高い信号対妨害比領域のみを含むことができる。
発明者は、高い信号対妨害比でそれを観察したと共に、複数の受信アンテナの使用によって提供された性能利点は、ダイバシティチャンネルの間の増加する相関の代わりに減少するダイバシティ利得に由来し、一方、低い信号対妨害比において、アンテナダイバシティによって提供された利点は、異なるダイバシティブランチに関する妨害の増加する相関によって、すなわち空間的に着色された妨害の存在下で減少する電力利得に由来する。
本発明は、受信機のソフトウェア実装のために特に魅力的であり、ここで、異なる信号処理アルゴリズムの使用は、追加のハードウェアの費用を必要とせずにサポートされ得る。
マルチパスフェージング伝搬の略図である。 2つの受信アンテナの場合の2次元受信ダイバシティ処理のブロック図である。 M個の受信アンテナの場合のM次元受信ダイバシティ処理のブロック図である。 M個の受信アンテナを備える可変次元受信ダイバシティ処理のブロック図である。 受信ダイバシティ処理の次元の数を選択するための方法を示すフローチャートである。
図2は、2次元の受信ダイバシティ方式を達成するための一例の無線受信機の概略のブロック図である。受信機は、2つの空間的に分離されたアンテナ4及び4を備える。それらのアンテナは、一般的に、1/4波長から1波長だけ離されている。例えば、2GHzで、その波長は、約5cmであり、従って、この範囲内の距離間隔は、携帯電話、またはそのような似た物の中で達成可能である。約1/4波長以下で、ダイバシティの効果は、それらのチャンネルが、より相関を有する状態になると共に、同様の妨害(ノイズ及び/または干渉)を経験するので、無視して良い状態になる傾向がある。
受信機は、更に、無線周波数(RF)及び中間周波数(IF)ステージ8の第1のブロック、RF及びIFステージ8の第2のブロック、及び受信機フロントエンド10を備える。第1のアンテナ4は、第1のRF/IFステージブロック8の入力に連結され、そして第2のアンテナ4は、第2のRF/IFステージブロック8の入力に連結される。各RF/IFステージブロック8及び8の出力は、受信機フロントエンド10の入力に連結される。
その受信機は、更に、受信機フロントエンド10から第1のアンテナ4及び第1のRF/IFステージブロック8に対応する第1の入力r(k)を受信すると共に、受信機フロントエンド10から第2のアンテナ4及び第2のRF/IFステージブロック8に対応する第2の入力r(k)を受信するように準備される信号検出ブロック12を備える。第1のアンテナ4から信号検出ブロック12までの経路は、第1の伝搬チャンネルに対応する第1の受信機ブランチを定義し、第2のアンテナ4から信号検出ブロック12までの経路は、第2の伝搬チャンネルに対応する第2の受信機ブランチを定義する。
以下で更に詳細に論じられるように、信号検出ブロック12の機能は、好ましくは、ソフト−モデムとしてプログラムされたプロセッサ上で実行されるソフトウェアに実装される。信号検出ブロック12で実行された機能の内の1つは、受信されたダイバシティ信号(入力)のそれぞれに関しての改善された品質(例えば、減少した信号対妨害比)を有する送信信号の再生されたバージョンを提供すると考えられ得る。一例が、“M. V Clark, L J. Greenstein, W, K. Kennedy, and M. Shafi, 「Optimum Linear Diversity receivers for Mobile Communications」, IEEE Transactions on Vehicular Technology, vol. 43, no. 1, pp. 47-56, February 1994”において説明される。
動作中、信号は、送信アンテナ2から送信される。第1のアンテナ4は、第1の伝搬チャンネルを通して信号の第1のバージョンを受信し、第2のアンテナ4は、第2の伝搬チャンネルを通して信号の第2のバージョンを受信する。すなわち、第1のアンテナ4において経験されたように、信号の第1のバージョンは、送信アンテナ2からの多重伝搬路の最終的な結果であり、第2のアンテナ4において経験されたように、信号の第2のバージョンは、送信アンテナ2からの多重伝搬路の最終的な結果である。信号の各バージョンは、同じ情報(それは送信されたものである)を含むが、しかし熱雑音及び干渉を含む振幅、位相、ひずみ、及び他のチャンネル特性を有することになる。
第1のアンテナ4から受信されたバージョンは、第1のRF/IFステージブロック8の入力に渡され、そして第2のアンテナ4から受信されたバージョンは、第2のRF/IFステージブロック8の入力に渡される。各RF/IFステージ8、8の出力は、受信機フロントエンド10に渡される。RF及びIFステージ8、8は、フィルタリング(filtering)、増幅(amplifying)、そしてミキシング(mixing)のための回路構成を備えると共に、フロントエンド10は、DCオフセットの補正、アナログ/デジタル変換、そして更なるフィルタリング及びバッファリングのための回路構成を備える。各ダイバシティブランチに関して、RFフィルタリングステージ、RFからIFへのダウンコンバージョン(downconversion)、そして後にベースバンドへのダウンコンバージョンが続いているIFフィルタリングステージを備える一連のRF/IFステージが存在する。そのような構成要素及び信号の受信されたバージョンに対するそれらの動作は、当業者によって理解され得ると共に、更なる詳細においては論じられない。
信号検出ブロック12は、第1のアンテナ4が提供する第1の入力r(k)を第1のRF/IFステージブロック8及び受信機フロントエンド10を通して受信すると共に、第2のアンテナ4が提供する第2の入力r(k)を第2のRF/IFステージブロック8及び受信機フロントエンド10を通して受信する。各入力r(k)及びr(k)は、ここでは時間インデックスkの関数であるとして示される。信号検出ブロック12は、信号処理の後段のステージ(例えば、復調、デインタリービング、及びチャンネル復号化)で使用するための単一の出力y(k)を生成するように、入力を処理する。ここでは、信号検出が等化を包含し得ると共に、等化の方法が当該技術において知られている点に注意が必要である。
信号検出ブロック12で実行された機能は、例えば、最小平均2乗誤差(Minimum Mean Squared Error:MMSE)基準、最小2乗(Least-Squares:LS)基準、ゼロフォーシング(Zero Forcing:ZF)基準、最大比合成(Maximum Ratio Combining:MRC)基準、最尤(Maximum-Likelihood:ML)基準、または最大事後確率(Maximum A Posteriori Probability:MAP)基準に基づいて、信号処理アルゴリズムを実施し得る。適切な受信ダイバシティ処理方式の詳細は、当業者に知られていると共に、この場合も先と同様に、更なる詳細においては論じられない。
図3は、M次元受信ダイバシティ方式に拡張された、一例の無線受信機のより一般化されたブロック図であり、ここでMは2より大きい数であり得る。使用されるアンテナの数(及び従って伝搬チャンネルの数)は、受信機の“次元の数(dimensionality)”と言われる。
図2と同様に、しかしM個の伝搬チャンネルに拡張されて、受信機は、各アンテナ4...4とそれぞれ連結されたRF及びIFステージ8...8と、RF/IFステージ8...8のそれぞれと連結された受信機フロントエンド10と、受信機フロントエンド10から各アンテナ4...4及びその関連したRF/IFステージ8...8に対応する入力r(k)...r(k)を受信するように準備された信号検出ブロック12とを備える。アンテナ4...4から信号検出ブロック12までのそれぞれの経路は、(少なくとも単一の送信アンテナの場合の)それぞれの伝搬チャンネル1...Mに対応するそれぞれの受信機ブランチ1...Mを定義する。この場合も先と同様に、実際には、図2の例と同様に信号検出ブロック12の機能がソフトウェアにおいて実施される点に注意が必要である。
動作中、各受信アンテナ4...4は、異なるそれぞれの伝搬チャンネルを通して信号の異なるそれぞれのバージョンを受信する。この場合も先と同様に、信号の各バージョンは、同じ情報を含むが、しかし異なる電力レベル、振幅及び位相ひずみ、熱雑音及び干渉レベル、そして他のチャンネル特性を有することになる。各アンテナ4...4から受信されたバージョンは、それぞれのRF/IFステージ8...8の入力に渡され、そしてそれぞれのRF/IFステージ8...8の出力は、受信機フロントエンド10に渡される。信号検出ブロック12は、アンテナ4...4から、それぞれのRF/IFステージ8...8及び受信機フロントエンド10を通して、入力r(k)...r(k)を受信すると共に、受信機の信号処理機能の後段のステージで使用するための単一の出力y(k)を生成する。
この場合も先と同様に、信号検出ブロックは、例えば、最小平均2乗誤差(MMSE)基準、最小2乗(LS)基準、ゼロフォーシング(ZF)基準、最大比合成(MRC)基準、最尤(ML)基準、または最大事後確率(MAP)基準に基づいて、信号処理アルゴリズムを実施する。
図4は、図2または図3の一例の受信機のような、本発明の実施例によるダイバシティ選択に適した一例の受信機を示す概略のブロック図である。受信機は、M個のあり得るそれぞれの伝搬チャンネルを介して信号を受信するためのM個のアンテナを有しており、そこから、結合された出力y(k)を生成する際の実際の使用のためにN個が選択され、ここで、NはM以下の数である。すなわち、“M−N”個のチャンネルが捨てられて、信号検出ブロックに決して供給されない。
図2または図3と同様に、受信機は、各アンテナ4...4にそれぞれ連結されたRF/IFステージ8...8と、RF/IFステージ8...8のそれぞれに連結された受信機フロントエンド10とを備える。しかしながら、信号検出ブロック12に対して直接に入力される代りに、M個のそれぞれの伝搬チャンネルに対応するフロントエンド10からの各入力r(k)...r(k)は、ダイバシティ信号選択ブロック20、そして更にパラメータ推定ブロック18に入力されると共に、ここで、ブロック20とブロック18の両方は、同様に受信機の一部を形成する。信号検出ブロック12、及びダイバシティ信号選択ブロック20は、パラメータ推定ブロック18から次元の数Nに関する決定を受信するように準備される。信号検出ブロック12は、ダイバシティ信号選択ブロック20からN個の入力r'(k)...r'(k)を受信するように準備され、これらの入力は、フロントエンド10からのM個のあり得る入力r(k)...r(k)の選択されたサブセットNのみである。関連しない入力は、捨てられる。
動作中、各受信アンテナ4...4は、異なるそれぞれの伝搬チャンネルを通して、信号の異なるそれぞれのバージョンを受信する。各アンテナ4...4から受信されたバージョンは、それぞれのRF/IFステージ8...8の入力に渡され、そして各RF/IFステージ8...8の出力は、受信機フロントエンド10に渡される。パラメータ推定ブロック18とダイバシティ信号選択ブロック20の両方は、アンテナ4...4から、それぞれのRF/IFステージ8...8及び受信機フロントエンド10を通して、入力r(k)...r(k)を受信する。パラメータ推定ブロック18は、チャンネルのパラメータを推定すると共に、それらのパラメータに基づいて、ダイバシティ方式においてどの伝搬チャンネルを使用するかに関する決定を、ダイバシティ信号選択ブロック20に出力する。パラメータ推定ブロックからの決定に応答して、ダイバシティ信号選択ブロック20は、アンテナ4...4から、N個の入力r'(k)...r'(k)を、それぞれのRF/IFステージ8...8及び受信機フロントエンド10を通して、信号検出ブロック12に渡すと共に、これらの入力は、M個のあり得る入力r(k)...r(k)の内のN個である。図2または図3に関して論じられたように、信号検出ブロック12は、N個の選択された入力r'(k)...r'(k)だけを処理する。アンテナの数Mは、2より上のあらゆる数であり得ると共に、選択された次元の数Nは、1より、Mを含むMに至るまでのあらゆる数であり得る。
もちろんNが1であるように選択される(すなわち全ての他の入力が放棄される)場合には、信号検出ブロックは、ダイバシティ処理を実際に全く行わないが、しかしその代りに、選ばれた検出基準に基づいて、選択された入力r'(k)に対する単一チャンネル処理を行うと共に、次の受信機処理機能に対する出力y(k)を生成することに、注意する必要がある。
以下で論じられたように、信号検出ブロック12と同様に、パラメータ推定ブロック18及びダイバシティ信号選択ブロック20は、ソフト−モデムとしてプログラムされたプロセッサ上で実行されるソフトウェアに実装されると共に、その場合に、これらの“ブロック”は、幾分概略的であり、そしてソフトウェアによって実行された機能を表す。
以下に説明されている内容は、パラメータ推定ブロック18において受信機のダイバシティ処理の特定の次元の数Nを決定するための一例の技術である。
(無線伝送の搬送波波長と比較した)受信アンテナの間の十分な空間的な距離間隔のために、異なるアンテナにおける信号の受信されたバージョンは、無相関のチャンネルによって特徴付けられる(すなわち、独立してフェージングのタップ重みを有するチャンネルインパルス応答を持っている。)。もし異なるアンテナで受信された信号が無相関のチャンネルによって特徴付けられるならば、このシステムは、受信機のエラー性能を向上させるために利用され得るダイバシティ利得を実現する。ダイバシティ利得、及び対応する性能利点は、ダイバシティチャンネルの間の増加する相関の代わりに減少する。
ここで論じられた適応受信機構造は、全ての利用可能な受信ダイバシティ信号に依存して信号検出を行うこと、または利用可能な受信ダイバシティ信号のサブセットに依存して信号検出を行うことを、(チャンネル状態に基づいて)動的に選択し、単一の受信信号の使用が見込まれると、その場合に、受信機の処理は、アンテナダイバシティを利用しない。信号検出を行う受信機処理機能の次元の数及び費用は、特定のチャンネルパラメータの推定値に基づいて選択され、好ましくは、−(我々の出願(代理人整理番号316036GB)において例えば説明されたような)−(セル方式システムにおいてセル構造の推定値から得られ得る)1つ以上のダイバシティブランチに関する信号対妨害電力比の推定値、−ダイバシティチャンネルの間の相関の推定値、−異なるダイバシティブランチに関する妨害の相関の推定値、に基づいて選択される。
用語‘チャンネル’は、送信機から受信機までの通信をモデル化するシステムの部分を示すために使用される(それは、多くの場合、送受信機チェーン−例えば送信フィルタ、受信フィルタ、及びフロントエンドの部分を含む。)。用語‘ブランチ’は、ここでは、M個の受信アンテナの内の1つに関係した受信機チェーンを示すために使用される。
以下の例では、推定された信号対妨害比(SDR)は、(高いSDRでは)異なるダイバシティチャンネルの間の推定された相関によって、または(低いSDRでは)異なるダイバシティブランチに関する妨害の推定された相関によって、特定の次元の数の選択が促進されるべきであるかどうかを確認するために使用される。推定されたSDRは、ダイバシティチャンネルの間の相関のための異なる値のしきい値、及びダイバシティブランチに関する妨害の相関のための異なる値のしきい値を設定するために使用され得る。
一例が、2つのアンテナ及びそれらの関連するチャンネル/ブランチが受信ダイバシティ方式において一緒に使用されるべきか否かを判定するための過程を示すフローチャートである図5を参照して、ここで説明される。その過程は、(a)もし伝搬チャンネルの間の相関が低いならば、または(b)もし伝搬チャンネルの間の相関は高いが、しかし各チャンネルに関するSDRが低いならば、またはもし各ブランチに関する妨害の間の相関は高いが、しかし各チャンネルに関するSDRが高いならば、2つのチャンネル/ブランチの間の受信ダイバシティの使用は有益な性能利点を提供するが、しかし、そうでない場合には、性能利点は、ダイバシティによって被ることになるであろう増加した計算の費用及び電力消費を上回らない、という発想に基づいている。
代替の実施例は、両方の相関が考慮され得る中間のSDR領域を使用することができる。
ステップ100において、パラメータ推定ブロック18は、2つのチャンネルのそれぞれの信号対妨害比(SDR)を測定する。“妨害”は、雑音か、干渉、及び好ましくは雑音と干渉の両方の和、のいずれかを指すためにここで使用される一般用語(general term)である。ステップ102において、パラメータ推定ブロック18は、各チャンネルに関するSDRが、あるしきい値thSDRより上であるかどうかを判定する。
選ばれた実際のしきい値は、設計上の選択に関わる問題であると共に、問題となる特定のアプリケーションまたは状況に従って調整され得る。
もしどちらのチャンネルに関するSDRも非常に高いならば、すなわちthSDRより大きいならば、その場合に、次元の数の選択は、2つのチャンネルの間の推定の相関によって、主として促進されるべきであるということが決定される。従って、ステップ104において、パラメータ推定ブロック18は、2つのチャンネルの間の相関を推定する。2つのチャンネルの間で統計的な相関を計算するための技術は、当該技術において知られている。これは、タップ重みがチャンネルのインパスル応答h(k)を表すタップ付き遅延線フィルタ(tapped-delay-line filter)のタップ重みに基づき得る。相関を計算することは、その場合に、それぞれのチャンネルのタップ重みの標準偏差の積によって除算された2つのチャンネルのタップ重みの共分散を取得することを含み得る。これは、完全に相関性があるチャンネルに対して“1”の結果(または相関係数)をもたらし、完全に独立したチャンネルに対して“0”の結果(または相関係数)をもたらし、そして中間の程度の相関に対して“1”と“0”との間のどこかの結果(または相関係数)をもたらす。
ステップ106において、パラメータ推定ブロック18は、2つのチャンネルの間の相関が、あるしきい値thch−corより上にあるか否かを判定する。選ばれた実際のしきい値は、設計上の選択に関わる問題であると共に、問題となる特定のアプリケーションまたは状況に従って調整され得る。2つの伝搬チャンネルの間の相関が十分に低い、すなわちthch−corより小さいならば、その場合に、そのシステムは、それらの2つのチャンネルの結合から生じるダイバシティ利得によって実質的に利益を得ることになる。パラメータ推定ブロック18は、従って、ステップ108において、それらのチャンネルが結合され得ると判定する。M=2の場合には、ステップ108において、パラメータ推定ブロック18は、両方の受信アンテナ4及び4の回路分岐から、両方の入力r(k)及びr(k)を、信号検出ブロック12に対する入力として選択する。
一方、もしチャンネルの間の相関が本質的なダイバシティ利得を提供するにはあまりにも高い、すなわちthch−corより大きいならば、その場合に、チャンネルは結合されない。パラメータ推定ブロック18は、従ってステップ110において、それらのチャンネルが結合されるべきでないと判定する。M=2の場合には、ステップ110において、パラメータ推定ブロック18は、入力r(k)またはr(k)の内の1つだけ(好ましくは最も高いSDRチャンネル)を、信号検出ブロック12に対する入力として選択する。
しかしながら、もし両方のチャンネルに関するSDRが、ステップ102において、十分に小さい、すなわちthSDRより小さいと判定されるならば、その場合に、その処理過程は、パラメータ推定ブロック18がそれぞれのダイバシティブランチに関する妨害の間の統計的な相関を推定するステップ112に進行する。その相関は、各ブランチに関する妨害の標準偏差の積によって除算された2つのブランチに関する妨害の共分散として計算され得る。ステップ114において、パラメータ推定ブロック18は、妨害相関があるしきい値thSDR−corより下方にあるかどうかを判定する。この場合も先と同様に、選ばれた実際のしきい値は、設計上の選択に関わる問題であると共に、問題となる特定のアプリケーションまたは状況に従って調整され得る。もし2つのブランチの妨害の間の相関が十分に低い、すなわちthSDR−corより小さいならば、その場合に、そのシステムは、それらの2つのブランチの結合から生じるダイバシティ利得によって実質的に利益を得ることになる。その場合に、パラメータ推定ブロック18は、ステップ116において、それらのチャンネルが結合されるべきと判定する。M=2の場合には、ステップ116において、パラメータ推定ブロック18は、両方の受信アンテナ4及び4の回路分岐から、両方の入力r(k)及びr(k)を、それぞれ信号検出ブロック12に対する入力として選択する。しかし、もし妨害相関があまりにも高い、すなわちthSDR−corより大きいならば、その場合に、そのシステムは、電力利得によって実質的に利益を得ないと共に、パラメータ推定ブロック18は、ステップ118において、それらの2つのチャンネルが結合されるべきではないと判定する。M=2の場合には、ステップ110において、パラメータ推定ブロック18は、入力r(k)及びr(k)の内の1つだけ(好ましくは最も高いSDRチャンネル)を、信号検出ブロック12に対する入力として選択する。
ここで“実質的に利益を得る”と言われていることは、その利益がダイバシティ方式によって被った増加した計算の費用及び電力消費を上回るか、または少なくとも補償すると考えられる、ということを意味することに注意が必要である。この評価は、設計者にとって主観的であると共に、利用可能な資源によって決まる。
更に、前述の処理過程がほんの一例であることに注意が必要である。既に言及されたように、異なるバージョンは、両方の相関が考慮される中間のSDR領域を利用し得る。
更に、図5のようなステップごとの処理過程の代わりに、パラメータ推定ブロック18は、判定を行う前に、チャンネル相関、SDR、及び妨害相関のような関連したパラメータの全てを推定すると共に、判定実行過程における使用のために、例えば以下のように、それらのパラメータの全ての関数として、結果qを計算することができるであろう。
q = f1(チャンネル相関i,j) + f2(SDRi,SDRj) + f3(妨害相関i,j)
その場合に、もしqがあるしきい値thより下であるならば、パラメータ推定ブロック18は、2つのチャンネルi及びjの結合の計算の費用及び電力消費を上回る実質的な性能優位性を提供するために、2つのチャンネルi及びjが結合され得ると判定すると共に、もしqがthより大きいならば、その場合に、パラメータ推定ブロック18は、チャンネルi及びjは結合されるべきでないと判定する。関数f、f、f、及びしきい値は、設計上の選択に関わる問題であると共に、問題となる特定のアプリケーションまたは状況に従って調整され得る。
処理過程を3つのアンテナ4、4、及び4、そしてそれらの対応する伝搬チャンネルに拡張するために、上述の2つチャンネルの処理過程が、第1のアンテナ4が提供する第1のチャンネルを、第2のアンテナ4が提供する第2のチャンネルと比較するために、そして、第1のチャンネルを、第3のアンテナ4が提供する第3のチャンネルと比較するために、または、多次元の(行列)処理アプローチを用いて、使用され得る。例えば、パラメータ推定ブロック18は、アンテナ4及び4が提供するチャンネルを比較すると共に、図5の判定実行過程に基づいて、チャンネル4及び4がダイバシティ方式における結合に適当であると判定し得る。パラメータ推定ブロック18は、その場合に、アンテナ4及び4が提供するチャンネルを同様に比較すると共に、図5の判定実行過程に基づいて、第1のチャンネル及び第2のチャンネルが結合に適当ではないと判定し得る。パラメータ推定ブロック18は、その場合に、処理のためにr(k)及びr(k)だけを信号検出ブロック12に渡すように、ダイバシティ信号選択ブロック20を制御するであろう。M>2について、相関判断は、多次元処理(多次元相関行列の部分行列)に基づき下され得る。
しかしながら、異なるチャンネル状態において、パラメータ推定ブロックは、隣接のアンテナが受信ダイバシティに一緒に使用されるのに適当であると判定するであろうと共に、その場合に、パラメータ推定ブロックは、処理のために全ての3つの入力r(k)、r(k)、及びr(k)を信号検出ブロック12に渡すように、ダイバシティ信号選択ブロックを制御するであろう。そして、この場合も先と同様に、他のチャンネル状態において、パラメータ推定ブロック18は、いずれのダイバシティを使用することにも十分な効果がないと判定するであろうと共に、その場合に、パラメータ推定ブロックは、1つの伝搬チャンネルだけ(好ましくは最良の品質のチャンネル)を選択するであろう。
2つのチャンネルがダイバシティ処理において役に立つように結合され得るか否かは、主として、対応するアンテナの物理的な距離間隔(及びチャンネル状態)と関係がある点に注意が必要である。従って、もしアンテナ4及び4が提供する第1のチャンネル及び第2のチャンネルが結合されるべきでないと既に判定されているならば、その場合に、(第2のアンテナ4が、第1のアンテナ4及び第3のアンテナ4の間に空間的に位置していると仮定すると、)アンテナ4及び4が提供する第2のチャンネル及び第3のチャンネルの結合が、アンテナ4及び4が提供する第1のチャンネル及び第3のチャンネルの結合より良い結果をもたらすであろうことは、ありそうもない。従って、パラメータ推定ブロック18は、その可能性は除外されないが、好ましくは、アンテナ4及び4が提供する第2のチャンネル及び第3のチャンネルを比較しない可能性がある。
から4までの一列の4つのアンテナの場合には、パラメータ推定ブロック18は、第1のアンテナ及び第4のアンテナは、一緒に使用されるのに十分な距離間隔のアンテナであるが、しかし第1のアンテナ及び第2のアンテナは、一緒に使用されるのに不十分な距離間隔のアンテナであると判定し得る。そのような方式で、第3のアンテナ及び第4のアンテナが、一緒に使用されるのに不十分な距離間隔のアンテナであると見なされ得る。パラメータ推定ブロック18は、その場合に、処理のために2つの入力r(k)及びr(k)だけを信号検出ブロック12に渡すように、ダイバシティ信号選択ブロックを制御するであろう。しかしながら、異なるチャンネル状態において、パラメータ推定ブロックは、あらゆる2つの隣接のアンテナが受信ダイバシティに一緒に使用されるのに十分に離れていると判定するであろうと共に、その場合に、パラメータ推定ブロックは、結合するために全ての4つの入力r(k)、r(k)、r(k)、及びr(k)を信号検出ブロック12に渡すように、ダイバシティ信号選択ブロックを制御するであろう。そして、この場合も先と同様に、他のチャンネル状態において、パラメータ推定ブロック18は、いずれのダイバシティを使用することにも十分な効果がないと判定するであろうと共に、その場合に、パラメータ推定ブロックは、1つの伝搬チャンネルだけ(好ましくは最良の品質のチャンネル)を選択するであろう。
から4までの一列の5つのアンテナの場合には、パラメータ推定ブロック18は、第1のアンテナ及び第5のアンテナは、一緒に使用されるのに十分な距離間隔のアンテナであり、第1のアンテナ及び第3のアンテナは、一緒に使用されるのに十分な距離間隔のアンテナであるが、しかし第1のアンテナ及び第2のアンテナは、一緒に使用されるのに不十分な距離間隔のアンテナであると判定し得る。そのような方式で、第3のアンテナ及び第5のアンテナは、十分に離されていると共に、第4のアンテナ及び第5のアンテナは、不十分に離されていると見なされ得る。しかし、異なるチャンネル状態において、全ての5つのチャンネルが結合され得るであろう、または第1のチャンネル及び第5のチャンネルだけが結合されるべきである、または1つのチャンネルだけが使用されるべきである、と判定されるであろう。
処理過程をM>2及び1≦N≦Mである一般的な場合にまで拡張するために、この場合も先と同様に、上述の2つのチャンネルの処理過程が、M個のアンテナが提供する様々なチャンネルのペアを比較するために使用され得る。チャンネルの間の比較が、好ましくは、例えば第1のチャンネルをM番目のチャンネルと比較する、次に第1のチャンネルを(M/2)番目のチャンネルと比較する、次に第1のチャンネルを(M/4)番目のチャンネルと比較する、等によって、対応するアンテナの空間的な距離間隔が減少する順に実行される。アンテナの全ての可能な順列は、その可能性は除外されないが、必ずしも比較される必要があるとは限らない。
既に言及されたように、パラメータ推定ブロック18、ダイバシティ信号選択ブロック20、及び信号検出ブロック12の機能は、好ましくは、ソフトウェアモデムまたは“ソフト−モデム”としてプログラムされたプロセッサによって実行されたソフトウェアに実装される。ソフトウェアモデムの裏側の原理は、専用のハードウェアにおけるよりむしろ、プロセッサ34のような多目的のプログラム可能な再構成可能なプロセッサにおける、無線通信のために必要とされる信号処理のかなりの部分を遂行することである。好ましくは、ソフトウェアモデムは、ソフトベースバンドモデムである。すなわち、受信側では、RF信号を受信することから、ベースバンドにミキシングダウンすることを含むベースバンドにミキシングダウンすることに至るまでの、全ての無線機能性は、専用のハードウェアに実装されるが、しかし、ベースバンド領域における全ての機能性は、プロセッサによって実行されたソフトウェアに実装される。説明されたパラメータ推定及びダイバシティ選択に加えて、ソフトウェアモデムは、変調及び復調、チャンネル符号化及び復号化、チャンネル推定、等化、RAKE受信機アルゴリズム、MIMOアルゴリズム、音声コーデック、セル測定、及び電力制御のような機能を更に処理し得る。
本発明は、特に、異なる信号処理アルゴリズムの使用が追加のハードウェアの費用を必要とせずにサポートされ得る受信機のソフトウェア実装のために魅力的である。無線セル方式端末に関して、提案された方法は、利用可能なダイバシティ信号のサブセットを使用する受信機処理が完全なダイバシティ受信機よりも類似した性能を達成し得る動作条件において、減少した計算の複雑性及び電力消費を提供するという利点を有する。本発明を実装するための好ましいチップは、登録商標“Livanto”の中の“lcera”によって販売される。
前述の実施例がほんの一例として説明されるということが認識されることになる。他の実施例において、受信機の次元の数は、同様に、チャンネル状態を示す他のチャンネルパラメータに基づいて生成されるであろう。あらゆる数のアンテナが使用され得ると共に、それらのアンテナは全く特定の空間的配置に置く必要がない。更に、本発明の概念は、偏波ダイバシティのような他の形式の受信ダイバシティに適用されるであろう。本発明は、“lcera8020”ソフト−モデムより他のプラットフォームを用いて実施されるであろう。その受信機は、基地局から送信された信号を受信する移動端末であり得るか、移動局から送信された信号を受信する基地局であり得るか、またはセル方式の、もしくはそうではないあらゆる他のタイプの無線システムの一部分であり得る。他のアプリケーション及び構成が、当業者にとって明白であろう。本発明の範囲は、説明された実施例によって制限されないが、しかし単に添付の請求項となる。
2 送信アンテナ
3 信号を遮断するか、及び/または反射する他の障害物を含む領域
6 建物
〜4 受信アンテナ
〜8 無線周波数(RF)及び中間周波数(IF)ステージ
10 受信機フロントエンド
12 信号検出ブロック
18 パラメータ推定ブロック
20 ダイバシティ信号選択ブロック
(k)〜r(k) 入力
r'(k)〜r'(k) 選択された入力
y(k) 出力

Claims (24)

  1. 送信機によって送信された信号を受信するための無線受信機であって、前記受信機が、
    それぞれのダイバシティチャンネルに対応する異なる伝搬チャンネルを経由した前記信号のバージョンをそれぞれが受信すると共に、そのバージョンをそれぞれの入力において提供するための複数のアンテナと、
    前記信号の検出を実行する際に使用するための与えられた数の前記入力のダイバシティ処理を操作するように構成された信号処理手段と、
    異なるダイバシティチャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータを推定するように構成されたチャンネルパラメータ推定手段と、
    特定の次元の数の受信機のダイバシティ処理を実行するために、前記ダイバシティチャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータに従って、前記入力のサブセットだけを選択するように構成された選択手段とを備え、
    前記チャンネルパラメータが、
    i)少なくとも1組のダイバシティチャンネルの間の相関、及び
    ii)少なくとも1組の関連するダイバシティブランチの間の妨害相関、
    の内の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする受信機。
  2. 前記チャンネルパラメータ推定手段が、前記チャンネルのそれぞれの信号対妨害比を推定するように構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の受信機。
  3. 前記1つ以上のチャンネルパラメータが、少なくとも1組のダイバシティチャンネルの間の前記相関を含む
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の受信機。
  4. 前記1つ以上のチャンネルパラメータが、少なくとも1組のダイバシティブランチの間の前記妨害相関を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の受信機。
  5. 前記信号対妨害比をしきい値と比較するための手段を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の受信機。
  6. もし前記信号対妨害比が第1のしきい値より大きいならば、前記選択手段が、少なくとも1組のダイバシティチャンネルの間の相関に基づいて入力のサブセットを選択する
    ことを特徴とする請求項5に記載の受信機。
  7. もし前記信号対妨害比が第2のしきい値より小さいならば、前記選択手段が、少なくとも1組のダイバシティブランチの間の妨害相関に基づいて入力のサブセットを選択する
    ことを特徴とする請求項5に記載の受信機。
  8. 前記選択手段が、入力の前記ダイバシティチャンネルの間の前記相関がしきい値を超えているかどうかを判定すると共に、もし超えていなければ前記入力を選択するように構成される
    ことを特徴とする請求項6に記載の受信機。
  9. 前記選択手段が、前記妨害相関がしきい値を超えているかどうかを判定すると共に、もし超えていなければ前記入力を選択するように構成される
    ことを特徴とする請求項7に記載の受信機。
  10. 前記選択手段が、結果を前記チャンネルパラメータの関数として計算すると共に、前記結果のしきい値に対する比較に従って入力の前記サブセットを選択するように構成される
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の受信機。
  11. 前記受信機が、プロセッサ、メモリ、及び前記選択手段を備え、
    前記推定手段と前記結合手段が、それぞれ、前記プロセッサによる実行のために、前記メモリ内に保存されたコード系列を備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の受信機。
  12. 前記プロセッサが、ソフトモデムとしてプログラムされる
    ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の受信機。
  13. 前記関数における前記チャンネルパラメータが、前記チャンネルのそれぞれの信号対妨害比、1組のチャンネルの間の相関、及び1組のダイバシティブランチに関する妨害の間の相関である
    ことを特徴とする請求項9に記載の受信機。
  14. 無線ネットワークを経由して送信される信号を処理する方法であって、前記方法が、
    複数のアンテナのそれぞれにおいて、それぞれのダイバシティチャンネルに対応する異なる伝搬チャンネルを経由した前記信号のバージョンを受信すると共に、そのバージョンをそれぞれの入力において提供する段階と、
    前記信号の検出を実行する際に使用するための与えられた数の前記入力のダイバシティ処理を操作する段階と、
    異なるダイバシティチャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータを推定する段階と、
    特定の次元の数の受信機のダイバシティ処理を実行するために、前記ダイバシティチャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータに従って、前記入力のサブセットだけを選択する段階とを含み、
    前記チャンネルパラメータが、
    i)少なくとも1組のダイバシティチャンネルの間の相関、及び
    ii)少なくとも1組の関連するダイバシティブランチの間の妨害相関、
    の内の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする方法。
  15. 前記チャンネルのそれぞれの信号対妨害比を推定すると共に、前記信号対妨害比をしきい値と比較する段階を含む
    ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. もし前記信号対妨害比が前記しきい値を超えているならば、入力をダイバシティ処理に供給するか否かを判定するために、少なくとも1組のダイバシティチャンネルの間の前記チャンネル相関を使用する段階を含む
    ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. もし前記信号対妨害比が前記しきい値より小さいならば、入力をダイバシティ処理のために選択するか否かを判定するために、少なくとも1組のダイバシティブランチのそれぞれに関する妨害の間の前記妨害相関を使用する段階を含む
    ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  18. 相関または妨害相関を判定する前記段階が、多次元処理に基づいている
    ことを特徴とする請求項16または請求項17に記載の方法。
  19. 入力においてバージョンとして受信された信号の検出を実行する際に使用するための異なるダイバシティチャンネルに対応する与えられた数の入力のダイバシティ処理を操作するように構成されたプログラムコード手段と、
    それを介して前記バージョンが送信された前記ダイバシティチャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータを推定するためのプログラムコード手段と、
    特定の次元の数の受信機のダイバシティ処理を実行するために、前記ダイバシティチャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータに従って、前記入力のサブセットだけを選択するためのプログラムコード手段とを備え、
    前記チャンネルパラメータが、
    i)少なくとも1組のダイバシティチャンネルの間の相関、及び
    ii)少なくとも1組の関連するダイバシティブランチの間の妨害相関、
    の内の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
  20. 無線通信システムにおいて信号を受信する方法であって、
    それぞれのダイバシティチャンネルに対応する複数の異なる伝搬チャンネルを経由した前記信号の異なるバージョンを受信すると共に、複数のそれぞれの入力を生成する段階と、
    前記信号の検出を実行するためにダイバシティ処理のための与えられた数の前記入力を使用する段階と、
    異なるダイバシティチャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータを推定する段階と、
    前記1つ以上のチャンネルパラメータに従って、選択的に前記入力の内の1つ以上が前記ダイバシティ処理の段階に供給されることを防ぐ段階とを含み、
    前記チャンネルパラメータが、
    i)少なくとも1組のダイバシティチャンネルの間の相関、及び
    ii)少なくとも1組のダイバシティブランチの間の妨害相関、
    の内の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする方法。
  21. 無線受信機を有する移動端末であって、
    それぞれのダイバシティチャンネルに対応する異なる伝搬チャンネルを経由した信号のバージョンをそれぞれが受信すると共に、そのバージョンをそれぞれの入力において提供するための複数のアンテナと、
    前記信号の検出のための与えられた数の前記入力のダイバシティ処理を操作するように構成された信号処理手段と、
    異なるダイバシティチャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータを推定するように構成されたチャンネルパラメータ推定手段と、
    特定の次元の数の受信のダイバシティ処理を実行するために、前記ダイバシティチャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータに従って、前記入力のサブセットだけを選択するように構成された選択手段とを備え、
    前記チャンネルパラメータが、
    i)少なくとも1組のダイバシティチャンネルの間の相関、及び
    ii)少なくとも1組のダイバシティブランチの間の妨害相関、
    の内の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする移動端末。
  22. 複数の異なる伝搬チャンネルを経由して無線受信機において受信された信号を検出するためのコンピュータプログラム製品であって、
    前記プログラムが、プロセッサによって実行されたときに、
    前記信号の検出を実行するためにダイバシティ処理のためのそれぞれのダイバシティチャンネルに対応する前記複数の伝搬チャンネルが提供する与えられた数の入力を使用する段階と、
    異なるダイバシティチャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータを推定する段階と、
    前記ダイバシティチャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータに従って、選択的に前記入力の内の1つ以上が前記ダイバシティ処理の段階に供給されることを防ぐ段階とを実行するコードを含み、
    前記チャンネルパラメータが、
    i)少なくとも1組のダイバシティチャンネルの間の相関、及び
    ii)少なくとも1組のダイバシティブランチの間の妨害相関、
    の内の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
  23. 複数の基地局と、
    複数の移動端末と、
    それぞれのダイバシティチャンネルに対応する異なる伝搬チャンネルを経由した信号のバージョンをそれぞれが受信すると共に、そのバージョンをそれぞれの入力において提供するための複数のアンテナと、
    前記信号の検出のための与えられた数の前記入力のダイバシティ処理を操作するように構成された信号処理手段と、
    異なるダイバシティチャンネルに関する1つ以上のチャンネルパラメータを推定するように構成されたチャンネルパラメータ推定手段と、
    特定の次元の数の受信のダイバシティ処理を実行するために、前記ダイバシティチャンネルに関するチャンネル状態を示す1つ以上のチャンネルパラメータに従って、前記入力のサブセットだけを選択するように構成された選択手段とを備え、
    前記チャンネルパラメータが、
    i)少なくとも1組のダイバシティチャンネルの間の相関、及び
    ii)少なくとも1組の関連するダイバシティブランチの間の妨害相関、
    の内の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする無線セル方式通信システム。
  24. それぞれのダイバシティチャンネルに対応する異なるそれぞれの伝搬チャンネルを経由した信号をそれぞれが受信すると共に、それぞれの入力を提供するための複数のアンテナと、
    前記信号の検出のための与えられた数の前記入力のダイバシティ処理を操作するように構成された信号処理手段と、
    特定の次元の数の受信のダイバシティ処理を実行するために、1組の前記チャンネルの間の相関がしきい値より低いかどうかを判定し、もし低いならば、前記1組のチャンネルに対応する前記入力を結合手段に供給するために選択し、もし低くないならば、1つ以上の他のチャンネルパラメータに従って、選択的に前記1組のチャンネルに対応する前記入力がダイバシティ処理手段に供給されることを防ぐことによって、前記入力のサブセットだけを選択するように構成された選択手段と
    を備えることを特徴とする無線受信機。
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