JP2011502394A - 電気通信システムにおける方法及び構成 - Google Patents

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Abstract

【課題】
【解決手段】本発明は、端末(700)に記憶されているバッファ・ステータス・レポート(BSR)と比較した端末バッファ・ステータスの変更に基づいて、無線基地局(600)スケジューラに対してランダム・アクセス・チャネル上のアップリンク・リソースを要求するランダム・アクセス・チャネル(RACH)手順をトリガする方法及び構成に関する。第1の方法ステップで、現在の端末バッファ・コンテンツ、即ち端末バッファ・データのステータスと、前記記憶されているバッファ・ステータス・レポート(BSR)のステータスとが比較される。第2の方法ステップでは、前記比較時にバッファ・ステータスの変更が検出されたときに、前記基地局スケジューラに対してサービス要求を指示するRACH手順が開始される。前記サービス要求は、前記スケジューラによる前記端末に対するアップリンク・リソース割り当てのトリガとして、ステータス変更を示すインジケータを含む。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電気通信システムにおける方法及び構成に関し、特に、電気通信システムにおけるランダム・アクセス・チャネル手順を利用してアップリンク・リソースの割り振りを要求する方法及び構成に関する。
セルラー・モバイル・ネットワーク向けの無線アクセス技術は、より高いデータ転送速度ならびに改善されたカバレージ及び容量に関する将来の需要を満たすために継続的な開発が進められている。近年の広帯域符号分割多元接続(WCDMA)技術の進化版の一例は、高速パケット・アクセス(HSPA)である。第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)標準化団体では最近、3Gシステムの更なる進化版として、新しいアクセス技術及び新しいアーキテクチャを含むロング・ターム・エボリューション(LTE)が開発されている。
LTEアクセス技術の目的の1つは、セットアップ時間を改善すること、即ち移動局又は移動端末と呼ばれることもあるユーザ機器UEがネットワークへの接続及びセッションの開始を迅速に行うことができるようにすることである。UEは、2つの無線リソース制御(RRC)状態、即ちRRC_IDLE又はRRC_CONNECTEDのいずれかである可能性がある。UEは、RRC_CONNECTED状態にある場合は、RRC_IDLE状態にある場合と対照的にRRC接続を有する。つまり、RRC接続手順を踏まずにセッションを迅速に開始することができる。したがって、基地局(例えばNodeB又はeNodeB)実装環境では、ユーザのRRC_CONNECTED状態を可能な限り維持することが望ましい。そこで、基地局は、この状態における多数のユーザをサポートすることができなければならない。例えば、セル毎に最大2000個のUEをRRC_CONNECTED状態に維持することが望ましい可能性がある。どのような基地局実装環境であれ、スケジューリング・プロセスで対応可能なユーザ数は、処理能力、ハードウェア能力、及び/又はメモリ能力によって制限される。つまり、すべてのユーザのうちの一部のユーザしかスケジューリング候補とならない可能性がある。RRC_CONNECTED状態にあり且つスケジューリング候補でもあるUEは、「セッション・アクティブ」状態にあると言われる。例えば、ある基地局実装環境では「セッション・アクティブ」状態にある400個のユーザがサポートされる可能性がある。
セッション要求を行うUEの数がその基地局実装環境で対応可能なUE数を超えた場合は、セッション要求を拒否しなければならない。しかしながら、「セッション・アクティブ」状態は、基地局実装環境の内部でしか確認することができず、UEには認識されない。したがって、あるUEで開始されたセッション要求の実行を拒否することができない。UEでは、ランダム・アクセス・チャネル(RACH)手順を利用して、あるいはスケジューリング要求リソースが使用可能な場合はスケジューリング要求(SR)を利用して、セッション要求を開始することができる。
アップリンク(UL)とダウンリンク(DL)のリソース割り当ては、いずれも基地局、即ちeNodeB内に設置されたスケジューラによって実行される。以下、基本的なアップリンク・スケジューリングの概念について説明する。物理アップリンク共用チャネル(PUSCH)は、動的にスケジューリングされるチャネルであり、各リソースは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で動的に割り当てられる。SRチャネルは、UEがPUSCH上のリソースを迅速に獲得することが可能となる半静的に割り当てられる専用チャネルであるが、UEがSRを使用できるようにするには、ULにおいてUEを同期化しなければならない。非アクティブ期間が長くなると、UEは典型的にはUL同期を失い、SRリソースは典型的には無効となる。この場合、UEは、RACH手順を使用して新しいセッションを開始しなければならなくなる。
UEスケジューラにUEの瞬間トラフィック需要を知らせるために、この規格は、送信すべきデータ量及びその優先度を指示するバッファ・ステータス・レポートもサポートする。別法として、スケジューラは、UEが常に最も高い優先度のデータ・フローから先に送信するように構成することができる。この場合は、送信データの優先度を監視すれば十分である。スケジューラは、ユーザのトラフィック需要を監視し、それに従ってリソースを割り当てる。スケジューラは、PDCCH上のリソース割り当てを送信することによってスケジューリング決定をユーザに知らせる。
ランダム・アクセス手順は、以下の5つのイベントに関して実行される:
1.RRC_IDLEからの初期アクセス;
2.無線リンク障害後の最初のアクセス;
3.ランダム・アクセス手順を要求するハンドオーバ;
4.RRC_CONNECTED中のランダム・アクセス手順を要求するDLデータの到着;
・例えば、UL同期状態が「非同期化」である場合;
5.RRC_CONNECTED中のランダム・アクセス手順を要求するULデータの到着;
・例えば、UL同期状態が「非同期化」である場合、又は専用スケジューリング要求チャネルが使用可能でない場合。
本発明は、5つ目のイベント、即ちRRC_CONNECTED中のULデータの到着、及びUEが非同期化状態にある場合、又はスケジューリング要求チャネルが使用可能でない場合に関するものである。ここでは、競合ベースRACH手順が使用される。
競合ベース・ランダム・アクセス手順は、以下の4つのステップを含む:
1.アップリンクのRACH上のランダム・アクセス・プリアンブル(UEからeNodeB);
2.ダウンリンク共用チャネル(DL‐SCH)上のランダム・アクセス応答(eNodeBからUE);
3.アップリンク共用チャネル(UL‐SCH)上の最初にスケジューリングされたUL伝送(UEからeNodeB);
4.DL‐SCH上の競合解決(eNodeBからUE)。
競合ベースRACH手順では、セル内の他のユーザとのコリジョンが生じやすい。RACH手順を開始し得る潜在的なユーザ(RRC_CONNECTED状態のすべてのユーザ)の数が増加するにつれて、RACHチャネル上のコリジョンの確率が高くなり、性能の低下も早くなる。したがって、RACHチャネル上の負荷が高くなりすぎないようにすること、即ちUE毎に開始される手順の数が多くなりすぎないようにすることが重要である。
セッションは通常、RACH手順が実行された後に続行され得る。しかしながら、基地局がリソース制限の故により多くのユーザに対応することができない場合は、必ずしもすべてのユーザのスケジューリングを進めることができなくなる可能性があり、基地局は、データの優先度に応じてユーザを優先順位付けしなければならなくなる。
可能な解決策は、UEの送信バッファ内にデータが存在するが、UEがアップリンク・スケジューリング要求リソースを有さず又はUL同期を有さない場合に、例えば送信時間間隔(TTI)に関するRACH手順をUEに定期的に開始させることである。しかしながら、図1及び図2に示されるように、この解決策にはいくつかの欠点がある。
図1は、UEがRACH手順を頻繁に繰り返すことが許可される場合は、RACHチャネル及びPDCCHチャネル上の負荷が高くなることを示している。一方、図2は、UEがRACH手順を繰り返すことが稀にしか許可されない場合は、スケジューラが高い優先度のデータに気付くまでに長い遅延が生じるリスクがあることを示している。
図1及び図2に示される手順はどちらも、UEがより低い優先度のデータを取得することから開始し、その後102で基地局にRACHプリアンブルを送信することによってRACH手順100が開始される。この時点で、スケジューラは、データの優先度を認識していないが、104でUEに十分なリソースを許可することにより、106でUEが少なくともバッファ・ステータス・レポート(BSR)の応答を返すことができるようにする。ここでは、基地局は、セッション・アクティブ状態でサポート可能な最大ユーザ数に近く、また、BSRに基づいてUEをそれ以上スケジューリングしないことを決定するものと仮定する。次に108で、基地局は、BSRに基づいて他のユーザを優先順位付けする。
図1のシナリオによれば、110及び120に示すように、UEがRACH手順を定期的に繰り返すことが許可された場合は、112において、RACHチャネル及びPDCCHチャネル上で不必要な高い負荷がもたらされる。これによって不必要なUE電力も消費される。図示の例では、3番目のRACH手順120の後に高い優先度のデータが到着する。スケジューラは、4番目の手順130でその高い優先度のデータに気付く。
一方、図2は、200及び210に示すように、UEがRACH手順を繰り返すことが稀にしか許可されない場合は、長い遅延が生じるリスクがあることを示している。本例では、2番目のRACH手順210の後に高い優先度のデータが到着するが、基地局は3番目の手順220までそのことに気付かず、その結果遅延214が生じる。このようなデータは、例えば不必要に遅延された緊急ハンドオーバ・レポートから成る可能性がある。
本発明の一目的は、通信システムにおけるランダム・アクセス・チャネル(RACH)手順を利用してアップリンク・サービス要求をトリガする代替的な解決策を提供し、それによって上述の課題のいくつかを少なくともある程度緩和することである。
本発明の別の目的は、移動端末内の指定されたバッファ変更と関係付けられるRACH要求の開始を定義することである。
本発明の他の目的は、端末のバッファ状態の特定の変更に関する情報を基地局に与えるために、ランダム・アクセス・チャネル要求のトリガ条件を提供することである。
上記の目的のうちの少なくとも1つは、添付の特許請求の範囲の独立請求項に記載される方法、基地局、又は移動端末によって達成される。
他の目的及び利点は、従属請求項を読めば明らかとなるだろう。
本発明の第1の態様は、無線通信システムの移動端末において、前記端末に記憶されているバッファ・ステータス・レポート(BSR)と比較した端末バッファ・ステータスの変更に基づいて、基地局スケジューラにランダム・アクセス・チャネル上のアップリンク・リソースを要求するランダム・アクセス・チャネル、即ちRACH手順をトリガする方法に関するものである。オプションとして、前記記憶されているBSRは、その受信時に肯定応答を返すことができる。第1の方法ステップで、現在の端末バッファ・コンテンツ、即ち端末バッファ・データのステータスと、前記端末に記憶されている前記バッファ・ステータス・レポート(BSR)のステータスとが比較される。第2の方法ステップでは、前記比較時にバッファ・ステータスの変更が検出されたときに、前記基地局スケジューラに対してサービス要求を指示するRACH手順が開始される。前記サービス要求は、前記スケジューラによる前記端末に対するアップリンク・リソース割り当てのトリガとして、前記バッファ・ステータス変更を示すインジケータを含む。
本発明の本態様の一実施形態によれば、前記バッファ・ステータスは、以下の1組の基準又は条件、即ち
(i)より高い優先度のデータが前記バッファに到着したこと、
(ii)バッファ・サイズの増加量が閾値Aを超えたこと、又は
(iii)以前のRACH開始時点からの経過時間が閾値Bを超えたこと
のうちの少なくとも1つが満足される場合に変更されたものと判定される。
本発明の本態様の別の実施形態によれば、閾値A及び/又は閾値Bは、前記端末内で無線リソース制御、即ちRRCシグナリングを利用して構成される。
本発明の本態様の別の実施形態によれば、前記バッファ・ステータスを比較するステップは、それぞれ現在及び以前に記憶されたバッファ・ステータス・データに関して、バッファ・コンテンツ優先度及び無線ベアラ優先度のうちの少なくとも一方を比較するステップを含む。
本発明の本態様の他の実施形態は、前記バッファ・ステータスの変更が検出され、且つ前記端末が送信すべきデータを有し、且つ前記端末がアップリンク・リソース・グラント又はスケジューリング要求を有さない場合は、サービス要求トリガ・インジケータを単一ビット値にセットするステップを含む。
本発明の本態様の他の実施形態では、現在及び以前の記憶済みバッファ・ステータス・データを比較する前記ステップは、例えば送信時間間隔、即ちTTIと関係付けられる所定の時間間隔に従って実行される。
本発明の本態様の一代替実施形態は、データ送信用のアップリンク・リソースが割り振られ、且つバッファ・ステータスの変更がないことが検出された場合は、前記基地局スケジューラに前記アップリンク・リソースの割り振りを維持することを知らせる単一ビットのインジケータを含むメッセージを送信するステップを含む。
本発明の本態様の他の一実施形態は、前記端末がそれ自体のバッファを完全に空にしたときに、最後のバッファ・レポートをゼロ・バッファ・コンテンツにリセットするステップを含む。上述のBSRの肯定応答を返すオプションが使用される場合は、最後に肯定応答が返されたバッファ・レポートがゼロ・バッファ・コンテンツにリセットされる。
本発明の第2の態様は、無線通信システムの基地局において、ランダム・アクセス(RACH)手順を利用して移動端末に対するリソースのスケジューリングを行う方法に関するものである。第1の方法ステップで、前記基地局は、ランダム・アクセス・チャネル(RACH)アップリンク上で前記端末からのサービス要求をランダム・アクセス・プリアンブルを介して受信することができる。第2の方法ステップで、端末バッファ・ステータス・レポートを応答として受信するための初期リソースが前記端末に割り振られ得る。第3の方法ステップで、端末バッファ・ステータスの変更を示すインジケータを含む後続のサービス要求が前記端末から受信されたときに、前記端末にアップリンク・リソースが更に割り振られ得る。
前記方法は、前記端末バッファ・ステータス・レポートの受信時に、受信された前記端末バッファ・ステータス・レポートの肯定応答メッセージを前記端末に送信するオプション・ステップを更に含むことができる。
本発明の本態様の一実施形態によれば、前記バッファ・ステータスは、以下の事前構成条件、即ち
より高い優先度のデータが前記バッファにおいて受信されたことが指示されること、
バッファ・サイズの合計増加量が閾値Aを超えたことが指示されること、又は
以前のRACH開始時点からの経過時間が閾値Bを超えたことが指示されること
のうちの少なくとも1つが満足されたことが指示される場合に変更されたものと判定される。
本発明の第3の態様は、ランダム・アクセス(RACH)手順を利用して移動端末に対するリソースのスケジューリングを行うことが可能な基地局に関するものである。前記基地局は、プロセッサ・ユニットと、メモリ・ユニットと、通信インターフェースと、を備えることができる。前記メモリ・ユニットは、バッファ・ステータス・レポート(BSR)のコピーを記憶するのに使用される。前記プロセッサ・ユニットは、第1のRACH手順を利用して開始される第1のサービス要求が受信されたときに前記端末に初期リソースのグラントを付与するように構成される。更に、前記プロセッサ・ユニットは、前記移動端末からBSRを受信するように構成される。オプションとして、前記プロセッサ・ユニットは、前記レポートの受領確認を前記端末に返すように更に構成することができる。また、前記プロセッサ・ユニットは、第2のRACH手順を利用して開始される第2のサービス要求であって、事前に記憶されたBSRのバッファ・ステータスと比較した前記端末のバッファ・ステータスの変更を指示する第2のサービス要求が受信されたことに基づいて、データ送信用のアップリンク・リソースを前記端末に割り振るように構成される。
本発明の第4の態様は、通信システムにおけるランダム・アクセス手順(RACH)を利用してリソース割り振りサービス要求を基地局スケジューラに対して指示することが可能な移動端末に関するものである。前記移動端末は、プロセッサ・ユニットと、メモリ・ユニットと、通信インターフェースと、を備えることができる。前記プロセッサ・ユニットは、前記通信システム内で送信されるデータをバッファするデータ送信バッファを備えることができる。前記プロセッサ・ユニットは、現在のバッファ・コンテンツ・ステータスと、最後に送信された記憶済みバッファ・コンテンツのステータスとを比較する比較器を更に備えることができる。前記プロセッサ・ユニットは、サービス要求トリガ機構も備えることができる。前記サービス要求トリガ機構は、前記比較時にバッファ・ステータスの変更が検出されたときに前記スケジューラによるデータ送信用のアップリンク・リソース割り当てをトリガする単一ビット・メッセージをランダム・アクセス・チャネル上でスケジューラに送信するように構成される。前記メモリ・ユニットは、最後の端末バッファ・ステータス・データ送信を記憶するのに使用され得る。
本発明の本態様の一実施形態によれば、前記バッファ・ステータスは、以下の事前構成条件、即ち
より高い優先度のデータが前記端末バッファにおいて受信されたこと、
バッファ・サイズの合計増加量が閾値Aを超えたこと、又は
以前のRACH手順開始時点からの経過時間が閾値Bを超えたこと
のうちの少なくとも1つが満足される場合に変更されたものと判定される。
本明細書に記載の各態様及び実施形態に係る本発明は、制御チャネル上の不必要に高い負荷や不必要なUE電力消費を生じることなく、より高い優先度のデータが端末の送信バッファに到着したことを示す情報が基地局内のスケジューラに迅速に提供される利点をもたらす。これにより、ドロップ率が低下することでハンドオーバ処理が改善されるとともに、バッテリ寿命が延長される。
本発明に係る方法に関して上述した特徴は、そうすることが妥当であれば、本方法に関して上述したのと同じ利点を有する本発明に係る一構成の形で実施されてもよい。
言うまでもなく、本発明の上記の諸態様は、同じ実施形態で組み合わせることもできる。以下では添付図面を参照して、本発明の好ましい諸実施形態について説明する。
以下では非限定的な例を利用して、図面を参照しながら本発明についてより詳細に説明する。
RACH手順に関する従来技術の解決策を示す図である。 RACH手順に関する別の従来技術の解決策を示す図である。 本発明に係る移動端末における方法のフローチャートである。 本発明に係る基地局における方法のフローチャートである。 本発明に係るRACH手順を示す図である。 本発明の一実施形態に係る基地局の概略図である。 本発明の一実施形態に係る移動端末の概略図である。
好適な実施形態の詳細な説明
以下、本発明の諸実施形態を例示する。しかしながら、各実施形態は本発明の諸原理を説明するために含まれるものであって本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって定義されることを理解していただきたい。
本発明は、UEがランダム・アクセス・チャネル手順、即ちRACH手順を開始する代替的なルールを提供するように適合された方法、ユーザ機器、及び基地局を含む。
UEは、最後のアップリンク送信又はバッファ・レポートで明らかとなった状態と比較してバッファ・ステータスの一定の変更が存在する場合にのみ、RACH手順を開始することが許可される。この代替的なトリガを利用すると、例えば上記で説明した図1及び図2に示される従来技術のいくつかの課題を解決することが可能となる。
本発明では、RACH手順を開始するルールが拡張される。概して、UEは、事前に報告されたコンテンツ又は事前に送信されたコンテンツと比較してバッファ・コンテンツの指定された変更が存在する場合、例えば事前に報告された又は送信された優先度よりも高い優先度のデータが到着した場合にのみ、RACH手順を開始することができる。RACH手順をトリガするバッファ・ステータスの変更は、典型的にはRRCを利用して構成される。
本発明の一利点は、制御チャネル上の不必要に高い負荷や不必要なUE電力消費を生じることなく、より高い優先度のデータが送信バッファに到着したことを示す情報が基地局、例えばeNodeB内のスケジューラに迅速に提供されることである。これにより、ドロップ率が低下することでハンドオーバ処理が改善されるとともに、バッテリ寿命が延長される。
1組のトリガ基準の一例としては、以下のものが挙げられ得る。
RACH手順は、以下の場合に開始される:
・UEがULグラント又はスケジューリング要求を有さず、且つUEが送信すべきデータを有し、且つバッファ・ステータスが最後のバッファ・レポート以降に構成済みの条件に従って変更されている場合。
・バッファ・ステータスは、以下の条件のいずれかが満たされた場合に変更があったものと見なされる:
1.より高い優先度のデータがバッファに到着した
2.バッファ・サイズの合計増加量>閾値A
3.以前のRACH開始時点からの経過時間>閾値B
一代替実施形態では、RACH手順を開始するにあたり、バッファ・ステータスが変更されたものと見なされる又は判定されるには、上記の条件のうちの少なくとも2つが満足される必要がある可能性がある。
閾値A及び/又は閾値Bは、典型的にはRRC、即ち無線リソース制御シグナリングを利用して構成することができる。
一実施形態では、UEは、レポートがスケジューラに送信され肯定応答が返されたかどうかに関わらず、それ自体のバッファを完全に空にした後「最後のバッファ・レポート」をゼロ・バッファ・コンテンツにリセットする。
上記の例でUEがULグラントを有する場合には、スケジューラは、定期的なバッファ・ステータス・レポートを介してバッファ・コンテンツに気付くことになる。このレポートは、スケジューリングされた送信毎に送られる連続的なバッファ・レポートとすることができる。別法として、バッファ・ステータス・レポートのトリガに関しても同様の基準を使用することができる。つまり、UEがリソースのグラントをそれ以上付与されない場合は、最後のバッファ・レポートが最新の状態とされる。
以下では、端末に記憶されているバッファ・ステータス・レポート(BSR)と比較した端末バッファ・ステータスの変更に基づいて、本発明に係るRACH手順を利用してリソース割り振り要求をトリガする好ましい一実施形態の各方法ステップについて説明する。
図3には、本発明の一実施形態に係る移動端末における方法のフローチャートが示される。第1の方法ステップ300では、現在の端末バッファ・コンテンツ、即ち端末バッファ・データのステータスと、記憶されているBSRのステータスとが比較される。第2の方法ステップ320では、比較時にバッファ・ステータスの変更が検出(310)されたときに、基地局スケジューラに対してサービス要求を指示するRACH手順が開始される。サービス要求は、スケジューラによる前記端末に対するアップリンク・リソース割り当てのトリガとして、ステータス変更を示すインジケータを含む。
図4には、本発明の一実施形態に係る基地局における方法のフローチャートが示される。第1の方法ステップ400で、基地局は、ランダム・アクセス・チャネル(RACH)・アップリンク上で、端末からのサービス要求をランダム・アクセス・プリアンブルを介して受信する。第2の方法ステップ410で、端末バッファ・ステータス・レポートを応答として受信(420)するための初期リソースが端末に割り振られ得る。端末バッファ・ステータスの変更(430)を示すインジケータを含む後続のサービス要求が端末から受信されると、440で、更なるアップリンク・リソースが端末に割り振られ得る。
図5には、本発明の一代替実施形態が示される。第1のRACH手順500は、後述のとおり、図1に関して説明したのと同様に行われる。この手順は、移動端末がより低い優先度のデータを取得することから開始し、その後502で基地局にRACHプリアンブルを送信することによってRACH手順500が開始される。この時点で、スケジューラは、データの優先度を認識していないが、504で端末に十分なリソースを許可することにより、端末が少なくともBSR(506)の応答を返すことができるようにする。次に508で、基地局は、BSRに基づいて他のユーザを優先順位付けする。移動端末が他の端末に優先してスケジューリングされている場合、当該端末は、バッファ・レポートを含む送信(又はデータ送信)に関するハイブリッド自動再送要求肯定応答(hybrid automatic repeat‐request acknowledgement)、即ちHARQ ACKを受信する。移動端末及び基地局は、最後に受領したレポートを記憶するが、このステータス・レポートもやはり基地局に記憶され得る。より高い優先度のデータが到着したときは、端末は新しいRACH手順510を開始することが許可される。512でRACHプリアンブルが送信された場合は、基地局は、より高い優先度のデータが移動端末の送信バッファに到着したものと結論付けることができ、それに従って514で発行されるグラントを調整することができる。例えば、スケジューラは、端末が516で典型的なRRCメッセージを送信するのに十分なリソースを割り当てることができる。
図6及び図7には、それぞれ本発明の各方法を実行するのに適した機器である基地局及び移動端末が開示されている。
図6は、本発明の一実施形態に係る基地局を概略的に示す。基地局は、プロセッサ・ユニット610と、メモリ・ユニット620と、通信インターフェース630と、を備えることができる。プロセッサ・ユニットは、ソフトウェア又はハードウェア命令を処理することが可能な任意の適切なタイプの処理デバイス、例えばマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、あるいはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)とすることができ、メモリ・ユニットは、揮発性及び/又は不揮発性メモリ・タイプ、例えば適切なタイプのRAM、ハード・ディスク、フラッシュ・メモリ等のうちの少なくとも1つとすることができる。メモリ・ユニット620は、BSRのコピーを記憶するのに使用される。プロセッサ・ユニット610は、第1のRACH手順500によって開始された第1のサービス要求502が受信されたときに初期リソースのグラントを端末に付与(504)するように構成される。プロセッサ・ユニット610は更に、移動端末からBSR(506)を受信するように構成される。オプションとして、プロセッサ・ユニット610は更に、レポートの受領確認を端末に返すように構成することもできる。また、プロセッサ・ユニット610は、第2のRACH手順510を利用して開始される第2のサービス要求512であって、事前に記憶されたBSRのバッファ・ステータスと比較した端末のバッファ・ステータスの変更を指示する第2のサービス要求512が受信されたことに基づいて、データ送信用のアップリンク・リソースを端末に割り振るように構成される。基地局は更に、基地局のタイプ及び構成、例えば電源/コンバータ、アンテナ(単数又は複数)等に応じて他の構成要素を備えることもできる。
図7には、本発明に係るRACH手順を利用してリソース割り振りサービス要求を基地局スケジューラに対して指示することが可能な移動端末700が示される。移動端末700は、プロセッサ・ユニット710と、メモリ・ユニット720と、通信インターフェース730と、を備えることができる。プロセッサ・ユニットは、ソフトウェア又はハードウェア命令を処理することが可能な任意の適切なタイプの処理デバイス、例えばマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、あるいはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)とすることができ、メモリ・ユニットは、揮発性及び/又は不揮発性メモリ・タイプ、例えば適切なタイプのRAM、ハード・ディスク、フラッシュ・メモリ等のうちの少なくとも1つとすることができる。プロセッサ・ユニット710は、通信システム内で送信されるデータをバッファするデータ送信バッファを備えることができる。プロセッサ・ユニット710は更に、現在のバッファ・コンテンツ・ステータスと、最後に送信された記憶済みバッファ・コンテンツのステータスとを比較する比較器を備えることもできる。プロセッサ・ユニット710は、サービス要求トリガ機構も備えることができる。サービス要求トリガ機構は、比較時にバッファ・ステータスの変更が検出されたときにスケジューラによるデータ送信用のアップリンク・リソース割り当てをトリガする単一ビット・メッセージをランダム・アクセス・チャネル上でスケジューラに送信するように構成される。メモリ・ユニット720は、最後の端末バッファ・ステータス・データ送信を記憶するのに使用され得る。移動端末は更に、基地局のタイプ及び構成、例えば電源/コンバータ、アンテナ(単数又は複数)等に応じて他の構成要素を備えることもできる。
本明細書に記載される本発明の各方法ステップは、コンピュータに読み込み可能なストレージ・メディア、例えばメモリ・ユニットに記憶されたコンピュータ・プログラム・ソフトウェアによって実施することができ、NodeB又はeNodeBとも呼ばれる基地局、及び/又はUE、ユーザ機器、移動端末、又は移動局と呼ばれることもあるユーザ端末のようなネットワーク・ノード内のプロセッサによって実行することができる。各方法ステップは、ASIC(特定用途向け集積回路)やFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)等の場合と同様に、ハードウェア命令の形で実施することもできる。
本明細書で使用される3GPPのLTE規格に関するいかなる例及び用語も本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、本発明の方法は、原則として任意の通信システムに適用可能である。
無論、本明細書に記載される主題は、上述及び図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の一般的な概念の範囲内で修正を施すことが可能である。

Claims (14)

  1. 無線通信システムの移動端末において、基地局スケジューラにランダム・アクセス・チャネル上のアップリンク・リソースを要求するランダム・アクセス・チャネル(RACH)手順をトリガする方法であって、
    現在の端末バッファ・コンテンツのステータスと、前記端末に記憶されているバッファ・ステータス・レポート(BSR)のステータスとを比較するステップ(300)と、
    前記比較において前記バッファ・ステータスの変更が検出されたときに(310)、サービス要求を前記基地局スケジューラに対して指示するRACH手順を開始するステップ(320)であって、前記サービス要求は、前記スケジューラによる前記端末に対するアップリンク・リソース割り当てのトリガとして、前記バッファ・ステータス変更を示すインジケータを含むステップと、
    を含む方法。
  2. 前記バッファ・ステータスは、以下の条件、即ち
    (i)より高い優先度のデータが前記バッファに到着したこと、
    (ii)バッファ・サイズの増加量が閾値Aを超えたこと、又は
    (iii)以前のRACH開始時点からの経過時間が閾値Bを超えたこと
    のうちの少なくとも1つが満足される場合に変更されたものと判定される請求項1に記載の方法。
  3. 閾値A及び閾値Bのうちの少なくとも一方は、前記端末内で無線リソース制御(RRC)シグナリングを利用して構成される請求項2に記載の方法。
  4. バッファ・ステータスの前記比較は、それぞれ現在及び以前に記憶されたバッファ・ステータス・データに関して、バッファ・コンテンツ優先度及び無線ベアラ優先度のうちの少なくとも一方を比較するステップを含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記バッファ・ステータスの変更が検出され、且つ前記端末が送信すべきデータを有し、且つ前記端末がアップリンク・リソース・グラント又はスケジューリング要求を有さない場合は、サービス要求トリガ・インジケータが単一ビット値にセットされる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 現在及び以前に記憶されたバッファ・ステータス・データの前記比較は、所定の時間間隔に従って実行される請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記所定の時間間隔は、送信時間間隔(TTI)と関係付けられる請求項6に記載の方法。
  8. データ送信用のアップリンク・リソースが割り振られ、且つバッファ・ステータスの変更がないことが検出された場合は、前記基地局スケジューラに前記アップリンク・リソースの割り振りを維持することを知らせる単一ビットのインジケータを含むメッセージを送信するステップを更に含む請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記端末がそれ自体のバッファを完全に空にしたときに、最後のバッファ・レポートをゼロ・バッファ・コンテンツにリセットするステップを更に含む請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 無線通信システムの基地局において、ランダム・アクセス・チャネル(RACH)手順を利用して移動端末に対するリソースのスケジューリングを行う方法であって、
    RACHアップリンク上で前記端末からのサービス要求をランダム・アクセス・プリアンブルを介して受信するステップ(400)と、
    端末バッファ・ステータス・レポートを応答として受信(420)するための初期リソースを前記端末に割り振るステップ(410)と、
    端末バッファ・ステータスの変更(430)を示すインジケータを含む後続のサービス要求が前記端末から受信(400)されたときに、前記端末にアップリンク・リソースを更に割り振るステップ(440)と、
    を含む方法。
  11. 前記バッファ・ステータスは、以下の事前構成条件、即ち
    より高い優先度のデータが前記バッファにおいて受信されたことが指示されること、
    バッファ・サイズの合計増加量が閾値Aを超えたことが指示されること、又は
    以前のRACH開始時点からの経過時間が閾値Bを超えたことが指示されること
    のうちの少なくとも1つが満足されたことが指示される場合に変更されたものと判定される請求項10に記載の方法。
  12. ランダム・アクセス・チャネル(RACH)手順を利用して移動端末に対するリソースのスケジューリングを行うことが可能な基地局(600)であって、
    プロセッサ・ユニット(610)と、
    メモリ・ユニット(620)と、
    通信インターフェース(630)と、
    を備え、前記プロセッサ・ユニット(610)は、バッファ・ステータス・レポート(BSR)のコピーを前記メモリ・ユニット(620)に記憶するように構成され、更に、前記プロセッサ・ユニット(610)は、第1のRACH手順(500)を利用して開始される第1のサービス要求(502)が受信されたときに前記端末に初期リソースのグラントを付与(504)するように構成され、前記移動端末からのバッファ・ステータス・レポート(BSR)(506)を前記通信インターフェース上で受信するように構成され、第2のRACH手順(510)を利用して開始される第2のサービス要求(512)であって、事前に記憶されたバッファ・ステータス・レポート(BSR)のバッファ・ステータスと比較した前記端末のバッファ・ステータスの変更を指示する第2のサービス要求が受信されたことに基づいて、データ送信用のアップリンク・リソースを前記端末に割り振るように構成される、
    基地局。
  13. 通信システムにおけるランダム・アクセス・チャネル(RACH)手順を利用してリソース割り振りサービス要求を基地局スケジューラに対して指示することが可能な移動端末(700)であって、
    前記通信システム内で送信されるデータをバッファするデータ送信バッファと、
    現在のバッファ・コンテンツ・ステータスと、最後に送信された記憶済みバッファ・コンテンツのステータスとを比較する比較器と、
    前記比較時にバッファ・ステータスの変更が検出されたときに前記スケジューラによるデータ送信用のアップリンク・リソース割り当てをトリガする単一ビット・メッセージをランダム・アクセス・チャネル上で前記スケジューラに送信するサービス要求トリガ機構と、
    を含むプロセッサ・ユニット(710)と、
    最後の端末バッファ・ステータス・データ送信を記憶するのに使用されるメモリ・ユニット(720)と、
    通信インターフェース(730)と、
    を備える移動端末。
  14. 前記バッファ・ステータスは、以下の事前構成条件、即ち
    より高い優先度のデータが前記端末バッファにおいて受信されたこと、
    バッファ・サイズの合計増加量が閾値Aを超えたこと、又は
    以前のRACH手順開始時点からの経過時間が閾値Bを超えたこと
    のうちの少なくとも1つが満足される場合に変更されたものと判定される請求項13に記載の移動端末。
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