JP2011501646A - 超音波モータの駆動方法 - Google Patents
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Abstract
超音波モータの駆動方法であって、超音波モータの圧電素子に対して2個1組で又は3個1組でグループ分けし、2個1組の場合は、各組では、第一、第二の圧電素子の一方のアウトレット端子が第それぞれ第一、第三のノードに接続されるが、もう一方のアウトレット端子が共通接地端子としての第二のノードに接続され、隣接する各4個の圧電素子が++−−の順に分極化されるようにし、3個1組の場合は、各組では、第一、第二、及び第三の圧電素子の一方のアウトレット端子がそれぞれ第一、第二、第三のノードに接続されるが、もう一方のアウトレット端子がいずれも共通接地端子としての第四のノードに接続され、圧電素子のすべてが順方向に分極化されるようにする。三相ブリッジ・インバータ回路を制御して直交二相又は対称三相の交流電圧を得て各圧電素子にそれぞれ給電することによりめ、有効的に給電電源の電圧振幅を低減し、トランジスタ・スイッチの個数を減らし、駆動回路の効率を向上することできる。
【選択図】図4
【選択図】図4
Description
本発明は、超音波モータの駆動方法に関するものである。
超音波モータは、圧電体の逆圧電効果を利用したものであって、複数の圧電素子が特定の構成において組合わせられた駆動機構である。一般的には、回転子、固定子などの機能部品によって構成される。通常、電歪効果を有する圧電素子が固定子に固定される。従来の超音波モータでは、通常四つ(或いは、四つの整数倍)の圧電素子が設けられており、その駆動に4相又は2相直交型正弦波電源が用いられる。つまり、同組の四つの圧電素子に電源信号sinωt、cosωt、−sinωt、− cosωtが順次に印加され(方法1)と、又は、同組において対向する逆直列接続の二つの圧電素子に電源信号sinωt、cosωtがそれぞれ印加される(方法2)ことで、図1に示すように、超音波モータにおいて進行波が形成されてモータが回転するようになる。
上記方法1と比較すれば、上記方法2は、2つの電源を省くため、より広く用いられてきている。しかし、方法2では、電源信号−sinωt及び− cosωtのかわりに電源信号sinωt、cosωtを利用して電源供給するために、モータの圧電素子は逆直列接続されなければならないという問題がある。電源は実際直列接続の圧電素子に給電するためのものであり、2倍電圧が必要となり、且つ圧電素子自身に大きい駆動電圧振幅が必要である。したがって、2相直交型電源を採用する場合、給電電圧が数十ボルト〜数百ボルトと高くなる問題がある。特に、電池による電源供給がされる携帯型装置などの場合は、電源の設計が難しくなる。
図1に示す従来の超音波モータにおいて、固定子が外周に圧電セラミックス素子を貼設した中空の金属柱によって構成され、圧電板の外表面が金属化されて電極となり、その内表面に上記金属柱が短絡接続され、共通接地端子が形成されて接地する。超音波モータの圧電素子11〜14がそれぞれ正方向(符号+で示す。外部→金属内筒という分極化方向を指す。)に分極化されたときに、圧電素子11と圧電素子13の間に2Asinωtが印加され、圧電素子12と圧電素子14の間に2Acosωtが印加されると、図1の破線が示すように、モータが回転するようになる。ここで、Aは単体の圧電板を駆動するには必要な電圧振幅を示すものである。
正弦波電源では、回路構成が複雑であり、往々煩雑なフィルター回路が必要になる。従って、より簡単な回路構成のインバータ回路を採用して同じ周波数且つ同じ位相の矩形波を出力することは望ましい。図2に示すように、図1の正弦波電源の代わりに、独立に制御する単相Hブリッジを採用し、位相差が90度の電気角となる矩形波を出力する。この場合でも、図1の実線で示すように、モータが回転するようになる。ここで、矩形波電圧において、実際、矩形波電圧振幅の1.27(=π/4)倍に等しい振幅を有する基本波成分だけがモータの駆動に寄与する。残りの高調波成分はまったく寄与しないため、各種の方法でそれを抑えることができる。
以上のように、2相直交型正弦波電源又は矩形波電源で超音波モータを駆動する場合には、電源から直列接続した二つの圧電板に電圧振幅が2Aである電圧を供給することが必要になる。ここで、Aは単体の圧電板を駆動するには必要な電圧振幅を示すものである。尚、携帯装置などの場合は、電源によって超音波モータを駆動するために、通常、前段に昇圧型DC/DCスイッチング回路を設置し、電池の電圧振幅を超音波モータに必要な振幅に大きくし、そして、図2に示すインバータ回路を利用して超音波モータに必要な2相直交の電圧に変換する必要がある。電池の電圧が固定されているが、モータへの入力電圧の振幅が増加する場合、昇圧型DC/DCスイッチング回路の昇圧比が高くなるため、モータの駆動は難しくなる。
本発明は、簡略化された駆動回路を有する超音波モータの駆動方法を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、より簡略化されて集積化されやすい駆動回路を有する超音波モータの駆動方法を提供することを第二の目的とする。
また、本発明は、受動素子の動作効率を向上できる簡略化された駆動回路を有する超音波モータの駆動方法を提供することを第三の目的とする。
また、本発明は、最も簡略化された駆動回路を有する超音波モータの駆動方法を提供することを第四の目的とする。
上記第一の目的を達成するために、本発明は、超音波モータの駆動方法であって、
A、上記超音波モータの圧電素子を二個一組の形でグループ分けし、各組では、第一の圧電素子の一方のアウトレット端子が第一のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子が各圧電素子の共通接地端子としての第二のノードに接続され、第二の圧電素子のアウトレット端子が第三のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子も上記第二のノードに接続され、隣接する各四個の圧電素子が++−−の順に分極化されるようにするステップと、
B、上記超音波モータの上記第一のノードに接続される第一のアームと、上記超音波モータの上記第二のノードに接続される第二のアームと、上記超音波モータの上記第三のノードに接続される第三のアームとを備える三相フル・ブリッジ・インバータ回路を採用するステップと、
C、上側トランジスタと下側トランジスタが各自180度の電気角で導通するとともに相互に対称するように上記第一のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるが逆相波形であるように上記第三のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるが90度の進み角または90度の遅れ角を形成するように上記第二のアームを制御するステップと、
D、上記第一のノードおよび上記第二のノードの間と、上記第三のノードおよび上記第二のノードの間とに対してそれぞれ、上記超音波モータの共振周波数範囲にある周波数を有する、互いに位相差が90度の電気角を為す矩形波交流電圧を印加するステップとを含む。
A、上記超音波モータの圧電素子を二個一組の形でグループ分けし、各組では、第一の圧電素子の一方のアウトレット端子が第一のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子が各圧電素子の共通接地端子としての第二のノードに接続され、第二の圧電素子のアウトレット端子が第三のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子も上記第二のノードに接続され、隣接する各四個の圧電素子が++−−の順に分極化されるようにするステップと、
B、上記超音波モータの上記第一のノードに接続される第一のアームと、上記超音波モータの上記第二のノードに接続される第二のアームと、上記超音波モータの上記第三のノードに接続される第三のアームとを備える三相フル・ブリッジ・インバータ回路を採用するステップと、
C、上側トランジスタと下側トランジスタが各自180度の電気角で導通するとともに相互に対称するように上記第一のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるが逆相波形であるように上記第三のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるが90度の進み角または90度の遅れ角を形成するように上記第二のアームを制御するステップと、
D、上記第一のノードおよび上記第二のノードの間と、上記第三のノードおよび上記第二のノードの間とに対してそれぞれ、上記超音波モータの共振周波数範囲にある周波数を有する、互いに位相差が90度の電気角を為す矩形波交流電圧を印加するステップとを含む。
上記の構成において、三相フル・ブリッジ・インバータ回路の前段にDC/DCスイッチング回路を設け、給電電圧の振幅を上記圧電素子に必要な電圧振幅に変換させる。
また、上記第二の目的を達成するために、本発明は、超音波モータの駆動方法であって、
A、上記超音波モータの圧電素子を三個一組の形でグループ分けし、各組では、第一の圧電素子の一方のアウトレット端子が第一のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子が各圧電素子の共通接地端子としての第四のノードに接続され、第二の圧電素子の一方のアウトレット端子が第二のノードに接続され、もう一つのアウトレット端子も上記第四のノードに接続され、第三の圧電素子の一方のアウトレット端子が第三のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子も上記第四のノードに接続され、圧電素子のすべてが正方向に分極化されるようにするステップと、
B、上記超音波モータの上記第一のノードに接続される第一のアームと、上記超音波モータの上記第二のノードに接続される第二のアームと、上記超音波モータの上記第三のノードに接続される第三のアームとを備える三相フル・ブリッジ・インバータ回路を採用するステップと、
C、上側トランジスタと下側トランジスタが各自180度の電気角で導通するとともに相互に対称するように上記第一のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるが120度の進み角または120度の遅れ角を形成するようにように上記第二のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるが240度の進み角または240度の遅れ角を形成するように上記第三のアームを制御するステップと、
D、上記第一のノードおよび上記第二のノードの間と、上記第二のノードおよび上記第三のノードの間と、上記第三のノードおよび上記第一のノードの間とに対してそれぞれ、上記超音波モータの共振周波数範囲にある周波数を有する、互いに位相差が120度の電気角を為す矩形波交流電圧を印加するステップとを含む。
上記の構成において、三相フル・ブリッジ・インバータ回路の前段にDC/DCスイッチング回路を設け、給電電圧の振幅を上記圧電素子に必要な電圧振幅に変換させる。
A、上記超音波モータの圧電素子を三個一組の形でグループ分けし、各組では、第一の圧電素子の一方のアウトレット端子が第一のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子が各圧電素子の共通接地端子としての第四のノードに接続され、第二の圧電素子の一方のアウトレット端子が第二のノードに接続され、もう一つのアウトレット端子も上記第四のノードに接続され、第三の圧電素子の一方のアウトレット端子が第三のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子も上記第四のノードに接続され、圧電素子のすべてが正方向に分極化されるようにするステップと、
B、上記超音波モータの上記第一のノードに接続される第一のアームと、上記超音波モータの上記第二のノードに接続される第二のアームと、上記超音波モータの上記第三のノードに接続される第三のアームとを備える三相フル・ブリッジ・インバータ回路を採用するステップと、
C、上側トランジスタと下側トランジスタが各自180度の電気角で導通するとともに相互に対称するように上記第一のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるが120度の進み角または120度の遅れ角を形成するようにように上記第二のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるが240度の進み角または240度の遅れ角を形成するように上記第三のアームを制御するステップと、
D、上記第一のノードおよび上記第二のノードの間と、上記第二のノードおよび上記第三のノードの間と、上記第三のノードおよび上記第一のノードの間とに対してそれぞれ、上記超音波モータの共振周波数範囲にある周波数を有する、互いに位相差が120度の電気角を為す矩形波交流電圧を印加するステップとを含む。
上記の構成において、三相フル・ブリッジ・インバータ回路の前段にDC/DCスイッチング回路を設け、給電電圧の振幅を上記圧電素子に必要な電圧振幅に変換させる。
また、上記第三の目的を達成するために、本発明は、超音波モータの駆動方法であって、
A、上記超音波モータの圧電素子を二個一組の形でグループ分けし、各組では、第一の圧電素子の一方のアウトレット端子が第一のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子が各圧電素子の共通接地端子としての第三のノードに接続され、第二の圧電素子の一方のアウトレット端子が第二のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子も上記第三のノードに接続され、隣接する各四個の圧電素子は++−−の順に分極化されるようにするステップと、
B、出力端子が上記超音波モータの上記第一のノードに接続される第一のアームと、出力端子が上記超音波モータの上記第二のノードに接続される第二のアームとを備える、接地が上記超音波モータの上記第三のノードに接続される二つのハーフ・ブリッジ回路を採用するステップと、
C、上側トランジスタと下側トランジスタがそれぞれ一定の導通角で導通するように上記第一のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるがそれよりも90度の進み角または90度の遅れ角を形成するように上記第二のアームを制御するステップと、
D、位相差が90度の電気角であり、上記超音波モータの共振周波数範囲にある周波数を有する脈動直流電圧を出力するステップとを含む。
A、上記超音波モータの圧電素子を二個一組の形でグループ分けし、各組では、第一の圧電素子の一方のアウトレット端子が第一のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子が各圧電素子の共通接地端子としての第三のノードに接続され、第二の圧電素子の一方のアウトレット端子が第二のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子も上記第三のノードに接続され、隣接する各四個の圧電素子は++−−の順に分極化されるようにするステップと、
B、出力端子が上記超音波モータの上記第一のノードに接続される第一のアームと、出力端子が上記超音波モータの上記第二のノードに接続される第二のアームとを備える、接地が上記超音波モータの上記第三のノードに接続される二つのハーフ・ブリッジ回路を採用するステップと、
C、上側トランジスタと下側トランジスタがそれぞれ一定の導通角で導通するように上記第一のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるがそれよりも90度の進み角または90度の遅れ角を形成するように上記第二のアームを制御するステップと、
D、位相差が90度の電気角であり、上記超音波モータの共振周波数範囲にある周波数を有する脈動直流電圧を出力するステップとを含む。
上記の構成において、2つのハーフ・ブリッジ回路の前段にDC/DCスイッチング回路を設け、給電電圧の振幅を上記圧電素子に必要な電圧振幅に変換させる。
また、上記第四の目的を達成するために、本発明は、超音波モータの駆動方法であって、
A、上記超音波モータの圧電素子を二個一組の形でグループ分けし、各組では、第一の圧電素子の一方のアウトレット端子が第一のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子が各圧電素子の共通接地端子としての第三のノードに接続され、第二の圧電素子の一方のアウトレット端子が第二のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子も上記第三のノードに接続され、隣接する各四個の圧電素子が++−−の順で分極化されるようにするステップと、
B、出力が上記超音波モータの上記第一のノードに接続される第一の昇圧型DC/DCスイッチング回路と、出力が上記超音波モータの上記第二のノードに接続される第二の昇圧型DC/DCスイッチング回路とを用いて給電電圧の振幅を必要な電圧振幅に変換させるステップと、
C、上記昇圧型DC/DCスイッチング回路のそれぞれには、一端が電源の入力に接続されるが、もう一端がトランジスタのコレクタとダイオードの陽極との間に接続される一つのインダクタンスと、インダクタンスの出力端子と接地との間に接続される一つのトランジスタと、インダクタンスの出力端子と回路全体の出力端子との間に接続される一つのダイオードとを含ませるステップと、
D、上記第一の昇圧型DC/DCスイッチング回路が一定の脈動周波数で動作し、上記第二の昇圧型DC/DCスイッチング回路が上記第一の昇圧型DC/DCスイッチング回路の場合と同じであるが上記第一の昇圧型DC/DCスイッチング回路の場合よりも1/4周期リードする若しくは遅延する脈動周波数で動作するように制御するステップと、
E、互いに位相が1/4周期ずれ、電圧振幅が昇圧型DC/DCスイッチング回路の出力値となり、上記超音波モータの共振周波数範囲にある脈動周波数を有する二つの脈動直流電圧を出力するステップとを含む。
A、上記超音波モータの圧電素子を二個一組の形でグループ分けし、各組では、第一の圧電素子の一方のアウトレット端子が第一のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子が各圧電素子の共通接地端子としての第三のノードに接続され、第二の圧電素子の一方のアウトレット端子が第二のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子も上記第三のノードに接続され、隣接する各四個の圧電素子が++−−の順で分極化されるようにするステップと、
B、出力が上記超音波モータの上記第一のノードに接続される第一の昇圧型DC/DCスイッチング回路と、出力が上記超音波モータの上記第二のノードに接続される第二の昇圧型DC/DCスイッチング回路とを用いて給電電圧の振幅を必要な電圧振幅に変換させるステップと、
C、上記昇圧型DC/DCスイッチング回路のそれぞれには、一端が電源の入力に接続されるが、もう一端がトランジスタのコレクタとダイオードの陽極との間に接続される一つのインダクタンスと、インダクタンスの出力端子と接地との間に接続される一つのトランジスタと、インダクタンスの出力端子と回路全体の出力端子との間に接続される一つのダイオードとを含ませるステップと、
D、上記第一の昇圧型DC/DCスイッチング回路が一定の脈動周波数で動作し、上記第二の昇圧型DC/DCスイッチング回路が上記第一の昇圧型DC/DCスイッチング回路の場合と同じであるが上記第一の昇圧型DC/DCスイッチング回路の場合よりも1/4周期リードする若しくは遅延する脈動周波数で動作するように制御するステップと、
E、互いに位相が1/4周期ずれ、電圧振幅が昇圧型DC/DCスイッチング回路の出力値となり、上記超音波モータの共振周波数範囲にある脈動周波数を有する二つの脈動直流電圧を出力するステップとを含む。
上記の構成において、さらに、各昇圧型DC/DCスイッチング回路の出力端子と接地との間に一つのトランジスタを接続し、
トランジスタが脈動周波数で周期的に圧電素子に対して放電するように制御してもいい。
トランジスタが脈動周波数で周期的に圧電素子に対して放電するように制御してもいい。
また、上記の構成において、各昇圧型DC/DCスイッチング回路では、トランジスタがダイオードに逆並列接続されるとともに、ダイオードがトランジスタに逆並列接続されてもいい。その結果、超音波モータから電源まで降圧DC/DC回路を形成し、超音波モータから電源への電気エネルギー帰還が実現可能である。
本発明の超音波モータの駆動方法は、三相ブリッジ回路で直交二相電圧を出力するため、必要なスイッチング素子が六つだけで十分であり、++−−との順に分極化されるため、給電電圧の電圧振幅を効率よく低減することができ、さらに、駆動回路を簡略化することができるし、駆動回路の効率を向上することができ、コストを低減することができるため、特に、電池による電源供給がされる携帯装置などに超音波モータを適用する場合に有利である、という利点がある。
三相ブリッジ回路で直交二相電圧を出力する構成では、他の制御方式で対称する三相電圧を出力することが可能であるという利点もある。その結果、圧電モータが三相構成又は二相/三相構成の場合は、モータを三相電圧で駆動することが可能となるので、同一の駆動回路が他の構成を選んで同一のモータを駆動することができ、或いは同一の駆動回路でそれぞれ二つ以上の同じタイプの回転子を駆動することができる。
三相ブリッジ回路で対称三相電圧を出力する構成は、六つのスイッチング素子だけでよく、回路が簡単で、集積化され易くなり、入力電流のバランスが自動的に取れるし、出力トルクの脈動が小さくなるため、市場での実用化が高く期待できるという利点を有する。
デュアルハーフブリッジ駆動回路による脈動直流給電の構成は、さらにスイッチング素子数を減らし、電源の回路構成の小型化を実現することができる利点がある。
二つの昇圧型DC/DCスイッチング回路による駆動構成の利点としては、適切な周辺回路と四つのトランジスタだけで、超音波モータの駆動を実現することができ、また、直流信号が出力されるため、例えば、数百kHzないし数メガHzとトランジスタのスイッチング周波数を大幅に向上することができるため、昇圧型DC/DCスイッチング回路に必要なインダクタンス及び容量を大幅に低減することができるとともに、その体積も小さくすることができることで、駆動回路の小型化、集積化を実現することができる。特定の場合には、圧電素子を放電するための二つのトランジスタを省くことができる。この場合は、最も簡略化された回路構成を実現できる。この回路の変形では、超音波モータから電源への電気エネルギー帰還を実現でき、モータが二象限で動作することを確保することができる。
以下、図面及び実施例を基づいて本発明をさらに詳しく説明する。図3A及び3Bは、一体化したネジ駆動方式の多面体超音波モータと、該超音波モータに直接駆動される光学レンズ組とを示す図である。当該超音波モータは、中心に丸穴が設けられた固定子31と回転子33とを備える。固定子31は中空の金属柱体によって構成される。固定子31の上に複数の圧電素子が固定されている。回転子33は光学レンズ組34が内嵌された回転ケーシングによって構成される。固定子31のボディと回転子33とがネジ35によって互いに係合する。即ち、固定子31の丸穴の内壁にメネジが形成され、これに対応するオネジが回転子33の外表面に形成されており、メネジとオネジは同じピッチを有する。固定子31のボディは多面体状又は円柱状の外観を有し、且つ中空内壁を備えている。固定子31は金属材料によって構成されているので、その上に固定された各圧電素子32に共通的なノードが形成され、このノードを共通接地端子と称する。図3Aに示す一体化したネジ駆動方式の多面体超音波モータでは、圧電板が四つで一組との形で組分けされ、隣接する四つの圧電板が++−−の順にそれぞれ分極化され(即ち、前記各四つの圧電板において、隣接する二つの圧電板が正方向に分極化されるが、残りの二つの圧電板が負方向に分極化される)。図4に示すように、圧電素子32は圧電板41〜48によって構成され、圧電板41〜48がそれぞれ++−−++−−の順に分極される。尚、圧電素子32を駆動するための駆動電圧は、二つの圧電板同士の間に印加されるものではなく、各圧電板と金属内環(共通接地端子)との間に印加される。その結果、図4に示すように、各組では、正方向に分極された圧電板と、この圧電板と対向する、負方向に分極されたもう一つの圧電板とが直列接続されて給電されるものではなく、並列接続されて給電されるようになる。即ち、圧電板41、43、45、47と共通接地端子との間にAsinωtが入力され、圧電板42、44、46、48と共通接地端子との間にAcosωtが入力される。ここで、Aが単体の圧電板を駆動するために必要な電圧を示す。この構成では、超音波モータを駆動するために必要な電源電圧が他の駆動方式の半分に低減されているので、駆動電圧の振幅を有効的に低減することができる。
しかし、上記超音波モータの金属内壁の短絡作用により、上記正弦波電圧の代わりに直交する矩形波電圧を印加する場合、図2に示すデュアルHブリッジ構成は図3に示す超音波モータに直接に適用することができない。この場合に、図5Aに示すように、超音波モータの金属内壁のため、アーム22とアーム24とが各自の中点で短絡し、図5Aの破線で示すように、アーム22及びアーム24上のスイッチングトランジスタに対して独立に且つ十分に制御することができないからである。
実際には、金属内壁の短絡作用により、図5Aに示す回路が図5Bに示す回路となる可能性がある。即ち、実効アームが三つだけ残り、その結果、三相フル・ブリッジ回路となった。そこで、本発明は、三相ブリッジ・インバータ回路から直交二相電圧を出力して制御する方法を提供する。
図3Aに示すように、金属内壁と、共通接地端子に接続される圧電素子とを備える超音波モータに対して、図4に示す分極方式を採用する。つまり、圧電板41、43、45、47の一方のアウトレット端子が第一のノードAに接続されるが、もう一方のアウトレット端子が第二のノードBに接続される。また、圧電板42、44、46、48の一方のアウトレット端子が第三のノードCに接続されるが、もう一方のアウトレット端子も第二のノードBに接続される。ここで、第二のノードBは各圧電素子の共通接地端子である。また、駆動回路として図5Bに示す三相ブリッジインバータ回路を採用する。三相ブリッジインバータ回路は三つのアーム、即ち、第一のアーム51、第二のアーム52、第三のアーム53を備えており、これらアームの出力端子がそれぞれ超音波モータの第一のノードA、第二のノードB、第三のノードCに接続される。
上記三つのアームに対して、以下のように制御を行う。
1.各アームでは、180度矩形波制御信号(図6A)が用いられ、周波数が超音波モータの共振周波数範囲内にある。上側トランジスタと下側トランジスタが相補的に導通する。実際に制御する場合、アームにおける上側トランジスタと下側トランジスタが同時に導通しないように、一定の不感時間をさらに設定する必要がある。
1.各アームでは、180度矩形波制御信号(図6A)が用いられ、周波数が超音波モータの共振周波数範囲内にある。上側トランジスタと下側トランジスタが相補的に導通する。実際に制御する場合、アームにおける上側トランジスタと下側トランジスタが同時に導通しないように、一定の不感時間をさらに設定する必要がある。
2.第一のアーム51の初期位相角は0であり(図6A−A)、第三のアーム53は第一のアームと逆位相(図6A−C)である。第二のアーム52は第一のアーム51よりも90度の電気角で遅れる(図6A−B)。或いは、第二のアーム52は第一のアームよりも90度の電気角で進む(図示しない)。その結果、超音波モータが逆転する。
3.第一のアーム51の中点と第二のアーム52の中点の間のノード(AB)、又は、第三のアーム53の中点と第二のアーム52の中点の間のノード(CB)から、位相が90度ずれた矩形波交流電圧を出力する(図6B)。この電圧は単体の圧電板を駆動するために必要な振幅を有し、超音波モータの共振周波数範囲内にある周波数を有する。
4.図7に示すように、給電電圧を希望の電圧値に変換するために、ブリッジ・インバータ回路の前段に昇圧型DC/DCスイッチング回路を設けてもいい。例えば、電池による給電の場合は、昇圧型DC/DCスイッチング回路によって電圧を一定の値に昇圧させる。当該昇圧型DC/DCスイッチング回路は、一端が電源の入力に接続されるが、もう一端がトランジスタのコレクタとダイオードD1の陽極との間に接続される一つのインダクタンスLと、インダクタンスLの出力端子と接地との間に接続される一つのトランジスタと、インダクタンスLの出力端子と回路全体の出力端子との間に接続される一つのダイオードD1と、回路全体の出力端子と接地との間に接続される一つの容量C2とを備える。
さらに、出力波形がより正弦波に近づくように、矩形波制御の代わりに、例えば、SPWM、SVPWMなど各種のPWM制御を採用してもいい。
三相ブリッジ回路で直交二相電圧を出力する構成は、必要なスイッチング素子が六つだけで十分であり、++−−との順に分極化されるため、給電電圧の電圧振幅を効率よく低減することができ、さらに、駆動回路を簡略化することができるし、駆動回路の効率を向上することができ、コストを低減することができるため、特に、電池による電源供給がされる携帯装置などに超音波モータを適用する場合に有利である、という利点がある。
三相ブリッジ回路で直交二相電圧を出力する構成は、更に、他の制御方式で対称する三相電圧を出力することが可能であるという利点もある。その結果、圧電モータが三相構成、又は、二相/三相構成の場合は、モータを三相電圧で駆動することが可能となるので、同一の駆動回路が他の構成を選んで同一のモータを駆動することができ、或いは、同一の駆動回路でそれぞれ二つ以上の同じタイプの回転子を駆動することができる。
図8A及び図8Bは三相構成の超音波モータを示し、当該超音波モータは、中心に丸穴が設けられた固定子81と回転子83とを備える。固定子81は中空の金属柱体によって構成される。固定子81の上に複数の圧電素子82が固定されている。回転子83は光学レンズ組84が内嵌された回転ケーシングによって構成される。固定子81のボディと回転子83とがネジ85によって互いに係合する。即ち、固定子81の丸穴の内壁にメネジが形成され、これに対応するオネジが回転子83の外表面に形成されており、メネジとオネジは同じピッチを有する。固定子81のボディは多面体状又は円柱状の外観を有し、且つ中空内壁を備えている。固定子81は金属材料によって構成されているので、その上に固定された各圧電素子82に共通的なノードが形成され、このノードを共通接地端子と称する。二相駆動の超音波モータにおいて圧電素子の個数が通常4の倍数である。三相駆動の超音波モータにおいて圧電素子の個数が3の倍数でなければならない。図9に示すように、圧電素子が六つあり、それぞれ圧電板92、93、94、96、97、98である。即ち、図4に示す構成から二つの圧電セラミックス素子を減らすことができる。三相駆動のモータの場合、分極方式と配線が図9に、駆動回路が図5に、駆動波形が図10に、それぞれ示されている。
図8に示すように、金属内壁と、共通接地端子に接続される圧電素子とを備える超音波モータに対して、図9に示す分極方式を採用する。つまり、圧電板92、93、94、96、97、98が++++++の順に分極化される。圧電板92、96の一方のアウトレット端子が第一のノードAに接続される、もう一方のアウトレット端子が共通接地端子に接続され、圧電板93、97の一方のアウトレット端子が第二のノードBに接続されるが、もう一方のアウトレット端子が共通接地端子に接続され、圧電板94、98の一方のアウトレット端子が第三のノードCに接続されるが、もう一方のアウトレット端子が共通接地端子に接続される。また、駆動回路として図5Bに示す三相ブリッジインバータ回路を採用する。三相ブリッジインバータ回路は三つのアーム、即ち、第一のアーム51、第二のアーム52、第三のアーム53を備えており、これらアームの出力端子がそれぞれ超音波モータの第一のノードA、第二のノードB、第三のノードCに接続される。上記三つのアームに対して、以下のように制御を行う。
1.各アームでは、180度矩形波制御信号(図10A)が用いられ(120度矩形波制御信号でもいい)、周波数が超音波モータの共振周波数範囲内にある。上側トランジスタと下側トランジスタが相補的に導通する。実際に制御する場合、アームにおける上側トランジスタと下側トランジスタが同時に導通しないように、一定の不感時間をさらに設定する必要がある。
2.第一のアーム51の初期位相角は0である(図10A−A)。第二のアーム52は第一のアーム51よりも120度の電気角で遅れる(図10A−B)。第三のアーム53は第二のアーム52よりも120度の電気角で遅れる(図5A−C)。或いは、第二のアーム52、第三のアーム53は順次に第一のアーム51よりも120度の電気角で進む(図示しない)。その結果、超音波モータが逆転する。
3.それぞれ第一のアーム51の中点、第二のアーム52の中点、第三のアーム53の中点から、位相が120度ずれた交流電圧(図10B)が出力され、星形結線とされる。この電圧は直列接続された2つの圧電板を駆動するために必要な振幅を有し、超音波モータの共振周波数範囲内にある周波数を有する。
4. 図7に示すように、給電電圧を希望の電圧値に変換するために、ブリッジ・インバータ回路の前段に昇圧型DC/DCスイッチング回路を設けてもいい。例えば、電池による給電の場合は、昇圧型DC/DCスイッチング回路によって電圧を一定の値に昇圧させる。
さらに、出力波形がより正弦波に近づくように、矩形波制御の代わりに、例えば、SPWM、SVPWMなど各種のPWM制御を採用してもいい。
三相ブリッジ回路で対称三相電圧を出力する構成は、六つのスイッチング素子だけでよく、回路が簡単で、集積化され易くなり、入力電流のバランスが自動的に取れるし、出力トルクの脈動が小さくなるため、市場での実用化が高く期待できるという利点を有する。
伝統的な超音波モータの制御方法、及び上記改良した制御方法では、電源として双極性電源が使用される。つまり、出力電圧が交流電圧である。その結果、その回路を実現するためには、インバータ回路を採用しなければならない。インバータ回路は、八つのトランジスタ(デュアルHブリッジ)又は六つのトランジスタ(三相ブリッジ、二相直交電圧出力)が必要となり、出力周波数が一般的に音声周波数以上であり、例えば、15kHz〜20015kHz。回路におけるインダクタンス、容量など受動素子の動作周波数も上記出力周波数と同じ範囲内である。回路の受動素子の動作周波数をさらに高め、電源の体積を縮小するために、本発明は単極性電源で超音波モータを駆動する方法も提供する。図11に示すように、図3に示す金属内壁を有する圧電超音波モータに対して、同様に++−−という分極方式を採用する。即ち、圧電板112、113、114、115、116、117、118、111が++−−++−−の順に分極化される。圧電板112、114、116、118の一方のアウトレット端子が第一のノードAに接続されるが、もう一方のアウトレット端子が第三のノードCに接続され、圧電板111、113、115、117の一方のアウトレット端子が第二のノードBに接続されるが、もう一方のアウトレット端子も第三のノードCに接続される。第三のノードCが各圧電素子の共通接地端子となる。電源の出力段はデュアル・ハーフ・ブリッジ脈動直流給電方式が採用される。図12に示す回路において、第一のアーム121と第二のアーム122とを備え、これらのアームの出力端子がそれぞれ超音波モータの第一のノードAと第二のノードBに接続される。以下のように各アームを制御する。
1.各アームでは、上側トランジスタに180度などの矩形波制御信号(図13)が用いられる。上側トランジスタと下側トランジスタが相補的に導通する。実際に制御する場合、アームにおける上側トランジスタと下側トランジスタが同時に導通しないように、一定の不感時間をさらに設定する必要がある。
2.第一のアーム121の初期位相角は0であり(図13−A)、第二のアーム122は第一のアーム121よりも90度の電気角で遅れる(図13−B)。或いは、第二のアーム122は第一のアーム121よりも90度の電気角で進む(図示しない)。その結果、超音波モータが逆転する。
3.第一のアーム121の中点又は第二のアーム122の中点と共通接地端子との間のノードから、位相が1/4周期ずれた矩形波の脈動直流電圧を出力する。この電圧は、DC/DCスイッチング回路の出力信号に相当し、超音波モータの共振周波数範囲内にある周波数で脈動する。
4.給電電圧を希望の電圧値に変換するために、デュアル・ハーフ・ブリッジ脈動直流回路の前段に昇圧型DC/DCスイッチング回路を設けてもいい。例えば、図14に示すように、電池による給電の場合は、昇圧型DC/DCスイッチング回路によって電圧を一定の値に昇圧させる。
さらに、脈動直流の出力波形がより正弦波に近づくように、矩形波制御の代わりに、例えば、SPWM、SVPWMなど各種のPWM制御を採用してもいい。
図12に示す回路は、単極性出力であるが、二つの脈動直流出力を得るには四つのトランジスタが使用されている。また、その前段に昇圧型回路が設けられる場合に、昇圧型DC/DCスイッチング回路に少なくとも一つのトランジスタが必要である。結果として、合わせて五つのトランジスタが必要となる。単極回路の動作原理では、一つの直流出力を得るためには少なくとも一つのトランジスタが必要であり、二つの直流出力を得るためには二つのトランジスタが必要である。
図15に示すように、駆動回路が二つの昇圧型DC/DCスイッチング回路に簡略化されている。いずれも同じ周波数であるが位相が1/4周期ずれた脈動直流電圧を出力する。各昇圧型DC/DCスイッチング回路は、一端が電源の入力に接続されるが、もう一端がトランジスタのコレクタとダイオードの陽極との間に接続される一つのインダクタンスと、インダクタンスの出力端子と接地との間に接続される一つのトランジスタと、インダクタンスの出力端子と回路全体の出力端子との間に接続される一つのダイオードと、回路全体の出力端子と接地との間に接続される一つの容量とを備える。ここで、脈動信号を出力するために、更に回路全体の出力端子と接地の間にトランジスタQ3、Q4を接続させ、圧電素子の容量を放電する。
この方法によれば、適切な周辺回路と四つのトランジスタだけで、超音波モータの駆動を実現することができ、また、直流信号が出力されるため、例えば、数百kHzないし数メガHzとトランジスタのスイッチング周波数を大幅に向上することができるため、昇圧型DC/DCスイッチング回路に必要なインダクタンス及び容量を大幅に低減することができるとともに、その体積も小さくすることができることで、駆動回路の小型化、集積化を実現することができる。
特定の場合には、圧電素子を放電するための二つのトランジスタQ3、Q4を省くことができる。この場合は、最も簡略化された図16に示す回路構成を実現できる。
或いは、図17に示す回路のように、各昇圧型回路のトランジスタに一つのダイオードを逆並列接続し、各昇圧型回路のダイオードに一つのトランジスタを逆並列接続してもいい。逆並列接続したトランジスタを制御することで、圧電素子の電気エネルギーの入力電源へ帰還が可能となる。従って、効率を向上することができる。
上記の構成では、通常の交流出力の代わりに、単極性脈動直流電圧で給電することができる。直流信号が出力されるため、例えば、数百kHzないし数メガHzとトランジスタのスイッチング周波数を大幅に向上することができるため、駆動回路の小型化、集積化を実現することができる。
(実施例1)
図3に示すように、本実施例の超音波モータは、中心に丸穴が設けられた固定子31と回転子33とを備える。固定子31は中空の金属柱体によって構成される。固定子31の上に複数の圧電素子32が固定されている。回転子33は光学レンズ組34が内嵌された回転ケーシング33によって構成される。固定子31のボディと回転子33とがネジ35によって互いに係合する。即ち、固定子31の丸穴の内壁にメネジが形成され、これに対応するオネジが回転子33の外表面に形成されており、メネジとオネジは同じピッチと同じ呼び径を有する。固定子31のボディは多面体状又は円柱状の外観を有し、且つ中空内壁を備えている。固定子31は金属材料によって構成されているので、その上に固定された各圧電素子に共通的なノードが形成されるている。ネジの表面に耐摩耗処理が施され、或いは、その表面に耐摩耗材料が塗布された。ネジの断面の形状は、三角形、台形、矩形、凸面などの形状及びこれらの組み合わせであればいい。ネジの線形は、連続的な曲線、断面曲線(Section curve)、又は特定軌跡の曲線であればいい。
図3に示すように、本実施例の超音波モータは、中心に丸穴が設けられた固定子31と回転子33とを備える。固定子31は中空の金属柱体によって構成される。固定子31の上に複数の圧電素子32が固定されている。回転子33は光学レンズ組34が内嵌された回転ケーシング33によって構成される。固定子31のボディと回転子33とがネジ35によって互いに係合する。即ち、固定子31の丸穴の内壁にメネジが形成され、これに対応するオネジが回転子33の外表面に形成されており、メネジとオネジは同じピッチと同じ呼び径を有する。固定子31のボディは多面体状又は円柱状の外観を有し、且つ中空内壁を備えている。固定子31は金属材料によって構成されているので、その上に固定された各圧電素子に共通的なノードが形成されるている。ネジの表面に耐摩耗処理が施され、或いは、その表面に耐摩耗材料が塗布された。ネジの断面の形状は、三角形、台形、矩形、凸面などの形状及びこれらの組み合わせであればいい。ネジの線形は、連続的な曲線、断面曲線(Section curve)、又は特定軌跡の曲線であればいい。
図4に圧電素子の分極方式とその駆動電源の配線形態が示される。圧電板41〜48が++−−++−−の順に分極され、また、図5Bに示す回路の第一のアーム51及び第三のアーム53の中点に接続されるとともに、第二のアーム52の中点に固定子の共通接地端子に接続されると、圧電板が激励されて、固定子に時計回り方向に回転する振動進行波が形成される。当該進行波が摩擦作用によって回転子を回転させる。固定子のネジと回転子のネジが互いに係り合うため、回転子が回転するとともに軸方向に沿って移動する。回転子に内嵌された光学レンズ組がそれに応じて移動し変位するので、焦点距離が調節されるようになる。
本実施例において、図6Aに第一のアーム51、第二のアーム52及び第三のアーム53の制御方式が、図6Bに各圧電素子と共通接地端子の間に印加される電圧UAB 、UCBの実際の波形が、それぞれ示されている。
(実施例2)
実施例2と実施例1との相違点として、駆動電源の回路構成が違う。図7に示すように、給電電圧を昇圧するために、図5Bに示すブリッジインバータ回路の前段に昇圧型DC/DCスイッチング回路が設けられている。例えば、電池で給電する場合には、昇圧型DC/DCスイッチング回路で電圧を一定の電圧値に昇圧させる。
実施例2と実施例1との相違点として、駆動電源の回路構成が違う。図7に示すように、給電電圧を昇圧するために、図5Bに示すブリッジインバータ回路の前段に昇圧型DC/DCスイッチング回路が設けられている。例えば、電池で給電する場合には、昇圧型DC/DCスイッチング回路で電圧を一定の電圧値に昇圧させる。
勿論、給電電圧が電圧素子に必要な駆動電圧よりも高い場合は、同じ原理で降圧型DC/DCスイッチング回路を利用して給電電圧を一定の電圧値に降圧させることができる。
(実施例3)
図8に本実施例の超音波モータが示される。本実施例の構成は、圧電素子の個数が違うこと以外、図3に示す構成と同様である。すなわち、本実施例では六つの圧電素子があるため、三相電源でモータを駆動させることができる。
図8に本実施例の超音波モータが示される。本実施例の構成は、圧電素子の個数が違うこと以外、図3に示す構成と同様である。すなわち、本実施例では六つの圧電素子があるため、三相電源でモータを駆動させることができる。
図9に圧電素子の分極方式とその駆動電源の配線形態が示される。圧電板92〜94、96〜98が全部順方向に分極される。図5Bに示す回路の第一のアーム51、第二のアーム52及び第三のアーム53の中点に順次に接続されると、圧電板が三相電源によって激励されて固定子に時計回り方向に回転する振動進行波が形成される。当該進行波が摩擦作用によって回転子を回転させる。固定子のネジと回転子のネジが互いに係り合うため、回転子が回転するとともに軸方向に沿って移動する。
この実施例では、図10Aに第一のアーム51、第二のアーム52、第三のアーム53の制御方式が、図10Bに各圧電素子と共通接地端子の間に印加される電圧UAB 、UBC、UCAの実際の波形が、それぞれ示されている
(実施例4)
実施例4においても、実施例1の超音波モータを採用し、その圧電素子の分極方式も同じである。図11にその駆動電源の配線形態が示される。図12に示す回路の第一のアーム121と第二のアーム122の中点に順次に接続されるとともに、モータの共通接地端子に電源の接地が接続されると、圧電板が激励されて固定子に時計回り方向に回転する振動進行波が形成される。当該進行波が摩擦作用によって回転子を回転させる。固定子のネジと回転子のネジが互いに係りあうため、回転子が回転するとともに軸方向に沿って移動する。
実施例4においても、実施例1の超音波モータを採用し、その圧電素子の分極方式も同じである。図11にその駆動電源の配線形態が示される。図12に示す回路の第一のアーム121と第二のアーム122の中点に順次に接続されるとともに、モータの共通接地端子に電源の接地が接続されると、圧電板が激励されて固定子に時計回り方向に回転する振動進行波が形成される。当該進行波が摩擦作用によって回転子を回転させる。固定子のネジと回転子のネジが互いに係りあうため、回転子が回転するとともに軸方向に沿って移動する。
この実施例では、図13に、第一のアーム121、第二のアーム122の制御方式が示される。
(実施例5)
実施例5と実施例4の相違点として、駆動電源の回路構成だけが違う。図14に示すように、給電電圧を昇圧するために、図13に示すブリッジインバータ回路の前段に昇圧型DC/DCスイッチング回路が設けられている。例えば、電池で給電する場合には、昇圧型DC/DCスイッチング回路で電圧を一定の電圧値に昇圧させる。
実施例5と実施例4の相違点として、駆動電源の回路構成だけが違う。図14に示すように、給電電圧を昇圧するために、図13に示すブリッジインバータ回路の前段に昇圧型DC/DCスイッチング回路が設けられている。例えば、電池で給電する場合には、昇圧型DC/DCスイッチング回路で電圧を一定の電圧値に昇圧させる。
勿論、給電電圧が電圧素子に必要な駆動電圧よりも高い場合は、同じ原理で降圧型DC/DCスイッチング回路を利用して給電電圧を一定の電圧値に降圧させることができる。
(実施例7)
実施例7においても、実施例1の超音波モータを採用し、その圧電素子の分極方式も同じである。図15にその駆動電源の配線形態が示される。図15に示す回路の出力端子に順次に接続されるとともに、モータの共通接地端子に電源の接地が接続されると、圧電板が激励されて固定子に時計回り方向に回転する振動進行波が形成される。当該進行波が摩擦作用によって回転子を回転させる。固定子のネジと回転子のネジが互いに係りあうため、回転子が回転するとともに軸方向に沿って移動する。
実施例7においても、実施例1の超音波モータを採用し、その圧電素子の分極方式も同じである。図15にその駆動電源の配線形態が示される。図15に示す回路の出力端子に順次に接続されるとともに、モータの共通接地端子に電源の接地が接続されると、圧電板が激励されて固定子に時計回り方向に回転する振動進行波が形成される。当該進行波が摩擦作用によって回転子を回転させる。固定子のネジと回転子のネジが互いに係りあうため、回転子が回転するとともに軸方向に沿って移動する。
(実施例8)
図16に示すように、実施例8と実施例7の相違点としては、駆動電源の回路構成だけが違う。
図16に示すように、実施例8と実施例7の相違点としては、駆動電源の回路構成だけが違う。
(実施例9)
図17に示すように、実施例9と実施例7の相違点としては、駆動電源の回路構成だけが違う。
図17に示すように、実施例9と実施例7の相違点としては、駆動電源の回路構成だけが違う。
Claims (9)
- 超音波モータの駆動方法において、
A、上記超音波モータの圧電素子を二個一組の形でグループ分けし、各組では、第一の圧電素子の一方のアウトレット端子が第一のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子が各圧電素子の共通接地端子としての第二のノードに接続され、第二の圧電素子のアウトレット端子が第三のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子も上記第二のノードに接続され、隣接する各四個の圧電素子が++−−の順に分極化されるようにし、
B、上記超音波モータの上記第一のノードに接続される第一のアームと、上記超音波モータの上記第二のノードに接続される第二のアームと、上記超音波モータの上記第三のノードに接続される第三のアームとを備える三相フル・ブリッジ・インバータ回路を採用し、
C、上側トランジスタと下側トランジスタが各自180度の電気角で導通するとともに相互に対称するように上記第一のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるが逆相波形であるように上記第三のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるが90度の進み角または90度の遅れ角を形成するように上記第二のアームを制御し、
D、上記第一のノードおよび上記第二のノードの間と、上記第三のノードおよび上記第二のノードの間とに対してそれぞれ、上記超音波モータの共振周波数範囲にある周波数を有する、互いに位相差が90度の電気角を為す矩形波交流電圧を印加することを特徴とする超音波モータの駆動方法。 - 上記三相フル・ブリッジ・インバータ回路の前段にDC/DCスイッチング回路を設け、給電電圧の振幅を上記圧電素子に必要な電圧振幅に変換させることを特徴とする請求項1に記載の超音波モータの駆動方法。
- 超音波モータの駆動方法において、
A、上記超音波モータの圧電素子を三個一組の形でグループ分けし、各組では、第一の圧電素子の一方のアウトレット端子が第一のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子が各圧電素子の共通接地端子としての第四のノードに接続され、第二の圧電素子の一方のアウトレット端子が第二のノードに接続され、もう一つのアウトレット端子も上記第四のノードに接続され、第三の圧電素子の一方のアウトレット端子が第三のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子も上記第四のノードに接続され、圧電素子のすべてが正方向に分極化されるようにし、
B、上記超音波モータの上記第一のノードに接続される第一のアームと、上記超音波モータの上記第二のノードに接続される第二のアームと、上記超音波モータの上記第三のノードに接続される第三のアームとを備える三相フル・ブリッジ・インバータ回路を採用し、
C、上側トランジスタと下側トランジスタが各自180度の電気角で導通するとともに相互に対称するように上記第一のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるが120度の進み角または120度の遅れ角を形成するようにように上記第二のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるが240度の進み角または240度の遅れ角を形成するように上記第三のアームを制御し、
D、上記第一のノードおよび上記第二のノードの間と、上記第二のノードおよび上記第三のノードの間と、上記第三のノードおよび上記第一のノードの間とに対してそれぞれ、上記超音波モータの共振周波数範囲にある周波数を有する、互いに位相差が120度の電気角を為す矩形波交流電圧を印加することを特徴とする超音波モータの駆動方法。 - 上記三相フル・ブリッジ・インバータ回路の前段にDC/DCスイッチング回路を設け、給電電圧の振幅を上記圧電素子に必要な電圧振幅に変換させることを特徴とする請求項3に記載の超音波モータの駆動方法。
- 超音波モータの駆動方法において、
A、上記超音波モータの圧電素子を二個一組の形でグループ分けし、各組では、第一の圧電素子の一方のアウトレット端子が第一のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子が各圧電素子の共通接地端子としての第三のノードに接続され、第二の圧電素子の一方のアウトレット端子が第二のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子も上記第三のノードに接続され、隣接する各四個の圧電素子は++−−の順に分極化されるようにし、
B、出力端子が上記超音波モータの上記第一のノードに接続される第一のアームと、出力端子が上記超音波モータの上記第二のノードに接続される第二のアームとを備える、接地が上記超音波モータの上記第三のノードに接続される二つのハーフ・ブリッジ回路を採用し、
C、上側トランジスタと下側トランジスタがそれぞれ一定の導通角で導通するように上記第一のアームを制御し、上記第一のアームの場合と同じ制御波形となるがそれよりも90度の進み角または90度の遅れ角を形成するように上記第二のアームを制御し、
D、位相差が90度の電気角であり、上記超音波モータの共振周波数範囲にある周波数を有する脈動直流電圧を出力することを特徴とする超音波モータの駆動方法。 - 上記2つのハーフ・ブリッジ回路の前段にDC/DCスイッチング回路を設け、給電電圧の振幅を上記圧電素子に必要な電圧振幅に変換させることを特徴とする請求項5に記載の超音波モータの駆動方法。
- 超音波モータの駆動方法において、
A、上記超音波モータの圧電素子を二個一組の形でグループ分けし、各組では、第一の圧電素子の一方のアウトレット端子が第一のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子が各圧電素子の共通接地端子としての第三のノードに接続され、第二の圧電素子の一方のアウトレット端子が第二のノードに接続され、もう一方のアウトレット端子も上記第三のノードに接続され、隣接する各四個の圧電素子が++−−の順で分極化されるようにし、
B、出力が上記超音波モータの上記第一のノードに接続される第一の昇圧型DC/DCスイッチング回路と、出力が上記超音波モータの上記第二のノードに接続される第二の昇圧型DC/DCスイッチング回路とを用いて給電電圧の振幅を必要な電圧振幅に変換させ、
C、上記昇圧型DC/DCスイッチング回路のそれぞれには、一端が電源の入力に接続されるが、もう一端がトランジスタのコレクタとダイオードの陽極との間に接続される一つのインダクタンスと、インダクタンスの出力端子と接地との間に接続される一つのトランジスタと、インダクタンスの出力端子と回路全体の出力端子との間に接続される一つのダイオードとを含ませ、
D、上記第一の昇圧型DC/DCスイッチング回路が一定の脈動周波数で動作し、上記第二の昇圧型DC/DCスイッチング回路が上記第一の昇圧型DC/DCスイッチング回路の場合と同じであるが上記第一の昇圧型DC/DCスイッチング回路の場合よりも1/4周期リードする若しくは遅延する脈動周波数で動作するように制御し、
E、互いに位相が1/4周期ずれ、電圧振幅が昇圧型DC/DCスイッチング回路の出力値となり、上記超音波モータの共振周波数範囲にある脈動周波数を有する二つの脈動直流電圧を出力することを特徴とする超音波モータの駆動方法。 - さらに、各昇圧型DC/DCスイッチング回路の出力端子と接地との間に一つのトランジスタを接続し、
トランジスタが脈動周波数で周期的に圧電素子に対して放電するように制御することを特徴とする請求項7に記載の超音波モータの駆動方法。 - 各昇圧型DC/DCスイッチング回路では、トランジスタに更なるダイオードが逆並列接続されるとともに、ダイオードに更なるトランジスタが逆並列接続されることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の超音波モータの駆動方法。
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