JP2011500022A - 細胞培養物品およびその方法 - Google Patents

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Abstract

開示は、基質と少なくとも基質に付着した結合層と少なくとも結合層に付着した生物学的適合層とを含む細胞培養物品である。生物学的適合層は重合体層の表面酸化から得られている。また、細胞培養物品を作る方法および物品でリガンドのアッセイを実行する方法が開示される。

Description

本出願は、細胞培養物品およびその方法に関し、先に出願した米国出願の利益を請求する。2007年10月10日に出願された米国特許出願第11/973,832号の利益を請求する。本願明細書の内容並びに言及される刊行物、特許および特許文献の全ての開示を引用し、本願明細書に含まれたものとする。
本開示は、表面修飾法、表面改質物品に関し、そしてその物品を使用する診断応用に関する。より具体的には、本開示は、たとえば、培養容器、実験器具などの生物学的製剤のためのホスト容器や、共鳴導波路グレーティング(RWG)バイオセンサなどのバイオセンサにおける細胞培養表面に関する。本開示は、非標識アッセイなどのアッセイを達成するための細胞培養表面改質バイオセンサを製作し使用する方法にも関する。
本開示は、様々な基質上の高い生体親和性を有する薄膜細胞成長表面を作成するために方法を提供する。本開示は表面改質生成物とその表面改質生成物を使用する方法も提供する。
図1は本開示の実施例における表面処理されたマイクロプレートの製法のための典型的な概略図である。 図2は本開示の実施例における測定された表面のフーリエ変換赤外線(FT−IR)スペクトルを重畳したグラフである。 図3Aおよび図3Bは、それぞれ、本開示の実施例における未処置表面およびプラズマ処理表面上で7.5時間培養後のHEK293(ヒト胎児腎臓293)細胞の比較光学顕微鏡の撮像画像である。 図4Aおよび図4Bは本開示の実施例におけるプラズマ処理表面上で培養されたHEK293細胞の顕微鏡の撮像画像である。 図5Aおよび図5Bは本開示の実施例における一晩培養された後の横紋筋肉腫(Rabdomyosarcoma)(RMS13)細胞の比較光学顕微鏡の撮像画像である。 図6A−図6Cは本開示の実施例における3つの異なる表面上で培養されたHEK293細胞のSFLLR−アミド誘導動的質量再分布(DMR)シグナルを示すグラフである。 図7A−図7Cは本開示の実施例における同じプラズマ処理表面上で培養された細胞の3つの異なる型のSFLLR−アミド誘導DMRシグナルを示すグラフである。 図8Aおよび図8Bは本開示の実施例における同じプラズマ処理表面の5つの異なる型上で培養されたRMS13細胞のSFLLR−アミド誘導DMRシグナルを示すグラフである。 図9は本開示の実施例におけるプラズマ処理表面の4つの異なる型上で培養されたCHO−M1細胞のカルバコール−誘導DMRシグナルを示すグラフである。 図10は本開示の実施例における同じプラズマ処理されたが非被覆の表面上で別々に培養された細胞の4つの異なる型のSFLLR−アミド誘導DMRシグナルを示すグラフである。 図11は本開示の実施例における同じプラズマ処理されAPS−被覆表面上で培養された細胞の4つの異なる型のSFLLR−アミド誘導DMRシグナルを示すグラフである。 図12A−図12Cは本開示の実施例におけるSiO2の薄膜を有するNb25RWGバイオセンサ上の様々なスチレン−無水マレイン酸(SMA)重合体の被覆表面のFT−IRスペクトルを示すグラフである。
図面を参照して本開示の様々な実施例について詳細に説明する。様々な実施例に対する基準は本発明の範囲を制限せずに、本発明の範囲は本願明細書に添付の請求項の範囲だけによって、制限される。その上、本明細書に記載されるいかなる例も制限されず、単に特許請求の範囲に記載された発明のためのいくつかの多くの可能な実施例を記載するだけである。
(定義)
「アッセイ」、「分析する」又は同様の用語は、たとえば、リガンド候補化合物又はウイルス粒子、病原体又は同様な実体のような外因性刺激による刺激時における、細胞の光学的又はバイオインピーダンス反応の存在、非存在、量、範囲、速度、動態力学又はタイプを確定するための分析をいう。
「付着する」、「付く」、「固定する」、「接着した」、「接着性の」「不動化した」又は同様の用語は、たとえば、本開示の表面修飾物質、適合化剤、細胞、リガンド候補化合物および同様の主体を、物理吸着、化学的結合および同様のプロセス又はこれらの組み合せによって表面に固定化する又は不動化することを一般的にいう。特に、「細胞付着」、「細胞吸着」又は同様の用語は、表面への細胞の結合又は相互作用を言い、たとえば、培養による、又は、アンカー物質、適合化剤(たとえばフィブロネクチン、コラーゲン、ラミン、ゼラチン、ポリリジン、その他)での相互作用による、又は、両者によるものである。
「付着細胞」は原核又は真核細胞などの細胞又は細胞株又は細胞系を言い、これは基質の外部表面との特定の接触、又は固定化され協働して存続するものである。かかるタイプの培養後の細胞は、洗浄および媒質交換プロセス、多くの細胞ベースアッセイに不可欠なプロセスに耐え又は存続する。「弱い付着細胞」は、細胞培養の間、基質の表面と弱く相互作用する又は会合する又は接触する原核又は真核細胞などの細胞又は細胞株をいう。しかしながら、これらのタイプの細胞、たとえばHEK細胞などは洗浄又は媒質交換などの物理的に阻害する方法によって基質の表面から容易に分離される傾向がある。「懸濁細胞」は、培養の間、基質の表面に付着又は接着せずに、好ましくは媒質中で培養された細胞又は細胞株をいう。管理された条件下で原核か真核細胞のいずれかが成長されるプロセスをいう。「細胞培養」は、多細胞真核細胞、特に動物細胞から誘導される細胞を培養することのみならず、複合組織および臓器を培養することもいう。
「細胞」又は同様の用語は、小さく通常顕微鏡的な半透膜によって外的に結合された原形質の集合体であって、任意に1つ以上の核および様々な他の細胞小器官を含み、単独で、あるいは他の同様の集合体と相互作用して生体の全ての基本的機能を実行でき、合成細胞構成、細胞モデル系および同様の人工細胞系を含む独立して機能しうる最小の生体構造単位を形成するものをいう。
「細胞系」又は同様の用語は、各々が他と相互に作用してそこで生物学的又は生理学的又は病態生理学な機能を実行する1つ以上のタイプの細胞の集合(又は細胞の単一タイプの特異化した形態)をいう。かかる細胞系は、器官、組織、幹細胞、特異化された肝細胞などの系を含む。
「刺激」、「治療候補化合物」、「治療候補物質」、「予防候補物質」、「予防薬剤」、「リガンド候補物質」、「リガンド」又は同様の用語は、バイオセンサに付着した細胞と相互作用する潜在性について重要である、天然の又は合成された分子又は物質をいう。治療又は予防候補物質は、たとえば、化合物、生体分子、ペプチド、タンパク質、生体試料、薬剤候補の小分子、薬剤候補の生物学的分子、薬剤候補の小分子−生物学的分子複合物および同様の物質又は分子実体又はそれらの組み合せを含んでもよく、それらは具体的には、タンパク質、DNA、RNA、イオン、脂質又は同様の生細胞の構造又は成分などの細胞標的又は病原体標的の少なくとも1つと相互作用し又は結合し得る。
「バイオセンサ」又は同様の用語は、生物学的な成分を物理化学的な検出部成分と結合する検体の検出のための装置をいう。当該バイオセンサは、通常、3つの部分、すなわち、生物学的成分又は構成要素(たとえば、細胞標的、組織、微生物、病原体、生細胞又はそれらの組み合わせ)と、検出部構成要素(たとえば光学的、圧電、電気化学的、測熱法的、磁気などの物理化学的な態様で動作する)と、当該両要素と協働するトランスデューサと、から構成されている。たとえば、生物学的成分又は構成要素は生細胞、病原体又はそれらの化合物であり得る。実施例において、光学バイオセンサは、細胞標的、生細胞、病原体、又はそれらの組み合わせにおける分子識別又は分子刺激作用事象を数量化できるシグナルに変換する光学トランスデューサを有していてもよい。
「含む」、「含」は、制限的ではなく含むことを意味する。
「約」は、本開示の実施例を記載する際に用いられ、たとえば組成物の成分の量、濃度、体積、プロセス温度、プロセス時間、収率、流量、圧力、同様の値および同様の範囲を修飾し、たとえば、化合物、組成物、濃度物、使用配合物を作るのに用いられる通常の測定又は取扱処理、これらの処理における偶然誤差や、これらの方法を実行する際に用いられる製造、ソース又は出発物質又は成分の純度の違い、および同様の事項などにおいて生じうる数量の変動をいう。用語「約」はまた、特定の初期濃度又は混合物を有する組成物又は調合物の経年変化による違い、および特定の初期濃度又は混合物を有する組成物又は調合物の混合又は処理による違いを包含する。添付の特許請求の範囲は、「約」の修飾の有無にかかわらずこれらの量の等しい量を含むことを意図する。
実施例における「から本質的になる」は、たとえば、表面組成物、表面組成物を生成又は用いる方法、調合、バイオセンサ表面上の組成、物、装置、又は本開示の装置に対して云い、特許請求の範囲に列挙の要素又はステップ、また組成、物品、装置および本開示の製造又は使用方法の基本的で新規な特性に実質的に影響を及ぼさない他の要素又はステップ、を含むことであり、たとえば特定の反応物、特定の添加物又は成分、特定の薬剤、特定の細胞又は細胞株、特定の表面修飾物質又は状態、特定の適合化剤、特定の細胞又は細胞系、特定のリガンド候補物質、又は同様の構造、物質又は選択されるプロセス変数である。実質的に本開示の要素又はステップの基本的な特性に影響を及ぼしてもよいか、又は望ましくない特性を本開示に与えてもよい項目は、たとえば、プラズマ処理又は紫外線オゾン(UVオゾン「UVO」)処理に重合体表層の過剰又は拡張の暴露を含む。
実施例において、本開示は、固体基質に被覆され又は付着される反応性高分子又は共重合体(たとえば重合体を含んでいるスチレン又はポリスチレン)の薄膜を、細胞付着および細胞成長を促進する表面に、変性するために方法を提供する。たとえば、かかる方法は、プラズマ、UVオゾン又はこれらの組み合わせの流れによる薄膜の化成処理を含む。かかる方法は、しばしばバイオセンサの検出領域の範囲内で、細胞の近い近くのバイオセンサ表面に付着する生細胞を有することができるバイオセンサに基づく細胞アッセイを調製することに特に適している。
細胞付着および細胞成長を制御することは、細胞生物学、生物プロセスおよび細胞ベースアッセイの多くの局面に重要である。細胞は、成形された重合体物質などの材料でできた容器、たとえばシャーレ、マルチウエルミクロタイタープレート、フラスコなど物品の表面にて育成され得る。細胞付着性、細胞成長および結合した生細胞の機能を促進して、アッセイ汚染を最小にするために、これらの表面は一般に組織培養処理され、又は、たとえばマイクロ波チャンバにおいて管理された生育環境下でプラズマ処理される。成形された重合体の容器以外の基質の多くの異なる型は、また、生細胞アッセイを含み、付着、成長、生物的生成などの応用の細胞培養のために使用される。たとえば、これらの基質はガラスで構成され得、又は、他の無機材料はたとえば酸化金属薄膜又は金薄膜などの薄い金属層で構成され得る。組織培養処理(TCT)又はプラズマ処理は、一般的に、細胞培養のためのこれらの基質の僅かな改良へ導くことができる。
実施例において、本開示は、容器など固体基質を適切な重合体の薄膜で被覆して、結果として生じる重合体の薄膜が所望の形態、官能基並びに細胞付着および細胞成長を促進する他の物理的パラメータを示すように、薄膜を改質する方法に提供する。たとえば、重合体薄膜を改質する方法は、たとえばプラズマ酸化流又はUVオゾンなどの酸化培地に、任意の結合層およびその上の反応性薄膜を有する基質を暴露することを含み、又は、同じ結果を達成する同様な修飾方法、たとえば酸化化学薬品又は酸化試薬で薄膜反応性共重合体を処理して所望の酸素を与えられた表面官能性を有する改質表面を生成する方法を、を含む。
本開示は、ガラス、無機基質、成形された重合体基質、無機物もしくは重合体の基質などの基質でも、任意に酸化金属薄膜又は金のような金属薄膜の模様又は無模様の薄膜を有する基質でもいかなるタイプにも広く適用できる。本開示の方法は、たとえばポリスチレンに基づく共重合体のような最適な反応重合体の薄膜を有するいかなる容器基質にも適用できる。この種の重合体は適切な基質又は任意の適切な結合層と結合したものであり、重合体の基質表面への共有結合を可能にして、細胞付着性のための所望の機械的応力を提供して、たとえば、プラズマ流、UVオゾン、化学反応物などの作用物での、この種の薄膜表面の機能的修飾を可能とする。かかる機械的応力は望ましい。なぜならば、たとえばSMA、受動的に吸着されるだけである表面(すなわち、表面への架橋なしで)のような重合体層は容易に洗浄される傾向があるのである。
本開示は、多くの種類の細胞の付着、成長およびアッセイに適している表面を提供し、かかる細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞およびヒト上皮癌腫A431細胞のような強い粘着性細胞、RMS13細胞のような中間体付着細胞および弱い付着細胞、たとえばヒト胎児腎臓(HEK)細胞又は一次細胞を含む。
本開示は、これらのバイオセンサの表面が細胞培養および次の細胞アッセイと互換性を持って敏感に反応するように、バイオセンサの表面を改質する方法を提供する。開示された方法は、たとえば共鳴導波路グレーティングバイオセンサにおいて使用するような酸化金属薄膜表面や、表面プラズモン共鳴(SPR)において使用するようなパターン化されない金表面や、電気バイオインピーダンス系バイオセンサにおいて使用するようなパターン化された金表面に適している。
このように、特許請求の範囲の発明は、ここに定義した細胞培養物品と、ここに定義した細胞培養物品を調製するための方法と、ここに定義したリガンドのアッセイを実行するための方法と、から最適になり、又は本質的になる。
実施例において、本開示は細胞培養物品を提供し、細胞培養物品は、
基質と、
少なくとも基質に付着した結合層と、
少なくとも結合層に付着した生物学的適合層と、を含み、
生物学的適合層は重合体の表面酸化反応生成物からなり、重合体は少なくとも1つの酸化性モノマーからなる。
基質は、たとえば、プラスチック、重合体もしくは共重合体物質、セラミック、ガラス、金属、結晶材料、貴金属もしくは半貴金属、金属もしくは非金属の酸化物、遷移金属又はそれらの組み合せからなることができる。実施例において、結合層は、たとえば、アミノ基、チオール基、水酸基、カルボキシル基、アクリル酸、有機もしくは無機の酸、エステル、無水物、アルデヒド、エポキシドなどの基およびそれらの塩又はそれらの組み合せからなる1つ以上の反応の官能基を含む化合物から得ることができる。結合層を形成するための材料の選出は、基質の性質に依存することができる。たとえば、シランは、酸化された無機基質、たとえばガラス、SiOx−存在基質、TiO2、Nb25およびそれらの混合物又は基質、と協働する優れた結合層であってもよい。金基質が選ばれるときに、チオール化合物は優れた結合層である。ポリリジンのような正に荷電される重合体は、重合体基質が使用されるときに、優れた結合層となり得る。
実施例において、結合層は、たとえば、直鎖又は分枝鎖のアミノシラン、アミノアルコキシシラン、アミノアルキルシラン、アミノアリールシラン、アミノアリールオキシシランなどのシラン類、又はそれらの塩、そして、それらの組み合わせから得られることができる。結合層を形成するために用い得る化合物の具体的な例としては、たとえば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ベータ−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ベータ−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N’−(ベータ−アミノエチル)−3−アミノプロピルメトキシシラン、アミノプロピルシラセスキオキサンなどの化合物およびそれらの組み合わせがあげられる。好適な実施例において、結合層は、たとえば、アミノプロピルシラセスキオキサンであり、表面酸化反応前の重合体は、たとえば、ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)であり、そして、たとえば、基質はマイクロプレート又は顕微鏡スライドであり得る。実施例において、結合層は、たとえば、ポリリジン、ポリエチレンイミンおよび同様な実質的重合体又はそれらの組み合わせであり得る。
実施例において、たとえば、酸化性モノマーは、スチレン、アルキル置換スチレン、ジビニルベンゼン、アルキルビニルエーテル、トリアルキレングリコールアルキルビニルエーテル、アルキレン、アクリルアミド、ピロリジノン、ジアルキルアクリルアミド、オリゴ(アルキレン酸化物)、又は、それらの組み合わせのうちの少なくとも1つからなる。
実施例において、表面酸化反応などのプロセス中に生物学的適合層を生成する重合体は、たとえば、共有結合にて、静電気的に、又は両方にて結合層に付着ができる。重合体は、求核攻撃に影響されやすい少なくとも1つの求電子基を含み得る。実施例において、重合体は少なくとも1つのアミン反応性基を含み得る。実施例において、アミン反応性基は、たとえば、エステル基、エポキシド基、アルデヒド基などの基およびそれらの組み合わせを含み得る。実施例において、アミン反応性基は、無水物基であり得る。重合体は、たとえば、ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)、ポリ(スチレン−マレイン酸)、ポリ(ビニル酢酸塩−無水マレイン酸)、ポリ(無水マレイン酸−alt−メチルビニルエーテル)、ポリ(トリエチレングリコールメチルビニルエーテル−co−無水マレイン酸)、又は、それらの組み合わせの少なくとも1つからなる共重合体からなることができる。或いはまた、重合体は、たとえばグラフト重合体、ブロック重合体、ランダム重合体又はそれらの組み合わせを含むことができ、ここで、重合体は、任意に、無水マレイン酸、マレイン酸のようなモノマーを含むことができ、たとえば、ポリイソプレン−graft−無水マレイン酸、ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−ran−ブチレン)−block−ポリスチレン−graft−無水マレイン酸のような重合体およびそれらの組み合わせを含むことができる。実施例において、好適な重合体は、無水マレイン酸モノマーおよび第1のモノマーからなる共重合体からなる。
実施例において、第1のモノマーは、たとえば無水マレイン酸基の加水分解安定性を改善することができる。第1のモノマーは、また、たとえば生体分子又は細胞の細胞培養物品への非特異の結合を減少することができる。実施例において、第1のモノマー量に関する共重合体の中の無水マレイン酸の量モル%は、たとえば、約5%から約50モル%、約5%からの約45モル%、約5%から約35モル%、約5%からの約25モル%、約5%から約15モル%までと、無水マレイン酸モル百分率の中間量又は重畳量を含んで、設定することができる。実施例において、無水マレイン酸が共重合体のコモノマーとして選ばれる場合、それは、たとえば、第1のモノマーの約50mol%に関して約50mol%から、第1のモノマーの約60mol%に関して約40mol%から、第1のモノマーの約70mol%に関して約30mol%から、第1のモノマーの約80mol%に関して約20mol%から、第1のモノマーの約90mol%に関して約10mol%から選ばれ、中間量又は重畳量を含んで、設定することができる。たとえば、第1のモノマーは、スチレン、メチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ジビニルベンゼン、アクリルアミド、ピロリジノン、ジメチルアクリルアミド、オリゴ(エチレングリコール)、オリゴ(エチレン酸化物物)などの酸化性モノマー、又は、それらの組み合わせのうちの少なくとも1つからなる。たとえば、第1のモノマーは、共重合体の約25モル%から約95モル%、共重合体の約45モル%から約95モル%、共重合体の約65モル%から約95モル%、共重合体の約85モル%から約95モル%までと、第1のモノマー量は中間量又は重畳量を含んで、設定することができる。
実施例において、たとえば、生物学的適合層は、約10Åから約2,000Å、約10Åから約1,500Å、約10Åから約1,250Å、約10Åから約1,000Å、および約10Åから約100Åの厚さを有することができる。実施例において、生物学的適合層を形成する重合体層は、初期に連続であれば、拡大され又は活発な酸化反応プロセスの間に裂開又は分離されてもよく、間隙を含むかほとんど下にある結合層又は基質表面を覆わない領域を含む生物学的適合層を提供してもよい。すなわち、結果として、生物学的適合層は非連続的な層又は薄膜となることがあり得る。同様に、生物学的適合層の非連続的な層又は薄膜は、初期の不連続な重合体層のより大規模でないかより少なくない活発な酸化反応から生じることがあり得る。したがって、裂開された領域又は非連続的層を有する生物学的適合層は、たとえば、約0から約200Åの厚さを有する層を有することができる。実施例において、重合体は、表面酸化反応より前に、約10Åから約2,000Åの厚さを有することができる。
実施例において、必要に応じて、物品は第2の結合層、第2の重合体、又は、両方を、更に含めることができ、第2の結合層は重合体に付着され得、そして、第2の重合体は第2の結合層に付着され得る。第2の結合層は共有結合で第1の重合体に付着され得、そして、第2の重合体は共有結合で第2の結合層に付着され得る。たとえば、第2の結合層は、ポリアミン又はポリオールから、たとえば、エチレンジアミン、エチレングリコール又はオリゴエチレングリコールジアミン、ジアミン、トリアミン、テトラアミンなどの化合物又はそれらの組み合わせから、得られることができる。実施例において、たとえば、第2の重合体は、少なくとも1つのアミン反応性基であり得、たとえば、エステル基、エポキシド基又はアルデヒド基、無水物基又はそれらの組み合わせであり得る。第2の結合層の化合物は、共有結合的に、静電気的に、又は両方にて、第1の重合体に付着でき、そして、第2の重合体は、共有結合的に、静電気的に、又は両方にて、第2の結合層の化合物に付着できる。たとえば、第2の結合層の化合物は、ポリアミン、ポリオール、又は同類化合物、又はこれらの組み合わせであり得る。第2の結合層の化合物は、たとえば、ジアミン、トリアミン、テトラアミン、又は同類化合物、又はこれらの組み合わせであり得る。第2の重合体は、たとえば、少なくとも1つの無水物基であり得る。
第2の重合体は、たとえば、無水マレイン酸から得られ、又は誘導されたマレイン酸樹脂(polymaleic anhydride)又は共重合体であり得る。
実施例において、必要に応じて、物品は生物学的適合層と結合する生体材料を更に含めることができる。生体材料又は生物物質は、たとえば、共有結合して生物学的適合層に付着され、静電気的に生物学的適合層又は両方に付着され得る。実施例において、生体材料は、たとえば、自然もしくは合成のオリゴヌクレオチド、自然もしくは改質/抑止されたヌクレオチド/ヌクレオシド、核酸(DNA)もしくは(RNA)、自然もしくは改質/抑止されたアミノ酸からなるペプチド、抗体、ハプテン、生物学的リガンド、タンパク質メンブレン、脂質メンブレン、タンパク質、小分子、細胞、および同様な実体、又はそれらの組み合わせであり得る。たとえば、タンパク質はペプチド、タンパク質もしくはペプチドの断片、膜結合タンパク質又は核タンパク質であり得る。
実施例において、本開示は例示され上記した細胞培養物品を調製する方法を提供し、当該方法は、付着した結合層を有する基質と、結合層に付着しかつ少なくとも1つの酸化性モノマーを含む重合体層とを用意するステップと、重合体層の表面を酸化して生物学的適合層を基質上に形成するステップと、を含む。重合体の表面の酸化するステップは、たとえば、重合体の表面をUVオゾン、プラズマ又は両方に或る時間、接触するステップを含むことができる。暴露時間は、実験的に直ちに決定されることができ、たとえば、材料選択、物質的な厚さ(選ばれる酸化培地およびその濃度および表面への近接距離に応じて考慮して決定することができる。プラズマは概してイオン、原子、オゾンおよび原子力および分子状酸素および電子の準安定生物種を含み、そして、重合体の酸化炭化水素部分と相互に作用して重合体の表面上の官能性のある酸素を生成する。加えて、又は代わりに、酸素存在において、紫外線にて重合体薄膜の表面を照射することにより、表面上の光化学酸化反応を誘導し、官能性を含んでいる酸素の含量を増加させ、たとえば、C−H又は−CH=CH−成分を減少させることができる。
実施例において、本開示の物品又は調製方法は、生物学的適合層と結合する生体材料を更に含むことができる。生体材料は、たとえば、約1時間以下から、約0.5時間以下から、そして、約0.1時間以下からでも充分な量を物品に付着できる。たとえば、生体材料は生体材料の等電点の下において約0.5pHから1pHのまでの或るpHにて物品に付着できる。
実施例において、たとえば、追加の物品局面又は調製ステップは、遮断薬を生物学的適合層に付着させるステップを含むことができる。たとえば、遮断薬は正に荷電される化合物、たとえば正に荷電されるデキストラン、からなることができ、より詳しくはジエチルアミノエチルデキストランである。遮断薬は、重合体を酸化した前に、又は好ましくは、後に物品と結合されることができる。
実施例において、本開示はリガンドのアッセイを実行する方法を提供し、当該方法は、少なくとも1つの請求項1の物品を含みかつ生物学的適合層と結合される生体材料を有するバイオセンサに、リガンドを接触させて、リガンドが生体材料に結合するようにするステップと、バイオセンサで生体材料のリガンド誘導応答を検出するステップと、を含む。
実施例において、本開示は、生細胞でリガンドのアッセイを実行する方法を提供し、当該方法は、
ここで例示され記載されているような改質表面を有する細胞培養物品の少なくとも1つを含んでいるバイオセンサを用意するステップと、
バイオセンサで細胞を培養して、細胞を細胞培養物品の改質表面へ、改質表面中に、改質表面上に付着させ、又は、改質表面に会合させるステップと、
付着した細胞を有するバイオセンサに、リガンドを有する溶液を接触させて、細胞と会合した表面とリガンドが反応するようにするステップと、
バイオセンサで細胞のリガンド誘導応答を検出するステップと、を含む。実施例において、たとえば相互に作用しているリガンドは、生物学的適合層と会合する生体材料に相補性のある実体、たとえば、刺激、治療化合物、治療候補物質、予防候補物質、予防薬剤、化学化合物、生体分子、ペプチド、タンパク質、生体試料、薬剤候補物質小分子、薬剤候補物質生物学的分子、薬剤候補物質小分子−生物学的接合体、病原体又はこれらの組み合わせを、含むことができる。実施例において、結合したリガンドは、共鳴導波路グレーティング(RWG)系、表面プラスモン共振(SPR)、インピーダンス、質量スペクトル分析などの光学バイオセンサを含むいかなる適切な方法、たとえば蛍光法、標識独立検査法などにもよって検出されることができる。
ここで用いられる不定冠詞「a」又は「an」、およびその対応する定冠詞「the」は、特定されない限り、少なくとも1つ又は1つ以上を意味する。
従来技術における当業者にとって周知である略語、たとえば、「h」又は「hr」は時間、「g」又は「gm」はグラム、「mL」はミリリットル、「RT」は室温、「nm」はナノメートル、および同様の略語、が用いられている。
開示された構成要素、成分、添加物、細胞タイプ、抗体、又は同様の態様、およびそれらの範囲のために特定値又は好ましい値は説明のみのためであり、定められた範囲内の他の値又は他の定められた値を除外するものではない。本開示の組成、装置および方法は、ここに記載されている値、特定の値、より特定の値および好ましい値のいかなる値又はいずれかの組み合せを有するものを含む。
(バイオセンサベース細胞アッセイおよびバイオセンサ基質)
非標識細胞ベースアッセイは、一般に、生細胞のリガンド誘導応答をモニタするためにバイオセンサを採用している。バイオセンサは概して、光学的、電気的、熱量計的、音響的又は磁気的なトランスデューサのような変換器を利用して、細胞層の分子識別事象又はリガンド誘導変化を計量的シグナルに変換している。本開示では、ほとんどすべてのバイオセンサ表面の型に適用できが、RWGバイオセンサおよび電気バイオセンサだけを例示している。
(RWGバイオセンサ)
RWGバイオセンサは、基質(たとえばガラス)と包埋された格子構造を有する導波路薄膜と細胞層とからなる。RWGバイオセンサは、溶液−表面界面での全反射を導き界面で順に電磁場を生成する回折格子による導波路への光の共鳴結合を利用している。この電磁場は実際においてエバネセントであり、それはセンサー表面から指数的に減衰することを意味する。それがその初期値の1/eに減衰する距離は、貫入深度として公知であり、特定のRWGバイオセンサ設計の要因であるが、約200ナノメートル程度で概して動いている。この種のバイオセンサは、センサー表面で、又はその近くで、細胞層のリガンド誘導変化を特徴づけるためにこの種のエバネセント波を利用する。
(電気バイオセンサ)
電気バイオセンサは、基質(たとえば、プラスチック)と電極と細胞層とからなる。この電気検出法において、細胞は基質上へ配列される小さい金電極にて培養され、システムの電気インピーダンスは時間に従う。インピーダンスは、細胞層の導電率の変化の測定量である。一般的に、固定された振動数又は様々な振動数での小さい一定電圧は電極又は電極アレイに印加され、そして、回路による電流は時間を通じてモニタされる。電流におけるリガンド誘導変化は、細胞応答の計測量を提供する。全細胞センシングためのインピーダンス計測の応用法は最初に1984年に実現された。それ以来、インピーダンスに基づく計測は、細胞接着および拡散移動を含む広範囲にわたる細胞現象、細胞微動、細胞形態学的変化および細胞死を研究するために適用された。古典的なインピーダンスシステムは、小さい検出電極および大きい基準電極の使用のために、高いアッセイ変動性を起こしている。かかる変動性を克服するために、最新の生まれたシステムたとえばCellKeyシステム (MDS Sciex, South San Francisco, CA) およびRT-CES(ACEA Biosciences Inc., San Diego, CA)では、微小電極アレイを有する集積回路を利用している。
(RWGバイオセンサでのGPCR活性化の光学シグナル)
細胞は比較的大きい寸法、一般的に何十マイクロメートルを有する動的対象物である。RWGバイオセンサは、エバネセント波の貫入深度によって決定される細胞の底部分の範囲内でリガンド誘導変化の検出を可能にする。さらに、光学バイオセンサの空間分解能は、入射光のスポット大きさ(約100マイクロメートル)によって決定される。このように、非常に集密的な細胞層が、最適のアッセイ結果を達成するために一般に使用される。そして、基質、導波路薄膜および細胞層からなるセンサー配位は、3層導波路複合体として見ることができる。細胞生物物理学と合同した3層導波路バイオセンサ理論に従って、我々は全細胞センシングに対し有効屈折率におけるリガンド誘導変化(検出シグナルΔN)が以下に支配されることを知見した。
Figure 2011500022
ここで、S(C)は細胞層に対する感度である、そしてΔncはバイオセンサによって検出される細胞層の局所的屈折率のリガンド誘導変化である。ΔZcは細胞層内への貫入深度であり、αは特定の比屈折率増分(タンパク質に対して約0.18/mL/g)、ziは質量再分布が生ずる距離、dは細胞層内のスライスの仮想上の厚さである。ここで、細胞層は垂直方向に等しい間隔のスライスに分割されている。我々は、検出シグナルが、第1にとって、細胞層の底部分の屈折率の変化Δncに正比例すると仮定した。細胞内の所定の体積の屈折率が生体分子、主にタンパク質の濃度によって主に決定されるとすると、Δncは検知体積内での細胞標的又は分子集合体の局所的濃度の変化に正比例する。荷重因子exp(−zi/ΔZc)は、起こっている局所的タンパク質濃度の変化を考慮して、エバネセント波の指数的に減衰する特性を考慮する。このように、検出シグナルは、全体的な反応への不平等の寄与を有する各距離で、センサー表面から離れ点での個別距離で起こっている質量再分布の合計である。式(1)は、局所タンパク質濃度のいかなる変化並びにそれが起こる場所および時の結果として、RWGバイオセンサでの検出シグナルが鉛直の質量再分布に主に反応することを示唆するそして。検出シグナルは、動的質量再分布(DMR)シグナルとよく称される。
細胞シグナリングは、概して一連の空間的で一時性の事象からなる規則正しくて管理された態様でを続行する。たとえば、Gタンパク質結合受容体(GPCR)活性化は一連の空間的で一時性の事象を導き、リガンド結合、受容体活性化、タンパク質補充、受容体インターナリゼーションおよびリサイクル、第2のメッセンジャ交代、細胞骨格リモデリング、遺伝子形質発現、細胞接着変化、並びに、同様の事象を含む。各々の細胞の事象は、そのキネティクス、持続期間、振幅および集団移動に関してそれ自身の形質を有する。このように、それらが起こる位置に従い、これらの細胞の事象が全体的なDMRシグナルとは異なって寄与し得ると合理的に仮定される。様々なGPCRsを目標としているアゴニストのパネルを使用して、我々はヒト表皮癌A431細胞において媒介となるシグナリング経路を反映するDMRシグナルの3つのクラスを識別した。受容体が結合されるGタンパク質に従って、各々がGPCRsのクラスの活性化に相互関連するので、得られたDMRシグナルは、それぞれ、Gq−、Gs−およびGi−DMRシグナルという名前をつけられた。DMRシグナルの各々のクラスは、GPCRsの異なるクラスによって媒介されるユニークなシグナリング統合を反映する別個の動態学的および動力学特性を呈する。DMRシグナルのユニークな形質は、孤児(orphan)GPCRsのGタンパク質共役機構を識別するために使用できる。
(GPCR活性化のバイオインピーダンスシグナル)
典型的インピーダンスに基づく細胞アッセイにおいて、細胞は培養ウエルの底に配列される金電極と接触して導かれている。センサシステムの全体のインピーダンスは、バイオセンサを囲んでいるイオン生育環境によって、主に決定される。電界印加下で、イオンは電界方向運動および濃度勾配駆動拡散を受ける。全細胞センシングのために全体の電気インピーダンスは、電解質溶液の抵抗、細胞のインピーダンス、電極/溶液表面でのインピーダンスおよび電極/細胞表面でのインピーダンスの4成分を有する。加えて、細胞のインピーダンスは、抵抗およびリアクタンスの2つの成分からなる。細胞イオン強度の伝導特性は電気抵抗の成分を提供するが、部分コンデンサとして作用する細胞膜は振動数に依存する反応成分に寄与する。このように、全体のインピーダンスは、細胞生存率、細胞集密度、細胞数、細胞形態、細胞接着の程度、イオン環境、細胞内の含水量および検出振動数を含む多数因子の関数である。
RT−CESシステムで、適用されるこの小さい電圧の百分率は、細胞内部に結合される。細胞に印加される斯かるシグナルは、典型的哺乳動物細胞の静止膜電位より非常に小さいと考えられ、よって、細胞機能に対し最小すなわち障害ではない。RT−CESシステムは、これらのインピーダンスの変化を測定して、細胞インデックスと呼ばれているパラメータとして、それを表示する。細胞インデックス(CI)は、式(2)によって算出される。
Figure 2011500022
ここで、Nがインピーダンスが測定されたある周波数点の数(たとえば、10kHz、25kHzおよび50kHzではN=3)であり、および、R0(f)およびRcell(f)はウエルに細胞が存在しないときおよび存在するときの振動数電極抵抗である。
CellKeyシステムにおいて、センサシステムのインピーダンスの変化は、受容体刺激に応答して起こる細胞層の複素インピーダンス(デルタZ又はdZ)の変化であると考える。低周波において印加される小さい電圧は、層において個別細胞周りに流れる細胞外電流(iec)を誘導する。しかし、イオンチャネルにより細胞膜を通る伝導電流も、低い計測振動数で重要であるかもしれない。高振動数で、それらは細胞膜を通るトランス細胞電流(itc)を誘導する。オームの法則によって記載されているように、各々のウエルの測定された電流に対する印加電圧の比はそのインピーダンス(Z)である。
細胞が刺激たとえば受容体リガンドにさらされるとき、シグナル伝達現象は活性化されて、たとえば細胞粘着、細胞形状および体積、および細胞対細胞相互作用の変化を生じせしめるアクチン細胞骨格の調節のような複合細胞現象を導く。これらの細胞変化は個々に又は集合的に細胞外電流およびトランス細胞電流の流れに影響を及ぼし、したがって、測定されたインピーダンスの大きさおよび形質に影響を及ぼす。図4は、受容体が連結されるGタンパク質に従う、GPCRsの3種類の3つのクラスの活性化で媒介されるインピーダンスシグナルを示す。プロフィールは、CellKeyシステムを使用して得られる。同様のプロフィールは、また、RT−CESシステムを使用して記録された。これらのインピーダンスシグナルは、GPCRsの異なるクラスの活性化に応答して、インピーダンスによって測定される、細胞のパラメータに影響を及ぼすアクチン細胞骨格に対する異なる影響によると考えられる。GqおよびGiGPCRsの活性化が増加するアクチン重合に至ることが示され、その一方で、GsGPCRsの刺激作用はアクチン解重合に至る。
(実験)
Corning(登録商標)Epic(登録商標)システムは細胞ベース医薬品発見のための非標識高スループットスクリーニング用の道具を提供している。実施例において、Epic(登録商標)システムは生物学的スクリーニング学会(SBS)標準の384−ウエルマイクロプレートフォーマットを使用することができ、それによって生細胞がマイクロプレート表面上にて直接培養される。様々なマイクロプレート表面が、適当な細胞付着および成長を支持するために開発されている。たとえば、形質転換細胞株(チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、A431細胞、ヒーラー細胞、Cos7細胞を含んでいる)およびヒト繊維芽細胞細胞を含んでいる一次細胞などの適度な粘着性細胞に対して、たとえばSiOx、TiO2およびシリコン硝酸塩を含む無機表面材料がよく実行されている。HEK293細胞および若干操作されたCHO細胞などの弱い付着細胞に対して、細胞付着を促進することで知られているたとえばゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、フィブロネクチンタンパク質分解性断片、コラーゲンなどの生物材料で修飾されたマイクロプレート表面が、細胞付着、増殖の支持と強い細胞アッセイにおいて無機表面を超える有意な改善が示されている(2007年2月28日に出願の米国特許出願第60/904,129号「バイオセンサアッセイのための表面および方法(Surfaces and Methods for Biosensor Cellular Assays)」にて説明されているように)。しかしながら、これらのバイオ重合体被覆も様々な細胞株での多様性の特定のレベルを示している。被覆の限られた安定度、細胞生物学上のこれらの細胞外マトリックスの潜在的不意の衝撃および被覆のコストは、利用できる技術と関係する重要な関心事である。したがって、弱い付着細胞を含む広範囲の細胞型のための適当な細胞付着を支持する強い細胞アッセイの合成表面の開発が、非標識バイオセンサベース細胞アッセイなどのバイオセンサシステムにおいて望まれている。この種の合成表面は、バイオセンサアッセイシステムおよび培養システムのための改善された能力および応用拡張を提供できる。
Corning(登録商標)CellBIND(登録商標)表面(組織培養容器のための特許を受けた(米国特許第6,617,152号)プラズマ表面処理)が弱い付着細胞に対して付着を支持することは知られている。CellBIND(登録商標)プロセスの間、高反応性表面プラズマは嵩ポリスチレン基質の表面と化学反応して、細胞付着性および伸展に求められる所望の表面粗さおよび親水性特性を生成する。CellBIND(登録商標)プロセスは、培養表面を処理するためのマイクロ波供与源を使用する。プロセスは相当量の酸素を細胞培養表面に組み込むことによって細胞付着性を改良して、それによって少なくとも細胞培養表面がより親水性なり表面安定度を高める。Corning(登録商標)CellBIND(登録商標)表面、特性、仕様書、応用などの情報は、たとえば、「Corning(登録商標)CellBIND(登録商標)表面。強化された細胞付着のための改善表面。テクニカルレポート」も記載されている(www.corning.com参照)。
実施例において、本開示は、たとえば、Epic(登録商標)マイクロプレート表面上に高い酸素化表面を提供する。表面改質マイクロプレートは、たとえば、標準組織培養処理表面である標準表面と比較した弱い付着細胞(HEK293)および中間体付着細胞(RMS13)に対し、改善した細胞付着特性および改善した細胞拡張特性を有することが示されている。
(細胞培養およびアッセイのための容器基質)
細胞培養およびアッセイに使用される容器基質には、多くの種類の基質があり、たとえば、スライド、シャーレ、マルチウエルミクロタイタープレート(たとえば4−ウエル、6ウエル、96ウエル、384−ウエル、1,536−ウエル、その他)、フラスコ、ローラーボトルを含む。培養細胞の使用に従って、容器基質の異なる構成は要求される。たとえば、一般の細胞生物学研究のために、細胞はスライド、シャーレ又は低ウエル数のマルチウエルミクロタイタープレート上で好ましく培養される。しかしながら、細胞アッセイ、特に高スループット又は高含量のスクリーニングに対して、細胞は、高ウエル数(たとえば96ウエル、384−ウエル又は1,536−ウエル)を有するマルチウエルマイクロタイタープレートにおいて、好ましくは培養される。バイオプロセス応用のために、細胞はフラスコ又はローラーボトルにおいて、好ましくは培養される。多くの細胞培養の容器は概して重合体物質からなり、組織培養処理又はプラズマ処理によって一般に前もって処理される。
本開示の方法は、プラズマ又はUVオゾンなどの酸処理に続く、たとえば共重合体を含んでいるポリスチレン重合体などの薄膜で容器を被覆することによって容器基質を改質するために使用され、結果として生じる酸化された表面は細胞付着、成長を促進し、細胞の活性のアッセイを可能とする。たとえば共重合体を含んでいるポリスチレンなどの重合体薄膜は、他の適切な官能基を含むことができ、たとえば、無水物(たとえばマレイン酸)、エポキシ、カルボキシ、カルボン酸エステル、ヒドロキシル、アミン、チオールなどの官能基を含むことができ、これらは、たとえば共有結合的相互作用、電荷−電荷相互作用などの相互作用又はそれらの組み合わせを介しての容器表面への付着のために直ちに利用できるものである。またさらに、容器表面は結合層によって修正されることができ、結合層が共有結合で容器表面に連結され、同時に、官能基を現し、これが、たとえば、ポリスチレンなどの酸化性モノマー単位を含んでいる重合体又は共重合体などのような適切な重合体への相互作用および付着を可能にしている。スチレンなどの酸化性モノマー単位の存在は、プラズマ又はUVオゾンの流れによる処理において、重合体薄膜の酸化反応および酸素表面種の増加を可能にする。重合体の無水物基は、アミン提示結合層と相互に作用して、重合体を表面に定着させる。酸化された重合体は、強化された培養特性のための細胞と相互作用の可能な点を提供することができる。
本開示は、基質(たとえばEpic(登録商標)マイクロプレートのようなバイオセンサミクロタイタープレート上のCellBIND(登録商標)のような表面)上の生細胞互換性を持つ薄膜又は層表面を生成するために方法を提供する。この種のマイクロプレート表面は、細胞株の広い範囲に適当な細胞付着および成長を可能にし、更にバイオセンサを使用している強い細胞ベースアッセイをも可能にする。開示された表面改質マイクロプレートの観察された性能は、嵩改質表面に匹敵した。この材料および開示の方法は、特に弱い付着細胞およびいくつかのいわゆるむずかしい細胞株を有するアッセイ仕事および調査の実験にかなり適している。
図1は、開示のSMA重合体提示バイオセンサマイクロプレートの酸化された表面の製法の概略図である。バイオセンサマイクロプレートの各々のウエルは、包埋されたバイオセンサを有することができる。バイオセンサは、ガラス下層基質、Nb25のような高い屈折率材料でできている導波路薄膜および導波路薄膜に積層されたSiO2の薄膜からなる。導波路薄膜は、包埋された周期性の格子構造を有する。マイクロプレート(たとえば予備洗浄加工とUV/オゾン予備殺菌処理によって前もって清潔な市販のEpic(登録商標)マイクロプレート)のSiO2表面は、10分間、5%のアミノプロピルシラセスキオキサン(APS)水溶液で処理され、アミン提示表面を有するマイクロプレートを作成した。結果として得られたマイクロプレートは、APSの過剰を除去するために水およびエチルアルコールによって急速に洗浄された。被覆プレートはそれから1.5時間の55℃で硬化させ、そして、エチルアルコールを有する追加の洗浄が続いた。被覆マイクロプレートはそれから脱水機にかけられ、その後、減圧乾燥された。重合体のAPSはシラン化学反応により、SiO2表面又は比較表面上に共有結合で結合又は固定される。結果として生じるAPS層は、結合層として作用する。
それからスチレン/無水マレイン酸(SMA)の共重合体は、アミン提示マイクロプレート表面に共有結合で付着して、ポリスチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA)被覆マイクロプレートが得られた。ここで、示されたSMA共重合体は、たとえば、表1に示すような、約10mg/mLの濃度で適当な溶剤に溶かされそれから被覆された。SMA共重合体は、シグマ−オールドリッチから入手可能である。
Figure 2011500022
* MPAは、1−メトキシ−2−プロパノール酢酸塩(CH3−CH(−OAc)−CH3)。製剤は、完全可溶化のための大規模な加熱/音波処理が必要であろう。
各々の重合体溶液は、所望の被覆濃度、50μg/mL又は200μg/mLまで更に希釈され、APS−表面被覆プレート上の固定されたアミノ基に約1時間、接触されて、化学反応させた。プレートが溶剤およびエチルアルコールによって広く洗浄され非付着の重合体も除去した後に、SMA−被覆プレートは乾燥され、たとえば酸化されたSMA表面を形成するプラズマ処理の重合体表面酸化処理が実行された。又は、SMA被覆は、たとえば浸漬塗装、ドローバー被覆、スピンコーテング、化学蒸着などの被覆方法又はそれらの組み合わせを使用しても適用できる。上述の層ごとの逐次的な被覆方法(すなわち、APSを基質に適用して、そしてSMA又は同様な重合体をAPS被覆基質に適用して、それからAPS被覆基質上に被覆したSMA又は同様な重合体の酸化表面処理を行う)は、洗浄に関して、結合層を有さない基質表面上のSMA重合体の受動的な吸着によって調製された表面被覆と匹敵した、優れた安定度を有する表面被覆を提供することができる。たとえば、結合層(たとえばAPS被覆)基質へのSMAなどの重合体の類の共有結合的付着は、SMAおよびAPS層間の電荷相互作用によって、強化された安定度を提供することができる。結果として生じる処理されたプレートはここで開示されるように表面酸化処理が施され、たとえば、生細胞又は同様の材料との相互作用を利用できるSMA外側の最上部層の酸化表面を有する表面改質マイクロプレートが提供できた。
図2は、本開示のFT−IRスペクトルを重畳したグラフであり、SMA(200)と、様々な時間でのUVオゾン改質SMAであって、1分(205)と、3分(210)と、
7分(215)と、14分(220)と、比較CellBIND(登録商標)処理表面(225)とのスペクトルを含む。
たとえば、開示の酸化された重合体表面は、SMA表面のUV/オゾン処理によってでも達成されることができる。ガラス製の顕微鏡スライドは、まず、10分間、5%のAPS溶液で被覆された。スライドは、水で洗浄されそしてエチルアルコールによって洗浄され、窒素流下で乾燥された。SMA(ポリスチレン−alt−無水マレイン酸部分メチルエステル;Mw約350,000)溶液は、10mg/mLの濃度で、無水N−メチルピロリジノン(NMP)でのSMA重合体の溶解によって調製された。NMP中のSMAは、それから2mg/mLの最終的なSMA溶液濃度を作るために無水IPAにおいて薄められた。APS被覆スライドはそれから10分間、2mg/mLのSMA溶液において浸漬され、そして、それからSMA溶液から出されて、エチルアルコールによって洗浄された。スライドは、それから偏光変調赤外反射吸収分光器Polarization Modulation Infrared Reflection Absorption Spectroscopy (PM-FTIRRAS)によって分析され、SMA表面のためのベースライン計測(図2(曲線200))を得た。SMA表面がUVオゾン処理されるときに、表面からの無水マレイン酸部分の減失は1857cm-1および1783cm-1で、バンド強度の減少によって観察された(図2、曲線205、210および215)。起因している芳香族性の減失が、また、1495cm-1および1445cm-1でスペクトルのバンドの減少に対応するスチレン基の削減にあった。1750cm-1および−1700cm-1からのバンド強度の増加は、重合体表面でカルボニルおよびカルボキシレート基の発生を示した。脱プロトンされたカルボキシレート基の増加は、1695cm-1−1550cm-1で観察される肩部を引き起こした。理論によって制限されないにもかかわらず、これらの吸収バンドはそれほど広いので、カルボニルおよびカルボン酸エステルのための分子的生育環境の広い分配がたぶんあると考えられる。最後に、アルコールのO−H変形を表した1500cm-1−1300cm-1から、広いバンドの発生が、あった。14分のUV/オゾン処理を使用して得られた酸化されたSMA表面は、ほとんどむきだしのガラススライド(データは示されない)と同一のFTIR抗菌スペクトル(220)を引き起こし、そして、14分間のUV/オゾン処理がガラス基質から全てのSMA被覆を除去することを示唆した。しかし、7分のUV/オゾン処理を使用して得られた酸化されたSMA表面は、標準のCellBIND(登録商標)嵩ポリスチレンマイクロプレート表面(225)のそれと同様のFTIR抗菌スペクトル(215)に至った。にもかかわらず、これらの結果は、その所定の適当な強度および時間で、UV/オゾン処理はSMA提示表面酸化を生ぜしめることができ、化学組成および細胞培養特性において、これらの表面が標準のCellBIND(登録商標)ポリスチレン表面によく類似することを示唆する。
図3A−図3Bは、プラズマ処理表面上の7.5時間培養後のHEK293細胞の光学顕微鏡の撮影像(10x)である。図3Bに示すように、HEK293細胞は、プラズマ処理されたSMAポリ(スチレン−co−無水マレイン酸))表面上のよく伸展の状態を、(プラズマ上のそれらと比較した表面は、むきだしのガラス基質(すなわちAPS被覆も無くSMA重合体被覆も無いガラス基質のプラズマ処理)(図3A)にプラズマ処理したものと匹敵する程度で、示した。これは、UVオゾンプラズマ処理に従った全てのEpic(登録商標)マイクロプレートの多くのスライスのうちの1つであった。
図4Aおよび図4Bはプラズマ処理された表面上のHEK293細胞の一晩培養の光学顕微鏡の撮影像(10x)を示す。図4AはHEK293細胞のものであり、プラズマ処理SMA表面にて一晩培養の後の正常な形態および期待される細胞集密度を示し、ここで、SMAはポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)部分イソオクチルエステルクメン末端である。図4Bは、同じ単層が緩衝溶液(すなわち20mMのHEPESを有するハンクス−均衡塩類溶液(HBSS))での典型的洗浄に耐えることができることを証明している。
細胞付着、伸展および増殖を支持するプラズマ処理SMA表面の機能は、384−ウエルEpic(登録商標)マイクロプレートにおいて評価された。HEK293細胞は、プラズマ処理SMA表面(S2)(図3B)上のより良い伸展を、プラズマ処理非被覆表面(図3A)のものと匹敵する程度で、示した。HEK293の一晩培養は、典型的TCTフラスコ(データは示されない)によって観察したところ、プラズマ処理SMA表面(図4A)上の正しい形態を示している。細胞は正常な速度で成長して、プラズマ処理SMA表面(S5)(図4A)上の一晩の後、細胞集密度に到達し、そして、それは標準のEpic(登録商標)マイクロプレート表面およびTCTフラスコの性能と整合していた。しかしながら、HEK293細胞は、標準Epic(登録商標)マイクロプレート表面の場合よりも非常によくプラズマ処理SMA表面に付着するようであり、そのことはプラズマ処理SMA(S5)表面(図4A)上細胞単層によって示され、これは市販のTCTマイクロプレート上で培養されたHEK293細胞の挙動と整合していた。しかしながら、HEK293細胞は、これらTCTマイクロプレート表面の場合よりも非常によくプラズマ処理SMA表面に付着するようであり、そのことはHBSS緩衝液を有する大規模な洗浄の後、プラズマ処理SMA(S5)表面上の無損傷の細胞単層によって指示しされていた(図4B)。
HEK細胞は、通常HEK293細胞の弱い着生の素質を原因として生じるので、標準のTCT表面上での洗浄の同じ型を存続させることができない。図4Aは洗浄前に単層を示すが、図4Bは洗浄後の同じ単層位置を示す。
4つの他の細胞株も調査され、それらは、CHO−K1、ラットムスカリン受容器亜型1(CHO−M1)を安定して表している設計されたCHO細胞株、A431およびRMS13細胞を含む。それら全ては、様々なレベルで改良された付着および伸展を示した。図5Aおよび図5Bはプラズマ処理された表面上のRMS13細胞の一晩培養又は16時間培養の光学顕微鏡の撮影像を示す。図5Aにおいて、RMS13細胞は、プラズマ処理SMA表面、すなわち、部分イソオクチルエステルおよびクメン末端含量を有している酸化したポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)のSMA表面、にて一晩培養の後の正常な形態および期待される細胞集密度を示す。図5Bにおいて、単層(10x拡大での像)は強いことを証明されて、洗浄の後、無損傷のまま残り、これらのTCTマイクロプレート表面上のRMS13細胞に匹敵した。
3つの他の細胞株はまた、研究において試験され、それらはCHO−K1、CHO−M1およびRMS13を含んだ。それら全ては、様々なレベルで改善された付着および伸展を示した。図5Aにおいて、RMS13細胞は、プラズマ処理SMA表面(S5)上の一晩培養の後、正しい形態および正常な細胞集密度を示している。単層は、洗浄した後に無損傷のまま残り、プラズマ処理(図5B)のない非被覆された表面上のRMS13細胞に匹敵する。
細胞ベースGPCRアッセイは、温度制御された生育環境および液状の取り扱いシステムで、RWG検出器を含んだCorning(登録商標)Epic(登録商標)システムを使用して、全てのプラズマ処理された表面を検査するために実行された。検出器系は、384−ウエルフォーマットの反映されたビームのリガンド誘導波長シフトを測定するために統合した光ファイバ系に集中した。集密的になるまで、細胞は384−ウエルEpic(登録商標)マイクロプレートにおいて育てられた。細胞は、アッセイ緩衝液によって洗浄されて、それからアッセイ前に選択された温度で1.5時間の機器においてインキューベートした。GPCRsは様々なリガンドによって活性化され、そして、結果としてDMR(動的質量再分布)シグナルが記録された。
図6A−6Cは、3つの異なる型の表面上で培養されたのHEK293細胞中の8μMSFLLR−アミド誘導動的質量再分布(DMR)シグナルを示す。図6Aは、フィブロネクチン被覆Epic(登録商標)マイクロプレート表面に関するシグナルを示す。図6Bは、非被覆のEpic(登録商標)マイクロプレート表面に関するシグナルを示す。そして、図6Cは、プラズマ処理SMA表面、すなわち、重合体サンプルS5すなわち、50μg/mL(600)および200μg/mL(605)の2つの被覆濃度で部分イソオクチルエステルおよびクメン末端含量を有しているポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)のSMA表面に関するシグナルを示す。本開示の各々のシグナルプロフィールは、平均8回繰り返されたアッセイを表す。被覆に使用されたSMAのより高い濃度が、被覆の厚さに対するRWGバイオセンサベース細胞アッセイの感度のために、僅かにより低いシグナルに至ったにもかかわらず、形と振幅の上に関する両プラズマ処理SMA表面上で培養されたHEK293細胞のSFLLR−アミド誘導DMRシグナルは、低密度フィブロネクチン被覆表面で得られるものに匹敵した。使用したSMAの濃度がより高いくなればなるほど、被覆がより厚くなり、そして、バイオセンサベース細胞アッセイの感度が低くなる。バイオセンサが限られた貫入深度、検出領域又は検知体積を有しているからである。(ファン、Y、その他「生細胞センシングのための共鳴導波路グレーティングバイオセンサ」((2006)Biophys)J.、91、1925−1940(Fang, Y., et al. “Resonant waveguide grating biosensor for living cell sensing,” (2006) Biophys. J., 91, 1925-1940))。付着細胞がセンサー表面から遠いほど、リガンド誘導応答は一般的により少なくなる。対照的に、同じ濃度でのSFLLR−アミドは、非被覆表面上で培養されたHEK細胞における変えられたDMRシグナルを導き、それは増加すなわち正のDMR位相(P−DMRと呼ぶ)を呈するだけである。DMRシグナルのこの種の型の発生は、細胞がセンサー表面にゆるく付着することを示す。非被覆表面上のHEK細胞は、たとえば、培地をアッセイ緩衝液と交換するなど、極めて慎重で温和な洗浄を必要とする。さもないと、細胞単層は分離してしまう。対照的に、酸化されたSMA表面又は低密度フィブロネクチン表面上の細胞単層は、より強く洗浄され得る。SFLLR−アミド(式H−Ser−Phe−Leu−Leu−Arg−NH2のペプチド配列)は、HEK細胞の内因性プロテアーゼ活性受容体亜型1(PAR1)のためのアゴニストである。PAR1は多くの種類の細胞において偏在して発現して、それらはHEK293細胞、A431細胞、CHO−K1細胞、CHO−M1細胞およびRMS13細胞を含む。明瞭な細胞株のPAR1の活性化は異なるシグナリング経路およびシグナリングネットワーク相互作用を導く。そして、それはDMRシグナル(図10において要約されるように)の異なる型に結果としてなり得る。これは、得られたDMRシグナルが統合した細胞の反応であって、事象を送っている多くの下流、検知体積の範囲内の細胞形質成分の特にそれらの含んでいる有意な再分布又はバイオセンサの検出領域の寄与からなるという理由からである。
同一プラズマ処理SMA表面(50μg/mLで被覆されたS5)は、RMS13細胞、CHO−K1細胞およびCHO−M1細胞を含む3つの他の細胞株を用いて、更に評価された。図7A−7Cは、50μg/mLで被覆された同じ5μMSFLLR−アミドプラズマ処理SMA表面、すなわち、部分イソオクチルエステルおよびクメン末端含量を有しているポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)のSMA表面の上で培養された3つの異なる細胞株のSFLLR−アミド誘導DMRシグナルを示す。図7Aは、培養されたRMS13細胞を示す。図7Bは、培養されたCHO−K1細胞を示す。図7Cは培養されたCHO−M1細胞を示す。各々が異なる形質を呈したにもかかわらず、同じ酸化SMA表面上の各々の細胞株のDMRシグナルは非被覆Corning(登録商標)Epic(登録商標)バイオセンサ表面および低密度フィブロネクチン被覆Epic(登録商標)バイオセンサ表面(データは示されない)にて得られた対応するDMRシグナルに匹敵していた。これらの結果は、酸化SMA表面が付着細胞の別個の型の適当な付着および成長を支持し、更に全ての4つの細胞株のGPCRアッセイを支持することを示唆する。
図8Aおよび図8Bは、プラズマ処理SMA表面の5つの異なる型の上で培養されたRMS13細胞の5μMSFLLR−アミド誘導DMRシグナルを示す。図8Aはそれぞれ50μg/mLで被覆されているプラズマ処理SMA表面によるもので、ポリ(スチレン−alt−マレイン酸)(ナトリウム塩)(800)S1を示し、同ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)(805)S2によるものを示し、同ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)クメン末端(810)S3によるものを示し、同ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)部分シクロヘキシル/イソプロピルエステルクメン末端(815)S4によるものを示し、同ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)部分イソオクチルエステルクメン末端(820)S5によるものを示す。
図8Bは、被覆材料が200μg/mLで被覆した以外(S1(830);S2(835);S3(840);S4(845);そして、S5(850))、図8Aに記載の被覆材料を使用しているプラズマ処理SMA表面のための同様の結果シグナルを示す。
本開示のSMA表面(S1〜S5)の全ての5つの異なる型の中において、細胞アッセイ性能の相違が非常に軽微だった、これは、両方の被覆条件(図8)での5つの表面上で培養されたRMS13細胞のSFLLR−アミド誘導DMRシグナルによって示されている。理論によって制限されないにもかかわらず、これはプラズマ表面処理の結果であって、各々のSMAがプラズマ表面処理の前に異なる無水物重量百分率および異なる数の遊離酸基を有している場合であっても、ここで、被覆表面が構造的に類似した何かに変わっている可能性がある。これは、FTIR研究(図2(データは示されない))と整合している。
同一のプラズマ酸化アプローチで処理された表面の他型が評価されるときに、細胞アッセイ結果は劇的に異なった。たとえば、CHO−M1細胞は、プラズマ処理表面の4つの異なる型の上で培養されたとき、異なるプロフィールおよび振幅を有する異なるDMRシグナルで10マイクロモル濃度のカルバコール刺激作用に応答した。図9は、プラズマ処理表面の4つの異なる型の上で培養されたCHO−M1細胞のカルバコール−誘導DMRシグナルを示す(非被覆表面(900);APS−被覆表面(905);S5−被覆表面(50μg/mL)(910);そして、S1−被覆表面(50μg/mL)(915))。酸化されたSMAS5表面に関し得られたDMRシグナルは、非被覆表面に関し得られたものに類似した形を示し、そして、酸化されたSMAS5表面がカルバコールによって誘導さらる細胞生物学および細胞シグナリングを大幅に変えることはないことを示した。しかし、両APS−被覆およびS1−被覆表面のDMRシグナルは、それらの非被覆表面のものとは異なり、カルバコールにより誘導される細胞生物学が変えられることを示す。ここで、S1共重合体は、表面の上へ受動的に吸着される。カルバコールは、安定してCHO−M1細胞において表されるか又はHEK293細胞において内生的に表されるムスカリン受容器のための自然のアゴニストである。
図10は、非被覆表面であるが同じプラズマ処理表面上で別々に独立して培養された4つの異なる細胞型の5μMSFLLR−アミド誘導DMRシグナルを示す(CHO−K1細胞(1000);CHO−M1細胞(1005);HEK293細胞(1010);そして、RMS13細胞(1015))。各細胞型において、SFLLR−アミド刺激作用は、明瞭なシグナリング事象に至ることができる。
図11は、処理される同じプラズマ処理されたAPS−被覆表面上で培養された4つの異なる細胞型の5μMSFLLR−アミド誘導DMRシグナルを示す(CHO−K1細胞(1100);CHO−M1細胞(1105);HEK293細胞(1110);そして、RMS13細胞(1115))。図10および図11に示される結果を結合してみると、その結果は、バイオセンサがまだ細胞の全ての4つの異なる型のアッセイリガンド誘導応答にあてはまり得るにもかかわらず、APS表面上の各々の細胞株のDMRシグナルの有意な変化が、特にRMS13細胞株のでは、細胞生物学が特定の程度に変えられることを示唆することを示す。
図12Aは、異なる厚さでリンカー又は結合層としてアミノプロピルシラン(APS)を使用して得られた薄膜SiO2被覆Nb25RWGバイオセンサ上のSMA被覆表面のFT−IRスペクトルを示す。異なるAPSバインダ層の厚さは、初期の被覆のためのAPSの異なる重量パーセント濃度(1.0%(1200),0.1%(1210),0.01%(1220))を使用して達成された。結果は、結果として生じるSMA被覆表面のFT−IRスペクトルが各々のこれらのAPS濃度が基質上の単層薄膜厚さを達成するか又は上回るのに十分だったことを示唆しているAPS濃度から独立しているように見えることを示した。APS層の被覆のために使用されるSMA被覆濃度は、各々のそれぞれの異なるAPS結合剤層の厚さに対し同じもの(50マイクログラム/mL)であった。
図12Bは、SMA−APS SiO2/Nb25表面に(1230)、そして、UVオゾン(UVO)プラズマ表面処理(1240)を有するのFT−IRスペクトルである。SMA被覆濃度は50のマイクログラム/mLであった。その一方で、APS濃度は0.001%であった。UVオゾン処理照射は、2分であった。
図12Cは、異なる電力(15kv(1250)、20kV(1260)、25KV(1270)および30KV(1280))を使用している10.8fpmのベルト速度での組織培養処理された(TCT)処理を有するSMA−APS−SiO2/Nb25表面のFT−IRスペクトルを示す。使用したSMA濃度は、1mg/mLであった。図12Bおよび図12Cに示すように、異なる電力下のUV/オゾン処理又はTCT処理も、図2に示されるプラズマ処理法を使用して得られた同様な態様で、そして、処理のFT−IRスペクトルの変化の類似したパターンによって証明されたように、SMA表面の酸化を生ぜしめることができる。
これらの改質SMA表面でHEK293細胞の培養することは、HEK細胞が、TCTポリスチレンマイクロプレート又はフィブロネクチン−被覆マイクロプレートと同様の態様でのこれらの表面上に付着し伸展できることを示した。これらの酸化されたSMA表面(しかし、非酸化されたSMA表面上のでない)上のHEK細胞は洗浄で生き残り、結果としてCorning(登録商標)Epic(登録商標)RWGバイオセンサを使用した強いアッセイとなり、低密度フィブロネクチン−被覆表面(データは示されない)で得られたそれらに匹敵する。
以下の例は上記の開示を使用する方法をより充分に記載するためにあり、開示の様々な局面を実行するための最良の形態を記載する。これらの例が決してこの開示の範囲を制限するものでなく、図示する目的のためと理解される。
(材料)
アミノプロピルシラセスキオキサン(APS)は、ゲレスト社(モリスビル(PA)Gelest, Inc. (Morrisville, PA))から購入された。SFLLR−アミド(トロンビン受容器アクティベータペプチド)は、バッケム社(キングオブプロシア(PA)Bachem (King of Prussia, PA))から得られた。カルバコール、1−メトキシ−2−プロパノール酢酸塩およびN−メチルピロリドンは、シグマオールドリッチケミカル社(セントルイス(MO)Sigma Aldrich Chemical Co. (St. Louis, MO))から購入された。ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)と、ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)クメン末端と、ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)部分シクロヘキシル/イソプロピルエステルクメン末端と、ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)部分イソオクチルエステルクメン末端と、は全て以下の骨格コア式を有する。
Figure 2011500022
これらはオールドリッチケミカル社から得た。また、オールドリッチケミカル社からのポリ(スチレン−alt−マレイン酸)は、以下の骨格コア式を有する。
Figure 2011500022
Corning(登録商標)Epic(登録商標)384−ウエルバイオセンサマイクロプレートは、コーニング社(コーニング(NY)Corning Inc. (Corning, NY))から得られた。各々のウエルは、RWGセンサーを含む。マイクロプレートは、使用の前に6分間の高い強度紫外線(UVO洗浄剤、ジェライト社会社、ラグーナヒルズ、CA:Jelight Company Inc., Laguna Hills, CA)に、照射暴露によって清浄された。
ヒト胎児腎臓(HEK293)細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO−K1)細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO−M1)細胞、ヒト表皮癌A431細胞およびヒト筋肉(RMS13)細胞は、米国のアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC:American Type Cell Culture (ATCC) (Manassas, VA))から得られた。全ての抗生物質は、インビトロジェン(カールスバッド(CA)(Carlsbad, CA))から得られた。細胞、培地および付加は、表2において示される。
Figure 2011500022
(統計解析)
特に述べない場合、8つの複製は同一の条件の下で各々の検査化合物又は生体材料の計測のために実行された。各々の最終的な反応は、全ての反応が繰り返す平均値であった。
(実施例1)
(Epic(登録商標)マイクロプレートの表面被覆)
清潔な(洗浄されたおよびUV/オゾン既処理)Epic(登録商標)マイクロプレートは、5%の(v/v)アミノプロピルシラセスキオキサン(APS)水溶液で10間、処理された。結果として生じたマイクロプレートは、APSの過剰分を除去するために水およびエチルアルコールによって急速に洗浄された。プレートはそれから1.5時間、55℃で硬化され、そして、エチルアルコールで追加の洗浄が続いた。マイクロプレートはそれから脱水機にかけられて、減圧乾燥された。スチレン−無水マレイン酸(SMA)共重合体は、10mg/mLの濃度で、適当な溶剤に溶かされた(S1では水で、他のすべてはポリ(スチレン−alt−マレイン酸)および1−メトキシ−2−プロパノール酢酸塩;つぎのように対応する、ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)(S2);ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)クメン末端(S3);ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)部分シクロヘキシル/イソプロピルエステルクメン末端(S4);ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)部分イソオクチルエステルクメン末端(S5))。各々の高分子溶液は、約50μg/mL又は約200μg/mLの被覆濃度に、更に薄められて、APS−被覆プレート上のアミノ基とともに1時間、化学反応させた。いかなる非付着の重合体も除去するために溶剤およびエチルアルコールで広く洗浄した後、SMA被覆されたプレートは、乾燥され、SMAプラズマ表面処理が施された。
(実施例2)
(ガラススライド被覆およびプラズマ処理)
ガラス顕微鏡スライドは、5分間、プラズマ清浄(UVオゾン;UVO)され、表面から汚染菌を除去した。これらのスライドは、10分間、5%のAPS溶液で被覆された。スライドは、水そしてエチルアルコールによって洗浄されて、窒素流下で乾燥された。SMA(ポリスチレン−alt−無水マレイン酸部分メチルエステル;MW約350,000)溶液は10mg/mLの濃度で、無水NMPのSMA重合体の溶解によって調製された。NMPのSMAは、それから2mg/mLの濃度を有する最終的なSMA溶液を作るために無水IPAで薄められた。APS被覆スライドは、それから10分間、2mg/mLのSMA溶液において浸漬された。その後、スライドは除去され、エチルアルコールによって洗浄された。スライドは、それからSMA表面のためのベースライン計測を得るためにPM−FTIRRASによって分析された。これらのスライドは、それから1分間、3分間、7分間、14分間、それぞれ、プラズマ処理された。
(実施例3)
(細胞培養およびバイオセンサ細胞アッセイ)
全細胞は、10%のウシ胎児血清(FBS)、4.5g/リットルのグルコース、2mMのグルタミンおよび抗生物質で補充された所望培地にてが育てられた。通路3〜8での約1〜約2x104細胞は、10%のFBSを含んで50マイクロリットル培地に懸濁された、384−ウエルマイクロプレートの各々のウエルに置かれた。細胞種入れの後、細胞は、空気/5%のCO2の下、37℃で、約95%の細胞集密度まで培養され、それは(1〜2日で)達成された。アッセイの日には、集密した細胞は、HBSS(20mMのHEPESを有するハンクス平衝塩)緩衝液によって洗浄された。結果として生じる細胞は、28℃、2時間のEpic(登録商標)機器において培養され、細胞は特性濃度および結果として生じるDMRシグナルで選択マーカ(SFLLR−アミド又はカルバコール)によって刺激されて、それから記録した。
(実施例4)
(波長インタロゲーションシステム)
Epic(登録商標)システムの基礎は、標準のSBSミクロタイタープレート(主に384−ウエルマイクロプレート)において統合されるRWGバイオセンサである。システムは、温度調節ユニット、光学検出ユニットおよびロボット工学を有する任意のオンボード液状処理ユニットからなる。温度調節ユニットは、もしあれば温度揺らぎを最小にする一体型である。ユニット内部において、センサーマイクロプレートおよび化合物源プレートを保持するための2つの並んでいるスタックが、ある。一旦温度が安定すると、センサーマイクロプレートは直接ロボット動作で検出系より上のプレートホルダーに移送され、その一方で、化合物源プレートは適当な区画へ移動され、オンボード液状処理ユニットによって直ちにアドレス指定可能であるようになされる。
検出ユニットは、生細胞のリガンド誘導DMRのために、共鳴波の波長シフトを測定する統合した光ファイバ光学系を含む。広帯域白色光源(ファイバ光学系およびコリメータレンズでマイクロプレート底を介して法線入射にて発生する)は、グレーティング表面の小さい領域を照射するために用いる。反射光を記録するための検出光ファイバは、照明光ファイバとバンドルされる。一連の照明/検出ヘッドは線形状に配置され、その結果、反射スペクトルはすぐに384−ウエルマイクロプレートの同じカラムの範囲内で、ウエルのサブセットから集められる。各々のセンサーが複数回アドレス指定を行われることができるために、全部のプレートは照明/検出ヘッドによって走査されて、各々のカラムは順番にアドレス指定を行われる。精査は、持続性であり得、たとえば、選ばれるアッセイフォーマットに依存していて非連続的であり得る。反射光の波長が、集められて、解析のために使用される。
運動アッセイのために、ベースライン反応は、まず、所定の期間の間、記録される。その後、検査化合物溶液はオンボード液状処理システムを使用してセンサープレートに移送され、細胞応答はそれから他の期間の間、記録される。一般的に、検査化合物溶液が導かれる短い期間(たとえば約2分)を除いて、センサーマイクロプレートの蓋は、アッセイの全体にわたって大部分の時間に残る。プレート蓋は、ロボット工学によって自動的に操作され得る。この種の運動の計測は、有効情報をGPCRシグナリングおよびそのネットワーク化された相互作用のために用意する。
本開示は、様々な種の実施例および技術に関して記載された。しかし、多くの変形および改良は可能であり、開示の精神、範囲内に残る。

Claims (20)

  1. 基質と、
    少なくとも基質に付着した結合層と、
    少なくとも結合層に付着した生物学的適合層と、を含み、
    生物学的適合層は重合体の表面酸化反応生成物からなり、
    重合体は少なくとも1つの酸化性モノマーからなることを特徴とする細胞培養物品。
  2. 基質は、プラスチック、重合体物質もしくは共重合体物質、セラミック、ガラス、金属、結晶材料、貴金属もしくは半貴金属、金属もしくは非金属の酸化物、遷移金属又はこれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養物品。
  3. 結合層は、ポリリジン、ポリエチレンイミン、又は、直鎖又は分枝鎖のアミノシラン、アミノアルコキシシラン、アミノアルキルシラン、アミノアリールシランもしくはアミノアリールオキシシラン、又はそれらの誘導体もしくは塩のうちの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養物品。
  4. 酸化性モノマーは、スチレン、アルキル置換スチレン、ジビニルベンゼン、アルキルビニルエーテル、トリアルキレングリコールアルキルビニルエーテル、アルキレン、アクリルアミド、ピロリジニル、ジアルキルアクリルアミド、オリゴ(アルキレン酸化物)、又は、それらの組み合わせのうちの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養物品。
  5. 重合体は、ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)、ポリ(スチレン−マレイン酸)、ポリ(ビニル酢酸塩−無水マレイン酸)、ポリ(無水マレイン酸−alt−メチルビニルエーテル)、ポリ(トリエチレングリコールメチルビニルエーテル−co−無水マレイン酸)、又は、それらの組み合わせの少なくとも1つからなる共重合体からなることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養物品。
  6. 重合体は、無水マレイン酸モノマー、マレイン酸モノマー又はそれらの組み合わせと第1のモノマーとからなる共重合体からなることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養物。
  7. 共重合体は、約5mol%から約50mol%までのマレイン酸モノマーを含むことを特徴とする請求項6に記載の細胞培養物。
  8. 第1のモノマーは、スチレン、メチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ジビニルベンゼン、アクリルアミド、ピロリジノン、ジメチルアクリルアミド、オリゴ(エチレングリコール)、オリゴ(エチレン酸化物)、又は、それらの組み合わせのうちの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項6に記載の細胞培養物。
  9. 更に、生物学的適合層と会合される生体材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の細胞培養物。
  10. 生体材料は、自然もしくは合成のオリゴヌクレオチド、自然もしくは改質/抑止されたヌクレオチド/ヌクレオシド、核酸(DNA)もしくは(RNA)、自然ペプチド、1以上の改質もしくは抑止されたアミノ酸からなる自然ペプチド、抗体、ハプテン、生物学的リガンド、タンパク質メンブレン、脂質メンブレン、タンパク質、小分子、細胞、又はそれらの組み合わせもしくはそれらの接合体を含むことを特徴とする請求項9に記載の細胞培養物。
  11. 結合層がアミノプロピルシラセスキオキサンであり、重合体がポリ(スチレン−無水マレイン酸)、ポリ(スチレン−マレイン酸)、又は、それらの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養物。
  12. 基質は、光学バイオセンサマイクロプレート、顕微鏡スライド、SPRプレート、インピーダンス細胞又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養物。
  13. 生物学的適合層の厚さが約10オングストロームから約1,000のオングストロームまでであることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養物。
  14. 請求項1の細胞培養物品を調製する方法であって、
    付着した結合層を有する基質と、結合層に付着しかつ少なくとも1つの酸化性モノマーを含む重合体層とを用意するステップと、
    重合体層の表面を酸化して生物学的適合層を形成するステップと、を含むことを特徴とする方法。
  15. 重合体の表面の酸化するステップは、重合体の表面をUVオゾン、プラズマ又は両方に接触するステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. さらに、生体材料を生物学的適合層と会合させるステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  17. リガンドのアッセイを実行する方法であって、
    少なくとも1つの請求項1の物品を含みかつ生物学的適合層と会合される生体材料を有するバイオセンサに、リガンドを接触させて、リガンドが生体材料に結合するようにするステップと、
    バイオセンサで生体材料のリガンド誘導応答を検出するステップと、を含む方法。
  18. リガンドは、刺激、治療化合物、治療候補物質、予防候補物質、予防薬剤、化学化合物、生体分子、ペプチド、タンパク質、生体試料、小分子薬剤候補物質、生物学的薬剤分子候補物質、薬剤候補物質小分子−生物学的接合体、病原体又はこれらの組み合わせを、含むこと、生体材料は、自然もしくは合成のオリゴヌクレオチド、自然もしくは改質/抑止されたヌクレオチド/ヌクレオシド、核酸(DNA)もしくは(RNA)、自然ペプチド、1以上の改質もしくは抑止されたアミノ酸を任意に含む自然もしくは合成のペプチド、抗体、ハプテン、生物学的リガンド、タンパク質メンブレン、脂質メンブレン、タンパク質、小分子、細胞、又はそれらの組み合わせもしくはそれらの接合体を含むこと、を特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. リガンド誘導応答は、表面プラスモン共振バイオセンサ、共鳴導波路グレーティングバイオセンサ、インピーダンスバイオセンサ、質量スペクトル分析バイオセンサ又はこれらの組み合わせによって検出されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  20. 生体材料が生細胞からなることを特徴とする請求項17に記載の方法。
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