JP2011252526A - 流体圧緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体圧緩衝器の減衰力調整手段の改良に関する。
【解決手段】所定の減衰力を発生する減衰力発生手段と、上記減衰力を調整する減衰力調整手段とを備えてなり、上記減衰力調整手段が上記減衰力発生手段を迂回するバイパス路Bと、このバイパス路Bの開口量を変更する変更手段4と、外力の入力により軸方向に移動して上記変更手段4を駆動するアジャスタ5とを有する流体圧緩衝器において、上記変更手段4が上記バイパス路B内に先端部を出没させる弁部40と、この弁部40の基端側に延設されて上記アジャスタ5に連結される連結部41とを有し、上記連結部41若しくは上記アジャスタ5に固定されて上記変更手段4の移動量を規制する規制部材6を備える。
【選択図】図2

Description

この発明は、流体圧緩衝器に関し、特に、流体圧緩衝器における減衰力を調整するための減衰力調整手段の改良に関する。
流体圧緩衝器は、これまでに種々の提案がなされており、例えば、二輪車の前輪を懸架しながらその前輪に入力される路面振動を減衰するフロントフォークやリアクッションユニット等の懸架装置として利用される。
上記フロントフォークは、特許文献1に開示されるように、アウターチューブとインナーチューブとからなるフォーク本体と、このフォーク本体内に収容されるダンパと、上記フォーク本体とダンパとの間に形成されるリザーバ室とを備える。
上記ダンパは、図4に示すように、上記インナーチューブ(図示せず)の軸心部に起立して内部に作動流体を収容するシリンダ30と、このシリンダ30内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン32と、上記アウターチューブ(図示せず)にキャップ部材(図示せず)を介して固定され上記ピストン32を保持するロッド31とを備える。
上記ピストン32は、伸側室R1と圧側室R2とを連通するポートP1、P2と、このポートP1、P2を作動流体が通過する際に抵抗を生じてフォーク本体の伸縮運動を減衰するバルブからなる減衰力発生手段V1、V2とを備える。
また、フロントフォークは、減衰力発生手段V1、V2による減衰力を調整する減衰力調整手段を有し、この減衰力調整手段は、減衰力発生手段V1、V2を迂回するバイパス路B10と、このバイパス路B10の開口量を変更する変更手段400と、外力の入力により上記変更手段400を軸方向に駆動するアクチュエータ(図示せず)とを備えてなる。
上記バイパス路B10は、上記ロッド31の先端に固定されて外周に上記ピストン32が装着される先端部材350に設けられ、圧側室側に開口する縦孔B11と、伸側室側に開口する横孔B12とを備えて伸側室R1と圧側室R2とを連通する。
そして、上記変更手段400は、棒状に形成されて上記ロッド31の軸心部を貫通する透孔310内に移動可能に挿入されるコントロールロッド401と、このコントロールロッド401の先端に当接するニードル402とからなり、先端部材350とニードル402との間に介装されるリタンスプリング403によってアクチュエータ側に附勢される。
上記ニードル402は、上記縦孔B11内に尖端部を挿入させてなり、当該尖端部で上記バイパス路B10を開閉し、当該尖端部が先端部材350に当接して底付したとき上記バイパス路B10は閉塞される。
そして、上記アクチュエータは、図示しないが、内蔵するソレノイドの励磁でシャフトを進退させて上記コントロールロッド401を軸方向に移動して、バイパス路B10の開口量を変更する。
従って、フロントフォークは、アクチュエータに電気的信号を入力することにより上記減衰力発生手段V1、V2を通過する作動流体の流量を変更することが可能となり、減衰力を調整することが可能となる。
特開2010−007758号 公報
特許文献1の技術において、上記リタンスプリング403を備えることにより、上記変更手段400がリタンスプリング403とアクチュエータとの間に挟持され、上記バイパス路B10の開口量を任意に保つことが可能となるが、以下のような不具合を指摘される虞がある。
第一に、変更手段400のニードル402の尖端部を先端部材350に底付きさせて上記バイパス路B10を完全に閉塞した場合においては、路面の凹凸を受けて車輪が突き上げられたときの衝撃がピストン32及び変更手段400を介してアクチュエータに作用するため、アクチュエータにかかる負荷が大きい。
第二に、変更手段400は、リタンスプリング403により常にアクチュエータ側に附勢されるため、変更手段400をバイパス路B10に向けて前進させるためには上記附勢力に抗する推力が必要となる。
そこで、本発明の目的は、変更手段の底付きを防止すると共に、上記リタンスプリングを廃止することが可能な流体圧緩衝器を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、所定の減衰力を発生する減衰力発生手段と、上記減衰力を調整する減衰力調整手段とを備えてなり、上記減衰力調整手段が上記減衰力発生手段を迂回するバイパス路と、このバイパス路の開口量を変更する変更手段と、外力の入力により軸方向に移動して上記変更手段を駆動するアジャスタとを有する流体圧緩衝器において、上記変更手段が上記バイパス路内に先端部を出没させる弁部と、この弁部の基端側に延設されて上記アジャスタに連結される連結部とを有し、上記連結部若しくは上記アジャスタに固定されて上記変更手段の移動量を規制する規制部材を備えることである。
本発明によれば、上記規制部材を備えることにより変更手段を底付きさせることなく変更手段の移動量を規制することが可能となり、変更手段がアジャスタに連結されることによりリタンスプリングを廃止して、従来よりも小さな推力で変更手段を前進させることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る流体圧緩衝器たるフロントフォークを示す半断面図である。 本発明の一実施の形態に係る流体圧緩衝器たるフロントフォークにおけるキャップ部材周辺部を拡大して示す縦断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る流体圧緩衝器たるフロントフォークを部分的に切り欠いて示す縦断面図である。 従来の形態に係る流体圧緩衝器たるフロントフォークにおけるピストン周辺部を示す縦断面図である。
以下、本発明の一実施の形態を示す流体圧緩衝器について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品かまたはそれに対応する部品を示す。
本実施の形態に係る流体圧緩衝器は、二輪車の前輪を懸架するフロントフォークであり、路面の凹凸により前輪に入力される路面振動を減衰する。
図示しないが、上記フロントフォークは、前輪の両側に起立する左右一対のフォーク部材からなり、各フォーク部材は、図1に示すように、アウターチューブ1と、このアウターチューブ1内に摺動自在に挿入されるインナーチューブ2とからなるフォーク本体と、このフォーク本体内に収容されて所定の減衰力を発生する減衰力発生手段V1を有するダンパ3と、上記減衰力を調整する減衰力調整手段とを備える。
上記減衰力調整手段は、上記減衰力発生手段V1を迂回するバイパス路Bと、このバイパス路Bの開口量を変更する変更手段4と、外力の入力により軸方向に移動して上記変更手段4を駆動するアジャスタ5とを有する。
そして、上記変更手段4は、上記バイパス路B内に先端部を出没させる弁部40と、この弁部40の基端側に延設されて上記アジャスタ5に連結される連結部41とを有する。
更に、フロントフォークは、上記連結部41若しくは上記アジャスタ5に固定されて上記変更手段4の移動量を規制する規制部材6を備えてなる。
以下に、本発明の一実施の形態を示すフロントフォークの各構成部品についてそれぞれ説明する。
上記フロントフォークは、アウターチューブ1が車体側に、インナーチューブ2が車輪側に配置されて倒立型に設定されてなり、図示しないがアウターチューブ1が車体側ブラケットを介してハンドルに連結され、インナーチューブ2が車輪側ブラケットを介して前輪に連結されることにより前輪を懸架する。
そして、アウターチューブ1とインナーチューブ2とからなるフォーク本体は、上下端をキャップ部材10とボトム部材20とでそれぞれ封止されてなり、内部に正立型のダンパ3と、コイルスプリングからなる懸架ばねS1とを収容する。
上記構成を備えることによりフロントフォークは、上記懸架ばねS1で路面の凹凸により前輪に入力される衝撃を吸収し、この衝撃吸収に伴うフォーク本体の伸縮運動を上記ダンパ3で減衰する。
上記フォーク本体と上記ダンパ3との間には、リザーバ室Rが形成されてなり、このリザーバ室Rには作動流体が収容されて、この作動流体の液面Oより上方に気室Gが形成される。
また、上記フロントフォークは、ハウジング71により上記キャップ部材10上に配設されるモータからなるアクチュエータ7を備え、このアクチュエータ7に電気的信号を入力することによりモータシャフト70を回転し、上記アジャスタ5を駆動して減衰力調整をする。
図示しないが、このアクチュエータ7は、側面に形成されるコネクタに接続されるケーブルを介してECU(エンジンコントロールユニット)等の制御手段と接続されてなる。
上記制御手段は、二輪車に設けられるセンサが検知する情報に基づき上記アクチュエータ7に電気的信号を入力して自動操作を行う。
尚、上記アクチュエータ7は、ソレノイドからなるとしても良く、また、ライダーによる手動操作により電気的信号が入力されるとしても良い。
上記フォーク本体内に収容されるダンパ3は、インナーチューブ2の軸心部に起立して内部に作動流体を収容するシリンダ30と、アウターチューブ1に固定されて先端側を上記シリンダ30内に出没させるロッド31と、このロッド31の先端に保持されるピストン32と、シリンダ30のボトム部に固定されるベース部材33とを備える。
上記シリンダ30の内部は、ピストン32により区画されて、ロッド側に位置する伸側室R1と、ピストン側に位置する圧側室R2とが形成される。
上記シリンダ30内に出没するロッド31は、キャップ部材10を介してアウターチューブ1に固定されてなり、具体的には、その基端部がキャップ部材10のロッド保持部11に螺合されてナットNにより緩み止めされる。
また、ロッド31は、シリンダ30の図中上端開口に螺嵌する環状のロッドガイド34に案内されながら先端側を上記シリンダ30内に没入させてなり、その先端部に螺合する先端部材35を介してピストン32を保持する。
上記ピストン32は、伸側室R1と圧側室R2とを連通する伸側ポートP1と圧側ポートP2(図3参照)とを備え、上記伸側ポートP1は、伸側室R1と常に連通すると共に圧側室側の開口には伸側リーフバルブ(伸側の減衰力発生手段V1)が設けられる一方、上記圧側ポートP2は、圧側室R2と常に連通すると共に伸側室側の開口には圧側チェック弁C2が設けられる。
上記伸側リーフバルブV1は、上記ピストン32に形成される上記伸側ポートP1の圧側室側の座面に離着座し、フォーク本体が伸張する際には、加圧される伸側室R1内の作動流体により押し開かれて座面との間に隙間を生じ、この隙間を作動流体が通過する際に抵抗を生じて減衰力を発生し、伸側の減衰力発生手段V1として機能する。
また、フォーク本体が収縮する際には、上記伸側リーフバルブV1は、加圧される圧側室R2内の作動流体により座面に押し付けられて上記伸側ポートP1を閉塞した状態に保つ。
一方、上記圧側チェック弁C2は、上記ピストン32に形成される圧側ポートP2の伸側室側の座面に離着座し、フォーク本体が収縮する際には、加圧される圧側室R2内の作動流体により押し開かれて座面との間に開口を生じ、上記圧側ポートP2を作動流体が通過することを妨げない。
また、フォーク本体が伸張する際には、上記圧側チェック弁C2は、加圧される伸側室R1内の作動流体により座面に押し付けられて上記圧側ポートP2を閉塞した状態に保つ。
上記シリンダ30のボトム部に設けられるベース部材33は、圧側室R2とリザーバ室Rとを連通する伸側ポートP3と圧側ポート(図示せず)とを備える。
上記伸側ポートP3は、リザーバ室Rと常に連通すると共に圧側室側の開口には伸側チェック弁C3が設けられる一方、上記圧側ポートは、圧側室Rと常に連通すると共にリザーバ室側の開口には圧側チェック弁(図示せず)が設けられる。
伸側チェック弁C3は、上記ベース部材33に形成されて上記伸側ポートP3の圧側室側の座面に離着座し、フォーク本体が伸張する際には、開弁して退出したロッド31の体積分シリンダ30内で不足する作動流体をリザーバ室Rから補う。
一方、図示しないベース部材33の圧側チェック弁は、上記ベース部材33に形成されてリザーバ室側の座面に離着座し、フォーク本体が収縮する際には、開弁して没入したロッド31の体積分シリンダ30内で余剰となる作動流体をリザーバ室Rに流出させる。
上記構成を備えることにより、図1に示すフォーク本体は、伸張時に減衰力を発生する伸側のフォーク部材として機能することが可能となり、収縮時に減衰力を発生する圧側のフォーク部材(図示せず)と対をなしてフロントフォークを構成する。
上記圧側のフォーク部材は、上記ベース部材33の圧側チェック弁を圧側リーフバルブに替え、この圧側リーフバルブを作動流体が通過する際に圧側の減衰力を発生させることにより具現化することが可能である。
尚、伸側若しくは圧側の減衰力を発生させる減衰力発生手段の構成は従来周知の構成を利用することが可能であり、図示するところの限りではない。
ところで、上記フォーク本体内に収容される懸架ばねS1は、コイルスプリングからなり、キャップ部材10に固定される筒状の上側ばね受けZ1とロッドガイド34に固定される下側ばね受けZ2との間に介装されてフォーク本体を伸張方向に附勢する。
また、上記ロッドガイド34の上下には、ロッド31の外周に沿ってリバウンドスプリングS2、S3がそれぞれ設けられてなり、各リバウンドスプリングS2、S3は、フロントフォークの最圧縮時、最伸張時の衝撃を吸収する。
上記ダンパ3における減衰力を調整する減衰力調整手段は、減衰力発生手段V1を迂回するバイパス路Bと、このバイパス路Bの開口量を変更する変更手段4と、外力の入力により軸方向に移動して上記変更手段4を駆動するアジャスタ5とを備える。
上記バイパス路Bは、ロッド31の軸心部を貫通するロッド内流路B1と、上記ロッド31の先端にピストン32を保持する先端部材35に形成されて上記ロッド内流路B1と伸側室R1とを連通する伸室側流路B2と、上記ロッド31をアウターチューブ1に固定するキャップ部材10に形成されて上記ロッド内流路B1とリザーバ室Rとを連通するリザーバ室側流路B3とからなる。
また、ロッド31の先端部内側にはチェック弁C5が設けられてなり、このチェック弁C5は、バイパス路B内を通過する作動流体が伸側室R1からリザーバ室Rへ移動することのみを許容する。
上記構成を備えることにより、フォーク本体が伸張する際には、加圧される伸側室R1内の作動流体が伸側リーフバルブV1を押圧すると共にバイパス路B内のチェック弁C5を押し開き、上記作動流体の一部が上記バイパス路Bを介してリザーバ室Rに流出する。
従って、上記伸側リーフバルブV1を通過する作動流体の流量が上記バイパス路Bの開口量によって変更されて、フロントフォークが発生する伸側減衰力が変化する。
尚、フォーク部材が圧側減衰力を発生する圧側のフロントフォークとして構成されて、その圧側減衰力を調整する場合には、バイパス路Bを圧側室R2とリザーバ室Rとを連通させるとすれば良い。
図示しないが具体的には、先端部材35に上記伸室側流路B2に替えてロッド内流路B1と圧側室R2とを連通する圧室側流路を設けることによって実現することが可能である。
上記バイパス路Bの開口量を変更する変更手段4は、リザーバ室側流路B3と対向する弁部40と、この弁部40の基端側に延設されてアジャスタ5に連結される連結部41とを有するニードルからなり、上記キャップ部材10の軸心部を貫通する中空部10a内に軸方向に移動可能に収容される。
詳しくは図2に示すように、上記キャップ部材10が外周をアウターチューブ内周にシール(符示せず)を介して密接するキャップ部材本体12と、このキャップ部材本体12からロッド側に延設されて上記中空部10aに変更手段4を軸方向に移動可能に収容する変更手段保持部材13と、この変更手段保持部材13からロッド側に延設されてロッド31を保持するロッド保持部11とを備える。
そして、上記変更手段4は、アジャスタ5により駆動されて軸方向に移動して弁部40の尖端部をリザーバ室側流路B3内に進退させることにより、リザーバ室側流路B3の開口量を変更してバイパス路Bを通過する作動流体の流量を変更する。
例えば、上記変更手段4をリザーバ室側流路B3内に前進させてリザーバ室側流路B3の開口量を小さくした場合には、減衰力発生手段V1を通過する作動流体の流量が増して減衰力が大きくなり、上記変更手段4をリザーバ室側流路B3内から後退させてリザーバ室側流路B3の開口量を大きくした場合には、減衰力発生手段V1を通過する作動流体の流量が減少して減衰力が小さくなる。
尚、リザーバ室側流路B3の開口量を調整する変更手段4の上記構成は、フォーク部材を伸側用としても圧側用としても共通で利用することが可能である。
上記変更手段4を駆動するアジャスタ5は、図2に示すように、上記変更手段保持部材13のアクチュエータ側に固定されるアジャスタケース50に軸方向に移動可能に保持される。
上記アジャスタケース50は、上記キャップ部材10の内側に圧入されて上記変更手段保持部材13に対向する環状の基部51と、この基部51からアクチュエータ側に延設される筒状のアジャスタ保持部52とからなる。
上記変更手段保持部材13と上記アジャスタケース50との間には空間60が形成されてなり、この空間60内には、変更手段4の連結部41に固定される規制部材6が軸方向に移動可能に設けられる。
上記アジャスタ5は、外周に螺子溝を有し先端に上記変更手段4が螺合するボルト部53と、このボルト部53の同軸上に延設されてアクチュエータ7による外力が入力される外力入力部54とを備える。
上記外力入力部54は、アクチュエータ7のモータシャフト70が挿入するシャフト孔(符示せず)を備えると共に外周を上記アジャスタ保持部52に摺接させてなる。
上記構成を備えることにより、アクチュエータ7に電気的信号が入力されることによりモータシャフト70の回転に伴いアジャスタ5が回転して軸方向に移動し、上記変更手段4を軸方向に駆動することが可能となる。
尚、上記モータシャフト70と上記シャフト孔との関係は、モータシャフト70と共にアジャスタ5が回転して軸方向に移動可能であれば良く、適宜周知の構成を採用することが可能である。
上記ボルト部53の図中下端側に位置する先端には、上記変更手段4が螺合し、上記変更手段4は、ナットからなる規制部材6によって緩み止めされる。
上記規制部材6は、上述のようにキャップ部材10に形成される変更手段保持部材13とアジャスタケース50との間に形成される空間60内に移動可能に配置されて、変更手段保持部材13内周に摺接する変更手段4の連結部41よりも大径に形成される。
従って、変更手段4は、規制部材6の図中上面がアジャスタケース50の図中下面に当接するまで図中上方に移動し(図2中右側)、規制部材6の図中下面が変更手段保持部材13の図中上面13aに当接するまで図中下方に移動する(図2中左側)。
即ち、上記変更手段4の軸方向の移動は、上記規制部材6によって規制され、当該構成を備えることにより、変更手段4がバイパス路Bを完全に塞ぐことを防止して、変更手段4を底付きさせることなく変更手段4の移動量を規制することが可能となる。
従って、路面の凹凸を受けて車輪が突き上げられたときの衝撃がピストン32、ロッド31、キャップ部材10及び変更手段4を介してアクチュエータ7に作用することを防ぎ、アクチュエータ7に負荷がかかることを防ぐことが可能となる。
また、上記アジャスタ5のボルト部53に上記変更手段4を螺合して、アジャスタ5と変更手段4とを連結することにより、従来のリタンスプリング403を廃止することが可能となる。
つまり、従来のフロントフォークのように、リタンスプリング403(図4)の附勢力に抗して変更手段4を前進させる必要がなく、アクチュエータ7を従来よりも小さい力で駆動することが可能となり、アクチュエータ7を小型化することが可能となる。
また、従来のフロントフォークは、上記衝撃がピストン32を介して先端部材350に作用して先端部材350の形状が変形しり、ロッド31が歪んでロッド長が変化したりした場合、従来の変更手段400はニードル402の底付きによってその移動量が規制されているため、変更手段400の移動量が変化する。
しかしながら、上記規制部材6が空間60内に配置されることにより、上記衝撃で先端部材35やロッド32が変形した場合は勿論、ロッド保持部11の形状が変形したとしても変更部材保持部材13の上面13aの形状は変化し難いため、変更手段4の移動量が変化することはない。
また、上記ロッド保持部11の変形を加味して変更手段4の移動量を上記規制部材6により設定することで上記変更手段4の底付きを常に防止して、アクチュエータ7に負荷がかかることを確実に防ぐことが可能となる。
尚、上記規制部材6をナットとすることにより、規制部材6で変更手段4の軸方向の移動を規制すると共に変更手段4の緩み止めをすることが可能となるがこの限りではなく、適宜構成を選択することが可能である。
例えば、図示しないが、上記規制部材6が上記変更手段4の連結部41に形成されるフランジからなるとしても良く、上記アジャスタ5のボルト部53に溶接等により固定しても良い。
また、本実施の形態において、アジャスタ6に変更手段4を螺合することにより連結するとしたがこの限りではなく、アジャスタ6と変更手段4とを連結する手段は、適宜選択することが可能であり、一体的に形成するとしても良い。
同じく、本実施の形態において、フロントフォークは、減衰力発生手段V1を迂回するバイパス路Bが伸側室R1若しくは圧側室R2とリザーバ室Rとを連通してロッド内流路B1を作動流体が逆上りリザーバ室側流路B3からリザーバ室R内に噴き出す、所謂、噴上げ式の減衰力調整手段を備えてなるが、この限りではない。
以下に、減衰力調整手段における他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。減衰力調整手段のバイパス路及び変更手段以外の構成については、上記一実施の形態と同様であるため、同一符合を付するのみとして詳細な説明は省略する。
本実施の形態において、減衰力調整手段は、上記一実施の形態と同様に、減衰力発生手段V1を迂回するバイパス路B4と、このバイパス路B4の開口量を変更する変更手段4Aと、外力の入力により軸方向に移動して上記変更手段4Aを駆動するアジャスタ5とを有する。
上記バイパス路B4は、図3に示すように、先端部材35に形成されて伸側室R1と圧側室R2とを連通し、変更手段4Aによってその開口量が変更される。
上記変更手段4Aは、上記バイパス路B4内に尖端部を出没する弁部44と、この弁部44の図中上方に延設されてロッド31の軸心部を貫通する透孔36内に収容されて軸方向に移動可能なロッド部45と、このロッド部45の図中上方に延設されてキャップ部材10の変更手段保持部13内周に外周を摺接する連結部46とからなる。
上記変更手段4Aを駆動するアジャスタ5は、上記一実施の形態と同様に外力入力部54と、ボルト部53とからなり、このボルト部53が上記連結部46に螺合してなる。
そして、アジャスタ5のボルト部53には、上記連結部46のアクチュエータ側にナットからなる規制部材6が螺合してなり、この規制部材6は、上記一実施の形態の規制部材6と同様に空間60内を移動して上記変更手段4Aの軸方向の移動を規制すると共に上記変更手段4Aの緩み止めをすることが可能となる。
また、本実施の形態においても上記一実施の形態と同様に、上記規制部材6で上記変更手段4Aの底付きを防止することが可能となり、アクチュエータ7に負荷がかかることを防ぐことが可能となる。
また、アジャスタ5と変更手段4Aとを連結することにより従来のリタンスプリング403を廃止して、アクチュエータ7を従来よりも小さい力でバイパス路B4内に前進させることが可能となり、アクチュエータ7を小型化することが可能となる。
また、先端部材35及びロッド31の変形を加味して変更手段4Aの移動量を上記規制部材6により設定することで、上記変更手段4Aの底付きを常に防止してアクチュエータ7に負荷がかかることを確実に防ぐことが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
例えば、前輪の両側に起立するフォーク部材がそれぞれ伸側と圧側の減衰力発生手段を備えるものとしても良く、上記フォーク部材の構成は、適宜選択することが可能である。
また、上記各実施の形態においては、フロントフォークが倒立型に設定され、正立型のダンパを収容する構成を示したがこの限りではなく、フロントフォーク及びダンパの正立型若しくは倒立型を問わず本願発明を具現化することが可能である。
また、上記実施の形態においては、本願発明をフロントフォークに具現化した状態を示すがこの限りではなく、二輪車の後輪を懸架するリアクッションユニットや四輪車の車輪を懸架する懸架装置等、他の流体圧緩衝器に本願発明を具現化するとしても良い。
B、B4、B10 バイパス路
B1 ロッド内流路
B2 伸側室側流路
B3 リザーバ室側流路
C1 圧側チェック弁
C3 伸側チェック弁
C5 チェック弁
G 気室
O 油面
R リザーバ室
R1 伸側室
R2 圧側室
V1 伸側の減衰力発生手段(伸側リーフバルブ)
V2 圧側の減衰力発生手段(圧側リーフバルブ)
P1、P3 伸側ポート
P2、P4 圧側ポート
S1 懸架ばね
1 アウターチューブ
2 インナーチューブ
3 ダンパ
4、4A 変更手段
5 アジャスタ
6 規制部材
7 アクチュエータ
10 キャップ部材
13 変更手段保持部材
20 ボトム部材
30 シリンダ
31 ロッド
32 ピストン
33 ベース部材
34 ロッドガイド
35、350 先端部材
36、320 透孔
40、44 弁部
41、46 連結部
45 ロッド部
50 アジャスタケース
51 基部
52 アジャスタ保持部
53 ボルト部
54 外力入力部
60 空間
400 従来の変更手段
401 コントロールロッド
402 ニードル
403 リタンスプリング

Claims (3)

  1. 所定の減衰力を発生する減衰力発生手段と、上記減衰力を調整する減衰力調整手段とを備えてなり、
    上記減衰力調整手段が上記減衰力発生手段を迂回するバイパス路と、このバイパス路の開口量を変更する変更手段と、外力の入力により軸方向に移動して上記変更手段を駆動するアジャスタとを有する流体圧緩衝器において、
    上記変更手段が上記バイパス路内に先端部を出没させる弁部と、この弁部の基端側に延設されて上記アジャスタに連結される連結部とを有し、
    上記連結部若しくは上記アジャスタに固定されて上記変更手段の移動量を規制する規制部材を備えることを特徴とする流体圧緩衝器。
  2. 軸心部を貫通する中空部に上記変更手段を軸方向に移動可能に収容する変更手段保持部材と、
    上記変更手段保持部材に対向し筒状に形成されて内部に上記アジャスタが軸方向に移動可能に保持されるアジャスタケースと、
    上記変更手段保持部材と上記アジャスタケースとの間に形成される空間とを備え、
    上記規制部材が上記空間内を移動して上記変更手段保持部材及び上記アジャスタケースに当接することにより上記変更手段の移動量を規制することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の流体圧緩衝器。
  3. 上記アジャスタは、外周に螺子溝を有し先端に上記変更手段が螺合するボルト部と、このボルト部の同軸上に延設されて外力が入力される外力入力部とを備え、
    上記規制部材は、上記ボルト部に螺合されて上記変更手段の反バイパス路側端面に当接するナットからなることを特徴とする請求項2に記載の流体圧緩衝器。
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