JP2011252219A - 焼結原料の調製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 焼結原料を造粒・焼成して疑似粒子を生成するに際し、カオリンの含有量を最適化するように各銘柄の粉鉱石を配合できるようにする。
【解決手段】 粉鉱石を水中で分散させ、粒径20μm以下の鉄鉱石超微粉を回収して、固体核磁気共鳴法を用いて鉄鉱石超微粉中のカオリン量を定量し、その量に基づいて各銘柄の粉鉱石を配合する。これにより、焼結鉱の微粉発生率が低い、製品歩留りに優れた焼結原料の調整を可能にする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、焼結原料の調製方法に関し、特に、粉鉱石を造粒・焼成して疑似粒子化するために用いて好適なものである。
高炉製鉄法の主原料である焼結鉱は、次のようにして製造されている。まず、粉鉱石等の鉄含有原料に、石灰石等の副原料と、コークス粉、無煙炭材等の炭材とを配合して、これらの原料に適量の水を加えて混合、成型(以下、造粒ともいう)し、擬似粒子を生成する。そして、機長方向上流側において、無端帯状に連結されて周回するパレット上へ擬似粒子を装入して焼結原料充填層(焼結ベッド)を形成し、この焼結原料充填層の表層に点火し、下方に向けて空気を挿入する。このようにすることにより、炭材の燃焼点を上方から下方に移動させながら、焼結原料を加熱焼成し、焼結鉱を製造する。製造された焼結鉱は、機長方向下流側で各パレットから順次排鉱される。
造粒によって造られる擬似粒子は、通常、約1mm以上の塊鉱石が核粒子となり、その周囲に粒径が1mm未満の粉鉱石、および副原料が付着した構造をもつ。実際の焼結鉱の製造においては、強度、被還元性等の所定の性質を焼結鉱が備えるようにするとともに、焼結鉱の歩留りの向上が要求される。近年、輸入される鉄鉱石の低品位化が進み、焼結鉱の製造に適しているヘマタイトFe2O3の割合が減少する一方、ゲーサイトFeOOHの割合が増加しつつある。こうした低品位鉄鉱石は、マラマンバ鉱石やピソライト鉱石に代表される。さらに、近年、鉄鉱石中の微粉量増加が進行し、造粒で疑似粒子化しても崩壊し易く、これが焼結時の通気性を悪化させ、焼結鉱生産の歩留りの悪化を招いている。これらの鉄鉱石微粉の粒径は、およそ250μm以下に相当し、こうした微粉を擬似粒子化し、焼結原料として利用するための造粒技術が必要とされている。
これまでにも、微粉を焼結用原料として用いるために、造粒過程でバインダーを添加する成型方法が提案されてきた(特許文献1、2を参照)。しかしながら、特許文献1、2に記載の造粒法は、製品コストを高めてしまうという問題点や、不要なスラグ成分を増やしてしまうという問題点等を抱えていた。焼結原料の造粒には、鉄鉱石中の脈石成分、特に、粘土鉱物(カオリンAl2Si2(OH)5,モンモリロナイトNa0.33(Al, Mg)2Si4O10(OH)4,ギブサイトAl(OH)3)と水との相互作用が関係すると考えられている。そこで、特許文献3では、粒径が1mm未満の粉鉱石に含まれる粘土鉱物・カオリンの量を赤外分光によって評価し、カオリンの量を最適化するように銘柄を配合する焼結用原料の調製法が提案されている。粉鉱石も鉱石の一種であるから、この手法ではいたずらにスラグ成分を増やすことはない。
ただし、実態はより複雑で、カオリンの量ばかりでなく、カオリンの属する粒度も造粒性に影響することが知られている。例えば、特許文献3には、粒径が1mm以上である塊鉱石の付着粉としてカオリンが含まれている場合、即ち、見かけの粒径が1mm以上である場合、たとえカオリンの量が多くても、造粒に効果のないことが示されている。一方、カオリンが不足する鉱石に、試薬のカオリン(粒径20μm以下)を添加した場合には、良好な造粒効果が得られることが報告されている。即ち、造粒に効果のあるカオリンとは、粒径として、20μm以下の鉄鉱石超微粉に濃縮したカオリンである。土壌の定義によれば、この鉄鉱石超微粉は、シルトまたは粘土に相当する。
以上のことを踏まえ、近年では、粉鉱石の中でも最も粒径の小さい鉄鉱石超微粉の機能が注目され、造粒における鉄鉱石超微粉の有効活用が探索されている。例えば、特許文献4には、山元で発生する尾鉱とよばれる、粒径が10μm以下の鉄鉱石超微粉を利用した焼結鉱製造用原料の調製法が提案されている。このように微粉を活用した造粒のメカニズムには、カオリン等の粘土鉱物によるバインダー効果が強く関与することが推定されるが、多くの場合、鉄鉱石超微粉に限らず、鉄鉱石中のAlはすべてアルミナ(Al2O3)と見做され、実際の化学形態が不明であったことから、粘土鉱物の影響は十分に検討されてこなかった。
Alの化学形態を同定および定量する方法としては、X線回折法(XRD)、X線吸収分光法(XAFS)、赤外分光法(IR)、核磁気共鳴法(NMR)がある。XRD法は、無機化合物の結晶格子からの回折像を測定して解析する方法であり、結晶性の高い化合物には有効な手法である。しかしながら、結晶性の低い無機化合物に対しては、回折線が極端に広幅化してしまうため、高い精度の形態評価は困難である。また、鉄鉱石の主成分は酸化鉄類、水酸化鉄類等であり、少量しか含まれていない脈石成分の回折線は、主成分の酸化鉄類、水酸化鉄類の回折線の中に埋もれてしまい、XRD法単独での構造特定は困難となるケースが多い。
赤外分光法は、吸収スペクトルの位置(波数=cm-1)から、物質を特定する。3000cm-1付近の高波数帯は、OH基を含む粘土鉱物の判定にも用いられる。ただし、複数の粘土鉱物が含まれている場合、OH基の波数は複雑なパターンを示すので、鉱物の特定や定量が困難になる。
一方、XAFSとNMRは、低結晶物質を解析可能で、かつ元素選択的であるが、Al等の軽元素に対しては、NMRが有利である。また、XAFSで取得可能なのは一次元のスペクトルであるのに対し、NMRでは一次元はもとより、二次元スペクトルを取得できるため、より高次の構造情報を取得できる。
特許文献5には、石炭の固体高分解能二次元核磁気共鳴スペクトルを測定し、これを標準試料の二次元スペクトルと比較することで、そのコンタ−プロットの位置から石炭中に含まれるAl無機化合物を特定する方法が提案されている。このような二次元スペクトルを取得するための方法として、27Al核に対する多量子遷移マジック角回転法(MQMAS法)が一般的に使われている(非特許文献1を参照)。
特開2007−113088号公報 特開2004−76130号公報 特開2003−49227号公報 特開2009−144240号公報 特開2006−337186号公報
Annual Reports on NMR Spectroscopy 54 (2004) p.81-153
焼結鉱原料として用いられる粉鉱石には、通常、数種類以上の鉱石が配合される。しかしながら、鉄鉱石の銘柄毎の造粒性は異なり、それらの配合比率を検討するための科学的指標は存在しなかった。前述のように、粘土鉱物が造粒に対して効果を持つことは指摘されてきたが、粘度鉱物をAl2O3やSiO2として換算することにより評価されたものにすぎず、複雑な化学形態を解き明かし、それを定量し、指標化する試みは少ない。特許文献3では、赤外分光法を用いてカオリンの量を決定することが行われている。しかしながら、この方法は、1mm以下の粒子全体を分析しており、前述したように、造粒に対して効果のある鉄鉱石超微粉に対象を絞り切れていない。それゆえ、(粒径が250μm以下の)鉄鉱石微粉を有効に活用した焼結原料の調製法とは成り得ていない。また、分析法の観点からも、赤外分光法では、カオリンの存在量またはAl含有化合物の種類によっては、カオリンの定量の困難なケースが考えられる。例えば、カオリンと粘土鉱物・スメクタイト類のOH吸収バンドは近いので、スメクタイト類の存在量によっては、赤外吸収スペクトルにおいてスメクタイト類とカオリンとの区別がつきにくい。また、標準試料であるKBrは吸水し易いため、KBr吸着水の吸収バンドとカオリンのOH吸収バンドとの区別が極めて困難なケースもある。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、焼結原料を造粒・焼成して疑似粒子を生成するに際し、カオリンの含有量を最適化するように各銘柄の粉鉱石を配合できるようにすることを目的とする。
本発明は、上述した目的を達成する手段として、以下に記す特徴を備えている。
(1)焼結用鉄鉱石および副原料に水を添加して造粒し、擬似粒子化することにより生成される焼結原料の調整方法において、前記焼結用鉄鉱石として用いる複数銘柄の鉱石を、それぞれ水中で段階的に篩い分け、鉄鉱石超微粉を回収する篩い分け工程と、前記回収した各銘柄の鉄鉱石超微粉に含まれるカオリンの量を定量する定量化工程と、前記カオリンの量に基づいて、複数銘柄の焼結用鉄鉱石と、コークス粉および石灰石を含む副原料とを、焼結用鉄鉱石および副原料全体に占めるカオリンの量が0.5mass%以上7mass%未満となるように配合する配合工程と、前記配合した焼結用鉄鉱石と副原料とに水を添加して造粒する造粒工程と、を含むことを特徴とする焼結原料の調製方法。
(2)前記焼結用鉄鉱石の粒径は、0μm超、250μm以下であることを特徴とする(1)に記載の焼結原料の調製方法。
(3)前記鉄鉱石超微粉の粒径は、0μm超、20μm以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の焼結原料の調製方法。
(4)前記鉄鉱石超微粉は、0mass%超、12mass%未満のカオリンを含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の焼結原料の調製方法。
(5)前記定量化工程は、前記鉄鉱石超微粉の27Al二次元核磁気共鳴スペクトルを測定し、前記測定した27Al二次元核磁気共鳴スペクトルのコンタープロットの位置と、予め得られている、カオリン、スメクタイト、雲母、イライト、ギブサイトおよびアルミナの27Al二次元核磁気共鳴スペクトルのコンタープロットの位置と、を比較し、前記比較した結果に基づいて、前記測定した27Al二次元核磁気共鳴スペクトルにおける、カオリン、スメクタイト、雲母、イライト、ギブサイトおよびアルミナのスペクトルを特定して、前記鉄鉱石超微粉に含まれるAl化合物の数を把握し、前記鉄鉱石超微粉の27Al一次元核磁気共鳴スペクトルを測定し、前記測定した27Al二次元スペクトルで把握した、前記鉄鉱石超微粉に含まれるAl化合物の数に基づいて、前記27Al一次元核磁気共鳴スペクトルのピーク分離を行い、前記27Al一次元核磁気共鳴スペクトルのピークのうち、カオリンに相当するピークを有する領域であって、スペクトルと化学シフト軸とで囲まれた領域の積分値に基づいて、前記鉄鉱石超微粉に含まれるカオリンの量を定量することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の焼結原料の調製方法。
(6)前記27Al二次元核磁気共鳴スペクトルの測定には、27Al-多量子マジックアングルスピニング法または27Al-サテライト遷移マジックアングルスピニング法を適用し、前記27Al一次元核磁気共鳴スペクトルを測定には、27Al-マジックアングルスピニング法を適用することを特徴とする(5)に記載の焼結原料の調製方法。
(7)前記定量化工程は、鉄鉱石超微粉の29Si一次元核磁気共鳴スペクトルを測定し、前記29Si一次元核磁気共鳴スペクトルのピークの位置と、予め得られている、カオリン、スメクタイト、雲母、イライトおよび石英の29Si一次元核磁気共鳴スペクトルのピークの位置と、を比較し、前記比較した結果に基づいて、前記測定した29Si一次元核磁気共鳴スペクトルにおける、カオリン、スメクタイト、雲母、イライトおよび石英のスペクトルを特定し、前記測定した29Si一次元核磁気共鳴スペクトルのピークのうち、カオリンに相当するピークを有する領域であって、スペクトルと化学シフト軸とで囲まれた領域の積分値に基づいて、前記鉄鉱石超微粉に含まれるカオリンの量を定量することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の焼結原料の調製方法。
(8)前記29Si一次元核磁気共鳴スペクトルの測定には、29Si-マジックアングルスピニング法を適用することを特徴とする(7)に記載の焼結原料の調製方法。
(9)前記鉄鉱石超微粉は、55mass%以上の鉄を含むことを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の焼結原料の調製方法。
本発明によれば、各銘柄の鉄鉱石超微粉に含まれるカオリンの量を定量し、焼結用鉄鉱石および副原料全体に占めるカオリンの量が0.5mass%以上7mass%未満となるように焼結用鉄鉱石と副原料とを配合するようにした。したがって、焼結原料を造粒・焼成して疑似粒子を生成するに際し、結用原料の調製において、造粒制御の鍵とされているカオリンの含有量を最適化するように各銘柄の粉鉱石を配合できる。これにより、焼結鉱の強度が向上し、焼結鉱生産の歩留改善、品質改善につながる。また、鉄鉱石超微粉に着目した造粒技術によって、従来敬遠されてきた微粉率の高い劣質鉱石を積極的に利用することも可能になり、資源獲得を有利に進めることもできる。
カオリン(Al2Si2O5(OH)4)、モンモリロナイト(Na0.33(Al1.67Mg0.33)Si4O10(OH)2・nH2O)、イライト(K0.65Al2.0Al0.65Si3.35O10(OH)2)/雲母KAl2(Si3Al)O10(OH)2)の結晶構造を示す図である。 カオリン(Al2Si2O5(OH)4)、ギブサイト(Al(OH)3)、KBrの赤外吸収スペクトルの一例を示す図である。 カオリンとギブサイトとが混在する場合の27Al二次元NMRスペクトルの一例を示す図である。 27Al一次元NMRスペクトルの一例を示す図である。 ヘマタイト型の焼結原料から生成した焼結体の元素マッピングの一例を示す図である。 焼結鉱の強度評価の結果の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
本実施形態は、焼結用鉄鉱石および副原料に水を添加して造粒し、疑似粒子化する鉄鉱石の焼結プロセスにおいて、最適な焼結原料を調製するために、様々なAl化合物が含まれる「粒径が20μm以下の鉄鉱石超微粉」中のカオリンの量を固体NMR法で正確に決定することを基本的な技術思想とする。
まず、造粒に用いる粉鉱石試料を水中あるいは分散剤を添加した水中で段階的に篩い分け、粒径が20μm以下(0μm<粒径≦20μm)の鉄鉱石超微粉を回収する。粉鉱石試料の粒径は、250μm以下(0μm<粒径≦250μm)とする。その理由として、粒径が250μmを超える試料では、バインダー機能を有する粘土鉱物の存在比率が低いため、これらの粒子が試料に含まれると擬似粒子化が却って困難になり、最終的な焼結鉱の強度の低下・生産の歩留りの悪化を招くと考えられるからである。
鉄鉱石超微粉は、造粒において補助剤(バインダー)として働くが、この組成として、全Feの量が55mass%以上、好ましくは60mass%以上であり、カオリンの量が12mass%未満(0mass%<カオリンの量≦12mass%)であるとする(ただし、全体として100mass%を超えないようにすることは勿論である)。その理由として、焼結原料に用いられている鉄鉱石は、Feが55mass%以上であるから、これと混合する鉄鉱石超微粉のFe分がこれより少ない場合、焼結鉱全体の品位の低下を招く虞がある。また、カオリンの存在量が12mass%以上であると、配合による希釈効果を考慮しても、スラグの発生量の増加を免れない。鉄鉱石超微粉中のカオリン量は、銘柄ごとに異なる。したがって、本実施形態では、複数の銘柄を配合して擬似粒子化する焼結プロセスにおいて、各銘柄の鉄鉱石超微粉中のカオリンの量を予め定量し、これに基づいて、複数銘柄の粉鉱石と、コークス粉および石灰石を含む副原料とを混合し、焼結原料全体に占めるカオリンの量が0.5mass%以上7mass%未満となるようにし、これに水を添加して造粒する。カオリンの量をこの範囲に限定する理由として、焼結原料全体に占めるカオリンの量が0.5mass%未満であるとカオリンによるバインダー効果が発揮されにくい。一方、焼結原料全体に占めるカオリンの量が7mass%以上であるとスラグ成分の発生増加につながり、焼結鉱の品位の低下を招く。
以上のような造粒によって擬似粒子化された焼結原料を、例えば1300℃の焼結機に装入して焼結鉱を得る。
焼結用粉鉱石の造粒プロセスでは、粘土鉱物によるバインダー効果が作用する。粘土鉱物は、Al、Siを主成分とし、鉄鉱石の中でこれらの元素成分を比較的多く含むものは、粘土・シルト層に分類される「粒径が20μm以下の鉄鉱石超微粉」である。鉄鉱石超微粉に含まれる粘土鉱物としては、層状構造を有する化合物、即ちカオリン(Al2Si2O5(OH)4)、スメクタイト(Na0.33(Al1.67Mg0.33)Si4O10(OH)2・nH2O)、雲母(KAl2(Si3Al)O10(OH)2)等が想定される。この他にもアルミナ(Al2O3)、ギブサイト(Al(OH)3)が鉄鉱石超微粉に含まれる粘土鉱物として考えられる。図1に代表的な粘土鉱物として、カオリン(図1(a))と、スメクタイトグループに属するモンモリロナイト(図1(b))と、雲母(図1(c))の結晶構造を示す。
図1(a)に示すように、カオリンは、6配位Al(AlO6)より成る八面体層と4配位Si(SiO4)より成る四面体層とを1:1で積層した構造を持つ。カオリンでは、四面体の中心イオンであるSi4+をAl3+で置換することがないため、4配位Alは存在しない。一方、モンモリロナイトは、八面体層の両側を四面体層が挟みこんだ2:1構造を持つ。
図1(b)に示すように、モンモリロナイトでは、四面体の中心イオンであるSi4+は、一部Al3+によって置換されているため、6配位Alに加えて4配位Alも存在する。モンモリロナイトの層間には、電荷補償イオンとしてNa+、Ca2+等が存在し、膨潤性を示す。
図1(c)に示すように、イライト/雲母は、基本的にスメクタイトと同じ2:1型の構造を持つ。イライト/雲母には、6配位Alおよび4配位Alがともに存在する。ただし、イライト/雲母の層間イオンはほとんどK+であるため、イライト/雲母は膨潤性を持たない。
カオリン、モンモリロナイト、イライト/雲母では、一つのSi四面体が、他の3つの四面体と酸素を介して繋がっているため、四面体層は平面的な広がりをもつ。アルミナやギブサイトでは、6配位Alのみが存在する。以上のように、多様性に富んだ粘土鉱物が天然には見出されるが、鉄鉱石超微粉中には、特に、比較的単純な組成を持ったカオリンが多く含まれると考えられている。
カオリンを定量する方法として、赤外吸収分光スペクトルを用いる方法が考えられる。この方法では、波数が3800cm-1〜3600cm-1の範囲に表れるカオリンのOHに基因する吸収を用いて、その強度からカオリンの量を評価する。ただし、図2に示すように、カオリンのOH吸収ピークとギブサイトのOH吸収ピークとは一部が重なるため、両者が混在する鉄鉱石試料では、これらの判別が困難になる。
カオリンを定量するもう一つの方法として、固体NMR法がある。固体NMR法の特徴は、仮に同じ配位数であっても、Al原子の周囲の局所的化学環境が化合物ごとに異なるため、化学シフトで化合物を判別できることである。ただし、27Alのような四極子核に関しては、Al化合物を区別するために、高磁場下で二次元の高分解能核磁気共鳴スペクトルを取得することが必要になる。実験室レベルで核磁気共鳴スペクトルを測定する際には、様々な磁場強度が利用可能であるが、感度・分解能の双方を向上させる上で、でき得る限り高磁場を用いることが望ましい。なお、以下の説明では、「核磁気共鳴スペクトル」を必要に応じて「NMRスペクトル」と称する。
27Al二次元NMRスペクトルを取得する方法として、27Al-Satellite Transition Magic Angle Spinning(STMAS;サテライト遷移マジックアングルスピニング)法、あるいは27Al-Multi Quantum Magic Angle Spinning(MQMAS;多量子マジックアングルスピニング)法が適用できる。ただし、MQMAS法は、多量子コヒーレントを用いるため、感度に乏しい。これに対し、STMAS法は、単量子コヒーレントを利用するため、MQMAS法に比べて感度に優れる。従って、鉱石中の微量のAlを測定する場合には、測定時間、S/N等の観点から考えて、STMAS法を用いる方が好ましい。二次元NMRスペクトルには、コンタープロットの形でAlサイト(Al化合物)が表現される。二次元NMRスペクトルの横軸は低分解能軸(MAS軸と言う)であり、縦軸は高分解能軸(ISO軸と言う)である。MAS軸への投影スペクトルは核四極子相互作用を含んでおり、ISO軸への投影スペクトルは、核四極子相互作用が取り除かれている。コンタープロットの中心位置は、同じ配位数でも異なった位置を示す。これは、Alと結合する原子、即ち配位子の種類が異なることによって、電子による遮蔽効果、あるいは核四極子相互作用の大きさに違いが表れるためである。例えば、カオリンとギブサイトとが混在する試料では、前述したように赤外分光法(IR)で両者を区別するのは難しい。そこで、STMASあるいはMQMASによって、該試料の二次元NMRスペクトルを取得する。
図3に、カオリンとギブサイトとが混在する場合の27Al二次元NMRスペクトルの一例を示す。図3に示すコンタープロットは、6配位Alに相当する領域である。さらに、予測されるAl化合物(カオリン、ギブサイト、スメクタイト、雲母、アルミナ等)の二次元スペクトルを取得し、実試料のコンタープロットと重ねて比較することで、図3に示すようにカオリンとギブサイトとを容易に判別できる。
また、カオリンとスメクタイト、あるいはカオリンと雲母/イライトが混在している場合には、6配位Alの化学シフトの違いはもとより、4配位Alの有無に基づいてこれらを判別できる。すなわち、カオリンでは4配位Alがそもそも結晶構造中に存在しないので、4配位の化学シフト範囲にピークを検出することはない。これに対し、スメクタイトや雲母/イライトでは、4配位Alが必ず存在するため、二次元NMRスペクトルの4配位領域を確認するだけで、カオリンとスメクタイト、あるいはカオリンと雲母/イライトを区別することが出来る。化学シフトの領域を考慮しても、6配位Alは0〜10ppm、4配位Alは60〜80ppmであるから、両者を明確に区別できる。ただし、STMAS法もMQMAS法も結果として得られる二次元NMRスペクトルは高分解能であるが、厳密な定量性を持たない。従って、定量を行う際には、STMASまたはMQMASで取得した二次元NMRスペクトルからAlの化学形態を特定し、その上で、一次元NMRスペクトルから鉄鉱石中のカオリンの量を決定する必要がある。以下にその具体的な手順を示す。
鉄鉱石超微粉中のカオリンを定量するには、まず、試料管に封入するカオリンの量を変えて、27Al-一次元Magic Angle Spinning(MAS;マジックアングルスピニング)スペクトルを取得し、検量線を作成する。この際、スペクトルの強度としては、ピークの高さではなく、ピークを有する領域の、スペクトルと化学シフト軸とで囲まれた部分の積分値(面積強度:以下、ピーク面積という)を使うことが望ましい。このピーク面積は、試料管中のカオリンの量に比例するので、ピーク面積とカオリンの量との関係から、検量線が得られる。
そして、鉄鉱石超微粉を試料管に封入し、27Al STMAS法または27Al MQMAS法により27Al二次元NMRスペクトルを取得し、27Al MAS法により27Al一次元NMRスペクトル(27Al一次元MASスペクトル)を取得する。27Alのような四極子核では、90oパルス幅がAlサイト(Al化合物)によって異なる。したがって、27Al一次元MASスペクトルの定量性を確保するため、照射パルスのフリップ角を下げて測定するのが好ましい。これとは別に、標準試料として、カオリン、スメクタイト、雲母、イライト、ギブサイトおよびアルミナをそれぞれ試料管に封入し、各化合物の二次元NMRスペクトルを取得し、それぞれのコンタープロットの位置を把握する。その上で、鉄鉱石超微粉の二次元スペクトルのコンタープロットと、前記標準試料のコンタープロットとを比較し、鉄鉱石超微粉に含まれるカオリンおよびその他のAl化合物を特定する。さらに、この段階で把握したAlサイト数(Al化合物の数)を用いて、先に取得した27Al一次元MASスペクトルを波形分離し、カオリンに相当するピーク面積と予め作成した検量線(ピーク面積とカオリンの量との関係)とを用いてカオリンの量を決定し、これを基に鉄鉱石超微粉中のカオリン濃度(mass%)を得る。
ここで、波形分離は、例えば、次のようにして行うことができる。すなわち、27Al二次元スペクトルで把握されるAlサイト数(=Al化合物の数)とその化学シフトとを、27Al一次元MASスペクトルに設定し、27Al一次元MASスペクトルを最も良く再現するように、27Al一次元MASスペクトルにガウス関数を適用することにより波形分離を行うことができる。
一方、29Si-NMR測定において、29Si MAS法を用いてカオリンを定量することも可能である。ただし、29Siは27Alと異なり四極子核ではないから、29Si MAS法では、波形分離を行う際に二次元スペクトルを取得する必要はない。最初に、カオリンの量の異なる試料を試料管にそれぞれ封入し、各試料の29Si一次元MASスペクトルを測定し、カオリンの量とピーク面積との関係から検量線を作成しておく。さらに、予めカオリン、スメクタイト、イライト、雲母、石英(SiO2)における29Si一次元MASスペクトルを測定し、各化合物のピーク位置、即ち化学シフトを把握する。その上で、鉄鉱石超微粉の29Si一次元MASスペクトルを測定し、29Si一次元MASスペクトルの化学シフトと、予め把握した化学シフトとを比較した結果から、カオリンおよびその他の鉱物を特定する。そして、29Si一次元MASスペクトルの波形分離を行い、カオリンに相当するピーク面積と検量線とを用いてカオリンの量を決定し、これを基に鉄鉱石超微粉中のカオリンの濃度(mass%)を得る。ただし、29Si-NMR測定では、線幅が広くなり易いため、化学構造が類似した無機鉱物が複数存在するとそれらの分離が困難になる。また、29Si-NMR測定では、スピン−格子緩和時間(T1)が長いためにパルス間隔を長く設定する必要があり、その結果、測定が長期化し易い。したがって、実用的には、分離精度、測定所要時間から考えて、27Al-NMR法を用いることが望ましい。
以下に本発明の実施例を用いて説明するが、本発明の目的および技術思想を逸脱しない限り、本発明の実施形態は以下の条件のみに限定されるものではない。
ヘマタイト、ゲーサイトそれぞれ4種類の銘柄の鉄鉱石を篩いに掛け、粒径が250μm以下のものを粉鉱石試料とした。粉鉱石試料を水中で段階的に篩い分けして、粒径φが20μm以下の鉄鉱石超微粉を回収した。粒径φが20μm超〜250μmのものを鉄鉱石微粉として、鉄鉱石微粉と鉄鉱石超微粉とについて化学分析を行い、全Fe(T.Fe)、SiO2、Al2O3の含有率(mass%)を求めた。T.Feは、日本工業規格JISM8212、SiO2、Al2O3は、JISM8205によりそれぞれ求めた。これらを表1および表2に示す。表1にヘマタイト(Fe2O3)型の粉鉱石の化学組成を、表2にゲーサイト(FeOOH)型の粉鉱石の化学組成をそれぞれ示す。また、表1、表2に記したカオリンの含有率は、固体NMRスペクトルから以下のように求めた。
Figure 2011252219
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まず、異なる量の市販試薬のカオリンを別々の試料管に詰めて、27Al一次元MASスペクトルを測定し、各一次元MASスペクトルの積分値(面積強度:ピーク面積)を求めた。このピーク面積とカオリン量との関係から検量線を作成した。
次に、市販試薬のカオリンを試料管に封入し、STMAS法あるいはMQMAS法で高分解能27Al二次元NMRスペクトルを得た。また、比較のために、モンモリロナイト、アルミナ、ギブサイト、雲母もそれぞれ試料管に詰め、それぞれの27Al二次元NMRスペクトルも取得した。さらに、表1、表2に記した粉鉱石試料について鉄鉱石微粉と鉄鉱石超微粉とを別々の試料管に封入し、27Al二次元NMRスペクトルを取得した。市販試薬のカオリンの二次元NMRスペクトルと、鉄鉱石微粉と鉄鉱石超微粉の二次元NMRスペクトルとを重ね合わせて比較し、鉄鉱石微粉と鉄鉱石超微粉のコンタープロットが市販カオリンのものと一致するか否かで、カオリンを同定した。また、カオリン以外のスメクタイト、雲母、イライト、ギブサイトおよびアルミナ(Al2O3)の形態についても、27Al二次元NMRスペクトルを比較して同定した。
次に、27Al-MAS法により、鉄鉱石微粉および鉄鉱石超微分の一次元NMRスペクトルを測定し、27Al二次元NMRスペクトルで把握したAlサイト数を基に、27Al一次元NMRスペクトルの波形分離を行った。図4は、27Al一次元NMRスペクトルの一例を示す図である。ここでは、27Al二次元NMRスペクトルから、Alサイト数(Al化合物の数=2)と、それらの化学シフトとを読み取り、読み取った2つの化学シフトに相当する位置にピークの頂部を設け、波形がガウス関数に従うと仮定して27Al一次元NMRスペクトルの波形分離を行った。図4では、図に向かって右側のピーク(相対的に濃く塗り潰されている領域のピーク)がカオリンに相当するピーク、左側のピーク(相対的に薄く塗り潰されている領域のピーク)が他のAl化合物(ギブサイト)に由来するピークである。カオリンに相当する6配位Alのピーク面積を検量線に挿入してカオリンの含有量を決定し、それを鉄鉱石微粉および鉄鉱石超微粉中のカオリン濃度(mass%)に換算した。
表1、表2では、全鉄量(T.Fe)、脈石成分であるSiおよびAlの割合のみを示している。カオリンの量を示していない鉱石については、カオリンの量が0.5mass%未満であって、他のAl化合物が含まれることを意味する。表1に示すヘマタイト型粉鉱石を配合し、これにコークス粉と石灰石から成る副原料を加えて調製した焼結原料の組成を表3に示す。また、表2に示すゲーサイト型粉鉱石を配合し、これに副原料を加えて調製した焼結原料の組成を表4に示す。実施例1および実施例2では、カオリンのみがAl化合物として含まれるように調製した。その他の比較例では、Al2O3またはAl(OH)3のみがAl化合物として含まれるように調製した。
Figure 2011252219
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表3および表4に示した組成の焼結原料を、大気圧下、1300℃で焼成し、焼結体を得た。図5に、ヘマタイト型の焼結原料(表3に示す組成の焼結原料)から生成した焼結体の元素マッピングの一例を示す。Al化合物としてカオリンを有する焼結原料から生成した焼結鉱(実施例1)では、図5(b)に示すように、緻密な組織が見られた。一方、Al化合物としてギブサイトのみを含む焼結原料から生成した焼結鉱では、図5(a)に示すように、その表面の凹凸が大きくなり、空隙も観察された。さらに、Al化合物としてアルミナのみを含む焼結原料から生成した焼結鉱では、図5(c)に示すように、その一部に激しく溶融した形跡が見られ、全体として多孔質な組織を示した。これらの傾向は、ゲーサイト型の焼結原料(表4に示す組成の焼結原料)から生成した焼結鉱でも確認できた。以上の結果より、カオリンを造粒に用いた場合には、焼結鉱の強度増加が推定された。こうした強度増加は焼結鉱の崩壊を抑制し、粉化率の低下をもたらすと考えられる。
次に、落下試験による焼結鉱の強度評価を行った。まず、前述した6種類の焼結用原料(表3、表4に示す組成の焼結原料)を直径8mm×高さ10mmのダブレットに成形し、これを電気炉内におき、大気気流中、1300℃で焼成し、焼結体を作製した。次に、水平に静置した焼結体めがけて、300mm上方から300gの物体を落下させ、衝突後、破片を回収しそれらの粒径を測定した。図6(a)は、表3に示す組成の焼結原料から生成した焼結鉱の強度評価の結果の一例を示す図であり、図6(b)は、表4示す組成の焼結原料から生成した焼結鉱の強度評価の結果の一例を示す図である。図6は、それぞれの焼結体について、物体を衝突させた後の破片の粒径の割合を示している。
図6に示すように、カオリンを用いた焼結体(実施例1および2)では、他のAl化合物を用いた焼結体に比べ、粒径1mm以下の微粉の生成率が低くなった。よって、焼結体の組織から推定されたように、カオリンを用いた焼結原料では、焼結体強度の改善が見られた。これは、焼結鉱の歩留り改善をもたらすことになると考えられる。
以上、本発明の実施形態および実施例で説明したように、各銘柄の鉄鉱石超微粉に含まれるアルミニウム(Al)の化学形態を識別し、各形態の存在比率を定量評価できる。その結果、焼結用原料の調製において、造粒制御の鍵とされているカオリンの含有量を最適化するように各銘柄の粉鉱石を配合し、それに副原料と水とを加えて、粉鉱石を有利に疑似粒子化することが可能となる。その結果、焼結鉱の強度が向上し、焼結鉱生産の歩留改善、品質改善につながる。また、焼結鉱の生産性を良好に維持するための焼結原料を、銘柄等の経験的な知識ではなく、科学的指標に基づいて調製可能となるため、鉄鉱石の選択にも柔軟性が生まれ、鉄鉱石の資源の有効利用につながる。また、鉄鉱石超微粉に着目した造粒技術によって、従来敬遠されてきた微粉率の高い劣質鉱石を積極的に利用することも可能になり、資源獲得を有利に進めることもできる。すなわち、本技術は、今後、劣質鉱石の有効利用を迫られる鉄鋼産業において、鉄資源確保の観点から考えても、利用価値の高い技術である。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。

Claims (9)

  1. 焼結用鉄鉱石および副原料に水を添加して造粒し、擬似粒子化することにより生成される焼結原料の調整方法において、
    前記焼結用鉄鉱石として用いる複数銘柄の鉱石を、それぞれ水中で段階的に篩い分け、鉄鉱石超微粉を回収する篩い分け工程と、
    前記回収した各銘柄の鉄鉱石超微粉に含まれるカオリンの量を定量する定量化工程と、
    前記カオリンの量に基づいて、複数銘柄の焼結用鉄鉱石と、コークス粉および石灰石を含む副原料とを、焼結用鉄鉱石および副原料全体に占めるカオリンの量が0.5mass%以上7mass%未満となるように配合する配合工程と、
    前記配合した焼結用鉄鉱石と副原料とに水を添加して造粒する造粒工程と、
    を含むことを特徴とする焼結原料の調製方法。
  2. 前記焼結用鉄鉱石の粒径は、0μm超、250μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の焼結原料の調製方法。
  3. 前記鉄鉱石超微粉の粒径は、0μm超、20μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結原料の調製方法。
  4. 前記鉄鉱石超微粉は、0mass%超、12mass%未満のカオリンを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結原料の調製方法。
  5. 前記定量化工程は、
    前記鉄鉱石超微粉の27Al二次元核磁気共鳴スペクトルを測定し、
    前記測定した27Al二次元核磁気共鳴スペクトルのコンタープロットの位置と、予め得られている、カオリン、スメクタイト、雲母、イライト、ギブサイトおよびアルミナの27Al二次元核磁気共鳴スペクトルのコンタープロットの位置と、を比較し、
    前記比較した結果に基づいて、前記測定した27Al二次元核磁気共鳴スペクトルにおける、カオリン、スメクタイト、雲母、イライト、ギブサイトおよびアルミナのスペクトルを特定して、前記鉄鉱石超微粉に含まれるAl化合物の数を把握し、
    前記鉄鉱石超微粉の27Al一次元核磁気共鳴スペクトルを測定し、
    前記測定した27Al二次元スペクトルで把握した、前記鉄鉱石超微粉に含まれるAl化合物の数に基づいて、前記27Al一次元核磁気共鳴スペクトルのピーク分離を行い、
    前記27Al一次元核磁気共鳴スペクトルのピークのうち、カオリンに相当するピークを有する領域であって、スペクトルと化学シフト軸とで囲まれた領域の積分値に基づいて、前記鉄鉱石超微粉に含まれるカオリンの量を定量することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の焼結原料の調製方法。
  6. 前記27Al二次元核磁気共鳴スペクトルの測定には、27Al-多量子マジックアングルスピニング法または27Al-サテライト遷移マジックアングルスピニング法を適用し、前記27Al一次元核磁気共鳴スペクトルを測定には、27Al-マジックアングルスピニング法を適用することを特徴とする請求項5に記載の焼結原料の調製方法。
  7. 前記定量化工程は、
    鉄鉱石超微粉の29Si一次元核磁気共鳴スペクトルを測定し、
    前記29Si一次元核磁気共鳴スペクトルのピークの位置と、予め得られている、カオリン、スメクタイト、雲母、イライトおよび石英の29Si一次元核磁気共鳴スペクトルのピークの位置と、を比較し、
    前記比較した結果に基づいて、前記測定した29Si一次元核磁気共鳴スペクトルにおける、カオリン、スメクタイト、雲母、イライトおよび石英のスペクトルを特定し、
    前記測定した29Si一次元核磁気共鳴スペクトルのピークのうち、カオリンに相当するピークを有する領域であって、スペクトルと化学シフト軸とで囲まれた領域の積分値に基づいて、前記鉄鉱石超微粉に含まれるカオリンの量を定量することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の焼結原料の調製方法。
  8. 前記29Si一次元核磁気共鳴スペクトルの測定には、29Si-マジックアングルスピニング法を適用することを特徴とする請求項7に記載の焼結原料の調製方法。
  9. 前記鉄鉱石超微粉は、55mass%以上の鉄を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の焼結原料の調製方法。
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