JP2011251573A - 車両用シートの空調装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 空調ダクトの一部を蛇腹形状とすれば外観意匠が損なわれ、独立した空調装置を装着すれば高価となる。
【解決手段】 カーエアコン１６からの冷気や暖気などの温調空気を供給する空調ダクト１８が車床２２に埋設して配管され、その流出口１８ａはシートクッション１２、車床間の空間２２に開口される。空調ダクトの流出口１８ａを挟んでシートクッションの前後および左右の端部から遮蔽スカートが垂下して、シートクッション下方の空間２２を遮蔽することにより、空調ダクトからの温調空気がその空間内に滞留される。空調ファン１３がシートクッションの下面に設けられて、シートクッションのシートパッド１２ｃに設けられた流路１２ａに空間内の温調空気を送り込んでいる。
【選択図】 図１

Description

本発明は、シートクッションに下方から温調空気を供給する車両用シートの空調装置に関する。

温度調節された冷気や暖気などの温調空気を流して車内を全体的に冷房または暖房する空調装置が従来から広く採用されている。最近では、シートクッション、シートバックにカーエアコンからの温調空気を供給して良好な着座環境を提供するシート用の空調装置も知られている。

シートクッション、シートバックにカーエアコンなどの車載の空調ユニットからの温調空気を供給するシート用の空調装置では、シートクッション、シートバックのシートパッドに温調空気の流路を設けるとともに、シートの外部に空調ダクトを配管し、シートパッドの流路の流入口に空調ダクトの流出口を連結して温調空気が空調ダクトを介してシートクッションなどの内部に供給される構成となっている。

前後にスライドするシートにおいては、シートに設けた温調空気の流入口が所定位置に留まらずに前後に移動するため、空調ダクトの一部を蛇腹形状とした構成が提案されている（たとえば、特開２０１０−０００８４６号公報）。この構成では、空調ダクトの蛇腹部が伸縮することによってシートのスライドに伴う流入口の前後の移動に対応できる。

また、冷却手段、加熱手段などを内蔵した空調装置をシートクッション、シートバックに直接装着した構成も提案されている。たとえば、特開２０１０−０３６７５１号公報では、ペルチェ素子をシートパッドの流路に設け、空調ファンで流路に空気を送り込む構成が提案されている。この構成では、空調ファンによって吸気された空気流が、ペルチェ素子の順方向通電時には冷却されて、逆方向通電時には加熱されて、シートパッドの流路に供給される。シートクッションなどに独立した空調装置を装着した構成では、カーエアコンから空調ダクトを介して温調空気を供給する必要がなく、前後にスライドするシートに対して何ら問題なく対応できる。

特開２０１０−０００８４６号公報 特開２０１０−０３６７５１号公報

空調ダクトの一部を蛇腹形状とした構成では、蛇腹部は、シートのスライドに対応して繰り返し伸縮変形するだけでなく、空調ダクトに供給される冷気や暖気にさらされてその温度変化によっても伸縮変形する。そのため、繰り返される伸縮変形に耐え得る材質から蛇腹部を空調ダクトの本体と別体に成形して空調ダクトの本体に取り付ける構成となり、簡単な構成とすることが難しい。また、蛇腹部は異形であり、空調ダクトの蛇腹部が車床上に配置されるため、シートが後方にスライドされると、異形の蛇腹部がシートクッションの前方に露出して外観意匠が損なわれるおそれがある。また、蛇腹部が足回りの障害となる。

冷却手段、加熱手段などを内蔵した空調装置をシートクッションなどに装着すれば、空調ダクトそのものが不要となるため、外観意匠上も問題がない。しかしながら、冷却手段、加熱手段などを内蔵した空調装置は高価であり、空調装置付の車両シートを安価に提供できない。

本発明は、外観意匠を損なうことなく前後にスライドされるシートに十分に対応できる安価な車両用シートの空調装置の提供を目的としている。

請求項１に係る本発明によれば、温調空気を供給する空調ダクトを車床に配管してその流出口をシートクッションと車床との間の空間に開口し、空調ダクトの流出口を挟んでシートクッションの前後左右の端部から遮蔽スカートをそれぞれ垂下させて、シートクッション、車床の間の空間内に空調ダクトからの温調空気を滞留し、車床との間の空間に面したシートクッションの下面に空調ファンを設けて、空間内に滞留した温調空気をシートクッションのシートパッドに設けられた流路に送り込む構成となっている。

請求項１に係る本発明では、遮蔽スカートでシートクッション、車床間の空間を遮蔽して、温調空気をその空間に流入、滞留させて空調ファンでシートパッドの流路に温調空気を送り込むという簡単な構成で空調装置が構成できる。そして、冷却手段、加熱手段などを内蔵する構成とは異なり、カーエアコンなどからの温調空気をそのまま利用でき、空調装置が安価に得られる。
空調ダクトの流出口が遮蔽スカートで挟まれているため、空調ダクトに蛇腹部を設けることなく、前後にスライドされるシートに十分に対応でき、蛇腹部がないため、外観意匠や足回りを損なうおそれがない。

本発明の一実施例に係る車両用シートの空調装置の概略図を示す。 シートバックを除いたシートの一部破断の平面図を示す。 （Ａ）はシートクッション下面への遮蔽スカートの取り付けを示すための図１のＸ部の拡大図を示し、（Ｂ）（Ｃ）は別の取付け例を示す。

冷気や暖気などの温調空気を供給する空調ダクトは車床に配管され、その流出口はシートクッションと車床との間の空間に開口している。空調ダクトの流出口を挟んでシートクッションの前後および左右の端部から遮蔽スカートが垂下して、シートクッション、車床の間の空間を外部から遮蔽することにより、空調ダクトからの温調空気がシートクッション、車床の間の空間内に滞留される。そして、空調ファンが車床との間の空間に面したシートクッションの下面に設けられて、シートクッションのシートパッドに設けられた流路に空間内の温調空気を送り込んでいる。

以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。図１は本発明の一実施例に係る車両用シートの空調装置の概略図を示す。
図１に示すように、車両用シート１１は、シートクッション１２と、シートクッションの後端に設けられたシートバック１４とを有し、シートクッションのシートパッド１２ｐには、温度調節された冷気や暖気などの温調空気の流れる流路１２ａが形成され、空調装置１０はシートパッドの温調空気を送り込む構成となっている。

シートクッションのシートパッド１２ｐに設けられた流路１２ａの形状は従来とさほど差異はなく、流路の流入口(吸い込み口)１２ａ１がシートパッド下面に形成され、流路本体１２ａ２が流入口から供給された温調空気を下方から上方に流すように流入口に連通してシートパッドに形成されている。そして、流路本体１２ａ２は分岐して上方に延びて流出口１２ａ３に連通している。多数の流出口(吹き出し口)１２ａ３がシートパッド１２ｐの上面に開口しており、シートパッドは通気性のあるシート材からなるトリムカバー１２ｃで被覆されている。

温調空気をシートパッド１２ｐ内の流路１２ａに供給するための空調ファン１３が、流入口１２ａ１に面してシートクッション下面のシートフレーム１２ｆに設けられている。
また、カーエアコンなどの車載の空調ユニット１６からの冷気や暖気などの温調空気の流れる空調ダクト１８が、車内に温調空気を供給する空調ダクトとは別に、車床２０に埋設して配管され、その流出口(吹き出し口)１８ａはシートクッション１２と車床２０との間の空間２２に開口している。遮蔽スカート２４がシートクッション下面から垂下して、シートクッション１２、車床２０間の空間２２を外部から遮蔽して温調空気の滞留する空間としている。

図２は、シートバックを除いたシート１１の一部破断の平面図を示し、シートの前後をＦr、Ｒr、左右をＬ、Ｒで示している。
図１、図２に示すように、遮蔽スカート２４はシートクッションの前後および左右の端部からそれぞれ垂下しており、前後左右の遮蔽スカート２４Ｆｒ、２４Ｒｒ、２４Ｌ、２４Ｒによってシートクッション１２の下方でシートクッション、車床間の空間２２が外気から遮蔽されている。

たとえば、遮蔽スカート２４（２４Ｆｒ、２４Ｒｒ、２４Ｌ、２４Ｒ）はその上端がシートクッション下面のシートフレーム１２ｆに取り付けられ、その下端が車床に軽く接する程度まで、シートクッション下面から垂下される。

前後の遮蔽スカート２４Ｆｒ、２４Ｒｒは、車床上で開口した空調ダクトの流出口１８ａを前後から、左右の遮蔽スカート２４Ｌ、２４Ｒは左右からそれぞれ挟んで設けられている。
シート１１は、車床上のスライドレール２６のロアレール２６Ｕｐによって前後にスライド可能とされ、左右の遮蔽スカート２４Ｌ、２４Ｒはシートクッション下面のスライドレールのアッパーレール（図示しない）の内側でシートクッション下面から垂下されている。スライドレール（アッパーレール）の外側でシートクッション下面から垂下させてもよいが、図示のように、左右の遮蔽スカート２４Ｌ、２４Ｒをスライドレールの内側に設ければ、前後の遮蔽スカート２４Ｆｒ、２４Ｒｒの下端が車床上のロアレール２６Ｕｐに乗り上げることを防止できる。

シート１１が図２で示すスライドの前限位置から後方に距離Ｌスライドして後限位置に移動しても、前端の遮蔽スカート２４Ｆｒが車床上の空調ダクトの流出口１８ａを越えず、前後の遮蔽スカート２４Ｌ、２４Ｒに常に挟まれるように、空調ダクトの流出口の位置が設定されている。

前後左右の遮蔽スカート２４（２４Ｆｒ〜２４Ｒ）は、可撓性を持ち、温調空気を滞留させる通気性のないシート部材、たとえば、布素材（織布、不織布）、ビニール素材、樹脂素材、革素材などから成形される。

図３（Ａ）はシートクッション下面への遮蔽スカートの取り付けを示すための図１のＸ部の拡大図を示す。図３(Ａ)に示すように、たとえば、シートクッション下面のシートフレーム１２ｆの下端は外方に切り起こされ、その切り起こし片１２ｆａに係合されるリテーナ２８を利用して遮蔽スカート２４がシートクッション下面に取り付けられる。

シートフレームの切り起こし片１２ｆａは、シートフレーム端を基部として切り起こされた片持ち片形状とされ、その上端が切り落とされて、切り落とし片よりも大きなスロット(切り溝)１２ｆａ’がシートフレームに残されている。
リテーナ２８は、公知の形状をしており、大小２つの対向壁２８ａ、２８ｂを持つ縦断面が略Ｕ字形状に、たとえば、プラスチック、アルミニウムなどの弾性材から成形されている。小さな壁側（短い壁側；内側)に延びてシートフレームの切り起こし片１２ｆａに係合可能な係合片２８ａ’が大きな壁（長い壁）２８ａに形成され、係合片が切り起こし片に係合するとき、切り起こし片を大きな壁との間で弾性力のもとで抱え込むように、短い壁２８ｂはスロット１２ｆａ’を越えてシートフレームを押圧しない長さに形成されている。

リテーナ２８にトリムカバー端末１２ｃ’、遮蔽スカート２４の上端をこの順序で重ねて、重複部で三部材（リテーナ、トリムカバー、遮蔽スカート）が一体的に縫合される。縫合によって一体化されたリテーナ２８、トリムカバー１２ｃ、遮蔽スカート２４は、トリムカバー端末を折り返してトリムカバーを張設した状態で、係合片２８ａ’をシートフレームの切り起こし片１２ｆａに係合させてリテーナ２８をシートフレーム１２ｆに取り付ければ、遮蔽スカート２４はシートクッション下面に取り付けられて垂下される。

略Ｕ字形状のリテーナ２８の開口端を狭まる方向に弾性力が生じているため、係合片２８ａ’がシートフレームの切り起こし片１２ｆａに係合されると、その弾性力のもとでリテーナはシートフレーム１２ｆに強固に取り付けられ、遮蔽スカート上端がシートクッション下面に確実に取り付けられる。

図３（Ｂ）（Ｃ）はシートクッション下面への遮蔽スカートの取り付けの変形例を示す。図３(Ｂ)（Ｃ）のいずれにおいても図３（Ａ）の構成と同様に、リテーナ２８を利用して遮蔽スカートがシートクッション下面に取り付けられる構成となっている。

図３(Ｂ)の変形例では、トリムカバー１２ｃ、リテーナ２８を縫合するとともに、遮蔽スカート上端に樹脂プレートなどから成るガイドプレート３０を縫合し、トリムカバー１２ｃ、リテーナ２８ｂの組合せと、ガイドプレートと遮蔽スカートの組合せとを止めピン３２で一体化してから、リテーナを切り起こし片２８ａに係合してシートクッション下面に取り付けている。なお、図３（Ａ）〜（Ｃ）において、縫合部を２９で示す。

詳細に述べると、止めピン３２は軸部の先端を弾性変形可能な矢じり状３２ａとした合成樹脂からなる公知の止めピンとされ、矢じり状先端の挿通される挿通孔、十字形の切れ目などがトリムカバー１２ｃ、リテーナ２８、ガイドプレート３０、遮蔽スカート２４に形成されている。挿通孔などを整列させて、トリムカバー、リテーナ２８が縫合されるとともに、遮蔽スカート、ガイドプレートが縫合される。

挿通孔などを整列させて、トリムカバー、リテーナ２８ｂが縫合されるとともに、遮蔽スカート、ガイドプレートが、まず縫合される。それから、挿通孔などを整列させトリムカバー１２ｃにガイドプレート３０が重なるように、リテーナ２８ｂ、トリムカバーの組合せと、ガイドプレート、遮蔽スカート２４の組合せを重ね、それぞれの挿通孔などに止めピンの軸部を挿通させる。矢じり状３２ａの先端が外側のリテーナ２８ｂなどを挿通すると、矢じり状先端が弾性のもとで半径方向外方に広がる。そのため、リテーナ２８、トリムカバー１２ｃの組合せと、ガイドプレート３０、遮蔽スカート２４の組合せとが、止めピン３２によって離脱不能に一体化される。
そして、トリムカバー１２ｃを張設した状態で、リテーナの係合片２８ａ’をシートフレームの切り起こし片１２ｆａに係合させれば、図３（Ａ）の実施例と同様に、遮蔽スカートはシートクッション下面に取り付けられて垂下される。

また、図３(Ｃ)の変形例では、「マジックテープ(登録商標)」などの面ファスナー３４を利用しており、トリムカバー１２ｃを挟んでリテーナ２８、トリムカバー、一方の面ファスナー３４ａが縫合されるとともに、他方の面ファスナー３４ｂが遮蔽スカート上端に縫合される。そして面ファスナー３４ａ、３４ｂどうしを接合させて、リテーナ２８、トリムカバー１２ｃ、遮蔽スカート２４を一体化してから、トリムカバーを張設した状態でシートフレームの切り起こし片１２ｆａに係合させれば、図３（Ａ）（Ｂ）の実施例と同様に、遮蔽スカート２４はシートクッション下面に取り付けられて垂下される。

図３（Ｂ）（Ｃ）において、トリムカバー１２ｃ、リテーナ２８、遮蔽スカート２４などを一体化してからリテーナをシートフレーム１２ｆに取り付ける代わりに、リテーナをシートフレームに取り付けてから、遮蔽スカートを取り付けてもよい。つまり、トリムカバー１２ｃ、リテーナ２８とは別に、遮蔽スカート２４を後付けしてもよい。

すなわち、図３（Ｂ）では、リテーナの係合片２８ａ’をシートフレームの切り起こし片１２ｆａに係合させて、トリムカバー１２ｃ、リテーナ２８の組合せが、まず、シートフレーム１２ｆに取り付けられる。それから、ガイドプレート３０、遮蔽スカート２４の組合せが止めピン３２を利用してトリムカバー１２ｃ、リテーナ２８に取り付けることにより、遮蔽スカートが後付けされる。

また、図３（Ｃ）では、まず、リテーナの係合片２８ａ’をシートフレームの切り起こし片１２ｆａに係合させてトリムカバー１２ｃ、リテーナ２８、一方の面ファスナー３４ａの組合せがシートフレーム１２ｆに取り付けられる。それから、遮蔽スカート２４に縫合された他方の面ファスナー３４ｂをリテーナ側の対応する面ファスナー３４ａに接合することによって、遮蔽スカートが後付けされる。

面ファスナー面３４（３４ａ、３４ｂ）を利用した構成では、それぞれの面ファスナー面３４ａ、３４ｂは２ヶ所(縫合部２９−１、２９−２)で、トリムカバー１２ｃ、リテーナ２８に、または、遮蔽スカート２４に縫合されている。

図３（Ａ）のようにリテーナ２８、トリムカバー１２ｃ、遮蔽スカート２４を縫合し一体化してからリテーナをシートフレーム１２ｆに取り付ける構成では、取り付けが迅速に行える。また、図３（Ｂ）の止めピン３２や、図３（Ｃ）の面ファスナー３４（３４ａ、３４ｂ）を利用した構成では、リテーナ、トリムカバーなどと一体化した遮蔽スカートを一体的に取り付けるだけでなく、リテーナ、トリムカバーを取り付けてから遮蔽スカートを後付けすることもできる。

面ファスナー３４を利用した図３（Ｃ）の構成では、遮蔽スカート２４が破損したときなどに容易に取り換えられる。また、止めピン３２を利用した図３（Ｂ）の構成においても、矢じり状３２ａの軸部先端を弾性変形させて止めピンを離脱させれば、遮蔽スカート２４が交換できる。

図３（Ａ）〜（Ｃ）では、前端の遮蔽スカート２４Ｆrの取付けについて述べたが、後端、左右端の遮蔽スカート２４Ｒｒ、２４Ｌ、２４Ｒについても、シートフレームに切り起こし片１２ｆを形成し、切り起こし片にリテーナ２８を係合して、図３（Ａ）〜（Ｃ）と同様の構成で取り付けられることはいうまでもない。

上記構成の空調装置１０において、カーエアコン１６を駆動されば、図１に示すように、冷気や暖気などの温調空気が空調ダクト１８を介して流出口１８ａからシート１２、車床２０との間の空間２２に送り込まれる。そして、温調空気は、遮蔽スカート２４によって外部から遮蔽されたシート１２、車床２０間の空間２２に滞留される。

カーエアコン１６の駆動とほぼ同時にシートクッション下面の空調ファン１３が駆動されて、シート、車床間の空間２２に滞留した温調空気をシートパッドの流入口１２ａ１に送り込む。流入口１２ａ１から送り込まれた温調空気は、シートパッド内の流路１２ａを流れ、分岐路を経てシートパッドの上面の多数の流出口１２ａ３からシートクッション上面に流出する。シートパッド１２ｐを覆うトリムカバー１２ｃが通気性のよいシート材から形成されているため、温調空気はトリムカバーを通ってシートクッション上面から流出（噴出）され、適当な温度に冷却または加熱された温調空気が着座者の臀部、腿部などに供給されて良好な着座環境が確保される。

シートパッド内の流路の流出口１２ａ３をシートクッション上面だけでなく、シートクッション前面にも開口させてシートクッション前面からも温調空気を流出させれば、着座者の脚部も温調空気にさらされて着座者の足元を冷却または暖房できる。

シートクッション下面から垂下した遮蔽スカート２４でシートクッション１２、車床２０間の空間２２に遮蔽して、カーエアコン１６などの車載の空調ユニットからの温調空気をその空間に流入、滞留させて空調ファン１３でシートパッドの流路１２ａに温調空気を送り込むという簡単な構成で空調装置１０が構成できる。そして、冷却手段、加熱手段などを内蔵する構成とは異なり、カーエアコン１６などの既成の装置からの温調空気をそのまま利用した構成であるため、空調装置１０が安価に得られる。
空調ダクトの流出口１８ａが遮蔽スカート２４で挟まれているため、空調ダクトに蛇腹部を設けることなく、前後にスライドされるシートに十分に対応できる。そして、蛇腹部がないため、外観意匠や足回りが損なわれるおそれがない。

上記のように、本発明によれば、外観意匠を損なうことなく前後にスライドされるシートに十分に対応できる安価な車両用シートの空調装置が得られる。

上述した実施例は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。

たとえば、遮蔽スカート２４は、通常、上下に切れ目のない形状に成形されて温調空気をシート、車床間の空間２２に十分に滞留させる形状とされる。しかしながら、遮蔽スカート２４は、温調空気をシートクッション下方の空間２２に一次的に滞留させるものでもよく、たとえば、下端に達する上下方向に延びた切れ目を持つ暖簾状のものから遮蔽スカートを形成してもよい。なお、上下方向の切れ目を持つ暖簾状の遮蔽スカート２４においては、車床２０上の突起物に遮蔽スカートの下端が乗り上げたときの温調空気の漏出を少なくすることができる。

本発明は、車両用シートのフロントシートに適するとはいえ、前後にスライドするセカンドシート、サードシートにも応用できる。また、前後にスライドする車両用シートに適するとはいえ、スライドしないシートにも本発明が応用できる。
さらに、通常、自動車のシートに応用されるが、自動車以外の車両用シート、たとえば、電車、飛行機等のシートにも本発明を応用できる。

１０ 車両用シートの空調装置
１１ 車両用シート
１２ シートクッション
１２ａ 流路
１２ｃ トリムカバー
１２ｆ シートフレーム
１２ｆａ 切り起こし片
１２ｐ シートパッド
１３ 空調ファン
１８ 空調ダクト
１８ａ 流出口
２０ 車床
２２ シートクッション、車床間の空間
２４（２４Ｆｒ、２４Ｒｒ、２４Ｌ、２４Ｒ） （前後左右の）遮蔽スカート
２８ リテーナ
２８ａ’ 係合片
３０ 止めピン
３２ ガイドプレート
３４（３４ａ、３４ｂ） 面ファスナー

Claims (6)

1. 温調空気を供給する空調ダクトを車床に配管してその流出口をシートクッションと車床との間の空間に開口し、
   空調ダクトの流出口を挟んでシートクッションの前後左右の端部から遮蔽スカートをそれぞれ垂下させて、シートクッション、車床の間の空間内に空調ダクトからの温調空気を滞留し、
   車床との間の空間に面したシートクッションの下面に空調ファンを設けて、空間内に滞留した温調空気をシートクッションのシートパッドに設けられた流路に送り込むことを特徴とする車両用シートの空調装置。
2. シートクッション下面のシートフレームに切り起こし片を設け、遮蔽スカートは、切り起こし片に係合されるリテーナを介在してその上端がシートフレームに取り付けられてシートクッション下面から垂下される請求項１記載の車両用シートの空調装置。
3. シートクッションのトリムカバー端末、遮蔽スカート上端、リテーナが縫合によって一体化された請求項２記載の車両用シートの空調装置。
4. シートクッションのトリムカバー端末、リテーナが縫合されるとともに、遮蔽スカートの上端、支持片が縫合され、トリムカバー端末、リテーナの組合せと、遮蔽スカート、支持片の組合せがピン止めで一体化された請求項２記載の車両用シートの空調装置。
5. シートクッションのトリムカバー端末、リテーナ、面ファスナーの一方が縫合されるとともに、遮蔽スカートの上端、面ファスナーの他方が縫合され、面ファスナーどうしの係合によってトリムカバー端末、リテーナ、遮蔽スカートが一体化された請求項２記載の車両用シートの空調装置。
6. 空調ダクトが車床に埋設して配管された請求項１〜５のいずれか記載の車両用シートの空調装置。

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