本発明は、蓄電池の過充電、過放電に対する保護回路および、その保護回路を用いた蓄電池制御装置、蓄電システム・発電システムに関する。
近年、太陽光発電が注目を集めている。太陽光発電システムには、独立電源システムと系統連係システムがあり、前者は太陽電池パネルまたは太陽電池モジュールにより発電した電気を蓄電池に蓄え、必要な時にそのままあるいは100Vの交流に変換して用いる。一方系統連係システムは、100Vの交流に変換した上で、消費される電力より発電量が少なければ電力会社の系統に売電し、消費される電力より発電量が多ければ電力会社の系統から電力を購入する。蓄電池に蓄えられた電力が少なくなると瞬時停電を経て電力会社の系統から電力を供給するように切り替えるシステムも独立電源システムに含めるものとする。
ここで、前者の場合に用いる蓄電池には鉛蓄電池が使われることが多いが、鉛蓄電池は充電をしすぎると爆発などの危険性がある過充電と呼ばれる現象、放電しすぎると蓄電量が減少したり使用できなくなったりする過放電という現象が知られている。そのため、図1に示すように、過充電、過放電を防ぐために充放電コントローラと呼ばれる蓄電池制御装置11を用いることが一般的である。蓄電池制御装置11は、発電装置1、蓄電池2、負荷3に接続される。尚、鉛蓄電池においては、両端の電圧に対し蓄えられている電荷は単調増加の関係にあり、両端の電圧を検出することにより蓄えられている電荷の量すなわち電力の量をある程度予測できる。
従来の蓄電池制御装置が持つ過充電、過放電を防ぐための過充電防止回路、過放電防止回路は、例えば、特許文献1に示されているように蓄電池の両端の電圧を抵抗分割して得られた電圧と参照電圧を比較器により比較し、その大小の情報をロジック回路により処理しトランジスタをオン・オフするというものである。
発明の解決しようとする課題
しかしながら、そのような従来の過充電防止回路、過放電防止回路を備えた蓄電池制御装置である充放電コントローラは、消費電流が最も少ないものでも、例えば、充電時8mA、非充電時2mAといった電流を消費する。ここで、1日に8時間発電し、発電時の平均発電電流が20mAとした場合、1日の発電電流総量は160mAhとなる。しかし、このうち96mAh(ミリアンペア・アワー)は充放電コントローラ自身によって消費されてしまう。蓄電池が1日に20mAhの電流を自己放電してしまうと仮定すると、1日当たり44mAhしか利用できないことになる。このように、小規模の独立電源システムでは、充放電コントローラにて消費される電流が無視できない。
本発明は、異常に鑑み、太陽光発電等の自然エネルギーを用いる独立電源系システム向けの低消費電力の蓄電池制御回路および蓄電池制御装置を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
この課題を解決するために、本発明においては、1つのダイオードまたは複数の直列接続されたダイオード群を太陽光発電系の2端子間に挿入し、そのダイオード系を流れる電流をバイポーラトランジスタと抵抗負荷を用いて電圧に変換し、その電圧を用いてMOSトランジスタをオン・オフ制御することにより、過充電、過放電を抑制する。
発明の効果
本発明により、少ない部品点数で、過充電、過放電に対する保護回路が実現できる。また、消費電力を抑えることができる。過充電に対する保護回路は、実質的な消費電流ベースで2桁またはそれ以上減らすことができる。過放電に対する保護回路は、実質的な消費電流ベースで1桁〜2桁減らすことができる。
その結果、安価で低消費電力な蓄電池制御装置を実現でき、過充電・過放電を気にせずに使用できる安価で電力利用効率のよい小規模な独立電源システムを実現することができる。
図1は、独立電源システムの概要図である。
図2は、第1の実施の形態における過充電防止回路である。
図3は、第1の実施の形態における過充電防止回路において、スイッチング素子にPMOSトランンジスタを用いた場合の回路図である。
図4は、第1の実施の形態における過充電防止回路の変形例である。
図5は、第2の実施の形態における過充電防止回路において、スイッチング素子にPMOSトランンジスタを用いた場合の回路図である。
図6は、第3の実施の形態における過放電防止回路において、スイッチング素子にPMOSトランンジスタを用いた場合の回路図である。である。
図7は、第4の実施の形態における過充電防において、スイッチング素子にNMOSトランンジスタを用いた場合の回路図である。
図8は、第5の実施の形態における過放電防止回路である。
図9は、第5の実施の形態における過放電防止回路において、スイッチング素子にPMOSトランンジスタを用いた場合の回路図である。
図10は、第6の実施の形態における独立電源システムのブロック図である。
図11は、第6の実施の形態における独立電源システムにおいて、発電装置として太陽電池を用い、蓄電池に鉛蓄電池を用いた場合のブロック図である。
図12は、第6の実施の形態における独立電源システムの回路図である。
図13は、第7の実施の形態における独立電源システムのブロック図である。
図14は、第7の実施の形態における独立電源システムにおいて、発電装置として太陽電池を用い、蓄電池に鉛蓄電池を用いた場合のブロック図である。
図15は、第7の実施の形態における独立電源システムの回路図である。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態の回路は、過充電防止回路である。図2に、第1の実施の形態の回路図を示す。第1の実施の形態の回路は、PNP型バイポーラトランジスタ114および、第一の回路部位111および、第三の回路部位112および、抵抗器お113よび、スイッチング素子115を持つ。これらの部分全体が過充電防止回路21である。
PNP型バイポーラトランジスタ114のコレクタは発電系のプラス端子117−1に、ベースは回路部位111の一端に、エミッタは抵抗器113の一端およびスイッチング素子115のコントロール端子に接続される。回路部位111の一端はPNP型バイポーラトランジスタ114のベースに、もう一端は回路部位112の一端および抵抗器113の一端に接続される。回路部位112の一端は回路部位111の一端および抵抗器113の一端に接続され、もう一端は発電系のマイナス端子117−2および蓄電系のマイナス端子117−4に接続される。抵抗器113の一端は回路部位111の一端および回路部位112の一端に接続され、もう一端はPNP型バイポーラトランジスタ114のエミッタおよびスイッチング素子115のコントロール端子に接続される。スイッチング素子115の一端は発電系のプラス端子117−1に接続され、コントロール端子はPNP型バイポーラトランジスタ114のエミッタおよび抵抗器113の一端に接続され、一端は蓄電系のプラス端子117−3に接続される。
ここで発電系とは太陽電池等の発電装置に実質的に接続された部分117−1、117−2とし、蓄電系とは鉛蓄電池等の蓄電池に実質的に接続された部分117−3,117−4とする。117−2と117−4は短絡しているが、説明の都合上別のノードであるとして説明する。実質的に接続されるとは、間にヒューズ、スイッチ、抵抗器、ダイオード、電流計等が間に挿入されている場合も含めて接続されていることを意味する。。
ここで、回路部位111、回路部位112は、1つのダイオードまたは複数の直列接続されたダイオード群を含む。直列接続したダイオードを並列接続すること、並列接続したダイオードを直列接続することも可能である。また、使用するダイオードは第1の実施の形態では発光ダイオードとするが、必ずしも発光ダイオードでなくてもよいものとする。発光ダイオードは緑色、赤色、青色、紫外、赤外などあらゆるものを用いることができる。さらに、ツェナーダイオードを用いてもよく、電圧降下がより少ないシリコンダイオード、ショットキーバリアダイオードを用いてもよい。また、これらのダイオードの組み合わせでもよく、組み合わせることにより、回路部位111の電圧降下の合計、回路部位112の電圧降下の合計を調整できる。回路部位111、112は抵抗器を含んでもよい。この抵抗器は、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧が高くなったときに流れる電流を制限する役割を果たす。第2の実施の形態は、回路部位111が、緑色発光ダイオード111−1、111−2、111−3の直列接続、回路部位112が、緑色発光ダイオード112−1、112−2、112−3、112−4および抵抗器112−5直列接続の場合の例である。
スイッチング素子115には、PMOSトランジスタを用いることができる。図3に、スイッチング素子115にPMOSトランジスタを用いた場合の回路図を示す。以下では、スイッチング素子115にPMOSトランジスタを用いた場合について説明する。
PNP型バイポーラトランジスタ114のコレクタは発電系のプラス端子117−1に、ベースは回路部位111の一端に、エミッタは抵抗器113の一端およびPMOSトランジスタ115−2のゲートに接続される。回路部位111の一端はPNP型バイポーラトランジスタ114のベースに、もう一端は回路部位112の一端および抵抗器113の一端に接続される。回路部位112の一端は回路部位111の一端および抵抗器113の一端に接続され、もう一端は発電系のマイナス端子117−2および蓄電系のマイナス端子117−4に接続される。抵抗器113の一端は回路部位111の一端および回路部位112の一端に接続され、もう一端はPNP型バイポーラトランジスタ114のエミッタおよびPMOSトランジスタ115−2のゲートに接続される。PMOSトランジスタ115−2のソースは発電系のプラス端子117−1に接続され、ゲートはPNP型バイポーラトランジスタ114のエミッタおよび抵抗器113の一端に接続され、ドレインは蓄電系のプラス端子117−3に接続される。
この回路は、発電系のプラスマイナス端子間の電圧によりダイオード群を含む回路部位111に流れる電流が決まる。ダイオード群を含む回路部位111に流れる電流は、電流が流れ始める電圧付近において、両端にかかる電圧に対して指数関数的に増大する。そして、ダイオード群を含む回路部位111に流れる電流を、PNP型バイポーラトランジスタ114で増幅およびコピーし、抵抗器113に流して受けることにより、ダイオード群を含む回路部位111に流れる電流に比例した電圧を抵抗器113の両端に作り出す。その電圧により決まるノード116の電位によりPMOSトランジスタ115−2が制御されるので、ダイオード群を含む回路部位111に流れる電流が多くなるほどPMOSトランジスタ115−2はソースドレイン間の抵抗を上げることになる。
発電系のプラスマイナス端子間の電圧が一定電圧値を超えるとダイオード群を含む回路部位111に流れる電流が一定値を超え、ノード116の電位が一定値を超え、PMOSトランジスタ115はソースドレイン間の抵抗が一定値を超える。発電系のプラスおよびマイナスの端子に太陽電池接続した場合などは、このとき、発電系のプラスマイナス端子間の電圧がまずます上昇し、PMOSトランジスタ115−2はソースドレイン間の抵抗がますます上昇するという正帰還がかかる。そのため、発電系のプラスマイナス端子間の電圧は一気に上昇し、PMOSトランジスタ115−2は完全にオフになる。こうなることにより、発電系のプラスマイナス端子間の電圧が一定電圧値を超えるとPMOSトランジスタ115−2がオフし、発電系を蓄電系と切り離すことにより、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧を一定電圧値以上に上げない機能が実現する。
具体的には、回路部位111に3つの緑色発光ダイオードを、回路部位112に4つの緑色発光ダイオードを、抵抗器113に300kΩの抵抗を用いることにより、消費電流数μA(マイクロアンペア)程度を実現した。尚、発電系のプラスマイナス端子間の電圧が一定値を超えてPMOSトランジスタ115−2がオフしたときにはより大きな電流が流れるが、これは、発電系で発電された電力が、蓄電系と切り離され、行き場を失った使い道の無い電流が消費されているにすぎないので、実質的な消費電流とは見なさないものとする。
このようなことが可能になる本質的理由は、ダイオードは電流が流れ始める付近の両端の電圧において、両端にかかる電圧に対して指数関数的に電流量が増大することを用いているため、複雑な増幅回路が不要であり、また、直列接続されるダイオードの個数や各ダイオードの閾値によりダイオードに流れる電流を調整し、少なく抑えることができることによる。尚、発電系と蓄電系を切り離すかどうかを決める一定電圧値は、直列接続されるダイオードの個数や各ダイオードの閾値により調整することができる。
回路部位111、112の少なくとも片方に発光ダイオードを用いた場合では発電系と蓄電系が切り離された状態では発光ダイオードがある程度の明るさで発光するため、目視により確認することができる。抵抗器112−5により、この時流れる電流を制限することができる。抵抗器112−5の抵抗値は、数百Ω〜数kΩが適する。この抵抗器112−5により電流を制限することにより、ダイオードは電流容量の小さいものを用いることができ、回路、装置の大きさを小さくでき、価格を抑えることができる。
第1の実施の形態により、安価で低消費電力な過充電防止回路が実現する。
[第1の実施の形態の変形例]
図4に、第1の実施の形態の変形例の回路図を示す。本回路は、PNP型バイポーラトランジスタ114および、回路部位111および、抵抗器113よび、PMOSトランジスタ115−2を持つ。これらの部分全体が過充電防止回路21に相当する。
PNP型バイポーラトランジスタ114のコレクタは発電系のプラス端子117−1に、ベースは回路部位111の一端に、エミッタは抵抗器113の一端およびPMOSトランジスタ115−2のゲートに接続される。回路部位111の一端はPNP型バイポーラトランジスタ114のベースに、もう一端は発電系のマイナス端子117−2および蓄電系のマイナス端子117−4に接続される。抵抗器113の一端は発電系のマイナス端子117−2および蓄電系のマイナス端子117−4に接続され、もう一端はPNP型バイポーラトランジスタ114のエミッタおよびPMOSトランジスタ115−2のゲートに接続される。PMOSトランジスタ115−2のソースは発電系のプラス端子117−1に接続され、ゲートはPNP型バイポーラトランジスタ114のエミッタおよび抵抗器113の一端に接続され、ドレインは蓄電系のプラス端子117−3に接続される。
ここで、回路部位111は、1つのダイオードまたは複数の直列接続されたダイオード群を含む。直列接続したダイオードを並列接続すること、並列接続したダイオードを直列接続することも可能である。また、使用するダイオードは、必ずしも発光ダイオードでなくてもよいものとする。ツェナーダイオードを用いてもよい。電圧降下がより少ないシリコンダイオード、ショットキーバリアダイオードを用いてもよい。また、これらのダイオードの組み合わせでもよい。回路部位111は抵抗器を含んでもよい。この抵抗器は、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧が高くなったときに流れる電流を制限する役割を果たす。
第1の実施の形態の変形例の動作および原理は、元の第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態の変形例は低電圧のシステムに適する。
[第2実施の形態]
第2の実施の形態は過充電防止回路の別の形態である。図5に、第2の実施の形態の回路図を示す。ただし、スイッチング素子は、PMOSトランジスタ115−2であるとして示されている。第2の実施の形態の回路は、第1の実施の形態と同様に、PNP型バイポーラトランジスタ114および、第一の回路部位111および、第三の回路部位112および、抵抗器お113よび、PMOSトランジスタ115−2を持つ。これらの部分全体が過充電防止回路21である。
ここで、回路部位111、回路部位112は、1つのダイオードまたは複数の直列接続されたダイオード群を含む。直列接続したダイオードを並列接続すること、並列接続したダイオードを直列接続することも可能である。また、使用するダイオードは第2の実施の形態では、回路部位111が緑色発光ダイオード111−1とツェナーダイオード111−5の直列接続、回路部位112がツェナーダイオード112−6、112−7、抵抗器112−5の直列接続の場合の例である。このようにツェナーダイオードを用いてもよい。ツェナーダイオードは、電圧降下が小さいものから大きいものまでそろっており、少ない素子数で電圧降下の合計値を調整できる。この抵抗器112−5により、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧が高くなったときに流れる電流を制限することができる。
第2の実施の形態の動作および原理は、第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態により、安価で低消費電力な過充電防止回路が実現する。
[第3実施の形態]
第3の実施の形態は過充電防止回路の別の形態である。図6に、第3の実施の形態の回路図を示す。ただし、スイッチング素子は、PMOSトランジスタ115−2であるとして示されている。第3の実施の形態の回路は、第1の実施の形態、第2の実施の形態と同様に、PNP型バイポーラトランジスタ114および、第一の回路部位111および、第三の回路部位112および、抵抗器お113よび、PMOSトランジスタ115−2を持つ。これらの部分全体が過充電防止回路21である。
回路部位111、回路部位112は、1つのダイオードまたは複数の直列接続されたダイオード群を含む。直列接続したダイオードを並列接続すること、並列接続したダイオードを直列接続することも可能である。
第3の実施の形態では、回路部位111、回路部位112の少なくとも片方は、実質的に電流が流れる経路上のダイオードの数または種類またはその両方が、スイッチにより切り替えられる。こうすることにより、該当する回路部位における電圧降下を調整することができる。ここで、電流が流れる経路をスイッチは、ディップスイッチなどの機械的なスイッチでもよく、制御回路に接続されたMOSトランジスタなどでもよい。
回路部位111は、第1の実施の形態と同様に、緑色発光ダイオード111−1、111−2、111−3の場合の例が示されている。
回路部位112は、緑色発光ダイオード112−1、112−2、112−3、112−4、赤色発光ダイオード112−8、シリコンダイオード112−9、112−10、スイッチ112−11、112−12、112−13、112−14を持つ。
緑色発光ダイオード112−1のアノードは回路部位112の外部に、カソードは緑色発光ダイオード112−2のアノードに接続される。緑色発光ダイオード112−2のアノードは緑色発光ダイオード112−1のカソードに接続され、カソードは緑色発光ダイオード112−3のアノードに接続される。緑色発光ダイオード112−3のアノードは緑色発光ダイオード112−2のカソードに接続され、カソードはスイッチ112−11、112−12、112−13、112−14の一端に接続される。
スイッチ112−11の一端は緑色発光ダイオード112−3のカソード、スイッチ112−12、112−13、112−14の一端に、もう一端は緑色発光ダイオード112−4のアノードに接続される。スイッチ112−12の一端は緑色発光ダイオード112−3のカソード、スイッチ112−11、112−13、112−14の一端に、もう一端は赤色発光ダイオード112−8のアノードに接続される。スイッチ112−13の一端は緑色発光ダイオード112−3のカソード、スイッチ112−11、112−12、112−14の一端に、もう一端はシリコンダイオード112−9に接続される。スイッチ112−14の一端は緑色発光ダイオード112−4のカソード、スイッチ112−11、112−12、112−13の一端に、もう一端は緑色発光ダイオード112−4のカソード、赤色発光ダイオード112−8のカソード、シリコンダイオード112−10のカソード、抵抗器112−5の一端に接続される。
緑色発光ダイオード112−4のアノードはスイッチ112−11の一端に、カソードは赤色発光ダイオード112−8のカソード、シリコンダイオード112−10のカソード、スイッチ112−14の一端、抵抗器112−5の一端に接続される。赤色発光ダイオード112−8のアノードはスイッチ112−12の一端に、カソードは緑色発光ダイオード112−4のカソード、シリコンダイオード112−10のカソード、スイッチ112−14の一端、抵抗器112−5の一端に接続される。シリコンダイオード112−9のアノードはスイッチ112−13に、カソードはシリコンダイオード112−10のアノードに接続される。シリコンダイオード112−10のアノードはシリコンダイオード112−9のカソードに、カソードは緑色発光ダイオード112−4のカソード、赤色発光ダイオード112−8のカソード、スイッチ112−14の一端、抵抗器112−5の一端に接続される。
抵抗器112−5の一端は、緑色発光ダイオード112−4のカソード、赤色発光ダイオード112−8のカソード、シリコンダイオード112−10のカソード、スイッチ112−14の一端に接続され、もう一端は、回路部位112の外部に接続される。
オンするスイッチが、スイッチ112−11、112−12、112−13、112−14の順に、回路部位112の電圧降下は小さくなる。第3の実施の形態では、回路部位112の電圧降下量を調整する例だが、回路部位111の電圧降下量を調整してもよく、また、回路部位111および回路部位112両方の電圧降下量を調整してもよい。
第3の実施の形態の動作および原理は、第1の実施の形態と同様である。第3の実施の形態により、安価で低消費電力な過充電防止回路が実現する。
[第4実施の形態]
第4の実施の形態の回路は、別の過充電防止回路の実施形態である。図7に、第4の実施の形態の回路図を示す。ただし、スイッチング素子は、NMOSトランジスタ125−2であるとして示されている。第4の実施の形態の回路は、NPN型バイポーラトランジスタ124および、回路部位121および、回路部位122および、抵抗器123および、NMOSトランジスタ125−2を持つ。これらの部分全体が過充電防止回路21である。
NPN型バイポーラトランジスタ124のエミッタは発電系のマイナス端子117−2に、ベースはダイオード群121の一端に、コレクタは抵抗器123の一端およびNMOSトランジスタ125のゲートに接続される。回路部位121の一端はNPN型バイポーラトランジスタ124のベースに、もう一端は回路部位122および抵抗器123の一端に接続され、回路部位122の一端は回路部位121の一端および抵抗器123の一端に接続され、もう一端は発電系のプラス端子117−1および蓄電系のプラス端子117−3に接続される。抵抗器123の一端は、回路部位121の一端および回路部位122の一端に接続され、もう一端はNPN型バイポーラトランジスタ124のコレクタおよびNMOSトランジスタ125のゲートに接続される。NMOSトランジスタのソースは発電系のマイナス端子117−3に接続され、ゲートはNPN型バイポーラトランジスタ124のコレクタおよび抵抗器123の一端に接続され、ドレインは蓄電系のマイナス端子117−4に接続される。
ここで発電系とは、太陽電池等の発電装置に実質的に接続された部分117−1、117−2とし、蓄電系とは、鉛蓄電池等の蓄電池に実質的に接続された部分117−3、117−4とする。117−1と117−3は短絡しているが、説明の都合上別のノードであるとして説明する。実質的に接続されるとは、間にヒューズ、スイッチ、抵抗器、ダイオード、電流計等が間に挿入されている場合も含めて接続されていることを意味する。
発電系のプラスマイナス端子間の電圧が一定電圧値を超えるとダイオード群を含む回路部位121に流れる電流が一定値を超え、ノード126の電位が一定値を下回り、NMOSトランジスタ125−2はソースドレイン間の抵抗が一定値を超える。発電系のプラスおよびマイナスの端子に太陽電池接続した場合などは、このとき、発電系のプラスマイナス端子間の電圧がまずます上昇し、NMOSトランジスタ125−2はソースドレイン間の抵抗がますます上昇するという正帰還がかかる。そのため、発電系のプラスマイナス端子間の電圧は一気に上昇し、NMOSトランジスタ125−2は完全にオフになる。こうなることにより、発電系のプラスマイナス端子間の電圧が一定電圧値を超えるとNMOSトランジスタ125−2がオフし、第1の実施の形態と同様に、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧を一定電圧値以上に上げない機能が実現する。
第4の実施の形態により、安価で低消費電力な過充電防止回路が実現する。
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態の回路は、過放電防止回路である。図8に、第5の実施の形態の回路図を示す。第5の実施の形態の回路は、PNP型バイポーラトランジスタ134および、回路部位131および、回路部位132および、抵抗器133、138および、PMOSトランジスタ137、スイッチング素子135を持つ。これらの部分全体が過放電防止回路22である。
PNP型バイポーラトランジスタ134のコレクタは蓄電系のプラス端子117−3に、ベースはダイオード群131のアノード側に、エミッタは抵抗器133の一端およびPMOSトランジスタ137のゲートに接続される。回路部位131の一端はPNP型バイポーラトランジスタ134のベースに、もう一端は132の一端および抵抗器133の一端に接続される。回路部位132の一端は回路部位131のカソードおよび抵抗器133の一端に接続され、もう一端は蓄電系のマイナス端子117−4および出力系のマイナス端子117−6に接続される。抵抗器133の一端は回路部位131の一端および回路部位132の一端に接続され、もう一端はPNP型バイポーラトランジスタ134のエミッタおよびPMOSトランジスタ137のゲートに接続される。PMOSトランジスタ137のソースは蓄電系のプラス端子117−3に接続され、ゲートはPNP型バイポーラトランジスタ134のエミッタおよび抵抗器133の一端に接続され、ドレインは抵抗器138の一端およびスイッチング素子135のコントロール端子に接続される。抵抗器138の一端はPMOSトランジスタ137のドレインおよびスイッチング素子135のコントロール端子に接続され、もう一端は蓄電系のマイナス端子117−4および出力系のマイナス端子117−6に接続される。スイッチング素子135の一端は蓄電系のプラス端子117−3に接続され、コントロール端子はPMOSトランジスタ137のドレインおよび抵抗器138の一端に接続され、一端は出力系のプラス端子117−5に接続される。
ここで蓄電系とは、鉛蓄電池等の蓄電池に実質的に接続された部分、117−3、117−4とし、出力系とは、実質的に負荷に接続された部分、117−5、117−6とする。117−4と117−6は短絡しているが、説明の都合上別のノードであるとして説明する。実質的に接続されるとは、間にヒューズ、スイッチ、抵抗器、ダイオード、電流計等が間に挿入されている場合も含めて接続されていることを意味する。。
ここで、回路部位131、回路部位132は、1つのダイオードまたは複数の直列接続されたダイオード群を含む。直列接続したダイオードを並列接続すること、並列接続したダイオードを直列接続することも可能である。また、使用するダイオードは第5の実施の形態では発光ダイオードとするが、必ずしも発光ダイオードでなくてもよいものとする。発光ダイオードは緑色、赤色、青色、紫外、赤外などあらゆるものを用いることができる。さらに、ツェナーダイオードを用いてもよく、電圧降下がより少ないシリコンダイオード、ショットキーバリアダイオードを用いてもよい。また、これらのダイオードの組み合わせでもよく、組み合わせることにより、回路部位131の電圧降下の合計、回路部位132の電圧降下の合計を調整できる。回路部位131、132は抵抗器を含んでもよい。この抵抗器は、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧が高くなったときに流れる電流を制限する役割を果たす。第5の実施の形態は、回路部位131が、緑色発光ダイオード131−1、131−2、131−3の直列接続、回路部位112が、緑色発光ダイオード132−1、132−2、赤色発光ダイオード132−3、132−4および抵抗器132−5の直列接続の場合の例である。
スイッチング素子135には、PMOSトランジスタを用いることができる。図9に、スイッチング素子135にPMOSトランジスタを用いた場合の回路図を示す。以下では、スイッチング素子135にPMOSトランジスタを用いた場合について説明する。
PNP型バイポーラトランジスタ134のコレクタは蓄電系のプラス端子117−3に、ベースは回路部位131の一端に、エミッタは抵抗器133の一端およびPMOSトランジスタ137のゲートに接続される。回路部位131の一端はPNP型バイポーラトランジスタ134のベースに、もう一端は回路部位132の一端および抵抗器133の一端に接続される。回路部位132の一端は回路部位131の一端および抵抗器133の一端に接続され、もう一端は蓄電系のマイナス端子117−4および出力系のマイナス端子117−6に接続される。抵抗器133の一端は回路部位131の一端および回路部位132の一端に接続され、もう一端はPNP型バイポーラトランジスタ134のエミッタおよびPMOSトランジスタ137のゲートに接続される。PMOSトランジスタ137のソースは蓄電系のプラス端子117−3に接続され、ゲートはPNP型バイポーラトランジスタ134のエミッタおよび抵抗器133の一端に接続され、ドレインは抵抗器138の一端およびPMOSトランジスタ135−2のゲートに接続される。抵抗器138の一端はPMOSトランジスタ137のドレインおよびPMOSトランジスタ135のゲートに接続され、もう一端は蓄電系のマイナス端子117−4および出力系のマイナス端子117−6に接続される。PMOSトランジスタ135−2のソースは蓄電系のプラス端子117−3に接続され、ゲートはPMOSトランジスタ137のドレインおよび抵抗器138の一端に接続され、ドレインは出力系のプラス端子117−5に接続される。
発電系のプラスマイナス端子間の電圧によりダイオード群を含む回路部位131に流れる電流が決まる。ダイオード群を含む回路部位131に流れる電流は、電流が流れ始める電圧付近において、両端にかかる電圧に対して指数関数的に増大する。そして、回路部位131に流れる電流を、PNP型バイポーラトランジスタ134で増幅およびコピーし、抵抗器133に流して受けることにより、ダイオード群を含む回路部位131に流れる電流に比例した電圧を抵抗器133の両端に作り出す。その電圧により決まるノード136の電位によりPMOSトランジスタ137が駆動され、PMOSトランジスタ137が流す電流と抵抗器138によって、ノード136の電位をノード139の電位に反転増幅する。ノード139の電位によってPMOSトランジスタ135−2が制御されるので、ダイオード群を含む回路部位131に流れる電流が少なくなるほどPMOSトランジスタ135−2はソースドレイン間の抵抗を上げることになる。
蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧が一定電圧値を下回るとダイオード群を含む回路部位131に流れる電流が一定値を下回り、ノード136の電位が一定値を下回り、ノード139の電位が一定値を超え、PMOSトランジスタ135−2はソースドレイン間の抵抗が一定値を超える。PMOSトランジスタ137および抵抗器138による増幅段により、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧の僅かな減少によりPMOSトランジスタ135−2のソースドレイン間の抵抗を大幅に上昇させることができる。このことにより、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧が一定値以下になると出力系と蓄電系を切り離すことにより、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧を一定値以下に下げない機能が実現する。第1の実施の形態と異なり正帰還はかからないため、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧の僅かな減少によりPMOSトランジスタ135のソースドレイン間の抵抗を大幅に上昇させるため、PMOSトランジスタ137および抵抗器138による増幅段が必要なのである。
消費電流は、数十μA(マイクロアンペア)程度に抑えることができる。このようなことが可能になる本質的理由は、ダイオードは電流が流れ始める付近の両端の電圧において、両端にかかる電圧に対して指数関数的に電流量が増大することを用いているため、複雑な増幅回路が不要であり、また、直列接続されるダイオードの個数や各ダイオードの閾値によりダイオードに流れる電流を調整し、少なく抑えることができることによる。尚、発電系と蓄電系を切り離すかどうかを決める一定電圧値は、直列接続されるダイオードの個数や各ダイオードの閾値および、抵抗器138の抵抗値などにより調整することができる。
第5の実施の形態により、安価で低消費電力な過放電防止回路が実現する。尚、第4の実施の形態と第1の実施の形態の関係のように、第5の実施の形態の過放電防止回路を、NMOSトランジスタを用いて実現してもよい。
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態は、過充電防止回路を用いた蓄電池制御装置および独立電源系システムに関する。図10に第6の実施の形態の独立電源系システムを示す。
第6の実施の形態の独立電源系システムでは、蓄電池2に、逆電流防止ダイオード24、過充電防止回路21を介して発電装置1が接続され、機械的スイッチ23を介して負荷が接続されている。過充電防止回路21、逆電流防止ダイオード24、機械的スイッチ23が蓄電池制御装置11を構成する。すなわち、蓄電池制御装置11に発電装置1、蓄電池2、負荷3が接続されている。尚、逆電流防止ダイオード24は、蓄電池2と過充電防止回路21の間でも、発電装置1と過充電防止回路21の間でもよいものとする。また、逆電流防止ダイオード24は、蓄電池制御装置11の内部にあっても外部にあってもよいものとする。逆電流防止ダイオード24は、発電装置1と一体になっていてもよい。
発電装置のプラス端子およびマイナス端子に実質的に接続されている系117−1、117−2を発電系、蓄電池のプラス端子およびマイナス端子に実質的に接続されている系117−3、117−4を蓄電系、負荷のプラス端子およびマイナス端子に実質的に接続されている系117−5、117−6を出力系とする。117−2と117−4と117−6は短絡しているが、説明の都合上別のノードであるとして説明する。実質的に接続されるとは、間にヒューズ、スイッチ、抵抗器、ダイオード、電流計等が間に挿入されている場合も含めて接続されていることを意味する。。
発電装置1には、自然エネルギーを利用したものが適する。特に太陽電池などが適する。蓄電池2には鉛蓄電池を用いることができる。図11に、発電装置1に太陽電池を、蓄電池2に鉛蓄電池を用いた場合の例を示す。以下では、発電装置1に太陽電池を、蓄電池2に鉛蓄電池を用いた場合について説明する。
第6の実施の形態の独立電源系システムでは、鉛蓄電池2−1に、逆電流防止ダイオード24、過充電防止回路21を介して太陽電池1−1が接続され、機械的スイッチ23を介して負荷3が接続されている。過充電防止回路21、逆電流防止ダイオード24、機械的スイッチ23が蓄電池制御装置11を構成する。すなわち、蓄電池制御装置11に太陽電池1−1、鉛蓄電池2−1、負荷3が接続されている。尚、逆電流防止ダイオード24は、鉛蓄電池2−1と過充電防止回路21の間でも、太陽電池1−1と過充電防止回路21の間でもよいものとする。また、逆電流防止ダイオード24は、蓄電池制御装置11の内部にあっても外部にあってもよいものとする。逆電流防止ダイオード24は、太陽電池1−1と一体になっていてもよい。
図12に過充電防止回路21の内部を記載した回路図を示す。過充電防止回路21の内部は、第1の実施の形態および図2で説明した。ここで図2におけるスイッチング素子115は、PMOSトランジスタを用いることができる。スイッチング素子115は、PMOSトランジスタを用いた場合の過充電防止回路21の内部は図3で示される。図3中の回路部位111は少なくとも1つの発光ダイオードまたはツェナーダイオードを含む。図3では、回路部位111は緑色発光ダイオード111−1、111−2、111−3の直列接続の例が示されている。過充電防止回路21の内部は、第1の実施の形態および図2、図3で説明したため、詳細の説明は割愛する。
発電時は、太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧は、鉛蓄電池2−1のプラスマイナス間の電圧よりやや高い状態を維持する。太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧が第一の一定電圧値を超えるとダイオード群を含む回路部位111に流れる電流が一定値を超え、ノード116の電位が一定値を超え、PMOSトランジスタ115−2はソースドレイン間の抵抗が一定値を超える。その結果、太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧がますます上昇し、PMOSトランジスタ115−2はソースドレイン間の抵抗がますます上昇するという正帰還がかかる。そのため、太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧は一気に上昇し、PMOSトランジスタ115−2は完全にオフになる。こうなることにより、太陽電池のプラスマイナス端子間の電圧が第一の一定電圧値を超えるとPMOSトランジスタ115−2がオフし、発電系と蓄電系すなわち、太陽電池1−1と鉛蓄電池2−1を切り離すことにより、鉛蓄電池2−1のプラスマイナス端子間の電圧を一定電圧値以上に上げない機能が実現する。すなわち過充電防止機能が実現する。
また発電系と蓄電系が切り離された状態では、太陽電池1のプラスマイナス端子間の電圧は、太陽電池の開放電圧以下の範囲で高い電圧となる。回路部位111、112の少なくとも片方に発光ダイオードを用いた場合では発電系と蓄電系が切り離された状態では発光ダイオードがある程度の明るさで発光するため、目視により確認することができる。抵抗器112−5により、この時流れる電流を制限することができる。抵抗器112−5の抵抗値は、数百Ω〜数kΩが適する。この抵抗器112−5により電流を制限することにより、ダイオードは電流容量の小さいものを用いることができ、回路、装置、システムの大きさを小さくでき、価格を抑えることができる。
発電系と蓄電系すなわち、太陽電池1と鉛蓄電池2を切り離す基準の一定電圧値は、例えば13.2Vである。
機械的スイッチ23は、負荷に電流を供給するかどうかを決めるスイッチであり、無くてもよい。負荷は、例えば照明などである。
夜になると、太陽電池1−1に太陽光が当たらなくなり、太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧は、過充電の判定基準の電圧より十分小さい電圧となる。そのため、負荷3で消費された電流により鉛蓄電池2−1のプラスマイナス端子間の電圧が下がっていたら、翌日に日が昇ると同時に鉛蓄電池2−1へ充電を開始する。尚、一度発電系と蓄電系すなわち、太陽電池1−1と鉛蓄電池2−1が切り離されたら翌朝まで蓄電を開始しないことを回避するために、太陽電池1−1と過充電防止回路21の間に切断スイッチを設けてもよい。この切断スイッチが一時的にオフすると、鉛蓄電池2−1のプラスマイナス端子間の電圧が過充電防止の判定基準電圧以下であったら充電を開始する。また、太陽電池1のプラス端子117−1と鉛蓄電池2−1のプラス端子117−3の間にバイパススイッチを導入してもよい。このバイパススイッチが一時的にオンすると、同様に鉛蓄電池2のプラスマイナス端子間の電圧が過充電防止の判定基準電圧以下であったら充電を開始する。
逆電流防止ダイオード24の働きにより、鉛蓄電池2−1に蓄えられていた電力が夜間に太陽電池1−1の内部を通って逆方向に流出するということはない。逆電流防止ダイオード24が、鉛蓄電池2−1と過充電防止回路21の間にある構成の場合、発電および蓄電しない夜間の過充電防止回路21の消費電流はさらに小さく抑えることができる。
第6の実施の形態により、過充電を気にせず使用できる、安価で、電力利用効率のよい小規模な独立電源システムを実現することができる。
[第6の実施の形態の変形例]
第6の実施の形態の変形例は、回路部位111、112にツェナーダイオードを用いている点のみが異なる。
過充電防止回路21の内部は、第2の実施の形態および図5で説明した通りである。ここで図5におけるスイッチング素子115は、PMOSトランジスタを用いた場合の図である。図5中の回路部位111は少なくとも1つの発光ダイオードまたはツェナーダイオードを含む。図5では、回路部位111が緑色発光ダイオード111−1とツェナーダイオード111−5の直列接続の場合の例である。
第6の実施の形態の変形例の動作および原理は、元の第6の実施の形態と同様である。
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態は、過充電防止回路および過放電防止回路を用いた蓄電池制御装置および独立電源系システムに関する。図13に第7の実施の形態の独立電源系システムを示す。
第7の実施の形態の独立電源系システムでは、蓄電池2に、過充電防止回路21、逆電流防止ダイオード24を介して発電装置1が接続され、機械的スイッチ23および過放電防止回路22を介して負荷が接続されている。過充電防止回路21、過放電防止回路22、逆電流防止ダイオード24、機械的スイッチ23が蓄電池制御装置11を構成する。すなわち、蓄電池制御装置11に発電装置1、蓄電池2、負荷3が接続されている。
尚、逆電流防止ダイオード24は、蓄電池2と過充電防止回路21の間でも、発電装置1と過充電防止回路21の間でもよいものとする。また、逆電流防止ダイオード24は、蓄電池制御装置11の内部にあっても外部にあってもよいものとする。逆電流防止ダイオード24は、発電装置1と一体になっていてもよい。
発電装置のプラス端子およびマイナス端子に実質的に接続されている系117−1、117−2を発電系、蓄電池のプラス端子およびマイナス端子に実質的に接続されている系117−3、117−4を蓄電系、負荷のプラス端子およびマイナス端子に実質的に接続されている系117−5、117−6を出力系とする。117−2と117−4と117−6は短絡しているが、説明の都合上別のノードであるとして説明する。実質的に接続されるとは、間にヒューズ、スイッチ、抵抗器、ダイオード、電流計等が間に挿入されている場合も含めて接続されていることを意味する。。
発電装置1には、自然エネルギーを利用したものが適する。特に太陽電池などが適する。蓄電池2には鉛蓄電池を用いることができる。図14に、発電装置1に太陽電池を、蓄電池2に鉛蓄電池を用いた場合の例を示す。以下では、発電装置1に太陽電池を、蓄電池2に鉛蓄電池を用いた場合について説明する。
第7の実施の形態の独立電源系システムでは、鉛蓄電池2−1に、過充電防止回路21、逆電流防止ダイオード24を介して太陽電池1−1が接続され、機械的スイッチ23および過放電防止回路22を介して負荷3が接続されている。過充電防止回路21、過放電防止回路22、逆電流防止ダイオード24、機械的スイッチ23が蓄電池制御装置11を構成する。すなわち、蓄電池制御装置11に太陽電池1−1、鉛蓄電池2−1、負荷3が接続されている。
図15に過充電防止回路21、過放電防止回路22の内部を記載した回路図を示す。過充電防止回路21の内部は、第1の実施の形態および図2、図3で説明したため、詳細の説明は割愛する。過放電防止回路22の内部は、第5の実施の形態および図8で説明したため、詳細の説明は割愛する。
発電時は、太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧は、鉛蓄電池2−1のプラスマイナス間の電圧よりやや高い状態を維持する。太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧が第一の一定電圧値を超えるとダイオード群を含む回路部位111に流れる電流が一定値を超え、ノード116の電位が一定値を超え、PMOSトランジスタ115−2はソースドレイン間の抵抗が一定値を超える。その結果、太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧がますます上昇し、PMOSトランジスタ115−2はソースドレイン間の抵抗がますます上昇するという正帰還がかかる。そのため、太陽電池1のプラスマイナス端子間の電圧は一気に上昇し、PMOSトランジスタ115−2は完全にオフになる。こうなることにより、太陽電池のプラスマイナス端子間の電圧が第一の一定電圧値を超えるとPMOSトランジスタ115−2がオフし、発電系と蓄電系すなわち、太陽電池1−1と鉛蓄電池2−1を切り離すことにより、鉛蓄電池2−1のプラスマイナス端子間の電圧を第一の一定電圧値以上に上げない機能が実現する。すなわち過充電防止機能が実現する。
また発電系と蓄電系が切り離された状態では、太陽電池1のプラスマイナス端子間の電圧は、太陽電池の開放電圧以下の範囲で高い電圧となる。回路部位111、112の少なくとも片方に発光ダイオードを用いた場合では発電系と蓄電系が切り離された状態では発光ダイオードがある程度の明るさで発光するため、目視により確認することができる。抵抗器112−5により、この時流れる電流を制限することができる。抵抗器112−5の抵抗値は、数百Ω〜数kΩが適する。この抵抗器112−5により電流を制限することにより、ダイオードは電流容量の小さいものを用いることができ、回路、装置、システムの大きさを小さくでき、価格を抑えることができる。
発電系と蓄電系すなわち、太陽電池1と鉛蓄電池2を切り離す基準の一定電圧値は、例えば13.2Vである。
機械的スイッチ23は、負荷に電流を供給するかどうかを決めるスイッチであり、無くてもよい。負荷は、例えば照明などである。
鉛蓄電池2−1のプラスマイナス端子間の電圧が第二の一定電圧値を下回るとダイオード群を含む回路部位131に流れる電流が一定値を下回り、ノード136の電位が一定値を下回り、ノード139の電位が一定値を超え、PMOSトランジスタ135−2はソースドレイン間の抵抗が一定値を超える。PMOSトランジスタ137および抵抗器138による増幅段により、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧の僅かな減少によりPMOSトランジスタ135−2のソースドレイン間の抵抗を大幅に上昇させることができる。このことにより、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧が第二の一定電圧値以下になると出力系と蓄電系を切り離すことにより、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧を第二の一定電圧値以下に下げない機能が実現する。すなわち過放電防止機能が実現する。
蓄電系と出力系すなわち、鉛蓄電池2と負荷3を切り離す基準の第二の一定電圧値は、例えば11.2Vである。第一の一定電圧値は、第二の一定電圧値より必ず高く設計する。第一の一定電圧値は、第二の一定電圧値を異なる値にするには、回路部位111と回路部位131の電圧降下量を変えるか、あるいは、回路部位112と回路部位132の電圧降下量を変える方法がある。例えば、回路部位112では緑色発光ダイオード4つの直列接続を用いるのに対し、回路部位132では緑色発光ダイオード2つと赤色発光ダイオード2つの直列接続を用いるなどの方法が可能である。尚、過放電防止機能により出力系と蓄電系が切り離されると、電力会社の系統から電力が供給されるようにしてもよい。
夜になると、太陽電池1−1に太陽光が当たらなくなり、太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧は、過充電の判定基準の電圧より十分小さい電圧となる。そのため、負荷3で消費された電流により鉛蓄電池2−1のプラスマイナス端子間の電圧が下がっていたら、翌日に日が昇ると同時に鉛蓄電池2−1へ充電を開始する。尚、一度発電系と蓄電系すなわち、太陽電池1−1と鉛蓄電池2−1が切り離されたら翌朝まで蓄電を開始しないことを回避するために、太陽電池1−1と過充電防止回路21の間に切断スイッチを設けてもよい。この切断スイッチが一時的にオフすると、鉛蓄電池2−1のプラスマイナス端子間の電圧が過充電防止の判定基準電圧以下であったら充電を開始する。また、太陽電池1のプラス端子117−1と鉛蓄電池2−1のプラス端子117−3の間にバイパススイッチを導入してもよい。このバイパススイッチが一時的にオンすると、同様に鉛蓄電池2のプラスマイナス端子間の電圧が過充電防止の判定基準電圧以下であったら充電を開始する。一方、鉛蓄電池2−1のプラスマイナス端子間の電圧が戻り次第、鉛蓄電池2−1と負荷3の接続は再開される。
逆電流防止ダイオード24の働きにより、鉛蓄電池2−1に蓄えられていた電力が夜間に太陽電池1−1の内部を通って逆方向に流出するということはない。逆電流防止ダイオード24が、鉛蓄電池2−1と過充電防止回路21の間にある構成の場合、発電および蓄電しない夜間の過充電防止回路21の消費電流はさらに小さく抑えることができる。
第7の実施の形態により、過充電、過放電を気にせず使用できる、安価で電力利用効率のよい小規模な独立電源システムを実現することができる。
例えば送電コストの大きい山間部における夜間に点灯する道路標識、案内標識、看板向けの電源システムに用いることができる。また、太陽電池と過充電防止回路にて、長期間自動車に乗らないときにバッテリーがあがらないようにするための製品に用いることができる。
1 発電装置
2 蓄電池
1−1 太陽電池
2−1 鉛蓄電池
3 負荷
11 蓄電池制御装置
21 過充電防止回路
22 過放電防止回路
23 機械的スイッチ
24 逆電流防止ダイオード
111、112、121、122、131、132 回路部位
111−1、111−2、111−3、112−1、112−2、112−3、112−4、121−1、121−2、121−3、122−1、122−2、122−3,122−4、131−1、131−2、131−3、132−1、132−2 緑色発光ダイオード
112−8、132−3、132−4 赤色発光ダイオード
112−9、112−10 シリコンダイオード
112−11、112−12、112−13、112−14 スイッチ
111−5、112−6、112−7 ツェナーダイオード
112−5、122−5、132−5、113、123、133、138 抵抗器
114、134 PNP型バイポーラトランジスタ
124 NPN型バイポーラトランジスタ
115、135 スイッチング素子
115−2、135−2、137 PMOSトランジスタ
125−2 NMOSトランジスタ
116、126、136、139 ノード
117−1 発電系のプラス端子
117−2 発電系のマイナス端子
117−3 蓄電系のプラス端子
117−4 蓄電系のマイナス端子
117−5 出力系のプラス端子
117−6 出力系のマイナス端子
近年、太陽光発電が注目を集めている。太陽光発電システムには、独立電源システムと系統連係システムがあり、前者は太陽電池パネルまたは太陽電池モジュールにより発電した電気を蓄電池に蓄え、必要な時にそのままあるいは100Vの交流に変換して用いる。一方系統連係システムは、100Vの交流に変換した上で、消費される電力より発電量が多ければ電力会社の系統に売電し、消費される電力より発電量が少なければ電力会社の系統から電力を購入する。蓄電池に蓄えられた電力が少なくなると瞬時停電を経て電力会社の系統から電力を供給するように切り替えるシステムも独立電源システムに含めるものとする。
本発明は、以上に鑑み、太陽光発電等の自然エネルギーを用いる独立電源系システム向けの低消費電力の蓄電池制御回路および蓄電池制御装置を提供することを課題とする。
この課題を解決するために、本発明においては、1つのダイオードまたは複数の直列接続されたダイオード群を太陽光発電系の2端子間に挿入し、そのダイオード系を流れる電流をバイポーラトランジスタと抵抗負荷を用いて電圧に変換し、その電圧を用いてMOSトランジスタをオン・オフ制御することにより、過充電、過放電を抑制する。また、ここでダイオード系の中に発光ダイオードが含まれれば、満充電を発光ダイオードの発光で確認することができる。
本発明により、少ない部品点数で、過充電、過放電に対する保護回路が実現できる。また、消費電力を抑えることができる。さらに、発光ダイオードによって満充電を目視確認することができる。過充電に対する保護回路は、実質的な消費電流ベースで2桁またはそれ以上減らすことができる。過放電に対する保護回路は、実質的な消費電流ベースで1桁〜2桁減らすことができる。
第1の実施の形態の回路は、過充電防止回路である。図2に、第1の実施の形態の回路図を示す。第1の実施の形態の回路は、PNP型バイポーラトランジスタ114および、第一の回路部位111および、第二の回路部位112および、抵抗器お113よび、スイッチング素子115を持つ。これらの部分全体が過充電防止回路21である。
ここで、回路部位111、回路部位112は、1つのダイオードまたは複数の直列接続されたダイオード群を含む。直列接続したダイオードを並列接続すること、並列接続したダイオードを直列接続することも可能である。また、使用するダイオードは第1の実施の形態では発光ダイオードとするが、必ずしも発光ダイオードでなくてもよいものとする。発光ダイオードは緑色、赤色、青色、紫外、赤外などあらゆるものを用いることができる。さらに、ツェナーダイオードを用いてもよく、電圧降下がより少ないシリコンダイオード、ショットキーバリアダイオードを用いてもよい。また、これらのダイオードの組み合わせでもよく、組み合わせることにより、回路部位111の電圧降下の合計、回路部位112の電圧降下の合計を調整できる。回路部位111、112は抵抗器を含んでもよい。この抵抗器は、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧が高くなったときに流れる電流を制限する役割を果たす。第1の実施の形態は、回路部位111が、緑色発光ダイオード111−1、111−2、111−3の直列接続、回路部位112が、緑色発光ダイオード112−1、112−2、112−3、112−4および抵抗器112−5直列接続の場合の例である。
第1の実施の形態により、安価で低消費電力な過充電防止回路が実現する。さらに、発光ダイオードによって満充電を目視確認することができる。
第2の実施の形態は過充電防止回路の別の形態である。図5に、第2の実施の形態の回路図を示す。ただし、スイッチング素子は、PMOSトランジスタ115−2であるとして示されている。第2の実施の形態の回路は、第1の実施の形態と同様に、PNP型バイポーラトランジスタ114および、第一の回路部位111および、第二の回路部位112および、抵抗器お113よび、PMOSトランジスタ115−2を持つ。これらの部分全体が過充電防止回路21である。
第2の実施の形態の動作および原理は、第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態により、安価で低消費電力な過充電防止回路が実現する。さらに、発光ダイオードによって満充電を目視確認することができる。
第3の実施の形態は過充電防止回路の別の形態である。図6に、第3の実施の形態の回路図を示す。ただし、スイッチング素子は、PMOSトランジスタ115−2であるとして示されている。第3の実施の形態の回路は、第1の実施の形態、第2の実施の形態と同様に、PNP型バイポーラトランジスタ114および、第一の回路部位111および、第二の回路部位112および、抵抗器お113よび、PMOSトランジスタ115−2を持つ。これらの部分全体が過充電防止回路21である。
スイッチ112−11の一端は緑色発光ダイオード112−3のカソード、スイッチ112−12、112−13、112−14の一端に、もう一端は緑色発光ダイオード112−4のアノードに接続される。スイッチ112−12の一端は緑色発光ダイオード112−3のカソード、スイッチ112−11、112−13、112−14の一端に、もう一端は赤色発光ダイオード112−8のアノードに接続される。スイッチ112−13の一端は緑色発光ダイオード112−3のカソード、スイッチ112−11、112−12、112−14の一端に、もう一端はシリコンダイオード112−9に接続される。スイッチ112−14の一端は緑色発光ダイオード112−3のカソード、スイッチ112−11、112−12、112−13の一端に、もう一端は緑色発光ダイオード112−4のカソード、赤色発光ダイオード112−8のカソード、シリコンダイオード112−10のカソード、抵抗器112−5の一端に接続される。
第3の実施の形態の動作および原理は、第1の実施の形態と同様である。第3の実施の形態により、安価で低消費電力な過充電防止回路が実現する。さらに、発光ダイオードによって満充電を目視確認することができる。
第4の実施の形態により、安価で低消費電力な過充電防止回路が実現する。さらに、発光ダイオードによって満充電を目視確認することができる。
第5の実施の形態により、安価で低消費電力な過放電防止回路が実現する。さらに、発光ダイオードによって満充電を目視確認することができる。尚、第4の実施の形態と第1の実施の形態の関係のように、第5の実施の形態の過放電防止回路を、NMOSトランジスタを用いて実現してもよい。
第6の実施の形態の独立電源系システムでは、蓄電池2に、逆電流防止ダイオード24、過充電防止回路21を介して発電装置1が接続され、機械的スイッチ23を介して負荷3が接続されている。過充電防止回路21、逆電流防止ダイオード24、機械的スイッチ23が蓄電池制御装置11を構成する。すなわち、蓄電池制御装置11に発電装置1、蓄電池2、負荷3が接続されている。尚、逆電流防止ダイオード24は、蓄電池2と過充電防止回路21の間でも、発電装置1と過充電防止回路21の間でもよいものとする。また、逆電流防止ダイオード24は、蓄電池制御装置11の内部にあっても外部にあってもよいものとする。逆電流防止ダイオード24は、発電装置1と一体になっていてもよい。
第6の実施の形態により、過充電を気にせず使用できる、安価で、電力利用効率のよい小規模な独立電源システムを実現することができる。さらに、発光ダイオードによって満充電を目視確認することができる。
第7の実施の形態により、過充電、過放電を気にせず使用できる、安価で電力利用効率のよい小規模な独立電源システムを実現することができる。さらに、発光ダイオードによって満充電を目視確認することができる。
図1は、独立電源システムの概要図である。
図2は、第1の実施の形態における過充電防止回路である。
図3は、第1の実施の形態における過充電防止回路において、スイッチング素子にPMOSトランンジスタを用いた場合の回路図である。
図4は、第1の実施の形態における過充電防止回路の変形例である。
図5は、第2の実施の形態における過充電防止回路において、スイッチング素子にPMOSトランンジスタを用いた場合の回路図である。
図6は、第3の実施の形態における過放電防止回路において、スイッチング素子にPMOSトランンジスタを用いた場合の回路図である。である。
図7は、第4の実施の形態における過充電防止回路において、スイッチング素子にNMOSトランンジスタを用いた場合の回路図である。
図8は、第5の実施の形態における過放電防止回路である。
図9は、第5の実施の形態における過放電防止回路において、スイッチング素子にPMOSトランンジスタを用いた場合の回路図である。
図10は、第6の実施の形態における独立電源システムのブロック図である。
図11は、第6の実施の形態における独立電源システムにおいて、発電装置として太陽電池を用い、蓄電池に鉛蓄電池を用いた場合のブロック図である。
図12は、第6の実施の形態における独立電源システムの回路図である。
図13は、第7の実施の形態における独立電源システムのブロック図である。
図14は、第7の実施の形態における独立電源システムにおいて、発電装置として太陽電池を用い、蓄電池に鉛蓄電池を用いた場合のブロック図である。
図15は、第7の実施の形態における独立電源システムの回路図である。
PNP型バイポーラトランジスタ114のコレクタは発電系のプラス端子117−1に、ベースは回路部位111の一端に、エミッタは抵抗器113の一端およびスイッチング素子115のコントロール端子に接続される。回路部位111の一端はPNP型バイポーラトランジスタ114のベースに、もう一端は回路部位112の一端および抵抗器113の一端に接続される。回路部位112の一端は回路部位111の一端および抵抗器113の一端に接続され、もう一端は発電系のマイナス端子117−2および蓄電系のマイナス端子117−4に接続される。抵抗器113の一端は回路部位111の一端および回路部位112の一端に接続され、もう一端はPNP型バイポーラトランジスタ114のエミッタおよびスイッチング素子115のコントロール端子に接続される。スイッチング素子115の一端は発電系のプラス端子117−1に接続され、コントロール端子はPNP型バイポーラトランジスタ114のエミッタおよび抵抗器113の一端に接続され、もう一端は蓄電系のプラス端子117−3に接続される。
ここで発電系とは太陽電池等の発電装置に実質的に接続された部分117−1、117−2とし、蓄電系とは鉛蓄電池等の蓄電池に実質的に接続された部分117−3,117−4とする。117−2と117−4は短絡しているが、説明の都合上別のノードであるとして説明する。実質的に接続されるとは、間にヒューズ、スイッチ、抵抗器、ダイオード、電流計等が間に挿入されている場合も含めて接続されていることを意味する。
ここで、第一の回路部位111、第二の回路部位112は、1つのダイオードまたは複数の直列接続されたダイオード群を含む。直列接続したダイオードを並列接続すること、並列接続したダイオードを直列接続することも可能である。また、使用するダイオードは第1の実施の形態では発光ダイオードとするが、必ずしも発光ダイオードでなくてもよいものとする。発光ダイオードは緑色、赤色、青色、紫外、赤外などあらゆるものを用いることができる。さらに、ツェナーダイオードを用いてもよく、電圧降下がより少ないシリコンダイオード、ショットキーバリアダイオードを用いてもよい。また、これらのダイオードの組み合わせでもよく、組み合わせることにより、回路部位111の電圧降下の合計、回路部位112の電圧降下の合計を調整できる。回路部位111、112は抵抗器を含んでもよい。この抵抗器は、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧が高くなったときに流れる電流を制限する役割を果たす。第1の実施の形態は、回路部位111が、緑色発光ダイオード111−1、111−2、111−3の直列接続、回路部位112が、緑色発光ダイオード112−1、112−2、112−3、112−4および抵抗器112−5直列接続の場合の例である。
発電系のプラスマイナス端子間の電圧が一定電圧値を超えるとダイオード群を含む回路部位111に流れる電流が一定値を超え、ノード116の電位が一定値を超え、PMOSトランジスタ115はソースドレイン間の抵抗が一定値を超える。発電系のプラスおよびマイナスの端子に太陽電池を接続した場合などは、このとき、発電系のプラスマイナス端子間の電圧がまずます上昇し、PMOSトランジスタ115−2はソースドレイン間の抵抗がますます上昇するという正帰還がかかる。そのため、発電系のプラスマイナス端子間の電圧は一気に上昇し、PMOSトランジスタ115−2は完全にオフになる。こうなることにより、発電系のプラスマイナス端子間の電圧が一定電圧値を超えるとPMOSトランジスタ115−2がオフし、発電系を蓄電系と切り離すことにより、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧を一定電圧値以上に上げない機能が実現する。
ここで、回路部位111、回路部位112は、1つのダイオードまたは複数の直列接続されたダイオード群を含む。直列接続したダイオードを並列接続すること、並列接続したダイオードを直列接続することも可能である。また、第2の実施の形態は、回路部位111が緑色発光ダイオード111−1とツェナーダイオード111−5の直列接続、回路部位112がツェナーダイオード112−6、112−7、抵抗器112−5の直列接続の場合の例である。
このようにツェナーダイオードを用いてもよい。ツェナーダイオードは、電圧降下が小さいものから大きいものまでそろっており、少ない素子数で電圧降下の合計値を調整できる。この抵抗器112−5により、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧が高くなったときに流れる電流を制限することができる。
第一の回路部位111、第二の回路部位112は、1つのダイオードまたは複数の直列接続されたダイオード群を含む。直列接続したダイオードを並列接続すること、並列接続したダイオードを直列接続することも可能である。
第3の実施の形態では、回路部位111、回路部位112の少なくとも片方は、実質的に電流が流れる経路上のダイオードの数または種類またはその両方が、スイッチにより切り替えられる。こうすることにより、該当する回路部位における電圧降下を調整することができる。ここで、電流が流れる経路を切り替えるスイッチは、ディップスイッチなどの機械的なスイッチでもよく、制御回路に接続されたMOSトランジスタなどでもよい。
NPN型バイポーラトランジスタ124のエミッタは発電系のマイナス端子117−2に、ベースは第一の回路部位121の一端に、コレクタは抵抗器123の一端および
NMOSトランジスタ125のゲートに接続される。回路部位121の一端はNPN型バイポーラトランジスタ124のベースに、もう一端は回路部位122および抵抗器123の一端に接続され、回路部位122の一端は回路部位121の一端および抵抗器123の一端に接続され、もう一端は発電系のプラス端子117−1および蓄電系のプラス端子117−3に接続される。抵抗器123の一端は、回路部位121の一端および回路部位122の一端に接続され、もう一端はNPN型バイポーラトランジスタ124のコレクタおよびNMOSトランジスタ125のゲートに接続される。NMOSトランジスタのソースは発電系のマイナス端子117−3に接続され、ゲートはNPN型バイポーラトランジスタ124のコレクタおよび抵抗器123の一端に接続され、ドレインは蓄電系のマイナス端子117−4に接続される。
発電系のプラスマイナス端子間の電圧が一定電圧値を超えるとダイオード群を含む回路部位121に流れる電流が一定値を超え、ノード126の電位が一定値を下回り、NMOSトランジスタ125−2はソースドレイン間の抵抗が一定値を超える。発電系のプラスおよびマイナスの端子に太陽電池を接続した場合などは、このとき、発電系のプラスマイナス端子間の電圧がまずます上昇し、NMOSトランジスタ125−2はソースドレイン間の抵抗がますます上昇するという正帰還がかかる。そのため、発電系のプラスマイナス端子間の電圧は一気に上昇し、NMOSトランジスタ125−2は完全にオフになる。こうなることにより、発電系のプラスマイナス端子間の電圧が一定電圧値を超えるとNMOSトランジスタ125−2がオフし、第1の実施の形態と同様に、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧を一定電圧値以上に上げない機能が実現する。
第5の実施の形態の回路は、過放電防止回路である。図8に、第5の実施の形態の回路図を示す。第5の実施の形態の回路は、PNP型バイポーラトランジスタ134および、第一の回路部位131および、第二の回路部位132および、抵抗器133、138および、PMOSトランジスタ137、スイッチング素子135を持つ。これらの部分全体が過放電防止回路22である。
PNP型バイポーラトランジスタ134のコレクタは蓄電系のプラス端子117−3に、ベースは回路部位131のアノード側に、エミッタは抵抗器133の一端およびPMOSトランジスタ137のゲートに接続される。回路部位131の一端はPNP型バイポーラトランジスタ134のベースに、もう一端は回路部位132の一端および抵抗器133の一端に接続される。回路部位132の一端は回路部位131のカソードおよび抵抗器133の一端に接続され、もう一端は蓄電系のマイナス端子117−4および出力系のマイナス端子117−6に接続される。抵抗器133の一端は回路部位131の一端および回路部位132の一端に接続され、もう一端はPNP型バイポーラトランジスタ134のエミッタおよびPMOSトランジスタ137のゲートに接続される。PMOSトランジスタ137のソースは蓄電系のプラス端子117−3に接続され、ゲートはPNP型バイポーラトランジスタ134のエミッタおよび抵抗器133の一端に接続され、ドレインは抵抗器138の一端およびスイッチング素子135のコントロール端子に接続される。抵抗器138の一端はPMOSトランジスタ137のドレインおよびスイッチング素子135のコントロール端子に接続され、もう一端は蓄電系のマイナス端子117−4および出力系のマイナス端子117−6に接続される。スイッチング素子135の一端は蓄電系のプラス端子117−3に接続され、コントロール端子はPMOSトランジスタ137のドレインおよび抵抗器138の一端に接続され、一端は出力系のプラス端子117−5に接続される。
ここで、第一の回路部位131、第二の回路部位132は、1つのダイオードまたは複数の直列接続されたダイオード群を含む。直列接続したダイオードを並列接続すること、並列接続したダイオードを直列接続することも可能である。また、使用するダイオードは第5の実施の形態では発光ダイオードとするが、必ずしも発光ダイオードでなくてもよいものとする。発光ダイオードは緑色、赤色、青色、紫外、赤外などあらゆるものを用いることができる。さらに、ツェナーダイオードを用いてもよく、電圧降下がより少ないシリコンダイオード、ショットキーバリアダイオードを用いてもよい。また、これらのダイオードの組み合わせでもよく、組み合わせることにより、回路部位131の電圧降下の合計、回路部位132の電圧降下の合計を調整できる。回路部位131、132は抵抗器を含んでもよい。この抵抗器は、蓄電系のプラスマイナス端子間の電圧が高くなったときに流れる電流を制限する役割を果たす。第5の実施の形態は、回路部位131が、緑色発光ダイオード131−1、131−2、131−3の直列接続、回路部位112が、緑色発光ダイオード132−1、132−2、赤色発光ダイオード132−3、132−4および抵抗器132−5の直列接続の場合の例である。
夜になると、太陽電池1−1に太陽光が当たらなくなり、太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧は、過充電の判定基準の電圧より十分小さい電圧となる。そのため、負荷3で消費された電流により鉛蓄電池2−1のプラスマイナス端子間の電圧が下がっていたら、翌日に日が昇ると同時に鉛蓄電池2−1へ充電を開始する。太陽電池1のプラス端子117−1と鉛蓄電池2−1のプラス端子117−3の間にバイパススイッチを導入してもよい。このバイパススイッチが一時的にオンすると、同様に鉛蓄電池2のプラスマイナス端子間の電圧が過充電防止の判定基準電圧以下であったら充電を開始する。
過充電防止回路21の内部は、第2の実施の形態および図5で説明した通りである。ここで図5におけるスイッチング素子115は、PMOSトランジスタを用いた場合の図である。図5中の回路部位111は少なくとも1つの発光ダイオードまたはツェナーダイオードを含む。図5は、回路部位111が緑色発光ダイオード111−1とツェナーダイオード111−5の直列接続の場合の例である。
第7の実施の形態は、過充電防止回路および過放電防止回路を用いた蓄電池制御装置および独立電源システムに関する。図13に第7の実施の形態の独立電源システムを示す。
発電装置のプラス端子およびマイナス端子に実質的に接続されている系117−1、117−2を発電系、蓄電池のプラス端子およびマイナス端子に実質的に接続されている系117−3、117−4を蓄電系、負荷のプラス端子およびマイナス端子に実質的に接続されている系117−5、117−6を出力系とする。117−2と117−4と117−6は短絡しているが、説明の都合上別のノードであるとして説明する。実質的に接続されるとは、間にヒューズ、スイッチ、抵抗器、ダイオード、電流計等が間に挿入されている場合も含めて接続されていることを意味する。
第7の実施の形態の独立電源システムでは、鉛蓄電池2−1に、過充電防止回路21、逆電流防止ダイオード24を介して太陽電池1−1が接続され、機械的スイッチ23および過放電防止回路22を介して負荷3が接続されている。過充電防止回路21、過放電防止回路22、逆電流防止ダイオード24、機械的スイッチ23が蓄電池制御装置11を構成する。すなわち、蓄電池制御装置11に太陽電池1−1、鉛蓄電池2−1、負荷3が接続されている。
発電時は、太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧は、鉛蓄電池2−1のプラスマイナス間の電圧よりやや高い状態を維持する。太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧が第一の一定電圧値を超えるとダイオード群を含む回路部位111に流れる電流が一定値を超え、ノード116の電位が一定値を超え、PMOSトランジスタ115−2はソースドレイン間の抵抗が一定値を超える。その結果、太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧がますます上昇し、PMOSトランジスタ115−2はソースドレイン間の抵抗がますます上昇するという正帰還がかかる。そのため、太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧は一気に上昇し、PMOSトランジスタ115−2は完全にオフになる。こうなることにより、太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧が第一の一定電圧値を超えるとPMOSトランジスタ115−2がオフし、発電系と蓄電系すなわち、太陽電池1−1と鉛蓄電池2−1を切り離すことにより、鉛蓄電池2−1のプラスマイナス端子間の電圧を第一の一定電圧値以上に上げない機能が実現する。すなわち過充電防止機能が実現する。
発電系と蓄電系すなわち、太陽電池1−1と鉛蓄電池2−1を切り離す基準の一定電圧値は、例えば13.2Vである。
蓄電系と出力系すなわち、鉛蓄電池2と負荷3を切り離す基準の第二の一定電圧値は、例えば11.2Vである。第一の一定電圧値は、第二の一定電圧値より必ず高く設計する。第一の一定電圧値を、第二の一定電圧値と異なる値にするには、回路部位111と回路部位131の電圧降下量を変えるか、あるいは、回路部位112と回路部位132の電圧降下量を変える方法がある。例えば、回路部位112では緑色発光ダイオード4つの直列接続を用いるのに対し、回路部位132では緑色発光ダイオード2つと赤色発光ダイオード2つの直列接続を用いるなどの方法が可能である。尚、過放電防止機能により出力系と蓄電系が切り離されると、電力会社の系統から電力が供給されるようにしてもよい。
夜になると、太陽電池1−1に太陽光が当たらなくなり、太陽電池1−1のプラスマイナス端子間の電圧は、過充電の判定基準の電圧より十分小さい電圧となる。そのため、負荷3で消費された電流により鉛蓄電池2−1のプラスマイナス端子間の電圧が下がっていたら、翌日に日が昇ると同時に鉛蓄電池2−1へ充電を開始する。太陽電池1−1のプラス端子117−1と鉛蓄電池2−1のプラス端子117−3の間にバイパススイッチを導入してもよい。このバイパススイッチが一時的にオンすると、同様に鉛蓄電池2のプラスマイナス端子間の電圧が過充電防止の判定基準電圧以下であったら充電を開始する。一方、鉛蓄電池2−1のプラスマイナス端子間の電圧が戻り次第、鉛蓄電池2−1と負荷3の接続は再開される。