JP2011250215A - 無線基地局、無線通信システム、及び制御方法 - Google Patents

無線基地局、無線通信システム、及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無線基地局間の伝送路に流れるSON関連メッセージの量を低減できるようにする。
【解決手段】無線基地局eNB1は、メッセージの送信先を選択するための基地局情報を記憶する記憶部130と、基地局情報に応じて選択された他の無線基地局にメッセージを送信するネットワーク通信部140と、送信されたメッセージに対する応答の状況に応じて、メッセージの送信先とする無線基地局の優先順位を基地局情報に設定するように記憶部130を制御する制御部120とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、SON技術が適用される無線基地局、無線通信システム、及び制御方法に関する。
無線通信システムの標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化されているLTE(Long Term Evolution)では、無線基地局に係るパラメータ(以下、基地局パラメータ)を、人手を介さずに無線基地局自身が自立的に調整するSON(Self Organizing Network)技術が適用される(例えば、非特許文献1参照)。
SON技術の一つとして、無線基地局間の負荷を平準化するために、無線基地局間で送受信されるメッセージに基づいて、カバレッジを定める基地局パラメータ(例えばハンドオーバパラメータ)を調整する手法が提案されている。このような最適化の技術は、MLB(Mobility Load Balancing)と称される。なお、カバレッジとは、無線基地局の論理的或いは物理的な通信エリアの範囲を意味する。
SON技術においては、無線基地局が、自立的なパラメータ調整のためのメッセージ(以下、SON関連メッセージ)を自局に隣接する全ての無線基地局に送信することが想定されている。しかしながら、このような手法では、無線基地局間の伝送路に流れるSON関連メッセージの量が増加し、当該伝送路の輻輳に繋がるおそれがある。
そこで、本発明は、無線基地局間の伝送路に流れるSON関連メッセージの量を低減できる無線基地局、無線通信システム、及び制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明に係る無線基地局の特徴は、無線基地局間で送受信されるメッセージに基づいて基地局パラメータを自立的に調整可能な無線通信システムで用いられる無線基地局(無線基地局eNB1)であって、前記メッセージの送信先を選択するための基地局情報を記憶する記憶部(記憶部130)と、前記基地局情報に応じて選択された他の無線基地局に前記メッセージを送信する送信部(ネットワーク通信部140)と、前記送信部によって送信された前記メッセージに対する応答の状況に応じて、前記メッセージの送信先とする無線基地局の優先順位を前記基地局情報に設定するように前記記憶部を制御する制御部(制御部120)とを備えることを要旨とする。
このような特徴によれば、基地局情報に応じて選択された他の無線基地局にメッセージを送信する無線基地局は、送信されたメッセージに対する応答の状況に応じて、メッセージの送信先とする無線基地局の優先順位を基地局情報に設定する。これにより、メッセージの送信先とする無線基地局の数を効果的に削減することが可能になり、無線基地局間の伝送路に流れるSON関連メッセージの量を低減できる。
本発明に係る無線基地局の他の特徴は、上記の特徴に係る無線基地局において、前記制御部は、前記メッセージに対して肯定的な応答を行う頻度が高い無線基地局ほど高い優先順位を設定するように前記記憶部を制御することを要旨とする。
本発明に係る無線基地局の他の特徴は、上記の特徴に係る無線基地局において、前記制御部は、前記メッセージに対して否定的な応答を行う頻度が高い無線基地局ほど低い優先順位を設定するように前記記憶部を制御することを要旨とする。
本発明に係る無線基地局の他の特徴は、上記の特徴に係る無線基地局において、前記制御部は、前記メッセージに対して応答を行わない頻度が高い無線基地局ほど低い優先順位を設定するように前記記憶部を制御することを要旨とする。
本発明に係る無線基地局の他の特徴は、上記の特徴に係る無線基地局において、前記制御部は、前記優先順位が高い順に選択された他の無線基地局に対して前記メッセージを送信するように前記送信部を制御することを要旨とする。
本発明に係る無線通信システムの特徴は、無線基地局間で送受信されるメッセージに基づいて基地局パラメータを自立的に調整可能な無線通信システム(無線通信システム1)であって、前記メッセージの送信先を選択するための基地局情報を記憶する記憶部(記憶部130)と、前記基地局情報に応じて選択された他の無線基地局に前記メッセージを送信する送信部(ネットワーク通信部140)と、前記送信部によって送信された前記メッセージに対する応答の状況に応じて、前記メッセージの送信先とする無線基地局の優先順位を前記基地局情報に設定するように前記記憶部を制御する制御部(制御部120)とを備えることを要旨とする。
本発明に係る制御方法の特徴は、無線基地局間で送受信されるメッセージに基づいて基地局パラメータを自立的に調整可能な無線通信システムで用いられる無線基地局の制御方法であって、前記メッセージの送信先を選択するための基地局情報を記憶するステップと、前記基地局情報に応じて選択された他の無線基地局に前記メッセージを送信するステップと、前記送信するステップによって送信された前記メッセージに対する応答の状況に応じて、前記メッセージの送信先とする無線基地局の優先順位を前記基地局情報に設定するステップとを有することを要旨とする。
本発明によれば、無線基地局間の伝送路に流れるSON関連メッセージの量を低減できる無線基地局、無線通信システム、及び制御方法を提供できる。
本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る無線基地局の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る、優先順位が設定された状態の基地局情報を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体動作例を示す動作シーケンス図である。 本発明の実施形態に係る無線基地局の詳細動作例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る無線基地局の優先順位設定動作例を示すフローチャートである。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)無線通信システムの構成、(2)無線基地局の構成、(3)無線通信システムの動作、(4)作用・効果、(5)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
(1)無線通信システムの構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム1の構成を示す図である。無線通信システム1は、LTE規格に基づいて構成される。
図1に示すように、複数の無線基地局eNB(無線基地局eNB1〜eNB3)はE−UTRAN(Evolved-UMTS Terrestrial Radio Access Network)を構成する。複数の無線基地局eNBのそれぞれは、無線端末UEにサービスを提供すべき通信エリアであるセルを形成する。
相互に隣接する各無線基地局eNBは、基地局間通信を提供する論理的な通信路であるX2インターフェースを介して通信可能である。複数の無線基地局eNBのそれぞれは、S1インターフェースを介して、EPC(Evolved Packet Core)、具体的には、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving Gateway)と通信可能である。
無線端末UEは、ユーザが所持する無線通信装置であり、ユーザ装置とも称される。複数の無線端末UE1は、無線基地局eNB1が形成するセル内で無線基地局eNB1に接続する。複数の無線端末UE2は、無線基地局eNB2が形成するセル内で無線基地局eNB2に接続する。複数の無線端末UE3は、無線基地局eNB3が形成するセル内で無線基地局eNB3に接続する。
無線端末UEは、無線基地局eNBから受信する無線信号の品質(すなわち、無線品質)を測定し、無線品質の測定結果に係る報告(メジャメントレポート)を接続先の無線基地局eNBに送信する。ここで無線品質とは、例えば参照信号の受信電力(RSRP)である。メジャメントレポートは、無線基地局eNBが設定したイベントをトリガとして無線端末UEから無線基地局eNBに送信されてもよく、無線端末UEから無線基地局eNBに定期的に送信されてもよい。
無線端末UEの接続先の無線基地局eNBは、無線端末UEから受信するメジャメントレポートに基づいて、無線端末UEの接続先を切り換えるハンドオーバ制御を行う。無線端末UEが複数の無線基地局eNBからの参照信号を受信する場合、メジャメントレポートは、複数の無線基地局eNBに対応する複数のRSRPを含んでもよい。無線端末UEの接続先の無線基地局eNBは、メジャメントレポートに基づいて、例えば複数の無線基地局eNBのうちRSRPが最も高いものを無線端末UEの接続先とするよう制御する。
無線通信システム1は、上述したMLBをサポートする。本実施形態では、各無線基地局eNBは、無線基地局eNB間で送受信される負荷情報に基づいて、カバレッジを定める基地局パラメータとしてのハンドオーバパラメータを調整する。例えば、無線基地局eNB1の負荷が無線基地局eNB2(又はeNB3)の負荷よりも高い場合に、ハンドオーバパラメータを調整することで、無線基地局eNB1のカバレッジを縮小するとともに、無線基地局eNB2(又はeNB3)のカバレッジを拡大する。
このようなハンドオーバパラメータは、本実施形態では、無線端末UEが測定したRSRPを補正するためのオフセット値である。例えば、無線端末UE1が無線基地局eNB1及び無線基地局eNB2のそれぞれから無線信号を受信可能な場合において、無線基地局eNB1に対応するRSRP(以下、RSRP1)と、無線基地局eNB2に対応するRSRP(以下、RSRP2)とを比較する前に、RSRP1を高く補正するためのオフセット値をRSRP1に加える。こうすることで、オフセット後のRSRP1がRSRP2を上回る可能性が高まる。よって、無線基地局eNB1が優先的に接続先(ハンドオーバ先)として選択されるようになり、無線基地局eNB1のカバレッジを拡大できる。なお、不要なハンドオーバを避けるために、オフセット値は、無線基地局eNBの対で1つの値を取り、対をなす各無線基地局eNBで共有する。
以下においては、無線基地局eNB1主導でハンドオーバパラメータを調整するケースを主として説明する。
(2)無線基地局の構成
次に、無線基地局eNB1の構成について説明する。無線基地局eNB1以外の無線基地局eNBは無線基地局eNB1と同様に構成されるものとする。また、以下においては、無線基地局eNB1に隣接する他の無線基地局を無線基地局eNBxと称する。
(2.1)機能ブロック構成
図2は、無線基地局eNB1の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、無線基地局eNB1は、アンテナ部101、無線通信部110、制御部120、記憶部130、及びネットワーク通信部140を有する。
アンテナ部101は、無線信号の送受信に用いられる。無線通信部110は、例えば無線周波数(RF)回路やベースバンド(BB)回路等を用いて構成され、アンテナ部101を介して無線端末UE1と無線信号の送受信を行う。また、無線通信部110は、送信信号の変調・符号化と受信信号の復調・復号とを行う。
制御部120は、例えばCPUを用いて構成され、無線基地局eNB1が備える各種の機能ブロックを制御する。記憶部130は、例えばメモリを用いて構成され、無線基地局eNB1の制御等に用いられる各種の情報を記憶する。ネットワーク通信部140は、X2インタフェースを使用した基地局間通信と、S1インタフェースを使用した通信とを行う。
記憶部130は、SON関連メッセージとしてのResource Status Requestメッセージ及びMobility Change Requestメッセージの送信先を選択するための基地局情報を記憶する。ここで、Resource Status Requestメッセージは、負荷情報の送信を要求するためのメッセージである。Mobility Change Requestメッセージは、ハンドオーバパラメータの変更を要求するためのメッセージである。基地局情報は、無線基地局eNB1に隣接する他の無線基地局eNBxそれぞれの識別情報のリスト(いわゆる、ネイバーリスト)を含む。基地局情報には、SON関連メッセージの送信先とする無線基地局eNBxの優先順位が設定される。
制御部120は、送信先選択部121、メッセージ生成部122、負荷レベル測定部123、負荷レベル比較部124、パラメータ調整部125、及び優先順位設定処理部126を有する。
送信先選択部121は、記憶部130が記憶する基地局情報に基づいてSON関連メッセージの送信先の無線基地局eNBxを選択する。基地局情報に優先順位が設定される前においては、送信先選択部121は、無線基地局eNB1に隣接する全ての無線基地局eNBxをSON関連メッセージの送信先として選択する。基地局情報に優先順位が設定された後においては、送信先選択部121は、記憶部130内の基地局情報を参照し、複数の無線基地局eNBxの中から、優先順位が高い順に所定条件を満たす無線基地局eNBxのみをSON関連メッセージの送信先として選択する。ここで所定条件とは、「上位2つの無線基地局」といったように基地局数であってもよく、「優先順位1及び2の無線基地局」といったように順位であってもよい。
メッセージ生成部122は、SON関連メッセージとしてのResource Status Requestメッセージ及びMobility Change Requestメッセージを生成する。ここで、Resource Status Requestメッセージ及びMobility Change Requestメッセージのそれぞれは、送信先選択部121が選択した無線基地局eNBxの識別情報を含む。Resource Status Requestメッセージ及びMobility Change Requestメッセージは、ネットワーク通信部140によって、送信先選択部121が選択した無線基地局eNBxに送信される。
なお、Resource Status Requestメッセージは、送信を要求する負荷情報の分類を示す情報であるReport Characteristicsと、負荷情報の送信周期を示す情報とを含む。ここで負荷情報の分類とは、次の(a)〜(d)である。(a)時間周波数リソースの割り当て単位であるPRB(Physical Resource Block)の使用数、(b)無線基地局とコアネットワークとの間のバックホールの負荷、(c)無線基地局のハードウェア負荷、(d)無線基地局の相対的な通信容量を示す指標である容量クラスとその中で利用可能な通信容量の割合。
Resource Status Requestメッセージを受信した無線基地局eNBxは、肯定応答であるResource Status Responseメッセージ又は否定応答であるResource Status Failureメッセージを無線基地局eNB1に送信する。ただし、Resource Status Requestメッセージを受信した無線基地局eNBxは、Resource Status Responseメッセージ及びResource Status Failureメッセージの何れも無線基地局eNB1に送信しなくてもよい。無線基地局eNBxは、Resource Status Responseメッセージを送信した後、Resource Status Requestメッセージに含まれる送信周期で、負荷情報を含むResource Status Updateメッセージを送信する。この際、無線基地局eNBxは、Resource Status Requestメッセージに含まれるReport Characteristicsに対応する分類の負荷情報を送信する。ネットワーク通信部140は、無線基地局eNBxからのResource Status Responseメッセージを周期的に受信する。
また、Mobility Change Requestメッセージは、無線基地局eNBxに対して提案する調整後のハンドオーバパラメータを示すHandover Trigger Changeを含む。Mobility Change Requestメッセージを受信した無線基地局eNBxは、肯定応答であるMobility Change Acknowledgeメッセージ又は否定応答であるMobility Change Failureメッセージを無線基地局eNB1に送信する。ただし、Mobility Change Requestメッセージを受信した無線基地局eNBxは、Mobility Change Acknowledgeメッセージ及びMobility Change Failureメッセージの何れも無線基地局eNB1に送信しなくてもよい。無線基地局eNBxは、Mobility Change Acknowledgeメッセージを送信した後、Handover Trigger Changeによって示される調整後のハンドオーバパラメータを自局に設定する。
負荷レベル測定部123は、自局(すなわち無線基地局eNB1)の負荷レベルを測定する。負荷レベル測定部123は、上述したReport Characteristicsで指定した分類についての負荷レベルのみを測定してもよい。
負荷レベル比較部124は、負荷レベル測定部123によって測定された自局の負荷レベルと、ネットワーク通信部140が受信した負荷情報(Resource Status Updateメッセージ)によって示される無線基地局eNBxの負荷レベルとを比較する。負荷レベル比較部124は、Resource Status Updateメッセージをネットワーク通信部140が受信する毎に比較を行う。
パラメータ調整部125は、負荷レベル比較部124による比較の結果に応じてハンドオーバパラメータを調整する。具体的には、パラメータ調整部125は、自局の負荷レベルが無線基地局eNBxの負荷レベルよりも低い場合に、自局のカバレッジを拡大するようハンドオーバパラメータを調整する。例えば、自局に対応するRSRPに加算されるオフセット値を大きくする、あるいは、無線基地局eNBxに対応するRSRPに加算されるオフセット値を小さくすることで、自局のカバレッジを擬似的に拡大することができる。また、パラメータ調整部125は、補正後における自局の負荷レベルが無線基地局eNBxの負荷レベルよりも高い場合に、自局のカバレッジを縮小するようハンドオーバパラメータを調整する。例えば、自局に対応するRSRPに加算されるオフセット値を小さくする、あるいは、無線基地局eNBxに対応するRSRPに加算されるオフセット値を大きくすることで、自局のカバレッジを擬似的に縮小することができる。
ただし、ハンドオーバパラメータを調整するためには、無線基地局eNBxからの許可が得られていることが必要である。そのため、Mobility Change Requestメッセージにより調整後のハンドオーバパラメータを通知し、当該調整後のハンドオーバパラメータが許容されることが確認できた場合にハンドオーバパラメータを調整する。
優先順位設定処理部126は、ネットワーク通信部140によって送信されたSON関連メッセージに対する応答の状況に応じて、SON関連メッセージの送信先とする無線基地局eNBxの優先順位を基地局情報に設定する。具体的には、優先順位設定処理部126は、ネットワーク通信部140によって送信されたSON関連メッセージに対する応答の状況を記憶し、記憶した応答の状況を統計処理することで優先順位を決定し、決定した優先順位を基地局情報に設定する。
例えば、優先順位設定処理部126は、SON関連メッセージに対して肯定的な応答を行う頻度が高い無線基地局eNBxほど高い優先順位を設定する。また、優先順位設定処理部126は、SON関連メッセージに対して否定的な応答を行う頻度が高い無線基地局eNBxほど低い優先順位を設定する。さらに、優先順位設定処理部126は、SON関連メッセージに対して応答を行わない頻度が高い無線基地局eNBxほど低い優先順位を設定する。
優先順位設定処理部126は、最初に優先順位を基地局情報に設定(すなわち初期設定)した後においても、SON関連メッセージに対する応答の状況に応じて、基地局情報に設定する優先順位を定期的に更新する。すなわち、優先順位設定処理部126による「優先順位の設定」は、優先順位を初期設定する場合に限らず、優先順位の定期的な更新を含む概念である。
(2.2)基地局情報の構成例
図3は、優先順位が設定された状態の基地局情報を説明するための図である。図3(a)は基地局情報の構成例1を示し、図3(b)は基地局情報の構成例2を示す。
図3(a)に示す基地局情報の構成例1では、無線基地局eNB1に隣接する無線基地局eNBxの識別情報のリストであるネイバーリストと、当該ネイバーリストに対応付けられた優先順位情報とを含む。図3(a)の例では、無線基地局eNB1に隣接する無線基地局eNB2の優先順位が“2”とされ、無線基地局eNB1に隣接する無線基地局eNB3の優先順位が“1”とされ、無線基地局eNB1に隣接する無線基地局eNB4の優先順位が“3”とされ、無線基地局eNB1に隣接する無線基地局eNB5の優先順位が“6”とされ、無線基地局eNB1に隣接する無線基地局eNB6の優先順位が“5”とされ、無線基地局eNB1に隣接する無線基地局eNB7の優先順位が“4”とされている。
例えば、送信先選択部121は、図3(a)に示す基地局情報に基づいて、優先順位が高い上位3つの無線基地局eNBx、すなわち無線基地局eNB2、無線基地局eNB3、及び無線基地局eNB4をResource Status Requestメッセージの送信先として選択する。
図3(b)に示す基地局情報の構成例2では、2つの無線基地局eNBx毎に優先順位が設定されている。図3(b)の例では、無線基地局eNB1に隣接する無線基地局eNB2の優先順位が“1”とされ、無線基地局eNB1に隣接する無線基地局eNB3の優先順位が“1”とされ、無線基地局eNB1に隣接する無線基地局eNB4の優先順位が“3”とされ、無線基地局eNB1に隣接する無線基地局eNB5の優先順位が“2”とされ、無線基地局eNB1に隣接する無線基地局eNB6の優先順位が“3”とされ、無線基地局eNB1に隣接する無線基地局eNB7の優先順位が“2”とされている。
例えば、送信先選択部121は、図3(b)に示す基地局情報に基づいて、優先順位1及び2の無線基地局eNBx、すなわち無線基地局eNB2、無線基地局eNB3、無線基地局eNB5、及び無線基地局eNB7をResource Status Requestメッセージの送信先として選択する。
(3)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム1の動作について、無線通信システム1の全体動作例、無線基地局eNB1の全体動作例、無線基地局eNB1の優先順位設定動作例の順に説明する。
(3.1)無線通信システム1の全体動作例
図4は、無線通信システム1の全体動作例を示す動作シーケンス図である。ここでは、無線基地局eNB1及び無線基地局eNB2の間でハンドオーバパラメータを調整するケースを説明する。また、無線基地局eNB2が、無線基地局eNB1から送信されるResource Status Requestメッセージ及びMobility Change Requestメッセージに対して肯定的な応答を行うものとする。
ステップS11において、無線基地局eNB1の送信先選択部121はResource Status Requestメッセージの送信先として無線基地局eNB2を選択し、メッセージ生成部122はResource Status Requestメッセージを生成し、ネットワーク通信部140は当該Resource Status Requestメッセージを無線基地局eNB2に送信する。無線基地局eNB2は、Resource Status Requestメッセージを受信する。
ステップS12において、無線基地局eNB2は、Resource Status Requestメッセージを許容する場合に、Resource Status Responseメッセージを無線基地局eNB1に送信する。無線基地局eNB1のネットワーク通信部140は、Resource Status Responseメッセージを受信する。
ステップS13において、無線基地局eNB2は、自局の負荷レベルを測定する。なお、ステップS13の処理は、ステップS11及びステップS12の間に行われてもよい。
ステップS14において、無線基地局eNB2は、測定した負荷レベルを示す負荷情報を含むResource Status Updateメッセージを無線基地局eNB1に送信する。無線基地局eNB1のネットワーク通信部140は、Resource Status Updateメッセージを受信する。
ステップS15において、無線基地局eNB1の負荷レベル測定部123は、自局の負荷レベルを測定する。
ステップS16において、無線基地局eNB1の負荷レベル比較部124は、自局(無線基地局eNB1)の負荷レベルと無線基地局eNB2の負荷レベルとを比較する。無線基地局eNB1の負荷レベルと無線基地局eNB2の負荷レベルとが等しい場合には、ハンドオーバパラメータが最適化されている状況であるため、処理がステップS13に戻る。あるいは、複数回連続して負荷レベルが等しい場合には、処理を中止してもよい。一方、無線基地局eNB1の負荷レベルと無線基地局eNB2の負荷レベルとが異なる場合には、ハンドオーバパラメータを調整すべき状況であり、処理がステップS17に進む。
ステップS17において、無線基地局eNB1のパラメータ調整部125は、調整後のハンドオーバパラメータを決定する。例えば、パラメータ調整部125は、無線基地局eNB1の負荷レベルが無線基地局eNB2の負荷レベルよりも低い場合に、無線基地局eNB1のカバレッジを拡大するように調整後のハンドオーバパラメータを決定する。また、パラメータ調整部125は、無線基地局eNB1の負荷レベルが無線基地局eNB2の負荷レベルよりも高い場合に、無線基地局eNB1のカバレッジを縮小するように調整後のハンドオーバパラメータを決定する。
ステップS18において、メッセージ生成部122は、調整後のハンドオーバパラメータを含むMobility Change Requestメッセージを生成し、ネットワーク通信部140は当該Mobility Change Requestメッセージを無線基地局eNB2に送信する。無線基地局eNB2は、Mobility Change Requestメッセージを受信する。
ステップS19において、無線基地局eNB2は、Mobility Change Requestメッセージを許容する場合に、Mobility Change Acknowledgeメッセージを無線基地局eNB1に送信する。無線基地局eNB1のネットワーク通信部140は、Mobility Change Acknowledgeメッセージを受信する。
ステップS20において、無線基地局eNB1は、調整後のハンドオーバパラメータを自局に設定する。ステップS21において、無線基地局eNB2は、調整後のハンドオーバパラメータを自局に設定する。
(3.2)無線基地局eNB1の詳細動作例
図5は、無線基地局eNB1の詳細動作例を示すフローチャートである。ここでは、優先順位が初期設定された後における無線基地局eNB1の動作を説明する。
ステップS101において、送信先選択部121は、記憶部130内の基地局情報を参照し、Resource Status Requestメッセージの送信先として、優先順位nの無線基地局eNBxを選択する。ここで、nの初期値は1であり、送信先選択部121は、優先順位1の無線基地局eNBxを選択する。
ステップS102において、メッセージ生成部122は、Resource Status Requestメッセージを生成し、ネットワーク通信部140は、当該Resource Status Requestメッセージを優先順位nの無線基地局eNBxに送信する。
Resource Status Requestメッセージの送信後、Resource Status Responseメッセージを優先順位nの無線基地局eNBxから受信しない場合(ステップS103;NO)、すなわち、Resource Status Failureメッセージを受信した場合、又は、何らの応答もなくタイムアウトした場合には、ステップS104において優先順位設定処理部126は、その応答の状況を優先順位nの無線基地局eNBxに対応付けて記憶部130に記憶させる。そして、ステップS105において優先順位のインデックスnに1を加算した後、処理がステップS101に戻る。
一方、Resource Status Requestメッセージの送信後、Resource Status Responseメッセージを優先順位nの無線基地局eNBxから受信した場合(ステップS103;YES)、ステップS106において優先順位設定処理部126は、その応答の状況を優先順位nの無線基地局eNBxに対応付けて記憶部130に記憶させる。
ステップS107において、ネットワーク通信部140は、優先順位nの無線基地局eNBxについての負荷情報を含むResource Status Updateメッセージを、優先順位nの無線基地局eNBxから受信する。
ステップS108において、負荷レベル比較部124は、負荷レベル測定部123によって測定される自局(無線基地局eNB1)の負荷レベルと、ネットワーク通信部140が受信した負荷情報(Resource Status Updateメッセージ)によって示される優先順位nの無線基地局eNBxの負荷レベルとを比較する。
無線基地局eNB1の負荷レベルと優先順位nの無線基地局eNBxの負荷レベルとが等しい場合には、ハンドオーバパラメータが最適化されている状況であるため、処理がステップS101に戻る。一方、無線基地局eNB1の負荷レベルと優先順位nの無線基地局eNBxの負荷レベルとが異なる場合には、ハンドオーバパラメータを調整すべき状況であり、処理がステップS110に進む。
ステップS110において、パラメータ調整部125は、調整後のハンドオーバパラメータを決定する。メッセージ生成部122は、調整後のハンドオーバパラメータを含むMobility Change Requestメッセージを生成する。ネットワーク通信部140は、当該Mobility Change Requestメッセージを優先順位nの無線基地局eNBxに送信する。
Mobility Change Requestメッセージの送信後、Resource Status Responseメッセージを優先順位nの無線基地局eNBxから受信しない場合(ステップS111;NO)、すなわち、Mobility Change Failureメッセージを受信した場合、又は、何らの応答もなくタイムアウトした場合には、ステップS112において優先順位設定処理部126は、その応答の状況を優先順位nの無線基地局eNBxに対応付けて記憶部130に記憶させる。そして、ステップS113において優先順位のインデックスnに1を加算した後、処理がステップS101に戻る。
一方、Mobility Change Requestメッセージの送信後、Resource Status Responseメッセージを優先順位nの無線基地局eNBxから受信した場合(ステップS111;YES)、ステップS114において優先順位設定処理部126は、その応答の状況を優先順位nの無線基地局eNBxに対応付けて記憶部130に記憶させる。
ステップS115において、パラメータ調整部125は、調整後のハンドオーバパラメータを自局に設定する、具体的には、調整後のハンドオーバパラメータを記憶部130に記憶させる。
(3.3)無線基地局eNB1の優先順位設定動作例
図6は、無線基地局eNB1の優先順位設定動作例を示すフローチャートである。図6(a)は優先順位設定動作例1を示し、図6(b)は優先順位設定動作例2を示す。優先順位設定動作例1及び優先順位設定動作例2は両方実行されるものとするが、何れか一方のみが実行されてもよい。優先順位設定動作例1及び/又は優先順位設定動作例2が実行されるタイミングは、予め定められた周期に従ったタイミングとすることができる。
図6(a)に示すように、ステップS201において優先順位設定処理部126は、無線基地局eNBxのそれぞれについて記憶部130に記憶されている応答状況を読み出し、肯定的な応答を行った回数(頻度)を無線基地局eNBx毎に集計する。そして、優先順位設定処理部126は、集計された回数(頻度)が多い無線基地局eNBxほど高い優先順位を設定するように記憶部130内の基地局情報を更新する。
図6(b)に示すように、ステップS301において優先順位設定処理部126は、無線基地局eNBxのそれぞれについて記憶部130に記憶されている応答状況を読み出し、否定的な応答を行った回数(頻度)及び/又は応答を行わなかった回数(頻度)を無線基地局eNBx毎に集計する。そして、優先順位設定処理部126は、集計された回数(頻度)が多い無線基地局eNBxほど低い優先順位を設定するように記憶部130内の基地局情報を更新する。
(4)作用・効果
以上説明したように、本実施形態によれば、制御部120は、送信されたSON関連メッセージに対する応答の状況に応じて、SON関連メッセージの送信先とする無線基地局の優先順位を基地局情報に設定するように記憶部130を制御する。これにより、SON関連メッセージの送信先とする無線基地局の数を効果的に削減することが可能になり、無線基地局間の伝送路に流れるSON関連メッセージの量を低減できる。
また、本実施形態では、制御部120は、SON関連メッセージに対して肯定的な応答を行う頻度が高い無線基地局ほど高い優先順位を設定するように記憶部130を制御する。これにより、SON関連メッセージに対して肯定的な応答を行う頻度が高い無線基地局を優先的にSON関連メッセージの送信先とすることができ、SON関連メッセージの送信が無駄に終わる可能性を低減できるため、無線基地局間の伝送路に流れるSON関連メッセージの量を効果的に低減できる。
さらに、本実施形態では、制御部120は、SON関連メッセージに対して否定的な応答を行う頻度が高い無線基地局ほど低い優先順位を設定するように記憶部130を制御する。これにより、SON関連メッセージに対して否定的な応答を行う頻度が高い無線基地局を優先的にSON関連メッセージの送信先から除外することができ、SON関連メッセージの送信が無駄に終わる可能性を低減できるため、無線基地局間の伝送路に流れるSON関連メッセージの量を効果的に低減できる。
また、本実施形態では、制御部120は、SON関連メッセージに対して応答を行わない頻度が高い無線基地局ほど低い優先順位を設定するように記憶部130を制御する。これにより、SON関連メッセージに対して応答を行わない頻度が高い無線基地局を優先的にSON関連メッセージの送信先から除外することができ、SON関連メッセージの送信が無駄に終わる可能性を低減できるため、無線基地局間の伝送路に流れるSON関連メッセージの量を効果的に低減できる。
(5)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
上述した実施形態では、ハンドオーバパラメータとしてオフセット値を説明したが、オフセット値に限らず、RSRPと比較されるハンドオーバ閾値を調整してもよい。また、ハンドオーバパラメータを調整することに限らず、他の基地局パラメータ(例えば、アンテナチルト角や送信電力)を調整してもよい。
また、上述した実施形態では、無線基地局間で負荷平準化を図るSON技術であるMLBを例に説明したが、ハンドオーバ失敗率を低下させるようにハンドオーバパラメータを調整するSON技術であるMRO(Mobility Robustness Optimization)や、無線基地局eNBの消費電力を削減するためのSON技術であるエナジーセービング等に本発明を適用してもよい。
上述した実施形態では、LTE(3GPP Release 8又は9)に基づく無線通信システムについて説明したが、LTEを高度化したLTE Advanced(3GPP Release 10)では、送信電力の異なる複数種類の無線基地局が混在するヘテロジーニアスネットワークの提供が予定されており、当該ヘテロジーニアスネットワークに本発明を適用してもよい。また、LTE Advancedでは、バックホールを無線により構成する無線基地局であるリレーノードの提供が予定されており、当該リレーノードを本発明に係る無線基地局としてもよい。
さらに、上述した実施形態では、LTEシステムについて説明したが、モバイルWiMAX(IEEE 802.16e)に基づく無線通信システム等、他の無線通信システムに対して本発明を適用してもよい。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
UE…無線端末、eNB…無線基地局、101…アンテナ部、110…無線通信部、120…制御部、121…送信先選択部、122…メッセージ生成部、123…負荷レベル測定部、124…負荷レベル比較部、125…パラメータ調整部、126…優先順位設定処理部、130…記憶部、140…ネットワーク通信部

Claims (7)

  1. 無線基地局間で送受信されるメッセージに基づいて基地局パラメータを自立的に調整可能な無線通信システムで用いられる無線基地局であって、
    前記メッセージの送信先を選択するための基地局情報を記憶する記憶部と、
    前記基地局情報に応じて選択された他の無線基地局に前記メッセージを送信する送信部と、
    前記送信部によって送信された前記メッセージに対する応答の状況に応じて、前記メッセージの送信先とする無線基地局の優先順位を前記基地局情報に設定するように前記記憶部を制御する制御部と
    を備える無線基地局。
  2. 前記制御部は、前記メッセージに対して肯定的な応答を行う頻度が高い無線基地局ほど高い優先順位を設定するように前記記憶部を制御する請求項1に記載の無線基地局。
  3. 前記制御部は、前記メッセージに対して否定的な応答を行う頻度が高い無線基地局ほど低い優先順位を設定するように前記記憶部を制御する請求項1又は2に記載の無線基地局。
  4. 前記制御部は、前記メッセージに対して応答を行わない頻度が高い無線基地局ほど低い優先順位を設定するように前記記憶部を制御する請求項1〜3の何れか一項に記載の無線基地局。
  5. 前記制御部は、前記優先順位が高い順に選択された他の無線基地局に対して前記メッセージを送信するように前記送信部を制御する請求項1〜4の何れか一項に記載の無線基地局。
  6. 無線基地局間で送受信されるメッセージに基づいて基地局パラメータを自立的に調整可能な無線通信システムであって、
    前記メッセージの送信先を選択するための基地局情報を記憶する記憶部と、
    前記基地局情報に応じて選択された他の無線基地局に前記メッセージを送信する送信部と、
    前記送信部によって送信された前記メッセージに対する応答の状況に応じて、前記メッセージの送信先とする無線基地局の優先順位を前記基地局情報に設定するように前記記憶部を制御する制御部と
    を備える無線通信システム。
  7. 無線基地局間で送受信されるメッセージに基づいて基地局パラメータを自立的に調整可能な無線通信システムで用いられる無線基地局の制御方法であって、
    前記メッセージの送信先を選択するための基地局情報を記憶するステップと、
    前記基地局情報に応じて選択された他の無線基地局に前記メッセージを送信するステップと、
    前記送信するステップによって送信された前記メッセージに対する応答の状況に応じて、前記メッセージの送信先とする無線基地局の優先順位を前記基地局情報に設定するステップと
    を有する制御方法。
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