JP2011249693A - 磁性角筒体、磁気シールド体、及び磁性角筒体の比透磁率調整方法 - Google Patents
磁性角筒体、磁気シールド体、及び磁性角筒体の比透磁率調整方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011249693A JP2011249693A JP2010123580A JP2010123580A JP2011249693A JP 2011249693 A JP2011249693 A JP 2011249693A JP 2010123580 A JP2010123580 A JP 2010123580A JP 2010123580 A JP2010123580 A JP 2010123580A JP 2011249693 A JP2011249693 A JP 2011249693A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic
- notch
- relative permeability
- rectangular tube
- permeability
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
Abstract
【解決手段】磁性材料により形成された中空の磁性角筒体20であって、磁気シールド体1を構成するための磁性角筒体20において、側面21、22又は角部23に形成された切り欠き部30〜32であって、当該切り欠き部30〜32に直交する方向に沿った比透磁率を、当該切り欠き部30〜32がない同一形状の磁性角筒体20における同一方向の比透磁率より低減するための切り欠き部30〜32であり、当該比透磁率の所要の低減量に対応した長さ及び幅で形成された切り欠き部30〜32を備える。
【選択図】図1
Description
まず、磁気シールド体の基本的な構成について説明する。図1は本実施の形態に係る磁気シールド体の斜視図(一部の磁性角筒体を分解斜視図として示す)、図2は図1の磁性角筒体の斜視図である。以下、図1のZ方向の距離を「奥行き」、X方向の距離を「幅」、Y方向の距離を「高さ」と称する。図1に示すように、磁気シールド体1は、フレーム10により、複数の磁性角筒体20を相互に間隔を空けるように支持して構成されている。
まず、磁性角筒体20の比透磁率を効率的に導出するための方法について説明する。本実施の形態では、実際の磁性角筒体20のモデル(以下、実モデル)を均質化手法にて均質化することによって作成された等価的なモデル(以下、均質化モデル)で置き換え、この均質化モデルの比透磁率を算定することにより、実際の磁性角筒体20の比透磁率を導出する。図3は、実際の磁性角筒体20の斜視図、図4は、均質化モデルの斜視図である。ここでは、概略的には、実モデルと均質化モデルのそれぞれに対して一様磁界を印加した場合における、これら実モデルと均質化モデルのそれぞれの磁気エネルギーを算定し、これらの磁気エネルギーが相互に一致することを条件として、均質化モデルの比透磁率の算定式を導出する。
次に、x方向の比透磁率=μxの調整方法について説明する。図5は、比透磁率μxが調整された磁性角筒体20(実モデル)の斜視図である。この磁性角筒体20は、切り欠き部30を備えて構成されている。この切り欠き部30は、磁性角筒体20の側部21、22の中で、x方向に沿った2つの側部21の各々に形成されたもので、x方向に直交する方向に沿って形成されている。
一方の側部21のみに形成した場合の比透磁率μxに比べて、単純に半分にはならず、2〜3割の低減となる。また、幅に関して、図5では、切り欠き部30の幅=5mmとしているが、この幅を倍にしても、比透磁率μxは単純に半分にはならず、2次曲線状に低下する。ただし、切り欠き部30の総体積(切り欠き部30の長さ×幅×厚み)が一定であれば、切り欠き部30の長さを長くなるように変化させた場合に比べて、切り欠き部30の幅を太くなるように変化させた方が、比透磁率μxが滑らかに(小さい変化分で)低減されることが確認されており、後者の方が比透磁率μxを微妙に変化させることができる点で好ましい。なお、これら個所数や幅に関する傾向は、y方向やz方向に関しても同様である。
次に、y方向の比透磁率=μyの調整方法について説明する。図7は、比透磁率μyが調整された磁性角筒体20(実モデル)の斜視図である。この磁性角筒体20は、切り欠き部31を備えて構成されている。この切り欠き部31は、磁性角筒体20の側部21、22の中で、y方向に沿った2つの側部22の各々に形成されたもので、y方向に直交する方向に沿って形成されている。
次に、z方向の比透磁率=μzの調整方法について説明する。図9は、比透磁率μzが調整された磁性角筒体20(実モデル)の斜視図である。この磁性角筒体20は、切り欠き部32を備えて構成されている。この切り欠き部32は、磁性角筒体20の4つの角部の各々に形成されたもので、z方向に直交する方向に沿って形成されている。
次に、複数方向の比透磁率を同時に調整する方法について説明する。図11は、比透磁率μy、μzが調整された磁性角筒体20(実モデル)の斜視図である。この磁性角筒体20は、図7、9にそれぞれ示したものと同じ切り欠き部31、32を備えて構成されている。
以上のように切り欠き部30〜32を形成することにより、比透磁率を調整することができる原理を説明する。一例として、y方向に沿った2つの側部22の各々において、y方向に直交する方向に沿って形成された切り欠き部31が形成された磁性角筒体20の内部における磁束の流れについて説明する。図13〜15は、切り欠き部31の形成状態が異なる複数の磁性角筒体20と、これら複数の磁性角筒体20の各々内部における磁束の流れを模式的に示した図であり、図13は、切り欠き部31が形成されていない磁性角筒体20に関する図、図14は、切り欠き部31が形成された磁性角筒体20に関する図、図15は、つなぎ長さWyを残さずに全て切った場合の磁性角筒体20に関する図である。ここでは、図示下方から上方に向かう磁束が入射した状態を想定する。
次に、このような磁性角筒体20の比透磁率調整方法について説明する。磁性角筒体20は、例えば、従来と同様の方法により、磁性材料の板状体を折り曲げて形成する(準備工程)。そして、この折り曲げ前の段階において、あるいは、折り曲げ後の段階において、板状体や磁性角筒体20の側部21、22や角部23にカッターを押し当てることで、スリット状の切り欠き部(切り込み部)30〜32を入れる(切り欠き部形成工程)。ただし、切り欠き部30〜32の形成は、この他の方法で行うこともでき、例えば、磁性角筒体20を鋳造で形成する場合には、切り欠き部30〜32も鋳造時に形成することができる。あるいは、磁性材料の板状体を折り曲げる前の段階や、磁性角筒体20を形成した後の段階で、打ち抜き加工を施すことで、切り欠き部30〜32を形成してもよい。また、切り欠き部30〜32の形成後に焼鈍を行うことで、切り欠き時に生じた歪みによる磁気特性の劣化を改善し、磁性角筒体20の各部の比透磁率を均質化することが好ましい。
次に、磁気シールド体1に対して、上記の方法により比透磁率が調整された磁性角筒体20を適用する例について説明する。ここでは、MRI室からの磁気漏洩を低減するための磁気シールド体1であって、図1とは異なり、入室者の圧迫感を低減するために大開口を設けた磁気シールド体1を想定し、比透磁率が調整された磁性角筒体20を使用した効果を三次元磁界解析により確認した。
このように本実施の形態によれば、側面又は角部に形成された切り欠き部30〜32であって、当該切り欠き部30〜32に直交する方向に沿った比透磁率を、当該切り欠き部30〜32がない同一形状の磁性角筒体20における同一方向の比透磁率より低減するための切り欠き部30〜32であり、当該比透磁率の所要の低減量に対応した長さ及び幅で形成された切り欠き部30〜32を備えるので、所要の方向(垂直方向、水平方向、及び奥行き方向の3方向の中から任意に選択した一つ以上の方向)の比透磁率を所要の低減量だけ低減させることができ、磁性角筒体20毎の各方向の比透磁率を容易に調整することができる。特に、切り欠き部30〜32を形成することで比透磁率を調整できるので、磁性角筒体20の相互の間隔、切り欠き部30〜32以外の形状、厚み等を一定にできるので、磁性角筒体20の製造や管理の労力の増加を招くことがなく、磁気シールド体の組み立ても容易であり、かつ、磁気シールド体1の意匠性も低下させることがない。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
10 フレーム
11 貫通孔
20、20A、20B 磁性角筒体
21、22 側部
23 角部
30〜32 切り欠き部
Claims (7)
- 磁性材料により形成された中空の磁性角筒体であって、磁気シールド体を構成するための磁性角筒体において、
側面又は角部に形成された切り欠き部であって、当該切り欠き部に直交する方向に沿った比透磁率を、当該切り欠き部がない同一形状の磁性角筒体における同一方向の比透磁率より低減するための切り欠き部であり、当該比透磁率の所要の低減量に対応した長さ及び幅で形成された切り欠き部を備える、
磁性角筒体。 - 前記切り欠き部は、前記角部において、当該磁性角筒体の筒軸方向であるz方向に直交する方向に沿って形成されたものであって、前記z方向に沿った比透磁率を、当該切り欠き部がない同一形状の磁性角筒体における同一方向の比透磁率より低減するための切り欠き部である、
請求項1に記載の磁性角筒体。 - 前記切り欠き部は、当該磁性角筒体の筒軸方向であるz方向に直交するx方向に沿った前記側部において、前記x方向に直交する方向に沿って形成されたものであって、前記x方向に沿った比透磁率を、当該切り欠き部がない同一形状の磁性角筒体における同一方向の比透磁率より低減するための切り欠き部である、
請求項1又は2に記載の磁性角筒体。 - 前記切り欠き部は、当該磁性角筒体の筒軸方向であるz方向と当該z方向に直交するx方向とに直交するy方向に沿った前記側部において、前記y方向に直交する方向に沿って形成されたものであって、前記y方向に沿った比透磁率を、当該切り欠き部がない同一形状の磁性角筒体における同一方向の比透磁率より低減するための切り欠き部である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の磁性角筒体。 - 支持手段を介して相互に間隔を空けて並設された複数の磁性角筒体を備える磁気シールド体であって、
前記複数の磁性角筒体の一部として、前記請求項1から4のいずれか一項に記載の磁性角筒体を有する、
磁気シールド体。 - 磁性材料により形成された中空の磁性角筒体であって、磁気シールド体を構成するための磁性角筒体の比透磁率を調整するための方法であって、
前記磁性角筒体を準備する準備工程と、
前記準備工程にて準備した前記磁性角筒体の側部又は角部に切り欠き部を形成する工程であって、当該切り欠き部に直交する方向に沿った比透磁率を、当該切り欠き部がない同一形状の磁性角筒体における同一方向の比透磁率より低減するための切り欠き部であり、当該比透磁率の所要の低減量に対応した長さ及び幅で切り欠き部を形成する切り欠き部形成工程と、
を含む磁性角筒体の比透磁率調整方法。 - 前記準備工程において、磁性材料により形成された板状体を折り曲げることにより、前記磁性角筒体を形成し、
前記切り欠き部形成工程において、前記板状体を折り曲げることにより形成された前記磁性角筒体の側部又は角部に、カッターでスリット状の前記切り欠き部を形成する、
請求項6に記載の磁性角筒体の比透磁率調整方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010123580A JP5558923B2 (ja) | 2010-05-28 | 2010-05-28 | 磁気シールド体、及び磁気シールド体の比透磁率調整方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010123580A JP5558923B2 (ja) | 2010-05-28 | 2010-05-28 | 磁気シールド体、及び磁気シールド体の比透磁率調整方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011249693A true JP2011249693A (ja) | 2011-12-08 |
JP5558923B2 JP5558923B2 (ja) | 2014-07-23 |
Family
ID=45414548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010123580A Active JP5558923B2 (ja) | 2010-05-28 | 2010-05-28 | 磁気シールド体、及び磁気シールド体の比透磁率調整方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5558923B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014061082A1 (ja) * | 2012-10-15 | 2014-04-24 | 富士通株式会社 | 受電装置、送電装置及び送受電システム |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5425157A (en) * | 1977-07-27 | 1979-02-24 | Matsushita Electronics Corp | Color picture tube |
JPH0399487U (ja) * | 1990-01-30 | 1991-10-17 | ||
JPH0613781A (ja) * | 1992-06-25 | 1994-01-21 | Toshiba Corp | 磁気シールドルーム |
JPH10208654A (ja) * | 1997-01-23 | 1998-08-07 | Mitsubishi Electric Corp | カラー陰極線管 |
JP2000077890A (ja) * | 1998-08-27 | 2000-03-14 | Hitachi Ltd | 磁気シールドルーム |
JP2006135116A (ja) * | 2004-11-08 | 2006-05-25 | Nippon Steel Corp | 交流電力単線ケーブル用磁気シールド構造 |
JP2008160027A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | Takenaka Komuten Co Ltd | 磁気シールド体及び磁気シールドルーム |
JP2009129915A (ja) * | 2007-11-19 | 2009-06-11 | Takenaka Komuten Co Ltd | 磁気シールド体及び磁気シールドルーム |
-
2010
- 2010-05-28 JP JP2010123580A patent/JP5558923B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5425157A (en) * | 1977-07-27 | 1979-02-24 | Matsushita Electronics Corp | Color picture tube |
JPH0399487U (ja) * | 1990-01-30 | 1991-10-17 | ||
JPH0613781A (ja) * | 1992-06-25 | 1994-01-21 | Toshiba Corp | 磁気シールドルーム |
JPH10208654A (ja) * | 1997-01-23 | 1998-08-07 | Mitsubishi Electric Corp | カラー陰極線管 |
JP2000077890A (ja) * | 1998-08-27 | 2000-03-14 | Hitachi Ltd | 磁気シールドルーム |
JP2006135116A (ja) * | 2004-11-08 | 2006-05-25 | Nippon Steel Corp | 交流電力単線ケーブル用磁気シールド構造 |
JP2008160027A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | Takenaka Komuten Co Ltd | 磁気シールド体及び磁気シールドルーム |
JP2009129915A (ja) * | 2007-11-19 | 2009-06-11 | Takenaka Komuten Co Ltd | 磁気シールド体及び磁気シールドルーム |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014061082A1 (ja) * | 2012-10-15 | 2014-04-24 | 富士通株式会社 | 受電装置、送電装置及び送受電システム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5558923B2 (ja) | 2014-07-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2020127750A (ja) | 磁気共鳴映像法のための強磁性増強 | |
JP2017527425A5 (ja) | ||
JP2022126838A (ja) | 磁気粒子イメージング | |
EP0998876B1 (en) | Magnetic field generating device for mri | |
JP5160865B2 (ja) | 磁気シールド体及び磁気シールドルーム | |
CA2863080A1 (en) | Pole piece | |
WO2022024610A1 (ja) | 電流センサ | |
JP5328599B2 (ja) | 複合型磁気シールド構造及びシステム | |
JP2022095630A (ja) | 永久磁石を用いて磁気測定結果を得るためのデバイス、システムおよび方法 | |
JP5558923B2 (ja) | 磁気シールド体、及び磁気シールド体の比透磁率調整方法 | |
DE69736465T2 (de) | Verschnurte magnetstruktur | |
WO2022120502A1 (en) | Pole piece | |
JP5756553B2 (ja) | 磁気シールド体 | |
JP5626769B2 (ja) | 磁気シールド体 | |
Odawara et al. | Magnetic field analyses of architectural components using homogenization technique | |
JP4771851B2 (ja) | 磁気シールド装置 | |
JP6015518B2 (ja) | 磁気特性測定方法及び装置 | |
Hirosato et al. | Design method for realization of open-type magnetically shielded room composed of magnetic square cylinders for MRI | |
JP6718192B2 (ja) | 磁気シールド構造 | |
Wanjiku et al. | Investigating the sources of non-uniformity in 2-D core loss measurement setups | |
US7394255B2 (en) | Single-sided magnetic resonance magnet assembly | |
JP7079481B2 (ja) | 磁気シールドルーム | |
Gröne et al. | Design of an electromagnetic system to avoid horizontal ram displacement | |
JP2014135428A (ja) | 扉付き開放型磁気シールド構造 | |
JP3217466U (ja) | 磁気シールドルーム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130326 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140108 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140128 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140319 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140603 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140605 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5558923 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |