JP2011247786A - タイヤホイールアッセンブリの高速ユニフォミティ調整システム、高速ユニフォミティ調整方法、及び高速ユニフォミティ調整を施したタイヤホイールアッセンブリ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、タイヤホイールアッセンブリの高速ユニフォミティを低減できる高速ユニフォミティ調整システムを提供することにある。
【解決手段】本発明の高速ユニフォミティ調整システム11は、推定した高速ユニフォミティのベクトルと、バランスウエイトの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルの大きさが、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減するようにバランスウエイトの質量m及び取付け位相θを演算する工程を実行する演算装置21を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の高速ユニフォミティ調整システム11は、推定した高速ユニフォミティのベクトルと、バランスウエイトの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルの大きさが、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減するようにバランスウエイトの質量m及び取付け位相θを演算する工程を実行する演算装置21を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、空気入りタイヤをリム組みしたタイヤホイールアッセンブリにおける高速ユニフォミティ調整システム、高速ユニフォミティ調整方法、及び高速ユニフォミティ調整を施したタイヤホイールアッセンブリに関する。
空気入りタイヤは、その製造時における型へのゴムの流れや、ベルト、ビード、ライナ、トレッド、カーカス等の寸法の軽微な違いによって、ときおり不均一を生じさせる。例えば、質量的に不均一なタイヤがリム組みされてマスアンバランスを生じているタイヤホイールアッセンブリは、マスアンバランスを生じていないものよりも回転時に発生する振動及び騒音が大きい。
従来、マスアンバランスを低減するようにタイヤホイールアッセンブリに対してバランスウエイトを取り付ける技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。マスアンバランスが低減されたタイヤホイールアッセンブリを装着した車両は、発生する振動等が低減されて乗り心地が良好となる。ちなみに、図1(b)は、タイヤホイールアッセンブリに対してマスアンバランスを低減するようにバランスウエイトを取り付ける従来技術の構成説明図である。
図1(b)に示すように、例えば、静的アンバランスを低減する場合には、静的アンバランスのベクトルUBに対して逆ベクトルを形成するように、バランスウエイトWがタイヤホイールアッセンブリ51のホイール52に取り付けられる。
また、振動等の、より小さいタイヤを得る技術として、ユニフォミティの小さいタイヤを選別する方法が知られている。
ちなみに、ユニフォミティとは、タイヤを1回転させたときにタイヤに発生する力の偏差(力の変動)であって、ユニフォミティマシンで測定される。
ちなみに、ユニフォミティとは、タイヤを1回転させたときにタイヤに発生する力の偏差(力の変動)であって、ユニフォミティマシンで測定される。
このユニフォミティには、タイヤの半径方向に発生する力の偏差(RFV、Radial Force Variation)と、接線方向に発生する力の偏差(TFV、Tangential Force Variation)と、横方向(回転軸方向)に発生する力の偏差(LFV、Lateral Force Variation)とがある。
ユニフォミティは、タイヤの回転速度が60rpm程度の低速で回転する条件で測定される、いわゆる低速ユニフォミティと、タイヤがハイウェイスピードに相当する速度で回転する際の高速ユニフォミティとが知られている。ちなみに、高速ユニフォミティを測定するためには、特別の規模の(一般的でない)ユニフォミティマシンを使用しなければならない。また、この高速ユニフォミティの測定には長時間を要する。そのため、製造したタイヤの全数を検査する必要のある、例えば前記したタイヤの選別には、低速ユニフォミティを代用する場合がある。
しかしながら、大きい振動等を発生したタイヤを調査すると、現実には低速ユニフォミティが小さくても高速ユニフォミティが大きくなっている場合も多い。つまり、低速ユニフォミティの代用によるタイヤの選別は、必ずしも振動等の小さいタイヤの提供に繋がらない。
そこで、低速ユニフォミティに基づいて、高速ユニフォミティを推定する技術が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
この技術によれば、個々の全てのタイヤについて高速ユニフォミティを現実に測定しなくても、より確実に振動等の小さいタイヤを選別することができる。
そこで、低速ユニフォミティに基づいて、高速ユニフォミティを推定する技術が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
この技術によれば、個々の全てのタイヤについて高速ユニフォミティを現実に測定しなくても、より確実に振動等の小さいタイヤを選別することができる。
ところで、振動等の小さいタイヤホイールアッセンブリを得る技術のうち、バランスウエイトをタイヤホイールアッセンブリに取り付ける技術(例えば、特許文献1、特許文献2参照)によれば、低速でタイヤホイールアッセンブリが回転する場合には、ある程度の振動等を低減することはできる。このことは、低速回転時のタイヤホイールアッセンブリでは、ユニフォミティのうちTFVやLFVに比べてRFVが支配的になると共に、このRFVにはマスアンバランスやRRO(Radial Run−Out)が大きく関与するためと考えられる。
しかしながら、高速でタイヤホイールアッセンブリが回転する場合には、RFVに加えてTFV等の力の偏差も考慮しなければ、確実にタイヤホイールアッセンブリの振動等を低減することができない。つまり、バランスウエイトでマスアンバランスを打ち消す技術(例えば、特許文献1、特許文献2参照)では、高速回転するタイヤホイールアッセンブリの振動等を確実に低減することができない。
しかしながら、高速でタイヤホイールアッセンブリが回転する場合には、RFVに加えてTFV等の力の偏差も考慮しなければ、確実にタイヤホイールアッセンブリの振動等を低減することができない。つまり、バランスウエイトでマスアンバランスを打ち消す技術(例えば、特許文献1、特許文献2参照)では、高速回転するタイヤホイールアッセンブリの振動等を確実に低減することができない。
また、振動等の小さいタイヤを、推定した高速ユニフォミティに基づいて選別する技術(例えば、特許文献3参照)においては、タイヤの歩留まりを向上させたい要望がある。
つまり、高速ユニフォミティが低減するようにタイヤホイールアッセンブリを調整することができれば、高速回転するタイヤホイールアッセンブリの振動等を確実に低減することができる。また、前記したタイヤを選別する技術においては、タイヤの選別の許容幅が広がってタイヤの歩留まりを向上させることができる。
そこで、本発明の課題は、タイヤホイールアッセンブリの高速ユニフォミティを低減できる高速ユニフォミティ調整システム、高速ユニフォミティ調整方法、及び高速ユニフォミティ調整を施したタイヤホイールアッセンブリを提供することにある。
本発明者らは、タイヤホイールアッセンブリに対するバランスウエイトの質量及び取付け位相を調節することによって、高速ユニフォミティを低減できることを見出して本発明に到達した。
すなわち、前記課題を解決した本発明のタイヤホイールアッセンブリの高速ユニフォミティ調整システムは、高速ユニフォミティが未知のタイヤホイールアッセンブリについて低速ユニフォミティを測定し、少なくともこの低速ユニフォミティに基づいて高速ユニフォミティを推定する工程と、高速ユニフォミティが未知の前記タイヤホイールアッセンブリに対して取り付けられるバランスウエイトの質量mを第1変数に設定すると共に、前記バランスウエイトの取付け位相θを第2変数に設定する工程と、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルと、前記バランスウエイトの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルの大きさが、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減するように前記第1変数m及び前記第2変数θを演算する工程と、を実行する演算装置を備えることを特徴とする。
すなわち、前記課題を解決した本発明のタイヤホイールアッセンブリの高速ユニフォミティ調整システムは、高速ユニフォミティが未知のタイヤホイールアッセンブリについて低速ユニフォミティを測定し、少なくともこの低速ユニフォミティに基づいて高速ユニフォミティを推定する工程と、高速ユニフォミティが未知の前記タイヤホイールアッセンブリに対して取り付けられるバランスウエイトの質量mを第1変数に設定すると共に、前記バランスウエイトの取付け位相θを第2変数に設定する工程と、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルと、前記バランスウエイトの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルの大きさが、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減するように前記第1変数m及び前記第2変数θを演算する工程と、を実行する演算装置を備えることを特徴とする。
この高速ユニフォミティ調整システムは、推定した高速ユニフォミティのベクトルと、バランスウエイトの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルの大きさが、推定した高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減するように、バランスウエイトの質量m及び取付け位相θを決定する。
したがって、この質量mのバランスウエイトを、取付け位相θとなるように取り付けられたタイヤホイールアッセンブリの高速ユニフォミティは、このバランスウエイトによって低減される。
また、この高速ユニフォミティ調整システムは、低速ユニフォミティに基づいて高速ユニフォミティを推定するので、複数のタイヤホイールアッセンブリに対してバランスウエイトを取り付ける場合に、個々のタイヤホイールアッセンブリについて高速ユニフォミティを現実に測定しなくてもよい。
したがって、この質量mのバランスウエイトを、取付け位相θとなるように取り付けられたタイヤホイールアッセンブリの高速ユニフォミティは、このバランスウエイトによって低減される。
また、この高速ユニフォミティ調整システムは、低速ユニフォミティに基づいて高速ユニフォミティを推定するので、複数のタイヤホイールアッセンブリに対してバランスウエイトを取り付ける場合に、個々のタイヤホイールアッセンブリについて高速ユニフォミティを現実に測定しなくてもよい。
また、この高速ユニフォミティ調整システムにおいては、推定した前記高速ユニフォミティは、推定した高速RFVの1次成分(RH1)及び推定した高速TFVの1次成分(TH1)であり、前記第1変数m及び前記第2変数θを演算する工程では、下記式(1)で示される評価関数Jのm及びθを求める構成とするのがよい。
また、この高速ユニフォミティ調整システムにおいては、前記高速ユニフォミティを推定する工程は、タイヤホイールアッセンブリのサンプルに対する低速ユニフォミティ及びアンバランスと、タイヤホイールアッセンブリのサンプルに対する高速ユニフォミティとを関係付ける伝達関数を予め求めておき、高速ユニフォミティが未知の前記タイヤホイールアッセンブリについて測定した低速ユニフォミティ及びアンバランスと、前記伝達関数とに基づいて、高速ユニフォミティが未知の前記タイヤホイールアッセンブリの高速ユニフォミティを推定する構成としてもよい。
また、以上のような高速ユニフォミティ調整システムによれば、高速ユニフォミティが未知のタイヤホイールアッセンブリについて低速ユニフォミティを測定し、少なくともこの低速ユニフォミティに基づいて高速ユニフォミティを推定する工程と、高速ユニフォミティが未知の前記タイヤホイールアッセンブリに対して取り付けられるバランスウエイトの質量mを第1変数に設定すると共に、前記バランスウエイトの取付け位相θを第2変数に設定する工程と、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルと、前記バランスウエイトの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルの大きさが、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減するように前記第1変数m及び前記第2変数θを演算する工程と、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減するように演算した質量mのバランスウエイトを、取付け位相θとなるようにタイヤホイールアッセンブリに対して取り付ける工程と、を有することを特徴とする高速ユニフォミティ調整方法を提供することができる。
また、この高速ユニフォミティ調整方法によれば、バランスウエイトを取り付けたタイヤホイールアッセンブリであって、少なくとも、測定した低速ユニフォミティに基づいて推定した高速ユニフォミティのベクトルと、バランスウエイトの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルの大きさが、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減する質量のバランスウエイトを選択し、このバランスウエイトを、前記和で示されるベクトルの大きさが、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減する位相となる位置に取り付けたことを特徴とするタイヤホイールアッセンブリを提供することができる。
また、この高速ユニフォミティ調整方法によれば、バランスウエイトを取り付けたタイヤホイールアッセンブリであって、少なくとも、測定した低速ユニフォミティに基づいて推定した高速ユニフォミティのベクトルと、バランスウエイトの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルの大きさが、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減する質量のバランスウエイトを選択し、このバランスウエイトを、前記和で示されるベクトルの大きさが、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減する位相となる位置に取り付けたことを特徴とするタイヤホイールアッセンブリを提供することができる。
本発明によれば、タイヤホイールアッセンブリの高速ユニフォミティを低減できる高速ユニフォミティ調整システム、高速ユニフォミティ調整方法、及び高速ユニフォミティ調整を施したタイヤホイールアッセンブリを提供することができる。
以下に、本発明の実施形態に係るタイヤホイールアッセンブリの高速ユニフォミティ調整システム、高速ユニフォミティ調整方法、及び高速ユニフォミティ調整を施したタイヤホイールアッセンブリについて適宜図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、タイヤホイールアッセンブリ、高速ユニフォミティ調整システム、及び高速ユニフォミティ調整方法の順番で説明する。
(タイヤホイールアッセンブリ)
図1(a)に示すように、本実施形態に係るタイヤホイールアッセンブリ1は、ホイール2と、このホイール2のリムに組み付けられたタイヤ3とを備えて構成されている。そして、ホイール2のリムフランジの外周縁には、バランスウエイトWが取り付けられている。
図1(a)に示すように、本実施形態に係るタイヤホイールアッセンブリ1は、ホイール2と、このホイール2のリムに組み付けられたタイヤ3とを備えて構成されている。そして、ホイール2のリムフランジの外周縁には、バランスウエイトWが取り付けられている。
このタイヤホイールアッセンブリ1は、次に説明する高速ユニフォミティ調整システム11(図2参照)を使用して推定した高速ユニフォミティのベクトルと、バランスウエイトWの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルの大きさ(ベクトルの絶対値)が低減し、望ましくは最小になる質量m[g]のバランスウエイトWを選択し、このバランスウエイトWを、前記和で示されるベクトルの大きさ(ベクトルの絶対値)が低減し、望ましくは最小になる位相[θ]となる位置に取り付けたものである。
更に詳しく説明すると、高速ユニフォミティとしての半径方向に発生する力の偏差(RFV、Radial Force Variation)における一次成分の推定値と、接線方向に発生する力の偏差(TFV、Tangential Force Variation)における一次成分の推定値との評価関数(後記する式(1)参照)における「J」が最小となるように、質量m[g]のバランスウエイトWを、位相θの位置に取り付けたものである。
ちなみに、図1(a)中、高速RFVの一次成分の推定値は、Radial Harmonic 1stの意味で、単に「RH1」と略記したベクトルで示し、高速TFVの一次成分の推定値は、Tangential Harmonic 1stの意味で、単に「TH1」と略記したベクトルで示している。
また、前記した「一次成分」は、タイヤホイールアッセンブリ1の1回転当り1サイクルの周波数を有するフーリエ方程式の第1調波成分と同義である(以下に同じ)。
ちなみに、図1(a)中、高速RFVの一次成分の推定値は、Radial Harmonic 1stの意味で、単に「RH1」と略記したベクトルで示し、高速TFVの一次成分の推定値は、Tangential Harmonic 1stの意味で、単に「TH1」と略記したベクトルで示している。
また、前記した「一次成分」は、タイヤホイールアッセンブリ1の1回転当り1サイクルの周波数を有するフーリエ方程式の第1調波成分と同義である(以下に同じ)。
以上のように、本実施形態に係るタイヤホイールアッセンブリ1は、図1(b)に示すマスアンバランス(ベクトルUB)を低減するようにバランスウエイトWを取り付けたタイヤホイールアッセンブリ51と異なって、高速ユニフォミティ(高速RH1及び高速TH1)を低減するようにバランスウエイトWを取り付けた構成となっている。
なお、図1(a)中、バランスウエイトWを取り付けた位相θの大きさ、ベクトルRH1の方向及び大きさ、並びにベクトルTH1の方向及び大きさは、現実のものを図示したものではなく、これらは、次に説明する高速ユニフォミティ調整システム11によって推定されて決定される。
なお、図1(a)中、バランスウエイトWを取り付けた位相θの大きさ、ベクトルRH1の方向及び大きさ、並びにベクトルTH1の方向及び大きさは、現実のものを図示したものではなく、これらは、次に説明する高速ユニフォミティ調整システム11によって推定されて決定される。
(高速ユニフォミティ調整システム)
図2に示すように、本実施形態に係る高速ユニフォミティ調整システム11は、タイヤホイールアッセンブリ1に取り付けられるバランスウエイトWの質量m及び位相θ(図1(a)参照)を演算する調整システム本体11aに加えて、高速ユニフォミティを推定するための伝達関数を取得する伝達関数取得システム11bを更に備えて構成されている。ここでは、伝達関数取得システム11bについて説明した後に、調整システム本体11aについて説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る高速ユニフォミティ調整システム11は、タイヤホイールアッセンブリ1に取り付けられるバランスウエイトWの質量m及び位相θ(図1(a)参照)を演算する調整システム本体11aに加えて、高速ユニフォミティを推定するための伝達関数を取得する伝達関数取得システム11bを更に備えて構成されている。ここでは、伝達関数取得システム11bについて説明した後に、調整システム本体11aについて説明する。
伝達関数取得システム11bは、次に説明する調整システム本体11aを構成する低速ユニフォミティマシン13、バランサ20、及び演算装置21に加えて、更に高速ユニフォミティマシン12を備えて構成されている。
本実施形態での高速ユニフォミティマシン12は、伝達関数を取得する際にのみ使用され、言い換えれば「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」の高速ユニフォミティの測定にのみ使用される。
本実施形態での高速ユニフォミティマシン12は、伝達関数を取得する際にのみ使用され、言い換えれば「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」の高速ユニフォミティの測定にのみ使用される。
ここでの「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」とは、伝達関数を決定するためのタイヤホイールアッセンブリ1であって、本実施形態に係る高速ユニフォミティ調整システム11を使用した高速ユニフォミティの調整に供せられるものと同じ構造を有するものである。この「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」は、高速ユニフォミティの調整に供せられる複数の「タイヤホイールアッセンブリ1」の中から抽出され、「タイヤホイールアッセンブリ1」と、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」とは、同じ製造ロットに属するもの同士であることが望ましい。
この高速ユニフォミティマシン12は、背景技術の欄に記載したように、例えば、回転速度が60rpm程度の回転速度におけるユニフォミティを測定する低速ユニフォミティマシン13と異なって、ハイウェイスピードに相当する回転速度におけるユニフォミティを測定することができる。
なお、本実施形態での高速ユニフォミティマシン12における「高速」の用語は、後記する60rpm程度の回転速度のユニフォミティを測定するものよりも、高速の回転速度のユニフォミティを測定するものを意味する。更に詳しくは、前記したユニフォミティのうち、TFV(Tangential Force Variation)を無視できる程度の「低速」に対して、TFVを考慮しなければならない回転速度を意味する。
なお、本実施形態での高速ユニフォミティマシン12における「高速」の用語は、後記する60rpm程度の回転速度のユニフォミティを測定するものよりも、高速の回転速度のユニフォミティを測定するものを意味する。更に詳しくは、前記したユニフォミティのうち、TFV(Tangential Force Variation)を無視できる程度の「低速」に対して、TFVを考慮しなければならない回転速度を意味する。
この高速ユニフォミティマシン12は、タイヤに係る技術分野においては、「高速ユニフォミティマシン」の名称で周知の測定装置であり、本実施形態での高速ユニフォミティマシン12は、振動等を低減しようとするタイヤホイールアッセンブリ1の目標の回転速度帯域(望ましくは1000rpm以上)における高速ユニフォミティを測定できるものを想定している。
そして、この高速ユニフォミティマシン12は、目標の高速の回転速度で回転する「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」について、高速RH1及び高速TH1を測定して出力する。
なお、本実施形態での高速ユニフォミティマシン12としては、HSU−1064(アクロンスタンダード社製)等の上市品を使用することができる。
なお、本実施形態での高速ユニフォミティマシン12としては、HSU−1064(アクロンスタンダード社製)等の上市品を使用することができる。
低速ユニフォミティマシン13は、伝達関数取得システム11bを構成する場合、つまり高速ユニフォミティを推定するための伝達関数を求める際には、低速で回転する「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」のユニフォミティ(低速RH1)と、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」の瞬間的な半径の1次成分(低速r1)とを測定するものである。
この低速ユニフォミティマシン13は、図3に示すように、タイヤホイールアッセンブリ1を低速で回転させる駆動モータ15と、回転するタイヤホイールアッセンブリ1に接触して回転すると共に、タイヤホイールアッセンブリ1に所定の負荷を掛けるドラム(ロードホイール)14と、ドラム14に設けられて、タイヤホイールアッセンブリ1の半径方向の力を検出するセンサ16aと、ドラム14に設けられて、回転するドラム14の角速度を検出するセンサ16bと、タイヤホイールアッセンブリ1のタイヤ3のトレッド部に対向するように設けられて、回転するタイヤホイールアッセンブリ1の瞬間的な半径r1を測定するセンサ16cと、各センサ16a,16b,16cからの信号を入力してこれを信号電流(又は信号電圧)に調整して出力する電気信号調整器17a,17bと、電気信号調整器17a,17bから入力した信号電流(又は信号電圧)に基づいて、低速RH1及び低速r1を演算して出力するコンピュータ18とを備えて構成することができる。
また、この低速ユニフォミティマシン13は、図示しないが、駆動モータ15で回転するタイヤホイールアッセンブリ1の角速度を検出するセンサを更に備えている。このセンサとしては、例えば図3に示すタイヤ3に設けられたゼロ基準マーク19を光学的に読み取り可能な光学センサが望ましい。
なお、図3中、符号2は、タイヤホイールアッセンブリ1のホイールである。
なお、図3中、符号2は、タイヤホイールアッセンブリ1のホイールである。
図2に示すバランサ20は、伝達関数取得システム11bを構成する場合、つまり高速ユニフォミティを推定するための伝達関数を求める際には、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」のアンバランスUBを測定し、出力するものである。ちなみに、このアンバランスUBは、アンバランスUBの大きさ(例えば、図1(b)に示すベクトルUBの絶対値)と、方向(例えば、図1(b)に示すベクトルUBの位相θ)として出力される。
このバランサ20としては、公知のものを使用することができ、少なくとも静的アンバランスを測定することができれば使用することができるが、動的アンバランスを合わせて測定できるものをも使用することができる。
このバランサ20でアンバランスUBを測定する際のタイヤホイールアッセンブリ1の回転速度は、300rpm以上とするのが望ましく、500rpm以上とするのが更に望ましい。
このバランサ20でアンバランスUBを測定する際のタイヤホイールアッセンブリ1の回転速度は、300rpm以上とするのが望ましく、500rpm以上とするのが更に望ましい。
本実施形態でのバランサ20には、バランステスタ、アンバランステスタ、スピンバランスマシン、バブルバランステスタ等と称されるものも含まれる。
ここで再び図2を参照すると、伝達関数取得システム11bを構成する演算装置21は、高速ユニフォミティマシン12が出力した「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」の高速RH1及び高速TH1、低速ユニフォミティマシン13が出力した「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」の低速RH1及び低速r1、並びにバランサ20が出力した「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」のアンバランスUBに基づいて、後記する工程により伝達関数を演算するように構成されている。また、この演算装置21は、図示しない記憶手段を備えており、この記憶手段は、演算した伝達関数を格納するように構成されている。
次に、本実施形態に係る高速ユニフォミティ調整システム11の調整システム本体11aについて説明する。
調整システム本体11aを構成する低速ユニフォミティマシン13は、図1(a)のタイヤホイールアッセンブリ1において、そのバランスウエイトWが取り付けられる前のタイヤホイールアッセンブリ1(以下では、前記した「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」と区別する意味で、単に「タイヤホイールアッセンブリ1」という)の低速RH1と、「タイヤホイールアッセンブリ1」の瞬間的な半径の1次成分(低速r1)とを測定し、出力するように構成されている。
調整システム本体11aを構成する低速ユニフォミティマシン13は、図1(a)のタイヤホイールアッセンブリ1において、そのバランスウエイトWが取り付けられる前のタイヤホイールアッセンブリ1(以下では、前記した「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」と区別する意味で、単に「タイヤホイールアッセンブリ1」という)の低速RH1と、「タイヤホイールアッセンブリ1」の瞬間的な半径の1次成分(低速r1)とを測定し、出力するように構成されている。
調整システム本体11aを構成するバランサ20は、「タイヤホイールアッセンブリ1」のアンバランスUBを測定し、出力する。
調整システム本体11aを構成する演算装置21は、低速ユニフォミティマシン13が出力した「タイヤホイールアッセンブリ1」の低速RH1及び低速r1、バランサ20が出力した「タイヤホイールアッセンブリ1」のアンバランスUB、並びに前記した伝達関数に基づいて、後記する工程により「タイヤホイールアッセンブリ1」の高速ユニフォミティの推定値を演算するように構成されている。また、この演算装置21は、後記する工程により、推定した高速ユニフォミティを低減するバランスウエイトWの質量m、及びバランスウエイトWの取付け位相θを演算し、出力するように構成されている。
(高速ユニフォミティ調整方法)
次に、本実施形態に係る高速ユニフォミティ調整システム11の動作について、主に演算装置21が実行する工程に基づいて具体的に説明しながら、本実施形態に係る高速ユニフォミティ調整方法について詳細に説明する。図4は、高速ユニフォミティ調整システムの演算装置が実行する工程を示すフローチャートである。
次に、本実施形態に係る高速ユニフォミティ調整システム11の動作について、主に演算装置21が実行する工程に基づいて具体的に説明しながら、本実施形態に係る高速ユニフォミティ調整方法について詳細に説明する。図4は、高速ユニフォミティ調整システムの演算装置が実行する工程を示すフローチャートである。
図4に示すように、高速ユニフォミティ調整システム11を使用した高速ユニフォミティ調整方法においては、低速ユニフォミティと高速ユニフォミティとを関係付ける伝達関数が求められる(ステップS101)。
更に詳しく説明すると、図2に示す高速ユニフォミティ調整システム11においては、高速ユニフォミティマシン12によって「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」の前記した高速TH1が測定され、低速ユニフォミティマシン13によって「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」の前記した低速RH1及び低速r1が測定され、バランサ20によって「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」の前記したアンバランスUBが測定される。
そして、高速ユニフォミティ調整システム11においては、演算装置21によって、伝達関数Hを含む次式(2)が導かれる。
Fx high=Hxz・Fz low+Hxr・r1+Hxb・UB・・・・・式(2)
但し、前記式(2)中、Fx highは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」について測定した高速TH1であり、Fz lowは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」について測定し低速RH1であり、r1及びUBは、前記と同義であり、Hxzは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」についての高速TH1と低速RH1との間の伝達関数であり、Hxrは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」についての高速TH1とr1との間の伝達関数であり、Hxbは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」についての高速TH1とアンバランスUBとの間の伝達関数である。
但し、前記式(2)中、Fx highは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」について測定した高速TH1であり、Fz lowは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」について測定し低速RH1であり、r1及びUBは、前記と同義であり、Hxzは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」についての高速TH1と低速RH1との間の伝達関数であり、Hxrは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」についての高速TH1とr1との間の伝達関数であり、Hxbは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」についての高速TH1とアンバランスUBとの間の伝達関数である。
ちなみに、伝達関数Hの計算方法としては、公知の計算例(例えば、特許文献3参照)を使用することができる。その一例を示すと、例えば、M個の「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」について測定を行って、Fx、Fz、r1及びUBを求めた場合に、それらの複素共役を乗じた、次式(3)、次式(4)及び次式(5)を求める。
Fxm・F* zm=Hxz・Fzm・F* zm+Hxr・r1m・F* zm+Hxb・UB・F* zm
・・・・・式(3)
・・・・・式(3)
Fxm・r1* m=Hxz・Fzm・r1* m+Hxr・r1m・r1* m+Hxb・UB・r1* m
・・・・・式(4)
・・・・・式(4)
Fxm・UB* m=Hxz・Fzm・UB* m+Hxr・r1m・UB* m+Hxb・UB・UB* m
・・・・・式(5)
但し、式(3)から式(5)における添付文字mは、M個の「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」のうち、m番目の「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」に対応するものを意味する。
・・・・・式(5)
但し、式(3)から式(5)における添付文字mは、M個の「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」のうち、m番目の「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」に対応するものを意味する。
次いで、測定された全ての「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」m個についてFx、Fz、r1及びUBを合計し、そして測定した全ての「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」にまたがる平均化を行うことで、次式(6)、次式(7)及び次式(8)を求める。
Cxz=Hxz・Czz+Hxr・Crz+Hxb・Cbz・・・・・式(6)
Cxr=Hxz・Czr+Hxr・Crr+Hxb・Cbr・・・・・式(7)
Cxb=Hxz・Czb+Hxr・Crb+Hxb・Cbb・・・・・式(8)
そして、これらの式(6)、式(7)及び式(8)において、Cijに対する相互スペクトル関数を次式(9)で算出する。
但し、式(9)中、Fi及びFjは、測定されたTH1及びRH1であり、F*は複素共役を示し、M及びmは、前記と同義である。
その結果、前記式(6)、前記式(7)及び前記式(8)の伝達関数Hに関する解として、次式(10)で示される行列式を得ることができる。
その結果、前記式(6)、前記式(7)及び前記式(8)の伝達関数Hに関する解として、次式(10)で示される行列式を得ることができる。
また、高速ユニフォミティ調整システム11においては、演算装置21によって、伝達関数Hを含む次式(11)が導かれる。
Fz high=Hzz・Fz low+HZb・UB・・・・・式(11)
但し、前記式(11)中、Fz highは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」について測定した高速RH1であり、Hzzは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」についての高速RH1と低速RH1との間の伝達関数であり、HZbは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」についての高速RH1とUBとの伝達関数であり、Fz low及びUBは、前記と同義である。
但し、前記式(11)中、Fz highは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」について測定した高速RH1であり、Hzzは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」についての高速RH1と低速RH1との間の伝達関数であり、HZbは、「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」についての高速RH1とUBとの伝達関数であり、Fz low及びUBは、前記と同義である。
ちなみに、式(11)中の伝達関数Hは、前記式(2)から次式(10)で示される行列式を求めたのと同様の手法で求めることができる。
そして、前記式(2)及び前記式(11)の伝達関数Hは、前記したように、演算装置21の図示しない記憶手段に格納される。
そして、前記式(2)及び前記式(11)の伝達関数Hは、前記したように、演算装置21の図示しない記憶手段に格納される。
次に、この高速ユニフォミティ調整システム11を使用した高速ユニフォミティ調整方法においては、調整対象のタイヤホイールアセンブリ1について、前記した低速ユニフォミティ等が測定される(ステップS102)。
具体的には、前記したように、図3に示す低速ユニフォミティマシン13が「タイヤホイールアッセンブリ1」の低速RH1と、「タイヤホイールアッセンブリ1」の瞬間的な半径の1次成分(低速r1)とを測定して出力する。また、図2に示すバランサ20は、「タイヤホイールアッセンブリ1」のアンバランスUBを測定して出力する。
具体的には、前記したように、図3に示す低速ユニフォミティマシン13が「タイヤホイールアッセンブリ1」の低速RH1と、「タイヤホイールアッセンブリ1」の瞬間的な半径の1次成分(低速r1)とを測定して出力する。また、図2に示すバランサ20は、「タイヤホイールアッセンブリ1」のアンバランスUBを測定して出力する。
次に、この高速ユニフォミティ調整システム11を使用した高速ユニフォミティ調整方法においては、測定した低速ユニフォミティ等と、前記した伝達関数とに基づいて、調整対象である「タイヤホイールアッセンブリ1」の高速ユニフォミティを推定する(ステップ103)。
具体的には、図2に示す演算装置21は、測定した低速RH1、低速r1及びアンバランスUB、並びに図示しない記憶手段に格納した伝達関数に基づいて、調整対象である「タイヤホイールアッセンブリ1」の高速RH1及び高速TH1を推定する。
ちなみに、演算装置21は、前記式(2)のFx highを演算することで高速RH1を推定し、前記式(11)のFz highを演算することで高速TH1を推定する。
具体的には、図2に示す演算装置21は、測定した低速RH1、低速r1及びアンバランスUB、並びに図示しない記憶手段に格納した伝達関数に基づいて、調整対象である「タイヤホイールアッセンブリ1」の高速RH1及び高速TH1を推定する。
ちなみに、演算装置21は、前記式(2)のFx highを演算することで高速RH1を推定し、前記式(11)のFz highを演算することで高速TH1を推定する。
次に、この高速ユニフォミティ調整システム11を使用した高速ユニフォミティ調整方法においては、推定した高速ユニフォミティ(高速RH1及び高速TH1)のベクトルと、バランスウエイトWの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルの大きさが低減する第1変数としてのバランスウエイトWの質量m、及び第2変数としてのバランスウエイトWの取付け位相θを演算し、出力する(ステップS104)。
具体的には、演算装置21は、式(1)で示される評価関数Jのm及びθを演算する。
具体的には、演算装置21は、式(1)で示される評価関数Jのm及びθを演算する。
なお、式(1)中の角速度ωは、高速ユニフォミティマシン12(図2参照)で高速ユニフォミティを測定した際の「タイヤホイールアッセンブリ1のサンプル」の角速度に等しい。通常、式(1)中の角速度ωは、前記した振動等を低減しようとするタイヤホイールアッセンブリ1の目標の回転速度帯域内で適宜に設定される。
また、式(1)中のAは、本実施形態に係るタイヤホイールアッセンブリ1を装着する車両の特性(高速RH1及び高速TH1を起因とした車体振動特性)に応じて設定され、推定した高速RH1と、推定した高速TH1との間でユニフォミティを低減する比率を調節するためのパラメータである。
次に、式(1)で示される評価関数と、推定した高速ユニフォミティ(高速RH1及び高速TH1)との関係について説明する。
次に参照する図5(a)は、推定した高速RH1のベクトルと、バランスウエイトWの遠心力のベクトルとの合成図、図5(b)は、推定した高速TH1のベクトルと、バランスウエイトWの遠心力のベクトルとの合成図である。
次に参照する図5(a)は、推定した高速RH1のベクトルと、バランスウエイトWの遠心力のベクトルとの合成図、図5(b)は、推定した高速TH1のベクトルと、バランスウエイトWの遠心力のベクトルとの合成図である。
質量mのバランスウエイトW(図1(a)参照)を、取付け位相θで取り付けたタイヤホイールアッセンブリ1が、角速度ωで回転すると、図5(a)及び(b)に示すように、バランスウエイトWの遠心力は、大きさがmrω2、位相θのベクトルで表すことができる。なお、rは、タイヤホイールアッセンブリ1の回転中心からバランスウエイトWまでの距離である。
そして、角速度ωで回転するタイヤホイールアッセンブリ1の推定した高速RH1は、図5(a)に示すように、大きさRH1、位相α(一定値)のベクトルで表すことができる。つまり、角速度ωで回転するタイヤホイールアッセンブリ1におけるバランスウエイトW(図1(a)参照)の遠心力のベクトルと、推定した高速RH1のベクトルとの和で示されるベクトルは、ベクトルRH1´として表すことができる。また、ベクトルRH1´の成分は、次式(12)で表すことができる。
ベクトルRH1´=(RH1cosα+mrω2cosθ,RH1sinα+mrω2sinθ)
・・・・・式(12)
但し、式(12)中、RH1は、推定したRH1のベクトルの大きさであり、α、m、r、ω、及びθは前記した通りである。
・・・・・式(12)
但し、式(12)中、RH1は、推定したRH1のベクトルの大きさであり、α、m、r、ω、及びθは前記した通りである。
ちなみに、このベクトルRH1´の大きさは、式(1)中の{ }1/2で括られる2つの要素のうち、前(一番目)に位置する{ }1/2の要素で表すことができる。
その一方で、図5(b)に示すように、タイヤホイールアッセンブリ1の接線方向の力である高速TH1(図5(b)中、破線で示す)は、大きさTH1、位相β(一定値)のベクトルで表すことができる。そして、このベクトルは、タイヤホイールアッセンブリ1の中心を始点とするように変換すると、図5(b)中、実線で示すベクトルTH1のように、大きさTH1、位相(β−90°)のベクトルで表すことができる。つまり、角速度ωで回転するタイヤホイールアッセンブリ1におけるバランスウエイトWの遠心力のベクトルと、推定した高速TH1のベクトルとの和で示されるベクトルは、ベクトルTH1´として表すことができる。また、ベクトルTH1´の成分は、次式(13)で表すことができる。
ベクトルTH1´=
(TH1cos(β−90°)+mrω2cosθ,TH1sin(β−90°)+mrω2sinθ)
・・・・・式(13)
但し、式(13)中、TH1は、推定したTH1のベクトルの大きさであり、β、m、r、ω、及びθは前記した通りである。
(TH1cos(β−90°)+mrω2cosθ,TH1sin(β−90°)+mrω2sinθ)
・・・・・式(13)
但し、式(13)中、TH1は、推定したTH1のベクトルの大きさであり、β、m、r、ω、及びθは前記した通りである。
ちなみに、このベクトルTH1´の大きさは、式(1)中の{ }1/2で括られる2つの要素のうち、後(二番目)に位置する{ }1/2の要素で表すことができる。
つまり、このステップS104では、演算装置21が、いわゆるミニマックス法によって、前記式(1)で示される評価関数Jのm及びθを演算し、出力する(図2参照)。
つまり、このステップS104では、演算装置21が、いわゆるミニマックス法によって、前記式(1)で示される評価関数Jのm及びθを演算し、出力する(図2参照)。
そして、演算装置21が出力したm及びθに基づいて、図1(a)に示すように、タイヤホイールアッセンブリ1の位相θの位置に、質量mのバランスウエイトWが取り付けられることで、本実施形態に係る高速ユニフォミティ調整方法の一連の工程が終了する。
以上のような高速ユニフォミティ調整システム11、高速ユニフォミティ調整方法、及び高速ユニフォミティ調整を施したタイヤホイールアッセンブリ1によれば、バランスウエイトWを取り付けることによって、タイヤホイールアッセンブリ1の高速ユニフォミティが低減するので、高速回転するタイヤホイールアッセンブリ1の振動や騒音を確実に低減することができる。
また、本発明によれば、タイヤホイールアッセンブリ1の高速ユニフォミティが低減するので、推定した高速ユニフォミティに基づいてタイヤを選別する技術(例えば、特許文献3参照)においては、タイヤの選別の許容幅が広がってタイヤの歩留まりを向上させることができる。
また、本発明によれば、タイヤホイールアッセンブリ1の低速ユニフォミティに基づいて高速ユニフォミティを推定するので、複数のタイヤホイールアッセンブリに対してバランスウエイトWを取り付ける場合に、個々のタイヤホイールアッセンブリ1について高速ユニフォミティを現実に測定しなくてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態では、低速RH1、瞬間的はタイヤホイールアッセンブリの半径R1、アンバランスUB及び伝達関数に基づいて高速ユニフォミティを推定した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、低速RH1、RRO、及びアンバランスUBに基づいて高速ユニフォミティを推定する他の推定方法(例えば、特許文献4参照)を使用するものであってもよい。
前記実施形態では、低速RH1、瞬間的はタイヤホイールアッセンブリの半径R1、アンバランスUB及び伝達関数に基づいて高速ユニフォミティを推定した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、低速RH1、RRO、及びアンバランスUBに基づいて高速ユニフォミティを推定する他の推定方法(例えば、特許文献4参照)を使用するものであってもよい。
次に、本発明の効果を確認した実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(発明原理の確認試験)
ここでは、タイヤホイールアッセンブリに取り付けるバランスウエイトの質量、及びバランスウエイトの取付け位相を変化させることで、高速ユニフォミティが変化することを確認した。また、バランスウエイトの質量、及びバランスウエイトの取付け位相を調節することで、高速ユニフォミティを低減することができることを確認した。
(発明原理の確認試験)
ここでは、タイヤホイールアッセンブリに取り付けるバランスウエイトの質量、及びバランスウエイトの取付け位相を変化させることで、高速ユニフォミティが変化することを確認した。また、バランスウエイトの質量、及びバランスウエイトの取付け位相を調節することで、高速ユニフォミティを低減することができることを確認した。
先ず、図1(a)に示すバランスウエイトWを取り付けていないタイヤホイールアッセンブリ1の高速RH1及び高速TH1を、前記式(2)及び前記式(11)に基づいて推定した。推定した高速RH1は、178.5Nであり、推定した高速TH1は、222.0Nであった。
次に、このタイヤホイールアッセンブリ1に、図1(a)に示すバランスウエイトWを取り付けたとして、バランスウエイトWの取付け位相θを変化させた際のRH1´(図5(a)参照)の大きさ(N)及びTH1´(図5(b)参照)の大きさ(N)を演算により求めた。つまり、図5(a)及び(b)において、mを30gに設定し、rを19cmに設定し、ωを105rad/秒(6016°/秒)に設定し、θを変化させた際の、ベクトルRH1´の大きさ(図5(a)参照)、及びベクトルTH1´の大きさ(図5(b)参照)を演算により求めた。その結果を図6に示す。
なお、以下の説明においては、タイヤホイールアッセンブリの符号1及びバランスウエイトの符号Wを省略する。
なお、以下の説明においては、タイヤホイールアッセンブリの符号1及びバランスウエイトの符号Wを省略する。
図6は、推定した高速RH1のベクトルと、バランスウエイトWの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルRH1´を演算した結果、及び推定した高速TH1のベクトルと、バランスウエイトWの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルTH1´を演算した結果を示す図表である。
図6の図表は、上下3段、左右4列で構成されている。
図6の一列目は、バランスウエイト質量[g]の欄である。
図6の二列目は、バランスウエイトの取付け位相に応じて変化したベクトルRH1´の大きさ、及びベクトルTH1´の大きさを示すグラフの欄である。なお、このグラフの横軸は、バランスウエイトの取付け位相[deg]であり、縦軸は、ベクトルRH1´の大きさ(FV[N])、及びベクトルTH1´の大きさ(FV[N])である。
図6の三列目は、バランスウエイトの各取付け位相において、ベクトルRH1´の大きさと、ベクトルTH1´の大きさを比較して、その大きい方を選択したときに、その選択したベクトルが最も小さくなる値、つまり、前記式(1)で示した評価関数の「J」の値である。なお、この演算で使用した式(1)の定数Aは、「1」に設定している。この三列目の欄の名称は、単に「FV[N]」としている。
図6の四列目は、バランスウエイトの取付け位相[deg]の欄である。この四列目の欄の名称は、単に「位相[deg]」としている。
図6の図表は、上下3段、左右4列で構成されている。
図6の一列目は、バランスウエイト質量[g]の欄である。
図6の二列目は、バランスウエイトの取付け位相に応じて変化したベクトルRH1´の大きさ、及びベクトルTH1´の大きさを示すグラフの欄である。なお、このグラフの横軸は、バランスウエイトの取付け位相[deg]であり、縦軸は、ベクトルRH1´の大きさ(FV[N])、及びベクトルTH1´の大きさ(FV[N])である。
図6の三列目は、バランスウエイトの各取付け位相において、ベクトルRH1´の大きさと、ベクトルTH1´の大きさを比較して、その大きい方を選択したときに、その選択したベクトルが最も小さくなる値、つまり、前記式(1)で示した評価関数の「J」の値である。なお、この演算で使用した式(1)の定数Aは、「1」に設定している。この三列目の欄の名称は、単に「FV[N]」としている。
図6の四列目は、バランスウエイトの取付け位相[deg]の欄である。この四列目の欄の名称は、単に「位相[deg]」としている。
質量30gのバランスウエイトを取り付けたタイヤホイールアッセンブリは、図6の一段、2列目の欄のグラフに示すように、バランスウエイトの取付け位相[deg]が変化することによって、ベクトルRH1´の大きさ、及びベクトルTH1´の大きさのそれぞれは、相互に異なる極小値を有するカーブを形成している。
また、前記式(1)で示した評価関数のベクトルの変数は、RH1´とTH1´の2つであるので、評価関数の「J」の値(FV[N])は、ベクトルRH1´の大きさを示すカーブと、ベクトルTH1´の大きさを示すカーブとの交点で求められ、図6の一段、3列目の欄に示すように、ベクトルRH1´の大きさと、ベクトルTH1´の大きさは、共に同じで79.5Nとなった。ちなみに、このときのバランスウエイトの取付け位相[deg]は、133°となっていた。
次に、バランスウエイトの質量を、30gから40gに代えて、又は30gから50gに代えると共に、バランスウエイトの取付け位相θに応じて変化するベクトルRH1´の大きさ、及びベクトルTH1´の大きさを求めた。その結果を、図6の2段、2列目の欄のグラフ、及び図6の3段、2列目の欄のグラフに示す。
質量40g又は50gのバランスウエイトを取り付けたタイヤホイールアッセンブリにおいても、質量30gのバランスウエイトを取り付けたものと同様に、バランスウエイトの取付け位相[deg]が変化することによって、ベクトルRH1´の大きさ、及びベクトルTH1´の大きさのそれぞれは、相互に異なる極小値を有するカーブを形成していた。
そして、前記式(1)で示した評価関数の「J」の値(FV[N])は、図6の二段、3列目の欄、及び三段、3列目の欄に示すように、60.7N、及び82.8Nとなっていた。また、このときのバランスウエイトの取付け位相[deg]は、図6の二段、4列目の欄、及び三段、4列目の欄に示すように、141°及び145°となっていた。
以上の演算結果が示すように、タイヤホイールアッセンブリに取り付けるバランスウエイトの質量、及びバランスウエイトの取付け位相θを変化させることで、高速ユニフォミティ(ベクトルRH1´、及びベクトルTH1´)が変化することが確認された。
また、この演算結果では、質量が30g、40g、及び50gの3種のバランスウエイトを使用し、取付け位相がそれぞれ133°、141°、及び145°となるように各バランスウエイトをタイヤホイールアッセンブリに取り付けたいずれの場合においても、高速ユニフォミティ(図5(a)及び(b)に示すベクトルRH1´の大きさ、及びベクトルTH1´の大きさ)がバランスウエイトを取り付ける前に比べて低減されることが確認された。
なお、図6に示す例においては、中段のバランスウエイトの質量が40gであって、取付け位相が141deg(°)のときに、評価関数の「J」の値(FV[N])が最も小さくなっている。
なお、図6に示す例においては、中段のバランスウエイトの質量が40gであって、取付け位相が141deg(°)のときに、評価関数の「J」の値(FV[N])が最も小さくなっている。
(実施例1)
実施例1では、サイズP225/55R17のタイヤをホイールに組み付けて、30組のタイヤホイールアッセンブリを用意した。
これらのタイヤホイールアッセンブリについて、前記式(2)及び前記式(11)に基づいて高速RH1及び高速TH1を推定し、この推定したRH1及びTH1をパラメータとした前記式(1)の評価関数の「J」の値に基づいて、バランスウエイトの質量m及び取付け位相θを決定した。そして、この質量mのバランスウエイトを、取付け位相θでタイヤホイールアッセンブリに取り付けた。なお、各タイヤホイールアッセンブリについての前記式(1)中の「A」は、主にRH1が低減され、TH1についてはバランスウエイトの取付け前後で略同じになるように、1.0以下となる範囲でその値を調節した。
実施例1では、サイズP225/55R17のタイヤをホイールに組み付けて、30組のタイヤホイールアッセンブリを用意した。
これらのタイヤホイールアッセンブリについて、前記式(2)及び前記式(11)に基づいて高速RH1及び高速TH1を推定し、この推定したRH1及びTH1をパラメータとした前記式(1)の評価関数の「J」の値に基づいて、バランスウエイトの質量m及び取付け位相θを決定した。そして、この質量mのバランスウエイトを、取付け位相θでタイヤホイールアッセンブリに取り付けた。なお、各タイヤホイールアッセンブリについての前記式(1)中の「A」は、主にRH1が低減され、TH1についてはバランスウエイトの取付け前後で略同じになるように、1.0以下となる範囲でその値を調節した。
次に、これらのタイヤホイールアッセンブリについて、高速ユニフォミティマシンを使用することによって、高速RH1及び正転時の高速TH1を実際に測定した。その結果を図7及び図8に示す。
図7の横軸は高速RH1[N]を示し、縦軸はタイヤホイールアッセンブリの個数を示している。図8の横軸は高速TH1[N]を示し、縦軸はタイヤホイールアッセンブリの個数を示している。
また、表1に、測定した高速RH1及び高速TH1の平均値、σ、平均値+3σ、及び最大値を記す。
また、表1に、測定した高速RH1及び高速TH1の平均値、σ、平均値+3σ、及び最大値を記す。
(比較例1)
比較例1では、実施例1で使用したタイヤと同じ製造ロットのタイヤを、実施例1で使用したホイールと同じ製造ロットのホイールに組み付けて、30組のタイヤホイールアッセンブリを用意した。
これらのタイヤホイールアッセンブリについて、バランサを使用してアンバランスを測定し、このアンバランスを解消するようにバランスウエイトを取り付けた。
比較例1では、実施例1で使用したタイヤと同じ製造ロットのタイヤを、実施例1で使用したホイールと同じ製造ロットのホイールに組み付けて、30組のタイヤホイールアッセンブリを用意した。
これらのタイヤホイールアッセンブリについて、バランサを使用してアンバランスを測定し、このアンバランスを解消するようにバランスウエイトを取り付けた。
次に、これらのタイヤホイールアッセンブリについて、高速ユニフォミティマシンを使用することによって、高速RH1及び正転時の高速TH1を実際に測定した。その結果を図7及び図8に示す。
また、表1に、測定した高速RH1及び高速TH1の平均値、σ、平均値+3σ、及び最大値を記す。
また、表1に、測定した高速RH1及び高速TH1の平均値、σ、平均値+3σ、及び最大値を記す。
(実施例2)
実施例2では、サイズP205/55R16のタイヤをホイールに組み付けて、30組のタイヤホイールアッセンブリを用意した。
これらのタイヤホイールアッセンブリについて、前記式(2)及び前記式(11)に基づいて高速RH1及び高速TH1を推定し、この推定したRH1及びTH1をパラメータとした前記式(1)の評価関数の「J」の値に基づいて、バランスウエイトの質量m及び取付け位相θを決定した。そして、この質量mのバランスウエイトを、取付け位相θでタイヤホイールアッセンブリに取り付けた。なお、各タイヤホイールアッセンブリについての前記式(1)中の「A」は、主にTH1が低減され、RH1についてはバランスウエイトの取付け前後で略同じになるように、1.0以上となる範囲でその値を調節した。
実施例2では、サイズP205/55R16のタイヤをホイールに組み付けて、30組のタイヤホイールアッセンブリを用意した。
これらのタイヤホイールアッセンブリについて、前記式(2)及び前記式(11)に基づいて高速RH1及び高速TH1を推定し、この推定したRH1及びTH1をパラメータとした前記式(1)の評価関数の「J」の値に基づいて、バランスウエイトの質量m及び取付け位相θを決定した。そして、この質量mのバランスウエイトを、取付け位相θでタイヤホイールアッセンブリに取り付けた。なお、各タイヤホイールアッセンブリについての前記式(1)中の「A」は、主にTH1が低減され、RH1についてはバランスウエイトの取付け前後で略同じになるように、1.0以上となる範囲でその値を調節した。
次に、これらのタイヤホイールアッセンブリについて、高速ユニフォミティマシンを使用することによって、高速RH1及び正転時の高速TH1を実際に測定した。その結果を図9及び図10に示す。
図9の横軸は高速RH1[N]を示し、縦軸はタイヤホイールアッセンブリの個数を示している。図10の横軸は高速TH1[N]を示し、縦軸はタイヤホイールアッセンブリの個数を示している。
また、表2に、測定した高速RH1及び高速TH1の平均値、σ、平均値+3σ、及び最大値を記す。
また、表2に、測定した高速RH1及び高速TH1の平均値、σ、平均値+3σ、及び最大値を記す。
(比較例2)
比較例2では、実施例2で使用したタイヤと同じ製造ロットのタイヤを、実施例2で使用したホイールと同じ製造ロットのホイールに組み付けて、30組のタイヤホイールアッセンブリを用意した。
これらのタイヤホイールアッセンブリについて、バランサを使用してアンバランスを測定し、このアンバランスを解消するようにバランスウエイトを取り付けた。
比較例2では、実施例2で使用したタイヤと同じ製造ロットのタイヤを、実施例2で使用したホイールと同じ製造ロットのホイールに組み付けて、30組のタイヤホイールアッセンブリを用意した。
これらのタイヤホイールアッセンブリについて、バランサを使用してアンバランスを測定し、このアンバランスを解消するようにバランスウエイトを取り付けた。
次に、これらのタイヤホイールアッセンブリについて、高速ユニフォミティマシンを使用することによって、高速RH1及び正転時の高速TH1を実際に測定した。その結果を図9及び図10に示す。
また、表2に、測定した高速RH1及び高速TH1の平均値、σ、平均値+3σ、及び最大値を記す。
また、表2に、測定した高速RH1及び高速TH1の平均値、σ、平均値+3σ、及び最大値を記す。
(タイヤホイールアッセンブリの評価結果)
図7に示すように、実施例1のタイヤホイールアッセンブリにおける、測定した高速RH1の分布の平均値(図7中、実線の矢印で示す)は、比較例1のタイヤホイールアッセンブリにおける、測定した高速RH1の分布の平均値(図7中、点線の矢印で示す)よりも、大きく低減されたことが確認された。
図7に示すように、実施例1のタイヤホイールアッセンブリにおける、測定した高速RH1の分布の平均値(図7中、実線の矢印で示す)は、比較例1のタイヤホイールアッセンブリにおける、測定した高速RH1の分布の平均値(図7中、点線の矢印で示す)よりも、大きく低減されたことが確認された。
また、表1に示すように、実施例1のタイヤホイールアッセンブリにおける、測定した高速RH1は、平均値、σ、平均値+3σ、及び最大値の全てにおいて比較例1よりも低減されたことが確認された。特に、平均値+3σは、143から111に低減しており、30個のタイヤホイールアッセンブリの中でも高速RH1が高めのものについて32N程度、高速RH1が低減されたことが確認された。
また、図10に示すように、実施例2のタイヤホイールアッセンブリにおける、測定した高速TH1の分布の平均値(図10中、実線の矢印で示す)は、比較例2のタイヤホイールアッセンブリにおける、測定した高速TH1の分布の平均値(図10中、点線の矢印で示す)よりも、大きく低減されたことが確認された。
また、表2に示すように、実施例2のタイヤホイールアッセンブリにおける、測定した高速TH1は、平均値、σ、平均値+3σ、及び最大値の全てにおいて低減されたことが確認された。特に、平均値+3σは、164から132に低減しており、30個のタイヤホイールアッセンブリの中でも高速TH1が高めのものについて32N程度、高速TH1が低減されたことが確認された。
また、図7及び図8、並びに図9及び図10に示すように、前記式(1)で示した評価関数の「A」の値を調節することで、高速RH1と、高速TH1との間でユニフォミティを低減する比率を調節することができることが確認された。
以上のように、本実施例に係るタイヤホイールアッセンブリは、推定した高速ユニフォミティ(高速RH1、高速TH1)が低減するようにバランスウエイトを取り付けることによって、アンバランスUBを低減するようにバランスウエイトを取り付けた比較例に係るタイヤホイールアッセンブリよりも、実際に測定した高速ユニフォミティが低減されることが確認された。
1 タイヤホイールアッセンブリ
2 ホイール
3 タイヤ
W バランスウエイト
2 ホイール
3 タイヤ
W バランスウエイト
Claims (5)
- 高速ユニフォミティが未知のタイヤホイールアッセンブリについて低速ユニフォミティを測定し、少なくともこの低速ユニフォミティに基づいて高速ユニフォミティを推定する工程と、
高速ユニフォミティが未知の前記タイヤホイールアッセンブリに対して取り付けられるバランスウエイトの質量mを第1変数に設定すると共に、前記バランスウエイトの取付け位相θを第2変数に設定する工程と、
推定した前記高速ユニフォミティのベクトルと、前記バランスウエイトの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルの大きさが、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減するように前記第1変数m及び前記第2変数θを演算する工程と、
を実行する演算装置を備えることを特徴とするタイヤホイールアッセンブリの高速ユニフォミティ調整システム。 - 請求項1又は請求項2に記載の高速ユニフォミティ調整システムにおいて、
前記高速ユニフォミティを推定する工程は、タイヤホイールアッセンブリのサンプルに対する低速ユニフォミティ及びアンバランスと、タイヤホイールアッセンブリのサンプルに対する高速ユニフォミティとを関係付ける伝達関数を予め求めておき、
高速ユニフォミティが未知の前記タイヤホイールアッセンブリについて測定した低速ユニフォミティ及びアンバランスと、前記伝達関数とに基づいて、高速ユニフォミティが未知の前記タイヤホイールアッセンブリの高速ユニフォミティを推定することを特徴とする高速ユニフォミティ調整システム。 - 高速ユニフォミティが未知のタイヤホイールアッセンブリについて低速ユニフォミティを測定し、少なくともこの低速ユニフォミティに基づいて高速ユニフォミティを推定する工程と、
高速ユニフォミティが未知の前記タイヤホイールアッセンブリに対して取り付けられるバランスウエイトの質量mを第1変数に設定すると共に、前記バランスウエイトの取付け位相θを第2変数に設定する工程と、
推定した前記高速ユニフォミティのベクトルと、前記バランスウエイトの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルの大きさが、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減するように前記第1変数m及び前記第2変数θを演算する工程と、
推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減するように演算した質量mのバランスウエイトを、取付け位相θとなるようにタイヤホイールアッセンブリに対して取り付ける工程と、
を有することを特徴とする高速ユニフォミティ調整方法。 - バランスウエイトを取り付けたタイヤホイールアッセンブリであって、
少なくとも、測定した低速ユニフォミティに基づいて推定した高速ユニフォミティのベクトルと、バランスウエイトの遠心力のベクトルとの和で示されるベクトルの大きさが、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減する質量のバランスウエイトを選択し、このバランスウエイトを、前記和で示されるベクトルの大きさが、推定した前記高速ユニフォミティのベクトルの大きさよりも低減する位相となる位置に取り付けたことを特徴とするタイヤホイールアッセンブリ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010122194A JP2011247786A (ja) | 2010-05-28 | 2010-05-28 | タイヤホイールアッセンブリの高速ユニフォミティ調整システム、高速ユニフォミティ調整方法、及び高速ユニフォミティ調整を施したタイヤホイールアッセンブリ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011247786A true JP2011247786A (ja) | 2011-12-08 |
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JP (1) | JP2011247786A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108146161A (zh) * | 2016-12-05 | 2018-06-12 | 固特异轮胎和橡胶公司 | 车轮不平衡检测系统及方法 |
-
2010
- 2010-05-28 JP JP2010122194A patent/JP2011247786A/ja active Pending
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