JP2011247660A - ベアリングの寿命モニタリング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】精度の高い通知ができる寿命モニタリング方法を提供することを目的とする。
【解決手段】回転体10の回転数及び回転体10を回転自在に支持するベアリングに作用する荷重に基づいてベアリングの定格寿命Lを算出して閾値とし、回転体10の回転時間の積算値が閾値に到達したらメンテナンス時期を表示する寿命モニタリング方法において、回転体10の回転数として、回転体10の時間的に変化する回転数の平均値である平均回転数Nmを使用し、かつ、ベアリングに作用する荷重として、ベアリングに作用する荷重の時間的な平均値である平均荷重Lmを使用して閾値を求めるので、実際の機械の運転状況に応じてベアリングの寿命を予測することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】回転体10の回転数及び回転体10を回転自在に支持するベアリングに作用する荷重に基づいてベアリングの定格寿命Lを算出して閾値とし、回転体10の回転時間の積算値が閾値に到達したらメンテナンス時期を表示する寿命モニタリング方法において、回転体10の回転数として、回転体10の時間的に変化する回転数の平均値である平均回転数Nmを使用し、かつ、ベアリングに作用する荷重として、ベアリングに作用する荷重の時間的な平均値である平均荷重Lmを使用して閾値を求めるので、実際の機械の運転状況に応じてベアリングの寿命を予測することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ベアリングの寿命モニタリング方法に関する。例えば、工作機械における主軸ベアリングの寿命を使用状況に応じて予測するものである。
転がり軸受の寿命を予測する転がり軸受の寿命予測方法としては、例えば、特許文献1に開示される方法がある。この特許文献1には、以下の記載かある。
転がり軸受の基本定格寿命L10に関してはJIS B1518:1992で規定されており、通常は次式のような計算式が用いられている。
L10=(C/P)p
転がり軸受の基本定格寿命L10に関してはJIS B1518:1992で規定されており、通常は次式のような計算式が用いられている。
L10=(C/P)p
ここで、Cは転がり軸受の基本動定格荷重、Pは軸受に作用する動等価荷重である。
また、pは荷重指数を表し、玉軸受の場合p=3、ころ軸受の場合p=10/3に設定される。
この基本定格寿命L10は、信頼度が90%で、普通使用する材料を用いて、通常の製造品質で、且つ普通の使用条件におけるものである。
また、pは荷重指数を表し、玉軸受の場合p=3、ころ軸受の場合p=10/3に設定される。
この基本定格寿命L10は、信頼度が90%で、普通使用する材料を用いて、通常の製造品質で、且つ普通の使用条件におけるものである。
主軸ベアリングの寿命モニタリング方法としては、図4に示す方法がある。この方法は、主軸回転時間を積算し、閾値に達した時間でメンテナンス時期を示すメッセージ表示を行うものである。
即ち、主軸を回転するべきとの指令があり(ステップS1)、回転数を指定する指令があると(ステップS2)、主軸回転時間を積算して1,000時間毎に1,000時間,2,000時間,…のメッセージを順次表示する(ステップS3)。
そして、主軸回転時間が積算して20,000時間となると、「主軸オーバーホール時期間近」の表示を行う(ステップS4)。
そして、主軸回転時間が積算して20,000時間となると、「主軸オーバーホール時期間近」の表示を行う(ステップS4)。
更に、主軸回転時間が積算して閾値である30,000時間となると、「主軸オーバーホール必要時期です」の表示を行う(ステップS5)。
しかしながら、上述した従来技術の主軸ベアリングの寿命モニタリング方法は、図3(a)に示す通り、ある回転状況を仮定した閾値(固定値)となっており、実機の運転状況を反映したものではなかった。
しかしながら、上述した従来技術の主軸ベアリングの寿命モニタリング方法は、図3(a)に示す通り、ある回転状況を仮定した閾値(固定値)となっており、実機の運転状況を反映したものではなかった。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、実際の機械の運転状況から閾値を都度更新し、主軸の総回転時間がこの閾値に達した場合にメンテナンス時期をメッセージ表示することにより、精度の高い通知ができるベアリングの寿命モニタリング方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の請求項1に係るベアリングの寿命モニタリング方法は、回転体の回転数及び前記回転体を回転自在に支持するベアリングに作用する荷重に基づいて前記ベアリングの定格寿命を算出して閾値とし、前記回転体の回転時間の積算値が前記閾値に到達したらメンテナンス時期を表示するベアリングの寿命モニタリング方法において、前記回転体の回転数として、前記回転体の時間的に変化する前記回転数の平均値である平均回転数を使用し、かつ、前記ベアリングに作用する荷重として、前記ベアリングに作用する荷重の時間的な平均値である平均荷重を使用して前記閾値を求めることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項2に係るベアリングの寿命モニタリング方法は、請求項1において、前記平均回転数は、前記回転体の回転数を複数の領域に分割し、各領域の回転数に対して当該領域に属する回転数で前記回転体が回転した時間を積和し、前記回転体が回転する時間の総和で除することにより求めることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項3に係るベアリングの寿命モニタリング方法は、請求項2において、前記領域は、前記回転体の回転数が高いほど細かな領域に分割することを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項4に係るベアリングの寿命モニタリング方法は、請求項1,2又は3において、前記平均荷重は、前記ベアリングに作用する荷重を複数の領域に分割し、各領域の荷重値に対して当該領域に属する荷重値が前記ベアリングに作用する時間を積和し、前記ベアリングに荷重が作用する時間の総和で除することにより求めることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項5に係るベアリングの寿命モニタリング方法は、請求項4において、前記領域は、前記ベアリングに作用する荷重が大きいほど細かな領域に分割することを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項6に係るベアリングの寿命モニタリング方法は、請求項1,2,3,4又は5において、前記回転体は、工作機械における主軸であることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項7に係るベアリングの寿命モニタリング方法は、請求項6において、前記ベアリングに作用する荷重は、前記主軸に作用する主軸ロードを換算して使用することを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項8に係るベアリングの寿命モニタリング方法は、請求項1において、前記回転体は、送り軸であることを特徴とする。
請求項1に係る発明は、回転体の時間的に変化する回転数の平均値である平均回転数及び回転体を回転自在に支持するベアリングに作用する荷重の時間的な平均値である平均荷重に基づいてベアリングの定格寿命を算出して閾値とし、回転体の回転時間の積算値が閾値に達したらメンテナンス時期を表示するので、実際の機械の運転状況から閾値を都度更新することができ、メンテナンス時期として精度の高い表示ができる。
請求項2に係る発明は、回転体の回転数を複数の領域に分割し、各領域の回転数に対して当該領域に属する回転数で回転体が回転した時間を積和し、回転体が回転する時間の総和で除することにより平均回転数を求めるので、単純に、回転体の回転数を時間積分して回転体が回転する時間の総和で除する場合に比較して、簡単に平均回転数を求めることができる。
請求項3に係る発明は、回転体の回転数が高いほど細かな領域に分割するので、寿命に対して大きな影響を与えやすい高い回転数ほど重みを付けられる。
請求項4に係る発明は、ベアリングに作用する荷重を複数の領域に分割し、各領域の荷重値に対して当該領域に属する荷重値がベアリングに作用する時間を積和し、ベアリングに荷重が作用する時間の総和で除することにより平均荷重を求めるので、単純にベアリングの荷重を時間積分してベアリングに荷重が作用する時間の総和で除する場合に比較して、簡単に平均荷重を求めることができる。
請求項5に係る発明は、ベアリングに作用する荷重が大きいほど細かな領域に分割するので、寿命に対して大きな影響を与えやすい高い荷重ほど重みを付けられる。
請求項6に係る発明は、回転体が工作機械における主軸であるので、工作機械の主軸を支持するベアリングの寿命モニタリング方法として利用できるものである。
請求項7に係る発明は、請求項6において、ベアリングに作用する荷重は、主軸に作用する主軸ロードを換算して使用するので、ベアリングに作用する荷重を検出する荷重センサが不要となる利点がある。
請求項8に係る発明は、回転体が送り軸であるので、送り軸を支持するベアリングの寿命モニタリング方法として利用できる。
以下、本発明を実施するための形態について図1及び図2を参照して説明する。
工作機械の主軸10には、工具径Dの切削工具20が取り付けられ、この切削工具20には図中に示す矢印で示す方向に切削主分力Faが作用し、その切削主分力Faに応じて、主軸10を回転自在に支持するベアリング(図示省略)に対して構造力学的に所定の荷重が作用する。
工作機械の主軸10には、工具径Dの切削工具20が取り付けられ、この切削工具20には図中に示す矢印で示す方向に切削主分力Faが作用し、その切削主分力Faに応じて、主軸10を回転自在に支持するベアリング(図示省略)に対して構造力学的に所定の荷重が作用する。
主軸10には回転数検出器30が取り付けられる一方、ベアリングには荷重センサ40が取り付けられている。回転数検出器30及び荷重センサ40は演算部50に接続され、更に、演算部50には表示部60が接続されている。
回転数検出器30は、主軸10の回転数を稼動時間と共に計測し、その値を主軸回転時間としてリアルタイムに演算部50に出力する。
回転数検出器30は、主軸10の回転数を稼動時間と共に計測し、その値を主軸回転時間としてリアルタイムに演算部50に出力する。
荷重センサ40は、ベアリングの荷重を稼動時間と共に計測し、その値をリアルタイムに演算部50に出力する。
演算部50は、回転数検出器30及び荷重センサ40からリアルタイムに取得したデータに基づいて、下記寿命計算式に従って、ベアリングの寿命である閾値を演算し、主軸10の稼動時間(主軸が回転している時間)がその閾値に到達すると表示部60に対してメンテナンス時期を表示する。
演算部50は、回転数検出器30及び荷重センサ40からリアルタイムに取得したデータに基づいて、下記寿命計算式に従って、ベアリングの寿命である閾値を演算し、主軸10の稼動時間(主軸が回転している時間)がその閾値に到達すると表示部60に対してメンテナンス時期を表示する。
<閾値の計算方法>
計算上(理想状態における)ベアリングの定格寿命を算出する寿命計算式の一例を下記[数1]に示す。この計算式により求められる寿命時間は、JIS B1518に規定され、ある一群の同じベアリングを同じ条件で運転したとき、そのうちの90%のベアリングが材料の損傷を起さずに回転できる時間となる。
ここでいう損傷とは、衝突や潤滑不良等の外的要因ではなく、正常な運転状況でベアリング内の転動体のころがり疲れ寿命への到達を示す。
計算上(理想状態における)ベアリングの定格寿命を算出する寿命計算式の一例を下記[数1]に示す。この計算式により求められる寿命時間は、JIS B1518に規定され、ある一群の同じベアリングを同じ条件で運転したとき、そのうちの90%のベアリングが材料の損傷を起さずに回転できる時間となる。
ここでいう損傷とは、衝突や潤滑不良等の外的要因ではなく、正常な運転状況でベアリング内の転動体のころがり疲れ寿命への到達を示す。
<玉軸受の定格寿命時間計算方法>
ただし、
L:定格寿命時間(h)
N:主軸回転数(min-1)
C:基本動定格荷重(N)
P:動等価荷重(N)
L:定格寿命時間(h)
N:主軸回転数(min-1)
C:基本動定格荷重(N)
P:動等価荷重(N)
ここで、C(基本動定格荷重)は、ベアリング固有の値であり、例えば、57000Nとすることができる。
そして、N(主軸回転数)をこれまでの運転状況における平均主軸回転数とし、P(動定格荷重)をこれまでの運転状況におけるベアリングに作用する平均荷重とすることで、運転状況を考慮した寿命を求めることができる。
そして、N(主軸回転数)をこれまでの運転状況における平均主軸回転数とし、P(動定格荷重)をこれまでの運転状況におけるベアリングに作用する平均荷重とすることで、運転状況を考慮した寿命を求めることができる。
平均主軸回転数は、回転数検出器30で検出された主軸回転数を時間的に平均することにより求める。例えば、主軸回転数を時間積分し、稼動時間(主軸に荷重が作用する時間)で除することにより求める。
ベアリングに作用する平均荷重は、荷重センサ40に作用する荷重を時間的に平均することにより求める。例えば、ベアリングに取り付けた荷重センサ40で求めた荷重を時間積分し、稼動時間(ベアリングに荷重が作用する時間)で除することにより求める。
更に、ベアリングに作用する平均荷重として、主軸ロード(切削主分力)の時間的な平均値から換算した値を使用することができる。
ベアリングに作用する平均荷重は、荷重センサ40に作用する荷重を時間的に平均することにより求める。例えば、ベアリングに取り付けた荷重センサ40で求めた荷重を時間積分し、稼動時間(ベアリングに荷重が作用する時間)で除することにより求める。
更に、ベアリングに作用する平均荷重として、主軸ロード(切削主分力)の時間的な平均値から換算した値を使用することができる。
上記式に基づいて、ある周期で求めたこの定格寿命時間に調整係数(安全係数)を乗算し、寿命値となる閾値とする。つまり、定格寿命時間は、一定周期で更新する。
演算部50は、別途積算した総主軸回転時間がこの寿命値に達すると、メンテナンス時期を示すメッセージを表示部60に対して表示させる。
演算部50は、別途積算した総主軸回転時間がこの寿命値に達すると、メンテナンス時期を示すメッセージを表示部60に対して表示させる。
従来では、図3(a)に示す通り、ある回転状況を仮定した閾値(固定値)となっており、実機の運転状況を反映したものではなかった。これに対し、本発明においては、図3(b)に示す通り、実際の機械の運転状況から閾値を都度更新し、総主軸回転時間がこの閾値に達した場合にメンテナンス時期をメッセージ表示することにより、精度の高い通知ができる。
尚、総主軸回転時間とは、回転数に関係なく、主軸が回転している稼動時間の積算値であるが、主軸が高速回転(例えば、12,000min-1)している時の高速主軸回転時間としても良い。そして、高速主軸回転時間がこの寿命値に達したときに、メンテナンス時期を示すメッセージを表示させても良い。
<平均主軸回転数の計算方法>
従来は、想定している回転数を入力しているが、本実施例では実機運転状況により平均主軸回転数を算出して上記寿命計算式に入力する。
平均主軸回転数は、計算の容易化するため、図5に示すように、主軸が回転する回転数を複数の領域Na,Nb,Nc…に分割し、各領域Na,Nb,Nc…の回転数に対して、当該領域Na,Nb,Nc…に属する回転数で主軸が回転した時間Tn1,Tn2,Tn3…を積和し、回転体が回転する時間の総和(Tn1+Tn2+Tn3…)で除することにより、平均回転数Nmを算出する。
従来は、想定している回転数を入力しているが、本実施例では実機運転状況により平均主軸回転数を算出して上記寿命計算式に入力する。
平均主軸回転数は、計算の容易化するため、図5に示すように、主軸が回転する回転数を複数の領域Na,Nb,Nc…に分割し、各領域Na,Nb,Nc…の回転数に対して、当該領域Na,Nb,Nc…に属する回転数で主軸が回転した時間Tn1,Tn2,Tn3…を積和し、回転体が回転する時間の総和(Tn1+Tn2+Tn3…)で除することにより、平均回転数Nmを算出する。
具体的な計算例を示す。領域Na,Nb,Nc…は高回転域ほど細かく分けることで重み付けを行う。
Na= 8,000min-1
Nb=12,000min-1
Nc=14,000min-1
Nd=15,000min-1
Nb=12,000min-1
Nc=14,000min-1
Nd=15,000min-1
Tn1=60min
Tn2=120min
Tn3=180min
Tn4=240min
Tn2=120min
Tn3=180min
Tn4=240min
Nm=(8000・60+12000・120+14000・180+15000・240)/(60+120+180+240)
=13,400min-1
=13,400min-1
<平均主軸ロードの計算方法>
従来は、想定している荷重を入力して計算するが、本実施例では、実機の主軸モータのロードと作用時間を使用して平均ロードを算出し、ベアリングに作用する荷重に換算して上記寿命計算式に入力する。
平均主軸ロードは、平均主軸回転数と同様に、図6に示すように、主軸ロード(荷重)を複数の領域La,Lb,Lc,…に分割し、各領域La,Lb,Lc,…の荷重に対し、当該領域La,Lb,Lc,…に属する荷重が主軸に作用した時間Tp1,Tp2,Tp3…を積和し、主軸に作用する時間の総和(Tp1+Tp2+Tp3…)で除することにより、平均主軸ロードLmを算出する。
従来は、想定している荷重を入力して計算するが、本実施例では、実機の主軸モータのロードと作用時間を使用して平均ロードを算出し、ベアリングに作用する荷重に換算して上記寿命計算式に入力する。
平均主軸ロードは、平均主軸回転数と同様に、図6に示すように、主軸ロード(荷重)を複数の領域La,Lb,Lc,…に分割し、各領域La,Lb,Lc,…の荷重に対し、当該領域La,Lb,Lc,…に属する荷重が主軸に作用した時間Tp1,Tp2,Tp3…を積和し、主軸に作用する時間の総和(Tp1+Tp2+Tp3…)で除することにより、平均主軸ロードLmを算出する。
具体的な計算例を示す。領域La,Lb,Lc,…は高ロードほど細かく分けることで重み付けを行う。
La=50%
Lb=80%
Lc=100%
Ld=120%
La=50%
Lb=80%
Lc=100%
Ld=120%
Tp1=60min
Tp2=120min
Tp3=240min
Tp4=50min
Tp2=120min
Tp3=240min
Tp4=50min
Lm=(50・60+80・120+100・240+120・50)/(60+120+240+50)
=91%
=91%
このロード値は主軸モータの定格トルクに対する割合であるので、主軸モータの定格トルクLm(例えば、29.4NM)を乗算することにより平均負荷トルクTmに換算する。
Tm=Lm×0.91
=29.4×0.91
=26.8NM
Tm=Lm×0.91
=29.4×0.91
=26.8NM
このようにして求めた平均負荷トルクTmを、[数4]式により、切削工具に作用する切削主分力Faに換算する。
ここで使用している工具径をφ30 mm とすると、[数5]式により、切削主分力Fa=1787 Nと求められる。工具径は、NCの工具情報により取得する。
次に、連続梁の計算により、この切削主分力Fa を支持する各主軸ベアリングの反力R1,R2,R3 を求める。この反力R1,R2,R3は各ベアリングに作用する平均動等価加重と等しい。
主軸寸法諸元を図7に示す。図7に示す通り、主軸は三つの軸受により回転自在に支持されており、切削工具に近いものから、順に♯1Brg, ♯2Brg, ♯3Brgと表すこととする。
主軸寸法、主軸径、軸受剛性、工具ホルダ直径、工具ホルダ長さは固定値とし、工具径および工具長はNC の工具情報より取得する。
3軸受支持における工具先端のコンプライアンス計算は、以下の[表1]〜[表6]に示す通りである。
主軸寸法諸元を図7に示す。図7に示す通り、主軸は三つの軸受により回転自在に支持されており、切削工具に近いものから、順に♯1Brg, ♯2Brg, ♯3Brgと表すこととする。
主軸寸法、主軸径、軸受剛性、工具ホルダ直径、工具ホルダ長さは固定値とし、工具径および工具長はNC の工具情報より取得する。
3軸受支持における工具先端のコンプライアンス計算は、以下の[表1]〜[表6]に示す通りである。
結局、各主軸ベアリングの反力R1,R2,R3は、以下の通りである。
#1Brg反力R1=2088.546295(ニュートン)
#2Brg反力R2=909.4483988(ニュートン)
#3Brg反力R3=1204.594694(ニュートン)
各ベアリングの寿命時間は前述した[数1]式に運転状況より算出した各パラメータを入力し求める。
N = Nm 平均回転数 = 13400 min-1
C = 57000 N (ベアリングによってメーカより提供される値)
P = 平均動等価荷重(ベアリングに作用する平均反力)= 2088 N
#1Brg反力R1=2088.546295(ニュートン)
#2Brg反力R2=909.4483988(ニュートン)
#3Brg反力R3=1204.594694(ニュートン)
各ベアリングの寿命時間は前述した[数1]式に運転状況より算出した各パラメータを入力し求める。
N = Nm 平均回転数 = 13400 min-1
C = 57000 N (ベアリングによってメーカより提供される値)
P = 平均動等価荷重(ベアリングに作用する平均反力)= 2088 N
このように、主軸の平均回転数とベアリングに作用する平均動等価荷重はこれまでの運転状況によって刻々と変化し、この情報を工作機械の各種モニタリング機能より取得し、内部計算することによってベアリングの寿命時間をユーザーの転状況に合わせて計算することが出来る。
以上説明した通り、本発明は、工作機械からリアルタイムに取得できる各種データ(主軸モータのロード値や送り軸のサーボモータのロード値など)を寿命計算に当てはめることで運転状況を加味した最新の寿命測定を行うことができる。
本発明は、主軸ベアリング等の寿命モニタリング方法に関するものであり、マシニングセンタ、研削盤その他の工作機械全般に適用される。更に、送り軸(ボールスクリュー)その他の回転体の寿命のモニタリングにも応用可能なものである。
10 主軸
20 切削工具
30 回転数検出器
40 荷重センサ
50 演算部
60 表示部
20 切削工具
30 回転数検出器
40 荷重センサ
50 演算部
60 表示部
Claims (8)
- 回転体の回転数及び前記回転体を回転自在に支持するベアリングに作用する荷重に基づいて前記ベアリングの定格寿命を算出して閾値とし、前記回転体の回転時間の積算値が前記閾値に到達したらメンテナンス時期を表示するベアリングの寿命モニタリング方法において、前記回転体の回転数として、前記回転体の時間的に変化する前記回転数の平均値である平均回転数を使用し、かつ、前記ベアリングに作用する荷重として、前記ベアリングに作用する荷重の時間的な平均値である平均荷重を使用して前記閾値を求めることを特徴とするベアリングの寿命モニタリング方法。
- 前記平均回転数は、前記回転体の回転数を複数の領域に分割し、各領域の回転数に対して当該領域に属する回転数で前記回転体が回転した時間を積和し、前記回転体が回転した時間の総和で除することにより求めることを特徴とする請求項1記載のベアリングの寿命モニタリング方法。
- 前記領域は、前記回転体の回転数が高いほど細かな領域に分割することを特徴とする請求項2記載のベアリングの寿命モニタリング方法。
- 前記平均荷重は、前記ベアリングに作用する荷重を複数の領域に分割し、各領域の荷重値に対して当該領域に属する荷重値が前記ベアリングに作用する時間を積和し、前記ベアリングに荷重が作用する時間の総和で除することにより求めることを特徴とする請求項1,2又は3記載のベアリングの寿命モニタリング方法。
- 前記領域は、前記ベアリングに作用する荷重が大きいほど細かな領域に分割することを特徴とする請求項4記載のベアリングの寿命モニタリング方法。
- 前記回転体は、工作機械における主軸であることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載のベアリングの寿命モニタリング方法。
- 前記ベアリングに作用する荷重は、前記主軸に作用する主軸ロードを換算して使用することを特徴とする請求項6記載のベアリングの寿命モニタリング方法。
- 前記回転体は、送り軸であることを特徴とする請求項1記載のベアリングの寿命モニタリング方法。
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