JP2011247567A - 低温蓄熱冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷の温度を高精度に制御でき、省エネルギーを図って運転コストの低減を図り、しかも負荷の冷却を迅速に行う。
【解決手段】低温蓄熱冷却装置10のコントローラ80は、(A)タンク内温度T2が負荷51の冷却設定温度Tsetよりも低い状態において、ポンプ41の回転数を可変制御する運転周波数をインバータ43に出力してブラインの負荷側循環流量を増減させるようにポンプ41の作動を制御して、負荷温度T1aを冷却設定温度に調整する第1の運転、または、(B)循環ポンプ45の作動を停止してポンプのみを作動させ、熱交換器21において冷却されたブラインをバイパス配管系77を介してタンク20をバイパスさせてポンプに導き、冷却温度T3が負荷の冷却設定温度よりも低くなるように冷却機30の作動を制御して、負荷温度を冷却設定温度に調整する第2の運転、を実行可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、負荷にブラインを供給することによって負荷の温度を調節するポンプ循環量制御式の低温蓄熱冷却装置に関する。
液晶パネルや半導体を生産するプロセスあるいは試験ないし検査においては、温度制御を行うことが必須条件であり、種々の低温蓄熱冷却装置が使用されている。低温蓄熱冷却装置は、ワークや検査装置などの負荷に、温度を調節した熱媒体つまりブラインを供給し、負荷の温度を設定温度に制御している。例えば、特許文献1に示される低温蓄熱冷却装置にあっては、負荷に供給するブラインの循環流量を一定にしたまま、タンク内に保有した比較的低温のブラインを混合させる量を変更することによって、負荷に供給するブラインの温度を調節している。比較的低温のブラインの混合量は、バルブの開度を制御することによって変更している。
特開平9−89436号公報
特許文献1の技術においては、バルブの開度を制御することによって負荷に供給するブラインの温度を調節しているが、バルブの可動機構には、機械的なあそびが必ず存在する。このような機械的なあそびによって、比較的低温のブラインの混合量を高精度に変更することは難しい。したがって、負荷に供給するブラインの温度を高精度に調節することが難しく、負荷の温度を高精度に制御することが難しくなる。
負荷に供給するブラインの循環流量が一定であるので、ポンプの動力分による発熱は一定である。このため、負荷の発熱量が比較的少ない運転中においても、ポンプの動力分の発熱を除去する必要があり、冷却負荷が低減しない。したがって、省エネルギーを図ることができず、運転コストの低減を図ることができないという問題もある。
さらに、上記の特許文献1の技術では、冷却機によって低温にしたブラインをタンク内に保有し、負荷に供給するブラインに、タンクからの低温のブラインを混合させる形態となっている。このため、装置の立ち上げ時において、タンクに保有するブラインを冷却するためには、比較的長時間を要している。その結果、負荷を所定の温度にまで迅速に冷却することができない。また、負荷を急冷するためにタンク内に保有していた低温のブラインを短時間の間に使い切ったときにおいて、その後に負荷をさらに冷却するためには、タンク内のブラインが冷却されるまで待機しなければならない。したがって、このときにも同様に、負荷を所定の温度にまで迅速に冷却することができない。
そこで、本発明は、負荷の温度を高精度に制御でき、省エネルギーを図って運転コストの低減を図り、しかも負荷の冷却を迅速に行い得る低温蓄熱冷却装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の低温蓄熱冷却装置は、ブラインが流れる熱交換器と、
ブラインを前記熱交換器において冷却するための冷却機と、
ブラインを保有するタンクと、
前記熱交換器において冷却されたブラインを前記タンクに導く第1配管系と、
前記タンク内のブラインを前記熱交換器に導く第2配管系と、
前記熱交換器と前記タンクとの間に配置される循環ポンプと、
ブラインが供給される負荷と、
前記タンク内のブラインを前記負荷に導く第3配管系と、
前記負荷から戻されるブラインを前記熱交換器に導く第4配管系と、
前記第3配管系または前記第4配管系に配置されるポンプと、
前記ポンプの回転数を可変制御することによって前記負荷を流れるブラインの負荷側循環流量を調節するためのインバータと、
前記熱交換器において冷却されたブラインを、前記タンクをバイパスして前記ポンプに導くバイパス配管系と、
前記バイパス配管系に配置され前記熱交換器から前記ポンプに向かう方向のブラインの流れのみを許容する逆流防止部材と、
前記負荷の温度である負荷温度を検出する第1センサと、
前記タンク内のブラインの温度であるタンク内温度を検出する第2センサと、
前記熱交換器において冷却されたブラインの温度である冷却温度を検出する第3センサと、
前記第1センサによって検出した負荷温度の信号、および前記第2センサによって検出したタンク内温度の信号、前記第3センサによって検出した冷却温度の信号、が入力されるコントローラと、を有している。
前記コントローラは、
(A)タンク内温度が前記負荷の冷却設定温度よりも低い状態において、ポンプの回転数を可変制御する運転周波数をインバータに出力してブラインの負荷側循環流量を増減させるように前記ポンプの作動を制御し、負荷温度を下げるときには前記ポンプの回転数を増加してブラインの負荷側循環流量を増加させ、負荷温度を上げるときには前記ポンプの回転数を減少してブラインの負荷側循環流量を減少させて、負荷温度を冷却設定温度に調整する第1の運転、または、
(B)前記循環ポンプの作動を停止して前記ポンプのみを作動させ、前記熱交換器において冷却されたブラインを前記バイパス配管系を介して前記タンクをバイパスさせて前記ポンプに導き、冷却温度が前記負荷の冷却設定温度よりも低くなるように前記冷却機の作動を制御して、負荷温度を冷却設定温度に調整する第2の運転、を実行可能である。
本発明の低温蓄熱冷却装置によれば、第1の運転を実行している場合、インバータによってポンプの回転数を制御することによってブラインの負荷側循環流量を調節しており、機械的なあそびに起因する不感帯が生じることがない。このため、ブラインの負荷側循環流量を高精度に変更することができ、その結果、負荷の温度を高精度に制御することが可能となる。
また、負荷に供給するブラインの循環流量を可変とすることによって、負荷の発熱量が比較的少ない運転中には、ブラインの循環流量が少なくなって、ポンプの動力分による発熱が少なくなる。したがって、負荷に供給するブラインの循環流量を一定にする形態に比べて冷却負荷が低減し、省エネルギーを図って、運転コストの低減を図ることができる。
しかも、第2の運転を実行している場合、ポンプのみを作動させ、熱交換器において冷却されたブラインをバイパス配管系を介してタンクをバイパスさせてポンプに導いていることから、タンクに保有するブラインを冷却する必要がない。このため、装置の立ち上げ時や、負荷を急冷するためにタンク内に保有していた低温のブラインを短時間の間に使い切ったときなどにおいて、負荷を所定の温度にまで迅速に冷却することができる。
もって、本発明によれば、負荷の温度を高精度に制御でき、省エネルギーを図って運転コストの低減を図り、しかも負荷の冷却を迅速に行い得る低温蓄熱冷却装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る低温蓄熱冷却装置を示す構成図である。 冷却機の冷凍サイクルを示す構成図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1を参照して、低温蓄熱冷却装置10(以下、単に、「冷却装置10」という)を概説する。冷却装置10は、タンク20と循環ポンプ45とを含む一次側回路60と、負荷51とポンプ41とを含む第1の負荷側回路61とを有している。一次側回路60は、ブラインが流れる熱交換器21と、ブラインを熱交換器21において冷却するための冷却機30と、ブラインを保有するタンク20と、熱交換器21において冷却されたブラインをタンク20に導く第1配管系71と、タンク20内のブラインを熱交換器21に導く第2配管系72と、熱交換器21とタンク20との間に配置される循環ポンプ45と、を有している。第1の負荷側回路61は、ブラインが供給される第1負荷51(負荷に相当する)と、タンク20内のブラインを負荷に導く第3配管系73と、第1負荷51から戻されるブラインを熱交換器21に導く第4配管系74と、第3配管系73に配置される第1ポンプ41(ポンプに相当する)と、第1ポンプ41の回転数を可変制御することによって第1負荷51を流れるブラインの負荷側循環流量を調節するための第1インバータ43(インバータに相当する)と、を有している。図示する冷却装置10は、第2ポンプ42(他のポンプに相当する)と第2負荷52(他の負荷に相当する)とを含む第2の負荷側回路62が、タンク20の出口側と熱交換器21の入口側とに、第1の負荷側回路61と並列的に接続されている。具体的には、冷却装置10は、ブラインが供給される第2負荷52と、タンク20内のブラインを第2負荷52に導く他の第3配管系75と、第2負荷52から戻されるブラインを熱交換器21に導く他の第4配管系76と、他の第3配管系75に配置される第2ポンプ42と、第2ポンプ42の回転数を可変制御することによって第2負荷52を流れるブラインの負荷側循環流量を調節するための第2インバータ44(他のインバータに相当する)と、を有している。冷却装置10はさらに、熱交換器21において冷却されたブラインを、タンク20をバイパスして第1と第2のポンプ41、42に導くバイパス配管系77と、バイパス配管系77に配置され熱交換器21から第1と第2のポンプ41、42に向かう方向のブラインの流れのみを許容する第1逆止弁91(逆流防止部材に相当する)と、を有している。冷却装置10は、第1負荷51の温度である第1負荷温度T1a(負荷温度に相当する)を検出する第1負荷用センサ81a(第1センサに相当する)と、第2負荷52の温度である第2負荷温度T1b(他の負荷温度に相当する)を検出する第2負荷用センサ81b(他の第1センサに相当する)と、タンク20内のブラインの温度であるタンク内温度T2を検出する第2センサ82と、熱交換器21において冷却されたブラインの温度である冷却温度T3を検出する第3センサ83と、冷却装置10全体の制御を司るコントローラ80と、を有している。コントローラ80には、第1負荷用センサ81aによって検出した第1負荷温度T1aの信号、第2負荷用センサ81bによって検出した第2負荷温度T1bの信号、第2センサ82によって検出したタンク内温度T2の信号、および、第3センサ83によって検出した冷却温度T3の信号が入力される。
コントローラ80は、第1の運転、第2の運転、その他の種々の運転を実現可能である。
第1の運転は、タンク内温度T2が第1と第2の負荷51、52の冷却設定温度Tsetよりも低い状態において、第1と第2のポンプ41、42の回転数を可変制御する運転周波数を第1と第2のインバータ43、44に出力して、第1と第2の負荷側回路61、62におけるそれぞれのブラインの負荷側循環流量を増減させるように第1と第2のポンプ41、42の作動を制御する運転である。第1と第2の負荷温度T1a、T1bを下げるときには第1と第2のポンプ41、42の回転数を増加してブラインの負荷側循環流量を増加させ、第1と第2の負荷温度T1a、T1bを上げるときには第1と第2のポンプ41、42の回転数を減少してブラインの負荷側循環流量を減少させて、第1と第2の負荷温度T1a、T1bを冷却設定温度Tsetに調整する。
第2の運転は、循環ポンプ45の作動を停止して第1と第2のポンプ41、42のみを作動させ、熱交換器21において冷却されたブラインをバイパス配管系77を介してタンク20をバイパスさせて第1と第2のポンプ41、42に導き、冷却温度T3が第1と第2の負荷51、52の冷却設定温度Tsetよりも低くなるように冷却機30の作動を制御して、第1と第2の負荷温度T1a、T1bを冷却設定温度Tsetに調整する運転である。
以下、詳述する。
負荷51、52は、例えば、高温試験と低温試験とを切り替えて実施する検査装置であり、検査対象物50を載置する熱交換器である均熱プレート53a、53bと、均熱プレート53a、53bの背面側に配置されたプレートヒータ54a、54bと、を含んでいる。均熱プレート53a、53bには流体を流す溝加工が施されている。プレートヒータ54a、54bには、例えば電気ヒータが用いられる。プレートヒータ54a、54bに電力を印加する図示しない電源部がコントローラ80に接続されている。コントローラ80は、電源部をオンオフ制御してプレートヒータ54a、54bを発熱させる。負荷51、52は、検査装置に限られるものではなく、ワーク、製造装置、あるいは恒温装置などであり、本発明では特に限定されない。負荷側のブラインとしては、例えば、冷媒、純水などが用いられ、負荷に応じた媒体が選択される。冷却機側のブラインとしては、例えば、冷媒、冷水などが用いられ、負荷側のブラインに応じた媒体が選択される。
熱交換器21は、伝熱面積が広くて熱交換効率が高いが、負荷側のブラインを保有する量が比較的少ない構造を有する熱交換器である。熱交換器21は、例えば、プレート式熱交換器から構成することができる。
図2をも参照して、冷却機30の冷凍サイクルは、冷媒を圧縮するコンプレッサ31と、冷却水が流通する凝縮器32と、膨張弁33と、蒸発器として機能する熱交換器34と、を有する。冷却機側のブラインの出口温度T0は、熱交換器34に流入する冷媒の温度を調節することにより調節される。冷媒の温度は、冷却機30の容量を制御することにより調節される。冷却機30の容量制御は、ホットガス流量を制御することにより行われる。冷却機30には、コンプレッサ31の出口側と膨張弁33の出口側とを連通するホットガスバイパス配管35と、ホットガスバイパス配管35の途上に配置される容量調節弁36および第1電磁弁37と、凝縮器32の出口から膨張弁33に至る配管の途上に配置される第2電磁弁38と、が設けられている。第1、第2電磁弁37、38のそれぞれは、一方が閉のときには他方が開かれ、一方が開のときには他方が閉じられる。第1電磁弁37が開かれると、コンプレッサ31により圧縮された比較的高温のガス状冷媒は、容量調節弁36およびホットガスバイパス配管35を通り、膨張弁33により断熱膨張されて比較的低温となった冷媒に混合される。膨張弁33の出口側に流下するホットガス流量は、容量調節弁36の設定値および第1電磁弁37の開時間により定まる。第1、第2電磁弁37、38の開閉の結果、熱交換器34に流入する冷媒の温度が調節され、熱交換器34で冷却される冷却機側ブラインが所定の温度に調節される。
熱交換器21の設計は、一般的に、負荷制御温度(冷却設定温度Tset)より10℃以上低い温度のブラインを、ポンプの最大定格流量で負荷に供給した場合に、負荷の発熱量が最大のときに負荷の温度を所定の温度に制御することが可能となるように設計されている。冷却機30の温度制御は、負荷制御温度の一番低い設定値から10℃低い温度に維持する必要はなく、負荷制御温度の一番低い設定値から10℃以上低い温度で、冷却機30の運転下限温度以下に低下しなければ問題はない。
図1を再び参照して、第1インバータ43の運転周波数を調節することによって、第1ポンプ41の回転数を可変制御して、第1の負荷回路61におけるブラインの負荷側循環流量を調節することができる。第1ポンプ41の回転数が大きくなるとブラインの負荷側循環流量が増加し、逆に、第1ポンプ41の回転数が小さくなるとブラインの負荷側循環流量が減少する。
同様に、第2インバータ44の運転周波数を調節することによって、第2ポンプ42の回転数を可変制御して、第2の負荷回路62におけるブラインの負荷側循環流量を調節することができる。第2ポンプ42の回転数が大きくなるとブラインの負荷側循環流量が増加し、逆に、第2ポンプ42の回転数が小さくなるとブラインの負荷側循環流量が減少する。
循環ポンプ45は、図示例では第1配管系71に配置されている。循環ポンプ45は、第1と第2のポンプ41、42と同様に、ブラインの循環流量を調節自在なポンプから構成されている。冷却装置10は、循環ポンプ45の回転数を可変制御することによってタンク20を流れるブラインのタンク側循環流量を調節するための第3インバータ46(循環ポンプ用インバータに相当する)をさらに有している。第3インバータ46の運転周波数を調節することによって、循環ポンプ45の回転数を可変制御して、一次側回路60におけるブラインのタンク側循環流量を調節することができる。循環ポンプ45の回転数が大きくなるとブラインのタンク側循環流量が増加し、逆に、循環ポンプ45の回転数が小さくなるとブラインのタンク側循環流量が減少する。
第1逆止弁91は、循環ポンプ45の作動時に、タンク20内のブラインがバイパス配管系77を介して循環ポンプ45に吸入されることを防止するために設けられている。逆流防止部材としては、一般的に、遮断弁や逆止弁を適用することができる。ただし、−30℃以下の低温で信頼性があり、圧力損失が低く、安価な遮断弁が無いのが実情である。そこで、本実施形態では、逆流防止部材として、スイング式の逆止弁を採用してある。スイング式の逆止弁は−30℃以下の低温で信頼性があり、圧力損失が低く、比較的安価であることから、冷却装置10の信頼性を高め、動力の無駄を抑え、装置全体のコストの低減にも寄与できる。
第1と第2の負荷51、52から戻されるブラインを、タンク20に直接戻さずに、熱交換器21に導く必要がある。第1と第2の負荷51、52からの比較的高温のブラインがタンク20に直接戻ると、タンク内温度T2が上昇してしまい、第1と第2のポンプ41、42によって再び吐出されると、第1と第2の負荷51、52の冷却を阻害することになるからである。そこで、第2配管系72には、タンク20から熱交換器21に向かう方向の流れのみを許容する第2逆止弁92(他の逆流防止部材に相当する)をさらに配置してある。そして、第4配管系74および他の第4配管系76を、第2逆止弁92よりも下流側の位置において第2配管系72に合流させてある。これにより第1と第2の負荷51、52からの比較的高温のブラインがタンク20に直接戻ることがなく、第1と第2の負荷51、52の冷却が阻害されることがない。第2逆止弁92も、第1逆止弁91と同様に、スイング式の逆止弁を採用してある。
第1配管系71は、熱交換器21の出口と循環ポンプ45の吸入口とを接続する配管71a、および循環ポンプ45の吐出口とタンク20の入口とを接続する配管71bを含んでいる。
第2配管系72は、タンク20の出口と第2逆止弁92の入口とを接続する配管72a、および第2逆止弁92の出口と熱交換器21の入口とを接続する配管72bを含んでいる。
第3配管系73は、タンク20の出口と第1ポンプ41の入口とを接続する配管73a、および第1ポンプ41の出口と第1負荷51の入口とを接続する配管73bを含んでいる。
第4配管系74は、第1負荷51の出口と配管72bとを接続する配管74aを含んでいる。
他の第3配管系75は、タンク20の出口と第2ポンプ42の入口とを接続する配管75a、および第2ポンプ42の出口と第2負荷52の入口とを接続する配管75bを含んでいる。
他の第4配管系76は、第2負荷52の出口と配管74aとを接続する配管76aを含んでいる。
バイパス配管系77は、熱交換器21の出口と第1逆止弁91の入口とを接続する配管77a、および第1逆止弁91の出口とタンク20の入口とを接続する配管77bを含んでいる。配管77bは、配管75aの途中に接続されている。
第1負荷用センサ81aは、第1負荷51の均熱プレート53aに挿入配置され、第1負荷温度T1aを検出する。第2負荷用センサ81bは、第2負荷52の均熱プレート53bに挿入配置され、第2負荷温度T1bを検出する。第2センサ82は、タンク20に挿入配置され、タンク内温度T2を検出する。第3センサ83は、熱交換器21の出口配管に挿入配置され、熱交換器21において冷却された冷却温度T3を検出する。第1負荷用センサ81a、第2負荷用センサ81b、第2センサ82、および第3センサ83は、測温抵抗体や熱電対などから構成されている。
コントローラ80は、CPUやメモリを主体に構成されている。コントローラ80は、第1負荷用センサ81a、第2負荷用センサ81b、第2センサ82、および第3センサ83のそれぞれが接続され、第1負荷温度T1aの信号、第2負荷温度T1bの信号、タンク内温度T2の信号、および冷却温度T3の信号が入力される。コントローラ80はまた、第1インバータ43、第2インバータ44、および第3インバータ46のそれぞれが接続され、第1ポンプ41の回転数を可変制御する運転周波数を第1インバータ43に出力し、第2ポンプ42の回転数を可変制御する運転周波数を第2インバータ44に出力し、循環ポンプ45の回転数を可変制御する運転周波数を第3インバータ46に出力する。
コントローラ80には、第1と第2の負荷51、52のそれぞれの冷却設定温度(Tset)などを設定する例えばテンキーなどの図示しない入力装置が接続されている。コントローラ80はまた、冷却機30にも接続され、容量制御のための制御信号が第1、第2電磁弁37、38に出力されて、ホットガス流量が制御される。メモリには、冷却装置10の動作を制御するのに必要な各種パラメータやプログラムなどが記憶される。
タンク内温度T2を一定にしてブラインの負荷側循環流量を制御する本実施形態の時定数は、ブライン循環量を一定にしてブライン温度を所定の温度に制御する場合の時定数に比べて、極端に小さくなる。このため、通常のPID演算制御がマッチングする。
冷却装置10および第1と第2の負荷51、52の全体の動特性を正確にシミュレーションすることは事実上不可能である。このため、最終的な各種パラメータの値については、冷却装置10および負荷51、52の全体の試運転を行いながら、トライアンドエラーにより決定される。決定されたパラメータ値はメモリに記憶される。
なお、タンク20の容量は配管の長さ、ポンプ41、42の最大循環量、循環ポンプ45の最大循環量、負荷51、52の発熱量の変動等により経験的に決定されるが、容量が最小限でも、負荷の温度制御は可能である。タンクの容量が少ないと、装置の運転を開始してから、ブライン温度が規定の温度にまで降下する時間が短くなり、短時間で負荷の温度制御が可能となる。一方、タンクの容量を増加すると、装置全体が大型化し、ブライン温度が規定の温度に降下する時間は長くなるものの、負荷の大きな変動に対しても、負荷を一定に温度制御することが可能となる。冷却装置10は、熱交換器21において冷却されたブラインをタンク20をバイパスさせて第1と第2の負荷51、52に導くことが可能となっている(第2の運転)。本実施形態では、タンクの容量は、装置全体の大きさ、負荷としての検査装置において実施される高温試験における最高温度や低温試験における最低温度、高温試験後に低温試験を実施可能なまでに冷却するのに必要な移行時間などを総合的に判断して決定される。
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、第1の運転によって、第1と第2の負荷51、52を冷却設定温度Tsetに調整する作用を説明する。
コントローラ80は、タンク内温度T2を負荷51、52の冷却設定温度Tsetよりも低い温度に維持するように冷却機30の作動を制御している。ここにおける負荷51、52の冷却設定温度Tsetは、第1負荷51の冷却設定温度Tsetおよび第2負荷52の冷却設定温度Tsetのうち、温度が低い方の冷却設定温度Tsetである。タンク内温度T2は、負荷の冷却設定温度Tsetよりも低い温度に維持できていればよく、一定の温度に維持する必要はない。タンク内温度T2を、冷却設定温度Tsetよりもどの程度低い温度に維持するかは限定されるものではない。本件発明者らの経験によれば、検査装置において電子部品を冷却する場合には、冷却設定温度Tsetよりも10℃以上低いブラインを供給すると、安定した温度制御が可能であることがわかっている。
コントローラ80は、ブラインのタンク側循環流量がほぼ一定となるように、循環ポンプ45の回転数を可変制御する運転周波数を第3インバータ46に出力する。コントローラ80は、冷却機30の容量制御のための制御信号を第1、第2電磁弁37、38に出力し、ホットガス流量を制御する。この制御によって、熱交換器34で冷却される冷却機側ブラインが所定の温度に調節され、熱交換器21で冷却される負荷側のブラインが所定の温度(冷却温度T3)に調節される。
コントローラ80は、第1と第2のポンプ41、42の回転数を可変制御する運転周波数を第1と第2のインバータ43、44に出力して、第1と第2の負荷側回路61、62におけるそれぞれのブラインの負荷側循環流量を増減させるように第1と第2のポンプ41、42の作動を制御する。
コントローラ80は、第1負荷温度T1aを下げるときには第1ポンプ41の回転数を増加して第1負荷側回路61におけるブラインの負荷側循環流量を増加させ、第1負荷温度T1aを上げるときには第1ポンプ41の回転数を減少して第1負荷側回路61におけるブラインの負荷側循環流量を減少させる。
同様に、コントローラ80は、第2負荷温度T1bを下げるときには第2ポンプ42の回転数を増加して第2負荷側回路62におけるブラインの負荷側循環流量を増加させ、第2負荷温度T1bを上げるときには第2ポンプ42の回転数を減少して第2負荷側回路62におけるブラインの負荷側循環流量を減少させる。
このように、コントローラ80は、第1ポンプ41および第2ポンプ42の作動をそれぞれ個別に制御することによって、第1負荷側回路61および第2負荷側回路62のそれぞれにおけるブラインの負荷側循環流量を制御して、第1負荷温度T1aおよび第2負荷温度T1bのそれぞれを独立して調節することができる。
前述した特許文献1の技術にあっては、負荷に供給するブラインの負荷側循環流量を一定に維持したまま、ブライン温度を調節することによって、負荷の温度を制御している。一方、本実施形態にあっては、負荷51、52に供給するブラインを一定温度(タンク内温度T2)に維持したまま、ブラインの負荷側循環流量を調節することによって、負荷温度T1a、T1bを制御している。
特許文献1の技術のように、バルブの開度を制御することによってブライン温度を調節する形態にあっては、バルブの可動機構に存在する機械的なあそびに起因する不感帯が生じる。このため、比較的低温のブラインの混合量を高精度に変更することが難しく、その結果、負荷の温度を高精度に制御することが難しくなる。モータで駆動するバルブの場合は極低温域(−30℃〜−80℃)で安定して使用できるバルブがなく、また電磁弁は極低温域で使用可能な液体窒素用のバルブがあるが、大きな口径のものが無いため、流量が増加すると電磁弁を複数使用して流量を確保する必要がある。
これに対して、本実施形態では、第1と第2のインバータ43、44によって第1と第2のポンプ41、42の回転数を制御することによってブラインの負荷側循環流量を調節しており、機械的なあそびに起因する不感帯が生じることがない。このため、ブラインの負荷側循環流量を高精度に変更することができ、その結果、負荷温度T1a、T1bを高精度に制御することが可能となる。負荷の温度安定度が±0.5℃以内となるように、負荷温度T1a、T1bを制御することができる。
また、負荷51、52に供給するブラインの負荷側循環流量を可変とすることによって、負荷51、52の発熱量が比較的少ない運転中には、ブラインの負荷側循環流量が少なくなって、ポンプ41、42の動力分による発熱が少なくなる。したがって、負荷に供給するブラインの負荷側循環流量を一定にする形態に比べて冷却負荷が低減し、省エネルギーを図って、運転コストの低減を図ることができる。
もって、本実施形態の冷却装置10によれば、負荷の温度を高精度に制御でき、省エネルギーを図って運転コストの低減を図ることが可能となる。
タンク内温度T2を、第1と第2の負荷51、52の冷却設定温度Tsetよりも低い温度に調節して保有している。このため、第1負荷51の温度上昇が大きいときでも、第1ポンプ41の回転数を増加し、第1負荷側回路61におけるブラインの負荷側循環流量を直ぐに増加することによって、第1負荷温度T1aを迅速に下げることができる。同様に、第2負荷52の温度上昇が大きいときでも、第2ポンプ42の回転数を増加し、第2負荷側回路62におけるブラインの負荷側循環流量を直ぐに増加することによって、第2負荷温度T1bを迅速に下げることができる。したがって、第1と第2の負荷51、52の温度を応答性良く制御できる。
複数の負荷を異なった温度に制御する場合、特許文献1の技術のように、ブラインを異なった温度に調節して、ポンプで一定量を循環させる形態にあっては、ポンプのほかにバルブなどが必要になったり、配管経路が増えたりして、装置が複雑化、大型化するという問題がある。
これに対して、本実施形態では、ブラインの負荷側循環流量を調節して負荷の温度を制御しているので、ポンプだけで制御することができ、バルブや配管経路の廃止などを通して、装置構成の簡素化、小型化を図ることが可能となる。
なお、冷却装置10は、第1と第2の負荷51、52に要求される下限温度から上限温度までの温度範囲で、ブラインの温度を制御できなければならない。したがって、冷却機30の冷却能力は、ブラインの負荷側循環流量、第1と第2の負荷51、52の下限温度、第1と第2の負荷51、52における発熱量などに基づいて決定される。
また、コントローラ80の制御出力がゼロ、つまり冷却が不要の場合には、ブラインの負荷側循環流量がゼロになる。ブラインの循環が停止しても、循環ポンプ45が作動しており、タンク内温度T2は負荷51、52の冷却設定温度Tsetよりも低い温度に維持される。
次に、負荷としての検査装置において高温試験を実施している待機運転の作用を説明する。
コントローラは、第1と第2のポンプ41、42の作動を停止して循環ポンプ45のみを作動させ、ブラインのタンク側循環流量がほぼ一定となるように、循環ポンプ45の回転数を可変制御する運転周波数を第3インバータ46に出力する。また、コントローラは、タンク内温度T2を負荷51、52の冷却設定温度Tsetよりも低い温度に維持するように冷却機30の作動を制御している。
この運転では、第1と第2の負荷51、52へのブラインの供給を停止している待機運転中に、タンク温度T2を冷却機30の下限運転温度まで冷却することができる。したがって、高温試験後に引き続いて実施される低温試験の準備として、タンク20に低温蓄熱の蓄熱エネルギーを蓄えておくことができる。低温試験を開始したときに蓄熱エネルギーを利用することによって、第1と第2の負荷51、52を急速に冷却することができる。
次に、負荷としての検査装置において高温試験から低温試験に切り替えて、第1と第2の負荷51、52を冷却設定温度Tsetに調整する作用を説明する。
コントローラは、第1と第2のポンプ41、42の作動を開始し、第1と第2のポンプ41、42の回転数を増加制御する運転周波数を第1と第2のインバータ43、44に出力して、第1と第2の負荷側回路61、62におけるそれぞれのブラインの負荷側循環流量を増加させるように第1と第2のポンプ41、42の作動を制御する。タンク20内に蓄えた低温のブラインが供給されることによって、第1負荷温度T1a、第2負荷温度T1bは迅速に低下する。
負荷51、52の高温状態に対してタンク20内に蓄えた低温のブライン量が十分足りるような場合には、第1負荷温度T1a、第2負荷温度T1bが冷却設定温度Tsetに調整し得る程度まで下がり、上述した第1の運転によって、第1と第2の負荷51、52を冷却設定温度Tsetに調整する。
一方、負荷51、52の高温状態に対してタンク20内に蓄えた低温のブライン量が足りない場合には、タンク20内のブラインを冷却しつつ第1と第2の負荷51、52を冷却しようとすると、第1と第2の負荷51、52を迅速に冷却できなくなる。本実施形態では、このよう場合には次のような制御を行う。
すなわち、コントローラ80は、循環ポンプ45を作動させ、負荷51、52を冷却している場合において、タンク20における低温蓄熱の蓄熱エネルギーを使い切ったと判断し、かつ、負荷温度T1a、T1bが冷却設定温度Tsetよりも高いときに、第2の運転に切り替えて負荷51、52をさらに冷却する。
ここで、コントローラ80は、
(i)タンク内温度T2>冷却温度T3、かつ、
(ii)冷却設定温度(Tset)−タンク内温度(T2)<dT
ただし、dTは予め定められた温度差
のとき、蓄熱エネルギーを使い切ったと判断する。なお、循環ポンプ45を作動させ、負荷51、52を冷却している場合が前提であるため、タンク内温度T2は、冷却設定温度Tsetよりも低い条件となっている。
上記の蓄熱エネルギーを使い切ったと判断する条件について説明する。高温試験から低温試験に切り替えた場合において、冷却機30の作動を停止し、第1と第2のポンプ41、42、循環ポンプ45の作動を継続したとすると、負荷温度T1a、T1b、タンク内温度T2、および冷却温度T3は、ある同じ温度で平衡状態となる。実際の運転では冷却機30の作動を停止することがない。これより、第1の(i)タンク内温度T2>冷却温度T3なる条件が必要となる。また、負荷51、52を冷却設定温度Tsetに冷却するためには、タンク内温度T2が冷却設定温度Tsetよりも低いことが必要であるので、冷却設定温度Tsetとタンク内温度T2との温度差の下限値(dT)を定めておく。TsetとT2との温度差が下限値より小さくなったときには、もはやタンク20内のブラインを用いても負荷51、52を冷却設定温度Tsetにまで冷却することができなくなる。これより、第2の(ii)冷却設定温度(Tset)−タンク内温度(T2)<dTなる条件が必要となる。下限値(dT)の値は特に限定されず、蓄熱エネルギーを無駄なく利用することができ、かつ、負荷51、52を冷却設定温度Tsetにまで冷却するのに要する時間などを考慮に入れて、トライアンドエラーによって最適値を選択することができる。例えば、第1の運転においてタンク内温度T2を冷却設定温度Tsetよりも10℃低い温度に設定しているような場合を例に挙げれば、下限値(dT)の値は10℃程度である。
第2の運転では、コントローラ80は、循環ポンプ45の作動を停止して第1と第2のポンプ41、42のみを作動させる。熱交換器21において冷却されたブラインは、バイパス配管系77を介して、循環ポンプ45およびタンク20をバイパスして、第1と第2のポンプ41、42に直接導かれる。コントローラ80は、冷却温度T3が第1と第2の負荷51、52の冷却設定温度Tsetよりも低くなるように冷却機30の作動を制御する。このような第2の運転によって、第1と第2の負荷温度T1a、T1bが冷却設定温度Tsetに調整される。
このように第2の運転を実行している場合、熱交換器21において冷却されたブラインをバイパス配管系77を介して循環ポンプ45およびタンク20をバイパスさせて第1と第2のポンプ41、42に導いていることから、タンク20に保有するブラインを冷却する必要がない。このため、負荷51、52を急冷するためにタンク20内に保有していた低温のブラインを短時間の間に使い切ったときにおいて、負荷51、52を所定の温度(冷却設定温度Tset)にまで迅速に冷却することができる。
装置の立ち上げ時にも第2の運転を実行することになるため、同様に、装置の立ち上げ時において、負荷51、52を所定の温度(冷却設定温度Tset)にまで迅速に冷却することができる。
コントローラ80は、循環ポンプ45の作動を停止して第2の運転によって負荷51を冷却している場合において、循環ポンプ45の作動を開始するとき、負荷温度T1a、T1bを冷却設定温度Tsetに制御しながら、循環ポンプ45の回転数を徐々に増加させる運転周波数を第3インバータ46に出力してブラインのタンク側循環流量を徐々に増加させている。ブラインのタンク側循環流量を徐々に増加させることによって、負荷51、52を安定して冷却設定温度Tsetに温度コントロールしながら、タンク20内のブラインを冷却して、低温蓄熱の蓄熱エネルギーを蓄えることができる。
なお、循環ポンプ45の作動を開始するタイミングは特に限定されず、タンク20内のブラインを冷却する余裕ができた時点を適宜設定することができる。例えば、第2の運転によって冷却温度T3が冷却設定温度Tsetよりも例えば10℃低い温度にまで冷却されたタイミングにおいて、循環ポンプ45の作動を開始することができる。また、循環ポンプ45の回転数を徐々に増加させる程度や、ブラインのタンク側循環流量を徐々に増加させる程度は、負荷温度T1a、T1bを冷却設定温度Tsetに制御できる限りにおいて限定されるものではなく、適宜の程度を適用することができる。
試作例は次のとおりである。負荷として、冷却プレートに流体を流す溝加工した構造の熱交換器と、熱交換器の裏側に装着したプレートヒータとを備える試験装置を準備した。ポンプ41の流体循環量は5L/min、at0.25MPa、循環ポンプ45の流体循環量はポンプ41の倍以上の流量を確保して、12L/min、at0.1MPaとした。タンク20の容量は10Lとし、流体はフッ素系の薬品、またはハイドロフルオロエーテルを使用した。第1と第2の逆止弁は、シールにパッキンを使用しないメタルシール構造の口径15Aのスイング式の逆止弁を採用した。タンク内温度の設定値は−55℃とした。
試験装置を85℃の高温検査後に−10℃まで冷却する場合、タンク20内の蓄熱のみで冷却可能であるので、5分以内に到達した。試験装置を85℃の高温検査後に−45℃まで冷却する場合、タンク20をバイパスさせない冷却方式のときには、60分を要した。一方、本実施形態のように、蓄熱を使用した後に、循環ポンプ45の作動を停止し、タンク20の冷却を停止して検査装置を冷却したときには、20分で検査装置が−45℃に到達し、試験装置の温度コントロールを開始できた。その後、検査装置の安定度±1.0℃を維持しながら、循環ポンプ45の作動を開始した。タンク20の温度は−36℃まで上昇したが、タンク内温度を再び−55℃に冷却することができた。
(他の変形例)
第1と第2のポンプ41、42は、ブラインを循環できればよいため、その配置位置は図示のように第1と第2の負荷51、52の入口側に限られるものではない。例えば、第1と第2のポンプ41、42を、第1と第2の負荷51、52の下流側の第4配管系74や他の第4配管系76に配置して、ブラインを循環させるようにすることもできる。
同様に、循環ポンプ45の配置位置についても図示例に限られるものではない。循環ポンプ45を第2配管系72に配置することもできる。
第1と第2の負荷側回路61、62を有する実施形態について示したが、本発明は、この場合に限定されるものではない。負荷側回路は1つでもよいし、逆に、冷却機30の冷却能力の限度内において、ポンプ、インバータ、負荷の温度を測定するセンサを追加することによって、3つ以上の負荷側回路を有する冷却装置に適用することができる。
インバータとインバータ用ポンプとを適用したが、インバータポンプをDCポンプに代替し、インバータの代わりにインバータと同等に機能するDCポンプ用ドライバーを適用してもよい。
10 低温蓄熱冷却装置、
20 タンク、
21 熱交換器、
30 冷却機、
41 第1ポンプ(ポンプ)、
42 第2ポンプ(他のポンプ)、
43 第1インバータ(インバータ)、
44 第2インバータ(他のインバータ)、
45 循環ポンプ、
46 第3インバータ(循環ポンプ用インバータ)、
50 検査対象物、
51 第1負荷(負荷)、
52 第2負荷(他の負荷)、
53a、53b 均熱プレート、
54a、54b プレートヒータ、
60 一次側回路、
61 第1の負荷側回路、
62 第2の負荷側回路、
71 第1配管系
72 第2配管系、
73 第3配管系、
74 第4配管系、
75 他の第3配管系、
76 他の第4配管系、
77 バイパス配管系、
80 コントローラ、
81a 第1負荷用センサ(第1センサ)、
81b 第2負荷用センサ(他の第1センサ)、
82 第2センサ、
83 第3センサ、
91 第1逆止弁(逆流防止部材)、
92 第1逆止弁(他の逆流防止部材)、
T1a 第1負荷温度(負荷温度)、
T1b 第2負荷温度(他の負荷温度)、
T2 タンク内温度、
T3 冷却温度、
Tset 冷却設定温度。

Claims (6)

  1. ブラインが流れる熱交換器(21)と、
    ブラインを前記熱交換器(21)において冷却するための冷却機(30)と、
    ブラインを保有するタンク(20)と、
    前記熱交換器(21)において冷却されたブラインを前記タンク(20)に導く第1配管系(71)と、
    前記タンク(20)内のブラインを前記熱交換器(21)に導く第2配管系(72)と、
    前記熱交換器(21)と前記タンク(20)との間に配置される循環ポンプ(45)と、
    ブラインが供給される負荷(51)と、
    前記タンク(20)内のブラインを前記負荷(51)に導く第3配管系(73)と、
    前記負荷(51)から戻されるブラインを前記熱交換器(21)に導く第4配管系(74)と、
    前記第3配管系(73)または前記第4配管系(74)に配置されるポンプ(41)と、
    前記ポンプ(41)の回転数を可変制御することによって前記負荷(51)を流れるブラインの負荷側循環流量を調節するためのインバータ(43)と、
    前記熱交換器(21)において冷却されたブラインを、前記タンク(20)をバイパスして前記ポンプ(41)に導くバイパス配管系(77)と、
    前記バイパス配管系(77)に配置され前記熱交換器(21)から前記ポンプ(41)に向かう方向のブラインの流れのみを許容する逆流防止部材(91)と、
    前記負荷(51)の温度である負荷温度(T1a)を検出する第1センサ(81a)と、
    前記タンク(20)内のブラインの温度であるタンク内温度(T2)を検出する第2センサ(82)と、
    前記熱交換器(21)において冷却されたブラインの温度である冷却温度(T3)を検出する第3センサ(83)と、
    前記第1センサ(81a)によって検出した負荷温度(T1a)の信号、および前記第2センサ(82)によって検出したタンク内温度(T2)の信号、前記第3センサ(83)によって検出した冷却温度(T3)の信号、が入力されるコントローラ(80)と、を有し、
    前記コントローラ(80)は、
    (A)タンク内温度(T2)が前記負荷(51)の冷却設定温度(Tset)よりも低い状態において、ポンプ(41)の回転数を可変制御する運転周波数をインバータ(43)に出力してブラインの負荷側循環流量を増減させるように前記ポンプ(41)の作動を制御し、負荷温度(T1a)を下げるときには前記ポンプ(41)の回転数を増加してブラインの負荷側循環流量を増加させ、負荷温度(T1a)を上げるときには前記ポンプ(41)の回転数を減少してブラインの負荷側循環流量を減少させて、負荷温度(T1a)を冷却設定温度(Tset)に調整する第1の運転、または、
    (B)前記循環ポンプ(45)の作動を停止して前記ポンプ(41)のみを作動させ、前記熱交換器(21)において冷却されたブラインを前記バイパス配管系(77)を介して前記タンク(20)をバイパスさせて前記ポンプ(41)に導き、冷却温度(T3)が前記負荷(51)の冷却設定温度(Tset)よりも低くなるように前記冷却機(30)の作動を制御して、負荷温度(T1a)を冷却設定温度(Tset)に調整する第2の運転、
    を実行可能である低温蓄熱冷却装置。
  2. 前記コントローラ(80)は、前記循環ポンプ(45)を作動させ、前記負荷(51)を冷却している場合において、前記タンク(20)における低温蓄熱の蓄熱エネルギーを使い切ったと判断し、かつ、負荷温度(T1a)が冷却設定温度(Tset)よりも高いときに、前記第2の運転に切り替えて前記負荷(51)をさらに冷却する、請求項1に記載の低温蓄熱冷却装置。
  3. 前記コントローラ(80)は、
    (i)タンク内温度(T2)>冷却温度(T3)、かつ、
    (ii)冷却設定温度(Tset)−タンク内温度(T2)<dT
    ただし、dTは予め定められた温度差
    のとき、蓄熱エネルギーを使い切ったと判断する、請求項2に記載の低温蓄熱冷却装置。
  4. 前記循環ポンプ(45)の回転数を可変制御することによって前記タンク(20)を流れるブラインのタンク側循環流量を調節するための循環ポンプ用インバータ(46)をさらに有し、
    前記コントローラ(80)は、前記循環ポンプ(45)の作動を停止して前記第2の運転によって前記負荷(51)を冷却している場合において、前記循環ポンプ(45)の作動を開始するとき、負荷温度(T1a)を冷却設定温度(Tset)に制御しながら、前記循環ポンプ(45)の回転数を徐々に増加させる運転周波数を循環ポンプ用インバータ(46)に出力してブラインのタンク側循環流量を徐々に増加させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の低温蓄熱冷却装置。
  5. 前記第2配管系(72)に配置され前記タンク(20)から前記熱交換器(21)に向かう方向の流れのみを許容する他の逆流防止部材(92)をさらに有し、
    前記第4配管系(74)が、前記他の逆流防止部材(92)よりも下流側の位置において前記第2配管系(72)に合流されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の低温蓄熱冷却装置。
  6. ブラインが供給される他の負荷(52)と、
    前記タンク(20)内のブラインを前記他の負荷(52)に導く他の第3配管系(75)と、
    前記他の負荷(52)から戻されるブラインを前記熱交換器(21)に導く他の第4配管系(76)と、
    前記他の第3配管系(75)または前記他の第4配管系(76)に配置される他のポンプ(42)と、
    前記他のポンプ(42)の回転数を可変制御することによって前記他の負荷(52)を流れるブラインの負荷側循環流量を調節するための他のインバータ(44)と、
    前記他の負荷(52)の温度である他の負荷温度(T1b)を検出する他の第1センサ(81b)と、をさらに有し、
    前記コントローラ(80)は、前記他の第1センサ(81b)によって検出した前記他の負荷温度(T1b)の信号が入力され、前記ポンプ(41)および前記他のポンプ(42)の作動をそれぞれ個別に制御することによって、前記負荷(51)および前記他の負荷(52)のそれぞれにおけるブラインの負荷側循環流量を制御して、前記負荷温度(T1a)および前記他の負荷温度(T1b)のそれぞれを制御する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の低温蓄熱冷却装置。
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