JP2011246617A - エチレン−α−オレフィン共重合体 - Google Patents

エチレン−α−オレフィン共重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】強度および耐ブロッキング性に優れるエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体を提供すること。
【解決手段】固体触媒成分、有機アルミニウム化合物、並びに酸素原子を含有する複素環式化合物の存在下に、エチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとを気相重合して得られ、下記要件(A)〜(E)を満足するエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体。
要件(A):メルトフローレート(MFR)が0.3〜5.0g/10分である。
要件(B):メルトフローレート比(MFRR)が20以上である。
要件(C):密度(d)が0.910〜0.930 g/cmである。
要件(D):冷キシレン可溶部(CXS)(重量%)が下記式(1)に示される範囲である。

1.5×10-4×d-125×MFR0.5+2.6≧CXS 式(1)

要件(E):引張り衝撃強度が1000kJ/m以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、強度および耐ブロッキング性に優れるエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体に関するものである。
近年、原油高や容器包装リサイクル法の浸透などを背景に、容器包装材の軽量化が進展しており、同等の重量でもより高い強度を持つ材料への要求が強くなっている。一方、従来から、特に容器包装材に用いるフィルムの特性としては、フィルムから作られた袋等が取り扱い易いことや内容物の充填時、特に自動充填時に袋の口が開き易いこと等に関係してフィルムの耐ブロッキング性、滑り性等に優れることが要求されている。例えば、特許文献1には、気相重合法で製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体中に存在する冷キシレン可溶分の少なく耐ブロッキング性に優れるエチレン−α−オレフィン共重合体が記載されている。
特開2001−139635 号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体においても、強度および耐ブロッキング性の点で更なる改良が求められていた。
本発明の課題は、強度および耐ブロッキング性に優れるエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体を提供することにある。
本発明者等は、本発明が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、マグネシウム、ハロゲン、チタン及び電子供与体を含む固体触媒成分、有機アルミニウム化合物、並びに酸素原子を含有する複素環式化合物の存在下に、エチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとを気相重合して得られ、下記要件(A)、下記要件(B)、下記要件(C)、下記要件(D)及び下記要件(E)を満足するエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体に係るものである。
要件(A):メルトフローレート(MFR)が0.3〜5.0g/10分である。
要件(B):メルトフローレート比(MFRR)が20以上である。
要件(C):密度(d)が0.910〜0.930 g/cmである。
要件(D):冷キシレン可溶部(CXS)(重量%)が下記式(1)に示される範囲である。

1.5×10-4×d-125×MFR0.5+2.6≧CXS 式(1)

要件(E):引張り衝撃強度が1000kJ/m以上である。
本発明は、チーグラー・ナッタ系触媒を用いて気相重合法により得られ、冷キシレン可溶部(CXS成分) が少なく、フィルム、シートに加工した際ブロッキング等の問題が起りにくく、かつ高い強度を有するエチレン−α−オレフィン共重合体を提供する。
本発明のエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体は、マグネシウム、ハロゲン、チタン及び電子供与体を含む固体触媒成分(以下、「固体触媒成分(I)」と記載することがある。)、有機アルミニウム化合物、並びに酸素原子を含有する複素環式化合物の存在下に、エチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとを気相重合して得られ、下記要件(A)、下記要件(B)、下記要件(C)、下記要件(D)及び下記要件(E)を満足する。
要件(A):メルトフローレート(MFR)が0.3〜5.0g/10分である。
要件(B):メルトフローレート比(MFRR)が20以上である。
要件(C):密度(d)が0.910〜0.930 g/cmである。
要件(D):冷キシレン可溶部(CXS)(重量%)が下記式(1)に示される範囲である。

1.5×10-4×d-125×MFR0.5+2.6≧CXS 式(1)

要件(E):引張り衝撃強度が1000kJ/m以上である。
本発明における気相重合とは、実質的に溶媒が存在せず、固相及び気相下において重合が進行して重合体を製造することである。気相重合を行う際には、縦型反応器や横型反応器等の公知の反応器を用いることができ、それらの反応器は、撹拌機を有していても良く、またそれらの反応器を複数個用いても良い。また、気相重合は、連続式でも回分式でも良い。気相重合を行う際の圧力として、好ましくは、常圧〜4.0MPaであり、気相重合を行う際の温度として、好ましくは、55〜95℃である。得られる重合体の溶融流動性を調節する目的で、水素を分子量調節剤として添加して重合することができる。また、露点を調整する目的で、窒素等の不活性ガスを添加して重合することができる。本発明で使用する気相重合反応器としては、流動層型反応器が好適に用いられる。流動層型反応器とは、流動層を利用した反応装置であり、装置下部の細孔を多数有する板(ガス分散板)から導入したガスにより、反応器内に充填された重合体粒子を浮遊させた状態(流動層)で重合反応を行うものである。気相重合に用いられる流動層型反応器においては、装置下部から導入されるガスは、重合体の原料となるオレフィンまたはα−オレフィン、分子量調整剤としての水素、および窒素、不活性炭化水素等から成る混合ガスであり、装置上部から排出されたガスを循環させて装置下部に再び導入する形式が一般的である。流動層内の循環ガスの空塔速度は、反応器内の重合体粒子を流動化させられる程度であれば特に制限されるものではないが、好ましくは0.1〜1.0m/s、より好ましくは、0.2〜0.6m/sである。
本発明における固体触媒成分(I)は、そのまま気相重合に使用しても良いが、固体触媒成分(I)に予備重合処理を行なった予備重合触媒成分をまず製造し、これを本重合に使用しても良い。予備重合処理としては、例えば、懸濁重合、気相重合等が挙げられ、好ましくは、懸濁重合である。また、回分式、半回分式、連続いずれを用いて製造してもよい。予備重合処理は、例えば、固体触媒成分(I)および有機アルミニウムをオレフィンと接触させて行なわれる。予備重合に使用されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1等が挙げられる。予備重合は単独重合でも共重合のいずれでも可能である。
本発明における固体触媒成分(I)としては、例えば、特願平10−59846号公報、特願平10−59848号公報、特願平11−065433号公報等に記載の固体触媒成分が挙げられる。
固体触媒成分(I)に含まれるマグネシウムとは、周期律表第2族元素のマグネシウム原子であり、チタンとは、周期律表第4族元素のチタン原子である。
固体触媒成分(I)に含まれるハロゲンとは、周期律表第17族元素のハロゲンであり、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等であり、好ましくは、塩素原子である。
固体触媒成分(I)に含まれる電子供与体とは、酸素原子、イオウ原子、窒素原子及びリン原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を含む有機化合物であり、例えば、アミン類、スルホキシド類、エーテル類又はエステル類等が挙げられ、好ましくは、エーテル類またはエステル類である。
エーテル類としては、例えば、ジアルキルエーテル類等が挙げられる。ジアルキルエーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられ、好ましくは、ジブチルエーテルまたはテトラヒドロフランである。
エステル類としては、例えば、飽和脂肪族カルボン酸エステル、不飽和脂肪族カルボン酸エステル、脂環式カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等が挙げられる。例えば、酢酸エチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、安息香酸ブチル、コハク酸ジブチル、マロン酸ジブチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジブチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル等が挙げられ、好ましくは、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチルである。
固体触媒成分(I)として、好ましくは、マグネシウム、チタンおよびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体触媒成分前駆体に、第14族元素のハロゲン化合物と電子供与体とを接触させて得られる接触生成物に、さらにTi−ハロゲン結合を有する化合物を接触させて得られるものである。
マグネシウム、チタンおよびハイドロカルビルオキシ基を含有する固体触媒成分前駆体として、好ましくは、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の存在下に、一般式Ti (OR1a4-a(式中、R1は炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0<a≦4を満足する数を表す)で表されるチタン化合物を有機マグネシウムで還元して得られる3価のチタン原子を含有する固体生成物である。
Si−O結合を有する有機ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン及びテトラブトキシシラン等が挙げられ、好ましくはテトラブトキシシランである。
一般式Ti(OR1a4-a(式中、R1は炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、aは0<a≦4を満足する数を表す)で表されるチタン化合物の炭化水素基(R1)としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、好ましくはブチル基である。
一般式Ti(OR1a4-aで表されるチタン化合物のハロゲン原子( X )としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、好ましくは、塩素原子である。また、aとしては、1、2 、3または4であり、好ましくは4である。
一般式Ti(OR1a4-aで表されるチタン化合物としては、例えば、ブトキシトリクロロチタン、ジブトキシジクロロチタン及びトリブトキシクロロチタン、テトラブトキシチタン等が挙げられ、好ましくはテトラブトキシチタンである。
有機マグネシウムとしては、Mg−炭素結合を有するグリニャール化合物等が挙げられる。例えば、メチルクロロマグネシウム、エチルクロロマグネシウム、プロピルクロロマグネシウム、ブチルクロロマグネシウム等が挙げられ、好ましくはブチルクロロマグネシウムである。
固体触媒前駆体と接触させる第14族元素のハロゲン化合物としては、炭素原子またはケイ素原子のハロゲン化合物が挙げられ、好ましくは一般式SiR2 4-bb(式中、R2は炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表す。bは0<b≦4を満足する数を表す)で表されるケイ素原子のハロゲン化合物である。
一般式SiR2 4-bb(式中、R2は炭素原子数が1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表す。bは0<b≦4を満足する数を表す)で表されるケイ素化合物の炭化水素基(R2)としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等が挙げられ、好ましくはブチル基である。
一般式SiR2 4-bbで表されるケイ素化合物のハロゲン原子(X)としては、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ、好ましくは塩素原子である。また、bとしては、1、2、3及び4が挙げられ、好ましくは3または4である。
一般式SiR2 4-bbで表されるケイ素化合物としては、例えば、ブチルトリクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、トリクロロブチルシラン及びテトラクロロシラン等が挙げられ、好ましくはテトラクロロシランである。
固体触媒前駆体と接触させる電子供与体としては、前述のものが挙げられる。
固体触媒成分前駆体に第14族元素のハロゲン化合物と電子供与体とを接触させて得られる接触生成物に、さらに接触させるTi−ハロゲン結合を有する化合物のハロゲンとしては、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ、好ましくは塩素原子である。
Ti−ハロゲン結合を有する化合物としては、例えば、テトラクロロチタン、トリクロロブトキシチタン、ジクロロジブトキシチタン及びクロロトリブトキシチタン等が挙げられ、好ましくはテトラクロロチタンである。
本発明で使用する有機アルミニウム化合物としては、好ましくは、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、またはアルキルアルモキサンであり、より好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロリドとの混合物、またはテトラエチルジアルモキサンである。
本発明における酸素原子を含有する複素環式化合物としては、芳香族複素環式化合物であっても脂肪族複素環式化合物であってもよく、3〜8員環の複素環式化合物が好ましい。かかる複素環式化合物の具体例としては、下記の式で表される化合物が挙げられる。

Figure 2011246617
なお、上記の式におけるXは水素原子、炭化水素基、炭化水素オキシ基または2置換アミノ基(2つの炭化水素基で置換されたアミノ基)であり、分子中のそれぞれのXは互いに結合していても良い。また、これらの複数の化合物が互いのXにおいて、架橋した構造を持つ化合物であってもよい。
複素環式化合物において、環系を構成する原子としてのヘテロ原子は酸素原子であり、少なくとも−C−O−C−結合を環系に有する複素環式化合物であり、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ヘキサメチレンオキシド、1,3−ジオキセパン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、フラン、2,5−ジメチルフラン、またはs−トリオキサンが挙げられ、好ましくは、−C−O−C−O−C−結合を有する4〜8員環の複素環式化合物(ただし、4員環の複素環式化合物の場合、左側の炭素原子と右側の炭素原子は同一の炭素原子であることを意味する。)であり、さらに好ましくは、1,3−ジオキサンおよび1,3−ジオキソランである。
複素環式化合物の使用量は通常、固体触媒成分(I)中のチタン原子1モルに対し、1モル〜2000モルと広範囲で選ぶことができるが、特に5モル〜1000モルの範囲が好ましい。また、複素環式化合物の有機アルミニウム化合物に対する使用量は通常、有機アルミニウム化合物のアルミニウム原子1モルに対し、0.001モル〜10モルと広範囲で選ぶことができるが、特に0.01モル〜5モルの範囲が好ましい。
本発明における炭素数6〜10のα−オレフィンとしては、例えば、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等が挙げられ、好ましくは、ヘキセン−1またはオクテン−1である。
本発明におけるエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体としては、例えば、エチレンと4−メチル−1−ペンテンとの共重合体、エチレンとヘキセン−1との共重合体、エチレンとオクテン−1との共重合体、エチレンとデセン−1との共重合体等が挙げられ、好ましくは、エチレンとヘキセン−1との共重合体またはエチレンとオクテン−1との共重合体である。
本発明におけるエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体の炭素数6〜10のα−オレフィンの含有量として、好ましくは、0.5〜30モル%であり、より好ましくは、1.0〜20モル%である。
本発明におけるエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体のメルトフローレート(MFR)は、0.3〜5.0g/10分であり、好ましくは、0.5〜3.0g/10分であり、より好ましくは、0.7〜2.5g/10分である。
メルトフローレート(MFR)が0.3g/10分未満では、フィルムに適用した場合に、製膜加工時の押出し負荷が過大になりメルトフラクチャーが発生する等の問題が生じ易くなることがあり、5.0g/10分を超えた場合、フィルムの機械特性が損なわれたり、製膜安定性が不充分なことがある。
本発明におけるエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体のメルトフローレート比(MFRR)は、20以上であり、好ましくは、21以上である。
メルトフローレート比(MFRR)が20未満では、フィルムに適用した場合に、製膜加工時の押出し負荷が過大になりメルトフラクチャーが発生する等の問題が生じ易くなることがある。
本発明におけるエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体の密度は、0.910〜0.930g/cm3であり、好ましくは、0.915〜0.930g/cm3、より好ましくは、0.918〜0.927g/cm3である。
密度が0.910g/cm3未満では、フィルムに適用した場合に耐ブロッキング性の悪化や剛性の不足等が起こり、フィルムの取り扱い性が悪くなることがあり、0.930g/cm3を超えた場合、フィルムの光沢性、透明性が不充分なことがある。
本発明におけるエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体の冷キシレン可溶部(CXS)(重量%)は、下記式(1)に示される範囲である。
1.5×10-4×d-125×MFR0.5+2.6≧CXS 式(1)
冷キシレン可溶部(CXS)が上記式(1)の上限を超えた場合、フィルムの耐ブロッキング性、滑り性が不充分となることがある。なお、下限については0以上である。
本発明におけるエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体の冷キシレン可溶部(CXS)として、好ましくは、3.5〜7.3重量%である。
本発明におけるエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体の引張り衝撃強度は、1000kJ/m以上であり、好ましくは、1200kJ/m以上である。
引張り衝撃強度が1000kJ/m未満の場合、容器包装材料として必ずしも十分な強度を有しているとは言えず、特に容器包装材を軽量化する場合、強度不足でフィルムの破断が起る懸念などがある。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
試片(メルトフローレート(MFR)、メルトフローレート比(MFRR)及び密度測定用試料)は、あらかじめ押出機を用いて170〜250℃ において溶融押出して調製した。
評価は下記の方法に従って行なった。
(1)メルトフローレート(MFR) (単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定した。
(2)メルトフローレート比(MFRR)
JIS K7210−1995に規定された方法に従った。荷重211.82N、温度190℃で測定されるメルトフローレート(H−MFR)と、荷重21.18N、温度190℃で測定されるメルトフローレート(MFR)とを測定し、H−MFRをMFRで除した値をメルトフローレート比(MFRR)とした。
(3)密度(単位:g/cm3)
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
(4)冷キシレン可溶部(CXS) (単位:重量%)
米国のCode of federal regulations,Food and Dr ugs Administration の§175 .1520に規定された方法に従った。
(5)引張り衝撃強度(単位:kJ/m2
成形温度190℃、予熱時間10分、圧縮時間5分、圧縮圧力5MPaの条件で圧縮成形された厚み2mmのシートの引張衝撃強度を、ASTM D1822−68に従って測定した。この値が大きいほど機械的強度に優れる。
(6)ブロッキング(単位:N/m2
成形フィルムを、40℃に調整されたオーブン中、400g/cm2の重量下、7日間密着させた後、クロスヘッド速度一定型引張試験機にて引張速度200mm/minの条件で、フィルム面積500cm2をせん断的に引き剥がすのに要する最大応力を測定し、耐ブロッキング性の尺度とした。数値が小さい方が耐ブロッキング性が優れることを示す。
[実施例1]
(1)固体触媒成分の合成
特開2002−187909公報の実施例1(1)固体触媒前駆体の合成および実施例1(2)固体触媒成分の合成に記載の方法に従って固体触媒成分を得た。得られた固体生成物は、Ti:0.97wt%を含有していた。
(2)固体触媒成分の予備重合
内容積210Lの攪拌付きオートクレーブを窒素で置換した後、前記(1)において得られた固体触媒成分1.222kg 、ブタン100L 、トリエチルアルミニウム1.944 モルを投入した。次に温度を40℃に設定し、水素を全圧が1.302MPaになるまで加え、更にエチレンを固体触媒成分1g当り1.55g/g固体触媒成分・hrの割合で18kg加えた。反応終了後ブタンをフラッシュし、予備重合触媒17.86kgを得た。
(3)気相重合
上記予備重合触媒を用い連続式流動床気相重合設備を使用してエチレンとヘキセン−1の共重合を実施した。重合槽を87℃ に昇温後、予め減圧乾燥したポリエチレンパウダー80kgを分散剤として投入し、次いでエチレン/ヘキセン−1/水素/窒素のモル比が40.3/5.8/7.5/46.4となるように調整した2MPaの混合ガスの圧力下、重合槽内で0.34m/秒の流速となるように循環させた。またエチレン/ヘキセン−1/水素/窒素のモル比が設定値からずれた場合は、追添することによりモル比を調整した。次いでトリエチルアルミニウム121ミリモル/hr、1、3−ジオキサン6.1ミリモル上記予備重合触媒2.26g−固体触媒成分/hrの流量で槽内へ投入し、エチレン/ヘキセン−1の流動床気相共重合を連続で24時間行った。得られた重合体の粒子性状は良好であり、重合壁への付着はほとんど見られなかった。触媒当たりの重合体の生成量(重合活性)は、9300g重合体/g固体触媒成分であった。得られたエチレン−ヘキセン−1共重合体の物性を表2に示した。
(4)製膜
得られた重合体パウダーにステアリン酸カルシウム1000ppm 、酸化防止剤(スミライザーGP/住友化学株式会社製)750 ppmを加え、押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ヘキセン共重合体のペレットを得た。得られたペレット75重量部、高圧法低密度ポリエチレン(住友化学株式会社製・F200−0、MFR=2.0[g/10分]、密度=0.921[g/cm3])20重量部、滑剤であるエルカ酸アミドを4重量%の濃度で含有するマスターバッチ3重量部、アンチブロッキング剤である合成シリカを10重量%の濃度で含有するマスターバッチ2重量部を合計100重量部となるようにタンブルミキサーで混合した。得られた前記の混合物を50mmφ押出機、ダイ125mmφ、リップ開度2.0mmのインフレーション成形機によって、加工温度200 ℃、押出量25kg/hr、ブロー比1.8の条件で、厚み30μmのフィルムを成形した。得られたフィルムの物性値を測定し、その結果を表2に示した。
[実施例2]
実施例1と同様の予備重合触媒を用い、表1に示した条件以外は、実施例1と同様の気相重合法によりエチレン−ヘキセン−1共重合体を製造し、実施例1と同様の方法でフィルムを成型した。表2にそれらの物性及びブロッキング値を示した。
[比較例1]
実施例1と同様の予備重合触媒を用い、表1に示した条件以外は、実施例1と同様の気相重合法によりエチレン−ヘキセン−1共重合体を製造し、実施例1と同様の方法でフィルムを成型した(表1に記載のとおり、1,3−ジオキサンは添加しなかった)。表2にそれらの物性及びブロッキング値を示した。このエチレン−ヘキセン−1共重合体を用い、実施例1と同様の方法でそのフィルムを成型した。表2にそれらの物性及びブロッキング値を示した。
[比較例2]
比較例として、気相重合により得られた下記に示すエチレン−ブテン−1共重合体を使用した。
「住友化学株式会社製スミカセン-L FS150A」
このエチレン−ブテン−1共重合体を用い、実施例1と同様の方法でそのフィルムを得た。表2にそれらの物性及びブロッキング値を示した。
同MFR及び同密度である実施例1及び2と比較例1を比較すると、実施例1及び2の方が冷キシレン可溶部(CXS)が少なく、また、ブロッキング値も小さくなっている。即ち、実施例はフィルムに製膜した際のエチレン− ヘキセン−1共重合体の耐ブロッキング性に優れることが分かる。
また、MFR及び密度の値がほぼ同等である実施例1及び2と比較例2を比較すると、実施例1、2の冷キシレン可溶部(CXS)が若干多く、また、ブロッキング値もやや大きめな値を示しているものの、高い引張り衝撃強度を有しており、強度と耐ブロッキング性のバランスに優れることが分かる。
以上述べたように、本発明によれば、高い強度を有し、かつ冷キシレン可溶部(CXS)が少ないエチレン−α−オレフィン共重合体を提供でき、冷キシレン可溶部(CXS)が少ないことから、とりわけ耐ブロッキング性等に優れた特性を有する良好なフィルムを提供できる。また、そのフィルムは、高い強度を有するという優れた特性を生かして、例えば食品、繊維、医薬品、肥料、雑貨品、工業用品等の包装材料用として、また農業用被覆剤および建築用被覆剤として、軽量化を図りながら最適に使用できる。
Figure 2011246617
Figure 2011246617
* 式(1)=1.5×10-4×d-125×MFR0.5+2.6

Claims (3)

  1. マグネシウム、ハロゲン、チタン及び電子供与体を含む固体触媒成分、有機アルミニウム化合物、並びに酸素原子を含有する複素環式化合物の存在下に、エチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとを気相重合して得られ、下記要件(A)、下記要件(B)、下記要件(C)、下記要件(D)及び下記要件(E)を満足するエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体。
    要件(A):メルトフローレート(MFR)が0.3〜5.0g/10分である。
    要件(B):メルトフローレート比(MFRR)が20以上である。
    要件(C):密度(d)が0.910〜0.930 g/cmである。
    要件(D):冷キシレン可溶部(CXS)(重量%)が下記式(1)に示される範囲である。

    1.5×10-4×d-125×MFR0.5+2.6≧CXS 式(1)

    要件(E):引張り衝撃強度が1000kJ/m以上である。
  2. 冷キシレン可溶部(CXS)が、3.5〜7.3重量%である請求項1に記載のエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体。
  3. 複素環式化合物が−C−O−C−O−C−結合を有する4〜8員環の複素環式化合物(ただし、4員環の複素環式化合物の場合、左側の炭素原子と右側の炭素原子は同一の炭素原子であることを意味する。)である、請求項1または2に記載のエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体。
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