JP2011245067A - カーペット及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面パイル層に十分浸透した均一な目止めを施せて、目止めによる毛羽立ち防止効果(耐ファズ性)に優れ、製造する際に多大な塗布量及び熱量を必要としないカーペット、及びそのカーペットの製造方法を提供する。
【解決手段】粘度2000CPS以下、及び無機成分がポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して200重量部以下の低粘度ポリ塩化ビニル樹脂で目止め層を形成することにより毛羽立ち防止効果(耐ファズ性)に優れ、多大な塗布量及び熱量を必要としない、裏打ち層とも強固に接着したカーペットとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、製造する際にエネルギー負荷の小さい目止め層を用いたカーペット及びその製造方法に関する。
従来よりカーペットは、表面パイル層の目止めのためにその裏面に各種材料を塗布することが行われている。この目止めは、カーペット基材の毛羽立ちを防止させるという効果を目的とする。
その一方、カーペットを各種の用途、例えばオフィスに用いられるタイルカーペットや家庭で用いられるカーペットの用途に適用させるために、それぞれの用途に適した裏打ち層が開発され、かかる裏打ち層をカーペット基材に裏打ちすることにより、各種用途に応じたカーペットが使用に供されている。
ここで、かかるカーペットの裏打ち層として従来提案されているものは、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、あるいはオレフィンエラストマー等の高分子材料をベースレジンとするものである。例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体/プロセスオイル/充填材からなる組成物を用いるもの(特開昭55−71734号公報)、エチレンと酢酸ビニル又はエチルアクリレートとの共重合体/硫酸バリウム/可塑剤からなる組成物を用いるもの(特開昭56−53141号公報)、オレフィンエラストマー/充填材からなる組成物を用いるもの(特開昭56−88464号公報)、及び低密度ポリエチレン/硫酸バリウムからなる組成物を用いるもの(特開昭57−139574号公報)等が提案されている。
しかるに、かかる従来の熱溶融型の裏打ち層は、各種特定の用途には適合するものではあるが、高分子材料をベースレジンとしているためもあって、それ自身表面パイル層への浸透力が劣り、また溶融温度が高温であるために、塗布時間即ち浸透のための時間が短い等のために、必ずしも目止めによる毛羽立ち防止効果や抜糸強度の向上効果は、充分とはいえない。
そこで、上記熱溶融型裏打ち層を基材に塗布する際に、カルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体のラテックスからなる組成物を代表とする、各種の高分子材料のラテックス又はエマルジョンからなる組成物を、目止め層としてあらかじめカーペット基材に塗布することが提案されている。
しかし、ラテックスあるいはエマルジョン等を用いる場合、一般にはこれらを塗布後加硫や乾燥することが必要であり、そのためカーペットを加熱乾燥する大型の装置が必要となると共に、高い加熱温度と長い加熱時間のためにカーペット基材の劣化が懸念され、また加熱工程を付加するために作業性や作業効率も低下する。そのうえ、高分子材料からなるラテックスやエマルジョンを使用すると、必然的に発生する廃液の処理設備が必要となり、経済的にも不利である。
特開昭55−71734号公報 特開昭56−53141号公報 特開昭56−88464号公報 特開昭57−139574号公報
この発明は、上述の情況に鑑み、表面パイル層に十分浸透した均一な目止めを施せて、目止めによる毛羽立ち防止効果(耐ファズ性)に優れ、製造する際に多大な塗布量及び熱量を必要としないカーペットを提供し、及びそのカーペットの製造方法を提案することを目的としている。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、粘度5000CPS以下、及び無機成分がポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して200重量部以下の低粘度ポリ塩化ビニル樹脂で目止め層を形成することにより毛羽立ち防止効果(耐ファズ性)に優れ、多大な塗布量及び熱量を必要としない、裏打ち層とも強固に接着したカーペットとすることができることを見出し本発明に到達した。前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]基布にパイルが植設されたパイル布帛からなる表面パイル層と、目止め層と、裏打ち層で構成されたカーペットにおいて、前記目止め層が低粘度ポリ塩化ビニル樹脂で形成され、該低粘度ポリ塩化ビニル樹脂が粘度5000CPS以下、及び無機成分がポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して200重量部以下であることを特徴とするカーペット。
[2]前記裏打ち層が、ガラス繊維や合成繊維の不織布または織布からなる中間層と、ポリ塩化ビニル樹脂および充填剤からなる単層または複数層の樹脂層で構成されることを特徴とする前項1に記載のカーペット。
[3]前記裏打ち層が、ガラス繊維や合成繊維の不織布または織布からなる中間層と、クッション性のある、発泡樹脂層または不織布層で構成されることを特徴とする前項1に記載のカーペット。
[4]前記裏打ち層が、天然繊維や合成繊維の不織布または織布で構成されることを特徴とする前項1に記載のカーペット。
[5]前記目止め層を形成するポリ塩化ビニル樹脂が還元粘度(K値)60〜75のポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のコポリマーからなることを特徴とする前項1乃至4に記載のカーペット。
[6]前記目止め層を形成するポリ塩化ビニル樹脂を常温のゾル状態で、塗布量100〜800g/mで前記表面パイル層の裏面に含浸塗布させた後、加熱キュアし固形化することにより、目止め層を作成することを特徴とするカーペットの製造方法。
[1]の発明では、カーペットを構成する目止め層が粘度2000CPS以下、及び無機成分がポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して200重量部以下の低粘度ポリ塩化ビニル樹脂で形成されているために、表面パイル層に十分浸透した均一な目止めを施せて、毛羽立ち防止効果(耐ファズ性)に優れたカーペットとなる。
[2]の発明では、前記裏打ち層が、ガラス繊維や合成繊維の不織布または織布からなる中間層と、ポリ塩化ビニル樹脂および充填剤からなる単層または複数層の樹脂層で構成されるので、オフィス等で施設されるタイルカーペットとして用いることができ、毛羽立ちの少ない、耐久性のあるカーペットとなる。
[3]の発明では、前記裏打ち層が、ガラス繊維や合成繊維の不織布または織布からなる中間層と、クッション性のある、発泡樹脂層または不織布層で構成されるので、学校施設等で使用されるクッション性のあるカーペットとして用いることができ、毛羽立ちの少ない、クッション性のあるカーペットとなる。
[4]の発明では、前記裏打ち層が、天然繊維や合成繊維の不織布または織布で構成されるので、家庭等で使用されるカーペットとして用いることができ、毛羽立ちの少ないカーペットとなる。
[5]の発明では、前記目止め層を形成するポリ塩化ビニル樹脂が還元粘度(K値)60〜75のポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のコポリマーからなることから、比較的低温で樹脂が硬化するので、低い加工温度で毛羽立ち防止効果(耐ファズ性)に優れたカーペットとなる。
[6]の発明によれば、前記目止め層を形成するポリ塩化ビニル樹脂を、常温のゾル状態で、塗布量100〜800g/mで前記表面パイル層の裏面に含浸塗布させることにより、少量の塗布量で、加熱乾燥に多大な熱量を必要とせず、毛羽立ち防止効果(耐ファズ性)に優れた前記目止め層となる。
以下この発明に係わるカーペットの一実施形態を図面を参照しつつ説明する。この発明のカーペット(1)は、例えば請求項2の構成を例示すると、図1に示すように、基布にパイルが植設されたパイル布帛からなる表面パイル層(2)と、低粘度ポリ塩化ビニル樹脂で形成された目止め層(3)と、裏打ち層(4)として、ガラス繊維や合成繊維の不織布または織布からなる中間層(5)と、ポリ塩化ビニル樹脂および充填剤からなる複数層の樹脂層(6)が積層一体化されてなるものである。
本発明における表面パイル層(2)は、特に限定されるものではないが、例えばカーペット基材の表面にパイルが植設されたもの、タフテッドカーペット、織カーペット、編カーペット、電着カーペット等を例示できるが、基布にパイル糸をタフティング等により植設したタフトカーペットを用いることが好ましく、パイル形態も特に限定されず、カットパイル、ループパイル等いずれの形態であっても良い。
表面パイル層(2)を構成するパイル素材としては、一般的にカーペット素材として使用しているものを用いればよく、ウール、麻、コットン等の天然繊維やポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成樹脂繊維等が挙げられる。またパイルが植設される基布はポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成樹脂繊維からなる織布や不織布を用いることが好ましい。
従来、カーペットの毛羽立ち防止効果(耐ファズ性)を改良するために、カーペット基布の裏面に目止め剤として、固形分濃度約50%のカルボキシ変性スチレン・ブタジエン共重合体のラテックスを800〜2000g/m2 と多量の樹脂量による塗布、多大な熱量による乾燥によって、水分を飛ばし、固形分として400〜1000g/m2の目止め層(3)を形成しているカーペットが広く用いられている。
本発明では、この多量の樹脂量による塗布、多大な熱量による乾燥による目止め加工を施さず、カーペットの表面パイル層(2)の裏面、即ち前記裏打ち層(5)との接着面に常温の低粘度塩化ビニル樹脂からなる目止め層(3)を積層することにより、毛羽立ち防止効果(耐ファズ性)に優れる効果を有することを特徴とする。さらに前記裏打ち層(5)との接着性にも優れ、静置安定性、形状及び寸法安定性、耐久性のいずれにも優れたカーペット(1)とすることができる。
前記低粘度塩化ビニル樹脂からなる目止め層(3)に用いる塩化ビニル樹脂として、増量剤、充填剤を殆ど含まない、5000CPS以下の塩化ビニル樹脂を用いる必要がある。前記粘度範囲であれば、ロールコーティング塗布方法により、塗布量100〜800g/mの低塗布が可能で、大きな熱量を必要とする乾燥工程が不要で、短時間のキュアにより目止め層(3)としての形状の形成が可能となる。さらに、十分なパイルの目止め効果を発揮し、前記表面パイル層(2)表面の毛羽立ちの原因であるフアズ現象を抑えることができる。粘度が2000CPSを超えれば、前記表面パイル層(2)への浸透が不十分となりパイルの目止め効果は発揮せず、また、塗布量が100g/mを下回ってもパイルの目止め効果を発揮させることは困難となり、800g/mを超えると、キュアに大きな熱量と時間を要し負荷の高い工法となり、さらに、重量が嵩むカーペットとなる。
また、前記目止め層を形成するポリ塩化ビニル樹脂の還元粘度(K値)は60〜75のものが浸透性、加工性の面から好適に用いることができる。60を下回れば前記目止め層の強度が不足し、目止めによる毛羽立ち防止効果(耐ファズ性)が不十分となり、75を上回れば浸透性を発揮しない。さらに、前記目止め層を形成するポリ塩化ビニル樹脂の酢酸ビニル含量は3〜6%のものが浸透性、加工性の面から好適に用いることができる。3%を下回ればキュア温度が下がらず、6%を上回れば加工性が低下する。
本発明における請求項2の構成は、主にオフィス等で施設されるタイルカーペットとして使用される構成で、該構成の裏打ち層(4)は、ガラス繊維や合成繊維の不織布または織布からなる中間層(5)と、ポリ塩化ビニル樹脂および充填剤からなる単層または複数層の樹脂層(6)で構成される。
前記中間層(5)はカーペットの形状及び寸法安定性を向上させるものであって、ガラス繊維又はポリエステル繊維の不織布、織布、組布等が挙げられ、不織布としてはモノフィラメントを不規則に配列してバインダー又は熱で固定したもの、織布としてはモノフィラメントの束を織ったもの、組布としてはモノフィラメントの束を縦横斜めに配列してバインダーで固定したものを用いることができる。
形状及び寸法安定性の観点から、中でもガラス又はポリエステル系不織布が好ましく、前記ガラス又はポリエステル系不織布は、前記樹脂層(6)の層間に挿入することにより、カーペットの形状安定性を向上させるものである。即ち、前記ガラス又はポリエステル系不織布は樹脂層との接触面積が大きく、有効にカーペットの形状を安定化することが可能である。この点から目付け量は、好ましくはガラス系不織布では15〜60g/mの範囲とし、ポリエステル系不織布では20〜100g/mの範囲である。いずれもこの範囲より低い目付け量では、寸法安定性の効果が不足し、またこの範囲を超える高い目付け量では、いずれも樹脂層と不織布間の層間剥離が生じ易く好ましくない。
前記樹脂層(6)はカーペットの形状を形成するための層であり、用いる樹脂としては、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のポリマーからなるPVC系ゾルとDOP(ジオクチルフタレート)等の可塑剤との混合物ゾルに充填剤、安定剤、顔料等の所要の添加剤を配合したペースト状物であり、加熱によってゲル化して均質な樹脂層を形成する。
前記樹脂層(6)の塗布量は300〜4000g/mが好適である。塗布量が300〜4000g/mであれば、大きなエネルギーを必要とせず寸法安定性のある裏打ち層となる。この範囲を下回れば強度がある層としての形成が困難で、上回れば層としての形成が困難となる。
本発明における請求項3の構成は、主に学校施設等で施設されるクッション性のあるカーペットとして使用される構成で、該構成の裏打ち層(4)は、前記裏打ち層が、ガラス繊維や合成繊維の不織布または織布からなる中間層(5)と、クッション性のある、発泡樹脂層または不織布層(7)で構成される。
前記中間層(5)は請求項2の構成と同様に、カーペットの形状及び寸法安定性を向上させるものであって、ガラス繊維又はポリエステル繊維の不織布、織布、組布等が挙げられる。
前記クッション性のある発泡樹脂層または不織布層(7)は、発泡樹脂層として、気泡を発生させ、軽量、断熱、弾性といった特性を有する成形物であるポリウレタン系弾性発泡体が用いられる。発泡体の中では、製造の容易性、発泡倍率、条件設定の変更容易性、汎用性等の理由によりポリウレタン系弾性発泡体が好適である。該ポリウレタン系弾性発泡体のクッション性により軽量で快適な歩行性が確保できるカーペットが得られる。
前記ポリウレタン系弾性発泡体の厚さは2.0〜7.0mmであり、3.0〜5.0mmがより好ましい。2.0mm未満であるとクッション性が低下し、7.0mmを超えると嵩高になり、カーペットを施設していない周囲の部分との境目に大きな段差が生じる。また、圧縮弾性率は80〜97%であり、80%未満であると快適な歩行性が低下し、97%を超えるとクッション性が低下する。
また、不織布層としては、合成繊維等または天然繊維等からなる不織布が用いられる。用いる素材としてポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリオレフィン系繊維等の合成繊維等または羊毛、木綿等の天然繊維等を単一または複数混合したものを挙げられるが、熱による寸法変化の少ないポリエステル繊維が好ましい。不織布の種類としては、短繊維フェルト、ニードルパンチ不織布、ケミカルボンド不織布等が挙げられるが、クッション性を考慮すればニードルパンチ不織布が好ましい。
また、前記不織布は、厚さが2.0〜7.0mmであれば、歩行に好適な前記クッション性のある不織布層(7)となり、この範囲であれば、カーペット(1)に好適に寸法安定性及びクッション性を付与することができる。好ましくは4.0〜6.0mmである。厚さが2.0mmに満たないと好適な寸法安定性及びクッション性が得られず、7.0mmを超えると歩行が不安定なカーペット(1)となる。またこの範囲であれば、重量は100〜800g/mとなり、従来のカーペットと比較して格段に軽量化され、施工や運搬の容易性を向上されたカーペット(1)となる。
また、前記クッション性のある不織布(7)においては、繊維が3次元的に絡合している構造により、クッション性が発現し、軽量で快適な歩行性が確保できるカーペット(1)が得られる。前記クッション性のある不織布(7)の圧縮弾性率は80〜97%であり、80%未満であると快適な歩行性が低下し、97%を超えるとクッション性が低下する。
本発明における請求項4の構成は、主に家庭等で使用されるカーペットの構成で、該構成の裏打ち層(4)は、天然繊維や合成繊維の不織布または織布で構成される。用いる素材として麻等の天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリオレフィン系繊維等の合成繊維を単一または複数混合したものを挙げられるが、形状保持性に優れた麻繊維の織布が好ましい。
次に、本発明の目止め層(3)を表面パイル層(2)へ塗布含浸する方法について説明する。この方法は特に限定されないが、目止め材が低粘度であることに鑑みれば、通常は公知の塗布方法であるロールコート法を採用することが適当である。
即ちロールコート法によると、本発明の目止め材を常温のゾル状態で、塗布ロールを回転・接触させて、該塗布ロール上に目止め材の薄膜を形成させ、これを別に移動する表面パイル層(2)上に転写して、含浸塗布させることができる。本発明の目止め層は、かかる方法によれば、容易に塗布含浸が可能である。
目止め材を塗布含浸後、タイルカーペット等の用途に応じた裏打ち材を、目止め材が乾燥固化する前、あるいは加熱キュア後に熱圧着することにより、特定用途の製品としてのカーペットが製造される。
なお、この発明のカーペット(1)は、上記製造方法で製造されるものに特に限定されるものではない。
以下、本発明の実施例について説明する。
<使用材料>表面パイル層:目付90g/m のポリエステル繊維の不織布(カーペット基材)に、ナイロン繊維からなるパイル糸がループパイルにタフティングされたもの(パイル目付610g/m2 )中間層:ガラス繊維からなる不織布(目付35g/m)裏打ち層:ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のポリマーからなるPVC系ゾルとDOP(ジオクチルフタレート)等の可塑剤との混合物ゾルに充填剤、安定剤、顔料等の所要の添加剤を配合した組成物目止め層:低粘度ポリ塩化ビニル樹脂
<実施例1>カーペット加工機において、中間に目付35g/mのガラス不織布を挟んだ、上下3500g/mポリ塩化ビニル樹脂シートを離形性ベルトの上に乗せて加熱し、次に別途、目止め層となる低粘度ポリ塩化ビニル樹脂(粘度1500CPS、炭酸カルシウムがポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して120重量部含有)を300g/mを基布にパイルが植設されたパイル布帛からなる表面パイル層の裏面に塗布し、該表面パイル層を150℃、3分で加熱キュア後、160℃の温度下、圧着ロールで熱圧着し、最後に500mm角の正方形に裁断し、カーペットを製造した。
<実施例2>目止め層として低粘度ポリ塩化ビニル樹脂(粘度1800CPS、炭酸カルシウムがポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して120重量部含有)を用いたこと以外は実施例1と全く同様にしてカーペットを得た。
<実施例3>目止め層として低粘度ポリ塩化ビニル樹脂(粘度1000CPS、炭酸カルシウムがポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して120重量部含有)を用いたこと以外は実施例1と全く同様にしてカーペットを得た。
<実施例4>目止め層として低粘度ポリ塩化ビニル樹脂(粘度1500CPS、炭酸カルシウムがポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して180重量部含有)を用いたこと以外は実施例1と全く同様にしてカーペットを得た。
<実施例5>目止め層として低粘度ポリ塩化ビニル樹脂(粘度1800CPS、炭酸カルシウムがポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して80重量部含有)を用いたこと以外は実施例1と全く同様にしてカーペットを得た。
<比較例1>目止め層として固形分濃度約50%のSBRラテックスを800g/m2 をカーペット加工機とは別の工程で、塗布、乾燥したこと以外は実施例1と全く同様にしてカーペットを得た。
<比較例2>目止め層として低粘度ポリ塩化ビニル樹脂(粘度2500CPS、炭酸カルシウムがポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して120重量部含有)を用いたこと以外は実施例1と全く同様にしてカーペットを得た。
<比較例3>目止め層として低粘度ポリ塩化ビニル樹脂(粘度1800CPS、炭酸カルシウムがポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して300重量部含有)を用いたこと以外は実施例1と全く同様にしてカーペットを得た。
<比較例4>目止め層となる低粘度ポリ塩化ビニル樹脂(粘度1500CPS、炭酸カルシウムがポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して120重量部含有)を70g/mを塗布したこと以外は実施例1と全く同様にしてカーペットを得た。
<比較例5>目止め層となる低粘度ポリ塩化ビニル樹脂(粘度1500CPS、炭酸カルシウムがポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して300重量部含有)を900g/mを塗布したこと以外は実施例1と全く同様にしてカーペットを得た。
上記のようにして得られた各カーペットに対して下記評価法に基づいて耐ファズ性、寸法安定性試験、及び生産合理性を調べた。その結果を表1に示す。
(耐ファズ性)摩耗輪に300グラム荷重を加え20回回転させファズ性を目視評価する。判定基準表により、5級から1級の等級を判定し、4級以上を合格とした。判定基準表5級:パイル形態が試験前とほとんど変化のないもの。4級:毛羽がわずかに認められるもの。3級:毛羽が試料の同一円周上に認められるもの。2級:毛羽が繊維束状に発生しパイル形態に変化が認められるもの。1級:パイルの原形を留めないもの。
(生産合理性)工程数及び使用熱量の高低に応じて、負荷の低い工法を○とし、負荷の高い工法を×とした。
表1から明らかなように、実施例1〜5のカーペットは、いずれも耐ファズ性、及び生産合理性に優れた十分に使用に耐えうるカーペットを得た。
これに対し、比較例1のカーペットは耐ファズ性、及び生産合理性に劣り、比較例2.3のカーペットは耐ファズ性に関して良好な性能は得られなかった。
本発明における一実施形態(請求項2の構成)に係るカーペットの概略断面図である。 本発明の一実施形態(請求項2の構成)に係わる本発明カーペットの製造装置の概略図である。
1・・・カーペット 2・・・表面パイル層 3・・・目止め層 4・・・裏打ち層 5・・・中間層 6・・・ポリ塩化ビニル樹脂および充填剤からなる樹脂層 7・・・熱処理領域

Claims (6)

  1. 基布にパイルが植設されたパイル布帛からなる表面パイル層と、目止め層と、裏打ち層で構成されたカーペットにおいて、前記目止め層が低粘度ポリ塩化ビニル樹脂で形成され、該低粘度ポリ塩化ビニル樹脂が粘度5000CPS以下、及び無機成分がポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して200重量部以下であることを特徴とするカーペット。
  2. 前記裏打ち層が、ガラス繊維や合成繊維の不織布または織布からなる中間層と、ポリ塩化ビニル樹脂および充填剤からなる単層または複数層の樹脂層で構成されることを特徴とする請求項1に記載のカーペット。
  3. 前記裏打ち層が、ガラス繊維や合成繊維の不織布または織布からなる中間層と、クッション性のある、発泡樹脂層または不織布層で構成されることを特徴とする請求項1に記載のカーペット。
  4. 前記裏打ち層が、天然繊維や合成繊維の不織布または織布で構成されることを特徴とする請求項1に記載のカーペット。
  5. 前記目止め層を形成するポリ塩化ビニル樹脂が還元粘度(K値)60〜75のポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のコポリマーからなることを特徴とする請求項1乃至4に記載のカーペット。
  6. 前記目止め層を形成するポリ塩化ビニル樹脂を常温のゾル状態で、塗布量100〜800g/mで前記表面パイル層の裏面に含浸塗布させた後、加熱キュアし固形化することにより、目止め層を作成することを特徴とするカーペットの製造方法。
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