JP2011244714A - ペットフード - Google Patents

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Abstract

【課題】不飽和脂肪酸含有油脂を含有し、高い保存安定性と嗜好性を具備するペットフードを提供する。
【解決手段】次の成分(A)〜(D)を含有するペットフード。
(A)二重結合を2つ以上含む不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂、
(B)鉄、鉄化合物、銅及び銅化合物から選ばれるミネラル成分、
(C)クエン酸及び/又はその塩 合計量がモル比で成分(B)の10倍以上、
(D)ローズマリー抽出物。
【選択図】なし

Description

本発明は、不飽和脂肪酸含有油脂を含むペットフードに関する。
ペットブームによりペット飼育数は増大しており、それに伴いペットの高齢化、運動不足、栄養過多等によりペットの肥満、糖尿病、肝臓疾患等のヒトの成人病と同様の疾病が増大している。また、避妊手術後のホルモンバランスの狂いによって肥満する犬や猫が多くなっている。このような肥満や体重増加を防止するためのペットフードが数多く開発されている。例えば、不飽和脂肪酸含有量を高くした油脂を配合したペットフードが提案されている。
このようなペットフードは、不飽和脂肪酸を多く含むため、保存環境によっては酸化され易く、臭い、嗜好性などに影響を与えることがある。そこで本出願人は高ミネラル含有のペットフードにおいて、ビタミンC誘導体を配合する技術(特許文献1)や、天然由来の抗酸化剤を含有させると共にペットフード中の鉄イオン及び銅イオンの含有量をコントロールする技術(特許文献2)により、長期保存安定性を改善することを提案してきた。
また、食品用途での抗酸化システムとして、中鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするグリセライドと酸化防止剤を組み合わせたもの(特許文献3)、ヤマモモ抽出物と水溶性酸化防止剤及び親油性酸化防止剤を組み合わせたもの(特許文献4)、マッシュルーム菌糸体培養濾液等と抗酸化剤とを組合せたもの(特許文献5)などが提案されている。
特開2005−204659号公報 特開2007−110916号公報 特開2004−115758号公報 特開2007−185138号公報 特開平7−59548号公報
近年における、ペットの健康志向の高まりの中では、種々の生理的効果を有することが期待されているω3脂肪酸やω6脂肪酸といった、分子内に不飽和結合を多く持つ脂肪酸を構成脂肪酸とする油脂を多く配合するペットフードが求められている。しかしながら、これら脂肪酸は非常に酸化しやすく、長期に亘って生理的効果を発現させることが困難である。したがって、このような高度不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする油脂を含有するペットフードにおいて、長期の保存安定性を達成することが求められている。
そこで本発明者らは、二重結合を2つ以上有する不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含有する油脂を含むペットフードの長期保存安定性について検討してきたところ、不飽和脂肪酸含有油脂にペットフードに必要な金属塩、特に銅や鉄を配合すると当該油脂の酸化は促進されてしまい、両者を含有する安定なペットフードは得られないことが判明してきた。そこで、その酸化安定性を改善すべく種々検討したところ、抗酸化作用を有するとされているカテキン、ビタミンE、レシチン、ビタミンC類、カロチンなど単独での配合では、不飽和脂肪酸含有油脂と金属塩含有ペットフードの酸化は十分に防止できなかったのに対し、クエン酸又はその塩を所定量以上配合することにより顕著に酸化が防止できることを見出した。
本発明者は、当該クエン酸又はその塩配合によるペットフードの安定化作用をさらに向上させるべく検討した結果、全く意外にも、単独の添加ではほとんど酸化防止作用を有さないローズマリー抽出物を、所定量以上のクエン酸又はその塩とともに配合すれば、不飽和脂肪酸含有油脂と金属塩を含有するペットフードの安定性を顕著に改善できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(D)を含有するペットフードを提供するものである。
(A)二重結合を2つ以上有する不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂、
(B)鉄、鉄化合物、銅及び銅化合物から選ばれるミネラル成分、
(C)クエン酸及び/又はその塩 合計量が成分(B)に対してモル比で10倍以上、
(D)ローズマリー抽出物
また、本発明は、(A)二重結合を2つ以上有する不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂と、(B)鉄、鉄化合物、銅及び銅化合物から選ばれるミネラル成分とを含有する組成物に、(C)クエン酸及び/又はその塩、及び(D)ローズマリー抽出物を配合することを特徴とする該組成物の酸化防止方法を提供するものである。
本発明のペットフードは長期保存安定性に著しく優れている。したがって、ω3、ω6等の高度不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として多量に含む油脂を配合した場合などにおいては、その期待される生理的機能を長期に亘って発現することが可能となる。また、脂肪酸の酸化に伴う臭いの変化、嗜好性の低下等が効果的に抑制可能である。
油脂とミネラル成分を含む組成物に対する種々の抗酸化剤の抗酸化力をランシマット試験法で評価した結果を示す図である。 試料の電気伝導率の経時変化を示す図である。 クエン酸及び/又はその塩に加えて、ローズマリー抽出物の配合がランシマット立ち上がり時間に及ぼす影響を示す図である。
本発明のペットフードは、(A)二重結合を2つ以上有する不飽和脂肪酸(以下、単に高度不飽和脂肪酸ともいう)を構成脂肪酸として含む油脂を含有する。当該油脂の構成脂肪酸中の高度不飽和脂肪酸の含量は、ペットの皮膚及び被毛の健康の点から、20〜90質量%(以下、単に%で示す)、さらに23〜80%、特に25〜70%であることが好ましい。また、構成脂肪酸として高度不飽和脂肪酸を含む油脂のペットフード中の含量は、2〜45%が好ましく、2.5〜40%がより好ましく、3〜35%がさらに好ましい。ここで、高度不飽和脂肪酸としては、炭素数18〜24の高度不飽和脂肪酸が好適なものとして挙げられる。二重結合を2つ有する不飽和脂肪酸としてはリノール酸が挙げられる。また、二重結合を3つ以上有する不飽和脂肪酸を多く含むことが種々の生理的効果を期待できる観点から好ましい。当該不飽和脂肪酸としては、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA),ドコサヘキサエン酸(DHA)が好ましく、成分(A)の油脂の構成脂肪酸中の当該脂肪酸の含量として3.0%以上が好ましく、3.5%以上がより好ましく、4.0%以上がさらに好ましい。
なお、成分(A)の油脂を構成する脂肪酸としては、高度不飽和脂肪酸以外に、二重結合を1つ有する不飽和脂肪酸及び飽和脂肪酸を含んでいても良い。ここで、二重結合を1つ有する不飽和脂肪酸としては炭素数16〜24の不飽和脂肪酸が挙げられ、オレイン酸、パルミトオレイン酸等が好ましい。また、飽和脂肪酸としては炭素数12〜18の飽和脂肪酸が挙げられ、パルミチン酸、ステアリン酸等が好適である。
本発明においては、成分(A)以外の油脂、すなわち高度不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含まない油脂を含有していても良い。本発明のペットフード中の全油脂の含有量は、嗜好性とペットフードの不快臭除去の点から6〜50%が好ましく、6〜45%がより好ましく、6〜40%がさらに好ましく、8〜35%が特に好ましい。
本発明のペットフードに用いられる上記の油脂としては、前記高度不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含むサフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、ナタネ油、大豆油、パーム油、ひまわり油、アマニ油、ごま油、ラード、牛脂、魚油、乳脂、ココナツ油、ヤシ油、米ぬか油、紫蘇油、エゴマ油、月見草油、ヘンプシード油等が挙げられる。これらの中でも、二重結合を3つ以上有する不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として多く含むアマニ油、魚油、紫蘇油、エゴマ油、月見草油、ヘンプシード油が好ましい。しかし、油脂として配合したものに限られず、他の植物原料、又は動物原料中に油脂が含有されている場合にはこれも含む。また、油脂中には、ジグリセリドが含まれていてもよい。
本発明のペットフードはまた、成分(B)として鉄、鉄化合物、銅及び銅化合物から選ばれるミネラル成分を含有する。
鉄化合物としては、硫酸鉄、塩化第二鉄、フマル酸第一鉄、炭酸第一鉄、酸化鉄等が挙げられる。該鉄化合物のペットフード中の含有量は、ペットフードの配合において許容できる範囲、鉄換算で0.00001〜1%、さらに0.00005〜0.3%、特に0.0001〜0.1%が好ましい。
銅化合物としては、硫酸銅、塩化銅、酸化銅、炭酸銅、硫化銅、銅クロロフィル等が挙げられる。該銅化合物のペットフード中の含有量は、ペットフードの配合において許容できる範囲、銅換算で0.00001〜0.1%、さらに0.00005〜0.03%、特に0.0001〜0.01%が好ましい。
これらのミネラル成分のうち、鉄又は鉄化合物と銅又は銅化合物とは併用するのが好ましい。本発明では、これらのミネラル成分の合計の含有量は、ミネラル換算(鉄換算及び銅換算)で0.0005〜1%が好ましく、0.0005〜0.5%がより好ましく、0.001〜0.1%がさらに好ましい。
本発明のペットフードには、ミネラル成分として鉄、銅以外に、マンガン、コバルト、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム等を含有してもよい。これらミネラル成分は、例えば、酸化マンガン、炭酸コバルト、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等として配合される。
本発明のペットフードは、さらに成分(C)として、クエン酸及び/又はその塩を含み、その合計量が成分(B)に対してモル比で10倍以上である。ここでクエン酸塩としてはアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が挙げられ、特にアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩としては、クエン酸の正塩(三アルカリ金属塩)、一水素二アルカリ金属塩及び二水素アルカリ金属塩を意味する。クエン酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられ、特にナトリウム塩であることが好ましい。なお、本明細書において、特に断らない限りは、クエン酸ナトリウムという場合にはクエン酸三ナトリウム塩(二水和塩)を表わす。
クエン酸及びその塩の合計量が成分(B)の金属に対してモル比で10倍以上であると、クエン酸及び/又はその塩とローズマリー抽出物との併用による酸化防止効果が相乗的に向上する(図3参照)。図3に示すように、同モル比が10倍未満の場合(図では、2倍〜8倍)にも酸化防止効果の上昇傾向は見られるが、ローズマリー抽出物の配合量によってその上昇の程度にばらつきが生じ易い。安定的に酸化防止効果の上昇を得る観点から、本発明ではモル比を10倍以上としている。当該成分(C)の合計量は、成分(B)に対してモル比で11倍以上がさらに好ましく、12倍以上が特に好ましい。また、クエン酸又はその塩の合計量は、嗜好性の点から、成分(B)に対してモル比で60倍以下が好ましい。
また、成分(C)はペットフード中にクエン酸換算で0.2%以上含まれていることが好ましい。ここで「クエン酸換算で」とは、成分(C)としてクエン酸及びクエン酸のアルカリ金属塩(以下、クエン酸類とも言う)が含まれている場合、又は成分(C)がクエン酸のアルカリ金属塩のみである場合、アルカリ金属分を水素に置き換えてクエン酸分子量とみなして質量を換算することを意味する。
本発明のペットフードは、保存安定性及び嗜好性の点から、クエン酸類をクエン酸換算で0.5%以上、さらに0.7%以上、特に1.0%以上含有していることが好ましい。クエン酸類含有量の上限値としては、嗜好性、保存時の臭いを考慮して5.0%、特に4.0%が好ましい。
本発明のペットフードでは、成分(C)とともに、成分(D)としてローズマリー抽出物を含有する。ローズマリー抽出物は、本発明のように高度不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂とミネラル成分との配合系においては、単独で使用した場合には効果が低く、ミネラル成分を含まない系の抗酸化力にまで及ばない(図1参照)。一方、クエン酸1.0%を単独で配合した系においては、抗酸化力がミネラル成分を含まない系のレベルまで回復する。本発明においては、成分(A)の油脂に対して所定量のクエン酸とローズマリー抽出物を共存させることによって、各々単独での効果からは想像できないレベルにまで抗酸化力が向上することを見出したものである。実際、他の一般的に知られている抗酸化剤であるδ−トコフェロールをクエン酸と共存させた場合には、クエン酸単独よりも抗酸化力が低下する現象が観測された(図1)。つまり、この抗酸化力の向上はクエン酸とローズマリー抽出物を組み合わせたことによる特有の現象と言える。
本発明に用いられるローズマリー抽出物は、シソ科の植物であるローズマリーの葉の水及び/又は有機溶剤抽出物であり、一般的にハーブであるローズマリー独特の香気を有している。より詳細には、ローズマリーの葉を乾燥し、粉砕し、水、熱水、ヘキサン、エタノール、アセトン、酢酸エチルあるいはこれらの混合溶剤等で抽出することにより得られる。本発明では、上記水及び又は有機溶剤による抽出物の他、これを製剤化したオレオレジン製剤類又は構成成分であるロスマノール、カルソノール、イソロスマロール等の製剤類も使用してもよい。これらの抽出物をさらに減圧法、加熱減圧法、超臨界抽出法、カラム吸着法等により脱臭処理したもの(以下、脱臭品と記載する)が風味の点で特に好ましい。ここで、ローズマリー抽出物の市販品としては、ハーバーロックスタイプO、同タイプHT−O、同タイプ25、デュオライトNMH、同NM−1(以上、カルセック社製)、レオミールE、レオミールIO(以上、ライオン(株)製)RMキーパー(以上、三菱化学フーズ製)等が挙げられる。
成分(D)は抗酸化効果の点から、成分(A)の油脂に対して0.04%以上含有される。より高い抗酸化効果と風味および経済的な観点から、0.04%以上0.4%以下、特に0.08%以上0.2%以下であることが好ましい。
また、成分(D)は、抗酸化効果と風味の観点から本発明のペットフード全量中に0.004%以上、さらに0.008%以上、特に0.01%以上含有するのが好ましい。
本発明のペットフードはそのpHが3.5〜7.0であることが好ましい。当該範囲であると、上記成分(B)による上記成分(A)の酸化がより効果的に抑制され、嗜好性も良好となる。当該pHが4.0〜7.0、さらに好ましくは4.5〜6.8であると、酸化抑制効果が一層高まるとともに、保存時の臭いが良好になるので好ましい。クエン酸類を含み、かつpHがこのような範囲とするには、クエン酸のほかにpH調整剤を加える方法がある。そのような方法の中でも、クエン酸とクエン酸塩を併用する方法がpH調整がし易いとともに、嗜好性も良好で、風味も統一感があるので好ましい。特に、クエン酸塩として上述のクエン酸アルカリ金属塩を用いることが好ましい。
なお、「ペットフードのpH」とは、ペットフードを以下の方法によって測定したときのpHのことを意味する。
<ペットフードのpH測定方法>
ペットフード10gを45℃のイオン交換水(好ましくは25℃における電気伝導度が0.01mS/m以下のイオン交換水)60mL中に加えて十分に攪拌し、1時間静置した後に定性ろ紙(No.1, Advantec製)を用いてろ過し、濾液を25℃においてpH測定した。
なお、ペットフードの性状が固形の場合には、乳鉢等を使用して細かく磨り潰した後に上記攪拌操作を行うことが好ましい。
本発明のペットフードには、さらに炭水化物を含むことが好ましい。炭水化物源としては、単糖類、オリゴ糖、多糖類、食物繊維、デンプン類等が含まれる。デンプン類としては、ワキシーコーンデンプン、コーンデンプン、小麦デンプン、米デンプン、糯米デンプン、馬鈴薯デンプン、甘露デンプン、タピオカデンプン、サゴデンプン、又はこれらに化学的処理を施したものや化学修飾した加工デンプン等が挙げられる。また、炭水化物は、穀物類として含有させてもよく、穀物類としては、とうもろこし、小麦、ライ麦、ソルガム、米、ひえ、あわ、アマラサンサス、キヌア等が挙げられる。炭水化物は、ペットフード中に10〜70%、さらに20〜60%、特に30〜50%含有するのが、経済的、肥満防止効果、摂取性、便の状態、及び外観を健康的に美しくする点から好ましい。
本発明のペットフードにおいては、さらに動物性又は植物性のタンパク質を含むことが、肥満防止効果、摂取性、栄養バランス、及び外観を健康的に美しくする点から好ましいが、摂取性の点から動物性タンパク質が特に好ましい。動物性タンパク質としては、カゼイン等の乳タンパク質も挙げられるが、肥満防止効果及び摂取性の点から、動物性肉類タンパク質が好ましい。このような動物性肉類タンパク質としては、牛、豚、羊、うさぎ、カンガルー等の畜肉及び獣肉、並びにその副生成物及び加工品;鶏、七面鳥、うずら等の鳥肉並びにその副生成物及び家屋品;魚、白身魚等の魚肉並びにその副生成物及び加工品;ミートミール、ミートボーン、チキンミール、ポータリーミール、フィッシュミール等の上記原料のレタリング等が挙げられる。このうち、肥満防止効果の点で、鶏肉、魚肉が特に好ましい。複数の肉類タンパク質を混合して用いる場合には、鶏肉及び/又は魚肉を肉類中の30〜100%、特に50〜100%含有させるのが好ましい。
植物性タンパク質としては、大豆タンパク質、小麦タンパク質、小麦グルテン、コーングルテン等が好ましい。
本発明のペットフード中に動物性又は植物性タンパク質は、乾燥減量で5〜70%、さらに10〜60%、特に15〜40%含有するのが好ましい。
本発明のペットフードには、さらに植物ステロールを含有してもよい。植物ステロールは、ペットフード中に、コレステロール低下効果の点で、0.1%以上、さらに0.5%以上含有するのが好ましい。また植物ステロール含有量の上限は、0.1〜30%の範囲であればよい。ここで植物ステロールとしては、例えばα−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、シクロアルテノール等のフリー体、及びこれらの脂肪酸エステル、フェルラ酸エステル、桂皮酸エステル等のエステル体が挙げられる。
本発明のペットフードには、さらに、ぬか類、粕類、野菜、ビタミン類、他の抗酸化剤等を配合することができる。ぬか類としては、米ぬか、ふすま等が、粕類としては、大豆粕等が挙げられる。野菜類としては野菜エキス等が挙げられる。ビタミン類としては、A、B1、B2、D、E、ナイアシン、パントテン酸、カロチン等が挙げられ、0.05〜10%含有するのが好ましい。この他、一般的にペットフードに使用されるゲル化剤、保型剤、pH調整剤、調味料、防腐剤、栄養補強剤等も含有することができる。
本発明のペットフードは、前記成分を混合し、所望の形態にすることにより製造できるが、成分(A)の油脂成分は最後に添加するのが好ましい。例えば、穀物、肉ミール並びに鉄及び銅等のミネラル成分とともに、クエン酸及びクエン酸塩を混合し、十分混合したあとに、水や水蒸気で加水しながらエクストルーダーによって押出成型をする。その後に、好ましくは水分が10%以下になるまで熱風乾燥させる。二重結合が二つ以上の脂肪酸を多く含む油脂は、熱風乾燥させたあとに、コーティングするのが望ましい。
また、本発明のペットフードとしては、ドライタイプ、ウェットタイプ、セミモイストタイプ、ジャーキータイプ、ビスケットタイプ、ガムタイプ、粒状、粉状、スープ状等いずれの形態であってもよいが、ドライタイプであることが保存の簡便性から好ましい。通常、ドライタイプの場合には、複数回食餌量のペットフードがラミネート製のパッケージ内に収容されているが、開封後には空気と触れ易い環境となるために酸化が進行し易い。したがって、本発明のペットフードはドライタイプにおいてより効果を発揮し易いといえる。
ドライタイプのペットフードとしては、キブル形状、平板形状、骨形状などが挙げられる。ペットの噛み易さや形状の観点からは、嵩密度が100〜900kg/m3、特に300〜700kg/m3であることが好ましい。しかしながら、このような嵩密度であると、表面積が高くなるとともに表面に多数の空隙が存在しやすくなるので、ペットフード中の油脂の酸化が進みやすいと言える。しかし、このような場合であっても、本願発明のペットフードは高い抗酸化力を有しているので、上述した長所を活かすことが可能である。このためにペットの嗜好性に優れ、長期に亘って風味等が劣化せず、しかも高度不飽和脂肪酸に起因する所望の生理的効果の恩恵を受けることができる。
<試料の調製>
表1に示す(A)油脂、(B)ミネラル成分、(C)クエン酸+クエン酸ナトリウム(質量比1:2;以下、クエン酸混合物という)、(D)ローズマリー抽出物、(X)その他の抗酸化剤の種々の組み合わせの試験を行った。試験は(A)油脂3gに(D)ローズマリー抽出物および(X)その他の抗酸化剤を配合し、(B)ミネラル成分及び(C)クエン酸/クエン酸塩を少量の水に溶解したものを添加して行った。
Figure 2011244714
なお、試験に用いた材料の詳細は次に示す。
(A)油脂 脂肪酸組成は表2に示した通り。
(B)ミネラル成分
塩化第二鉄:試薬、和光純薬製
塩化第二銅:試薬、和光純薬製
(C)クエン酸混合物
クエン酸ナトリウム(二水和物):試薬、和光純薬製
クエン酸(無水):試薬、和光純薬製
(D)ローズマリー抽出物
製品名 Harbalox HT-OC(ローズマリー抽出物含有量40%)Kalsec Inc製
製品名 RMキーパー(ローズマリー抽出物含有量20%) 三菱化学フーズ株式会社製
(X)その他の抗酸化剤
カテキン製剤:製品名 ポリフェノン 三井農林株式会社
(茶抽出物:含有量30%)
δ−トコフェロール:タマ生化学株式会社製
ミックス−トコフェロール:Archer Daniels Midland Company製
Figure 2011244714
<抗酸化剤の評価方法>
調製した試料を、自動油脂安定性試験装置(「ランシマット743」、メトローム社製)に取り付け、20mL/minの条件で空気をバブリングしながら120℃に保ち、電気伝導率を測定する。経時時間に対する電気伝導率をプロットし、図2のようにして立ち上がりの時間(単位:時間)を求め、安定性の評価とする。これは、酸化により電気伝導率が増加するという原理に基づく評価であり、立ち上がり時間が長いことは酸化に対する耐性が高いことを意味する。
Figure 2011244714
<ランシマット立ち上がり時間の見方>
抗酸化剤の効果は、それを添加する前の組成に比べて、立ち上がり時間が延びているかどうかを判断基準とした。また、これまでの経験から、ペットフードに用いる油脂はランシマットの立ち上がり時間(以下立ち上がり時間とする)が3時間を超えることが好ましいと考えられるので、これを好ましい組成と評価した。また、これらの結果の一部を元にして作成したグラフを図1に示す。
<クエン酸混合物の効果をさらに高める素材>
試験番号12、17、20、22は夫々、油脂、ミネラル及びクエン酸を配合した系で、各抗酸化剤を有姿で対油脂1.0質量%添加した結果を示す。試験番号4との対比で、ローズマリー抽出物のみにクエン酸混合物の効果をさらに高める効果が認められた。
ローズマリー抽出物は、クエン酸混合物と比較して、一般的に高価でありかつ独特の香気を有する。したがって、最小限の添加量で最大の効果を引き出すためにクエン酸混合物の量の調整が必要である。試験番号5−9及び11までで、クエン酸混合物の濃度の検討を行い、結果を図3に示した。クエン酸混合物をミネラルの10モル倍以上必要添加することで、ローズマリー抽出物を添加した際の酸化防止効果を安定的かつ最大限引き出せることがわかった。
また、クエン酸混合物をミネラルの10モル倍以上のところで、ローズマリー抽出物の濃度を変化させると、0.04%添加でクエン酸混合物単独配合時の安定性を超え、ローズマリー抽出物の添加効果が確認できた。また、0.08%以上添加することでペットフードとしての十分な酸化安定性(立ち上がり時間3時間超)を示した。
<ペットフードにおける抗酸化力の評価>
表4に示す組成の原料を用い、表6に記載の成分を添加し、エクストルーダーで混合押出成型をすることにより、直径10mm、長さ約10mmの円柱状のペットフード(キブル)を製造した。嵩密度は472g/m2であった。
参考例のペットフードから抽出した油脂のグリセリドまたは脂肪酸組成、二重結合を2つおよび3つ以上有する不飽和脂肪酸含量を表5〜7に示す。
ペットフードに含まれる全油脂は15%、ペットフード中の二重結合を2つ以上有する不飽和脂肪酸の含有量は28.2%、また二重結合を3つ以上有する不飽和脂肪酸の含有量は7.45%であった。
Figure 2011244714
Figure 2011244714
Figure 2011244714
Figure 2011244714
<油脂の臭いの評価方法>
室温(約20℃)で4週間保存し、油脂の臭いの変化を5名のヒトによる官能で評価した。気にならない範囲の順から、「変性臭がほとんど感じない」と答えた人数が「4名以上」を○、「2〜3名」を△、「1名以下」を×と表わした。
<安定性試験方法>
室温(約20℃)で保存を行い、それぞれ0週目と4週目に取り出し、含有する油脂のPOV(過酸化物価)の測定を行った。その間でのPOV上昇値を表4に示す。
<POV(過酸化物価)の測定方法>
過酸化物価(POV)については、日本油脂化学会制定の「規準油脂分析試験法」の2.4.12.2−94「過酸化物価」に従って分析した。
(1)ペットフードからの油脂の抽出
50gのキブルを粉砕し、1mm目開きのふるいに通し、そのサンプルを円筒ろ紙に充填し、コック付きのオープンカラムにセットした。コックを閉じたまま、上方から滴下ロートで150mLのジエチルエーテルを滴下し、滴下終了後カラムのコックを開けてジエチルエーテルを回収した。次に、50mLジエチルエーテルにて同様の操作を行った。回収したジエチルエーテルをエバポレーターにより除去し、ペットフードからの抽出油脂を得た。
(2)油脂のPOV測定
ペットフードから抽出した油脂0.5gを250mLのトールビーカーに量り取り、酢酸/イソオクタン=3/2(容積比)の溶液20mL溶かした。0.1mLの飽和ヨウ化カリウム溶液をそのトールビーカーに加え、1分間よく振とうした。その後、30mLの蒸留水を加え滴定サンプルとした。この滴定サンプルを0.01Nチオ硫酸ナトリウムで滴定した。このとき、メトロームシバタ(株)のPOV自動滴定装置、DMPティトリーノ785型を使用した。
(3)抗酸化効果の評価
油脂のPOVの上昇値(4週間)が10以下の場合を○、10を超え15以下の場合を△、15を超える場合を×として、表4に示した。なお、無添加の場合のPOVは35ぐらいであった。
<クエン酸換算値の測定方法>
ミキサーで砕いたキブル(3.0g)に5%過塩素酸5mLを加え、10分間震とうする。震とう後、50mLのメスフラスコで定容する。10分間超音波処理を行い、ろ過した溶液を用い高速液体クロマトグラ(HPLC)法で測定する。なお、HPLC測定条件は以下の通りである。
カラム:Shodex Rspak KC-811 2本、直径8mm×長さ300mm(昭和電工株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相:3mmol/L過塩素酸水溶液
反応液:0.2mmol/Lブロムチモールブルー含有15mmol/Lリン酸水素二ナトリウム水溶液
流量:移動相1.0mL/分、反応液1.4mL/分
測定波長:445nm
表4に示すように、実施例のペットフードは4週間の保存において、高い酸化安定性を示した。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)〜(D)を含有するペットフード。
    (A)二重結合を2つ以上含む不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂、
    (B)鉄、鉄化合物、銅及び銅化合物から選ばれるミネラル成分、
    (C)クエン酸及び/又はその塩 合計量がモル比で成分(B)の10倍以上、
    (D)ローズマリー抽出物。
  2. 前記クエン酸の塩がクエン酸アルカリ金属塩である請求項1記載のペットフード。
  3. 前記成分(C)が、クエン酸とクエン酸の塩を共に含むものである請求項1又は2記載のペットフード。
  4. 前記成分(A)が、構成不飽和脂肪酸としてω3又はω6不飽和脂肪酸を3質量%以上含む油脂である請求項1〜3のいずれか記載のペットフード。
  5. pHが3.5〜7.0である請求項1〜4のいずれか記載のペットフード。
  6. ドライタイプである請求項1〜5のいずれか記載のペットフード。
  7. (A)二重結合を2つ以上含む不飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂と、(B)鉄、鉄化合物、銅及び銅化合物から選ばれるミネラル成分とを含有する組成物に、(C)クエン酸及び/又はその塩、及び(D)ローズマリー抽出物を配合することを特徴とする該組成物の酸化防止方法。
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