JP2011242980A - 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】時系列に連続する画像データの画像内に存在する移動対象を当該画像データの分散値に基づき検出する画像処理装置において、前記時系列に連続する画像データに基づき画素毎の分散値を算出するとともに、各画素の分散値に対して当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた割合で当該画素の分散値を膨張させる膨張処理と、各画素の分散値に対して当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた割合で当該画素の分散値を収縮させる収縮処理を行い、前記膨張処理および収縮処理がなされた分散値を含む分散値画像データを生成する分散値画像生成部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
つまり、フレーム間の各画素に対して処理を施した後、その結果に対して閾値処理を行うことで、人物対象を含む領域であるか、それ以外の領域であるかを判断するものである。
本発明は、上記課題を解決するものであり、空間的な連続性を確保した人物対象の検出を行うことができる画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置の一例を示す概略図である。
本実施形態に係る画像処理装置100は、連続する画像データの時間的および空間的な連続性を保ちつつ、画像データの画像内に存在する移動対象(例えば人物対象)を検出画像処理装置である。この画像処理装置100は、人物が一般的には完全な静止状態になることはほとんど無く、画像データ内においても、ふらつきなどにより微少な動きの変化が現れることを利用して、画像データの分散値が示す分散が大きい画像領域を検出する。ここで、画像処理装置100は、分散値を算出する際に、複数枚の画像データの各画素値の変化から「人物らしさ」を示す分散値を算出し、各フレーム画像データの画素毎に、「人物らしさ」に応じた画像変換を全画素に対して行うことで、時間的および空間的に連続性を保つ画像処理を行う。
例えば、分散値画像生成部3は、画像蓄積部2に蓄積されているフレーム画像データFk(k=フレーム番号)を読み出し、例えば、フレーム画像データFkに含まれる各画素に対応するデータ値(以下、画素値Ik(x,y)という)の平均値I ̄(x,y)を算出する。この分散値画像生成部3は、この平均値I ̄(x,y)に基づき決められる規定範囲から外れる外れ値を除去する外れ値除去処理を行う。
分散値画像生成部3は、画像蓄積部2から、処理対象画像であるフレーム画像データFNと、このフレーム画像データFNと時系列に連続するM個のフレーム画像データを読み出す。この分散値画像生成部3は、例えば、処理対象画像であるフレーム画像データFNよりも過去にカメラ1によって撮影されたM枚のフレーム画像データFN―M,FN―M+1,・・・,FN―1を読み出す。つまり、分散値画像生成部3は、画像蓄積部2から処理対象画像を含む連続するM+1枚の画像のフレーム画像データFN―M〜FNを取得する。なお、取得するフレーム画像データの数M+1は、任意の枚数とする。
このように、分散値画像生成部3は、外れ値を規定する規定範囲として、平均値との差分が閾値以上外れている画素値を外れ値として規定するものであってもよく、平均値との差分が閾値以上外れている画素値の中から平均値との差分の大きい任意の点数の画素値を外れ値として規定するものであってもよい。
例えば、分散値画像生成部3は、複数のフレーム画像データの画素毎に、含まれる画素値を小さい順に並べ替えて中央値を算出する。規定範囲としては、この中央値との差分が閾値以上の外れている画素値を外れ値として規定するものであってもよく、中央値との差分が閾値以上の外れている画素値の中から中央値との差分の大きい任意の点数の画素値を外れ値として規定するものであってもよい。これにより、分散値画像生成部3は、平均値との差分ではなく中央値とそれぞれのフレーム画像データの該当画素の画素値との差分を算出し、この差分に基づき、中央値から大きく外れている画素値を取り除くことができる。
分散値画像生成部3は、各画素の分散値に対して当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた割合で当該画素の分散値を膨張させる膨張処理と、各画素の分散値に対して当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた割合で当該画素の分散値を収縮させる収縮処理を行い、膨張処理および収縮処理がなされた分散値を含む分散値画像データを生成し、この分散値画像データを高周波数成分抑制部5に出力する。
また、収縮処理は、例えば、任意の画素に対応する分散値S(i,j)に対して、隣接する8画素の中から最小となる画素の値を、当該画素に対応する分散値S(i,j)の値とする演算を、分散値画像生成部3が、任意の回数実施する処理である。
なお、膨張処理および収縮処理の実行回数は同じ回数とする。また、隣接する8画素とは、任意の画素(i,j)に対して、例えば、画素(i―1,j+1)、(i,j+1)、(i+1,j+1)、(i―1,j)、(i+1,j)、(i―1,j−1)、(i,j−1)、(i+1,j−1)である。
一方、隣接する8つ画素に対応する分散値のうち、任意の画素(i,j)に対応する分散値S(i,j)よりも大きい分散値Sがあった場合、この最大の分散値を分散値S(i,j)とする演算を行う。
周波数成分分離部4は、例えば、処理対象画像であるフレーム画像データFNに対して荷重平均フィルタを使用して、低周波数成分画像データを生成することができる。この低周波数成分画像データは、各画素値に対応する画素低周波数成分L(x,y)を含む。
なお、周波数成分分離部4は、低周波数成分画像データを生成する際に一般的に画像処理として使用される加重平均フィルタや、荷重値の一例としてはガウス関数を使用したガウシアンフィルタ等を使用するものであってもよい。また、フレーム画像データを小領域毎に分割し、該当する小領域に含まれる画素値の平均値を、小領域内の各画素値とするモザイク画像とするものであってもよい。
つまり、周波数成分分離部4は、式(3)に従って、画素高周波数成分HN(x,y)を算出することができる。
ここで、高周波数成分抑制部5は、予め決められている人物対象の動きに応じた分散値特性に基づき、高周波数成分を抑制する対象である分散値の閾値が設定されている。
一方、高周波数成分抑制部5は、分散値画像データにおける分散値が閾値以上の領域(つまり、人物として検出された領域)に対しては、高周波数成分を抑制するための画像変換を行う。よって、輪郭情報を抑制することにより個人を識別するための特徴を少なくすることができる。
この結果画像生成部6は、例えば、高周波数成分抑制部5から入力する高周波数成分画像データの画素高周波数成分H´(x,y)と、周波数成分分離部4から入力される低周波数成分画像データの画素低周波数成分L(x,y)を、式(6)に従って合成し、結果画像データI´(x,y)を生成する。
また、画像蓄積部2として、例えば、ハードディスク、RAID装置、CD−ROM等の記録媒体が利用可能である。または、画像データは、画像蓄積部2に蓄積されるものに限られず、例えば、ネットワークを介して分散値画像生成部3や周波数成分分離部4に入力するリモートなデータ資源であってもよい。
上述の通り、画像処理装置100は、時系列に連続する複数のフレーム画像データをカメラ1から入力して、最新のフレーム画像データから過去に取得された複数枚のフレーム画像データにわたって複数枚のフレーム画像データを画像蓄積部2に蓄積する。この画像処理装置100は、画像蓄積部2に蓄積されているフレーム画像データから、任意の枚のフレーム画像データを使用し、当該フレーム画像データに含まれる人物対象の「人物らしさ」を示す情報を、画素毎の分散値を算出することで得る。
このため、フレーム画像データにおいて、動きのある対象を含む画像領域では、分散値は大きくなるが、動きの無い対象を含む画像領域では、画素値の変動が少ないため分散値は非常に小さな値となる。
このようにして、画像処理装置100は、分散値の変化を時系列に分析することによって、動く対象である「人物らしさ」を示す情報を含む画像領域を、人物対象の画像領域であると判断することができる。
また、分散値画像生成部3は、上述の通り、比較的少数のフレーム画像データでの動き検出があった画素に対して、該当フレームの値を外れ値として取り除いた後、分散値を再算出する。このとき、処理対象画像であるフレーム画像データFNに関しては、瞬間的な動きのあった場合においても外れ値として取り除かないことで、処理対象画像以前に瞬間的な動きのあった画素は分散値を抑制しつつ、処理対象画像において瞬間的な動きのあった画素では分散値を保存することができる。
例えば、長時間、同じ個所に留まっている人物をカメラ1が撮影した場合、人物の周辺領域には人物のふらつきによる動きが発生しているため、人物周辺の画像領域の分散値も他の静止している対象の画像領域の分散値よりも大きくなる。しかしながら、空間的に画素値の変動が少ない人物中心付近の領域では、分散値も小さくなり、人物らしさを示す情報(例えば分散値)も小さな値となってしまう。
このフローチャートは、本発明は蓄積されている処理対象画像を含む連続した複数枚のフレーム画像データから画像中の動きに着目して「人物らしさ」に相当する分散値画像を算出するフローと、処理対象画像であるフレーム画像データから低周波数成分画像データと高周波数成分画像データを生成するフローと、分散値画像データ、高周波数成分画像データ、および低周波数成分画像データから「人物らしさ」の高い領域に対してより強い画像変換を行うフローからなる。
一方、全ての画素に対応する分散値S(x,y)を算出した場合(ステップST5−無し)、分散値画像生成部3は、ステップST5までに処理された結果に対して、モルフォロジー演算に基づき、膨張処理および収縮処理を行う(ステップST6)。つまり、全ての画素に対応する分散値S(x,y)に基づき、分散値画像生成部3は、各画素の分散値に対して当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた割合で当該画素の分散値が示す分散の大きさに応じた膨張処理および収縮処理を行う。そして、分散値画像生成部3は、この膨張処理および収縮処理を行った後に得られる分散値から分散値画像データを生成し、高周波数成分抑制部5に出力する。なお、ステップST2からステップST6までの処理は、分散値画像生成部3の処理に相当する。
また、分散値画像生成部3は、分散値算出処理を行って得られた各画素の分散値に対して、当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた膨張処理および収縮処理を行うことで、空間的に連続性を保つ画像処理を行うことができる。
よって、高周波数成分抑制部5は、高周波数成分を抑制することで個人を特定しにくい画像に変換する画像処理を実現し、プライバシーの保護に役立てることができる。
これにより、例えば、公共の場所に設置されたカメラ1(例えば、監視カメラ等)で撮影された時系列に連続する画像から、人物らしい領域に対して個人を特定できないような画像を生成する画像処理を行うことができる。
また、図4では、分散値画像生成部3が分散値画像データを算出するフローにおいて、平均値に基づき外れ値除去処理を行う例を用いて説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、図5に示すように、平均値の代わりに、中央値を用いるものであってもよい。
つまり、分散値画像生成部3は、複数のフレーム画像データFN―M,FN―M+1,・・・,FNに基づき、各フレーム画像データFN―M,FN―M+1,・・・,FNに含まれる画素値Ik(x,y)を、画素毎に昇順または降順に並び変える並び替え処理を行う(ステップST12)。そして、分散値画像生成部3は、並び替えられた画素値Ik(x,y)のうち、中央に位置する中央値を算出する(ステップST13)。
例えば、本実施形態において、画像入力装置として、カメラ1を例に説明したが、本発明はこれに限られず、時系列に連続する画像(映像)を示す画像データを入力する装置であればよく、例えば、外部のカメラやビデオカメラによって撮影された画像データをネットワークやケーブルを介して入力するインターフェースを備える入力装置であってもよい。
これにより、カメラ1が取得したフレーム画像データを処理対象画像として使用し、画像取得間隔以下の時間内に全ての処理を行うことができ、これにより、実時間(リアルタイム)での処理を行うことができる。
例えば、車の動きに応じた分散値の変化特性を予め調べておき、当該変化特性を有するが分散値を有する画像領域を車に対応する画像領域であると判断し、当該車に対応する画像領域の高周波数成分画像データの高周波数成分を、高周波数成分抑制部5が抑制する構成であってもよい。
Claims (7)
- 時系列に連続する画像データの画像内に存在する移動対象を当該画像データの分散値に基づき検出する画像処理装置において、
前記時系列に連続する画像データに基づき画素毎の分散値を算出するとともに、各画素の分散値に対して当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた割合で当該画素の分散値を膨張させる膨張処理と、各画素の分散値に対して当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた割合で当該画素の分散値を収縮させる収縮処理を行い、前記膨張処理および収縮処理がなされた分散値を含む分散値画像データを生成する分散値画像生成部と、を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 処理対象画像であるフレーム画像データに対して荷重平均フィルタを用いて低周波数成分画像データを生成するとともに、前記フレーム画像データと前記低周波数成分画像データとの差分を算出して高周波数成分画像データを生成する周波数成分分離部と、
前記分散値画像データが示す分散の大きさに応じて、前記高周波数成分画像データの各画素値を抑制して抑制高周波成分画像データを生成する高周波数成分抑制部と、
前記低周波数成分画像データと前記抑制高周波数成分画像データを合成する結果画像合成部とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記分散値画像生成部は、
前記連続する画像データの画素値に基づき画素毎に前記画素値の平均値を算出し、前記平均値と前記連続する画像データのそれぞれの画素値を比較して、前記平均値に基づき決められる規定範囲から外れる外れ値を除去する外れ除去処理を画素毎に行い、当該外れ値を除去した画素値に基づき前記分散値を算出することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の画像処理装置。 - 前記分散値画像生成部は、
前記連続する画像データの画素値を画素毎に昇順あるは降順に並び替えて、当該並びにおける中央値を算出し、前記中央値と前記連続する画像データのそれぞれの画素値を比較して、前記中央値に基づき決められる規定範囲から外れる外れ値を除去する外れ除去処理を画素毎に行い、当該外れ値を除去した画素値に基づき前記分散値を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 時系列に連続する画像データの画像内に存在する移動対象を当該画像データの分散値に基づき検出する画像処理方法において、
前記時系列に連続する画像データに基づき画素毎の分散値を算出するステップと、
各画素の分散値に対して当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた割合で当該画素の分散値を膨張させる膨張処理を行うステップと、
各画素の分散値に対して当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた割合で当該画素の分散値を収縮させる収縮処理を行うステップと、
前記膨張処理および収縮処理がなされた分散値を含む分散値画像データを生成するステップと、
処理対象画像であるフレーム画像データに対して荷重平均フィルタを用いて低周波数成分画像データを生成するステップと、
前記フレーム画像データと前記低周波数成分画像データとの差分を算出して高周波数成分画像データを生成するステップと、
前記分散値画像データが示す分散の大きさに応じて、前記高周波数成分画像データの各画素値を抑制して抑制高周波成分画像データを生成するステップと、
前記低周波数成分画像データと前記抑制高周波数成分画像データを合成するステップと、を備えることを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータに、
前記時系列に連続する画像データに基づき画素毎の分散値を算出する手順、
各画素の分散値に対して当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた割合で当該画素の分散値を膨張させる膨張処理を行う手順、
各画素の分散値に対して当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた割合で当該画素の分散値を収縮させる収縮処理を行う手順、
前記膨張処理および収縮処理がなされた分散値を含む分散値画像データを生成する手順、
処理対象画像であるフレーム画像データに対して荷重平均フィルタを用いて低周波数成分画像データを生成する手順、
前記フレーム画像データと前記低周波数成分画像データとの差分を算出して高周波数成分画像データを生成する手順、
前記分散値画像データが示す分散の大きさに応じて、前記高周波数成分画像データの各画素値を抑制して抑制高周波成分画像データを生成する手順、
前記低周波数成分画像データと前記抑制高周波数成分画像データを合成する手順、
を実行させるためのプログラム。 - コンピュータに、
前記時系列に連続する画像データに基づき画素毎の分散値を算出する手順、
各画素の分散値に対して当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた割合で当該画素の分散値を膨張させる膨張処理を行う手順、
各画素の分散値に対して当該画素の周辺にある画素の分散値に応じた割合で当該画素の分散値を収縮させる収縮処理を行う手順、
前記膨張処理および収縮処理がなされた分散値を含む分散値画像データを生成する手順、
処理対象画像であるフレーム画像データに対して荷重平均フィルタを用いて低周波数成分画像データを生成する手順、
前記フレーム画像データと前記低周波数成分画像データとの差分を算出して高周波数成分画像データを生成する手順、
前記分散値画像データが示す分散の大きさに応じて、前記高周波数成分画像データの各画素値を抑制して抑制高周波成分画像データを生成する手順、
前記低周波数成分画像データと前記抑制高周波数成分画像データを合成する手順、
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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