JP2011241854A - 円筒体への取付部材の取付構造及びマグナス型風力発電装置 - Google Patents

円筒体への取付部材の取付構造及びマグナス型風力発電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】寒冷地などで使用した際に、取付部材の円周部が円筒体の内周面から剥離することを防止できる円筒体への取付部材の取付構造を提供すること。
【解決手段】円筒形状をなす円筒体7と、円筒体7への取付対象となっている取付部材35と、を有し、取付部材35には、円筒体7の内径と略同一径の外径を有する円周部35dが形成され、円周部35dが円筒体7内に嵌入されるとともに、円周部35dの全周と円筒体7の内周面7bとが接着剤49により接着される円筒体7への取付部材35の取付構造であって、取付部材35と円筒体7とが互いに異なる熱膨張率を有する材質で形成され、取付部材35が熱変化したときに、円周部35dの外周面と円筒体7の内周面7bとを離間させる方向に働く応力を、円周部35dの外周面から離れた位置に集中させる応力集中手段50が、円周部35dの周縁の複数箇所に設けられる。
【選択図】図6

Description

本発明は、円筒体の内周面と取付部材の外周面とを接着剤により接着させる円筒体への取付部材の取付構造及びこの取付構造を用いたマグナス型風力発電装置に関する。
従来、マグナス型風力発電装置などにおいて、円筒状をなすブレードまたは回転円筒翼(円筒体)の内周面に、軸受の周囲等に設けられた略円盤状をなす部材(取付部材)の外周面(円周部)を接続させるものがある(例えば、特許文献1及び2参照)。また、同様の円筒体や取付部材を有するマグナス型風力発電装置がある(例えば、特許文献3及び4参照)。
特開2005−256605号公報(第2図) 特開2005−256606号公報(第3図) 米国特許第4366386号明細書(第4図) 独国特許第3246694号明細書(第1図)
しかしながら、特許文献1〜4に記載のマグナス型風力発電装置にあっては、円筒体の軽量化及び高強度化のために、円筒体を取付部材と互いに異なる熱膨張率を有する材質で形成するとともに、取付部材の円周部と円筒体の内周面とを接着剤を用いて接続する場合がある。そして、このようなマグナス型風力発電装置を寒冷地などで使用して、取付部材と円筒体とが気温の低下に伴って収縮した際に、取付部材の収縮率が円筒体の収縮率よりも大きいと、取付部材が収縮する力によって、取付部材の円周部と円筒体の内周面とを互いに離間させる方向に働く応力が生じ、この応力が接着剤で接着させた部位に集中するようになり、接着剤に亀裂が生じて取付部材の円周部が円筒体の内周面から剥離してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、寒冷地などで使用した際に、取付部材の円周部が円筒体の内周面から剥離することを防止できる円筒体への取付部材の取付構造及びこの取付構造を用いたマグナス型風力発電装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の円筒体への取付部材の取付構造は、
略円筒形状をなす円筒体と該円筒体への取付対象となっている取付部材とを有し、該取付部材には、少なくとも一部に前記円筒体の内径と略同一径の外径を有する円周部が形成され、該円周部が前記円筒体内に嵌入されるとともに、該円周部の全周と前記円筒体の内周面とが接着剤により接着される円筒体への取付部材の取付構造であって、
前記取付部材と前記円筒体とが互いに異なる熱膨張率を有する材質で形成され、前記取付部材が熱変化したときに、前記円周部の外周面と前記円筒体の内周面とを離間させる方向に働く応力を、前記円周部の外周面から離れた位置に集中させる応力集中手段が、該円周部の周縁の複数箇所に設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、互いに熱膨張率が異なる円筒体及び取付部材を寒冷地で使用した際に、取付部材の熱収縮変化が円筒体の熱収縮変化よりも大きいと、取付部材が気温の低下とともに収縮する力によって円周部の外周面と円筒体の内周面とを離間させる方向に応力が働くようになり、この応力を円周部の周縁の複数箇所に設けられた応力集中手段によって、円周部の外周面から離れた位置に集中させることで、接着剤で接着された部位に加わる応力が弱まるようになり、円周部の全周が円筒体の内周面から剥離してしまうことを防止できる。
本発明の円筒体への取付部材の取付構造は、
前記円筒体が繊維強化プラスチックにより形成されるとともに、前記取付部材が金属部材により形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、互いに熱膨張率が大きく異なる繊維強化プラスチック及び金属部材の材質を用いても、前記応力集中手段により円周部の全周が円筒体の内周面から剥離してしまうことが防止され、寒冷地で耐久性のある取付構造とすることができ、かつ繊維強化プラスチックにより軽量で高強度の円筒体となるとともに、金属部材により応力集中手段の形成加工が施し易い取付部材となる。
本発明の円筒体への取付部材の取付構造は、
前記応力集中手段は、前記円周部の軸方向に延びる空間部を該円周部に形成することで設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、空間部の形成により周方向または径方向に変形し易くなり、取付部材が収縮する力によって働く応力によって、円周部の周縁が周方向または径方向に変形することで、接着剤で接着された部位に応力が集中されずに済み、かつ円周部の外周面の軸方向にわたって応力集中手段が設けられ、円周部の全周が円筒体の内周面から剥離してしまうことを防止できる。
本発明の円筒体への取付部材の取付構造は、
前記空間部は、前記円周部の軸方向に延びるように形成された溝部となっていることを特徴としている。
この特徴によれば、取付部材が収縮する力によって働く応力は、溝部の奥側に集中するようになり、接着剤で接着された部位に働く応力を低減できるばかりか、円周部の周縁における溝部の開口側は、溝部が拡大する方向、即ち円周部の周方向に変形され、円周部の外周の一箇所に加わる応力の他の箇所への伝達が溝部により断たれるようになり、円周部の全周が円筒体の内周面から剥離してしまうことを防止できる。
本発明の円筒体への取付部材の取付構造は、
前記溝部は、前記円周部の外周面から切り欠かれて形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、円周部の周縁における溝部の開口側が拡大したときに、円周部の外周面と円筒体の内周面とを接着する接着剤が溝部の位置で分断され、分断された各接着剤の接着箇所に加わる応力が、他の接着箇所の接着剤に影響を与えないようになり、円周部の全周が円筒体の内周面から剥離してしまうことを防止できる。
本発明の円筒体への取付部材の取付構造は、
前記空間部は、前記円周部の軸方向に延びるように形成された孔部となっていることを特徴としている。
この特徴によれば、応力集中手段を孔部により形成することで、円周部の周縁の強度を維持した状態で、取付部材が収縮する力によって働く応力を、円周部の外周面から離れた位置に集中させることができ、かつ孔部の形状が変化するように変形されるため、円周部の周縁が周方向または径方向に変形し易くなる。
本発明の円筒体への取付部材の取付構造は、
前記応力集中手段は、前記円周部の周方向に略等間隔に設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、円周部の周縁の全周にわたって偏りなく応力集中手段を設けることができ、取付部材が収縮する力によって働く応力が集中する箇所を円周部の周縁に均等に分散させることができる。
本発明のマグナス型風力発電装置は、
発電機構部に回転トルクを伝達する回転体と、該回転体から略放射状に所要数配設された回転円柱と、該各回転円柱をこれら回転円柱の軸周りに回転駆動する駆動モータと、を備え、前記各回転円柱の回転と風力との相互作用で生じるマグナス揚力により前記回転体を回転させて前記発電機構部を駆動するようになっており、略円筒形状をなす円筒体と該円筒体への取付対象となっている取付部材とを有し、該取付部材には、少なくとも一部に前記円筒体の内径と略同一径の外径を有する円周部が形成され、該円周部が前記円筒体内に嵌入されるとともに、該円周部の全周と前記円筒体の内周面とが接着剤により接着されるマグナス型風力発電装置であって、
前記取付部材と前記円筒体とが互いに異なる熱膨張率を有する材質で形成され、前記取付部材が熱変化したときに、前記円周部の外周面と前記円筒体の内周面とを離間させる方向に働く応力を、前記円周部の外周面から離れた位置に集中させる応力集中手段が、該円周部の周縁の複数箇所に設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、互いに熱膨張率が異なる円筒体及び取付部材を用いたマグナス型風力発電装置を寒冷地で使用した際に、取付部材の熱収縮変化が円筒体の熱収縮変化よりも大きいと、取付部材が気温の低下とともに収縮する力によって円周部の外周面と円筒体の内周面とを離間させる方向に応力が働くようになり、この応力を円周部の周縁の複数箇所に設けられた応力集中手段によって、円周部の外周面から離れた位置に集中させることで、接着剤で接着された部位に加わる応力が弱まるようになり、円周部の全周が円筒体の内周面から剥離してしまうことを防止できる。
マグナス揚力の説明図である。 実施例1におけるマグナス型風力発電装置を示す正面図である。 マグナス型風力発電装置を示す側面図である。 スパイラル条が設けられた回転円柱を示す正面図である。 回転円柱の内部を示す縦断側面図である。 図5における回転円柱を示すA−A横断平面図である。 図5における回転円柱を示すB−B横断平面図である。 動力伝達部材と回転円柱との接着部位を示しており、図8(a)は拡大側面図であり、図8(b)は拡大平面図である。 連結部材と回転円柱との接着部位を示しており、図9(a)は拡大側面図であり、図9(b)は拡大平面図である。 実施例2における動力伝達部材と回転円柱との接着部位を示しており、図10(a)は拡大側面図であり、図10(b)は拡大平面図である。 連結部材と回転円柱との接着部位を示しており、図11(a)は拡大側面図であり、図11(b)は拡大平面図である。 実施例3におけるドライブシャフトを示す縦断側面図である。 図12におけるドライブシャフトを示すC−C縦断正面図である。
本発明に係る円筒体への取付部材の取付構造及びマグナス型風力発電装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係るマグナス型風力発電装置につき、図1から図9を参照して説明する。以下、図2及び図4の紙面手前側をマグナス型風力発電装置の正面側(前方側)とし、図3と図5から図7の紙面右方側をマグナス型風力発電装置の正面側(前方側)として説明する。
一般的なマグナス揚力の発生メカニズムについて説明すると、図1の円筒形状を成す回転円柱Cの断面図に示すように、回転する回転円柱Cに当たった空気の流れは、図1のような回転円柱Cの回転方向(左回り)と空気流Nの向きでは、回転円柱Cの回転とともに上方に流れるようになり、このとき回転円柱Cの上方側を流れる空気が、回転円柱Cの下方側を流れる空気の速度よりも速く流れるので、回転円柱Cの上方側の負圧と下方側の正圧とで空気圧に差が生じるマグナス効果が生じるようになり、回転円柱Cには、空気の流れNと垂直をなす方向にマグナス揚力Yが発生するようになっている。
図2及び図3に示す符号1は、本発明の適用されたマグナス型風力発電装置であり、このマグナス型風力発電装置1は、地面に立設された支台2の上部に、水平方向に旋回自在に軸支される発電機構部3を有しており、この発電機構部3は、内部に配置された鉛直モータ4を駆動させることで水平方向に旋回できるようになっている。
図2及び図3に示すように、発電機構部3の正面側には、回転の軸心が水平方向を向く回転体5が配置されており、この回転体5は図2を参照すると正面視で右回りに回転するように軸支されている。回転体5の正面側には、フロントフェアリング6が取り付けられており、回転体5の外周には、5本の略円筒形状の回転円柱7(円筒体)が放射状に配置されている。各々の回転円柱7は、これら回転円柱7の軸周りの予め決められた回転方向に回転自在に軸支されている。尚、回転体5を構成する材質には、鉄等の金属部材が用いられている。
図4に示すように、回転円柱7の外周表面7aには、回転円柱7の基端部から先端部までの全長に渡って、スパイラル(螺旋)状に形成されたスパイラル条8が一体に巻き回して形成されており、このスパイラル条8は、回転円柱7の外周表面7aから突出するように略凸状に形成されている。また、この凸状スパイラル条8は、1つの回転円柱7の外周表面7aに6条設けられている。
また、回転円柱7の直径は、その基端部から先端部にかけて同径に形成されており、更に、回転円柱7の先端面には、回転円柱7の直径よりも大きな直径を有する円盤状のエンドキャップ9が取り付けられている。
所要幅、所要高さの6重螺旋をなすスパイラル条8は、回転円柱7の長手方向の全体に渡って設けられ、回転円柱7の先端側から見たときに右ネジ状の右螺旋状をなすように固着されている(図6参照)。
図3に示すように、発電機構部3の内部には、長手方向が水平方向を向くアウターシャフト10が配置されており、アウターシャフト10は発電機構部3内部に配置されたベアリング11を介して回転自在に支持されている。このアウターシャフト10の軸内は貫通されており、アウターシャフト10の軸内には、インナーシャフト12が挿設されている。
図3に示すインナーシャフト12はアウターシャフト10内部に配置されたベアリング13を介して回転自在に軸支されている。アウターシャフト10及びインナーシャフト12は互いに独立して回転することができる。
図3に示すように、アウターシャフト10の後端には、ギア14が固着されており、このギア14は、発電機構部3内の発電機15に接続されているギア16と係合されている。アウターシャフト10の前端には、発電機構部3の外方に突出されており、このアウターシャフト10の前端に回転体5が固着されている。
図3に示すように、インナーシャフト12の後端は、アウターシャフト10から突出されたギア17が固着されており、このギア17は、発電機構部3内の駆動モータ18と連動されているギア19と係合される。また、インナーシャフト12の前端は、アウターシャフト10から突出されており、このインナーシャフト12の前端には、大径のベベルギア20が固着されている。
図3に示す駆動モータ18とギア19との間には、駆動モータ18の回転力を一方向に伝達するワンウェークラッチ22が配置されており、ギア19の回転によって駆動モータ18に逆方向の回転力が加わっても、ワンウェークラッチ22によって駆動モータ18の逆回転を防止できるようになっている。更に、発電機構部3内部には、駆動モータ18の起動用の電力を蓄えるバッテリー23が配置されている。尚、鉛直モータ4や駆動モータ18は、マグナス型風力発電装置1の周囲環境の風向や風速を観測する風向計(図示略)や風速計(図示略)に接続された制御回路24によって制御されるようになっている。
図2に示すように、インナーシャフト12に固着された大径のベベルギア20は、アウターシャフト10に固着された正面側の回転体5内部の中心に配置されるとともに、このベベルギア20は前方側に向かって窄まるように配置されている。更に、この大径のベベルギア20には、5つの小径のベベルギア21が係合されており、5つの小径のベベルギア21は、回転体5の外周に配置された5本の回転円柱7の内部に延設された動力伝達軸25に連結されている。
図3に示す発電機構部3内部の駆動モータ18を駆動させるとインナーシャフト12を介して駆動モータ18の回転動力が大径のベベルギア20に伝達され、このベベルギア20に係合される5つの小径のベベルギア21が回転され、各々のベベルギア21に連結された動力伝達軸25が回転される。そして、動力伝達軸25の回転動力が、動力伝達部材35を介して回転円柱7に与えられるようになっており、回転円柱7が、該回転円柱7の軸回りに回転されるようになっている。
マグナス型風力発電装置1を用いて発電する際には、先ず風向計(図示略)によって風向きを検出し、制御回路24が鉛直モータ4を駆動させて、回転体5の正面側から風が当たるように、風向きに合わせて発電機構部3を旋回させる。すると図3に示すように、マグナス型風力発電装置1の正面側から自然風Nが当たるようになる。
そして、発電機構部3内部のバッテリー23に蓄えられている起動用の電力を駆動モータ18に供給し、駆動モータ18を駆動させる。インナーシャフト12及びベベルギア20、21を介して駆動モータ18の動力が伝達され、各々の回転円柱7が回転しはじめる。各々の回転円柱7の回転と風力との相互作用で生じるマグナス揚力Yによって、回転円柱7及び回転体5は、アウターシャフト10を軸心として回転されるようになる。
図6を参照して回転円柱7の回転方向とスパイラル条8の巻き方について詳述すると、回転円柱7の先端側から見たときに、回転円柱7のスパイラル条8の巻き方が右ネジ状の右螺旋状をなす場合、回転円柱7の回転方向は左回りとなっている。スパイラル条8の巻き方向が回転円柱7の回転方向に対して逆向きとなっているため、図2及び図4に示すように、回転円柱7の外周表面7aを流れる空気を回転体5に近づく方向に向けて流すことができる。
図4に示すように、スパイラル条8が回転円柱7に施されることにより、回転円柱7の回転時に、スパイラル条8によって、空気の流れFが発生する。この際、回転円柱7の外周表面7aに、自然風Nや回転円柱7と伴に回転する回転円柱7の表層の空気の動きとは別に、回転円柱7の軸と平行な空気の流れ成分V(ベクトル成分V)を発生させることができる。図2に示すように、この空気の流れ成分Vは、回転円柱7の先端側から回転体5(回転円柱7の基端側)に向けて流れるようになっている。
図4及び図6に示すように、回転円柱7の外周の空気流、すなわち回転円柱7の外周表面7aに空気流動Fを発生させることで、自然風N(空気流N’)と、回転円柱7と伴に回転する回転円柱7の表層の空気の動きとで形成される三次元的な空気流が形成される。
そして図6に示すように、各々の回転円柱7の回転と風力との相互作用で生じるマグナス揚力Yが増大される。ここで言うスパイラル条8で与えられる空気の流れFは、全てが回転円柱7の軸と平行な方向を向いている必要はなく、少なくとも回転円柱7の軸と平行なベクトル成分Vがあれば充分効果がある。発明者の1つの考察であるが、マグナス揚力Yが高まる理由として、回転円柱7に加わる負圧と正圧との差圧が高まる現象や、揚力発生面が拡大する現象等が発生していると考えられる。
また、エンドキャップ9を利用すると、マグナス効果が向上するようになっている。すなわちエンドキャップ9が回転円柱7の先端面に設けられることによって、このエンドキャップ9が空気流Fに好影響を与え、マグナス揚力Yの向上が見られる。
図3に示すように、回転体5が回転すると、アウターシャフト10の後端に連結された発電機15が駆動されて発電が行われる。更に、この回転円柱7の回転に基づいて、スパイラル条8による回転円柱7の軸方向への空気の流れが増大するので、回転円柱7のマグナス揚力Yが増大され、発電機15を駆動するアウターシャフト10の回転トルクが増大されるようになる。従って、マグナス型風力発電装置1の発電効率を上げることができるようになっている。
尚、発電機15によって発電が開始されると、この発電された電力の一部を、回転円柱7を回転させるための駆動モータ18に供給させて補助電力として利用でき、かつ次回の起動用の電力としてバッテリー23に蓄えることもできる。
次に、本実施例における回転円柱7について図5から図9を参照して詳述する。図5に示すように、回転円柱7は、その内部に空洞26が形成された略円筒形状をなしている。また、回転円柱7を構成する材質には、炭素繊維強化プラスチック等の軽量で強度の高い材質である繊維強化複合材料が用いられている。そして、回転円柱7は、その基端部から先端部までの全長に渡って肉厚が薄くなるように形成されており、回転円柱7の軽量化とその強度が確保されている。
回転円柱7内の空洞26には、回転円柱7の基端部側から挿設された支持軸部27が延設されている。この支持軸部27は、その基端部に形成されたフランジ27aが回転体5に対してボルト46を用いて螺着されることで、支持軸部27は、回転体5に対して軸方向に相対的に移動不能に固着されている。尚、支持軸部27は、発電機構部3に回転トルクを伝達する回転体5の一部を構成している。そして、回転円柱7は、支持軸部27を軸として回転自在に支持されている。
また、支持軸部27は、その軸心に貫通孔28が形成された略円筒形状をなしている。尚、支持軸部27を構成する材質には、鉄等の金属部材が用いられている。支持軸部27内の貫通孔28には、支持軸部27の基端部側から挿設された動力伝達軸25が配置されている。更に尚、動力伝達軸25を構成する材質にも、支持軸部27と同様に、鉄等の金属部材が用いられている。
更に、回転円柱7の軸心と支持軸部27の軸心とは、同一の軸心αとなっている。この軸心αに沿って動力伝達軸25が延設されており、動力伝達軸25の先端部は、支持軸部27の先端側から突出されている。尚、動力伝達軸25の基端部は、回転体5の内部に設けられた軸受部材(図示略)によって、軸周りに回転自在な状態で回転体5に対して相対的に移動不能に支持されている。更に尚、動力伝達軸25の先端部は、後述する動力伝達部材35(取付部材)を介して支持軸部27に対して回転可能に支持されている。
図5に示すように、支持軸部27の先端部及び基端部近傍には、それぞれにベアリング29,30が設けられている。この2つ(複数)のベアリング29,30は、支持軸部27に対して嵌着されている。また、これらのベアリング29,30は、支持軸部27の軸方向に離間されて設けられており、これら2つのベアリング29,30を介して回転円柱7が回転可能に支持される。
図5に示すように、支持軸部27の先端部のベアリング29は、外輪36と内輪37と上下2列の複数のボール38とを有しており、ベアリング29の外周には、鉄等の金属部材により形成された動力伝達部材35(取付部材)が嵌着されている。また、支持軸部27の基端部近傍のベアリング30も同様に、外輪32と内輪33と複数のボール34とを有しており、ベアリング30の外周には、鉄等の金属部材により形成された連結部材31(取付部材)が嵌着されている。
図6に示すように、動力伝達部材35は略円盤状をなしている。この動力伝達部材35には、中央に突出する上段部35aと、上段部35aの外周に配置される中段部35bと、中段部35bの外周に配置される下段部35cと、が段状に形成されている。さらに下段部35cの外周には、断面視で略T字形状をなす周縁部35d(円周部)が形成されている。この円周部35dは回転円柱7の内周面7bに沿って軸方向に延び、回転円柱7の内周面7bに接触する所定幅の外周面を有している。尚、動力伝達部材35の上段部35a及び中段部35b内に、ベアリング29や支持軸部27が配置される。
また、動力伝達部材35の外径は、回転円柱7の内径と略同一径をなしている。この動力伝達部材35は回転円柱7内に嵌入されており、動力伝達部材35の周縁部35dと回転円柱7の内周面7bとは、接着剤49により接着されている(図8(a)及び図8(b)参照)。尚、動力伝達部材35の周縁部35dには、その外周面から切り欠かれた本発明における応力集中手段としてのスリット孔50が形成されている。このスリット孔50は、周縁部35dの径方向及び軸方向に延びており、本発明における空間部(溝部)を構成している。このスリット孔50が周縁部35dの周方向の複数箇所に形成され、各スリット孔50は略等間隔に配置されている。
更に、動力伝達部材35の下段部35cには、スリット孔50と対応する位置に、動力伝達部材35を軽量化するための軽量孔51が貫通されている。これらの軽量孔51は、略円形状をなしているとともに(図8(a)及び図8(b)参照)、軽量孔51は、動力伝達部材35の周方向に略等間隔に設けられている。尚、複数のスリット孔50のうち、いくつかのスリット孔50は、軽量孔51と連通されている。本実施例では、動力伝達部材35の平面視で四方の4箇所に形成されたスリット孔50がそれぞれ軽量孔51に連通されている。
図7に示すように、連結部材31は、動力伝達部材35と同様に、回転円柱7の内径と略同一径の外径を有しており(図7参照)、連結部材31は回転円柱7内に嵌入されている。また、連結部材31には、平面視でリング状をなす凹部54が形成されている。更に、この凹部54の外側には、断面視で略L字形状をなす周縁部31a(円周部)が形成されている。この周縁部31aは回転円柱7の内周面7bに沿って軸方向に延び、回転円柱7の内周面7bに接触する所定幅の外周面を有している。尚、連結部材31の周縁部31aと回転円柱7の内周面7bとは、接着剤49により接着されている(図9(a)及び図9(b)参照)。更に尚、本実施例の接着剤49には、耐熱性エポキシ系強力接着剤及び硬化剤を用いている。
また、連結部材31の周縁部31aには、その上面側から軸方向に延びるように穿設された本発明における応力集中手段としての孔部53が形成されている。この孔部53は、本発明における空間部(溝部)を構成している。尚、孔部53は略円形状をなしており、この孔部53が周縁部31aの周方向の複数箇所に形成され、各孔部53は等間隔に配置されている。
図5に示すように、連結部材31の周縁部31aには、外側に突出するように凸部56が形成されており(図9(a))、この凸部56は回転円柱7の端部に係合されている。尚、連結部材31を回転円柱7に嵌入した際に、凸部56が回転円柱7の基端部に係合することで、連結部材31が配置される位置が定まるようになっている。
図5及び図6に示すように、動力伝達軸25の先端部は、平面視で六角形をなすスプライン部40が形成されているとともに、動力伝達部材35の中心には、平面視で六角形をなす被スプライン孔41が形成されている。動力伝達軸25のスプライン部40が動力伝達部材35の被スプライン孔41に挿設されることで、動力伝達軸25が動力伝達部材35に対して回転円柱7の軸方向に沿って相対的に変移可能にスプライン接続された状態で、動力伝達軸25の軸周りの回転動力が動力伝達部材35に伝達されるようになっている。
尚、動力伝達部材35及び連結部材31と、回転円柱7を構成する材質の熱膨張率(熱膨張係数)、すなわち鉄等の金属部材と炭素繊維強化プラスチックとの熱膨張率は大きく異なっている。そして、炭素繊維強化プラスチックで構成された回転円柱7は、気温の変化によって殆ど熱変形しないようになっている。それと比較して金属部材で構成された動力伝達部材35及び連結部材31は、気温が低下すると収縮(熱収縮変化)してその体積が縮小し、動力伝達部材35及び連結部材31の直径が小さくなる。
寒冷地などの気温が低下した環境では、動力伝達部材35及び連結部材31が収縮し、この動力伝達部材35及び連結部材31が収縮する力が、動力伝達部材35及び連結部材31の外周面と回転円柱7の内周面7bとを離間させる方向に働く応力を生じさせるが、本実施例では、動力伝達部材35の周縁部35dにスリット孔50が形成されるとともに、連結部材31の周縁部31aに孔部53が形成されているため、動力伝達部材35及び連結部材31が収縮する力によって働く応力を、動力伝達部材35及び連結部材31の外周面から離れた位置、すなわちスリット孔50及び孔部53が形成された位置に集中させることができる。そのため、接着剤49で接着された部位に応力が集中しないようになり、動力伝達部材35及び連結部材31の全周が回転円柱7の内周面7bから剥離してしまうことを防止できる。更に尚、回転円柱7に強風が当たることで動力伝達部材35及び連結部材31内に生じる応力も緩和されるようになる。
より詳述すると、図8(b)に示すように、動力伝達部材35の周縁部35dにスリット孔50が形成されることで、応力はスリット孔50の奥側端部50’(軽量孔51と連通されるスリット孔50ではその軽量孔51)に集中されるようになる。そのため、動力伝達部材35の周縁部35dと回転円柱7の内周面7bとを接着する接着剤49の部位に応力が加わり難くなる。尚、スリット孔50が拡がったり、スリット孔50により分断された周縁部35d同士が互いに違う方向に撓んだり、延びたりすることで、動力伝達部材35の周縁部35dが回転円柱7の内周面7bから剥離してしまうことを防止している。
また、図9(b)に示すように、連結部材31の周縁部31aに孔部53が形成されることで、応力は孔部53に集中されるようになる。そのため、連結部材31の周縁部31aと回転円柱7の内周面7bとを接着する接着剤49の部位に応力が加わり難くなる。尚、円形状をなす孔部53の形状が応力により変化されることで、連結部材31の周縁部31aは撓んだり、延びたりし易くなり、連結部材31の周縁部31aが回転円柱7の内周面7bから剥離してしまうことを防止している。更に、連結部材31の周縁部31aは、孔部53が穿設される際に、連結部材31の底面側近傍の部位に所定の肉厚が残されており、連結部材31の強度が維持される。
尚、寒冷地などの気温が低下した環境では、接着剤49が硬くなり、図8(b)に示すように、動力伝達部材35のスリット孔50の開口側が拡大する際に、接着剤49がスリット孔50の位置で分断されて分断部49a(亀裂部)が形成される。そして、分断された各接着剤49に加わる応力は、分断部49aにより断絶され、他の接着剤49に影響を与えないようになり、分断された各接着剤49の1箇所に衝撃が加わっても、その衝撃が他の接着箇所に伝達されずに済み、動力伝達部材35の全周が回転円柱7の内周面7bから剥離してしまうことを防止できる。
次に、実施例2に係るマグナス型風力発電装置1につき、図10と図11を参照して説明する。尚、前記実施例1に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。
図10(a)及び図10(b)に示すように、実施例2における動力伝達部材35(取付部材)の周縁部35d(円周部)には、軽量孔51から周縁部31aに向かって切り欠かれた本発明における応力集中手段としてのスリット孔57(溝部)が形成されている。このスリット孔57は、周縁部35dの径方向及び軸方向に延びており、本発明における空間部(溝部)を構成している。このスリット孔57が周縁部35dの周方向の複数箇所に形成され、各スリット孔57は略等間隔に配置されている。
実施例2におけるスリット孔57は、軽量孔51側が開口されている。そして、スリット孔57の開口側が拡がるように変形するとともに、軽量孔51も変形されるようになっている。この変形によりスリット孔57と軽量孔51に応力が集中されるようになる。そのため、動力伝達部材35の周縁部35dと回転円柱7の内周面7bとを接着する接着剤49の部位に応力が加わり難くなる。
図11(a)及び図11(b)に示すように、連結部材31(取付部材)の周縁部35d(円周部)には、その上面側から軸方向に延びるように凹設された本発明における応力集中手段としての溝部58が形成されている。この孔部53は、本発明における空間部を構成している。尚、溝部58は連結部材31の凹部54側に開口されている。連結部材31の周縁部35dは溝部58が形成されることで、連結部材31の周縁部31aは撓み易くなり、連結部材31の周縁部31aが回転円柱7の内周面7bから剥離してしまうことを防止している。
次に、実施例3に係るドライブシャフト60(プロペラシャフト)につき、図12から図13を参照して説明する。このドライブシャフト60は、自動車や航空機や宇宙機や船舶等の駆動機構に適用される。
図12に示すように、実施例3におけるドライブシャフト60は、円筒体61とこの円筒体61に取り付けられる取付部材62とを有している。尚、円筒体61を構成する材質には、炭素繊維強化プラスチック等の軽量で強度の高い材質である繊維強化複合材料が用いられている。更に尚、取付部材62を構成する材質には、鉄等の金属部材が用いられている。この取付部材62には、円筒体61の端部から嵌入される略円柱形状の円柱部63と、この円柱部63よりも大径をなして他の部材と接続される接続部64と、が形成されている。
図13に示すように、取付部材62の円柱部63には、その外周面から切り欠かれた本発明における応力集中手段としてのスリット溝65が形成されている。このスリット溝65は、円柱部63の径方向及び軸方向に延びており、本発明における空間部を構成している。このスリット溝65が円柱部63の周方向の複数箇所に形成され、各スリット溝65は略等間隔に配置されている。尚、円柱部63の外周面(円周部)と円筒体61の内周面61aとが接着剤66により接着されている。
寒冷地などの気温が低下した環境では、金属部材で構成された取付部材62が収縮し、この取付部材62が収縮する力が、取付部材62の円柱部63の外周面と円筒体61の内周面61aとを離間させる方向に働く応力を生じさせるが、実施例3では、取付部材62の円柱部63にスリット溝65が形成されているため、取付部材62が収縮する力によって働く応力を、取付部材62の円柱部63の外周面から離れた位置、すなわちスリット溝65の奥側端部65’に集中させることができる。そのため、接着剤66で接着された部位に応力が集中しないようになり、取付部材62の円柱部63の全周が円筒体61の内周面61aから剥離してしまうことを防止できる。
以上、実施例1〜3における取付構造では、略円筒形状をなす円筒体7,61と、この円筒体7,61への取付対象となっている取付部材31,35,62と、を有し、取付部材31,35,62には、少なくとも一部に円筒体7,61の内径と略同一径の外径を有する円周部31a,35d,63が形成され、この円周部31a,35d,63が円筒体7,61内に嵌入されるとともに、円周部31a,35d,63の全周と円筒体7,61の内周面7b,61aとが接着剤49,66により接着される円筒体7,61への取付部材31,35,62の取付構造であって、取付部材31,35,62と円筒体7,61とが互いに異なる熱膨張率を有する材質で形成され、取付部材31,35,62が熱変化したときに、円周部31a,35d,63の外周面と円筒体7,61の内周面7b,61aとを離間させる方向に働く応力を、円周部31a,35d,63の外周面から離れた位置に集中させる応力集中手段50,53,57,58,65が、円周部31a,35d,63の周縁の複数箇所に設けられることで、互いに熱膨張率が異なる円筒体7,61及び取付部材31,35,62を寒冷地で使用した際に、取付部材31,35,62の熱収縮変化が円筒体7,61の熱収縮変化よりも大きいと、取付部材31,35,62が、気温の低下とともに収縮する力によって円周部31a,35d,63の外周面と円筒体7,61の内周面7b,61aとを離間させる方向に応力が働くようになり、この応力を円周部31a,35d,63の周縁の複数箇所に設けられた応力集中手段50,53,57,58,65によって、円周部31a,35d,63の外周面から離れた位置に集中させることで、接着剤49,66で接着された部位に加わる応力が弱まるようになり、円周部31a,35d,63の全周が円筒体7,61の内周面7b,61aから剥離してしまうことを防止できる。
また、円筒体7,61が繊維強化プラスチックにより形成されるとともに、取付部材31,35,62が金属部材により形成されることで、互いに熱膨張率が大きく異なる繊維強化プラスチック及び金属部材の材質を用いても、応力集中手段50,53,57,58,65により円周部31a,35d,63の全周が円筒体7,61の内周面7b,61aから剥離してしまうことが防止され、寒冷地で耐久性のある取付構造とすることができ、かつ繊維強化プラスチックにより軽量で高強度の円筒体7,61となるとともに、金属部材により応力集中手段50,53,57,58,65の形成加工が施し易い取付部材31,35,62となる。
また、応力集中手段50,53,57,58,65は、円周部31a,35d,63の軸方向に延びる空間部を円周部31a,35d,63に形成することで設けられることで、空間部の形成により周方向または径方向に変形し易くなり、取付部材31,35,62が収縮する力によって働く応力によって、円周部31a,35d,63の周縁が周方向または径方向に変形することで、接着剤49,66で接着された部位に応力が集中されずに済み、かつ円周部31a,35d,63の外周面の軸方向にわたって応力集中手段50,53,57,58,65が設けられ、円周部31a,35d,63の全周が円筒体7,61の内周面7b,61aから剥離してしまうことを防止できる。
また、空間部は、円周部31a,35d,63の軸方向に延びるように形成された溝部50,57,58,65となっていることで、取付部材31,35,62が収縮する力によって働く応力は、溝部50,57,58,65の奥側端部に集中するようになり、接着剤49,66で接着された部位に働く応力を低減できるばかりか、円周部31a,35d,63の周縁における溝部50,57,58,65の開口側は、溝部50,57,58,65が拡大する方向、即ち円周部31a,35d,63の周方向に変形され、円周部31a,35d,63の外周の一箇所に加わる応力の他の箇所への伝達が溝部50,57,58,65により断たれるようになり、円周部31a,35d,63の全周が円筒体7,61の内周面7b,61aから剥離してしまうことを防止できる。
また、溝部50,57,58,65は、円周部31a,35d,63の外周面から切り欠かれて形成されることで、円周部31a,35d,63の周縁における溝部50,57,58,65の開口側が拡大したときに、円周部31a,35d,63の外周面と円筒体7,61の内周面7b,61aとを接着する接着剤49,66が溝部50,57,58,65の位置で分断され、分断された各接着剤49,66の接着箇所に加わる応力が、他の接着箇所の接着剤49,66に影響を与えないようになり、円周部31a,35d,63の全周が円筒体7,61の内周面7b,61aから剥離してしまうことを防止できる。
また、空間部は、円周部31aの軸方向に延びるように形成された孔部53となっていることで、円周部31aの周縁の強度を維持した状態で、取付部材31が収縮する力によって働く応力を、円周部31aの外周面から離れた位置に集中させることができ、かつ孔部53の形状が変化するように変形されるため、円周部31aの周縁が周方向または径方向に変形し易くなる。
また、応力集中手段50,53,57,58,65は、円周部31a,35d,63の周方向に略等間隔に設けられることで、円周部31a,35d,63の周縁の全周にわたって偏りなく応力集中手段50,53,57,58,65を設けることができ、取付部材31,35,62が収縮する力によって働く応力が集中する箇所を円周部31a,35d,63の周縁に均等に分散させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、本発明に係る円筒体への取付部材の取付構造をマグナス型風力発電装置1や自動車や航空機や宇宙機や船舶等のドライブシャフト60に適用しているが、本発明はこれに限ることなく、炭素繊維強化プラスチック等で形成された円筒状の円筒体と、金属部材で形成された取付部材と、を接着剤で接続するものであれば、いかなるものにも適用できる。
また、前記実施例では、炭素繊維強化プラスチックを用いて回転円柱7や円筒体61が構成されているが、回転円柱7や円筒体61を構成する材質は、炭素繊維強化プラスチックに限ることなく、ガラス繊維強化プラスチックや炭素繊維強化炭素複合材料などであってもよい。
更に、前記実施例では、互いに熱膨張率が異なる円筒体7,61及び取付部材31,35,62を寒冷地で使用した際に、取付部材31,35,62が気温の低下とともに収縮することを例に説明しているが、円筒体7,61及び取付部材31,35,62を熱帯地で使用した際に、円筒体7,61及び取付部材31,35,62が熱膨張変化することにより生じる応力を、応力集中手段50,53,57,58,65によって、円周部31a,35d,63の外周面から離れた位置に集中させることで、円周部31a,35d,63の全周が円筒体7,61の内周面7b,61aから剥離してしまうことを防止することにも適用できる。
1 マグナス型風力発電装置
7 回転円柱(円筒体)
7a 外周表面
7b 内周面
8 スパイラル条
31 連結部材(取付部材)
31a 周縁部(円周部)
35 動力伝達部材(取付部材)
35d 周縁部(円周部)
49 接着剤
50 スリット孔(応力集中手段,空間部,溝部)
53 孔部(応力集中手段,空間部,孔部)
57 スリット孔(応力集中手段,空間部,溝部)
58 溝部(応力集中手段,空間部,孔部)
60 ドライブシャフト
61 円筒体
61a 内周面
62 取付部材
63 円柱部(円周部)
65 スリット溝(応力集中手段,空間部)
66 接着剤

Claims (8)

  1. 略円筒形状をなす円筒体と該円筒体への取付対象となっている取付部材とを有し、該取付部材には、少なくとも一部に前記円筒体の内径と略同一径の外径を有する円周部が形成され、該円周部が前記円筒体内に嵌入されるとともに、該円周部の全周と前記円筒体の内周面とが接着剤により接着される円筒体への取付部材の取付構造であって、
    前記取付部材と前記円筒体とが互いに異なる熱膨張率を有する材質で形成され、前記取付部材が熱変化したときに、前記円周部の外周面と前記円筒体の内周面とを離間させる方向に働く応力を、前記円周部の外周面から離れた位置に集中させる応力集中手段が、該円周部の周縁の複数箇所に設けられることを特徴とする円筒体への取付部材の取付構造。
  2. 前記円筒体が繊維強化プラスチックにより形成されるとともに、前記取付部材が金属部材により形成されることを特徴とする請求項1に記載の円筒体への取付部材の取付構造。
  3. 前記応力集中手段は、前記円周部の軸方向に延びる空間部を該円周部に形成することで設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の円筒体への取付部材の取付構造。
  4. 前記空間部は、前記円周部の軸方向に延びるように形成された溝部となっていることを特徴とする請求項3に記載の円筒体への取付部材の取付構造。
  5. 前記溝部は、前記円周部の外周面から切り欠かれて形成されることを特徴とする請求項4に記載の円筒体への取付部材の取付構造。
  6. 前記空間部は、前記円周部の軸方向に延びるように形成された孔部となっていることを特徴とする請求項3に記載の円筒体への取付部材の取付構造。
  7. 前記応力集中手段は、前記円周部の周方向に略等間隔に設けられることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の円筒体への取付部材の取付構造。
  8. 発電機構部に回転トルクを伝達する回転体と、該回転体から略放射状に所要数配設された回転円柱と、該各回転円柱をこれら回転円柱の軸周りに回転駆動する駆動モータと、を備え、前記各回転円柱の回転と風力との相互作用で生じるマグナス揚力により前記回転体を回転させて前記発電機構部を駆動するようになっており、略円筒形状をなす円筒体と該円筒体への取付対象となっている取付部材とを有し、該取付部材には、少なくとも一部に前記円筒体の内径と略同一径の外径を有する円周部が形成され、該円周部が前記円筒体内に嵌入されるとともに、該円周部の全周と前記円筒体の内周面とが接着剤により接着されるマグナス型風力発電装置であって、
    前記取付部材と前記円筒体とが互いに異なる熱膨張率を有する材質で形成され、前記取付部材が熱変化したときに、前記円周部の外周面と前記円筒体の内周面とを離間させる方向に働く応力を、前記円周部の外周面から離れた位置に集中させる応力集中手段が、該円周部の周縁の複数箇所に設けられることを特徴とするマグナス型風力発電装置。
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