JP2011241790A - 二段昇圧式圧縮機 - Google Patents

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弘樹 石井
Kazuhide Uchida
和秀 内田
Yoshiaki Harakawa
義明 原川
Takaya Morishita
貴也 森下
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Abstract

【課題】作動効率の低下を招くことなく、摺動部へ確実にオイルを供給可能な二段昇圧式圧縮機を提供する。
【解決手段】シャフト131内部に一端側から他端側へオイルを流通させる給油通路131dを形成し、この給油通路131dに絞り部138を設け、さらに、シャフト131の一端側に高圧冷媒圧力雰囲気の貯油空間170内の冷凍機油を流入させる高段側油空間190を配置し、他端側に給油通路131dから流出した冷凍機油を流入させる低段側油空間180を配置する。さらに、シャフト131の軸方向から見たときに、高段側油空間190内に露出するシャフト131の占める面積が、低段側油空間180に露出するシャフト131の占める面積よりも小さくしておく。これにより、シャフト131が冷凍機油の圧力の作用によって受けるスラスト荷重の発生を抑制し、作動効率の低下を抑制する。
【選択図】図3

Description

本発明は、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構とを有する二段昇圧式圧縮機に関する。
従来、特許文献1に、低圧流体を吸入して中間圧流体となるまで圧縮する低段側圧縮機構、この低段側圧縮機構によって昇圧された中間圧流体を高圧流体となるまで圧縮して吐出する高段側圧縮機構、および双方の圧縮機構を回転駆動する電動モータをケーシング内に収容した電動式の二段昇圧式圧縮機が開示されている。
この特許文献1の二段昇圧式圧縮機は、双方の圧縮機構に連結される電動モータの駆動軸(シャフト)が、圧縮機の設置状態において略鉛直方向に延びる、いわゆる縦置きタイプに構成されている。そして、ケーシング内を中間圧流体雰囲気として、シャフトあるいは双方の圧縮機構の摺動部を潤滑するためのオイルを貯留する貯油空間を、ケーシング内の最下部に形成している。
さらに、特許文献1の二段昇圧式圧縮機では、シャフト内部に下端側から上方側に向かって延びる給油通路を形成し、この給油通路を介して、貯油空間に貯留されたオイルをシャフトあるいは双方の圧縮機構の摺動部に供給することによって、各摺動部の潤滑を行うようにしている。
特開2001−73976号公報
ところが、特許文献1の二段昇圧式圧縮機のように、収容空間内および貯油空間内を中間圧流体雰囲気とし、貯油空間に貯留されたオイルに中間圧流体の圧力しか作用させない構成では、給油通路の入口側のオイル圧力と出口側のオイル圧力との圧力差を確保できず、オイルを摺動部へ導くことができなくなってしまうおそれがある。
特に、特許文献1のような縦置きタイプの圧縮機では、下方側の貯油空間よりも上方側に配置された摺動部へ重力に逆らってオイルを導くことは難しくなる。これに対して、貯油空間に貯留されたオイルを確実に給油通路へ導くための圧送機構を追加する手段が考えられる。しかしながら、このような圧送機構の追加は、圧縮機全体としての構成が複雑化して、製品コストの増大を招いてしまう。
また、貯油空間を高圧流体雰囲気として、貯油空間に貯留されたオイルに高圧流体の圧力を作用させて、オイルを確実に摺動部へ導く手段が考えられる。しかしながら、オイルに高圧流体を作用させると、シャフトにも高圧流体によって生じる力が作用してしまう。
例えば、特許文献1の二段昇圧式圧縮機の構成で、貯油空間を高圧流体雰囲気にすると、シャフトに軸方向の下方側から上方側へ向かう方向のスラスト荷重がかかってしまう。そして、このようなスラスト荷重がかかると、双方の圧縮機構のうちシャフトに連結された部位にもスラスト荷重がかかってしまうため、双方の圧縮機構の摺動損失が増加してしまう。その結果、二段昇圧式圧縮機全体としての作動効率の低下を招いてしまう。
本発明は、上記点に鑑み、作動効率の低下を招くことなく、摺動部へ確実にオイルを供給可能な二段昇圧式圧縮機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、低圧流体を中間圧流体となるまで圧縮して吐出する低段側圧縮機構(110)と、低段側圧縮機構(110)から吐出された中間圧流体を高圧流体となるまで圧縮して吐出する高段側圧縮機構(120)と、低段側圧縮機構(110)および高段側圧縮機構(120)に回転駆動力を伝達する駆動軸(131)を有する電動モータ(130)と、低段側圧縮機構(110)、高段側圧縮機構(120)および電動モータ(130)を収容する収容空間(150)を形成するケーシング(140)と、低段側圧縮機構(110)の低段側摺動部および高段側圧縮機構(120)の高段側摺動部を潤滑するオイルが貯留される貯油空間(170)を形成するオイルケーシング(160)とを備える二段昇圧式圧縮機であって、
駆動軸(131)の両端部には、それぞれ高段側圧縮機構(120)および低段側圧縮機構(110)が連結され、駆動軸(131)の内部には、駆動軸(131)の一方の端部側から他方の端部側へ向けてオイルを流通させる給油通路(131d)が形成され、貯油空間(170)には、高段側圧縮機構(120)から吐出された高圧流体が流通し、
さらに、貯油空間(170)、並びに、高段側摺動部および低段側摺動部のうち一方に連通する空間であって、オイルを給油通路(131d)に流入させる第1油空間(190)を区画形成する第1区画部材(161)と、高段側摺動部および低段側摺動部のうち他方に連通する空間であって、給油通路(131d)から流出したオイルが流入する第2油空間(180)を区画形成する第2区画部材(181)とを備え、
駆動軸(131)の軸方向から見たときに、第1油空間(190)内に露出する駆動軸(131)の一方の端部の占める面積は、第2油空間(180)内に露出する駆動軸(131)の他方の端部が占める面積よりも小さく、給油通路(131d)には、前記給油通路(131d)の他の部位よりも通路面積を縮小させた絞り部(131g)が設けられている二段昇圧式圧縮機を特徴とする。
これによれば、貯油空間(170)内に高圧流体が流通するので、貯油空間(170)に貯留されたオイルに高圧流体の圧力を作用させることができる。従って、貯留空間(170)内のオイルを第1油空間(190)に流入させて、高段側摺動部および低段側摺動部のうち一方に確実に供給することができる。
さらに、高圧流体の圧力の作用によって、第1油空間(190)内のオイルを給油通路(131d)を介して第2油空間(180)に確実に流入させることができるので、第2油空間(180)へ流入したオイルを高段側摺動部および低段側摺動部のうち他方に確実に供給することができる。従って、高段側摺動部および低段側摺動部の双方に確実にオイルを供給して、二段昇圧式圧縮機全体としての信頼性を向上させることができる。
さらに、給油通路(131d)に絞り部(131g)が設けられているので、第1油空間(190)内のオイルの圧力に対して、第2油空間(180)内のオイルの圧力を低下させることができる。
そして、駆動軸(131)の軸方向から見たときに、第1油空間(190)に露出する駆動軸(131)の一方の端部の占める面積が、第2油空間(180)に露出する駆動軸(131)の他方の端部が占める面積よりも小さくなっているので、第1油空間(190)内のオイルから駆動軸(131)が受ける軸方向の力と第2油空間(180)内のオイルから駆動軸(131)が受ける軸方向の力とを同等の力とすることができる。
その結果、駆動軸(131)がオイルの圧力の作用によって受ける軸方向の力(スラスト荷重)の発生を抑制することができ、低段側圧縮機構(110)および高段側圧縮機構(120)の摺動損失が増加してしまうことを抑制できる。
すなわち、本請求項に記載の発明によれば、収容空間(150)内に第1、第2区画部材(161、181)を配置して、駆動軸(131)のうち第1油空間(190)に露出する部位の軸方向垂直面積と第2油空間(180)に露出する駆動軸(131)の軸方向垂直面積とを変化させるという極めて簡素な構成で、作動効率の低下を招くことなく、高段側摺動部および低段側摺動部へ確実にオイルを供給可能な二段昇圧式圧縮機を提供することができる。
なお、本請求項における「高段側摺動部」とは、駆動軸(131)と高段側圧縮機構(120)との摺動部のみを意味するものではなく、高段側圧縮機構(120)を構成する構成要素同士の摺動部も含む意味である。また、「低段側摺動部」とは、駆動軸(131)と低段側圧縮機構(110)との摺動部のみを意味するものではなく、低段側圧縮機構(110)を構成する構成要素同士の摺動部も含む意味である。
また、請求項2に記載の発明では、低圧流体を中間圧流体となるまで圧縮して吐出する低段側圧縮機構(110)と、低段側圧縮機構(110)から吐出された中間圧流体を高圧流体となるまで圧縮して吐出する高段側圧縮機構(120)と、低段側圧縮機構(110)および高段側圧縮機構(120)に回転駆動力を伝達する駆動軸(131)を有する電動モータ(130)と、低段側圧縮機構(110)、高段側圧縮機構(120)および電動モータ(130)を収容する収容空間(150)を形成するケーシング(140)と、低段側圧縮機構(110)の低段側摺動部および高段側圧縮機構(120)の高段側摺動部を潤滑するオイルが貯留される貯油空間(170)を形成するオイルケーシング(160)とを備える二段昇圧式圧縮機であって、
駆動軸(131)の両端部には、それぞれ高段側圧縮機構(120)および低段側圧縮機構(110)が連結され、駆動軸(131)の内部には、駆動軸(131)の一方の端部側から他方の端部側へ向けてオイルを流通させる給油通路(131d)が形成され、貯油空間(170)には、高段側圧縮機構(120)から吐出された高圧流体が流通し、
さらに、貯油空間(170)、並びに、高段側摺動部および低段側摺動部のうち一方に連通する空間であって、オイルを給油通路(131d)に流入させる第1油空間(190)を区画形成する第1区画部材(161)と、高段側摺動部および低段側摺動部のうち他方に連通する空間であって、給油通路(131d)から流出したオイルが流入する第2油空間(180)を区画形成する第2区画部材(181)とを備え、
駆動軸(131)の軸方向から見たときに、第1油空間(190)内に露出する駆動軸(131)の一方の端部の占める面積は、第2油空間(180)内に露出する前記駆動軸(131)の他方の端部が占める面積と同等である二段昇圧式圧縮機を特徴とする。
これによれば、貯油空間(170)内に高圧流体が流通するので、貯油空間(170)に貯留されたオイルに高圧流体の圧力を作用させることができる。従って、請求項1に記載の発明と同様に、高段側摺動部および低段側摺動部に確実にオイルを供給することができ、二段昇圧式圧縮機の信頼性を向上させることができる。
さらに、駆動軸(131)の軸方向から見たときに、第1油空間(190)における駆動軸(131)の一方の端部の占める面積が、第2油空間(180)における駆動軸(131)の他方の端部が占める面積と同等となっているので、第1油空間(190)内のオイルから駆動軸(131)が受ける軸方向の力と第2油空間(180)内のオイルから駆動軸(131)が受ける軸方向の力とを同等の力とすることができる。
その結果、駆動軸(131)がオイルの圧力の作用によって受ける軸方向の力(スラスト荷重)の発生を抑制することができ、低段側圧縮機構(110)および高段側圧縮機構(120)の摺動損失が増加してしまうことを抑制できる。
すなわち、本請求項に記載の発明によれば、収容空間(150)内に第1、第2区画部材(161、181)を配置して、駆動軸(131)のうち第1油空間(190)に露出する部位の軸方向垂直面積と第2油空間(180)に露出する駆動軸(131)の軸方向垂直面積とを同等とするという極めて簡素な構成で、作動効率の低下を招くことなく、高段側摺動部および低段側摺動部へ確実にオイルを供給可能な二段昇圧式圧縮機を提供することができる。
なお、本請求項における「高段側摺動部」および「低段側摺動部」についても、請求項1に記載の発明と同様の意味であり、さらに、面積が「同等」とは、駆動軸(131)のうち第1油空間(190)に露出する部位の軸方向垂直面積と第2油空間(180)に露出する駆動軸(131)の軸方向垂直面積が完全に一致していることのみを意味するものではなく、二段昇圧式圧縮機全体として作動効率の低下を招かない程度に僅かに異なっていることも含む意味である。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の二段昇圧式圧縮機において、オイルケーシング(160)は、ケーシング(140)のうち駆動軸(131)の一方の端部側に一体的に構成されたものであることを特徴とする。これによれば、二段昇圧式圧縮機全体としての小型化を図ることができる。さらに、貯油空間(170)と第1油空間(190)とを近接配置させて、貯留空間(170)内のオイルを容易に第1油空間(190)内へ導くことができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の二段昇圧式圧縮機において、駆動軸(131)の一方の端部には、高段側圧縮機構(120)が連結され、駆動軸(131)の他方の端部には、低段側圧縮機構(110)が連結され、第1油空間(190)に流入したオイルは、高段側摺動部側へ流出し、第2油空間(180)に流入したオイルは、低段側摺動部側へ流出することを特徴とする。
これによれば、第1油空間(190)内のオイルには高圧流体の圧力が作用するので、低段側圧縮機構(110)よりも内部流体の圧力が高くなる高段側圧縮機構(120)の高段側摺動部に対して、第1油空間(190)内のオイルを確実に供給することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の二段昇圧式圧縮機において、駆動軸(131)は、滑り軸受(134、135)によってケーシング(140)に対して回転可能に支持されており、第1油空間(190)および第2油空間(180)は、駆動軸(131)と滑り軸受(134、135)との間に形成される隙間を介して、収容空間(150)に連通していることを特徴とする。
これによれば、第1、第2油空間(190、180)内のオイルの圧力と収容空間(150)内の流体との圧力差を利用して、駆動軸(131)と滑り軸受(134、135)との摺動部に、駆動軸(131)と滑り軸受(134、135)との間に形成される隙間を介して、確実にオイルを供給することができる。
さらに、オイルが駆動軸(131)と滑り軸受(134、135)との間に形成される隙間を流通する際に流通抵抗が生じるので、駆動軸(131)と滑り軸受(134、135)との摺動部に不必要に多量のオイルが供給されてしまうことも抑制できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態のヒートポンプサイクルの暖房運転モード時の冷媒流路を示す全体構成図である。 第1実施形態のヒートポンプサイクルの冷房運転モード時の冷媒流路を示す全体構成図である。 第1実施形態の圧縮機の軸方向断面図である。 (a)は、図3のA−A断面図であり、(b)は、図3のB−B断面図である。 第2実施形態の圧縮機の軸方向断面図である。 第3実施形態の圧縮機の軸方向断面図である。 第4実施形態の圧縮機の軸方向断面図である。
(第1実施形態)
図1〜4により、本発明の第1実施形態について説明する。まず、図1、2は、本実施形態の二段昇圧式圧縮機(以下、単に圧縮機と記載する)100が適用されたヒートポンプサイクル10の全体構成図である。
このヒートポンプサイクル10は、内燃機関(エンジン)EGおよび走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る、いわゆるハイブリッド車両に搭載される車両用空調装置1において、空調対象空間である車室内へ送風される送風空気を冷却あるいは加熱する機能を果たす。
従って、本実施形態のヒートポンプサイクル10は、図1、2の全体構成図に示すように、車室内を暖房する暖房運転モード(加熱運転モード)、および車室内を冷房する冷房運転モード(冷却運転モード)の冷媒回路を切替可能に構成されている。なお、図1、2では、それぞれ暖房運転モード時および冷房運転モード時における冷媒の流れを実線矢印で示している。
このヒートポンプサイクル10では、冷媒として通常のフロン系冷媒を採用しており、二段昇圧式圧縮機100から吐出された高圧冷媒の圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。さらに、この冷媒には圧縮機100内の摺動部位を潤滑するための冷凍機油(オイル)が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
まず、圧縮機100は、エンジンルーム内に配置されて、ヒートポンプサイクル10において流体である冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。この圧縮機100は、その外殻を形成するケーシング140の内部に、低段側圧縮機構110と高段側圧縮機構120との2つの圧縮機構、および双方の圧縮機構110、120を回転駆動する電動モータ130を収容して構成された二段昇圧式の電動圧縮機である。
さらに、圧縮機100のケーシング140には、ケーシング140の外部から低段側圧縮機構110へ低圧冷媒を吸入させる吸入ポート144、ケーシング140の外部からケーシング140の内部へ中間圧冷媒を流入させる中間圧ポート145、および高段側圧縮機構120から吐出された高圧冷媒をケーシング140の外部へ吐出させる吐出ポート146が設けられている。なお、圧縮機100の詳細構成については後述する。
圧縮機100の吐出ポート146には、室内凝縮器12の冷媒入口側が接続されている。室内凝縮器12は、後述する車両用空調装置1の室内空調ユニット30の空調ケース31内に配置されて、その内部を流通する冷媒と後述する室内蒸発器20にて冷却された送風空気(冷風)とを熱交換させることで冷風を再加熱する加熱用熱交換器である。
室内凝縮器12の冷媒出口側には、室内凝縮器12から流出した高圧冷媒の流れを分岐する第1三方継手13aが接続されている。第1三方継手13aは、3つの流入出口を有し、この3つの流入出口のうち1つを冷媒流入口とし、2つを冷媒流出口としたものである。このような三方継手は、各種配管を接合して構成してもよいし、金属ブロックや樹脂ブロックに複数の冷媒通路を設けて構成してもよい。
第1三方継手13aの一方の冷媒流出口は、水−冷媒熱交換器14の冷媒側流路14aの入口側に接続され、他方の冷媒流出口は、第2三方継手13bの一方の冷媒流入口に接続されている。この第2三方継手13bの基本的構成は、第1三方継手13aと同様である。第2三方継手13bでは、第1三方継手13aに対して、3つの流入出口のうち2つを冷媒流入口とし、1つを冷媒流出口としている。
第1三方継手13aの一方の冷媒流出口から水−冷媒熱交換器14の冷媒側流路14aの入口側へ至る冷媒配管には、水−冷媒熱交換器14へ流入する冷媒を減圧膨張させる第1減圧手段としての第1電気式膨張弁15aが配置されている。第1電気式膨張弁15aは、第1三方継手13aの一方の冷媒流出口から流出した高圧冷媒を中間圧冷媒となるまで減圧膨張させる可変絞り機構である。
具体的には、第1電気式膨張弁15aは、絞り開度を変更可能に構成された弁体と、この弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータからなる電動アクチュエータとを有して構成されている。また、第1電気式膨張弁15aは、後述する空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
さらに、第1電気式膨張弁15aは、その絞り開度を全閉として、第1三方継手13aの一方の冷媒流出口から水−冷媒熱交換器14の冷媒側流路14aの入口側へ至る冷媒配管における冷媒の流れを遮断することができる。これにより、第1電気式膨張弁15aは、ヒートポンプサイクル10の冷媒流路を切り替えることができる。従って、この第1電気式膨張弁15aは、冷房運転モードの冷媒流路と暖房運転モードの冷媒流路を切り替える冷媒流路切替手段としての機能を兼ね備えている。
水−冷媒熱交換器14は、冷媒側流路14aを流れる冷媒と冷却水側流路14bを流れるエンジンEGの冷却水とを熱交換させて、冷却水を熱源として冷媒側流路14aを流れる冷媒を加熱する加熱手段である。なお、冷却水側流路14bを流れる冷却水を循環させる冷却水回路40の詳細については後述する。
また、水−冷媒熱交換器14の具体的構成としては、冷却水側流路14bを形成する外側管の内側に冷媒側流路14aを形成する内側管を配置する二重管方式の熱交換器構成等を採用できる。もちろん、冷媒側流路14aと冷却水側流路14bとを構成する冷媒配管同士をろう付け接合して熱交換させる構成等を採用してもよい。
水−冷媒熱交換器14の冷媒側流路14aの出口側には、気液分離器16が接続されている。この気液分離器16は、水−冷媒熱交換器14から流出した中間圧冷媒の気液を分離するもので、気液分離器16の気相冷媒出口は、圧縮機100の中間圧ポート145に接続され、液相冷媒出口は第2三方継手13bの他方の冷媒流入口に接続されている。
気液分離器16の気相冷媒出口から圧縮機100の中間圧ポート145に至る冷媒配管には、気液分離器16の気相冷媒出口から圧縮機100の中間圧ポート145へ冷媒が流れることのみを許容する逆止弁16aが配置されている。これにより、圧縮機100側から気液分離器16へ冷媒が逆流することを防止している。もちろん、この逆止弁16aを気液分離器16あるいは圧縮機100と一体的に構成してもよい。
さらに、気液分離器16の液相冷媒出口から第2三方継手13bの他方の冷媒流入口へ至る冷媒配管には、室外熱交換器18へ流入する冷媒を減圧膨張させる第2減圧手段としての第2電気式膨張弁15bが配置されている。第2電気式膨張弁15bは、気液分離器16の液相冷媒出口から流出した中間圧冷媒を低圧冷媒となるまで減圧膨張させる可変絞り機構であり、その基本的構成は、第1電気式膨張弁15aと同様である。
従って、第2電気式膨張弁15bは、その絞り開度を全閉として気液分離器16の液相冷媒出口から第2三方継手13bの他方の冷媒流入口へ至る冷媒配管における冷媒の流れを遮断して、ヒートポンプサイクル10の冷媒流路を切り替えることができる。つまり、第2電気式膨張弁15bは、冷媒流路切替手段としての機能を兼ね備えている。
また、第1三方継手13aの他方の冷媒流出口から第2三方継手13bの一方の冷媒流入口へ至る冷媒配管には、この冷媒配管を開閉する開閉弁17が配置されている。この開閉弁17は、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される電磁弁であり、開閉弁17の開閉状態によって、ヒートポンプサイクル10の冷媒流路を切り替えることができる。従って、開閉弁17も冷媒流路切替手段を構成している。
第2三方継手13bの冷媒流出口には、冷媒と車室内空気(外気)とを熱交換させる室外熱交換器18が接続されている。この室外熱交換器18は、エンジンルーム内に配置されて、暖房運転モード時には、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる蒸発器として機能し、冷房運転モード時には、高圧冷媒を放熱させる放熱器として機能する熱交換器である。
室外熱交換器18の出口側には、電気式三方弁19が接続されている。この電気式三方弁19は、空調制御装置から出力される制御電圧によって、その作動が制御されるもので、上述した第1、第2電気式膨張弁15a、15bおよび開閉弁17とともに、冷媒流路切替手段を構成している。
より具体的には、電気式三方弁19は、暖房運転モード時には、室外熱交換器18の出口側と第3三方継手13cの一方の冷媒流入口とを接続する冷媒流路に切り替え、冷房運転モード時には、室外熱交換器18の出口側と第3電気式膨張弁15cの入口側とを接続する冷媒流路に切り替える。
なお、第3三方継手13cの基本的構成は、第1三方継手13aと同様である。第3三方継手13cでは、第1三方継手13aに対して、3つの流入出口のうち2つを冷媒流入口とし、1つを冷媒流出口としている。また、第3電気式膨張弁15cの基本的構成は、第1、第2電気式膨張弁15a、15bと同様である。さらに、本実施形態の第3電気式膨張弁15cは、冷媒流路切替手段としての機能を果たさないので、その絞り開度を全閉とする機能を有していなくてもよい。
第3電気式膨張弁15cの出口側には、室内蒸発器20の冷媒入口側が接続されている。この室内蒸発器20は、室内空調ユニット30の空調ケース31内のうち、室内凝縮器12の送風空気流れ上流側に配置されて、その内部を流通する冷媒と送風空気とを熱交換させて送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。
室内蒸発器20の出口側には、第3三方継手13cの他方の冷媒流入口が接続され、第3三方継手13cの冷媒流出口には、アキュムレータ21の冷媒入口側が接続されている。アキュムレータ21は、その内部に流入した冷媒の気液を分離して余剰冷媒を蓄える低圧側気液分離器である。さらに、アキュムレータ21の気相冷媒出口には、圧縮機100の吸入ポート144が接続されている。
次に、室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されて、室内空調ユニット30の外殻を形成するとともに、その内部に車室内に送風される送風空気の空気通路を形成する空調ケース31を有している。そして、この空気通路に送風機32、前述の室内凝縮器12、室内蒸発器20等が収容されている。
空調ケース31の送風空気流れ最上流側には、車室内空気(内気)と外気とを切替導入する内外気切替装置33が配置されている。この内外気切替装置33は、空調ケース31内に内気を導入させる内気導入口および外気を導入させる外気導入口の開口面積を、内外気切替ドアによって連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を連続的に変化させるものである。
内外気切替装置33の空気流れ下流側には、内外気切替装置33を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風機32が配置されている。この送風機32は、遠心多翼ファン(シロッコファン)を電動モータにて駆動する電動送風機であって、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
送風機32の空気流れ下流側には、前述の室内蒸発器20および室内凝縮器12が、送風空気の流れに対して、この順に配置されている。換言すると、室内蒸発器20は、室内凝縮器12に対して、送風空気の空気流れ上流側に配置されている。
さらに、室内蒸発器20の空気流れ下流側であって、かつ、室内凝縮器12の空気流れ上流側には、室内蒸発器20にて冷却された冷風のうち、室内凝縮器12にて再加熱される風量の割合を調整するエアミックスドア34が配置されている。また、室内凝縮器12の空気流れ下流側には、室内凝縮器12を通過して加熱された温風と室内凝縮器12を迂回して加熱されていない冷風とを混合させる混合空間35が設けられている。
また、空調ケース31の空気流れ最下流部には、混合空間35にて混合された空調風を、冷却対象空間である車室内へ吹き出す吹出口が配置されている。具体的に、この吹出口としては、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口、および、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口(いずれも図示せず)が設けられている。
従って、エアミックスドア34が室内凝縮器12を通過させる風量の割合を調整することによって、混合空間35にて混合された空調風の温度が調整され、その結果、各吹出口から吹き出される空調風の温度が調整される。なお、エアミックスドア34は、空調制御装置から出力される制御信号によって作動が制御される図示しないサーボモータによって駆動される。
さらに、フェイス吹出口、フット吹出口、およびデフロスタ吹出口の空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス吹出口の開口面積を調整するフェイスドア、フット吹出口の開口面積を調整するフットドア、デフロスタ吹出口の開口面積を調整するデフロスタドア(いずれも図示せず)が配置されている。
これらのフェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、吹出口モードを切替える吹出口モード切替手段を構成するものであって、図示しないリンク機構を介して、空調制御装置から出力される制御信号によって作動が制御される図示しないサーボモータによって駆動される。
次に、水−冷媒熱交換器14の冷却水側流路14bを流れる冷却水を循環させる冷却水回路40について説明する。この冷却水回路40は、エンジンEGを冷却する冷却水(例えば、エチレングリコール水溶液)を循環させる回路で、冷却水ポンプ41およびラジエータ42等が配置されている。
冷却水ポンプ41は、冷却水回路40において冷却水をエンジンEG内へ圧送するもので、電動式のポンプあるいはエンジンEGの駆動軸から回転駆動力を得る機械式のポンプ等を採用することができる。ラジエータ42は、冷却水と室外空気とを熱交換させて冷却水を冷却する放熱用の熱交換器である。つまり、ラジエータ42は、冷却水がエンジンEGの内部を貫流する際に吸熱したエンジンEGの廃熱を大気に放熱するものである。
そして、本実施形態の冷却水回路40では、図1、2の破線矢印に示すように、冷却水ポンプ41を作動させることにより、冷却水ポンプ41→エンジンEG→水−冷媒熱交換器14の冷却水側流路14b→ラジエータ42→冷却水ポンプ41の順に冷却水を循環させている。
また、冷却水回路40には、ラジエータ42を迂回させて冷却水を循環させるバイパス通路43および冷却水の温度が所定値(本実施形態では、90℃)以下になるとバイパス通路43側へ冷却水を流すサーモスタット弁44が設けられている。これにより、エンジンEG自体の温度が低下して、エンジンオイルの粘度増加によるフリクションロスの発生や、排気ガスの温度低下による排気ガス浄化用触媒の作動不良を抑制している。
次に、図3、4を用いて、本実施形態の圧縮機100の詳細構成について説明する。なお、図3は、圧縮機100の軸方向断面図であり、図3中の上下の各矢印は、圧縮機100を車両に搭載した状態における上下の各方向を示している。また、図4(a)は、図3のA−A断面図であり、図4(b)は、図3のB−B断面図である。
この圧縮機100は、固定容量型圧縮機構からなる低段側圧縮機構110、高段側圧縮機構120、および双方の圧縮機構110、120を回転駆動する電動モータ130等を、圧縮機100の外殻を形成するケーシング140内に形成された収容空間150の内部に収容して構成されている。本実施形態では、具体的に、双方の圧縮機構110、120として、ローリングピストン型の圧縮機構を採用している。
さらに、圧縮機100は、図3に示すように、電動モータ130から双方の圧縮機構110、120へ回転駆動力を伝達する駆動軸であるシャフト131が、車両搭載状態において略水平方向に延びた、いわゆる横置きタイプとして構成されている。より具体的には、高段側圧縮機構120は、シャフト131の一方の端部に連結されており、低段側圧縮機構110は、シャフト131の他方の端部に連結されている。
換言すると、本実施形態の圧縮機100では、双方の圧縮機構110、120が電動モータ130を水平方向両側から挟み込むように、シャフト131の両端部に連結されている。また、本実施形態の圧縮機100(具体的には、電動モータ130)は、空調制御装置に接続された図示しないインバータから供給される駆動電流の周波数制御によって回転数(冷媒吐出能力)が制御される。
まず、ケーシング140は、水平方向に軸方向が延びる第1〜第3筒状部材141a〜141c、および円板状の低段側蓋部材142を有して構成されている。これらの第1〜第3筒状部材141a〜141cは筒状に一体化されている。そして、一体化された第1〜第3筒状部材141a〜141cのうち、低段側圧縮機構110側の開口部を低段側蓋部材142にて閉塞することによって構成されている。
なお、一体化された第1〜第3筒状部材141a〜141cのうち、高段側圧縮機構120側の開口部については、オイルケーシング160によって閉塞されている。これにより、ケーシング140は、密閉容器構造に形成され、その内部に収容空間150を形成している。
オイルケーシング160は、その軸方向が水平方向に延びるとともに、ケーシング140を閉塞する底部が設けられた有底筒状部材161、および円板状の高段側蓋部材162を有して構成されている。より具体的には、オイルケーシング160は、有底筒状部材161の開口部を高段側蓋部材162によって閉塞することで、密閉容器構造に形成され、その内部に冷凍機油(オイル)を貯留する貯油空間170を形成している。
従って、本実施形態のオイルケーシング160は、ケーシング140のうちシャフト131の一方の端部側となる高段側圧縮機構120側に一体的に構成されている。なお、上述したケーシング140およびオイルケーシング160の各構成部材は、互いに溶接などの接合手段あるいはシール材を介在させた状態でのボルト締め等の締結手段によって一体化されており、その結合部から冷媒あるいは冷凍機油が漏れることはない。
さらに、ケーシング140のうち、低段側圧縮機構110の外周側に位置付けられる第1筒状部材141aの円筒外周面には、内外を貫通する貫通穴が形成されており、この貫通穴によって、気液分離器16から収容空間150へ中間圧気相冷媒を流入させる中間圧ポート145が形成されている。
次に、電動モータ130は、ケーシング140の第2筒状部材141bの内周側に配置され、固定子をなすステータ132および回転子をなすロータ133を有している。ステータ132は、磁性材からなるステータコア132aおよびステータコア132aに巻き付けられたステータコイル132b等を有して構成されている。このステータコイル132bには、図示しない給電端子を介してインバータから電力が供給される。
ロータ133は、回転軸方向に延びる略円筒状に形成され、ステータ132の内周側に配置されている。さらに、ロータ133は、永久磁石を有しており、その中心部に設けられた貫通穴に、シャフト131が圧入により固定されている。従って、ステータコイル132bに電力が供給されて回転磁界が発生すると、ロータ133およびシャフト131が一体となって回転する。
また、シャフト131は、ロータ133よりも回転軸方向長さが長く形成されており、ロータ133よりも低段側圧縮機構110側の部位にて、低段側軸受部134によってケーシング140に対して回転可能に支持され、ロータ133よりも高段側圧縮機構120側の部位にて、高段側軸受部135によってケーシング140に対して回転可能に支持されている。
この双方の軸受部134、135は、いずれも滑り軸受によって構成されている。さらに、シャフト131の低段側圧縮機構110側の端部には、シャフト131の回転中心に対して偏心した低段側偏心部131aが形成されており、シャフト131の高段側圧縮機構120側の端部には、シャフト131の回転中心に対して偏心した高段側偏心部131bが形成されている。
これらの低段側偏心部131aおよび高段側偏心部131bは、それぞれ低段側圧縮機構110および高段側圧縮機構120との連結部をなしており、低段側圧縮機構110および高段側圧縮機構120へ回転駆動力を伝達する機能を果たす。なお、低段側偏心部131aの偏心中心と高段側偏心部131bの偏心中心は、図4に示すようにシャフト131の軸方向から見たときに、シャフト131の回転中心に対して約180°ずれている。
また、本実施形態のシャフト131の内部には、潤滑用の冷凍機油を流通させる給油通路131dが形成されている。より具体的には、この給油通路131dでは、シャフト131のうち一方の端部である高段側圧縮機構120側の端部(高段側偏心部131b)の端面に形成された入口穴131eから、他方の端部である低段側圧縮機構110側の端部(低段側偏心部131a)の端面に形成された出口穴131fへ向けて冷凍機油が流れる。
さらに、給油通路131dには、給油通路131dの他の部位よりも冷凍機油の通路面積を縮小させた絞り部131gが設けられている。この絞り部131gは、冷凍機油が流通する際の通路抵抗を形成するもので、絞り部131gの下流側の冷凍機油の圧力を、絞り部131gの上流側の冷凍機油の圧力よりも低下させる機能を果たす。
次に、低段側圧縮機構110について説明する。低段側圧縮機構110は、低圧冷媒を中間圧冷媒となるまで圧縮して吐出するものである。この低段側圧縮機構110は、ケーシング140の第1筒状部材141aの内周側に配置されており、低段側シリンダ111、低段側ロータ112、低段側ベーン113等を有して構成されている。
低段側シリンダ111は、その軸方向が水平方向に延びる略筒状に形成されており、内周側に低段側ロータ112が収容される円柱状空間を形成するものである。低段側シリンダ111の電動モータ130側の開口部には、中心部に低段側軸受部134が固定された略円板状の低段側軸受プレート114が配置されている。
低段側軸受プレート114は、ケーシング140の第1筒状部材141aと第2筒状部材141bとの間に挟み込まれることによって、ケーシング140に固定されて、収容空間150のうち、低段側圧縮機構110が収容される空間と電動モータ130が収容される空間とを仕切るように配置されている。
そして、低段側圧縮機構110が収容される空間と電動モータ130が収容される空間は、低段側軸受プレート114の表裏を貫通するように設けられた連通孔114aを介して連通している。
一方、低段側シリンダ111の電動モータ130の反対側の開口部には、略円板状の低段側吐出プレート115が配置されている。この低段側吐出プレート115には、給油通路131dの出口穴131fに連通する中心穴115a、および低段側圧縮機構110にて昇圧された冷媒を収容空間150内に吐出する低段側冷媒吐出口115bが形成されている。
この低段側吐出プレート115の中心穴115aは、閉塞部材181によって閉塞されている。閉塞部材181は、給油通路131dから流出した冷凍機油を流入させて低段側圧縮機構110の低段側摺動部側へ流出させる低段側油空間(第2油空間)180を、収容空間150の内部に区画形成する第2区画部材を構成する。この低段側油空間180については後述する。
また、低段側冷媒吐出口115bは、ケーシング140内の収容空間150内に開口している。そして、低段側冷媒吐出口115bには、低段側圧縮機構110側から収容空間150側へ冷媒が流れることのみを許容する逆止弁として機能する低段側リード弁115cが取り付けられている。
低段側シリンダ111の内周側に収容される低段側ロータ112は、円筒状に形成されており、その中心部にシャフト131の軸方向に貫通して、シャフト131の低段側偏心部131aが挿入される挿入孔が設けられている。そして、この挿入孔に低段側偏心部131aが、低段側転がり軸受112aを介して回転可能に固定されることによって、シャフト131と低段側ロータ112が連結されている。
これにより、低段側ロータ112は、シャフト131の回転に伴って、その円筒外周面を低段側シリンダ111の内周面に接触させながら、円柱状空間内で偏心回転する。また、図4(a)に示すように、低段側シリンダ111の内周側には、径方向に陥没するように形成された切込穴が形成されており、この切込穴には、低段側スプリング116および低段側ベーン113が収容されている。
また、切込穴はケーシング140内の収容空間150と連通しており、低段側ベーン113の背面には中間圧が付加される。そのため、低段側ベーン113は、スプリング116の荷重と背圧によって、常時、低段側ロータ112の外周面に接触している。
従って、低段側シリンダ111と低段側ロータ112との接触部、低段側ベーン113と低段側ロータ112との接触部、低段側軸受プレート114および低段側吐出プレート115によって囲まれた空間により、冷媒を圧縮するための低段側圧縮空間117が形成される。
さらに、低段側シリンダ111の円筒状側面には、低段側圧縮空間117内に低圧冷媒を吸入させる低段側冷媒吸入口111aが形成されている。この低段側冷媒吸入口111aには、吸入通路を構成する吸入配管118を介して、前述の吸入ポート144が接続されている。
これにより、本実施形態の低段側圧縮機構110では、シャフト131の回転に伴って、低段側圧縮空間117が低段側冷媒吸入口111a側から低段側冷媒吐出口115b側へ体積を縮小させながら移動することによって冷媒が圧縮され、低段側圧縮空間117内の冷媒の圧力が低段側リード弁115cの開弁圧を超えると、低段側冷媒吐出口115bからケーシング140内の収容空間150内へ冷媒が吐出される。
低段側圧縮機構110は、上記の如く構成されているので、上述した低段側油空間180は、閉塞部材181、低段側吐出プレート115、低段側ロータ112の挿入孔の内周面、低段側軸受プレート114、低段側軸受部134、低段側転がり軸受112aの外表面、シャフト131の低段側偏心部131aの外表面等によって囲まれた空間として形成される。
さらに、シャフト131の低段側偏心部131aは、低段側油空間180内に露出して、給油通路131dの出口穴131fは、低段側油空間180内で開口している。また、低段側油空間180は、シャフト131と滑り軸受で構成された低段側軸受部134との間に形成される隙間、低段側ロータ112と低段側軸受プレート114との間に形成される隙間、および低段側ロータ112と低段側吐出プレート115との間に形成される隙間を介して、収容空間150に連通することになる。
次に、高段側圧縮機構120について説明する。高段側圧縮機構120は、ケーシング140の第1筒状部材141aの内周側に配置されており、収容空間150内の中間圧冷媒を高圧冷媒となるまで圧縮して吐出するもので、その基本的構成は、低段側圧縮機構110と同様である。
従って、高段側圧縮機構120も、図3、図4(b)に示すように、低段側圧縮機構110と同様の構成の高段側シリンダ121、高段側ロータ122、高段側ベーン123、高段側軸受プレート124、高段側吐出プレート125、高段側スプリング126等を有して構成されている。
より具体的には、高段側シリンダ121の電動モータ130側の開口部に配置される高段側軸受プレート124の中心部には、高段側軸受部135が固定されている。この高段側軸受プレート124は、ケーシング140の第2筒状部材141bと第3筒状部材141cとの間に挟み込まれることによって、ケーシング140に固定されている。
さらに、高段側軸受プレート124は、収容空間150のうち、電動モータ130が収容される空間と高段側圧縮機構120が収容される空間とを仕切るように配置されている。そして、電動モータ130が収容される空間と高段側圧縮機構120が収容される空間は、高段側軸受プレート124の表裏を貫通するように設けられた連通孔124aを介して連通している。
高段側シリンダ121の電動モータ130の反対側の開口部に配置される高段側吐出プレート125には、低段側吐出プレート115と同様の中心穴125aおよび高段側冷媒吐出口125bが形成されている。さらに、高圧側吐出プレート124の中心穴125aは、給油通路131dの入口穴131eに連通しているとともに、オイルケーシング160の有底筒状部材161の底面によって閉塞されている。
従って、有底筒状部材161は、貯油空間170に貯油された冷凍機油を流入させて、高段側圧縮機構120の高段側摺動部側へ流出させる高段側油空間(第1油空間)190を、収容空間150の内部に区画形成する第1区画部材としての機能を兼ね備える。この高段側油空間190については後述する。さらに、有底筒状部材161には、貯油空間170に貯められた冷凍機油を高段側油空間190へ導く油導入配管171が接続されている。
また、高段側冷媒吐出口125bは、有底筒状部材161の底面に形成された吐出通路128および貯油空間170を介して吐出ポート146に接続されている。さらに、高段側冷媒吐出口125bには、高段側圧縮機構120側から吐出通路128側へ冷媒が流れることのみを許容する逆止弁として機能する高段側リード弁125cが取り付けられている。
高段側シリンダ121の内周側に収容される高段側ロータ122の中心部に設けられた挿入孔には、シャフト131の高段側偏心部131bが、高段側転がり軸受122aを介して回転可能に固定されている。これにより、シャフト131と高段側ロータ122が連結されて、高段側ロータ122は、シャフト131の回転に伴って、その円筒外周面を高段側シリンダ121の内周面に接触させながら、円柱状空間内で偏心回転する。
従って、高段側圧縮機構120では、低段側圧縮機構110と全く同様に、高段側シリンダ121と高段側ロータ122との接触部、高段側ベーン123と高段側ロータ122との接触部、高段側軸受プレート124および高段側吐出プレート125によって囲まれた空間により、冷媒を圧縮するための高段側圧縮空間127が形成される。
なお、高段側シリンダ121および高段側ロータ122のシャフト131の軸方向寸法は、低段側シリンダ111および低段側ロータ112の軸方向寸法に対して短く形成されており、サイクルの成績係数(COP)が極大となる中間圧になるように、高段側圧縮機構120および低段側圧縮機構110の容量比が調整されている。
さらに、高段側シリンダ121の円筒状側面には、図4(b)に示すように、高段側圧縮空間127内に中間圧冷媒を吸入させる高段側冷媒吸入口121aが、収容空間150内に開口している。
従って、高段側圧縮機構120では、低段側圧縮機構110と同様に、シャフト131の回転に伴って、高段側圧縮空間127が高段側冷媒吸入口121a側から高段側冷媒吐出口125b側へ体積を縮小させながら移動することによって冷媒が圧縮され、冷媒の圧力が高段側リード弁125cの開弁圧を超えると、高段側冷媒吐出口125bから吐出通路128を介して貯油空間170内へ冷媒が吐出される。
高段側圧縮機構120は、上記の如く構成されているので、上述した高段側油空間190は、有底筒状部材161、高段側吐出プレート125、高段側ロータ122の挿入孔の内周面、高段側軸受プレート124、高段側軸受部135、高段側転がり軸受122aの外表面、シャフト131の高段側偏心部131bの外表面等によって囲まれた空間として形成される。
さらに、シャフト131の高段側偏心部131bは、高段側油空間190内に露出して、給油通路131dの入口穴131eは、高段側油空間190内で開口している。また、高段側油空間190は、シャフト131と滑り軸受で構成された高段側軸受部135との間に形成される隙間、高段側ロータ122と高段側軸受プレート124との間に形成される隙間、および高段側ロータ122と高段側吐出プレート125との間に形成される隙間を介して、収容空間150に連通することになる。
さらに、本実施形態では、シャフト131の軸方向から見たときに、高段側油空間190内に露出するシャフト131の高段側偏心部131b側の端部の占める面積は、低段側油空間180内に露出するシャフト131の低段側偏心部131a側の端部の占める面積よりも小さく形成されている。より具体的には、図3に示すように、高段側油空間190内に露出するシャフト131の直径φDbは、低段側油空間180内に露出するシャフト131の直径φDaよりも短く形成されている。
また、本実施形態のオイルケーシング160では、吐出通路128から吐出された高圧冷媒を高段側蓋部材162に衝突させて高圧冷媒の流速を低下させ、さらに、重力の作用によって気相冷媒よりも比重の高い冷凍機油を下方側に落下させて貯める、いわゆる衝突方式の油分離器を構成している。従って、吐出ポート146は、貯油空間170に溜まる冷凍機油の油面の上方側に形成されている。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。図示しない空調制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種空調制御機器(例えば、圧縮機100、送風機32等)の作動を制御する。
また、空調制御装置の入力側には、車室内温度を検出する内気センサ、外気温を検出する外気センサ、車室内の日射量を検出する日射センサ、室内蒸発器20からの吹出空気温度(蒸発器温度)を検出する蒸発器温度センサ等の種々の空調制御用のセンサ群が接続されている。
さらに、空調制御装置の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された図示しない操作パネルが接続され、この操作パネルに設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネルに設けられた各種空調操作スイッチとしては、具体的に、車両用空調装置1の作動スイッチ、車室内温度を設定する車室内温度設定スイッチ、冷房運転モードと暖房運転モードとの選択スイッチ等が設けられている。
次に、上記構成における本実施形態の車両用空調装置1の作動について説明する。まず、暖房運転モードについて説明する。
暖房運転モードは、車両用空調装置の作動スイッチが投入(ON)された状態で、選択スイッチによって暖房運転モードが選択されると開始される。暖房運転モードが開始されると、空調制御装置が冷媒流路切替手段を構成する第1、第2電気式膨張弁15a、15b、開閉弁17および電気式三方弁19の作動状態を切り替える。
具体的には、第1、第2電気式膨張弁15a、15bを絞り状態として、その絞り通路面積開度を予め定めた開度とし、開閉弁17を閉じ、電気式三方弁19を室外熱交換器18の出口側と第3三方継手13cの一方の冷媒流入口とを接続する冷媒流路に切り替える。これにより、図1の実線矢印に示すように冷媒が流れる。
この冷媒流路構成で、空調制御装置が上述の空調制御用のセンサ群の検出信号および操作パネルの操作信号を読み込む。そして、検出信号および操作信号の値に基づいて車室内へ吹き出す空気の目標温度である目標吹出温度TAOを算出する。さらに、算出された目標吹出温度TAOおよびセンサ群の検出信号に基づいて、空調制御装置の出力側に接続された各種空調制御機器の作動状態を決定する。
例えば、送風機32の目標送風量、すなわち送風機32の電動モータに出力する制御電圧については、目標吹出温度TAOに基づいて予め空調制御装置に記憶された制御マップを参照して、目標吹出温度TAOが高温時および低温時に中間温度時よりも高くなるように決定される。
また、圧縮機100の冷媒吐出能力、すなわち圧縮機100の電動モータ130に接続されたインバータに出力する制御信号については、目標吹出温度TAOに基づいて予め空調制御装置に記憶された制御マップを参照して、室内蒸発器20の目標蒸発器吹出温度TEOを決定する。そして、この目標蒸発器吹出温度TEOと室内蒸発器20からの吹出空気温度の検出値との偏差に基づいて、フィードバック制御手法を用いて室内蒸発器20からの吹出空気温度が目標蒸発器吹出温度TEOに近づくように決定される。
また、エアミックスドア34のサーボモータへ出力される制御信号については、目標吹出温度TAO、室内蒸発器20からの吹出空気温度の検出値および圧縮機100から吐出される冷媒温度の検出値を用いて、車室内へ吹き出される空気の温度が車室内温度設定スイッチによって設定された乗員の所望の温度となるように決定される。なお、暖房運転モードでは、送風機32から送風された送風空気の全風量が室内凝縮器12を通過するように、エアミックスドア34の開度を制御してもよい。
そして、上記の如く決定された制御電圧および制御信号を各種空調制御機器へ出力する。その後、操作パネルによって車両用空調装置の作動停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号および操作信号の読み込み→目標吹出温度TAOの算出→各種空調制御機器の作動状態決定→制御電圧および制御信号の出力といった制御ルーチンを繰り返す。
この際、ヒートポンプサイクル10では、圧縮機100の吐出ポート146から吐出された高圧冷媒が室内凝縮器12へ流入して放熱する。これにより、送風機32から送風されて室内蒸発器20を通過した送風空気が加熱される。室内凝縮器12から流出した冷媒は、開閉弁17が閉じられているので、第1電気式膨張弁15aへ流入して、中間圧冷媒となるまで減圧膨張される。
第1電気式膨張弁15aにて減圧膨張された中間圧冷媒は、水−冷媒熱交換器14の冷媒側流路14aへ流入して冷却水側流路14bを流れる冷却水と熱交換して加熱され、そのエンタルピを上昇させる。水−冷媒熱交換器14から流出した冷媒は、気液分離器16にて気液分離される。
そして、気液分離器16にて分離された気相冷媒は、圧縮機100の中間圧ポート145から圧縮機100の内部へ流入し、圧縮機100の内部で低段側圧縮機構110吐出冷媒と合流して、高段側圧縮機構120へ吸入されていく。 一方、液相冷媒は第2電気式膨張弁15bへ流入して、低圧冷媒となるまで減圧膨張される。
この際、第1、2電気式膨張弁15a、15bの絞り開度は、サイクルの成績係数(COP)を極大値に近づけるために、中間圧冷媒の圧力が高圧冷媒と低圧冷媒の圧力の積の平方根程度になるように調整されていることが望ましい。第2電気式膨張弁15bにて減圧膨張された低圧冷媒は、第2三方継手13bを介して、室外熱交換器18へ流入する。室外熱交換器18へ流入した低圧冷媒は、外気から吸熱して蒸発する。
室外熱交換器18から流出した冷媒は、電気式三方弁19が室外熱交換器18の出口側と第3三方継手13cの一方の冷媒流入口とを接続する冷媒流路に切り替えられているので、第3三方継手13cを介して、アキュムレータ21へ流入して気液分離される。そして、分離された気相冷媒が圧縮機100の吸入ポート144から吸入されて再び圧縮される。
以上の如く、本実施形態の車両用空調装置1では、暖房運転モード時に、室内凝縮器12にて圧縮機100の高段側圧縮機構120から吐出された冷媒の有する熱量を送風空気に放熱させて、加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の暖房を実現することができる。
この際、水−冷媒熱交換器14にて加熱された冷媒の気液を分離して、分離された液相冷媒については、室外熱交換器18にて蒸発させることで外気から吸熱させ、分離された気相冷媒については、中間圧ポート145から圧縮機100(具体的には、高段側圧縮機構120)へ吸入させている。
従って、低外気温時のように冷媒が室外熱交換器18にて外気から充分に吸熱できない運転条件であっても、水−冷媒熱交換器14にて加熱された冷媒によって送風空気を充分に加熱することができる。
次に、冷房運転モードについて説明する。冷房運転モードは、車両用空調装置の作動スイッチが投入(ON)された状態で、選択スイッチによって冷房運転モードが選択されると開始する。冷房運転モードが開始されると、空調制御装置が冷媒流路切替手段を構成する第1、第2電気式膨張弁15a、15b、開閉弁17および電気式三方弁19の作動状態を切り替える。
具体的には、第1、第2電気式膨張弁15a、15bを全閉状態とし、開閉弁17を開き、電気式三方弁19を室外熱交換器18の出口側と第3電気式膨張弁15cの入口側とを接続する冷媒流路に切り替え、さらに、第3電気式膨張弁15cを冷媒を減圧膨張させる絞り状態として、その絞り通路面積開度を予め定めた開度とする。これにより、図2の実線矢印に示すように冷媒が流れる。
この状態で、空調制御装置が、暖房運転モードと同様に、所定の制御周期毎に、検出信号および操作信号の読み込み→目標吹出温度TAOの算出→各種空調制御機器の作動状態決定→制御電圧および制御信号の出力といった制御ルーチンを車両用空調装置の作動停止が要求されるまで繰り返す。
この際、ヒートポンプサイクル10では、圧縮機100の吐出ポート146から吐出された高圧冷媒が室内凝縮器12へ流入して放熱する。これにより、送風機32から送風されて室内蒸発器20にて冷却された冷風のうち、室内凝縮器12を通過する冷風が加熱される。
室内凝縮器12から流出した高圧冷媒は、第1、2電気式膨張弁15a、15bが全閉状態になっているとともに開閉弁17が開いているので、第1三方継手13a→開閉弁17→第2三方継手13bの順に流れて、室外熱交換器18へ流入する。室外熱交換器18へ流入した冷媒は外気と熱交換してさらに冷却されて、そのエンタルピを低下させる。
室外熱交換器18から流出した冷媒は、電気式三方弁19が、室外熱交換器18の出口側と第3電気式膨張弁15cの入口側とを接続する冷媒流路に切り替えられているとともに第3電気式膨張弁15cが絞り状態となっているので、第3電気式膨張弁15cにて低圧冷媒となるまで減圧膨張される。
第3電気式膨張弁15cにて減圧膨張された低圧冷媒は、室内蒸発器20へ流入して送風機32から送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却される。室内蒸発器20から流出した冷媒は、第3三方継手13cを介してアキュムレータ21へ流入して気液分離される。そして、分離された気相冷媒が圧縮機100の吸入ポート144から吸入されて再び圧縮される。
以上の如く、本実施形態の車両用空調装置1では、冷房運転モード時に、室内蒸発器20にて送風空気を冷却するとともに、エアミックスドア34の開度を調整することによって、室内蒸発器20にて冷却された冷風を室内凝縮器12にて再加熱して、乗員の所望の温度となった空調風を車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の冷房を実現することができる。
次に、本実施形態の圧縮機100の作動を説明する。圧縮機100の基本的作動は暖房運転モードおよび冷房運転モードのいずれの運転モードにおいても同様である。具体的には、空調制御装置の制御信号に応じてインバータから出力される駆動電流が供給されると、ロータ133およびシャフト131が一体となって回転する。
このシャフト131の回転に伴って、低段側圧縮機構110の低段側ロータ112が低段側シリンダ111内の円柱状空間を偏心回転し、高段側圧縮機構120の高段側ロータ122が高段側シリンダ121内の円柱状空間を偏心回転する。これにより、吸入ポート144から低段側圧縮空間117へ吸入された低圧冷媒が、中間圧冷媒となるまで昇圧されて、収容空間150内へ吐出される。
低段側圧縮機構110から吐出された中間圧冷媒は、暖房運転モード時には中間圧ポート145から収容空間150内へ流入した気液分離器16にて分離された中間圧の気相冷媒と合流して、高段側圧縮機構120の高段側圧縮空間127へ吸入される。また、冷房運転モード時には、中間圧ポート145から冷媒が流入しないので、低段側圧縮機構110から吐出された中間圧冷媒は、そのまま高段側圧縮空間127へ吸入される。
高段側圧縮機構120へ吸入された中間圧冷媒は、高圧冷媒となるまで昇圧されて、吐出通路128を介して貯油空間170内へ流入する。貯油空間170では、高圧冷媒に混入している冷凍機油が分離されて下方側に貯留される。冷凍機油が分離された高圧冷媒は、吐出ポート146から吐出される。
一方、貯油空間170に貯留された冷凍機油は、高圧冷媒の圧力の作用によって油導入配管171を介して、高段側油空間190へ流入する。従って、高段側油空間190に流入した冷凍機油には、高圧冷媒の圧力が作用する。
そして、この高圧冷媒の圧力の作用によって、高段側油空間190内の冷凍機油は、高段側圧縮機構120の摺動部(具体的には、高段側シリンダ121、高段側ロータ122、高段側ベーン123、高段側軸受プレート124および高段側吐出プレート125の摺動部)、高段側転がり軸受122a、並びに、高段側軸受部135といった高段側摺動部へ供給されるとともに、給油通路131dへ流入する。
これにより、高段側圧縮機構120の高段側摺動部、高段側転がり軸受122a、および高段側軸受部135の潤滑がなされる。
さらに、給油通路131dに流入した冷凍機油は、絞り部131gを通過する際の通路抵抗によって、圧力低下した状態で低段側油空間180へ流入する。なお、本実施形態の絞り部131gは、低段側油空間180内の冷凍機油の圧力が高圧冷媒の圧力よりも低く、かつ、中間圧冷媒の圧力よりも高くなるように設定されている。
そして、高圧冷媒の圧力よりも圧力低下した低段側油空間180内の冷凍機油は、低段側圧縮機構110の摺動部(具体的には、低段側シリンダ111、低段側ロータ112、低段側ベーン113、低段側軸受プレート114および低段側吐出プレート115の摺動部)、低段側転がり軸受112a、並びに、低段側軸受部134といった低段側摺動部へ供給される。
これにより、低段側圧縮機構110の低段側摺動部、低段側転がり軸受112a、および低段側軸受部134の潤滑がなされる。
本実施形態の圧縮機100は、以上の如く作動するので、以下のような優れた効果を得ることができる。
まず、貯油空間170内に高圧冷媒を流通させて、貯油空間170に貯留された冷凍機油に高圧冷媒の圧力を作用させることができるので、冷凍機油を高段側油空間190に流入させて、高段側摺動部および給油通路131dに確実に供給することができる。さらに、給油通路131dを介して低段側油空間180に流入した冷凍機油を確実に低段側摺動部に供給することができる。
従って、高段側摺動部および低段側摺動部に確実に冷凍機油を供給することができ、圧縮機100全体としての信頼性を向上させることができる。さらに、給油通路131dに絞り部131gが設けられているので、高段側油空間190内の冷凍機油の圧力に対して、低段側油空間180内の冷凍機油の圧力を低下させることができる。
そして、シャフト131の軸方向から見たときに、高段側油空間190に露出するシャフト131の一方の端部の占める面積が、低段側油空間180に露出するシャフト131の他方の端部が占める面積よりも小さくなっているので、高段側油空間190内の冷凍機油からシャフト131が受ける軸方向の力と低段側油空間180内の冷凍機油からシャフト131が受ける軸方向の力とを同等の力とすることができる。
つまり、高段側油空間190に露出するシャフト131の一方の端部の占める面積は、πφDb2/4で表され、低段側油空間180に露出するシャフト131の他方の端部が占める面積は、πφDa2/4で表される。そして、高圧冷媒の圧力をPd1とすると、高段側油空間190内の冷凍機油の圧力もPd1となる。さらに、絞り部131gの作用によって減圧された低段側油空間180内の冷凍機油の圧力をPd2と表す。
この際、絞り部131gの通路抵抗を、以下数式F1に示す関係を満たすように設定すれば、高段側油空間190内の冷凍機油からシャフト131が受ける軸方向の力と低段側油空間180内の冷凍機油からシャフト131が受ける軸方向の力とを同等の力とすることができる。
Pd1×πφDb2/4=Pd2×πφDa2/4…(F1)
その結果、シャフト131が冷凍機油の圧力の作用によって受ける軸方向の力(スラスト荷重)の発生を抑制することができ、低段側圧縮機構110および高段側圧縮機構120の摺動損失が増加してしまうことを抑制できる。
さらに、本実施形態のオイルケーシング160は、ケーシング140のうちシャフト131の高段側圧縮機構120側の端部に一体的に構成されているので、二段昇圧式圧縮機全体としての小型化を図ることもできる。
さらに、オイルケーシング160を高段側圧縮機構120側の端部に一体的に構成することで、給油通路131dの入口穴131eが開口する高段側油空間190とオイルケーシング160を近づけることができる。従って、油導入配管171を短縮化して、貯油空間170内の冷凍機油を容易に高段側油空間190へ導くことができる。
さらに、本実施形態では、低段側軸受部134および高段側軸受部135として滑り軸受を採用しているので、シャフト131と低段側軸受部134との間に形成される隙間を介して、シャフト131と低段側軸受部134との摺動部に低段側油空間180内の冷凍機油を確実に供給することができる。さらに、冷凍機油がこの隙間を流通する際に流通抵抗が生じるので、摺動部に不必要に多量の冷凍機油が供給されてしまうことも抑制できる。
同様に、シャフト131と高段側軸受部135との間に形成される隙間を介して、シャフト131と高段側軸受部135との摺動部に高段側油空間190内の冷凍機油を確実に供給することができる。さらに、この摺動部に不必要に多量の冷凍機油が供給されてしまうことも抑制できる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図5の軸方向断面図に示すようにシャフト131の給油通路131dに設けられる絞り部131gを廃止している。これにより、本実施形態では、冷凍機油が給油通路131dを流通する際の通路抵抗を殆ど発生させないようにしている。
さらに、本実施形態では、シャフト131の軸方向から見たときに、高段側偏心部131bの面積は、低段側偏心部131aの面積と同等に形成されている。より具体的には、高段側偏心部131bの直径φDbは、低段側偏心部131aの直径φDaと同等の寸法に形成されている。
従って、シャフト131の軸方向から見たときに、高段側油空間190内に露出するシャフト131の高段側偏心部131bの端面が占める面積は、低段側油空間180内に露出するシャフト131の低段側偏心部131aの端面が占める面積と同等となっている。その他の圧縮機100および車両用空調装置1の構成、並びに、車両用空調装置1の作動は第1実施形態と同様である。
次に、本実施形態の圧縮機100の作動について説明すると、冷媒については、第1実施形態と同様に吸入され、圧縮されて吐出される。また、冷凍機油についても、第1実施形態と同様に貯油空間170から、油導入配管171を介して高段側油空間190へ流入し、高段側摺動部へ供給されるとともに、給油通路131dへ流入する。
ここで、本実施形態では、給油通路131dの絞り部131gが廃止されているので、給油通路131dへ流入した冷凍機油は、圧力を低下させることなく低段側油空間180へ流入し、低段側摺動部へ供給される。その他の圧縮機100の作動は第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態の圧縮機100では、第1実施形態と同様に、高段側摺動部および低段側摺動部に確実に冷凍機油を供給することができ、二段昇圧式圧縮機の信頼性を向上させることができる。
さらに、シャフト131の軸方向から見たときに、高段側油空間190に露出するシャフト131の一方の端部の占める面積が、低段側油空間180に露出するシャフト131の他方の端部が占める面積と同等となっているので、高段側油空間190内の冷凍機油からシャフト131が受ける軸方向の力と低段側油空間180内の冷凍機油からシャフト131が受ける軸方向の力とを同等の力とすることができる。
つまり、本実施形態では、上述の数式F1において、高段側油空間190内の冷凍機油の圧力Pd1が低段側油空間180内の冷凍機油の圧力Pd2と同等となり、φDaとφDbが等しいので、高段側油空間190に露出するシャフト131の一方の端部の占める面積πφDb2/4が低段側油空間180に露出するシャフト131の他方の端部が占める面積πφDa2/4と同等となる。
その結果、シャフト131が冷凍機油の圧力の作用によって受ける軸方向の力(スラスト荷重)の発生を抑制することができ、低段側圧縮機構110および高段側圧縮機構120の摺動損失が増加してしまうことを抑制できる。
(第3、第4実施形態)
第3実施形態では、図6の軸方向断面図に示すように、第1実施形態の圧縮機100を、シャフト131が車両搭載状態において略垂直方向に延びた、いわゆる縦置きタイプとして構成している。また、第4実施形態では、図7の軸方向断面図に示すように、第2実施形態の圧縮機100を、縦置きタイプとして構成している。
より具体的には、本実施形態では、高段側圧縮機構120を低段側圧縮機構110に対して下方側に配置するとともに、オイルケーシング160を高段側圧縮機構120に対して下方側に配置している。このような構成としても、第1実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、低段側圧縮機構110および高段側圧縮機構120として、ローリングピストン型の圧縮機構を採用した例を説明したが、スクロール型の圧縮機構、ベーン型の圧縮機構、ヘリカル式の圧縮機構等を採用してもよい。さらに、低段側圧縮機構110および高段側圧縮機構120を異なる形式の固定容量型圧縮機構としてもよい。
(2)上述の実施形態では、圧縮機100に中間圧ポート145を設けた例を説明したが、この中間圧ポート145は必ずしも設ける必要はない。中間圧ポート145を設けない場合は、圧縮機100は、第1実施形態の冷房運転モードと同様に作動する。
(3)上述の実施形態では、本発明の圧縮機100を車両用空調装置用のヒートポンプサイクルに適用した例を説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、据置型空調装置、冷温保存庫、自動販売機用冷却加熱装置等に適用してもよい。また、冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)に限定されず、本発明の圧縮機100は、種々の流体を圧縮する圧縮機として広く適用可能である。
(4)上述の実施形態では、ケーシング140とオイルケーシング160とを一体的に構成した例を説明したが、もちろんケーシング140とオイルケーシング160とを別体に構成してもよい。この場合は、有底筒状部材161に代えて高圧側油空間190を区画形成する第1区画部材を設け、この第1区画部材に油導入配管171を接続してもよい。さらに、オイルケーシング160は、衝突方式の油分離器を構成するものに限定されず遠心分離方式の油分離器を構成するものを採用してもよい。
(5)上述の実施形態では、貯油空間170に貯留された冷凍機油を、まず高段側油空間190へ流入させ、次に給油通路131dを介して低段側油空間180へ流入させる構成を採用しているが、逆に、貯油空間170に貯留された冷凍機油を、まず低段側油空間180へ流入させ、次に給油通路131dを介して高段側油空間190へ流入させる構成を採用してもよい。
(6)上述の実施形態では、低段側軸受部134および高段側軸受部135を滑り軸受にて構成した例を採用したが、低段側軸受部134および高段側軸受部135はこれに限定されない。例えば、低段側軸受部134および高段側軸受部135として転がり軸受を採用し、さらに、低段側油空間180あるいは高段側油空間190から収容空間150へ流れる冷凍機油に通路抵抗を生じさせるためのシール力の低いリップシールなどを設けてもよい。
110 低段側圧縮機構
120 高段側圧縮機構
130 電動モータ
131 シャフト
131d 給油通路
131g 絞り部
140 ケーシング
150 収容空間
160 オイルケーシング
161 有底筒状部材(第1区画部材)
170 貯油空間
180 低段側油空間(第2油空間)
181 閉塞部材(第2区画部材)
190 高段側油空間(第1油空間)

Claims (5)

  1. 低圧流体を中間圧流体となるまで圧縮して吐出する低段側圧縮機構(110)と、
    前記低段側圧縮機構(110)から吐出された中間圧流体を高圧流体となるまで圧縮して吐出する高段側圧縮機構(120)と、
    前記低段側圧縮機構(110)および前記高段側圧縮機構(120)に回転駆動力を伝達する駆動軸(131)を有する電動モータ(130)と、
    前記低段側圧縮機構(110)、前記高段側圧縮機構(120)および前記電動モータ(130)を収容する収容空間(150)を形成するケーシング(140)と、
    前記低段側圧縮機構(110)の低段側摺動部および前記高段側圧縮機構(120)の高段側摺動部を潤滑するオイルが貯留される貯油空間(170)を形成するオイルケーシング(160)とを備える二段昇圧式圧縮機であって、
    前記駆動軸(131)の両端部には、それぞれ前記高段側圧縮機構(120)および前記低段側圧縮機構(110)が連結され、
    前記駆動軸(131)の内部には、前記駆動軸(131)の一方の端部側から他方の端部側へ向けて前記オイルを流通させる給油通路(131d)が形成され、
    前記貯油空間(170)には、前記高段側圧縮機構(120)から吐出された高圧流体が流通し、
    さらに、前記貯油空間(170)、並びに、前記高段側摺動部および低段側摺動部のうち一方に連通する空間であって、前記オイルを前記給油通路(131d)に流入させる第1油空間(190)を区画形成する第1区画部材(161)と、
    前記高段側摺動部および低段側摺動部のうち他方に連通する空間であって、前記給油通路(131d)から流出したオイルが流入する第2油空間(180)を区画形成する第2区画部材(181)とを備え、
    前記駆動軸(131)の軸方向から見たときに、前記第1油空間(190)内に露出する前記駆動軸(131)の一方の端部の占める面積は、前記第2油空間(180)内に露出する前記駆動軸(131)の他方の端部が占める面積よりも小さく、
    前記給油通路(131d)には、前記給油通路(131d)の他の部位よりも通路面積を縮小させた絞り部(131g)が設けられていることを特徴とする二段昇圧式圧縮機。
  2. 低圧流体を中間圧流体となるまで圧縮して吐出する低段側圧縮機構(110)と、
    前記低段側圧縮機構(110)から吐出された中間圧流体を高圧流体となるまで圧縮して吐出する高段側圧縮機構(120)と、
    前記低段側圧縮機構(110)および前記高段側圧縮機構(120)に回転駆動力を伝達する駆動軸(131)を有する電動モータ(130)と、
    前記低段側圧縮機構(110)、前記高段側圧縮機構(120)および前記電動モータ(130)を収容する収容空間(150)を形成するケーシング(140)と、
    前記低段側圧縮機構(110)の低段側摺動部および前記高段側圧縮機構(120)の高段側摺動部を潤滑するオイルが貯留される貯油空間(170)を形成するオイルケーシング(160)とを備える二段昇圧式圧縮機であって、
    前記駆動軸(131)の両端部には、それぞれ前記高段側圧縮機構(120)および前記低段側圧縮機構(110)が連結され、
    前記駆動軸(131)の内部には、前記駆動軸(131)の一方の端部側から他方の端部側へ向けて前記オイルを流通させる給油通路(131d)が形成され、
    前記貯油空間(170)には、前記高段側圧縮機構(120)から吐出された高圧流体が流通し、
    さらに、前記貯油空間(170)、並びに、前記高段側摺動部および低段側摺動部のうち一方に連通する空間であって、前記オイルを前記給油通路(131d)に流入させる第1油空間(190)を区画形成する第1区画部材(161)と、
    前記高段側摺動部および低段側摺動部のうち他方に連通する空間であって、前記給油通路(131d)から流出したオイルが流入する第2油空間(180)を区画形成する第2区画部材(181)とを備え、
    前記駆動軸(131)の軸方向から見たときに、前記第1油空間(190)内に露出する前記駆動軸(131)の一方の端部の占める面積は、前記第2油空間(180)内に露出する前記駆動軸(131)の他方の端部が占める面積と同等であることを特徴とする二段昇圧式圧縮機。
  3. 前記オイルケーシング(160)は、前記ケーシング(140)のうち前記駆動軸(131)の一方の端部側に一体的に構成されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の二段昇圧式圧縮機。
  4. 前記駆動軸(131)の一方の端部には、前記高段側圧縮機構(120)が連結され、
    前記駆動軸(131)の他方の端部には、前記低段側圧縮機構(110)が連結され、
    前記第1油空間(190)に流入したオイルは、前記高段側摺動部側へ流出し、
    前記第2油空間(180)に流入したオイルは、前記低段側摺動部側へ流出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の二段昇圧式圧縮機。
  5. 前記駆動軸(131)は、滑り軸受(134、135)によって前記ケーシング(140)に対して回転可能に支持されており、
    前記第1油空間(190)および前記第2油空間(180)は、前記駆動軸(131)と滑り軸受(134、135)との間に形成される隙間を介して、前記収容空間(150)に連通していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の二段昇圧式圧縮機。
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WO2020150797A1 (pt) * 2019-01-24 2020-07-30 Carballada Manuel Exposito Motor de combustão

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